以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。
図2に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。
筐体11の前面側には、前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14に対する所定のキーによる解錠操作により解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、図1に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
図2に示すように、筐体11は仕切り板によりその内部が上下2分割されており、仕切り板の上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータ33に連結されており、各ステッピングモータ33の駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール32L,32M,32Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール32Lを例に挙げて図3に基づいて説明する。なお、図3は左リール32Lの組立斜視図である。
左リール32Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材41と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルト(図3では図示略)とを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材41に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材41の中心部にはボス部42が形成されており、円盤状のボス補強板43を介してステッピングモータ33の駆動軸に取り付けられている。したがって、ステッピングモータ33の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材41が回転され、左リール32Lが回転するようになっている。
ステッピングモータ33は、リールユニット31内において起立状態に配置されたモータプレート44の側面にねじ45で固定されている。モータプレート44には、発光素子46aと受光素子46bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ46が設置されている。一方、左リール32Lと一体化されたボス補強板43には、半径方向に延びるセンサカットバン47の基端部47bがねじ48で固定されている。このセンサカットバン47の先端部47aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ46の両素子46a,46bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール32Lが1回転するごとにセンサカットバン47の先端部47aの通過をリールインデックスセンサ46が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置70に検出信号が出力される。したがって、主制御装置70はこの検出信号に基づいて左リール32Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ33は例えば504パルスの励磁信号を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁信号によってステッピングモータ33の回転位置、すなわち左リール32Lの回転位置が制御される。
各リール32L,32M,32Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。したがって、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ46の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓部21Lから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓部21Lから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
図1に示すように、遊技パネル20の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー51が設けられている。メダルが投入されているときにこのスタートレバー51が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー51の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン52,53,54が設けられている。各ストップボタン52,53,54は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン52,53,54は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
なお、スタートレバー51の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、各ストップボタン52,53,54の操作に基づき各リール32L,32M,32Rが回転を停止して、メダル付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲームに相当する。
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口55が設けられている。メダル投入口55から投入されたメダルは、図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ61によって、投入可能時であればホッパ装置64へ導かれ、投入不可時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれる。なお、ホッパ装置64は、上記有効ライン上にメダルの付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口17を通じてメダル受け皿18に払い出す機能を有している。
メダル投入口55の下方には、図1に示すように、メダル投入口55に投入されたメダルがセレクタ61内に詰まった際に押される返却ボタン56が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するための第1クレジット投入ボタン57と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン58と、仮想メダルを一度に1枚投入するための第3クレジット投入ボタン59とが設けられている。
スタートレバー51の左側には、精算ボタン60が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の貯留上限数(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン60を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口17から払い出されるようになっている。
筐体11の内部においてホッパ装置64の左方には、図2に示すように、電源装置65が設けられている。電源装置65には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源ボタン66と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン67と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔68と、を備えている。
<各リール32L,32M,32Rに付されている図柄>
次に、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄について説明する。
図4には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左ベルト20番目)、「赤7」図柄(例えば、左ベルト18番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト17番目)、「スイカ」図柄(例えば、左ベルト16番目)、「BAR」図柄(例えば、左ベルト13番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト11番目)、「白7」図柄(例えば、左ベルト2番目)の7種類がある。そして、図4に示すように、各リール32L,32M,32Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓部21L,21M,21Rは、図5の説明図に示すように、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能な図柄数が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、計5本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第1ラインML1と、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第2ラインML2と、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの中段図柄を結んだ第3ラインML3と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの下段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第4ラインML4と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第5ラインML5と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。
図6には、入賞となる前記所定の図柄及び前記所定の図柄の組合せと、入賞となった場合に払い出されるメダル払出枚数とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1スイカ入賞,第2スイカ入賞,第3スイカ入賞,第4スイカ入賞,ベル入賞,チェリー入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1スイカ入賞として15枚のメダル払出が行われる。左リール32Lの「リプレイ」図柄と中リール32Mの「リプレイ」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第2スイカ入賞として15枚のメダル払出が行われる。左リール32Lの「リプレイ」図柄と中リール32Mの「スイカ」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第3スイカ入賞として9枚のメダル払出が行われる。左リール32Lの「リプレイ」図柄と中リール32Mの「スイカ」図柄と右リール32Rの「赤7」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第4スイカ入賞として1枚のメダル払出が行われる。各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄が有効ライン上に停止した場合には、ベル入賞として8枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞として2枚のメダル払出が行われる。すなわち、チェリー入賞の場合には、中リール32Mと右リール32Rについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。左リール32Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてチェリー入賞が成立し、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われる。具体的には、本実施形態では4枚のメダル払出が行われる。一方、左リール32Lにおいて一の有効ラインのみが存在する位置(具体的には中段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、チェリー入賞として設定されている分のメダル払出が行われる。具体的には、本実施形態では2枚のメダル払出が行われる。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞,第3BB入賞がある。各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には第1BB入賞となり、各リール32L,32M,32Rの「白7」図柄が有効ライン上に停止した場合には第2BB入賞となり、各リール32L,32M,32Rの「BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には第3BB入賞となる。これらBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、再遊技入賞がある。各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には再遊技入賞となる。再遊技入賞が成立すると、メダル払出や状態移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
前面扉12の上部には、図1に示すように、上部ランプ22が設けられているとともにスピーカ23が設けられており、さらに画像表示装置24が設けられている。上部ランプ22は、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した態様で発光制御されるとともに、入賞結果に応じた態様で発光制御される。また、上部ランプ22は、画像表示装置24における表示演出に対応した発光演出が行われるように発光制御される。スピーカ23は左右一対として設けられており、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御されるとともに、入賞結果に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御される。また、スピーカ23は、画像表示装置24における表示演出に対応した音出力演出が行われるように音出力制御される。画像表示装置24は、スロットマシン10において異常が発生した場合には当該異常に対応した画像が表示されるように表示制御される。また、画像表示装置24は、内部抽選における役の当選結果及び各ゲームにおける入賞結果に対応した画像が表示されるように表示制御される。
<各種制御装置>
スロットマシン10には、各種制御装置が設けられている。
具体的には、図2に示すように、リールユニット31の上方には、主制御装置70が設けられている。当該主制御装置70は、筐体11の背板に取り付けられている。主制御装置70は、主基板が基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスを開放する場合には、締結状態を解除する必要があり、当該締結状態の解除に際して破壊箇所が生じることとなる。当該破壊箇所の有無を確認することで、基板ボックスが開放されたか否かを簡易的に確認することが可能となる。
スロットマシン10には、主制御装置70以外にもサブ制御装置80が設けられている。サブ制御装置80は、前面扉12において画像表示装置24の後方に重ねて配置されている。サブ制御装置80は、主制御装置70から受信したコマンドに基づき、上部ランプ22、スピーカ23及び画像表示装置24の制御を実行する。なお、サブ制御装置80は、主制御装置70と同様に、基板ボックス内に制御基板が収容されてなる。
<スロットマシン10の電気的構成>
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図7のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置70は、遊技の主たる制御を司る主制御基板71を具備している。主制御基板71には、MPU72が搭載されている。MPU72には、当該MPU72により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM73と、そのROM73内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路75と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。なお、MPU72に対してROM73及びRAM74が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU72の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ46)、スタートレバー51の操作を検出するスタート検出センサ51a、各ストップボタン52,53,54の操作を個別に検出するストップ検出センサ52a,53a,54a、メダル投入口55から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ55a、各クレジット投入ボタン57,58,59の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ57a,58a,59a、精算ボタン60の操作を検出する精算検出センサ60a、ホッパ装置64の払出検出センサ、リセットボタン67の操作を検出するリセット検出センサ67a、設定キー挿入孔68に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ68a等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU72に入力される。
MPU72の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ33)、ホッパ装置64の払出モータ及びサブ制御装置80等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット31の各リール32L,32M,32Rの回転駆動制御がMPU72により行われるとともに、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置64の駆動制御がMPU72により行われる。サブ制御装置80には、各ゲームの各タイミングでMPU72からコマンドが送信される。
MPU72の入力側には、電源装置65に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置65には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合にMPU72に停電信号を出力する。MPU72は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、電源装置65には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力をRAM74に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)ではRAM74においてデータが記憶保持される。但し、電源装置65に設けられたリセットボタン67を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM74に記憶保持されているデータは初期化される。
サブ制御装置80は、各種報知や各種演出の実行制御を実行するためのサブ制御基板81を具備している。サブ制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、そのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路85と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。
なお、MPU82に対してROM83及びRAM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM84には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置65の電断中電源部からバックアップ電力が供給され、当該バックアップ電力が供給されている状況(例えば1日や2日)ではRAM84においてデータが記憶保持される。但し、電源装置65に設けられたリセットボタン67を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM84に記憶保持されているデータは初期化される。
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、既に説明したとおり主制御装置70のMPU72が接続されており、当該MPU72から各種コマンドを受信する。
MPU82の出力側には、上部ランプ22、スピーカ23及び画像表示装置24が接続されている。MPU82では、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき、上部ランプ22の発光制御、スピーカ23の音出力制御、及び画像表示装置24の表示制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。
<主制御装置70のMPU72により実行される処理>
次に、主制御装置70のMPU72により実行される処理について説明する。かかるMPU72の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されたメイン処理の実行後に繰り返し実行される通常処理と、当該通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後、通常処理を説明する。
<タイマ割込み処理>
図8は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、例えば1.49msecごとに起動される。
ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているMPU72内の全レジスタの値をRAM74に退避させる。ステップS102では停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認し、停電フラグに「1」がセットされているときにはステップS103に進み、停電時処理を実行する。
停電フラグは、電源装置65の停電監視回路からの停電信号がMPU72に入力された場合にセットされる。停電時処理では、まず停電コマンド以外のコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、送信途中のコマンドの送信を終了させる。停電コマンド以外のコマンドの送信が終了している場合には、停電コマンドの送信を開始し、停電コマンドの送信が完了するまでは本タイマ割込み処理を繰り返し実行する。停電コマンドの送信が完了している場合には、MPU72のスタックポインタの値をRAM74に保存する。その後、MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM74のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出して当該RAM74に保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、MPU72自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転及び停止させるために、それぞれのステッピングモータ33を駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、各種コマンドをサブ制御装置80へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS112では、先のステップS101にてRAM74に退避させた各レジスタの値をそれぞれMPU72内の対応するレジスタに復帰させる。その後、ステップS113にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について図9のフローチャートに基づき説明する。
ステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、サブ制御装置80等が初期化を終了するまで待機する。サブ制御装置80等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM74に格納された各種遊技情報等のデータをクリアする。この場合、一のゲームにおいて使用するRAM74の各エリアを初期化するための処理を実行する。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技で再遊技入賞が成立したか否かを判定する。再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。前回の遊技で再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、精算ボタン60が操作されたか否かを判定し、精算ボタン60が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算ボタン60が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン57〜59の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入ボタン57〜59の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数(本実施形態では3)に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻る。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206にてスタートレバー51が操作されたか否かを判定する。スタートレバー51が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻る。
一方、スタートレバー51が操作された場合には、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS207にて上述した第1ラインML1〜第5ラインML5の全ての組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行うとともに、ステップS208にてセレクタ61を制御することによりベット受付を禁止する。その後、ステップS209の抽選処理、ステップS210のリール制御処理、ステップS211のメダル払出処理、及びステップS212のBB状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
ステップS209〜ステップS212の処理のうち、ステップS211のメダル払出処理及びステップS212のBB状態処理について先に説明する。
ステップS211のメダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が「0」か否かを判定する。払出数が「0」の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、再遊技入賞が成立したか否かを判定する。再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が「0」でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算する。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置64からメダル受け皿18へ払い出す。なお、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数データの値から払出数を減算する処理を行う。
ステップS212のBB状態処理では、第1BB当選データ、第2BB当選データ又は第3BB当選データがセットされている状況で、その当選データに対応した入賞が成立しているか否かを判定する。いずれかのBB入賞が成立した場合には、RAM74にBB設定フラグをセットすることで遊技状態をBB状態に移行させる。また、この際、RAM74に、BB状態中に払出可能な残りのメダル数を示す残払出数データとして「442」をセットする。
遊技状態がBB状態となることで、後述する抽選処理ではBB状態用抽選テーブルを選択する。また、BB状態においては、リール32L,32M,32Rの回転が停止され入賞が発生する毎に、その入賞分の数がRAM74の残払出数データから減算される。そして、残払出数データが「0」となった場合に、BB設定フラグがクリアされて、BB状態が終了する。
<抽選処理>
次に、通常処理(図9)におけるステップS209の抽選処理について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー51が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、MPU72は、スタートレバー51の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM74に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー51が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー51が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、大別して通常遊技状態及びBB状態の2種類の遊技状態を有している。そこでステップS302では、RAM74に設けられた遊技状態フラグの内容に基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。
例えば、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。この場合に、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔68に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、通常遊技状態において、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。一方、BB状態では、当選確率は「設定1」から「設定6」にて共通となっている。
なお、当選確率についての構成は上記のものに限定されることはなく、通常遊技状態において少なくとも一部の役が設定値に依存することなく共通であってもよい。例えば、BB状態といった特別遊技状態への当選確率は「設定1」から「設定6」で相違する一方、他の役(小役、再遊技役)の一部又は全部についての当選確率が設定値に依存することなく共通である構成としてもよい。また、BB状態において所定の小役又は全部の小役の当選確率が「設定1」から「設定6」で相違する構成としてもよい。
抽選テーブルについて、図11を参照しながら説明する。図11(a)は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用の抽選テーブルであり、図11(b)は、BB状態で選択されるBB状態用の抽選テーブルである。図11(a)及び図11(b)に示すように、抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
通常遊技状態用の抽選テーブルについて詳細には、図11(a)に示すように、IV=1〜3、12〜18にはそれぞれ、第1BB役、第2BB役、第3BB役、チェリー役、第1スイカ役、第2スイカ役、第3スイカ役、第4スイカ役、ベル役、再遊技役のうちのいずれか1つの抽選役が設定されており、各インデックス値IVにおいて抽選役はそれぞれ異なっている。
一方、IV=4〜11には、複数の抽選役が設定されている。例えば、IV=4では、抽選役として第2スイカ役、チェリー役、第1BB役の3種類の抽選役が設定されており、IV=4において当選となった場合には、これら3種類の役のいずれか1つのみの入賞、又はこれら3種類の役のうち所定の組合せでの同時入賞が発生する。このように3種類の抽選役が設定されているのは、IV=5及びIV=6の場合においても同様である。但し、IV=4〜6において、それぞれ設定されている抽選役の組合せは異なっている。
また、IV=7では、抽選役としてチェリー役、第2BB役の2種類の抽選役が設定されており、IV=7において当選となった場合には、これら2種類の役のいずれか1つのみの入賞、又はこれら2種類の役の同時入賞が発生する。このように2種類の抽選役が設定されているのは、IV=8〜11の場合においても同様である。但し、IV=7〜11において、それぞれ設定されている抽選役の組合せは異なっている。
上記10種類の抽選役において、単独当選となる場合及び重複当選となる場合の両方を含めた当選確率は、ベル役>再遊技役>チェリー役>第2スイカ役>第1スイカ役=第3スイカ役=第4スイカ役>第1BB役=第2BB役=第3BB役となっている。つまり、各BB役の当選確率が最も低く設定されている。この場合に、各BB役は、1回の抽選処理にて単独で当選となる場合と、1回の抽選処理にて他の所定役とともに同時に当選となる場合とがある。これにより、例えば、上記所定役の入賞が成立した場合であっても、BB役の当選を遊技者に期待させることが可能となる。その一方、BB役が単独で当選する場合もあるため、入賞が一切成立していない状況であってもBB役当選を遊技者に期待させることが可能となる。
BB状態用の抽選テーブルについて詳細には、図11(b)に示すように、通常遊技状態用の抽選テーブルにおいて、IV=11〜17が、IV=1〜7としてそれぞれ設定されている。当該インデックス値はいずれも、抽選役として小役のみが設定されている。つまり、BB状態においては、第1BB役〜第3BB役及び再遊技役が抽選役として設定されていない。
BB状態においては、小役の当選確率が通常遊技状態の場合よりも高く設定されている。また、IV=2〜7には、チェリー役、第1スイカ役、第2スイカ役、第3スイカ役、第4スイカ役、ベル役のうちのいずれか1つの抽選役が設定されているのに対して、IV=1には、第2スイカ役及びチェリー役が抽選役として設定されている。また、当選確率は、ベル役が最も高く、第2スイカ役及びチェリー役の同時当選が次に高く、チェリー役、第1〜第4スイカ役の各単独当選が最も低くなるように設定されている。
抽選処理(図10)の説明に戻り、抽選テーブルを選択した後は、ステップS303にてインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306に進み、そのときのインデックス値IVと対応する当選役のデータをRAM74にセットする。例えば、IV=4のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306では、第2スイカ役とチェリー役と第1BB役に当選したことを示すデータをRAM74にセットし、IV=12のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306では、チェリー役に当選したことを示すデータをRAM74にセットする。
ちなみに、セットされた当選のデータが第1BBに当選したことを示す当選データ(以下、「第1BB当選データ」と言う。)、第2BBに当選したことを示す当選データ(以下、「第2BB当選データ」と言う。)、又は第3BBに当選したことを示す当選データ(以下、「第3BB当選データ」と言う。)でない場合、RAM74にセットされた当選であることを示すデータは該当選データがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のステップS203参照)。
一方、当選データが第1BB当選データ、第2BB当選データ又は第3BB当選データである場合、これら当選データは対応するBB入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選データ、第2BB当選データ及び第3BB当選データは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。
また、通常遊技状態において第1BB当選データ、第2BB当選データ又は第3BB当選データを持ち越した場合のステップS306では、現在のインデックス値IVが1〜3であれば対応する当選データをセットしない構成であり、現在のインデックス値IVが4〜10であればBB当選データ以外の当選データをセットする構成であり、現在のインデックス値が1〜10以外であればインデックス値IVと対応する当選データをセットする。つまり、第1BB当選データ、第2BB当選データ又は第3BB当選データが持ち越されているゲームでは、第1BB役、第2BB役及び第3BB役以外の役に当選した場合には対応する当選データをセットする一方、第1BB役、第2BB役又は第3BB役に当選した場合には対応する当選データをセットしない。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ステップS306にて当選データをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309にて抽選結果コマンドをセットする。抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべくサブ制御装置80に送信されるコマンドであり、当該抽選結果コマンドには役の当否判定の結果に対応したデータが含まれる。その後、ステップS310にて、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を行い、本抽選処理を終了する。
<リール制御処理>
次に、通常処理(図9)におけるステップS210のリール制御処理について、図12のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、まずステップS401において各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM74に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理(図8)におけるステップS106のステッピングモータ制御処理にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、MPU72は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップボタン52〜54の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS402では、ストップボタン52〜54のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップボタン52〜54も操作されていない場合には、ストップボタン52〜54のいずれかが操作されるまで待機する。ストップボタン52〜54のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS403に進み、回転中のリールと対応するストップボタン52〜54が操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS402に戻り、ストップボタン52〜54のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS404にて停止指令コマンドをセットする。
停止指令コマンドとは、いずれのストップボタン52〜54が操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべくサブ制御装置80に送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS405〜ステップS411に示す停止制御処理を行う。
ステップS405では、ストップボタン52〜54の操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサ46の検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS406では、RAM74に格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン52〜54が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS406では、RAM74に格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。
その後、ステップS407では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。そして、ステップS408にて、その決定された停止図柄が基点位置に停止されるまで待機するための停止用の待機処理を実行する。ステップS407の処理が実行されることにより、タイマ割込み処理(図8)におけるステップS106のステッピングモータ制御処理では、各リール32L,32M,32Rのうち停止指令対象のリールについて上記基点位置に上記停止図柄が停止されるようにするための停止制御を実行する。かかる停止制御の具体的な内容については後に説明する。
停止指令対象のリールの停止制御が完了した場合には、ステップS409に進む。ステップS409では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS410にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS402に戻る。
ここで、停止情報とは、各リール32L,32M,32Rの停止態様を、抽選処理(図10)の結果に対応したものとするための情報であり、当該停止情報を利用することにより、各ストップボタン52〜54が停止操作された場合に基点位置に到達している到達図柄に対するスベリ数(具体的には「0」〜「4」)を算出することが可能となる。当該停止情報としては、各図柄とスベリ数との対応関係を示すスベリ数データが、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応させてROM73に予め記憶されている。但し、これに限定されることはなく、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応するスベリ数データを、リール32L,32M,32Rの回転中などに導出する構成としてもよい。
上記停止情報を設定するための処理として、抽選処理(図11)のステップS310にて実行される停止情報第1設定処理と、リール制御処理(図12)のステップS410にて実行される停止情報第2設定処理とが存在している。停止情報第1設定処理では、抽選処理結果に応じて停止情報を設定する。
停止情報第2設定処理では、停止情報第1設定処理又は前回の停止情報第2設定処理にてRAM74に格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選データと、リール32L,32M,32Rの停止順序と、停止しているリール32L,32M,32Rの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。
ステップS409にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS411にて入賞判定処理を実行する。入賞判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。入賞判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から各有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役がRAM74にセットされている当選データと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選データと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM74にセットする。一方、入賞成立役が当選データと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットボタン67が操作されるまで維持される。入賞判定処理が終了した場合には、ステップS412にて今回のゲームにおける入賞成立役をサブ制御装置80に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、本リール制御処理を終了する。
<ステッピングモータ33の動作原理>
次に、各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ33についてより詳細に説明する。
図13(a)はステッピングモータ33の駆動系を示す接続図であり、図13(b)はステッピングモータ33の駆動特性を示す図である。図14(a)及び図14(b)は相励磁の内容を説明するための説明図である。
ステッピングモータ33として本実施形態では、1−2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。なお、ステッピングモータはハイブリッド型や2相に限らず、4相あるいは5相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを使用することができる。
ハイブリッド型のステッピングモータ33は、図13(a)に示すように、中央に配置された回転子91と、回転子91の周囲に配置され第1〜第4ポール92〜95を有する固定子90とを備えている。回転子91は、N極に着磁された手前側回転子91aと、S極に着磁された奥側回転子91bとで構成され、手前側回転子91aの周囲に設けられた歯と歯の間に、奥側回転子91bの周囲に設けられた歯が位置するように1/2ピッチだけ相対的にずらされた状態で回転軸に取り付けられている。そして、手前側回転子91aと奥側回転子91bとの間には図示しない筒状磁石が取着されている。
第1ポール92と第3ポール94には、図13(b)に示すように、励磁コイルL0と励磁コイルL2がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL0の巻き終わり端と励磁コイルL2の巻き始め端とが結線され、ここに所定の直流電源+B(例えば+24ボルト)が印加される。同じく、第2ポール93と第4ポール95にも励磁コイルL1と励磁コイルL3がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL1の巻き終わり端と励磁コイルL3の巻き始め端とが結線され、ここに上述した直流電源+Bが印加される。
第1ポール92の励磁コイルL0に励磁信号を印加し、第1ポール92をS極に励磁するとともに第3ポール94をN極に励磁する相をA相とし、これとは逆に第3ポール94の励磁コイルL2に励磁信号を印加し、第1ポール92をN極に励磁するとともに第3ポール94をS極に励磁する相を逆A相と称する。同様に、第2ポール93の励磁コイルL1に励磁信号を印加し、第2ポール93をS極に励磁するとともに第4ポール95をN極に励磁する相をB相とし、これとは逆に第4ポール95の励磁コイルL3に励磁信号を印加し、第2ポール93をN極に励磁するとともに第4ポール95をS極に励磁する相を逆B相と称する。
ステッピングモータ33に対する励磁信号は励磁データとして、図13(b)に示すモータドライバ96に与えられる。この励磁データは主制御装置70のRAM74に格納されており、タイマ割込み処理によって適切な励磁データが出力される。この励磁データによってステッピングモータ33に対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。
ステッピングモータ33が1相励磁駆動方式の場合には、A相、B相、逆A相及び逆B相に対して順次励磁信号を印加することにより、回転子91を時計方向又は反時計方向に回転駆動させることができる。つまり、例えばまずA相に通電すると、S極になった第1ポール92の突起と手前側回転子91aの歯、N極になった第3ポール94の突起と奥側回転子91bの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次にB相に通電すると、S極になった第2ポール93の突起と手前側回転子91aの歯、N極になった第4ポール95の突起と奥側回転子91bの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次に逆A相に通電すると、N極になった第1ポール92の突起と奥側回転子91bの歯、S極になった第3ポール94の突起と手前側回転子91aの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次に逆B相に通電すると、N極になった第2ポール93の突起と奥側回転子91bの歯、S極になった第4ポール95の突起と手前側回転子91aの歯とがそれぞれ吸引力により向き合う。この順序で励磁することにより、回転子91は図13(a)において時計方向に回転する。
本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rの回転を開始させて定速回転となるまでの加速期間及び定速回転を維持させるための期間においては、1相励磁と2相励磁とを交互に行う1−2相励磁駆動が採用されている。1−2相励磁駆動では以下の(1)〜(8)の励磁シーケンス(励磁順序)に従って励磁が行われる。すなわち、1組のみの励磁が1相励磁であり、2相を同時に励磁するのが2相励磁であるから、図14(a)に示すように1−2相励磁駆動は、(1)A相に通電し(1相励磁)、(2)A相とB相の両方に通電し(2相励磁)、以下同様、(3)B相に通電し、(4)B相と逆A相の両方に通電し、(5)逆A相に通電し、(6)逆A相と逆B相の両方に通電し、(7)逆B相に通電し、(8)逆B相とA相の両方に通電し、その後(1)に戻るような駆動方式である。本実施形態では504パルスの励磁信号によりリールが1周する構成であるため、1パルスの励磁信号に基づく角度変化、すなわち1ステップあたりの角度変化は約0.714°となる。
図15は、リール32L,32M,32Rの回転を開始させる場合における励磁パターンの一例を説明するための説明図である。
ステッピングモータ33のように1−2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータでは、加速時の初期励磁相としては、特定の励磁相のみを駆動する1相励磁の他に特定の2つの励磁相を同時に駆動する2相励磁が考えられる。リールの大きさやイナーシャなどによっても相違するが、通常のスロットマシンであれば1相励磁でもリールを初速ゼロから加速させることが可能である。しかしながら、2相励磁の方が1相励磁よりも回転トルクが大きいため、十分な初速を得るためには初期励磁は2相励磁の方が好ましい。
図15に示す励磁パターンでは、1.49msecごとの割込みタイミングに同期して2相励磁に設定してからは130割込み(193.7msec)の間、この励磁状態を保持する。なお、初期励磁としての2相励磁は、図14(a)に示した励磁順2、励磁順4、励磁順6及び励磁順8のうち前回の回転停止時の励磁相に対応した励磁順が選択されることとなる。
2相励磁の状態を130割込みに亘って保持した後は、1−2相励磁を交互に繰り返すが、相励磁の保持期間として、図15に示すように1相励磁の励磁保持期間と2相励磁の励磁保持期間とが細かく制御される。具体的には、初期励磁である2相励磁に続く1相励磁が8割込み分行われ、その次の2相励磁は7割込み分だけ行われるというように、保持期間が徐々に短くなるように設定するとともに、最後には最小の割込み間隔で励磁相が順次切り替わる通常の1−2相励磁となるように設定されている。したがって、図15の最後の励磁相が2相励磁であって保持期間が1割込み分であるときには、定速回転期間における最初の励磁相は1相励磁であって保持期間が1割込み分となる。このように各励磁相における保持期間を定速回転に近づくにつれ順次短くすることで、高速な加速処理を短時間で実現することができるとともに、定速回転へのスムーズな移行が可能になる。
一方、ステッピングモータ33を停止させる際には3相励磁又は4相励磁が利用される。3相励磁では、目標とする停止角度の位置に対応する1相と、この1相に対して90度位相が異なる2相との合計3相を励磁する。具体的には、図14(b)に示すように、A相又は逆A相が目標とする停止角度の位置に対応する1相である場合には、A相又は逆A相に加えてB相及び逆B相を励磁する。一方、B相又は逆B相が目標とする停止角度の位置に対応する1相である場合には、B相又は逆B相に加えてA相及び逆A相を励磁する。
目標とする停止角度の位置に対応する相を励磁することにより、ステッピングモータ33の回転子91の停止位置を確実に所定の位置とすることが可能となる。また、相反する2相を励磁した場合には磁束を打ち消し合うことになるが、ステッピングモータ33の回転中は誘導電圧によって逆起電力が生じ、例えばA相と逆A相とに流れる電流の差分のトルクが発生する。このため、相反する2相を励磁した場合であっても制動力が発生することとなる。3相励磁をした場合における制動力は、1相励磁の場合よりも大きく、2相励磁の場合よりも小さい。
4相励磁では、A相、逆A相、B相及び逆B相の全てを励磁する。既に説明したとおり、相反する2相を励磁した場合には磁束を打ち消し合うことになるが、ステッピングモータ33の回転中は誘導電圧によって逆起電力が生じ、例えばA相と逆A相とに流れる電流の差分のトルクが発生する。そして、4相励磁とした場合、相反する2相同士において当該トルクが発生する。したがって、4相励磁であっても制動力を生じさせることが可能である。但し、4相励磁をした場合における制動力は、1相励磁の場合よりも小さい。
ステッピングモータ33を停止させる際には基本的に、3相励磁及び4相励磁のうち4相励磁が利用される。当該4相励磁を利用してステッピングモータ33が停止される場合について図16(a)の説明図を参照しながら説明する。なお、以下の説明では図16(a)に示す停止態様を通常停止態様と言う。
通常停止態様によりステッピングモータ33が停止される場合、図16(a)に示すように、1相励磁と2相励磁とが交互に繰り返されている状況において停止指令が発生することにより4相励磁が開始される。この場合、4相励磁が開始されるタイミングは、1割込みに亘って2相励磁が実行された後のタイミングに定められている。この4相励磁は、67割込み(99.8msec)に亘って継続される。そして、67割込みに亘って4相励磁を行った後は、1相励磁を67割込み(99.8msec)に亘って行った後に、当該1相励磁を終了させる。この1相励磁の対象となる相は、目標とする停止角度の位置に対応する1相となっている。
通常停止態様では上記のように制動の開始に際して最も制動力が弱い4相励磁を利用することによりステッピングモータ33の回転子91を滑らかに停止させることが可能となる。但し、制動力が弱いことに起因して4相励磁を行った場合、4相励磁を開始したタイミングから慣性によってある程度は回転子91が進むこととなる。この慣性で進むstep数はリールユニット31の仕様によって相違するものであり、そのstep数はリールユニット31を利用した実験によって設計段階である程度は把握することが可能であるものの一定とはならずにある程度のばらつきが生じ得る。これに対して、4相励磁を所定期間に亘って行った後に、目標とする停止角度の位置に対応する1相を対象とした1相励磁を所定期間に亘って行うことにより、停止位置を設計した位置とすることが可能となる。
次に、3相励磁及び4相励磁のうち3相励磁を利用してステッピングモータ33を停止させる場合について図16(b)の説明図を参照しながら説明する。なお、以下の説明では図16(b)に示す停止態様を特別停止態様と言う。
特別停止態様によりステッピングモータ33が停止される場合、図16(b)に示すように、1相励磁と2相励磁とが交互に繰り返されている状況において停止指令が発生することにより3相励磁が開始される。4相励磁よりも制動力が強い3相励磁により制動が行われることにより、4相励磁の場合よりもステッピングモータ33を急停止させることが可能となる。これにより、リール32L,32M,32Rは、それまでの回転方向とその逆方向との間で揺れながら停止することとなり、バウンドしながら停止したかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。
但し、3相励磁が4相励磁よりも制動力が強いことに起因して2相励磁の後に3相励磁を行うと意図した停止位置とならない現象が発生し得る。そこで、3相励磁が開始されるタイミングは、1割込みに亘って2相励磁が実行された後のタイミングではなく、1割込みに亘って1相励磁が実行された後のタイミングとして定められている。3相励磁は、67割込み(99.8msec)に亘って継続され、その後、ステッピングモータ33への励磁が終了される。ちなみに、既に説明したとおり3相励磁に際しては、目標とする停止角度の位置に対応する1相と、この1相に対して90度位相が異なる2相との合計3相を励磁する。
次に、主制御装置70のMPU72により実行される停止制御処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。なお、停止制御処理は、タイマ割込み処理(図8)におけるステップS106のステッピングモータ制御処理にて実行される。
まずステップS501では、RAM74に設けられた停止制御開始フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。停止制御開始フラグは、いずれかのリール32L,32M,32Rについて停止制御を開始した後の状況であることをMPU72にて特定するためのフラグである。停止制御開始フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS502にて、いずれかのリール32L,32M,32Rについて既に停止指令が発生しているもののそれに対する停止制御が開始されていない状況であるか否かを判定する。また、ステップS503では、現状の励磁が2相励磁であるか否かを判定し、ステップS504では、停止対象のリール32L,32M,32Rに関して基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄が、リール制御処理(図12)のステップS407にて決定された停止図柄と一致しているか否かを判定する。
ステップS502〜ステップS504のいずれかにて否定判定をした場合にはそのまま本停止制御処理を終了し、ステップS502〜ステップS504の全てで肯定判定をした場合にはステップS505に進む。ステップS505では、RAM74の停止制御開始フラグに「1」をセットする。
その後、ステップS506にて、RAM74に設けられた特別停止フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。特別停止フラグは、ステッピングモータ33の停止態様を特別停止態様とするか否かをMPU72にて特定するためのフラグである。特別停止フラグは、通常遊技状態において主制御装置70のMPU72にて実行される抽選処理(図10)においてIV=1〜16のいずれかにて当選となった場合の所定の確率(0%より大きく100%未満の確率)で「1」がセットされる。詳細には、通常遊技状態においてIV=1〜10のいずれかにて当選となった場合にはBB役に当選することとなるが、これらのいずれかのIVの値で当選となった場合には第1特別停止抽選処理(当選確率が20%)が実行され、当該抽選処理にて当選となることで特別停止フラグに「1」がセットされる。また、IV=11〜16のいずれかにて当選となった場合にはBB役と同時当選となり得る小役に当選することとなるが、これらのいずれかのIVの値で当選となった場合には第2特別停止抽選処理(当選確率が10%)が実行され、当該抽選処理にて当選となることで特別停止フラグに「1」がセットされる。上記のとおり特別停止フラグには、BB役に当選した場合に「1」がセットされるとともに、BB役に当選しなかった場合にも「1」がセットされる。
特別停止フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS506:NO)には、ステップS507にて、ROM73に記憶されている通常停止用テーブルをRAM74に読み出す。通常停止用テーブルには、4相励磁を67割込みに亘って実行し、その後に、目標とする停止角度の位置に対応する1相に励磁するための1相励磁を67割込みに亘って実行すべきことを示すデータが設定されている。この目標とする停止角度の位置に対応する1相は、4相励磁が開始される直前に励磁されている2相励磁の種類に応じて定められている。具体的には、2相励磁は、A相及びB相、B相及び逆A相、逆A相及び逆B相、逆B相及びA相の4種類が存在しているため、それら4種類のそれぞれに1対1で対応させて1相励磁の種類が定められている。また、通常停止態様に際しての4相励磁と1相励磁との組み合わせが4種類存在していることに対応させて、通常停止用テーブルは4種類用意されている。
通常停止態様の終了に際して実行される1相励磁の種類は、当該通常停止態様が開始される直前に実行された2相励磁の種類に応じて一義的に定まる。したがって、ステップS507では、直前に実行された2相励磁の種類に対応した通常停止用テーブルを読み出す。通常停止用テーブルが読み出されることにより、各リール32L,32M,32Rが4相励磁を利用した通常停止態様により停止される。
特別停止フラグに「1」がセットされている場合(ステップS506:YES)には、ステップS508にて、ROM73に記憶されている特別停止用テーブルをRAM74に読み出す。特別停止用テーブルには、1相励磁を1割込みに亘って実行し、その後に、目標とする停止角度の位置に対応する3相に励磁するための3相励磁を67割込みに亘って実行すべきことを示すデータが設定されている。
この目標とする停止角度の位置に対応する3相は、当該3相励磁が開始される直前に励磁されている1相励磁の種類に応じて定められている。具体的には、1相励磁は、A相、逆A相、B相及び逆B相の4種類が存在しているため、それら4種類のそれぞれに1対1で対応させて3相励磁の種類が定められている。例えば、直前の1相励磁がA相であればA相、逆A相及び逆B相が励磁され、直前の1相励磁がB相であればA相、B相及び逆B相が励磁される。また、特別停止態様に際しての1相励磁と3相励磁との組み合わせが4種類存在していることに対応させて、特別停止用テーブルは4種類用意されている。
特別停止態様の開始に際して実行される1相励磁の種類は、当該特別停止態様が開始される直前に実行された2相励磁の種類に応じて一義的に定まる。したがって、ステップS508では、直前に実行された2相励磁の種類に対応した特別停止用テーブルを読み出す。特別停止用テーブルが読み出されることにより、各リール32L,32M,32Rが3相励磁を利用した特別停止態様により停止される。
なお、特別停止用テーブルが読み出された場合には全リール32L,32M,32Rが特別停止態様で停止される構成に限定されることはなく、各リール32L,32M,32Rの一部が特別停止態様で停止される構成としてもよい。また、各リール32L,32M,32Rのうち一部のリールは他のリールよりも、BB役に当選している場合に特別停止態様で停止され易い構成としてもよい。
ステップS501にて肯定判定をした場合、ステップS507の処理を実行した場合、又はステップS508の処理を実行した場合には、ステップS509にて停止中処理を実行した後に、本停止制御処理を終了する。
図18は、当該停止中処理を示すフローチャートである。
まずステップS601では、RAM74に設けられた切り替え間隔カウンタの値を1減算する。なお、切り替え間隔カウンタの値が「0」となっている場合には、「0」の状態が維持される。続くステップS602では、切り替え間隔カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する。切り替え間隔カウンタは、ステッピングモータ33を停止させる際に励磁相を切り替えるタイミングを特定するためのカウンタである。切り替え間隔カウンタの値は、ステッピングモータ33の停止制御が開始された場合にはタイマ割込み処理が1回起動される度に1減算される。また、ステップS507又はステップS508の処理を実行した直後においては切り替え間隔カウンタの値が「0」となっているため、これらいずれかの処理を実行した直後においてはステップS602にて肯定判定をすることとなる。
切り替え間隔カウンタの値が「0」となっていない場合には、そのまま本停止中処理を終了する。切り替え間隔カウンタの値が「0」となっている場合には、ステップS603にて、RAM74に現状読み出されている停止用テーブルを参照する。具体的には、通常停止用テーブルが読み出されている場合には当該通常停止用テーブルを参照し、特別停止用テーブルが読み出されている場合には当該特別停止用テーブルを参照する。
その後、ステップS604にて、次に設定すべき励磁データが存在しているか否かを判定する。通常停止用テーブルが読み出されている場合、当該テーブルが読み出された直後であれば次の励磁データとして4相励磁のデータが存在していることとなり、当該4相励磁が67割込みに亘って実行された後であれば次の励磁データとして1相励磁のデータが存在していることとなり、当該1相励磁が67割込みに亘って実行された後であれば次の励磁データが存在していないこととなる。特別停止用テーブルが読み出されている場合、当該テーブルが読み出された直後であれば次の励磁データとして1相励磁のデータが存在していることとなり、当該1相励磁が1割込み分実行された後であれば次の励磁データとして3相励磁のデータが存在していることとなり、当該3相励磁が67割込みに亘って実行された後であれば次の励磁データが存在していないこととなる。
ステップS604にて肯定判定をした場合には、ステップS605にて、次の励磁データの読み出し処理を実行した後に、本停止中処理を終了する。これにより、次の励磁データに対応した相が励磁される。また、ステップS605では、新たに設定した相励磁を継続させる期間に対応した値を切り替え間隔カウンタにセットする。例えば、通常停止用テーブルが読み出されている場合において4相励磁を新たに開始する場合には切り替え間隔カウンタに「67」をセットし、通常停止用テーブルが読み出されている場合において1相励磁を新たに開始する場合には切り替え間隔カウンタに「67」をセットする。また、特別停止用テーブルが読み出されている場合において1相励磁を新たに開始する場合には切り替え間隔カウンタに「1」をセットし、特別停止用テーブルが読み出されている場合において3相励磁を新たに開始する場合には切り替え間隔カウンタに「67」をセットする。
一方、ステップS604にて否定判定をした場合には、ステップS606にて、それまで行っていた励磁を終了させるとともに、ステップS607にて、停止制御開始フラグの値を「0」クリアした後に、本停止中処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
リール32L,32M,32Rを停止させる場合の停止制御の態様として、4相励磁により制動力を与える通常停止態様(所定停止態様に相当)と、3相励磁により制動力を与える特別停止態様(特定停止態様に相当)とが存在している。これにより、リール32L,32M,32Rを停止させる場合において、リール32L,32M,32Rを滑らかに停止させる場合と、リール32L,32M,32Rを意図的に揺らしながら停止させる場合とを生じさせることが可能となり、リール32L,32M,32Rの停止態様を多様化させることが可能となる。この場合に、通常停止態様と特別停止態様とでは、制動力を与えるための相励磁の種類だけでなく、それ以外にも相励磁の態様が相違している。これにより、相励磁の種類だけで停止態様を相違させる構成に比べ、各停止態様とするための停止制御の設計の自由度が高められ、停止態様の設定の容易化が図られる。
3相励磁により制動力を与える場合には、当該3相励磁の直前に1相励磁が行われる。これにより、3相励磁が4相励磁よりも制動力が大きい構成において、3相励磁の直前にトルクが3相励磁よりも小さい1相励磁が行われ、回転子91を所望の位置に停止させ易くなる。
4相励磁により制動力を与える場合には、当該4相励磁の直後に1相励磁が行われる。これにより、4相励磁の直後にトルクが4相励磁よりも大きい1相励磁が行われ、回転子91を所望の位置に停止させ易くなる。また、4相励磁の直後に行われる相励磁が1相励磁であることにより、励磁させる相の数を抑えながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)通常停止態様による停止制御を行う場合、2相励磁の後に4相励磁を行う構成に代えて、1相励磁の後に4相励磁を行う構成としてもよい。また、これに代えて、リール32L,32M,32Rを定速回転させるために行われる1相励磁又は2相励磁の後に3相励磁を行い、その後に4相励磁を行う構成としてもよい。
(2)通常停止態様による停止制御を行う場合、4相励磁を67割込みに亘って実行した後に1相励磁を67割込みに亘って実行する構成としたが、これら4相励磁及び1相励磁を行う期間は67割込みに限定されることはなくそれよりも長くてもよく短くてもよい。また、4相励磁を行う期間と1相励磁を行う期間とが同一である構成に限定されることはなく、4相励磁を行う期間の方が1相励磁を行う期間よりも長い構成としてもよく、4相励磁を行う期間の方が1相励磁を行う期間よりも短い構成としてもよい。
(3)通常停止態様による停止制御を行う場合、4相励磁を行った後に1相励磁を行う構成に限定されることはなく、4相励磁を行った後に2相励磁を行う構成としてもよく、4相励磁を行った後に3相励磁を行う構成としてもよい。
(4)特別停止態様による停止制御を行う場合、3相励磁の直前に行う1相励磁を1割込みのみ行う構成としたが、当該1相励磁を2割込み以上行う構成としてもよい。
(5)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、パチンコ機に対して適用してもよく、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.複数種の絵柄が周方向に付された周回体(リール32L,32M,32R)と、
当該周回体を回転させる駆動手段(ステッピングモータ33)と、
当該駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(MPU72におけるステッピングモータ制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記駆動手段は、励磁される相が切り替えられることにより回転子(回転子91)が回転することで前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
励磁される相の数が相違するように、前記駆動制御手段により行われる相励磁の種類が複数存在しており、
前記駆動制御手段は、
所定停止態様となるように前記駆動手段を停止制御する所定停止制御手段(MPU72における通常停止用テーブルを利用して停止中処理を実行する機能)と、
特定停止態様となるように前記駆動手段を停止制御する特定停止制御手段(MPU72における特別停止用テーブルを利用して停止中処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定停止制御手段と前記特定停止制御手段とで、停止制御に際して利用される前記相励磁の種類が相違しており、当該相励磁の種類以外にも停止制御に際しての相励磁の態様が相違していることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、周回体を停止させる場合の停止制御の態様として所定停止態様と特定停止態様とが存在していることにより、当該停止態様を多様化させることが可能となる。この場合に、所定停止態様と特定停止態様とでは、停止制御に際して利用される相励磁の種類だけでなく、それ以外にも相励磁の態様が相違している。これにより、相励磁の種類だけで停止態様を相違させる構成に比べ、各停止態様とするための停止制御の設計の自由度が高められ、停止態様の設定の容易化が図られる。
特徴A2.前記所定停止制御手段は、所定数の相を励磁させる所定相励磁(4相励磁)を利用して前記回転子の回転を停止させるものであり、
前記特定停止制御手段は、特定数の相を励磁させる特定相励磁(3相励磁)を利用して前記回転子の回転を停止させるものであり、
前記特定相励磁の方が前記所定相励磁よりも制動力が大きいことを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、所定停止態様においては周回体を滑らかに停止させることが可能となり、特定停止態様においては周回体を意図的に揺らしながら停止させることが可能となる。この場合に、上記特徴A1の構成を備えていることにより、各停止態様とするための停止制御の設計の自由度が高められ、停止態様の設定の容易化が図られる。
なお、上記特徴A2のより具体的な構成としては、「前記所定相励磁は4相励磁であり、前記特定相励磁は3相励磁である」構成が挙げられる。
特徴A3.前記所定停止制御手段は、所定数の相を励磁させる所定相励磁(4相励磁)を利用して前記回転子の回転を停止させるものであり、
前記特定停止制御手段は、特定数の相を励磁させる特定相励磁(3相励磁)を利用して前記回転子の回転を停止させるものであり、
前記所定停止制御手段により前記所定相励磁が行われる直前の相励磁と、前記特定停止制御手段により前記特定相励磁が行われる直前の相励磁との種類が相違していることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、所定相励磁を利用して停止制御が行われる場合と特定相励磁を利用して停止制御が行われる場合とで直前の相励磁の種類が相違していることにより、所定相励磁と特定相励磁とのそれぞれを円滑に開始することが可能となる。
特徴A4.前記特定相励磁の方が前記所定相励磁よりも制動力が大きく、
前記特定停止制御手段により前記特定相励磁が行われる直前の相励磁の方が、前記所定停止制御手段により前記所定相励磁が行われる直前の相励磁よりもトルクが小さいことを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、所定停止態様においては周回体を滑らかに停止させることが可能となり、特定停止態様においては周回体を意図的に揺らしながら停止させることが可能となる。この場合に、特定相励磁が行われる場合の方が、所定相励磁が行われる場合よりも直前の相励磁のトルクが小さい。これにより、特定相励磁の方が所定相励磁よりも制動力が大きい構成において、特定相励磁の直前にトルクが小さい相励磁を行うことで回転子を所望の位置に停止させ易くなる。
特徴A5.前記特定停止制御手段により前記特定相励磁が行われる直前の相励磁の方が当該特定相励磁よりもトルクが小さいことを特徴とする特徴A3又はA4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、特定相励磁の方が所定相励磁よりも制動力が大きい構成において、特定相励磁の直前にトルクが小さい相励磁を行うことで回転子を所望の位置に停止させ易くなる。
特徴A6.前記所定停止制御手段により前記所定相励磁が行われた後の態様と、前記特定停止制御手段により前記特定相励磁が行われた後の態様とが相違していることを特徴とする特徴A3乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、所定相励磁と特定相励磁とのそれぞれの制動力に応じてその後の停止制御の態様が相違していることにより、それらの制動力との関係で好ましい停止状態とすることが可能とする。
特徴A7.前記特定相励磁の方が前記所定相励磁よりも制動力が大きく、
前記所定停止制御手段は、前記所定相励磁を行った後に当該所定相励磁よりもトルクが大きい相励磁を行うものであることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、所定停止態様においては周回体を滑らかに停止させることが可能となり、特定停止態様においては周回体を意図的に揺らしながら停止させることが可能となる。この場合に、所定相励磁が行われた後には当該所定相励磁よりもトルクが大きい相励磁が行われることにより、回転子を所望の位置に停止させ易くなる。
特徴A8.前記所定相励磁の後に行われる相励磁は、前記特定相励磁よりもトルクが小さいことを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、所定相励磁により十分に減速された回転子に対して大きなトルクを再度追加してしまわないようにしながら、回転子を所望の位置に停止させ易くなる。
特徴A9.前記特定停止制御手段は、前記特定相励磁を行った後に相励磁を行わないものであることを特徴とする特徴A7又はA8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、特定相励磁が行われた後には新たな相励磁が行われないため、特定停止態様が行われる場合における停止制御用の処理の簡素化が図られる。
特徴A10.複数種の絵柄が周方向に付された周回体(リール32L,32M,32R)と、
当該周回体を回転させる駆動手段(ステッピングモータ33)と、
当該駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(MPU72におけるステッピングモータ制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記駆動手段は、励磁される相が切り替えられることにより回転子が回転することで前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
前記駆動制御手段は、特定数の相を励磁させる特定相励磁を最終的に行うことを利用して前記回転子の回転を停止させる特定停止制御手段(MPU72における特別停止用テーブルを利用して停止中処理を実行する機能)を備え、
当該特定停止制御手段により前記特定相励磁が行われる直前に当該特定相励磁よりもトルクが小さい相励磁が行われる構成であることを特徴とする遊技機。
特徴A10によれば、特定相励磁の直前にトルクが小さい相励磁を行うことで回転子を所望の位置に停止させ易くなる。
<特徴B群>
特徴B1.複数種の絵柄が周方向に付された周回体(リール32L,32M,32R)と、
当該周回体を回転させる駆動手段(ステッピングモータ33)と、
当該駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(MPU72におけるステッピングモータ制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記駆動手段は、励磁される相が切り替えられることにより回転子(回転子91)が回転することで前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
励磁される相の数が相違するように、前記駆動制御手段により行われる相励磁の種類が複数存在しており、
前記駆動制御手段は、所定数の相を励磁させる所定相励磁(4相励磁)を行うことで前記回転子に制動力を与えた後に当該所定相励磁よりもトルクが大きい相励磁を行う所定停止制御手段(MPU72における通常停止用テーブルを利用して停止中処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、所定相励磁が行われた後には当該所定相励磁よりもトルクが大きい相励磁が行われることにより、回転子を所望の位置に停止させ易くなる。
特徴B2.前記所定停止制御手段により前記所定相励磁の後に行われる相励磁は、当該所定相励磁よりも励磁される相の数が少ないことを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、励磁させる相の数を抑えながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴B3.前記駆動制御手段は、前記周回体の回転開始後において、励磁される相の数が相違する複数種類の相励磁を所定の順序で切り替えることにより前記周回体の回転を継続させる手段を備え、
前記所定相励磁は、前記複数種類の相励磁のいずれよりもトルクが小さいことを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、所定相励磁を利用して停止制御を行う場合、周回体を滑らかに停止させることが可能となる。その反面、所定相励磁の制動力が小さいため回転子を所望の位置に停止させづらくなる。これに対して、上記特徴C1の構成を備え、所定相励磁の後に当該所定相励磁よりもトルクが大きい相励磁が行われるため、回転子を所望の位置に停止させ易くなる。
特徴B4.前記駆動制御手段は、前記周回体の回転開始後において、励磁される相の数が相違する複数種類の相励磁を所定の順序で切り替えることにより前記周回体を定速回転させる回転中制御手段を備え、
前記所定停止制御手段は、前記所定相励磁及びその後の相励磁を、前記回転中制御手段により一の相励磁が行われる期間よりも長い期間に亘って行うものであることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、制動力を十分に与えることが可能となるとともに、回転子を所望の位置に停止させるための期間を十分に確保することが可能となる。
特徴B5.前記所定相励磁は4相励磁であり、
前記所定停止制御手段により前記所定相励磁の後に行われる相励磁は1相励磁であることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、回転子への制動力が4相励磁により与えられることにより当該回転子を滑らかに停止させることが可能となるとともに、その後に1相励磁が行われることにより回転子を所望の位置に停止させ易くなる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。