JP2020163570A - 積層体 - Google Patents

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【課題】本発明は、低コストで高度なガスバリア性と耐湿熱性を有する積層体を提供する。【解決手段】本発明は、高分子基材の少なくとも一方の面の側に、無機化合物層、シリコーン層、及びケイ素化合物層をこの順に有する、積層体である。【選択図】図1

Description

本発明は、高ガスバリア性、高透明性が必要とされる包装分野に用いられ、例えば、食品、医薬品の包装用フィルムとして使用される積層体に関する。
従来から、高分子基材の表面に、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム等の無機物(無機酸化物を含む)を使用し、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法(PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(CVD法)等を利用して、その無機物の蒸着膜を形成してなる積層体は、水蒸気や酸素などの各種ガスの遮断を必要とする食品、医薬品および工業用品等の種々の物品を包装するために用いられている。
包装用蒸着フィルムのガスバリア性向上のため、蒸着膜形成後の蒸着膜表面を処理する種々の方法が用いられている。例えば、高分子基材上にPVD法あるいはCVD法により金属酸化物層を形成し、その上に無機・有機ハイブリッドポリマー層を積層する方法がある(例えば、特許文献1)。また、高分子基材上に酸化アルミニウムまたは酸化珪素を形成し、その上にアクリル系重合物からなるガスバリア性被膜層を真空中において順次積層する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2002-46208号公報 特開2007-30184号公報
しかしながら、上述のような金属酸化物層の表面にハイブリッドポリマーを形成する方法は、金属酸化物層を蒸着機で形成する蒸着工程とハイブリッドポリマー層を塗工装置で形成するコート工程の2つの工程に分けて製造する必要があり、製造工程増加に伴うコスト増加が課題となっていた。また、真空中で無機化合物層とアクリル系重合物からなるガスバリア性被膜層を順次積層する積層体は、ガスバリア性被膜層の膜質、膜構造を安定的に制御することが困難であり、例えば温度135℃、湿度90%以上の過酷な湿熱環境では、ガスバリア性の悪化や、ガスバリア層が変質するなど問題があった。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、低コストで高度なガスバリア性と優れた耐湿熱性を有する積層体を提供するものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、以下である。
(1) 高分子基材の少なくとも一方の面の側に、無機化合物層、シリコーン層、及びケイ素化合物層をこの順に有する、積層体。
本発明は、酸素ガス、水蒸気等に対する高ガスバリア性と耐湿熱性を有する積層体であるから、例えば、食品、医薬品および工業用品等の種々の物品を包装するために有用な積層体として用いることができる。
本発明の積層体の一例を示した平面図、断面図である。 本発明の積層体を製造するための巻き取り式真空蒸着装置を模式的に示す概略図である。
[積層体]
本発明の積層体は、高分子基材の少なくとも一方の面の側に、無機化合物層、シリコーン層、及びケイ素化合物層をこの順に有する、積層体である。
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。図1に本発明の積層体の一例の断面図を示す。本発明における積層体は、図1に示すように、高分子基材1の表面に、無機物からなる無機化合物層2とシリコーン層3とケイ素化合物層4とを、この順に順次積層したものである。なお、図1においては、高分子基材と無機化合物層が他の層を介することなく接しており、無機化合物層とシリコーン層が他の層を介することなく接しており、シリコーン層とケイ素化合物層が他の層を介することなく接している態様を示しているが、本発明においては、高分子基材の少なくとも一方の面の側に、無機化合物層、シリコーン層、及びケイ素化合物層をこの順に有しさえすれば、高分子基材と無機化合物層の間、無機化合物層とシリコーン層の間、シリコーン層とケイ素化合物層の間に他の層が存在していても構わない。
本発明の積層体は、無機化合物層の上にシリコーン層とケイ素化合物層を積層することによって、シリコーン層とケイ素化合物層が無機化合物層表面への水や酸素の付着を抑制し、高度な耐湿熱性を有するものとなる。
本発明において、FT−IR分析とは、対象物に赤外線を照射し、透過また反射して得られる赤外吸収スペクトルから、分子の構造や官能基を把握することが可能な分析である。分析方法、手順の詳細は、実施例に示す通りである。
本発明において、波数1030cm-1から1130cm-1の範囲に存在する最大強度を有するピークとは、シリコーン層とケイ素化合物層に含まれるシロキサン結合(Si−O−Si結合)に帰属する吸収ピークである。さらに波数1240cm-1から1280cm-1の範囲に存在する最大強度を有するピークとは、シリコーン層とケイ素化合物層に含まれるトリメチルシリル基(SiCH)由来のSi−C結合に帰属する吸収ピークである。すなわち、これら2つのピークの強度比の変化からシリコーン層の存在と結合状態を把握することができる。
本発明は、積層体のケイ素化合物層の側から測定した、FT−IR分析で得られる波数1030cm-1から1130cm-1の範囲に存在する最大強度を有するピークの強度Aと、波数1240cm-1から1280cm-1の範囲に存在する最大強度を有するピークの強度Bの強度比(強度A/強度B)が、2.0以上10.0以下であることが好ましい。強度比(強度A/強度B)が2.0以上であることにより、シリコーン層とケイ素化合物層にはSi−C結合よりも結合エネルギーが高いSi−O−Si結合の含有比率が大きくなるため、無機化合物層表面への水や酸素の付着を抑制でき、耐湿性を向上することができる。強度A/強度Bが2.0未満である場合は、シリコーン層とケイ素化合物層全体の結合が弱くなるため、温度135℃、湿度90%RHの過酷な環境下では層が破壊され、高度な耐湿性は得られないことがある。また、波数1240cm-1から1280cm-1の範囲にピークが存在しない場合は、有機成分であるSiCHを含有しないシリコーン層となるため、柔軟性が損なわれ、ケイ素化合物層にクラックや割れなどの欠点が発生しやすく、耐湿性を悪化させる原因となることがある。なお、シリコーン層に含まれるSiCH由来のSi−C結合を完全に除去することは難しく、微量残留するため、強度A/強度Bの上限は10.0以下となる。従って、強度A/強度Bの下限は2.0以上であり、3.0以上が好ましく、上限は10.0以下であり、5.0以下が好ましい。
ここで、高分子基材、無機化合物層にケイ素を含有する場合は、積層体のケイ素化合物層の側から測定した、FT−IR分析で得られるスペクトルから、シリコーン層とケイ素化合物層を除去した積層体の無機化合物層の側から測定した、FT−IR分析で得られるスペクトルを差し引いた、両者の差スペクトルを使用することで、前述の強度Aや強度Bを求めることができる。
なお、高分子基材、無機化合物層へのケイ素の含有は、無機化合物層の表面から高分子基材の1/2の厚みまでのX線光電子分光法(XPS)分析による組成デプスプロファイルから判断することができる。まず、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により積層体全体の厚みを測定した後、ケイ素化合物層の側からアルゴンイオンエッチングまたは薬液処理により、シリコーン層とケイ素化合物層を除去する。次に無機化合物層の表面からアルゴンイオンを用いて、1回のエッチングあたり厚み約2nmを除去し、XPS分析によりエッチング後の表面を組成分析する。これを高分子基材の1/2の厚みまで繰り返し、組成デプスプロファイルを得る。XPS分析で得られた元素組成比において、1回でもケイ素原子の原子濃度が全体の1.0atom%以上と検出された場合に高分子基材、無機化合物層にケイ素が含有していると判断する。
また、本発明はガスバリア性や耐湿熱性が損なわれない範囲であれば、高分子基材と無機化合物層の間や無機化合物層とシリコーン層の間に有機化合物からなる樹脂層や無機化合物からなる層が形成されても良いが、より優れた耐湿熱性とより安価な製造コストにするためには、高分子基材と前記無機化合物層が他の層を介することなく接しており、前記無機化合物層と前記シリコーン層が他の層を介することなく接しており、前記シリコーン層と前記ケイ素化合物層が他の層を介することなく接していることが好ましい。
[高分子基材]
本発明に用いられる高分子基材は、柔軟性を確保する観点からフィルム形態を有することが好ましい。フィルムの構成としては、単層フィルム、または2層以上の、例えば、共押し出し法で製膜したフィルムであってもよい。フィルムの種類としては、一軸方向あるいは二軸方向に延伸されたフィルム等を使用してもよい。
本発明に用いられる高分子基材の素材は特に限定されないが、有機高分子を主たる構成成分とするものであることが好ましい。本発明に好適に用いることができる有機高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の結晶性ポリオレフィン、環状構造を有する非晶性環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体等のケン化物、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール等の各種ポリマーなどを挙げることができる。これらの中でも、透明性や汎用性、機械特性に優れた非晶性環状ポリオレフィンまたはポリエチレンテレフタレートを含むことが好ましい。また、前記有機高分子は、単独重合体、共重合体のいずれでもよいし、有機高分子として1種類のみを用いてもよいし、複数種類をブレンドして用いてもよい。
高分子基材の無機化合物層を形成する側の表面には、密着性や平滑性を良くするためにコロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理、イオンボンバード処理、溶剤処理、有機物もしくは無機物またはそれらの混合物で構成されるアンダーコート層の形成処理等の前処理が施されていてもよい。また、無機化合物層を形成する側の反対側には、フィルムの巻き取り時の滑り性の向上を目的として、有機物や無機物あるいはこれらの混合物のコーティング層が積層されていてもよい。
本発明に使用する高分子基材の厚みは特に限定されないが、柔軟性を確保する観点から500μm以下が好ましく、引張りや衝撃に対する強度を確保する観点から1μm以上が好ましい。さらに、フィルムの加工やハンドリングの容易性から高分子基材の厚みは5μm以上、200μm以下がより好ましい。さらに、耐屈曲性が優れる高分子基材の厚みとして、10μm以上、30μm以下がより好ましい。
[無機化合物層]
本発明における無機化合物層は、無機化合物を含む層であり、高分子基材とシリコーン層の間に配置される層である。無機化合物層中の無機化合物の材質としては、特に限定されないが、Al、Zn、Sn、Ni、Cr、Fe、Cu、Mg、Ti、Si、及びこれら金属の酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましく、これら金属の合金、酸化物、窒化物、酸窒化物、硫化物、または、それらの混合物でも構わない。これらの中でも、高いガスバリア性を有する観点から、AlおよびAlの酸化物、窒化物、酸窒化物が好ましく用いられる。
高分子基材上に無機化合物層を形成する方法は特に限定されず、例えば、Al等の金属等を使用し、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって、形成することができる。好ましくは真空蒸着法である。上記において、蒸着原料の加熱方式としては、例えば、エレクトロンビーム(EB)方式、高周波誘導加熱方式、抵抗加熱方式等が用いられる。
本発明に使用する無機化合物層の厚さは特に限定されないが、無機化合物層のガスバリア性が発現する厚さとして5〜300nmが好ましく、より好ましくは、5〜50nmである。無機化合物層の厚みは、通常は透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定することが可能である。
[シリコーン層]
本発明においてシリコーン層とは、シリコーンを含む層であり、無機化合物層とケイ素化合物層の間に配置される層である。
ここでシリコーンとは、シロキサン結合(Si−O−Si)を主鎖とし、側鎖又は末端にメチル基を有する化合物を意味する。なお、側鎖、末端の一部にアミノ基、シラノール基、ポリエーテル基、エポキシ基、カルボキシル基、カルビノール基、アルキル基、フェニル基など、少なくとも1つの有機基を変性しても構わない。これらの中でも、耐湿熱性の観点からシリコーン層は、シラノール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、及び、ポリエーテル変性シリコーンからなる群より選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましく、シリコーン層の上に形成するケイ素化合物層との密着性が良好なシラノール変性シリコーンを含むことがより好ましい。
本発明のシリコーン層は、無機化合物層の耐湿性を向上させる観点から、XRF分析で測定されるケイ素(Si)原子の検出量が0.005μg/cm〜0.2μg/cmであることが好ましく、さらにはケイ素(Si)原子の検出量が0.01μg/cm〜0.5μg/cmであることが好ましい。
また、本発明に使用するシリコーン層の厚さは特に限定されないが、シリコーン層の耐湿熱性が発現する厚さとして0.1〜50nmが好ましく、より好ましくは、1〜10nmである。シリコーン層の厚みは、通常はTEMによる断面観察により測定することが可能である。なお、シリコーン層の厚みが3nm以下の場合、TEMによる断面観察では不鮮明となり、測定が困難となる場合がある。この場合、無機化合物層の上にケイ素化合物層が形成されているかどうかは、上述したFT−IR分析により確認することができる。
[ケイ素化合物層]
次に、ケイ素化合物層について詳細を説明する。本発明におけるケイ素化合物層は、ケイ素化合物を含む層であり、積層体中でシリコーン層よりも外側に配置される層である。ケイ素化合物層は、ケイ素化合物を含みさえすれば、その層が他に何を含んでいてもかまわない。
なお、ケイ素化合物層中のケイ素化合物としてはシリコーンが選択されるケースもあるが、その場合でも少なくともシリコーン層とケイ素化合物層とは、積層体中で配置される場所が異なる。つまりケイ素化合物層がシリコーンを含む場合、組成的な面ではシリコーン層とケイ素化合物層は区別できないが、シリコーン層は、無機化合物層とケイ素化合物層の間に配置される層であるのに対して、ケイ素化合物層は、積層体中でシリコーン層よりも外側に配置される層である。
ケイ素化合物層中のケイ素化合物としては、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素炭化物、ケイ素酸窒化物または、それらの混合物などをあげることができる。特に、ケイ素化合物層が、酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、及び酸窒化ケイ素からなる群より選択される少なくとも1つのケイ素化合物を含むことが好ましい。なお、ケイ素酸化物層に含まれる成分はケイ素(Si)に限定されず、例えば、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)等から形成された金属や金属酸化物を含んでも構わない。
ケイ素化合物層中のケイ素化合物の含有量は、ケイ素化合物層全体を100質量%としたときに50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。なお、本発明におけるケイ素化合物は、X線光電子分光法、ICP発光分光分析、ラザフォード後方散乱法等により成分を特定された各元素の組成比が整数で表される組成式を有する化合物として扱う。たとえば、二酸化ケイ素(SiO)は、生成時の条件によって、左記組成式のケイ素と酸素の組成比率から若干ずれたもの(SiO〜SiO)が生成することがあるが、そのような場合でも、SiOとして扱い上記の質量含有量を算出するものとする。
本発明の積層体は、無機化合物層、シリコーン層、及びケイ素化合物層を高分子基材の少なくとも一方の面の側からこの順に配することで、より優れた耐湿熱性を有する積層体となる。本発明の積層体においてケイ素化合物層を適用することにより耐湿熱性が良好となる理由は、以下の(i)、(ii)、のように推定している。
(i)シリコーン層よりも多くSi−O−Si結合を含有するケイ素化合物層がシリコーン層上に積層されることで、より水や酸素の遮断性が向上し、無機化合物層への付着抑制できる。
(ii)シリコーン層がSi−O−Si結合とSiCH由来のメチル基である有機基を含有する柔軟な層であるため、温度135℃、湿度90%以上の過酷な湿熱環境でも基材の寸法変化に追従し、ケイ素化合物層への欠陥やクラックの発生を抑制し、より高度な耐湿熱性を維持できると推定している。
ケイ素化合物層の厚みは、耐湿熱性が発現する厚みとして、1nm以上、100nm以下がより好ましく、より好ましくは3nm以上50nm以下である。ケイ素化合物層の厚みは、TEMによる断面観察により測定することが可能である。
ケイ素化合物層の組成は、XPS法で得ることができる。ケイ素化合物層の上に無機層や樹脂層が積層されている場合、TEMによる断面観察により測定された無機層や樹脂層の厚み分をイオンエッチングや薬液処理により除去した後、上述した方法で分析することとする。
ケイ素化合物層は、X線光電子分光法(XPS法)により測定されるケイ素(Si)原子濃度が25〜45atom%、酸素(O)原子濃度が55〜75atom%であることが好ましい。ここで記したケイ素化合物層のケイ素(Si)原子及び酸素(O)原子の原子濃度は、ケイ素化合物層の厚みが1/2となる位置において、XPS法で測定される各元素の原子濃度比率である。
ケイ素化合物層の内部に欠陥が少なく、酸素や水の遮断性が良い緻密膜となる組成として、ケイ素(Si)原子濃度が28〜40atom%、酸素(O)原子濃度が60〜72atom%であることがより好ましく、さらにはケイ素(Si)原子濃度が30〜35atom%、酸素(O)原子濃度が65〜70atom%であることがより好ましい。
[製造方法]
本発明の積層体の製造方法について、以下に詳細を説明する。
本発明の積層体の製造方法は特に限定されないが、例えば、以下の工程1〜5をこの順に有する方法により作製される。
工程1:高分子基材を巻き出す工程。
工程2:前記高分子基材の少なくとも一方の面の側に、無機化合物層を形成する工程。
工程3:前記高分子基材の前記無機化合物層を形成した側に、シリコーン層を形成する工程。
工程4:前記高分子基材の前記シリコーン層を形成した側に、ケイ素化合物層を形成する工程。
工程5:前記積層体を巻き取る工程。
これらの工程の中でも工程2、工程3、及び工程4を、同じ真空装置内で行うことが好ましい。さらに工程間における搬送中の積層体への欠陥やダメージを低減する観点から、工程2、工程3、及び工程4は、一回の搬送で全て実施することが好ましい。
無機化合物層を設ける工程2は、例えば、アルミニウムの金属膜を形成する場合、高分子基材を真空蒸着機内の巻出軸から巻出して高分子基材を冷却ドラム上で冷却しながら、アルミニウムが入った蒸着源から誘導加熱法もしくは抵抗加熱法、電子ビーム法などにより加熱・溶融させ、蒸着することで形成できる。厚みは高分子基材の搬送速度により所望の厚みになるよう調整できる。なお、高分子基材上に無機化合物層を形成する方法は特に限定されず、真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法等があるが、形成速度が速く、経済的に有利である観点から真空蒸着法が好ましい。
シリコーン層を形成する工程3は、シリコーン組成物を含む塗料を乾燥後の厚みが所望の厚みになるように溶媒で固形分濃度を調整しリバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、スピンコート法などにより塗布し、加熱、蒸発させる方法や真空中において点状もしくは細いスリット状のノズルから加熱したシリコーン組成物を噴霧し、プラズマ放電処理をして形成する方法などがある。真空蒸着機で無機化合物層を形成する場合、同じ蒸着機内でシリコーン層を形成でき、生産性や均一性に優れる観点から、後者方法である点状もしくは細いスリット状のノズルから加熱したシリコーン組成物を噴霧し、プラズマ放電処理をして強固なシリコーン層を形成する方法が好ましい。
シリコーン組成物とは、シリコーンを70質量%以上、好ましくは85質量%以上含む樹脂組成物のことを言う。本発明に用いられるシリコーン組成物は、無機化合物層上に噴霧されたシリコーン組成物をプラズマ放電処理でSi−C結合を切断し、Si−O−Si結合の形成を促進させる観点から、主鎖にシロキサン結合(Si−O−Si)、側鎖にメチル基を有するジメチルポリシロキサンが好ましい。また、プラズマ放電処理でSi−O−Si結合の形成が促進するようにメチル基の一部を有機官能基に置き換えた有機変性シリコーンが好ましい。有機変性シリコーンには、側鎖の一部を有機官能基にした側鎖型や主鎖の両末端を有機官能基にした両末端型、側鎖と末端を有機官能基にした両末端側鎖型があるが、プラズマ放電処理による均一性の観点から両末端型が好ましい。シリコーン組成物としては、例えば、アミノ変性シリコーンやアルキル変性シリコーン、シラノール変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンなどが好ましく、中でもシラノール変性シリコーンは、側鎖のOH基がプラズマ放電処理で脱水縮合し、Si−O−Si結合の形成を促進させるためより好ましい。
無機化合物層表面に噴霧されたシリコーン組成物をプラズマ放電処理する際に用いられるガス種は特に限定されないが、例えば、O、Ar、CO、CO、Hなどが挙げられる。特に好ましくはOやAr、あるいはこれらの1種以上を含む混合ガスである。プラズマ放電処理の電力密度は、10W・min/m以上にすることが好ましく、Si−O−Si結合の形成を促進させる観点から、35W・min/m以上がより好ましい。
また、無機化合物層表面に噴霧されたシリコーン組成物のプラズマ放電処理において、上述以外に効率良くSi−C結合を切断し、Si−O−Si結合の形成を促進させる方法としては、高分子基材の両面から同時にプラズマ放電処理する方法や高分子基材の無機化合物層を形成しない面側から40℃以上のヒーターで加熱処理しながらシリコーン組成物をプラズマ放電処理する方法などがある。
ケイ素化合物層を形成する工程4は、特に限定されず、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、化学気相蒸着法(CVD法と略す)等の成膜方法によって形成することができるが、シリコーン層のSi−C結合を切断し、Si−O−Si結合の形成を促進させるために、シリコーン層表面でケイ素化合物層を構成する原子が均一に分散、反応してケイ素化合物層を形成する方法が好ましい。
例えば、CVD法の場合は、誘導コイルで酸素ガスや炭酸ガスなどの反応性ガスの高密度なプラズマを発生させ、プラズマによるシリコーン層表面の処理とケイ素系有機化合物のモノマー気体の重合反応によるケイ素化合物層の形成とを同時に行う誘導結合型CVD電極を用いたプラズマCVD法が好ましい。
CVD法に使用するケイ素系有機化合物とは、分子内部にケイ素を含有する化合物のことであり、例えば、シラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、エチルシラン、ジエチルシラン、トリエチルシラン、テトラエチルシラン、プロポキシシラン、ジプロポキシシラン、トリプロポキシシラン、テトラプロポキシシラン、ジメチルジシロキサン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ウンデカメチルシクロヘキサシロキサン、ジメチルジシラザン、トリメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、デカメチルシクロペンタシラザン、ウンデカメチルシクロヘキサシラザンなどが挙げられる。中でも取り扱い上の観点からヘキサメチルジシロキサン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンが好ましい。
本発明の製造方法で得られた積層体を使用した容器は、酸素ガス等に対するガスバリア性、耐湿熱性等に優れるため、例えば、食品、医薬品、洗剤、シャンプー、オイル、歯磨き、接着剤、粘着剤等の化学品ないし化粧品、その他等の種々の物品の包装適性、保存適性等に優れているものである。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
次に、本発明に用いる測定法及び評価法について説明する。
(1)層の膜厚
断面観察用サンプルをマイクロサンプリングシステム((株)日立製作所製 FB−2000A)を使用してFIB法により(具体的には「高分子表面加工学」(岩森暁著)p.118〜119に記載の方法に基づいて)作製した。透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製 H−9000UHRII)により、加速電圧300kVとして、観察用サンプルの断面を観察し、無機化合物層、シリコーン層、ケイ素化合物層の膜厚を測定した。
(2)ケイ素化合物層の組成
積層体のケイ素化合物層の組成分析は、X線光電子分光法(XPS法)により行った。層の厚みが1/2となる位置まで、表層からアルゴンイオンエッチングにより層を除去し、層の厚みが1/2となる位置において下記の条件で各元素の含有比率を測定した。XPS法の測定条件は下記の通りとした。
・装置 :ESCA 5800(アルバックファイ社製)
・励起X線 :monochromatic AlKα
・X線出力 :300W
・X線径 :800μm
・光電子脱出角度 :45°
・Arイオンエッチング :2.0kV、10mPa
・1回のエッチング時間 :3.0min。
(3)FT−IR測定
シリコーン層とケイ素化合物層のFT−IR測定は、ATR(Attenuated Total Refrection)法を用いた。
まずサンプルが無い状態で圧力0.1MPa以下まで測定セル内をポンプで排気し、以下の測定条件でベースライン測定を行った。次に、各水準サンプルのケイ素化合物層をATR結晶に圧着し、圧力0.1MPa以下まで測定セル内をポンプで排気後、以下の測定条件で吸収スペクトルを測定した。各水準サンプルについて、n=2回ずつ測定を実施した。
得られた吸収スペクトルから、解析ソフトを使用して、波数1030cm-1から1130cm-1の範囲に存在する最大強度を有するピークの強度Aと、波数1240cm-1から1280cm-1の範囲に存在する最大強度を有するピークの強度Bをそれぞれ得た。各水準サンプルの強度A/強度Bの強度比の平均値を表1に示す。
測定条件
・装置 :FT/IR−6100(日本分光株式会社製)
・光源 :高輝度セラミック
・検知器 :TGS
・パージ :窒素ガス
・分解能 :4cm−1
・積算回数:32回
・測定方法:減衰全反射(Attenuated Total Refrection,ATR)法
・測定波長:4,000cm−1〜600cm−1
・付属装置:ATR PRO450−S
・ATR結晶:Geプリズム
・入射角度 :45度
・解析ソフト:Spectra Manager Version2(日本分光(株)製)。
(4)水蒸気透過率の測定方法
温度40℃、湿度90%RH、測定面積50cm2の条件で、米国、モコン(MOCON)社製の水蒸気透過率透過率測定装置(機種名:PERMATRAN(登録商標)W3/31)を使用して測定した。各水準サンプルにつき、5回測定し、平均値を水蒸気透過率とした。
(5)耐湿性評価
各水準の積層体から縦50mm,横50nmのサンプルを5枚ずつ切り出し、温度135℃、相対湿度90%の雰囲気下で、10時間経過前後の全光線透過率の変化量を測定した。全光線透過率は、JIS K7361:1997に基づき、濁度計NDH2000(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。(5)項の各水準サンプルついて、測定回数は5回とし、5回測定の平均値を全光線透過率とした。なお、全光線透過率の変化量は小さいほど耐湿性は良好であり、全光線透過率の変化量が大きいほど耐湿性は悪い結果であると判断した。また、全光線透過率の変化量が30%以上で面積が5mm以上である透明部の発生有無について評価した。各水準サンプルについて、透明部が1個以上存在する場合を「有り」、存在しない場合を「無し」とした。透明部が存在しない場合、耐湿性は良好と判断し、透明部が存在する場合を耐湿性が悪い結果であると判断した。
(実施例1)
図2に示す装置構造の巻き取り式の真空蒸着装置を使用し、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製ルミラー(登録商標) P60)の高分子基材の片面に、アルミニウムを蒸着材料に用いて抵抗加熱方式によりアルミニウムを蒸気化し、膜厚が20nmとなるようにアルミニウム層を設けた。次いで、アルミニウム層の表面にジメチルポリシロキサン(東レダウコーニング株式会社製SH200、10cs)を加熱気化させて未硬化のシリコーン層を膜厚5nmとなるように形成した。引き続きヘキサメチルジシラザンを原料とした化学気相蒸着(CVD)を実施し、シリコーン層を硬化させながら、ケイ素化合物層を膜厚5nmとなるように積層し、これを巻き取りロールに巻き取り積層体を得た
具体的な操作は以下の通りである。まず、巻き取り式真空蒸着装置5の巻き取り室6の中で、巻き出しロール7にセットされた高分子基材1を巻き出し、ガイドロール8,9,10を介して、クーリングドラム11に通す。蒸着室12のボート13上にはアルミニウム等のワイヤーが導入されていて、ボート13からアルミニウムを蒸発させ、高分子基材1の表面にアルミニウム層を膜厚20nmとなるように搬送速度を調整して形成した。その後、このアルミニウム層を形成した高分子基材1をガイドロール14、15、16を介して、巻き取りロール17に巻き取った。このとき、あらかじめポリマーノズル18に入れておいたジメチルポリシロキサンを加熱気化させて、シリコーン層の膜厚が5nmとなるように形成した。さらにプラズマ電極19には、酸素ガスとヘキサメチルジシラザンの混合ガスを導入し、高周波電源でプラズマ投入電力3.0kwで処理をして。ケイ素化合物層が膜厚5nmとなるように形成した。
得られた積層体について、上述した(1)〜(5)の評価を行った。結果を表1に示す。ケイ素化合物層の組成は、ケイ素(Si)原子濃度が35.3atom%、酸素(O)原子濃度が64.7atom%であった。
(実施例2)
実施例1のシリコーン層の形成において、ポリマーノズルにジメチルポリシロキサンの換わりにシラノール変性シリコーン(信越化学工業株式会社製X−21−5841)を使用する以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体について、上述した(1)〜(5)の評価を行った。結果を表1に示す。ケイ素化合物層の組成は、ケイ素(Si)原子濃度が33.4atom%、酸素(O)原子濃度が66.6atom%であった。
(実施例3)
実施例2のケイ素化合物層の形成において、ケイ素化合物層の膜厚を10nmとなるように形成する以外は、実施例2と同様にして積層体を得た。得られた積層体について、上述した(1)〜(5)の評価を行った。結果を表1に示す。ケイ素化合物層の組成は、ケイ素(Si)原子濃度が35.3atom%、酸素(O)原子濃度が64.7atom%であった。
(実施例4)
実施例2のケイ素化合物層の形成において、ケイ素化合物層の膜厚を3nmとなるように形成する以外は、実施例2と同様にして積層体を得た。得られた積層体について、上述した(1)〜(5)の評価を行った。結果を表1に示す。ケイ素化合物層の組成は、ケイ素(Si)原子濃度が33.8atom%、酸素(O)原子濃度が68.2atom%であった。
(実施例5)
実施例2のケイ素化合物層の形成において、シリコーン層の膜厚を10nmとなるように形成する以外は、実施例2と同様にして積層体を得た。得られた積層体について、上述した(1)〜(5)の評価を行った。結果を表1に示す。ケイ素化合物層の組成は、ケイ素(Si)原子濃度が30.1atom%、酸素(O)原子濃度が69.9atom%であった。
(実施例6)
実施例2のケイ素化合物層の形成において、プラズマ電極19を平板型のマグネトロンスパッタ電極に換えて、二酸化ケイ素からなるスパッタターゲットを使用し、アルゴンガスと酸素ガスの混合ガスを導入し、高周波電源でプラズマ投入電力3.0kwで処理をして。ケイ素化合物層が膜厚5nmとなるように形成する以外は実施例2と同様にして積層体を得た。得られた積層体について、上述した(1)〜(5)の評価を行った。結果を表1に示す。ケイ素化合物層の組成は、ケイ素(Si)原子濃度が28.6atom%、酸素(O)原子濃度が71.4atom%であった。
(実施例7)
実施例2のケイ素化合物層の形成において、プラズマ電極19を平板型のマグネトロンスパッタ電極に換えて、窒化ケイ素からなるスパッタターゲットを使用し、アルゴンガスと酸素ガスの混合ガスを導入し、高周波電源でプラズマ投入電力3.0kwで処理をして。ケイ素化合物層が膜厚5nmとなるように形成する以外は実施例2と同様にして積層体を得た。得られた積層体について、上述した(1)〜(5)の評価を行った。結果を表1に示す。ケイ素化合物層の組成は、ケイ素(Si)原子濃度が40.7atom%、窒素(N)原子濃度が、10.5atom%、酸素(O)原子濃度が47.6atom%であった。
(比較例1)
実施例1のシリコーン層とケイ素化合物層を形成しない以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体について、上述した(1)〜(5)の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1のケイ素化合物層を形成しない以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体について、上述した(1)〜(5)の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例2のケイ素化合物層を形成しない以外は、実施例2と同様にして積層体を得た。得られた積層体について、上述した(1)〜(5)の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例2のシリコーン層を形成せず、ケイ素化合物層の厚みを20nmとなるように形成する以外は、実施例2と同様にして積層体を得た。得られた積層体について、上述した(1)〜(5)の評価を行った。結果を表1に示す。ケイ素化合物層の組成は、ケイ素(Si)原子濃度が34.5atom%、酸素(O)原子濃度が65.5atom%であった。
Figure 2020163570
本発明の積層体は、高ガスバリア性と耐湿熱性が必要とされる包装分野に用いられ、例えば、レトルト食品、医薬品の包装用フィルムなどに好適に用いられる。
1:高分子基材
2:無機化合物層
3:シリコーン層
4:ケイ素化合物層
5:巻き取り式真空蒸着装置
6:巻き取り室
7::巻き出しロール
8、9、10:巻き出し側のガイドロール
11:クーリングドラム
12:蒸着室
13:ボート
14、15、16:巻き取り側のガイドロール
17:巻き取りロール
18:ポリマーノズル
19:プラズマ電極

Claims (8)

  1. 高分子基材の少なくとも一方の面の側に、無機化合物層、シリコーン層、及びケイ素化合物層をこの順に有する、積層体。
  2. 前記積層体のケイ素化合物層の側から測定したFT−IR分析で得られる、波数1030cm−1から1130cm−1の範囲に存在する最大強度を有するピークの強度Aと、波数1240cm−1から1280cm−1の範囲に存在する最大強度を有するピークの強度Bの強度比(強度A/強度B)が、2.0以上10.0以下であることを特徴とする、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記無機化合物層は、Al、Zn、Sn、Ni、Cr、Fe、Cu、Mg、Ti、Si、及びこれら金属の酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記ケイ素化合物層は、X線光電子分光法(XPS法)により測定されるケイ素(Si)原子濃度が25〜45atom%、酸素(O)原子濃度が55〜75atom%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記シリコーン層は、シラノール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、及び、ポリエーテル変性シリコーンからなる群より選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 前記高分子基材と前記無機化合物層が他の層を介することなく接しており、前記無機化合物層と前記シリコーン層が他の層を介することなく接しており、前記シリコーン層と前記ケイ素化合物層が他の層を介することなく接していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。
  7. 工程1〜5をこの順に有する、請求項1〜6のいずれかに記載の積層体の製造方法。
    工程1:高分子基材を巻き出す工程。
    工程2:前記高分子基材の少なくとも一方の面の側に、無機化合物層を形成する工程。
    工程3:前記高分子基材の前記無機化合物層を形成した側に、シリコーン層を形成する工程。
    工程4:前記高分子基材の前記シリコーン層を形成した側に、ケイ素化合物層を形成する工程。
    工程5:前記積層体を巻き取る工程。
  8. 工程2、工程3、及び工程4を、同じ真空装置内で行うことを特徴とする、請求項7に記載の積層体の製造方法。
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