JP2020167094A - 照明器具 - Google Patents

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遼介 白戸
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Abstract

【課題】簡単な構成で電源部の温度上昇を抑制できる照明器具を提供する。【解決手段】実施形態の照明器具は、被設置面に取付けられる設置部を備えるアームと、放熱器と、電源部と、放熱器と電源部との間に配設される板部と、を備える。放熱器は、アームに取り付けられ、一面側に光源モジュールが取付けられ、一面側とは反対方向の他面側から突出した複数のフィンを備える。電源部は、光源モジュールに点灯電源を供給する電源回路と、この電源回路を収容するケースとを備え、設置部からケースの上面部との間隔が、フィンの突出端からケースの底板の間隔より広くなるように配設される。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、照明器具に関する。
従来、例えば施設等の天井が高い空間の照明に用いられる高天井用の照明器具がある。この照明器具では、発光素子を有する発光モジュールが用いられ、この発光モジュールが放熱器の下面に取り付けられている。放熱器の上面には発光素子が発生する熱を放熱するための複数の放熱フィンが突設されている。放熱器はこの放熱器の上方に配設される本体シャーシに支持され、この本体シャーシ上に電源部が配設されている。本体シャーシには天井等の被設置面に設置するためのアームが連結されている。
この照明器具は天井等の被設置面に設置した状態で光の照射角度を変えることが可能である。そのため、照射角度を変えた場合に、照明器具の、例えば電源部が、被設置面に干渉しないように、アームと電源部の間に隙間を設ける必要がある。そのため、照明器具が大型化するという問題点があった。
また、この照明器具の構成では、放熱器の上方に電源部が配設されているため、放熱器から放熱された熱を電源部が受け取ることで、電源部の温度が上昇し、電源部の寿命が短くなってしまう虞がある。
これらの課題を鑑みて、大型化させない簡単な構成で電源部の温度上昇を抑制できる照明器具の構造が求められていた。
特開2018−120764号公報
本発明が解決しようとする課題は、簡単な構成で電源部の温度上昇を抑制できる照明器具を提供することである。
実施形態の照明器具は、被設置面に取付けられる設置部を備えるアームと、放熱器と、電源部と、放熱器と電源部との間に配設される板部と、を備える。放熱器は、アームに取り付けられ、一面側に光源モジュールが取付けられ、一面側とは反対方向の他面側から突出した複数のフィンを備える。電源部は、光源モジュールに点灯電源を供給する電源回路と、この電源回路を収容するケースとを備え、設置部からケースの上面部との間隔が、フィンの突出端からケースの底板の間隔より広くなるように配設される。
実施形態によれば、簡単な構成で電源部の温度上昇を抑制することが期待できる。
第1の実施形態を示す照明器具の斜視図である。 第1の実施形態の発光モジュールを示す上面図である。 第1の実施形態の放熱器を示す斜視図である。 第1の実施形態の反射体を示す斜視図である。 第1の実施形態の透光カバーを示す斜視図である。 第1の実施形態のアームを示す斜視図である。 第1の実施形態の電源部を示す斜視図である。 第1の実施形態を示す照明器具の側面図である。 第1の実施形態の電源部の配線孔および外部電源用ケーブルの防水構造を示す斜視図である。 第1の実施形態の板部を示す斜視図である。
以下、第1の実施形態を説明する。照明器具10は、例えば施設等の天井が高い空間の照明に用いられる高天井用照明器具である。本明細書においては、照明器具10を天井に取付けた状態で、光が照射される方向を下方、下方とは反対方向を上方と定義する。また、下方、上方と交わる方向を側方とする。
本実施形態における照明器具10を図1に示す。照明器具10は、発光モジュール11、この発光モジュール11を配設する放熱器12、発光モジュール11に対向配置されて配光を制御する反射体13、発光モジュール11および反射体13を覆う透光カバー(下面カバー)14、放熱器12を支持するアーム15、発光モジュール11に点灯電源を供給する電源部16、および、放熱器12と電源部16の間に配設される板部17等を備えている。
本実施形態では、照明器具10の光が照射される部分を光源部とする。つまり、発光モジュール11と放熱器12と反射体13と透光カバー14で構成される部分を合わせて光源部と呼ぶ。光源部はアーム15に取り付けられる。なお、光源部は放熱器12を備えておらず、発光モジュール11と反射体13と透光カバー14で構成されていても良い。
図2に示すように、発光モジュール11は、基板20、およびこの基板20の一面に実装された複数の発光素子21を備えている。
基板20は、四隅や各辺の中心付近が切り欠かれた略四角形(例えば略正方形)に形成されている。基板20の一面に、発光素子21を実装する配線パターンが設けられている。基板20は、基板20の他面が放熱器12の下面に、直接取付けられても良いし、絶縁性を有する図示しない放熱シートを介して密着するように取り付けられても良い。なお、基板20の一面の配線パターン上には図示しない光源側コネクタが実装されている。
基板20の取り付けには、基板20を放熱器12に押える複数の基板押えや、およびこれら基板押えを介して放熱器12に基板20を締め付け固定する複数のねじが用いられている。基板押えは、樹脂等の絶縁部材であり、反射体13とは別体として設けられる。これにより、長期使用においても発光素子21からの熱影響による寸法変化等が抑制される。
基板20の中央には配線孔20aが形成されている。基板20の四隅および配線孔20aの周囲に基板押えが嵌合する嵌合部20bが形成されている。基板20の四隅の嵌合部20bは溝状に形成され、配線孔20aの周囲の嵌合部20bは孔状に形成されている。基板20の各辺の中央には、放熱器12への反射体13の取り付けを可能とするための半円状の溝部20cが形成されている。なお、嵌合部20bおよび溝部20cの形状は任意であり、基板20を切り欠くように形成される嵌合部20bおよび溝部20cの面積を増やすことで基板20の軽量化を図ってもよいし、嵌合部20bおよび溝部20cの面積を小さくすることで基板20の形状を簡略化し、製造および組立が容易な構成にしてもよい。また、基板20と放熱器12の間に放熱シートを介している場合は、放熱シートの中央にも配線孔が形成される。
発光素子21は、例えば表面実装形LEDが用いられている。発光素子21は、基板20の一面の配線パターン上に所定の配列で実装されている。発光素子21は基板20の複数箇所の実装領域に分かれて実装され、複数の発光部25が構成されている。本実施形態では、発光部25は、基板20の四隅に対応した4箇所の実装領域に分かれて実装され、4つの発光部25が構成されている。発光部25は、例えば複数の発光素子21が略円形に配列されて設けられた領域である。なお、発光素子21は、LEDに限らず、有機ELなどの他の発光素子を用いてもよい。
また、放熱器12は、例えばアルミニウムなどの金属材料によって形成されている。図3に示すように、放熱器12は、光源取付部27、およびこの光源取付部27の上面側から突出する複数のフィン28を備えている。これら光源取付部27と各フィン28とは一体に形成されている。なお、光源取付部27と各フィン28とは別体に形成し、光源取付部27の上面側に複数のフィン28を固定するように構成してもよい。
光源取付部27は、平板状で、一方の対向する両側の側縁29および他方の対向する両側の側縁30を有する略四角形状(例えば正方形)に形成されている。光源取付部27の下面側は平面状に形成されており、この光源取付部27の下面側に発光モジュール11の基板20が、例えば、放熱シートを介して取り付けられている。
光源取付部27の上面側には、光源取付部27の一方の対向する両側の側縁29と平行に複数のフィン28が突設されている他に、光源取付部27の一方の対向する両側の側縁29の近傍に両側の取付部31が突設され、さらに、これら両側の取付部31の間に複数の突部32が突設されている。フィン28、取付部31および突部32は、互いに平行で、光源取付部27の他方の対向する両側の側縁30の幅全域に亘って設けられている。両側の取付部31は、光源取付部27の厚みと同じ厚みまたは同じ程度の厚みの平板状で、光源取付部27からの突出高さがフィン28よりも低いとともに突部32よりも高く設けられている。取付部31の中央域には複数の取付孔33が設けられている。複数の突部32は、光源取付部27を補強するものである。光源取付部27の中央に位置する突部32は、フィン28の並ぶ方向に対応した方向の幅が他の突部32よりも広く設けられている。この中央の突部32の位置であって、基板取付部27の中央に配線孔27aが形成されている。
フィン28は、光源取付部27の厚みよりも薄い平板状で、光源取付部27の一方の対向する両側の側縁29と平行で、かつフィン28同士が互いに平行となるように設けられている。複数のフィン28は、光源取付部27の他方の対向する両側の側縁30の幅全域に亘って設けられている。
複数のフィン28間には所定の間隔があけられているが、光源取付部27の中央域に対応したフィン28間の間隔は中央域以外でのフィン28間の間隔よりも広くあけられている。つまり、光源取付部27の中央域に対応したフィン28間に広間隔部34が設けられている。この広間隔部34の下側に、中央の突部32が設けられているとともに、配線孔27aが設けられている。
図4に示すように、反射体13は、発光モジュール11の各発光部25に対向配置される複数の反射筒部37、および光源取付部27に取り付けられる複数の取付ボス38を備えている。本実施形態では、複数の反射筒部37および複数の取付ボス38が一体に形成されているが、複数の反射筒部37を別体とし、各反射筒部37毎に取付ボス38を設けてもよい。
反射筒部37は、上下方向に開口するとともに、下方へ向けて拡開する円筒状に形成されている。反射筒部37の内面には、例えば鏡面等の高反射率の反射面が形成されている。各反射筒部37は発光モジュール11の各発光部25に対応する位置に配置されるとともに隣り合う反射筒部37の下部側が一体に設けられている。そして、反射筒部37は、上面開口から発光モジュール11の発光部25からの光を入射し、下面開口から出射する光の配光を制御する。
取付ボス38は、隣り合う反射筒部37間から立ち上げられている。取付ボス38は、基板20の溝部20cを通じて放熱器12の下面側に配置され、例えば、ねじによって光源取付部27の下面側に固定されている。
なお、反射体13は、必須ではなく、用いなくてもよい。その場合は、より簡易な構成となるため、軽量化や製造コストの低減、組立の簡易化が望めるという効果を奏する。
さらに、反射体13の代わりに、発光素子21に対向するレンズを用いてもよい。その場合は、軽量化や小型化、配光性の向上等の効果が期待できる。
図5に示すように、透光カバー14は、枠部40に透光部材41が取り付いた構造となっている。例えば、枠部40はアルミで形成されたアルミダイキャスト枠である。また透光部材41は、例えば、ガラスで構成されている。透光部材41は特殊な用途に向けて強化ガラスで形成されていても良いし、透光性を有する樹脂材料であっても良いし、拡散性を有する部材であっても良い。透光カバー14は、発光モジュール11および反射体13を覆って放熱器12の下面側に取り付けられる。
枠部40は、発光モジュール11および反射体13の下面側を覆う下面部43、発光モジュール11および反射体13の側面周囲を覆う環状の側面部44、および放熱器12の光源取付部27に取り付けられる環状のフランジ部45を備えている。
下面部43は、略四角形(例えば略正方形)の平板状に形成されており、中央部に空洞部43aが設けられている。そして、空洞部43aをフランジ部45側から覆うように透光部材41が配設される。透光部材41は空洞部43aより大きい寸法で形成されており、透光部材41と下面部43の間に図示しないパッキングを介して取付けられる。本実施形態においては、透光部材41と空洞部43aは共に略四角形形状で形成されているが、この形態に限定されるものではない。例えば、円形であったり、多角形形状であったりしても良い。
側面部44は、略四角形(例えば略正方形)の環状に形成されている。
フランジ部45は、側面部44の上端から外側方に向けて環状に突出形成されている。フランジ部45の四方の各辺には、ねじ挿通用の複数の挿通孔48が形成されている。フランジ部45は、放熱器12の光源取付部27の下面側に図示しない環状のパッキングを介して、例えば、ネジを用いて取り付けられる。
なお、透光カバー14は発光素子21から照射される光を光学制御可能なレンズ等と一体に形成されてもよい。
そして、透光カバー14は、発光モジュール11および反射体13が取り付けられた放熱器12の下面側を閉塞し、虫や埃等の侵入、および雨水等の侵入を防止している。
図6に示すように、アーム15は、放熱器12の両側の取付部31に取り付けられる一対の連結板61、およびこれら連結板61に角度調整可能に連結されたアーム部62を備えている。
連結板61は、金属板によって形成されている。連結板61の下部側には、ねじ挿通用の複数の挿通孔63が設けられている。挿通孔63を挿通したねじ(ボルト)64が放熱器12の取付部31の取付孔33に螺着されることにより、連結板61が取付部31に取り付けられている。連結板61の上部側には支点孔65およびこの支点孔65の下側に調整孔66が設けられている。これら支点孔65および調整孔66は、連結板61に固定されたナットによって構成されている。さらに、連結板61の上端には、板部17を取り付けるための取付板部67が折曲形成されている。取付板部67には複数の取付孔68が設けられている。したがって、連結板61は、アーム部62の取り付けと板部17の取り付けとに兼用されている。
アーム部62は、金属板によって形成されている。アーム部62は、設置部69、およびこの設置部69の両端から下方へ折曲された支持部70を有している。設置部69には、天井等の被設置部に設置するための複数の設置孔71が設けられている。支持部70には、連結板61と連結するための支点孔72および調整溝73が設けられている。調整溝73は、支点孔72を中心とした円弧状に設けられている。
アーム部62の両側の支持部70は、連結板61の外側に配置され、アーム部62の支点孔72を挿通するボルト74が連結板61の支点孔65に螺着されることによって回動可能に連結されているとともに、アーム部62の調整溝73を挿通するボルト75が連結板61の調整孔66に螺着されることによって締め付け固定されている。そして、ボルト75が緩められた状態で、天井等の被設置部に設置されるアーム部62に対して連結板61を角度調整可能とするものであって、照明器具10の光照射方向を例えば直下方向等の任意の方向となるように角度調整可能とする。
また、図7に電源部16を示す。電源部16は、後述する板部17の上方に取り付けられ、アーム15の内側に配置されるとともに、下方の板部17および上方のアーム部62の設置部69との間にそれぞれ所定の間隔をあけて配置されている。
電源部16は、ケース80、およびこのケース80内に配置される電源回路81を備えている。
ケース80は、底板82、この底板82上に被着されるカバー83を備えている。底板82とカバー83とは環状のパッキング84を介在して密閉固定されている。
ケース80の底板82は、金属製で、長方形の平板状に形成されている。底板82の周辺部にはカバー83を固定するための複数の取付孔85が設けられている。底板82の両側の長手には、短手方向に突出する突片部86が突設され、これら突片部86にねじ挿通用の挿通孔87が設けられている。本実施形態では、底板82の長手の端部側に1つずつ突片部86が突設されており、底板82全体で4つの突片部86が突設されている。そして突片部86は、後述する板部17の電源取付部133上に配置され、突片部86の挿通孔87を挿通したねじが電源取付部133の電源取付孔135に螺着されることにより、底板82(ケース80)が板部17に取り付けられる。
底板82の中央域には、電源回路81に外部電源を供給する外部電源用ケーブル89が挿通される外部電源用配線孔90、および電源回路81から発光モジュール11に点灯電源を供給する点灯電源用ケーブル91が挿通される点灯電源用配線孔92が設けられている。
外部電源用ケーブル89は、電源部16のケース80の下面の外部電源用配線孔90から下方に引き出されてから、アーム部62の両側の支持部70の対向方向とは交差する外側方向である配線方向へ向けて曲げられ、放熱器12と電源部16の間を通じて照明器具10の外側方の配線方向へ向けて配線される。
各ケーブル89,91が挿通される各配線孔90,92は、その少なくとも一部が放熱器12のフィン28間の広間隔部34の上方に位置するように設けている。なお、図8において、外部電源用配線孔90の孔範囲をA1、点灯電源用配線孔92の孔範囲をA2と示し、これら外部電源用配線孔90の孔範囲A1および点灯電源用配線孔92の孔範囲A2の少なくとも一部が放熱器12のフィン28間の広間隔部34の上方に位置されていることを示す。したがって、各配線孔90,92に挿通された各ケーブル89,91についても、その少なくとも一部が放熱器12のフィン28間の広間隔部34の上方に位置するように設けている。なお、各配線孔90,92の全体が放熱器12のフィン28間の広間隔部34の上方に位置していてもよい。
各ケーブル89,91が挿通される各配線孔90,92にはそれぞれ防水構造93が適用されている。図9に外部電源用配線孔90に適用した防水構造93を示す。防水構造93は、パッキング94、およびパッキング押え95を備えている。パッキング94は、外部電源用配線孔90よりも外形が大きい長円板状に形成され、中央に外部電源用ケーブル89が挿通されるケーブル挿通孔96が設けられ、両端側にねじ挿通用の挿通孔97が設けられている。パッキング押え95は、長円形状で、下面側が窪んでパッキング94を収納可能とするキャップ状に形成され、中央に外部電源用ケーブル89が挿通されるケーブル挿通孔98が設けられ、両端側にねじ挿通用の挿通孔99が設けられている。そして、パッキング押え95の挿通孔99およびパッキング94の挿通孔97を挿通したねじ100が底板82に螺着されることにより、底板82とパッキング押え95との間でパッキング94が圧縮されて変形し、パッキング94が外部電源用ケーブル89に密着するとともに外部電源用配線孔90を密閉し、防水性が確保される。なお、点灯電源用配線孔92に適用する防水構造93についても、外部電源用配線孔90に適用した防水構造93と共通の構成となっている。
底板82上の中央域には、各配線孔90,92から引き込まれた各ケーブル89,91の先端側近傍を保持するための保持台101,102が取り付けられている。保持台101,102に対しては、各ケーブル89,91に係合する保持部材103,104がねじ105,106で保持台101,102に固定されることにより、各ケーブル89,91が保持されている。
外部電源用配線孔90と保持台101、および点灯電源用配線孔92と保持台102は、それぞれ底板82の短手方向に並んで配置されるとともに、各配線孔90,92と各保持台101,102の位置が底板82の短手方向で反対位置となるように配置されている。これにより、底板82の長手方向において、各配線孔90,92や保持台101,102等を近付けて配置でき、ケース80を小形化できる。
底板82上の長手方向両側域には、電源回路81を取り付けるための複数の取付ボス107が取り付けられている。
ケース80のカバー83は、金属製で、長方形の上面部108、およびこの上面部108の周囲から下方に折曲された環状の側面部109を有し、下面側が開口されたボックス状に形成されている。側面部109の下端周辺部には、底板82との間に介在されるパッキング84を押える環状のパッキング押え部110が設けられているとともに、このパッキング押え部110の各辺から外側方に取付片部111が突設されている。取付片部111には、ねじ挿通用の複数の挿通孔112が形成されている。そして、カバー83の取付片部111の挿通孔112を挿通したねじ113が底板82の取付孔85に螺着されることにより、底板82とカバー83とがパッキング84を介して固定されている。これにより、底板82とカバー83との間の防水性が確保されている。
カバー83の側面には、ケース80の内外の通気性を確保しながら水を通過を阻止する通気部114が設けられている。
また、電源回路81は、2つの回路基板116を備えている。各回路基板116は、電源回路81を構成する複数の電子部品117が実装されており、入力される交流電源等の外部電源を直流電源等の所定の点灯電源に変換して出力する。各回路基板116は、底板82上の長手方向両側位置で、複数の取付ボス107に対して複数のねじ118で固定されている。
各回路基板116が有する図示しない外部電源入力部に外部電源用ケーブル89が電気的に接続されるとともに、各回路基板116が有する図示しない点灯電源出力部に点灯電源用ケーブル91が電気的に接続されている。これら外部電源入力部および点灯電源出力部は、端子台やコネクタで構成されている。
また、平面視の電源部16の外形は平面視の放熱器12の複数のフィン28が設けられている領域の外形よりも大きく、平面視で電源部16の外形内に放熱器12の複数のフィン28が設けられている領域が収まる関係にある。
また、電源部16の下面から引き出されている点灯電源用ケーブル91の先端側は、放熱器12の配線孔27aおよび、後述する板部17の配線孔136、基板20の配線孔20aを挿通し、例えば基板20に実装された基板側コネクタに電気的に接続されている。放熱器12の配線孔27aには防水構造119が適用されている。この防水構造119は、図9に示した防水構造93と共通の構造または同様の構造であり、配線孔27aおよび点灯電源用ケーブル91との間の防水性が確保される。
板部17は、連結板61に取り付けられることでアーム部62に固定され、その状態で板部17に電源部16を取付けることで電源部16が固定される。そのため、板部17はアーム部62や電源部16よりも下方に配設され、連結板61や放熱器12より上方に配設される。板部17は、図10に示すように、四角形に形成された平板130と、平板130の長手の2辺から略垂直に立ち上がる側板部131と、側板部131からさらに立ち上がるように形成される電源取付部132と、で構成されている。本実施形態では、板部17は長方形に形成されている。板部17は、例えば、アルミといった金属で構成されている。
平板130は、電源部16のケース80の底板82の長手よりも大きい長手と、電源部16のケース80の底板82の短手よりも大きい短手を有する。つまり平板130は、電源部16のケース80の底板82よりも大きい寸法で形成されている。平板130の長手の2辺の中央部には連結板61の取付板部67の複数の取付孔68と合わせるようにして取付けられる、連結板取付孔134が複数設けられている。例えば、取付板部67に平板130を乗せた後、取付孔68と連結板取付孔134の位置を合わせ、ネジを用いて板部17を連結板61に固定する。
側板部131は、平板130の長手と同じ長さで、平板130の長手の2辺に設けられている。なお、側板部131は放熱器12のフィン28と平行となるように形成されることが望ましい。側板部131の両端部側には、上方に突出する側板突部132が設けられている。本実施形態では、側板突部132は4箇所に設けられている。
電源取付部133は、側板突部132の上部から折曲形成されている。電源取付部133には電源取付孔135が設けられている。電源部16の底板82に突設された突片部86を電源取付部133上に配置し、突片部86の挿通孔87を挿通したねじが電源取付部133の電源取付孔135に螺着されることにより、底板82(ケース80)が板部17に取り付けられる。
さらに、平板130には、複数の配線孔136が設けられている。
照明器具10を設置するには、アーム部62の設置部69を天井等の被設置部に取り付ける。例えば被設置部が傾斜しているような場合には、アーム部62も傾斜するが、連結板61とアーム部62との角度を調整することにより、照明器具10からの光照射方向を例えば直下方向に調整することができる。
外部電源用ケーブル89は、照明器具10の設置前に予め電源部16に接続されるか、または照明器具10の設置後に電源部16に接続される。外部電源用ケーブル89を接続するには、電源部16のカバー83を底板82から外し、外部電源用ケーブル89の先端側を底板82の外部電源用配線孔90に下面側から上面側に挿通するとともに防水構造93のパッキング94およびパッキング押え95に通す。外部電源用ケーブル89の先端側近傍を保持部材103によって保持台101に固定し、外部電源用ケーブル89を回路基板116に電気的に接続する。防水構造93のパッキング押え95を底板82に固定する。底板82とパッキング押え95との間で圧縮されて変形するパッキング94が外部電源用ケーブル89に密着するとともに外部電源用配線孔90を密閉し、防水性が確保される。なお、点灯電源用ケーブル91は、工場出荷時等に予め接続されている。
照明器具10の点灯時には、外部電源用ケーブル89によって外部電源が電源部16に供給される。電源部16は、交流電源等の外部電源を直流電源等の点灯電源に変換して発光モジュール11に供給する。これにより、発光モジュール11の発光素子21が点灯する。点灯する発光素子21からの光は、反射体13および透光カバー14を通過して照明空間に照射される。
点灯時に発光素子21が発生する熱は、主として、基板20から放熱器12に伝達され、放熱器12の複数のフィン28から空気中に放熱される。放熱された熱が電源部16に到達した場合、電源部16の内部温度が上昇し、内部の基板や部品、配線などの温度が上昇することで、電源部16の寿命が短くなってしまう虞がある。そのため、放熱器12から放熱された熱が電源部16に到達することを抑制する構造が必要とされている。
フィン28から放熱される熱は、大きく分けて、フィン28の上方に放熱される熱と、フィン28の側方に放熱される熱と、の2つに分類される。フィン28の上方に放熱される熱は、そのまま電源部16の方向に向かう。本実施形態では、放熱器12と電源部16の間に板部17を配設しているため、フィン28の上方に放熱される熱は板部17により遮られる構造となる。そのため、電源部16に到達する熱が少なくなり、電源部16の温度上昇を抑える効果が期待できる。
また、フィン28の側方に放熱される熱は、さらにフィン28と平行方向に放熱される熱と、フィン28と垂直方向に放熱される熱と、の2つに分類される。フィン28と平行方向に放熱される熱については、フィン28の間から生じた熱のため垂直方向に放熱される熱よりも量が多いが、フィン28の間を流れる空気の対流に乗るため、ある程度広範囲に拡散される。そのため熱が分散するため、電源部16の温度上昇には大きく寄与しない。
フィン28と垂直方向に放熱される熱は、1枚のフィン28から放熱される熱であるため、フィン28と平行方向に放熱される熱より量は少ない。しかし、フィン28の間を流れる空気の対流とは異なる方向に放熱されるため、フィン28の近傍に滞留する。その場合、電源部16の方向に熱が上昇し、電源部16と板部17の間の隙間から入り込み、電源部16に熱が伝わってしまう虞がある。そのため本実施形態では、板部17のフィン28と平行方向の2辺側に側板部131を設ける構成としている。側板部131を設けることで、側板部131が壁の役目を果たし、熱が電源部16と板部17の間の隙間に入り込むことを抑制することが期待できる。そのため側板部131は、熱が入り込む可能性が高いフィン28と垂直方向に放熱された熱が入り込んで来る方向である、フィン28と平行方向に設けることが好ましい。なお、本実施形態では板部17の2辺側に側板部131を設けているが、板部17の全ての辺側に側板部131を設けても良い。その場合、さらに電源部16と板部17の間の隙間に熱が入り込むことを抑制することが期待できる。
また、板部17の側板部131は電源部16と板部17の間を流れる風の流路を作り出す効果も有する。本実施形態においては、板部17のフィン28と平行方向の2辺側に側板部131を設けているため、電源部16と板部17の間にはフィン28と平行方向に風の流路ができ、電源部16と板部17の間に滞留する空気や熱を効率的に、外部へ放出することができる。
上記のように、側板部131の構造は照明器具10の設置環境に応じて使い分けることができる。例えば、空気が多く対流する場所に設置する場合は、側板部131を無くしたり、2辺側にして空気の流れを促したり、空気がほとんど対流しない場所に設置する場合は、側板部131を多くして電源部16と板部17の間の隙間に熱が入り込むことを抑制したり、することで、電源部16の温度上昇を抑えることができる。
また、側板部131を少なくすることで、板部17を構成する金属を減らすことができるため、コストを削減する効果も期待できる。
板部17は、放熱器12のフィン28と電源部16との間に配設されるだけで、電源部16の温度上昇を抑えることができる。つまり、フィン28と電源部16との間隔を広げることなく、フィン28の熱を電源部16が受けにくい構成にすることができる。細かく言うと、アーム15の設置部69と電源部16の上面部108の間隔より、フィン28の突出方向端部と電源部16の底板82の間隔が狭い状態を保ちつつ、電源部16の温度上昇を抑えることができる。そのため照明器具10のサイズが大型化することなく、簡単な構造で電源部16の温度上昇を抑えることが可能となる。
また、照明器具10にフィン28を配設しない構造としても良い。その場合も、本実施形態のように、放熱器12と電源部16の間に板部17を設けることで、アーム15の設置部69と電源部16の上面部108の間隔より、光源取付部27の裏面から電源部16の底板82の間隔が狭い状態で照明器具10を構成することができる。
板部17を設ける効果は、例えば、電源部16と板部17の間に17mmの間隔を開けた状態で、照明器具10を点灯した場合、板部17の電源部16側の空気の温度と、板部17の放熱器12側の空気の温度とは、3℃〜5℃板部17の電源部16側の空気の温度の方が低いという測定結果がある。板部17により熱が遮られ、電源部16の温度上昇が抑制される効果が得られている。
特に、例えば、周囲の環境温度が60℃を超えるような高温環境下で照明器具10を用いる場合は、より電源部16の温度が上昇しないように配慮する必要がある。さらに、高温環境下においては樹脂の劣化が早まるため、透光カバー14を金属とガラスで構成することで高温環境下でも照明器具10を用いることが可能な構造としている。
そして、本実施形態の照明器具10では、電源部16のケース80の下面に、点灯電源用ケーブル91が挿通される点灯電源用配線孔92が設けられていることに加えて、外部電源用ケーブル89が挿通される外部電源用配線孔90も設けられているため、照明器具10が屋外で使用される場合でも、電源部16の各配線孔90,92に雨水等が直接かかることがなく、仮にかかるとしても風によって巻き上げられる雨水等や放熱器12の上面側で跳ね上がった雨水等の程度であり、簡単な構成の防水構造93を適用するだけでも、確実な防水性を維持することができる。
また、電源部16のケース80の下面の中央域に外部電源用配線孔90および点灯電源用配線孔92を設けているため、これら配線孔90,92に雨水等がかかりにくく、より確実な防水性を維持することができる。
外部電源用ケーブル89は、電源部16のケース80の下面の外部電源用配線孔90から下方に引き出されてから、アーム部62の両側の支持部70の対向方向とは交差する外側方向である配線方向へ向けて曲げられ、放熱器12と電源部16の間を通じて照明器具10の外側方の配線方向へ向けて配線されるが、例えば放熱器12のフィン28の上端と電源部16のケース80の下面との間隔が狭い場合、外部電源用ケーブル89がフィン28に接触して熱的影響を受けたり、フィン28に接触しないように外部電源用ケーブル89を小さい径で曲げることで外部電源用ケーブル89に無理な応力が加わるおそれがある。本実施形態では、放熱器12の複数のフィン28のうちの一部のフィン28間に、その間隔が他のフィン28間の間隔よりも広い広間隔部34を設けており、さらに、電源部16のケース80の下面の外部電源用配線孔90は、その少なくとも一部が放熱器12のフィン28間の広間隔部34の上方に位置するように設けているため、外部電源用配線孔90から下方に引き出されている外部電源用ケーブル89をフィン28間の広間隔部34に導いて照明器具10の外側方の配線方向へ向けて配線することができる。これにより、例えば放熱器12のフィン28の上端と電源部16のケース80の下面との間隔が狭い場合でも、外部電源用ケーブル89がフィン28に接触するのを防止でき、外部電源用ケーブル89を小さい径で曲げずに済んで外部電源用ケーブル89に無理な応力が加わるのを防止できる。しかも、広間隔部34が放熱器12におけるアーム部62の支持部70と平行な方向の全長に亘って設けられ、その広間隔部34の上方に外部電源用配線孔90が位置するため、外部電源用ケーブル89の引き回しがアーム部62と干渉せず、配線しやすくできる。
また、電源部16や板部17は連結板61によって放熱器12側に支持されるため、アーム部62と連結板61とが回動調整された場合でも、放熱器12と電源部16や板部17の位置関係は一定に保たれ、放熱器12と電源部16の間を配線方向へ向けて配線される外部電源用ケーブル89への影響がない。
また、平面視の板部17の外形が平面視の放熱器12の複数のフィン28が設けられている領域の外形よりも大きく、平面視で板部17の外形内に放熱器12の複数のフィン28が設けられている領域が収まる関係にあるため、照明器具10の上方から落下する塵埃を板部17で受け止め、塵埃が放熱器12の複数のフィン28に付着、堆積するのを低減でき、放熱器12の複数のフィン28からの放熱性を維持することができる。
電源部16の電源回路81は、実施形態に示したように2つの回路基板116ではなく、1つの回路基板116を備えていても良い。ケース80内の長手方向一端側に回路基板116が配置され、ケース80の長手方向他端側の底面に外部電源用配線孔90および点灯電源用配線孔92が設けられている。外部電源用配線孔90は、点灯電源用配線孔92よりもケース80の長手方向他端部に近い外側位置に設けられている。この構成により、外部電源用ケーブル89を電源部16に接続する際、例えば放熱器12の上部と電源部16のケース80の下面との間隔が狭い場合でも、外部電源用ケーブル89をケース80の端部に近い位置に設けられている外部電源用配線孔90に容易に挿通させることができ、外部電源用ケーブル89を容易に配線することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等に含まれる。
10 照明器具
11 発光モジュール
12 放熱器
13 反射体
14 透光カバー
15 アーム
16 電源部
17 板部



Claims (3)

  1. 被設置面に取付けられる設置部を備えるアームと;
    前記アームに取り付けられ、一面側に光源モジュールが取付けられ、前記一面側とは反対方向の他面側から突出した複数のフィンを備えた放熱器と;
    前記光源モジュールに点灯電源を供給する電源回路とこの電源回路を収容するケースとを備え、
    前記設置部から前記ケースの上面部との間隔が、前記フィンの突出端から前記ケースの底板の間隔より広くなるように配設される電源部と;
    前記放熱器と前記電源部との間に配設される板部と;
    を備えた照明器具。
  2. 前記板部は、
    前記設置部側から正面視したときに前記フィンが形成される領域全体を含むように設けられていることを特徴とした請求項1記載の照明器具。
  3. 前記板部の外周部に、前記フィンが突出する方向に立ち上がる側板部を備えることを特徴とする請求項1または2記載の照明器具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102356664B1 (ko) * 2021-03-29 2022-02-08 (주)에스티라이팅 고천정 led 투광등
KR102532131B1 (ko) * 2023-01-12 2023-05-12 주식회사 두현엔지니어링 상승 열공기를 차단하는 방열가이드를 갖는 엘이디 조명기기

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