JP2019007449A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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隆義 小島
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Abstract

【課題】低排気温下での窒素酸化物の浄化能力を向上することのできる内燃機関の排気浄化システムを提供する。
【解決手段】排気通路16における尿素添加弁19の排気下流側に、尿素水が衝突して飛散する尿素水衝突面を有し、且つ同尿素水衝突面を加熱する電熱線27が設けられた分散装置23を設置するとともに、排気通路16における選択触媒還元装置20の排気上流側に、排気と接触する排気接触面を有し、且つ同排気接触面を加熱する金属担体30とが設けられた昇温装置29を設置する。そして、尿素水のライデンフロスト温度以上となるまで尿素水衝突面の温度が加熱され、尿素水のライデンフロスト温度未満の範囲で排気接触面の温度が加熱されるように、電熱線27及び金属担体30のそれぞれに電力を供給するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、排気中に添加した尿素水由来の還元剤を用いた選択触媒還元により排気中の窒素酸化物を浄化する内燃機関の排気浄化システムに関する。
上記のような内燃機関の排気浄化システムとして、特許文献1には、上記選択触媒還元による窒素酸化物(NOx)浄化を行う選択触媒還元装置を加熱するための電熱装置を備え、その電熱装置による加熱により、内燃機関の冷間始動時に選択触媒還元装置を早期に活性化させるものが記載されている。
特開2013−194702号公報
ところで、低排気温下では、排気中での尿素水の蒸発が抑えられるため、添加した尿素水の多くが液体のまま、選択触媒還元装置に到達することがある。こうした場合、尿素水が選択触媒還元装置をすり抜けて、尿素やアンモニアの大気放出を招く虞がある。また、ビウレット、シアヌル酸、アンメリン、メラミン等を成分とする、尿素由来のデポジットが、選択触媒還元装置内で生成されて堆積する虞もある。そのため、低排気温下では、排気中に多量の尿素水を添加することができず、選択触媒還元装置が活性化していても、還元剤の不足のため、浄化可能なNOxの量が限られてしまう。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、低排気温下での窒素酸化物の浄化能力を向上することのできる内燃機関の排気浄化システムを提供することにある。
上記課題を解決する内燃機関の排気浄化システムは、下記のように構成された尿素添加弁、分散装置、昇温装置、選択触媒還元装置、及び電力供給装置を備える。尿素添加弁は、内燃機関の排気通路に設置されて排気中に尿素水を添加する。分散装置は、尿素添加弁が添加した尿素水が衝突する面である尿素水衝突面と、電力を受けて尿素水衝突面を加熱する電熱体である第1電熱体とを有した装置であり、排気通路における尿素添加弁よりも排気下流側の部分に設置されている。昇温装置は、排気が接触する面である排気接触面と、電力を受けて排気接触面を加熱する電熱体である第2電熱体と、を有した装置であり、排気通路における分散装置よりも排気下流側の部分に設置されている。選択触媒還元装置は、尿素水が熱分解して生成されたアンモニアを還元剤とした選択触媒還元により排気中の窒素酸化物を浄化する装置であり、排気通路における昇温装置よりも排気下流側の部分に設置されている。さらに、電力供給装置は、第1電熱体に供給する電力を、尿素水衝突面の温度が同尿素水衝突面における尿素水のライデンフロスト温度以上となる電力とするとともに、第2電熱体に供給する電力を、排気接触面の温度が同排気接触面における尿素水のライデンフロスト温度未満となる電力として、第1電熱体及び第2電熱体のそれぞれに電力を供給する装置である。
なお、上記尿素水のライデンフロスト温度は、次の温度を指している。高温の固体表面に液滴を垂らしたとき、液滴と固体表面との間に蒸気の膜が形成されて、液滴と固体表面とが直接接触しない状態となる、いわゆるライデンフロスト現象が発生することがある。上記尿素水のライデンフロスト温度は、対象とする固体表面における尿素水の液滴に対してのライデンフロスト現象の開始温度を表している。より詳しくは、対象とする固体表面に尿素水の液滴がライデンフロスト現象を伴わずに付着している状態から同固体表面の温度を高くしていった場合に、同固体表面において尿素水の液滴のライデンフロスト現象が始まったときの同固体表面の温度が、その固体表面における尿素水のライデンフロスト温度である。なお、ライデンフロスト温度は、固体表面の面性状によって変わるため、尿素水衝突面と排気接触面とでは、尿素水のライデンフロスト温度が異なった温度となることがある。
ここで、排気通路における尿素添加弁と選択触媒還元装置との間の部分に、上記のような分散装置及び昇温装置が設けられていない内燃機関の排気浄化システムを考える。こうした排気浄化システムでは、低排気温下では尿素水の熱分解が進み難いことから、還元剤となるアンモニアが不足して、選択触媒還元装置で浄化可能な窒素酸化物の量が少なくなる。
こうした低排気温下での還元剤の供給不足は、上記のような昇温装置を設けることで抑制できる。上記のように構成された昇温装置は、第2電熱体の加熱により高温となった排気接触面との接触、或いは同排気接触面からの放熱により、液体のまま昇温装置に到達した尿素水の熱分解を促進して、低排気温下での選択触媒還元装置への還元剤の供給不足を抑制する。
ただし、こうした昇温装置を設置しただけでは、次の問題が生じる虞がある。すなわち、低排気温下では、排気中での尿素水の気化が進み難いため、尿素添加弁が添加した尿素水の液滴があまり微粒化されぬまま、昇温装置に到達することがある。昇温装置の排気接触面に大粒の尿素水の液滴が付着すると、その液滴が蒸発し切るまでに時間がかかり、その間に尿素由来のデポジットが生成されることがある。そのため、こうした場合には、低排気温下において、昇温装置の排気接触面へのデポジットの堆積が進み、昇温装置を通過する排気の流れが阻害される虞がある。
こうした排気接触面のデポジットの堆積は、排気通路における尿素水添加弁と昇温装置との間の部分に、尿素水添加弁が添加した尿素水が衝突する尿素水衝突面を有した分散装置を設けることで抑制できる。こうした分散装置は、尿素水衝突面への衝突による尿素水の飛散により、排気への尿素水の分散を促進する。これにより、昇温装置に到達する尿素水の液滴が微粒化して、排気接触面に付着した液滴がより短い時間で蒸発するようになることから、同排気接触面のデポジットの堆積が抑制される。しかしながら、そうした場合、今度は分散装置の尿素水衝突面へのデポジットの堆積が問題となる。
これに対して、上記排気浄化システムにおける分散装置は、電力を受けて発熱して尿素水衝突面を加熱する電熱体である第1電熱体を備えている。そして、上記排気浄化システムにおける電力供給装置は、この第1電熱体に対して、尿素水衝突面の温度が、同尿素水衝突面における尿素水のライデンフロスト温度以上となる電力を供給している。こうしてライデンフロスト温度以上の温度に加熱された尿素水衝突面では、ライデンフロスト現象により、付着した尿素水の液滴が弾かれ易くなる。そのため、尿素水衝突面への尿素水の液滴の滞留時間を短縮することが、ひいては同尿素水衝突面へのデポジットの堆積が抑えられる。
なお、尿素水衝突面と同様に、昇温装置の排気接触面もライデンフロスト温度以上の温度に加熱すれば、排気接触面での尿素水の加熱時間も短くなり、尿素水の熱分解を十分に行うことができなくなる。そのため、上記排気浄化システムにおける電力供給装置は、第2電熱体に対しては、排気接触面の温度が、同排気接触面における尿素水のライデンフロスト温度未満となる電力を供給している。
以上のように、上記内燃機関の排気浄化システムは、デポジットの堆積への対策を講じた上で、低排気温下での尿素水の熱分解を促進するものとなっている。したがって、上記内燃機関の排気浄化装置によれば、デポジットの堆積を抑えて好適に、低排気温下での低排気温下での窒素酸化物の浄化能力を向上することができる。
内燃機関の排気浄化システムの第1実施形態の構成を模式的に示す略図。 同実施形態の排気浄化システムの構成部材である分散装置を排気上流側から見た平面図。 同実施形態の排気浄化システムの構成部材である昇温装置の側部断面図。 同実施形態の排気浄化システムにおいて電子制御ユニットが実行する電力制御の制御ブロック図。 同実施形態の排気浄化システムにおける分散装置の尿素水接触面での尿素水の液滴の状態を示す略図。 内燃機関の排気浄化システムの第2実施形態の構成を模式的に示す略図。 定常状態で加熱を行ったときの尿素水衝突面及び排気接触面の温度の推移を示すグラフ。
(第1実施形態)
以下、内燃機関の排気浄化システムの第1実施形態を、図1〜図5を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の排気浄化システムが適用された内燃機関10は、往復動可能にピストン11を収容した気筒12を備える。気筒12におけるピストン11よりも上側の部分には燃焼室13が形成されている。また、気筒12の上部には、燃焼室13内に燃料を噴射する燃料噴射弁14が設置されている。
燃焼室13は、同燃焼室13に導入する吸気が流れる吸気通路15と、同燃焼室13内での燃焼により生じた排気が流れる排気通路16と、が接続されている。そして、内燃機関10における燃焼室13よりも上側の部分には、吸気通路15に対して燃焼室13を開閉する吸気バルブ17と、排気通路16に対して同燃焼室13を開閉する排気バルブ18と、が設置されている。
本実施形態の排気浄化システムは、こうした内燃機関10において、排気中に尿素水を添加し、その尿素水の熱分解により生成されたアンモニアを還元剤に用いた選択触媒還元(Selective Catalytic Reduction)により、排気中の窒素酸化物(NOx)を水と窒素に還元して浄化するものとなっている。以下、こうした本実施形態にかかる、内燃機関10の排気浄化システムの構成を説明する。
排気浄化システムは、排気通路16の内部への尿素水の噴射により、排気中に尿素水を添加する尿素添加弁19と、上記NOxの選択触媒還元を促進する触媒(以下、SCR触媒と記載する)が担持された触媒装置である選択触媒還元装置20と、を備えている。尿素添加弁19には、尿素ポンプ21により、尿素水タンク22に貯留された尿素水が供給されている。
排気通路16における尿素添加弁19よりも排気下流側、且つ選択触媒還元装置20よりも排気上流側の部分には、尿素添加弁19が添加した尿素水を排気中に分散させる分散装置23が設置されている。また、排気通路16における分散装置23よりも排気下流側、且つ選択触媒還元装置20よりも排気上流側の部分には、選択触媒還元装置20に流入する排気を昇温する昇温装置29が設置されている。
(分散装置の構成)
図2に、排気上流側から見た分散装置23の平面構造を示す。排気通路16における分散装置23が設置される部分は、円管形状となっており、分散装置23は、そうした円管形状をなした排気通路16の内部に設置される略円板形状の分散板24を備えている。分散板24には、外径が排気通路16の内径と等しい円環状のフレーム部25が形成されている。そして分散板24は、そのフレーム部25の外縁部分にて排気通路16の内壁面に固定されている。フレーム部25の排気下流側の面には、同フレーム部25を周回するように電熱線27が設置されている。電熱線27の両端は、分散装置23の排気通路16への設置時に、同排気通路16の外部に突出すコネクタ27Aに接続されている。
また、分散板24におけるフレーム部25の径方向内側の部分には、複数枚(同図では8枚)のフィン28が形成されている。各フィン28は、分散板24の設置位置における排気通路16の中心軸回りに一定の角度間隔で放射状に配置されている。各フィン28は、分散板24の設置位置における排気通路16の中心軸から見たとき、分散板24の設置位置における排気通路16の中心軸に直交する平面に対して一定の角度で傾いた状態で配置されている。また、隣り合う2枚の各フィン28の間には隙間が設けられており、排気通路16における分散板24が設置された部分では、そうしたフィン28間の隙間の部分を通って排気が流れるようになっている。
排気通路16において分散板24は、尿素添加弁19が噴射した尿素水がその排気上流側の表面に衝突する位置に設置されている。そのため、尿素添加弁19が噴射した尿素水は、分散板24の排気上流側の表面に衝突して周囲に飛散するようになる。本実施形態では、こうした分散板24の排気上流側の表面が、尿素添加弁19が添加した尿素水が衝突する面である尿素水衝突面に対応している。
なお、こうした分散板24が設置された排気通路16では、フィン28の間の部分を通過する際に排気の流れの方向が、排気通路16の中心軸を中心とした周回方向に指向される。そしてその結果、排気通路16における分散板24の排気下流側に、旋回する排気の流れが形成される。
こうした分散板24を備える分散装置23は、分散板24に衝突した尿素水の飛散、並びに分散板24が形成する旋回流による排気の撹拌を通じて、尿素添加弁19が添加した尿素水の排気への分散を促進する。また、分散装置23に設けられた電熱線27は、コネクタ27Aを通じた外部からの電力供給に応じた通電により発熱して、上記尿素水衝突面を有した分散板24を加熱する。本実施形態では、こうした電熱線27が、電力を受けて上記尿素水衝突面を加熱する電熱体である第1電熱体に対応している。
(昇温装置の構成)
図3に、昇温装置29が設置された部分の排気通路16の側部断面構造を示す。昇温装置29は、外径が排気通路16の内径と同じ径の円筒形の金属担体30を備えている。金属担体30は、排気通路16への設置時の排気流れ方向において同金属担体30を貫通する多数の細孔31が形成されたハニカム構造をなしている。各細孔31の内壁には、尿素の分解により生成されたイソシアン酸の加水分解反応を促進する加水分解触媒や、アンモニアを還元剤としたNOxの選択触媒還元を促進する選択型還元触媒などの触媒が担持されている。金属担体30には、排気通路16への設置時に排気通路16の外部に突出すコネクタ30Aが接続されている。
排気通路16における昇温装置29が設置された部分では、金属担体30の細孔31を通って排気が流れる。本実施形態では、こうした金属担体30の細孔31の内壁面が、排気と接触する面である排気接触面に対応している。なお、金属担体30は、コネクタ30Aを通じた外部からの電力供給に応じた通電により発熱して、これにより、自身の一部である細孔31の内壁面が加熱されることになる。本実施形態では、こうした金属担体30が、電力を受けて上記排気接触面を加熱する電熱体である第2電熱体に対応している。
上記のように構成された昇温装置29では、内燃機関10の冷間始動時に、外部からの電力供給に応じた金属担体30の発熱により、同金属担体30に担持した上記触媒を早期に活性とすることができる。さらに、昇温装置29は、金属担体30の発熱により、細孔31を通過する排気中の尿素水を加熱して、同尿素水の熱分解を促進することで、低排気温下での選択触媒還元装置20へのアンモニアの供給量を増加させる。
なお、図1に示すように、分散装置23の電熱線27、及び昇温装置29の金属担体30には、バッテリや発電機(オルタネータやモータジェネレータ等)などの車載電源35から電力調整回路36を介して電力供給が行われる。電力調整回路36が電熱線27及び金属担体30に供給する電力は、電子制御ユニット37の制御により調整されている。電子制御ユニット37は、排気浄化システム全般の制御を行っており、その一環として、上記のような電力制御を行っている。本実施形態の排気浄化システムでは、上記車載電源35、電力調整回路36、及び電子制御ユニット37により、第1電熱体としての電熱線27、及び第2電熱体としての金属担体30のそれぞれに電力を供給する電力供給装置が構成されている。
電子制御ユニット37には、入ガス温度センサ32、NOxセンサ33、及び出ガス温度センサ34の検出信号が入力されている。入ガス温度センサ32は、排気通路16における尿素添加弁19よりも排気上流側の部分を流れる排気の温度を検出し、出ガス温度センサ34は、排気通路16における選択触媒還元装置20よりも排気下流側の部分を流れる排気の温度を検出する。また、NOxセンサ33は、排気通路16における尿素添加弁19よりも排気上流側の部分を流れる排気のNOxの濃度(以下、NOx濃度Cnox)を検出する。また、電子制御ユニット37には、吸入空気量や燃料噴射量といった内燃機関10の運転状態を示す制御状態量も入力されている。
(尿素添加制御)
ここで、本実施形態の排気浄化システムにおける尿素添加制御について説明する。
電子制御ユニット37は、規定の演算周期毎に要求添加量Quを演算する。要求添加量Quは、尿素添加弁19が単位時間当たりに排気に添加する尿素水の量を表している。要求添加量Quの演算は、選択触媒還元装置20の触媒温度、選択触媒還元装置20に流入する排気のNOx濃度、及び選択触媒還元装置20に吸着しているアンモニアの量に基づき行われる。なお、同演算では、NOx濃度の値として、NOxセンサ33の検出値を用いている。また、同演算では、上記アンモニアの吸着量の値として、前回の演算周期における要求添加量Quの演算値を、触媒温度の値として、後述する排気接触面温度Tscrの演算値を、それぞれ用いている。
さらに、電子制御ユニット37は、排気流量Ga、及び後述する排気接触面温度Tscrに基づき、添加周期Fを設定する。そして、電子制御ユニット37は、演算した添加周期F毎の間欠添加を通じて、単位時間当たりに上記要求添加量Quの演算値分の尿素水が排気に添加されるように、尿素添加弁19を制御する。
なお、電子制御ユニット37は、規定の周期Fhと、同周期Fhよりも長い、規定の周期Fl(>Fh)のいずれかを添加周期Fの値として設定する。具体的には、排気流量Gaが少なく、排気接触面温度Tscrが低い温度の場合、添加周期Fの値としてより長い周期Flが設定され、排気流量Gaが多い場合、或いは排気接触面温度Tscrが高い場合には、添加周期Fの値としてより短い周期Fhが設定される。
(電力制御)
次に、本実施形態の排気浄化システムにおいて電子制御ユニット37が実行する電熱線27及び金属担体30の電力制御について説明する。
図4に、電力制御の制御ブロック図を示す。電力制御において電子制御ユニット37は、規定の演算周期毎に、電熱線27に流す電流の電圧値である分散装置電圧Emixと、金属担体30に流す電流の電圧値である昇温装置電圧Escrと、を演算する。そして、電子制御ユニット37は、電熱線27及び金属担体30のそれぞれに演算した電圧値の電流を流すように電力調整回路36を制御することで、電力制御を行っている。
分散装置電圧Emixの演算に際して、電子制御ユニット37はまず、分散板温度Tmixを求めている。分散板温度Tmixは、分散装置23の尿素水衝突面(分散板24の排気上流側の表面)の温度を表しており、排気温Tex、排気流量Ga、要求添加量Qu、同分散板温度Tmixの前回値、及び分散装置電圧Emixの前回値に基づいて求められている。具体的には、上記各値から、前回の演算周期から今回の演算周期までの期間における排気に対する分散板24の受熱量/放熱量(尿素水の蒸発潜熱を含む)、及び電熱線27の発熱量を計算するとともに、それらから同期間における分散板温度Tmixの変化量を計算することで、分散板温度Tmixの値が求められている。なお、分散板温度Tmixの前回値は、前回の演算周期における同分散板温度Tmixの演算値を、分散装置電圧Emixの前回値は、前回の演算周期における同分散装置電圧Emixの演算値を、それぞれ表している。
続いて、電子制御ユニット37は、予め設定された分散板温度Tmixの目標値である目標分散板温度Tmixtから上記分散板温度Tmixを引いた差(=Tmixt−Tmix)に基づき、分散装置電圧Emixの値を設定する。目標分散板温度Tmixtよりも分散板温度Tmixが高い場合、分散装置電圧Emixの値は「0」に設定される。一方、目標分散板温度Tmixtよりも分散板温度Tmixが低い場合の分散装置電圧Emixの値は、予め設定された上限値以下となる範囲において、上記差が大きくなるに従って大きい値となるように設定される。そして、これにより、電子制御ユニット37は、分散板温度Tmixを目標分散板温度Tmixtとすべく、電熱線27の供給電力のフィードバック制御を行っている。
一方、昇温装置電圧Escrの演算に際して、電子制御ユニット37はまず、排気接触面温度Tscrを求めている。排気接触面温度Tscrは、昇温装置29の排気接触面(金属担体30の細孔31の内壁面)の温度を表しており、その値は、排気流量Ga、要求添加量Qu、分散板温度Tmix、及び昇温装置電圧Escrの前回値に基づき求められている。具体的には、上記各値から、前回の演算周期から今回の演算周期までの期間における金属担体30から排気、尿素水への放熱量、及び同金属担体30の発熱量を計算するとともに、それら放熱量、発熱量から同期間における排気接触面温度Tscrの変化量を計算することで、排気接触面温度Tscrの値が求められている。なお、昇温装置電圧Escrの前回値は、前回の演算周期における昇温装置電圧Escrの演算値を表している。
続いて、電子制御ユニット37は、予め設定された排気接触面温度Tscrの目標値である目標排気接触面温度Tscrtから上記排気接触面温度Tscrを引いた差(=Tscrt−Tscr)に基づき、昇温装置電圧Escrの値を設定する。目標排気接触面温度Tscrtよりも排気接触面温度Tscrが高い場合、昇温装置電圧Escrの値は「0」に設定される。一方、目標排気接触面温度Tscrtよりも排気接触面温度Tscrが低い場合の昇温装置電圧Escrの値は、予め設定された上限値以下となる範囲において、上記差が大きくなるに従って大きい値となるように設定される。そして、これにより、電子制御ユニット37は、排気接触面温度Tscrを目標排気接触面温度Tscrtとすべく、金属担体30の供給電力のフィードバック制御を行っている。
なお、昇温装置29に一時に大量の尿素水が流入すると、金属担体30の表面に付着した尿素水を通って、多大な電流が流れることがある。そこで、電子制御ユニット37は、要求添加量Quが規定の給電停止判定値Qumaxを超える場合には、昇温装置電圧Escrの値は「0」に設定して、金属担体30への電力供給を停止する給電停止処理を行っている。
こうした電力制御において、上記目標分散板温度Tmixtは、尿素水衝突面における尿素水のライデンフロスト温度Trfよりも高い温度に設定されている。また、上記目標排気接触面温度Tscrtは、尿素水の沸騰温度よりも高く、且つ排気接触面における尿素水のライデンフロスト温度Trfよりも低い温度に設定されている。
(作用・効果)
本実施形態の排気浄化装置において、尿素添加弁19が尿素水を添加した排気は、分散装置23、昇温装置29を順に通過して選択触媒還元装置20に到達する。分散装置23において尿素水は、分散板24の尿素水衝突面への衝突による周囲への飛散、及び分散板24がその排気下流側に形成する旋回流による排気の撹拌を通じて排気中に分散される。また、液体のまま昇温装置29に到達した尿素水は、電力供給に応じた金属担体30の発熱により加熱されて、その熱分解が促進される。そのため、本実施形態の排気浄化装置では、尿素水が蒸発しにくい低排気温下でも、選択触媒還元装置20への到達前に、多くの尿素水を熱分解することが、ひいては選択触媒還元装置20に多量のアンモニアを供給することができるものとなっている。
なお、分散装置23の尿素水衝突面に尿素水が長い時間に亘って滞留すると、尿素由来のデポジットが生成されてしまう。これに対して、本実施形態では、分散板24の尿素水衝突面の温度(分散板温度Tmix)が、尿素水のライデンフロスト温度Trf以上となるように、分散装置23の電熱線27への電力供給を行っている。
図5に示すように、ライデンフロスト温度Trf以上の温度に加熱された尿素水衝突面Sでは、尿素水の液滴Uのライデンフロスト現象が発生するようになる。すなわち、尿素水の液滴Uと尿素水衝突面Sとの間に蒸気の膜Vが形成されて、液滴Uと尿素水衝突面Sとが直接接触しない状態となる。そのため、尿素水衝突面Sが尿素水の液滴Uを弾き易くなり、低排気温下でも、尿素水衝突面Sへの尿素水の液滴Uの滞留時間が短縮されるため、尿素水衝突面Sにおけるデポジットの生成、及びその堆積が抑えられる。
なお、上記のように尿素水は、昇温装置29への到達前に、分散装置23によって排気中に分散されている。そのため、低排気温下における昇温装置29へのデポジットの堆積は、排気接触面温度Tscrをライデンフロスト温度Trf以上に加熱せずとも抑えられる。一方、排気接触面もライデンフロスト温度Trf以上の温度に加熱すれば、同排気接触面の尿素水の滞留時間が短くなり、尿素水の熱分解を十分に行うことができなくなる。そこで、本実施形態では、排気接触面の温度(排気接触面温度Tscr)が、尿素水のライデンフロスト温度Trf未満となるように、昇温装置29の金属担体30への電力供給を行っている。
以上のように、本実施形態の排気浄化システムは、デポジットの堆積への対策を講じた上で、低排気温下での尿素水の熱分解を促進して、選択触媒還元装置20への還元剤の多量供給を可能とするものとなっている。したがって、デポジットの堆積を抑えて好適に、低排気温下での低排気温下での窒素酸化物の浄化能力を向上することができる。
ところで、尿素水が熱分解して生成されたアンモニアの一部が吸着されずに選択触媒還元装置20をすり抜ける、いわゆるアンモニアスリップは、選択触媒還元装置20を通過する排気の流量が多い場合に発生し易くなる。また、選択触媒還元装置20の排気接触面の温度が尿素水のライデンフロスト温度Trf以上となっている場合にも、アンモニアスリップが発生し易くなる。
これに対して本実施形態では、上述した排気流量Ga及び排気接触面温度Tscrに基づく添加周期Fの設定により、アンモニアスリップを抑制している。選択触媒還元装置20に流入する排気のアンモニアの濃度は、尿素添加弁19の添加周期Fと同じ周期で変動し、その変動のピーク値は、単位時間当たりの尿素水の添加量が同じであれば、添加周期Fが長いほど高くなる。排気接触面温度Tscrが高くなれば、昇温装置29を通過して選択触媒還元装置20に流入する排気の温度が高くなり、同選択触媒還元装置20の排気接触面の温度も高くなる。そこで、本実施形態では、排気流量Gaが多い場合や排気接触面温度Tscrが高い場合には、添加周期Fを短くして、選択触媒還元装置20に流入する排気のアンモニア濃度を低くすることで、アンモニアスリップの抑制を図っている。
(第2実施形態)
次に、内燃機関の排気浄化システムの第2実施形態を、図6及び図7を併せ参照して詳細に説明する。なお本実施形態にあって、上記実施形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態の排気浄化システムでは、なお、分散装置23の電熱線27及び昇温装置29の金属担体30が導通されており、電熱線27及び金属担体30に対する電力調整回路36からの電力供給が一括して行われるようになっている。この場合の電熱線27及び金属担体30のそれぞれの供給電力は、電力調整回路36が電熱線27及び金属担体30に流す電流の電圧値E、電熱線27の抵抗値R1、及び金属担体30の抵抗値R2の関係によって定まる値となる。
図7に、排気温Tex、排気流量Gaが一定に保持された状態において、電力調整回路36から電熱線27及び金属担体30への通電を、電圧値Eを一定として行ったときの分散板温度Tmix及び排気接触面温度Tscrの推移を示す。このときの分散板温度Tmix及び排気接触面温度Tscrはやがて、それぞれ一定の温度に収束する。こうした分散板温度Tmixの収束値、及び排気接触面温度Tscrの収束値は、内燃機関10の運転中の排気温Texや排気流量Ga等の変化に応じて変化する値となる。本実施形態では、内燃機関10の運転中における分散板温度Tmixの収束値の変化範囲の下限値がライデンフロスト温度Trf以上となり、排気接触面温度Tscrの変化範囲の上限値がライデンフロスト温度Trf未満となるように、上記電圧値E、抵抗値R1、及び抵抗値R2を設定している。
こうした本実施形態の排気浄化システムでも、分散装置23及び昇温装置29のデポジットの堆積を抑えつつ、低排気温下での尿素水の熱分解を促進できる。よって、本実施形態の排気浄化システムによっても、低排気温下での低排気温下での窒素酸化物の浄化能力を向上することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・分散装置23の電熱線27及び昇温装置29の金属担体30への電力供給を行う期間を、内燃機関10の始動から選択触媒還元装置20のSCR触媒が活性化するまでの期間などに限定するようにしてもよい。
・上記実施形態の分散装置23に設けられた分散板24は、排気下流側に旋回流を形成して排気を撹拌する形状に形成されていた。分散板24は、上記旋回流を形成する形状である必要はなく、尿素添加弁19が添加した尿素水が衝突する尿素水衝突面を有していれば、任意の形状のものを分散板24として採用することができる。
・上記実施形態では、昇温装置29として、酸化触媒が担持された金属担体30が電熱体として設けられたものを採用していた。排気と接触する排気接触面を有し、且つ電力を受けて排気接触面を加熱する電熱体が設けられたものであれば、上記以外の構成のものを昇温装置として採用してもよい。
10…内燃機関、16…排気通路、19…尿素添加弁、23…分散装置、27…電熱線(第1電熱体)、29…昇温装置、30…金属担体(第2電熱体)、35…車載電源(電力供給装置)、36…電力調整回路(電力供給装置)、37…電子制御ユニット(電力供給装置)。

Claims (1)

  1. 内燃機関の排気通路に設置されて排気中に尿素水を添加する尿素添加弁と、
    前記排気通路における前記尿素添加弁よりも排気下流側の部分に設置されて、前記尿素添加弁が添加した尿素水が衝突する面である尿素水衝突面を有するとともに、電力を受けて前記尿素水衝突面を加熱する電熱体である第1電熱体が設けられた分散装置と、
    前記排気通路における前記分散装置よりも排気下流側の部分に設置されて、排気と接触する面である排気接触面を有するとともに、電力を受けて前記排気接触面を加熱する電熱体である第2電熱体が設けられた昇温装置と、
    前記排気通路における前記昇温装置よりも排気下流側の部分に設置されて、排気中での尿素水の加水分解により生成されたアンモニアを還元剤とした選択触媒還元により排気中の窒素酸化物を浄化する選択触媒還元装置と、
    前記第1電熱体及び前記第2電熱体のそれぞれに電力を供給する装置であって、前記第1電熱体に供給する電力を、前記尿素水衝突面の温度が同尿素水衝突面における尿素水のライデンフロスト温度以上となる電力とするとともに、前記第2電熱体に供給する電力を、前記排気接触面の温度が同排気接触面における尿素水のライデンフロスト温度未満となる電力とする電力供給装置と、
    を備える内燃機関の排気浄化システム。
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