JP2020166125A - 中空構造体の製造方法 - Google Patents

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友孝 河野
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悠基 桂田
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大典 金森
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【課題】感光性樹脂層のクラックを抑制する中空構造体を得る。【解決手段】支持フィルムと感光性樹脂層と保護フィルムをこの順に積層した感光性樹脂シートを用いた中空構造体の製造方法であって、以下の工程を順次有し、かつ支持フィルムの厚みA(μm)と感光性樹脂層から支持フィルムを剥離する際の剥離力B(mN/cm)の積A×Bが、0.075mN以下である感光性樹脂シート用いる中空構造体の製造方法。(1)保護フィルムを剥離した感光性樹脂シートの感光性樹脂層を、凹凸を有する基板の凸部上にのみに貼り合せる工程(2A)支持フィルムを介して感光性樹脂層を露光した後に、露光された感光性樹脂層から支持フィルムを剥離する工程、または(2B)感光性樹脂層から支持フィルムを剥離した後に、感光性樹脂層を露光する工程(3)凹凸を有する基板に貼り合わされた感光性樹脂層を現像する工程(4)該感光性樹脂層を熱硬化する工程【選択図】図1

Description

本発明は、感光性樹脂シートを用いた中空構造体を形成する方法に関する。さらに詳しくは、感光性樹脂シートを蓋として用いた中空構造体を形成するために必要な加工条件および感光性樹脂シートの特性に関する。
近年、携帯電話やスマートフォンなどのデバイスの小型化に伴い、これらに搭載される電子部品の小型化、低背化が進んでいる。中空構造体が必要な電子部品、たとえば弾性波フィルターやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)については従来、圧電基板やガラス、シリコンなどの無機材料を用いて中空構造体を形成するのが一般的であった。しかし、より小型化、低背化がしやすい感光性樹脂を中空構造体の蓋に用いる方法が主流となりつつある。蓋となる感光性樹脂はシート状に加工されたものが用いられ、感光性樹脂層が支持フィルム、保護フィルムに挟まれた3層構成が一般的である。使用する際には保護フィルムを剥離し、感光性樹脂層を中空構造体を形成したい箇所に貼り合わせ、フォトリソ加工を行うことで感光性樹脂からなる蓋を形成することができる。感光性樹脂はガラスやシリコンなどの無機材料よりも薄く加工できることから低背化に適しており、さらに電極形成用の微細なビア加工も可能であることから小型化にも適しており、実用化が進んでいる。
今後、さらに小型化が進む中で、凸部で囲まれた中空構造体の内部に感光性樹脂層を補強する目的で配置されている壁や柱といった構造物の低面積を極小化する、または、なくすことが有効である。しかしながら、中空構造体の内部の柱がなくなった場合、すなわち、中空構造体の凸部で囲まれた面積が大きくなった場合、従来の中空構造体の製造方法では、感光性樹脂の支持フィルム剥離時に、感光性樹脂層にクラックが生じてしまう課題があった。
また、中空構造体の蓋である感光性樹脂層へのビア加工では、支持フィルムを介して露光することが一般的であるが、厚く透明性の低い支持フィルムを介して露光すると微細なビアが形成できない課題があった。
特開2014−106326号公報 特開2012−68622号公報
中空構造体の製造方法において、蓋を形成する箇所へ感光性樹脂層を貼り合わせ、その後、フォトリソ加工中に支持フィルムを剥離するが、中空構造体の底面積が大きくなると、支持フィルム剥離時に感光性樹脂層にクラックが入りやすいという課題があった。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成からなる。すなわち、支持フィルムと感光性樹脂層と保護フィルムをこの順に積層した感光性樹脂シートを用いた中空構造体の製造方法であって、以下の工程を順次有し、かつ支持フィルムの厚みA(μm)と感光性樹脂層から支持フィルムを剥離する際の剥離力B(mN/cm)の積A×Bが、0.075mN以下である感光性樹脂シート用いることを特徴とする中空構造体の製造方法。
(1)保護フィルムを剥離した感光性樹脂シートの感光性樹脂層を、凹凸を有する基板の凸部上にのみに貼り合せる工程
(2A)支持フィルムを介して感光性樹脂層を露光した後に、露光された感光性樹脂層から支持フィルムを剥離する工程、または(2B)感光性樹脂層から支持フィルムを剥離した後に、感光性樹脂層を露光する工程
(3)凹凸を有する基板に貼り合わされた感光性樹脂層を現像する工程
(4)該感光性樹脂層を熱硬化する工程
本発明によれば、凸部で囲まれた底面積の広い中空構造に対しても支持フィルム剥離時に発生する感光性樹脂層のクラックを抑制することができる。
本発明の加工方法を示す工程図。 露光後の感光性樹脂層のクラックを表す模式図。 露光前の感光性樹脂層のクラックを表す模式図。 凸部パターンを表す模式図。 感光性樹脂層からなる蓋のパターンを表す模式図。 凸部パターンを形成したウエハの模式図。
本発明は、支持フィルムと感光性樹脂層と保護フィルムをこの順に積層した感光性樹脂シートを用いた中空構造体の製造方法であって、以下の工程を順次有し、かつ支持フィルムの厚みA(μm)と、感光性樹脂層から支持フィルムを剥離する際の剥離力B(mN/cm)の積A×Bが、0.075mN以下となることを特徴とする中空構造体の製造方法である。
(1)保護フィルムを剥離した感光性樹脂シートの感光性樹脂層を凹凸を有する基板の凸部上にのみ貼り合せる工程
(2A)支持フィルムを介して感光性樹脂層を露光した後に、露光された感光性樹脂層から支持フィルムを剥離する工程、または(2B)感光性樹脂層から支持フィルムを剥離した後に、感光性樹脂層を露光する工程
(3)凹凸を有する基板に貼り合わされた感光性樹脂層を現像する工程
(4)該感光性樹脂層を熱硬化する工程。
(中空構造体の製造方法)
まず、本発明の中空構造体の製造方法について説明する。
(1)保護フィルムを剥離した感光性樹脂シートの感光性樹脂層を凹凸を有する基板の凸部上にのみ貼り合せる工程
(2A)支持フィルムを介して感光性樹脂層を露光した後に、露光された感光性樹脂層から支持フィルムを剥離する工程、または(2B)感光性樹脂層から支持フィルムを剥離した後に、感光性樹脂層を露光する工程
(3)凹凸を有する基板に貼り合わされた感光性樹脂層を現像する工程
(4)該感光性樹脂層を熱硬化する工程をこの順に有することで本発明の中空構造体を製造することができる。本工程を経ることで、クラックが無く、安定した中空構造体を得ることができる。
各工程の例を、図1を用いて以下に詳細に説明する。
まず、図1に凹凸を有する基板の断面図を示す。基板1上に凸部2が形成され、中央に電子部品の機能部3が配置されている。基板の凸部は、基板上に樹脂材料の印刷や感光性材料のフォトリソ加工で形成されてもよく、基板をドライエッチングなどの手法で削ることで凹みを形成し相対的に凸部が形成されてもよい。凸部は感光性樹脂からなる蓋を配する中空構造体の外壁に当たり、凸部で囲まれる空間は例えば一辺100〜10,000μm、高さは5μm以上100μm以下で形成される。凸部で囲まれた内側には独立した凸部、外壁と連続した凸部を有していてもよい。
凸部で囲まれた内側には、電子部品の機能部として弾性波フィルターの櫛形電極や、水晶発振子の水晶などが配されていることが好ましい。基板サイズ、形状はとくに限定されないが、直径100〜300mmの円形基板、一片100〜300mmの角基板などが用いられ、この全面または一部に前記凸部が配列されている。
(1)ラミネート工程
図1(1)に示すとおり、支持フィルム4と感光性樹脂層5と保護フィルムの順に積層した本発明の感光性樹脂シートの保護フィルムを剥離し、感光性樹脂層を、凹凸を有する基板の凸部上にのみ貼り合わせる。
感光性樹脂層を貼り合わせる方法としてはプレス機、ロールラミネーターが挙げられるが、ロール・ツー・ロールで連続して貼り合わせが可能なロールラミネーターが量産性の観点から好ましい。貼り合わせ温度としては、低温すぎると感光性樹脂層の接着性が十分発現しないことから40℃以上が好ましく、高温すぎると感光性樹脂層が過剰に軟化し基板に接着してしまうことから90℃以下が好ましい。また、貼り合わせ圧力が高すぎると感光性樹脂層が過剰に押し込まれて基板に接着してしまうことから0.2MPa以下が好ましい。
(2A)支持フィルムを介して感光性樹脂層を露光した後に、露光された感光性樹脂層から支持フィルムを剥離する工程、または、(2B)感光性樹脂層から支持フィルムを剥離した後に、感光性樹脂層を露光する工程。
図1(2A)に示すとおり、支持フィルムを介して感光性樹脂層を露光し、露光パターン6を得る。次いで、感光性樹脂層から支持フィルムを剥離する。
または、図1(2B)に示すとおり、感光性樹脂層から支持フィルムを剥離する。次いで、感光性樹脂層を露光し、露光パターン6を得る。感光性樹脂層は、露光前は現像液に容易に溶解する一方、露光後は現像液に不溶になるネガ型の感光性材料であることが好ましい。これにより、露光されたパターンのみを現像後に残し、凸部を覆う形で蓋状の構造を形成することができる。
露光する光は感光性樹脂層が感度を有する波長であればよく、紫外線を発生する超高圧水銀灯が好適に用いられる。
支持フィルムを介して感光性樹脂層を露光する際は、支持フィルム内での光の散乱を抑制し解像性を向上させる観点から、支持フィルムの波長405nmにおけるヘイズは1%以下であることが好ましい。ヘイズとは、支持フィルムの透過率を示す指標であり、波長405nmにおけるヘイズ:HAZE405は、分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、U−3900型分光光度計)により支持フィルムの透過率を測定し、以下の式に代入することで求めることができる。
HAZE405=T2−T1
T1は分光光度計に積分球を装着せずに測定した波長405nmにおける透過率、T2は分光光度計に積分球を装着して測定した波長405nmにおける透過率を示し、HAZE405が小さいほど、光の散乱成分が小さく、支持フィルム内の光の直進性が良いことを表している。 感光性樹脂層から支持フィルムを剥離する際は、支持フィルムの厚みA(μm)と感光性樹脂層から支持フィルムを剥離する際の剥離力B(mN/cm)の積A×Bは、支持フィルムを剥離した際に生じる感光性樹脂層のクラックを抑制する観点から、0.075mN以下となることが好ましく、さらには0.060mN以下が好ましく、0.050mN以下が特に好ましい。
本発明における剥離力Bは、以下で説明するとおり、感光性樹脂層の露光前または露光後のいずれかの測定において、積A×Bが上記範囲にあることが重要である。支持フィルムを剥離する工程と感光性樹脂層を露光する工程の順は、支持フィルムを剥離するタイミングでの剥離力Bを用いた積A×Bが上述の範囲であれば、どちらの工程を先に実施してもよい。露光光線を直接感光性樹脂層に照射する観点から、露光の前に感光性樹脂層から剥離するのが好ましいが、支持フィルムの波長405nmにおけるヘイズが上述の範囲であれば露光後に剥離しても良い。また、中空構造体の製造工程において、工程通過時の感光性樹脂層への異物付着を防止する目的で、現像工程前に支持フィルムを剥離しても良い。
なお、露光後に、オーブンまたはホットプレートを用いて、40℃以上150℃以下の温度で、5秒以上60分以下での加熱処理を施してもよい。
(3)凹凸を有する基板に貼り合わされた感光性樹脂層を現像する工程
図1(3)に示すとおり、感光性樹脂層の未露光部が除去され、露光パターンのみ感光性樹脂層が残り、凸部を覆った蓋が形成される。現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液や、炭酸ナトリウム水溶液などのアルカリ現像液、シクロヘキサノンやプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)などの現像液が挙げられ、感光性樹脂層の溶解性によって適宜選択することができる。アルカリ水溶液を用いる場合は、現像が完了した後、純水によるリンスを行うことが好ましい。現像液の温度、現像時間についてはパターン形状などにより適宜設定されるが、それぞれ20〜30℃、30秒〜10分が好適である。
(4)該感光性樹脂層を熱硬化する工程
図1(4)に示すとおり、現像し露光パターンのみとなった感光性樹脂層を熱硬化させる。感光性樹脂層を硬化させることにより、耐熱性、耐薬品性を向上させる。これら特性を向上させられる加熱温度としては150℃以上が好ましく、180℃以上がより好ましい。また、感光性樹脂層の熱分解が起きると特性が低下することから、加熱温度は350℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましい。
本発明で形成される中空構造体は、基板、凸部、感光性樹脂層からなる蓋で密閉されていることが好ましいが、基板、凸部、感光性樹脂層のいずれかに外部とつながる貫通孔が形成されていてもよい。
感光性樹脂層の厚みは、薄すぎると感光性樹脂層の強度が不足するため10μm以上が好ましく、厚すぎるとフォトリソ加工時の解像度が不足することから50μm以下であることが好ましい。電子部品の薄型化の観点から30μm以下がさらに好ましい。感光性樹脂層は強度を保つためポリマーを含有していることが好ましく、耐熱性の観点から含有するポリマーはポリイミドであることがより好ましい。
感光性樹脂層の80℃における溶融粘度は、感光性樹脂層を凹凸を有する基板上の凸面上にのみ貼り合せる工程にて感光性樹脂層のたわみやたれ落ちを抑制する観点から10,000Pa・s以上が好ましく、感光性樹脂層と凸面の密着不良を抑制する観点から500,000Pa・s以下が好ましい。
感光性樹脂層の溶融粘度は以下の方法により測定することができる。感光性樹脂シートから保護フィルムを剥離し、感光性樹脂層同士を80℃に加温したロールラミネーターで貼り合わせる。積層物のうち片面の支持フィルムを剥離し、再び感光性樹脂層同士を貼り合わせる。これを繰り返し、厚み200〜800μmの感光性樹脂層積層物を得る。この積層物の両面の支持フィルムを剥離し、粘弾性測定装置の直径10mmのプローブにはさみ、40℃から100℃の範囲で昇温速度2℃/分で測定を行い、80℃における複素粘度を溶融粘度とする。
本発明で用いる感光性樹脂シートは、支持フィルムと支持フィルム上に形成された感光性樹脂層と保護フィルムをこの順に積層した3層構成である。支持フィルムの厚みAは、上記積A×Bが上述となる範囲であれば特に限定されないが、クラックを抑制する観点から、30μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、20μm以下が特に好ましい。また、フィルムの取り扱いの観点から10μm以上が好ましい。支持フィルムの材質は特に限定されないが、露光される光の透過率が高いフィルムであることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が好適に用いられる。
感光性樹脂層から支持フィルムを剥離する際の剥離力Bは、上記積A×Bが上述となる範囲であれば特に限定されないが、クラックを抑制する観点から30mN/cm以下が好ましく、25mN/cm以下がより好ましく、20mN/cm以下が特に好ましい。保護フィルムを感光性樹脂層から剥離する際に、保護フィルムとともに感光性樹脂層の一部が剥離するのを防ぐ観点から、10mN/cm以上が好ましい。剥離力Bを好適な範囲にする方法として、支持フィルムの感光性樹脂層と接する面が平滑な支持フィルムを用いる方法と、支持フィルムの感光性樹脂層と接する面に離型処理する方法が挙げられる。離型処理の例としては、シリコーン、シランカップリング剤、アルミキレート剤、ポリ尿素などが挙げられる。
保護フィルムは特に限定されないが、厚さ10〜50μmのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリビニルアルコール等のフィルムが好適に用いられる。
本発明における感光性樹脂層は、少なくとも開始剤、バインダーポリマー、重合性モノマーを含み、無機フィラー、熱架橋剤、重合禁止剤、増感剤、密着改良剤、着色剤などをさらに含んでいてもよい。
開始剤は光照射によって重合性モノマーとの反応が可能な成分を指す。開始剤としては、光照射によりラジカルを生成する光重合開始剤、酸を発生する光酸発生剤が挙げられ、それぞれ(メタ)アクリル基を有する重合性モノマーのラジカル重合、グリシジル基を有する重合性モノマーのカチオン重合を促進することができる。光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン類、グリシン類、メルカプト類、オキシム類、アシルフォスフィン類、α−アミノアルキルフェノン類などが挙げられ、中でもアシルフォスフィン類、オキシム類が好適に用いられる。光重合開始剤は1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4,−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3,4,4,−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、3,5−ビス(ジエチルアミノベンジリデン)−N−メチル−4−ピペリドン、3,5−ビス(ジエチルアミノベンジリデン)−N−エチル−4−ピペリドンなどのベンジリデン類、7−ジエチルアミノ−3−ノニルクマリン、4,6−ジメチル−3−エチルアミノクマリン、3,3−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、7−ジエチルアミノ−3−(1−メチルメチルベンゾイミダゾリル)クマリン、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリンなどのクマリン類、2−t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノンなどのアントラキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類、エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールなどのメルカプト類、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−(4−シアノフェニル)グリシンなどのグリシン類、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ビス(α−イソニトロソプロピオフェノンオキシム)イソフタル、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(o−ベンゾイルオキシム)、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)などのオキシム類、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィン類、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オンなどのα−アミノアルキルフェノン類、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、などが挙げられる。
なかでも好ましいアシルフォスフィン類およびオキシム類の例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ビス(α−イソニトロソプロピオフェノンオキシム)イソフタル、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(o−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)、(株)ADEKA製のアデカ(登録商標)オプトマーN−1818、同N−1919およびアデカアークルズ(登録商標)NCI−831、NCI−930から選ばれた化合物である。
光酸発生剤の例としては、キノンジアジド類、ジアゾジスルホン類、トリフェニルスルホニウム類、ジフェニルヨードニウム類などが挙げられ、中でもキノンジアジド類が好適に用いられる。光酸発生剤は1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。重合性モノマーは開始剤の種類にあわせて選ばれる。光重合開始剤の場合、(メタ)アクリル基を有する重合性モノマーを用いる。(メタ)アクリル基を有する重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル基を分子内に一つ、もしくは二つ以上有する化合物を用いることができ、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1,3−ジアクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、1,3−ジメタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルアクリレート、N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルメタクリレート、N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルアクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジメタクリレート、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAメタクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、エチレンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、プロピレンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。これらは単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用される。
光酸発生剤の場合、グリシジル基を分子内に一つまたは二つ以上有する化合物が用いることができ、例えばjER 828、jER1002、jER1750、jER152、jER157S70、jER YL980、jER630LSD(三菱化学(株)製)、アデカレジンEP−4100HF、アデカレジンEP−4901HF、アデカレジンEP−4000S、アデカレジンEP−4000L、アデカレジンEP−4003S、アデカレジンEP−4010S,アデカレジンEP−4010L、(ADEKA(株)製)、エピクロンHP7200、エピクロンHP4032、エピクロンN−865、エピクロンEXA−850CRP(以上DIC(株)製)、YD−825GS、YDCN−704(以上新日鉄化学(株)製)、EOCN−1020、NC3000(以上日本化薬(株)製)、LX−01(ダイソー(株)製)、などのエポキシ樹脂が挙げられ、これらを単独または2種以上の組み合わせで用いてもよい。
バインダーポリマーは現像液に溶解すれば特に限定されないが、ポリイミド、ポリアミド酸、ポリアミドなどが挙げられ、耐熱性の観点からポリイミド、ポリアミド酸が好ましい。現像液がアルカリ水溶液の場合、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基などの官能基を有するアルカリ水溶液に可溶なバインダーポリマーが用いられる。ここで言うアルカリ可溶性とは、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液への溶解度が、0.1g/100mL以上となることである。上記アルカリ可溶性基の中でも、半導体業界で用いられるアルカリ現像液に対する実用性を考慮すると、フェノール性水酸基またはチオール基を有するものが好ましい。主鎖末端へのアルカリ可溶性基の導入は、末端封止剤にアルカリ可溶性基を持たせることにより行うことができる。
ポリイミドの例を以下に示すが、下記一般式(1)または(2)で表される一種以上のポリイミドを含有することが好ましい。
Figure 2020166125
(式中、Xはカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基およびチオール基からなる群より選ばれる基を少なくとも一つ有する1価の有機基を表し、Yはカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基およびチオール基からなる群より選ばれる基を少なくとも一つ有する2価の有機基を表す。また、Rは4〜14価の有機基を表し、Rは2〜12価の有機基を表し、RおよびRは、それぞれ独立にカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基およびチオール基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を表す。また、αおよびβはそれぞれ独立に0〜10の整数を表し、nは3〜200の整数を表す。)
Xは、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基およびチオール基からなる群より選ばれる基を少なくとも一つ有する1価の有機基であり、中でも、フェノール性水酸基またはチオール基を有する1価の有機基であることが好ましい。Yは、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基およびチオール基からなる群より選ばれる基を少なくとも一つ有する2価の有機基であり、なかでもフェノール性水酸基またはチオール基を有する2価の有機基であることが好ましい。
nはポリマーの構造単位の繰り返し数を示している。nは3〜200の範囲であり、好ましくは5〜100である。nが3〜200の範囲であれば、感光性接着剤組成物を厚膜で使用することが可能になり、かつアルカリ現像液に対する十分な溶解性を付与し、パターン加工を行うことができる。
上記一般式(1)および(2)において、Rはテトラカルボン酸二無水物由来の構造成分を表す。なかでも芳香族基または環状脂肪族基を含有する炭素原子数5〜40の有機基であることが好ましい。
テトラカルボン酸二無水物としては具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物、9,9−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}フルオレン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物や、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族のテトラカルボン酸二無水物、および下記に示した構造の酸二無水物などを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
Figure 2020166125
ここで、Rは酸素原子、C(CF、C(CHおよびSOより選ばれる基を、RおよびRは、それぞれ、水酸基およびチオール基より選ばれる基を表す。
上記一般式(1)および(2)において、Rはジアミン由来の構造成分を表しており、2〜12価の有機基である。なかでも芳香族基または環状脂肪族基を含有する炭素原子数5〜40の有機基であることが好ましい。
ジアミンの具体的な例としては、ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メチレン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ)ビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどのヒドロキシル基含有ジアミン、ジメルカプトフェニレンジアミンなどのチオール基含有ジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンあるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物や、脂肪族のシクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミンおよび下記に示した構造のジアミンなどが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
Figure 2020166125
ここで、Rは酸素原子、C(CF、C(CHおよびSOより選ばれる基を、R〜Rはそれぞれ、水酸基およびチオール基より選ばれる基を表す。
これらのうち、ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メチレン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ)ビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどのヒドロキシル基含有ジアミン、ジメルカプトフェニレンジアミンなどのチオール基含有ジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンおよび下記に示した構造のジアミンなどが好ましい。
Figure 2020166125
ここで、Rは酸素原子、C(CF、C(CHおよびSOより選ばれる基を、R〜Rはそれぞれ、水酸基およびチオール基より選ばれる基を表す。
一般式(1)および(2)において、RおよびRは、それぞれ独立にカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基およびチオール基からなる群より選ばれる少なくとも一つのアルカリ可溶性基を表している。このRおよびRのアルカリ可溶性基の量を調整することで、ポリイミドのアルカリ水溶液に対する溶解速度が変化するので、適度な溶解速度を有したネガ型感光性接着剤組成物を得ることができる。
さらに、基板との接着性を向上させるために、耐熱性を低下させない範囲でRにシロキサン構造を有する脂肪族の基を共重合してもよい。具体的には、ジアミン成分として、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(p−アミノ−フェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどを1〜10モル%共重合したものなどがあげられる。
一般式(1)において、Xは末端封止剤である1級モノアミンに由来する。末端封止剤として用いられる1級モノアミンとしては、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1−カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノールなどが好ましい。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
また、一般式(2)において、Yは末端封止剤であるジカルボン酸無水物に由来する。末端封止剤として用いられる酸無水物としては、4−カルボキシフタル酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物、シス−アコニット酸無水物などが好ましい。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
本発明に用いられるアルカリ可溶性ポリイミドは、一般式(1)または(2)で表される構造のみからなるものであっても良いし、アルカリ可溶性を有する他の構造との混合体であっても良い。その際、一般式(1)または(2)で表される構造のアルカリ可溶性ポリイミドを、アルカリ可溶性ポリイミド全体の質量に対して30質量%以上含有していることが好ましい。さらに、好ましくは60質量%以上である。30質量%以上であれば、熱硬化時の収縮を抑えることができ、厚膜作製に好適である。混合されるポリイミドの種類および量は、最終加熱処理によって得られるポリイミドの耐熱性を損なわない範囲で選択することが好ましい。
アルカリ可溶性ポリイミドは、ジアミンの一部を末端封止剤であるモノアミンに置き換えて、または、テトラカルボン酸二無水物を、末端封止剤であるジカルボン酸無水物に置き換えて、公知の方法を利用して合成することができる。例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とモノアミンを反応させる方法、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジカルボン酸無水物とジアミン化合物を反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後ジアミンとモノアミンと縮合剤の存在下で反応させる方法などの方法を利用して、ポリイミド前駆体を得る。その後、得られたポリイミド前駆体を、公知のイミド化反応法を用いて完全イミド化させる方法を利用してポリイミドを合成することができる。
また、アルカリ可溶性ポリイミドのイミド化率は、例えば、以下の方法で容易に求めることができる。ここで、イミド化率とは、前記のようにポリイミド前駆体を経てポリイミドを合成するにあたって、ポリイミド前駆体のうち、何モル%がポリイミドに転換しているかを意味する。まず、ポリマーの赤外吸収スペクトルを測定し、ポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピーク(1780cm−1付近、1377cm−1付近)の存在を確認する。次に、そのポリマーについて、350℃で1時間熱処理した後、再度、赤外吸収スペクトルを測定し、熱処理前と熱処理後の1377cm−1付近のピーク強度を比較する。熱処理後のポリマーのイミド化率を100%として、熱処理前のポリマーのイミド化率を求める。ポリマーのイミド化率は90%以上であることが好ましい。
アルカリ可溶性ポリイミドに導入された末端封止剤は、以下の方法で検出できる。例えば、末端封止剤が導入されたポリイミドを、酸性溶液に溶解して、ポリイミドの構成単位であるアミン成分とカルボン酸無水物成分に分解し、これをガスクロマトグラフィー(GC)や、NMRにより測定する。これとは別に、末端封止剤が導入されたポリイミドを直接、熱分解ガスクロクロマトグラフ(PGC)や赤外スペクトルおよび13CNMRスペクトルを用いて測定しても、検出可能である。
また、本発明の感光性樹脂層は無機フィラーを含有することができる。無機フィラーを含有することで、感光樹脂層の破壊靱性が向上するため、クラックを抑制することができる。無機フィラーの形状としては、球状、針状、繊維状、無定形の粒状、板状、破砕状などが挙げられる。無機フィラーの粒径としては、直径10nm〜10μmが好ましい。無機フィラーの例としては、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、タルク、マイカが挙げられる。これらの無機フィラーは、単独でまたは二種類以上を組み合わせて使用される。
熱架橋剤は熱硬化工程によって硬化する成分であり、感光性樹脂からなる蓋の膜強度をより高めることができる。熱架橋剤としては前記エポキシ樹脂の他、一般式(4)に示した構造で表される熱架橋性基を有する化合物およびベンゾオキサジン化合物が用いられ、熱架橋性基を少なくとも2つ含有するものが好ましい。熱架橋性基を2つ有するものとして、46DMOC、46DMOEP(以上商品名、旭有機材工業(株)製)、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PC、DML−PCHP、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、ジメチロール−BisOC−P、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MTrisPC、DMOM−PTBP(以上商品名、本州化学工業(株)製)、“ニカラック”(登録商標)MX−290(商品名、(株)三和ケミカル製)、B−a型ベンゾオキサジン、B−m型ベンゾオキサジン(以上商品名、四国化成工業(株)製)、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾールなどが挙げられる。また熱架橋性基を3つ有するものとしてTriML−P、TriML−35XL(以上商品名、本州化学工業(株)製)など、熱架橋性基を4つ有するものとしてTM−BIP−A(商品名、旭有機材工業(株)製)、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP(以上商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMX−280、ニカラックMX−270(以上商品名、(株)三和ケミカル製)など、熱架橋性基を6つ有するものとしてHML−TPPHBA、HML−TPHAP、HMOM−TPPHBA、HMOM−TPHAP(以上商品名、本州化学工業(株)製)などが挙げられる。これらの熱架橋剤は、単独でまたは二種類以上を組み合わせて使用される。
また、本発明の感光性樹脂層は重合禁止剤をさらに含有することもできる。重合禁止剤を含有することで、励起子の濃度が調節されるため、断面形状が矩形状のパターンを形成することができる。また、重合禁止剤により過度な光応答性の抑制が可能であり、露光マージンを広くすることができる。
重合禁止剤の例としては、例えば、ハイドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコールなどのフェノール系重合禁止剤、フェノチアジン、2−メトキシフェノチアジン、1−ナフトール、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4−メトキシ−1−ナフトール、1−メトキシナフタレン、1,4−ジメトキシナフタレン、2,6−ジメトキシナフタレン、2,7−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、2,6−ジエトキシナフタレン、2,7−ジエトキシナフタレン、2,6−ジブトキシナフタレン、2−エチル−1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジブトキシナフタレン、1,4−ジフェネチルオキシナフタレン、1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、9−ブトキシアントラセン、9,10−ブトキシアントラセン、9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノンなどが挙げられる。これらの重合禁止剤は、単独でまたは二種類以上を組み合わせて使用される。
感光性樹脂層には必要に応じて、増感剤、密着改良剤、着色剤などを含有してもよい。
感光性樹脂シートの製造方法の一例を以下に示す。感光性樹脂層の成分を溶剤に希釈した塗料を支持フィルム上に塗工し、オーブンで乾燥させ、保護フィルムを貼り合わせた後、巻き取る。希釈する溶剤としては特に限定されないが、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル類、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのアセテート類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、2−ヘプタノンなどのケトン類、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンタノ−ル、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、その他、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。塗工安定性の観点から、塗料濃度は30〜70重量%であることが好ましい。支持フィルム上への塗工から保護フィルムの貼り合わせ、巻き取りまでは一連の工程をロール・ツー・ロールで行うのが一般的であり、塗工方式としては、スクリーン印刷、ブレードコーター、ダイコーター、カレンダーコーター、メニスカスコーター、バーコーター、ロールコーター、コンマロールコーター、グラビアコーター、スクリーンコーター、スリットダイコーター等が挙げられるが、支持フィルム上に一定厚みの塗料を供給できる手法であればいずれでも構わない。乾燥工程では送風オーブンが好適に用いられる。乾燥温度は希釈溶剤の種類により適宜設定されるが、50〜120℃が好ましい。50℃より低い温度であると乾燥が不足する懸念があり、120℃より高い温度であると、感光性樹脂成分の硬化反応が開始する懸念がある。乾燥温度は段階的に昇温してもよく、例えば、50℃、60℃、70℃で各1分ずつ熱処理してもよい。保護フィルムは、ゴムロール、金属ロールなどにより圧着することにより貼り合わせられる。ゴムロール、金属ロールは必要に応じて加熱してもよい。
以下に実施例及び比較例を示して具体的に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではないことはもとよりである。
<バインダーポリマーの合成>
各実施例および比較例で用いた感光性樹脂シートには、バインダーポリマーとして以下の方法により合成したアルカリ可溶性ポリイミドを用いた。
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(36.62g(0.100モル))と、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(1.98g(0.008モル))とを、N−メチル−2−ピロリドン(100g)に溶解させた。以下、「N−メチル−2−ピロリドン」は、「NMP」と称する。この溶液に、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物(46.53g(0.150モル))をNMP(30g)とともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で4時間撹拌した。この攪拌後の溶液に、3−アミノフェノール(1.09g(0.010モル))を加え、50℃で2時間撹拌した後、180℃で5時間撹拌して樹脂溶液を得た。次に、この樹脂溶液を水(3L)に投入して、白色沈殿を生成させた。この白色沈殿を、濾過で集めて水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で5時間乾燥した。この結果、一般式(4)で表される構造を有するアルカリ可溶性ポリイミド(ポリイミドA1)の粉末を得た。得られた樹脂のイミド化率は95%であった。
<感光性樹脂層の塗料調合>
[塗料B1]
バインダーポリマーとしてアルカリ可溶性ポリイミド粉末(ポリイミドA1(100g))、アクリル化合物としてBP−6EM(60g、共栄社化学)、光重合開始剤として NCI−930(9g、ADEKA)、熱架橋剤としてHMOM(100g(固形分として20g)、本州化学)、重合禁止剤としてフェノチアジン(0.01g、東京化成)、密着改良剤としてKBM−403(2g、信越化学)とを乳酸エチル(150g)、γ−ブチロラクトン(20g)に添加し、45℃にて180分間攪拌し感光性樹脂層の塗料を調合した。得られた塗料を塗料B1とした。
[塗料B2]
以下の手順にて、無機フィラーを含有する塗料を作製した。
バインダーポリマーとしてアルカリ可溶性ポリイミド粉末(ポリイミドA1(30g))、アクリル化合物としてBP−6EM(18g、共栄社化学)、光重合開始剤として NCI−930(3g、ADEKA)、熱架橋剤としてHMOM(30g(固形分として6g)、本州化学)、重合禁止剤としてフェノチアジン(0.01g、東京化成)、密着改良剤としてKBM−403(1g、信越化学)、球状シリカ溶液(100g(固形分として60g)、平均粒径0.2μm)とを乳酸エチル(70g)、γ−ブチロラクトン(20g)に添加し、45℃にて180分間攪拌し感光性樹脂層の塗料を調合した。得られた塗料を塗料B2とした。
<支持フィルムの離型処理>
表1、表2に記載した厚み、ヘイズの異なるPETフィルムを用意した。
[離型処理C1]
離型処理について、シリコーン樹脂としてKS847H(10g、信越化学工業(株))、硬化剤としてPL−50T(0.11g、信越化学工業(株))とをトルエン(200g)に添加し、室温で60分撹拌した後、上記のPETフィルムにコンマロールコーターを用いて塗布し、160℃10分間乾燥した。
離型処理C2はコンマロールコーターの乾燥温度を150℃に、離型処理C3は140℃に、離型処理C4は130℃にそれぞれ変更して得た。
<感光性接着剤シートの作製>
[実施例1]
離型処理C1を施した厚さ16μm、ヘイズ0.7%のPETフィルム(支持フィルム)に感光性樹脂層の塗料B1をコンマロールコーターを用いて塗布し、75℃で10分間乾燥を行った後、保護フィルムとして、厚さ25μmのPPフィルムをラミネートし、厚みが15μmの感光性樹脂層を有する感光性樹脂シートを得た。感光性樹脂層の80℃における溶融粘度は40,000Pa・sであった。
<凸部を形成した基板の作製>
実施例1で作製した感光性樹脂シート(溶融粘度40,000Pa・s)の保護フィルムを剥離し、感光性樹脂層の面を、4インチシリコンウェハ上に、ラミネート装置((株)タカトリ製、VTM−200M)を用いて、ステージ温度65℃、ロール温度50℃、真空度150Pa、貼付速度5mm/秒、貼付圧力0.1MPaの条件でラミネートした。次に支持フィルムを剥離し、露光装置(清和光学製作所社製、SME−150GA−TRJ)を用いて感光性樹脂層の露光を行った。フォトマスクとして、幅100μm、一辺500μmの四角パターンを縦50×横50個を100μm間隔で配列したマスクをセットし、マスクと感光性樹脂層が接触した状態で、露光量800mJ/cm(h線換算)で露光を行った。露光後、70℃のホットプレートで10分間加熱した。次に、テトラメチルアンモニウムの2.38%水溶液を用いて、60秒間のシャワー現像により、未露光部を除去し、水にてリンス処理を60秒間行い、その後、スピン乾燥を行った。さらに、イナートオーブンにて200℃1時間の熱処理を行い、凸部パターンを形成した基板を得た。
<中空構造体の形成>
表1に記載した感光性樹脂層の塗料および支持フィルムを用いた感光性樹脂シートにて中空構造体を形成した。支持フィルムを剥離するタイミングは、露光前とした。例として、実施例1について詳細を記す。
感光性樹脂シート(溶融粘度40,000Pa・s)の保護フィルムを剥離し、感光性樹脂層の面を、凸部パターンを形成した基板上に、ラミネート装置を用いてステージ温度60℃、ロール温度50℃、大気圧下で貼付速度20mm/秒、貼付圧力0.05MPaの条件でラミネートを行った。次に支持フィルムを剥離し、露光を行った。一辺が600μmの四角パターンを縦50×横50個を200μm間隔で配列したフォトマスクをセットし、感光性樹脂層とフォトマスクが接触した状態で、800mJ/cm(h線換算)の露光量で露光を行った。露光後、70℃のホットプレートで10分間加熱した。次に、テトラメチルアンモニウムの2.38%水溶液を用いて、150秒間のシャワー現像により、未露光部を除去し、水にてリンス処理を60秒間行い、その後、スピン乾燥を行った。さらに、イナートオーブンにて200℃1時間の熱処理を行い、中空構造体を形成した。
<実施例2〜8、比較例1〜2(表1)>
用いた支持フィルムの厚み、離型処理が違う以外は実施例1と同一の方法で作製した。
<実施例9>
感光性樹脂層の塗料としてB2、離型処理C2を施した厚み30μm、ヘイズ0.7%の支持フィルムを用いた以外は、実施例1と同一の方法で作製した。
<実施例10〜17、比較例3〜4(表2)>
表2に記載した支持フィルムを用いた感光性樹脂シートにて中空構造体を形成した。支持フィルムを剥離するタイミングは、露光後とした。例として、実施例10について詳細を記す。
感光性樹脂シート(溶融粘度40,000Pa・s)の保護フィルムを剥離し、感光性樹脂層の面を、凸部パターンを形成した基板上に、ラミネート装置を用いてステージ温度60℃、ロール温度50℃、大気圧下で貼付速度20mm/秒、貼付圧力0.05MPaの条件でラミネートを行った。次に、一辺が600μmの四角パターンを縦50×横50個を200μm間隔で配列したフォトマスクをセットし、支持フィルムとフォトマスクが接触した状態で、800mJ/cm(h線換算)の露光量で露光を行った。露光後、支持フィルムを剥離し、70℃のホットプレートで10分間加熱した。次に、テトラメチルアンモニウムの2.38%水溶液を用いて、60秒間のシャワー現像により、未露光部を除去し、水にてリンス処理を60秒間行い、その後、スピン乾燥を行った。さらに、イナートオーブンにて200℃1時間の熱処理を行い、中空構造体を形成した。
<実施例18>
感光性樹脂層の塗料としてB2、離型処理C2を施した厚み30μm、ヘイズ0.7%の支持フィルムを用いた以外は、実施例10と同一の方法で作製した。
<支持フィルムを感光性樹脂から剥離する際の剥離力B(以下、剥離力と省略)>
表1については、露光前の剥離力であり、露光前の剥離力の測定方法は以下の通りである。
まず、得られた感光性樹脂シートを20mm幅の短冊状にカットした後、保護フィルムを剥離し、感光性樹脂層を4インチシリコンウェハ上にラミネート装置((株)タカトリ製、VTM−200M)を用いて、ステージ温度65℃、ロール温度50℃、真空度150Pa、貼付速度5mm/秒、貼付圧力0.1MPaの条件でラミネートした。
次に、万能引っ張り試験機((株)ボールドウィン製、テンシロンUTM−II−5HR)を用いて、剥離速度0.3m/分、剥離角度90°の条件で感光性樹脂層から支持フィルムを剥離し、剥離力を測定した。
表2については、露光後の剥離力であり、露光後の剥離力の測定方法は以下の通りである。まず、得られた感光性樹脂シートを20mm幅の短冊状にカットした後、保護フィルムを剥離し、感光性樹脂層を4インチシリコンウェハ上にラミネート装置((株)タカトリ製、VTM−200M)を用いて、ステージ温度65℃、ロール温度50℃、真空度150Pa、貼付速度5mm/秒、貼付圧力0.1MPaの条件でラミネートした。次に支持フィルムを剥離せずに支持フィルム側から、露光装置(清和光学製作所社製、SME−150GA−TRJ)を用いて800mJ/cm2(h線換算)の露光量で、全面露光した。
次に、万能引っ張り試験機((株)ボールドウィン製、テンシロンUTM−II−5HR)を用いて、剥離速度0.3m/分、剥離角度90°の条件で感光性樹脂層から支持フィルムを剥離し、剥離力を測定した。
<クラック>
表1および表2に記載した支持フィルムを用いた感光性樹脂シートでの中空構造体について、感光性樹脂層のクラックについて以下の方法によって評価した。
中空構造体を形成した基板内の任意の100箇所の中空構造体について顕微鏡にて感光性樹脂層からなる蓋のクラック発生有無を観察した。クラックの発生率を算出し、以下の基準にて評価した。評点が大きいほど不良が少なく、優れることを意味する。
5:クラックが発生した凸部が2%未満
4:クラックが発生した凸部が2%以上4%未満。
3:クラックが発生した凸部が4%以上6%未満。
2:クラックが発生した凸部が6%以上10%未満。
1:クラックが発生した凸部が10%以上。
<解像度>
得られた感光性樹脂シートの保護フィルムを剥離し、ラミネート装置(タカトリ社製、VTM−200M)を用いて、ステージ温度65℃、ロール温度50℃、真空度150Pa、貼付速度5mm/秒、貼付圧力0.1MPaの条件で、感光性樹脂シートを4インチのシリコンウェハ上にラミネートした。露光装置(清和光学製作所社製、SME−150GA−TRJ)を用いて、800mJ/cm2(h線換算)の露光量で全面露光を行った。支持フィルムを剥離した後、イナートオーブンにて200℃1時間の熱処理を行い、樹脂膜を有する基板を得た。
各実施例および各比較例により得られた感光性樹脂シートの保護フィルムを剥離し、ラミネート装置(タカトリ社製、VTM−200M)を用いて、ステージ温度80℃、ロール温度80℃、真空度150Pa、貼付速度5mm/秒、貼付圧力0.3MPaの条件で、感光性樹脂シートの剥離面を、樹脂膜を有する基板上にラミネートした。露光装置(清和光学製作所社製、SME−150GA−TRJ)に、ビア=5、10,15、20、25、30、35、40,45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100μmΦのパターンを有するフォトマスクをセットし、支持フィルムとフォトマスクが接触した状態で、800mJ/cm2(h線換算)の露光量で露光を行った。露光後、感光性樹脂層を70℃のホットプレートで10分間加熱した。次に、支持フィルムを剥離した後、水酸化テトラメチルアンモニウムの2.38%水溶液を用いて、60秒間のシャワー現像により、感光性樹脂層の未露光部を除去した。さらに、水にてリンス処理を30秒間行い、スピン乾燥により乾燥させた。その後、感光性樹脂層に形成されたパターンを顕微鏡で観察し、以下の基準にて評価した。評点が大きいほど解像度が良好であり、優れることを意味する。
4:最小寸法のビアが30μmφ以下。
3:最小寸法のビアが35μmφ以上50μmφ以下。
2:最小寸法のビアが55μmφ以上70μmφ以下。
1:最小寸法のビアが75μmφ以上もしくは開口したビアが無い。
Figure 2020166125
Figure 2020166125
<比較結果>
表1,2に示されるように<実施例1〜18>は、<比較例1〜4>に比べて、クラックが少ない中空構造体を形成できることがわかる。
1:基板
2:基板上の凸部
3:電子部品の機能部
4:支持フィルム
5:感光性樹脂層
6:露光パターン

Claims (11)

  1. 支持フィルムと感光性樹脂層と保護フィルムをこの順に積層した感光性樹脂シートを用いた中空構造体の製造方法であって、以下の工程を順次有し、かつ支持フィルムの厚みA(μm)と感光性樹脂層から支持フィルムを剥離する際の剥離力B(mN/cm)の積A×Bが、0.075mN以下である感光性樹脂シート用いることを特徴とする中空構造体の製造方法。
    (1)保護フィルムを剥離した感光性樹脂シートの感光性樹脂層を、凹凸を有する基板の凸部上にのみに貼り合せる工程
    (2A)支持フィルムを介して感光性樹脂層を露光した後に、露光された感光性樹脂層から支持フィルムを剥離する工程、または(2B)感光性樹脂層から支持フィルムを剥離した後に、感光性樹脂層を露光する工程
    (3)凹凸を有する基板に貼り合わされた感光性樹脂層を現像する工程
    (4)該感光性樹脂層を熱硬化する工程
  2. 前記支持フィルムのヘイズが1%以下である請求項1に記載の中空構造体の製造方法。
  3. 前記感光性樹脂層が少なくとも開始剤、バインダーポリマーおよび重合性モノマーを含有する請求項1または2に記載の中空構造体の製造方法。
  4. 前記バインダーポリマーがアルカリ可溶性ポリイミドである請求項1〜3のいずれかに記載の中空構造体の製造方法。
  5. 前記アルカリ可溶性ポリイミドがフェノール性水酸基もしくはカルボキシル基を有する、請求項4に記載の中空構造体の製造方法。
  6. 前記感光性樹脂層がさらに無機フィラーを含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の中空構造体の製造方法。
  7. 前記無機フィラーが、シリカ、アルミナ、ガラス、タルク、マイカからなる群より選ばれる少なくとも一つ以上の無機フィラーを含有する、請求項6に記載の中空構造体の製造方法。
  8. 前記支持フィルムの厚みAが30μm以下である請求項1〜7のいずれかに記載の中空構造体の製造方法。
  9. 前記感光性樹脂層から支持フィルムを剥離する際の剥離力Bが10mN/cm以上、30mN/cm以下である請求項1〜8のいずれかに記載の中空構造体の製造方法。
  10. 中空構造体が電子部品である請求項1〜9のいずれかに記載の中空構造体の製造方法。
  11. 電子部品が表面弾性波フィルターである請求項10に記載の中空構造体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022163610A1 (ja) * 2021-02-01 2022-08-04 東レ株式会社 感光性樹脂組成物、感光性樹脂シート、硬化物、中空構造体、電子部品および弾性波フィルター
WO2022202486A1 (ja) * 2021-03-23 2022-09-29 東レ株式会社 ネガ型感光性樹脂組成物、ネガ型感光性樹脂組成物フィルム、硬化物、硬化物の製造方法、中空構造体、および電子部品

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