JP2020170090A - 発泡弾性部材、転写装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents

発泡弾性部材、転写装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高温高湿環境下に長期保管されても、圧縮永久ひずみが小さい発泡弾性部材の提供。【解決手段】導電性基材と、前記導電性基材上に配置される発泡弾性層とを有し、前記発泡弾性層の厚さ方向の面で切断した前記発泡弾性層の断面において、前記発泡弾性層の厚さ方向をy軸、前記断面における前記y軸に垂直な方向をx軸とし、前記発泡弾性層におけるセルのx軸方向の最大長さをX、y軸方向の最大長さをYとした場合、X/Yの値の平均値が、0.86以上1.16以下である発泡弾性部材。【選択図】図1

Description

本発明は、発泡弾性部材、転写装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置に関する。
複写機、プリンターなどの電子写真方式の画像形成装置(電子写真装置、電子写真画像形成装置ともいう)の多くに、帯電ロール、転写ロール、現像ロール等の導電性ゴムロールが用いられている。これらのゴムロールは、装置の高速化、良画質化に応えるために、感光体との当接により一様なニップ幅を保つことが要求され、ゴム層が発泡体である時は該発泡体の発泡セルが緻密かつ均一であることが望まれている。
例えば、特許文献1には、少なくとも片面にシート状物が積層された熱可塑性樹脂発泡シートであって、厚み中間層の気泡の厚み方向の直径Dzと面内方向の気泡の直径Dxyの比Dz/Dxyが平均2.0以上であり、上記シート状物が積層された表面層の気泡の上記比Dz/Dxyが平均1.5未満であることを特徴とする傾斜構造発泡シートが開示されている。
また、特許文献2には、曲げ試験(JIS K 7106(1982年))において、曲げこわさが6000〜14000kgf/cmであるポリオレフィン樹脂からなる発
泡体であって、該発泡体の圧縮試験(JIS K 6767(1976年))における応力−歪み曲線が、(1)降伏点を有し、(2)式[P(%)=(降伏強さ/歪み50%における応力)×100]から得られる値が75〜100の範囲内であり、(3)歪み50%における圧縮エネルギー損失が85〜100%であり、発泡体内に含まれる気泡が互いに平行な発泡体の上面及び下面に対して直交する方向(以下、発泡体の厚み方向という)での気泡径が該方向に直交する方向での気泡径に対して大きくなるような楕円形状を有することを特徴とするポリオレフィン樹脂発泡体が開示されている。
特開平11−291374号公報 特開平10−219017号公報
本発明が解決しようとする課題は、導電性基材の軸方向に垂直な面で切断した前記発泡弾性層の断面において、前記発泡弾性層の厚さ方向をy軸、前記断面における前記y軸に垂直な方向をx軸とし、前記発泡弾性層におけるセルのx軸方向の最大長さをX、y軸方向の最大長さをYとした場合、X/Yの値の平均値が、0.86未満又は1.16超である場合に比べて、高温高湿環境下(60℃95%RH)に長期(48時間)保管されても、圧縮永久ひずみが小さい発泡弾性部材を提供することである。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
<1> 導電性基材と、前記導電性基材上に配置される発泡弾性層とを有し、前記発泡弾性層の厚さ方向の面で切断した前記発泡弾性層の断面において、前記発泡弾性層の厚さ方向をy軸、前記断面における前記y軸に垂直な方向をx軸とし、前記発泡弾性層におけるセルのx軸方向の最大長さをX、y軸方向の最大長さをYとした場合、X/Yの値の平均値が、0.86以上1.16以下である発泡弾性部材。
<2> 前記発泡弾性層が、エピクロルヒドリンゴムを含み、かつ塩素イオンの遊離量が1μg/g以上80μg/g以下である<1>に記載の発泡弾性部材。
<3> 前記発泡弾性層においてL関数で算出される平均セル間距離が、320μm以上600μm以下である<1>又は<2>に記載の発泡弾性部材。
<4> 前記発泡弾性層においてL関数で算出される平均セル間距離が、400μm以上520μm以下である<3>に記載の発泡弾性部材。
<5> 前記発泡弾性部材が、ローラー形状である<1>乃至<4>のいずれか1つに記載の発泡弾性部材。
<6> 前記発泡弾性部材の初期の外径Daとし、60℃85%RH環境下に48時間放置した後、22℃55%RH環境下に24時間放置した後の前記発泡弾性部材の外径Dbとした場合、Da−Dbの値が、521μm未満である<5>に記載の発泡弾性部材。
<7> 前記発泡弾性層を厚さ8.0mmの金属平板に0.6mm食込ませた状態で、60℃85%RH環境下に48時間放置した後、22℃55%RH環境下に24時間放置した後に前記金属平板を取り除き、30分後に測定した前記金属平板を食込ませた部分における前記発泡弾性部材の外径の歪み量が、225μm未満である<1>乃至<6>のいずれか1つに記載の発泡弾性部材。
<8> <1>乃至<7>のいずれか1つに記載の発泡弾性部材を、被転写体に転写物を転写させる転写部材として備える転写装置。
<9> <8>に記載の転写装置を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
<10> 像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電装置と、帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する<8>に記載の転写装置と、を備える画像形成装置。
前記<1>又は<5>に係る発明によれば、前記導電性基材の軸方向に垂直な面で切断した前記発泡弾性層の断面において、前記発泡弾性層の厚さ方向をy軸、前記断面における前記y軸に垂直な方向をx軸とし、前記発泡弾性層におけるセルのx軸方向の最大長さをX、y軸方向の最大長さをYとした場合、X/Yの値の平均値が、0.86未満又は1.16超である場合に比べ、高温高湿環境下に長期保管されても、圧縮永久ひずみが小さい発泡弾性部材が提供される。
前記<2>に係る発明によれば、前記発泡弾性層が、エピクロルヒドリンゴムを含み、かつ塩素イオンの遊離量が1μg/g未満又は80μg/g超である場合に比べ、高温高湿環境下に長期保管されても、圧縮永久ひずみがより小さい発泡弾性部材が提供される。
前記<3>に係る発明によれば、前記発泡弾性層においてL関数で算出される平均セル間距離が、320μm未満又は600μm超である場合に比べ、高温高湿環境下に長期保管されても、圧縮永久ひずみがより小さい発泡弾性部材が提供される。
前記<4>に係る発明によれば、前記発泡弾性層においてL関数で算出される平均セル間距離が、400μm未満又は520μm超である場合に比べ、高温高湿環境下に長期保管されても、圧縮永久ひずみがより小さい発泡弾性部材が提供される。
前記<6>に係る発明によれば、前記発泡弾性部材の初期の外径Daとし、60℃85%RH環境下に48時間放置した後、22℃55%RH環境下に24時間放置した後の前記発泡弾性部材の外径Dbとした場合、Da−Dbの値が、521μm以上である場合に比べ、高温高湿環境下に長期保管されても、圧縮永久ひずみがより小さい発泡弾性部材が提供される。
前記<7>に係る発明によれば、前記発泡弾性層に厚さ0.6mmの金属平板を食込ませた状態で、60℃85%RH環境下に48時間放置した後、22℃55%RH環境下に24時間放置した後に前記金属平板を取り除き、30分後に測定した前記金属平板を食込ませた部分における前記発泡弾性部材の外径の歪み量が、225μm以上である場合に比べ、高温高湿環境下に長期保管されても、圧縮永久ひずみがより小さい発泡弾性部材が提供される。
前記<8>乃至<10>に係る発明によれば、発泡弾性部材における前記導電性基材の軸方向に垂直な面で切断した前記発泡弾性層の断面において、前記発泡弾性層の厚さ方向をy軸、前記断面における前記y軸に垂直な方向をx軸とし、前記発泡弾性層におけるセルのx軸方向の最大長さをX、y軸方向の最大長さをYとした場合、X/Yの値の平均値が、0.86未満又は1.16超である場合に比べ、高温高湿環境下に長期保管されても、圧縮永久ひずみが小さい発泡弾性部材を備えた転写装置、プロセスカートリッジ又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
なお、本明細書において、成分に該当する物質が複数種存在する場合、成分の量は、特に断らない限り、複数種の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「導電性」とは、常温常湿環境(22℃55%RH環境)における体積抵抗率が1014Ω・cm以下であることを意味している。
<発泡弾性部材>
本実施形態に係る発泡弾性部材は、導電性基材と、前記導電性基材上に配置される発泡弾性層とを有し、前記発泡弾性層の厚さ方向の面で切断した前記発泡弾性層の断面において、前記発泡弾性層の厚さ方向をy軸、前記断面における前記y軸に垂直な方向をx軸とし、前記発泡弾性層におけるセルのx軸方向の最大長さをX、y軸方向の最大長さをYとした場合、X/Yの値の平均値が、0.86以上1.16以下である。
本実施形態に係る発泡弾性部材は、ローラー形状であることが好ましい。
また、本実施形態に係る発泡弾性部材は、帯電ロール、転写ロール、現像ロール、給電ロール等の電子写真装置用ロールなどに好適に用いられる。
これらの中でも、転写ロールに特に好適に用いられる。
更に、本実施形態に係る発泡弾性部材は、導電性ロールであることが好ましい。
近年、電子写真方式の画像形成装置は高画質化及び高い信頼性が要求されており、特に、発泡弾性部材を用いる帯電ロールや転写ロールは高温高湿環境に長期保管された場合、外径が変化したり、圧縮歪みにより発泡弾性部材におけるセルの形状等が変化することがあった。
本実施形態に係る発泡弾性部材は、上記構成により、高温高湿環境下(60℃95%RH)に長期(48時間)保管されても、圧縮永久ひずみが小さい。この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと推測される。
前記発泡弾性層における前記X/Yの値の平均値を、0.86以上1.16以下とすることにより、前記発泡弾性層におけるセルの形状が真球状に近くなり、また、前記発泡弾性層におけるセルの分散性にも優れ、高温高湿環境下においてもセル形状自体の永久歪みが生じることが抑制され、前記発泡弾性層全体においても、永久歪みが生じることが抑制されるため、高温高湿環境下に長期保管されても、圧縮永久歪みの少ない発泡弾性部材が得られる。
なお、本実施形態において、前記効果を、「経時歪み抑制性」ともいう。
また、本実施形態に係る発泡弾性部材は、前記発泡弾性層における前記X/Yの値の平均値を、0.86以上1.16以下とすることにより、前記発泡弾性層におけるセルの形状が真球状に近くなり、また、前記発泡弾性層におけるセルの分散性にも優れるため、高温高湿環境下においても形状の安定性に優れ、高温高湿環境下に長期保管されても、外径変化が小さい(以下、「経時外径安定性」ともいう。)。
以下、本実施形態に係る発泡弾性部材の詳細について説明する。
(導電性基材)
本実施形態に係る発泡弾性部材は、導電性基材を有する。
導電性基材としては、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属又は合金;クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄;導電性の樹脂などの導電性の材質で構成されたものが用いられる。
また、導電性基材としては、例えば、鉄(快削鋼等)、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属の部材が好適に挙げられる。
導電性基材としては、例えば、外側の面にメッキ処理を施した部材(例えば樹脂やセラミック部材)、導電剤の分散された部材(例えば樹脂やセラミック部材)等も挙げられる。
更に、導電性基材は、中空状の部材(筒状部材)であってもよいし、非中空状の部材であってもよい。
また、導電性基材の大きさや形状は、特に制限はなく、所望の用途に応じ、適宜設定すればよい。
(発泡弾性層)
本実施形態に係る発泡弾性部材は、前記導電性基材上に配置される発泡弾性層とを有し、前記発泡弾性層の厚さ方向の面で切断した前記発泡弾性層の断面において、前記発泡弾性層の厚さ方向をy軸、前記断面における前記y軸に垂直な方向をx軸とし、前記発泡弾性層におけるセルのx軸方向の最大長さをX、y軸方向の最大長さをYとした場合、X/Yの値の平均値が、0.86以上1.16以下である。
−X/Yの比−
前記発泡弾性層は、前記発泡弾性層におけるセル(泡構造)のx軸方向の最大長さをX、y軸方向の最大長さをYとした場合、X/Yの値の平均値が、0.86以上1.16以下であり、経時歪み抑制性、及び、経時外径安定性の観点から、0.90以上1.15以下であることが好ましく、1.00以上1.14以下であることがより好ましく、1.00以上1.10以下であることが特に好ましい。
また、経時歪み抑制性、及び、経時外径安定性の観点から、前記Xの平均値は、前記Yの平均値以下であることが好ましい。
前記X/Y比の測定及び算出は、以下に示す方法により行うものとする。
発泡弾性層の中央部を90°ずつ4箇所に対して、かみそりを用いて、発泡弾性層の面方向に垂直な方向の断面を作製する。
(株)キーエンス製レーザー顕微鏡VK−X200を用いて断面形状を観察し発泡の断面画像を取得する。このときレーザー顕微鏡観察は発泡形状が得られる倍率で観察を行う。
得られた画像をメディアサイバネティクス(Media Cybernetics)社製画像解析ソフトImage−Pro Plusに導入し、発泡弾性層におけるセル(泡構造)の縦横比(X/Y比)を100個以上のセルについて測定及び算出し、その平均値を算出する。
−セルの均一性に関する定義−
前記発泡弾性層のセルは、均一に近い分布で前記発泡弾性層において存在することで、経時歪みや経時外径安定性が良化する。セル均一性の指標としては、セルを円で近似した粒子径や測定面積に含まれるセル数で計算したセル数密度、セルを円で近似した時の重心座標点から他のセルの重心座標点までの距離の平均値である平均セル間距離、分散状態の態様を表す森下指標やL関数などである。
画像解析は、市販の解析ソフトを用いることで可能であり、必要な解析が可能であれば限定されるものではない。
本実施形態においては、前記L関数として、RipleyのL関数を用いる。
本実施形態において使用するRipleyのL関数について以下に説明する。
まず始めに、RipleyのK関数は次のように定義される。
K(d)=E/ρ
Eは、発泡弾性層の断面においてランダムに選んだあるセルを円で近似した時の重心座標点を中心とした半径dの円内に含まれる他のセルを円で近似した時の重心座標点の数を表し、ρは、発泡弾性層の前記断面におけるセル数密度(平均密度)
つまりK関数であるK(d)は、ランダムに選んだ点を中心とした半径dの円内に含まれる他のセルを円で近似した時の重心座標点の数の平均を、前記発泡弾性層におけるセル数密度ρ(平均密度)で除した値である。有限の平面に点をランダムに散布するとポアソン分布に従うことが知られている。もし前記重心座標点がポアソン分布にしたがってランダムに分布していれば、半径dの円内に存在する他のセルを円で近似した時の重心座標点の数の期待値は、平均密度ρに円の面積πdを掛けた値なので、下記式(K)で表される。
ここで、K関数を標準化して、一次関数にしたものがL関数である。L関数であるL(d)は、下記式(L)で表される。
L関数という指数を考えると、半径dにかかわらず前記重心座標点がランダムに分布しているときには、L(d)=0となる。また、空間分布が集中分布のときにはL(d)は正の値をとり、規則型分布(一定間隔型分布)のときには負の値をとる。
本発明者らは、セルの均一性に関する種々の指標と経時歪みや経時外径安定性の関連を調査した結果、L関数で算出される平均セル間距離と最も関連が大きいことが分かった。 前記発泡弾性層における前記L関数で定義される距離は、以下の方法により測定及び算出するものとする。得られた画像をメディアサイバネティクス(Media Cybernetics)社製画像解析ソフトImage−Pro Plusに導入し、発泡弾性層の前記X/Yの値を測定した前記断面におけるセル(泡構造)100個以上について測定及び位置データを算出し、その後位置データをL関数で評価し、最もL値が大きい値をセル間平均距離とする。
前記発泡弾性層においてL関数で算出される平均セル間距離は、経時歪み抑制性、及び、経時外径安定性の観点から、300μm以上650μm以下であることが好ましく、320μm以上600μm以下であることがより好ましく、400μm以上550μm以下であることが特に好ましい。
−弾性材料−
前記発泡弾性層は、弾性材料を含むことが好ましい。
弾性材料としては、ゴム材料が好ましく挙げられる。
具体的には例えば、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴム等、及び、これらを混合したゴムが挙げられる。
これらの中でも、抵抗維持性、経時歪み抑制性、及び、経時外径安定性の観点から、ウレタンゴム又はエピクロルヒドリンゴムを含むことが好ましく、エピクロルヒドリンゴムを含むことが特に好ましい。なお、エピクロルヒドリンゴムは、後述する導電性化合物でもある。
前記発泡弾性層における弾性材料100質量部に対するエピクロルヒドリンゴムの含有量は、抵抗維持性の観点から、10質量部以上100質量部以下が好ましく、20質量部以上100質量部以下がより好ましく、30質量部以上100質量部以下が更に好ましく、40質量部以上100質量部以下が特に好ましく、50質量部以上100質量部以下が最も好ましい。
エピクロルヒドリンゴムとしては、例えば、エピクロルヒドリン単独重合ゴム、共重合ゴム(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル3元共重合ゴム等)、これらの混合ゴム等が挙げられる。
前記弾性材料は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
前記発泡弾性層における弾性材料の含有量は、抵抗維持性の観点から、前記発泡弾性層の全質量に対し、30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、40質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上70質量%以下であることが更に好ましい。
また、前記発泡弾性層における樹脂成分の含有量は、抵抗維持性の観点から、前記発泡弾性層の全質量に対し、30質量%以上100質量%以下であることが好ましく、40質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。
−塩素イオンの遊離量−
前記発泡弾性層が、エピクロルヒドリンゴムを含む場合、前記発泡弾性層における塩素イオンの遊離量は、経時歪み抑制性、及び、経時外径安定性の観点から、0.5μg/g以上100μg/g以下であることがより好ましく、1μg/g以上80μg/g以下であることがより好ましく、5μg/g以上60μg/g以下であることが更に好ましく、10μg/g以上40μg/g以下であることが特に好ましい。
導電性弾性層の塩素イオンの遊離量を上記範囲にするには、洗浄の導入、加硫温度の低温化等を利用することがよい。例えば、洗浄時間、洗浄後の乾燥時間を長くすると、塩素イオンの遊離量が低下する傾向が見られる。また、導電性弾性層を形成するときの加硫温度を低温化すると、塩素イオンの遊離量が低下する傾向が見られる。
なお、本実施形態における「塩素イオン」とは、塩素原子を含むイオンのことであり、塩化物イオン、次亜塩素酸イオン等が含まれる。
発泡弾性層における塩素イオンの遊離量の測定方法は、次の通りである。
発泡弾性部材における発泡弾性層から、0.5gの試料を採集する。0.5gの試料を樹脂製容器に投入し、樹脂製容器に超純水(0.058μS/cm)100mLを加え、30分間浸漬し、イオン成分を抽出する。抽出液を50倍希釈し、イオンクロマトグラフィ(Thermo Fisher Scientific社製、ICS−2100)に注入し塩素イオンを測定する。カラムはAS−19(Thermo Fisher Scientific社製)、溶離液は水酸化カリウムを使用し、流速1.0mL/minで送液する。そして、電気伝導度検出器を用い、塩素イオンを含む混合標準溶液(関東化学(株)製、陰イオン混合標準液I)を使用した絶対検量線法により塩素イオンを定量し、塩素イオン量を求める。
発泡弾性部材における発泡弾性層の厚み方向の両端部及び中央部からそれぞれ採取した3種類の試料について、この操作を実施し、塩素イオン量を求め、その平均値を塩素イオンの遊離量とする。
−導電性化合物−
前記発泡弾性層は、導電性化合物を含むことが好ましい。
前記導電性化合物としては、イオン導電性樹脂、及び、イオン導電剤が挙げられる。
前記発泡弾性層は、イオン導電性樹脂又はイオン導電剤のいずれかを含んでいても、両方を含んでいてもよい。
前記発泡弾性層は、イオン導電性樹脂を1種単独で含んでも、2種以上含んでもよい。
また、前記発泡弾性層は、イオン導電剤を1種単独で含んでも、2種以上含んでもよい。
前記発泡弾性層がイオン導電性樹脂を含む場合、導電性の調整及び耐久性の観点から、イオン導電性樹脂以外の弾性材料を更に含むことが好ましい。
また、前記発泡弾性層がイオン導電剤を含む場合、導電性及び耐久性の観点から、イオン導電性樹脂以外の弾性材料又はイオン導電性樹脂を更に含むことが好ましく、イオン導電性樹脂以外の弾性材料を更に含むことがより好ましい。
イオン導電性樹脂としては、特に制限はなく、公知のイオン導電性樹脂が用いられるが、抵抗維持性の観点から、エピクロルヒドリンゴムを含むことが好ましい。
イオン導電性樹脂の含有量は、抵抗維持性、導電性及び耐久性の観点から、前記発泡弾性層に含まれるイオン導電性樹脂及びイオン導電性樹脂以外の弾性材料(あわせて「樹脂成分」ともいう。)の総含有量100質量部に対し、20質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましく、90質量部以上100質量部以下であることが特に好ましい。
イオン導電剤としては、特に制限はなく、公知のイオン導電剤が用いられる。
イオン導電剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩(例えばラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、ハロゲン化ベンジル塩(例えば、臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等)等)、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩、各種ベタイン、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、各種イオン液体やフッ素系帯電防止剤などが挙げられる。
これらの中でも、抵抗維持性の観点から、第四級アンモニウム塩が好ましく挙げられる。
中でも、イオン導電剤が有するアニオンとしては、抵抗維持性の観点から、塩素原子、アルコキシド基、及び、スルホネート基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の構造を有するアニオンであることが好ましく、塩素原子、及び、アルコキシド基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の構造を有するアニオンであることがより好ましく、塩素原子を有するアニオンであることが更に好ましく、過塩素酸イオンであることが特に好ましい。
イオン導電剤の含有量は、抵抗維持性、導電性及び耐久性の観点から、前記発泡弾性層に含まれる樹脂成分の総含有量に対し、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。
−カーボンブラック−
前記発泡弾性層は、カーボンブラックを含んでいてもよい。
カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法で製造されるカーボンブラック(例えばチャンネルブラック、ロールブラック、ディスクブラック等)、ファーネスト法で製造されるカーボンブラック(例えばガスファーネストブラック、オイルファーネストブラック等)、サーマル法で製造されるカーボンブラック(例えばサーマルブラック、アセチレンブラック等)が挙げられる。
中でも、導電性及び抵抗安定性の観点から、ケッチェンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック及びサーマルブラックよりなる群から選ばれる少なくとも1種のカーボンブラックが好ましく、アセチレンブラック及びサーマルブラックよりなる群から選ばれる少なくとも1種のカーボンブラックがより好ましい。
カーボンブラックは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックとしては、抵抗のバラツキを低減する観点から、吸油性の異なる2種以上のカーボンブラックを併用することが好ましい。具体的には、吸油性が高く導電性に優れるケッチェンブラック及びアセチレンブラックの少なくとも一方と、吸油性が小さくゴム補強性が優れるサーマルブラックとを併用することが好ましい。これらのカーボンブラックの併用によってベルトの抵抗バラツキが低減される。なお、吸油性の異なるカーボンブラックとは、DBP(ジブチルフタレート)吸油量が異なるカーボンブラックを示す。そして、DBP吸油量は、ASTM D2414−6TTに定義された値である。
ここで、カーボンブラックの使用割合は、例えば、質量比でケッチェンブラック及びアセチレンブラックの少なくとも一方:サーマルブラック=1:1乃至1:8が好ましく、更には1:2乃至1:5がより好ましい。
また、抵抗安定性の観点から、前記発泡弾性層において、前記吸油性の異なる2種以上のカーボンブラックのうち、吸油性の最も低いカーボンブラックの含有量が、それ以外のカーボンブラックの含有量よりも多いことが好ましい。
カーボンブラックの含有量は、低抵抗及び抵抗安定性の観点から、弾性層の全質量に対し、1質量%以上60質量%以下であることが好ましく、5質量%以上50質量部以下であることがより好ましく、10質量%以上45質量部以下であることが更に好ましい。
−加硫剤−
前記発泡弾性層は、発泡及び加硫してなるゴムを含んでいてもよい。
ゴムを加硫する加硫剤としては、例えば、イオウ、有機含イオウ化合物の他、有機過酸化物等が挙げられる。有機含イオウ化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジチオビスモルホリン等が挙げられる。また、有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルペルオキシド等が挙げられる。
加硫剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
加硫剤の添加量は、使用する樹脂の特性や発泡弾性部材の用途によって適宜、調整することができるが、弾性層に含まれる樹脂成分100質量部に対し、0.3質量部以上10質量部以下であることが好ましく、1質量部以上8質量部以下であることがより好ましい。
前記発泡弾性層は、発泡及び過酸化物加硫してなるゴムを含んでいてもよい。
なお、本実施形態においては、過酸化物よる架橋を、硫黄原子を用いないが、過酸化物加硫ともいう。
発泡樹脂の作製における過酸化物加硫は、過酸化物を用いて行われることが好ましい。
過酸化物としては、無機過酸化物であっても、有機過酸化物であってもよいが、有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、クミルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルパーオキシクメン等が挙げられる。
過酸化物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
過酸化物の使用量は、使用する樹脂の特性や発泡弾性部材の用途によって適宜、調整することができるが、弾性層の樹脂成分100質量部に対し、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
−加硫促進剤−
前記発泡弾性層の形成には、加硫促進剤を用いてもよい。
加硫促進剤としては、従来より使用されている種々のものが使用され、特にスルフェンアミド系加硫促進剤を使用するのが好ましい。加硫促進剤の添加量は、弾性層の樹脂成分100質量部に対し、0.3質量部以上4質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。
−発泡剤−
前記発泡弾性層の形成は、発泡剤を用いることが好ましい。
発泡剤としては、公知のものを用いることができ、化学発泡剤であっても、物理発泡剤であってもよいが、取り扱い性や保存性の観点から、化学発泡剤であることが好ましい。
化学発泡剤としては、無機化合物であっても、有機化合物であってもよく、2種以上を併用してもよいが、経時歪み抑制性、及び、経時外径安定性の観点から、化学発泡剤を2種以上併用することが好ましく、2又は3種併用することがより好ましく、2種併用することが特に好ましい。
有機化学発泡剤としては、例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)などのニトロソアミン化合物、アゾジカルボンアミド(ADCA)などのアゾ化合物、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)やヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)などのヒドラジン化合物等が挙げられる。
無機化学発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム等の炭酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩と有機酸塩との組み合わせ等が挙げられる。
中でも、有機化学発泡剤が好ましく、ニトロソアミン化合物、アゾ化合物及びヒドラジン化合物がより好ましく、アゾジカルボンアミド(ADCA)、4、4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、及び、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DTP)よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物が更に好ましく、アゾジカルボンアミド(ADCA)及び4、4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)の2種を併用することが特に好ましい。
物理発泡剤としては、窒素、二酸化炭素等の不活性ガスや揮発性有機化合物などが挙げられる。中でも、不活性ガスを使用することが好ましく、超臨界状態の二酸化炭素、窒素、又は、これらの混合物を使用することが好ましい。
化学発泡剤を用いる場合、弾性材料を含む組成物に混合し、熱により発泡させることが好ましい。
物理発泡剤を用いる場合には、常圧又は加圧下において、弾性材料を含む組成物に混合して、発泡させてもよいし、前記組成物へ物理発泡剤を含浸させ、発泡させてもよい。
発泡方法としては、特に制限はないが、具体的には、バッチ発泡法、プレス発泡法、常圧発泡法、常圧二次発泡法、加硫釜内による蒸気加圧加熱発泡などの方法が挙げられる。
また、発泡剤や発泡方法としては、特開平11−106543号公報や「新版 ゴム技術の基礎 改訂版」、日本ゴム協会編に記載の発泡剤及び発泡方法を参照することができる。
また、前記発泡弾性層は、半連続発泡体又は連続発泡体(それぞれ「半連続気泡体」、「連続気泡体」ともいう。)であることが好ましい。
発泡剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよく、また、化学発泡剤と物理発泡剤とを併用してもよい。
発泡剤の使用量は、使用する樹脂の特性や発泡弾性部材の用途によって適宜、調整することができるが、発泡弾性層の樹脂成分100質量部に対し、0.1質量部〜30質量部であることが好ましく、0.5質量部〜20質量部であることがより好ましく、1質量部〜15質量部であることが更に好ましく、2質量部〜10質量部であることが特に好ましい。上記範囲であると、抵抗安定性により優れる。
また、化学発泡剤を2種以上用いる場合、分解温度の最も低い発泡剤の使用量F1と分解温度の最も高い発泡剤の使用量F2との質量比(F1/F2)は、経時歪み抑制性、及び、経時外径安定性の観点から、0.2以上5.0以下であることが好ましく、0.25以上4.0以下であることがより好ましい。
−その他の添加剤−
前記発泡弾性層は、その他の添加剤を含んでいてもよい。
その他の添加剤としては、周知の各種のゴム用添加剤が挙げられる。具体的には、例えば、加工助剤(ステアリン酸等)、発泡助剤、軟化剤、可塑剤、硬化剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤、充填剤(シリカ、炭酸カルシウム等)等が挙げられる。
−外径変化量−
前記発泡弾性部材が、ローラー形状である場合、前記発泡弾性部材の初期の外径Daとし、60℃85%RH環境下に48時間放置した後、22℃55%RH環境下に24時間放置した後の前記発泡弾性部材の外径Dbとした場合、Da−Dbの値(外径変化量)は、経時歪み抑制性、及び、経時外径安定性の観点から、531μm未満であることが好ましく、521μm未満であることがより好ましく、450μm未満であることが更に好ましく、15μm未満であることが特に好ましい。
前記Da−Dbの値は、以下のように測定する。
22℃、55%環境下に24時間以上静置したロールの外径を両端20mmと中央の3箇所を測定する。この3箇所の外径を平均して外径Daとする。
その後、発泡弾性層が何物にも触れないようにして、60℃、85%RH環境下に48時間静置する。
48時間静置後に再び22℃、55%環境下に24時間静置したロールの外径を同じく両端20mmと中央の3箇所を測定し、平均した外径を外径Dbとする。
Da−Dbを算出し、外径変化量とする。
−圧縮永久歪み量−
前記発泡弾性層を厚さ8.0mmのSUS製金属平板に0.6mm食込ませた状態で、60℃85%RH環境下に48時間放置した後、22℃55%RH環境下に24時間放置した後に前記金属平板を取り除き、30分後に測定した前記金属平板を食込ませた部分における前記発泡弾性部材の外径の歪み量(圧縮永久歪み量)は、経時歪み抑制性、及び、経時外径安定性の観点から、225μm未満であることが好ましく、220μm以下であることがより好ましく、210μm以下であることが更に好ましく、170μm以下であることが特に好ましい。
前記圧縮永久歪み量は、以下のように測定する。
22℃、55%環境下に24時間以上静置した発泡弾性層において、前記発泡弾性層を対向する厚さ8.0mmのSUS製金属平板に0.6mm食込むようにセットした後、60℃、85%RH環境下に48時間静置する。
48時間静置後に再び22℃、55%環境下に24時間静置し、発泡弾性部材を食込みから開放し、開放した30分後に発泡弾性層の厚さ(発泡弾性部材がロールの場合は、ロール外径でもよい。)を接触式形状測定機により発泡弾性部材の前記金属平板を食込ませた部分の両端から20mmの部分と中央部分との3箇所を測定する。この3箇所の各々の外径の最大値(Max値)−最小値(Min値)を算出し、Max値−Min値の3箇所を平均して圧縮永久歪み量とする。
前記発泡弾性層の厚みは、特に制限はなく、用途に応じ適宜選択すればよい。例えば、転写ロールに本実施形態に係る発泡弾性部材を用いる場合、前記発泡弾性層の厚みは、2mm以上20mm以下であることが好ましく、2mm以上15mm以下であることがより好ましい。
前記発泡弾性層の形成方法は、特に制限はないが、導電性化合物を含む樹脂成分と、加硫剤と、発泡剤とを含む組成物を加硫及び発泡させ発泡ゴム層を形成する方法が好ましく挙げられる。
前記発泡樹脂を得る工程における加硫及び発泡は、同時に行っても、逐次で行ってもよい。逐次で行う場合は、加硫を行った後、発泡することが好ましい。
また、経時歪み抑制性、及び、経時外径安定性の観点から、化学発泡剤を2種以上用いて、発泡することが好ましい。
加硫及び発泡時における温度及び時間は、特に制限はなく、使用する加硫及び発泡剤に応じて、適宜設定すればよい。
加硫及び発泡は、加熱により行うことが好ましく、加熱温度としては、100℃以上200℃以下であることが好ましい。
また、前記加硫を、マイクロ波加硫により行ってもよい。
マイクロ波加硫を行う方法としては、例えば、特開2008−176027号公報に記載された方法が挙げられる。
本実施形態に係る発泡弾性部材は、用途に応じ、他の層、例えば、表面層、ゴム被覆層、接着層等を更に有していてもよい。
他の層としては、特に制限はなく、用途に応じ、公知の層が設けられる。
本実施形態に係る発泡弾性部材は、例えば、電子写真複写機、静電プリンター等における像保持体上の表面を帯電するための帯電ロール、像保持体上に形成されたトナー像を転写媒体に転写するための転写ロール、像保持体上にトナーを搬送するためのトナー搬送ロール、用紙を静電搬送させる導電ベルトと組み合わせて給電又は駆動するための導電ロール、像保持体上のトナーを除去するためのクリーニングロール等に使用される。また、インクジェット方式の画像形成装置において、インクがインクジェットヘッドから吐出される前の中間転写体を帯電するための給電ロール等に使用される。
<画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ>
本実施形態に係る画像形成装置は、本実施形態に係る発泡弾性部材を備える画像形成装置であり、本実施形態に係る発泡弾性部材を転写ロールとして備える画像形成装置であることが好ましく、像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、本実施形態に係る発泡弾性部材を転写ロールとして有し、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備える画像形成装置であることがより好ましい。
転写手段においては、例えば、転写ロールを単独で備える記録媒体への直接転写方式の構成、又は、像保持体の表面に形成されたトナー像が転写される中間転写体と像保持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に転写する1次転写ロールと中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体に転写する2次転写ロールとを備える中間転写方式の構成が挙げられる。
直接転写方式の構成では、像保持体に対向して配置された転写ロールとして本実施形態に係る転写ロールを備えることが好ましい。
また、中間転写方式の構成では、1次転写ロール及び2次転写ロールの少なくともいずれか一方の転写ロールとして本実施形態に係る転写ロールを備えることが好ましい。
更に、用紙搬送ベルト内で給電又は駆動ロールとして、本実施形態に係る導電性ロールを用いてもよい。
本実施形態に係る画像形成装置としては、例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置、像保持体上に保持されたトナー像を直接、記録媒体に転写する画像形成装置、像保持体上に保持されたトナー像を中間転写体に順次1次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像装置を備えた複数の像保持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置のいずれのものであってもよい。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る発泡弾性部材を有し、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジであり、本実施形態に係る発泡弾性部材を転写ロールとして有するプロセスカートリッジであることが好ましく、本実施形態に係る発泡弾性部材を転写ロールとして有し、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジであることがより好ましい。
また、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、必要に応じて、像保持体、像保持体を帯電する帯電手段、帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段、及び像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段から選ばれる少なくとも1種の手段を備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置を、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図であり、前記画像形成装置は、本実施形態に係る発泡弾性部材を一次転写ロール及び二次転写ロールに適応した画像形成装置である。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに特定距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が配置されている。中間転写ベルト20は、図1における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に張力が付与されて巻回され、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるように、画像形成装置用の転写ユニットを構成している。
なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に特定の張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
上述した第1乃至第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配置されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yを代表させて説明する。なお、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を特定の電位に帯電させる帯電ロール2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ロール5Y(1次転写手段)、及び1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを、クリーニングブレードにて除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配置されている。
なお、1次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V以上−800V以下程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10Ωcm以下)の基材上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像は、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って特定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、イエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き特定速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が特定の1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写部へ搬送されると、1次転写ロール5Yに特定の1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは、クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2ユニット10M以降の1次転写ロール5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ロール(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。なお、2次転写ロール26の外周面には、弾性材料で構成されたクリーニングブレードが接触しており、中間転写ベルト20から記録媒体Pに転写されずに2次転写ロール26の外周面に付着したトナーが除去される。
一方、記録媒体Pが供給機構を介して2次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接している隙間に特定のタイミングで給紙され、特定の2次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録媒体Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録媒体P上に転写される。なお、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録媒体Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録媒体P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録媒体Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録媒体Pに転写する構成となっているが、本実施形態に係る画像形成装置は、上記構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録媒体Pに転写される構造であってもよい。
以下に実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
(実施例1乃至実施例7、並びに、比較例1及び比較例2)
<導電性ロールの作製>
−発泡弾性層の形成−
下記混合物をX/Y比が所望の値になるよう発泡剤A、発泡剤Bの配合質量部を適宜調整し、オープンロールで混練りしゴム練り材Aを得た後、中心部に孔が開いた状態(ドーナツ状)で押し出して円筒形状のロールに成形した。
次いで、円筒形状のロールを160℃で30分間加熱して加硫発泡させた。その後に120℃、2時間でアニール処理を施した。
アニール処理後のロールの中心部の孔にSUS(ステンレス鋼)製、直径8mmのシャフトを差し込み、ロールの外周面を研磨して外径18mm(ゴム厚5.0mm)、長さ224mmの実施例1乃至実施例10、並びに、比較例1及び比較例2の導電性ロールをそれぞれ得た。研磨後のロールを1μS/cmの純水(20℃)を入れた超音波洗浄機で40分間洗浄し、水中から取り出して自然乾燥させた。
・ゴム材(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム(CG102、(株)大阪ソーダ製)60%と、ニトリルアクリロブタジエンゴム(N230SV、JSR(株)製)40%との混合物):100質量部
・カーボンブラック(#55、旭カーボン(株)製):15質量部
・加硫剤(硫黄)(200メッシュ、鶴見化学工業(株)製):1質量部
・加硫促進剤(ノクセラーDM、大内新興化学工業(株)製):1.5質量部
・加硫促進剤(ノクセラーTET、大内新興化学工業(株)製):1.0質量部
・酸化亜鉛(亜鉛華1号:正同化学工業(株)製):5質量部
・炭酸カルシウム(ホワイトンSSB:白石カルシウム(株)製):10質量部
・ステアリン酸(ステアリン酸S:花王(株)製):1質量部
・発泡剤A アゾジカルボンアミド(ADCA):適量
・発泡剤B 4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド、OBSH):適量
・発泡助剤 尿素化合物:0.5質量部
(実施例8)
実施例1のエピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴムをEPION301((株)大阪ソーダ製)に変えた以外は、実施例1と同様にして、導電性ロールを得た。
(実施例9)
実施例1の混合物に四級アンモニウム塩(ラウリルトリメチルアンモニウム)を1質量部加えた以外は、実施例1と同様にして、導電性ロールを得た。
(実施例10)
実施例1の外周面を研磨して外径14mm(ゴム厚3.0mm)変えた以外は、実施例1と同様にして、導電性ロールを得た。
<X/Y比の測定>
発泡ゴムロールの中央部を90°ずつ4箇所に対して、かみそりを用いて、発泡弾性層の面方向に垂直な方向の断面を作製した。
(株)キーエンス製レーザー顕微鏡VK−X200を用いて断面形状を観察し発泡の断面画像を取得した。このときレーザー顕微鏡観察は発泡形状が得られる倍率で観察を行った。
得られた画像をメディアサイバネティクス(Media Cybernetics)社製画像解析ソフトImage−Pro Plusに導入し、発泡ゴムのセル(泡構造)の縦横比(X/Y比)を100個以上のセルについて測定及び算出し、その平均値を算出した。
<導電性ロールの残留イオン評価法>
発泡弾性層の塩素イオンの遊離量の測定方法は、次の通りである。
発泡弾性層から、0.5gの試料を採集する。0.5gの試料を樹脂製容器に投入し、樹脂製容器に超純水(0.058μS/cm)100mLを加え、30分間浸漬し、イオン成分を抽出する。抽出液を50倍希釈し、イオンクロマトグラフィ(Thermo Fisher Scientific社製、ICS−2100)に注入し塩素イオンを測定した。カラムはAS−19(Thermo Fisher Scientific社製)、溶離液は水酸化カリウムを使用し、流速1.0mL/minで送液した。そして、電気伝導度検出器を用い、塩素イオンを含む混合標準溶液(関東化学(株)製、陰イオン混合標準液I)を使用した絶対検量線法により塩素イオンを定量し、塩素イオン量を求めた。
発泡弾性部材における発泡弾性層の厚み方向の両端部及び中央部からそれぞれ採取した3種類の試料について、この操作を実施し、塩素イオン量を求め、その平均値を塩素イオンの遊離量とした。
<外径変化量の評価>
22℃、55%環境下に24時間以上静置したロールの外径を両端20mmと中央の3箇所を測定する。この3箇所の外径を平均して外径Daとした。
その後、発泡弾性層が何物にも触れないようにして、60℃、85%RH環境下に48時間静置した。
48時間静置後に再び22℃、55%環境下に24時間静置したロールの外径を同じく両端20mmと中央の3箇所を測定し、平均した外径を外径Dbとした。
Da−Dbを算出し、外径変化量とした。
<圧縮永久歪み量の評価>
22℃、55%環境下に24時間以上静置したそのロールにおいて、前記発泡弾性層に対向する厚さ8.0mmのSUS製金属平板に対し、0.6mm食込むようにセットした後、60℃、85%RH環境下に48時間静置した。
48時間静置後に再び22℃、55%環境下に24時間静置し、ロールを食込みから開放し、開放した30分後にロール外径を接触式形状測定機により発泡弾性部材の前記金属平板を食込ませた部分の両端から20mmの部分と中央部分との3箇所を測定した。この3箇所の各々の外径の最大値(Max値)−最小値(Min値)を算出し、Max値−Min値の3箇所を平均して圧縮永久歪み量とした。
評価結果を、表1にまとめて示す。
*1:表1における実施例2乃至5及び7における発泡剤A及び発泡剤Bの使用量は、実施例1での使用量と実施例6での使用量との間で適宜調整し、表1に記載のX/Y等となるように発泡弾性部材をそれぞれ作製した。
*2:表1における比較例1における発泡剤A及び発泡剤Bの使用量は、実施例1での発泡剤Aの使用量よりも少し少なくし、実施例1での発泡剤Bの使用量よりも少し多くして、表1に記載のX/Y等となるように発泡弾性部材を作製した。
*3:表1における比較例2における発泡剤A及び発泡剤Bの使用量は、実施例6での発泡剤Aの使用量よりも少し多くし、実施例6での発泡剤Bの使用量よりも少し少なくして、表1に記載のX/Y等となるように発泡弾性部材を作製した。
表1に示すように、実施例の発泡弾性部材は、比較例の発泡弾性部材よりも、高温高湿環境下に長期保管されても、圧縮永久ひずみが小さいものであった。
また、表1に示すように、実施例の発泡弾性部材は、高温高湿環境下に長期保管されても、外径変化が小さいものでもあった。
1Y、1M、1C、1K 感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
P 記録紙(記録媒体の一例)

Claims (10)

  1. 導電性基材と、
    前記導電性基材上に配置される発泡弾性層とを有し、
    前記発泡弾性層の厚さ方向の面で切断した前記発泡弾性層の断面において、前記発泡弾性層の厚さ方向をy軸、前記断面における前記y軸に垂直な方向をx軸とし、前記発泡弾性層におけるセルのx軸方向の最大長さをX、y軸方向の最大長さをYとした場合、X/Yの値の平均値が、0.86以上1.16以下である
    発泡弾性部材。
  2. 前記発泡弾性層が、エピクロルヒドリンゴムを含み、かつ塩素イオンの遊離量が1μg/g以上80μg/g以下である請求項1に記載の発泡弾性部材。
  3. 前記発泡弾性層においてL関数で算出される平均セル間距離が、320μm以上600μm以下である請求項1又は請求項2に記載の発泡弾性部材。
  4. 前記発泡弾性層においてL関数で算出される平均セル間距離が、400μm以上520μm以下である請求項3に記載の発泡弾性部材。
  5. 前記発泡弾性部材が、ローラー形状である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発泡弾性部材。
  6. 前記発泡弾性部材の初期の外径Daとし、60℃85%RH環境下に48時間放置した後、22℃55%RH環境下に24時間放置した後の前記発泡弾性部材の外径Dbとした場合、Da−Dbの値が、521μm未満である請求項5に記載の発泡弾性部材。
  7. 前記発泡弾性層を厚さ8.0mmの金属平板に0.6mm食込ませた状態で、60℃85%RH環境下に48時間放置した後、22℃55%RH環境下に24時間放置した後に前記金属平板を取り除き、30分後に測定した前記金属平板を食込ませた部分における前記発泡弾性部材の外径の歪み量が、225μm未満である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の発泡弾性部材。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の発泡弾性部材を、被転写体に転写物を転写させる転写部材として備える転写装置。
  9. 請求項8に記載の転写装置を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  10. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電装置と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
    トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する請求項8に記載の転写装置と、
    を備える
    画像形成装置。
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