JP2020163320A - 複合微小乳化物の製造方法 - Google Patents

複合微小乳化物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020163320A
JP2020163320A JP2019067612A JP2019067612A JP2020163320A JP 2020163320 A JP2020163320 A JP 2020163320A JP 2019067612 A JP2019067612 A JP 2019067612A JP 2019067612 A JP2019067612 A JP 2019067612A JP 2020163320 A JP2020163320 A JP 2020163320A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil phase
phase component
microemulsion
meth
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019067612A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6596640B1 (ja
Inventor
修一 金台
Shuichi Kanadai
修一 金台
茂 出口
Shigeru Deguchi
茂 出口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Saiden Chemical Industry Co Ltd
Japan Agency for Marine Earth Science and Technology
Original Assignee
Saiden Chemical Industry Co Ltd
Japan Agency for Marine Earth Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Saiden Chemical Industry Co Ltd, Japan Agency for Marine Earth Science and Technology filed Critical Saiden Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2019067612A priority Critical patent/JP6596640B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6596640B1 publication Critical patent/JP6596640B1/ja
Publication of JP2020163320A publication Critical patent/JP2020163320A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Colloid Chemistry (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)

Abstract

【課題】微小乳化物を製造するにあたり、水とともに乳化させる乳化対象となる材料の選択の幅が広がることが期待できる乳化技術を提供する。【解決手段】水性分散媒中に粒子として第1の油相成分が分散している微小乳化物中間体であって、前記微小乳化物中間体に対する前記第1の油相成分の比表面積が1.0×104cm2/g以上である前記微小乳化物中間体に、乳化対象である第2の油相成分を添加して混合し、前記第1の油相成分に複合化させる複合化工程を含む、複合微小乳化物の製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、複合微小乳化物の製造方法に関する。
乳化物(エマルション)は、液体である分散媒中に他の液体が粒子状で分散しているものであり、食品、化粧品、医薬品、接着剤、粘着剤、塗料、及びインキ等の様々な分野で広く用いられている。乳化物には、大きく分けて、水中に油滴が分散した水中油滴(O/W)型エマルションと、油中に水滴が分散した油中水滴(W/O)型エマルションがある。
分散媒中に分散質が微細に分散した乳化物を製造する方法としては、乳化物とする混合液体に、ホモミキサーや撹拌式ホモジナイザー等による機械的な撹拌力でせん断力を与え、液滴を微粒子として分散する方法が工業的に主流となっている。乳化物の製造に用いられる装置としては、上記の機械的な撹拌力による高速撹拌装置のほか、高圧式ホモジナイザーや超音波式ホモジナイザー等もある(例えば特許文献1〜3参照)。
近年、水性分散媒(水相)中に分散質(油相)がより微細でより均一な状態で分散したO/W型エマルションが求められている。一般的に、上述のホモミキサーやホモジナイザー等を用いた機械的な乳化方法では、O/W型エマルションにおける分散質の平均粒子径をナノサイズまで微細化することは困難で、長時間の処理や膨大なエネルギーを必要とすることが多い。一方、そのような長時間の処理や膨大なエネルギーを要せずに、高効率で微小乳化物を製造できる方法として、超臨界水又は亜臨界水と、水不溶性物質とを相溶させることを利用した、微小乳化物の製造方法が提案されている(特許文献4及び5参照)。
特開2003−147201号公報 特開2009−261929号公報 特開2015−134341号公報 特開2013−039547号公報 特開2018−176044号公報
特許文献4及び5の開示によれば、超臨界水や亜臨界水を利用した乳化方法(以下、「超臨界・亜臨界乳化方法」と記載することがある。)は、十秒〜数十秒、さらには数秒〜数十秒といった極めて短時間で微小乳化物を得ることが可能であるということから、産業上非常に有益な技術であるといえる。
一方、超臨界・亜臨界乳化方法では、水の臨界点近傍の温度及び圧力条件下(すなわち、亜臨界〜超臨界の状態)とした水と、水不溶性物質とを接触させることから、水不溶性物質も非常に高い温度条件で使用されることとなる。また、前述の機械的な乳化方法で分散質をナノサイズまで微細化するための処理を行うと、高せん断力や高圧力、超音波等によって、分散質を形成する油相成分に次第に熱が蓄積し、処理毎に十分な冷却時間を設けなければ温度上昇が起きることとなる。したがって、ナノサイズの微小乳化物を効率良く製造しようとする場合にあっては、高温で分解してしまうような耐熱性の低い物質を使用し難い側面もあるという実情が存在する。
そこで本発明は、微小乳化物を製造するにあたり、水とともに乳化させる乳化対象となる材料の選択の幅が広がることが期待できる乳化技術を提供しようとするものである。
本発明によれば、水性分散媒中に粒子として第1の油相成分が分散している微小乳化物中間体であって、前記微小乳化物中間体に対する前記第1の油相成分の比表面積が1.0×104cm2/g以上である前記微小乳化物中間体に、乳化対象である第2の油相成分を添加して混合し、前記第1の油相成分に複合化させる複合化工程を含む、複合微小乳化物の製造方法が提供される。
本発明によれば、微小乳化物を製造するにあたり、水とともに乳化させる乳化対象となる材料の選択の幅が広がることが期待できる乳化技術を提供することができる。
本発明の一実施形態の複合微小乳化物の製造方法において用いられる微小乳化物中間体の製造装置の一例を表す概略図である。 本発明の一実施形態の複合微小乳化物の製造方法を実行しうる装置の一例の模式的な概略フロー図である。 製造例1で得られた微小乳化物中間体の粒度分布を示す図である。 製造例2で得られた微小乳化物中間体の粒度分布を示す図である。 製造例3で得られた微小乳化物中間体の粒度分布を示す図である。 製造例4で得られた微小乳化物中間体の粒度分布を示す図である。 製造例5で得られた微小乳化物中間体の粒度分布を示す図である。 製造例6で得られた微小乳化物中間体の粒度分布を示す図である。 製造例7で得られた微小乳化物中間体の粒度分布を示す図である。 製造例8で得られた微小乳化物中間体の粒度分布を示す図である。 比較例5における乳化物中間体の粒度分布を示す図である。 実施例1で得られた複合微小乳化物の粒度分布を示す図である。 実施例2で得られた複合微小乳化物の粒度分布を示す図である。 実施例3で得られた複合微小乳化物の粒度分布を示す図である。 実施例4で得られた複合微小乳化物の粒度分布を示す図である。 実施例5で得られた複合微小乳化物の粒度分布を示す図である。 実施例6で得られた複合微小乳化物の粒度分布を示す図である。 実施例7で得られた複合微小乳化物の粒度分布を示す図である。 実施例8で得られた複合微小乳化物の粒度分布を示す図である。 実施例9で得られた複合微小乳化物の粒度分布を示す図である。 実施例10で得られた複合微小乳化物の粒度分布を示す図である。 実施例11で得られた複合微小乳化物の粒度分布を示す図である。 実施例12で得られた複合微小乳化物の粒度分布を示す図である。 実施例13で得られた複合微小乳化物の粒度分布を示す図である。 実施例14で得られた複合微小乳化物の粒度分布を示す図である。 比較例5で得られた乳化物の粒度分布を示す図である。 実施例15で得られた複合微小樹脂乳化物の粒度分布を示す図である。 実施例16で得られた複合微小樹脂乳化物の粒度分布を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
本発明の一実施形態の複合微小乳化物の製造方法(以下、単に「本方法」と記載することがある。)は、水性分散媒中に油相成分が粒子として分散した微小乳化物を製造する方法に関する。微小乳化物における「微小」とは、油相成分で形成される粒子が微小であることを表す。「微小乳化物」は、水性分散媒中に粒子として油相成分が微細に分散した乳化物(エマルション)であり、好ましくはナノサイズ(平均粒子径が1nm以上1000nm未満の範囲内)の粒子が分散したナノ乳化物である。
本方法は、水性分散媒中に粒子として第1の油相成分が分散している微小乳化物中間体に、乳化対象である第2の油相成分を添加して混合する工程を含む。この工程では、微小乳化物中間体に対する第1の油相成分の比表面積が1.0×104cm2/g以上である微小乳化物中間体に、第2の油相成分を添加して混合する。上記特定の比表面積を有する微小乳化物中間体に第2の油相成分を添加して混合することにより、微小乳化物中間体における第1の油相成分(粒子)に、第2の油相成分を複合化させることができる。そのため、上記工程を複合化工程と称する。この複合化工程により、第2の油相成分を、微小乳化物中間体における第1の油相成分に複合化させた状態で水性分散媒中に微細に(好ましくはナノサイズに)分散させることができる。したがって、上記複合化工程によって、水性分散媒中に第1の油相成分及び第2の油相成分を含む粒子が微細に分散した複合微小乳化物を得ることができる。
「微小乳化物中間体」とは、本方法によって得られる微小乳化物(本開示において、「複合微小乳化物」と称する。)と区別するための文言であり、本方法において、複合微小乳化物を得るために使用される前段の微小乳化物を表す。また、「水性分散媒」とは、少なくとも水を含む分散媒を意味する。さらに、「油相成分」とは、水性分散媒中に分散する相(分散質)を形成する成分を意味し、「水性分散媒」に対して使用される文言であって、一般に「油」と称されるもののみを意味する文言ではない。なお、水性分散媒及び各油相成分については、後述する。
本方法における上記複合化工程は、本発明者らの検討の結果、見出されたことによるものである。すなわち、本発明者らの検討によって、微小乳化物中間体における第1の油相成分の比表面積が1.0×104cm2/g以上である場合に、水の臨界点近傍のような高温条件でなくても、具体的には100℃以下(例えば5〜100℃)、さらには常温(5〜35℃)であっても、微小乳化物中間体における第1の油相成分(粒子)が、第2の油相成分を効率良く吸収して成長することがわかった。この観点から、上記比表面積を有する微小乳化物中間体は、成長性微小乳化物と称してもよい。微小乳化物中間体における第1の油相成分(粒子)は、複合化工程によって微細化(好ましくはナノサイズ化)する第2の油相成分(添加前の第2の油相成分)よりも、通常、微細(好ましくはナノサイズ)であり、サイズが小さい。相対的にサイズの小さいものが、相対的にサイズの大きいものに吸収されるように考えられるところ、第1の油相成分は、第2の油相成分に比べて、比表面積が大きいことから、第2の油相成分を吸収しうるものと考えられる。
上述の通り、複合化工程における乳化対象としての第2の油相成分を、100℃を超えるような高温条件とすることを要せずに、第1の油相成分に複合化させることができ、それにより、水性分散媒中に微細に(好ましくはナノサイズに)分散させることができる。したがって、前述したように、超臨界・亜臨界乳化方法や、機械的な乳化方法でナノサイズまでの微細化を短時間で行おうとする場合の方法では使用することが難しい耐熱性の低い物質も、第2の油相成分として好適に用いることができる。そのため、本方法によって、水とともに乳化させる乳化対象となる材料の選択の幅が広がることが期待できる。
複合化工程において、第2の油相成分を添加する対象は、微小乳化物中間体に対する第1の油相成分の比表面積が1.0×104cm2/g以上である微小乳化物中間体である。上記比表面積(cm2/g)は、微小乳化物中間体の単位質量(g)当たりの粒子として分散している第1の油相成分の表面積(cm2)である。この比表面積(cm2/g)は、微小乳化物中間体に粒子として含有されている第1の油相成分を球体とみなして、以下に述べるように理論的に算出される値をとることができる。
ある物体(球体)の単位質量当たりの表面積(当該物体の比表面積)Smは、その物体の体積をV、密度をρ、表面積をSとすると、Sm=S/(ρ×V)で表される。球体の体積Vは、直径をDとして、V=(4/3)×π×(D/2)2であり、球体の表面積Sは、S=4×π×(D/2)2であるから、球体の比表面積Smは、Sm=6/(ρ×D)となる。そのため、微小乳化物中間体における粒子として分散している第1の油相成分を球体とみなすと、その第1の油相成分の比表面積Sm1(cm2/g)は、第1の油相成分の粒子径をD1(cm)、第1の油相成分の密度をρ1(g/cm3)として、Sm1=6/(ρ1×D1)となる。したがって、微小乳化物中間体の全質量を基準とした、上記比表面積Sm1をもつ第1の油相成分の含有量(濃度)をC(質量%)とすると、微小乳化物中間体の単位質量当たりの第1の油相成分の表面積、すなわち、微小乳化物中間体に対する第1の油相成分の比表面積SmE(cm2/g)は、下記式(1)より算出することができる。
SmE=6/(ρ1×D1)×C/100 ・・・(1)
なお、第1の油相成分の粒子径D1については、微小乳化物中間体における第1の油相成分の平均粒子径をとる。本明細書において、「平均粒子径」は、動的光散乱法を利用した粒度分布測定装置を用いて、キュムラント法解析により、25℃において測定される値である。動的光散乱法を利用した粒度分布測定装置としては、例えば、大塚電子社製の商品名「濃厚系粒径アナライザー FPAR−1000」等を挙げることができる。また、第1の油相成分の密度については、JIS K 5600−2−4:1999の規定に準拠して、23±2℃の温度条件下、100mL容量の比重カップを用いて測定される値をとることができる。
上記式(1)の通り、微小乳化物中間体の単位質量当たりに基づく第1の油相成分の比表面積(SmE)は、第1の油相成分の平均粒子径(D1)に反比例し、微小乳化物中間体中の第1の油相成分の濃度(C)に正比例する。この関係から分かるように、微小乳化物中間体における第1の油相成分の平均粒子径(D1)と濃度(C)のバランスをとることで、微小乳化物中間体に対する第1の油相成分の比表面積(SmE)を1.0×104cm2/g以上にすることが可能である。
微小乳化物中間体に対する第1の油相成分の比表面積は、第2の油相成分が第1の油相成分に複合化しやすい観点から、2.0×104cm2/g以上であることが好ましく、3.0×104cm2/g以上であることがより好ましく、4.0×104cm2/g以上であることがさらに好ましい。上記比表面積の上限は特に限定されないが、微小乳化物中間体の製造上の観点から、1.0×107cm2/g以下であることが好ましい。
また、上記比表面積を大きくしやすい観点等から、微小乳化物中間体における第1の油相成分の平均粒子径は、ナノサイズであることが好ましい。一方、複合化工程によって得られる複合微小乳化物もナノサイズであることが好ましいことから、第1の油相成分の平均粒子径は、5〜500nmの範囲内であることが好ましく、10〜300nmの範囲内であることがより好ましく、10〜150nmの範囲内であることがさらに好ましい。複合化工程によって得られる複合微小乳化物(第1の油相成分及び第2の油相成分を含む粒子)の平均粒子径は、10〜800nmの範囲内であることが好ましく、20〜500nmの範囲内であることがより好ましく、20〜400nmの範囲内であることがさらに好ましい。
微小乳化物中間体に対する第1の油相成分の濃度は、微小乳化物中間体に対する第1の油相成分の比表面積が1.0×104cm2/g以上となれば特に制限されない。複合微小乳化物の製造上の観点から、微小乳化物中間体に対する第1の油相成分の濃度は、微小乳化物中間体の全質量を基準として、1〜50質量%の範囲内であることが好ましく、5〜50質量%の範囲内であることがより好ましく、5〜40質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
微小乳化物中間体への第2の油相成分の添加としては、例えば、微小乳化物中間体に、第2の油相成分を滴下したり、流入させたりすることによって行うことができる。また、微小乳化物中間体と第2の油相成分とを混合する前段階で、それらを合流させるようにしてもよい。微小乳化物中間体に第2の油相成分を添加する際は、第2の油相成分のみ(油相成分100質量%)を添加してもよいし、第2の油相成分とその他の成分との混合物を添加してもよい。混合物としては、例えば、第2の油相成分、水、及び乳化剤を含有する混合物を乳化した乳化液(プレエマルション)を好適に用いることができる。このプレエマルションの平均粒子径は、例えばミクロンサイズ程度とすることができ、好ましくは1〜100μmの範囲内、より好ましくは1〜50μmの範囲内、さらに好ましくは1〜10μmの範囲内とすることができる。
微小乳化物中間体への第2の油相成分の添加量は、第2の油相成分が第1の油相成分に効率良く複合化する観点から、微小乳化物中間体における第1の油相成分100質量部に対して、1〜1000質量部の範囲内であることが好ましく、10〜500質量部の範囲内であることがより好ましい。
第2の油相成分を添加及び混合する際の温度条件は、上述の通り、高温条件とすることを要しないことから、第2の油相成分を幅広く使用することができる。この観点から、複合化工程において、温度が5〜100℃の範囲内の条件下で、微小乳化物中間体に、第2の油相成分を添加して混合することが好ましい。この温度条件は、5〜80℃の範囲内であることがより好ましく、5〜60℃の範囲内であることがさらに好ましく、常温(5〜35℃)の範囲内であることが特に好ましい。
また、本方法における複合化工程の際の圧力条件は、常圧(大気圧)でもよいが、前述の機械的な乳化方法で行われるような高速撹拌や高せん断力を要さずに、短時間で複合化処理を行うことが可能となる観点から、複合化工程では圧力をかけておくことが好ましい。具体的には、複合化工程において、圧力が10〜40MPaの範囲内の条件下で、微小乳化物中間体に、第2の油相成分を添加して混合することが好ましい。これにより、高速撹拌や高せん断力を要さずに、微小乳化物中間体における第1の油相成分(粒子)に第2の油相成分を短時間(具体的には数秒〜数十秒)で複合化させることが可能であるとともに、粒度分布がよりシャープな(粒子径がより揃った)複合微小乳化物を得ることも可能である。さらに、超臨界・亜臨界乳化方法により得られる微小乳化物中間体を用いる場合には、第1の油相成分を超臨界水や亜臨界水と接触させる際の臨界点(水の臨界圧力22.1MPa)近傍の圧力のまま、得られる微小乳化物中間体の冷却に続いて、複合化工程を行うことができ、微小乳化物中間体の製造から複合微小乳化物の製造までを連続的に行いやすくなる。これらの観点から、上記圧力条件は、15〜40MPaの範囲内であることがより好ましく、20〜40MPaの範囲内であることがさらに好ましい。
複合化工程において、圧力をかけずに常圧(大気圧)下で複合化工程を行う場合には、撹拌条件下で、微小乳化物中間体に第2の油相成分を添加して混合することが好ましい。より好ましくは、微小乳化物中間体を撹拌しながら、そこに第2の油相成分を添加することであり、さらに好ましくは第2の油相成分を添加した後も、微小乳化物中間体及び第2の油相成分を含む混合物を撹拌することである。これらの撹拌条件としては、特に限定されず、例えば、回転速度が50〜5000rpmの範囲内とすることができる。
微小乳化物中間体における第1の油相成分に第2の油相成分を複合化させている間の時間(複合化工程における複合処理時間)は、上述の圧力をかけない条件とする場合には、0.5〜5時間の範囲内が好ましく、1〜3時間の範囲内がより好ましい。複合化工程において上述の圧力をかける場合には、複合化工程をより短時間で行うことができ、その時間は、例えば5分以内であることが好ましく、1分以内であることがより好ましく、1〜30秒の範囲内であることがさらに好ましい。
微小乳化物中間体については、本方法とは別途に製造されたものを用意してもよい。微小乳化物中間体は、例えば、ホモミキサー、並びに撹拌式、高圧式、及び超音波式等のホモジナイザー等を用いた機械的な乳化方法により製造されたものでもよいし、超臨界・亜臨界乳化方法により製造されたものでもよい。前述の通り、本方法では、常温条件にて、複合化工程を行うことができることから、臨界点(水の臨界温度374℃)近傍という非常に高温の条件下で行われる超臨界・亜臨界乳化方法で得られた微小乳化物中間体に、複合化工程を適用することが好ましい。この微小乳化物中間体を得る際には、温度条件により熱分解等を起こすことで使用し難かった物質も、第2の油相成分として使用して、乳化させることが可能となるためである。
本方法では、複合化工程の前段の工程として製造した微小乳化物中間体を用いてもよい。すなわち、本発明の一実施形態の複合微小乳化物の製造方法では、複合化工程の前に微小乳化物中間体を製造する工程(微小乳化物中間体の調製工程)を含むことができる。微小乳化物中間体の調製工程では、例えば、水性分散媒と第1の油相成分とを含む混合物を、ホモミキサーや各種ホモジナイザー等を用いて機械的に乳化させることで、微小乳化物中間体を得ることができる。
また、微小乳化物中間体の調製工程では、例えば、水性分散媒として超臨界水又は亜臨界水を用いて、その状態の水と第1の油相成分とを相溶させ、相溶物を乳化剤の存在下で冷却することで、微小乳化物中間体を得ることができる。具体的には、調製工程は、水性分散媒に含有される水と第1の油相成分とを水の超臨界又は亜臨界状態で相溶させる工程(以下、「相溶工程」と記載することがある。)と、水と第1の油相成分との相溶物を乳化剤の存在下で冷却する工程(以下、「冷却工程」と記載することがある。)とを含むことが好ましい。相溶工程では、第1の油相成分として用いる材料の選択の幅が広がる観点から、水と第1の油相成分とを水の亜臨界状態(亜臨界水)で相溶させることがより好ましい。上記の微小乳化物中間体の調製工程の後段で複合化工程を行うことで、連続的、かつ、前述した温度及び圧力の好適条件下で、複合化工程を実行することができる。そのため、微小乳化物中間体の製造から複合微小乳化物の製造までを、連続フロー方式によって一連の流れ作業にて、高速撹拌や高せん断力を要さず、短時間(具体的には数十秒〜数分程度)で行うことが可能である。しかも、上記相溶工程及び冷却工程を含む調製工程によって得られた微小乳化物中間体に、連続フロー方式で複合化工程を実行することにより、より微細で粒子径の揃った複合微小乳化物を得やすくなる。
本明細書において、水の超臨界状態とは、水の臨界点以上の状態、すなわち、温度が374℃(水の臨界温度)以上であり、かつ、圧力が22.1MPa(水の臨界圧力)以上である状態をいい、この状態の水を超臨界水という。また、水の亜臨界状態とは、水の臨界点よりも温度がやや低い液体状態をいい、この状態の水を亜臨界水という。亜臨界水としては、例えば、温度が好ましくは200℃以上、より好ましくは250℃以上、374℃未満であり、かつ、圧力が好ましくは20〜30MPa、より好ましくは20〜25MPaの状態の水(亜臨界水)を用いることができる。
調製工程における相溶工程では、予め超臨界又は亜臨界状態となる温度及び圧力条件とした水に第1の油相成分を混合し、それらを相溶させる方法や、水と第1の油相成分を混合し、得られた混合物を、水が超臨界又は亜臨界状態となる温度及び圧力条件に供する方法等を採ることができる。これらのうち、前者の方法が好ましく、予め超臨界又は亜臨界状態となる温度及び圧力条件とした水に第1の油相成分を混合し、水と第1の油相成分とが相溶する温度及び圧力に保持する方法がより好ましい。この方法は、例えば、図1に概略図を示す装置を用いて好適に実行することができる。
図1は、超臨界・亜臨界乳化方法によって、微小乳化物中間体を製造しうる装置の一例の概略図である。図1中の矢印は液が流れる方向を表す。この微小乳化物中間体EMの製造装置1は、水性分散媒として用いられる水Wと、第1の油相成分O1とを、水の超臨界又は亜臨界状態で相溶させる混合部5と、水Wと第1の油相成分O1との相溶物を乳化剤Sの存在下で冷却する冷却部6とを備える。この装置1における混合部5によって上述の相溶工程を実行することができ、冷却部6によって上述の冷却工程を実行することができる。
混合部5には、水の流路2a及び第1の油相成分の流路2bのそれぞれから流入されてくる水Wと第1の油相成分O1が合流する合流部4aが接続されており、その合流部4aで合流した水W及び第1の油相成分O1が流路2cを通じて混合部5に流入する。水Wは、合流部4aに供給される前の流路2aにおいて、加熱コイル等の加熱機構を有する加熱装置3aに連続的又は断続的に加圧供給され、加熱及び加圧された水Wは、加熱装置3a内で超臨界又は亜臨界状態となって合流部4aに供給され、混合部5に流入する。加熱の温度としては、例えば200〜400℃が好ましく、250℃以上がより好ましく、300℃以上がさらに好ましい。また、加圧の圧力としては、例えば、10〜40MPaであることが好ましく、20〜30MPaであることがより好ましく、20〜25MPaであることがさらに好ましい。上記加熱機構には、例えば、抵抗加熱ヒータ、油浴、溶融塩浴、及び赤外線ヒータ等を用いてもよく、加圧には、例えば、プランジャーポンプ、ダイアフラム式ポンプ、及びシリンジポンプ等を用いることができる。
合流部4aに供給される第1の油相成分O1は、常温であっても、加熱されたものであってもよい。合流部4aで合流した超臨界又は亜臨界状態の水と第1の油相成分は、連続的に混合部5に流入し、混合部5内で第1の油相成分は超臨界又は亜臨界状態の水に溶解する。混合部5内において、水と、第1の油相成分とを、水の超臨界又は亜臨界状態で相溶させる観点から、第1の油相成分の流路2bにも加熱機構を備えた加熱装置3bが備え付けられていることが好ましく、合流部4aや混合部5にも加熱機構が備え付けられていることが好ましい。なお、装置1には合流部4aが設けられているが、合流部4aを設けず、加熱及び加圧された水(超臨界水又は亜臨界水)Wと、第1の油相成分O1のそれぞれが直接、混合部5に流入するように構成されていてもよい。
微小乳化物中間体EMの調製工程における冷却工程では、相溶工程で得られた相溶物と、乳化剤とを混合した後、冷却する方法を採ることができる。この場合、図1に示す装置1においては、混合部5の出口付近(冷却部6の入口付近)に設けた合流部4bに、流路2dを介して乳化剤Sを供給することができる。また、冷却工程では、相溶工程において、第1の油相成分と乳化剤とを別々に又は一緒に水に添加して、第1の油相成分、乳化剤、及び水を含む相溶物を得た上で、その相溶物を冷却する方法を採ることもできる。この場合、図1に示す装置1においては、合流部4aや混合部5に乳化剤Sが供給されるように構成することができる。乳化剤の存在下での冷却は急冷であることが好ましく、10℃/秒以上の冷却速度で冷却することがより好ましく、100〜1000℃/秒の冷却速度で100℃以下の温度まで冷却することがさらに好ましい。
装置1では、合流部4aから混合部5の出口までの滞留時間を、例えば、0.01〜90秒間の範囲となるように設定することができる。また、装置1では、例えば冷却部6の出口に圧力調整弁7を設けることができ、その圧力調整弁7によって、水Wの加熱装置3aから圧力調整弁7までの間を上述の好ましい圧力の範囲内に保つことが可能である。
前述の通り、本方法では、微小乳化物中間体の調製工程の後、複合化工程を行うことが好ましく、その方法は、例えば、図2に模式的な概略フロー図を示す装置を用いて好適に実行することができる。
図2は、本発明の一実施形態の複合微小乳化物の製造方法を実行しうる装置の一例の模式的な概略フロー図である。図2中の矢印は液が流れる方向を表す。この複合微小乳化物Eの製造装置10において、各流路2a、2b、2c、2d、各合流部4a、4b、混合部5、冷却部6、及び圧力調整弁7については、図1に示す装置1の説明で述べた通りである。装置10は、冷却部6と圧力調整弁7との間に、複合化部11を備える。この装置10における複合化部11によって前述の複合化工程を実行することができる。すなわち、複合化部11において、冷却部6から得られる微小乳化物中間体(EM)に、第2の油相成分O2を添加して混合し、微小乳化物中間体(EM)に含有されている第1の油相成分O1に第2の油相成分O2を複合化させる。
装置10では、複合化部11に、冷却部6から流路2cを介して流入されてくる微小乳化物中間体(EM)と、流路2eを介して流入されてくる第2の油相成分O2とが合流する合流部4cが接続されている。その合流部4cで合流した微小乳化物中間体(EM)及び第2の油相成分O2が複合化部11に流入する。装置10には、合流部4cが設けられているが、合流部4cを設けず、微小乳化物中間体(EM)及び第2の油相成分O2のそれぞれが、複合化部11に直接流入するようにしてもよい。
上述した微小乳化物中間体の製造(調製工程)で用いる乳化剤としては、ノニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤、アニオン系乳化剤、及びそれらの混合物、並びにそれらの水溶液等を挙げることができる。これらの乳化剤の1種又は2種以上を、微小乳化物中間体の種類に応じて適宜使用することができる。
微小乳化物中間体の調製工程において、得られる微小乳化物中間体に含有される分散粒子(第1の油相成分)の合一(分散粒子が互いに連結してより大きな粒子になる現象)を抑制しやすい観点から、上記乳化剤として、曇点を有するノニオン系乳化剤を用いることが好ましい。なかでも、曇点が50〜100℃の範囲内にあるノニオン系乳化剤を用いることがより好ましい。ここで、曇点とは、ノニオン系乳化剤の水溶液を加熱昇温した際に、溶質であるノニオン系乳化剤と溶媒である水とが分離し始める(水溶液の透明性が低下して白く濁り始める)温度をいう。
曇点を有するノニオン系乳化剤は、曇点以上の温度条件下で用いられることがさらに好ましい。上述の通り、図1及び図2に示す装置1、10における合流部4a、4b、及び混合部5等のように、加熱装置3aの後から冷却部6の前までに、曇点が50〜100℃の範囲内にあるノニオン系乳化剤を用いれば、その乳化剤を曇点以上の温度条件下で用いることができる。
また、第1の油相成分及び第2の油相成分のうちの少なくとも一方に重合性単量体を含有させたものを用いて、複合微小乳化物を得た後、重合処理を行うことで複合微小樹脂乳化物を得る場合、重合処理を曇点以下の温度で行うことが好ましい。これにより、重合処理後に得られる複合微小樹脂乳化物における樹脂粒子が、より微細になりやすい。
曇点を有するノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキレン誘導体類、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル類等から、曇点を有するものを選択して使用することができる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル類、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等を挙げることができる。また、それらの分子内に重合性不飽和結合を導入させたことで反応性を有する反応性ノニオン系乳化剤等を挙げることができる。これらのノニオン系乳化剤の1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、これまでの本方法の説明で用いられてきた水性分散媒、第1の油相成分、及び第2の油相成分について、具体的に説明する。水性分散媒は、少なくとも水を含む分散媒である。実質的に水のみからなる水性分散媒でもよいし、水とともに水溶性有機溶剤を含む水性分散媒でもよい。水性分散媒に対する水の含有量は、水性分散媒の全質量を基準として、50質量%以上であることが好ましく、50〜100質量%の範囲内であることがより好ましく、50〜99質量%の範囲内であることがさらに好ましい。水溶性有機溶剤としては、特に限定されず、例えば、エタノール及びイソプロパノール等の低級アルコール;エチレングリコール及びプロピレングリコール等のグリコール類;グリセリン等の多価アルコール等を挙げることができる。水溶性有機溶剤の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第1の油相成分及び第2の油相成分には、水性分散媒中に分散する相(分散質)を形成する成分を用いることができる。「第1の油相成分」及び「第2の油相成分」における「第1」及び「第2」とは、上記特定の比表面積を有する微小乳化物中間体に含有されている油相成分(第1の油相成分)と、それに複合化する油相成分(第2の油相成分)とを区別するための文言である。したがって、第1の油相成分と第2の油相成分とは、同じものが使用されてもよいが、第1の油相成分には、第2の油相成分に比べて耐熱性が高い油相成分が用いられることが好ましい。
第1の油相成分及び第2の油相成分(以下、これらをまとめて単に「油相成分」と記載することがある。)としては、重合性不飽和結合を有する単量体(以下、「重合性単量体」と記載することがある。)、重合開始剤、溶剤(油溶性溶剤)、及びそれら以外の油溶性化合物等を挙げることができる。これらのうちの1種又は2種以上を、各油相成分に用いることができる。第1の油相成分及び第2の油相成分はいずれも、重合性単量体及び油溶性化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することが好ましい。
重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、窒素原子を有する不飽和単量体、スチレン系単量体、及びそれら以外の他の重合性単量体等を挙げることができる。これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。本開示において、「(メタ)アクリル」との文言には、「アクリル」及び「メタクリル」の両方の文言が含まれることを意味する。また、同様に、「(メタ)アクリレート」との文言には、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方の文言が含まれることを意味する。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アラルキルエステル、及び(メタ)アクリル酸アリールエステル、並びにそれら以外の他の(メタ)アクリル酸エステル等を挙げることができる。これらの(メタ)アクリル酸エステルの1種又は2種以上を用いることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、及びベヘニル(メタ)アクリレート等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;並びにシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環式の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等を挙げることができる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種又は2種以上を用いることができる。これらのなかでも、炭素原子数が1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、及び(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えば、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、及び2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
(メタ)アクリル酸アラルキルエステルとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、メチルベンジル(メタ)アクリレート、及びナフチルメチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
(メタ)アクリル酸アリールエステルとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、及びナフチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
他の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリルレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、及びメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;2−クロロエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、及びパーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のハロゲン原子を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、及び3−(ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル;カルボキシエチル(メタ)アクリレート、及びカルボキシペンチル(メタ)アクリレート等のカルボキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル;グリシジル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びその誘導体;2−スルホエチル(メタ)アクリレート、及び3−スルホプロピル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基を有する(メタ)アクリレート;2−(ホスホノオキシ)エチル(メタ)アクリレート等のリン酸基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸2−イソシアナトエチル等のイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート;メトキシポリエチエレングリコール(メタ)アクリレート、及びフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルキル基又はアリール基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
不飽和カルボン酸系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、及びシトラコン酸等の不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸カリウム、及びビス(メタ)アクリル酸亜鉛等の不飽和カルボン酸の金属塩;無水マレイン酸、及び無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸の無水物;マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、及びイタコン酸モノブチルエステル等の不飽和カルボン酸のモノエステル等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
窒素原子を有する不飽和単量体としては、例えば、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル等のシアノ基を有する不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−[2−ジメチルアミノエチル](メタ)アクリルアミド、N−[3−ジメチルアミノプロピル](メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、4−アクリロイルモルホリン、及び4−メタクリロイルモルホリン等のアクリルアミド系単量体;N−ビニルアセトアミド、及びN−ビニル−N−メチルアセトアミド等のビニル基を有するアセトアミド系単量体;N−ビニル−2−ピロリドン、4−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、2−ビニル−2−オキサゾリン、及び2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等のビニル基を有する含窒素複素環式化合物等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−,m−,p−メチルスチレン、o−,m−,p−エチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、o−,m−,p−ヒドロキシスチレン、o−,m−,p−メトキシスチレン、o−,m−,p−エトキシスチレン、o−,m−,p−クロロスチレン、o−,m−,p−ブロモスチレン、o−,m−,p−フルオロスチレン、及びo−,m−,p−クロロメチルスチレン等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
他の重合性単量体としては、前述の不飽和カルボン酸系単量体、窒素原子を有する不飽和単量体、及びスチレン系単量体以外に、例えば、エチレン、ビニル系単量体、共役ジエン系単量体、不飽和アルコール、ビニルエーテル系単量体、ビニルエステル系単量体、エポキシ基を有する不飽和単量体、及びスルホン酸基を有する不飽和単量体等を用いることも可能である。
ビニル系単量体としては、例えば、塩化ビニル及びフッ化ビニル等が挙げられる。共役ジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、及び2−クロロ−1,3−ブタジエン等が挙げられる。不飽和アルコールとしては、例えば、ビニルアルコール及びアリルアルコール等が挙げられる。ビニルエーテル系単量体としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、及びジエチレングリコールモノビニルエーテル等が挙げられる。ビニルエステル系単量体としては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、及びバーサチック酸ビニル等が挙げられる。エポキシ基を有する不飽和単量体としては、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。スルホン酸基を有する不飽和単量体としては、例えば、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、及び2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
さらに、重合性単量体として、架橋剤としての機能を有し得る単量体(架橋性単量体)を用いることも可能である。架橋性単量体には、重合性不飽和結合を2以上有する単量体を用いることができる。架橋性単量体としては、例えば、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレ-ト、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びグリセリンジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン;並びにジアリルフタレート等が挙げられる。また、架橋性単量体としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、及び3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を挙げることもできる。架橋性単量体の1種又は2種以上を用いることが可能である。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸塩、有機過酸化物、及び過酸化水素等の過酸化物、並びにアゾ化合物等を挙げることができ、1種又は2種以上の重合開始剤を用いることができる。また、過酸化物と併用したレドックス重合開始剤や、重合促進剤として、1種又は2種以上の還元剤を用いることもできる。
過硫酸塩としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸アンモニウム等を挙げることができ、これらの過硫酸塩の1種又は2種以上を用いることができる。有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等を挙げることができ、これらの有機過酸化物の1種又は2種以上を用いることができる。アゾ化合物としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の油溶性アゾ化合物類を挙げることができ、これらのアゾ化合物の1種又は2種以上を用いることができる。
油溶性溶剤としては、例えば、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;ヘキサン、ヘプタン、及びオクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤;シクロヘキサン等の環状炭化水素系溶剤;ベンジルアルコール等の芳香族アルコール系溶剤;メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル等のエステル系溶剤等を挙げることができる。これらの油溶性溶剤の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
油溶性化合物は、上記の重合性単量体、重合開始剤、及び油溶性溶剤以外の油溶性化合物である。油溶性化合物としては、例えば、脂溶性カロテノイド、植物性油脂、動物性油脂、植物ステロール、脂溶性ビタミン、脂溶性薬剤、脂肪酸、炭化水素油、エステル油、高級アルコール、精油、シリコーンオイル、フッ素系油剤等を挙げることができる。これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。
脂溶性カロテノイドは、カロテン、キサントフィル、及びアポカルテノイドのいずれであってもよい。カロテンとしては、例えば、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、及びリコペン等が挙げられる。キサントフィルとしては、例えば、アクチニオエリスリトール、カンタキサンチン、カプソルビン、ククルビタキサンチンA、クリプトカプシン、アスタキサンチン、フコキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、カプサンチン、β−クリプトキサンチン、ビオラキサンチン、及びそれらの誘導体(脂肪酸とのモノエステル体又はジエステル体等)等が挙げられる。アポカルテノイドとしては、ビキシン、β−8'−アポ−カロテナール(アポカロテナール)、β−12'−アポ−カロテナール、及びこれらの誘導体(低級又は高級アルコールとのエステル体等)等が挙げられる。これらの脂溶性カロテノイドの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記脂溶性カロテノイドは、その由来や製法については、特に制限されず、植物、動物、及び微生物等の天然物由来のもののであってもよく、発酵法や合成法により得られたものであってもよい。また、脂溶性カロテノイドを含む天然色素を使用することもできる。そのような天然色素としては、例えば、トウガラシ色素(パプリカ色素、パプリカオレオレジン)、アナトー色素、イモカロテン、デュナリエラカロテン、ニンジンカロテン、エビ色素、オキアミ色素、オレンジ色素、カニ色素、トウモロコシ色素、トマト色素、パーム油カロテン、ファフィア色素、ベニノキ末色素、ヘマトコッカス藻色素、及びマリーゴールド色素等が挙げられる。
植物性油脂としては、例えば、ごま油、サラダ油、しらしめ油、コーン油、大豆油、菜種油(キャノーラ油)、こめ油、糠油、小麦胚芽油、椿油、ベニバナ油、ヤシ油(パーム核油)、綿実油、ひまわり油、エゴマ油、アマニ油、オリーブオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル、ヘーゼルナッツオイル、ウォルナッツオイル、グレープシードオイル、マスタードオイル、レタス油、及びそれらの硬化油等が挙げられる。これらの植物性油脂の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
動物性油脂としては、例えば、魚油、牛脂、豚脂、兎油、羊油、馬油、鶏油、鯨油、鮫油、肝油、及びそれらの硬化油(ラード(豚脂)、ヘット(牛脂)、兎脂、羊脂、馬脂)等が挙げられる。これらの動物性油脂の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
植物ステロールとは、植物中に存在するステロール類の総称である。植物ステロールとしては、例えば、α−シトスタノール、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、ブラシカステロール、イソフコステロール、7−スチグマステノール、イソフコスタノール、スチグマスタノール、7−スチグマスタノール、カンペスタノール、シクロアルテノール、アベナステロール、及びそれらの配糖体等が挙げられる。これらの植物ステロールの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂溶性ビタミン及び脂溶性薬剤としては、例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、及びそれらの誘導体、並びにステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アルコルビル、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、β−カロチン、ユビキノン−10、サリチル酸メチル、エリスロマイシン、キサンタマイシン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、及びカテキン等が挙げられる。これらの脂溶性ビタミン及び脂溶性薬剤の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、ベヘン酸、ヘキサデカトリエン酸、オクタデカトリエン酸、エイコサテトラエン酸、ドコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、テトラヘキサエン酸、及びそれらの異性体等が挙げられる。これらの脂肪酸の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
炭化水素油としては、例えば、パラフィン、ワセリン、セレシン、オゾケライト、モンタンロウ、スクワラン、及びスクワレン等が挙げられる。これらの炭化水素油の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エステル油としては、例えば、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンジステアリン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、フタル酸ジエチル、乳酸ミリスチル、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸セチル、乳酸セチル、1−イソステアロイル−3−ミリストイルグリセロール、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、オレイン酸2−オクチルドデシル、トリイソステアリン酸グリセロール、及びジパラメトキシ桂皮酸モノ2−エチルヘキサン酸グリセリル等が挙げられる。これらのエステル油の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高級アルコール(炭素原子数8以上の高級アルコール)としては、例えば、オクチルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びオレイルアルコール等が挙げられる。これらの高級アルコールの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
精油としては、例えば、ペパーミント油、スペアミント油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ハッカ油、及びレモン果皮油等が挙げられる。これらの精油の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリコーンオイルとしては、例えば、オクタメチルポリシロキサン、テトラデカメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキルグリセリルエーテル変性シリコーン、アルキル、アルケニル又はフルオロアルキル変性シリコーン等が挙げられる。これらのシリコーンオイルの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フッ素系油剤としては、例えば、パーフルオロデカリン、パーフルオロアダマンタン、パーフルオロブチルテトラハイドロフラン、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロペンタン、パーフルオロデカン、パーフルオロドデカン、及びパーフルオロポリエーテル等が挙げられる。これらのフッ素系油剤の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1の油相成分は、微小乳化物中間体において、微細な粒子を形成しやすい観点から、少なくとも重合性単量体を含有することが好ましい。また、第1の油相成分は、SP値が8.0〜10.0の範囲内にある重合性単量体を、第1の油相成分の全質量を基準として、5質量%以上含有することが好ましい。これにより、例えば、第2の油相成分として、SP値が低い(例えばSP値が8.0未満の)化合物を用いる場合にも、その第2の油相成分を微小乳化物中間体における第1の油相成分に複合化しやすくなる。第2の油相成分は、微小乳化物中間体における第1の油相成分に複合化しやすい観点から、SP値が8.0〜10.0の範囲内にある重合性単量体を、第2の油相成分の全質量を基準として、5質量%以上含有することが好ましい。
ここで、SP値(溶解度パラメータ)とは、下記式(2)より算出される凝集エネルギー密度の平方根で定義される物性値である。
δ(SP値)=(ΣEcoh/ΣV)1/2 ・・・(2)
上記式(2)に示されるように、SP値(溶解度パラメータ)は、その分子構造からFedorsの推算法により算出されるものであり、凝集エネルギー密度とモル分子容を基に計算される。すなわち、物質の各官能基の凝集エネルギー密度の合計ΣEcohと、モル分子容の合計ΣVより、上記式(2)のように定義することができる。凝集エネルギーの単位はJ/molの場合が多いが、本明細書では、J/molの単位のSP値を4.19の係数で除してcal/molを用いた。原子団、基固有の凝集エネルギー、モル分子容の定数は「R.F.Fedors, Polym. Eng. Sci., 14 [2], 147-154(1974)」に記載の数値を用いることができる。
本発明の一実施形態の複合微小乳化物の製造方法では、上述の第1の油相成分及び第2の油相成分のうちの少なくとも一方が重合性単量体を含有する場合、複合化工程後に得られた複合微小乳化物から、その複合微小乳化物における重合性単量体を重合することにより、複合微小樹脂乳化物を得ることもできる。複合微小樹脂乳化物は、水性分散媒中に樹脂粒子が分散しているもの(樹脂エマルション)である。樹脂粒子は、第1の油相成分及び第2の油相成分として用いられた重合性単量体が重合したものである。樹脂粒子としては、重合性単量体として少なくとも(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分が重合した(メタ)アクリル系樹脂粒子が好ましい。(メタ)アクリル系樹脂粒子は、1種の重合性単量体((メタ)アクリル酸エステル系単量体)が重合した重合体(単独重合体)粒子でもよいし、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む2種以上の重合性単量体が重合(共重合)した重合体(共重合体)粒子でもよい。
以上詳述した通り、本発明の一実施形態の複合微小乳化物の製造方法では、第1の油相成分の比表面積が1.0×104cm2/g以上である微小乳化物中間体に、第2の油相成分を添加して混合するため、100℃以下(さらには常温)であっても、第1の油相成分に第2の油相成分を複合化させることができる。それにより、水性分散媒中に、第1の油相成分に複合化した第2の油相成分を微細に、好ましくはナノサイズに分散させることができる。したがって、従来の乳化技術では、微細に分散させ難い物質も、それを本方法において第2の油相成分として用いることで、水性分散媒体中に微細に、さらにはナノサイズに分散させることができるため、乳化対象となる材料の選択の幅が広がることが期待できる。そのため、本方法は、乳化対象の油相成分を適宜選択することにより、食品、化粧品、医薬品、接着剤、粘着剤、塗料、及びインキ等の様々な分野における微小乳化物の製造に利用されることが期待できる。
なお、本発明の一実施形態の複合微小乳化物の製造方法は、以下の構成を採ることが可能である。
[1]水性分散媒中に粒子として第1の油相成分が分散している微小乳化物中間体であって、前記微小乳化物中間体に対する前記第1の油相成分の比表面積が1.0×104cm2/g以上である前記微小乳化物中間体に、乳化対象である第2の油相成分を添加して混合し、前記第1の油相成分に複合化させる複合化工程を含む、複合微小乳化物の製造方法。
[2]前記複合化工程において、温度が5〜100℃の範囲内、かつ、圧力が10〜40MPaの範囲内の条件下で、前記微小乳化物中間体に、前記第2の油相成分を添加して混合する上記[1]に記載の複合微小乳化物の製造方法。
[3]前記第1の油相成分及び前記第2の油相成分はいずれも、重合性単量体及び油溶性化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する上記[1]又は[2]に記載の複合微小乳化物の製造方法。
[4]前記第1の油相成分は、SP値が8.0〜10.0の範囲内にある重合性単量体を、前記第1の油相成分の全質量を基準として、5質量%以上含有する上記[1]〜[3]のいずれかに記載の複合微小乳化物の製造方法。
[5]前記第2の油相成分は、SP値が8.0〜10.0の範囲内にある重合性単量体を、前記第2の油相成分の全質量を基準として、5質量%以上含有する上記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合微小乳化物の製造方法。
[6]前記複合化工程の前に前記微小乳化物中間体を製造する、前記微小乳化物中間体の調製工程を含む上記[1]〜[5]のいずれかに記載の複合微小乳化物の製造方法。
[7]前記調製工程は、前記水性分散媒に含有される水と前記第1の油相成分とを、前記水の超臨界又は亜臨界状態で相溶させる工程と、前記水と前記第1の油相成分との相溶物を、曇点を有するノニオン性乳化剤の存在下で冷却する工程とを含む、上記[6]に記載の複合微小乳化物の製造方法。
[8]前記第1の油相成分及び前記第2の油相成分のうちの少なくとも一方は、重合性単量体を含有し、前記複合化工程後に得られた前記複合微小乳化物から、その複合微小乳化物における前記重合性単量体を重合して複合微小樹脂乳化物を得る工程をさらに含む、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の複合微小乳化物の製造方法。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて、前述の本発明の一実施形態のさらなる具体例を説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。なお、以下の文中、「部」及び「%」の記載は、特に断りのない限り質量基準(それぞれ「質量部」及び「質量%」との記載)である。
<乳化物中間体の調製>
(製造例1)
液状原料として、以下のA〜C液を用意した。
A液:イオン交換水
B液:第1の油相成分として、n−ブチルアクリレート(以下、「BA」と記載することがある。SP値=8.82)とシクロヘキシルメタクリレート(以下、「CHMA」と記載することがある。SP値=9.24)の質量比50:50からなる混合液
C液:曇点が79℃であるノニオン系乳化剤(ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル;商品名「ノイゲンXL−100」、第一工業製薬社製、HLB14.7)の22.5%水溶液
超臨界水供給装置(製品名「SFW−E40S」、AKICO社製)を用い、前述の図1に示した装置1のような構成の試験装置を用意した。この試験装置について、参考として図1中の符号を括弧内で示しつつ、説明する。この試験装置(1)は、2つの液状原料のA液とB液の流路(2a、2b)と、流入したA液(W)及びB液(O1)が合流する合流器(4a)と、合流器(4a)に流路(2c)を介して接続された混合器(5)を備える。この試験装置(1)では、A液の流路(2a)に加熱装置(3a)が設けられており、A液(W)は、連続的又は断続的に加圧供給されて加熱装置(3a)内で超臨界又は亜臨界状態となって合流器(4a)に供給され、混合器(5)に流入するように構成されている。本製造例では、A液の加熱及び加圧条件を、それぞれ250〜370℃の範囲内及び25MPaとし、混合器(5)に流入するA液が亜臨界水となる条件とした。なお、B液の流路(2b)にも予備的な加熱装置(3b)が設けられている。また、この試験装置(1)は、混合器(5)から出る液を冷却する冷却器(6)を備える。冷却器(6)の入口前には、混合器(5)から出る液の流路と、C液の流路(2d)とを接続する合流器(4b)が設けられており、冷却器(6)は、混合器(5)から出る液を、C液(S)の存在下で冷却することが可能に構成されている。さらに、この試験装置(1)は、冷却器(6)の出口に圧力バルブ(7)が設けられており、その圧力バルブ(7)によって、A液の加熱装置(3a)から圧力バルブ(7)までの間をほぼ一定の圧力の範囲内に保つことが可能に構成されている。
上記試験装置を用い、A液及びB液の各流路から、A液を29.5mL/分、B液を4.3mL/分の速度で流入させ、混合器において、A液(水)が310〜360℃、25MPaの亜臨界水になる高温・高圧の条件で、B液(第1の油相成分)をA液に溶解させた。続いて、C液の流路から、C液を5.2mL/分の速度で流入させ、冷却器において、C液(乳化剤)の存在下で、混合器から出た液(A液とB液の相溶物)を常温まで冷却した。このようにして、第1の油相成分濃度が10%である乳化物中間体を得た。
(製造例2)
製造例1で使用したB液を、第1の油相成分として、n−ブチルアクリレート(BA)とシクロヘキシルメタクリレート(CHMA)とメタクリル酸(以下、「MAAc」と記載することがある。SP値=10.73)を、BA:CHMA:MAAc=50:45:5の質量比で混合した混合液に変更したこと以外は、製造例1と同様の方法で、第1の油相成分濃度が10%である乳化物中間体を得た。
(製造例3)
製造例1で使用したB液を、第1の油相成分として、n−ブチルアクリレート(BA)とメチルメタクリレート(以下、「MMA」と記載することがある。SP値=10.02)とメタクリル酸(MAAc)をBA:MMA:MAAc=50:45:5の質量比で混合した混合液に変更したこと、及び混合器においてA液が250〜300℃、25MPaの亜臨界水になる高温・高圧条件としたこと以外は、製造例1と同様の方法で、第1の油相成分濃度が10%である乳化物中間体を得た。
(製造例4)
製造例1で使用したB液及びC液をそれぞれ以下のB液及びC液に変更したこと、混合器においてA液が250〜300℃、25MPaの亜臨界水になる高温・高圧条件としたこと、並びにA〜C液の流入速度を変更したこと以外は、製造例1と同様の方法で、乳化物中間体を得た。
B液としては、第1の油相成分として製造例3で用いたBA:MMA:MAAc=50:45:5(質量比)の混合液100部に、さらにノニオン系乳化剤(商品名「ノイゲンXL−100」、第一工業製薬社製)を12.5部混合した混合液を用いた。
C液としては、上記ノニオン系乳化剤(商品名「ノイゲンXL−100」):アニオン系乳化剤(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩;商品名「ニューコール707SF」、日本乳化剤社製)=3:1の質量比で混合した乳化剤の19.9%水溶液を用いた。
そして、A液、B液、及びC液の流入速度を、それぞれ、16mL/分、19mL/分、及び14.6mL/分とした。このようにして、第1の油相成分濃度が32%である乳化物中間体を製造した。
(製造例5)
製造例1で使用したB液及びC液をそれぞれ以下のB液及びC液に変更したこと、混合器においてA液が250〜300℃、25MPaの亜臨界水になる高温・高圧条件としたこと、並びにA〜C液の流入速度を変更したこと以外は、製造例1と同様の方法で、乳化物中間体を得た。
B液としては、第1の油相成分として製造例3で用いたBA:MMA:MAAc=50:45:5(質量比)の混合液100部に、さらにノニオン系乳化剤(商品名「ノイゲンXL−100」、第一工業製薬社製)を12.5部混合した混合液を用いた。
C液としては、イオン交換水のみを用いた。そして、A液、B液、及びC液の流入速度を、それぞれ、16mL/分、19mL/分、及び2mL/分とした。このようにして、第1の油相成分濃度が43%である乳化物中間体を製造した。
(製造例6)
容量1Lのポリジョッキ容器内に、イオン交換水370g、第1の油相成分として、n−ブチルアクリレート(BA)とシクロヘキシルメタクリレート(CHMA)の質量比50:50からなる混合液を80g、ノニオン系乳化剤(商品名「ノイゲンXL−100」、第一工業製薬社製)を10g入れ、温度25℃の条件下、ホモミキサーで回転速度3000rpmの条件で10分間撹拌し、乳化処理を行った。このようにして、第1の油相成分濃度が20%の乳化物中間体を得た。
(製造例7)
製造例6で製造した乳化物中間体を、さらに高圧ホモジナイザー(商品名「H−20」、三和機械社製)で温度25℃、圧力80MPaの条件下、5パス微細化処理することで、第1の油相成分濃度が20%の乳化物中間体を得た。
(製造例8)
製造例1で使用したB液を、第1の油相成分として、プロピオン酸ヘキシル(以下、「HP」と記載することがある。)とジメチルシリコーンオイル(商品名「KF−96−50cs」、信越化学工業社製)をHP:ジメチルシリコーンオイル=82:18の質量比で混合した混合液に変更したこと以外は、製造例1と同様の方法で、第1の油相成分濃度が10%である乳化物中間体を得た。
製造例1〜8で得られた各乳化物中間体について、乳化物中間体を測定に適した濃度に水で希釈した後、動的光散乱法を利用した粒度分布測定装置(商品名「濃厚系粒径アナライザー FPAR−1000」、大塚電子社製)を用いて、25℃において、粒度分布を測定し、キュムラント法解析による平均粒子径を測定した。また、製造例1〜8で得られた各乳化物中間体について、前述の式(1)により、乳化物中間体に対する第1の油相成分の比表面積(cm2/g)を算出した。図3A〜Hに粒度分布図を示す。表1には、各製造例で使用した第1の油相成分、乳化条件、並びに得られた乳化物の平均粒子径、油相成分濃度、及び比表面積等を示す。
表1及び図3A〜Hに示す通り、製造例1〜5、7及び8では、乳化物中間体に対する第1の油相成分の比表面積が大きく、ナノサイズで粒子径の揃った微粒子を含有する微小乳化物中間体が得られたことが確認された。一方、製造例6では、乳化物中間体に対する第1の油相成分の比表面積が小さく、ミクロンサイズの粒子を含有する乳化物中間体が得られたことが確認された。
<複合乳化物の製造>
(実施例1)
撹拌機、温度計、及び還流コンデンサーを備えた容量1Lの4つ口丸底フラスコに、製造例1で得られた微小乳化物中間体200gを入れ、25℃、大気圧(常圧)下で170rpmの回転速度で撹拌した。その撹拌下にある微小乳化物中間体に、第2の油相成分として、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)25gを30分かけて添加した。その添加終了後、25℃、大気圧(常圧)下で170rpmの回転速度で1時間撹拌を続け、油相成分濃度が20%である乳化物(複合微小乳化物)を得た。
(実施例2〜4)
実施例2〜4では、実施例1で使用した微小乳化物中間体及び第2の油相成分を以下の通りに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、油相成分濃度が20%である乳化物(複合微小乳化物)を得た。
実施例2では、製造例2で得られた微小乳化物中間体200gに、第2の油相成分として、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)とトルエンを、CHMA:トルエン=82:18の質量比で混合した混合液25gを添加した。
実施例3では、製造例3で得られた微小乳化物中間体200gに、第2の油相成分として、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)とn−ヘキサンを、CHMA:n−ヘキサン=82:18の質量比で混合した混合液25gを添加した。
実施例4では、製造例4で得られた微小乳化物中間体62.5gにイオン交換水を加えて200gとしたものに、第2の油相成分として、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)とアリルメタクリレート(以下、「AMA」と記載することがある。SP値=8.99)とトルエンを、CHMA:AMA:トルエン=73:9:18の質量比で混合した混合液25gを添加した。
(実施例5)
製造例5で得られた微小乳化物中間体50gと、イオン交換水140gと、アニオン系乳化剤(商品名「ニューコール707SF」、日本乳化剤社製)10gを混合し、混合液を得た。撹拌機、温度計、及び還流コンデンサーを備えた容量1Lの4つ口丸底フラスコに、上記混合液200gを入れ、25℃、大気圧(常圧)下で3500rpmの回転速度で撹拌した。その撹拌下にある上記混合液に、第2の油相成分として、n−ブチルアクリレート(BA)6.9g、メチルメタクリレート(MMA)52.4g、メタクリル酸(MAAc)3.4g、アリルメタクリレート(AMA)4.4g、n−ヘプタン9.9g、及び重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル(AIBN))0.4gからなる混合液を10分かけて添加した。その添加終了後、25℃、大気圧(常圧)下で3500rpmの回転速度で10分間撹拌を続け、油相成分濃度が36%である乳化物(複合微小乳化物)を得た。
(実施例6)
実施例6では、製造例7で得られた微小乳化物中間体100gにイオン交換水100gを加えて200gとしたものに、第2の油相成分として、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)とn−ブチルアクリレート(BA)とジメチルシリコーンオイル(商品名「KF−96−50cs」、信越化学工業社製)をCHMA:BA:ジメチルシリコーンオイル=68:22:10の質量比で混合した混合液25gを、実施例1と同様の方法により添加し、油相成分濃度が20%である乳化物(複合微小乳化物)を得た。
(比較例1)
撹拌機、温度計、及び還流コンデンサーを備えた容量1Lの4つ口丸底フラスコに、乳化物中間体の代わりに、イオン交換水190g、ノニオン系乳化剤(商品名「ノイゲンXL−100」、第一工業製薬社製)10gを入れ、大気圧(常圧)下で170rpmの回転速度で撹拌した。その撹拌下にある液に、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)とn−ヘキサンを、CHMA:n−ヘキサン=82:18の質量比で混合した混合液25gを30分かけて添加した。その添加終了後、25℃、大気圧(常圧)下で170rpmの回転速度で1時間撹拌を続けたが、微小乳化物は得られず、油滴が分離した分離液を得た。
(比較例2)
撹拌機、温度計、及び還流コンデンサーを備えた容量1Lの4つ口丸底フラスコに、製造例6で得られた乳化物中間体200gを入れ、25℃、大気圧(常圧)下で170rpmの回転速度で撹拌した。その撹拌下にある乳化物中間体に、第2の油相成分として、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)とオレイン酸をCHMA:オレイン酸=70:30の質量比で混合した混合液25gを30分かけて添加した。その添加終了後、25℃、大気圧(常圧)下で170rpmの回転速度で1時間撹拌を続けたが、微小乳化物は得られず、油滴が分離した分離液を得た。
実施例1〜6で得られた各乳化物について、乳化物を測定に適した濃度に水で希釈した後、動的光散乱法を利用した粒度分布測定装置(商品名「濃厚系粒径アナライザー FPAR−1000」、大塚電子社製)を用いて、25℃において、粒度分布を測定し、キュムラント法解析による平均粒子径を測定した。図4A〜Fに粒度分布図を示す。表2には、実施例1〜6及び比較例2で使用した各乳化物中間体の性状を再掲するとともに、第2の油相成分を添加する際(複合化工程)の圧力及び温度条件、並びに実施例1〜6で得られた各乳化物について測定した平均粒子径等を示す。
表2及び図4A〜Fに示す通り、実施例1〜6では、第1の油相成分の比表面積が1.0×104cm2/g以上である微小乳化物中間体に、第2の油相成分を添加して混合することにより、水性分散媒中にナノサイズで粒子径の揃った微粒子が安定に分散している微小乳化物が得られたことが確認された。この結果から、実施例1〜6では、微小乳化物中間体における粒子を形成している第1の油相成分に第2の油相成分が複合化して、複合微小乳化物が得られたことが確認された。
<連続フロー方式による複合乳化物の製造>
次に、前述の図2に示した装置10のような構成の試験装置を用い、微小乳化物中間体の製造から複合微小乳化物の製造までを連続フロー方式で行った実施例について説明する。
(実施例7)
液状原料として、以下のA〜D液を用意した。
A液:イオン交換水
B液:第1の油相成分として、n−ブチルアクリレート(BA)とシクロヘキシルメタクリレート(CHMA)の質量比50:50からなる混合液
C液:曇点が79℃であるノニオン系乳化剤(ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル;商品名「ノイゲンXL−100」、第一工業製薬社製、HLB14.7)の22.5%水溶液
D液:第2の油相成分として、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA):ジメチルシリコーンオイル(商品名「KF−96−50cs」、信越化学工業社製)=82:18(質量比)の混合液
前述の図2に示した装置10のような構成の連続式試験装置を用意した。この連続式試験装置について、参考として図1及び図2中の符号を括弧内で示しつつ、説明する。この連続式試験装置(10)は、前述の製造例で使用した試験装置(1)に連続して、D液(O2)の流入路(2e)と、複合化部(11)が設けられた構成を有する。具体的には、この連続式試験装置(10)は、前述の製造例で使用した試験装置(1)における冷却器(6)と圧力バルブ(7)の間に、冷却器(6)から出る液の流路(2c)に合流器(4c)で合流するD液の流路(2e)と、冷却器(6)から出た液及びD液(O2)が合流器(4c)で合流して流入する複合化部(11)とを備える。この連続式試験装置(10)では、圧力バルブ(7)によって、D液(O2)が高圧力下で流入可能となっている。また、冷却器(7)から出た液(乳化物中間体)は、温度が5〜100℃の範囲内、かつ、圧力が25MPaの条件下で、複合化部(11)に流入されるように構成した。
実施例7では、上記連続式試験装置におけるA液の流路及びB液の流路から、それぞれ、A液を29.5mL/分、B液を4.3mL/分の速度で流入させ、混合器において、A液(水)が310〜360℃、25MPaの亜臨界水になる高温・高圧の条件で、B液(第1の油相成分)をA液に溶解させた。続いてC液の流路から、C液(乳化剤)を5.2mL/分の速度で流入させ、冷却器において、C液の存在下で、混合器から出た液(A液とB液の相溶物)を常温まで冷却し、連続してD液の流路から、D液(第2の油相成分)を5.4mL/分の速度で流入させた。このようにして、連続フロー方式で、油相成分濃度が20%である乳化物(複合微小乳化物)を得た。
(実施例8)
実施例7で使用したD液及びその流入速度について、以下のD液を13.5g/分の速度で流入させたこと以外は、実施例7と同様の方法により、油相成分濃度が20%である乳化物(複合微小乳化物)を得た。
D液:シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)90.9g、n−ブチルアクリレート(BA)3.7g、及びジメチルシリコーンオイル(商品名「KF−96−50cs」、信越化学工業社製)21.2gの混合物(第2の油相成分)、アニオン系乳化剤(商品名「ニューコール707SF」、日本乳化剤社製)14.2g、並びにイオン交換水101.7gを6000rpmで5分撹拌して得られたミクロンサイズの乳化液
(実施例9〜12)
実施例8で用いたD液中の第2の油相成分におけるジメチルシリコーンオイルを、実施例9ではオレイン酸に、実施例10ではオクチルアルコールに、実施例11ではベンジルアルコールに、実施例12ではスチレン(SP値=9.24)に、それぞれ変更したこと以外は、実施例8と同様の方法により、油相成分濃度が20%である乳化物(複合微小乳化物)を得た。
なお、実施例7〜12では、D液を添加する前の冷却器(6)から一部採取した液(乳化物中間体)について、前述と同様の方法による平均粒子径を測定し、また、第1の油相成分の比表面積を算出したところ、いずれも、製造例1で得られた微小乳化物中間体と同様であったことが確認された。
(実施例13)
液状原料として、以下のA〜D液を用意した。
A液:イオン交換水
B液:第1の油相成分として、n−ブチルアクリレート(BA):メチルメタクリレート(MMA):メタクリル酸(MAAc)=40:55:5(質量比)の混合液
C液:曇点が79℃であるノニオン系乳化剤(ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル;商品名「ノイゲンXL−100」、第一工業製薬社製、HLB14.7)の22.5%水溶液
D液:容量1Lのポリジョッキ容器内に、イオン交換水144.7g、及びアニオン系乳化剤(商品名「ニューコール707SF」、日本乳化剤社製)18.9g、並びに第2の油相成分として、メチルメタクリレート(MMA)113.1g、アリルメタクリレート(AMA)14.2g、メタクリル酸(MAAc)6.7g、ジメチルシリコーンオイル(商品名「KF−96−50cs」、信越化学工業社製)31.2g、及び重合開始剤(AIBN)2.0gを入れ、ホモミキサーで回転速度6000rpmの条件にて10分間撹拌して得られたミクロンサイズの乳化液
実施例13では、上記連続式試験装置における各流路から、A液を19mL/分、B液を10mL/分、C液を7.2mL/分、D液を19.8g/分の速度で流入させたこと、及びA液とB液との混合の際、A液が250〜290℃、25MPaの亜臨界水になる高温・高圧の条件としたこと以外は、実施例7と同様の方法により、連続フロー方式で、油相成分濃度が34%である乳化物(複合微小乳化物)を得た。なお、実施例13において、D液を添加する前の冷却器(6)から一部採取した液(乳化物中間体)について、前述と同様の方法による平均粒子径を測定し、また、第1の油相成分の比表面積を算出したところ、その乳化物中間体の平均粒子径は90nmであり、第1の油相成分の濃度は26%、比表面積は1.9×105cm2/gであった。
(実施例14)
液状原料として、以下のA〜D液を用意した。
A液:イオン交換水
B液:第1の油相成分として、プロピオン酸ヘキシル(HP)とジメチルシリコーンオイル(商品名「KF−96−50cs」、信越化学工業社製)を、HP:ジメチルシリコーンオイル=82:18の質量比で混合した混合液
C液:曇点が79℃であるノニオン系乳化剤(ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル;商品名「ノイゲンXL−100」、第一工業製薬社製、HLB14.7)の22.5%水溶液
D液:第2の油相成分として、プロピオン酸ヘキシル(HP)とプロピオン酸ブチル(以下、「BP」と記載することがある。)の質量比50:50からなる混合液
実施例14では、上記連続式試験装置におけるA液の流路及びB液の流路から、それぞれ、A液を29.5mL/分、B液を4.3mL/分の速度で流入させ、混合器において、A液(水)が380℃、25MPaの超臨界水になる高温・高圧の条件で、B液(第1の油相成分)をA液に溶解させた。続いてC液の流路から、C液(乳化剤)を5.2mL/分の速度で流入させ、冷却器において、C液の存在下で、混合器から出た液(A液とB液の相溶物)を常温まで冷却し、連続してD液の流路から、D液(第2の油相成分)を5.4mL/分の速度で流入させた。このようにして、連続フロー方式で、油相成分濃度が20%である乳化物(複合微小乳化物)を得た。なお、実施例14では、D液を添加する前の冷却器から一部採取した液(乳化物中間体)について、前述と同様の方法による平均粒子径を測定し、また、第1の油相成分の比表面積を算出したところ、いずれも、製造例8で得られた微小乳化物中間体と同様であったことが確認された。
(比較例3)
実施例7で使用したB液を用いなかった(流入させなかった)こと以外は、実施例7と同様の操作を行った。しかし、微小乳化物は得られず、油滴が分離した分離液を得た。
(比較例4)
液状原料として、B液(第1の油相成分)を使用しなかったこと以外は、実施例14と同様の方法により、A液、C液、及びD液(第2の油相成分)を用いたことによって、第2の油相成分からなる油相成分濃度が12.3%の乳化物を得た。ただし、この乳化物は、すぐに2層に分離し、乳化安定性が不良であった。
(比較例5)
液状原料として、以下のA〜D液を用意した。
A液:イオン交換水
B液:第1の油相成分として、n−ブチルアクリレート(BA)とシクロヘキシルメタクリレート(CHMA)の質量比50:50からなる混合液
C液:曇点が79℃であるノニオン系乳化剤(ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル;商品名「ノイゲンXL−100」、第一工業製薬社製、HLB14.7)の1.4%水溶液
D液:第2の油相成分として、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA):ジメチルシリコーンオイル(商品名「KF−96−50cs」、信越化学工業社製)=80:10の質量比で混合した混合液(第2の油相成分)と、曇点が79℃であるノニオン系乳化剤(ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル;商品名「ノイゲンXL−100」、第一工業製薬社製、HLB14.7)とを、質量比90:10で混合した混合液
比較例5では、上記連続式試験装置におけるA液の流路及びB液の流路から、それぞれ、A液を30.0mL/分、B液を0.6mL/分の速度で流入させ、混合器において、A液(水)が310〜350℃、25MPaの亜臨界水になる高温・高圧条件で、B液(第1の油相成分)をA液に溶解させた。続いてC液の流路から、C液(乳化剤)を24.0mL/分の速度で流入させ、冷却器において、C液の存在下で、混合器から出た液(A液とB液の相溶物)を常温まで冷却し、連続してD液の流路から、D液を15.4mL/分の速度で流入させた。このようにして、連続フロー方式で、油相成分濃度が20%である乳化物を得た。この乳化物は、常温で1日後には、シリコーンオイルの分離が認められ、乳化安定性が不良であった。
なお、比較例5において、D液を添加する前の冷却器から一部採取した液(乳化物中間体)について、前述と同様の方法による平均粒子径を測定し、また、第1の油相成分の比表面積を算出したところ、その乳化物中間体の平均粒子径は107nmであり、第1の油相成分の濃度は1.0%、比表面積は6.2×103cm2/gであった。比較例5で得られた乳化物中間体の粒度分布図を図3Iに示す。ナノサイズの乳化物中間体を使用しても、その乳化物中間体に対する第1の油相成分の比表面積が1.0×104cm2/g未満であると、第2の油相成分を添加しても、複合化の精度が低下し、分離し易い結果となった(図5I参照)。
実施例7〜14及び比較例5で得られた各乳化物について、前述と同様の方法により、粒度分布及び平均粒子径を測定した。図5A〜Iに粒度分布図を示す。表3には、連続フロー方式による製造途中で得られた各乳化物中間体の性状、その乳化物中間体に添加した第2の油相成分、それを添加する際(複合化工程)の圧力及び温度条件、並びに得られた各乳化物について測定した平均粒子径等を示す。
表3及び図5A〜Hに示す通り、実施例7〜14では、第1の油相成分の比表面積が1.0×104cm2/g以上である微小乳化物中間体に、連続フロー方式にて第2の油相成分が添加され、それらが混合されたことにより、水性分散媒中にナノサイズで粒子径の揃った微粒子が安定に分散している微小乳化物が得られたことが確認された。この結果から、実施例7〜14では、微小乳化物中間体における粒子を形成している第1の油相成分に第2の油相成分が複合化して、複合微小乳化物が得られたことが確認された。
<複合微小樹脂乳化物の製造>
(実施例15)
撹拌機、温度計、及び還流コンデンサーを備えた容量1Lの4つ口丸底フラスコに、実施例5で得られた平均粒子径162nmの複合微小乳化物200gを入れ、75℃の湯浴中で3時間撹拌し、複合微小乳化物に油相成分として含まれている重合性単量体を重合させた。この重合処理後、冷却し、樹脂分の濃度が36%である複合微小樹脂乳化物を得た。
(実施例16)
実施例15で使用した複合微小乳化物を、実施例13で得られた平均粒子径120nmの複合微小乳化物に変更したこと以外は、実施例15と同様の方法で重合処理を行い、冷却後、樹脂分の濃度が24%である複合微小樹脂乳化物を得た。
実施例15及び16で得られた各乳化物について、前述と同様の方法により、粒度分布及び平均粒子径を測定した。図6A及びBに示す粒度分布図の通り、重合前の複合微小乳化物に比べて、よりシャープな粒度分布を有する複合微小樹脂乳化物が得られたことが確認された。また、実施例15で得られた複合微小樹脂乳化物の平均粒子径は、186nmであった。実施例16で得られた複合微小樹脂乳化物の平均粒子径は、131nmであった。

ある物体(球体)の単位質量当たりの表面積(当該物体の比表面積)Smは、その物体の体積をV、密度をρ、表面積をSとすると、Sm=S/(ρ×V)で表される。球体の体積Vは、直径をDとして、V=(4/3)×π×(D/2) であり、球体の表面積Sは、S=4×π×(D/2)であるから、球体の比表面積Smは、Sm=6/(ρ×D)となる。そのため、微小乳化物中間体における粒子として分散している第1の油相成分を球体とみなすと、その第1の油相成分の比表面積Sm(cm/g)は、第1の油相成分の粒子径をD(cm)、第1の油相成分の密度をρ(g/cm)として、Sm=6/(ρ×D)となる。したがって、微小乳化物中間体の全質量を基準とした、上記比表面積Smをもつ第1の油相成分の含有量(濃度)をC(質量%)とすると、微小乳化物中間体の単位質量当たりの第1の油相成分の表面積、すなわち、微小乳化物中間体に対する第1の油相成分の比表面積Sm(cm/g)は、下記式(1)より算出することができる。
Sm=6/(ρ×D)×C/100 ・・・(1)

Claims (8)

  1. 水性分散媒中に粒子として第1の油相成分が分散している微小乳化物中間体であって、前記微小乳化物中間体に対する前記第1の油相成分の比表面積が1.0×104cm2/g以上である前記微小乳化物中間体に、乳化対象である第2の油相成分を添加して混合し、前記第1の油相成分に複合化させる複合化工程を含む、複合微小乳化物の製造方法。
  2. 前記複合化工程において、温度が5〜100℃の範囲内、かつ、圧力が10〜40MPaの範囲内の条件下で、前記微小乳化物中間体に、前記第2の油相成分を添加して混合する請求項1に記載の複合微小乳化物の製造方法。
  3. 前記第1の油相成分及び前記第2の油相成分はいずれも、重合性単量体及び油溶性化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する請求項1又は2に記載の複合微小乳化物の製造方法。
  4. 前記第1の油相成分は、SP値が8.0〜10.0の範囲内にある重合性単量体を、前記第1の油相成分の全質量を基準として、5質量%以上含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合微小乳化物の製造方法。
  5. 前記第2の油相成分は、SP値が8.0〜10.0の範囲内にある重合性単量体を、前記第2の油相成分の全質量を基準として、5質量%以上含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合微小乳化物の製造方法。
  6. 前記複合化工程の前に前記微小乳化物中間体を製造する、前記微小乳化物中間体の調製工程を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合微小乳化物の製造方法。
  7. 前記調製工程は、前記水性分散媒に含有される水と前記第1の油相成分とを、前記水の超臨界又は亜臨界状態で相溶させる工程と、前記水と前記第1の油相成分との相溶物を、曇点を有するノニオン性乳化剤の存在下で冷却する工程とを含む、請求項6に記載の複合微小乳化物の製造方法。
  8. 前記第1の油相成分及び前記第2の油相成分のうちの少なくとも一方は、重合性単量体を含有し、
    前記複合化工程後に得られた前記複合微小乳化物から、その複合微小乳化物における前記重合性単量体を重合して複合微小樹脂乳化物を得る工程をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合微小乳化物の製造方法。

JP2019067612A 2019-03-29 2019-03-29 複合微小乳化物の製造方法 Active JP6596640B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019067612A JP6596640B1 (ja) 2019-03-29 2019-03-29 複合微小乳化物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019067612A JP6596640B1 (ja) 2019-03-29 2019-03-29 複合微小乳化物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6596640B1 JP6596640B1 (ja) 2019-10-30
JP2020163320A true JP2020163320A (ja) 2020-10-08

Family

ID=68383188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019067612A Active JP6596640B1 (ja) 2019-03-29 2019-03-29 複合微小乳化物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6596640B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7412827B1 (ja) 2023-08-04 2024-01-15 サイデン化学株式会社 樹脂粒子組成物、検査キット、及び樹脂粒子組成物の製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003147201A (ja) * 2001-11-08 2003-05-21 Kansai Paint Co Ltd 乳化液の製造方法
JP2009261929A (ja) * 2008-03-31 2009-11-12 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd 界面活性剤の配合量が低減された透明な芳香液
JP2010132648A (ja) * 2008-10-31 2010-06-17 Shiseido Co Ltd O/w乳化組成物
JP2013039547A (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 Japan Agengy For Marine-Earth Science & Technology 乳化物の製造方法
JP2015134341A (ja) * 2013-12-17 2015-07-27 花王株式会社 微細粒子分散物の製造方法
JP2018176044A (ja) * 2017-04-10 2018-11-15 サイデン化学株式会社 重合性単量体の微小乳化物の製造方法及び微小樹脂乳化物の製造方法
JP6519032B1 (ja) * 2018-03-19 2019-05-29 サイデン化学株式会社 重合性単量体の微小乳化物の製造方法及び微小樹脂乳化物の製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003147201A (ja) * 2001-11-08 2003-05-21 Kansai Paint Co Ltd 乳化液の製造方法
JP2009261929A (ja) * 2008-03-31 2009-11-12 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd 界面活性剤の配合量が低減された透明な芳香液
JP2010132648A (ja) * 2008-10-31 2010-06-17 Shiseido Co Ltd O/w乳化組成物
JP2013039547A (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 Japan Agengy For Marine-Earth Science & Technology 乳化物の製造方法
JP2015134341A (ja) * 2013-12-17 2015-07-27 花王株式会社 微細粒子分散物の製造方法
JP2018176044A (ja) * 2017-04-10 2018-11-15 サイデン化学株式会社 重合性単量体の微小乳化物の製造方法及び微小樹脂乳化物の製造方法
JP6519032B1 (ja) * 2018-03-19 2019-05-29 サイデン化学株式会社 重合性単量体の微小乳化物の製造方法及び微小樹脂乳化物の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7412827B1 (ja) 2023-08-04 2024-01-15 サイデン化学株式会社 樹脂粒子組成物、検査キット、及び樹脂粒子組成物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6596640B1 (ja) 2019-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Jasmina et al. Preparation of nanoemulsions by high-energy and lowenergy emulsification methods
Gadhave Nanoemulsions: Formation, stability and applications
Freitas et al. Continuous contact-and contamination-free ultrasonic emulsification—a useful tool for pharmaceutical development and production
Mason et al. Extreme emulsification: formation and structure of nanoemulsions
Nauman et al. Particle size control in miniemulsion polymerization via membrane emulsification
US20110135734A1 (en) Method For the Preparation of Nanoparticles From Nanoemulsions
Marie et al. Influence of major parameters in emulsification mechanisms using a high-pressure jet
CN103965421B (zh) 一种具有核壳结构的温敏性两亲嵌段共聚物的制备方法及其产品
Wang et al. New low-energy method for nanoemulsion formation: pH regulation based on fatty acid/amine complexes
JP6596640B1 (ja) 複合微小乳化物の製造方法
de Paz et al. Production of water-soluble β-carotene micellar formulations by novel emulsion techniques
Sokolov Nanoemulsion formation by low-energy methods: A review
EP2276797A1 (en) Polymer encapsulated colourants by spray drying
D’oria et al. Preparation of solid lipid particles by membrane emulsification—Influence of process parameters
TW200536863A (en) Method of emulsion polymerization using liquid miniemulsion as seed particle
TW201400556A (zh) 構造色材料及使用其之化妝品
JP6519032B1 (ja) 重合性単量体の微小乳化物の製造方法及び微小樹脂乳化物の製造方法
JP6019024B2 (ja) 高濃度エマルション
Loncke et al. Development and characterization of a continuous ultrasound emulsification and nano-emulsion polymerization process
JP2018176044A (ja) 重合性単量体の微小乳化物の製造方法及び微小樹脂乳化物の製造方法
Carpenter et al. Ultrasonic cavitation assisted synthesis of multilayer emulsions as encapsulating and delivery systems for bioactive compounds
Sajjadi et al. Exploring the limits of particle size for nanolatexes produced via monomer-starved semicontinuous emulsion polymerization
JP2006036910A (ja) 粉末状共重合体の製造方法及びその共重合体、並びに高分子乳化剤
JP2000336107A (ja) エマルジョンの製造方法
Çınar Nanoemülsiyonlar Üzerine Bir Derleme: Hazirlama Metotlari Ve Stabiliteleri

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190405

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190408

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190412

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190611

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190703

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190828

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6596640

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250