JP2020164612A - 部分装飾用化粧シート、部分装飾用化粧シートの施工方法、および既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体 - Google Patents

部分装飾用化粧シート、部分装飾用化粧シートの施工方法、および既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体 Download PDF

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光男 櫻井
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Abstract

【課題】 既存の壁紙上の一部領域に重ね貼りすることができ、かつ糊残りなく容易に剥がすことができる部分装飾用化粧シート、部分装飾用化粧シートの施工方法、および既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体を提供する。【解決手段】 本発明の部分装飾用化粧シートは、被着体の被着面に部分的に貼り付けされる部分装飾用化粧シートであって、部分装飾用化粧シートは、第1シートと、第1シートの一方の面側に粘着層を有し、被着体の被着面の一部領域のみを被覆するものであり、粘着層は、その両面に複数の凹形状を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、部分装飾用化粧シート、部分装飾用化粧シートの施工方法、および既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体に関するものである。
従来、住宅の居室などの壁面の一部を装飾するような場合には、部分装飾用としてアクセントクロスと言われる壁紙を壁面の一部分に施工するようなことが行われている。アクセントクロスは、それが用いられる居室などの空間の演出において大きな役割を果たしていることが多いため、例えば居室の模様替えの際に、家具の配置換えのみでなく、アクセントクロスを変更することができれば、模様替えの効果を一層高めることができる。しかしながらアクセントクロスは、通常の壁紙と同様に石膏ボード表面に直接貼り付けられるため、アクセントクロスを石膏ボードから剥がすことは通常の壁紙と同様に容易ではない。すなわち、アクセントクロスを季節や気分に応じて貼り替えることが容易ではないといった課題がある。
上記課題に対し、壁面全面を覆う通常の壁紙の一部領域に対し、重ね貼り可能な粘着を付与した装飾用シートが提案されている。特許文献1においては、発泡塩化ビニルシートの裏面に2液硬化型の粘着剤層を30〜70μm形成した構成が提案されている。
特許文献2においては、一度貼った壁紙を容易に剥がすことができることを考慮し、塩化ビニル樹脂製の壁紙の裏面にマイクロポーラスな粘着層を形成した簡易着脱壁紙が提案されている。また特許文献3には、マイクロポーラスな粘着層を常温程度の温度でも形成可能な、組成物、および製造方法を開示されている。
特開2003−048296号公報 登録実用新案第3018809号 特開2017−036404号公報
しかしながら、特許文献1に用いられる2液硬化型の粘着剤では、加温環境下で硬化が進み粘着力が高くなってしまう。そのため貼り替え時に容易に剥がすことができず、無理に剥がそうとすれば糊残りが生じる、壁面全面を覆う通常の壁紙が破損するなど、すなわち、貼り替えが考慮されたものではない。
また、特許文献2の簡易着脱壁紙は、既存の壁紙上に重ね貼りすることを想定したものではないため、既存の壁紙上で適切な粘着力、すなわち、意図しない時には剥がれず、剥がす場合には既存の壁紙を破壊せず、かつ糊残りなく容易に剥がすことができる程度の粘着力、が得られる可能性は低いと思われる。また重ね貼り用途は考慮されていないため、壁面に対し部分的に貼り付けるための切断などの加工性は考慮されていない。さらに塩化ビニル樹脂製を用いているため、廃棄時における環境面や、切断などの加工性面で劣るといった課題がある。
以上から、本発明の目的は、既存の壁紙上の一部領域に重ね貼りすることができ、かつ糊残りなく容易に剥がすことができる部分装飾用化粧シート、部分装飾用化粧シートの施工方法、および既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体を提供することである。
本発明の部分装飾用化粧シートは、被着体の被着面に部分的に貼り付けされる部分装飾用化粧シートであって、部分装飾用化粧シートは、第1シートと、第1シートの一方の面側に粘着層を有し、被着体の被着面の一部領域のみを被覆するものであり、粘着層は、その両面に複数の凹形状を有する、部分装飾用化粧シートである。
上記部分装飾用化粧シートにおいて、粘着層は、1液硬化型アクリル系樹脂からなるものであってもよい。
上記部分装飾用化粧シートにおいて、部分装飾用化粧シートの平面視上の外形形状は、外形形状として意匠性を有するものであってもよい。
上記部分装飾用化粧シートにおいて、粘着層の一方の面に開口する凹形状の各開口部の直径の平均値をDave 1とし、粘着層の他方の面に開口する凹形状の各開口部の直径の平均値をDave 2としたときに、
|Dave 1−Dave 2|/Dave 2≦0.5
の関係を満たしていてもよい。
粘着層は、第1シートを有する面側とは反対の面側に剥離性基材シートを有し、第1シートおよび粘着層に、貼り付ける際の部分装飾用化粧シートの外形形状を画定する易切断部が形成されていてもよい。
本発明の部分装飾用化粧シートの施工方法は、化粧対象物の被化粧面に、部分装飾用化粧シートを積層する部分装飾用化粧シートの施工方法であって、化粧対象物の被化粧面には既存化粧シートが接着されており、部分装飾用化粧シートは、第1シートと、第1シートの一方の面側に粘着層を有し、粘着層は、その両面に複数の凹形状を有し、既存化粧シートの表面の一部領域のみを被覆する様に、第1シートを粘着層を介して貼り付け積層する貼り付け工程を有する、部分装飾用化粧シートの施工方法である。
上記部分装飾用化粧シートの施工方法において、部分装飾用化粧シートからその一部を分離して、貼り付け対象となる個片化された部分装飾用化粧シートとする分離工程をさらに有していてもよい。
上記部分装飾用化粧シートの施工方法において、粘着層の一方の面に開口する凹形状の各開口部の直径の平均値をDave 1とし、粘着層の他方の面に開口する凹形状の各開口部の直径の平均値をDave 2としたときに、
|Dave 1−Dave 2|/Dave 2≦0.5
の関係を満たしていてもよい。
本発明の既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体は、既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体であって、既存化粧シートは、化粧対象物の被化粧面に接着されており、部分装飾用化粧シートは、第1シートと、第1シートの一方の面側に粘着層を有し、既存化粧シートの表面の一部領域のみを被覆するものであり、粘着層は、その両面に複数の凹形状を有する、既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体である。
上記既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体において、既存化粧シート、部分装飾用化粧シートともオレフィン系樹脂からなるものであってもよい。
上記既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体において、部分装飾用化粧シートの平面視上の外形形状は、外形形状として意匠性を有するものであってもよい。
上記既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体において、粘着層の一方の面に開口する凹形状の各開口部の直径の平均値をDave 1とし、粘着層の他方の面に開口する凹形状の各開口部の直径の平均値をDave 2としたときに、
|Dave 1−Dave 2|/Dave 2≦0.5
の関係を満たしていてもよい。
本発明によれば、既存の壁紙上の一部領域に重ね貼りすることができ、かつ糊残りなく容易に剥がすことができる部分装飾用化粧シート、部分装飾用化粧シートの施工方法、および既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体を提供することができる。
本発明の部分装飾用化粧シートの実施形態を示す図。 本発明の部分装飾用化粧シートの使用時の形態を順次示す図。 本発明の部分装飾用化粧シートの製造装置を示す図。 本発明の部分装飾用化粧シートの製造方法を説明する図。 実施例および比較例を示す図。 本発明の部分装飾用化粧シートの個片化前後の形態を示す図。 本発明の既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体の実施形態を示す図。
〔部分装飾用化粧シート〕
以下、本発明の部分装飾用化粧シートについて、図1、および図2を参照して説明する。なお、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状、厚さ、装飾などは理解を容易にするため適宜誇張、単純化などしている。また説明に直接的に関係しない構成などについては適宜省略している。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これら
は、適宜変更することができる。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
なお、以下の説明では、部分装飾用化粧シートの一例として、第1シート10が、基材11と、ラミネート後に観察可能に外部に露出する側の面、即ち表面に意匠性外観付与手段として凹凸形状(凹凸模様)を有する樹脂層12と、から成る部分装飾用化粧シート1を挙げて説明している。しかし、第1シート10が、例えば基材11上に樹脂層12を備えずに意匠性外観付与手段として印刷層のみを備えた各種部分装飾用化粧シートであってもよいし、基材11上に樹脂層12と印刷層とを備えていてもよく、或いは基材11上に樹脂層12を備えず基材表面に凹凸形状のみを備えていても良いし、基材11に意匠性外観付与手段として蒸着等により金属を備えていても良く、あるいは着色剤添加によって意匠性外観を付与した基材11単層のみであっても良い。
本発明に係る部分装飾用化粧シート1は、被着体20の被着面20sに部分的に貼り付けされる部分装飾用化粧シート1であって、部分装飾用化粧シート1は、第1シート10と、第1シート10の一方の面側(図1においては同図の下側の面)に粘着層13を有し、被着体20の被着面20sの一部領域のみを被覆するものであり、粘着層13は、その両面に複数の凹形状13aを有する、部分装飾用化粧シート1である。
ここで、本発明の部分装飾用化粧シート1の被着体20としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)住宅、事務所、商店等の建築物の壁、床、天井等。
(2)扉、扉枠、窓枠、廻り縁、鴨井等の建具ないしは造作部材。
(3)タンス、食器棚、厨房家具等の家具。
(4)自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の内装。
図1に本発明に係る部分装飾用化粧シート1の実施形態の一例を示す。図1に示す部分装飾用化粧シート1は、基材11と樹脂層12とを積層してなる第1シート10と、粘着層13と、剥離性基材シート14とを備えている。剥離性基材シート14は、部分装飾用化粧シート1を被着体20の被着面20sに貼り付ける際には剥離除去されるものであり、例えば被着体20に貼り付けられた状態の部分装飾用化粧シート1には存在しない構成である。そのため本発明の部分装飾用化粧シート1においては、剥離性基材シート14は必須の構成要素ではない。
基材11は、樹脂層12の形成に必要なベースとなる層である。基材11は、例えば、
紙を素材として用いてもよいし、樹脂シートを素材として用いてもよい。
樹脂層12は、基材11の表側の面に積層されており、複数の凹凸形状がその表面に形成されている。なお、理解を容易にするために、図1に示す樹脂層12は、単層として示しているが、樹脂層12は、異なる組成及び構造を備える複数の層により構成されていてもよい。樹脂層12の凹凸形状は、例えば、木材の導管を表現したり、布地の表面凹凸形状を表現したり、石材の凹凸形状を表現したりしてもよく、その形態(模様)はどのような形態であってもよい。
樹脂層12を形成する樹脂としては、例えば、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、スチレンブタジエン樹脂(スチレンブタジエンゴム)、ポリイソプレン、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、ポリノルボルネン、ポリブタジエン、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム(EVA)、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレンアクリルゴム、ポリエステルエラストマー、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、塩素化ポリエチレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン;ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、及びポリスチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。なお、上記例示した樹脂以外を用いてもよい。
上記例示のうち、使用後に廃棄する際の環境面を考慮するならば、オレフィン系樹脂であることが好ましい。セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、スチレンブタジエン樹脂(スチレンブタジエンゴム)、ポリイソプレン、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、ポリノルボルネン、ポリブタジエンなどであれば、焼却しても二酸化炭素と水となり、環境にやさしいからである。
また、図1で例示する本実施形態では、第1シート10は、樹脂層12上に基材11が直接積層されて構成されている例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、基材11と樹脂層12との間に、さらに別の層を設けてもよい。例えば、基材11と樹脂層12との間に、絵柄を印刷した印刷層(絵柄層)を設けて、樹脂層12の全部又は一部を透明な樹脂により構成してもよい。
粘着層13は、基材11の樹脂層12とは反対側(図1においては下側であり、これを基材11の裏面側とも呼称する)の面に積層されており、被着体20(図2参照)に対する粘着力を有する層である。粘着層13は、その両面に開口した複数の凹形状13aを備えている。また、粘着層13は、弾性を備えており、複数の凹形状13aがそれぞれ微細な吸盤として作用することから、様々な被着体20に対して粘着力(吸着力)を発揮することができる(図2(c)参照)。
粘着層13は、例えば、特許文献3(特開2017−36404号公報)に開示されている液状の樹脂組成物(アクリルエマルジョン)を用いて後述する製造方法により形成される。特に1液硬化型アクリル系樹脂を用いることが好ましい。1液硬化型であれば、2液硬化型の様に加温環境下で硬化が進み粘着力が高くなることにより剥がしにくくなる、剥がした際に糊残りが発生する、という問題が生じにくい。また2液硬化型の場合には、1液硬化型と比較して貼り付け後に粘着力が経時的に高まる度合いが大きく、月日の経過とともに剥がしにくくなるという問題が生じやすい。また、塗布後に硬化安定させるために、例えば40℃で3日間の養生が必要であるなど化粧シートとしての生産性が悪いという問題もある。それに対し1液硬化型であれば、貼り付け後に粘着力が経時的に高まる度合いが小さいため、月日の経過とともに剥がしにくくなるという問題は生じにくく、また養生も不要であるため、生産性が悪いという問題も回避することができる。またアクリル系樹脂であれば、廃棄時に焼却しても二酸化炭素と水しか排出しないため、環境面で有利である。
粘着層13の層厚tは、1μm以上、500μm以下であることが望ましい。上記層厚範囲の下限値を下回ると、凹形状の形成が困難になったり、凹形状の大きさが小さくなりすぎて、粘着(吸着)特性が低下したりする。また、上記層厚範囲の上限値を越えると、部分装飾用化粧シートの柔軟性が低下して、作業性が悪くなる。
さらに、粘着層13の両面に凹形状13aを均等に設けるためには、粘着層13の層厚tは、20μm≦t≦40μmの範囲とすることが望ましい。この点については、後述する。
粘着層13の凹形状13aの大きさや密度は、後述する製造工程における各種条件を変更することにより、調整可能である。例えば、粘着層13は、凹形状13aが含まれる程度を表す指標として、粘着層13の密度を用いることができる。この粘着層13の密度としては、特に限定されないが、例えば、0.1g/cm3以上、0.6g/cm3以下とすることができる。また、凹形状13aの大きさは、特に限定されないが、例えば、1μm以上、300μm以下とすることができる。
剥離性基材シート14は、粘着層13の基材11とは反対側(図1においては下側であり、これを粘着層13の裏面側とも呼称する)に積層されている。剥離性基材シート14は、部分装飾用化粧シート1を使用するまでの間の取扱性を考慮して設けられるものであり、部分装飾用化粧シート1の使用時、即ち被着体20上に部分装飾用化粧シート1を貼り合せる際に剥離される。剥離性基材シート14としては、従来公知の離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、セパ紙、剥離フィルム、剥離紙等の各種形態のものを適宜使用できる。例えば、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルム等の片面又は両面に離型層を形成したものを用いてもよい。離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のいずれもが使用できる。離型層を備えた離型フィルムを用いる場合には、例えば、シリコーン離型タイプのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、未処理PETフィルム、PPフィルム、シリコーン離型タイプの紙等を用いることができる。
剥離性基材シート14の厚さは、例えば、10μm以上、100μm以下とすることが望ましく、20μm以上、60μm以下とすることがさらに望ましい。上記層厚範囲の下限値を下回ると、コシがなく、剥離しづらくなる。また、上記層厚範囲の上限値を越えると、コシが強すぎて貼り付け時の作業性が低下するからである。
また、剥離性基材シート14としては、市販のものを使用してもよく、例えば、片面にシリコーン系剥離剤による易剥離処理が施されている厚さ38μmのポリエステルフィルム(三井化学東セロ株式会社製、商品名:SP−PET−01)等が挙げられる。
図2は、部分装飾用化粧シート1の使用時の形態を順次示す図である。
上述した部分装飾用化粧シート1は、図2(a)に示すように、剥離性基材シート14を備えている。部分装飾用化粧シート1を被着体20に貼り付けるときには、剥離性基材シート14を剥離する(図2(b))。そして、露出した粘着層13を被着体20に貼り付けて、その表面に適度な圧力を加えることにより、粘着層の露出面に多数存在する凹形状13aが弾性変形することにより従来のマイクロ吸盤と同様な作用によって被着体20に対して吸着(粘着)することとなる(図2(c))。
すなわち、凹形状13aの周囲の弾性変形によって、凹形状13aには、変形状態から元の形状に戻ろうとする力が働く。この力により、凹形状13a内の密閉空間が負圧となって、被着体20への吸着作用が生じる。なお、凹形状13a単体での吸着力は、弱いものであるが、多数の凹形状13aが形成されているので、全体としては必要な吸着力を確保できる。また、粘着層13の作製時に、凹形状13aが含まれる量を、例えば、密度をパラメータとして調整すれば、粘着層13の粘着力(吸着力)を調整可能である。
次に、部分装飾用化粧シート1の製造方法について説明する。
図3は、部分装飾用化粧シート1の製造装置を示す図である。
図4は、部分装飾用化粧シート1の製造方法を説明する図である。
部分装飾用化粧シート1の製造を行うためには、先ず、粘着層13を形成するための特許文献3に開示されているアクリルエマルジョンの組成物を攪拌機に入れ、この組成物中に窒素ガスを混合しながら攪拌を行い、組成物中に気泡を含め、気泡含有組成物130を作製する(図中のP1:泡立て工程)。
次に、剥離性基材シート14上に気泡含有組成物130を塗工する(図中のP2:塗工工程)。塗工工程では、例えば、コンマコータを用いることができるが、その他の公知の塗工手法を用いてもよい。
剥離性基材シート14上に気泡含有組成物130を塗工したら、気泡含有組成物130を加熱しながら乾燥させて粘着層13を形成する(図中のP3:乾燥工程)。乾燥工程では、例えば、温度を60℃〜140℃程度の乾燥炉を用いることができる。乾燥時間としては、例えば、30秒〜10分程度を例示することができる。また、乾燥工程では、気泡含有組成物130に対して送風を行いながら乾燥を促進してもよい。乾燥工程を行うことにより、気泡含有組成物130の両面に凹形状13aが形成されて、粘着層13が形成される。この凹形状13aは、気泡含有組成物130中に含まれていた気泡が破泡して気泡の形状の一部が残ることにより形成される。ここで、気泡含有組成物130の硬化が不十分な状態で気泡が破泡すると凹形状13aが残りにくくなる。一方、気泡が破泡する前に気泡含有組成物130が硬化してしまうと、凹形状13aが形成されないおそれがある。よって、ある程度、気泡含有組成物130の硬化が進んだ状態で破泡が行われる条件で乾燥工程が行われることが望ましい。したがって、乾燥工程における温度や送風量が、凹形状13aの状態に大きく影響を与える。
乾燥工程により粘着層13を形成した後、別途用意した基材11及び樹脂層12を備える第1シート10を粘着層13と接合させる(図中のP4:ラミネート工程)。このラミネート工程では、粘着層13の凹形状13aによる吸着力(粘着力)によってラミネートを行うので、加熱が不要であり、また、僅かな加圧力だけで接合が可能である。よって、第1シートを構成する基材11及び樹脂層12にダメージを与えることがない。
上記ラミネート工程が完了すれば、部分装飾用化粧シート1が完成する。
以上のように、本実施形態の部分装飾用化粧シート1の製造では、第1シートに粘着層13形成時の熱によるダメージを与えることなく、部分装飾用化粧シート1を効率よく製造可能である。なお、部分装飾用化粧シートは、その後、ロール状に巻き取ってもよいし、必要なサイズに裁断されてもよい。
次に、本実施形態の部分装飾用化粧シート1を実際に作製した例を示し、比較例と比較した結果を説明する。
実施例の部分装飾用化粧シート1では、剥離性基材シート14としての離型性を備えた2軸延伸PETフィルム上に、200μmのクリアランスを有するコンマコータを用いて泡立て工程済みの気泡含有組成物130を塗布した。これを100℃の乾燥炉内で1分間乾燥を行って粘着層13を形成し、第1シートをラミネートして実施例に係る部分装飾用化粧シート1を得た。
なお、実施例における粘着層13の密度は、0.39g/cm3であり、厚さ50μmであった。また、表面や断面を拡大して観察したところ、粘着層13には、多数の凹形状13aが形成されていることが確認できた。
比較例1として、泡立て工程を行わない他は、上記実施例と同様にして作製し、部分装飾用化粧シートを得た。作製後の粘着層の密度は、0.87g/cm3であり、厚さ100μmであった。
比較例2として、アクリル樹脂である綜研化学社製:SK2094を用いて粘着層を作製し、部分装飾用化粧シート(アクリル粘着Aタイプとする)を得た。
比較例3として、アクリル樹脂である綜研化学社製:SK1502Cを用いて粘着層を作製し、部分装飾用化粧シート(アクリル粘着Bタイプとする)を得た。
以上の4種類の部分装飾用化粧シートについて、剥離力を比較した。
図7は、実施例及び比較例の剥離力を示す図である。
図7中の剥離力は、引っ張り試験機を用いて、引っ張り速度300mm/minで180°剥離を行って、そのときの剥離力を測定した結果である。また、剥離力の測定は、貼り付け直後(0時間)と、貼り付け後1000時間経過後とについて行った。
実施例では、貼り付け直後及び1000時間経過後の双方において、比較的小さな剥離力で剥離できることがわかる。この程度の剥離力であれば、自然に剥がれてしまうことはなく、かつ、剥がそうとして力を加えれば簡単に剥がすことが可能である。しかも、凹形状13aによる吸着であることから、剥離後に被着体20表面に粘着層13の残留が無く、また、粘着層13自体の粘着力(剥離力)も実質上の変化はほとんどなく、再貼り付け可能であった。
また1000時間経過後であっても比較的小さな剥離力で剥離できるため、被着体20の被着面20sすなわち既存の壁紙の表面を破壊することなく剥離することができる。そのため、本発明に係る部分装飾用化粧シート1は、既存の壁紙上の一部領域に重ね貼りすることができ、かつ糊残りなく容易に剥がすことができる。また一度剥がした部分装飾用化粧シート1は、異なる位置などに再度の貼り付けが可能であるため、貼り付け位置を変更することにより、模様替えや気分転換に対応することができる。また既存の壁紙の表面を破壊することなく、かつ糊残りなく剥離することが可能であるため、既存の壁紙において、部分装飾用化粧シート1を貼っていたのと同じ位置に、別の部分装飾用化粧シート1を新たに貼り付けることも可能であるため、模様替えや気分転換に容易に対応することができる。
比較例1は、面積が小さい場合には比較的小さな剥離力で剥離できるが、面積が大きい場合には剥離にある程度の力が必要であった。また、剥離後には被着体表面に粘着層の残留が見られ、完全な再貼り付けは不可能であった。
比較例2は、面積が大きい場合は剥離にある程度の力が必要であり、貼り付け直後であれば、剥がすことは可能であるが、1000時間経過後では、剥離力が大幅に上昇しており、手作業では剥離が困難であったり、無理に剥がすと第1シートが破損したりするおそれがある状態になっていた。
比較例3は、貼り付け直後から剥離力が大きく、手作業では剥離が困難であったり、無理に剥がすと第1シートが破損したりするおそれがある状態になっていた。
また、比較例2及び比較例3のいずれも、剥離後は、被着体に粘着材が一部残ってしまったり、粘着力の低下があったりして、再貼り付けには適していなかった。
(粘着層13の凹形状13aについて検証実験)
上述したように、本発明において、粘着層13の凹形状13aが、粘着力に大きな影響を与える。凹形状13aが粘着層13の両面に均等に設けられていないと、粘着層の一方の面が他方の面に比べて粘着力(吸着力)が低下、又は、増加してしまうおそれがある。また、凹形状13aが粘着層13の両面に均等に設けられることにより、粘着層13の物理的性質も均質になり、第1シートと剥離性基材シート、又は、第1シートと被着体との両者に対する十分な粘着力及び被着体との再剥離性の発現の上でも好ましい。
凹形状13aを粘着層13の両面に均等に設けるためには、粘着層13の塗布量(層厚t)の管理が重要である。この点、特許文献3(特開2017−36404号公報)においては、何ら考慮されておらず、単にマイクロ吸盤が形成されていればよいとされている。特許文献3では、WET膜厚800μmとして形成した実施例1の断面写真である特許文献3の図2において、マイクロ吸盤を有する面として示されている部分には、微細な吸盤構造が形成されているものの、ガラス基板から剥離した面として示されている部分には、先の微細な吸盤構造とは比べものにならない程巨大な気泡と思われる構成が確認できる。すなわち、特許文献3の構成では、粘着層の一方の面にはマイクロ吸盤(本実施形態における凹形状13aに相当)が形成されているが、他方の面には、マイクロ吸盤(凹形状13a)が略形成されていない。
この点を本件出願人においても、検証実験を行なった。
検証実験として、4種類の粘着層のサンプルを作製し、その両面の凹形状13aをSEMで観察した。サンプルは、以下の4種類である。
サンプル1:粘着層の層厚t=25μm
サンプル2:粘着層の層厚t=30μm
サンプル3:粘着層の層厚t=35μm
サンプル4:粘着層の層厚t≒2000μm
なお、上記サンプルにおける粘着層の層厚は、乾燥後の層厚である。また、サンプル1からサンプル3については、コーターを用いてガラス面に泡立て処理後の気泡含有組成物を塗工し、100℃の乾燥炉を用いて乾燥処理を行なった。サンプル4については、ガラス面への滴下塗布とし、常温下の自然乾燥とした。なお、サンプル4について乾燥条件を変えたのは、特許文献3における常温乾燥で十分であるとの記載についても検証するためである。また、いずれのサンプルも、泡立て処理後の粘着層の密度は、0.4g/cm3とした。
粘着層の層厚tを管理したサンプル1からサンプル3については、微細な凹形状13aが両面に均等に形成されていることが確認できた。
これに対して、膜厚が厚いサンプル4では、乾燥面とガラス側の面とで凹形状13aの大きさに極端な差異が認められ、特許文献3の図2と同様な結果が得られた。
よって、粘着層13の両面に凹形状13aを均等に設けるためには、粘着層13の層厚tは、20μm≦t≦40μmの範囲とすることが望ましいと判断できる。
ここで、この凹形状13aが粘着層13の両面に均等に設けられている状態について、より詳しくは、以下に示すような関係を満たすことが望ましい。
第1シート側の面に開口する凹形状13aの各開口部の直径の平均値をDave 1とし、剥離性基材シート側の面に開口する凹形状13aの各開口部の直径の平均値をDave 2としたときに、
|Dave 1−Dave 2|/Dave 2≦0.5
の関係を満たすことが望ましい。また、
|Dave 1−Dave 2|/Dave 2≦0.25
の関係を満たすことがさらに望ましい。
これらの関係を満たすことにより、粘着層の両面における粘着力の差異を少なくすることができ、また、第1シートと剥離性基材シート、又は、第1シートと被着体との両者に対する十分な粘着力及び被着体との再剥離性を良好に発現させることができる。
なお、各開口部の直径の平均値とは、全ての開口部の平均を求めることは現実的には不可能であるので、ここでは、1500μm×1100μmの観察範囲内において、直径が大きい開口部から順に3個の開口部について直径の計測を行ない、その平均値とした。
ここで、サンプル1からサンプル4について、開口部の計測を行ない、|Dave 1−Dave 2|/Dave 2 を求めたところ、サンプル1:0.04、サンプル2:0.06、サンプル3:0.12、サンプル4:0.69であった。
ところで本発明は部分装飾用化粧シート1に係る発明であり、部分装飾用化粧シート1は、被着体20の被着面20sの一部領域のみを被覆するものである。そのため、部分装飾用化粧シート1が被着面20sを被覆する領域は、通常の壁面全面(被着面20s全面)の領域より狭い領域となる。そうすると被着面20sにおいて、部分装飾用化粧シート1の平面視上の外形形状が現れることとなる。通常は、第1シート10には印刷層などにより意匠(絵柄)が施されているため、貼り付け時において部分装飾用化粧シート1の平面視上の外形形状が例えば長方形のような平凡な形状であったとしても、部分装飾用化粧シート1として、装飾としての効果を奏することは言うまでもない。
部分装飾用化粧シート1からその一部を分離して、個片化された部分装飾用化粧シート1pとして、それを貼り付け対象とする場合もある。そして部分装飾用化粧シート1(個片化された部分装飾用化粧シート1p)の平面視上の外形形状が、外形形状自体として意匠性を有するものであることが好ましい。外形形状自体として意匠性を有する形状としては、三角形、四角形、五角形、六角形、その他多角形、円、楕円、星型、ハート型、しずく型(雨粒型)などの図形や、人、動物、草花などの動植物の概形、山、川、滝、雲、稲妻、日月星辰など自然物の概形、飛行機、自動車、船、家、ビル、タワー、橋などの人工物の概形、などを例示することができる。これらの場合には第1シート10の意匠(絵柄)は単色無地の様に、絵柄として意匠性に乏しいものであっても良い。貼り付けられた部分装飾用化粧シート1(1p)の外形形状自体が意匠性を持つからである。例えば円の様な簡単な図形で、かつそれが単色であったとしても、水色なら船、潜水艦や宇宙船の窓などを想起させ、オレンジ色なら太陽を、黄色なら月を想起させるなど意匠性を有するということができる。もちろん上記例示以外の形状であっても構わない。
このように、部分装飾用化粧シート1(1p)の平面視上の外形形状が、外形形状自体として意匠性を有するものである場合には、第1シート10に施された意匠(絵柄)そのものによる意匠性に加え、外形形状による意匠性が追加され、一層豊かな意匠性を発揮することができる。また、本発明に係る部分装飾用化粧シート1が、被着面20sの一部領域のみを被覆する「部分装飾用」であることの利点を一層発揮することができる。
上記の通り、部分装飾用化粧シート1の平面視上の外形形状が、外形形状自体として意匠性を有するものであることが好ましい旨を説明した。また上述の通り、部分装飾用化粧シート1は、貼り付け前の状態では通常、粘着層13に対し第1シート10を有する面側とは反対の面側に剥離性基材シート14を有するものである。これらに関連して、図6に示す通り、部分装飾用化粧シート1の第1シート10および粘着層13に、被着面20sに貼り付ける際の部分装飾用化粧シート1の外形形状を画定する易切断部eが形成されていることが好ましい。
あらかじめ意匠性を有する外形形状通りに易切断部eを設けておけば、意匠性を有する外形形状に部分装飾用化粧シート1を切出して個片化する(すなわち個片化された部分装飾用化粧シート1pとする)際に、その易切断部eに従い第1シート10および粘着層13を容易に切断し、剥離性基材シート14から意匠性を有する外形形状を有する部分装飾用化粧シート1(1p)を容易に分離することができる(図6参照)。そして分離され、個片化された意匠性を有する外形形状を有する部分装飾用化粧シート1(1p)は、粘着層13が露出した状態であるため、被着体20の被着面20sに容易に貼り付けることができる。
易切断部eは、通常はハーフカット線であり、ハーフカット線は連続的であってもミシン目状などの様に断続的であって良い。積層方向におけるハーフカット線は、第1シート10および粘着層13はカットされており、剥離性基材シート14はカットされていない。そのためハーフカット線による易切断部eがあったとしても、剥離性基材シート14が存在するため、易切断部eで画定された部分が部分装飾用化粧シート1から意図せず分離してしまうことはない。
ハーフカット線は、印刷機においては刃型を有する印刷版などで、また刃型をプレスすることなどで、あるいはレーザービームの照射などにより形成することができる。
〔部分装飾用化粧シートの施工方法〕
次に本発明に係る部分装飾用化粧シート1の施工方法について説明する。本発明に係る部分装飾用化粧シート1の施工方法は、化粧対象物(壁材22)の被化粧面22sに、部分装飾用化粧シート1を積層する部分装飾用化粧シート1の施工方法であって、化粧対象物(壁材22)の被化粧面22sには既存化粧シート21が接着されており、部分装飾用化粧シート1は、第1シート10と、第1シート10の一方の面側(図1においては同図の下側の面)に粘着層13を有し、粘着層13は、その両面に複数の凹形状13aを有し、既存化粧シート21の表面(20s)の一部領域のみを被覆する様に、第1シート10を粘着層13を介して貼り付け積層する貼り付け工程を有する、部分装飾用化粧シート1の施工方法である。
図7を用いて説明すると、壁材22と、壁材22の被化粧面22sに接着された既存化粧シート21を含む被着体20の表面(被着体の被着面20s)の一部領域のみを被覆する様に、第1シート10を粘着層13を介して貼り付け積層する(すなわち部分装飾用化粧シート1を貼り付け積層する)貼り付け工程を有する、部分装飾用化粧シート1の施工方法である。図7において、部分装飾用化粧シート1は被着体の被着面20sの一部領域のみを被覆している。そして、部分装飾用化粧シート1が、第1シート10と、第1シート10の一方の面側に粘着層13を有し、粘着層13は、その両面に複数の凹形状13aを有する点については、上記、部分装飾用化粧シート1にてすでに説明した通りである。
上記部分装飾用化粧シート1の施工方法で貼り付けられた部分装飾用化粧シート1は、上述の通り、比較的小さな剥離力を呈し、自然に剥がれてしまうことはなく、かつ、剥がそうとして力を加えれば簡単に剥がすことが可能である。しかも、凹形状13aによる吸着であることから、剥離後に既存化粧シート21表面に粘着層13の残留が無く、また、粘着層13自体の粘着力(剥離力)も実質上の変化はほとんどなく、再貼り付け可能である。
また、貼り付け後、相当時間経過後であっても比較的小さな剥離力で剥離できるため、既存化粧シート21の表面20sを破壊することなく剥離することができる。そのため、本発明に係る部分装飾用化粧シート1の施工方法によれば、既存の壁紙上の一部領域に重ね貼りすることができ、かつ糊残りなく容易に剥がすことができる。また一度剥がした部分装飾用化粧シート1は、異なる位置などに再度の貼り付けが可能であるため、貼り付け位置を変更することにより、模様替えや気分転換に対応することができる。また既存の壁紙の表面を破壊することなく、かつ糊残りなく剥離することが可能であるため、既存の壁紙において、部分装飾用化粧シート1を貼っていたのと同じ位置に、別の部分装飾用化粧シート1を新たに貼り付けることも可能であるため、模様替えや気分転換に容易に対応することができる。
上記部分装飾用化粧シート1の施工方法においては、部分装飾用化粧シート1からその一部を分離して、貼り付け対象となる個片化された部分装飾用化粧シート1pとする分離工程をさらに有することが好ましい。部分装飾用化粧シート1が巻取り状の場合や、長方形のシート状である場合であっても、貼り付け対象となる個片化された部分装飾用化粧シート1pについて、その平面視上の外形形状を外形形状自体として意匠性を有するものとすることができるからである。入手時点において、部分装飾用化粧シート1がすでに平面視上の外形形状を外形形状自体として意匠性を有するものである場合などは、上記分離工程はなくても良い。
分離工程を有する場合には、部分装飾用化粧シート1(1p)の平面視上の外形形状を外形形状自体として意匠性を有するものとすることができるため、第1シート10に施された意匠(絵柄)そのものによる意匠性に加え、外形形状による意匠性が追加され、一層豊かな意匠性を発揮することができる。また、本発明に係る部分装飾用化粧シート1の施工方法の施工対象である部分装飾用化粧シート1が、被着面20sの一部領域のみを被覆する「部分装飾用」であることの利点を一層発揮することができる。
〔既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体〕
本発明に係る、既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体40は、既存化粧シート21と部分装飾用化粧シート1の積層体であって、既存化粧シート21は、化粧対象物(壁材22)の被化粧面22sに接着されており、部分装飾用化粧シート1(1p)は、第1シート10と、第1シート10の一方の面側に粘着層13を有し、既存化粧シート21の表面(20s)の一部領域のみを被覆するものであり、粘着層13は、その両面に複数の凹形状13aを有する、既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体40である。
図7を用いて説明すると、既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体40は、壁材22(化粧対象物)の被化粧面22sに既存化粧シート21が接着されており、既存化粧シート21の表面(20s)の一部領域のみを被覆するように、第1シート10と粘着層13を有する部分装飾用化粧シート1(1p)が積層されたものである。図7において、部分装飾用化粧シート1(1p)は既存化粧シート21の表面(20s)の一部領域のみを被覆している。そして、部分装飾用化粧シート1(1p)が、第1シート10と、第1シート10の一方の面側に粘着層13を有し、粘着層13は、その両面に複数の凹形状13aを有する点については、上記、部分装飾用化粧シート1にてすでに説明した通りである。
本発明に係る既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体40においては、既存化粧シート21の表面20sと部分装飾用化粧シート1との粘着力(剥離力)に関し、部分装飾用化粧シート1の説明において上述した通りである。すなわち、既存化粧シートの表面20sに対し、部分装飾用化粧シート1は、比較的小さな剥離力を呈し、自然に剥がれてしまうことはなく、かつ、剥がそうとして力を加えれば簡単に剥がすことが可能である。しかも、凹形状13aによる吸着であることから、剥離後に既存化粧シート21の表面20sに粘着層13の残留が無く、また、粘着層13自体の粘着力(剥離力)も実質上の変化はほとんどなく、再貼り付け可能である。
また、貼り付け後、相当時間経過後であっても比較的小さな剥離力で剥離できるため、既存化粧シート21の表面20sを破壊することなく剥離することができる。そのため、本発明に係る既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体40においては、部分装飾用化粧シート1は、既存の壁紙上の一部領域に重ね貼りすることができ、かつ糊残りなく容易に剥がすことができる。また一度剥がした部分装飾用化粧シート1は、異なる位置などに再度の貼り付けが可能であるため、貼り付け位置を変更することにより、模様替えや気分転換に対応することができる。また既存の壁紙の表面を破壊することなく、かつ糊残りなく剥離することが可能であるため、既存の壁紙において、部分装飾用化粧シート1を貼っていたのと同じ位置に、別の部分装飾用化粧シート1を新たに貼り付けることも可能であるため、模様替えや気分転換に容易に対応することができる。
すなわち、本発明に係る既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体40は、模様替えや気分転換に容易に対応することができるものである。
本発明に係る、既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体40においては、既存化粧シート21、部分装飾用化粧シート1ともオレフィン系樹脂からなることが好ましい。すなわち、既存化粧シート21、および部分装飾用化粧シート1に係る第1シート10、粘着層13のいずれもがオレフィン系樹脂からなることが好ましい。既存化粧シート21、および部分装飾用化粧シート1のいずれを廃棄する場合であっても、焼却時に二酸化炭素と水しか排出しないため、環境面で有利である。また部分装飾用化粧シート1に適用した場合には、軽量であるため、重力により剥がれるようなことが起こりにくい。
以上、本発明に係る部分装飾用化粧シート、部分装飾用化粧シートの施工方法、および既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体について、実施形態を示しながら各説明してきた。しかし本発明は、上記実施形態、あるいはその説明に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明に係る部分装飾用化粧シートなどは、第1シート10に施された意匠(絵柄)、および部分装飾用化粧シートの平面視上の外観形状のため、高い意匠性を有するものである。また。適度に小さな剥離力で剥離できるため被着体の被着面を破壊することなく剥離することでき、また一度剥離した部分装飾用化粧シートは再度貼り付けが可能である。このような部分装飾用化粧シートは、既存の壁紙などの表面に重ね貼りすることのできるアクセントクロスなどとして、住宅や建築物の内装、あるいは自動車や鉄道車両などの輸送機器における内装などに好適に用いることができる。
1 部分装飾用化粧シート
1p 個片化された部分装飾用化粧シート
10 第1シート
11 基材
12 樹脂層
13 粘着層
13a 凹形状
13s 粘着層の表面
13r 粘着層の裏面
14 剥離性基材シート
20 被着体
20s 被着体の被着面
21 既存化粧シート
22 壁材
40 既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体
130 気泡含有組成物
e 易切断部

Claims (12)

  1. 被着体の被着面に部分的に貼り付けされる部分装飾用化粧シートであって、
    前記部分装飾用化粧シートは、第1シートと、前記第1シートの一方の面側に粘着層を有し、前記被着体の前記被着面の一部領域のみを被覆するものであり、
    前記粘着層は、その両面に複数の凹形状を有する、部分装飾用化粧シート。
  2. 前記粘着層は、1液硬化型アクリル系樹脂からなる請求項1に記載の部分装飾用化粧シート。
  3. 前記部分装飾用化粧シートの平面視上の外形形状は、外形形状として意匠性を有する請求項1または請求項2のいずれかに記載の部分装飾用化粧シート。
  4. 前記粘着層の一方の面に開口する前記凹形状の各開口部の直径の平均値をDave 1とし、前記粘着層の他方の面に開口する前記凹形状の各開口部の直径の平均値をDave 2としたときに、
    |Dave 1−Dave 2|/Dave 2≦0.5
    の関係を満たす請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の部分装飾用化粧シート。
  5. 前記粘着層は、前記第1シートを有する面側とは反対の面側に剥離性基材シートを有し、
    前記第1シートおよび前記粘着層に、貼り付ける際の前記部分装飾用化粧シートの外形形状を画定する易切断部が形成されている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の部分装飾用化粧シート。
  6. 化粧対象物の被化粧面に、部分装飾用化粧シートを積層する部分装飾用化粧シートの施工方法であって、
    前記化粧対象物の前記被化粧面には既存化粧シートが接着されており、
    前記部分装飾用化粧シートは、第1シートと、前記第1シートの一方の面側に粘着層を有し、
    前記粘着層は、その両面に複数の凹形状を有し、
    前記既存化粧シートの表面の一部領域のみを被覆する様に、前記第1シートを前記粘着層を介して貼り付け積層する貼り付け工程を有する、部分装飾用化粧シートの施工方法。
  7. 前記部分装飾用化粧シートからその一部を分離して、貼り付け対象となる個片化された部分装飾用化粧シートとする分離工程をさらに有する請求項6に記載の部分装飾用化粧シートの施工方法。
  8. 前記粘着層の一方の面に開口する前記凹形状の各開口部の直径の平均値をDave 1とし、前記粘着層の他方の面に開口する前記凹形状の各開口部の直径の平均値をDave 2としたときに、
    |Dave 1−Dave 2|/Dave 2≦0.5
    の関係を満たす請求項6または請求項7のいずれかに記載の部分装飾用化粧シートの施工方法。
  9. 既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体であって、
    前記既存化粧シートは、化粧対象物の被化粧面に接着されており、
    前記部分装飾用化粧シートは、第1シートと、前記第1シートの一方の面側に粘着層を有し、前記既存化粧シートの表面の一部領域のみを被覆するものであり、
    前記粘着層は、その両面に複数の凹形状を有する、既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体。
  10. 前記既存化粧シート、前記部分装飾用化粧シートともオレフィン系樹脂からなる請求項9に記載の既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体。
  11. 前記部分装飾用化粧シートの平面視上の外形形状は、外形形状として意匠性を有する請求項9または請求項10のいずれかに記載の既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体。
  12. 前記粘着層の一方の面に開口する前記凹形状の各開口部の直径の平均値をDave 1とし、前記粘着層の他方の面に開口する前記凹形状の各開口部の直径の平均値をDave 2としたときに、
    |Dave 1−Dave 2|/Dave 2≦0.5
    の関係を満たす請求項9〜請求項11のいずれか一項に記載の既存化粧シートと部分装飾用化粧シートの積層体。
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