以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[システムの概要]
図1は、本開示の一形態に係る不動産仲介装置を含む土地情報提供システムの利用環境について説明する図である。本実施形態で説明する土地情報提供システムは、例えば、多目的モビリティが特定のサービスを提供する場合に、当該多目的モビリティの要求に基づいてサービスを提供する場所(土地)の情報を提供するシステムである。多目的モビリティとは、自動または手動により道路等を移動可能であるとともに、所定のサービスを提供可能なモビリティである。モビリティによって一または複数のサービスを提供することができる。本システムは、多目的モビリティに対して利用を許可する(貸し出す)ことが可能な土地を保持する土地の所有者または土地の管理者が当該土地に係る情報を登録可能としている。そして、本システムは、多目的モビリティまたはその管理者がサービスを提供するための土地に係る情報を管理し、希望者に対して情報を提供するシステムである。
[システムの構成]
図1に示すように、土地情報提供システム1は、不動産仲介装置2と、土地情報管理装置3と、アカウント情報保持装置4と、を含んで構成される。
不動産仲介装置2は、土地の所有者または管理者(以下、「土地管理者」という場合がある)U1と、多目的モビリティの所有者または多目的モビリティの管理者等のように土地を利用してサービスを提供したい土地利用希望者(以下、「利用希望者」という場合がある)U2と、の間で情報の送受信を行う機能を有する。また、後述の土地情報管理装置3と及びアカウント情報保持装置4で保持する情報を利用して、利用希望者の要求に基づいて要求に適した土地に係る情報を検索しその検索結果を出力する機能を有する。すなわち、不動産仲介装置2は、検索部としての機能を有すると共に、その結果を出力する結果出力部としての機能を有する。また、不動産仲介装置2は、検索部及び記憶部を備える装置である土地情報提供システム1において、検索部としての機能も有する。
土地情報管理装置3は、土地管理者U1から取得した情報に基づいて土地に係る土地情報を保持する機能を有する。土地情報とは、土地が存在する場所を特定する土地特定情報と当該土地特定情報に関連付けられた当該土地の利用条件に係る情報とを含むものである。また、土地情報管理装置3は、土地管理者U1から取得する情報のほか、土地情報管理装置3が保持する情報に基づく土地が利用希望者U2にとって有用な土地であるかを判断するための情報であると共に、土地の利用に関連する情報である関連情報を保持する。関連情報には、基本的に土地毎に変化しない静的情報と、時間と共に変化し得る動的情報とが含まれる。土地情報管理装置3において保持される情報については後述する。土地情報管理装置3は、土地情報と関連情報とを保持する土地情報保持部としての機能を有する。また、土地情報管理装置3は、検索部及び記憶部を備える装置である土地情報提供システム1において、記憶部としての機能も有する。
また、土地情報管理装置3は、不動産仲介装置2からの検索要求に基づいて自装置が保持する情報から、検索結果となり得る情報を選択して不動産仲介装置2に対して送信する機能も有する。すなわち、土地情報管理装置3は、土地情報提供システム1において、検索部としての機能も有する。この点についても後述する。
アカウント情報保持装置4は、土地管理者U1及び利用希望者U2が土地情報提供システム1を利用する際のアカウントに係る情報を保持する機能を有する。土地情報提供システム1は土地管理者U1及び利用希望者U2のアカウントを管理することで、土地管理者U1から提供される情報、及び利用希望者U2に係る情報の管理を適切に行うことができる。なお、土地管理者U1または利用希望者U2の一方のみアカウントを管理する構成としてもよいし、アカウントを管理しない構成としてもよい。
図2は、土地情報提供システム1に含まれる不動産仲介装置2及び土地情報管理装置3に係る機能ブロックを示している。
不動産仲介装置2は、ユーザインタフェース21、アカウント管理部22、出力部23、使用状況管理部24、管理情報取得部31、入力情報解析部32、情報記憶部33、検索情報取得部34、取得情報解析部35、検索処理部36を含んで構成される。このうち、ユーザインタフェース21、アカウント管理部22、出力部23、使用状況管理部24は、土地管理者U1及び利用希望者U2に係る機能である。また、管理情報取得部31、入力情報解析部32、及び情報記憶部33は、土地管理者U1に係る機能であり、検索情報取得部34、取得情報解析部35、及び検索処理部36は、利用希望者U2に係る機能である。また、土地情報管理装置3は、関連情報取得部51と、検索結果選択部52と、を有する。
図3は、土地情報提供システム1を構成する不動産仲介装置2、土地情報管理装置3、及び、アカウント情報保持装置4のハードウェア構成の一例を示す。例えば、不動産仲介装置2、土地情報管理装置3、及び、アカウント情報保持装置4は、それぞれ制御回路100を有する。一例では、制御回路100は、一つまたは複数のプロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、通信ポート104と、入出力ポート105とを有する。
プロセッサ101はオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する。具体的には、アプリケーションプログラムとは、土地情報管理装置3において土地情報及び関連情報を保持し、検索条件と利用条件に係る情報とに基づいて、複数の土地情報の中から一の土地情報を選択した後、当該一の土地情報に含まれる土地特定情報によって特定される土地が存在する存在位置に対応付けられた関連情報を選択し、選択された一の土地情報及び関連情報を検索結果とすることを不動産仲介装置2及び土地情報管理装置3に実行させるためのプログラムである。
ストレージ103はハードディスク、不揮発性の半導体メモリ、または取り出し可能な媒体(例えば、磁気ディスク、光ディスクなど)の記憶媒体で構成され、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。メモリ102は、ストレージ103からロードされたプログラム、またはプロセッサ101による演算結果を一時的に記憶する。一例では、プロセッサ101は、メモリ102と協働してプログラムを実行することで、上記の各機能モジュールとして機能する。通信ポート104は、プロセッサ101からの指令に従って、通信ネットワークNWを介して他の装置との間でデータ通信を行う。入出力ポート105は、プロセッサ101からの指令に従って、キーボード、マウス、モニタなどの入出力装置(ユーザインタフェース)との間で電気信号の入出力を実行する。
不動産仲介装置2、土地情報管理装置3、及び、アカウント情報保持装置4は、それぞれ一つまたは複数のコンピュータにより構成され得る。複数のコンピュータが用いられる場合には、通信ネットワークを介してこれらのコンピュータが互いに接続されることで論理的に一つの不動産仲介装置2、一つの土地情報管理装置3、または、一つのアカウント情報保持装置40が構成される。
不動産仲介装置2、土地情報管理装置3、またはアカウント情報保持装置4として機能するコンピュータは限定されない。例えば、不動産仲介装置2、土地情報管理装置3、及び、アカウント情報保持装置4はそれぞれ業務用サーバなどの大型のコンピュータで構成されてもよいし、パーソナルコンピュータや携帯端末(例えばスマートフォン、タブレット端末など)などの小型のコンピュータで構成されてもよい。
図2に戻り、不動産仲介装置2の各部について説明する。
ユーザインタフェース21は、土地管理者U1及び利用希望者U2が情報を入力することで土地管理者U1及び利用希望者U2からの指示・要求等を取得することができる。また、土地管理者U1及び利用希望者U2に対して結果に出力する機能も有している。ユーザインタフェース21を介して土地管理者U1及び利用希望者U2から取得された情報は後述の各部へ送られる。また、後述の各部からの情報がユーザインタフェース21を介して土地管理者U1及び利用希望者U2に対して出力される。ユーザインタフェース21は、土地情報提供システム1における結果出力部としての機能を有している。
アカウント管理部22は、土地管理者U1及び利用希望者U2に係るアカウントを管理する機能を有する。例えば、アカウント管理部22は、ユーザインタフェース21を介して土地管理者U1及び利用希望者U2に係るアカウント情報を取得し、後述のアカウント情報保持装置4に保持する機能を有する。また、アカウント管理部22は、土地管理者U1及び利用希望者U2が所定の操作を行う際にアカウントを利用してユーザ認証を行う機能を有する。
出力部23は、後述の各部で行われた処理の結果に係る情報等をユーザインタフェース21から出力するための画像処理等を行う機能を有する。不動産仲介装置2では、利用希望者U2からの要求に基づいて利用候補となる土地を検索しその結果を出力する。出力部23では、検索結果を出力する際の画像の作成(レイヤの設定)等に係る処理を行う機能を有する。この機能についての詳細は後述する。これ以外にも、出力部23は各部による処理の結果をユーザインタフェース21から出力する際の加工処理等を行ってもよい。出力部23は、土地情報提供システム1における結果出力部としての機能を有している。
使用状況管理部24は、後述の土地情報管理装置3で管理する土地情報により特定される土地の使用状況を管理する機能を有する。土地情報提供システム1の主要な機能としては、上述の通り土地管理者U1が登録した土地に係る情報から利用希望者U2の要求に見合った土地に係る情報を提示することであるが、その他の条件が利用希望者U2の要求に対応していても使用状況によっては利用希望者U2に対して提示ができないと考えられる。したがって、土地情報提供システム1では、土地の使用状況についても管理する機能を有する。具体的には、将来的に当該土地を使用することが決まった(例えば契約が確定した)場合に、当該使用予定に係る情報を取得して管理する態様とすることが考えられる。また、土地情報提供システム1からの土地に係る情報の提示の結果、利用希望者U2が提示した土地から使用する特定の土地を選択した場合には、使用状況管理部24は、利用希望者U2による当該土地の利用について土地管理者U1からの許諾を受ける機能を有していてもよい。
管理情報取得部31は、土地管理者U1による土地情報の登録の際に、ユーザインタフェース21を介して土地管理者U1が入力した情報から、土地情報に係る情報を取得する機能を有する。土地管理者U1による土地情報の入力の方法は特に限定されない。したがって、例えば、土地管理者U1に対して入力項目を提示して入力をしてもらう方法や、音声入力等によって概念的な情報を取得する場合もある。土地管理者U1から概念的な情報を取得した場合には、入力情報解析部32による解析を併用しながら、土地情報として必要な情報を土地管理者U1から取得する。なお、管理情報取得部31は、土地情報のうち所定の項目に不足・不備がある場合に、ユーザインタフェース21を介して土地管理者U1に対して入力を促す構成としてもよい。
入力情報解析部32は、管理情報取得部31が取得した土地情報に関して解析を行う。入力情報解析部32は、土地管理者U1から入力される情報が概念的な場合に、得られた情報から、土地情報として必要な情報を抽出する情報を有する。
情報記憶部33は、管理情報取得部31及び入力情報解析部32によって取得された土地情報を土地情報管理装置3に対して送信し保持させる機能を有する。
検索情報取得部34は、利用希望者U2による利用可能な土地の検索の要求を取得する際に、ユーザインタフェース21を介して利用希望者U2が入力した情報から、検索条件に係る情報を取得する機能を有する。利用希望者U2による検索条件の入力の方法は特に限定されない。したがって、例えば、利用希望者U2に対して入力項目を提示して入力をしてもらう方法や、音声入力等によって概念的な情報を取得する場合もある。利用希望者U2から概念的な情報を取得した場合には、取得情報解析部35による解析を併用しながら、検索条件として必要な情報を利用希望者U2から取得する。なお、検索情報取得部34は、検索条件に係る情報のうち所定の項目に不足・不備がある場合に、ユーザインタフェース21を介して利用希望者U2に対して入力を促す構成としてもよい。
取得情報解析部35は、検索情報取得部34が取得した検索条件に係る情報に関して解析を行う。取得情報解析部35は、利用希望者U2から入力される情報が概念的な場合に、得られた情報から、検索条件に係る情報として必要な情報を抽出する情報を有する。
検索処理部36は、土地情報管理装置3との間で情報の送受信を行うことで、検索条件に係る情報に基づいて、土地情報管理装置3で保持する情報の中から条件に見合った土地情報及びその土地に関連した関連情報を取得する機能を有する。検索処理部36は、検索条件に見合った複数の土地に係る土地情報及び関連情報を土地情報管理装置3から取得することができる。また、検索処理部36では、土地情報管理装置3から取得した土地情報及び関連情報に基づいて、複数の土地それぞれについて、検索条件に対してどの程度合致しているかを示す評価値を算出する構成としてもよい。検索処理部36は、土地情報提供システム1における検索部としての機能を有している。
次に、土地情報管理装置3の関連情報取得部51は、土地情報に関連する関連情報を外部装置等から取得し、自装置で保持する機能を有する。すなわち、関連情報取得部51は、土地情報提供システム1における土地情報保持部としての機能を有している。
検索結果選択部52は、不動産仲介装置2から送信される検索条件に対応する検索結果となる土地情報を、自装置が保持する土地情報から選択する機能を有する。また、検索結果選択部52は、選択した土地情報に対応する関連情報を自装置が保持する関連情報の中から選択して、土地情報に対応付けて不動産仲介装置2に対して送信する機能を有する。すなわち、検索結果選択部52は、土地情報提供システム1における検索部としての機能を有している。
ここで、土地情報管理装置3において保持する土地情報及び関連情報について、図4及び図5を参照しながら説明する。
図4は、土地情報の一例を示したものである。土地情報としては、土地が存在する場所を特定する情報(土地特定情報)と、土地の使用環境に係る情報と、土地の予約状況に係る情報と、含まれている。土地を特定する情報(土地特定情報)には、土地を区別するためのIDと、住所、広さ等が含まれる。なお、土地を特定する情報として、住所に代えて、緯度・経度等を用いてもよいし、住所と、緯度・経度の両方を用いてもよい。土地の使用環境に係る情報としては、土地の使用に際した条件や使用時に提供可能な施設等に係る情報が挙げられ、図4に示す例では、使用可能時間帯、水道・トイレの有無、各目的(コンサート、お祭り等のイベント、アルコール、レストラン等の飲食)に対する使用可否が示されている。また、土地の予約状況に係る情報としては、予約を特定する情報(予約番号)と、予約日時と、土地の用途(パブリックビューイング等)が示されている。土地の使用環境に係る情報及び土地の予約状況に係る情報は、条件に合致しない場合には土地の利用が不可能になる情報であるため、土地の利用条件に係る情報ともいえる。土地情報のうち、土地を特定する情報及び土地の使用環境に係る情報は、土地管理者U1によって登録される情報とすることができる。また、土地の予約状況に係る情報は、例えば、不動産仲介装置2の使用状況管理部24等から通知されて保持される情報とすることができる。このように、土地情報は、当該土地の利用可否に直結する可能性の高い情報が含まれるということもできる。
一方、関連情報は、土地の利用可否に寄与するか、または、特定のサービスに当該土地を利用する場合の条件に合致しているかを示す評価値に影響を与える可能性の情報である。図5(a)〜図5(e)では、関連情報として関連情報取得部51によって取得されて土地情報管理装置3に保持される関連情報の例を示している。
図5(a)に示す例は、土地の価値に係る情報である。図5(a)では、当該土地の価値に係る情報としては、当該土地の路線価及び当該土地の賃貸料が含まれている。この土地の価値に係る情報は、土地を区別するためのIDに対応付けられている。ただし、路線価及び賃貸料は、地域毎に個別に管理されていてもよい。
図5(b)に示す例は、土地の用途に係る情報であり、住居地域、商業地域、工業地域に関する情報を含んでいる。多目的モビリティが使用する土地は限られた面積の土地であるが、用途に係る情報とは、その周辺の土地がどの用途に利用されているかを示す情報である。用途に係る情報は、多目的モビリティが提供するサービスに対する集客力の判断、もしくは、サービスが周辺の土地に与える影響を考慮する際に有用な情報となり得る。例えば、ある土地の用途に係る情報が「商業地域」である場合、イベント「レストラン」に適していると判断することができる。また同じ条件に関する複数の土地が存在しており、一方の土地の用途に係る情報が「商業地域」であり、他方の土地の用途に係る情報が「工業地域」である場合、イベント「コンサート」には「商業地域」のほうが適していると判断することができる。図5(b)に示す例では、用途としてエリア番号毎に「商業地域」「住居地域」が示されている。なお、図5(b)には示していないが、エリア番号に対応する地域を特定する情報が別途保持されているため、土地情報管理装置3ではある位置を特定する情報(例えば、緯度・経度、住所等)に対応付けて当該位置の周辺の用途に係る情報を特定することができる。
図5(c)に示す例は、土地の周辺の人の混雑度に係る情報である。多目的モビリティが使用する土地の周辺にどの程度の人が往来するかなどを混雑度に係る情報として管理する。この混雑度に係る情報は、多目的モビリティが提供するサービスに対する集客力の判断に有用な情報となり得る。図5(c)に示す例では、メッシュ番号に対応付けて人の混雑度が「普通」「少ない」であることが示されている。なお、図5(c)には示していないが、メッシュ番号に対応する地域を特定する情報が別途保持されているため、土地情報管理装置3では土地情報管理装置3ではある位置を特定する情報(例えば、緯度・経度、住所等)に対応付けて当該位置の周辺の人の混雑度に係る情報を特定することができる。
図5(d)に示す例は、土地の周辺の車の混雑度に係る情報である。多目的モビリティが使用する土地の周辺にどの程度の車が往来するかなどを混雑度に係る情報として管理する。この混雑度に係る情報は、多目的モビリティが提供するサービスに対する集客力の判断に有用な情報となり得る。図5(d)に示す例では、NWID(ネットワークID)に対応付けて車の混雑度が「多い」「少ない」であることが示されている。なお、図5(d)には示していないが、NWIDに対応する地域を特定する情報が別途保持されているため、土地情報管理装置3ではある位置を特定する情報(例えば、緯度・経度、住所等)に対応付けて当該位置の周辺の車の混雑度に係る情報を特定することができる。
図5(e)に示す例は、土地の周辺の天気に係る情報である。天気に係る情報は、多目的モビリティが提供するサービスに対する集客力の判断に有用な情報となり得る。図5(e)に示す例では、メッシュ番号に対応付けて天気が「晴れ」であることが示されている。なお、図5(e)には示していないが、メッシュ番号に対応する地域を特定する情報が別途保持されているため、土地情報管理装置3ではある位置を特定する情報(例えば、緯度・経度、住所等)に対応付けて当該位置の天気に係る情報を特定することができる。
図5(a)〜図5(e)に示した関連情報は、土地情報管理装置3が特定の場所の土地情報を保持する場合に、当該場所に関する関連情報を新たに取得して保持する構成としてもよい。また、土地情報管理装置3が保持する土地情報により特定される場所に関係なく、土地情報管理装置3による管理対象となり得る地域全体の関連情報を予め取得して管理する構成としてもよい。このような構成とした場合、土地情報管理装置3が保持する土地情報として新たな土地情報が追加された場合でも、すでに保持している関連情報との対応付けが可能となる。
また、上記の関連情報のうち、図5(a)、図5(b)は情報の変化が少ない所謂静的情報である。一方、図5(c)〜図5(e)は、日毎または時間帯毎に情報が変化し得る所謂動的情報である。土地情報管理装置3が関連情報として動的情報も管理する場合、土地情報管理装置3は、関連情報取得部51によって動的情報を定期的に取得する構成とすることができる。
図4に示した土地情報と、図5(a)〜図5(e)に示した関連情報と、は互いに異なるレイヤ(階層)の情報として、それぞれ個別に管理される。換言すると、土地情報及び関連情報は、他のレイヤ(階層)で管理されている情報との対応付けを不要としながらそれぞれの情報を管理・変更することができる。そのため、例えば、あるレイヤにおいて管理される関連情報は、土地情報において管理されている特定の土地の大きさや形状を考慮せず、自由に領域の場所や位置を定義することができる。また、通常は互いに異なるレイヤにおいて保持される関連情報同士の対応付けは行われず、対応付けが必要な場合のみ対応付けが行われた情報が作成される。この点は後述する。
[土地情報提供システムにおける各処理の手順]
次に、土地情報提供システム1による利用希望者への土地情報の提供に係る各処理について説明する。まず、図6を参照しながら、土地管理者U1からの土地情報の提供に係る処理の手順について説明する。
まず、土地管理者U1は、不動産仲介装置2のユーザインタフェース21及びアカウント管理部22を介して、アカウント情報保持装置4との間でアカウント登録に係る処理を行う(ステップS01)。これにより、土地管理者U1は、アカウント情報を利用して土地情報の登録が可能となる。具体的には、土地管理者U1は、不動産仲介装置2のユーザインタフェース21を利用して土地情報の入力を行う(ステップS02)。また、土地管理者U1により入力された情報が管理情報取得部31により取得された後、必要に応じて入力情報解析部32による解析などを経て、土地管理者U1からの情報が充足しているかの確認が行われる。情報が不足している場合には土地管理者U1に対して情報の補完を要求する。このような手順を経て、不足している情報の補完が行われる(ステップS03)。
図7では、土地管理者U1から取得する土地情報の例を示している。図7に示すように、土地情報には、住所、広さ(図7に示すように、地図情報等に基づいて住所から面積を特定してもよい)、使用許可する利用目的、使用可能時間、水道、トイレの有無等が含まれる。これらの情報は一例であり、多目的モビリティによる利用を土地管理者U1が認める条件に係る情報や、利用希望者U2が当該土地の利用を希望するか否かの基準となる情報等を土地情報に含めてもよい。
なお、図7では、一部の情報(例えば、使用可能時間帯)等が斜字体となっている。これらの情報は、例えば、土地管理者U1との不足情報の補完に係る処理(S03)の際に補完された情報である。土地管理者U1が概念的に土地情報を入力した場合には、すべての項目に対する適切な情報が得られない場合がある。その場合には、入力情報解析部32による解析に基づいて、概念的な情報から各項目に対応する情報を取得して対応する項目を入力すると共に、不足した情報を土地管理者U1に対して問い合わせることで、各項目に係る情報を不動産仲介装置2が取得する構成とすることができる。なお、不足情報の補完(S03)に係る処理は何度か繰り返し行ってもよい。
各項目に対応する情報が土地管理者U1から得られると、不動産仲介装置2の情報記憶部33は土地情報管理装置3に対して土地情報を送信し、当該土地情報の保持を指示する(ステップS04)。
一方、土地情報管理装置3では、不動産仲介装置2から土地情報を取得すると、適切なIDを割り振った上で当該情報の保持を開始する(ステップS05)。また、土地情報の追加に伴って関連情報を取得する必要がある場合には、関連情報取得部51が関連情報を取得し、保持する(ステップS05)。
なお、土地情報の更新の際にも上記とほぼ同じ処理が行われる。すなわち、土地情報の更新に係る情報が不動産仲介装置2から土地情報管理装置3へ送られ、土地情報管理装置3において情報の更新が行われる。また、当該土地の使用に関する情報(予約状況に係る情報)がある場合には、不動産仲介装置2の使用状況管理部24から土地情報管理装置3へ当該情報が送られ、土地情報管理装置3において情報の更新が行われる。これらの処理の場合の不動産仲介装置2から土地情報管理装置3への情報の流れ及び当該情報の保存(更新)に係る手順は、図6に示す手順(S04〜S06)と同様である。
次に、利用希望者U2からの要求に基づいて土地に係る情報を提供する際の処理の手順について図8を参照しながら説明する。
まず、利用希望者U2は、不動産仲介装置2のユーザインタフェース21及びアカウント管理部22を介して、アカウント情報保持装置4との間でアカウント登録に係る処理を行う(ステップS11)。これにより、利用希望者U2は、アカウント情報を利用して土地情報の検索を行うことが可能となる。具体的には、利用希望者U2は、不動産仲介装置2のユーザインタフェース21を利用して検索条件の入力を行う(ステップS12)。また、利用希望者U2により入力された検索情報取得部34により取得された後、必要に応じて取得情報解析部35による解析などを経て、利用希望者U2からの情報が充足しているかの確認が行われる。情報が不足している場合には利用希望者U2に対して情報の補完を要求する。このような手順を経て、不足している情報の補完が行われる(ステップS13)。
図9では、利用希望者U2から取得する検索条件の例を示している。図9に示すように、検索条件には、利用目的、場所(エリア)、利用希望の日付、使用時間、予算、用途地域、人の混雑度、天気以外等が含まれる。これらの情報は一例であり、多目的モビリティにより提供するサービスによって必要な条件に係る情報や、利用希望者U2が当該土地の利用を希望するか否かの基準となる条件等を検索条件に含めてもよい。
なお、図9では、一部の情報(例えば、使用可能時間帯)等が斜字体となっている。これらの情報は、図7の例と同様に、例えば、利用希望者U2との不足情報の補完に係る処理(S13)の際に補完された情報である。利用希望者U2が概念的に検索条件を入力した場合には、すべての項目に対する適切な情報が得られない場合がある。その場合には、取得情報解析部35による解析に基づいて、概念的な情報から各項目に対応する情報を取得して対応する項目を入力すると共に、不足した情報を利用希望者U2に対して問い合わせることで、各項目に係る情報を不動産仲介装置2が取得する構成とすることができる。なお、不足情報の補完(S13)に係る処理は何度か繰り返し行ってもよい。
各項目に対応する情報が利用希望者U2から得られると、不動産仲介装置2の検索処理部36は、土地情報管理装置3に対して検索条件を送信し、当該検索条件に合致する土地情報の検索を要求する(ステップS14)。
土地情報管理装置3では、不動産仲介装置2からの検索要求を取得すると、土地情報管理装置3の検索結果選択部52によって検索要求に含まれる検索条件に基づき自装置が保持している土地情報の中から検索条件に合致する土地情報を選択する(ステップS15)。また、当該土地情報の選択に対応させて、関連情報の選択も行う(ステップS16)。
ここで、検索結果選択部52では、検索条件と土地情報に含まれる利用条件に係る情報とに基づいて、複数の土地情報の中から一の土地情報を選択した後、当該一の土地情報に含まれる土地特定情報によって特定される土地が存在する存在位置に対応付けられた関連情報を選択し、選択された前記一の土地情報及び前記関連情報を検索結果とする。すなわち、選択した土地情報に対応する関連情報を自装置が保持する関連情報の中から選択する際に、土地情報に含まれる土地の存在場所を特定する情報を利用して、関連情報から、土地に関連する情報を選択して対応付けを行う。
図10は、検索結果選択部52において上記の対応付けをどのように行うかを模式的に示した図である。まず、検索条件に基づいて、検索条件に合致する土地情報が選択される。すなわち、検索条件R1に対して、1つの土地情報(図10では、IDが001である土地情報)が選択されたとする。このとき、土地情報には土地の存在する場所(土地の存在位置)を特定する土地特定情報が含まれているので(図4等参照)、当該土地の場所が特定される。次に、土地特定情報に基づいて、対応する関連情報を選択していく。図10では、関連情報として、価値に係る情報、用途地域に係る情報、天気に係る情報が例示されているが、これらの情報はそれぞれ互いに異なるレイヤ(階層)として管理されている。したがって、検索結果選択部52は、互いに異なる関連情報に係る各レイヤ(階層)において、選択された土地情報に含まれる土地特定情報に対応する関連情報を選択していく。図10では、価値に係る情報としてIDが001である価値情報が選択され、用途地域に係る情報として特定のメッシュ番号に対応した商業地域を特定する情報が選択され、天気に係る情報として特定音メッシュに対応した晴れを示す情報が選択される状態を示している。このように、検索結果選択部52では、1つの土地情報に対応付けて、土地特定情報に基づいて当該場所(土地の存在位置)に係る関連情報を選択することで、当該土地情報に対応する関連情報が準備される。この処理を行うことで、検索要求に対応する検索結果が準備される。なお、検索結果は1つのみ準備されていてもよいが、検索条件に合致する土地情報が複数選択されている場合、複数の土地情報それぞれについて関連情報を選択することによって、複数の検索結果を準備してもよい。
なお、関連情報としてどの程度の範囲の情報を取得するかは、関連情報の特性及び検索結果として出力したい情報の範囲に応じて適宜変更することができる。例えば、土地の賃貸料のように、関連情報が利用する土地にのみ着目した情報である場合には、土地に関連付けられた情報のみを関連情報として選択することができる。一方、例えば天気に係る情報のように、当該土地に特定した情報ではなく、ある程度面的な情報が関連情報として有効となる場合もある。この場合には、関連情報として、当該土地が存在する位置に対応する情報だけでなく、その周囲の所定範囲の天気に係る情報を関連情報として選択することができる。また、時系列の観点でも関連情報として取得する範囲は適宜変更することができる。例えば、利用希望者U2が利用する時間帯だけでなく、その前後の時間帯の情報も関連情報として有効となる場合には、前後の時間帯の情報も関連情報となり得る。このように一の土地情報に対応する関連情報の範囲は、適宜変更することができる。
図8に戻り、検索結果選択部52によって準備された検索結果が土地情報管理装置3から不動産仲介装置2へ送られる(ステップS17)。不動産仲介装置2の検索処理部36は、検索結果を取得すると検索結果として得られた土地情報及び関連情報と、検索条件とを比較して、検索結果毎(すなわち、一の土地情報毎)に評価値を算出する(ステップS18)。評価値とは、検索結果として選択された一の土地情報に対応する関連情報が、検索条件にどの程度合致したものであるかを示す値である。すなわち、評価値は、選択された一の土地情報及び関連情報に含まれる各情報と、検索条件との関連性に係る数値である。評価値を算出することは、検索条件との関連性を算出することになる。上述したように、土地情報は利用可能などうかを示す条件に係る情報であるのに対して、関連情報は当該土地の有用性を判断する情報となり得る。したがって、評価値を算出することで当該土地がどの程度検索条件に近い土地であるかを示すことができる。
評価値を算出する方法としては、例えば、土地情報及び関連情報に含まれる情報のうち検索条件と一致している項目についてそれぞれ特定のポイントを付与し、ポイントの合計を評価値として算出する方法を用いることができる。このとき、検索条件との関連性を考慮した重み付けを行うこともできる。例えば、検索条件のうち特に重要な条件に合致している場合には、当該項目に対して高いポイントを付与する構成とすることができる。なお、上記の評価値の算出手順は一例であって、評価値の算出は省略してもよい。
検索結果選択部52によって評価値を算出した後、その結果を含めた検索結果が、出力部23によってまとめられ、ユーザインタフェース21を介して利用希望者U2へ提示される(ステップS19)。その後、必要に応じて、利用希望者U2と不動産仲介装置2との間で土地の利用に関する手続き等を行う構成としてもよい(ステップS20)。この場合、利用希望者U2が検索結果の中から利用を希望する土地を指定すると、不動産仲介装置2において、例えば土地管理者U1から利用希望者U2による土地の利用許可を取得する処理等が行われる。不動産仲介装置2が予約に係る処理等を行った場合には、使用状況管理部24が、予約状況に係る情報を把握することができる。そのため、不動産仲介装置2から土地情報管理装置3に対して予約状況に係る情報を送信し、土地情報管理装置3において、土地情報に含まれる予約状況に係る情報が更新される。以上で、利用希望者U2からの要求に基づいて土地に係る情報を提供する際の処理が終了する。
図11〜図14を参照しながら、ユーザインタフェース21を介した利用希望者U2への検索結果の提示例を説明する。図11は、検索条件及び検索結果を一つの表でまとめた例を示している。図11では、検索条件を左端に示すと共に、検索結果に含まれる土地情報及び関連情報を対応付けて表示している。図11に示す例では、検索結果として2つの土地(F001,F002)に係る土地情報及び関連情報が示されている。
また、利用希望者U2への提示の仕方は図11に示す例に限られず、より状況を確認しやすい状態で提示することができる。
例えば、図12では、検索結果に含まれる土地A1(検索結果ではF001として示されている)を地図M上に当てはめた状態を示している。このように、検索結果となる土地を地図M上で表示することで、土地A1の周辺環境を利用希望者U2が把握することができる。土地情報管理装置3が関連情報として地図Mに対応する情報を保持する構成とするか、または、不動産仲介装置2の出力部23が地図Mに対応する情報を保持する構成とすることによって、図12のような表示を実現することができる。また、地図M上に土地A1以外の土地(多目的モビリティの利用が可能となり得る土地)の候補が含まれる場合には、その土地を特定するように表示(図12の例では、太線で囲んで表示)してもよい。また、地図M上に含まれる土地に他の多目的モビリティによる利用が予定されている土地がある場合には、他者の多目的モビリティであることが分かるような表示を行う(図12の例では、該当する土地の上にモビリティのアイコンを配置する)こととしてもよい。
なお、図12に示す表示例では、時系列に沿って表示を変化させることが可能なスライダーC1、表示レイヤを切り換えることが可能な選択エリアC2等が設けられている。これらについて、図13及び図14を参照しながら説明する。
図13では、スライダーC1を利用した表示の変更例を示している。ここでは、利用希望者U2による土地A1の利用希望時間が12時〜15時であるとする。そのため、図12では、当日の12時の利用状況を示している。一方、図13(a)は当日の10時の利用状況を示していて、図13(b)は当日の21時の利用状況を示している。利用希望者U2が実際に利用する時間の前後に、対象となる土地A1がどのように利用されるかによって、提供するサービスに係る集客状況、または、当該土地A1の利用のしやすさ(環境)等が変化する可能性がある。そこで、図13(a)、(b)に示すように、利用希望者U2による土地A1の利用希望時間の前後に関する利用状況を利用希望者U2に提示可能な構成とすることで、利用希望者U2が指定した検索条件に基づく検索結果に関するさらなる関連情報を提供することができる。図13(a)では、当日の10時に土地A1が魚屋として使用されることが示されている。また、図13(b)では、当日の21時に土地A1がカフェとして使用されることが示されている。
なお、図13(a)、(b)に示す構成を実現するためには、土地情報管理装置3の検索結果選択部52が土地に対応する関連情報を選択する際に、自装置において保持する情報から当該土地に係る前後の予約状況に関する情報も関連情報として取得し、不動産仲介装置2に対して送信する構成とすることができる。すなわち、検索結果をユーザインタフェース21に対して表示するための加工を行う不動産仲介装置2の出力部23が、時系列に沿った予約状況に係る情報を取り扱うことができるように各部が構成される。
図14では、表示レイヤの選択エリアC2を利用した表示の変更例を示している。図12では、検索結果となる土地A1の周辺の領域に係る地図Mが表示されている状態である。一方、図14(a)は、利用希望者U2等が選択エリアC2で天気レイヤを選択した結果、天気に係る情報が地図Mに重ねて表示される状態を示している。図14(a)に示す例では、天気が晴れとなる領域には特に何も示されていないが、曇りとなる領域C4は晴れとなる領域とは区別して示されている。このように、天気に係る情報を地図Mに重ねて表示することで、利用希望者U2は土地A1のみならずその周辺の天気がどのような状態かを把握することができる。なお、図14(a)に示す構成を実現するためには、土地情報管理装置3の検索結果選択部52が土地に対応する関連情報を選択する際に、天気に係る情報として、土地A1に対応する領域だけではなくその周辺の天気に係る情報も関連情報として取得し、不動産仲介装置2に対して送信する構成とすることができる。すなわち、検索結果をユーザインタフェース21に対して表示するための加工を行う不動産仲介装置2の出力部23が、地図Mに対応する領域の天気に係る情報を取り扱うことができるように各部が構成される。
図14(b)は、利用希望者U2等が選択エリアC2で車の混雑度レイヤを選択した結果、車の混雑度に係る情報が地図Mに重ねて表示される状態を示している。図14(b)に示す例では、地図M中の道路C5に対して、車の混雑度に応じて線種が変更された矢印が示されている。また、車の進行方向毎の混雑度を矢印の向きによって示している。このように、車の混雑度に係る情報を地図Mに重ねて表示することで、利用希望者U2は土地A1のみならずその周辺の車の混雑度がどのような状態かを把握することができる。なお、図14(b)に示す構成を実現するためには、土地情報管理装置3の検索結果選択部52が土地に対応する関連情報を選択する際に、天気に係る情報として、土地A1に対応する領域だけではなくその周辺の車の混雑度に係る情報も関連情報として取得し、不動産仲介装置2に対して送信する構成とすることができる。すなわち、検索結果をユーザインタフェース21に対して表示するための加工を行う不動産仲介装置2の出力部23が、地図Mに対応する領域の車の混雑度に係る情報を取り扱うことができるように各部が構成される。
上述したように、土地情報管理装置3では、互いに異なる種類の関連情報はそれぞれ個別に、互いに異なるレイヤとして管理している。したがって、レイヤが区別された状態で、不動産仲介装置2が関連情報を取得する構成とした場合、出力部23において、図14(a)、(b)で示したようにレイヤを区別した表示を実現することができる。
なお、関連情報についても、図13(a)、(b)に示すようにスライダーC1で示す時系列に沿った情報を表示できる構成としてもよい。その場合、検索結果をユーザインタフェース21に対して表示するための加工を行う不動産仲介装置2の出力部23が、時系列に沿って地図Mに対応する領域における関連情報について、レイヤを区別して取り扱うことができるように各部が構成される。
[本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態に係る土地情報提供システム1は、利用希望者U2からの要求に基づいて、多目的モビリティが利用する土地に係る情報を検索し、検索結果を提供するシステムであり、土地が存在する場所を特定する土地特定情報と当該土地特定情報に関連付けられた当該土地の利用条件に係る情報とを含む土地情報と、位置に対応付けられた土地の利用に関連する情報である関連情報と、を保持する土地情報保持部としての土地情報管理装置3と、利用希望者Uから取得した土地の検索条件に基づき、当該検索結果を決定する検索部としての検索結果選択部52及び検索処理部36とを有し、検索部は、検索条件と利用条件に係る情報とに基づいて、複数の土地情報の中から一の土地情報を選択した後、当該一の土地情報に含まれる土地特定情報によって特定される土地が存在する存在位置に対応付けられた関連情報を選択し、選択された一の土地情報及び関連情報を検索結果とする。
また、上記実施形態に係るデータ構造は、検索部及び記憶部を備える装置に用いられ、記憶部に保持されるとともに多目的モビリティが利用する土地に関連する情報である、土地情報及び関連情報に係るデータ構造であって、土地情報は、土地が存在する位置を特定する土地特定情報と、土地特定情報に関連付けられた当該土地の利用条件に係る情報と、を含み、関連情報は、位置に対応付けられた土地の利用に関連する情報を含み、利用条件に係る情報に基づいて土地情報が選択された場合に、土地情報に含まれる土地特定情報によって特定される土地が存在する存在位置に対応付けられた関連情報を、検索部が記憶部から取得する処理に用いられる。
上記の土地情報提供システム1及びデータ構造によれば、利用希望者Uからの土地の検索条件と利用条件に係る情報とに基づいて、複数の土地情報の中から一の土地情報を選択した後、当該一の土地情報に含まれる土地特定情報によって特定される土地が存在する存在位置に対応付けられた関連情報を選択し、選択された一の土地情報及び関連情報が検索結果となる。多目的モビリティを利用して特定の土地で何らかのサービスを行う場合、サービスに適した土地となるための条件には種々の要素が含まれる。これらの要素の中には、サービスに利用する土地の利用可否に直結するような要素もあるが、当該土地を含む地域的な環境に係る要素も含まれる。また、種々の条件のなかでも利用可否に直結する重要な要件と、土地の利用可否には影響しないもののサービスに対する適正に影響を与える程度の要件も含まれる。
そこで、本システム及びデータ構造では、土地情報と関連情報とを区別して取り扱い、検索条件に基づく検索を行う際に、まず、土地情報を特定した後に、土地情報に含まれる土地特定情報によって特定される土地が存在する存在位置に対応付けられた関連情報を取得する。このような構成とすることで、検索結果となる土地情報に対応付けられた関連情報を適切に選択して検索結果として出力することで、まず、利用可否に直結する利用条件に基づいて土地情報を選択した後に当該土地に係る関連情報を対応付けた上で検索結果として提示することが可能となる。そのため、多目的モビリティを利用したい土地利用希望者に対して、用途に応じた、すなわち検索条件に見合った土地に係る情報(土地情報及び関連情報)を適切に提供することが可能となる。
従来から、特許文献1に記載のように空地等を管理するデータベースが知られていたが、これらのデータベースは多目的モビリティが利用する土地に係る情報を管理して提供するためには改善の余地があった。すなわち、多目的モビリティの利用に適した土地は、多目的モビリティの用途によって種々に変化し得るものである。また、当該土地の周辺環境が多目的モビリティによる活動(何らかのサービスの提供等)に影響を与える可能性もある。したがって、何らかの用途で多目的モビリティを利用する土地を検索する場合、種々の要件を考慮して検索を行うことが求められる。しかしながら、種々の要件を全ての土地に対応付けたデータベース管理をすると、データ量が膨大となることに加えて、各項目の情報に変更が行われた場合の更新作業等も複雑になり、適切な情報管理が難しくなることが考えられた。
これに対して、上記のシステム及びデータ構造によれば、土地情報と関連情報とを区別して管理し、関連情報は土地情報とは切り離した情報として取り扱われる。その上で、何らかの検索条件で一の土地情報が選択された場合には、当該土地の存在する位置に対応する関連情報が選択されて、検索結果とされる。このような構成とすることで、検索条件に合致した好適な検索結果を出力することができると共に、データ量の増大を抑制することができる。また、関連情報については情報の更新作業等も煩雑になることを防ぐことができ、情報の管理を適切に行うことも可能となる。
また、関連情報に動的情報を含まれる場合、上記のシステム及びデータ構造は、多目的モビリティを利用したい土地利用希望者に対して、用途に応じた、すなわち検索条件に見合った土地に係る情報(土地情報及び関連情報)を適切に提供することが可能となる。特に、動的情報は情報の更新の頻度も高くなるため、上記実施形態で説明したデータ構造とすることで、動的情報であっても関連情報として精度の高い情報を選択して検索結果とすることができる。
また、検索結果を出力する結果出力部としての出力部23及びユーザインタフェース21を有し、結果出力部は、検索結果に含まれる一の土地情報または関連情報について、時系列に沿って出力可能とされている構成とすることができる。この構成は特に多目的モビリティが利用する土地に係る情報を提供するシステムにおいて有効である。すなわち、多目的モビリティの用途によっては、その前後の時間帯の当該土地の利用状態またはその周辺の状況等が多目的モビリティによる活動(何らかのサービスの提供等)に影響を与える可能性もある。そこで、結果出力部として、時系列に沿って情報を出力可能とされていることで、利用希望者U2が前後の時間帯の情報に興味を持った場合に、適切に情報を提供することができる。
また、検索部は、選択された一の土地情報及び関連情報に含まれる各情報と、前記検索条件との関連性を算出する構成とすることができる。このような構成とすることで、検索結果が検索条件に対してどの程度関連しているかを算出することができるため、利用希望者U2にとってより有用な情報を提供することができる。なお、関連性を算出する構成として、選択された一の土地情報及び関連情報に含まれる各情報と、検索条件との関連性に基づいた重み付けを行って、検索結果について検索条件に対する評価値を算出する構成とした場合、利用希望者U2にとってより有用な評価値を算出することができる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、土地情報提供システム1として不動産仲介装置2と土地情報管理装置3とアカウント情報保持装置4とが含まれる構成について説明したが、その構成は適宜変更することができる。例えば、不動産仲介装置2としての機能が複数の装置に分散されていてもよい。
また、上記実施形態では土地情報管理装置3が検索結果選択部52を有する構成について説明したが、検索部としての機能は不動産仲介装置2に持たせる構成としてもよい。また、関連情報取得部51についても同様であり、不動産仲介装置2側が関連情報を土地情報管理装置3に対して提供し土地情報管理装置3で管理する構成としてもよい。また、関連情報は土地情報を保持する装置とは別の装置で保持する構成であってもよく、複数の装置で分散して管理される構成であってもよい。
また、上記実施形態で説明した関連情報は、位置に対応付けられた土地の利用に関連する情報であるが、位置への対応付けの仕方が土地情報と同じであってもよい。例えば、価値に係る情報のうち、特に賃貸料に係る情報は、土地に対応付けられた情報である。したがって、賃貸料に係る情報は土地情報と同じ区分け(ID)で管理することができる。このように、関連情報における位置との対応付けは適宜変更することができる。
以上の実施形態の全部又は一部に記載された態様は、多目的モビリティの用途に応じた土地に係る情報を適切に提供する土地情報提供システムの提供、処理速度の向上、処理精度の向上、使い勝手の向上、データを利用した機能の向上又は適切な機能の提供その他の機能向上又は適切な機能の提供、データ及び/又はプログラムの容量の削減、装置及び/又はシステムの小型化等の適切なデータ、プログラム、記録媒体、装置及び/又はシステムの提供、並びにデータ、プログラム、装置又はシステムの制作・製造コストの削減、制作・製造の容易化、制作・製造時間の短縮等のデータ、プログラム、記録媒体、装置及び/又はシステムの制作・製造の適切化のいずれか一つの課題を解決する。