JP2020163295A - 再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法 - Google Patents

再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020163295A
JP2020163295A JP2019066552A JP2019066552A JP2020163295A JP 2020163295 A JP2020163295 A JP 2020163295A JP 2019066552 A JP2019066552 A JP 2019066552A JP 2019066552 A JP2019066552 A JP 2019066552A JP 2020163295 A JP2020163295 A JP 2020163295A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating film
layer
coating
retroreflective
coating composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019066552A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7283942B2 (ja
Inventor
幸代 湯澤
Yukiyo Yuzawa
幸代 湯澤
中島 陽子
Yoko Nakajima
陽子 中島
学 野坂
Manabu Nosaka
学 野坂
健佑 川島
Kensuke Kawashima
健佑 川島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Bridgestone Cycle Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Bridgestone Cycle Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd, Bridgestone Cycle Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP2019066552A priority Critical patent/JP7283942B2/ja
Priority to CN202010226720.5A priority patent/CN111744745A/zh
Publication of JP2020163295A publication Critical patent/JP2020163295A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7283942B2 publication Critical patent/JP7283942B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D5/00Processes for applying liquids or other fluent materials to surfaces to obtain special surface effects, finishes or structures
    • B05D5/06Processes for applying liquids or other fluent materials to surfaces to obtain special surface effects, finishes or structures to obtain multicolour or other optical effects
    • B05D5/061Special surface effect
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D5/00Processes for applying liquids or other fluent materials to surfaces to obtain special surface effects, finishes or structures
    • B05D5/06Processes for applying liquids or other fluent materials to surfaces to obtain special surface effects, finishes or structures to obtain multicolour or other optical effects
    • B05D5/061Special surface effect
    • B05D5/063Reflective effect
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D7/00Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials
    • B05D7/24Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials for applying particular liquids or other fluent materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D7/00Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials
    • B05D7/50Multilayers
    • B05D7/56Three layers or more
    • B05D7/58No clear coat specified

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】全角度から見た際に、明度が高くより白味の際立った透明感と高級感のあるきらきらとした輝く外観を有し、夜間は高い輝度で光再帰性反射能を発揮し、意匠性と機能性を兼ね備えた塗膜を得ることができる再帰反射性を有する複層塗膜の塗膜形成方法を提供すること。【解決手段】被塗物上に、干渉顔料を含有するベース塗料組成物を塗装してベース塗膜層(I)を反射層として形成する工程、高屈折率ビーズを含む再帰反射塗料組成物を塗装して再帰反射塗膜層(II)を形成する工程、次いで、少なくとも1層のクリヤー塗料組成物を塗装しクリヤー塗膜層(III)を形成する工程、をこの順で含む複層塗膜の形成方法であって、前記ベース塗料組成物中の干渉顔料の含有量が、特定量の範囲内であることを特徴とする、再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法。【選択図】なし

Description

本発明は、高級感のある意匠性と再帰反射性の両方を備えた複層塗膜の塗膜形成方法に関する。
再帰反射とは、光学上特殊な反射機構で、入射した光が再び入射方向へ帰る反射現象を指す。入射角と反射角が等しくなる鏡面反射とは異なり、受けた光をそのまま光源にはね返すため、光源方向からの視認性を高める効果があることから、交通表示や車両の反射表示等に利用されている。
この再帰反射性を発現させる積層構造を得るために、従来から塗装による方法によってこの再帰反射構造を形成することが知られている。例えば、特許文献1では、ベース塗膜層が粉体塗料により形成されたロードホイール基材上に、蒸着金属膜を粉砕して金属砕片とした光輝性顔料を含むメタリック塗膜層と、ガラスビーズを含む塗膜層と、クリヤー塗膜層とを順次形成する光輝性塗膜の形成方法が開示されている。塗装による再帰反射構造は、比較的安価で簡便にあらゆる形状へ塗装できるものの、十分な再帰反射性を得るために、反射層に反射率の高いメタリック塗膜層と、その上にガラスビーズを緻密に敷き詰める必要があった。すなわち再帰反射層に再帰反射素材としてガラスビーズを高濃度に例えば80重量%以上含有せしめることが一般的であった。メタリック塗膜は通常、角度による輝度の変化が激しく(通常、フリップフロップ性が高いL*15/L*75の値が高いものが良いものとされる)、反射層がメタリック塗膜層である場合には角度による輝度差が大きく、得られる複層塗膜は、再帰反射光のギラツキがめだち、また高級感のある意匠性を付与させることに課題があった。
従来からキラキラとした高級感のある意匠性を付与する手法として、アルミ顔料や、パール顔料等の光輝性顔料を含有する塗料組成物とその塗膜形成方法が提案されているが、観察角度によってキラキラと干渉光の色味と輝きが変化するパール色が高級感の点から人気の高いものとなっている。なかでもホワイトパール色は、清潔感と高級感を併せ持つ色として注目されている。
このようなホワイトパール色の塗膜形成方法として、例えば、特許文献2には、下塗り塗膜及び中塗り塗膜を形成した基材上に、ホワイトカラーベース塗膜、マイカベース塗膜及びクリヤー塗膜を、順次形成するホワイトパール塗膜形成方法であって、前記マイカベース塗膜は、還元チタンコート干渉マイカ顔料を、前記還元チタンコート干渉マイカ顔料と金属酸化物被覆顔料との総合計質量に対して特定量含有することを特徴とするホワイトパール塗膜形成方法が開示されている。
しかしながら、前記ホワイトパール塗膜形成方法によって得られる塗膜全体的に黄味がかり白色度に欠けるという問題があった。
そこで、特許文献3は、酸化チタン被覆合成雲母及びビヒクル形成樹脂を含む塗料組成物であって、ビヒクル形成樹脂100質量部を基準として酸化チタン被覆合成雲母を、5〜20質量部含有し、該酸化チタン被覆合成雲母が、特定の条件で塗膜を形成したときに特定の測色値であることを特徴とする塗料組成物を提案している。この特許文献3に開示の発明では、シェード領域の黄味の抑制と、ハイライトでの白色度を向上させる手法であったが、この方法により得られる塗膜にさらに再帰反射層としてビーズ層を形成すると、ビーズの有する独特の光学特性により、シェード領域(ななめ方向)での黄みや乳白色のような白濁感が出てしまい、全角度から見た際にきれいなホワイトにならず、また輝度も低くなるという問題があった。また、反射層にメタリック塗膜を形成する際とくらべて、干渉顔料を用いる場合は、輝度が全体的に低いために、再帰反射としての機能は得られないものと考えられた。
一方、特許文献4は、夜間や暗所などで光を受けたときに単に反射するだけでなく、きらめき感を示す塗膜を形成するために、平滑な表面を有するフレーク状ガラスの表面に金属皮膜が形成されている鱗片状顔料を含み、該鱗片状顔料が粒径20〜80μmの粒子を40重量%以上の割合で有する再帰光輝性塗料を開示しているが、再帰反射輝度が低くまた、意匠としては、透明感が少ないため、高級感のあるキラキラとした干渉光を発現するものではなかった。
特開2001−79485号公報 特開2006−326538号公報 特開2018−188660号公報 特開平5−179174号公報
全角度から見た際に、明度が高く、より白味の際立った透明感と高級感のあるきらきらとした輝く外観を有し、夜間は高い輝度で十分な再帰反射性を発揮し、高級感のある意匠性と機能性を兼ね備えた塗膜を得ることができる、再帰反射性を有する複層塗膜の塗膜形成方法を提供すること。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法において、反射層に干渉顔料を含有するベース塗料組成物を用いることで、きらきらとしたパール感が生かされた透明感と高級感のある意匠となり、また干渉顔料の発現する透過光と高屈折ビーズの再帰反射光とが加法混色され、全角度から見た際に、特にシェード領域においても、白色度・輝度ともに高い再帰反射性を有する複層塗膜を得ることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、以下の態様を包含する。
項1.被塗物上に、干渉顔料(A)を含有するベース塗料組成物を塗装してベース塗膜層(I)を反射層として形成する工程(1)、
高屈折率ビーズを含む再帰反射塗料組成物を塗装して再帰反射塗膜層(II)を形成する工程(2)、次いで、少なくとも1層のクリヤー塗料組成物を塗装しクリヤー塗膜層(III)を形成する工程(3)、をこの順で含む複層塗膜の形成方法であって、前記ベース塗料組成物中の干渉顔料(A)の含有量が、ベース塗料組成物の樹脂固形分100質量部を基準として1〜20質量部の範囲内であることを特徴とする、再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法。
項2.前記工程(2)において、未硬化のベース塗膜上に再帰反射塗料組成物を噴霧塗装して再帰反射層(II)を形成することを特徴とする、項1に記載の再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法。
項3.前記ベース塗料組成物を、硬化塗膜として15μmの膜厚となるように塗装して得られる塗膜の、波長400〜700nmの光線透過率が10〜99%の範囲内である項1又は2に記載の再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法。
得られる複層塗膜は、角度依存が少なくあらゆる方向から見て輝度感が高いにもかかわらず、昼光下においてはきらきらとしたパール感が生かされ、透明感と高級感のある輝く外観を有し、夜間は輝度の高い光再帰性反射能を発揮し、意匠性と機能性を兼ね備えた塗膜を得ることができる。
また、ベース塗膜層(I)及び再帰反射塗膜層(II)の密着性に優れることから、上塗塗料を塗装する際に高屈折率ビーズを脱落させることなく塗装ができ、また上塗クリヤー塗膜層(III)との密着性にも優れ、耐候性に優れる。
<<再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法>>
本発明の再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法は、被塗物上に、干渉顔料(A)を含有するベース塗料組成物を塗装してベース塗膜層(I)を反射層として形成する工程(1)、高屈折率ビーズを含む再帰反射塗料組成物を塗装して再帰反射塗膜層(II)を形成する工程(2)、次いで、少なくとも1層のクリヤー塗料組成物を塗装しクリヤー塗膜層(III)を形成する工程(3)、をこの順で含む複層塗膜の形成方法であって、前記ベース塗料組成物中の干渉顔料(A)の含有量が、ベース塗料組成物の樹脂固形分100質量部を基準として1〜20質量部の範囲内であることを特徴とする。
<被塗物>
被塗物としては、特に制限されず、例えば、自動車、二輪車、鉄道、自転車、三輪車、一輪車等の車体又はその部品等の車両又は軽車両関連部材;防音壁、トンネル内装板、ガードレール等の道路周辺部材;サイディング材、タイル、ガラス、サッシ、網戸、門扉、カーポート、サンルーム、ベランダ部材、屋根用部材、住宅外壁部材、浴室鏡、浴室壁、浴槽、化粧鏡、衛生陶器等の住宅関連部材;ショーウィンドウ、冷蔵商品ケース、冷凍商品ケースなどの店舗関連部材;携帯電話、オーディオ機器、パーソナルコンピューター等の家庭電気製品、等を挙げることができる。
これらの被塗物の基材の材質としては、特に制限はなく、例えば、鉄、アルミニウム、真鍮、銅、ステンレス鋼、ブリキ、亜鉛メッキ鋼、合金化亜鉛(Zn−Al、Zn−Ni、Zn−Fe等)メッキ鋼等の金属材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂や各種のFRP等のプラスチック材料;ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;木材;繊維材料(紙、布等)等を挙げることができる。なかでも、金属材料及びプラスチック材料から選ばれる少なくとも一種が好適である。これら材質は平板の状態のものであっても所望の形状に成型されているものであっても良い。
被塗物の色としては、特に限定されないが、特に塗膜がホワイトパール色である場合には、被塗物上に、下塗或いは中塗塗膜、着色ベース塗膜等が形成されていても良く、ベース塗膜層(I)を形成する前の被塗物の塗膜、すなわち着色ベース塗膜の塗色がホワイト(白)であることが、再帰反射光の輝度を向上させる点から好ましい。
<ベース塗膜層(I)を反射層として形成する工程(1)>
本発明の複層塗膜の形成方法は、干渉顔料(A)を含有するベース塗料組成物を塗装してベース塗膜層(I)を反射層として形成する工程(1)、を含み、前記ベース塗料組成物中の干渉顔料(A)の含有量が、ベース塗料組成物の樹脂固形分100質量部を基準として1〜20質量部の範囲内、好ましくは2〜18質量部の範囲内である。
干渉色は、光がある物質において反射するとき、反射光に位相差が生じ、特定の波長が強められたり弱められたりする現象によって生じる。このような作用のある顔料を、干渉顔料、真珠光沢顔料或いはパール顔料などと呼称され、各社より市販されている。
具体的には、例えば、干渉顔料は、雲母(マイカ)やガラスフレーク等に、酸化チタンなどの金属酸化物で被覆して層を作った、少なくとも1層以上の層構造を有する顔料である。市販されているものとしては、酸化チタンコート干渉マイカ顔料等の金属酸化物被覆雲母、金属酸化物被覆アルミナフレークや、金属酸化物被覆ガラスフレークなどが挙げられる。
本方法で用いられる干渉顔料(A)は、透明感と輝度の高い再帰反射光を得る点から、金属酸化物被覆雲母及び/又は金属酸化物被覆ガラスフレークが好ましく、特に好ましくは酸化チタン被覆合成雲母である。
金属酸化物被覆雲母の被覆される雲母(マイカ)は天然及び合成のいずれであっても良い。また、被覆する金属酸化物としては、チタン、鉄、クロム、コバルト、スズ又はジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の酸化物が好ましく、特に酸化チタンが安価で好ましい。
さらに、合成雲母は天然雲母と比較した場合において、不純物が少なく、黄味が少ない点や、大きさや厚さが比較的均一なものであることから特に好ましい。
合成雲母は、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、フッ素等を含有する化合物を一定の割合で混合し、これを溶融、晶出、冷却後、機械的粉砕を行うことにより得られるフィロケイ酸塩鉱物である。このようなものとして例えば、
KMg(AlSi10)F:カリウム金雲母、
KMg 1/2(Si10)F:カリ四ケイ素雲母、
KMgLi(Si10)F:カリウムテニオライト、
NaMg(AlSi10)F:ナトリウム金雲母、
NaMgLi(Si10)F:ナトリウムテニオライト、
NaMg 1/2(Si10)F:ナトリウム四ケイ素雲母、
Na1/3Mg 2/3Li1/3(Si10)F:ナトリウムヘクトライトなどが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
干渉顔料(A)が発現する干渉光及び透過光と、高屈折率ビーズ特有の反射光とが加色混色することにより輝度が向上し、かつ、意匠性と再帰反射性が向上する。本方法により、ベース塗料組成物が反射層として機能し、後述する高屈折率ビーズ層を形成した際に、意匠性と輝度の高い再帰反射性を両立した再帰反射性を有する複層塗膜を形成することが出来る。
干渉顔料(A)は、酸化チタンを被覆した後に、さらに分散性や耐水性、耐薬品性、耐候性等を向上させるための表面処理が施されたものであってもよい。
干渉顔料の干渉色の種類としては、銀、金、赤、紫、青、緑などが挙げられるが、より好ましくは、金色の干渉色を有する干渉顔料を用いることが特に好ましい。本発明において、「干渉色」とは、干渉顔料が有する構造発色の反射干渉光の色調のことをいう。
干渉顔料(A)の含有量としては、意匠性の点から、ベース塗料組成物の樹脂固形分100質量部に対して、1〜20質量部、好ましくは2〜18質量部の範囲内で含有されていることが好ましい。
このうち、金色の干渉色を有する干渉顔料を含有する場合の含有量としては、再帰反射性及び意匠性の点から、ベース塗料組成物の樹脂固形分100質量部に対して、1〜10質量部、好ましくは2〜8質量部の範囲内で含有されていることが好ましい。
ベース塗料組成物に用いるビヒクル形成樹脂(b)としては、一般に塗膜形成性樹脂として用いられる樹脂および硬化剤を含有することができ、例えば塗膜形成性樹脂として、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の塗膜形成性樹脂が挙げられる。
ベース塗料組成物には、さらに添加剤として、透明性や意匠性を損なわない範囲で、その他の着色顔料、体質顔料及び前記(A)以外の光輝性顔料等の顔料、重合体微粒子等のレオロジーコントロール剤、可塑剤、分散剤、有機溶剤等の希釈剤等を含んでよいが、目安としては、これらの添加剤を含有する場合には、ベース塗料組成物中の樹脂固形分100質量部に対して、20質量部以下、好ましくは0.01〜10質量部の範囲内が好適である。
本発明において、ベース塗膜層は透明であり、「透明」とは半透明を含むものであり、実施する形態においてベース塗膜層の下層(被塗物)の色が透けて見える(完全に隠蔽しない)ことを言う。具体的には、硬化塗膜として15μmの膜厚となるように塗装して得られるベース塗膜において、波長400〜700nmの光線透過率が、通常10〜99%、好ましくは、70〜98%、さらに好ましくは、80〜95%の範囲内であることが、複層塗膜の透明性と高級感を維持できる点で好適である。
ベース塗料組成物の塗装方法としては、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装機などの噴霧塗装により塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。
ベース塗膜の塗装膜厚は、再帰反射塗膜層との付着性及び意匠性の点から硬化膜厚で通常5〜40μm、好ましくは8〜30μm、さらに好ましくは10〜20μmの範囲内とすることができる。
<再帰反射塗膜層(II)を形成する工程(2)>
次いで、上記工程(1)で得られたベース塗膜層(I)上に、高屈折率ビーズを含む再帰反射塗料組成物を塗装して再帰反射塗膜層(II)を形成する。
前記ベース塗膜(I)の硬化状態は硬化或いは未硬化のどちらであっても良いが、意匠性と再帰反射性の観点から、未硬化のベース塗膜上に再帰反射塗料組成物を噴霧塗装して再帰反射塗膜層(II)を形成することが好ましい。
前記未硬化の塗膜上に塗装することをウェットオンウェットと呼ぶことがある。ウェットオンウェットとは、塗膜が実質的に硬化しない状態で塗装することを指し、実質的に硬化しない状態とは、未硬化塗膜のことであり、未硬化塗膜とは、塗膜が下記硬化乾燥状態に至っていない状態であって、JIS K 5600−1−1に規定された指触乾燥状態及び半硬化乾燥状態を含むものである。硬化塗膜とは、JIS K 5600−1−1(2004)に規定された硬化乾燥状態、すなわち、塗面の中央を親指と人差指とで強く挟んで、塗面に指紋によるへこみが付かず、塗膜の動きが感じられず、また、塗面の中央を指先で急速に繰り返しこすって、塗面にすり跡が付かない状態の塗膜である。
ベース塗膜が未硬化の状態で本発明の再帰反射塗料組成物を塗装した場合、噴霧塗装時のスプレー圧により高屈折率ビーズがベース塗膜層に埋め込まれやすくなると同時に、未硬化ベース塗膜中の光輝性顔料が高屈折率ビーズを囲うように配向しやすくなることから、効果的に再帰反射を発現できる効果があり特に好ましい。
再帰反射塗料組成物は、再帰反射機構を発現させうる材料として高い屈折率を示すビーズ(球状)状の粒子とビヒクル形成樹脂組成物とを含む塗料組成物が挙げられる。本明細書中においては、前記高い屈折率を示すビーズ状(球状)の粒子を以下「高屈折率ビーズ」と呼ぶ。具体的な屈折率としては、1.5以上のものを指し、特に1.8以上、更に好ましくは2.0以上、特に好ましくは2.1〜2.3の範囲内のものが好ましい。また、再帰反射効率(光透過性)の観点からは、樹脂ビーズよりも、ガラス製のビーズが好ましく用いられる。
上記高屈折率ビーズの平均粒径(D50)は、約5〜100μmの範囲内であることが好ましく、更に10〜60μmの範囲内、特に30〜50μmの範囲内が好ましい。また、反射光における干渉作用をより良好に生じさせるためには、高屈折率ビーズの粒度分布はできるだけ狭く、シャープなものが好ましく、25〜60μmの粒径が80重量%以上含まれる粒度分布のものが特に好ましく用いられる。
高屈折率ビーズの含有量は、再帰反射性を得られるのであれば特に制限されないが、後述するビヒクル形成樹脂組成物の樹脂固形分100質量部に対して、5〜300質量部の範囲内、再帰反射性と意匠性の両立の観点から、さらに10〜150質量部の範囲内が好ましい。
前記ビヒクル形成樹脂組成物としては特に制限されず、一般に塗膜形成性樹脂(ビヒクル形成樹脂と呼ぶことがある)として用いられる樹脂および硬化剤を含有することができ、例えば塗膜形成性樹脂として、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の塗膜形成性樹脂が挙げられる。前記塗膜形成性樹脂は、硬化剤と架橋せしめるために水酸基を含有していることが好ましいまた、硬化剤としては、メラミン樹脂、グアナミン樹脂および尿素樹脂などのアミノ樹脂あるいはイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等に代表されるポリイソシアネート化合物あるいはその2量体又は3量体;ポリイソシアネート化合物と多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂、水などとをイソシアネート基が過剰の条件でウレタン化反応させて得られるプレポリマーなどが挙げられる。また、上記ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック化剤でブロックしたものも用いることができる。ブロック剤としては、例えば、フェノール類;オキシム類;ラクタム類;アルコール類;メルカプタン類;マロン酸ジエチルなどの活性メチレン化合物などがあげられる。ブロックポリイソシアネート化合物を用いる場合には、ブロック化剤の解離触媒を併用することが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
再帰反射塗料組成物の塗装方法としては、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装機などの噴霧塗装により塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。
再帰反射塗膜の塗装膜厚は、ベース塗膜層との付着性及び意匠性の点から、硬化膜厚で通常5〜40μm、好ましくは10〜30μm、さらに好ましくは12〜20μmの範囲内とすることができる。
上記再帰反射塗膜層(II)自身は約100〜180℃の温度で加熱硬化させることができるが、前述のベース塗膜層及び再帰反射塗膜層を形成し、同時に加熱硬化することで、再帰反射素材を単一層状態で均一に配列でき、且つベース層の近傍に配置することで、きらきらとした高級感のある優れた意匠を示すことができる。
加熱条件で予備加熱として、プレヒート、エアブロー等を行っても良い。プレヒートの温度は、40〜100℃程度が好ましく、50〜90℃程度がより好ましく、60〜80℃程度が更に好ましい。プレヒートの時間は、30秒間〜15分間程度が好ましく、1〜10分間程度がより好ましく、2〜5分間程度が更に好ましい。また、上記エアブローは、通常、被塗物の塗装面に、常温又は25℃〜80℃程度の温度に加熱された空気を、30秒間〜15分間程度吹き付けることにより行うことができる。
焼付処理の温度は通常100〜180℃、特に110〜160℃の範囲内であることが好ましい。また、焼付処理の時間は通常10〜60分間であることが好ましい。
<クリヤー塗膜層(III)を形成する工程(3)>
次いで、上記工程(2)で得られた再帰反射塗膜層(II)上に、上記少なくとも1層のクリヤー塗膜層を形成する。
本発明のクリヤー塗料組成物としては、従来公知のものが制限なく使用できる。例えば、基体樹脂及び架橋剤を含有する液状もしくは粉体状の塗料組成物が適用できる。基体樹脂の例としては、水酸基、カルボキシル基、シラノール基、エポキシ基などの架橋性官能基を含有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコン含有樹脂などが挙げられる。架橋剤としては、前記基体樹脂の官能基と反応しうるメラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物又は樹脂、カルボキシル基含有化合物又は樹脂、酸無水物、アルコキシシラン基含有化合物又は樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
また、必要に応じて、水や有機溶剤等の溶媒、硬化触媒、消泡剤、紫外線吸収剤等の添加剤を適宜配合することができる。
本発明におけるクリヤー塗料組成物には、透明性を損なわない範囲内において、着色顔料を適宜配合することができる。着色顔料としては、インク用、塗料用として従来公知の顔料を1種あるいは2種以上を組み合わせて配合することができる。その添加量は、適宜決定されて良いが、クリヤー塗料組成物中の被膜形成樹脂組成物100質量部に対して、30重量部以下、好ましくは0.1〜10重量部である。
クリヤー塗料組成物の塗装方法としては、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装機などの噴霧塗装により塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。
クリヤー塗膜の塗装膜厚は、再帰反射素材の脱落防止及び意匠性の均一性の観点から、再帰反射素材を覆う程度に塗装されることが望ましく、硬化膜厚で通常5〜60μm、好ましくは10〜45μm範囲内とすることができる。
本発明においては、前記ベース塗料組成物及び/又は再帰反射塗料組成物による塗膜を加熱硬化せしめることなくクリヤー塗料組成物を塗装した場合においては、クリヤー塗料組成物を塗装後、これらの塗膜を同時に加熱硬化せしめてもよい。クリヤー塗料組成物の塗膜それ自体は約70〜約150℃の温度で架橋硬化させることができる。
本発明の方法から得られる再帰反射性を有する複層塗膜は、ハイライトやシェードなど、どの角度からでも白色度及び輝度の高い、緻密感に優れた外観の塗膜が得られるものである。
特に、採用される高屈折率ビーズの光学特性により若干異なる場合もあるが、例えば、多角度分光光度計(商品名「MA−68II」)を用いて得られたL*a*b*表色系の値により輝度や白色度を評価することができる。
本発明のおいては、シェード領域における輝度を、多角度分光光度計(商品名「MA−68II」)を使用して、JIS Z 8729(2004)の方法に則って測定し、受光角75度のL*値すなわち、における「L*75値」によって評価した。具体的には、測定対象面に垂直な軸に対し45°の角度から測定光を照射し、正反射角から測定光の方向に75°の角度で受光した光についてL*を測定した。L*75値が大きいほど、得られた塗膜の明度が高く、輝度に優れることを意味する。
本発明から得られる再帰反射性を有する複層塗膜のL*75値は、95〜120の範囲内、好ましくは100〜110の範囲内であることが、意匠性とギラツキの少ない再帰反射性を両立させる観点から特に好ましい。
また、シェード領域の白色度は、シェード領域の黄味によっても数値化されうる。シェード領域の黄味は、多角度分光光度計(商品名「MA−68II」)を使用して、JIS Z 8729(2004)の方法に則って測定した、受光角75度のa*値すなわち、L*a*b*表色系における「b*75値」によっても表される。b*75値が小さいほど、黄味が少なく、得られた塗膜が白さに優れる(白色度が高い)ことを意味する。
本発明から得られる再帰反射性を有する複層塗膜のb*75値は、3.5以下、好ましくは1.0〜3.0の範囲内であることが、黄味の少ないきれいな再帰反射光を発生させる観点から特に好ましい。
フリップフロップ値(FF値)は、塗面の観察角度による明度変化を表わし、ハイライト領域の受光角15度のL*値とシェード領域の受光角75度のL*値を用いて、下記計算式(1)により、算出した値である。ここで、L*値は、JIS Z 8729(2004)のに規定される、L*a*b*表色系におけるL*値である。
FF値=L*15/L*75(1)
FF値が1に近づくほど、シェードからハイライトまでの明度変化が極端でなく、均一であることを示し、FF値が1.00±0.2以内、好ましくは1.00±0.15以内が意匠性と再帰反射の視認性の両立の点から特に好適である。
また、輝度の角度依存の少なさを表す指標として、多角度分光光度計(商品名「MA−68II」)を使用して、JIS Z 8729(2004)の方法に則って測定した受光角15、25、45、75、110度、5角度のL*値の標準偏差を求めた。値が1.0に近ければ、輝度(明度)の角度によるばらつきが少ないことを示す。本発明により得られるL*値の標準偏差の範囲としては、6未満好ましくは1〜5の範囲内が適当である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。尚、「部」及び「%」は、特記しない限り「質量部」及び「質量%」を示す。
製造例1
水酸基含有アクリル樹脂(水酸基価100、数平均分子量20000)75部及びメラミン樹脂25部からなるビヒクル形成樹脂組成物100質量部(固形分)あたり、干渉顔料a(*1)を15部となるよう配合して攪拌混合し、有機溶剤型のベース塗料組成物No.1を調整した。
製造例2
製造例1において、干渉顔料を、干渉顔料a(*1)が10部、干渉顔料b(*2)を5部とする以外は、製造例1と同様に有機溶剤型のベース塗料組成物No.2を調整した。
製造例3
製造例1において、干渉顔料を、シルバー顔料(*3)0.65部とする以外は、製造例1と同様に有機溶剤型のベース塗料組成物No.3を調整した。
製造例4
製造例1において、干渉顔料を、青顔料(*4)15部とする以外は、製造例1と同様に有機溶剤型のベース塗料組成物No.4を調整した。
製造例5
脱脂及びりん酸亜鉛処理した鋼板(JISG3141、大きさ400×300×0.8mm)にカチオン電着塗料「エレクロン9400HB」(商品名:関西ペイント株式会社製、アミン変性エポキシ樹脂系カチオン樹脂に硬化剤としてブロックポリイソシアネート化合物を使用したもの)を硬化塗膜に基づいて膜厚20μmになるように電着塗装し、170℃で20分加熱して架橋硬化させて電着塗膜を得た。さらにその上に、得られた電着塗面に、中塗塗料「ルーガベーク」(商品名:関西ペイント株式会社製、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系有機溶剤型塗料、明度L*15値;60)をエアスプレーにて硬化塗膜に基づいて膜厚30μmになるように塗装し、140℃で30分加熱して架橋硬化させて、中塗り塗膜を形成した。得られた中塗り塗膜上に、白色ベース塗料「マジクロン5600」(商品名:関西ペイント株式会社、アクリル・メラミン系溶剤塗料)を有機溶媒で希釈して固形分25質量%に調整し、ミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブース温度20℃、湿度75%の条件で、硬化塗膜として膜厚15μmになるように塗装し、塗装した。塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉内を使用して、140℃で30分間加熱し、30μmの膜厚の硬化塗膜を得た。得られた塗板を被塗物1とした。被塗物1の塗色はホワイトであり、多角度分光光度計(商品名「MA−68II」)を使用して測定した、15度における、L*a*b*の値はそれぞれ、明度L*15値;98、赤味a*15値−1.0、黄味b*15値1.2であった。
実施例1、2、比較例1〜2
前記製造例5で得られた被塗物1上に、前述のように作成した各ベース塗料組成物No.1〜No.4を有機溶媒で希釈して固形分25質量%に調整し、小型スプレーガン(アネスト岩田株式会社製W−101)を用いて、ブース温度20℃、湿度75%、吐出圧力2.5kgf/cm、ガン距離20cmの条件で、硬化塗膜として15μmの膜厚となるように塗装した。その後、室温にて15分間放置し、ついで、これらの未硬化塗面に、高屈折率ビーズを含む再帰反射塗料組成物(注1)を、小型スプレーガン(アネスト岩田株式会社製W−101)を用いて、ブース温度20℃、湿度75%、吐出圧力2.5kgf/cm、ガン距離20cmの条件で、硬化塗膜として15μmの膜厚となるように塗装した。その後熱風循環式乾燥炉内を使用して140℃で30分間加熱し乾燥硬化せしめた。さらに、クリヤー塗料「マジクロン7100」(商品名:関西ペイント株式会社、アクリル・メラミン系溶剤塗料)を小型スプレーガン(アネスト岩田株式会社製W−101)を用いて、ブース温度20℃、湿度75%の条件で硬化塗膜として25〜35μmの膜厚となるように塗装した。塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉内を使用して、140℃で30分間加熱し、乾燥硬化せしめて複層塗膜を得た。得られた複層塗膜を有する塗板を試験板とし、各種評価を行った。
なお、ベース塗料組成物No.1〜No.4を、硬化塗膜として15μmの膜厚となるように塗装して得られる塗膜のフリー塗膜を作製し、波長400〜700nmの光線透過率を測定したところ、各光線透過率〔( )内が光線透過率〕は、ベース塗料組成物No.1(92%)、ベース塗料組成物No.2(91%)、ベース塗料組成物No.3(70%)、ベース塗料組成物No.4(30%)であった。
(注1)再帰反射塗料組成物;マジクロン1026クリヤー(関西ペイント株式会社製、商品名、アクリル・メラミン硬化型樹脂塗料)樹脂固形分100部に対して、ユニビーズUB−02M(BaO−SiO−TiO系ガラスビーズ、屈折率1.93、比重4.2、(株)ユニオン製)100部、有機溶剤(酢酸ブチル)で固形分が40質量%となるまで希釈し、再帰反射塗料組成物を得た。
比較例3
前記製造例5で得られた被塗物1上に、高屈折率ビーズを含む再帰反射塗料組成物(注1)を、小型スプレーガン(アネスト岩田株式会社製W−101)を用いて、ブース温度20℃、湿度75%、吐出圧力2.5kgf/cm、ガン距離20cmの条件で、硬化塗膜として、15μmの膜厚となるように塗装した。その後熱風循環式乾燥炉内を使用して140℃で30分間加熱し乾燥硬化せしめた。さらに、クリヤー塗料「マジクロン7100」(商品名:関西ペイント株式会社、アクリル・メラミン系溶剤塗料)を小型スプレーガン(アネスト岩田株式会社製W−101)を用いて、ブース温度20℃、湿度75%の条件で硬化塗膜として、25〜35μmの膜厚となるように塗装した。塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉内を使用して、140℃で30分間加熱し、乾燥硬化せしめて複層塗膜を得た。得られた複層塗膜を有する塗板を試験板とし、各種評価を行った。
比較例5〜7
前記製造例5で得られた被塗物1上に、前述のように作成した各ベース塗料組成物No.1〜No.4を有機溶媒で希釈して固形分25質量%に調整し、小型スプレーガン(アネスト岩田株式会社製W−101)を用いて、ブース温度20℃、湿度75%、吐出圧力2.5kgf/cm、ガン距離20cmの条件で、硬化塗膜として15μmの膜厚となるように塗装した。その後、室温にて15分間放置し、再帰反射塗料組成物を塗装せず、クリヤー塗料組成物「マジクロン7100」(商品名:関西ペイント株式会社、アクリル・メラミン系溶剤塗料)を小型スプレーガン(アネスト岩田株式会社製W−101)を用いて、ブース温度20℃、湿度75%の条件で硬化塗膜として25〜35μmの膜厚となるように塗装した。塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉内を使用して、140℃で30分間加熱し、乾燥硬化せしめて複層塗膜を得た。得られた複層塗膜を有する塗板を試験板とし、各種評価を行った。
比較例8
前記製造例5で得られた被塗物1上に、再帰反射塗料組成物を塗装せず、クリヤー塗料組成物「マジクロン7100」(商品名:関西ペイント株式会社、アクリル・メラミン系溶剤塗料)を小型スプレーガン(アネスト岩田株式会社製W−101)を用いて、ブース温度20℃、湿度75%の条件で硬化塗膜として、25〜35μmの膜厚となるように塗装した。塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉内を使用して、140℃で30分間加熱し、乾燥硬化せしめて複層塗膜を得た。得られた複層塗膜を有する塗板を試験板とし、各種評価を行った。
Figure 2020163295

表1及び製造例1〜4に記載の顔料成分は下記のとおり。
なお、測色機は多角度分光光度計(商品名「MA−68II」)を用いた。
(*1)干渉顔料a:合成雲母、酸化チタン被覆顔料、メディアン径D50(μm)=約21μm、外観色白、干渉色(銀)、透過光(黄)、
(*2)干渉顔料b:合成雲母、酸化チタン被覆顔料、メディアン径D50(μm)=約22μm、外観色白、干渉色(金)、透過光(青)、
(*3)シルバー顔料:アルミニウムペースト1109M、商品名、東洋アルミニウム(株)製、アルミニウム顔料、平均粒子径34.6μm、
(*4)青顔料:銅フタロシアニンブルー、反射光(青)。
各種試験項目は下記のとおり。
試験項目1:仕上り性(シェード方向の外観)
作製した塗板を、人工太陽灯(セリック社製、色温度6500K)で照明し、試験板の照明に対する角度を変えて観察して、シェード方向から見た際の白濁りや黄味の有無、ゴミ・ブツ感等の仕上り性を目視にて観察し、下記の基準にて、仕上り性を評価した。
A:シェードで、濁り、黄味、ゴミ・ブツ等がなく良好
B:シェードで、僅かに白濁り、黄味又はゴミ・ブツが認められる
C:シェードで、白濁、黄味又はゴミ・ブツが認められる。
試験項目2:高級感(光輝感(キラキラ感))
作製した塗板を、人工太陽灯(セリック社製、色温度6500K)で照らし、照明に対する試験板の角度を変えて観察して、透明性があり、かつ、光輝感(高級感)を目視観察にて評価した。
A:ハイライトからシェードにかけて幅広くきらきらとしたパールの光輝感が強く認められ非常に良好、
B:ハイライトからシェードにかけて幅広くきらきらとしたパールの光輝感が認められ、良好、
C:ハイライトからシェードにかけて、きらきらとしたパールの光輝感が弱いかムラが多い、
D:ハイライトからシェードにかけて、きらきらとしたパールの光輝感がほとんど認められない。
試験項目3:再帰反射性
得られた塗膜の再帰反射性の程度を目視にて観察し評価した。暗室(昼間、ブラインド等で外部からの光を遮り、室内のあかりを消した状態)内で10cm×15cmの塗装試験板に対して垂直に3m離れたところから懐中電灯により光を照射した。このときの塗膜表面を光源と5度の角度を持った位置(塗装試験板から3m離れている)で肉眼観察し、次の基準で評価した。
A:再帰反射が強く肉眼ではっきり認識可、
B:再帰反射が認識できムラもなく使用に問題のないレベル、
C:再帰反射が認識できるもののやや弱い若しくはムラがある、
D:再帰反射がかすかに認識できる、
E:再帰反射が全くない。
なお、試験項目1〜3のなかで、1つでも最下位評価(C、D又はE)がある場合、製品として問題があるため総合評価としては不合格である。

Claims (3)

  1. 被塗物上に、干渉顔料(A)を含有するベース塗料組成物を塗装してベース塗膜層(I)を反射層として形成する工程(1)、
    高屈折率ビーズを含む再帰反射塗料組成物を塗装して再帰反射塗膜層(II)を形成する工程(2)、次いで、少なくとも1層のクリヤー塗料組成物を塗装しクリヤー塗膜層(III)を形成する工程(3)、
    をこの順で含む複層塗膜の形成方法であって、
    前記ベース塗料組成物中の干渉顔料(A)の含有量が、ベース塗料組成物の樹脂固形分100質量部を基準として1〜20質量部の範囲内であることを特徴とする再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法。
  2. 前記工程(2)において、未硬化のベース塗膜上に再帰反射塗料組成物を噴霧塗装して再帰反射塗膜層(II)を形成することを特徴とする、請求項1に記載の再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法。
  3. 前記ベース塗料組成物を、硬化塗膜として15μmの膜厚となるように塗装して得られる塗膜の、波長400〜700nmの光線透過率が10〜99%の範囲内である請求項1又は2に記載の再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法。
JP2019066552A 2019-03-29 2019-03-29 再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法 Active JP7283942B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019066552A JP7283942B2 (ja) 2019-03-29 2019-03-29 再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法
CN202010226720.5A CN111744745A (zh) 2019-03-29 2020-03-27 一种具有回射性的多层涂膜的形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019066552A JP7283942B2 (ja) 2019-03-29 2019-03-29 再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020163295A true JP2020163295A (ja) 2020-10-08
JP7283942B2 JP7283942B2 (ja) 2023-05-30

Family

ID=72673284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019066552A Active JP7283942B2 (ja) 2019-03-29 2019-03-29 再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7283942B2 (ja)
CN (1) CN111744745A (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07295487A (ja) * 1994-04-27 1995-11-10 Aisin Chem Co Ltd 光再帰性反射塗膜及びその形成方法
JPH11167010A (ja) * 1997-09-30 1999-06-22 Shiseido Co Ltd 着色光再帰反射材
JP2004020736A (ja) * 2002-06-13 2004-01-22 Marujin:Kk カラー再帰性反射材
JP2007003761A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Toppan Printing Co Ltd 再帰性マーキングフィルム
JP2009122424A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Shiseido Co Ltd 角度依存性再帰反射材
JP2013085995A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Komatsu Process:Kk 再帰反射性塗装物およびその製造方法
JP2017119404A (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 共同印刷株式会社 偽造防止用の再帰反射性物品、その製造方法及びそれを用いた真贋判定方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6789905B2 (en) * 2001-08-17 2004-09-14 Basf Corporation Method of providing a retroreflective coating system through wet-on-wet application and a retroreflective coating system thereof
JP2005288206A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Sekisui Jushi Co Ltd 再帰反射性塗膜およびその形成方法
US20160370514A1 (en) * 2013-07-01 2016-12-22 3M Innovative Properties Company Retroreflective sheeting including a solvent-based topcoat

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07295487A (ja) * 1994-04-27 1995-11-10 Aisin Chem Co Ltd 光再帰性反射塗膜及びその形成方法
JPH11167010A (ja) * 1997-09-30 1999-06-22 Shiseido Co Ltd 着色光再帰反射材
JP2004020736A (ja) * 2002-06-13 2004-01-22 Marujin:Kk カラー再帰性反射材
JP2007003761A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Toppan Printing Co Ltd 再帰性マーキングフィルム
JP2009122424A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Shiseido Co Ltd 角度依存性再帰反射材
JP2013085995A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Komatsu Process:Kk 再帰反射性塗装物およびその製造方法
JP2017119404A (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 共同印刷株式会社 偽造防止用の再帰反射性物品、その製造方法及びそれを用いた真贋判定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7283942B2 (ja) 2023-05-30
CN111744745A (zh) 2020-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1891352B (zh) 用于含有白色珠光涂料制剂的白色颜料
JPH0811219B2 (ja) 塗装仕上げ方法
JP2007138053A (ja) 光輝性顔料
JP2002086057A (ja) 複層メタリック塗膜形成方法
JP2005508752A (ja) 色及び効果を付与する重ね塗り塗膜の製造方法
JPH1028926A (ja) メタリック塗膜構造及びメタリック塗膜の形成方法
JP7352397B2 (ja) 再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法
JP2011251253A (ja) 複層塗膜形成方法
JP7283942B2 (ja) 再帰反射性を有する複層塗膜の形成方法
JP2012011302A (ja) 複層塗膜の形成方法
JP4971611B2 (ja) メタリック塗料組成物、複層塗膜形成方法、塗膜構造及び塗装物品
US20120070673A1 (en) Coating composition
NZ236871A (en) Opalescent coating compositions containing foamed metal oxides
JPH01254279A (ja) 塗装仕上げ方法
JPH08157753A (ja) 光輝剤含有塗膜の補修用塗料および補修方法
JP3370204B2 (ja) 光輝性塗膜形成方法
JP2003093966A (ja) 自動車車体の塗膜形成方法及び塗膜を有する自動車
KR101882501B1 (ko) 분체도료 조성물
JP2012061451A (ja) 複層塗膜の形成方法
JP4414651B2 (ja) 増強された視覚効果を有する2層の塗装系
JPH08243481A (ja) 干渉性塗膜形成方法
CN117279985A (zh) 可透雷达波的塑料部件
EP1340715A1 (en) Method for deposition of rutile-type titanium dioxide, and substrate and glass flake having the oxide attached thereto
JP2005334717A (ja) 複層塗膜形成方法、塗膜構造及び塗装物品
WO2023242860A1 (en) A decorative glass article with uniform sparkle effect

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20200302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200324

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20200324

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200324

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220906

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20221026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20221026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230518

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7283942

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150