JP2020166170A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表示品位に優れた表示装置を提供する。【解決手段】 一実施形態に係る表示装置においては、複数の画素の各々が、高屈折率層と、前記高屈折率層よりも低い屈折率を有する低屈折率層と、前記高屈折率層と前記低屈折率層との境界面を変形させるアクチュエータと、を備えている。【選択図】 図4
Description
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
一対の基板の間に液晶層を配置した液晶表示装置が知られている。例えばバックライトからの光を表示に利用する透過型の液晶表示装置においては、一対の基板の両側に偏光板が配置されている。これら偏光板は、光の一部を吸収するため、画像の輝度を低下させる一因となる。
また、電気泳動素子を用いた反射型の表示装置も知られている。この種の表示装置は、偏光板を配置する必要がないため画像の輝度を高めることが可能であるが、画素のオン・オフを切り替える際の応答速度が遅い。
上述のように、従来の表示装置には、改善の余地があった。そこで、本開示は、表示品位に優れた表示装置を提供することを目的の一つとする。
一実施形態に係る表示装置においては、複数の画素の各々が、高屈折率層と、前記高屈折率層よりも低い屈折率を有する低屈折率層と、前記高屈折率層と前記低屈折率層との境界面を変形させるアクチュエータと、を備えている。
いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。各図において、連続して配置される同一又は類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。各図において、連続して配置される同一又は類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
[第1実施形態]
先ず、図1〜図3を用いて、第1実施形態に係る表示装置1の基本構成を例示する。
図1は、本実施形態に係る表示装置1の概略的な構成を示す図である。図示したように、X方向、Y方向およびZ方向を定義する。これらX,Y,Z方向は、例えば互いに直交するが、90度以外の角度で交わってもよい。以下、Z方向と平行に表示装置1を見ることを平面視と呼ぶ。
先ず、図1〜図3を用いて、第1実施形態に係る表示装置1の基本構成を例示する。
図1は、本実施形態に係る表示装置1の概略的な構成を示す図である。図示したように、X方向、Y方向およびZ方向を定義する。これらX,Y,Z方向は、例えば互いに直交するが、90度以外の角度で交わってもよい。以下、Z方向と平行に表示装置1を見ることを平面視と呼ぶ。
表示装置1は、表示パネル2と、コントローラ3と、配線基板4と、バックライトBLとを備えている。表示パネル2は、第1基板SUB1と、第2基板SUB2とを備えている。第1基板SUB1と第2基板SUB2は、Z方向において対向している。
第1基板SUB1は、第2基板SUB2と対向しない端子領域TAを有している。端子領域TAは、端子Tを有している。配線基板4は、例えばフレキシブル回路基板であり、端子Tに接続されている。画像表示のためのデータは、配線基板4を介して表示パネル2に供給される。図1の例においては、コントローラ3が端子領域TAに実装されている。ただし、コントローラ3は、配線基板4などの他の部材に実装されてもよい。
表示パネル2は、表示領域DAと、表示領域DAの周囲の周辺領域SAとを有している。表示領域DAは、X方向およびY方向にマトリクス状に配列された複数の画素PXを含む。画素PXは、異なる色に対応する複数の副画素を含み、これらの副画素によりカラー表示が可能である。一例として、本実施形態においては、画素PXが赤色の副画素SPRと、緑色の副画素SPGと、青色の副画素SPBとを含む場合を想定する。ただし、画素PXは、白色の副画素など、他の色の副画素を含んでもよい。なお、表示装置1は、単色(モノクロ)表示に対応した構成を有してもよい。この場合においては、図示した構成の副画素それぞれが1つの画素として機能する。以下の説明においては、副画素SPR,SPG,SPBを特に区別しない場合、単に副画素SPと呼ぶ。
第1基板SUB1は、複数の走査線Gと、複数の信号線Sと、第1走査ドライバGD1と、第2走査ドライバGD2と、信号ドライバSDとを備えている。複数の走査線Gは、表示領域DAにおいてX方向に延びるとともに、Y方向に並んでいる。複数の信号線Sは、表示領域DAにおいてY方向に延びるとともに、X方向に並んでいる。各走査ドライバGD1,GD2は、複数の走査線Gに走査信号を供給する。信号ドライバSDは、複数の信号線Sに映像信号を供給する。副画素SPは、走査線Gおよび信号線Sにより区画された領域に相当する。
さらに、第1基板SUB1は、各副画素SPに配置されたスイッチング素子SWと、後述する高屈折率層12および低屈折率層30の境界面BFと、アクチュエータACとを備えている。スイッチング素子SWは、走査線Gおよび信号線Sに接続されており、走査線Gに走査信号が供給されたときに信号線Sの映像信号をアクチュエータACに供給する。アクチュエータACは、スイッチング素子SWを介して供給される映像信号に応じて、境界面BFの形状を変形させる。
バックライトBLは、導光板LGと、複数の光源LSとを備えている。導光板LGは、第1基板SUB1の裏面に対向している。複数の光源LSは、導光板LGの側面に沿って並んでおり、当該側面に光を照射する。複数の光源LSは、例えば赤、緑、青色の光を放つ発光素子を含んでもよいし、特定の色(例えば白色)の光を放つ発光素子で構成されてもよい。各光源LSからの光は、導光板LGの内部を伝搬し、第1基板SUB1と対向する導光板LGの面から第1基板SUB1に向けて照射される。
図2は、表示装置1の概略的な断面図である。第1基板SUB1と第2基板SUB2の間には、低屈折率層30が設けられている。一例として、低屈折率層30は空間(空気、その他の気体、または真空)であるが、液晶などの液体を含んでもよいし、透明な樹脂などの固体を含んでもよい。
第1基板SUB1は、第1絶縁基板10と、回路層11と、アクチュエータACと、高屈折率層12と、第1遮光層13とを備えている。回路層11は、上述の走査線G、信号線S、スイッチング素子SWおよび複数の絶縁層を含むが、図2においては簡略化して示している。
第1絶縁基板10は、例えばガラスで形成することができる。回路層11は、第1絶縁基板10の上面(第2基板SUB2との対向面)に設けられている。アクチュエータACは、透光性を有しており、回路層11の上方に設けられている。高屈折率層12は、例えば透明な樹脂材料により形成され、アクチュエータACを覆っている。高屈折率層12は、低屈折率層30よりも高い屈折率を有している。
図2の例においては、高屈折率層12の表面(高屈折率層12と低屈折率層30の界面)が境界面BFに相当する。第1遮光層13は、境界面BFの一部を覆っている。図2の例においては、第1遮光層13が各副画素SPのX方向における中心近傍に設けられているが、この例に限られない。
図2の例において、隣り合う副画素SPのアクチュエータACは、互いに接している。また、隣り合う副画素SPの高屈折率層12も互いに接している。隣り合う副画素SPの高屈折率層12が一体的に切れ目なく形成されてもよい。
第2基板SUB2は、第2絶縁基板20と、第2遮光層21と、カラーフィルタ層22とを備えている。第2絶縁基板20は、例えばガラスで形成することができる。第2遮光層21およびカラーフィルタ層22は、第2絶縁基板20の下面(第1基板SUB1との対向面)に設けられている。
第2遮光層21は、隣り合う副画素SPの境界と重畳している。すなわち、第2遮光層21は、図1に示した走査線Gおよび信号線Sと重畳する格子状である。カラーフィルタ層22は、副画素SPRの境界面BFに対向する赤色のカラーフィルタ22Rと、副画素SPGの境界面BFに対向する緑色のカラーフィルタ22Gと、副画素SPBの境界面BFに対向する青色のカラーフィルタ22Bとを含む。
バックライトBLの導光板LGは、第1絶縁基板10に対向している。導光板LGから放たれた光Lbは、第1絶縁基板10に入射する。プリズムシートなどの光学シートが導光板LGと第1絶縁基板10の間に配置されてもよい。
表示パネル2は、第2絶縁基板20の上面に設けられた拡散層DFをさらに備えてもよい。例えば、拡散層DFとしては、位相差フィルム、屈折率の異なる母材と粒子を混合したヘイズ糊、および、微細な柱状構造を含んだLCF(Light Control Film)の少なくとも一つを含む構造を採用することができるが、この例に限られない。
図3は、回路層11の構成の一例を示す概略的な断面図である。回路層11は、絶縁層14〜17と、走査線Gと、信号線Sと、スイッチング素子SWとを含む。
絶縁層14は、第1絶縁基板10の上面を覆っている。スイッチング素子SWは、絶縁層14の上に配置された半導体層SCと、中継電極REとを含む。絶縁層15は、半導体層SCおよび絶縁層14を覆っている。走査線Gは、絶縁層15の上に配置されている。絶縁層16は、走査線Gおよび絶縁層15を覆っている。信号線Sおよび中継電極REは、絶縁層16の上に配置されている。絶縁層17は、信号線S、中継電極REおよび絶縁層16を覆っている。
例えば、絶縁層14〜16は、無機材料で形成することができる。また、絶縁層17は、有機材料で形成することができる。絶縁層17は、スイッチング素子SWにより生じる凹凸を平坦化すべく、絶縁層14〜16よりも大きい厚さを有してもよい。
走査線Gは、絶縁層15を介して半導体層SCに対向している。信号線Sは、絶縁層15,16を貫通するコンタクトホールCH1を通じて半導体層SCに接触している。中継電極REは、絶縁層15,16を貫通するコンタクトホールCH2を通じて半導体層SCに接触している。図3の例においては、アクチュエータACに含まれる第1電極E1が、絶縁層17を貫通するコンタクトホールCH3を通じて中継電極REに接触している。第1電極E1は、中継電極REを介さずに半導体層SCに直接接触してもよい。
[表示原理]
本実施形態に係る表示装置1は、バックライトBLからの光Lbの透過率を副画素SPごとに変えることで画像を表示する透過型の表示装置である。具体的には、アクチュエータACにより境界面BFを変形させることで、副画素SPの透過率を制御する。以下、図2および図4を用いて、表示装置1の表示原理の具体例について説明する。
本実施形態に係る表示装置1は、バックライトBLからの光Lbの透過率を副画素SPごとに変えることで画像を表示する透過型の表示装置である。具体的には、アクチュエータACにより境界面BFを変形させることで、副画素SPの透過率を制御する。以下、図2および図4を用いて、表示装置1の表示原理の具体例について説明する。
図4は、副画素SPGのアクチュエータACが境界面BFを図2に示した形状から変形させた状態を示す、表示装置1の概略的な断面図である。以下、図2における副画素SPGの境界面BFの形状を第1形状、図4における副画素SPGの境界面BFの形状を第2形状と呼ぶ。
図2に示す第1形状は、第1絶縁基板10の上面(X−Y平面)と平行な平面である。バックライトBLからの光Lbは、例えばZ方向に強度のピークを有する拡散光、あるいは実質的にZ方向と平行な平行光である。光Lbは、第1絶縁基板10、回路層11およびアクチュエータACを通って境界面BFに入射する。第1形状の境界面BFは平面であるため、光Lbは境界面BFにて屈折しないか、あるいは光LbがZ方向に対して僅かに傾いている場合には境界面BFにて僅かに屈折して、低屈折率層30に出射する。その後、光Lbは、カラーフィルタ22Gおよび第2絶縁基板20を通り、拡散層DFにて拡散されて表示パネル2から出射する。これにより、副画素SPGは、緑色を表示することになる。なお、光Lbの一部は、第1遮光層13にて吸収される。
図4に示す第2形状は、アクチュエータACを支持する第1絶縁基板10に向けた凹状の曲面である。この場合、低屈折率層30が高屈折率層12よりも低い屈折率を有するために、境界面BFにおいては、隣接する副画素SPの方向に向けて光Lbが屈折する。この屈折光Lrの多くは、第2遮光層21によって吸収される。
第2形状において、境界面BFの底部に相当する位置には第1遮光層13が設けられている。仮に第1遮光層13が無い場合、この底部に入射する光Lbは屈折しないか、あるいは僅かに屈折して、カラーフィルタ22Gを通って表示パネル2から出射する。しかしながら、第1遮光層13を設けた場合、このような透過光が抑制される。
光Lbの少なくとも一部は、第2形状の境界面BFにおいて全反射してもよい。例えば、高屈折率層12と低屈折率層30の屈折率差を十分に大きくすることや、第2形状の境界面BFのうち第1遮光層13で覆われていない領域の傾斜を急にすることで、光Lbの大部分が臨界角以上の角度で境界面BFに入射するようにしてもよい。
以上の例において、図2は副画素SPGがオン(緑表示)の状態に相当し、図4は副画素SPGがオフ(黒表示)の状態に相当する。すなわち、境界面BFが第1形状である場合の副画素SPGの第1透過率に比べて、境界面BFが第2形状である場合の副画素SPGの第2透過率の方が小さい。
画像のコントラストを高める観点から、第2透過率が第1透過率よりも十分に小さいことが好ましい。すなわち、第2形状は、屈折光Lrのできるだけ多くの部分が第2遮光層21に向かい、第2遮光層21で吸収される形状であることが好ましい。また、第1遮光層13は、第2形状の境界面BFにおいて第2遮光層21に向かわない屈折光Lrを生成し得る領域や、光Lbが屈折せずに境界面BFを通過し得る領域を十分に覆う大きさを有することが好ましい。ただし、境界面BFの面積を大きくして画像の輝度を高める観点から、第1遮光層13を極力小さくしてもよい。
ここで、第1形状の曲率を第1曲率と定義し、第2形状の曲率を第2曲率と定義する。本実施形態において、第2曲率は、第1曲率よりも大きい。なお、図2に示すように第1形状が平面である場合、第1曲率は0である。ただし、第1曲率は、必ずしも0である必要はない。すなわち、第1形状は、第2形状よりも緩やかな曲面であってもよい。
第1形状および第2形状は、位置によって曲率が変化してもよい。この場合、第1曲率は、第1形状の各位置における曲率の平均値や最大値として定義することができる。同様に、第2曲率は、第2形状の各位置における曲率の平均値や最大値として定義することができる。
以上、副画素SPGを例に透過率の制御方法を説明したが、副画素SPR,SPBについても同様の方法を適用できる。画素PXによる階調表現は、副画素SPR,SPG,SPBの境界面BFを第1形状と第2形状との間で変化させることに加え、第1形状(あるいは第2形状)を維持する時間を制御することで実現できる。例えば、副画素SPGの境界面BFを第1形状にする時間を、副画素SPR,SPBの各境界面BFを第1形状にする時間より長くすれば、緑成分が強く且つ赤成分および青成分が弱い色を表示することができる。
階調表現は、境界面BFの曲率を多段的に変化させることでも実現できる。例えば、副画素SPGの境界面BFを第1形状とし、副画素SPR,SPBの境界面BFを第2形状よりも曲率が小さく、かつ第1形状よりも曲率が大きい形状とすれば、緑成分が強く且つ赤成分および青成分が弱い色を表示することができる。
画像データに応じて各画素PXにおける副画素SPR,SPG,SPBの透過率を制御することにより、表示領域DAに当該画像データに対応する画像を表示させることができる。拡散層DFを設けた場合、副画素SPR,SPG,SPBを透過する光が拡散されるので、画像の視野角依存性を抑制でき、結果として表示品位を高めることが可能となる。
他の例として、拡散層DFを用いずに、境界面BFの形状を高速で切り替えてもよい。すなわち、1フレームの画像を表示するにあたり、オンとすべき副画素SPの境界面BFが複数回に亘って第1形状と第2形状の間で切り替われば、種々の方向に向かう屈折光が生成される。これにより、拡散層DFを用いる場合と同様に、画像の視野角依存性が抑制される。
[アクチュエータAC]
アクチュエータACとしては、境界面BFを第1形状および第2形状に変形させることが可能な種々の素子を用いることができる。以下、一例として、電圧が印加されたことに応じて変形するピエゾ素子(ピエゾ膜)を用いたアクチュエータACを想定し、副画素SPの具体的な構造を開示する。
アクチュエータACとしては、境界面BFを第1形状および第2形状に変形させることが可能な種々の素子を用いることができる。以下、一例として、電圧が印加されたことに応じて変形するピエゾ素子(ピエゾ膜)を用いたアクチュエータACを想定し、副画素SPの具体的な構造を開示する。
図5は、副画素SPに適用し得る構造の一例を示す平面図である。第2遮光層21は、走査線Gおよび信号線Sと重畳し、副画素SPにおいて開口している。アクチュエータACは、透光性のピエゾ素子PZと、第1電極E1と、第2電極E2とを備えている。
図5の例において、ピエゾ素子PZは、2本の走査線Gおよび2本の信号線Sで囲われた領域内に配置されている。さらに、ピエゾ素子PZは、各走査線Gおよび各信号線Sから離間している。ただし、ピエゾ素子PZは、各走査線Gおよび各信号線Sの少なくとも一つと重畳してもよい。
高屈折率層12は、ピエゾ素子PZと重畳している。ピエゾ素子PZと同様に、高屈折率層12は各走査線Gおよび各信号線Sから離間しているが、これらの少なくとも一つと重畳してもよい。
ピエゾ素子PZおよび高屈折率層12の周縁は、第2遮光層21と重畳している。ただし、ピエゾ素子PZおよび高屈折率層12の周縁の少なくとも一部が、第2遮光層21と重畳しなくてもよい。
第1電極E1は、X方向における副画素SPの中央部と重畳し、かつY方向に長尺に延びる線状である。第2電極E2は、例えば複数の副画素SPに亘る形状を有しており、第1電極E1と重畳している。なお、第2電極E2は、副画素SPごとに分割されてもよい。第1遮光層13は、第1電極E1と重畳してY方向に長尺に延びる線状である。第1電極E1および第2電極E2は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料で形成することができる。
図6は、X−Z平面に沿うアクチュエータACの概略的な断面図である。第1電極E1は、ピエゾ素子PZの下面(第1絶縁基板10側の面)に接している。第2電極E2は、ピエゾ素子PZの上面(第2基板SUB2側の面)に接し、複数の副画素SPに亘って連続的に設けられている。高屈折率層12は、第2電極E2の上面に接している。第1遮光層13は、境界面BFに接している。
図6の例においては、隣り合う副画素SPのピエゾ素子PZの間に隙間が設けられている。この隙間には、例えば絶縁性の材料で形成されたバンクBKが配置されている。一例として、バンクBKは、ピエゾ素子PZの全周囲を囲う形状である。また、図6の例においては、隣り合う副画素SPの高屈折率層12の間にも隙間が設けられている。なお、隣り合う副画素SPの高屈折率層12は、図2および図4に示したように互いに接してもよい。同様に、隣り合う副画素SPのピエゾ素子PZは、互いに接してもよい。
第1電極E1は、図3にも示したように中継電極REと電気的に接続されている。したがって、第1電極E1には、信号線Sに供給される映像信号の電圧が、スイッチング素子SWを介して印加される。第2電極E2には、共通電圧が印加される。
図6中の左側に示す副画素SPにおいては、第1電極E1と第2電極E2の間に電位差が形成されていない。この場合、ピエゾ素子PZは平坦であり、境界面BFは図2に示した第1形状となる。
一方、図6中の右側に示す副画素SPにおいては、第1電極E1と第2電極E2の間に電位差が形成されている。この場合、ピエゾ素子PZは湾曲し、これに伴い境界面BFは図4に示した第2形状となる。
他の例として、第1電極E1と第2電極E2の間に電位差が形成されていないときにピエゾ素子PZが湾曲し、当該電位差が形成されているときにピエゾ素子PZが平坦であってもよい。
図6の例においては、隣り合うピエゾ素子PZの間に隙間(バンクBK)が設けられているので、あるピエゾ素子PZの変形に伴う力が、隣のピエゾ素子PZに伝達されにくい。同様に、隣り合う高屈折率層12の間に隙間が設けられているので、ある高屈折率層12の変形に伴う力が、隣の高屈折率層12に伝達されにくい。これらにより、隣り合う副画素SPにおけるアクチュエータACの相互作用が抑制でき、結果として表示品位を高めることができる。さらに、副画素SPの境界部分において、アクチュエータACの動作に起因した高屈折率層12等の破壊を抑制することができる。
アクチュエータACは、例えばピエゾ素子PZの基となる材料を第1電極E1や回路層11の上にスピンコートやスリットコートにより塗布し、これをアニールにより結晶化させ、さらにその上に第2電極E2を形成し、所定の矩形波の電圧を第1電極E1および第2電極E2の間に印加してピエゾ素子PZを分極化することにより作成できる。また、ピエゾ素子PZの材料としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)やフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン共重合体(VDF/TrFE)を用いることができる。なお、アクチュエータACの形成方法およびピエゾ素子PZの材料は、ここで挙げた例に限定されない。
図7は、第2形状の境界面BFの一例を示す概略的な斜視図である。図5の例のように第1電極E1を設けた場合、ピエゾ素子PZは、例えば図6に示す断面形状でY方向に一様に延びる形状に変形する。したがって図7に示すように、境界面BFも、ピエゾ素子PZとともに同様の形状(第2形状)に変形する。第1遮光層13は、第2形状の境界面BFの底部を、Y方向において連続的に覆っている。
例えば、図7に示す第2形状の境界面BFは、円柱面の一部に相当する形状と言うことができる。ただし、第2形状の境界面BFにおいて、X−Z平面に沿う断面形状の曲率がY方向の位置によって異なってもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る表示装置1においては、複数の副画素SPの各々が、境界面BFと、境界面BFを変形させるアクチュエータACとを備えている。そして、境界面BFの形状で副画素SPの透過率を制御することにより、表示領域DAに画像が表示される。このような表示原理であれば、例えば従来の透過型の液晶表示装置のように、表示パネル2の両側に偏光板を配置する必要がない。したがって、バックライトBLからの光を効率よく利用して、高輝度の画像を得ることができる。あるいは、光の利用効率が高いために、バックライトBLの消費電力を低減することができる。
また、ピエゾ素子PZを用いたアクチュエータACであれば、境界面BFの形状を高速で切り替えることが可能である。したがって、例えば液晶表示装置や電気泳動素子を用いた表示装置よりも、応答速度に優れた画像を得ることができる。
また、第2形状の境界面BFにおいて底部となる部分には、第1遮光層13が配置されている。この第1遮光層13により、第2遮光層21に向けてバックライトBLからの光を屈折させられない領域を遮光できるので、境界面BFが第2形状である副画素SPの輝度(透過率)を十分に低くすることができる。結果として、画像のコントラストが向上する。
表示装置1の構成は、図1乃至図7を用いて説明した例に限られない。以下、表示装置1に適用し得る他の実施形態を開示する。各実施形態においては、主に第1実施形態との相違点について説明する。各実施形態において特に言及しない構成については、第1実施形態あるいは他の実施形態に開示した構成を適用し得る。
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態に係る表示装置1の概略的な断面図であり、図4と同じく境界面BFが第2形状に変形した状態を示している。図8に示す表示装置1は、第1絶縁基板10および第2絶縁基板20が可撓性を有している点で第1実施形態と相違する。このような第1絶縁基板10および第2絶縁基板20の材料としては、例えばポリイミド等の樹脂材料を用いることができる。
図8は、第2実施形態に係る表示装置1の概略的な断面図であり、図4と同じく境界面BFが第2形状に変形した状態を示している。図8に示す表示装置1は、第1絶縁基板10および第2絶縁基板20が可撓性を有している点で第1実施形態と相違する。このような第1絶縁基板10および第2絶縁基板20の材料としては、例えばポリイミド等の樹脂材料を用いることができる。
図8の例においては、アクチュエータACの変形に伴い、回路層11および第1絶縁基板10も僅かに変形している。ただし、アクチュエータACの変形は、回路層11や第1絶縁基板10に及ばなくてもよい。
本実施形態の構成であれば、任意の形状に曲げることが可能なフレキシブルな表示パネル2および表示装置1を実現できる。さらに、図8の例のようにアクチュエータACの変形が第1絶縁基板10にまで及ぶ場合、アクチュエータACが変形し易くなる。これに伴い、境界面BFの変形量を大きくして第2形状の曲率を高めることが可能となる。
[第3実施形態]
図9は、第3実施形態に係る表示装置1の概略的な断面図であり、図4と同じく境界面BFが第2形状に変形した状態を示している。図9に示す表示装置1は、カラーフィルタ層22が第1基板SUB1に配置されている点で第1実施形態と相違する。
図9は、第3実施形態に係る表示装置1の概略的な断面図であり、図4と同じく境界面BFが第2形状に変形した状態を示している。図9に示す表示装置1は、カラーフィルタ層22が第1基板SUB1に配置されている点で第1実施形態と相違する。
図9の例において、カラーフィルタ層22は、回路層11とアクチュエータACの間に配置されている。このような構成であっても、第1実施形態と同様のカラー表示が可能である。また、第1基板SUB1に境界面BF、アクチュエータACおよびカラーフィルタ層22が設けられるので、これらの要素の位置ずれが抑制され、表示品位をより高めることができる。
[第4実施形態]
図10は、第4実施形態に係る表示装置1の概略的な断面図であり、図4と同じく境界面BFが第2形状に変形した状態を示している。図10に示す表示装置1は、隣り合う副画素SPの境界に遮光性のスペーサ40が配置されている点で第1実施形態と相違する。
図10は、第4実施形態に係る表示装置1の概略的な断面図であり、図4と同じく境界面BFが第2形状に変形した状態を示している。図10に示す表示装置1は、隣り合う副画素SPの境界に遮光性のスペーサ40が配置されている点で第1実施形態と相違する。
スペーサ40は、例えば第1基板SUB1と第2基板SUB2の間の低屈折率層30において、第2基板SUB2から第1基板SUB1に向けて延びている。他の例として、スペーサ40は、第1基板SUB1から第2基板SUB2に向けて延びてもよい。
図10の例においては、スペーサ40の先端が接着層41によって高屈折率層12に接着されている。ただし、接着層41を設けずに、スペーサ40の先端が第1基板SUB1に接触してもよい。あるいは、スペーサ40の先端と第1基板SUB1との間に隙間が存在してもよい。
スペーサ40は、図4に示した第2遮光層21に代えて、第2形状の境界面BFによる屈折光Lrを吸収する。なお、図10の例においては第2遮光層21を省略しているが、表示装置1はスペーサ40とともに第2遮光層21を備えてもよい。
図11は、スペーサ40の形状の一例を示す概略的な平面図である。この図に示すように、スペーサ40は、走査線Gおよび信号線Sと重畳する格子状であってもよい。他の例として、スペーサ40は、信号線Sと重畳してY方向に直線状に延びてもよい。
本実施形態のようにスペーサ40にて屈折光Lrを吸収する場合でも、第1実施形態と同様の表示原理を実現することができる。さらに、ある副画素SPから隣接する副画素SPに向かう屈折光Lrの殆どがスペーサ40によって遮光されるので、表示品位を高めることができる。
また、図10の構造においては境界面BFがスペーサ40によって押さえられる。この場合には、ある副画素SPにおける境界面BFおよびアクチュエータACの変形が、他の副画素SPにおける境界面BFおよびアクチュエータACに及びにくくなる。図11の例のようにスペーサ40が格子状であれば、このような効果がより高められる。
[第5実施形態]
図12は、第5実施形態に係る表示装置1の概略的な断面図であり、図4と同じく境界面BFが第2形状に変形した状態を示している。図12に示す表示装置1は、第1基板SUB1と第2基板SUB2の位置が入れ替わっている点で第1実施形態と相違する。
図12は、第5実施形態に係る表示装置1の概略的な断面図であり、図4と同じく境界面BFが第2形状に変形した状態を示している。図12に示す表示装置1は、第1基板SUB1と第2基板SUB2の位置が入れ替わっている点で第1実施形態と相違する。
本実施形態において、バックライトBLからの光Lbは、第2基板SUB2に入射し、境界面BFに到達する前にカラーフィルタ層22を通過する。図示した例においては、第1基板SUB1が第2遮光層18を備えている。第2遮光層18は、隣り合う副画素SPの境界と重畳している。例えば平面視において、第2遮光層18は、図5に示した第2遮光層21と同じく走査線Gおよび信号線Sと重畳する格子状である。図12の例において、第2遮光層18は、第1絶縁基板10から高屈折率層12に亘って設けられている。
第2形状の境界面BFにおいては、隣接する副画素SPの方向に向けて光Lbが屈折する。この屈折光Lrの多くは、第2遮光層18によって吸収される。したがって、本実施形態の構成であっても、第1実施形態と同様の表示原理を実現できる。また、本実施形態においては、第1基板SUB1に境界面BF、アクチュエータACおよび第2遮光層18が設けられるので、これらの要素の位置ずれが抑制され、表示品位をより高めることができる。
[第6実施形態]
隣り合う副画素SPの混色を防止するとともに、第2形状の境界面BFによる光の屈折を好適に制御する観点から、境界面BFに入射する光は、Z方向と平行であることが好ましい。このような光は、例えばバックライトBLの構造によって実現されてもよいし、表示パネル2の構造によって実現されてもよい。本実施形態においては、表示パネル2の構造によりZ方向と実質的に平行な光を生成する構成を例示する。
隣り合う副画素SPの混色を防止するとともに、第2形状の境界面BFによる光の屈折を好適に制御する観点から、境界面BFに入射する光は、Z方向と平行であることが好ましい。このような光は、例えばバックライトBLの構造によって実現されてもよいし、表示パネル2の構造によって実現されてもよい。本実施形態においては、表示パネル2の構造によりZ方向と実質的に平行な光を生成する構成を例示する。
図13は、第6実施形態に係る表示装置1の概略的な断面図であり、第1基板SUB1の一部を拡大して示している。図13の例においては、副画素SPの境界に複数の金属層Mが積層されている。これら金属層Mは、第1絶縁基板10とアクチュエータACの間に配置されている。金属層Mは、例えば第1絶縁基板10の下面などにも配置されてもよい。
複数の金属層Mは、例えば、走査線Gおよび信号線S、あるいは走査線Gや信号線Sと同層に配置された配線を含んでもよい。また、Z方向に隣り合う金属層Mの間には、図3に示した絶縁層14〜17や、その他の絶縁層が介在してもよい。
図13における光Lb1,Lb2のように、バックライトBLから放たれてZ方向に対し傾いた方向に進む光の一部は、複数の金属層Mのいずれかによって遮光される。一方で、図13における光Lb3のように、Z方向と平行な光や、Z方向に対する傾きが小さい光は、金属層Mによって遮光されることなくアクチュエータACおよびその上方の境界面BFに入射する。このように、本実施形態の構成であれば、Z方向に対して傾いた光を遮光することにより、Z方向と実質的に平行な光を生成することができる。
仮に、Z方向に対して傾いた光が第2形状の境界面BFに入射すると、境界面BFにおける屈折でその傾きが増して、隣接する副画素SPのカラーフィルタを通過する可能性がある。この場合、異なる色の副画素SPの混色が生じ得る。また、境界面BFに入射する光の角度によっては、境界面BFが第2形状であるにも関わらず、境界面BFで屈折された光が当該境界面BFを有する副画素SPのカラーフィルタを通過する可能性もある。この場合、オフとすべき副画素SPにおいて輝度が十分に低下せず、画像のコントラストが低下し得る。本実施形態の構成であれば、これらの問題を抑制することができる。
[第7実施形態]
図14は、第7実施形態に係る表示装置1の概略的な断面図であり、図4と同じく境界面BFが第2形状に変形した状態を示している。図14に示す表示装置1は、カラーフィルタ層22を備えていない点で第1実施形態と相違する。
図14は、第7実施形態に係る表示装置1の概略的な断面図であり、図4と同じく境界面BFが第2形状に変形した状態を示している。図14に示す表示装置1は、カラーフィルタ層22を備えていない点で第1実施形態と相違する。
このような構成であっても、例えばフィールドシーケンシャル方式にて表示装置1を駆動することにより、カラー表示が可能である。この方式においては、1つのフレーム期間が複数のサブフレーム期間(フィールド)を含む。また、図1に示した複数の光源LSは、赤色の光LRを放つ発光素子と、緑色の光LGを放つ発光素子と、青色の光LBを放つ発光素子とを含む。
画像表示における1つのフレーム期間には、赤色、緑色および青色のサブフレーム期間が含まれる。赤色のサブフレーム期間においては、赤色の発光素子が点灯するとともに、赤色の画像データに応じた映像信号が各副画素SPのアクチュエータACに供給される。これにより、各副画素SPには赤色の光LRが照射され、表示領域DAに赤色の画像が表示される。
緑色のサブフレーム期間においては、緑色の発光素子が点灯するとともに、緑色の画像データに応じた映像信号が各副画素SPのアクチュエータACに供給される。これにより、各副画素SPには緑色の光LGが照射され、表示領域DAに緑色の画像が表示される。
青色のサブフレーム期間においては、青色の発光素子が点灯するとともに、青色の画像データに応じた映像信号が各副画素SPのアクチュエータACに供給される。これにより、各副画素SPには青色の光LRが照射され、表示領域DAに青色の画像が表示される。
このように時分割で表示される赤色、緑色および青色の画像は、互いに合成されて多色表示の画像として観察者に視認される。アクチュエータACを用いる表示装置1は、上述の通り応答速度に優れている。したがって、本実施形態のように時分割で各色の画像を表示する場合には、サブフレーム期間の周期を短くして画像の表示品位を高めることも可能である。
[第8実施形態]
境界面BFの第2形状は、図7に示したものに限られない。本実施形態においては、第2形状の他の例を開示する。
境界面BFの第2形状は、図7に示したものに限られない。本実施形態においては、第2形状の他の例を開示する。
図15は、第8実施形態におけるアクチュエータACの概略的な平面図である。このアクチュエータACは、第1実施形態と同じく、ピエゾ素子PZと、第1電極E1と、第2電極E2とを備えている。第1電極E1、ピエゾ素子PZ、第2電極E2は、この順でZ方向に積層されている。第2電極E2の上に境界面BFを有する高屈折率層12が配置され、さらに高屈折率層12の上に第1遮光層13が配置されている。
本実施形態において、第1電極E1は、ピエゾ素子PZの中心近傍と重畳する正円形である。同様に、第1遮光層13も、第1電極E1と重畳する正円形である。なお、第1電極E1および第1遮光層13は、楕円形や多角形等の他の形状であってもよい。
図16は、本実施形態における第2形状の境界面BFの一例を示す概略的な斜視図である。本実施形態においては、第1電極E1と第2電極E2の間に電位差が形成されたとき、境界面BFが中心近傍に向けて下降した凹状の曲面に変形する。第1遮光層13は、このような第2形状の境界面BFの底部を覆っている。
第2形状の境界面BFに入射するバックライトBLからの光の多くは、下降する傾斜面にて屈折する。このように屈折した光は、隣接する副画素SPの方向に向かい、上述の第2遮光層21またはスペーサ40によって吸収される。第1電極E1と第2電極E2の間に電位差が形成されていないときの境界面BFの第1形状は、例えば平面であるが、第2形状よりも緩やかな曲面であってもよい。
本実施形態の構成であっても、第1実施形態と同様の表示原理を実現することができる。
本実施形態の構成であっても、第1実施形態と同様の表示原理を実現することができる。
[第9実施形態]
アクチュエータACの構成は、ピエゾ素子PZを用いるものに限られない。本実施形態においては、アクチュエータACの他の例を開示する。
アクチュエータACの構成は、ピエゾ素子PZを用いるものに限られない。本実施形態においては、アクチュエータACの他の例を開示する。
図17は、本実施形態における副画素SPに適用し得る構成の一例を示す平面図である。走査線G、信号線S、高屈折率層12、第1遮光層13および第2遮光層21の形状は、図5の例と同様である。本実施形態において、アクチュエータACは、複数の形状記憶合金SMAと、第1配線LN1と、第2配線LN2とを備えている。
複数の形状記憶合金SMAは、いずれもX方向に延びる線状であり、Y方向に並んでいる。各形状記憶合金SMAの一端は第1配線LN1に接続され、他端は第2配線LN2に接続されている。第1配線LN1は、上述のスイッチング素子SWと電気的に接続されている。第2配線LN2は、例えば上述の端子Tを介して配線基板4に接続されている。
高屈折率層12は、複数の形状記憶合金SMAと重畳している。第1遮光層13は、複数の形状記憶合金SMAと交差している。なお、図17においては6本の形状記憶合金SMAを示しているが、アクチュエータACはより多数または少数の形状記憶合金SMAを備えてもよい。
図18は、X−Z平面に沿うアクチュエータACの概略的な断面図である。アクチュエータACは、複数の形状記憶合金SMAに加え、支持基板STと、第1絶縁層IL1と、第2絶縁層IL2とをさらに備えている。支持基板STは、例えばSi基板であり、表示領域DAの全体と重畳する大きさを有している。第1絶縁層IL1および第2絶縁層IL2は、例えばいずれもSiO2膜であり、支持基板STの下面および上面をそれぞれ覆っている。形状記憶合金SMAは、第1絶縁層IL1の下に配置されている。
支持基板STは、各副画素SPにおいて、開口APを有している。高屈折率層12は、開口APの内部において、第1絶縁層IL1を覆っている。第1遮光層13は、高屈折率層12の上に配置されている。開口APの平面形状は、例えば高屈折率層12の平面形状と同様の矩形状であるが、この例に限定されない。各形状記憶合金SMAは、開口APと交差している。
形状記憶合金SMAは、例えばTi−Ni形状記憶合金であり、特定温度未満の低温領域で変形された場合でも、上記特定温度以上の高温領域まで加熱すると形状を回復する性質を有している。
例えば、アクチュエータACが室温程度に低温であるとき、図18中の左方に示す副画素SPのように、形状記憶合金SMAが凹状に窪む。これに伴い、境界面BFも凹状の曲面(すなわち第2形状)となる。
スイッチング素子SWおよび第1配線LN1を介して形状記憶合金SMAに電流が供給されると、ジュール熱により形状記憶合金SMAが昇温する。このとき、形状記憶合金SMAが形状回復し、図18中の右方に示す副画素SPのように平坦となる。これに伴い、境界面BFも平面または第2形状よりも緩やかな曲面(すなわち第1形状)となる。
なお、形状記憶合金SMAが再び低温になると、形状記憶合金SMA、第1絶縁層IL1および支持基板STの熱膨張率差に起因したバイアス力により、形状記憶合金SMAが凹状に変形する。具体例には、形状記憶合金SMAがTi−Ni、支持基板STがSi、第1絶縁層IL1がSiO2の場合、Ti−Ni、Si、SiO2の順で熱膨張率が大きい。したがって、高温領域から低温領域に遷移する際、第1絶縁層IL1の熱収縮が支持基板ST等に比べて小さいため、第1絶縁層IL1のバイアス力により形状記憶合金SMAが開口APに対応する位置で窪む。
本実施形態の構成であっても、図7と同様に湾曲した第2形状の境界面BFを得ることができる。なお、例えば形状記憶合金SMAを線状ではなく開口APを覆うフィルム状にするなどして、図16と同様に中心近傍に向けて下降した境界面BFを実現してもよい。
[第10実施形態]
本実施形態においては、アクチュエータACのさらに他の例として、静電方式のアクチュエータを開示する。
本実施形態においては、アクチュエータACのさらに他の例として、静電方式のアクチュエータを開示する。
図19は、本実施形態における副画素SPに適用し得る構成の一例を示す平面図である。走査線G、信号線S、高屈折率層12、第1遮光層13および第2遮光層21の形状は、図5の例と同様である。本実施形態において、アクチュエータACは、第1電極Ea1と、第2電極Ea2とを備えている。
第1電極Ea1は、X方向における副画素SPの中央部と重畳し、かつY方向に長尺に延びる線状である。第2電極Ea2は、副画素SPごとに設けられており、例えば第1電極Ea1および高屈折率層12と重畳している。第1電極Ea1および第2電極Ea2は、例えばITO等の透明導電材料で形成することができる。
図20は、X−Z平面に沿うアクチュエータACの概略的な断面図である。第1電極Ea1は、第1基板SUB1に配置されている。第2電極Ea2は、第2基板SUB2に配置されている。第1電極Ea1と第2電極Ea2は、低屈折率層30を介して対向している。
図20の例において、高屈折率層12は、回路層11の上に配置されている。高屈折率層12と回路層11の間に絶縁層が介在してもよい。第1電極Ea1は、高屈折率層12の上に配置されている。図20の例においては、隣り合う副画素SPの高屈折率層12の間に隙間が設けられている。他の例として、隣り合う副画素SPの高屈折率層12が連続していてもよい。
第2基板SUB2は、絶縁層61をさらに備えている。絶縁層61は、例えば上述のカラーフィルタ層22の下に配置されている。第2電極Ea2は、絶縁層61の下面に配置されている。図20の例においては、第2電極Ea2が低屈折率層30と接しているが、第2電極Ea2が他の絶縁層で覆われてもよい。
第1電極Ea1は、図3に示した中継電極REと電気的に接続されている。したがって、第1電極Ea1には、信号線Sに供給される映像信号の電圧が、スイッチングSWを介して印加される。各副画素SPの第2電極Ea2には、対応する第1電極Ea1と同じ電圧が印加される。第2基板SUB2は、第2電極Ea2に印加する電圧を制御するための複数の信号線、複数の走査線および複数のスイッチング素子を含んでもよい。これら信号線、走査線およびスイッチング素子には、図1等に示した信号線S、走査線Gおよびスイッチング素子SWと同様の構成を適用できる。
図20中の左側に示す副画素SPにおいては、第1電極Ea1と第2電極Ea2の間に電位差が形成されていない。例えば、第1電極Ea1および第2電極Ea2の電圧は、いずれも0Vである。この場合、高屈折率層12は平坦であり、境界面BFも平坦な第1形状となる。
一方、図20中の右側に示す副画素SPにおいては、第1電極Ea1および第2電極Ea2の双方に例えば10Vの強い電圧が印加されている。これにより、第1電極Ea1と第2電極Ea2の間に静電斥力が生じ、第1電極Ea1が第2電極Ea2から引き離される。そのため、高屈折率層12は湾曲し、これに伴い境界面BFは凹状の第2形状となる。
本実施形態の構成であっても、図7と同様に湾曲した第2形状の境界面BFを得ることができる。なお、例えば第1電極Ea1を副画素SPの中心近傍と重畳する円形にするなどして、図16と同様に中心近傍に向けて下降した境界面BFを実現してもよい。
各実施形態においては、アクチュエータACの一例として、ピエゾ素子、形状記憶合金または静電方式のアクチュエータを用いる構成を例示した。その他にも、アクチュエータACは、例えば誘電エラストマーなど、電気的に形状を制御可能な種々の素子を利用することができる。すなわち、アクチュエータACの構成は、境界面BFを変形させることができれば特に限定されない。
各実施形態においては、アクチュエータACにより高屈折率層12を変形させることで、境界面BFの形状を制御する構成を例示した。しかしながら、アクチュエータACは、例えば透明な樹脂材料等で形成された低屈折率層を変形させることで、境界面BFの形状を制御してもよい。
各実施形態においては、アクチュエータACと第2基板SUB2の間に境界面BFが位置する構成を例示した。しかしながら、境界面BFは、アクチュエータACと第1絶縁基板10の間に位置してもよい。また、アクチュエータACの内部に存在する要素が、高屈折率層および低屈折率層の少なくとも一方を兼ねてもよい。
本発明の実施形態として説明した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
また、上述の実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
1…表示装置、2…表示パネル、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、10…第1絶縁基板、12…高屈折率層、13…第1遮光層、20…第2絶縁基板、21…第2遮光層、22…カラーフィルタ層、30…低屈折率層、40…スペーサ、DF…拡散層、BF…境界面、AC…アクチュエータ、PZ…ピエゾ素子、E1…第1電極、E2…第2電極、SMA…形状記憶合金。
Claims (20)
- 複数の画素の各々が、高屈折率層と、前記高屈折率層よりも低い屈折率を有する低屈折率層と、前記高屈折率層と前記低屈折率層との境界面を変形させるアクチュエータと、を備える表示装置。
- 前記アクチュエータは、前記境界面を、第1形状と、第2形状とに変形させ、
前記画素は、前記境界面が前記第1形状である場合に第1透過率を有し、前記境界面が前記第2形状である場合に前記第1透過率よりも小さい第2透過率を有する、
請求項1に記載の表示装置。 - 前記第1形状は、第1曲率を有し、
前記第2形状は、前記第1曲率よりも大きい第2曲率を有する、
請求項2に記載の表示装置。 - 前記アクチュエータを支持する絶縁基板を備え、
前記第2形状は、前記絶縁基板に向けた凹状である、
請求項3に記載の表示装置。 - 前記高屈折率層は、前記絶縁基板と前記低屈折率層との間に位置する、
請求項4に記載の表示装置。 - 前記アクチュエータは、前記絶縁基板と前記高屈折率層との間に位置する、
請求項4または5に記載の表示装置。 - 前記絶縁基板に対向するバックライトをさらに備える、
請求項4乃至6のうちいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記凹状の前記境界面の底部に重畳する第1遮光層をさらに備える、
請求項4乃至7のうちいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記高屈折率層および前記アクチュエータを含む第1基板と、
前記第1基板に対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板の間のスペーサと、をさらに備える、
請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記第1基板または前記第2基板は、前記境界面に重畳するカラーフィルタと、隣り合う前記画素の境界に重畳する第2遮光層と、をさらに含む、
請求項9に記載の表示装置。 - 前記スペーサは、隣り合う前記画素の境界と重畳する格子状である、
請求項9に記載の表示装置。 - 前記スペーサは、遮光性を有している、
請求項11に記載の表示装置。 - 隣り合う前記画素の前記高屈折率層の間に隙間が設けられている、
請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記アクチュエータは、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極の間の電圧に応じて変形するピエゾ素子と、を備え、
前記境界面は、前記ピエゾ素子とともに変形する、
請求項1に記載の表示装置。 - 前記第1電極は、前記ピエゾ素子の一部と重畳し、
前記ピエゾ素子は、前記第1電極と前記第2電極の間に電圧が印加された場合に、前記第1電極と前記ピエゾ素子とが重畳する部分が底部となる凹状に変形する、
請求項14に記載の表示装置。 - 前記第1電極は、前記画素の第1方向における中央部と重畳し、かつ前記第1方向と交差する第2方向に延びる線状である、
請求項15に記載の表示装置。 - 前記第1電極に重畳する第1遮光層をさらに備える、
請求項15または16に記載の表示装置。 - 隣り合う前記画素の前記ピエゾ素子の間に隙間が設けられている、
請求項14乃至17のうちいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記アクチュエータは、通電時に発生する熱により変形する形状記憶合金を備え、
前記境界面は、前記形状記憶合金とともに変形する、
請求項1に記載の表示装置。 - 前記形状記憶合金は、第1方向に延びる線状であり、
前記アクチュエータは、前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ複数の前記形状記憶合金を含む、
請求項19に記載の表示装置。
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