JP7056689B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、周回体の周回を通じて絵柄の変動表示を行う遊技機に関するものである。
周回体の周回を通じて絵柄の変動表示を行う遊技機としては、例えばスロットマシンがある。スロットマシンは、外周部に複数の図柄が付与されたリールを複数備えており、表示部を通じて各リールに付与された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することで各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップボタンを操作することで各リールが順次停止する。また、スロットマシンの内部ではメダルの投入とスタートレバーの操作を条件として抽選を行っており、抽選の結果が当選であり且つ予め設定された有効ライン上に遊技者が当選となった図柄を停止させることを条件として所定枚数のメダルが払い出されたり、遊技者に有利な所定のゲームが発生するなどの特典が付与される(例えば特許文献1参照)。
また、上記遊技機としては、スロットマシン以外にも、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いて上記スロットマシンと同様の遊技を行うことを可能とする遊技機が挙げられる。また、パチンコ機において内部抽選の結果に応じた演出を遊技者に提供するための表示部として上記周回体を利用するものも挙げられる。
上記のような周回体を周回させるための駆動手段としては、ステッピングモータが一般的に用いられている。この場合、周回開始条件が成立した場合には、ステッピングモータによる駆動が開始されて、加速期間を経て定速期間へと移行する。そして、この定速期間が所定の期間に亘って継続された後に、周回停止条件の成立に基づき停止される。
特開2003-180936号公報
ここで、上記例示などのような遊技機においては、周回体の加速を好適に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、ステッピングモータを利用して周回体を周回させる構成において、当該周回体の加速を好適に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、複数種の絵柄が周方向に付された周回体と、
当該周回体を回転させる駆動手段と、
当該駆動手段を駆動制御する駆動制御手段と、
を備え、
前記駆動手段は、固定子及び回転子を有し、当該駆動手段の励磁相が切り換えられて回転子が回転することにより前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
前記駆動制御手段は、
前記周回体の回転を開始させて所定回転速度となるように前記駆動手段を初期駆動制御する初期駆動制御手段と、
当該初期駆動制御手段による初期駆動制御の実行後、前記所定回転速度が維持されるように前記駆動手段を定速駆動制御する定速駆動制御手段と、
を備え、
前記初期駆動制御手段は、
前記初期駆動制御が実行されている期間中において、前記励磁相の切り替え間隔がそれまでよりも長くなる期間と、それまでよりも短くなる期間とを存在させる長短設定手段と、
当該長短設定手段による駆動制御の後に、前記切り替え間隔を段階的に短くして、前記周回体の回転速度が前記所定回転速度となるようにする段階設定手段と、
を備え、
前記定速駆動制御手段は、前記切り替え間隔を特定間隔とすることで前記周回体の回転速度が前記所定回転速度となるようにするものであり、
前記長短設定手段により設定される前記切り替え間隔は、前記特定間隔よりも長い間隔であり、
前記長短設定手段により最後に設定される前記切り替え間隔は、当該長短設定手段による駆動制御の期間中に設定される切り替え間隔のうち最長の切り替え間隔であることを特徴とする。
本発明によれば、ステッピングモータを利用して周回体を周回させる構成において、当該周回体の加速を好適に行うことが可能となる。
一実施の形態におけるスロットマシンの正面図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 左リールの組立斜視図である。 各リールを構成する帯状ベルトの展開図である。 スロットマシンの電気的構成図である。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ステッピングモータの動作原理を示す模式図である。 (a)ステッピングモータの駆動系を示す接続図であり、(b)ステッピングモータの駆動特性を示す図である。 励磁データと励磁順ポインタとの関係を示す説明図である。 従来のスロットマシンにおける励磁パターンの一例を説明するための説明図である。 本スロットマシンにおける励磁パターンの一例を説明するための説明図である。 図12や図13の励磁パターンが適用された場合における、1割込みに対するステップ数の時間変化を示すための図である。 リール回転処理を示すフローチャートである。 ステッピングモータ制御処理を示すフローチャートである。 モータ制御処理を示すフローチャートである。 実施例1及び実施例2により作製したリールユニットについて、定速状態における振動波形を測定した場合の結果を示す図である。 左リール表面の所定箇所に目印を付け、加速処理の実行に伴う当該目印の位置の変動量を測定した結果を示す図である。 図19の一部を拡大して示す図である。 本スロットマシンにおける励磁パターンの他の一例を説明するための説明図である。 (a)実施例1について各種評価を行った結果を示す図であり、(b)実施例2について各種評価を行った結果を示す図である。
以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。
図2に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。
筐体11の前面側には、前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14に対する所定のキーによる解錠操作により解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、図1に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
図2に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータ33に連結されており、各ステッピングモータ33の駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール32L,32M,32Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール32Lを例に挙げて図3に基づいて説明する。なお、図3は左リール32Lの組立斜視図である。
左リール32Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材41と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルト(図3では図示略)とを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材41に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材41の中心部にはボス部42が形成されており、円盤状のボス補強板43を介してステッピングモータ33の駆動軸に取り付けられている。したがって、ステッピングモータ33の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材41が回転され、左リール32Lが回転するようになっている。
ステッピングモータ33は、リールユニット31内において起立状態に配置されたモータプレート44の側面にねじ45で固定されている。モータプレート44には、発光素子46aと受光素子46bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ46が設置されている。一方、左リール32Lと一体化されたボス補強板43には、半径方向に延びるセンサカットバン47の基端部47bがねじ48で固定されている。このセンサカットバン47の先端部47aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ46の両素子46a,46bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール32Lが1回転するごとにセンサカットバン47の先端部47aの通過をリールインデックスセンサ46が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置70に検出信号が出力される。したがって、主制御装置70はこの検出信号に基づいて左リール32Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ33は例えば504パルスの励磁信号を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁信号によってステッピングモータ33の回転位置、すなわち左リール32Lの回転位置が制御される。
各リール32L,32M,32Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。したがって、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ46の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓部21Lから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓部21Lから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール32L,32M,32Rに付された図柄のうち、表示窓部21L,21M,21Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓部21L,21M,21Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール32L,32M,32Rに付される図柄について説明する。図4には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール32L,32M,32Rに対応して番号が1~21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別図柄としての「7」図柄(例えば、左ベルト第20番目)と「青年」図柄(例えば、左ベルト19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別図柄としての「BAR」図柄(例えば、左ベルト第14番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための第3特別図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト第11番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左ベルト第9番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト第8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト第4番目)がある。そして、図4に示すように、各リール32L,32M,32Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
遊技パネル20には、各表示窓部21L,21M,21Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。
ここで、入賞となった場合の各図柄に関する払出枚数について説明する。小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダル払出、左リール32Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダル払出が行われる。即ち、中リール32M及び右リール32Rの「チェリー」図柄はメダル払出と無関係である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係にメダル払出が行われるため、左リール32Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払出が行われる。
第1特別図柄(ビッグボーナス図柄)の組合せである「7」図柄又は「青年」図柄が同一図柄にて有効ライン上に左・中・右と揃った場合、第2特別図柄(レギュラーボーナス図柄)の組合せである「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダルの払出は実行されない。第3特別図柄の組合せである「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にもメダル払出は行われないが、メダルの投入を行うことなく新たな遊技回を開始させることが可能となる。その他の場合、即ち有効ライン上に左リール32Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に左・中・右と同一図柄が揃わない場合には、一切メダル払出は行われない。
遊技パネル20の下方左側には、図1に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー51が設けられている。メダルが投入されているときにこのスタートレバー51が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー51の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップボタン52,53,54が設けられている。各ストップボタン52,53,54は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン52,53,54は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口55が設けられている。メダル投入口55から投入されたメダルは、図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ61によって、投入可能時であればホッパ装置64へ導かれ、投入不可時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれる。なお、ホッパ装置64は、上記有効ライン上にメダルの付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口17を通じてメダル受け皿18に払い出す機能を有している。
メダル投入口55の下方には、図1に示すように、メダル投入口55に投入されたメダルがセレクタ61内に詰まった際に押される返却ボタン56が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを投入するための第1クレジット投入ボタン57~59が設けられている。
スタートレバー51の左側には、ボタン状の切換ボタン60が設けられている。切換ボタン60がオン状態のときには、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルがクレジットメダルとして貯留記憶されるように設定された「クレジットモード」となる。切換ボタン60がオフ状態のときには、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」となる。
メダルがベットされる手順について説明する。1枚のメダルがメダル投入口55に投入された場合又はクレジット投入ボタン57,59の操作により1枚の仮想メダルが投入された場合には、中央ラインが有効ラインとなる。2枚のメダルがメダル投入口55に投入された場合又はクレジット投入ボタン58,59の操作により2枚の仮想メダルが投入された場合には、中央ライン、上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなる。3枚のメダルがメダル投入口55に投入された場合又はクレジット投入ボタン59の操作により3枚の仮想メダルが投入された場合には、中央ライン、上ライン、下ライン及び一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
4枚以上のメダルがメダル投入口55に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときのモードがダイレクトモードであればセレクタ61によりメダル受け皿18へ返却される。一方、クレジットモードであればスロットマシン内部に仮想メダルとして貯蓄される。この貯留枚数には上限枚数が決められており(例えば50枚)、それを越える枚数のメダルが投入されたときにはメダル受け皿18へ返却される。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ22と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ23と、遊技者に各種情報を与える液晶表示器などの補助表示部24とが設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置64の左方には、図2に示すように、電源装置65が設けられている。電源装置65には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源ボタン66と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン67と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔68と、を備えている。
リールユニット31の上方には、主制御装置70が筐体11の背板に取り付けられている。主制御装置70は、主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。
<スロットマシン10の電気的構成>
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図5のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置70には、演算処理手段であるCPU71を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU71には、電源装置65の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路74や、入出力ポート75などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置70は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置70の入力側には、スタートレバー51の操作を検出するスタート検出センサ51a、各ストップボタン52,53,54の操作を個別に検出するストップ検出センサ52a,53a,54a、メダル投入口55から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ55a、各クレジット投入ボタン57,58,59の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ57a,58a,59a、切換ボタン60の操作を検出する切換検出センサ60a、各リール32L,32M,32Rの回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ46、ホッパ装置64から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ64a、リセットボタン67の操作を検出するリセット検出センサ67a、設定キー挿入孔68に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ68a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート75を介してCPU71へ出力されるようになっている。
また、主制御装置70の入力側には、入出力ポート75を介して電源装置65に設けられた停電監視回路65bが接続されている。電源装置65には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部65aや、上述した停電監視回路65bなどが搭載されている。
停電監視回路65bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ66による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路65bは、電源部65aから出力されるこの例では直流24ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU71に供給され、CPU71ではこの停電信号を認識することにより停電時処理が実行される。
主制御装置70の出力側には、各リール32L,32M,32Rを回転させるための各ステッピングモータ33、ホッパ装置64、表示制御装置80等が入出力ポート75を介して接続されている。
表示制御装置80は、上部ランプ22やスピーカ23、補助表示部24を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置70からの信号を受け取った上で、表示制御装置80が独自に上部ランプ22、スピーカ23及び補助表示部24を駆動制御する。
上述したCPU71には、このCPU71によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM72と、このROM72内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM73のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM72とRAM73によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図6以降に示される各種のフローチャートに示される処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM72に記憶されている。
RAM73は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置65からバックアップ電圧が供給されてデータを保持できる構成となっており、RAM73には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、CPU71のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路65bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
<主制御装置70のCPU71により実行される処理>
次に、主制御装置70内のCPU71により実行される各制御処理を説明する。
かかるCPU71の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されたメイン処理の実行後に繰り返し実行される通常処理と、当該通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後、通常処理を説明する。
<タイマ割込み処理>
図6は、主制御装置70で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置70のCPU71により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU71内の全レジスタの値をRAM73のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電時処理を実行する。停電フラグは、停電が発生したことを示す信号を停電監視回路65bから受信したことに基づきセットされ、停電時処理では、復電後において電源遮断前の状態に復帰することを可能とするための処理を実行する。
ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合又はステップS103の実行後はステップS104に進む。ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU71自身に対して割込み許可を出す割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれのステッピングモータ33を駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート75に接続された各種センサ(図5参照)の状態を監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。
ステップS109では、表示制御装置80へコマンドなどを送信するコマンド出力処理を行う。ステップS110では、入出力ポート75からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS111では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU71内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS112にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
<通常処理>
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図7のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、メダルがベットされているか否かを判定する。メダルがベットされているときには、続いてステップS202にてスタートレバー51が操作されたか否かを判定する。ステップS201,ステップS202が共にYESの場合には、ステップS203の抽選処理を実行する。
抽選処理では、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数、小役確率の高低等に基づき当否決定用の乱数テーブルを選択し、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー51が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を行う。そして、いずれかの役に当選した場合には、その役に応じた当選フラグをセットする。また、抽選結果に応じたリール停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAM73のスベリテーブル格納エリアに格納する。ここで、スベリテーブルとは、ストップボタン52~54が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄を所定の有効ライン上で止まるようにリールをどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。
なお、抽選役としては、スイカ役、ベル役及びチェリー役といったメダルの払出に対応した小役と、リプレイ役と、ビッグボーナス役と、レギュラーボーナス役とが設定されている。
ステップS203にて抽選処理を実行した後は、ステップS204にてリール制御処理を実行する。
リール制御処理では、図8のフローチャートに示すように、まずステップS301においてウエイト処理を行う。このウエイト処理は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー51を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転しないことがある。
ウエイト処理に続いてステップS302のリール回転処理を行い、各リール32L,32M,32Rを回転させる。その後、ステップS303に進み、左リール32Lが回転を開始してから所定時間(例えば8秒)が経過したか否かを判定する。所定時間が経過した場合にはステップS304に進み、ストップボタン52~54のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ52a~54aからのON信号を受信しているか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS304に戻る。
ステップS304にて、ストップボタン52~54のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS305に進み、リール停止処理を行う。このリール停止処理では、押下操作されたストップボタンに対応するリールを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセットされている場合にはRAM73のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。例えば、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップボタンが押下操作された場合には、下ラインに停止するように図柄2つ分だけリールを滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップボタンを押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。
続いて、ステップS306では今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール全てが回転しているときにストップボタンが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令の場合には、ステップS307に進み、スベリテーブル変更処理を行う。このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更するとともに変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リール32Lにて「チェリー」図柄が下ライン上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。
ステップS307の後、又はステップS306にて否定判定をした場合には、ステップS308にて左、中、右リール32L,32M,32Rのすべての回転が停止したか否かを判定する。ステップS308がNOの場合にはステップS304に戻り、YESの場合には続くステップS309にて払出判定処理を行った後、本処理を終了する。
払出判定処理では、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときにはRAM73の払出予定数格納エリアに0をセットし、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ22等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットする。一致しているときには払出予定数格納エリアに並んだ役と対応する払出数をセットする。
通常処理(図7)の説明に戻り、ステップS204にてリール制御処理を実行した後は、ステップS205にてメダル払出処理を実行する。メダル払出処理では、上記ステップS309にて払出予定数格納エリアにセットされた数値分のメダル又は仮想メダルが遊技者に付与されるようにする。
その後、ステップS206にて特別遊技状態処理を実行する。特別遊技状態処理では、通常ゲームにおいて特別役(ビッグボーナス役又はレギュラーボーナス役)当選となり当該当選役に対応した図柄の組合せがいずれかの有効ライン上に成立したことを条件として、当該当選役に対応したボーナスゲームに移行させ、終了条件が成立した場合に当該ボーナスゲームを終了させて通常ゲームに復帰させる処理を実行する。ボーナスゲーム中は、小役の当選確率が通常ゲーム中よりも上昇し、特に抽選にて当選となった場合には各ストップボタン52~54の操作タイミングに関係なく入賞が成立するベル役が最も高い確率で当選となる。また、ボーナスゲームは、当該ボーナスゲーム中のメダルの払出枚数が所定枚数に達した場合に終了する。当該所定枚数は、ビッグボーナスゲームの方がレギュラーボーナスゲームよりも多く設定されており、例えば前者が350枚であり、後者が120枚である。通常処理において特別遊技状態処理を実行した後は、ステップS201に戻る。
<ステッピングモータ33の動作原理>
次に、各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ33についてより詳細に説明する。
図9はステッピングモータ33の動作原理を示す模式図である。図10(a)はステッピングモータ33の駆動系を示す接続図であり、図10(b)はステッピングモータの駆動特性を示す図である。図11は励磁データと励磁順ポインタとの関係を示す説明図である。
ステッピングモータ33として本実施形態では、1-2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。なお、ステッピングモータはハイブリッド型や2相に限らず、4相あるいは5相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを使用することができる。
ハイブリッド型のステッピングモータ33は、中央に配置された回転子91と、回転子91の周囲に配置され第1~第4ポール92~95を有する固定子90とを備えている。
回転子91は、N極に着磁された手前側回転子91aと、S極に着磁された奥側回転子91bとで構成され、手前側回転子91aの周囲に設けられた歯と歯の間に、奥側回転子91bの周囲に設けられた歯が位置するように1/2ピッチだけ相対的にずらされた状態で回転軸に取り付けられている。そして、手前側回転子91aと奥側回転子91bとの間には図示しない筒状磁石が取着されている。
第1ポール92と第3ポール94には、図10(a)に示すように励磁コイルL0と励磁コイルL2がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL0の巻き終わり端と励磁コイルL2の巻き始め端とが結線され、ここに所定の直流電源+B(例えば+24ボルト)が印加される。同じく、第2ポール93と第4ポール95にも励磁コイルL1と励磁コイルL3がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL1の巻き終わり端と励磁コイルL3の巻き始め端とが結線され、ここに上述した直流電源+Bが印加される。
ここで、第1ポール92の励磁コイルL0に励磁信号を印加し、第1ポール92をS極に励磁すると共に第3ポール94をN極に励磁する相をA相とし、これとは逆に第3ポール94の励磁コイルL2に励磁信号を印加し、第1ポール92をN極に励磁すると共に第3ポール94をS極に励磁する相を逆A相と称する。同様に、第2ポール93の励磁コイルL1に励磁信号を印加し、第2ポール93をS極に励磁すると共に第4ポール95をN極に励磁する相をB相とし、これとは逆に第4ポール95の励磁コイルL3に励磁信号を印加し、第2ポール93をN極に励磁すると共に第4ポール95をS極に励磁する相を逆B相と称する。
ステッピングモータ33が1相励磁駆動方式の場合には、A相、B相、逆A相及び逆B相に対して順次励磁信号を印加することにより、回転子91を時計方向又は反時計方向に回転駆動させることができる。
つまり、例えばまずA相に通電すると、S極になった第1ポール92の突起と手前側回転子91aの歯、N極になった第3ポール94の突起と奥側回転子91bの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次にB相に通電すると、S極になった第2ポール93の突起と手前側回転子91aの歯、N極になった第4ポール95の突起と奥側回転子91bの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次に逆A相に通電すると、N極になった第1ポール92の突起と奥側回転子91bの歯、S極になった第3ポール94の突起と手前側回転子91aの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次に逆B相に通電すると、N極になった第2ポール93の突起と奥側回転子91bの歯、S極になった第4ポール95の突起と手前側回転子91aの歯とがそれぞれ吸引力により向き合う。この順序で励磁することにより、回転子91は図9において時計方向に回転する。
これに対して、本実施形態では、1相励磁と2相励磁とを交互に行う1-2相励磁駆動が採用されている。1-2相励磁駆動では以下の(1)~(8)の励磁シーケンス(励磁順序)に従って励磁が行われる。
すなわち、1組のみの励磁が1相励磁であり、2相を同時に励磁するのが2相励磁であるから、図11に示すように1-2相励磁駆動は、(1)A相に通電し(1相励磁)、(2)A相とB相の両方に通電し(2相励磁)、以下同様、(3)B相に通電し、(4)B相と逆A相の両方に通電し、(5)逆A相に通電し、(6)逆A相と逆B相の両方に通電し、(7)逆B相に通電し、(8)逆B相とA相の両方に通電し、その後(1)に戻るような駆動方式である。本実施形態では504パルスの励磁信号によりリールが1周する構成であるため、1パルスの励磁信号に基づく角度変化、すなわち1ステップあたりの角度変化は約0.714°となる。
ステッピングモータ33に対する励磁信号は、図11に示す励磁データとしてモータドライバ96に与えられる。この励磁データは主制御装置70のRAM73に格納されており、タイマ割込み処理によって入出力ポート75に適切な励磁データが出力される。この励磁データによってステッピングモータ33に対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。
ステッピングモータ33の初期励磁に際しての励磁相は2相励磁とされている。1相励磁の場合には2相励磁と比較して発生する回転トルクが小さいため、十分な初速が得られない可能性がある。十分な初速が得られなければ脱調する可能性が高くなるため、初期励磁は2相励磁が好ましい。また、ストップボタン52~54の押下操作に基づいてリール32L,32M,32Rにブレーキ(制動)をかけてから実際に停止するまでには、所定のステップ角分だけ滑って停止する。滑って停止した際には、この角度のずれ分を吸収しつつ次回の加速処理を行う必要があり、できる限り初期励磁での電磁的吸引力は大きい方が好ましい。
一方、ステッピングモータ33を停止させる際には、2相励磁を行った直後に4相励磁を行う。2相励磁のみにてブレーキ処理を行った場合、強い制動力によって回転速度が急激に低下して、リール32L,32M,32Rの制動時の動きに遊技者が違和感を覚えてしまうことが懸念される。これに対して、2相励磁直後に4相励磁を行うことにより、滑らかにリール32L,32M,32Rを停止させることができる。
ステッピングモータ33を使用する場合、図10(b)に示すような駆動特性が要求される。
この駆動特性は、スタートレバー51が操作されてからステッピングモータ33が回転を始め一定の定速回転に至るまでの加速期間Taと定速期間とに大別でき、定速期間はストップボタン52~54が押下操作されるまで回転速度を維持しつづける維持期間Tbと、ストップボタン52~54の押下操作に基づいて所定のスベリを伴いながら停止する停止期間Tcとに分けられる。
加速期間Taの長さに関する規制は設けられていない一方、ストップボタン52~54が操作されない場合の加速期間Taと維持期間Tbとを加えた時間は30秒以上でなければならないという規制が設けられている。停止期間Tcについても、ストップボタン52~54を操作してから最大約190msec以内にステッピングモータ33を停止させることが要求されている。
<ステッピングモータ33の駆動制御>
次に、ステッピングモータ33の駆動制御についての構成を説明する。
既に説明したとおり、ステッピングモータ33は加速期間を経て定速回転の状態に遷移するが、かかる加速期間は遊技の強制的な待ち時間となってしまうため、ステッピングモータ33は加速状態からできるだけ早く定速回転の状態に遷移させることが望ましい。そのためにはステッピングモータ33の励磁相の切り替えを早く行うようにすればよいが、そうすると脱調や回転の不安定性をもたらす恐れがある。
特に、ステッピングモータ33においては、初期励磁の際に回転子91の歯がポール92~95の突起に吸引されるときに、回転子91の初期の回転揺れ(往復動を伴った微小振動)が発生する。リールユニット31の仕様などによっても相違するが、例えば30msecで1往復する揺れが5~6往復程度発生する。したがって、このような初期の回転揺れを考慮に入れながら加速期間における励磁相の切り替え態様を設定する必要がある。
かかる初期の回転揺れの影響を抑制しながら、ステッピングモータ33の加速を行う手法としては、初期励磁の状態をある程度維持する手法が考えられる。例えば図12に示すようなタイミングで励磁相を切り替える構成が考えられる。この場合、初期励磁として2相励磁に設定した状態が130割込み(すなわちタイマ割込み処理130回分)に亘って保持された後に、1相励磁に切り替えられ、その状態を8割込みに亘って保持した後に、2相励磁に切り替えられ、その後、除々に励磁相の切り替え間隔が短くなるように設定されている。当該構成であれば、193.7msec(=1.49msec×130割込み)が初期励磁期間として設定され、この間に上記初期の回転揺れを消失させることが可能となる。しかしながら、本構成においては加速期間が長くなってしまう。
これに対して、本実施形態では、上記のように初期励磁期間を長く確保するのではなく、定速状態とすべく段階的に励磁相の切り替え間隔を短くしていく前に、励磁相の切り替え間隔を除々に長くする期間を設定することにより、上記初期の回転揺れを早期に消失させるようにしている。このような加速処理を可能とする具体的な励磁パターンは、リールユニット31の仕様により異なるが、例えば図13に示すような励磁パターンが挙げられる。
以下、当該励磁パターンについて、図13に加えて図14を参照しながら、詳細に説明する。
図13は、本実施形態における励磁パターンの一例を説明するための説明図であり、図14は、図12の励磁パターンが適用された場合及び図13の励磁パターンが適用された場合における、1割込みに対するステップ数の時間変化を説明するための図である。なお、図14では、図13に示す励磁パターンが適用された場合を実線で示し、図12に示す励磁パターンが適用された場合を破線で示す。
図13に示すような励磁パターンを実現するための加速用テーブルは、ROM72に予め記憶されている。この加速用テーブルでは、少なくとも加速カウンタのデータと、当該加速カウンタのデータに1対1で対応させた切り替え間隔のデータとが設定されている。
図13に示す励磁パターンでは、初期励磁のタイミングから励磁相の切り替え間隔が長短となる長短期間T1が設定されている。具体的には、まず初期励磁として2相励磁が2割込みに亘って維持される。かかる初期励磁が保持される期間は、長短期間T1において所定の励磁相に保持される最長期間(7割込み)以下となっており、詳細には長短繰り返し期間において所定の励磁相に保持される最短期間となっている。
その後、励磁相の切り替え間隔が除々に長くなる第1の長化期間T11、励磁相の切り替え間隔が除々に短くなる短化期間T12、励磁相の切り替え間隔が除々に長くなる第2の長化期間T13がこの順で設定されている。各長化期間T11,T13では、図14に示すように、時間の経過に伴って、1割込みに対するステップ数は減少するため、励磁相の切り替え速度は除々に減少していることになる。一方、短化期間T12では、図14に示すように、時間の経過に伴って、1割込みに対するステップ数は増加するため、励磁相の切り替え速度は除々に増加していることになる。
これら長化期間T11,T13及び短化期間T12は、図13に示すように、3種類以上の励磁相の切り替え間隔を利用することにより設定されている。具体的には、5種類の励磁相の切り替え間隔を利用することにより設定されている。各期間T11~T13について詳細には、第1の長化期間T11は、2割込み、3割込み、4割込み及び7割込みという4種類の切り替え間隔を利用して設定されている。また、当該第1の長化期間T11に連続する短化期間T12は、7割込みの状態から4割込み及び3割込みと段階的に短くなるように3種類の切り替え間隔を利用して設定されている。また、当該短化期間T12に連続する第2の長化期間T11は、3割込みの状態から5割込み及び7割込みと段階的に長くなるように3種類の切り替え間隔を利用して設定されている。このように3種類以上の励磁相の切り替え間隔を利用することで、長短期間T1を所望の態様に設定し易くなり、設計の容易化が図られる。なお、利用する切り替え間隔は5種類に限定されることはなく、4種類であってもよく、6種類以上であってもよい。また、各期間T11~T13のそれぞれの長さは相違しているが、同一の長さとしてもよい。
既に説明したとおり励磁相の切り替えはタイマ割込み処理にて実行されるため、最短の切り替え間隔は1割込み分であり、定速状態となった場合には当該1割込み間隔で励磁相の切り替えが行われることになるが、上記長短期間T1における各切り替え間隔は、当該最短の切り替え間隔よりも長い間隔、すなわち2割込み以上の間隔に設定されている。これにより、励磁相の切り替えを通じて回転揺れを消失させるための外力を積極的に付与する場合において、脱調が発生しないようにすることが可能となる。また、長短期間T1における各切り替え間隔は、連続して同一とならないように設定されているが、連続して同一となる範囲が存在していてもよい。
長短期間T1においては、上記のとおり切り替え間隔が長くなったり短くなったりして振動することとなる。つまり、図14に示すように、長短期間T1では、1割込みに対するステップ数が、時間の経過に伴って少なくなったり多くなったりする。これにより、回転子91に付与される力がそれまでよりも増加したり減少したりする。
ここで、一のリール32L,32M,32Rに振動センサを装着し、当該リールが定速状態で回転している状況で振動強度と周波数との関係を測定した場合、「所定周波数×n(n:自然数)」で振動強度が大きくなり、当該周波数が上記初期の回転揺れの周波数に対応していることが判明した。但し、この回転揺れは、遊技者が認識できない程度のものである。また、「所定周波数」の値は、使用するステッピングモータ33のトルクや、使用するリールの慣性モーメントなどによって変化する。
上記長短期間T1において切り替え間隔を長短させる場合の周波数(以下、「長短周波数」ともいう)は、上記「所定周波数×n」と一致する場合であっても、長短期間T1を設定しない場合に比べて、上記初期の回転揺れを早期に抑制することが可能であるが、上記「長短周波数」を上記「所定周波数×n」と異ならせることが好ましい。
例えば図13に示す励磁パターンが適用される構成では、4番目の加速順序と8番目の加速順序とで同一の切り替え間隔となるため、この範囲を1周期と見なすことができる。そして、その1周期分の時間は、5番目の加速順序~8番目の加速順序の各切り替え間隔の和である19割込みと、タイマ割込みの周期(1.49msec)との積となり、28.31msecとなる。そうすると、上記「長短周波数」は約35Hzとなる。これに対して、図13に示す励磁パターンを適用したリールユニット31における上記「所定周波数」は実験により20Hzであることが判明したため、上記「長短周波数」は上記「所定周波数」とは異なる値となる。
例えば上記「長短周波数」を上記「所定周波数×n」と同一のものとしながら、上記初期の回転揺れとは位相を異ならせることにより、当該初期の回転揺れを早期に抑制することが可能である。しかしながら、リール32L,32M,32Rの回転停止位置を検知するためのセンサは設けられておらず、さらにリール32L,32M,32Rの回転停止に際してその停止位置は厳密に制御されていないため理論的に導かれる回転停止位置と実際の回転停止位置とは、ずれることとなる。特に、回転停止に際しては、既に説明したとおり、リール32L,32M,32Rの制動時の動きを滑らかなものとするために4相励磁が行われるが、この場合、回転停止位置はずれ易くなる。当該回転停止位置のずれのパターンとしては、1相励磁の種類として4種類設定されているとともに、回転停止後は制動を2相励磁や4相励磁で行ったとしても1相励磁位置で安定することとなるため、4種類存在することとなる。これに対して、上記のように両者の周波数を相違させることにより、位相を把握する必要がなくなり、上記初期の回転揺れを確実に且つ早期に抑制することが可能となる。
このように両周波数を相違させる場合、上記「長短周波数」は、上記「所定周波数×n」に対して「所定周波数」×0.1以上、相違していることが好ましく、「所定周波数」×0.2以上、相違していることが好ましい。また、長短期間T1においてリール32L,32M,32Rが滑らかに回転していると遊技者が認識するようにしながら、脱調の発生を抑制する上では、上記「長短周波数」は10Hz以上50Hz以下が好ましく、15Hz以上45Hz以下がより好ましい。また、当該周波数の範囲とすることで、低電圧駆動時に脱調が発生すること、トルクが変動した際に脱調が発生すること、及び駆動電圧が変動した際に脱調が発生することを好適に抑制することが可能となる。
長短期間T1は、35割込み分、すなわち52.15msec(=1.49msec×35割込み)に設定されている。これは、2相励磁による初期励磁の状態を保持した場合において上記初期の回転揺れが消失するのに要する期間(例えば150msec~180msec)よりも短い期間となっている。また、長短期間T1は、励磁相の切り替え間隔を長短させる場合の1周期分の期間よりも長い期間となっている。但し、2周期分の期間よりも短い期間となっている。このように長短期間T1を1周期分の期間よりも長くすることで、上記初期の回転揺れを早期に抑制することが可能となる。また、2周期分の期間よりも短くすることで、加速期間を短くすることが可能となる。
長短期間T1が経過した場合であっても、上記初期の回転揺れは完全には消失していない。但し、長短期間T1が経過したタイミングにおいては、上記初期の回転揺れは励磁を開始したタイミングの場合よりもある程度(例えば50%程度)抑えられているため、その後に切り替え間隔を段階的に短くする過程でリール32L,32M,32Rの加速を見た目上良好なものとしながら、上記初期の回転揺れを消失させることができる。このように長短期間T1を上記初期の回転揺れが完全に消失する前に終了させることで、加速期間を短くすることが可能となる。また、データ容量の削減を図ることも可能となる。
加速期間では、図13に示すように、長短期間T1の後に、定速状態とすべく段階的に励磁相の切り替え間隔を短くする段階的短縮期間T2が設定されている。つまり、段階的短縮期間T2では、図14に示すように、1割込みに対するステップ数が、段階的に増加していく。
この場合、図13に示すように、長短期間T1における最後の切り替え間隔は最長の切り替え間隔である7割込みに設定されており、段階的短縮期間T2では、当該最長の切り替え間隔から1割込み分ずつ切り替え間隔が短くなるように切り替え間隔の短縮化が図られる。また、切り替え間隔が4割込みとなった場合及び3割込みとなった場合、同一の切り替え間隔が6回の励磁相の切り替えに亘って設定される。また、切り替え間隔が2割込みとなった場合、同一の切り替え間隔が7回の励磁相の切り替えに亘って設定される。その後、切り替え間隔が1割込みとなり、加速期間が終了する。加速期間が終了した後は、切り替え間隔が1割込みで維持され、定速状態となる。
以上のように励磁パターンが設定されていることにより、脱調や回転が不安定となることを抑制し且つ加速時におけるリール32L,32M,32Rの見た目を良好なものとしながら、上記初期の回転揺れを早期に低減させることが可能となり、加速期間を短くすることが可能となる。具体的には、図14に示すように、図12のような励磁パターンでは定速状態となるまでに300msec以上を要したのに対して、図13のような励磁パターンでは定速状態となるまでに160msec程度で済む。
次に、CPU71にて実行される具体的な処理内容を説明する。
まず、図15のフローチャートを参照しながらリール回転処理について説明する。リール回転処理は、リール制御処理(図8)のステップS302にて実行される。
リール回転処理では、まずステップS401にてタイマ割込み処理を禁止し、続くステップS402~ステップS404にて、各リール32L,32M,32Rの加速カウンタに「30」をセットする。加速カウンタは、RAM73に設けられており、CPU71は当該加速カウンタの数値情報に基づいて、リール32L,32M,32Rの加速期間における励磁相の切り替えタイミングを把握する。その後、ステップS405にて、タイマ割込み処理を許可した後に、本リール回転処理を終了する。
次に、図16のフローチャートを参照しながらステッピングモータ制御処理について説明する。ステッピングモータ制御処理は、タイマ割込み処理(図6)のステップS106にて実行される。
まずステップS501にていずれかのステッピングモータ33の制御が必要であるか否かを判定する。当該ステップS501では、通常処理(図7)のステップS202にて肯定判定をしてから、全てのリール32L,32M,32Rが回転を停止するまで肯定判定をする。ステップS501にて否定判定をした場合にはそのまま本制御処理を終了し、ステップS501にて肯定判定をした場合にはステップS502に進む。
ステップS502では、リールインデックスセンサ46の検知結果と励磁データの出力回数とに基づき、処理対象となるリール32L,32M,32Rの回転位置を把握する処理を実行する。また、ステップS503では、処理対象となるリール32L,32M,32Rに対応したストップボタン52~54の操作タイミングと、スベリテーブルとに基づき、処理対象となるリール32L,32M,32Rの制動開始タイミングを把握する処理を実行する。
続くステップS504では、モータ制御処理を実行する。モータ制御処理では、ステッピングモータ33に対する回転制御のための励磁データの生成処理を行い、その生成した励磁データをRAM73に保存する。
続くステップS505では回転中の全てのリールに対してモータ制御処理が終了したか否かを判定する。終了していない場合には残りのリールに対してステップS502~ステップS504の処理を実行し、終了している場合にはステップS506に進む。
ステップS506では、回転中の各リール32L,32M,32Rに対する励磁データを入出力ポート75に出力し、その後、本制御処理を終了する。入出力ポート75への出力は入出力ポート75の対応する出力ポートへのデータ書き込み処理であるため、モータドライバ96には励磁データの入出力ポート75への書き込みと同時に励磁データが供給されたことになる。その結果、ステッピングモータ33は即座に励磁データによって指定された励磁相への通電処理を行い、回転子91に対する励磁処理がなされることとなる。
次に、ステップS504のモータ制御処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。
モータ制御処理では、RAM73に設けられた切り替え間隔カウンタ、加速カウンタ及び励磁順ポインタを使用する。加速カウンタは既に説明したとおりである。切り替え間隔カウンタには、励磁相の切り替え間隔に対応したタイマ割込み数が設定される。励磁順ポインタはステッピングモータ33に対する励磁相を決めるときに使用されるポインタである。1-2相励磁のステッピングモータ33を使用した場合、1相励磁と2相励磁とを交互に行うが、そのときの相励磁パターンは図11のように8パターンとなる。どの相励磁のときにどの励磁データを出力励磁データとして取得し、これをRAM73に一時的に保存するかが、この励磁順ポインタの値(0~7)によって指定される。
モータ制御処理では、まずステップS601にて対象となるリール32L,32M,32Rが制動中であるか否かを判定する。制動中ではない場合には、ステップS602にて、切り替え間隔カウンタの数値情報が「1」以上であることを条件として、当該切り替え間隔カウンタの数値情報を1減算し、ステップS603にてその減算後の数値情報が「0」であるか否かを判定する。当該数値情報が「0」ではない場合にはそのまま本モータ制御処理を終了し、「0」である場合にはステップS604以降の処理に進む。
ステップS604では、ROM72から図13に示すような加速用テーブルを読み出し、ステップS605では、当該加速用テーブルのうち、現状の加速カウンタの値に対応した切り替え間隔のデータを切り替え間隔カウンタにセットする。例えば、リール32L,32M,32Rの回転開始時には、リール回転処理(図15)が実行されることにより、加速カウンタの数値情報は、加速用テーブルにおいて加速順序の1番目に対応した「30」となっている。この場合、ステップS605では、「2」の数値情報を切り替え間隔カウンタにセットする。
続くステップS606では、励磁順ポインタの更新処理を実行する。具体的には、励磁順ポインタの数値情報を1加算し、その加算後の数値情報が当該励磁順ポインタの最大値である「7」を超えた場合には、当該数値情報を「0」クリアする。その後、ステップS607にて、図11に示すような励磁データテーブルをROM72から読み出し、現状の励磁順ポインタの数値情報に対応した励磁データを読み出す。そして、その読み出した励磁データを、当該モータ制御処理の実行対象となったリール32L,32M,32Rについての今回の励磁データとして、RAM73に記憶する。
続くステップS608では、加速カウンタの数値情報が「1」以上であることを条件として、当該加速カウンタの数値情報を1減算する。これにより、今回の処理対象となっているリール32L,32M,32Rについて次回の励磁相の切り替えを実行する場合、この減算後における加速カウンタの数値情報に対応した切り替え間隔のデータが設定される。この場合に、上記のとおりステップS608の処理は、加速カウンタの数値情報が「1」以上であることを条件として実行されるため、加速カウンタの数値情報が既に「0」となっている場合にはその状態が維持される。また、加速カウンタの数値情報が「0」である場合の切り替え間隔は、図13に示すように1割込みとなっている。したがって、加速カウンタの数値情報が一旦「0」となった場合には、タイマ割込み処理が1回実行される毎に、ステップS603にて肯定判定し、励磁相の切り替えを励磁順ポインタの数値情報に従って実行する。この状態が定速状態である。
ステップS608の処理を実行した後は、ステップS609にて処理対象となっているリール32L,32M,32Rの制動開始タイミングであるか否かを判定する。制動開始タイミングではない場合にはそのまま本モータ制御処理を終了し、制動開始タイミングである場合にはステップS610にて制動設定処理を実行した後に本モータ制御処理を終了する。
制動設定処理では、2相励磁を行った直後に4相励磁を行うように、制動用の制御データをROM72から読み出す。当該制動設定処理を実行することにより、処理対象となったリール32L,32M,32Rについての次回のモータ制御処理では、ステップS601にて肯定判定をして、ステップS612の制動中処理を実行する。これにより、当該処理対象となったリール32L,32M,32Rに対応したステッピングモータ33では、2相励磁を1割込み分行った後に、制動用期間(例えば10割込み分)に亘って4相励磁を行う。
以上のように加速用テーブルを利用してステッピングモータ33が駆動制御されることにより、図14の実線で示すような態様で切り替え間隔、すなわち1割込みに対するステップ数を制御することが可能となり、上記初期の回転揺れを早期に低減することが可能となる。
<実施例>
以下、上記のような加速用の処理を実行する構成を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
<実施例1>
ABS樹脂により外径230mm、肉厚1.5mm、重量49.7gとなるように作製した円筒骨格部材41に対して、ポリカーボネート樹脂製、ベルト長754.5mm、肉厚0.35mm、重量16.2gのベルトを巻き、さらに当該円筒骨格部材41を図2及び図3に示すように、ステッピングモータ33((株)ブラザーエンタープライズ製 BH252574608)が固定されたモータプレート44に支持させることにより、一のリールを作製した。また、同様の作製方法により3個のリール32L,32M,32Rを作製し、図2に示すように筐体11に設置した。
<実施例2>
ABS樹脂により外径250mm、肉厚1.5mm、重量53.9gとなるように作製した円筒骨格部材41に対して、ポリカーボネート樹脂製、ベルト長822.3mm、肉厚0.35mm、重量19.8gのベルトを巻き、さらに当該円筒骨格部材41を図2及び図3に示すように、ステッピングモータ33((株)ブラザーエンタープライズ製 BH252574614)が固定されたモータプレート44に支持させることにより、一のリールを作製した。また、同様の作製方法により3個のリール32L,32M,32Rを作製し、図2に示すように筐体11に設置した。
<振動波形の測定>
実施例1及び実施例2により作製したリールユニット31について、左リール32Lに振動センサを装着して、定速状態における振動波形を測定した。その結果を、図18に示す。この結果、実施例1については、約20Hz×n(n=1,2,4)で振動加速度が大きくなることが分かった。また、実施例2については、約35Hz×n(n=1,2,4)で振動加速度が大きくなることが分かった。なお、中リール32M及び右リール32Rについても左リール32Lと同様の結果となる。
<加速時の評価>
実施例1について、図11に示すような励磁データテーブル及び図13に示すような加速用テーブルを利用して図15~図17に示すような制御処理を行った。この場合に、左リール32L表面の所定箇所に目印を付け、加速処理の実行に伴う当該目印の位置の変動量を、画像撮影及び画像解析を行うことで測定した。その結果を、図19及び図20に示す。なお、長短期間T1において励磁相の切り替え間隔が長短される場合における1周期分の時間は28.31msecであり、上記「長短周波数」は約35Hzであった。
図20は、図19において0~80msecの範囲を拡大して示す図である。また、「理論位置」が加速用テーブルに基づき理論的に導かれる左リール32Lの変動量であり、「実測位置1」~「実測位置4」は上記目印を利用して実際に測定した左リール32Lの変動量である。この場合に、既に説明したとおり、回転停止位置のずれのパターンとしては、1相励磁の種類として4種類設定されているとともに、回転停止後は制動を2相励磁や4相励磁で行ったとしても1相励磁位置で安定することとなるため、4種類存在することとなる。したがって、各回転停止位置に1対1で対応させて加速処理の開始前における目印の位置が異なるようにして、それぞれの場合について加速処理を行うことで、「実測位置1」~「実測位置4」の4種類の結果を得た。
図19及び図20に示すように、「実測位置1」~「実測位置4」のいずれについても、長短期間T1が経過するまでに(具体的には52.15msecが経過するまでに)、上記初期の回転揺れがある程度抑えられ、その後の段階的短縮期間T2にて完全に消失することを確認できた。
実施例2について、加速用テーブルとして、図13に示すようなものの代わりに、図21に示すようなものを用いた点を除き、上記実施例1の場合と同様にして、上記試験を行った。当該試験結果の図示は省略するが、図19及び図20と同様に、長短期間T1が経過するまでに(具体的には68.54msecが経過するまでに)、上記初期の回転揺れがある程度抑えられ、その後の段階的短縮期間T2にて完全に消失することを確認できた。なお、長短期間T1において励磁相の切り替え間隔が長短される場合における1周期分の時間は34.27msecであり、上記「長短周波数」は約29Hzであった。
ちなみに、図示は省略するが、短化期間T12を設定することなく、長短期間T1を含めて段階的短縮期間T2とするとともに、初期励磁から当該段階的短縮期間T2が終了するまでの時間を上記実施例1の場合や上記実施例2の場合と同程度に設定した場合、脱調が高い確率で発生した。
<「長短周波数」を変化させた場合の評価>
上記実施例1について、上記「長短周波数」が約10Hz、約20Hz、約35Hz、約40Hz、約50Hzのそれぞれとなるように各加速用テーブルを設定し、それぞれの場合について、図11に示すような励磁データテーブルを利用して図15~図17に示すような制御処理を各10回行い、「加速の滑らかさ」を目視により評価した。その結果を、図22(a)に示す。
10Hzの場合は、励磁相の切り替え間隔が長過ぎることに起因して、リール32L,32M,32Rが停止して見える場合があり不良であった。20Hz及び40Hzについては、加速が滑らかに行われる場合と、加速が滑らかに行われない場合とがあった。これは、駆動制御を開始する場合のリール32L,32M,32Rの停止位置によっては、長短期間T1を設定することが上記初期の回転揺れを積極的に抑制するように作用する場合と、その作用が好適に生じない場合とがあることに起因していると推測される。一方、50Hzについては良好であり、35Hzについては特に良好であった。
また、上記各周波数について、通常の駆動電圧(24V)よりも低い電圧(10V)で始動を行った場合に脱調が発生するか否かの評価である「低電圧始動」の評価と、トルクや電圧を変動させた場合に脱調が発生するか否かの評価である「トルク、電圧変動耐性」の評価とをそれぞれ10回行った。この結果も図22(a)に示す。
10Hz、20Hz及び50Hzの場合、「低電圧始動」について脱調が発生した。また、50Hzの場合、「トルク、電圧変動耐性」についても脱調が発生した。一方、35Hz及び40Hzの場合、「低電圧始動」及び「トルク、電圧変動耐性」のいずれについても、脱調が発生しなかった。
上記実施例2については、上記「長短周波数」が約10Hz、約29Hz、約35Hz、約50Hzのそれぞれとなるように各加速用テーブルを設定し、上記実施例1の場合と同様に「加速の滑らかさ」、「低電圧始動」及び「トルク、電圧変動耐性」の各評価を行った。その結果を、図22(b)に示す。
10Hz、及び50Hzの場合は、上記実施例1の場合と同様の評価となった。35Hzの場合は、「低電圧始動」及び「トルク、電圧変動耐性」の評価については良好であるものの、「加速の滑らかさ」については、加速が滑らかに行われる場合と、加速が滑らかに行われない場合とがあった。29Hzの場合は、「低電圧始動」及び「トルク、電圧変動耐性」の評価については良好であり、さらに「加速の滑らかさ」は特に良好であった。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。
(1)ステッピングモータ33の初期の回転揺れを抑制するために、加速期間において励磁相の切り替え間隔を長短させることで回転子91に付与される力を増減させる構成に代えて、励磁電圧を増減させることで回転子91に付与される力を増減させる構成としてもよい。この場合、当該励磁電圧の増減を、切り替え間隔を段階的に短縮していく過程で行うようにしてもよく、定速状態の場合よりも長い一の切り替え間隔で励磁相の切り替えが繰り返される期間を設定してその期間にて行うようにしてもよい。
(2)上記実施形態のように加速期間において励磁相の切り替え間隔を長短させる構成と、上記(1)のように励磁電圧を増減させる構成とを組み合わせてもよい。この場合、回転子91に付与する力を細かく制御することが可能となる。
(3)励磁相の切り替え間隔の長短を、初期励磁のタイミングから開始する構成に限定されることはなく、切り替え間隔を長短させる場合の最長の間隔よりも長い時間に亘って所定の励磁相に保持した後に、励磁相の切り替え間隔の長短を開始する構成としてもよい。この場合、上記実施形態の場合よりも加速期間は長くなるものの、初期の回転揺れの低減効率を高めることが可能となる。
(4)切り替え間隔を長短させる際の周期をTとした場合の1/Tが、定速状態においてリール32L,32M,32Rの振動強度が大きくなる周波数Fと異なるようにする構成に限定されることはなく、両者が同一となるようにしてもよい。この場合、リール32L,32M,32Rの停止回転位置が常に所定の1相に対応した位置となるように制御することで、切り替え間隔を長短させる際の位相が初期の回転揺れの位相とは異なる位相となるようにすることが好ましい。当該停止回転位置を制御する手法としては、リール32L,32M,32Rの制動を4相励磁ではなく2相励磁のみで行う手法が考えられる。また、これ以外にも、リール32L,32M,32Rの回転停止位置を検知可能なセンサを設けるとともに、停止回転位置が所定の1相に対応した位置となるように回転停止後にリール32L,32M,32Rをわずかに回転させる手法が考えられる。
(5)切り替え間隔を長短させる期間は、当該長短の周期の1周期分以上であって2周期未満である構成に限定されることはなく、2周期以上や3周期以上であってもよい。
また、切り替え間隔を長短させる期間は、初期の回転揺れが完全に消失する前に終了される構成に限定されることはなく、初期の回転揺れが完全に消失した後に終了される構成としてもよい。
(6)切り替え間隔を長短させる場合において、最初に長化期間が設定されている構成に限定されることはなく、最初に短化期間が設定されている構成としてもよい。
(7)上記実施形態では、スロットマシン10について本発明を具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。すなわち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能を持たせた遊技機に本発明を適用してもよい。
また、パチンコ機において内部抽選の結果を演出として遊技者に教示する絵柄表示装置としてリールユニットを利用する構成に対して、本発明を適用してもよい。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴1.複数種の絵柄が周方向に付された周回体(リール32L,32M,32R)と、
当該周回体を回転させる駆動手段(ステッピングモータ33)と、
当該駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(CPU71におけるリール制御処理及びステッピングモータ制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記駆動手段は、固定子(固定子90)及び回転子(回転子91)を有し、当該駆動手段が励磁されて回転子が回転することにより前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
前記駆動制御手段は、
前記周回体の回転を開始させて所定回転速度となるように前記駆動手段を初期駆動制御する初期駆動制御手段(CPU71において加速カウンタが1以上である場合にステップS602~ステップS608の処理を実行する機能)と、
当該初期駆動制御手段による初期駆動制御の実行後、前記所定回転速度が維持されるように前記駆動手段を定速駆動制御する定速駆動制御手段(CPU71において加速カウンタが「0」である場合にステップS602~ステップS608の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記初期駆動制御手段は、前記初期駆動制御が実行されている期間中において、励磁相の数とは別の要素を変動させることにより、前記回転子を回転させようとする力がそれまでよりも増加される期間と、それまでよりも減少される期間とを存在させる増減設定手段(CPU71において加速カウンタが「30」~「23」である場合にステップS602~ステップS608の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、初期駆動制御が実行されている期間中には回転子を回転させようとする力が積極的に増減されるため、初期駆動制御が開始された場合に発生する回転揺れを打ち消すような力を回転子に付与することが可能となり、当該回転揺れを積極的に低減させることが可能となる。これにより、脱調の発生や回転が不安定なものとなることを抑制しながら、所定回転速度となるまでに要する期間の短縮化を図ることが可能となる。
特徴2.複数種の絵柄が周方向に付された周回体(リール32L,32M,32R)と、
当該周回体を回転させる駆動手段(ステッピングモータ33)と、
当該駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(CPU71におけるリール制御処理及びステッピングモータ制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記駆動手段は、固定子(固定子90)及び回転子(回転子91)を有し、当該駆動手段の励磁相が切り換えられて回転子が回転することにより前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
前記駆動制御手段は、
前記周回体の回転を開始させて所定回転速度となるように前記駆動手段を初期駆動制御する初期駆動制御手段(CPU71において加速カウンタが1以上である場合にステップS602~ステップS608の処理を実行する機能)と、
当該初期駆動制御手段による初期駆動制御の実行後、前記所定回転速度が維持されるように前記駆動手段を定速駆動制御する定速駆動制御手段(CPU71において加速カウンタが「0」である場合にステップS602~ステップS608の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記初期駆動制御手段は、前記初期駆動制御が実行されている期間中において、前記励磁相の切り替え間隔がそれまでよりも長くなる期間と、それまでよりも短くなる期間とを存在させる長短設定手段(CPU71において加速カウンタが「30」~「23」である場合にステップS602~ステップS608の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴2によれば、初期駆動制御が実行されている期間中には励磁相の切り替え間隔が長短されるため、回転子を回転させようとする力が積極的に増減されることとなる。これにより、初期駆動制御が開始された場合に発生する回転揺れを打ち消すような力を回転子に付与することが可能となり、当該回転揺れを積極的に低減させることが可能となる。よって、脱調の発生や回転が不安定なものとなることを抑制しながら、所定回転速度となるまでに要する期間の短縮化を図ることが可能となる。
さらにまた、本構成によれば、励磁相の切り替え間隔を調整するだけでよいため、例えば駆動電圧を高低させる構成などに比べて、構成の簡素化や設計の容易化を図りながら、上記のような優れた作用効果を奏することが可能となる。
特徴3.前記長短設定手段による駆動制御が実行されて前記切り替え間隔が長短となる場合の周期をTとし、
前記所定回転速度で回転している前記周回体において振動の強度が大きくなる周波数をFとした場合に、
1/T≠Fであることを特徴とする特徴2に記載の遊技機。
回転子の停止回転位置は複数存在しているため、初期駆動制御が開始された場合における回転揺れの位相は複数種類存在する。この場合に、切り替え間隔が長短される場合の周波数が回転揺れの周波数と同一である場合を想定すると、同位相となった際には回転揺れを大きくさせてしまうことや、回転揺れが継続される期間を長くしてしまうことが想定される。これに対して、特徴3によれば、切り替え間隔が長短される場合の周波数と回転揺れの周波数とが異なっているため、上記のような不都合の発生が抑制され、回転揺れの早期の低減をより確実に行うことが可能となる。
特徴4.前記1/Tは、10Hzよりも大きく、且つ50Hzよりも小さいことを特徴とする特徴3に記載の遊技機。
特徴4によれば、低電圧始動時の特性、トルク変動耐性、電圧変動耐性などを良好なものとしながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、上記特徴3又は4の構成は、「前記駆動制御手段は、前記周回体の回転を停止させる場合に全相を励磁させるものである」構成に適用するとより効果的である。つまり、このように停止時において全相を励磁させる構成の場合、周回体を滑らかに停止させることができる反面、回転停止位置が不規則なものとなる。これに対して、上記特徴3又は4の構成によれば、回転体の回転停止位置に関係なく回転揺れを低減させることが可能となる。
特徴5.前記長短設定手段により設定される前記切り替え間隔として、3種類以上の切り替え間隔が設定されていることを特徴とする特徴2乃至4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴5によれば、切り替え間隔を長短させる場合の態様を細かく設定することが可能となり、回転揺れを低減させるための駆動制御パターンを設計する場合の作業の容易化が図られる。
特徴6.前記長短設定手段は、前記初期駆動制御の開始時から前記切り替え間隔を長短させる制御を開始するものであることを特徴とする特徴2乃至5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴6によれば、回転揺れを早期に低減させることが可能となり、その後に所定回転速度に設定する場合における切り替え間隔の設計の容易化が図られる。
特徴7.前記定速駆動制御手段は、前記切り替え間隔を特定間隔とすることで前記周回体の回転速度が前記所定回転速度となるようにするものであり、
前記長短設定手段により設定される前記切り替え間隔は、前記特定間隔よりも長い間隔であることを特徴とする特徴2乃至6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴7によれば、切り替え間隔が長短される期間において、回転揺れを低減させるための力を回転子に確実に付与することが可能となる。
特徴8.前記初期駆動制御手段は、前記長短設定手段による駆動制御の後に、前記切り替え間隔を段階的に短くして、前記周回体の回転速度が前記所定回転速度となるようにする段階設定手段(CPU71において加速カウンタが「22」~「1」である場合にステップS602~ステップS608の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴2乃至7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴8によれば、回転揺れを積極的に低減させるための期間に対して、所定回転速度とするための期間が明確に区別されるため、上記のように切り替え間隔を長短させることで回転揺れを低減させるようにした構成において、脱調の発生や回転が不安定なものとなることを抑制しながら、回転体の回転速度を所定回転速度とすることが可能となる。
特徴9.前記長短設定手段により最後に設定される前記切り替え間隔は、当該長短設定手段による駆動制御の期間中に設定される切り替え間隔のうち最長の切り替え間隔であることを特徴とする特徴8に記載の遊技機。
特徴9によれば、上記のように切り替え間隔を長短させることで回転揺れを低減させるようにした構成において、所定回転速度となるように周回体の回転速度を段階的に増加させいく場合にはその開始時の回転速度を低くすることが可能となる。これにより、脱調の発生や回転が不安定なものとなることを抑制しながら、回転体の回転速度を所定回転速度とすることが可能となる。
特徴10.前記長短設定手段による駆動制御が実行される期間は、前記段階設定手段による駆動制御が実行される期間よりも短いことを特徴とする特徴8又は9に記載の遊技機。
特徴10によれば、回転揺れを低減させるための期間を短くしながら、所定回転速度とするための期間をある程度確保することが可能となる。これにより、脱調の発生や回転が不安定なものとなることを抑制しながら、所定回転速度となるまでに要する期間の短縮化を図ることが可能となる。
特徴11.前記長短設定手段による駆動制御は、前記初期駆動制御を開始した場合に発生する前記回転子の回転揺れが消失する前に終了されることを特徴とする特徴8乃至10のいずれか1に記載の遊技機。
切り替え間隔を長短させる期間において回転体の回転揺れをある程度低減させることにより、その後の切り替え間隔を段階的に短くする期間において当該回転揺れは消失される。この場合に、特徴11によれば、切り替え間隔を長短させる期間は回転体の回転揺れが消失する前に終了されるため、所定回転速度となるまでに要する期間の短縮化を図ることが可能となる。
特徴12.前記周回体の回転を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー51)と、
前記周回体の回転を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン52~54)と、
を備え、
前記駆動制御手段は、前記始動操作手段が操作されたことに基づき前記周回体の回転を開始させ、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記周回体の回転を停止させるように、前記駆動手段を駆動制御するものであることを特徴とする特徴1乃至11のいずれか1に記載の遊技機。
当該遊技機において、既に説明したような優れた作用効果を奏することが可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…スロットマシン、31…リールユニット、32L,32M,32R…リール、33…ステッピングモータ、51…スタートレバー、52~54…ストップボタン、70…主制御装置、71…CPU、72…ROM、73…RAM、90…固定子、91…回転子、96…モータドライバ。

Claims (1)

  1. 複数種の絵柄が周方向に付された周回体と、
    当該周回体を回転させる駆動手段と、
    当該駆動手段を駆動制御する駆動制御手段と、
    を備え、
    前記駆動手段は、固定子及び回転子を有し、当該駆動手段の励磁相が切り換えられて回転子が回転することにより前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
    前記駆動制御手段は、
    前記周回体の回転を開始させて所定回転速度となるように前記駆動手段を初期駆動制御する初期駆動制御手段と、
    当該初期駆動制御手段による初期駆動制御の実行後、前記所定回転速度が維持されるように前記駆動手段を定速駆動制御する定速駆動制御手段と、
    を備え、
    前記初期駆動制御手段は、
    前記初期駆動制御が実行されている期間中において、前記励磁相の切り替え間隔がそれまでよりも長くなる期間と、それまでよりも短くなる期間とを存在させる長短設定手段と、
    当該長短設定手段による駆動制御の後に、前記切り替え間隔を段階的に短くして、前記周回体の回転速度が前記所定回転速度となるようにする段階設定手段と、
    を備え、
    前記定速駆動制御手段は、前記切り替え間隔を特定間隔とすることで前記周回体の回転速度が前記所定回転速度となるようにするものであり、
    前記長短設定手段により設定される前記切り替え間隔は、前記特定間隔よりも長い間隔であり、
    前記長短設定手段により最後に設定される前記切り替え間隔は、当該長短設定手段による駆動制御の期間中に設定される切り替え間隔のうち最長の切り替え間隔であることを特徴とする遊技機。
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