JP2020162986A - 肘掛け及び椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成で肘掛け本体の支持強度を確保できる肘掛け及び椅子を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係る肘掛け62は、肘掛け本体134と、高さ調整機構135と、を備えている。高さ調整機構135は、左右方向に移動可能に設けられ、上下方向に間隔をあけて支持体100に形成された複数の被係合部120のうち、何れかの被係合部120に係合するロック位置、及び被係合部120との係合が解除されたロック解除位置の間を移動する係合部材153と、支持体100のうち、前後方向の両側から高さ調整機構135を支持するガイド壁部121と、及び係合部材153の間に介在するとともに、係合部材153のロック位置への移動に伴いガイド壁部121に向けて押し付けられる押圧部材154と、を備えている。【選択図】図12

Description

本発明は、肘掛け及び椅子に関する。
従来から、肘掛けが上下動可能に構成された椅子が知られている。この種の椅子として、例えば下記特許文献1には、ピン係合用切欠部が形成された肘掛けフレームと、肘掛けフレームに上下動可能に支持された昇降体と、を備えた構成が開示されている。このような構成によれば、昇降体に設けられた挿脱ブロックを上下動させることで、係合ピンがピン係合用切欠部内に係脱する。これにより、肘掛けフレームに対する昇降体の上下方向の位置決めが可能とされている。
しかしながら、特許文献1発明にあっては、係合ピンとピン係合用切欠部との係合力のみによって昇降体に作用する上下荷重を支持する必要があるため、支持強度を向上させる点で未だ改善の余地があった。
これに対し、下記特許文献2には、肘掛けフレーム(インナスリーブ)に設けられたノッチに対し回動操作によって係脱する爪部と、爪部の回動に伴い上下動するキャリアと、キャリアの上下動に伴い、インナスリーブに押し付けられるロック部材と、を備えた構成が開示されている。この構成によれば、爪部とロック部材とによってインナスリーブに係合することで、支持強度を高めることができるとも考えられる。
特開平10−14711号公報 米国特許出願公開第2011/0248543号
上述した従来技術では、簡素な構成で肘掛け本体の支持強度を確保する点で未だ改善の余地があった。
本発明は、簡素な構成で肘掛け本体の支持強度を確保できる肘掛け及び椅子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る肘掛けは、椅子本体における幅方向の側方に、前記椅子本体に対して上下動可能に配置された肘掛け本体と、前記肘掛け本体に設けられるとともに、前記椅子本体に設けられる支持体に対して上下方向の位置決めを行う高さ調整機構と、を備え、前記高さ調整機構は、上下方向に交差する第1方向に移動可能に設けられ、上下方向に間隔をあけて前記支持体に形成された複数の被係合部のうち、何れかの前記被係合部に係合するロック位置、及び前記被係合部との係合が解除されたロック解除位置の間を移動する係合部材と、前記支持体のうち、上下方向に交差する第2方向の両側から前記高さ調整機構を支持する支持壁部、及び前記係合部材の間に介在するとともに、前記係合部材の前記ロック位置への移動に伴い前記支持壁部に向けて押し付けられる押圧部材と、を備えている。
本態様によれば、係合部材がロック位置にあるとき、係合部材自体が被係合部に係合するとともに、係合部材によって押圧部材を直接支持壁部に押し付けることができる。これにより、支持体に対して肘掛け本体及び高さ調整機構を上下方向に交差する2方向で係合させることができ、肘掛けの支持強度を確保できる。
しかも、本態様では、係合部材と押圧部材とが直接摺動する構成であるので、係合部材と押圧部材との間にキャリア等の中間部材を介在させる場合に比べ、寸法管理の容易化や部品点数の削減できる。その結果、簡素かつ低コストながらも支持強度に優れた肘掛けを提供できる。
上記態様の肘掛けにおいて、前記係合部材は、前記被係合部に対して係脱される係脱部と、前記係脱部に対して前記第1方向で前記被係合部と反対側に位置し、前記係合部材の前記第1方向への移動に伴い前記押圧部材が摺動する摺動部と、を備えていてもよい。
本態様によれば、係脱部と摺動部とを別々に設けることで、それぞれの部位に最適な形状等に設計することができる。これにより、肘掛けの支持強度をより確保し易くなる。
上記態様の肘掛けにおいて、前記摺動部は、前記第1方向で前記係脱部から離間するに従い、前記第2方向で前記支持壁部に接近する方向に傾斜している部位を少なくとも一部に有していてもよい。
本態様によれば、係合部材のロック位置に向けた移動に伴い、押圧部材による押付力を徐々に増加させることができる。したがって、係合部材のスムーズな移動を実現させた上で、肘掛けの支持強度を確保できる。
上記態様の肘掛けにおいて、前記係合部材は、前記第1方向を長手方向としていてもよい。
本態様によれば、押圧部材やガイド壁部が配列される第2方向と異なる方向を係合部材の長手方向とするので、肘掛けが第2方向に大型化するのを抑制できる。
上記態様の肘掛けにおいて、前記押圧部材は、上下方向に沿って延在していてもよい。
本態様によれば、支持体に対する肘掛け本体の位置に関わらず、ロック位置において押圧部材により支持壁部を押し付けることができる。
本発明の一態様に係る椅子は、椅子本体と、前記椅子本体における幅方向の側方に設けられた上記態様に係る肘掛けと、を備えている。
本態様によれば、簡素な構成ながらも、機能性に優れた椅子を提供できる。
上記態様の椅子において、前記肘掛けは、前記椅子本体における幅方向の側方に、前記椅子本体とは別体で前記椅子本体に取り付けられる前記支持体と、前記支持体に上下動可能に支持された肘掛け本体と、を備えていてもよい。
本態様によれば、支持体を昇降ユニットに組み付けた後に、肘掛けを椅子本体に組み付けることができる。したがって、椅子本体に対して高さ調整機構を組み付ける場合に比べて組立性を向上させることができる。
上記態様の椅子において、前記支持体は、前記椅子本体に一体で形成されていてもよい。
本態様によれば、肘掛けの部品点数を削減できる。
上記各態様によれば、簡素な構成で肘掛け本体の支持強度を確保できる。
椅子を左前方から見た斜視図である。 椅子の背面図である。 背凭れ及び背凭れ支持部の斜視図である。 背凭れ及び背凭れ支持部の分解斜視図である。 図3のV−V線に対応する断面図である。 図3のVI−VI線に沿う断面図である。 支持体の斜視図である。 支持体の拡大斜視図である。 昇降ユニットの斜視図である。 図3のX−X線に沿う断面図である。 高さ調整機構の斜視図である。 図16のXII−XII線に対応する断面図である。 図3のXIII−XIII線に沿う断面図である。 肘掛けの動作方法を説明するための説明図である。 肘掛けの動作方法を説明するための説明図である。 肘掛けの動作方法を説明するための説明図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[椅子]
図1は、椅子1を左前方から見た斜視図である。図2は、椅子1の背面図である。
図1、図2に示すように、椅子1は、支持構造体2と、座3と、背凭れ4と、を有している。以下の説明において、前後上下左右等の向きは、椅子1に正規姿勢で着座した人(着座者)の向きと同一とする。この場合、図中における矢印UPは上方を示し、矢印FRは前方を示し、LHは左方を示している。また、以下の説明では、各構成部材において、前後方向(第2方向)及び左右方向(幅方向、第1方向)で中心から離間する側を外側といい、中心に向かう側を内側という場合がある。
<支持構造体>
支持構造体2は、脚部11と、支基12と、背凭れ支持部13と、を備えている。
脚部11は、多岐脚14と、脚柱15と、を備えている。
多岐脚14の各脚部には、床面上を走行可能なキャスタ16が取り付けられている。
脚柱15は、多岐脚14の中央部から上方に立設されている。脚柱15には、椅子1の昇降機構であるガススプリング17が内蔵されている。ガススプリング17は、例えば脚柱15内に設けられた外筒(不図示)に対して内筒17aが昇降かつ相対回転可能に支持された構成である。
支基12は、脚柱15(内筒17a)の上端部に接続されている。支基12は、座3を下方から支持する。支基12は、背凭れ支持部13を介して背凭れ4を傾動可能に支持するとともに、背凭れ支持部13に連動して座3を傾動可能に支持する。なお、支基12には、ガススプリング17を操作する操作部等が搭載されている。
図3は、背凭れ4及び背凭れ支持部13の斜視図である。図4は、背凭れ4及び背凭れ支持部13の分解斜視図である。なお、図3、図4では、後述する面材66が取り外された状態を示している。
図3、図4に示すように、背凭れ支持部13は、左右方向から見た側面視でL字状に形成されている。具体的に、背凭れ支持部13は、下部フレーム21と、上部フレーム22と、を備えている。なお、背凭れ支持部13には、適宜リブや肉抜き部が形成されている。
下部フレーム21は、平面視で前方に開口するC字状に形成されている。下部フレーム21は、支基連結部23と、支基カバー24と、を備えている。
支基連結部23は、左右方向に延在している。支基連結部23は、支基12の後端部に連結されている。
支基カバー24は、支基連結部23から前方に延在している。支基カバー24は、支基12の外周部及び支基12の周囲を下方から覆っている。
上部フレーム22は、支基連結部23とともに正面視で枠状に形成されている。具体的に、上部フレーム22は、左右一対の上方延在部31と、上方延在部31の上端部同士を架け渡す上方連結部32と、を備えている。
上方連結部32は、後方に向けて凸の円弧状に形成されている。
上方延在部31は、支基連結部23における左右方向の両端部から上方に延在している。各上方延在部31の上端部同士は、上方連結部32により架け渡されている。本実施形態において、上方延在部31は、上方に向かうに従い漸次前方、かつ左右方向の外側に向けて傾斜して延在している。
図5は、図3のV−V線に対応する断面図である。
図5に示すように、上方延在部31の前面には、前方に開口する前側凹部41が形成されている。上方延在部31の後面には、後方に開口する後側凹部42が形成されている。前側凹部41及び後側凹部42は、中間板部43を間に挟んで前後方向で対向している。中間板部43には、前側凹部41及び後側凹部42間を連通させる第1孔部44が形成されている。なお、前側凹部41、後側凹部42及び第1孔部44は、上下方向に間隔をあけて複数(例えば、2つ)形成されている。
図6は、図3のVI−VI線に対応する断面図である。
図6に示すように、上方延在部31の外側面(左右方向の外側を向く面)には、外側凹部51が形成されている。外側凹部51は、上方延在部31における上下方向の全長に亘って形成されるとともに、左右方向の外側かつ前方に開口している。
上方延在部31の内側面(左右方向の内側を向く面)には、内側凹部52が形成されている。内側凹部52は、上方延在部31において、上下方向に間隔をあけて複数(例えば、2つ)形成されている。内側凹部52は、左右方向の内側に向けて開口している。
外側凹部51と内側凹部52とを仕切る中間板部53には、外側凹部51及び内側凹部52間を連通させる第2孔部54が形成されている。第2孔部54は、左右方向の外側に位置する大径部54a、及び大径部54aに対して左右方向の内側に連なる小径部54bを有する段付き形状に形成されている。上方延在部31には、後方に開口する作業凹部55が形成されている。作業凹部55は、内側凹部52内に連通している。なお、上部フレーム22の後面には、化粧板56が取り付けられている。化粧板56は、上部フレーム22に形成された作業凹部55や各種リブ等を後方から覆っている。
<背凭れ>
図1〜3に示すように、背凭れ4は、支基12の後端部に傾動可能に連結されている。背凭れ4は、背凭れ本体61と、肘掛け62と、を備えている。なお、背凭れ4は、支基12に対して傾動不能に構成されていてもよい。本実施形態では、肘掛け62が背凭れ支持部13に取り付けられる構成のため、背凭れ4の一部として説明するが、この構成に限られない。肘掛け62は、支持構造体2や座3の一部としてもよい。また、肘掛け62は、背凭れ本体61に取り付けられていてもよい。すなわち、支持構造体2、座3及び背凭れ本体61が本実施形態の椅子本体を構成している。
<背凭れ本体>
背凭れ本体61は、椅子1に着座した着座者の腰部や背部等を後方から支持する。背凭れ本体61は、背凭れフレーム65と、面材66と、を備えている。なお、背凭れ本体61は、背凭れ支持部13と一体に形成されていてもよい。
図3に示すように、背凭れフレーム65は、正面視で四角枠状に形成されている。背凭れフレーム65の下枠部68は、後方に向けて凸の円弧状に形成されている。背凭れフレーム65の縦枠部69は、下枠部68における左右方向の両端部から上方に延在している。本実施形態の縦枠部69は、下部に位置する屈曲部69aを起点に、上方及び下方それぞれに向かうに従い後方に延在している。
背凭れフレーム65の上枠部70は、縦枠部69の上端部同士を接続している。上枠部70は、後方に向けて凸の円弧状に形成されている。
背凭れフレーム65のうち、各縦枠部69の屈曲部69aよりも下方に位置する部分には、背凭れ連結部72が形成されている。背凭れ連結部72は、各縦枠部69から左右方向の内側に張り出している。背凭れ連結部72の下端縁は、下枠部68に連なっている。図5に示すように、背凭れ連結部72は、上述した上方延在部31の後面に倣って形成されている。背凭れ連結部72及び縦枠部69は、上述した外側凹部51の前方開口部を閉塞している。
背凭れ連結部72には、後方に突出する連結ボス部75が形成されている。連結ボス部75は、有底筒状に形成されている。連結ボス部75の底部75aには、第3孔部76が形成されている。連結ボス部75は、上下方向に間隔をあけて複数(例えば、2つ)形成されている。各連結ボス部75は、上述した前側凹部41内に各別に収容されている。背凭れ連結部72は、締結部材78によって上部フレーム22に締結される。具体的に、上述した第1孔部44及び第3孔部76を通じて後方から挿通されたボルトが、連結ボス部75の内側でナットに螺着されることで、背凭れ連結部72と上部フレーム22とが締結される。これにより、背凭れフレーム65が背凭れ支持部13に連結される。なお、図示の例において、ボルトの頭部が後側凹部42内に収容され、ナットが連結ボス部75の内側に収容される。
図1、図2に示すように、面材66は、外周縁に設けられた縁材67が背凭れフレーム65に係止されることで、背凭れフレーム65を前方から覆っている。面材66は、例えばメッシュや布等の膜状の部材により弾性変形可能に構成されている。
<肘掛け>
図4に示すように、肘掛け62は、支持体100と、スペーサ101と、昇降ユニット102と、を備えている。なお、肘掛け62は、左右対称の構成である。そのため、以下の説明では、右側の肘掛け62を例にして説明する。
<支持体>
支持体100は、上下方向を長手方向とするブロック状に形成されている。支持体100は、例えば樹脂材料等によって一体形成されている。支持体100は、背凭れ支持部13の上方延在部31に固定されて、昇降ユニット102を上下動可能に支持する。支持体100は、支持ベース110と、昇降支持部111と、を備えている。
図4、図5に示すように、支持ベース110は、平面視において左右方向の外側に向かうに従い前方に延在している。支持ベース110における左右方向の内側端部は、側方凹部48と背凭れ連結部72とで囲まれた部分に左右方向の外側から挿入されている。なお、支持ベース110には、適宜リブや肉抜き部が形成されている。
図6に示すように、支持ベース110には、左右方向の内側に向けて突出する支持ボス部113が形成されている。支持ボス部113は、上述した第2孔部54の大径部54a内に収容されている。支持ボス部113には、左右方向の内側に向けて開口する締結孔114が形成されている。締結孔114は、第2孔部54の小径部54b内に連通している。支持体100は、締結部材116によって背凭れ支持部13に締結されている。具体的に、締結部材116は、小径部54bを通じて左右方向の内側から挿通された後、締結孔114内で締結されている。
図7は、支持体100の斜視図である。
図7に示すように、支持ベース110における左右方向の外側を向く面(以下、外側面という。)には、被係合部120が形成されている。被係合部120は、左右方向の外側に向けた開口するとともに、側面視で左右方向を長軸方向とする長円形状の凹部である。被係合部120は、上下方向に間隔をあけて複数形成されている。なお、被係合部120は、凹部に限らず、凸部等であってもよい。
昇降支持部111は、ガイド壁部121と、ガイド突部122と、を備えている。
ガイド壁部121は、支持ベース110における前後両端部に一対で形成されている。ガイド壁部121は、外向壁部123と、第1ストッパ壁部124と、を備えている。なお、ガイド壁部121の外面は、支持ベース110の外面に滑らかに連なっている。
外向壁部123は、支持ベース110から左右方向の外側に突出している。外向壁部123の内面(前後方向の内側を向く面)には、第1保持溝126が形成されている。第1保持溝126は、正面視でL字状に形成されている。具体的に、第1保持溝126は、上下溝部127と、引っ掛け溝部128と、を有している。
上下溝部127は、外向壁部123の内面において、上下方向に延在している。図6に示すように、上下溝部127は、前後方向の外側に向けて凸の半円状に形成されている。
図8は、支持体100の拡大斜視図である。
図7、図8に示すように、引っ掛け溝部128は、上下溝部127の下端部から前方に延在している。引っ掛け溝部128は、ガイド壁部121における左右方向の外側端面上で開口している。なお、引っ掛け溝部128は、上下溝部127に交差する方向に延在していればよい。
第1ストッパ壁部124は、外向壁部123における左右方向の外側端部から前後方向の内側(互いに対向する外向壁部123)に向けて張り出している。したがって、ガイド壁部121と支持ベース110の外側面とは、蟻溝状のガイド溝129を画成している。
ガイド突部122は、ガイド壁部121における第1ストッパ壁部124よりも下方に位置する部分から左右方向の外側に突出している。
<スペーサ>
スペーサ101は、各ガイド壁部121における左右方向の外側端面に配設されている。スペーサ101は、支持体100よりも摺動抵抗の小さい材料により形成された板状の部材である。具体的に、スペーサ101は、摺動板部130と、係止片131と、を備えている。
摺動板部130は、各ガイド壁部121における左右方向の外側端面に沿って、それぞれ上下方向に延在している。摺動板部130は、図示しない突起等によって各ガイド壁部121に嵌合されている。図示の例において、摺動板部130は、各ガイド壁部121における左右方向の外側端面全体に亘って形成されている。
係止片131は、摺動板部130の下端部が屈曲して形成されている。係止片131は、引っ掛け溝部128内に進入している。係止片131は、引っ掛け溝部128の内面に倣って延在し、引っ掛け溝部128の内面に下方及び左右方向の内側から係止されている。これにより、支持体100に対するスペーサ101の位置決めが行われている。
<昇降ユニット>
図9は、昇降ユニット102の斜視図である。
図9に示すように、昇降ユニット102は、支持体100に上下動可能に支持されている。昇降ユニット102は、肘掛け本体134と、高さ調整機構135(図5等参照)と、肘乗せ部136と、を備えている。
肘掛け本体134は、肘掛けハウジング137と、側方カバー138と、上方カバー139と、を備えている。
肘掛けハウジング137は、側面視でL字状に形成されている。肘掛けハウジング137は、第1外装部140と、第2外装部141と、が一体に形成された構成である。
図6、図9に示すように、第1外装部140は、上下方向に直交する断面視で左右方向に扁平した形状で、上下方向に延びる筒状に形成されている。具体的に、第1外装部140は、側面視で支持体100に重なり合う位置において、支持体100に沿って上下方向に延在している。図示の例において、第1外装部140は、上方に向かうに従い前方、かつ左右方向の外側に向けて傾斜している。
第1外装部140には、左右方向の内側に開口するスリット145が形成されている。スリット145は、第1外装部140の延在方向に沿って上下方向に延びている。スリット145は、第1外装部140の上端縁上で開口している。
第2外装部141は、第1外装部140の上端部から前方に片持ちで延在している。図示の例において、第2外装部141は、上方に開口する箱型に形成されている。第2外装部141は、後端部において第1外装部140内に連通している。第2外装部141における底壁の後部には、レバー露出孔144が形成されている。レバー露出孔144は、前後方向に延びるスリット状に形成されている。なお、また、昇降ユニット102の側面視形状は、L字状に限られない。
側方カバー138は、上下方向に延びる細板状に形成されている。側方カバー138は、上述したスリット145内に、スリット145を前後方向に分断するように配置されている。側方カバー138の下端部は、上述したスリット145の下端開口縁に肘掛けハウジング137の内側から係止されている。図6に示すように、第1外装部140内には、スリット145のうち、側方カバー138に対して前後両側に位置する部分を通してガイド壁部121が進入している。すなわち、側方カバー138は、ガイド溝129内において、支持ベース110の外側面に対向している。側方カバー138における上下方向の中央部には、貫通孔146(図9参照)が形成されている。
図10は、図3のX−X線に沿う断面図である。
図10に示すように、上方カバー139は、肘掛けハウジング137の上端開口部を閉塞している。上述した側方カバー138の上端部は、上方カバー139に肘掛けハウジング137の内側から係止されている。
肘乗せ部136は、第2外装部141の上方に配置されている。肘乗せ部136は、例えばインナーシェル、パッド材及び表皮材等が積層されて形成されている。肘乗せ部136の上面は、着座者の肘を支持する肘置き面を構成している。肘乗せ部136は、上方カバー139を介して肘掛けハウジング137に取り付けられている。
<高さ調整機構>
図11は、高さ調整機構135の斜視図である。
図10、図11に示すように、高さ調整機構135は、肘掛け本体134内に収容されている。高さ調整機構135は、支持体100に対する昇降ユニット102の上下方向の位置決めを行う。
高さ調整機構135は、内装部材150と、作動部材151と、操作レバー152と、係合部材153と、押圧部材154と、を備えている。
<内装部材>
内装部材150は、側面視でL字状に形成されている。内装部材150は、昇降ユニット102の強度部材として機能する。具体的に、内装部材150は、第1外装部140内に収容されたカムステー155と、第2外装部141内に収容されたレバーステー156と、を備えている。
図12は、図16のXII−XII線に対応する断面図である。
図10〜図12に示すように、カムステー155は、ステーベース160を備えている。ステーベース160は、第1外装部140の延在方向に沿って上下方向に延在している。図12に示すように、ステーベース160は、第1外装部140内において、ガイド壁部121に対して左右方向で対向している。
ステーベース160には、左右方向の内側に突出するレール部161が形成されている。レール部161は、支持体100に上下動可能に支持されている。レール部161は、突条部165と、一対の第2ストッパ壁部166と、を備えている。
突条部165は、第1外装部140内において、ガイド溝129内に収容されている。突条部165の先端部(左右方向の内側端部)は、側方カバー138に近接又は当接している。突条部165には、第2保持溝167が形成されている。第2保持溝167は、突条部165における前後両面において、上下方向に延在している。第2保持溝167は、前後方向の内側に向けて凸の半円状に形成されている。
レール部161がガイド溝129内に収容された状態において、スペーサ101は、ステーベース160に左右方向で近接又は当接している。すなわち、上述したスペーサ101は、支持体100に対する昇降ユニット102の上下動に伴い、ステーベース160に摺動可能に構成されている。なお、上述したスペーサ101は、ステーベース160に設けられていてもよい。
第2ストッパ壁部166は、突条部165の先端部から前後方向の外側に張り出している。各第2ストッパ壁部166は、押圧部材154を間に挟んで対応する第1ストッパ壁部124に各別に係止されている。すなわち、各第2ストッパ壁部166は、対応する第1ストッパ壁部124に左右方向に間隔をあけた状態で対向している。この場合、ガイド壁部121に形成された第1保持溝126と、突条部165に形成された第2保持溝167と、が前後方向で対向している。なお、第1保持溝126及び第2保持溝167は、少なくとも一部同士が前後方向で対向していればよい。
図13は、図3のXIII−XIII線に沿う断面図である。
図13に示すように、カムステー155には、作動部材収容溝170が形成されている。作動部材収容溝170は、ステーベース160の上端部を跨って上下方向に延びる正面視でJ字状に形成されている。具体的に、作動部材収容溝170は、内側溝部171と、係止溝部172と、外側溝部173と、接続溝部174と、を備えている。
内側溝部171は、レール部161の延在方向に沿って上下方向に延在している。内側溝部171は、レール部161における左右方向の内側端面上で開口している。内側溝部171の上端部は、レール部161の上端面上で開口している。内側溝部171の下端部は、レール部161における上述した貫通孔146よりも下方に位置している。
係止溝部172は、内側溝部171の下部に接続されている。具体的に、係止溝部172は、内側溝部171の下部において、内側溝部171に対して左右方向の外側に窪んで形成されている。係止溝部172の上部と、内側溝部171の下部と、は互いに連通している。係止溝部172の下部は、内側溝部171の下端部よりも下方に位置している。したがって、内側溝部171の下端面と、係止溝部172の下端面と、の間には、上下方向に沿う係止面175が形成されている。なお、係止溝部172の下端部は、後方に開口している。
外側溝部173は、ステーベース160における内側溝部171と対向する位置に、上下方向に延在している。外側溝部173の上端部は、ステーベース160の上端面上で開口している。本実施形態において、外側溝部173の下端部は、上述した貫通孔146よりも上方に位置している。
接続溝部174は、内側溝部171及び外側溝部173の上端部同士を接続している。接続溝部174は、カムステー155の上端面上で開口している。接続溝部174内には、付勢部材収容部177が連通している。付勢部材収容部177は、接続溝部174に対して下方に窪んでいる。
カムステー155のうち、貫通孔146に対して左右方向で対向する位置には、係合部材収容溝180が形成されている。係合部材収容溝180は、上述した内側溝部171及び係止溝部172と交差するように左右方向に延在している。具体的に、係合部材収容溝180における左右方向の内側端部は、レール部161上で開口している。係合部材収容溝180における左右方向の外側端部は、係止溝部172よりも左右方向の外側に突出している。
図12に示すように、レール部161には、各第2保持溝167と係合部材収容溝180内との間をそれぞれ連通させる連通孔181が形成されている。各連通孔181は、突条部165を前後方向に貫通している。
図8、図11に示すように、ステーベース160の下部において、レール部161に対して前後方向の両側に位置する部分には、一対のガイド収容溝183が形成されている。ガイド収容溝183は、レール部161の延在方向に沿って上下方向に延在している。ガイド収容溝183の上端部は、係合部材収容溝180と同等の高さに位置している。各ガイド収容溝183内には、上述したガイド突部122が各別に収容されている。すなわち、ガイド突部122は、支持体100に対する昇降ユニット102の上下動に伴い、ガイド収容溝183を上下動する。この場合、昇降ユニット102が最下端位置にあるとき、ガイド突部122がガイド収容溝183の上端開口縁に下方から近接又は当接する。これにより、昇降ユニット102の下方移動が規制される。なお、ガイド収容溝183の下端部は、ステーベース160の下端面上で開口している。
図11に示すように、レール部161の下端部(ガイド収容溝183よりも下方に位置する部分)には、レール部161から前後方向の両側に突出する抜け止めピン184が設けられている。抜け止めピン184は、ガイド収容溝183の下端開口縁と上下方向で対向している。抜け止めピン184には、昇降ユニット102が最上端位置にあるとき、ガイド突部122が上方から近接又は当接する。これにより、昇降ユニット102の下方移動が規制される。なお、抜け止めピン184は、第1外装部140内に嵌合される。
図10、図11に示すように、レバーステー156は、カムステー155の上端部から、第2外装部141の延在方向に沿って前方に延在している。レバーステー156は、前方から見た正面視でU字状に形成されている。
<作動部材>
図11、図13に示すように、作動部材151は、作動部材収容溝170に収容された状態で、カムステー155に上下動可能に支持されている。作動部材151は、上述した作動部材収容溝170に倣ったJ字状に形成されている。具体的に、作動部材151は、外側延在部185と、接続延在部186と、内側延在部187と、カム部188と、係止部189と、を備えている。なお、作動部材151は、J字状に限らず、L字状や直線状に形成されていてもよい。
外側延在部185は、外側溝部173内を上下方向に延在している。
接続延在部186は、外側延在部185の上端部から左右方向の内側に延在している。接続延在部186は、接続溝部174内に収容されている。上述した付勢部材収容部177内には、接続延在部186を介して作動部材151を上方に付勢する付勢部材190が収容されている。
内側延在部187は、接続延在部186における左右方向の内側端部から下方に延在している。内側延在部187は、内側溝部171内の上部に収容されている。
カム部188は、内側延在部187から下方に連なっている。具体的に、カム部188は、下方に向かうに従い左右方向の内側に向けて傾斜する傾斜部188aと、傾斜部188aの下端部から下方に延びる直線部188bと、を備えている。カム部188は、上述した貫通孔146を上下方向で跨って配置されている。
係止部189は、カム部188から下方に連なっている。係止部189は、直線部188bから下方に向けて左右方向の外側に傾斜した後、さらに下方に延在している。係止部189は、内側溝部171の下端部を通って係止溝部172内に進入している。係止部189は、係止溝部172内において係止面175に左右方向の外側から近接又は当接している。係止部189は、作動部材151の上下動に伴い、係止面175に摺動可能に構成されている。これにより、カムステー155に対する作動部材151の左右方向の内側への移動が規制されている。
<操作レバー>
図10に示すように、操作レバー152は、レバーステー156の内側において、前後方向に延在している。操作レバー152は、回動支持部200と、操作部201と、アーム部202と、を備えている。
回動支持部200は、左右方向に沿う軸線O1回りに回動可能に回動軸203に支持されている。回動軸203は、回動支持部200を左右方向に貫通するとともに、左右方向の両端部がレバーステー156に支持されている。なお、回動軸203は、回動支持部200に一体で形成されていても、回動支持部200とは別体で形成されていてもよい。
操作部201は、回動支持部200から前方に延在している。操作部201の前端部は、レバー露出孔144を通じて第2外装部141の下面から下方に突出している。
アーム部202は、回動支持部200から後方に延在している。アーム202部の後端部は、第1外装部140内に進入している。アーム部202の後端部は、作動部材151の接続延在部186に上方から近接又は当接している。すなわち、作動部材151は、操作レバー152の回動に伴い、下方(付勢部材190の付勢力に抗する方向)に向けて押圧されることで、作動部材収容溝170内を下方に移動する。
<係合部材>
図12に示すように、係合部材153は、内側溝部171及び係止溝部172を左右方向に貫いた状態で、係合部材収容溝180内に収容されている。係合部材153は、作動部材151の上下動に伴い、左右方向に移動可能に構成されている。係合部材153は、左右方向を長手方向とする柱状に形成されている。具体的に、係合部材153は、連係部210と、係脱部211と、を備えている。
連係部210は、係脱部211に対して左右方向の外側に連なっている。連係部210は、係脱部211に対して拡径されている。連係部210における左右方向の内側端部は、左右方向の内側に向かうに従い漸次縮径するテーパ状に形成されている。連係部210には、連係部210を上下方向に貫通する挿通孔213が形成されている。挿通孔213内には、作動部材151のカム部188が挿通されている。
図13に示すように、挿通孔213の内面のうち、左右方向の内側を向く面は、カム部188に係合するカム従節部215を構成している。カム従節部215は、下方に向かうに従い左右方向の内側に向けて延びる傾斜部215aと、傾斜部215aの下端部から下方に延びる直線部215bと、を有している。係合部材153は、作動部材151の下方移動に伴い、傾斜部188a,215a同士が摺動することで、左右方向の内側に向けて移動する。
図12に示すように、連係部210における左右方向の内側端部のうち、前後方向の外側を向く面には、それぞれ摺動部220が形成されている。摺動部220は、逃げ面220aと、摺動面220bと、を備えている。逃げ面220aは、左右方向に沿って直線状に延在している。摺動面220bは、逃げ面220aから左右方向の外側に向かうに従い前後方向の外側に向けて延在するテーパ面とされている。すなわち、対向する摺動部220の距離は、逃げ面220a間において一様とされ、摺動面220b間において左右方向の外側に向かうに従い漸次広くなっている。摺動部220は、少なくとも摺動面220bが連通孔181と正面視で重なる位置にあるとき、連通孔181を通じて第2保持溝167内に進入している。なお、摺動面220bは、左右方向の外側に向かうに従い前後方向の外側に連続的に延在する構成であれば、円弧状等であってもよい。また、摺動部220の一部が傾斜した摺動面220bである構成について説明したが、この構成に限られない。すなわち、摺動部220の少なくとも一部が傾斜していればよい。
係脱部211は、連係部210から左右方向の内側に向けて突出している。係脱部211は、係合部材153の左右方向の移動に伴い、各被係合部120のうち、何れかの被係合部120内に係脱する。具体的に、係合部材153は、係脱部211が被係合部120内に進入したロック位置と、係脱部211が被係合部120から退避したロック解除位置と、の間を移動する。高さ調整機構135は、係脱部211がロック位置にあるとき、支持体100に対する昇降ユニット102の上下方向の位置決めを行う(上下方向の移動を規制する)。一方、高さ調整機構135は、係脱部211がロック解除位置にあるとき、支持体100に対する昇降ユニット102の上下動を許容する。このように、本実施形態では、作動部材151と係合部材153とによってスライドカム機構が構成されている。
係合部材収容溝180内において、係合部材収容溝180の内面と、連係部210と、の間には、付勢部材222が介在している。付勢部材222は、係合部材153をロック位置に向けて付勢している。
<押圧部材>
押圧部材154は、弾性変形可能な材料によって棒状に形成されている。押圧部材154は、ガイド壁部121とレール部161との間に各別に配設されている。具体的に、押圧部材154は、介在部230と、規制部231(図8参照)と、を備えている。
介在部230は、上下方向を長手方向とする円柱状に形成されている。介在部230は、第1保持溝126内及び第2保持溝167内のそれぞれに収容されている。介在部230は、ガイド壁部121と突条部165との間に前後方向で挟持されるとともに、ストッパ壁部124,166によって左右方向で挟持されている。介在部230の直径は、第1ストッパ壁部124及び第2ストッパ壁部166間の距離や、外向壁部123及び突条部165間の距離よりも大きく、第1保持溝126及び第2保持溝167間の最大距離よりも小さくなっている。なお、介在部230の断面視形状や円形に限らず、矩形や三角形状(楔状)等であってもよい。
介在部230のうち、上述した連通孔181と上下方向で対応する部分は、係合部材153の左右方向への移動に伴い、摺動部220に摺動可能に構成されている。介在部230は、少なくとも係合部材153がロック位置にあるとき、摺動面220bと外向壁部123との間に位置する部分が、摺動面220bによって前後方向の外側(外向壁部123側)に向けて押圧される。これにより、係合部材153は、外向壁部123に向けて介在部230を押し付ける。
一方、係合部材153がロック解除位置にあるとき、押圧部材154は、連通孔181を通じて逃げ面220aと前後方向で対向する。この際、逃げ面220aは、介在部230から離間していることが好ましい。これにより、逃げ面220aと押圧部材154との間に発生する摺動抵抗を軽減できる。但し、逃げ面220aは、押圧部材154に接触していてもよい。
図8に示すように、規制部231は、介在部230の下端部から左右方向の外側に突出している。規制部231は、上述した引っ掛け溝部128内に収容されている。規制部231は、係止片131を間に挟んで引っ掛け溝部128の内面に対向している。
[肘掛けの動作方法]
次に、上述した肘掛け62の動作方法について説明する。以下の説明では、着座者が椅子1に着座した状態で、昇降ユニット102が最下端位置にある状態から最上端位置へ移動させる場合を例にして説明する。すなわち、昇降ユニット102が最下端位置にあるとき、被係合部120のうち、最下部に位置する被係合部120に係脱部211が係合されている。
図10に示すように、昇降ユニット102を上昇させるには、例えば肘乗せ部136とともに操作部201を把持して、操作部201を引き上げる。すると、操作レバー152が軸線O1回りの一方側に回動することで、アーム部202によって作動部材151を下方に押し下げる。すると、作動部材151は、作動部材収容溝170内を下方に移動する。
図14〜図16は、肘掛け62の動作方法を説明するための説明図である。
図13、図14に示すように、作動部材151が下方に移動すると、カム部188の傾斜部188aがカム従節部215の傾斜部215a上を摺動する。これにより、作動部材151の下方移動に伴い、係合部材153が係合部材収容溝180内を左右方向の外側に移動する。すると、係脱部211が被係合部120から退避することで、係合部材153がロック解除位置に移動する。その結果、昇降ユニット102の上下方向の移動が許容される。
係合部材153をロック解除位置まで移動させた後、操作部201を把持した状態で、昇降ユニット102を引き上げる。すると、レール部161がガイド溝129内を上方に移動するとともに、ガイド突部122がガイド収容溝183内を上方に移動しながら、昇降ユニット102が上方に移動する。そして、ガイド突部122がガイド収容溝183の上端開口縁に近接又は当接した位置まで到達した時点(図15参照)で、操作部201の把持を解除する。
すると、作動部材151は、付勢部材190の復元力によって上方に向けて押し上げられる。これにより、作動部材151は、作動部材収容溝170内を上方に移動する。
また、係合部材153は、付勢部材222の復元力によって左右方向の内側に向けて押し込まれることで、傾斜部188a,215a同士が摺動する。これにより、係合部材153が作動部材収容溝170内を左右方向の内側に移動するのに伴い、作動部材151が上方に押し上げられる。そして、係合部材153が左右方向の内側に移動することで、各被係合部120のうち、最上部の被係合部120内に進入する。その結果、係合部材153が再びロック位置となる。
係合部材153がロック位置となることで、支持体100に対する昇降ユニット102の上下動が規制される。その結果、昇降ユニット102が最上端位置で保持される。
ここで、図16に示すように、係合部材153がロック解除位置にある場合において、係合部材153の逃げ面220aと、押圧部材154の介在部230と、が連通孔181を通じて前後方向で対向している。この際、逃げ面220aは、係合部材収容溝180内に位置しており、連通孔181を通じてレール部161から外部に突出していない。
したがって、ロック解除位置では、介在部230と逃げ面220aとが前後方向で離間している。
一方、図12に示すように、係合部材153が上述したロック位置に向けて移動すると、摺動面220bが連通孔181を通じて第2保持溝167内に突出する。摺動面220bが第2保持溝167内に突出すると、摺動面220bが介在部230に摺動しながら、係合部材153がロック位置に向けて移動する。摺動面220bは、左右方向の外側に向かうに従い前後方向の外側に向けて延在しているので、係合部材153のロック位置への移動に伴い、対向する摺動部220の距離が漸次広くなる。そのため、介在部230を介したガイド壁部121への押圧力(外向壁部123と介在部230との摩擦力)が大きくなる。すなわち、本実施形態では、ロック位置での押圧部材154によるガイド壁部121への押圧力が、ロック解除位置での押圧部材154によるガイド壁部121への押圧力よりも大きくなっている。
[肘掛けの組み付け方法]
次に、上述した肘掛け62の組み付け方法について説明する。
図9、図11に示すように、内装部材150に付勢部材190,222をセットした後、係合部材収容溝180内に係合部材153を収容する。その後、作動部材151を作動部材収容溝170内に上方から進入させる。この際、作動部材151の係止部189及びカム部188を係合部材153の挿通孔213内に挿通し、係止部189を係止溝部172内に進入させる。なお、この状態で、側方カバー138を内装部材150にセットする。すなわち、側方カバー138の貫通孔146内に係脱部211を挿通した状態で、側方カバー138を内装部材150に沿って配置する。
一方、支持体100にスペーサ101を固定するとともに、押圧部材154を支持体100にセットしておく。具体的に、押圧部材154は、介在部230を第1保持溝126内に収容するとともに、規制部231を引っ掛け溝部128内に係止する。
続いて、係合部材153をロック解除位置に移動させた状態で、レール部161をガイド溝129内に進入させる。これにより、内装部材150と支持体100とを組み付ける。その後、内装部材150と支持体100との組立体を肘掛けハウジング137内に挿入した後、肘掛けハウジング137の上端開口部を上方カバー139によって閉塞する。次に、上方カバー139の上方に肘乗せ部136を取り付ける。
以上により、肘掛け62が組み立てられる。
肘掛け62は、側方凹部48内に左右方向の外側から挿入される。その後、肘掛け62には、小径部54bを通じて締結孔114内に締結部材116が締結されることで、背凭れ支持部13に連結される。
このように、本実施形態では、係合部材153とガイド壁部121との間に介在して、係合部材153のロック位置への移動に伴いガイド壁部(支持壁部)121に押し付けられる押圧部材154を備える構成とした。
この構成によれば、係合部材153がロック位置にあるとき、係合部材153自体が被係合部120に係合するとともに、係合部材153によって押圧部材154を直接ガイド壁部121に押し付けることができる。これにより、支持体100に対して昇降ユニット102を上下方向に交差する2方向で係合させることができ、昇降ユニット102の支持強度を確保できる。
しかも、本実施形態では、係合部材153と押圧部材154とが直接摺動する構成であるので、係合部材153と押圧部材154との間にキャリア等の中間部材を介在させる場合に比べ、寸法管理の容易化や部品点数の削減できる。その結果、簡素かつ低コストながらも支持強度に優れた肘掛け62を提供できる。
本実施形態では、係合部材153が被係合部120に係脱される係脱部211と、押圧部材154が摺動する摺動部220と、を備えている構成とした。
この構成によれば、係脱部211と摺動部220とを別々に設けることで、それぞれの部位に最適な形状等に設計することができる。これにより、昇降ユニット102の支持強度をより確保し易くなる。
本実施形態では、摺動部220が左右方向の外側に向かうに従い、前後方向に連続的に延在する構成とした。
この構成によれば、係合部材153のロック位置に向けた移動に伴い、押圧部材154による押付力を徐々に増加させることができる。したがって、係合部材153のスムーズな移動を実現させた上で、昇降ユニット102の支持強度を確保できる。なお、係合部材153の操作性や押圧力は、摺動部220の形状(角度等)を適宜調整することで、変更が可能である。
本実施形態では、係合部材153は左右方向を長手方向として配置されている構成とした。
この構成によれば、押圧部材154やガイド壁部121が配列される前後方向と異なる方向を係合部材153の長手方向とするので、昇降ユニット102が前後方向に大型化するのを抑制できる。
本実施形態では、押圧部材154が上下方向に沿って延在する構成とした。
この構成によれば、支持体100に対する昇降ユニット102の位置に関わらず、ロック位置において押圧部材154によりガイド壁部121を押し付けることができる。
本実施形態の椅子1は、上述した肘掛け62を備えているため、簡素な構成ながらも、機能性に優れた椅子1を提供できる。
本実施形態では、肘掛け62が背凭れ支持部13に取り付けられるとともに、昇降ユニット102を上下動可能に支持する支持体100を備える構成とした。
この構成によれば、支持体100を昇降ユニット102に組み付けた後に、肘掛け62を背凭れ支持部13に組み付けることができる。したがって、背凭れ支持部13に対して高さ調整機構135を組み付ける場合に比べて組立性を向上させることができる。
<その他の変形例>
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、背凭れ支持部13に対して左右両側に肘掛け62が配設された構成について説明したが、この構成のみに限られない。肘掛け62は、背凭れ支持部13に対して左右方向における少なくとも第1側に配設されていればよい。
上述した実施形態では、係合部材153が左右方向に移動する構成について説明したが、この構成に限られない。係合部材153は、前後方向等に移動する構成であってもよい。
上述した実施形態では、昇降ユニット102が上方に向かうに従い前方や左右方向の外側に延在することで、昇降ユニット102が支持体100に対して上方に向かうに従い前方及び左右方向の外側に移動する構成とした。但し、昇降ユニット102は、支持体100に対して上下方向に直線状に移動してもよい。すなわち、昇降ユニット102は、少なくとも上下方向の成分をもって移動する構成であれば、左右方向や前後方向の成分をもっていてもよい。
上述した実施形態では、肘掛け62が支持体100及び昇降ユニット102を備える構成について説明したが、この構成に限られない。支持体は、背凭れ支持部13や背凭れフレーム65等に一体又は別体で取り付けられていてもよい。すなわち、支持体は、椅子本体が備えていてもよい。この構成によれば、肘掛け62の部品点数を削減できる。
上述した実施形態では、保持溝126,167内に押圧部材154が収容された構成について説明したが、この構成に限られない。押圧部材154は、内装部材150(レール部161)と、支持体100(ガイド壁部121)と、の間に介在していればよい。
上述した実施形態では、作動部材151と係合部材153とがスライドカム機構を構成した場合について説明したが、この構成に限られない。作動部材151が回動を伴わない上下動によって係合部材153を移動させる構成であれば、その他のカム機構やリンク機構等であってもよい。
上述した実施形態では、係合部材153の移動方向(第1方向)と、接続延在部186の延在方向(第2方向)と、が一致している場合について説明したが、この構成に限られない。
上述した実施形態では、ロック位置において、摺動面220bが押圧部材154(介在部230)に接触する構成について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、連係部210における前後方向の外側を向く面のうち、摺動面220bよりも左右方向の外側に位置する部分(すなわち、連係部210の最大幅であって、前後方向に直線状に延びる平坦面)が押圧部材154に接触していてもよい。すなわち、連係部210における摺動面220bよりも左右方向の外側に位置する部分も摺動部として機能させてもよい。このように、ロック位置において、平坦面によって押圧部材154を押圧することで、係合部材153の前後位置のばらつきによる押圧力のばらつきを抑制できる。
上述した実施形態では、押圧部材154がガイド壁部121の外向壁部123を主に前後方向に押圧する構成について説明したが、この構成に限られない。すなわち、押圧部材154は、係合部材153を介してガイド壁部121を押圧する構成であれば、例えば第1保持溝126の内面を介してガイド壁部121を左右方向に押圧してもよい。
上述した実施形態では、作動部材151が肘掛け本体134内に設けられた内装部材150に支持された構成について説明したが、この構成に限られない。作動部材151は、肘掛け本体134に直接支持されていてもよい。
上述した実施形態では、操作レバー152が回動可能に支持された構成について説明したが、この構成に限られない。
上述した実施形態では、係合部材153が弾性変形可能な構成について説明したが、この構成に限られない。但し、本実施形態のように、押圧部材154が弾性変形可能な材料で、上下方向に沿う棒状に形成することで、例えば以下の作用効果を奏する。
すなわち、組付時のばらつき(例えば、押圧部材154が傾いて取り付けられた場合等)や、各部材の寸法ばらつきを、押圧部材154が弾性変形することで吸収できる。これにより、係合部材153の動作を安定させた上で、押圧部材154によって安定した押圧力を付与できる。
上述した実施形態では、押圧部材154がガイド壁部121とレール部161との間を上下方向に延在する構成について説明したが、この構成に限られない。押圧部材154は、係合部材153に対応する位置のみに設けられ、係合部材153とともに上下動する構成であってもよい。
上述した実施形態では、係合部材153が左右方向を長手方向とする構成について説明したが、この構成のみに限られない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…椅子
2…支持構造体(椅子本体)
3…座(椅子本体)
13…背凭れ支持部(椅子本体)
61…背凭れ本体(椅子本体)
121…ガイド壁部(支持壁部)
134…肘掛け本体
135…高さ調整機構
153…係合部材
154…押圧部材
211…係脱部
220…摺動部

Claims (8)

  1. 椅子本体における幅方向の側方に、前記椅子本体に対して上下動可能に配置された肘掛け本体と、
    前記肘掛け本体に設けられるとともに、前記椅子本体に設けられる支持体に対して上下方向の位置決めを行う高さ調整機構と、を備え、
    前記高さ調整機構は、
    上下方向に交差する第1方向に移動可能に設けられ、上下方向に間隔をあけて前記支持体に形成された複数の被係合部のうち、何れかの前記被係合部に係合するロック位置、及び前記被係合部との係合が解除されたロック解除位置の間を移動する係合部材と、
    前記支持体のうち、上下方向に交差する第2方向の両側から前記高さ調整機構を支持する支持壁部、及び前記係合部材の間に介在するとともに、前記係合部材の前記ロック位置への移動に伴い前記支持壁部に向けて押し付けられる押圧部材と、を備えている肘掛け。
  2. 前記係合部材は、
    前記被係合部に対して係脱される係脱部と、
    前記係脱部に対して前記第1方向で前記被係合部と反対側に位置し、前記係合部材の前記第1方向への移動に伴い前記押圧部材が摺動する摺動部と、を備えている請求項1に記載の肘掛け。
  3. 前記摺動部は、前記第1方向で前記係脱部から離間するに従い、前記第2方向で前記支持壁部に接近する方向に傾斜している部位を少なくとも一部に有している請求項2に記載の肘掛け。
  4. 前記係合部材は、前記第1方向を長手方向とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の肘掛け。
  5. 前記押圧部材は、上下方向に沿って延在している請求項1から請求項4の何れか1項に記載の肘掛け。
  6. 椅子本体と、
    前記椅子本体における幅方向の側方に設けられた請求項1から請求項5の何れか1項に記載の肘掛けと、を備えている椅子。
  7. 前記肘掛けは、
    前記椅子本体における幅方向の側方に、前記椅子本体とは別体で前記椅子本体に取り付けられる前記支持体と、
    前記支持体に上下動可能に支持された肘掛け本体と、を備えている請求項6に記載の椅子。
  8. 前記支持体は、前記椅子本体に一体で形成されている請求項6に記載の椅子。
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