JP2020165096A - トンネル防水シートの自動溶着装置 - Google Patents

トンネル防水シートの自動溶着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トンネル止水施工において、トンネル軸方向に隣接する防水シートにおける端部同士の拝み合わせ溶着を、人手を要することなく行うことを可能とし、以って、作業精度および作業性を向上できる技術を提供する。【解決手段】自動溶着装置は、トンネル周方向に沿ってアーチ状に延在する溶着機用ガイドレールと溶着機用ガイドレールに沿って走行自在な自走式拝み合わせ溶着機を備え、自走式拝み合わせ溶着機は、溶着用回転シャフト対と、一対の防水シートの端部を加熱する加熱器と、溶着用回転シャフト対の各々に対して同軸に固定される溶着用ローラ対と、を含む溶着部と、溶着用回転シャフト対を逆方向に回転駆動する回転駆動源を有し、加熱器によって加熱された防水シートの端部同士を重ね合わせた状態で溶着用ローラ対によって防水シートの端部同士を挟圧しながら溶着機用ガイドレールに沿って走行する。【選択図】図5

Description

本発明は、トンネル防水シートの自動溶着装置に関する。
従来、トンネル内への地山からの漏水を止水するための止水構造において、トンネル坑内面や、トンネル坑内面に設けられる一次覆工の吹付けコンクリートの内面に対して防水シートを敷設することが行われている。また、トンネルの止水構造として、トンネル坑内面や一次覆工の吹付けコンクリートの内面に対して、架台の上に載せた状態で防水シートを離間して配置し、トンネル坑内面や吹付けコンクリート内面と防水シートとの間の空隙に裏込め充填材等を充填し、防水シートの背面の空隙を無くすと共に、トンネル坑内面や吹付けコンクリート内面の凹凸形状に関係なく、防水シートの表面を凹凸のない平滑な状態で展張する工法(以下、「背面平滑型トンネルライニング工法」という)も知られている(例えば、特許文献1等を参照)。
背面平滑型トンネルライニング工法を用いる場合、トンネル軸方向で隣接する防水シートの端部同士を現場で溶着することが一般に行われる。例えば、図1は、従来におけるトンネル止水構造の施工手順を示す図である。図1に示す施工法の場合、シート架台104の上に第1の防水シート101pを前端部101bが折り返された状態で載置して、その状態で支保工102が埋設された吹付けコンクリート103に近づけて所定位置で定置し、エアバルク105を膨らませて充填材106の充填空間を閉塞して第1の防水シート101pの背面側に注入管107で充填材106を充填する(図1(a)、(b)を参照)。その後、第2の防水シート101qをシート架台104の上に後端部101aが折り返された状態で載置して、その状態で第1の防水シート101pと隣接する所定位置で定置し、同様に第2の防水シート101qの背面側に充填材106を充填する(図1(c)、(d)を参照)。
そして、折り返されていた第1の防水シート101pの前端部101bと第2の防水シート101qの後端部101aを溶着機108で拝み合わせ溶着し(図1(e)を参照)、拝み合わせ溶着した溶着部110を折り返して、熱風式溶着機109で溶着部110の先端を第2の防水シート101q等に溶着する(図1(f)を参照)。
特開2002−21492号公報 特開2015−86688号公報
しかしながら、従来のトンネル止水施工において、トンネル軸方向に隣接する防水シートの端部同士を拝み合わせ溶着する際、作業員が拝み合わせ溶着機を操作する必要がある。拝み合わせ溶着用の溶着機として、重ね合せたシート端部を両側から挟み込んで押圧しながら加熱する加熱ローラ対をモータ等によって回転駆動させながら溶着するタイプの溶着機も知られているが、トンネル軸方向に隣接する防水シートの端部同士をトンネル周方向に沿って拝み合わせ溶着を行うには、トンネルと相似形状の溶着ラインに沿って作業員が溶着機をガイドする必要があり、多くの労力と時間を強いられるという実情があった。また、トンネルと相似形状の溶着ラインに沿って溶着機をガイドしつつ拝み合わせ溶着を行うには、熟練した作業員でないと溶着箇所に歪みが発生し易く、歪みが発生したシート
溶着部周辺は覆工コンクリートの充填が損なわれ易いと共に空隙発生の原因となり易いという課題があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、トンネル止水施工において、トンネル軸方向に隣接する防水シートの端部同士の拝み合わせ溶着を、人手を要することなく行うことを可能とし、以って、作業精度および作業性を向上できる技術を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、以下の手段を採用した。すなわち、本発明に係るトンネル防水シートの自動溶着装置は、トンネル軸方向に沿って敷設されたレールに沿って走行可能な走行基台に固定され、トンネル周方向に沿ってアーチ状に延在する溶着機用ガイドレールと、前記溶着機用ガイドレールに設けられ、当該溶着機用ガイドレールに沿って走行自在な、自走式拝み合わせ溶着機と、
を備え、前記自走式拝み合わせ溶着機は、互いに平行な回転軸を有する溶着用回転シャフト対と、溶着対象となる一対の防水シートの端部を加熱する加熱器と、当該溶着用回転シャフト対の各々に対して同軸に固定される溶着用ローラ対と、を含む溶着部と、前記溶着用回転シャフト対を逆方向に回転駆動する回転駆動源と、
を有し、前記自走式拝み合わせ溶着機は、前記加熱器によって加熱された前記防水シートの端部同士を重ね合わせた状態で、逆方向に回転駆動する前記溶着用ローラ対によって前記防水シートの端部同士を挟圧しながら前記溶着機用ガイドレールに沿って一方向に走行することで、トンネル周方向に沿って前記防水シートの端部同士を自動溶着する。
ここで、前記自走式拝み合わせ溶着機は、前記溶着用ローラ対が前記防水シートの端部同士を挟圧しながら逆方向に回転する回転力を利用して前記溶着機用ガイドレールに沿って自走しても良い。
また、前記自走式拝み合わせ溶着機は、前記溶着部における溶着方向前方側に併設されると共に、前記一対の防水シートの端部を前記溶着部に向けてガイドするシートガイド部を有し、前記シートガイド部は、前記一対の防水シートの端部を受け入れると共に、受け入れた当該一対の防水シートの端部における外面をガイドする一対のガイド板を有し、当該一対のガイド板同士の間に形成されるガイド空間は、前記溶着部に向かって幅が狭くなっていても良い。
また、前記シートガイド部には、前記ガイド空間に受け入れられた各防水シートの端部のトンネル内空側端面に当接することで当該防水シートの端部の高さを揃えるための高さ調整部が設けられていても良い。
また、前記溶着機用ガイドレールに沿った走行を許容しつつ前記自走式拝み合わせ溶着機が当該溶着機用ガイドレールから滑落することを抑制するために当該自走式拝み合わせ溶着機を懸吊する懸吊装置を更に、備えていても良い。
また、前記懸吊装置は、前記走行基台に取り付けられたバランサー装置であって、前記バランサー装置は、テーパー状の外周面を有する回転ドラムと、前記回転ドラムの大径側から小径側に巻き取られるワイヤロープと、前記ワイヤロープを巻き取る方向へのトルクを前記回転ドラムに付与するトルク付与部と、を有していても良い。
本発明によれば、トンネル止水施工において、トンネル軸方向に隣接する防水シートにおける端部同士の拝み合わせ溶着を、人手を要することなく行うことを可能とし、以って
、作業精度および作業性を向上できる技術を提供できる。
図1は、従来におけるトンネル止水構造の施工手順を示す図である。 図2は、実施形態1に係るトンネル止水構造を説明する図である。 図3は、実施形態1に係る防水シート展張装置の側面の一部を示す図である。 図4は、実施形態1に係る防水シート展張装置30の正面図である。 図5は、実施形態1に係る自動溶着装置における自走式拝み合わせ溶着機とその周辺の正面図である。 図6は、実施形態1に係る自動溶着装置における自走式拝み合わせ溶着機とその周辺の背面図である。 図7は、実施形態1に係る自動溶着装置における自走式拝み合わせ溶着機の右側面図である。 図8は、実施形態1に係る自動溶着装置における自走式拝み合わせ溶着機の上面図である。 図9は、実施形態1に係る加熱器の詳細構造図である。 図10は、実施形態1に係る自動溶着装置によって防水シートの端部を拝み合わせ溶着する状況を説明する図である。 図11は、実施形態1に係る自動溶着装置によって防水シートの端部を拝み合わせ溶着する状況を説明する図である。 図12は、実施形態2に係る自動溶着装置の全体正面図である。 図13は、実施形態2に係るバランサー装置における本体ケースの設置態様を示す図である。 図14は、実施形態2に係るバランサー装置の詳細構造を説明する図である。 図15は、実施形態2に係るバランサー装置における回転ドラムを側面視した状態の概略構成図である。 図16は、実施形態2に係る自走式拝み合わせ溶着機が溶着機用ガイドレールにおける下り勾配区間を走行する際に、自走式拝み合わせ溶着機をバランサー装置によって懸吊している状況を示している。 図17は、実施形態3に係る自動溶着装置の全体正面図である。 図18は、実施形態3に係る自走式拝み合わせ溶着機の右側面図である。 図19は、実施形態3に係る自走式拝み合わせ溶着機において、第1走行動力伝達用回転ローラおよび第2走行動力伝達用回転ローラ間に走行動力伝達用レールを挟圧している状況を説明する図である。 図20は、トンネル坑内面に設けられる吹付けコンクリートの内面に対して防水シートを敷設する状況を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<実施形態1>
図2は、実施形態1に係るトンネル止水構造を説明する図である。第1実施形態のトンネル止水構造は、地山1に形成されるトンネル2に設けられているものである。図2における符号21はトンネル2のアーチ部、符号22はトンネル2の側壁部である。なお、図2において、トンネル2のインバート部は図示を省略している。
トンネル2には、トンネル坑内面25の内側にトンネル坑内面25に沿って一次覆工材である吹付けコンクリート3が設けられており、吹付けコンクリート3には建て込まれた
支保工(図1に図示せず)が埋設されている。吹付けコンクリート3の内側には防水工である略面状の防水シート5が設けられ、防水シート5は繋ぎ合わされてトンネル周方向及びトンネル軸方向の全体に亘って設けられている。なお、防水シート5は、例えば、トンネル2のアーチ部21および側壁部22を連続して覆う所定長さで、且つ、トンネル軸方向に所定幅をなす略矩形である。また、防水シート5と吹付けコンクリート3の内面との間に充填材6が充填されて固化しており、防水シート5は吹付けコンクリート3の内面から離間して配置され、充填材6で固定されている。また、防水シート5の内側(トンネル内空側)には二次覆工コンクリート7がトンネル周方向及びトンネル軸方向の全体に亘って打設され、防水シート5の内表面と固着している。
防水シート5は、例えば防水シート層に、緩衝材が積層された積層防水シートであっても良い。防水シート5に上記のような積層防水シートを用いる場合、吹付けコンクリート3に緩衝材が面し、防水シート層がトンネル内空側に面するように防水シート5を配置した状態で、充填材6によって防水シート5を吹付けコンクリート3に固定すると良い。また、防水シート5の防水シート層は、例えば柔軟性に優れるEVA樹脂等の合成樹脂や合成ゴムなど、防水性と柔軟性を有する適宜の素材で形成することが可能である。また、防水シート5の緩衝材は、例えば、略面状で防水シート層と略同じ大きさの略矩形であり、緩衝性を有する適宜の素材で形成することが可能である。また、防水シート5の緩衝材は、透水性で充填材6を含浸させることが可能なものとすると好適であり、例えば不織布、立体網状体或いはその積層材等とすることが可能である。
次に、実施形態1におけるトンネル2のトンネル止水施工を行うための防水シート展張装置について説明する。図3は、実施形態1に係る防水シート展張装置30の側面の一部を示す図である。図4は、実施形態1に係る防水シート展張装置30の正面図である。
防水シート展張装置30は、トンネル軸方向に沿って敷設されたレール31に沿って走行可能な走行基台32を備える。走行基台32は、2対の脚体33と、その脚体33の上部間に構設された架台34と、脚体33および架台34の適所に設けられた足場35とにより、枠状に形成されている。走行基台32における脚体33には走行輪36が設けられており、この走行輪36によって走行基台32がレール31上を当該レール31の延伸方向(すなわち、トンネル軸方向)に沿って前後に走行自在である。
また、走行基台32の外周面には、防水シート5を展張支持することの可能なシート架台11が設けられている。シート架台11は、トンネル2の内壁面に沿った形状(例えば、トンネル2の内空断面形状に沿った形状)を有している。なお、ここでいうトンネル2の内壁面とは、例えば、トンネル坑内面25を覆う吹付けコンクリート3の表面である。また、シート架台11は、トンネル2の周長(断面形状)に対応させて防水シート5を展張支持するため、例えば複数のヒンジ等によって拡幅自在に構成することができる。
なお、図3および図4に示す符号12は、シート架台11を支持するためのシート架台支持用フレームである。また、図3に示す「シート既設区域」とは、防水シート5と吹付けコンクリート3との間に充填材6の充填が完了することで、充填材6の表面に防水シート5が固着している区間を示す。また、図3に示す「シート新設区域」とは、これから防水シート5を走行基台32のシート架台11に展張した状態で、吹付けコンクリート3とシート架台11の間に充填材6を充填する区域である。すなわち、「シート新設区域」は、充填材6および防水シート5が未施工であり、吹付けコンクリート3の表面が露出している。シート新設区域への防水シート5および充填材6の施工は、図3に示すように、シート既設区域およびシート新設区域の境界周辺に走行基台32を配置し、シート架台11に防水シート5を展張した状態で、吹付けコンクリート3とシート架台11の間に充填材6を充填することで行われる。
なお、本実施形態においては、シート新設区域への充填材6の充填作業に先行して、シート架台11に展張した防水シート5の端部と、シート新設区域に隣接するシート既設区域において既に施工済みの防水シート5の端部とを、後述する自動溶着装置40を用いて拝み合わせ溶着を行う。そして、防水シート5の端部同士を溶着した後に、シート新設区域における充填材6の充填作業を行い、充填材6の表面に防水シート5を固着させる。なお、本明細書において、「防水シート5の端部」とは、防水シート5におけるトンネル内空側に位置する端部を指す。
次に、防水シート展張装置30の自動溶着装置40について説明する。防水シート展張装置30は、トンネル2におけるトンネル軸方向に隣接する防水シート5の端部同士を自動で拝み合わせ溶着するための自動溶着装置40を備える。図3に示すように、自動溶着装置40は、走行基台32の後部側に設けられている。自動溶着装置40は、アーチ状の溶着機用ガイドレール60、および、溶着機用ガイドレール60に設けられる自走式拝み合わせ溶着機80などを備える。
図4において、トンネル2の軸方向に沿って自動溶着装置40を走行基台32の後方側から眺めた状態を概略的に示している。なお、図4においては、走行基台32の一部の図示を省略している。溶着機用ガイドレール60は、トンネル2の内壁面S1(例えば、吹付けコンクリート3の表面、或いは、充填材6の表面)と相似形状(近似形状)を有するアーチ状のレール部材であって、トンネル2の周方向に沿って延在している。図4に示す例においては、トンネル2の内壁面S1が馬蹄形状を有している。自動溶着装置40における溶着機用ガイドレール60は、トンネル2の内壁面S1の形状と相似形状で且つ内壁面S1よりも相対的に小さな馬蹄形状として形成されている。但し、溶着機用ガイドレール60は、トンネル2の内壁面S1と相似形状(近似形状)を有していれば良く、トンネルの横断面形状に合わせて他の形状を採用することができる。なお、溶着機用ガイドレール60は、その周方向(長手方向)が、トンネル軸方向に直交する平面内に延在するように配置されている。
自走式拝み合わせ溶着機80は、溶着機用ガイドレール60に装着され、溶着機用ガイドレール60の延伸方向に沿って走行自在である。また、図4に示される符号91は、溶着機用ガイドレール60およびシート架台支持用フレーム12を支持するための支持フレームであり、支持フレーム91は走行基台32の適所から立設している。溶着機用ガイドレール60およびシート架台支持用フレーム12は、支持フレーム91によって支持されることで、所定の位置に配置される。
図5は、実施形態1に係る自動溶着装置40における自走式拝み合わせ溶着機80とその周辺の正面図である。図6は、実施形態1に係る自動溶着装置40における自走式拝み合わせ溶着機80とその周辺の背面図である。図7は、実施形態1に係る自動溶着装置40における自走式拝み合わせ溶着機80の右側面図である。図8は、実施形態1に係る自動溶着装置40における自走式拝み合わせ溶着機80の上面図である。
図7に示すように、溶着機用ガイドレール60は、支持フレーム91に取り付けられたレール支持部材93を介して支持フレーム91に支持されている。なお、図7に示す溶着機用ガイドレール60の形状は、これらの各レールをその長手方向に直交する方向に切断したときの横断面を示している。
自走式拝み合わせ溶着機80は、溶着機本体81および溶着機用架台82を有している。溶着機本体81の形状は特に限定されないが、例えば、溶着機本体81は略直方体形状の筐体810を有している。溶着機本体81における筐体810の内部には、回転駆動源
としての駆動モータ88(図7を参照)やコントロール基板を有する制御部、各種の機械部品および電子部品などが収容されている。ここで、符号810aは溶着機本体81の正面、符号810bは溶着機本体81の背面、符号810cは溶着機本体81の左側面、符号810dは溶着機本体81の右側面、符号810eは溶着機本体81の上面、符号810fは溶着機本体81の底面である。
自走式拝み合わせ溶着機80における溶着機用架台82は、溶着機本体81の背面810b側に取り付けられている。溶着機用架台82は、平板状の架台本体部83を有する。符号83aは架台本体部83の正面であり、符号83bは架台本体部83の背面である。溶着機用架台82は、正面83aから前方に向かって第1固定壁831、第2固定壁832が垂直に立設している。第1固定壁831および第2固定壁832は対向して配置されており、第1固定壁831および第2固定壁832は溶着機本体81の横幅寸法と略等しい寸法だけ離間している。溶着機本体81の筐体810は、第1固定壁831および第2固定壁832の間に挟まれた状態で位置決め固定されている。また、溶着機用架台82の架台本体部83は、溶着機本体81の背面810bと平行に配設されている。なお、溶着機用架台82に対する溶着機本体81の筐体810の固定方法は特に限定されない。
また、溶着機用架台82の架台本体部83は、複数の走行輪84を有している。本実施形態においては、複数の走行輪84は、架台本体部83の背面83b(図6を参照)側に配置されている。また、走行輪84は、架台本体部83の四隅にそれぞれ設けられている。以下、架台本体部83の上部に取り付けられている一対の走行輪84を「上側走行輪84a」と呼び、架台本体部83の下部に取り付けられている一対の走行輪84を「下側走行輪84b」と呼ぶ。なお、本実施形態においては、架台本体部83に対する走行輪84の配置形状を長方形にしているが、台形、ひし形等、他の配置形状を採用しても良い。
図7および図8等に示すように、架台本体部83の走行輪84は、架台本体部83から垂直に立設する軸部841と、軸部841に回転自在に軸支される走行ローラ部842を含んで構成されている。走行輪84の軸部841は、架台本体部83に対して固定されている。走行ローラ部842は、円柱形状を有する車輪部842Aと、当該車輪部842Aを挟み込むようにして設けられる一対の脱落防止ストッパ部842Bとからなる。脱落防止ストッパ部842Bは、車輪部842Aよりも一段大きな円柱体であり、架台本体部83の各走行輪84(走行ローラ部842)が溶着機用ガイドレール60から外れてしまうことを抑制するために機能する。
本実施形態における溶着機用架台82は、上側走行輪84aを溶着機用ガイドレール60の上縁61に係合させ、下側走行輪84bを溶着機用ガイドレール60の下縁62に係合させ、上側走行輪84aおよび下側走行輪84bによって溶着機用ガイドレール60を上下から挟み込むことで、溶着機用ガイドレール60から脱落しないように保持されている(図5、図6等を参照)。また、架台本体部83における走行輪84の軸部841に対して走行ローラ部842が回転することで、溶着機用ガイドレール60に沿って自走式拝み合わせ溶着機80が走行自在となる。なお、架台本体部83の走行輪84は、軸部841と走行ローラ部842との間にベアリング843が設けられており、軸部841に軸支されている走行ローラ部842が軸部841に対して円滑に回転自在となっている。また、溶着機用架台82における上側走行輪84aと下側走行輪84bの間隔は、溶着機用ガイドレール60に沿って自走式拝み合わせ溶着機80が円滑に走行できるような寸法に適宜調整しておくと良い。
次に、自走式拝み合わせ溶着機80の溶着機本体81について説明する。図5〜図8等に示すように、溶着機本体81は、溶着部85およびシートガイド部87、加熱装置89等を備えている。溶着部85は、互いに平行な回転軸を有する一対の溶着用回転シャフト
851A,851B(溶着用回転シャフト対)と、この一対の溶着用回転シャフト851A,851B(溶着用回転シャフト対)の各々に対して取り付けられる一対の溶着用ローラ852A,852B(溶着用ローラ対)、加熱器890等を有する。溶着用ローラ852Aは、溶着用回転シャフト851Aの先端に対して同軸に取り付けられた回転ローラ部材である。また、溶着用ローラ852Bは、溶着用回転シャフト851Bの先端に対して同軸に取り付けられた回転ローラ部材である。溶着用ローラ852Aおよび溶着用ローラ852Bは、同一構造であり、外周面の周長が互いに等しい。一対の溶着用回転シャフト851A,851Bは、それぞれ溶着機本体81における筐体810の上面810eから垂直上方に立設する円筒状部材である円筒スリーブ850A,850Bの内部にそれぞれ収容されている。また、溶着用回転シャフト851Aおよび溶着用回転シャフト851Bの周長は互いに等しい。また、各溶着用ローラ852A,852Bはゴム製であっても良い。
本実施形態において、一対の溶着用ローラ852A,852B(一対の溶着用回転シャフト851A,851B)は、それぞれの中心軸同士の配列方向C1(図8を参照)がトンネル軸方向と平行となるように設定されている。以下では、一対の溶着用ローラ852A,852Bのうち、相対的に溶着機本体81の正面側に配置されている溶着用ローラ852Aを「第1溶着用ローラ852A」と呼び、相対的に背面側に配置されている溶着用ローラ852Bを「第2溶着用ローラ852B」と呼ぶ。また、一対の溶着用回転シャフト851A,851Bのうち、相対的に溶着機本体81の正面側に配置されている溶着用回転シャフト851Aを「第1溶着用回転シャフト851A」と呼び、相対的に背面側に配置されている溶着用回転シャフト851Bを「第2溶着用回転シャフト851B」と呼ぶ。
本実施形態において、駆動モータ88の作動によって、第1溶着用回転シャフト851Aおよび第2溶着用回転シャフト851Bは、互いに逆方向に同期回転するように構成されている。ここでいう「同期回転」とは、回転体が回転する際の角速度が等しいことを指す。ここで、駆動モータ88の出力軸は、第1溶着用回転シャフト851Aおよび第2溶着用回転シャフト851Bの何れと連結されていても良い。図7等に示すように、第1溶着用回転シャフト851Aおよび第2溶着用回転シャフト851Bには、互いに噛み合うギヤG1,G2が設けられている。その結果、第1溶着用回転シャフト851Aおよび第2溶着用回転シャフト851Bは、等しい角速度で逆方向に回転する。また、上記のように、一対の溶着用ローラ852A,852Bは、それぞれ溶着用回転シャフト851A,851Bと同軸に固定され、且つ、一対の溶着用ローラ852A,852Bの周長は等しいため、一対の溶着用ローラ852A,852Bも、互いに等しい角速度で逆方向に回転する。ここで、駆動モータ88を作動させたときの第1溶着用ローラ852Aの回転方向を図8中に矢印D1で示し、第2溶着用ローラ852Bの回転方向を図8中に矢印D2で示す。
次に、自走式拝み合わせ溶着機80における溶着機本体81が備える加熱装置89について説明する。加熱装置89は、自走式拝み合わせ溶着機80を用いた溶着対象となる一対の防水シート5の端部を加熱するための装置であり、例えば、熱コテ等の加熱器890を有している。加熱装置89は、加熱器890に電力を供給するためのケーブル891、ケーブル891および加熱器890等を覆うためのカバー892A,892B等を有している(図8を参照)。ケーブル891は、溶着機本体81における筐体810内に配置されている図示しない電源装置と加熱器890に接続されており、加熱器890はケーブル891を通じて電源装置からの電力供給を受けることで加熱する。
図9は、実施形態1に係る加熱器890の詳細構造図である。加熱器890は、第1側面893および第2側面894を有する。第1側面893は、平面状の平面部893Aと
曲面状の曲面部893Bからなる。同様に、第2側面部894は、平面状の平面部894Aと曲面状の曲面部894Bからなる。詳しくは後述するが、自走式拝み合わせ溶着機80によって一対の防水シート5の端部同士を溶着する際、一方の防水シート5の端部を第1側面893に沿って通し、他方の防水シート5の端部を第2側面894に沿って通すことで、加熱器890は一対の防水シート5の端部を加熱する。
ここで、第1側面893の曲面部893Bと、第2側面894の曲面部894Bは、それぞれ第1溶着用ローラ852Aおよび第2溶着用ローラ852Bと略等しい曲率を有する曲面として形成されている。そして、第1溶着用ローラ852Aおよび第2溶着用ローラ852Bが逆方向(図8に示すD1、D2方向)に回転駆動されると、第1側面893の曲面部893Bと第1溶着用ローラ852Aとの間を通過した一方の防水シート5の端部と、第2側面894の曲面部894Bと第2溶着用ローラ852Bとの間を通過した他方の防水シート5の端部が重ねられた状態で第1溶着用ローラ852Aおよび第2溶着用ローラ852Bの間を通ることで、両側から挟圧(加圧)される。
次に、自走式拝み合わせ溶着機80における溶着機本体81が備えるシートガイド部87について説明する。シートガイド部87は、図5および図6に示すように、溶着機本体81における溶着部85における溶着方向前方側に併設されており、一対の防水シート5の端部を溶着部85に向けてガイドするための部材である。シートガイド部87は、一対の防水シート5の端部を受け入れると共に、受け入れた当該一対の防水シート5の端部における外面5a(図7を参照)をガイドする一対のガイド板である第1ガイド板871および第2ガイド板872を有する。第1ガイド板871および第2ガイド板872で挟まれた空間は、内部に受け入れた一対の防水シート5の端部をガイドするガイド空間873となっており、シートガイド部87におけるガイド空間873は溶着部85に向かって幅が狭くなっている。
また、本実施形態におけるシートガイド部87には、ガイド空間873に受け入れられた各防水シート5の端部の端面に当接することで一対の防水シート5の端部の高さを揃えるための部材である高さ調整部874,875が設けられている。図5および図6に、高さ調整部874,875の位置を破線で示す。図示のように、高さ調整部874,875は、シートガイド部87におけるガイド空間873の下側の領域に配置されている。シートガイド部87における高さ調整部874,875は、上面が平坦面として形成されることでガイド面UFを形成している。高さ調整部874,875における各ガイド面UFは、互いに等しい高さに配置されている。シートガイド部87のガイド空間873に受け入れられた各防水シート5の端部は、端面を高さ調整部874,875の各ガイド面UFに当接(摺接)させながら溶着部85にガイドされる。上記のように高さ調整部874,875における各ガイド面UFは互いに等しい高さに配置されているため、一対の防水シート5の端面が各ガイド面UFを摺接させながらガイドされることで、一対の防水シート5の端面の高さが揃った状態で、これらを溶着部85において溶着することができる。
以上のように構成される本実施形態における自走式拝み合わせ溶着機80は、図7に示すように、トンネル内壁面S1側から垂下する一対の防水シート5の端部同士を重ね合わせた状態で一対の溶着用ローラ852A,852B間に挟み、挟圧した状態で加熱することで、防水シート5の端部同士を拝み合わせた状態で溶着する。具体的には、図3に示すように、トンネル2のシート既設区域とシート新設区域との境界部に走行基台32を設置し、シート新設区域に新設するための防水シート5をシート架台11に展張した状態で、シート架台11をシート新設区域における吹付けコンクリート3に接近した所定位置にセットする。この状態から、溶着機用ガイドレール60に装着された自動溶着装置40を、図10に示すように溶着機用ガイドレール60の第1端部60a側に配置する。なお、図10に示す符号60bは、溶着機用ガイドレール60における第1端部60aと反対側の
第2端部であり、符号60cは、溶着機用ガイドレール60における頂部である。溶着機用ガイドレール60における頂部60cは、溶着機用ガイドレール60の中央部に位置している。
そして、図11に示すように、シート既設区域側の施工済みの防水シート(以下、「既設防水シート」ともいう)5の端部と、シート新設区域における新設用の防水シート(以下、「新設防水シート」ともいう)5の端部を、自動溶着装置40におけるシートガイド部87のガイド空間873に挿入しつつ、第1溶着用ローラ852Aおよび第2溶着用ローラ852Bの間に既設防水シート5および新設防水シート5を重ね合わせた状態で挟み込んだ状態で、自走式拝み合わせ溶着機80を作動させる。
自走式拝み合わせ溶着機80は、例えば使用者により溶着機本体81に設けられた操作ボタンの操作を受け付けたり、リモートコントローラの操作を受け付けることで作動し、防水シート5の端部同士の自動溶着を開始する。具体的には、自走式拝み合わせ溶着機80の制御部(図示せず)は、使用者による操作ボタンやリモートコントローラ等の操作を介した自動溶着の開始指示を検知すると、加熱装置89および駆動モータ88を作動させる。加熱装置89が作動することによって加熱器890が高温となり、加熱器890に接触している一対の防水シート5の内面5bが加熱される結果、それぞれの防水シート5の内面5bが溶融する。このように、加熱器890による加熱によって溶融した一対の防水シート5の端部が、駆動モータ88によって逆方向に回転駆動される後段の一対の溶着用ローラ852A,852B間を通ることによって加圧されることで、一対の防水シート5の端部同士を溶着することができる。
自走式拝み合わせ溶着機80は、上記のように一対の溶着用ローラ852A,852B間に一対の防水シート5の端部同士を挟み込んだ状態で一対の溶着用ローラ852A,852Bを逆方向に回転駆動することで、その回転駆動力を利用して、溶着機用ガイドレール60に沿って自走させることができる。具体的には、一対の防水シート5の端部同士を挟み込んだ状態で回転駆動する一対の溶着用ローラ852A,852Bの回転駆動力を利用して、溶着機用ガイドレール60の上縁61および下縁62に係合する溶着機用架台82の各走行輪84を回転させ、溶着機用ガイドレール60に沿って自走式拝み合わせ溶着機80を自走させる推進力を得ることができる。このようにして、本実施形態における自動溶着装置40は、加熱器890によって加熱された一対の防水シート5の端部同士を重ね合わせた状態で、逆方向に回転駆動する一対の溶着用ローラ852A,852Bによって防水シート5の端部同士を挟圧しながら溶着機用ガイドレール60に沿って一方向に走行することで、トンネル周方向に沿って順次、防水シート5の端部同士を自動溶着することができる。
上記の使用例のように、溶着機用ガイドレール60の第1端部60aをシート自動溶着の開始位置とする場合、自動溶着装置40によって防水シート5の端部同士を自動溶着しながら、溶着機用ガイドレール60における第1端部60aと反対側の第2端部60b(図10を参照)に至るまで自動溶着装置40を溶着機用ガイドレール60に沿って自走させる。ここで、溶着機用ガイドレール60はトンネル2の内壁面S1の形状とほぼ相似形状を有しているため、溶着機用ガイドレール60の第1端部60aから第2端部60bにかけて自動溶着装置40を自走させながらシート端部の自動溶着を行うことで、トンネル周方向に沿って既設防水シート5と新設防水シート5の端部同士を簡単に自動で溶着することができる。本実施形態における自動溶着装置40によれば、トンネル止水施工において、トンネル軸方向に隣接するシート既設区域とシート新設区域の境界部において、既設防水シートと新設防水シートの端部同士の拝み合わせ溶着を、人手を要することなく容易に行うことを可能とし、以って、作業精度および作業性を向上することが可能となる。
また、本実施形態における溶着機用ガイドレール60は、トンネル2の周方向に沿ってアーチ状に延在しており、特に、トンネル2の内壁面S1とほぼ相似形状(近似形状)を有しているため、トンネル2の内壁面S1の形状に沿って精度よく防水シート5の端部同士を溶着することができる。また、本実施形態においては、防水シート5の端部同士を溶着する一対の溶着用ローラ852A,852Bの回転駆動力を、自走式拝み合わせ溶着機80の推進力として利用して溶着機用ガイドレール60に沿って自走式拝み合わせ溶着機80を自走させるようにしたので、防水シート5の端部同士を溶着進行方向に溶着する溶着速度と、溶着機用ガイドレール60に沿って自走式拝み合わせ溶着機80が走行する走行速度を、精度よく合わせることができる。これにより、防水シート5の端部同士の溶着箇所に歪みが発生することを好適に抑制することができる。
また、本実施形態における自走式拝み合わせ溶着機80によれば、溶着部85における溶着方向前方側に併設されると共に一対の防水シート5の端部を溶着部85に向けてガイドするシートガイド部87を備えることを特徴とする。そして、シートガイド部87は、第1ガイド板871および第2ガイド板872(一対のガイド板)の間に形成されるガイド空間873が溶着部85に向かって幅が狭くなっている。これによれば、シートガイド部87における溶着方向前方側の端部に形成される受け入れ開口873aから受け入れた一対の防水シート5の端部を、ガイド空間873を通じて溶着部85にガイドする過程で、一対の防水シート5の端部同士を徐々に絞ってゆくことができる。すなわち、ガイド空間873に受け入れられた一対の防水シート5の内面5b同士の離間寸法を徐々に狭めてゆくことができ、一対の防水シート5に過度な撓みや皺が生じることなく、これらを重ね合わせた状態で一対の溶着用ローラ852A,852B間に導き、綺麗に溶着することができる。その結果、一対の防水シート5の端部同士をトンネル周方向に沿って自動溶着する際、溶着不良を起こり難くすることができる。
更に、本実施形態における自走式拝み合わせ溶着機80のシートガイド部87には、高さ調整部874,875が設けられている。ここで、図5等に示す符号LSは、一対の防水シート5の端部におけるトンネル内空側に位置するトンネル内空側端面5c(図7を参照)の設計位置を示す「シート端面ライン」である。ここで、自走式拝み合わせ溶着機80のシートガイド部87に受け入れる前の一対の防水シート5においては、一方又は双方の防水シート5におけるトンネル内空側端面5cがシート端面ラインLSからずれてしまうことで、一対の防水シート5の端部におけるトンネル内空側端面5cの位置が大きくずれてしまっている場合がある。このような場合、一対の防水シート5の端部を成り行きで溶着してしまうと、一対の防水シート5の端部におけるトンネル内空側端面5cの位置がずれたまま、防水シート5の端部同士が溶着されてしまう要因となり得る。
これに対して、本実施形態においては、シートガイド部87に高さ調整部874,875を設置し、当該高さ調整部874,875によってガイド空間873に受け入れられた各防水シート5の端部におけるトンネル内空側端面5cの高さを揃えるようにした。具体的には、シートガイド部87における受け入れ開口873aから受け入れた一対の防水シート5の端部を溶着部85に至るまでガイドする過程で、高さ調整部874,875における平坦で且つ互いに等しい高さに配置された各ガイド面UFに、各防水シート5におけるトンネル内空側端面5cを当接(摺接)させることで、一対の防水シート5におけるトンネル内空側端面5cの高さを揃えた状態で、これらを溶着部85において溶着することができる。
上記のように、溶着機用ガイドレール60に沿って自走式拝み合わせ溶着機80を自走させながら、トンネル周方向に沿って一対の防水シート5の端部同士を自動溶着した後は、拝み合わせ溶着されることで内面5b同士が溶着された一対の防水シート5の端部同士を折り返し、図1(f)での説明と同様、例えば熱風式溶着機などを用いて一対の防水シ
ート5の端部をシート既設区域の既設防水シート5の外面5aに溶着した後、シート新設区域における充填材6の充填作業を行うようにしても良い。これにより、シート新設区域においても、新設防水シート5と吹付けコンクリート3との間に充填材6が充填されて固化した状態となり、新設防水シート5の背面の空隙を無くすと共に、新設防水シート5の表面を凹凸のない平滑な状態で展張することができる。なお、拝み合わせ溶着後における一対の防水シート5の端部の折り返しおよび当該折り返し部の既設防水シート5への溶着は、シート新設区域における充填材6の充填作業後に行っても良い。
なお、実施形態1における自走式拝み合わせ溶着機80は、シートガイド部87および高さ調整部874,875を備えているが、これらを必ずしも設置する必要はなく、そのような態様においても一対の防水シート5の端部同士を自動で好適に溶着することが可能である。
<実施形態2>
次に、実施形態2について説明する。図12は、実施形態2に係る自動溶着装置40の全体正面図である。実施形態2に係る自動溶着装置40は、溶着機用ガイドレール60に沿った走行を許容しつつ自走式拝み合わせ溶着機80が当該溶着機用ガイドレール60から滑落することを抑制するために当該自走式拝み合わせ溶着機80を懸吊する懸吊装置としてのバランサー装置70を備えている。実施形態2に係る自動溶着装置40は、バランサー装置70が付加的に設けられている点を除いて、実施形態1と同様である。以下、バランサー装置70の詳細について説明する。
図13〜図15は、実施形態2に係るバランサー装置70を説明する図である。バランサー装置70は、走行基台32に取り付けられている。バランサー装置70は、例えば、金属製の平板からなるほぼ直方体状の本体ケース71を有している。図13は、実施形態2に係るバランサー装置70における本体ケース71の設置態様を示す図である。図13に示す例では、本体ケース71は、走行基台32から立設する支持フレーム91に、溶接、ボルト締結等といった適宜の方法によって取り付けられている。図12に示すように、バランサー装置70(本体ケース71)は、溶着機用ガイドレール60の頂部60cの上方に位置付けられるように、走行基台32の支持フレーム91に取り付けられている。図12に示した例では、バランサー装置70(本体ケース71)は、トンネル2の内空断面における中心CLを通る位置(溶着機用ガイドレール60の頂部60cを通る位置)に配置されている。また、バランサー装置70の本体ケース71は、下方が開口端として形成されていることで、本体ケース71からワイヤロープを延出するための開口部71aが形成されている。
図14は、実施形態2に係るバランサー装置70の詳細構造を説明する図である。バランサー装置70における本体ケース71の内部には、自走式拝み合わせ溶着機80を懸吊するワイヤロープ72と、ワイヤロープ72を巻き取る回転ドラム73と、回転ドラム73を回転させるためのトルクを発生するトルク付与部としてのぜんまいばね75等が収容されている。ワイヤロープ72は、本体ケース71の下部に設けられた開口部71aを通って本体ケース71の下方外側へ延び、リミットスイッチ74の当接部74aに形成された貫通孔を通り抜けて、さらに下方へ延びている。ワイヤロープ72の先端には連結輪72aが形成されている。なお、図6、図12等に示すように、自走式拝み合わせ溶着機80の溶着機用架台82における架台本体部83の中央上部には、取り付け孔83cが形成されており、ワイヤロープ72の先端に形成されている連結輪72aを適宜の連結金具を用いて溶着機用架台82の取り付け孔83cに連結することでワイヤロープ72の先端を溶着機用架台82に連結することができる。また、ワイヤロープ72における連結輪72aの近傍には緩衝ゴム72bが取り付けられており、リミットスイッチ74の当接部74aに緩衝ゴム72bが当接した時点で、ワイヤロープ72がそれ以上、回転ドラム73に
巻き取られないようになっている。
図15は、実施形態2に係るバランサー装置70における回転ドラム73を側面視した状態の概略構成図である。符号73cは、回転ドラム73の回転軸である。回転ドラム73は、本体ケース71の正面側から背面側に向かうにつれて径が大きくなるテーパー状の外周面73aを有しており、その外周面には径方向内方へ向かって凹んだ溝部73bが螺旋状に形成されている。回転ドラム73の大径側の溝部73bの部分にワイヤロープ72の端部が固定されており、ワイヤロープ72は、溝部73bに沿って径の小さい側へ向かって巻き付けられている。
回転ドラム73のテーパー状の外周面73aと、その大径側から小径側へ螺旋状に巻き付けられたワイヤロープ72との構成により、ワイヤロープ72の巻き出し量に関わらず、ワイヤロープ72によって懸吊される自走式拝み合わせ溶着機80の重量とぜんまいばね75によるワイヤロープ72の張力を、釣り合わせることができる。すなわち、ワイヤロープ72が引き出されるに従い、ぜんまいばね75が弾性変形して巻数が増え、ぜんまいばね75が回転ドラム73に与えるトルクは大きくなるが、回転ドラム73の外周面73aがテーパー面状をしていることにより、ワイヤロープ72から受ける反力が、徐々に回転ドラム73の大径側にかかるようになり、回転ドラム73に対し徐々に大きいトルクを与えることとなる。ワイヤロープ72が巻き取られる場合には、これとは逆に作用する。このように、ぜんまいばね75が回転ドラム73に与えるトルクの変化を、ワイヤロープ72からの反力がかかる位置(回転ドラム73の回転中心軸からの距離)を変化させることで相殺し、ワイヤロープ72の巻き出し量に関わらずほぼ一定の張力を発生させるようになっている。
図12は、自走式拝み合わせ溶着機80が溶着機用ガイドレール60における第1端部60aから頂部60cまでの区間である上り勾配区間R1を走行する際に、自走式拝み合わせ溶着機80をバランサー装置70によって懸吊している状況を示している。図16は、実施形態2に係る自走式拝み合わせ溶着機80が溶着機用ガイドレール60における頂部60cから第2端部60bまでの区間である下り勾配区間R2を走行する際に、自走式拝み合わせ溶着機80をバランサー装置70によって懸吊している状況を示している。本実施形態における自動溶着装置40はバランサー装置70を備えているため、一対の防水シート5の端部同士を自動で溶着する際、溶着機用ガイドレール60を自走する自走式拝み合わせ溶着機80が、当該溶着機用ガイドレール60から滑落することを抑制できる。なお、バランサー装置70は、ワイヤロープ72を巻き取る方向へのトルクを回転ドラム73に付与するトルク付与部としてのぜんまいばね75に代えて、モータによって回転ドラム73に回転トルクを付与しても良い。なお、ぜんまいばね75やモータによって構成されるトルク付与部が回転ドラム73に付与するトルクの大きさは適宜の大きさに設定することができる。また、自走式拝み合わせ溶着機80が溶着機用ガイドレール60における上り勾配区間R1の走行時と下り勾配区間R2の走行時とにおいて、トルク付与部が回転ドラム73に付与する回転トルクを異なる大きさに設定しても良い。また、図12に示す例では、バランサー装置70のトンネル2の内空断面における中心CLを通る位置を、トンネル2の内空断面における天端部近傍に対応する位置に配置しているが、その配置位置を変更しても良い。例えば、トンネル2の内空断面における肩部近傍にバランサー装置70を配置しても良い。
<実施形態3>
次に、実施形態3について説明する。図17は、実施形態3に係る自動溶着装置40の全体正面図である。図17に示すように、実施形態3に係る自動溶着装置40は、走行動力伝達用レール65を更に備えている。走行動力伝達用レール65は、溶着機用ガイドレール60と同様、支持フレーム91によって支持されることで、位置決めされている。
走行動力伝達用レール65は、トンネル2の内壁面S1と相似形状(近似形状)を有するアーチ状のレール部材であって、トンネル2の周方向に沿って延在している。また、走行動力伝達用レール65は、溶着機用ガイドレール60に対しても相似形状を有し、且つ溶着機用ガイドレール60よりも相対的に小さなアーチ形状を有している。
図18は、実施形態3に係る自走式拝み合わせ溶着機80Aの右側面図である。以下、実施形態3に係る自走式拝み合わせ溶着機80Aと、実施形態1における自走式拝み合わせ溶着機80との相違点を中心に説明する。
次に、自走式拝み合わせ溶着機80の走行動力伝達部86について説明する。走行動力伝達部86は、自走式拝み合わせ溶着機80A(溶着機本体81)における駆動モータ88による回転駆動力を走行基台32に固定された走行動力伝達用レール65に伝達することで、自走式拝み合わせ溶着機80Aを溶着機用ガイドレール60に沿って走行させる。更に、本実施形態において、走行動力伝達部86は、駆動モータ88が発生させる回転駆動力を、一対の溶着用回転シャフト851A,851B(溶着用回転シャフト対)の回転に同期させて走行動力伝達用レール65に伝達させる構成となっている。以下、走行動力伝達部86の詳細について説明する。
走行動力伝達部86は、上述した溶着部85における一対の溶着用回転シャフト851A,851B(溶着用回転シャフト対)と平行な回転軸を有する一対の走行動力伝達用回転シャフト861A,861B(走行動力伝達用回転シャフト対)と、この一対の走行動力伝達用回転シャフト861A,861B(走行動力伝達用回転シャフト対)の各々に対して同軸に固定されると共に、走行動力伝達用レール65を挟圧する一対の走行動力伝達用回転ローラ862A,862B(走行動力伝達用ローラ対)と、走行動力伝達機構を有する。走行動力伝達機構は、第1溶着用回転シャフト851Aおよび第2溶着用回転シャフト851Bのうちの少なくとも一方の回転力を、一対の走行動力伝達用回転シャフト861A,861Bに伝達し、一対の走行動力伝達用回転シャフト861A,861Bを互いに逆方向に回転させる機構であり、例えばシャフトおよびギヤ等といった機械部品の組み合わせによって構成することができる。
走行動力伝達部86は、当該走行動力伝達部86に含まれるシャフトやギヤを収容するための第1円筒スリーブ860A、第2円筒スリーブ860B、第3円筒スリーブ860Cを含むケーシングを有している。ここで、第1円筒スリーブ860Aおよび第2円筒スリーブ860Bは、円筒スリーブ850A,850Bと平行に配置されている。また、図18に示すように、第3円筒スリーブ860Cは、円筒スリーブ850Bにおける背面側に位置する部位と、第1円筒スリーブ860Aおよび第2円筒スリーブ860Bの下端部に、それぞれ連結されている。また、図18に示すように、溶着機本体81の正面810a側から背面810b側に向かって、円筒スリーブ850A、円筒スリーブ850B、第1円筒スリーブ860A、第2円筒スリーブ860Bがこれらの順に並んで配置されている。本実施形態において、一対の溶着用ローラ852A,852Bおよび一対の走行動力伝達用回転ローラ862A,862Bは、それぞれの中心軸同士の配列方向がトンネル軸方向と平行となるように設定されている。
そして、図18に示すように、走行動力伝達部86における第1円筒スリーブ860Aには、走行動力伝達用回転シャフト861Aが収容され、第2円筒スリーブ860Bに走行動力伝達用回転シャフト861Bが収容され、第3円筒スリーブ860Cに中間シャフト863が収容されている。以下では、一対の走行動力伝達用回転シャフト861A,861Bのうち、相対的に溶着機本体81の正面側に配置されている走行動力伝達用回転シャフト861Aを「第1走行動力伝達用回転シャフト861A」と呼び、相対的に背面側
に配置されている走行動力伝達用回転シャフト861Bを「第2走行動力伝達用回転シャフト861B」と呼ぶ。また、一対の走行動力伝達用回転ローラ862A,862Bのうち、相対的に溶着機本体81の正面側に配置されている走行動力伝達用回転ローラ862Aを「第1走行動力伝達用回転ローラ862A」と呼び、相対的に背面側に配置されている走行動力伝達用回転ローラ862Bを「第2走行動力伝達用回転ローラ862B」と呼ぶ。また、中間シャフト863は、各溶着用回転シャフト851A,851Bおよび各走行動力伝達用回転シャフト861A,861Bに対して直交し、且つ、トンネル軸方向に沿って延在するように第3円筒スリーブ860Cに配設されている。
ここで、中間シャフト863には、第2溶着用回転シャフト851Bと近接する一方の端部領域に第3ギヤG3が取り付けられ、第1走行動力伝達用回転シャフト861Aの端部と近接する中間領域に第4ギヤG4が取り付けられ、第2走行動力伝達用回転シャフト861Bの端部と近接する他方の端部領域に第5ギヤG5が取り付けられている。また、第2溶着用回転シャフト851Bには、中間シャフト863の第3ギヤG3と噛合う第6ギヤG6が取付けられている。また、第1走行動力伝達用回転シャフト861Aおよび第2走行動力伝達用回転シャフト861Bには、中間シャフト863における第4ギヤG4および第5ギヤG5と噛み合う第7ギヤG7および第8ギヤG8がそれぞれ取付けられている。
以上のように構成される走行動力伝達部86は、駆動モータ88によって回転駆動される第2溶着用回転シャフト851Bの回転力が、第6ギヤG6および第3ギヤG3の噛合いを介して中間シャフト863に伝達される結果、中間シャフト863が回転駆動される。そして、中間シャフト863の回転力が、第4ギヤG4および第7ギヤG7の噛合いを介して第1走行動力伝達用回転シャフト861Aに伝達される結果、第1走行動力伝達用回転シャフト861Aが回転駆動される。同様に、中間シャフト863の回転力が、第5ギヤG5および第8ギヤG8の噛合いを介して第2走行動力伝達用回転シャフト861Bに伝達される結果、第2走行動力伝達用回転シャフト861Bが回転駆動される。ここで、走行動力伝達部86は、第1走行動力伝達用回転シャフト861Aおよび第2走行動力伝達用回転シャフト861Bが逆方向に回転するように、第2溶着用回転シャフト851Bの回転力を各走行動力伝達用回転シャフト861A,861Bに伝達する。より詳しくは、第1走行動力伝達用回転シャフト861Aが回転する方向を、第1溶着用回転シャフト851Aの回転方向D1(図8を参照)に一致させ、第2走行動力伝達用回転シャフト861Bが回転する方向を、第2溶着用回転シャフト851Bの回転方向D2(図8を参照)に一致させる。また、本実施形態において、各溶着用ローラ852A,852Bおよび各走行動力伝達用回転ローラ862A,862Bが回転する際の角速度は全て等しくなるように設計されている。また、各走行動力伝達用回転ローラ862A,862Bはゴム製であっても良い。
以上のように構成される自走式拝み合わせ溶着機80Aは、図19に示すように、第1走行動力伝達用回転ローラ862Aおよび第2走行動力伝達用回転ローラ862B間に走行動力伝達用レール65を挟圧し、第1溶着用ローラ852Aおよび第2溶着用ローラ852B間にトンネル内壁面S1側から垂下する防水シート5の端部同士を重ね合わせた状態で挟圧した状態で使用される。なお、図19に示すように、走行動力伝達用レール65は、支持フレーム91から水平方向に延設されたレール支持部材94を介して支持フレーム91に支持されている。なお、図19においては、便宜上、溶着対象となる一対の防水シート5の図示を省略している。
本実施形態における自動溶着装置40によれば、自走式拝み合わせ溶着機80Aが走行動力伝達部86を備えているため、駆動モータ88による回転駆動力を走行動力伝達部86を介して走行動力伝達用レール65に伝達することで、自走式拝み合わせ溶着機80A
を溶着機用ガイドレール60に沿って好適に走行させることができる。すなわち、第1走行動力伝達用回転ローラ862Aおよび第2走行動力伝達用回転ローラ862B間に走行動力伝達用レール65を挟圧した状態で、第1走行動力伝達用回転ローラ862Aを第1溶着用ローラ852Aと同方向に回転させると共に第2走行動力伝達用回転ローラ862Bを第2溶着用ローラ852Bと同方向に回転させることで、溶着機用ガイドレール60に沿って自走式拝み合わせ溶着機80Aを自走させるための動力を好適に得ることができる。但し、実施形態1で説明したように、自走式拝み合わせ溶着機80は、一対の溶着用ローラ852A,852B間に一対の防水シート5の端部同士を挟み込んだ状態で一対の溶着用ローラ852A,852Bを逆方向に回転駆動する際の回転駆動力を利用して、溶着機用ガイドレール60に沿って自走式拝み合わせ溶着機80を自走させるための推進力が得られるため、本実施形態のように走行動力伝達部86を特段備えてしなくても、溶着機用ガイドレール60に沿って自走式拝み合わせ溶着機80を自走させることは可能である。本実施形態に係る自動溶着装置40は、走行動力伝達部86を付加的に備えることで、溶着機用ガイドレール60に沿って自走式拝み合わせ溶着機80を自走させるための動力を、より一層十分に得ることができる。
更に、本実施形態における自動溶着装置40によれば、走行動力伝達用レール65が、溶着機用ガイドレール60と相似形状を有しているため、溶着機用ガイドレール60に沿って自走式拝み合わせ溶着機80Aが走行しているときに、第1走行動力伝達用回転ローラ862Aおよび第2走行動力伝達用回転ローラ862Bによる走行動力伝達用レール65の挟圧状態が解除されることを好適に抑制できる。
更に、本実施形態における走行動力伝達部86は、駆動モータ88が発生させる回転駆動力を、一対の溶着用回転シャフト851A,851B(溶着用回転シャフト対)の回転に同期させて走行動力伝達用レール65に伝達させる構造を採用したので、第1溶着用ローラ852Aおよび第2溶着用ローラ852Bによって防水シート5の端部同士を挟圧しながら溶着する速度と、溶着機用ガイドレール60に沿って自走式拝み合わせ溶着機80が走行する速度を精度よく合わせることができる。これにより、防水シート5の端部同士の溶着箇所に歪みが発生することを好適に抑制することができる。
なお、上述までの各実施形態においては、自動溶着装置40を、背面平滑型トンネルライニング工法における防水シート5の端部同士の溶着に適用する場合を例に説明したが、適用対象は背面平滑型トンネルライニング工法に限定されない。トンネルの止水施工において、トンネル坑内面や、トンネル坑内面に設けられる一次覆工の吹付けコンクリートの内面に対して敷設した防水シートの端部同士を拝み合わせ溶着する際に、本実施形態における自動溶着装置40を用いても良い。
図20は、トンネル坑内面に設けられる一次覆工としての吹付けコンクリート3の内面に対して、防水シート5を敷設する状況を説明する図である。防水シート5は、内層の緩衝材としての不織布層51と外層の防水シート層52が積層された積層防水シートである。防水シート5は、適宜の幅寸法、例えば2m程度の幅を有しており、幅方向(敷設される際、トンネル軸方向に沿った寸法)における端部以外は、不織布層51と防水シート層52が接着されている。図20に示すように、防水シート5の敷設に際して、各防水シート5における不織布層51同士を幅方向に所定寸法だけ重ね合わせた状態で、鋲500を打鋲する。鋲500の打鋲は、例えば市販の打鋲機を用いて行うことができる。そして、図20で示す破線丸で囲まれている、吹付けコンクリート3(トンネル内壁面)側から垂下する一対の防水シート5同士の端部を、上述までの自動溶着装置40を用いて、拝み合わせ溶着を自動で行うようにしても良い。
但し、図20で説明するトンネル止水施工法は、背面平滑型トンネルライニング工法で
はなく、吹付けコンクリート3の表面に直接防水シート5を敷設するシート防水工法であるため、当該工法に合わせて防水シート展張装置30の仕様は適宜変更することができることは勿論である。例えば、図20に示す工法に適用する場合、防水シート展張装置30の走行基台32には、シート架台11を用いて防水シート5を展張支持する必要がない。そのため、走行基台32は、シート架台11を設置しない代わりに、例えば門型架台に階段状の作業ステージを取付けたものであっても良い。すなわち、走行基台32は、溶着機用ガイドレール60と当該溶着機用ガイドレール60に沿って自走可能な自走式拝み合わせ溶着機80を備えた自動溶着装置40を搭載していれば良い。そして、防水シート展張装置30の走行基台32に設置された自動溶着装置40を防水シート5のジョイント部にセットし、上述までの実施形態と同様、溶着機用ガイドレール60に沿って自走式拝み合わせ溶着機80を自走させながら、一対の防水シート5の端部同士を自動溶着することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明に係るトンネル防水シートの自動溶着装置は、これらに限られず、可能な限りこれらを組み合わせることができる。
2・・・トンネル
5・・・防水シート
6・・・充填材
11・・・シート架台
30・・・防水シート展張装置
32・・・走行基台
40・・・自動溶着装置
60・・・溶着機用ガイドレール
80・・・自走式拝み合わせ溶着機
81・・・溶着機本体
82・・・溶着機用架台

Claims (6)

  1. トンネル軸方向に沿って敷設されたレールに沿って走行可能な走行基台に固定され、トンネル周方向に沿ってアーチ状に延在する溶着機用ガイドレールと、
    前記溶着機用ガイドレールに設けられ、当該溶着機用ガイドレールに沿って走行自在な、自走式拝み合わせ溶着機と、
    を備え、
    前記自走式拝み合わせ溶着機は、
    互いに平行な回転軸を有する溶着用回転シャフト対と、溶着対象となる一対の防水シートの端部を加熱する加熱器と、当該溶着用回転シャフト対の各々に対して同軸に固定される溶着用ローラ対と、を含む溶着部と、
    前記溶着用回転シャフト対を逆方向に回転駆動する回転駆動源と、
    を有し、
    前記自走式拝み合わせ溶着機は、前記加熱器によって加熱された前記防水シートの端部同士を重ね合わせた状態で、逆方向に回転駆動する前記溶着用ローラ対によって前記防水シートの端部同士を挟圧しながら前記溶着機用ガイドレールに沿って一方向に走行することで、トンネル周方向に沿って前記防水シートの端部同士を自動溶着する、
    トンネル防水シートの自動溶着装置。
  2. 前記自走式拝み合わせ溶着機は、前記溶着用ローラ対が前記防水シートの端部同士を挟圧しながら逆方向に回転する回転力を利用して前記溶着機用ガイドレールに沿って自走する、
    請求項1に記載のトンネル防水シートの自動溶着装置。
  3. 前記自走式拝み合わせ溶着機は、前記溶着部における溶着方向前方側に併設されると共に、前記一対の防水シートの端部を前記溶着部に向けてガイドするシートガイド部を有し、
    前記シートガイド部は、前記一対の防水シートの端部を受け入れると共に、受け入れた当該一対の防水シートの端部における外面をガイドする一対のガイド板を有し、当該一対のガイド板同士の間に形成されるガイド空間は、前記溶着部に向かって幅が狭くなっている、
    請求項1又は2に記載のトンネル防水シートの自動溶着装置。
  4. 前記シートガイド部には、前記ガイド空間に受け入れられた各防水シートの端部のトンネル内空側端面に当接することで当該防水シートの端部の高さを揃えるための高さ調整部が設けられている、
    請求項3に記載のトンネル防水シートの自動溶着装置。
  5. 前記溶着機用ガイドレールに沿った走行を許容しつつ前記自走式拝み合わせ溶着機が当該溶着機用ガイドレールから滑落することを抑制するために当該自走式拝み合わせ溶着機を懸吊する懸吊装置を更に、備える、
    請求項1から4の何れか一項に記載のトンネル防水シートの自動溶着装置。
  6. 前記懸吊装置は、前記走行基台に取り付けられたバランサー装置であって、
    前記バランサー装置は、
    テーパー状の外周面を有する回転ドラムと、
    前記回転ドラムの大径側から小径側に巻き取られるワイヤロープと、
    前記ワイヤロープを巻き取る方向へのトルクを前記回転ドラムに付与するトルク付与部と、
    を有する、
    請求項5に記載のトンネル防水シートの自動溶着装置。
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