以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた内枠104と、内枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
内枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら内枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
(遊技機の詳細な構成)
次に、遊技機100の詳細な構成について図2および図3を用いて説明する。図2では、遊技盤108に設けられている釘131および風車133(いずれも後述する)の図示は省略されている。また、図2では、閉状態の第2始動口122、第1大入賞口126および第2大入賞口128(いずれも後述する)が図示され、図3では、開状態の第2始動口122、第1大入賞口126および第2大入賞口128が図示されている。
図2は、遊技機100の正面図である。図2に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。図3に示すように、遊技盤108には、多数の釘131や1つの風車133が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。なお、図3では、遊技領域116に設けられた多数の釘131が白丸で図示され、多数の釘131のうちの1つの釘131のみに参照符号が付されている。
図2および図3に示すように、遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122(図2では不図示)が設けられており、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。遊技球の入球に基づいて払い出される賞球数は、入賞口ごとに異なっていてもよい。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
第1始動口120は、遊技領域116の下部であって、第1遊技領域116aを流下する遊技球のみが入球可能であるか、または、第1遊技領域116aに進入した遊技球の方が、第2遊技領域116bに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されている。
また、図3に示すように、第2始動口122は、第1始動口120の右隣であって第2遊技領域116bに位置している。第2始動口122は、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、または、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されている。第2始動口122は、可動片122aを有する始動可変入賞装置によって構成されており、第2始動口122への遊技球の進入容易性が可変するようになっている。具体的には、第2始動口122は、可動片122aが開閉可能に設けられており、可動片122aが閉状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の進入が不可能または困難となっている。これに対して、第2遊技領域116bに設けられたゲート124を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122aが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片122aが開状態になると、可動片122aが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。
さらに、第2遊技領域116bには、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、または、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に第1大入賞口126および第2大入賞口128が設けられている。なお、以下、第1大入賞口126および第2大入賞口128をまとめて単に大入賞口ともよぶ。第1大入賞口126には、開閉扉126aおよび開閉扉126bが開閉可能に設けられている。通常、開閉扉126bが第1大入賞口126を閉鎖して、第1大入賞口126への遊技球の入球が不可能となっている。また、開閉扉126aは、開閉扉126bが第1大入賞口126を閉鎖している時に下方に向かって下がった状態になっている(図2参照)。これにより、第1大入賞口126に遊技球が入球不可能な状態では、開閉扉126aと開閉扉126bとの間には、第2遊技領域116bを流下する遊技球が通過可能な空間が生じる。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉126bが開放され、開閉扉126aが開閉扉126bに向かって傾斜した状態に立ち上がる(図3参照)。開閉扉126aの先端と開閉扉126bの先端との間には、遊技球の直径よりも長さの短い間隙が形成される。このため、開閉扉126aおよび開閉扉126bが受け皿として機能し、第2遊技領域116bを流下する遊技球は第1大入賞口126への入球が可能となる。そして、第1大入賞口126に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
また、第2大入賞口128は、開閉扉128aが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが第2大入賞口128を閉鎖して、第2大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉128aが開放されて、開閉扉128aが受け皿として機能し、第2大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。そして、第2大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。大入賞口への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球数は、大入賞口ごとに異なっていてもよい。
第1遊技領域116aには、第1始動口120の左側に2つの一般入賞口118が設けられている。また、第2遊技領域116bには、第1大入賞口126と第2始動口122との間に1つの一般入賞口118が設けられている。
図3に示すように、第1遊技領域116aには、2つの一般入賞口118を挟んで、遊技球を遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する2つの排出口130が設けられている。2つの排出口130の一方は、一般入賞口118の左上に隣接して設けられ、2つの排出口130の他方は、遊技領域116の最下部の中心部(第1始動口120の直下)に設けられている。また、第2遊技領域116bには、一般入賞口118の下方に1つの排出口130が設けられている。複数の排出口130により、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球が、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出される。
そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置51a,51b,52a,52b,53a,53b、遊技者の操作を受け付けるとともに、例えば振動による演出を行う演出操作装置208が設けられている。以下、音声出力装置51a,51b,52a,52b,53a,53bを「音声出力装置51a〜53b」と略記する場合がある。
演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。演出表示部200aには、図2に示すように演出図柄210a,210b,210cが変動表示され、これら各演出図柄210a,210b,210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。変動演出では、演出表示部200aに加えて演出役物装置202、演出照明装置204、音声出力装置51a〜53bおよび演出操作装置208等の複数の演出装置の動作が行われてもよい。以下、演出役物装置202および演出操作装置208を「可動体」と総称する場合がある。
演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側に退避しているが、上記の演出図柄210a,210b,210cの変動表示中などに、演出表示部200aの前面まで可動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
演出照明装置204は、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。演出照明装置204は例えばフルカラーLED等を有している。
音声出力装置51a,51b,52a,52b,53bは前枠106に設けられ、音声出力装置53aは外枠102に設けられている。内枠104および前枠106を閉じた場合に、音声出力装置51aは前枠106で囲まれた領域の上部左側に配置され、音声出力装置51bは前枠106で囲まれた領域の上部右側に配置される。音声出力装置51aは、透過板110を通して視認可能な遊技領域116の左上に配置されている。音声出力装置51bは、透過板110を通して視認可能な遊技領域116の右上に配置されている。音声出力装置51aおよび音声出力装置51bは、遊技機100の左右方向の中心線に対してほぼ左右対称となる位置に配置されている。
内枠104および前枠106を閉じた場合に、音声出力装置52aは前枠106で囲まれた領域の下部左側に配置され、音声出力装置52bは前枠106で囲まれた領域の下部右側に配置される。内枠104および前枠106を閉じた場合に、音声出力装置52aは透過板110を通して視認可能な遊技領域116の左下に配置され、音声出力装置51bは透過板110を通して視認可能な遊技領域116の右下に配置される。音声出力装置51aおよび音声出力装置51bは、前枠106の左右方向の中心線に対してほぼ左右対称となる位置に設けられている。
音声出力装置53aは外枠102の最下部位置に設けられ、音声出力装置53bは操作ハンドル112の左上に設けられている。内枠104および前枠106を閉じた場合に、音声出力装置53aは、下皿134の下方に配置される。音声出力装置53bは、演出操作装置208の右下かつ操作ハンドル112の左上に設けられている。
音声出力装置51a〜53bは、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。また、音声出力装置51a〜53bの少なくとも一部は、遊技機100に異常が生じた場合に異常を報知する音声を出力する。
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付ける押下ボタン208aと、遊技者による入力操作(例えば、手前側に引く操作)を受け付ける演出レバー208bと、演出レバー208bの入力操作に伴って回転する回転部208cとの複数の操作手段を有している。押下ボタン208aおよび演出レバー208bは、遊技者が操作可能な操作装置に相当する。演出操作装置208は、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110(図1参照)よりも下方位置に設けられている。演出操作装置208は、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化され、操作有効期間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
遊技機100は、押下ボタン208aの右側に隣接して設けられた十字ボタン209を備えている。十字ボタン209は、遊技者の押下操作を受け付ける、上ボタン、下ボタン、左ボタンおよび右ボタンを備えた十字キーボタンで構成されている。十字ボタン209は、上下左右の4方向それぞれに対して押下操作が可能に構成されている。十字ボタン209は主に、音声出力装置51a〜53bから出力される音声の音量を設定するために設けられている。本実施形態では、十字ボタン209は、演出操作装置208と同様に、例えば所定の演出中に有効化される。操作有効時間内に十字ボタン209に対する遊技者の音量設定の操作が受け付けられると、当該操作に応じて設定された音声出力装置51a〜53bから設定された音量で音声が出力される。
演出操作装置208の後ろ側(遊技盤108側)には、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿132が設けられている。上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
(遊技機裏面の構成)
図4は、遊技機100の裏面図である。遊技機100の裏面側には、主制御基板ケース103、遊技情報出力端子板312、賞球貯留タンク315、賞球払出流路317、払出球計数スイッチ316s、裏カバー331、払出制御基板ケース313および内枠開放スイッチ145s等が設置されている。この他に遊技機100の裏側には、遊技機100の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)、電源プラグを備えた電源コード109及び図示しない接続配線等が設置されている。
遊技機100の裏面側中央には、遊技機100における遊技の基本動作を制御する主制御基板300が一部分を露出した状態で主制御基板ケース103に収容されて配置されている。主制御基板300の構成の詳細は後述する。
遊技情報出力端子板312は、遊技機100の外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続されている。遊技機100の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、エラー情報、大当たり情報、始動口情報等)は、遊技情報出力端子板312から外部の電子機器に向けて出力される
賞球貯留タンク315は、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球の払出しが行われる際には、賞球貯留タンク315に蓄えられた遊技球は、賞球払出流路317を通って遊技機100の前面側の上皿132(図2参照)に導かれる。払出球計数スイッチ316sは、賞球払出流路317を通って払い出される遊技球数を検出する。
裏カバー331は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する副制御基板330を覆うカバー部材である。また、払出制御基板ケース313は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う払出制御基板310が収められたケース部材である。副制御基板330及び払出制御基板310の詳細は後述する。
払出制御基板ケース313の左下領域には、内枠開放スイッチ145sが設けられている。内枠開放スイッチ145sについては後述する。また、電源コード109は、例えば遊技店の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続される。これにより、遊技機100の動作に必要な電源(電力)が確保される。
(主制御基板の構成)
主制御基板300上の左上領域には、性能表示器300dが設けられている。本実施形態における性能表示器300dは、4つのデシマルポイント付きの7セグメントLED表示器で構成されている。具体的には、性能表示器300dは、4つの表示領域361,362,363,364を有している。表示領域361〜364の7セグメントLED表示器を構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。表示領域361〜364はカウンタ値に対応する各セグメントを点灯制御することで数字およびアルファベットを表示できる。
したがって、性能表示器300dは、最大4つの英数字を表示することができる。4つの表示領域361,362,363,364を有する性能表示器300dは、後述する設定値や賞球数に基づく算出処理結果の値(例えば、ベース値等)を表示する。
性能表示器300dは、例えばベース値を確認する者(警察官等)が表示内容を誤認なく確認できれば、図4に示す位置に限られず、主制御基板300上における主制御基板300の他の構成と重なり合うことのない確認容易な位置に設けられていてもよい。主制御基板ケース103は、内部に収容した主制御基板300が外部から視認できるように透明の材料(例えばポリカーボネート)で形成されている。
性能表示器300dの下側には、メインIC300xが配置されている。メインIC300xは、例えばV5チップであって、メインCPU300a、メインROM300b及びメインRAM300c(図4では不図示、図5参照)を内蔵している。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。また、メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御基板300上の左下端部には、RAMクリアボタン305が設けられている。主制御基板ケース103を封止した状態でRAMクリアボタン305が操作できるように、RAMクリアボタン305は主制御基板ケース103から外部に露出した状態で配置されている。RAMクリアボタン305が押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチ305s(図5参照)がRAMクリアボタン305の押圧操作を検出し、RAMクリア信号が出力される。RAMクリア信号は、例えば電源投入時において、メインCPU300aがメインRAM300cの初期化を行うか否かの判定等に用いられる。
(設定キー操作)
主制御基板300には、RAMクリアボタン305の他に設定キー差込口306が設けられている。設定キー差込口306は、後述する設定値の変更や設定値の参照に用いられる専用鍵(設定キー)を差し込むための差込口(鍵穴)である。本実施形態による遊技機100は、設定キーの操作とともにRAMクリアボタン305を押下することによって、設定値を1〜6の6段階に設定可能に構成されている。詳しくは後述するが、遊技機100は、設定中の設定値に応じて遊技が進行するものであり、設定値ごとに有利度合いが異なっている。
設定キー差込口306は、シリンダを有するシリンダ錠で構成されている。また、設定キー差込口306のシリンダは、主制御基板ケース103を貫通した状態(シリンダの周囲が主制御基板ケース103によって囲まれた状態)で設けられている。したがって、主制御基板300が主制御基板ケース103に封止された状態のままで設定キー差込口306に設定キーを差し込んで回転操作をすることが可能である。
(制御手段の内部構成)
図5は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。また、メインCPU300aは、演算処理時において、メインRAM300cやメインCPU300aの内部レジスタ(不図示)をデータのワークエリアとして用いる。
ここで、メインCPU300aがワークエリアとして用いるメモリ領域のうち、メインRAM300cに割り当てられたメモリ領域(F000H〜F3FFH)の用途例について図6を参照して説明する。
図6に示すように、本実施形態による遊技機100において、アドレスF000H〜F1FFHの領域は、格納するデータの種類に応じて第一領域から第四領域の4つの領域に分けられる。第一領域は、設定値に関連する情報(設定値関連情報)および遊技状態に関する情報(遊技状態関連情報)を格納する領域である。第二領域は、後述のCPU初期化処理(図19および図20)において電源復帰に係る誤り検出に用いられるチェックサム関連情報およびバックアップ関連情報を格納する領域である。第三領域は、エラー関連情報および第一通常遊技状態情報を格納する領域である。第四領域は、第二通常遊技情報を格納する領域およびスタックエリアとして用いられる領域である。
第一領域から第四領域を含むアドレスF000H〜F1FFHの領域を、使用領域という。使用領域は、遊技機の進行に必須の情報(データ)を格納するメモリ領域であって、遊技規則によって使用容量が制限されている。
メインRAM300cにおいて、アドレスF300H〜F3FFHの領域は、遊技の進行に必須でない情報の格納に用いる領域であって、使用外領域という。本例では、使用外領域には、性能表示器300dの表示制御等に係る情報(性能表示関連情報)が格納される。また、使用外領域には、試験信号の出力制御に係る情報が格納されてもよい。試験信号は、遊技機100の現在の内部状態(例えば、特別遊技管理フェーズ、普通遊技管理フェーズ、発射位置指定の状態、大役遊技の実行状況、遊技状態(高確率、低確率、時短、非時短)等)を即時的(リアルタイム)に主制御基板300の外部に通知するために出力される信号である。
また、図6に示すように、使用領域と使用外領域との間の領域(アドレスF200H〜F2FFの領域)は、データの格納に用いられない未使用領域である。
このように、遊技機100において、メインRAM300cは、使用領域、使用外領域および未使用領域で構成されている。本例において、メインRAM300cには1バイトごとの領域にアドレス値が割り振られている。したがって、未使用領域として256バイトに相当する領域が割り当てられている。なお、未使用領域としては、少なくとも16バイト以上の領域が割り当てられていればよい。
図5に戻って、本実施形態の遊技機100が実行する遊技は主に、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口126に遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出スイッチ128sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、開閉扉126aを作動する開閉扉ソレノイド126c1と、第1大入賞口126を開閉する開閉扉126bを作動する第1大入賞口ソレノイド126c2と、第2大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する第2大入賞口ソレノイド128cと、が接続されており、主制御基板300によって、第2始動口122、第1大入賞口126および第2大入賞口128の開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、遊技機100には、前枠開放スイッチ141s、アウト検出スイッチ143sおよび内枠開放スイッチ145sが接続されている。以下、内枠開放スイッチ145sと前枠開放スイッチ141sとを総称して開閉枠部材開放スイッチと称する場合がある。開閉枠部材開放スイッチは、内枠104や前枠106といった開閉枠部材が開放されていることを遊技機100に発生していることを検出するスイッチである。
前枠開放スイッチ141sは、前枠106が開放されていることを検出すると、主制御基板300に開放検出信号(オン信号)を出力する。また、内枠開放スイッチ145sは、内枠104が外枠102に対して開放されていることを検出すると、主制御基板300に開放検出信号(オン信号)を出力する。
また、図5には図示しないが、遊技機100には、開閉枠部材開放スイッチの他にも、遊技機100の各構成の異常または各構成に対する不正の可能性があることを検出する種々の異常検出スイッチが設けられていてもよい。例えば、遊技機100には、異常検出スイッチとして、電波を検出する電波検出スイッチ、磁気を検出する磁気検出スイッチ等が設けられていてもよい。
アウト検出スイッチ143sは、遊技領域116へ発射された遊技球が遊技機100の外部に排出されるときに通過する遊技球排出経路(不図示)を通過したことを検出すると、主制御基板300にアウト球検出信号(オン信号)を出力する。
一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126および第2大入賞口128の何れかに入球した遊技球、並びに何れの入賞口にも入球せずに排出口130へ入球した遊技球が、上述の遊技機球排出経路を通過する。つまり、遊技領域116へ発射された後に集約されて外部へ排出される全ての遊技球が、遊技球排出経路においてアウト検出スイッチ143sによって検出される。
さらに、遊技盤108の背面には、設定キースイッチ180sおよびRAMクリア検出スイッチ305sが設けられている。設定キースイッチ180sは、上述の設定キーによってアクセスが可能に構成されている。設定キースイッチ180sは、設定キー差込口306に差し込まれた設定キーの回転操作を検出すると、回転操作の状態(回転状態)を示す設定キー回転検出信号(オン信号)を主制御基板300に出力する。
また、RAMクリア検出スイッチ305sは、RAMクリアボタン305の押圧操作によってアクセス可能に構成されている。RAMクリア検出スイッチ305sは、RAMクリアボタン305の押下(押圧操作)を検出すると、押圧検出信号(オン信号)を主制御基板300に出力する。
本実施形態による遊技機100は、設定キースイッチ180sにアクセス可能な設定キーおよびRAMクリアボタン305を用いることで、設定値の変更が可能となっている。
ここで、設定値の変更手順について説明する。
(設定値変更手順)
まず、遊技機100の電源が未投入(電源断)の状態において、設定変更を行う作業者は、専用の鍵を用いて外枠102に対して内枠104を開放する。これにより、遊技機100の裏面に配置された主制御基板300等の構成要素が視認可能となる。
遊技機100の裏面には、上述のように設定キーを挿入するための設定キー差込口306と、RAMクリアボタン305とが設けられている(図3参照)。作業者は設定キー差込口306に設定キーを挿入し、設定キーを一の方向(例えば、時計回り方向)に回転操作(変更操作)する。さらに、作業者は、RAMクリアボタン305を押下する。
次いで、作業者は、設定キーを回転操作し、かつRAMクリアボタン305を押下した状態で遊技機100に電源を投入する。
電源が投入されると、内枠104が外枠102に対して開放されていることが内枠開放スイッチ145sによって検出され、開放検出信号(オン信号)が主制御基板300に入力される。また、電源投入によって設定キーが時計回りに回転される変更操作が行われたことが設定キースイッチ180sによって検出され、設定キー回転検出信号(オン信号)が主制御基板300に入力される。さらに、電源投入によってRAMクリアボタンが押下されたことがRAMクリア検出スイッチ305sによって検出され、押圧検出信号(オン信号)が主制御基板300に入力される。内枠開放スイッチ145s、設定キースイッチ180sおよびRAMクリア検出スイッチ305sによって、主制御基板300にオン信号が入力されたことに基づいて、遊技機100は設定値の変更(切替え)が可能な状態(設定変更状態)となる。
作業者は、設定変更状態においてRAMクリアボタン305を任意の回数だけ押下し、RAMクリア検出スイッチ305sにアクセスすることにより、複数段階(例えば6段階)のうちいずれかの段階に設定値を変更することができる。このとき、設定値は、例えば、性能表示器300dの表示領域361〜364に表示される。
作業者は、設定値を任意の値に変更すると、変更操作時に時計回りに回転させた設定キーを、反時計回りに回転させて元の位置に戻す(復帰操作)。復帰操作により、設定キーが元の位置に復帰したことが設定キースイッチ180sによって検出され、当該検出を示す信号(オフ信号)が設定キースイッチ180sから主制御基板300に入力される。主制御基板300は、当該オフ信号の入力に基づいて設定値の変更を確定する。なお、設定キースイッチ180sは、回転操作の検出に基づいて、定期的に設定キー回転検出信号(オン信号)を主制御基板300に出力し、復帰操作が検出されるまではオン信号の出力を継続し、復帰操作を検出すると主制御基板300への設定キー回転検出信号(オン信号)の出力を停止してもよい。この場合、主制御基板300は、当該オン信号の入力が停止したことに基づいて、設定値の変更を確定すればよい。
設定値の変更が確定し、作業者が設定キーを設定キー差込口306から抜き取ると、性能表示器300dに表示されていた設定値が消去され、設定値の表示が終了する(設定値が非表示となる)。最後に、作業者は、遊技機100の内枠104を閉じて専用の鍵によって施錠する。これにより、設定の変更作業が完了する。設定の変更作業が完了すると、通常の遊技が開始される。
詳細は後述するが、設定値が変更された場合、主制御基板300のメインCPU300aは、変更後の設定値をメインRAM300cの所定の領域(例えば、バックアップの対象となる使用領域のうち第一領域)に記憶する。これにより、遊技中において設定中の設定値を参照することができる。
このように、遊技機100は、電源投入時に設定キースイッチ180sにおいて設定キーの変更操作を検出(設定キーON)し、内枠開放スイッチ145sにおいて内枠104が解放されたこと(内枠開放状態)を検出し、かつRAMクリア検出スイッチ305sにおいてRAMクリアボタン305が押圧操作されたこと(RAMクリア押下状態)を検出した場合に、設定変更状態(設定変更モード)となる。
設定変更状態では、特別遊技および普通遊技等の情報を表示する各表示器160〜172の表示は行われず、遊技球の発射や遊技球の賞球等の通常の遊技ができない状態となる。なお、設定変更状態において、各表示器160〜172は、消灯状態を維持してもよいし、または設定変更状態中において専用の(特定の)点灯パターンを維持して通常の表示とは異なる表示態様にしてもよい。
(設定確認状態)
以上、設定値の変更について説明したが、遊技機100は設定値を変更せずに現在設定中の設定値を確認することができるように構成されている。
具体的には、上述の設定変更手順において設定キーが変更操作(時計回り方向に回転操作)された状態で、RAMクリアボタン305が押下されずに、遊技機100に電源が投入されると、遊技機100は現在設定中の設定値の確認が可能な状態(設定確認状態)となる。
つまり、遊技機100は、電源投入時に設定キースイッチ180sにおいて設定キーの変更操作を検出(設定キーON)し、内枠開放スイッチ145sにおいて内枠104が解放されたこと(内枠開放状態)を検出し、かつRAMクリア検出スイッチ305sにおいてRAMクリアボタン305が押圧操作されたことを検出していない(RAMクリア未押下状態)場合に、設定確認状態(設定確認モード)となる。
設定変更状態と同様に、設定確認状態では、各表示器160〜172の表示は行われず、遊技球の発射や遊技球の賞球等の通常の遊技ができない状態となる。なお、設定確認状態において、各表示器160〜172は、消灯状態を維持してもよいし、または設定確認中において専用の(特定の)点灯パターンを維持して通常の表示とは異なる表示態様にしてもよい。また、設定確認状態において、各表示器160〜172は、専用の(特定の)点灯パターンを維持して設定変更状態とは異なる表示態様にしてもよい。
図5に示すように、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、遊技球の払い出しが払出検知スイッチ315sによって検出され、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。払出モータ314の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出検知スイッチ315sからの検知信号および払出球計数スイッチ316sからの計数信号が払出制御基板310に入力される。
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
また、払出制御基板310には、発射制御基板320が双方向に通信可能に接続されている。発射制御基板320は、払出制御基板310から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。発射制御基板320は、操作ハンドル112に設けられ、操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御基板320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。副制御基板330は、副制御部330a、サブROM330b、サブRAM330c、データROM330dおよびアンプ群4を備えている。副制御部330aは、画像制御部380、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370を有している。本実施形態ではサブCPU340、画像制御部380、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370は、1つの回路で構成(例えば1パッケージ化または1チップ化)され、この回路の機能ブロックとして構成されていてもいる。
副制御基板330は、主制御基板300に対して、主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU340は、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、音声制御部350、照明制御部360、可動体制御部370および画像制御部380のうち、入力されたコマンドなどに含まれる情報に対応する制御部を制御する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU340の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。データROM330dには、演出表示部200aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されている。また、データROM330dには、演出中に音声出力装置群5を構成する音声出力装置51a〜53bから出力される音声データが多数格納されている。
遊技機100に備えられた副制御基板330には、音声出力装置(音声出力手段の一例)51a,51b,52a,52b,53a,53bから出力される音声を処理可能なアンプ(音声処理手段の一例)41,42,43によって構成されたアンプ群4が備えられている。
画像制御部380は、演出表示装置200の演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行うものであり、CPU、ROM、RAM、VRAMとしてそれぞれ機能する機能ブロックを備えている。画像制御部380のRAMとしての機能ブロックには、データROM330dから読み出された演出表示部200aに表示される図柄や背景等の画像データが一時的に多数格納される。画像制御部380のCPUとしての機能ブロックは、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、画像データを画像制御部380のROMおよびRAMとしての機能ブロックの少なくとも一方から画像制御部380のVRAMとしての機能ブロックに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。
遊技機100に備えられた副制御基板330の副制御部330aに設けられた音声制御部350は、アンプ群4を構成するアンプ41,42,43を介して音声出力装置51a〜53bを制御可能に構成されている。音声制御部350は、音声出力装置51a〜53bを制御可能な音声制御手段の一例に相当する。また、音声制御部350を有する副制御部330aも、音声出力装置51a〜53bを制御可能な音声制御手段の一例に相当する。
音声制御部350は、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、音声出力装置群5から音声を出力させる音声出力制御を行うために、当該コマンドに応じて例えば所定のパラメータをアンプ群4に出力する。アンプ群4を構成するアンプ41,42,43の少なくともいずれかは、入力されるパラメータに含まれる音声に関する情報に基づいて音声出力装置51a〜53bから出力される音声を処理するように構成されている。遊技機100には、複数(本実施形態では3個)のアンプ41,42,43が設けられている。複数のアンプ41,42,43はそれぞれ、1つの回路で構成(例えば1パッケージ化または1チップ化)されている。このため、複数のアンプ41,42,43および音声制御部350は、互いに異なる部品(広義には集積回路などの電子部品、狭義には集積回路に設けられたチップ部品)で構成されている。アンプ41,42,43の詳細は後述する。
また、照明制御部360は、副制御基板330から送信されるコマンドに基づいて、演出照明装置204を点灯させる点灯制御を行う。可動体制御部370は、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、演出役物装置202を可動したり、演出操作装置208の押下ボタン208aを遊技者側に飛び出させて可動したりする動作制御を行う。
副制御基板330には、押下ボタン208aが押下操作された場合に副制御基板330に検出信号を出力する押下ボタン操作検出スイッチ208s1が接続されている。副制御基板330には、演出レバー208bが入力操作された場合に副制御基板330に検出信号を出力するレバー操作検出スイッチ208s2が接続されている。副制御基板330には、十字ボタン209が押下操作された場合に副制御基板330に検出信号を出力する十字ボタン操作検出スイッチ209sが接続されている。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
(アンプの構成)
次に、副制御基板330に設けられたアンプ群4を構成するアンプ41,42,43の概略構成について図5を参照しつつ図7を用いて説明する。アンプ41,42,43の概略構成の説明にあたって、まず、音声制御部350の構成の一部について説明する。
図7に示すように、副制御部330aに設けられた音声制御部350は、所定データを一時的に記憶可能なレジスタ350aを有している。レジスタ350aは、所定データを一時的に記憶可能な記憶部としての機能を発揮するように構成されている。レジスタ350aは、所定データとして例えば音声に関連するパラメータを記憶可能な格納領域を有している。なお、図7では、レジスタ350aが、音声に関連するパラメータとして音量パラメータB1,B2,B3(詳細は後述)を記憶している状態が図示されている。このように、音声制御部350は、音声に関する情報を含む音量パラメータ(第二パラメータの一例)B1,B2,B3を設定可能に構成されている。
副制御部330aに設けられたサブCPU340は、遊技機100に電源が投入されることによって副制御部330aにも電源が投入される際に、例えばデフォルトの情報を含む音量パラメータと、当該音量パラメータをレジスタ350aに設定することを指示する指示情報とを含む所定コマンドまたは所定制御信号を出力する。音声制御部350は、サブCPU340から入力された当該所定コマンドまたは当該所定制御信号に基づいて、レジスタ350aに音量パラメータを設定する。
また、例えば十字ボタン209(図2参照)の操作有効時間内に十字ボタン209が操作されて音量の設定が変更されると、サブCPU340は、音声制御部350に対して、十字ボタン209がどのように操作されたかを示す操作情報と、レジスタ350aに設定されたパラメータの変更を指示する指示情報とを含む所定コマンドまたは所定制御信号を出力する。当該操作情報には例えば、音量変更の対象アンプの情報と、音量の増減量の情報とが含まれる。音声制御部350は、サブCPU340から入力された当該所定コマンドまたは当該所定制御信号に基づいて、レジスタ350aに設定されたパラメータを変更する。
このように、音声制御部350は、電源が投入される際に設定された音量パラメータ(第二パラメータの一例)を当該電源が投入された後に、音量パラメータに含まれる音声に関する情報とは異なる情報を含む音量パラメータに変更できるように構成されている。音量パラメータに含まれる音声に関する情報は、例えば音量の設定値である。つまり、音声制御部350は、電源が投入される際に設定された音量の設定値を当該電源が投入された後に、異なる音量の設定値に変更可能に構成されている。また、音声制御部350は、レジスタ350aに設定された音量パラメータを異なる情報を含む音量パラメータに変更した後に、さらに異なる情報を含む音量パラメータに変更することもできる。また、レジスタ350aに設定される音量パラメータは、十字ボタン209の操作情報に基づく音量の設定値に限られず、例えば遊技機100の背面側に設けられた音量調整用のツマミの操作量に基づく音量の設定値や後述する音声チャンネルの音量の設定値の情報を含んでいてもよい。
図示は省略するが、音声制御部350は、デコード部およびチャンネル音量制御部が設けられた複数(例えば0chから39chの合計40個)の音声チャンネルと、サブCPU340から入力される制御コマンドを音声チャンネルに入力する制御部とを有している。当該制御部に入力される制御コマンドには、例えばデコード部用制御コマンドおよび音量制御コマンドがある。音声制御部350は、複数の音声チャンネルのそれぞれから出力される音声信号を混合した信号を出力するミキサーと、ミキサーから出力された信号に対して所定の音声処理を施して生成した音声信号を出力するオーディオ信号処理部とを有している。オーディオ信号処理部における所定の音声処理には、例えばイコライズ、エフェクト処理、パンニングおよびループなどがある。
本実施形態では例えば、40個の音声チャンネルのうち、0chから5chの6個の音声チャンネルは、異常(エラー)報知に用いる音声用に予約されており、演出用の音声には用いることができないように設定されている。音声制御部350は、残りの6chから39chの音声チャンネルから空いている音声チャンネルを選択し、サブCPU340から指示された音声データの再生に使用する。音声チャンネルごとのステータスとして音量も設定される。
図7に示すように、アンプ群4は、複数(本実施形態では3個)のアンプ41,42,43を有している。アンプ41、アンプ42およびアンプ43は、副制御部330aに設けられた音声制御部350に接続されている。音声制御部350は、例えばI2C(Inter−Integrated Circuit)の規格に準拠するクロック信号SCLおよび送信データSDAをアンプ41、アンプ42およびアンプ43に対して出力するように構成されている。音声制御部350は、サブCPU340(図5参照)から入力される例えばコマンドに含まれる制御対象のアンプに対して当該コマンドに含まれる音声に関する各種パラメータをI2Cの規格に準拠する方式に変換して送信するように構成されている。例えば、サブCPU340から入力されるコマンドに、音声に関するパラメータ情報とともに制御対象のアンプとしてアンプ41の情報が含まれていた場合、音声制御部350は、当該各種パラメータを含む送信データSDAをクロック信号SCLに同期させてアンプ41に送信する。
音声制御部350およびアンプ41,42,43は、クロック信号SCLおよび送信データSDAを用いて双方向通信が可能に接続されている。これにより、音声に関する各種パラメータを含む送信データSDAが音声制御部350からアンプ41,42,43に送信されたり、当該各種パラメータを受信したことを示す情報を含む送信データSDAやアンプ41,42,43の状態(例えばエラー状態)の情報を含む送信データSDAがアンプ41,42,43から音声制御部350に送信されたりすることができる。
また、音声制御部350は、例えばI2S(Inter−IC Sound)の規格に準拠するシステムクロック信号SCLK、ワードクロック信号LRCLKおよびシリアルデータ信号SDATAをアンプ41、アンプ42およびアンプ43に対して出力するように構成されている。音声制御部350は、サブCPU340(図5参照)から入力される例えばコマンドに含まれる制御対象のアンプに対して当該コマンドに含まれる音声信号をI2Sの規格に準拠する方式に変換して送信するように構成されている。この音声信号は、音声の波長を示すデジタル信号であり、音声の長さ、音声の高さ(音程)および音声の強さ(音量)の情報を含む信号である。例えば、サブCPU340から入力されるコマンドに、音声信号とともに制御対象のアンプとしてアンプ41の情報が含まれていた場合、音声制御部350は、当該音声信号を含むシリアルデータ信号SDATAをシステムクロック信号SCLKに同期させてアンプ41に送信する。この場合、音声制御部350は、音声出力装置51aから出力させる音声信号を含むシリアルデータ信号SDATAと、音声出力装置51bから出力させる音声信号を含むシリアルデータ信号SDATAとをワードクロック信号LRCLKに同期させてアンプ41に順次送信する。音声制御部350は、ワードクロック信号LRCLKの信号レベルが例えば低レベルの際に音声出力装置51aから出力される音声に関する音声信号を含むシリアルデータ信号SDATAをアンプ41に送信するように構成されている。また、音声制御部350は、ワードクロック信号LRCLKの信号レベルが例えば高レベルの際に音声出力装置51bから出力される音声に関する音声信号を含むシリアルデータ信号SDATAをアンプ41に送信するように構成されている。
アンプ41は、音声出力装置群5を構成する音声出力装置51a,51bに接続されている。アンプ41は、音声出力装置51a,51bから出力される音声を処理可能に構成されている。アンプ42は、音声出力装置群5を構成する音声出力装置52a,52bに接続されている。アンプ42は、音声出力装置52a,52bから出力される音声を処理可能に構成されている。アンプ43は、音声出力装置群5を構成する音声出力装置53a,53bに接続されている。アンプ43は、音声出力装置53a,53bから出力される音声を処理可能に構成されている。
図7に示すように、アンプ41は、音声制御部350に接続された信号処理部411と、信号処理部411に接続されたレジスタ413と、信号処理部411に接続されたデジタル−アナログ変換部(Digital to Analog Converter:DAC)415とを有している。以下、デジタル−アナログ変換部を「DAC」と略記する場合がある。
信号処理部411は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)で構成されている。信号処理部411は、音声制御部350から出力されるクロック信号SCLと、クロック信号SCLに同期して音声制御部350から出力される送信データSDAが入力されるように構成されている。送信データSDAには、音声出力装置51a,51bから出力される音声に関する音声処理に用いられる各種パラメータ(詳細は後述)が含まれている。信号処理部411は、I2Cの規格で音声制御部350から入力される送信データSDAに含まれる各種パラメータをレジスタ413に入力することができるように構成されている。さらに、信号処理部411は、レジスタ413に記憶された各種パラメータを読み出すことができるように構成されている。
また、信号処理部411は、音声制御部350から出力されるシステムクロック信号SCLKおよびワードクロック信号LRCLKに同期して音声制御部350から出力されるシリアルデータ信号SDATAが入力されるように構成されている。信号処理部411は、入力されるシリアルデータ信号SDATAに含まれる音声信号に基づく音声データをデータROMから読み出して音声信号を再生するように構成されている。信号処理部411は、ワードクロック信号LRCLKの信号レベルが例えば低レベルの際に入力されるシリアルデータ信号SDATAを用いて、音声出力装置51aから出力される音声のための音声信号を再生するように構成されている。また、信号処理部411は、ワードクロック信号LRCLKの信号レベルが例えば高レベルの際に入力されるシリアルデータ信号SDATAを用いて、音声出力装置51bから出力される音声のための音声信号を再生するように構成されている。
レジスタ413は、信号処理部411から入力される各種パラメータやその他のデータを記憶できるように構成されている。つまり、レジスタ413は、所定データを一時的に記憶可能な記憶部としての機能を発揮するように構成されている。レジスタ413は、各種パラメータの1つとして音声に関するパラメータを記憶可能な格納領域を有している。本実施形態では、音声に関するパラメータには例えば、音声に関する情報として音質の情報を含む音質パラメータと、音声に関する情報として音量の情報を含む音量パラメータとが少なくとも含まれる。レジスタ413は、音質パラメータを記憶可能な格納領域と、音量パラメータを記憶可能な格納領域とを有している。図7および後述する図51では、音質パラメータは、符号「A」が付されて図示されている。さらに、図7および後述する図51では、音質パラメータにおける当該情報の異同は、音質パラメータの符号「A」に後続する数値で表されている。したがって、レジスタ413に記憶された「音質パラメータA1」、後述するレジスタ423に記憶された「音質パラメータA2」並びに後述するレジスタ433に記憶された「音質パラメータA3」および「音質パラメータA4」(図51参照)はいずれも、音質パラメータではあるものの、互いに異なる音質の情報を含むパラメータである。音質パラメータA1,A2,A3,A4は、第一パラメータの一例に相当する。このように、アンプ41は、音質パラメータ(第一パラメータの一例)A1を設定可能に構成されている。
また、図7および後述する図51では、音量パラメータは、符号「B」が付されて表されている。さらに、図7および後述する図51では、音量パラメータにおける当該情報の異同は、音量パラメータの符号「B」に後続する数値で表されている。したがって、レジスタ413に記憶された「音量パラメータB4」、後述するレジスタ423に記憶された「音量パラメータB5」および後述するレジスタ433に記憶された「音量パラメータB6」はいずれも、音量パラメータではあるものの、互いに異なる音量の情報を含むパラメータである。一方、音声制御部350のレジスタ350aに記憶された「音量パラメータB1」、「音量パラメータB2」および「音量パラメータB3」は、互いに異なる音量の情報を含む音量パラメータである。さらに、音量パラメータB1,B2,B3,B4,B5,B6は、互いに異なる音量の情報を含む音量パラメータである。音声制御部350のレジスタ350aに記憶された音量パラメータ(本例では、音量パラメータB1,B2,B3)は、第二パラメータの一例に相当する。
アンプ41に設けられたレジスタ413に設定(記憶)される音量パラメータは、音声出力装置51a,51bから出力される音声の音量の大きさを決定するパラメータである点については、副制御部330aに設けられた音声制御部350のレジスタ350aに記憶される音量パラメータと同様である。しかしながら、レジスタ413に記憶される音量パラメータは、十字ボタン209の押下操作などに基づく音量の設定値に関するパラメータではなく、例えば遊技中の演出の進行に伴う強調対象や抑制対象の音声の音量に関するパラメータである。アンプ41は、異なる音量の情報を含む音量パラメータを設定可能に構成されている。すなわち、アンプ41は、例えばデフォルトの音量の情報を含む音量パラメータ、デフォルトの音量よりも小さい音量の情報を含む音量パラメータおよびデフォルトの音量よりも大きい音量の情報を含む音量パラメータなど、種々の音量パラメータを設定可能である。さらに、アンプ41は、レジスタ413に設定されている音量パラメータを別の音量パラメータに設定変更することが可能に構成されている。例えば、アンプ41は、所定条件が成立した場合(音量制御のタイミング)に、レジスタ413に設定されている音量パラメータを別の音量パラメータに設定変更することが可能に構成されていてもよい。
このように、遊技機100は、複数種類の音量パラメータを有し、アンプ41のレジスタ413および音声制御部350のレジスタ350aに互いに異なる種類の音量パラメータを記憶することができる。
アンプ41に設けられた信号処理部411は、レジスタ413に記憶された音質パラメータA(図7では、音質パラメータA1)および音量パラメータB(図7では、音量パラメータB1)の少なくとも一方を用いて、再生した音声信号に所定の信号処理を施し、信号処理後の音声データをDAC415に出力するように構成されている。信号処理部411からDAC415に出力される信号処理後の音声データは、デジタル信号である。信号処理部411は、音質パラメータを用いた信号処理として、例えば音質パラメータの値に基づき音質を変調する。具体的には、信号処理部411は、音声信号の周波数を変更し音声を全体的に低い音域や高い音域に変更する。また、信号処理部411は、音声制御部350から入力される音質パラメータを用いて、再生した音声信号に所定の信号処理を施し、信号処理後の音声データをDAC415に出力するように構成されていてもよい。信号処理部411は、音質パラメータAおよび音量パラメータBの少なくとも一方を用いて、ワードクロック信号LRCLKの信号レベルが低レベルの際に入力されるシリアルデータ信号SDATAを用いて再生した音声信号に所定の信号処理を施す。さらに、信号処理部411は、当該信号処理とは別に、音質パラメータAおよび音量パラメータBの少なくとも一方を用いて、ワードクロック信号LRCLKの信号レベルが高レベルの際に入力されるシリアルデータ信号SDATAを用いて再生した音声信号に所定の信号処理を施す。このため、信号処理部411は、音声出力装置51aから出力される音声と、音声出力装置51bから出力される音声とを別個独立に処理することができるように構成されている。
このように、アンプ41は、音質パラメータA(第一パラメータの一例)に含まれる音質の情報(音声に関する情報の一例)に基づいて音声出力装置51a,51bから出力される音声を処理することができるように構成されている。また、アンプ41は、レジスタ413に記憶された音量パラメータBに含まれる音量の情報(音声に関する情報の一例)に基づいて音声出力装置51a,51bから出力される音声を処理することができるように構成されている。
DAC415は、信号処理部411から入力されるデジタル信号の音声データ(以下、「デジタル音声信号」と称する場合がある)をアナログ信号の音声データ(以下、「アナログ音声信号」と称する場合がある)に変換して音声出力装置51a,51bに出力するように構成されている。DAC415に入力されるデジタル音声信号は、音声出力装置51a,51bから出力される音声に関する情報を含む音声データである。また、DAC415には、信号処理部411で音質や音量の処理が施されたデジタル音声信号が入力される。このため、DAC415は、信号処理部411で施された信号処理が反映されたアナログ音声信号を出力できる。DAC415は、音声出力装置51aから出力される音声と、音声出力装置51bから出力される音声とを別個独立に処理することができるように構成されている。つまり、DAC415は、音声出力装置51aから出力される音声に関する信号であって信号処理部411から入力されるデジタル音声信号と、音声出力装置51bから出力される音声に関する信号であって信号処理部411から入力されるデジタル音声信号とを別個独立にデジタル−アナログ変換できるように構成されている。
図示は省略するが、アンプ41は、DAC415から出力されるアナログ音声信号をパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)してパルス信号に変換するPWM変換部と、当該パルス信号が入力される増幅器(例えばD級増幅器)とを有している。音声出力装置51aおよび音声出力装置51bはそれぞれ、当該増幅器が出力するパルス信号が入力される低域通過フィルタ(不図示)を有している。音声出力装置51aは、当該低域通過フィルタから入力されるアナログ信号に対応する音声を出力するように構成されている。また、音声出力装置51bは、当該低域通過フィルタから入力されるアナログ信号に対応する音声を出力するように構成されている。
このように、アンプ41は、音声制御部350から入力されるデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換して当該アナログ音声信号を音声出力装置51a,51bに出力可能に構成されている。また、アンプ41は、音声制御部350から入力されるデジタル音声信号をレジスタ413に設定された音質パラメータで所定の信号処理(例えば音質の変調処置)を施した後に、アナログ音声信号に変換し、変換したアナログ音声信号に基づく音声を音声出力装置51a,51bから出力させるために、変換したアナログ音声信号に基づく音声を音声出力装置51a,51bに出力可能に構成されている。
アンプ41は、音声出力装置51a,51bから出力される音声を消音可能に構成されている。音声制御部350から入力される送信データSDAに音量がゼロの情報を有する音量パラメータが含まれている場合、信号処理部411は、レジスタ413に音量がゼロの情報を有する音量パラメータを設定するとともに、レジスタ413に設定されている音量パラメータの情報(音量がゼロの情報)に基づいてDAC415に音量がゼロに相当する音声データを出力する。これにより、アンプ41は、音声出力装置51a,51bを消音させることができる。また、図7に示すように、アンプ41は、音声出力装置51a,51bから出力させる音声を消音させている消音期間に切り替えられたことを示す消音切替信号Smaを副制御部330aに出力するように構成されている。アンプ41は、消音期間でない場合には消音切替信号Smaの信号状態を無効状態(例えば信号レベルを低レベルの状態)とし、消音期間である場合には消音切替信号Smaの信号状態を有効状態(例えば信号レベルを高レベルの状態)とするように構成されている。これにより、副制御部330aは、音声出力装置51a,51bが消音状態であるか否かを判定することができる。
アンプ42に設けられた信号処理部421は、アンプ41に設けられた信号処理部411と同様の構成を有し、同様の機能を発揮するように構成されている。アンプ42に設けられたレジスタ423は、アンプ41に設けられたレジスタ413と同様の構成を有し、同様の機能を発揮するように構成されている。アンプ42に設けられたDAC425は、アンプ41に設けられたDAC415と同様の構成を有し、同様の機能を発揮するように構成されている。
また、図示は省略するが、アンプ42は、アンプ41と同様に、DAC425から出力されるアナログ音声信号をパルス幅変調してパルス信号に変換するPWM変換部と、当該パルス信号が入力される増幅器(例えばD級増幅器)とを有している。
さらに、アンプ42は、アンプ41と同様に、音声出力装置52a,52bから出力される音声を消音可能に構成されている。アンプ42は、アンプ41と同様に、音声出力装置52a,52bから出力させる音声を消音させている消音期間であることを示す消音切替信号Smaを副制御部330aに出力するように構成されている。アンプ42は、消音期間でない場合には消音切替信号Smaの信号状態を無効状態(例えば信号レベルを低レベルの状態)とし、消音期間である場合には消音切替信号Smaの信号状態を有効状態(例えば信号レベルを高レベルの状態)とするように構成されている。
このように、アンプ42は、アンプ41と同様に、音質パラメータA(第一パラメータの一例)に含まれる音質の情報(音声に関する情報の一例)に基づいて音声出力装置52a,52bから出力される音声を処理することができるように構成されている。また、アンプ42は、音量パラメータB(第二パラメータの一例)に含まれる音量の情報(音声に関する情報の一例)に基づいて音声出力装置52a,52bから出力される音声を処理することができるように構成されている。さらに、アンプ42は、音声出力装置52a,52bから出力される音声を消音可能に構成されている。つまり、アンプ42は、アンプ41と同様の構成を有し、同様の機能を発揮するように構成されている。このため、アンプ42の詳細な説明は省略する。なお、図7では、アンプ42のレジスタ423には、音質パラメータA2および音量パラメータB2が記憶された状態が図示されている。
アンプ43に設けられた信号処理部431は、アンプ41に設けられた信号処理部411と同様の構成を有し、同様の機能を発揮するように構成されている。アンプ43に設けられたレジスタ433は、アンプ41に設けられたレジスタ413と同様の構成を有し、同様の機能を発揮するように構成されている。アンプ43に設けられたDAC435は、アンプ41に設けられたDAC415と同様の構成を有し、同様の機能を発揮するように構成されている。
また、図示は省略するが、アンプ43は、アンプ41と同様に、DAC435から出力されるアナログ音声信号をパルス幅変調してパルス信号に変換するPWM変換部と、当該パルス信号が入力される増幅器(例えばD級増幅器)とを有している。
さらに、アンプ43は、アンプ41と同様に、音声出力装置53a,53bから出力される音声を消音可能に構成されている。アンプ43は、アンプ41と同様に、音声出力装置53a,53bから出力させる音声を消音させている消音期間であることを示す消音切替信号Smaを副制御部330aに出力するように構成されている。アンプ43は、消音期間でない場合には消音切替信号Smaの信号状態を無効状態(例えば信号レベルを低レベルの状態)とし、消音期間である場合には消音切替信号Smaの信号状態を有効状態(例えば信号レベルを高レベルの状態)とするように構成されている。
このように、アンプ43は、アンプ41と同様に、音質パラメータA(第一パラメータの一例)に含まれる音質の情報(音声に関する情報の一例)に基づいて音声出力装置53a,53bから出力される音声を処理することができるように構成されている。また、アンプ43は、音量パラメータB(第二パラメータの一例)に含まれる音量の情報(音声に関する情報の一例)に基づいて音声出力装置53a,53bから出力される音声を処理することができるように構成されている。さらに、アンプ43は、音声出力装置53a,53bから出力される音声を消音可能に構成されている。つまり、アンプ43は、アンプ41と同様の構成を有し、同様の機能を発揮するように構成されている。このため、アンプ43の詳細な説明は省略する。なお、図7では、アンプ43のレジスタ433には、音質パラメータA3および音量パラメータB3が記憶された状態が図示されている。すなわち、図7に示すように、複数のアンプ41,42,43はそれぞれ、音質パラメータ(第一パラメータの一例)を設定可能である。また、複数のアンプ41,42,43はそれぞれ、音量パラメータ(第二パラメータの一例)を設定可能である。
図示は省略するが、音声出力装置52aおよび音声出力装置52bはそれぞれ、音声出力装置51a,51bと同様に、DA425に設けられた増幅器が出力するパルス信号が入力される低域通過フィルタを有している。音声出力装置52aは、当該低域通過フィルタから入力されるアナログ信号に対応する音声を出力するように構成されている。また、音声出力装置52bは、当該低域通過フィルタから入力されるアナログ信号に対応する音声を出力するように構成されている。
図示は省略するが、音声出力装置53aおよび音声出力装置53bはそれぞれ、音声出力装置51a,51bと同様に、DA435に設けられた増幅器が出力するパルス信号が入力される低域通過フィルタを有している。音声出力装置53aは、当該低域通過フィルタから入力されるアナログ信号に対応する音声を出力するように構成されている。また、音声出力装置53bは、当該低域通過フィルタから入力されるアナログ信号に対応する音声を出力するように構成されている。
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、第1大入賞口126および第2大入賞口128が開放される大役遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、大役遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である。
また、非時短遊技状態というのは、可動片122bが開状態になりにくく、第2始動口122に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片122bが開状態になりやすく、第2始動口122に遊技球が入球しやすい遊技状態である。なお、遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定され、この遊技状態を本実施形態では通常遊技状態と称する。
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、第1大入賞口126(または第2大入賞口128)が開放されるとともに第1大入賞口126(または第2大入賞口128)への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値(保留情報)がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留とよぶ。
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。
例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、第1特図保留記憶領域の第1〜第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部〜第3記憶部に特1保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。また、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部の中で、特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、第1特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
次に、遊技機100における大役抽選に用いる大当たり判定テーブルについて図8および図9を用いて説明する。
図8は、低確時大当たり判定テーブルを説明する図であり、図9は高確時大当たり判定テーブルを説明する図である。遊技機100において、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜65535の比較数値範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態、および、設定中の設定値に応じて大当たり判定テーブル(大当たりの判定に用いる比較数値範囲)が選択され、当該選択された大当たり判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
低確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、図8(a)から図8(f)に示す低確時大当たり判定テーブルが参照される。ここで、本実施形態では、有利度合いを異にする6段階の設定値が設けられており、低確時大当たり判定テーブルは、設定値ごとに設けられている。遊技中は、設定値が6段階のうちのいずれかに設定されており、現在設定されている設定値に対応する低確時大当たり判定テーブルを参照して大役抽選が行われる。
低確率遊技状態において、設定値=1に設定されている場合には、図8(a)に示す低確時大当たり判定テーブルaを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり判定テーブルaによれば、大当たり決定乱数が10001〜10218であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/300となる。
設定値=2に設定されている場合には、図8(b)に示す低確時大当たり判定テーブルbを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり判定テーブルbによれば、大当たり決定乱数が10001〜10243であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/270となる。
設定値=3に設定されている場合には、図8(c)に示す低確時大当たり判定テーブルcを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり判定テーブルcによれば、大当たり決定乱数が10001〜10273であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/240となる。
設定値=4に設定されている場合には、図8(d)に示す低確時大当たり判定テーブルdを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり判定テーブルdによれば、大当たり決定乱数が10001〜10312であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/210となる。
設定値=5に設定されている場合には、図8(e)に示す低確時大当たり判定テーブルeを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり判定テーブルeによれば、大当たり決定乱数が10001〜10364であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/180となる。
設定値=6に設定されている場合には、図8(f)に示す低確時大当たり判定テーブルfを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり判定テーブルfによれば、大当たり決定乱数が10001〜10437であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/150となる。
また、高確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、図9(a)から図9(f)に示す高確時大当たり判定テーブルが参照される。ここで、本実施形態では、低確時大当たり判定テーブルと同様に高確時大当たり判定テーブルが設定値ごとに設けられている。このため、高確率遊技状態において、現在設定されている設定値に対応する高確時大当たり判定テーブル(大当たりの判定に用いる比較数値範囲)を参照して大当たりの判定が行われる。
高確率遊技状態において、設定値=1に設定されている場合には、図9(a)に示す高確時大当たり判定テーブルaを参照して大役抽選が行われる。高確時大当たり判定テーブルaによれば、大当たり決定乱数が10001〜10655であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/100となる。
設定値=2に設定されている場合には、図9(b)に示す高確時大当たり判定テーブルbを参照して大役抽選が行われる。高確時大当たり判定テーブルbによれば、大当たり決定乱数が10001〜10728であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/90となる。
設定値=3に設定されている場合には、図9(c)に示す高確時大当たり判定テーブルcを参照して大役抽選が行われる。高確時大当たり判定テーブルcによれば、大当たり決定乱数が10001〜10819であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/80となる。
設定値=4に設定されている場合には、図9(d)に示す高確時大当たり判定テーブルdを参照して大役抽選が行われる。高確時大当たり判定テーブルdによれば、大当たり決定乱数が10001〜10936であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/70となる。
設定値=5に設定されている場合には、図9(e)に示す高確時大当たり判定テーブルeを参照して大役抽選が行われる。高確時大当たり判定テーブルeによれば、大当たり決定乱数が10001〜11092であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/60となる。
設定値=6に設定されている場合には、図9(f)に示す高確時大当たり判定テーブルfを参照して大役抽選が行われる。高確時大当たり判定テーブルfによれば、大当たり決定乱数が10001〜11310であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/50となる。
以上のように、本実施形態による遊技機100は、低確率遊技状態および高確率状態のいずれに設定されている場合にも、設定中の設定値に応じて大役抽選が行われる。本実施形態において大役抽選は、上述の設定値に応じて大当たりの当選確率が異なっており、設定値が高い場合の方が低い場合に比べて大当たりに当選しやすくなっている。また、本実施形態では、大当たり判定テーブルにおける比較数値範囲(大当たり決定乱数と比較する数値範囲)の下限値は同一の値(10001)となっている。これにより遊技機100は、大役抽選時において大当たり判定に係る制御処理手順を効率化することができる。大当たり判定の制御処理手順については後述する。
また、遊技機100において、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たりの当選確率が高くなる。また、ここでは、大当たりの当選確率は、設定値ごとに異なる構成としたが、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかにおける大当たりの当選確率を、全設定値で共通としてもよい。
また、図8では設定値ごとに低確時大当たり判定テーブルが設けられている例を示しているが、例えば遊技機100の記憶領域(例えばメインROM300b)において低確時大当たり判定テーブルは、設定ごとに異なる比較数値範囲を規定する一のテーブルとして構成されてもよい。また、高確時大当たり判定テーブルも同様に、設定ごとに異なる比較数値範囲を規定する一のテーブルとして構成されてもよい。
また、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たりの当選確率が高くなる。ここでは、高確率遊技状態における大当たりの当選確率は、全設定値で共通としたが、高確率遊技状態における大当たりの当選確率を、設定値ごとに異ならせてもよい。この場合であっても、相対的に低い設定値において大当たりに当選する大当たり決定乱数の当選範囲が、相対的に高い設定値での大当たりに当選する大当たり決定乱数の当選範囲に含まれるように、大当たりに当選する大当たり決定乱数の当選範囲が設定されていればよい。
図10は、当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、図10(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルが選択され、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、図10(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルが選択される。以下では、当たり図柄乱数によって決定される特別図柄、すなわち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄とよび、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄とよぶ。
図10(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブル、図10(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(大当たり図柄)が決定される。また、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定され、当該抽選結果が特2保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Yが決定される。つまり、当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「大当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に参照されることはない。
図11は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチグループ決定乱数判定テーブルは複数設けられており、保留種別や保留数、さらには遊技状態に対応付けて設定される変動状態等に応じて1のテーブルが選択される。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜10006の範囲内から1つのリーチグループ決定乱数が取得される。上記のように、大役抽選結果が導出されると、当該大役抽選結果を報知する変動演出パターンを決定する処理が行われる。本実施形態では、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、変動演出パターンを決定するにあたって、まず、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブルとによってグループ種別が決定される。
例えば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されており、変動状態が通常1変動状態に設定されているときに、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出された場合において、大役抽選を行うときの特1保留数(以下、単に「保留数」という)が0個であれば、図11(a)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル1が選択される。同様に、保留数が1個であれば、図11(b)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル2が選択され、保留数が2、3個であれば、図11(c)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル3が選択される。なお、図11において、グループ種別の欄に記載しているグループxは、任意のグループ番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチグループ決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、グループ種別として種々のグループ番号が決定されることとなる。
このように、本実施形態では、変動演出パターンを決定するためのテーブルが、設定されている遊技状態に加えて、変動状態に基づいて決定される。つまり、変動状態とは、いずれのテーブルを参照して変動演出パターンを決定するかが規定されたものであり、遊技状態とは別に設定される概念である。
なお、大役抽選結果が「大当たり」であった場合には、変動演出パターンを決定するにあたってグループ種別を決定することはない。つまり、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に参照されることはない。
図12は、リーチモード決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチモード決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に選択されるハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルと、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に選択される大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとに大別される。なお、ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルは、上記のように決定されたグループ種別ごとに設けられており、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルは、保留種別ごとに設けられている。また、各リーチモード決定乱数判定テーブルは、遊技状態や図柄の種別ごとにも設けられている。ここでは、所定の遊技状態および図柄種別において参照されるグループx用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図12(a)に示し、特1用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図12(b)に示し、特2用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図12(c)に示す。
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜250の範囲内から1つのリーチモード決定乱数が取得される。そして、上記の大役抽選の結果が「ハズレ」であった場合には、図12(a)に示すように、上記のグループ種別の抽選により決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択されたハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。また、上記の大役抽選の結果が「大当たり」であった場合には、図12(b)、(c)に示すように、読み出された保留種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択された大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。
また、各リーチモード決定乱数判定テーブルにおいては、リーチモード決定乱数に、変動モード番号とともに、後述する変動パターン乱数判定テーブルが対応付けられており、変動モード番号が決定されるのと同時に、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。なお、図13において、変動パターン乱数判定テーブルの欄に記載しているテーブルxは、任意のテーブル番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチモード決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、変動モード番号と、変動パターン乱数判定テーブルのテーブル番号とが決定されることとなる。また、本実施形態において、変動モード番号および後述する変動パターン番号は、16進数で設定されている。以下において、16進数を示す場合には「H」を付するが、図12〜図14に「○○H」と記載しているのは、16進数で示される任意の値を示すものである。
以上のように、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合には、まず、図11に示すリーチグループ決定乱数判定テーブルとリーチグループ決定乱数とによってグループ種別が決定される。そして、決定されたグループ種別と遊技状態に応じ、図12(a)に示すハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号および変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
一方、大役抽選結果が「大当たり」であった場合には、決定された大当たり図柄(特別図柄の種別)、大当たり当選時の遊技状態等に応じ、図12(b)および図12(c)に示す大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号、変動パターン乱数判定テーブルが決定されることとなる。
図13は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図である。ここでは、所定のテーブル番号xの変動パターン乱数判定テーブルxを示すが、変動パターン乱数判定テーブルは、この他にも、テーブル番号ごとに多数設けられている。
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜238の範囲内から1つの変動パターン乱数が取得される。そして、上記の変動モード番号と同時に決定された変動パターン乱数判定テーブルと、取得した変動パターン乱数とに基づいて、図示のように変動パターン番号が決定される。
このように、大役抽選が行われると、大役抽選結果、決定された図柄種別、遊技状態、保留数、保留種別等に応じて、変動モード番号、変動パターン番号が決定される。これら変動モード番号、変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するものであり、そのそれぞれに、変動演出の態様および時間が対応付けられている。なお、以下では、変動モード番号および変動パターン番号を総称して変動情報と呼ぶ場合がある。
図14は、変動時間決定テーブルを説明する図である。上記のように、変動モード番号が決定されると、図14(a)に示す変動時間1決定テーブルにしたがって変動時間1が決定される。この変動時間1決定テーブルによれば、変動モード番号ごとに変動時間1が対応付けられており、決定された変動モード番号に応じて、対応する変動時間1が決定される。
また、上記のように、変動パターン番号が決定されると、図14(b)に示す変動時間2決定テーブルにしたがって変動時間2が決定される。この変動時間2決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに変動時間2が対応付けられており、決定された変動パターン番号に応じて、対応する変動時間2が決定される。このようにして決定された変動時間1、2の合計時間が、大役抽選結果を報知する変動演出の時間、すなわち、変動時間となる。
以上のようにして変動モード番号が決定されると、当該決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンドが副制御基板330に送信され、変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動モードコマンドに基づいて、主に変動演出の前半の態様が決定され、受信した変動パターンコマンドに基づいて、主に変動演出の後半の態様が決定されることとなる。以下では、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドを総称して変動コマンドと呼ぶ場合があるが、その詳細については後述する。
図15は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図である。この特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中は、この特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、開閉扉ソレノイド126c1、第1大入賞口ソレノイド126c2および第2大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。なお、実際は、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大当たり図柄の種別ごとに複数設けられており、決定された大当たり図柄の種別に応じて、対応するテーブルが大役遊技の開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに全ての大当たり図柄の制御データを示す。
大当たり図柄である特別図柄A〜Dが決定されると、図15に示すように、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して大役遊技が実行される。大役遊技は、第1大入賞口および第2大入賞口128が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成されている。この特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド中の第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放回数)、ソレノイド通電時間(第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放回数ごとの開閉扉ソレノイド126c1、第1大入賞口ソレノイド126c2および第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における第1大入賞口126および第2大入賞口128への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の第1大入賞口126および第2大入賞口128の閉鎖時間、すなわち、インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技(後述する特別図柄の変動表示)が再開されるまでの待機時間)が、大役遊技の制御データとして、大当たり図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
図15に示すように、本実施形態による遊技機100において、大役抽選によって特別図柄A,Bが決定された場合には2回のラウンド遊技が実行され、特別図柄Cが決定された場合には8回のラウンド遊技が実行され、特別図柄Dが決定された場合には10回のラウンド遊技が実行される。1回のラウンド遊技は、第2大入賞口128に規定数(本例では8個)の遊技球が入球するか、予め設定された開放時間(本例では、29秒)が経過すると終了する。また、本実施形態による遊技機100では、第2大入賞口128へ入球した遊技球1個につき、所定数(本例では10個)の賞球が払い出される。このため、本例において1回のラウンド遊技では、最大で合計80個(=10個×規定数8)の賞球が払い出され、最大数(本例では10回)のラウンド遊技では、最大で合計800個(=80個×10ラウンド)の賞球が払い出される。このように、遊技者は、大当たりに基づく大役遊技において実行するラウンド数に応じた賞球を獲得することができる。
図16は、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。図16に示すとおり、特別図柄Aが決定された場合には、大役遊技の終了後に低確率遊技状態に設定され、特別図柄B〜Dが決定された場合には、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定されるとともに、次に大当たりに当選するまでの期間、高確率遊技状態が継続されるように設定される。この場合、次に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。したがって、本実施形態による遊技機100において、高確率遊技状態の継続回数(以下、「高確回数」という)は大当たりに当選するまでの大役抽選結果の導出回数に応じて異なる。なお、遊技機100は、一の高確率遊技状態における予め定められた大役抽選結果の導出回数(例えば100回)を高確回数として設定してもよい。この場合、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定された場合に、当該高確率遊技状態において大当たりの抽選結果が導出されることなく、ハズレの抽選結果が10000回導出されると、低確率遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。
また、大当たり図柄として特別図柄B〜Dが決定された場合には、大役遊技の終了後に遊技状態が時短遊技状態に設定されるとともに、次に大当たりに当選するまでの期間、時短遊技状態が継続されるように設定される。この場合、次に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。したがって、時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」という)は大当たりに当選するまでの大役抽選結果の導出回数に応じて異なる。なお、遊技機100は、一の時短遊技状態における予め定められた大役抽選結果の導出回数(例えば50回)を時短回数として設定してもよい。この場合、時短回数は一の時短遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。また、大当たり図柄として特別図柄Aが決定された場合、大役遊技の終了後に非時短遊技状態に設定される。したがって、本実施形態による遊技機100において特別図柄Aが決定された場合、遊技状態は遊技機100の初期状態と同様の通常遊技状態となる。
このように、本実施形態による遊技機100は、大当たり図柄の種別(当たり種別)に応じて、大役遊技後の遊技状態が設定される。また、遊技機100には、大役遊技におけるラウンド遊技の回数や大役遊技後に設定される遊技状態が異なる複数種類(本例では、4種類)の大当たり図柄の種別(特別図柄A〜D)が用意されている。すなわち、遊技機100における大役抽選では、遊技利益(遊技者が獲得可能な賞球数、有利遊技状態の生起等)が異なる複数種類の当たり種別の中から一の当たり種別が決定される。以降、特別図柄Aによる大当たりの当たり種別を「通常大当たり」、特別図柄B〜Dによる大当たりの当たり種別を「確変時短大当たり」と称する。
なお、遊技機100において、大当たり図柄の種別に応じて、遊技状態や高確回数、時短回数を設定してもよいし、大当たり図柄の種別と大当たり当選時の遊技状態との双方に応じて、大役遊技の終了後の遊技状態および高確回数、時短回数を設定してもよい。
図17は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域116を流下する遊技球がゲート124を通過すると、第2始動口122の可動片122bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過すると、0〜99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留とよぶ。
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図17(a)に示すように、非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が1〜99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は1/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動口122の可動片122bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第2始動口122の可動片122bが閉状態に維持される。
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図17(b)に示すように、時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0〜98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。このように、非時短遊技状態中は、普図抽選の当選確率が時短遊技状態中と比較して低確率の状態(普図低確率遊技状態)となり、時短遊技状態中は普図抽選の当選確率が非時短遊技状態中と比較して高確率の状態(普図高確率遊技状態)となる。
図18(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、図18(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄もしくはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が10秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、第2始動口122の可動片122bが、図18(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して通電制御される。なお、実際は、開閉制御パターンテーブルは、遊技状態ごとに設けられており、普通図柄が決定されたときの遊技状態に応じて、対応するテーブルが普通電動役物ソレノイド122cの通電開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに各遊技状態に対応する制御データを示す。
当たり図柄が決定されると、図18(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して第2始動口122が開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第2始動口122の開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第2始動口122の開放回数)、ソレノイド通電時間(第2始動口122の開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド122cの通電時間、すなわち、1回の第2始動口122の開放時間)、規定数(第2始動口122の全開放中における第2始動口122への最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第2始動口122の各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第2始動口122の最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第2始動口122の制御データとして、遊技状態ごとに、図示のように予め記憶されている。
このように、非時短遊技状態および時短遊技状態には、それぞれ、第2始動口122を開閉するための開閉制御条件が、遊技進行条件として対応付けられており、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート124を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口122が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、大役抽選を行うことが可能となる。
なお、第2始動口122の開閉条件は、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第2始動口122の開放時間の3つの要素を規定するものである。そして、本実施形態では、この3つの要素のうち2つの要素において、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方を有利に設定することで、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも、第2始動口122に遊技球が入球しやすくなるように設定した。しかしながら、上記3つの要素のうち、1つまたは3つの要素について、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも有利に設定してもよい。いずれにしても、時短遊技状態の方が非時短遊技状態に比べて、少なくとも1つの要素について有利となることで、総合的に時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が容易に入球するようにすればよい。つまり、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件にしたがって可動片122bが開閉制御され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件よりも開状態になりやすい第2の条件にしたがって可動片122bが開閉制御されればよい。
次に、遊技機100における遊技の進行に伴う主制御基板300の主な処理について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図19および図20は、主制御基板300におけるCPU初期化処理(S100)を説明するフローチャートである。
電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
本実施形態による遊技機100において、電源投入時の状態(以降、「電源投入時モード」という)を4つに分けている。4つの電源投入時モードの判定には、設定キースイッチ180s、RAMクリア検出スイッチ305sおよび内枠開放スイッチを用いる。
4つの電源投入時モードの判定条件の一例は以下のとおりである。
電源投入時にRAMクリア検出スイッチ305sがオフ状態(RAMクリアボタン305の押圧操作を検出していない)、かつ設定キースイッチ180sがオフ状態(設定キーの変更操作を検出していない)または内枠開放スイッチ145sがオフ状態(内枠104の開放が検出されていない)の場合、通常復帰モードと判定する。通常復帰モードは、通常の遊技を開始し、かつメインRAM300cにおいて一部を除き電源断前にバックアップされた情報の維持を意図して電源投入されたことを示すモードである。
電源投入時にRAMクリア検出スイッチ305sがオン状態(RAMクリアボタン305の押圧操作を検出している)かつ設定キースイッチ180sまたは内枠開放スイッチ145sのいずれかがオフ状態の場合、RAMクリア復帰モードと判定する。RAMクリア復帰モードは、通常の遊技を開始し、かつメインRAM300cにおいて電源断前にバックアップされた情報の初期化(クリア)を意図して電源投入されたことを示すモードである。
また、上述したが、電源投入時に設定キースイッチ180sおよび内枠開放スイッチ145sがオン状態、かつRAMクリア検出スイッチ305sがオフ状態の場合、設定確認モードと判定する。設定確認モードは、通常の遊技を開始せずに、性能表示器300dにおける設定値を確認することを意図して電源投入されたことを示すモードである。
また、上述したが、電源投入時に設定キースイッチ180s、内枠開放スイッチ145sおよびRAMクリア検出スイッチ305sがいずれもオン状態の場合、設定変更モードと判定する。設定変更モードは、通常の遊技を開始せずに、RAMクリアボタン305の押下によって設定値を変更することを意図して電源投入されたことを示すモードである。
このように、電源投入時における設定キースイッチ180s、RAMクリア検出スイッチ305sおよび内枠開放スイッチの操作によって4つの電源投入モードを分けることができる。
(ステップS100−1)
メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行い、ステップS100−3に処理を移す。また、電源投入時において、内枠開放スイッチ145s、RAMクリア検出スイッチ305sおよび設定キースイッチ180sからの入力信号の読み込みを行う。また、内部レジスタとして使用するレジスタ数節約のため、メインCPU300aは、内枠104が閉鎖状態(内枠開放スイッチ145sがオフ状態)である場合、設定変更キー回転信号(オン信号)が入力されても設定キースイッチ180sをオフ状態に読み換える。
(ステップS100−3)
メインCPU300aは、タイマカウンタにウェイト処理時間(例えば、3.1秒間)を設定して、ステップS100−5に処理を移す。
(ステップS100−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100−3に処理を移し改めてウェイト処理時間を設定する。また、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100−7に処理を移す。
(ステップS100−7)
メインCPU300aは、上記ステップS100−3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100−9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100−5に処理を移す。
(ステップS100−9)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセス(読み書き)を許可するために必要な処理(例えば、RAMプロテクトの解除処理)を実行してステップS100−11に処理を移す。
(ステップS100−11)
メインCPU300aは、電源断前の遊技機の状態を確認してステップS100−13に処理を移す。遊技機の状態(遊技機状態)には、設定変更状態、設定確認状態、遊技可能状態および異常状態の4種類の状態がある。
設定変更状態は電源投入時モードが設定変更モードであって、上述のとおり設定値の変更が可能な状態である。
変更確認状態は電源投入時モードが設定確認モードであって、上述のとおり設定値の確認が可能な状態である。
また、遊技可能状態は電源投入時モードが通常復帰モードまたはRAMクリアモードであって、遊技球の発射や遊技球の賞球等の通常の遊技が可能な状態である。
異常状態はメインRAM300cにおいてバックアップ異常やリードライト異常、および設定値が予め定められた範囲(本例では1〜6)に含まれない値である状態(設定値異常)等の所定の不具合が発生している状態を示す。電源投入時モードが、4種類(設定変更モード、設定確認モード、通常復帰モードまたはRAMクリアモード)のいずれのモードであっても、メインRAM300cに不具合が検出された場合は遊技機状態が異常状態に設定される。
また、遊技可能状態以外の遊技機状態(設定変更状態、設定確認状態、異常状態)は、通常の遊技が実行できない状態(遊技停止状態)に該当する。
本実施形態による遊技機100において、遊技機状態は遊技機状態フラグの値として保持されている。遊技機状態フラグは、メインRAM300cの使用領域(図5参照)のうち設定値関連情報および遊技状態関連情報が格納されている第一領域(アドレスF000H〜F1FFH)に記憶されている。メインCPU300aは、メインRAM300cにおける使用領域の第一領域から遊技機状態フラグを既定の内部レジスタにロードして、電源断前の遊技機状態を確認する。
(ステップS100−13)
メインCPU300aは、バックアップフラグが有効であり、かつチェックサムが正常であるか否かを判定する。具体的には、メインCPU300aは、電源断時においてセーブされたバックアップフラグの値をメインRAM300cの使用領域における第二領域からロードする。また、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。さらに、メインCPU300aは、ロードしたバックアップフラグの値が、バックアップが有効であることを示す値(本例では「A5H」)であるか否か判定し、また、算出したチェックサムが電源断時に保存されたチェックサムと一致しているかを判定する。メインCPU300aは、バックアップフラグの値が「A5H」であり、かつチェックサムが一致している場合にはステップS100−15に処理を移す。一方、メインCPU300aは、バックアップフラグの値が「A5H」でない、またはチェックサムが一致していない場合にはステップS100−29に処理を移す。
(ステップS100−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源復帰時(メインRAM300cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象の領域を示すアドレスを内部レジスタにセットして、ステップS100−17に処理を移す。本例では、メインRAM300cの使用領域のうち、図5に示す第二領域および第三領域に該当するアドレスがセットされる。
(ステップS100−17)
メインCPU300aは、RAMクリア検出スイッチ305sがオン状態か否かを判定する。メインCPU300aは、RAMクリア検出スイッチ305sからオン信号が入力されていて、RAMクリア検出スイッチ305sがオン状態である(RAMクリアボタン305が押下されている)と判定すると図20のステップS100−35に処理を移す。一方、メインCPU300aは、RAMクリア検出スイッチ305sからオン信号が入力されていて、RAMクリア検出スイッチ305sがオン状態でない(RAMクリアボタン305が押下されていない)と判定するとステップS100−19に処理を移す。
(ステップS100−19)
メインCPU300aは、遊技機状態が遊技可能状態、または設定キースイッチ180sおよび内枠開放スイッチ145sからオン信号が入力されているか否かを判定する。メインCPU300aは、ステップS100−10でロードした遊技機状態フラグの値を参照し遊技可能状態であると判定した場合にステップS100−21に処理を移す。また、メインCPU300aは、遊技機状態が遊技可能状態でないと判定した場合でも、設定キースイッチ180sおよび内枠開放スイッチ145sからオン信号が入力されていると判定すると同様にステップS100−21に処理を移す。
一方、メインCPU300aは、遊技機状態が遊技可能状態でなく、かつ設定キースイッチ180sおよび内枠開放スイッチ145sからオン信号が入力されていないと判定した場合には、ステップS100−23に処理を移す。
(ステップS100−21)
メインCPU300aは、遊技機状態を設定確認状態に設定する。具体的には、メインCPU300aは、設定確認状態を示す値に遊技機状態フラグの値を設定し、ステップS100−23に処理を移す。
(ステップS100−23)
メインCPU300aは、電源復帰時にクリアすべきクリア対象のデータ、すなわちステップS100−12でセットしたメインRAM300cのアドレスの領域のデータをクリアする初期化処理を行い、ステップS100−25に処理を移す。
(ステップS100−25)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100−27)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行うと、ステップS100−53(図20参照)に処理を移す。
(ステップS100−29)
メインCPU300aは、既定の内部レジスタ(Dレジスタ)にチェックサムが異常状態であること(バックアップ異常)を示すデータを格納し、ステップS100−31に処理を移す。
(ステップS100−31)
メインCPU300aは、メインRAM300cの使用外領域についてリードライトチェック処理を実行し、書き込み読み出し結果の一致性を確認する。メインRAM300cは、チェック結果を既定の内部レジスタに格納するとステップS100−33に処理を移す。
(ステップS100−33)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、RAM異常時にクリアすべきクリア対象の領域を示すアドレスを内部レジスタにセットしてステップS100−35に処理を移す。本例では、メインRAM300cのメモリ領域のうち、図5に示す使用領域および使用外領域に該当するアドレスがセットされる。つまり、バックアップ異常時には、メインRAM300cの全ての領域のデータがクリアされることとなる。
(ステップS100−35)
図20に示すようにメインCPU300aは、メインRAM300cの使用領域についてリードライトチェック処理を実行し、チェック結果を既定の内部レジスタに格納してステップS100−37に処理を移す。また、メインRAM300cは、ステップS100−15またはステップS100−33でセットしたメインRAM300cのアドレスの領域のデータをクリアする。
(ステップS100−37)
メインCPU300aは、ステップS100−35における使用領域のリードライトチェック処理の結果が正常であるか否かを判定する。メインCPU300aは、使用領域のリードライトチェック処理の結果が正常であると判定するとステップS100−39に処理を移す。一方、メインCPU300aは、使用領域のリードライトチェック処理の結果が正常でないと判定するとステップS100−45に処理を移す。
(ステップS100−39)
メインCPU300aは、内部レジスタにおいて遊技機状態として設定確認状態が設定されているか否かを判定する。メインCPU300aは、内部レジスタに設定確認状態を示す値が設定されており、内部レジスタにおいて遊技機状態が設定確認状態に設定されていると判定すると、ステップS100−41に処理を移す。一方、メインCPU300aは、内部レジスタに設定確認状態以外を示す値が内部レジスタに設定されており、内部レジスタにおいて遊技機状態が設定確認状態以外に設定されていると判定すると、ステップS100−43に処理を移す。
(ステップS100−41)
メインCPU300aは、遊技機状態に対応する値として遊技可能状態を示す値を内部レジスタに設定してステップS100−43に処理を移す。
(ステップS100−43)
メインCPU300aは、設定変更が可能な条件が満たされているか否かを判定する。具体的には、メインCPU300aは、設定キースイッチ180s、内枠開放スイッチ145sおよびRAMクリア検出スイッチ305sからオン信号が入力されていると判定すると、設定変更が可能な条件が満たされていると判定してステップS100−47に処理を移す。一方、メインCPU300aは、設定キースイッチ180s、内枠開放スイッチ145sおよびRAMクリア検出スイッチ305sの少なくとも1つからオン信号が入力されていないと判定すると、設定変更が可能な条件が満たされていないと判定してステップS100−49に処理を移す。
(ステップS100−45)
メインCPU300aは、遊技機状態を示す値として、設定変更状態を示す値を内部レジスタに設定してステップS100−49に処理を移す。
(ステップS100−47)
メインCPU300aは、遊技機状態を示す値として、RAM異常が発生している異常状態(RAM異常状態)を示す値を内部レジスタに設定してステップS100−49に処理を移す。
(ステップS100−49)
メインCPU300aは、内部レジスタに設定されている遊技機状態に対応する値を、メインRAM300cの使用領域の第一領域に記憶されている遊技機状態フラグにセーブしてステップS100−51に処理を移す。
(ステップS100−51)
メインCPU300aは、RAMクリア時の初期化処理を実行する。ここで、RAMクリア時とは、電源投入モードが設定変更モードまたはRAMクリアモードである場合(ステップS100−17のYES)、およびバックアップ異常が発生した場合(ステップS100−13のNOまたはステップS100−37のNO)に相当する。RAMクリア時の初期化処理においてメインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)、およびメインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行い、ステップS100−53に処理を移す。
(ステップS100−53)
メインCPU300aは、電源投入時の初期状態の演出制御に必要な各種演出コマンドを副制御基板330に送信するための電源投入時サブコマンドセット処理(コマンドを送信バッファに格納)を実行する。本処理では、例えば、機種指定コマンド、電源投入時特フェーズ指定コマンド、発射位置指定コマンド、特1保留数(X1)を示す特図1保留指定コマンド、特2保留数(X2)を示す特図2保留指定コマンド、特図1図柄確認指定コマンド、特図2図柄確認指定コマンド等が送信バッファにセットされる。なお、メインCPU300aは、演出コマンドに対し、電源復帰時とRAMクリア時とで異なる値をセットすることもできる。
また、本電源投入時サブコマンドセット処理において、メインCPU300aは、現在設定中の設定値を副制御基板330に伝達するための設定値指定コマンドも送信バッファに格納される。
また、メインCPU300aは、本処理において各種の入力ポートのスイッチ状態を初期化する処理も実行する。
例えば、電源復帰時において、メインCPU300aは、メインRAM300cの第一領域(図5参照)で保持されているバックアップ情報に基づいて、各演出コマンドの値を設定し、送信バッファにセットする。これらの演出コマンドが副制御基板330に対して送信されることにより、サブCPU340は、前回の電源遮断時に実行中であった演出(例えば、変動演出や大役遊技の実行に伴う大当たり演出)を再開させることができる。なお、電源断時には副制御基板330のサブRAM330cはクリアされる。このため、電源復帰時における演出コマンドに基づいて再開される演出においては、演出表示部200aにおける表示態様や音声出力装置206での音声出力態様、演出照明装置204の点灯態様等が電源遮断時とは異なる態様となる場合がある。電源復帰時における演出制御については後述する。
メインCPU300aは、電源投入時サブコマンドセット処理を実行した後に、ステップS400−55に処理を移す。
(ステップS100−55)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期(本例では、4ミリ秒)を設定しステップS200に処理を移す。
(ステップS200)
メインCPU300aは、メインループ処理を開始する。メインループ処理の詳細は、後述する。
次に、主制御基板300におけるメインループ処理について説明する。図21は、メインループ処理を説明するフローチャートである。遊技機100は、電力供給が保たれている間は、主制御基板300においてメインループ処理を繰り返し実行する。
(ステップS200−1)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS200−3)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数−1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
(ステップS200−5)
メインCPU300aは、シリアル通信受信割込み処理により保存した払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。なお、シリアル通信受信割込み処理は主コマンドの保存を行う割込み処理であるが、詳細な説明は省略する。
(ステップS200−7)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されている未送信のサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
(ステップS200−9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS200−11)
メインCPU300aは、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS200−1からステップS200−11の順に処理を繰り返す。なお、以下では、変動演出パターンを決定するためのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を総称して変動演出用乱数と呼ぶ。
次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
図22は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、メインループ処理の割込み許可期間中(ステップS200−1とステップS200−11の処理の間)に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300−1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS300−3)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−7に処理を移す。
(ステップS300−7)
メインCPU300aは、レジスタを復帰させてメインループ処理に戻る。
(ステップS300−9)
メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300−11)
メインCPU300aは、バックアップ有効フラグにバックアップが有効であることを示す値(「A5H」)をセットするバックアップ有効設定処理を実行する。バックアップ有効フラグは、メインRAM300cの使用領域(図5参照)のうち第二領域に記憶されている。
(ステップS300−13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。メインCPU300aは、チェックサム設定処理において、メインRAM300cに割り当てられた全てのメモリ領域(使用領域および使用外領域)のチェックサムを、使用領域のうち第二領域に保存する。
(ステップS300−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS300−17)
メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、電源断監視タイマをセットする電源断発生監視時間の設定処理を実行する。本実施形態による遊技機100は、電源断監視タイマにより所定の電源断発生監視時間(例えば10ミリ秒間)を計時する。
(ステップS300−19)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−21)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−17に処理を移して新たに電源断発生監視時間の計時を開始し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−23に処理を移す。
(ステップS300−23)
メインCPU300aは、上記ステップS300−17でセットした電源断発生監視時間が経過したか否かを判定する。具体的には、メインCPU300aは、電源断監視タイマのタイマカウンタの値を1減算し、減算後のタイマカウンタが示す値に基づいて電源断発生監視時間の経過を判定する。メインCPU300aは、電源断発生監視時間が経過したと判定するとステップS300−3に処理を移す。これにより、電源断発生監視時間が経過するまで電源断予告信号を検出していない(予告信号がオフ状態である)ことから、電源断時退避処理を終了してメインループ処理に戻る(ステップS300−5のYESからステップS300−7の流れ)。一方、メインCPU300aは、電源断発生監視時間が経過していないと判定するとステップS300−19に処理を移す。
なお、通常の電源断時には、電源断予告信号のチェックを繰り返して(ステップS300−17〜ステップS300−21の処理をループして)、電圧低下による電源断を待機することになる。
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図23は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400−1)
メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS400−3)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。メインCPU300aは、割込みを許可するにあたり、割込みフラグの初期化を実行する。割込みフラグは、所定のタイマ割込み周期(本例では、4ms)でセット(値「1」を設定)されるフラグである。割込みフラグがセットされている期間はタイマ割込みの発生が許可されない期間であり、割込みフラグを初期化(値「0」を設定)することでタイマ割込みが許可される。
(ステップS400−5)
メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172、および性能表示器300dを点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400−7)
メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。ポート入力処理においてメインCPU300aは、例えば入力ポートに入力された各種スイッチ信号を読み込むと、当該信号を正論理に変換してメインRAM300cに保存する。また、各種スイッチ信号に関し、前回入力値と今回入力値とを元に、オン検出フラグ(オフ状態からオン状態への切り替わりの検出を示すフラグ)を生成して保存する。これにより、各種スイッチ信号の前回からの変化を踏まえた正確なスイッチ状態を把握することができる。
(ステップS400−9)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグをロードして、現在の遊技機状態を内部レジスタにセットする。
(ステップS400−11)
メインCPU300aは、ロードした遊技機状態が遊技可能状態か否かを判定する。メインCPU300aは、ロードした遊技機状態が遊技可能状態であると判定するとステップS400−15に処理を移す。一方、メインCPU300aは、ロードした遊技機状態が遊技可能状態でないと判定するとステップS400−13に処理を移す。
(ステップS400−13)
メインCPU300aは、ロードした遊技機状態が異常状態か否かを判定する。メインCPU300aは、ロードした遊技機状態が異常状態であると判定するとステップS400−29に処理を移す。一方、メインCPU300aは、ロードした遊技機状態が異常状態でないと判定するとステップS410に処理を移す。
(ステップS410)
メインCPU300aは、設定値関連処理を実行してステップS400−29に処理を移す。設定値関連処理は、設定値の確認または変更を行うための処理であって、遊技機状態が遊技可能状態および異常状態のいずれでもない(ステップS400−11のNOかつステップS400−13のNO)、すなわち設定変更状態または設定確認状態であることに基づいて実行される。設定値関連処理については後述する。
(ステップS400−15)
メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS400−17)
メインCPU300aは、上記ステップS200−3と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
(ステップS400−19)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当たり決定乱数および当たり決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
(ステップS500)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップS600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS400−21)
メインCPU300aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。エラー管理処理では、例えば磁気、電波等の監視を行い異常発生時や異常の解除時にサブコマンドを設定する。
(ステップS400−23)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、各入賞口の検出スイッチに該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
(ステップS400−25)
メインCPU300aは、上記ステップS400−23でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
(ステップS400−27)
メインCPU300aは、遊技の進行状況(特別遊技や普通遊技の進行状況)に基づいて遊技球の発射位置を決定する発射位置指定管理処理を実行する。本処理においてメインCPU300aは、後述する特別遊技管理フェーズや普通遊技管理フェーズに基づいて、開閉扉ソレノイド126c1、第1大入賞口ソレノイド126c2および第2大入賞口ソレノイド128cや普通電動役物ソレノイド122cの通電状況、すなわち第1大入賞口126および第2大入賞口128や第2始動口122の可動片122bの開閉状況を判断し、発射位置(右打ち、又は左打ち)を決定する。なお、本処理は、特別遊技管理処理の中で実行してもよい。
(ステップS400−29)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部(例えば、遊技店に設置されているホールコンピュータ)へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。外部情報管理処理では、遊技機状態が遊技停止状態(設定変更状態、設定確認状態、異常状態のいずれか)である期間中も、継続的に外部情報を出力して遊技機100の状態を外部に報知するための処理が実行される。
(ステップS400−31)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172等の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。また、例えばLED表示設定処理において、メインCPU300aは、メインRAM300cの設定値バッファから設定値データをロードして、性能表示器300dに設定値を表示するための表示データを生成しコモン出力バッファにセットする。これにより、性能表示器300dの表示領域361〜364において設定値の表示切替え等を行うことができる。なお、性能表示器300dにおける出球率(ベース)の点灯制御は、後述するステップS400−41の性能表示モニタ制御処理で行う。
(ステップS400−33)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122c、開閉扉ソレノイド126c1、第1大入賞口ソレノイド126c2および第2大入賞口ソレノイド128cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
(ステップS400−35)
メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
(ステップS400−37)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理(割込みフラグのセット)を行う。
(ステップS400−39)
メインCPU300aは、試験信号出力処理を実行する。本処理において、メインCPU300aは、遊技機100の現在の内部状態を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力する。この試験信号により、例えば遊技機100の試験時等に、主制御基板300の外部でメインCPU300aの内部状態を確認することができる。
(ステップS400−41)
メインCPU300aは、性能表示モニタ制御処理を実行する。本処理においてメインCPU300aは、出玉率(ベース)に関する情報を性能表示器300dに表示するためのコモンデータを生成してコモン出力バッファにセットする。これにより、性能表示器300dの表示領域361〜364においてベース値の表示切替等を行うことができる。また、メインCPU300aは性能表示モニタ制御処理において、性能表示器300dに表示するベース値に関する演算処理を行ってもよい。
(ステップS400−43)
メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
以下に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS410の設定値関連処理、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理について、詳細に説明する。
図24は、主制御基板300における設定値関連処理を説明するフローチャートである。
(ステップS410−1)
メインCPU300aは、タイマ割込み処理(図23参照)のステップS400−9でロードした遊技機状態が設定変更状態か否かを判定する。メインCPU300aは、遊技機状態が設定変更状態であると判定するとステップS410−3に処理を移す。一方、メインCPU300aは、遊技機状態が設定変更状態でない、すなわち設定確認状態であると判定するとステップS410−15に処理を移す。
(ステップS410−3)
メインCPU300aは、メインRAM300cの第一領域(図5参照)から設定値バッファをロードし、現在の設定値に対応する設定値データを内部レジスタにセットする。設定値データは「0」〜「5」の6つの数値データであって、この順に、6段階の設定値(設定1〜設定6)に対応している。本実施形態による遊技機100は、設定値データ(数値「0」〜「5」)によって設定値の管理を行っている。
(ステップS410−5)
メインCPU300aは、RAMクリアボタン305が押下されたか否かを判定する。具体的には、メインCPU300aは、RAMクリア検出スイッチ305sから入力信号(オン信号)が入力され、かつRAMクリア検出スイッチ305sのオン検出フラグがセット(値「1」が設定)されており入力信号の状態の切り替わりが検出されたと判定すると、オン検出フラグをクリア(値「0」を設定)してステップS410−7に処理を移す。一方、メインCPU300aは、RAMクリア検出スイッチ305sのオン検出フラグがクリアされており、オフ状態からオン状態への切り替わりが検出されていないと判定するとステップS410−9に処理を移す。
(ステップS410−7)
メインCPU300aは、内部レジスタにセットされた設定値データを、現在の設定値データに1加算した値に更新する。例えば、ステップS410−3でロードした設定値データが「3」(設定4を示すデータ)であった場合、メインCPU300aは、本処理において内部レジスタの設定値データを「4」(設定5を示すデータ)に更新する。
(ステップS410−9)
メインCPU300aは、内部レジスタにセットされている設定値データが設定比較値未満か否かを判定する。ここで、設定比較値は設定値データの最大値(設定値6に対応する設定値データ「5」)よりも1大きい数値(本例では「6」)である。メインCPU300aは、内部レジスタにセットされている設定値データが設定比較値未満であると判定するとステップS410−13に処理を移す。一方、メインCPU300aは、内部レジスタにセットされている設定値データが設定比較値以上であると判定するとステップS410−11に処理を移す。
(ステップS410−11)
メインCPU300aは、設定値データとして数値「0」を内部レジスタにセットする。これにより、例えば最大の設定値6に対応する設定値データ「5」から最小の設定値1に対応する設定値データ「0」への更新が可能となる。このようにして、遊技機100は、RAMクリアボタン305を押下するごとに、設定値を1〜6(設定値データ「0」〜「5」)に順次更新し、設定値6の次はまた設定値1まで戻るループ処理のように設定値の更新を行うことができる。なお、ステップS410−7の処理で更新した設定値データが「6」(設定比較値と同値)だった場合に、同ステップにおいて設定値データを「0」として更新してもよい。これにより、ステップS410−9、ステップS410−11の処理は不要となる。
(ステップS410−13)
メインCPU300aは、内部レジスタにセットされている設定値データをメインRAM300cの設定値バッファにセーブする。これにより、設定値データがバックアップ対象として保持される。
(ステップS410−15)
メインCPU300aは、設定キー差込口306において設定キーが回転操作または復帰操作されたタイミングか否かを判定するためのオン検出フラグ(設定キースイッチ180sのオン検出フラグ)を確認する。
(ステップS410−17)
メインCPU300aは、設定キースイッチ180sからの入力信号(オン信号)の有無とオン検出フラグに基づいて、設定キー差込口306において設定キーが復帰操作されたタイミングか否かを判定する。メインCPU300aは、設定キースイッチ180sから入力信号が入力されず、かつオン検出フラグがセットされており、設定キースイッチ180sからの入力信号についてオン状態からオフ状態(入力信号なし)への切り替わりが検出されたと判定すると、オン検出フラグをクリア(値「0」を設定)してステップS410−19に処理を移す。一方、メインCPU300aは、設定キースイッチ180sから入力信号が入力されており、かつオン検出フラグがクリアされており、設定キースイッチ180sのオン状態が継続されていると判定すると、ステップS410−19以降の処理を実行せずに本処理を終了して、タイマ割込み処理(図23参照)に戻る。
(ステップS410−19)
メインCPU300aは、設定変更状態または設定確認状態を終了することを示すサブコマンドである設定関連終了指定コマンドをセットする。設定関連終了指定コマンドには、例えば設定変更状態および設定確認状態が終了して設定値が確定したという情報や、設定値に関する情報を含めることができる。
(ステップS410−21)
メインCPU300aは、サブコマンド群セット処理を実行する。サブコマンド群セット処理では、上述の設定関連終了指定コマンド以外の設定変更状態および設定確認状態が終了し、通常の遊技が開始されることに伴って例えば演出の実行制御に係る種々のサブコマンド(例えば、機種コード指定コマンド、発射位置指定コマンド、特図1図柄確認指定コマンド、特図1保留指定コマンド、特図2保留指定コマンド、電源投入時特フェーズ指定コマンド、設定値指定コマンド等)が送信バッファにセットされる。
(ステップS410−23)
メインCPU300aは、メインRAM300cから設定関連終了時ラムセットテーブルのアドレスを取得して内部レジスタにセットする。
(ステップS410−25)
メインCPU300aは、設定関連終了時ラムセットテーブルに基づくラムセット処理を実行する。
(ステップS410−27)
メインCPU300aは、メインRAM300cの遊技機状態フラグに遊技可能状態を示す値をセットして、本処理を終了しタイマ割込み処理に戻る。これにより、遊技機状態が本処理開始時の状態(設定変更状態または設定確認状態)から通常の遊技が可能な遊技可能状態に変更される。
図25は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
(ステップS500−1)
メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−3に処理を移す。
(ステップS510)
メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。なお、このゲート通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−3)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1始動口120に遊技球が入球して第1始動口検出スイッチ120sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−5に処理を移す。
(ステップS520)
メインCPU300aは、第1始動口120への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−5)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−7に処理を移す。
(ステップS530)
メインCPU300aは、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−7)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1大入賞口126および第2大入賞口128に遊技球が入球して第1大入賞口検出スイッチ126sおよび第2大入賞口検出スイッチ128sのいずれか一方から検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS500−9に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
(ステップS500−9)
メインCPU300aは、現在、大役遊技中であるか否かを判定し、第1大入賞口126および第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定する。ここでは、大役遊技中ではないと判定した場合には、所定の不正検出処理を実行し、大役遊技中であり、第1大入賞口126および第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、大入賞口入賞球数カウンタおよび大役中入球数カウンタを1加算して、当該スイッチ管理処理(ステップS500)を終了する。
図26は、主制御基板300におけるゲート通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
(ステップS510−1)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
(ステップS510−3)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該ゲート通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510−5に処理を移す。
(ステップS510−5)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS510−7)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS510−9)
メインCPU300aは、上記ステップS510−1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510−7で算定した対象記憶部にセーブする。
(ステップS510−11)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該ゲート通過処理を終了する。
図27は、主制御基板300における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
(ステップS520−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
(ステップS520−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行して、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
図28は、主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
(ステップS530−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
(ステップS530−3)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行する。
(ステップS530−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、普通遊技管理フェーズは、普通遊技の実行処理の段階、すなわち、普通遊技の進行状況を示すものであり、普通遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
(ステップS530−7)
メインCPU300aは、上記ステップS530−5でロードした普通遊技管理フェーズが「04H」ではないかを判定する。なお、普通遊技管理フェーズの「04H」は、普通電動役物入賞口開放制御処理中であることを示すものである。この普通電動役物入賞口開放制御処理においては、普通電動役物ソレノイド122cが通電されて第2始動口122の可動片122bが開状態に制御されることから、ここでは、第2始動口122が適正に開放され得る状態にあるかを判定することとなる。その結果、普通遊技管理フェーズが「04H」ではないと判定した場合には当該第2始動口通過処理を終了し、普通遊技管理フェーズが「04H」であると判定した場合にはステップS530−9に処理を移す。
(ステップS530−9)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該第2始動口通過処理を終了する。
図29は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
(ステップS535−1)
メインCPU300aは、上記ステップS520−1またはステップS530−1でセットした特別図柄識別値をロードする。
(ステップS535−3)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
(ステップS535−5)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された大当たり決定乱数をロードする。
(ステップS535−7)
メインCPU300aは、上記ステップS535−3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、ステップS535−23に処理を移し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535−9に処理を移す。
(ステップS535−9)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS535−11)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の記憶部のうち、取得した大当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS535−13)
メインCPU300aは、上記ステップS535−5でロードした大当たり決定乱数、上記ステップS400−13で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS200−11で更新されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535−11で算定した対象記憶部に格納する。
(ステップS535−15)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域に記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を更新して記憶する特別図柄保留球入賞順序設定処理を行う。
(ステップS536)
メインCPU300aは、上記ステップS535−13で対象記憶部に格納した各種の乱数に基づいて、取得時演出判定処理を実行する。この取得時演出判定処理の詳細は後述する。
(ステップS535−17)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
(ステップS535−19)
メインCPU300aは、上記ステップS535−17でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。これにより、特1保留または特2保留が記憶されるたびに、特1保留数および特2保留数が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS535−21)
メインCPU300aは、上記ステップS535−15で記憶した特1保留および特2保留の入賞順序に対応する特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS535−23)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS535−25)
メインCPU300aは、上記ステップS535−23でロードした普通遊技管理フェーズを確認し、後述する普通電動役物入賞口開放制御状態未満(普通遊技管理フェーズ<
04H)であるかを判定する。その結果、普通電動役物入賞口開放制御状態未満であると判定した場合にはステップS535−27に処理を移し、普通電動役物入賞口開放制御状態未満ではないと判定した場合には当該特別図柄乱数取得処理を終了する。
(ステップS535−27)
メインCPU300aは、各始動口において異常入賞があったか否かを判定するとともに、異常入賞があったと判定した場合には、所定の処理を行う始動口異常入賞エラー処理を実行し、当該特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を終了する。
図30は、主制御基板300における取得時演出判定処理(ステップS536)を説明するフローチャートである。
(ステップS536−1)
メインCPU300aは、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、ロードした特別図柄確率状態フラグに基づいて、低確率遊技状態であるかを判定する。その結果、低確率遊技状態であると判定した場合にはステップS536−3に処理を移し、低確率遊技状態でないと判定した場合には当該取得時演出判定処理を終了する。
(ステップS536−3)
メインCPU300aは、設定中の設定値に基づいて、対応する大当たり決定乱数判定テーブル(図8(a)〜図8(f)参照)のいずれかを選択する。そして、メインCPU300aは、選択したテーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶した大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりまたはハズレのいずれかを仮判定する特別図柄当たり仮判定処理を行う。
(ステップS536−5)
メインCPU300aは、特別図柄を仮決定するための特別図柄図柄仮判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS536−3の仮大役抽選の結果(特別図柄当たり仮判定処理によって導出された結果)が大当たりであった場合には、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶した当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブル(図5参照)を選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS536−3の仮大役抽選の結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。
(ステップS536−7)
メインCPU300aは、ステップS536−5でセーブした特別図柄判定データに対応する先読み図柄種別指定コマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
(ステップS536−9)
メインCPU300aは、詳しくは後述するように、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶した大当たり決定乱数が、複数の乱数識別範囲のうちのいずれの乱数識別範囲に含まれているかを示す乱数識別範囲指定コマンドを決定する。
(ステップS536−11)
メインCPU300aは、上記ステップS536−9で決定した乱数識別範囲指定コマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
(ステップS536−13)
メインCPU300aは、上記ステップS536−3の特別図柄当たり仮判定処理によって導出された結果が、大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS536−15に処理を移し、大当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS536−17に処理を移す。
(ステップS536−15)
メインCPU300aは、保留種別に基づいて特1用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブル(図12(b)参照)または特2用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブル(図12(c)参照)をセットし、ステップS536−25に処理を移す。
(ステップS536−17)
メインCPU300aは、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶したリーチグループ決定乱数をロードする。
(ステップS536−19)
メインCPU300aは、上記ステップS536−17でロードしたリーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)であるかを判定する。ここで、グループ種別は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを参照して決定されるが、このリーチグループ決定乱数判定テーブルは、記憶されている保留数に応じて選択される。このとき、リーチグループ決定乱数は、0〜10006の範囲から取得され、リーチグループ決定乱数の値が8500以上であれば、保留数に拘わらず、同一のリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択され、リーチグループ決定乱数の値が8500未満であれば、保留数に応じて異なるリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択される。以下では、リーチグループ決定乱数のうち、保留数に応じて異なるリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択される0〜8499の範囲の値を不定値とし、保留数に拘わらず同一のリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択される8500〜10006の範囲の値を固定値と呼ぶ。上記ステップS536−17でロードしたリーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)であると判定した場合にはステップS536−21に処理を移し、上記ステップS536−17でロードしたリーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)ではないと判定した場合にはステップS536−33に処理を移す。
(ステップS536−21)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値および保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル(図11参照)をセットする。なお、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、保留数に応じて複数種類設けられているが、ここでは、保留数が0のときに用いられるテーブルが選択される。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を仮決定する。
(ステップS536−23)
メインCPU300aは、上記ステップS536−21で仮決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブル(図12(a)参照)をセットし、ステップS536−21に処理を移す。
(ステップS536−25)
メインCPU300aは、上記ステップS536−15または上記ステップS536−23でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を仮決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが仮決定される。
(ステップS536−27)
メインCPU300aは、上記ステップS536−25で仮決定した変動モード番号に対応する先読み指定変動モードコマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
(ステップS536−29)
メインCPU300aは、上記ステップS536−25で仮決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を仮決定する。
(ステップS536−31)
メインCPU300aは、上記ステップS536−29で仮決定した変動パターン番号に対応する先読み指定変動パターンコマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットし、当該取得時演出判定処理を終了する。
(ステップS536−33)
メインCPU300aは、対象記憶部に新たに記憶された保留について、当該保留が読み出されたときの保留数に応じて、グループ種別、すなわち、変動演出パターンが変化することを示す不定値コマンド(先読み指定変動モードコマンドおよび先読み指定変動パターンコマンド=7FH)を送信バッファにセットし、当該取得時演出判定処理を終了する。
以上のように、上記の取得時演出判定処理によれば、記憶された保留が大当たりに当選する保留であった場合、および、記憶された保留がハズレとなる保留であり、かつ、リーチグループ決定乱数が固定値であった場合には、先読み指定コマンドとして、先読み指定変動モードコマンドおよび先読み指定変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。一方、記憶された保留がハズレとなる保留であり、かつ、リーチグループ決定乱数が不定値であった場合には、先読み指定コマンドとして不定値コマンドが副制御基板330に送信されることとなる。
図31は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
図31に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「特別図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「特別図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図32は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
(ステップS600−1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS600−3)
メインCPU300aは、上記ステップS600−1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS600−5)
メインCPU300aは、上記ステップS600−3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS600−7)
メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
図33は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動待ち処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS610−1)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数(X2)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特2保留数(X2)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特2保留数(X2)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610−3に処理を移す。
(ステップS610−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数(X1)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特1保留数(X1)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特1保留数(X1)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610−5に処理を移す。
(ステップS610−5)
メインCPU300aは、客待ちコマンドを送信バッファにセットするとともに、客待ち状態に設定するための客待ち設定処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
(ステップS610−7)
メインCPU300aは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留、または、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、上記ステップS610−1において、特別図柄2保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第2特図保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。また、上記ステップS610−3において、特別図柄1保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第1特図保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送するとともに、第1記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、第0記憶部に転送された保留種別に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留または特2保留が「1」減算したことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−9)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、保留種別、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS610−11)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−9の大役抽選結果が大当たりであった場合には、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610−9の大役抽選結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。このようにして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−13)
メインCPU300aは、上記ステップS610−11で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
(ステップS611)
メインCPU300aは、変動モード番号および変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610−15)
メインCPU300aは、上記ステップS611で決定された変動モード番号および変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して、変動時間1および変動時間2を決定する。そして、決定した変動時間1、2の合計時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610−17)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610−11でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルを参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグにセーブする。また、ここでは、大当たり当選時に設定されている遊技状態が記憶される。
(ステップS610−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、保留種別に対応するカウンタにカウンタ値が設定される。
(ステップS610−21)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。また、ここでは、上記ステップS610−7で記憶した特1保留および特2保留の入賞順序に対応する特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファにセットする。これにより、特1保留または特2保留が消化されるたびに、特1保留数および特2保留数、ならびに、これら各保留の入賞順序が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS610−23)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
図34は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理を説明するフローチャートである。
(ステップS611−1)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS611−3に処理を移し、大当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS611−5に処理を移す。
(ステップS611−3)
メインCPU300aは、現在の変動状態、大当たり図柄の種別、保留種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS611−5)
メインCPU300aは、読み出した保留の保留種別が特2保留である場合には、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値を確認し、読み出した保留の保留種別が特1保留である場合には、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値を確認する。
(ステップS611−7)
メインCPU300aは、現在の変動状態、上記ステップS611−5で確認した保留数、保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブルをセットする。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を決定する。
(ステップS611−9)
メインCPU300aは、上記ステップS611−7で決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS611−11)
メインCPU300aは、上記ステップS611−3または上記ステップS611−9でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
(ステップS611−13)
メインCPU300aは、上記ステップS611−11で決定した変動モード番号に対応する変動モードコマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS611−15)
メインCPU300aは、上記ステップS611−11で決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
(ステップS611−17)
メインCPU300aは、上記ステップS611−15で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットして、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
図35は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動中処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS620−1)
メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
(ステップS620−3)
メインCPU300aは、上記ステップS620−1で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620−5に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
(ステップS620−5)
メインCPU300aは、上記ステップS610−15で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
(ステップS620−7)
メインCPU300aは、上記ステップS620−5で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620−15に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
(ステップS620−9)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS620−11)
メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620−13に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了する。
(ステップS620−13)
メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
(ステップS620−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「02H」に更新する。
(ステップS620−17)
メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610−13で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
(ステップS620−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS620−21)
メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットし、当該特別図柄変動中処理を終了する。
図36は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この特別図柄停止図柄表示処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS630−1)
メインCPU300aは、上記ステップS620−21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630−3に処理を移す。
(ステップS630−3)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
(ステップS630−5)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS630−17に処理を移し、大当たりではないと判定した場合にはステップS630−9に処理を移す。
(ステップS630−9)
メインCPU300aは、変動状態を更新する変動状態更新処理を実行する。
(ステップS630−11)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の保留に基づく特別遊技管理処理が終了し、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS630−17)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
(ステップS630−19)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630−17でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
(ステップS630−21)
メインCPU300aは、上記ステップS630−17でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
(ステップS630−23)
メインCPU300aは、大役遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−25)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、大役遊技が開始されることとなる。
図37は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS640−1)
メインCPU300aは、上記ステップS630−21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640−3に処理を移す。
(ステップS640−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS640−5)
メインCPU300aは、第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS640−7)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
図38は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS641−1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における第1大入賞口126および第2大入賞口128の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641−3に処理を移す。
(ステップS641−3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、開閉扉ソレノイド126c1および第1大入賞口ソレノイド126c2並びに第2大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データと、開閉扉ソレノイド126c1および第1大入賞口ソレノイド126c2並びに第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
(ステップS641−5)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、開閉扉ソレノイド126c1および第1大入賞口ソレノイド126c2並びに第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、または、開閉扉ソレノイド126c1および第1大入賞口ソレノイド126c2並びに第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、開閉扉ソレノイド126c1および第1大入賞口ソレノイド126c2並びに第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS641−7)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第1大入賞口126および第2大入賞口128の1回の最大開放時間となる。
(ステップS641−9)
メインCPU300aは、開閉扉ソレノイド126c1および第1大入賞口ソレノイド126c2並びに第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641−5において、開閉扉ソレノイド126c1および第1大入賞口ソレノイド126c2並びに第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS641−11)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
図39は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS650−1)
メインCPU300aは、上記ステップS641−7でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650−5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650−3に処理を移す。
(ステップS650−3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
(ステップS641)
上記ステップS650−3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
(ステップS650−5)
メインCPU300aは、上記ステップS500−9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第1大入賞口126または第2大入賞口128に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合には大入賞口入賞球数カウンタを0に戻して(初期化して)ステップS650−7に処理を移す。
(ステップS650−7)
メインCPU300aは、開閉扉ソレノイド126c1および第1大入賞口ソレノイド126c2並びに第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して第1大入賞口126および第2大入賞口128を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、第1大入賞口126および第2大入賞口128が閉鎖状態となる。
(ステップS650−9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
(ステップS650−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「05H」に更新する。
(ステップS650−13)
メインCPU300aは、第1大入賞口126および第2大入賞口128が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
図40は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS660−1)
メインCPU300aは、上記ステップS650−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660−3に処理を移す。
(ステップS660−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660−9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660−5に処理を移す。
(ステップS660−5)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新する。
(ステップS660−7)
メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
(ステップS660−9)
メインCPU300aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
(ステップS660−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「06H」に更新する。
(ステップS660−13)
メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図41は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS670−1)
メインCPU300aは、上記ステップS660−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670−3に処理を移す。
(ステップS670−3)
メインCPU300aは、大役遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。ここでは、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄に基づいて、大役遊技終了後の遊技状態が設定される。具体的には、メインCPU300aは、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄が特別図柄B〜Dである場合には、高確率遊技状態および時短遊技状態に設定(特別図柄確率状態フラグおよび普通図柄時短状態フラグに「1」をセット)する。特別図柄確率状態フラグは、セットされた値(「0」または「1」)によって遊技状態が低確率遊技状態(「0」)であるか高確率遊技状態(「1」)であるかを識別するためのフラグである。また、普通図柄時短状態フラグは、セットされた値(「0」または「1」)によって遊技状態が非時短遊技状態(「0」)であるか時短遊技状態(「1」)であるかを識別するためのフラグである。特別図柄確率状態フラグおよび普通図柄時短状態フラグは、例えばメインRAM300cの所定の記憶領域に記憶されている。また、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄が特別図柄Aである場合には、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定する(特別図柄確率状態フラグを「0」および普通図柄時短状態フラグを「0」にセット)。
(ステップS670−5)
メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態を伝達するための大役後遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−7)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
(普通遊技)
既に説明したとおり、本実施形態では、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
ここで、普通遊技制御モジュールの各処理について説明する。本実施形態では、主制御基板300における普通遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードし、ロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
主制御基板300における普通遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「00H」をロードして普通遊技制御モジュールとして普通図柄変動待ち処理を選択し、普図保留が「0」であるかを判定する。メインCPU300aは、普図保留が「0」であると判定した場合、普通図柄変動待ち処理を終了する。一方、メインCPU300aは、普図保留が「0」でないと判定した場合、普図保留記憶領域の第1記憶部に記憶されていた普図保留(当り決定乱数)について普図抽選を行う普通図柄当り判定処理、普図抽選の結果に対応し最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示す普通図柄停止図柄番号の設定処理、普通図柄変動時間を決定する普通図柄変動時間の決定処理、普通図柄の変動表示を開始するための普通図柄表示図柄カウンタの設定処理、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づく普通図柄指定コマンドの送信バッファへの設定処理などを実行する。また、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「01H」をロードして普通遊技制御モジュールとして普通図柄変動中処理を選択し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合、普通図柄表示器168の点灯および消灯を繰り返すために、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値(普通図柄表示器168の消灯または点灯を示すカウンタ値)の更新設定処理を実行し、普通図柄変動待ち処理を終了する。普通図柄表示図柄カウンタが消灯を示すカウンタ値と点灯を示すカウンタ値とが交互に更新設定されることにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間にわたって、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
一方、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合、普通図柄表示図柄カウンタに、普通図柄表示待ち処理において決定していた普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普図抽選の結果が報知されることとなる。また、メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間の設定処理や普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドの送信バッファへの設定処理などを実行し、さらに、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「02H」をロードして普通遊技制御モジュールとして普通図柄停止図柄表示処理を選択し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合、普通図柄停止図柄表示処理を終了する。
一方、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定し、普図抽選の結果が当たりではない(ハズレである)と判定した場合、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新して普通図柄停止図柄表示処理を終了する。また、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定し、普図抽選の結果が当たりであると判定した場合、普通遊技タイマのタイマ値として普電開放前時間をセーブするとともに普通遊技管理フェーズを「03H」に更新して普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第2始動口122の開閉制御が開始されることとなる。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「03H」をロードして普通遊技制御モジュールとして普通電動役物入賞口開放前処理を選択し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合、普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
一方、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。普通電動役物入賞口開閉切替処理において、メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における第2始動口122の可動片122aの開閉回数)の上限値であると判定すると普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。一方、メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が普通電動役物開閉切替回数の上限値でないと判定すると、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始または通電停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始または通電停止の制御がなされることとなる。
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、第2始動口122の1回の最大開放時間となるタイマ値を普通遊技タイマにセーブする。メインCPU300aは、上述の普通電動役物ソレノイド通電制御処理において普通電動役物ソレノイド122cの通電開始制御処理を実行したと判定した場合、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新して普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。一方、メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始制御処理を実行していないと判定した場合、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を更新せずに普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新して、普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「04H」をロードして普通遊技制御モジュールとして普通電動役物入賞口開放制御処理を選択し、普通電動役物入賞開閉切替処理においてセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるか否かを判定する。メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が上限値であると判定した場合、後述する普通電動役物閉鎖処理を実行する。また、メインCPU300aは、当該カウンタ値が上限値でないと判定した場合、上述の普通電動役物入賞開閉切替処理を実行する。
一方、メインCPU300aは、普通電動役物入賞開閉切替処理においてセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合、上述の第2始動口通過処理で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達し、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が第2始動口122に入球しているかを判定する。メインCPU300aは、入球数が規定数に到達していないと判定した場合、普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。一方、メインCPU300aは、入球数が規定数に到達していると判定した場合、第2始動口122を閉鎖状態とするために、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止して普通電動役物閉鎖処理を実行し、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブするとともに、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新して普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「05H」をロードして普通遊技制御モジュールとして普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を選択し、上述の普通電動役物入賞口開放制御処理でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合、普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
一方、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブし、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新して普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
主制御基板300における普図遊技管理処理において、メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズとして「06H」をロードして普通遊技制御モジュールとして普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を選択し、上述の普通電動役物入賞口閉鎖有効処理でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合、普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。
一方、メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新して普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
以上のように、主制御基板300において各種の処理が実行されることにより、特別遊技および普通遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板330において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。
(演出決定テーブルの一例)
次に、演出表示部200aにおいて実行される変動演出の態様の決定方法について説明する。図42(a)は、前半変動演出決定テーブルを説明する図であり、図42(b)は、後半変動演出決定テーブルを説明する図である。本実施形態では、変動モード番号(変動モードコマンド)に基づいて前半の変動演出(以下、「前半変動演出」と称する)の態様が決定され、変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて後半変動演出(以下、「後半変動演出」と称する)の態様が決定される。具体的には、リーチ変動パターンの変動演出においては、所定の動画(リーチ発展演出)が再生表示されるまでの変動演出の態様(演出表示部200aに表示される画像パターン)が、変動モード番号(変動モードコマンド)に基づいて決定され、動画(リーチ発展演出)の画像パターンが、変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて決定される。したがって、例えば、後述するリーチ変動パターンの変動演出においては、演出図柄の変動表示の開始からリーチ演出までの変動演出の態様(例えば画像パターン)が変動モード番号(変動モードコマンド)に基づいて決定されており、リーチ発展演出の変動演出の態様(例えば動画)が変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて決定されている。
なお、リーチなしパターンの変動演出は、前半変動演出が実行されないことを示す変動モード番号(変動モードコマンド)と、所定の変動パターン番号(変動パターンコマンド)とが決定された場合に実行される。例えば、前半変動演出が実行されないことを示す「00H」の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信すると、副制御基板330では、必ず、前半変動演出の態様として「なし」が決定される。また、同時に受信した変動パターンコマンドに基づいて、開始から終了までの変動演出の態様が決定される。したがって、リーチなしパターンの変動演出の態様(画像パターン)は、変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて決定されることとなる。
図42(a)に示すように、副制御基板330のサブROM330bには、受信し得る変動モードコマンド(変動モード番号)のそれぞれに、前半変動演出の態様が対応付けられた前半変動演出決定テーブルが記憶されている。この前半変動演出決定テーブルは、演出モードごとに設けられており、副制御基板330では、変動モードコマンドを受信すると、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、現在設定されている演出モードに対応する前半変動演出決定テーブルをセットする。そして、取得した演出乱数および変動モードコマンド(変動モード番号)に基づいて、前半変動演出の態様が決定される。
なお、図42(a)において、変動モード番号と前半変動演出の態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。例えば、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半変動演出の態様として、必ず、「なし」が決定され、変動モード番号=01Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半変動演出の態様として、必ず、「リーチA」の変動演出が決定され、変動モード番号=02Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半変動演出の態様として、必ず、「リーチB」の変動演出が決定されることとなる。
ここで、前半変動演出の態様のうち「なし」は、前半変動演出を実行しないことを示しており、この「なし」が決定された場合には、後述する変動パターンコマンドに基づいて決定される後半変動演出のみが実行されることとなる。また、図42(a)において、前半変動演出の態様における「リーチA」や「リーチB」は、それぞれ、リーチ変動パターンの変動演出のうち、演出図柄210a,210b,210cがリーチ態様になるまでの、演出表示部200aに表示される画像パターンを示している。これらの画像パターンは、変動モード番号に対応付けられた特別図柄の変動表示の時間と一致するように予め設計されている。
したがって、演出表示部200aにおいて、リーチなしパターンの変動演出が実行される場合には、必ず、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンドを受信していることとなる。換言すれば、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンドを受信すると、必ず、演出表示部200aにおいて、リーチなしパターンの変動演出が実行されることとなる。これに対して、演出表示部200aにおいて、リーチ変動パターンの変動演出が実行される場合には、必ず、変動モード番号=00H以外の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信していることとなる。換言すれば、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンド以外の変動モードコマンドを受信すると、必ず、演出表示部200aにおいて、リーチ変動パターンの変動演出が実行されることとなる。
また、図42(b)に示すように、副制御基板330のサブROM330bには、受信し得る変動パターンコマンド(変動パターン番号)のそれぞれに、後半変動演出の態様が対応付けられた後半変動演出決定テーブルが記憶されている。この後半変動演出決定テーブルは、演出モードごとに設けられており、副制御基板330では、変動パターンコマンドを受信すると、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、現在設定されている演出モードに対応する後半変動演出決定テーブルをセットする。そして、取得した演出乱数および変動パターンコマンド(変動パターン番号)に基づいて、後半変動演出の態様が決定される。
なお、図42(b)において、変動パターン番号と後半変動演出の態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、図42(a)と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。例えば、変動パターン番号=00Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、後半変動演出の態様として、必ず、「ハズレ4秒」の変動演出が実行され、変動パターン番号=01Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、後半変動演出の態様として、必ず、「ハズレ8秒」の変動演出が実行され、変動パターン番号=02Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、後半変動演出の態様として、必ず、「ハズレ12秒」の変動演出が実行されることとなる。
なお、「ハズレ4秒」、「ハズレ8秒」、「ハズレ12秒」の変動演出の態様は、演出図柄210a,210b,210cが、変動表示を開始してから、リーチ態様になることなく、それぞれ4秒、8秒、12秒で、ハズレを報知する態様で停止表示するものである。したがって、主制御基板300において、「00H」、「01H」、「02H」の変動パターン番号が決定される場合には、前半変動演出の態様として「なし」が決定されるように、必ず、「00H」の変動モード番号(変動モードコマンド)が決定されるように設計されている。
また、主制御基板300において、例えば、変動パターン番号=04Hが決定された場合には、後半変動演出の態様として、「パターン1」および「パターン2」のいずれかが決定される。「パターン1」、「パターン2」は、リーチ発展演出における例えば動画の種類を示すものであり、演出表示部200aに表示される画像は異なるものの、その構成時間は、変動パターン番号=04Hに対応付けられた変動表示の時間と一致している。
上記のように、副制御基板330においては、設定されている演出モードに応じて、前半変動演出決定テーブルおよび後半変動演出決定テーブルが選択され、当該選択したテーブルに基づいて、演出表示部200aに表示される変動演出の態様が決定される。
以下に、上記の演出を実行するための副制御基板330における処理について説明する。
(副制御基板330のサブCPU初期化処理)
図43は、副制御基板330のサブCPU初期化処理(S1000)を説明するフローチャートである。
(ステップS1000−1)
サブCPU340は、電源投入に応じて、サブROM330bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM330cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
(ステップS1000−3)
次に、サブCPU340は、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1000−3の処理を繰り返し行う。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
(副制御基板330のサブタイマ割込み処理)
図44は、副制御基板330のサブタイマ割込み処理(S1100)を説明するフローチャートである。副制御基板330には、所定の周期でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU340はタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。
(ステップS1100−1)
サブCPU340は、レジスタを退避する。
(ステップS1100−3)
サブCPU340は、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS1100−5)
サブCPU340は、副制御基板330で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。サブCPU340は例えば、後述する音質制御処理(ステップS1400)において設定される消音期間を計時する消音期間タイマの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該副制御基板330のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS1200)
サブCPU340は、サブRAM330cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板330においては、主制御基板300からコマンドが送信されると、コマンド受信割込み処理が行われ、主制御基板300から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込み処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
(ステップS1300)
サブCPU340は、遊技機100において実行される変動演出の経過時間を計時するとともに、変動演出ごとにセットされるタイムテーブルを参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行う。このタイムスケジュール管理処理の詳細は後述する。
(ステップS1400)
サブCPU340は、音声出力装置51a〜53bから出力される音声の音質を処理する音質制御処理を行い、ステップS1500に処理を移す。音質制御処理の詳細は後述する。
(ステップS1500)
サブCPU340は、音声出力装置51a〜53bから出力される音声の音量を処理する音量制御処理を行い、ステップS1100−7に処理を移す。音量制御処理の詳細は後述する。
(ステップS1100−7)
サブCPU340は、サブRAM330cの送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御部380、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370のうちの指定した制御部へ送信する。
(ステップS1100−9)
サブCPU340は、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
図45は、上記コマンド解析処理のうち、変動モードコマンドを受信した際に実行される変動モードコマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、変動モードコマンドは、主制御基板300において、図34のステップS611−13でセットされた後、ステップS200−7のサブコマンド送信処理(図21参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1210−1)
変動モードコマンドを受信すると、サブCPU340は、まず、受信した変動モードコマンドを解析する。
(ステップS1210−3)
サブCPU340は、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を取得するとともに、現在設定されている演出モードに対応する前半変動演出決定テーブルを参照して、当該取得した演出乱数および上記ステップS1210−1における解析結果に基づいて、前半変動演出の態様を決定する。サブCPU340は、決定した前半変動演出の態様をサブRAM330cの所定領域に記憶する。
(ステップS1210−5)
サブCPU340は、上記ステップS1210−3で決定された変動演出を実行するための変動演出実行コマンドを画像制御部380、音声制御部350および照明制御部360等に出力する。画像制御部380において、入力された変動演出実行コマンドに対応する変動演出画像を表示するための制御がなされる。また、音声制御部350においては、入力された変動演出実行コマンドに基づいてシリアルデータ信号SDATAが作成されて送信バッファにセットされる。送信バッファにセットされたシリアルデータ信号SDATAは、出力制御処理(ステップS1100−7)においてシステムクロック信号SCLKおよびワードクロック信号LRCLKに同期した出力が開始され、アンプ41,42,43の少なくともいずれかに送信される。これにより、アンプ41,42,43は、シリアルデータ信号SDATAを受信すると、上述の信号処理を実行する。これにより、演出表示部200aに表示される変動演出画像に対応する音声出力制御がなされる。照明制御部360においては演出照明装置204の点灯制御がなされることとなる。
(ステップS1210−7)
サブCPU340は、上記ステップS1210−3で決定された前半変動演出の態様に対応するタイムテーブルのデータをセットし、当該変動モードコマンド受信処理を終了する。
図46は、上記コマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した際に実行される変動パターンコマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、変動パターンコマンドは、主制御基板300において、図34のステップS612−17でセットされた後、ステップS200−7のサブコマンド送信処理(図21参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1220−1)
変動パターンコマンドを受信すると、サブCPU340は、まず、受信した変動パターンコマンドを解析する。
(ステップS1220−3)
サブCPU340は、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を取得するとともに、現在設定されている演出モードに対応する後半変動演出決定テーブルを参照して、当該取得した演出乱数および上記ステップS1220−1における解析結果に基づいて、後半変動演出の態様を決定する。サブCPU340は、決定した後半変動演出の態様をサブRAM330cの所定領域に記憶する。
(ステップS1220−5)
サブCPU340は、上記ステップS1220−3で決定された変動演出を実行するための変動演出実行コマンドを画像制御部380、音声制御部350および照明制御部360等に送信する。画像制御部380において、入力された変動演出実行コマンドに対応する変動演出画像を表示するための制御がなされる。また、音声制御部350においては、入力された変動演出実行コマンドに基づいて、シリアルデータ信号SDATAが作成されて送信バッファにセットされる。送信バッファにセットされたシリアルデータ信号SDATAは、出力制御処理(ステップS1100−7)においてシステムクロック信号SCLKおよびワードクロック信号LRCLKに同期した出力が開始され、アンプ41,42,43のうちの制御対象のアンプに送信される。アンプ41,42,43は、シリアルデータ信号SDATAを受信すると、上述の信号処理を実行する。これにより、演出表示部200aに表示される変動演出画像に対応する音声出力制御がなされる。照明制御部360においては演出照明装置204の点灯制御がなされることとなる。
(ステップS1220−7)
サブCPU340は、上記ステップS1220−3で決定された後半変動演出の態様に対応するタイムテーブルのデータをセットする。
(ステップS1220−9)
サブCPU340は、変動演出の実行時間を計時すべく、変動時間計時タイマをリセットし、当該変動パターンコマンド受信処理を終了する。ここでリセットされた変動時間計時タイマは、上記ステップS1300のタイムスケジュール管理処理において、タイマ割込み処理のたびにカウンタ値が加算され、これによって変動演出の実行時間が計時されることとなる。
次に、サブタイマ割込み処理(図44参照)におけるタイムスケジュール管理処理(ステップS1300)について説明する。図47は、タイムスケジュール管理処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
(ステップS1300−1)
サブCPU340は、まず、変動時間計時タイマのカウンタ値を加算し、変動演出の実行時間を更新する。
(ステップS1300−3)
サブCPU340は、変動演出の実行中においてセットされるタイムテーブルを参照し、現在の変動演出の実行時間に応じて、各種のコマンドを送信バッファにセットしたり、各種のフラグをON/OFFしたりする制御処理を実行し、タイムスケジュール管理処理を終了する。
図48は、サブタイマ割込み処理における音質制御処理(ステップS1400)の流れの一例を説明するフローチャートである。遊技機100は、アンプ41,42,43のそれぞれについて音質制御処理を実行するように構成されている。遊技機100は例えば、アンプ41に関する音質制御処理を実行し、次にアンプ42に関する音質制御処理を実行し、次にアンプ43に関する音質制御処理を実行するように構成されている。アンプ41、アンプ42およびアンプ43のそれぞれに関する音質制御処理は、当該処理が終了した後に移行する処理が異なる点を除いて同様である。このため、以下、アンプ41、アンプ42およびアンプ43のそれぞれに関する音質制御処理について、アンプ41での処理を例にとり、必要に応じてアンプ42,43での処理についても説明する。
(ステップS1400−1)
サブCPU340は、音質制御処理を開始すると、まず、音声出力装置群5を構成する音声出力装置51a,51bが消音中状態か否かを判定する。遊技機100は、2つ以上の音質制御処理を同時に実行しないように、音質制御処理の開始条件の1つとして、音声出力装置51a,51bがすでに消音中状態か否かを、ステップS1400−1においてサブCPU340に判定させるようになっている。
サブCPU340は、音声出力装置51a,51bが消音中状態か否かを消音中フラグがオン状態かオフ状態かで判定する。サブRAM330cの所定の記憶領域には、音声出力装置51a,51bが消音中状態か否かを示す消音中フラグが設けられている。消音中フラグはアンプ41,42,43ごとに設けられている。
アンプ41用の消音中フラグは音声出力装置51a,51bが消音中状態か否かを示すフラグである。アンプ41用の消音中フラグのオン状態は、音声出力装置51a,51bが消音中状態であることを示し、アンプ41用の消音中フラグのオフ状態は、音声出力装置51a,51bが消音中状態でないことを示している。アンプ42用の消音中フラグは音声出力装置52a,52bが消音中状態か否かを示すフラグである。アンプ42用の消音中フラグのオン状態は、音声出力装置52a,52bが消音中状態であることを示し、アンプ42用の消音中フラグのオフ状態は、音声出力装置52a,52bが消音中状態でないことを示している。アンプ43用の消音中フラグは音声出力装置53a,53bが消音中状態か否かを示すフラグである。アンプ43用の消音中フラグのオン状態は、音声出力装置53a,53bが消音中状態であることを示し、アンプ43用の消音中フラグのオフ状態は、音声出力装置53a,53bが消音中状態でないことを示している。
サブCPU340は、アンプ41用の消音中フラグがオン状態であって音声出力装置51a、51bが現時点で消音中状態であると判定すると、ステップS1400−25の処理に移る。一方、サブCPU340は、アンプ41用の消音中フラグがオフ状態であって音声出力装置51a,51bが現時点で消音中状態でないと判定すると、ステップS1400−3の処理に移る。
(ステップS1400−3)
サブCPU340は、音声出力装置群5を構成する音声出力装置51a,51bが消音待機中状態か否かを判定する。消音待機中状態は、音声出力装置を消音(すなわち音声の出力を停止)することが決定された後であって、音声出力装置の消音が開始される前の状態である。
サブCPU340は、音声出力装置群5が消音待機中状態か否かを消音待機中フラグがオン状態かオフ状態かで判定する。サブRAM330cの所定の記憶領域には、音声出力装置群5が消音待機中状態か否かを示す消音待機中フラグが設けられている。消音待機中フラグはアンプ41,42,43ごとに設けられている。
アンプ41用の消音待機中フラグは音声出力装置51a,51bが消音待機中状態か否かを示すフラグである。アンプ41用の消音待機中フラグのオン状態は、音声出力装置51a,51bが消音待機中状態であることを示し、アンプ41用の消音待機中フラグのオフ状態は、音声出力装置51a,51bが消音待機中状態でないことを示している。アンプ42用の消音待機中フラグは音声出力装置52a,52bが消音待機中状態か否かを示すフラグである。アンプ42用の消音待機中フラグのオン状態は、音声出力装置52a,52bが消音待機中状態であることを示し、アンプ42用の消音待機中フラグのオフ状態は、音声出力装置52a,52bが消音待機中状態でないことを示している。アンプ43用の消音待機中フラグは音声出力装置53a,53bが消音待機中状態か否かを示すフラグである。アンプ43用の消音待機中フラグのオン状態は、音声出力装置53a,53bが消音待機中状態であることを示し、アンプ43用の消音待機中フラグのオフ状態は、音声出力装置53a,53bが消音待機中状態でないことを示している。
サブCPU340は、アンプ41用の消音待機中フラグがオン状態であって音声出力装置51a、51bが現時点で消音待機中状態であると判定すると、ステップS1400−11の処理に移る。一方、サブCPU340は、アンプ41用の消音待機中フラグがオフ状態であって音声出力装置51a,51bが現時点で消音待機中状態でないと判定すると、ステップS1400−5の処理に移る。
(ステップS1400−5)
サブCPU340は、アンプ41に設けられたレジスタ413(図7参照)に設定(すなわち記憶)された音質パラメータを変更する所定条件が成立しているか否かを判定する。音質パラメータを変更する所定条件として例えば、遊技中に演出が進行するタイミング(例えば、演出図柄210a,210b,210c(図2参照)の変動演出を開始するタイミング、リーチ発展演出を開始するタイミング、大当たりを報知するタイミングなど)が挙げられる。また、音質パラメータを変更する所定条件として例えば、より有利な状態に移行するタイミング(例えば、大役遊技の連荘が確定したことを報知するタイミング、低確率状態から高確率状態に移行するタイミングなど)が挙げられる。また、音質パラメータを変更する所定条件として例えば、より有利でない状態に移行するタイミング(例えば、高確率状態から低確率状態に移行するタイミングなど)が挙げられる。さらに、音質パラメータを変更する所定条件として例えば、遊技状態の切り替わり時、先読み指定コマンドに基づいて一連の複数変動に亘る演出の実行開始時、当該一連の複数変動に亘る演出の実行終了時、あるいは特定の変動回数を実行した後などが挙げられる。このように、遊技機100は、音質パラメータを変更する所定条件として種々の条件を設定することが可能である。
サブCPU340は、アンプ41に設けられたレジスタ413に設定された音質パラメータを変更する所定条件が成立していると判定すると、ステップS1400−7の処理に移る。一方、サブCPU340は、アンプ41に設けられたレジスタ413に記憶された音質パラメータを変更する所定条件が成立していないと判定すると、アンプ41に関する音質制御処理を終了し、アンプ42に関する音質制御処理を開始する。
なお、アンプ42に関する音声制御処理では、ステップS1400−5において所定条件が成立していないと判定された場合には、アンプ43に関する音質制御処理を開始する。また、アンプ43に関する音声制御処理では、ステップS1400−5において所定条件が成立していないと判定された場合には、サブタイマ割込み処理に戻る。
(ステップS1400−7)
サブCPU340は、消音を開始することを示す消音開始コマンドを作成して送信バッファにセットし、ステップS1400−9の処理に移る。消音開始コマンドには、消音を開始する音声出力装置から出力される音声を処理するアンプの情報が含まれる。このため、アンプ41に関する音質制御処理では、消音開始コマンドには、音声出力装置51a,51bから出力される音声を処理するアンプ41の情報が含まれる。送信バッファにセットされた消音開始コマンドは、ステップS1100−7の出力制御処理において音声制御部350に送信される。
音声制御部350は、アンプ41の情報を含む消音開始コマンドを受信すると、音声を消音させる対象の装置として音声出力装置51a,51bの情報と、音量がゼロの情報を有する音量パラメータと、変更対象の音量パラメータに対応するアンプのレジスタに設定された音量パラメータの変更を指示する情報とを含む送信データSDAをアンプ41に出力する。アンプ41は、当該送信データSDAが入力されると、レジスタ413に設定されている音量パラメータに代えて、当該送信データSDAに含まれて音量がゼロの情報を有する音量パラメータを設定する。さらに、アンプ41は、音量がゼロの情報を有する音量パラメータが設定されたことに基づいて、信号処理部411において消音処理を開始する。信号処理部411における消音処理が完了し、音声出力装置51a,51bからの音声出力の停止が開始されると、アンプ41は、消音期間中に移行したことを示すために信号状態が有効状態の消音切替信号Smaを副制御部330aに出力する。
(ステップS1400−9)
サブCPU340は、例えばサブRAM330c(図5参照)の所定の記憶領域に設けられたアンプ41用の消音待機中フラグをオン状態に設定し、アンプ42に関する音質制御処理を開始する。なお、アンプ42に関する音声制御処理では、ステップS1400−9においてアンプ42用の消音待機中フラグをオン状態に設定した場合には、アンプ43に関する音質制御処理を開始する。また、アンプ43に関する音声制御処理では、ステップS1400−9においてアンプ43用の消音待機中フラグをオン状態に設定した場合には、サブタイマ割込み処理に戻る。
(ステップS1400−11)
サブCPU340は、ステップS1400−3においてアンプ41が消音待機中状態であると判定した場合には、信号状態が有効状態の消音切替信号Smaをアンプ41から受信しているか否かを判定する。サブCPU340は、アンプ41から有効状態の消音切替信号Smaを受信していると判定した場合(YES)には、ステップS1400−13の処理に移る。一方、サブCPU340は、アンプ41から有効状態の消音切替信号Smaを受信していないと判定した場合(NO)には、ステップS1400−13からステップS1400−23の処理を実行せずに、アンプ42に関する音質制御処理を開始する。なお、アンプ42に関する音声制御処理では、ステップS1400−11においてアンプ42から有効状態の消音切替信号Smaを受信していないと判定した場合(NO)には、アンプ43に関する音質制御処理を開始する。また、アンプ43に関する音声制御処理では、ステップS1400−11においてアンプ43から有効状態の消音切替信号Smaを受信していないと判定した場合(NO)には、サブタイマ割込み処理に戻る。
(ステップS1400−13)
サブCPU340は、変更後の音質パラメータを決定し、ステップS1400−13の処理に移る。より具体的には、サブCPU340は、現時点でレジスタ413に設定されている音質パラメータに含まれる音質に関する情報に対して、どのような情報を含む音質パラメータに変更するのかを決定する。サブCPU340は例えば、音声パラメータの変更の契機となった所定条件に応じて、変更後の音質パラメータに含まれる音質に関する情報を決定するように構成されていてもよい。また、サブCPU340は例えば、変更後の音質パラメータに含まれる音質に関する情報を所定方法(例えば抽選など)によって決定するように構成されていてもよい。
(ステップS1400−15)
サブCPU340は、ステップS1400−13の処理において決定した音質パラメータを読み出し、ステップS1400−17の処理に移る。互いに異なる音質に関する情報を含む音質パラメータは例えば、データROM330dおよび音声制御部350に設けられたROMとして機能する機能ブロック(不図示)の少なくとも一方に記憶されている。サブCPU340aは、ステップS1400−15において決定した音質パラメータをデータROM330dおよび音声制御部350に設けられたROMとして機能する機能ブロックの一方から読み出す。
(ステップS1400−17)
サブCPU340は、ステップS1400−15の処理において読み出した音質パラメータを含む音質パラメータコマンドを作成して送信バッファにセットし、ステップS1400−19の処理に移る。より具体的には、サブCPU340は、ステップS1400−15の処理において読み出した音質パラメータと、アンプ41のレジスタ413に設定された音質パラメータの変更を指示する情報とを含む指示コマンドまたは指示制御信号を音声制御部350に出力する。音声制御部350は、当該指示コマンドまたは指示制御信号に含まれる音質パラメータの情報および音質パラメータの変更を指示する情報を含む音質パラメータコマンドを有する送信データSDAを作成して送信バッファにセットする。このように、サブCPU340は、音声制御部350を制御して、音質パラメータコマンドを含む送信データSDAを作成するとともに送信バッファにセットする。送信バッファにセットされた送信データSDAは、サブタイマ割込み処理(図44参照)の出力制御処理(ステップS1100−7)においてアンプ41に送信される。
音声制御部350から入力される送信データSDAに音質パラメータの情報および音質パラメータの変更を指示する情報が含まれている場合、信号処理部411は、レジスタ413に設定されている音質パラメータを、当該送信データSDAに含まれている音質パラメータに変更する。このように、サブCPU340は、所定条件が成立した場合(ステップS1400−5のYES)に、その後のタイマ割込み処理において音質パラメータコマンドを含む送信データSDAを作成するとともに送信バッファにセットする。アンプ41は、音声制御部350から入力される送信データSDAに含まれる音質パラメータをレジスタ413に設定する。したがって、アンプ41は、所定条件が成立した場合に音質パラメータをレジスタ413に設定するように構成されている。また、信号処理部411は、当該音質パラメータを用いて音声データの信号処理を実行するものの、現時点が消音期間中であるため、DAC415に音量がゼロに相当する音声データを出力する。これにより、アンプ41は、変更後の音質パラメータを用いて音声データの信号処理を実行しつつ、音声出力装置51a,51bの消音状態を維持することができる。
(ステップS1400−19)
サブCPU340は、サブRAM330cの所定の記憶領域に設けられた消音待機中フラグをオフ状態に設定してステップS1400−21の処理に移る。
(ステップS1400−21)
サブCPU340は、サブRAM330cの所定の記憶領域に設けられた消音中フラグをオン状態に設定してステップS1400−23の処理に移る。サブCPU340は、ステップS1400−19およびステップS1400−21の処理を実行することによって、アンプ41および音声出力装置51a,51bの状態を消音待機中状態から消音中状態に移行し、現時点の当該状態を消音中状態に設定する。
(ステップS1400−23)
サブCPU340は、消音期間を計時するための消音期間計時タイマを所定の初期値にセットすることによって、消音期間の計時を開始し、アンプ42に関する音質制御処理を開始する。なお、アンプ42に関する音声制御処理では、ステップS1400−23において消音期間の計時を開始した場合、アンプ43に関する音質制御処理を開始する。また、アンプ43に関する音声制御処理では、ステップS1400−23において消音期間の計時を開始した場合、サブタイマ割込み処理に戻る。カウンタ値として初期値がセットされた消音期間計時タイマは、サブタイマ割込み処理(図44参照)のタイマ更新処理(ステップS1100−5)において、サブタイマ割込み処理が実行されるたびにカウンタ値が減算される。これによって消音期間が計時されることとなる。
消音期間計時タイマの初期値は、アンプ41における音質パラメータの変更処理の所要時間に対応する値よりも大きい値に設定される。アンプ41における音質パラメータの変更処理の所要時間は、音声制御部350との間で送受信される送信データSDAのデータ量に応じて変動する。このため、消音期間計時タイマの初期値は、音質パラメータの変更処理の所要時間の設計上の最大時間よりも長い時間に対応する値に設定される。消音期間計時タイマの初期値は例えば、音質パラメータの変更処理の所要時間の設計上の最大時間(例えば400ミリ秒)よりも長い時間(例えば500ミリ秒)をサブタイマ割込み処理の実行周期(例えば2ミリ秒)で除算した値(250)に設定される。これにより、遊技機100は、アンプ41における音質パラメータの変更処理の期間に、音声出力装置51a,51bから音声が出力されることを防止できる。
消音期間計時タイマは、アンプ41,42,43ごとにサブRAM330cの所定の記憶領域に設けられている。したがって、アンプ41に関する音質制御処理では、アンプ41用の消音期間計時タイマの初期値がセットされ、アンプ42に関する音質制御処理では、アンプ42用の消音期間計時タイマの初期値がセットされ、アンプ43に関する音質制御処理では、アンプ43用の消音期間計時タイマの初期値がセットされる。アンプ41,42,43は、同様の構成を有し、同様の機能を発揮するように構成されている。このため、本実施形態では、消音期間計時タイマの初期値は、アンプ41,42,43で互いに同じ値にセットされる。
(ステップS1400−25)
サブCPU340は、ステップS1400−1において現時点が消音中であると判定した場合(YES)、現時点が消音を解除するタイミングであるか否かを判定する。サブCPU340は、アンプ41用の消音期間計時タイマを参照し、アンプ41用の消音期間計時タイマのカウント値がゼロである場合には、音声出力装置51a,51bの消音状態を解除するタイミングであると判定し(YES)、ステップS1400−27の処理に移る。一方、サブCPU340は、アンプ41用の消音期間計時タイマのカウント値がゼロでない場合には、音声出力装置51a,51bの消音状態を解除するタイミングでないと判定し(NO)、アンプ42に関する音質制御処理を開始する。なお、アンプ42に関する音声制御処理では、ステップS1400−25において、音声出力装置52a,52bの消音状態を解除するタイミングでないと判定された場合、アンプ43に関する音質制御処理を開始する。また、アンプ43に関する音声制御処理では、ステップS1400−25において、音声出力装置53a,53bの消音状態を解除するタイミングでないと判定された場合、サブタイマ割込み処理に戻る。
(ステップS1400−27)
サブCPU340は、音声出力装置51a,51bの消音を解除することを示す消音解除コマンドを作成して送信バッファにセットし、ステップS1400−29の処理に移る。より具体的には、サブCPU340は、音声出力装置51a,51bの消音の解除を指示する情報を含む指示コマンドまたは指示制御信号を音声制御部350に出力する。音声制御部350は、消音の解除対象として当該指示コマンドまたは指示制御信号に含まれる音声出力装置51a,51bの情報と、音量がゼロ以外の情報を有する音量パラメータの情報とを含む消音解除コマンドを有する送信データSDAを作成して送信バッファにセットする。このように、サブCPU340は、音声制御部350を制御して、消音解除コマンドを有する送信データSDAを作成するとともに送信バッファにセットする。送信バッファにセットされた送信データSDAは、サブタイマ割込み処理(図44参照)の出力制御処理(ステップS1100−7)においてアンプ41に送信される。
音声制御部350から入力される送信データSDAに、音声出力装置51a,51bの消音を解除するための消音解除コマンドが含まれている場合、信号処理部411は、音量がゼロの情報を有する音量パラメータに代えて、当該消音解除コマンドに含まれている音量パラメータをレジスタ413に設定する。信号処理部411は、レジスタ413に設定されている音質パラメータを用いて音声データに信号処理を施し、信号処理を施した音声データの音量をレジスタ413に設定されている音量パラメータの音量に基づいてゼロにせずに出力する。これにより、アンプ41は、強制的に音量をゼロに変更していない音声データに基づくパルス信号を音声出力装置51a,51bに出力できる。その結果、音声出力装置51a,51bは、消音状態が解除されて所定の音声を出力できる。
(ステップS1400−29)
サブCPU340は、サブRAM330cの所定の記憶領域に設けられたアンプ41用の消音中フラグをオフ状態に設定し、アンプ42に関する音質制御処理を開始する。なお、アンプ42に関する音声制御処理では、ステップS1400−29においてサブRAM330cの所定の記憶領域に設けられたアンプ42用の消音中フラグがオフ状態に設定された場合、アンプ43に関する音質制御処理を開始する。また、アンプ43に関する音声制御処理では、ステップS1400−29においてサブRAM330cの所定の記憶領域に設けられたアンプ43用の消音中フラグがオフ状態に設定された場合、サブタイマ割り込み処理に戻る。
ところで、副制御部330aに設けられたサブCPU340は、遊技機100に電源が投入されることによって副制御部330aにも電源が投入される際に、例えばデフォルトの情報を含む音質パラメータと、当該音質パラメータをアンプ41,42,43に送信することを指示する指示情報を含む所定コマンドまたは所定制御信号を音声制御部350に出力する。音声制御部350は、サブCPU340から入力された当該所定コマンドまたは当該所定制御信号に基づいて、デフォルトの情報を含む音質パラメータと、当該音質パラメータをアンプ41,42,43のレジスタ413,423,433に設定することを指示する情報とを含む送信データSDAを出力する。このため、サブCPU340の初期設定の際に、レジスタ413,423,433にはそれぞれ、デフォルトの情報を含む音質パラメータが設定される。
上述のとおり、本実施形態による遊技機100は、音質制御処理において、アンプ41,42,43の音質パラメータを変更可能に構成されている(ステップS1400−13からステップS1400−17の流れ)。このため、音質制御処理におけるステップS1400−13からステップS1400−17の流れの処理を実行する際に、デフォルトの情報を含む音質パラメータがレジスタ413,423,433に設定されている場合、アンプ41,42,43はそれぞれ、電源が投入される際に設定された音質パラメータを当該電源が投入された後に、音質パラメータに含まれるデフォルトの情報(音声に関する情報の一例)とは異なる情報を含む音質パラメータに変更可能である。
また、上述のとおり、本実施形態による遊技機100は、音質制御処理において、消音切替信号Smaを受信した場合(ステップS1400−11のYES)に、ステップS1400−13からステップS1400−17の流れの処理を実行するように構成されている。アンプ41,42,43は、消音状態になると有効状態の消音切替信号Smaを副制御部330aに出力する。このため、音質制御処理におけるステップS1400−11からステップS1400−17の流れの処理を実行する際に、デフォルトの情報を含む音質パラメータがレジスタ413,423,433に設定されている場合、アンプ41,42,43は、電源が投入される際に設定された音質パラメータを当該電源が投入された後に、音質パラメータに含まれるデフォルトの情報(音声に関する情報の一例)とは異なる情報を含む音質パラメータに変更する際に、消音に関する情報を含む音量パラメータが設定されている場合に、音声出力装置51a〜53bから出力される音声を消音することができる。
図49は、サブタイマ割込み処理における音量制御処理(ステップS1500)の流れの一例を説明するフローチャートである。遊技機100は、アンプ41,42,43のそれぞれについて音量制御処理を実行するように構成されている。遊技機100は例えば、十字ボタン209の押下操作による音量の設定変更の際に選択された音声出力装置51a〜53bに対応するアンプ41,42,43に関して音量制御処理を実行するように構成されている。アンプ41、アンプ42およびアンプ43のそれぞれに関する音量制御処理は、同様である。このため、以下、アンプ41、アンプ42およびアンプ43のそれぞれに関する音量制御処理について、アンプ41での処理を例にとって説明する。
(ステップS1500−1)
サブCPU340は、音量制御処理を開始すると、まず、音量制御のタイミングか否かを判定する。音量制御のタイミングとして例えば、遊技中に進行している演出において所定の音声(例えば演出中に流れるBGMの音声、演出中に発生する効果音など)を強調または抑制するタイミングが挙げられる。また、音量制御のタイミングは、音質パラメータを変更するための所定条件が成立した場合が挙げられる。サブCPU340は、音量制御のタイミングであると判定した場合(YES)、ステップS1500−3の処理に移る。一方、サブCPU340は、音量制御のタイミングでないと判定した場合(NO)、後述するステップS1500−3の処理を実行せずに、サブタイマ割込み処理(図44参照)に戻る。
(ステップS1500−3)
サブCPU340は、音量パラメータコマンドを作成して送信バッファにセットし、サブタイマ割込み処理に戻る。より具体的には、サブCPU340は、変更後の音量の設定値の情報と、変更対象の音量パラメータに対応するアンプの情報と、変更対象の音量パラメータに対応するアンプのレジスタに設定された音量パラメータの変更を指示する情報とを含む指示コマンドまたは指示制御信号を音声制御部350に出力する。音声制御部350は、当該指示コマンドまたは指示制御信号に含まれる音量パラメータの情報および音量パラメータの変更を指示する情報を含む音量パラメータコマンドを有する送信データSDAを作成して送信バッファにセットする。このように、サブCPU340は、音声制御部350を制御して、音量パラメータコマンドを含む送信データSDAを作成するとともに送信バッファにセットする。送信バッファにセットされた送信データSDAは、サブタイマ割込み処理(図44参照)の出力制御処理(ステップS1100−7)において変更対象の音量パラメータに対応するアンプ(本例ではアンプ41)に送信される。
音声制御部350から入力される送信データSDAに音量パラメータの情報および音量パラメータの変更を指示する情報が含まれている場合、信号処理部411は、レジスタ413に設定されている音量パラメータを、当該送信データSDAに含まれている音量パラメータに変更する。また、信号処理部411は、当該音量パラメータを用いて音声データの信号処理を実行する。当該音量パラメータに基づく変更対象の音声信号が、シリアルデータ信号SDATAに含まれている場合、信号処理部411は、音声制御部350のレジスタ350aに記憶された音量パラメータに基づく音量に再生した音声信号の音量を、変更後の音量パラメータに基づく音量で調整する。その結果、変更後の音量パラメータが加味された音量の音声が音声出力装置51a,51bから出力される。
また、副制御部330aに設けられたサブCPU340は、遊技機100に電源が投入されることによって副制御部330aにも電源が投入される際に、例えばデフォルトの情報を含む音量パラメータと、当該音量パラメータをアンプ41,42,43に送信することを指示する指示情報を含む所定コマンドまたは所定制御信号を音声制御部350に出力する。音声制御部350は、サブCPU340から入力された当該所定コマンドまたは当該所定制御信号に基づいて、デフォルトの情報を含む音量パラメータと、当該音量パラメータをアンプ41,42,43のレジスタ413,423,433に設定することを指示する情報とを含む送信データSDAを出力する。このため、サブCPU340の初期設定の際に、レジスタ413,423,433にはそれぞれ、デフォルトの情報を含む音量パラメータが設定される。
上述のとおり、本実施形態による遊技機100は、音量制御処理において、アンプ41,42,43の音量パラメータを変更可能に構成されている(ステップS1500−3)。このため、音量制御処理におけるステップS1500−3の処理を実行する際に、デフォルトの情報を含む音量パラメータがレジスタ413,423,433に設定されている場合、アンプ41,42,43は、電源が投入される際に設定された音量パラメータを当該電源が投入された後に、音量パラメータに含まれるデフォルトの情報とは異なる情報を含む音量パラメータに変更することができる。
当該構成を備える遊技機100によれば、遊技の進行中など遊技機100の動作中(電源が投入されている間)に、音量に関する情報を含む音量パラメータを変更できる。これにより、遊技機100は、音声の表現の幅(特定の音声の音量に対する調整)を広くすることができる。その結果、遊技機100は、例えば遊技の進行中に実行される演出における音声のバリエーションを増加させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
また、遊技機100は、アンプ41,42,43で生成される音声をレジスタ413,423,433に記憶された音質パラメータに応じて変化させることができるので、音声出力装置51a〜53bのうちの音量を強調または抑制したい音声出力装置51a〜53bの音量を個別に調整することができる。これにより、遊技機100は、例えば遊技の進行中に実行される演出における音声のバリエーションを増加させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
(音質制御の動作例)
次に、本実施形態による遊技機100における音質制御の動作について、図5および図48を参照しつつ図50および図51を用いて説明する。図50は、音声出力装置53a,53bから出力される音声の波形例を示す図である。図50中の上段には、本実施形態における音質制御処理が適用された場合の音声の波形例が図示されている。図50中の下段には、本実施形態における音質制御処理が適用されない場合の比較例としての音声の波形例が図示されている。
図50に示すように、時刻t1では、音質パラメータを変更する所定条件が成立していないため、音声SG1は、時刻t1以前に出力が開始された音質(本例では周期T1)と同じ音質が維持されている(音質制御処理のステップS1400−5のNO)。
時刻t1から所定時間が経過した時刻t2において、アンプ43において音質パラメータを変更する所定条件が成立したとすると(ステップS1400−5のYES)、音量がゼロの情報を有する音量パラメータB0を含む送信データSDAがアンプ43に送信される。アンプ43は、音量がセロの情報を有する音量パラメータB0をレジスタ433に設定することによって、レジスタ433にすでに設定されている音量パラメータB6を音量パラメータB0に変更する。これにより、アンプ43および音声出力装置53a,53bが消音待機中状態となる(ステップS1400−9)。
時刻t2から所定時間が経過した時刻t3において、サブCPU340は、有効状態の消音切替信号Smaを受信し(ステップS1400−11のYES)、決定された音質パラメータA4を含む音質パラメータコマンドを送信バッファにセットする(ステップS1400−17)。これにより、決定された音質パラメータA4を含む送信データSDAがアンプ43に出力される。その結果、アンプ43は、レジスタ433に設定される音質パラメータを、すでに設定されている音質パラメータA3(図5参照)から送信データSDAに含まれている音質パラメータA4への変更を開始する。
また、時刻t3において、音量がゼロの情報を有する音量パラメータB0がレジスタ433に設定されることによってアンプ43の状態が消音中に移行するので、音声出力装置53a,53bの音声SG1の音量はゼロとなる。さらに、時刻t3において、消音期間Pd1の計時が開始される(ステップS1400−23)。
時刻t3から所定時間が経過した時刻t4では、消音期間Pd1が終了していないため、音声出力装置53a,53bの音声SG1の音量はゼロの状態が維持される(ステップS1400−25のNO)。
時刻t4から所定時間が経過した時刻t5において、時刻t3から開始されていた、アンプ43における音質パラメータの変更処理の所要時間Pd2が終了する。その結果、図51に示すように、アンプ43のレジスタ433には、音質パラメータA4が設定される。また、図50中の上段に示すように、時刻t5では、消音期間Pd1は終了していないため、音声出力装置53a,53bの音声SG1の音量はゼロの状態が維持される(ステップS1400−25のNO)。
時刻t5から所定時間が経過した時刻t6において、消音期間Pd1が終了すると(ステップS1400−25のYES)、音量がゼロ以外の情報を有する音量パラメータを含む送信データSDAがレジスタ433に送信される。その結果、レジスタ433には、音量がゼロの情報を有する音量パラメータB0に代えて、音量がゼロ以外の情報を有する音量パラメータが設定される。その結果、消音状態が解除される(ステップS1400−27)。これにより、時刻t6から音声出力装置53a,53bからレジスタ433に設定されている音量パラメータに基づく所定音量の音声SG1の出力が再開される。時刻t5においてアンプ43のレジスタ433には、音質パラメータA3と異なる音質の情報を含む音質パラメータA4が設定されている。ここで、音質パラメータA4に含まれる音質の情報(例えば周波数に関する情報)は、音質パラメータA3に含まれる音質の情報(例えば周波数に関する情報)よりも高いとする。このため、図50中の上段に示すように、時刻t6以降に音声出力装置53a,53bから出力される音声SG1の周期T2は、時刻t3以前に音声出力装置53a,53bから出力される音声SG1の周期T1よりも短くなる。
ところで、アンプ43のレジスタ433における音質パラメータの変更処理において、レジスタ433へのアクセスが競合される場合がある。アクセスの競合が生じると、図50中の下段の時刻t3から時刻t5に示すように、音声出力装置53a,53bから出力される音声SG2は、本来の音声データに基づく音声とは異なる異音となる。遊技中に音声出力装置から異音が出力されると、遊技者は遊技機に異常が発生したと勘違いしてしまい、遊技に対する興趣を低下する可能性がある。
これに対し、遊技機100は、図50中の上段に示すように、アンプ41,42,43のレジスタ413,423,433へのアクセスの競合が生じる可能性のある音質パラメータの変更処理の所要時間Pd2において、音声出力装置から出力される音声SG1を消音することができる。これにより、遊技機100は、アンプ41,42,43のレジスタ413,423,433へのアクセスの競合が生じた場合でも、音声出力装置51a〜53bから異音が出力されることを防止できる。その結果、遊技機100は、遊技者の遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
以上説明したように、本実施形態による遊技機100は、音声出力装置51a〜53bを制御可能な音声制御部350と、音声出力装置51a〜53bから出力される音声を処理可能であり、音声制御部350から入力されるデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換して当該アナログ音声信号を音声出力装置51a〜53bに出力可能なアンプ41,42,43と、アンプ41,42,43とを備えている。アンプ41,42,43および音声制御部350は、互いに異なる部品で構成されており、複数のアンプ41,42,43はそれぞれ、所定条件が成立した場合に、音声に関する情報を含む音質パラメータを設定可能である。
これらの構成を備える遊技機100によれば、遊技の進行中など遊技機100の動作中(電源が投入されている間)に、音質に関する情報を含む音質パラメータを変更できる。これにより、遊技機100は、音声の表現の幅(音質や特定の音域に対する調整)を広くすることができる。その結果、遊技機100は、例えば遊技の進行中に実行される演出における音声のバリエーションを増加させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
また、遊技機100は、アンプ41,42,43で生成される音質を音質パラメータに応じて変化させることができるので、音声出力装置51a〜53bのうちの音声を強調したい音声出力装置51a〜53bの音域(低音や高温)を個別に調整することができる。これにより、遊技機100は、例えば遊技の進行中に実行される演出における音声のバリエーションを増加させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態による遊技機100では、アンプ41,42,43は、音声に関する情報を含む音量パラメータを設定可能であり、電源が投入される際に設定された音質パラメータを当該電源が投入された後に、当該音質パラメータに含まれる音声に関する情報とは異なる情報を含む音質パラメータに変更する際に、消音に関する情報(音量がゼロの情報)を含む音量パラメータが設定されている場合には、音声出力装置51a〜53bから出力される音声を消音可能に構成されている。
当該構成を備える遊技機100によれば、アンプ41,42,43に設定された音質パラメータを切り替える(設定を変更する)際に、音声出力装置51a〜53bから異音が発生することを防止できる。これにより、遊技機100は、遊技の進行中に遊技者が違和感を覚えることを防止できるので、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
本発明は、上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。
上記実施形態による遊技機100は、遊技中に進行している演出において音量を変更するタイミングで音量制御処理が実行されるように構成されているが、本発明はこれに限られない。例えば、遊技機100は、異常(エラー)が発生した場合に音量制御処理が実行されてもよい。この場合、音声出力装置51a〜53bのうち、主にエラー音を出力する音声出力装置の音量を増加させ、残余の音声出力装置の音量を低減またはゼロとなるように、音声制御部350およびアンプ41,42,43が制御されてもよい。これにより、遊技機100に異常が発生した場合にエラー音を強調できるので、遊技者や遊技店の店員が遊技機100の異常に気付きやすくなる。
上記実施形態による遊技機100では、音声制御部350およびアンプ41,42,43は、互いに異なるパラメータを設定できるように構成されているが、本発明はこれに限られない。例えば、音声制御部350およびアンプ41,42,43は、同じパラメータを設定できるように構成されていてもよい。すなわち、音声制御部350も音質パラメータを設定できるように構成されていてもよい。
上記実施形態による遊技機100では、音声出力装置が消音中状態か否かを示す消音中フラグは、アンプ41,42,43ごとに設けられているが、本発明はこれに限られない。例えば、消音中フラグは、音声出力装置ごとに設けられていてもよい。
上記実施形態による遊技機100は、アンプ41,42,43のみで音質を変更(音質を変調)するように構成されているが、本発明はこれに限られない。例えば、遊技機100は、音声制御部350でも音質を変更(音質を変調)できるように構成されていてもよい。この場合、音声制御部350は、音質を変更した後の音声信号が含まれているシリアルデータ信号SDATAを送信対象のアンプ41,42,43に送信する。アンプ41,42,43は、受信したシリアルデータ信号SDATAに含まれている音声信号を再生した信号に対してレジスタ413,423,433に記憶された音量パラメータで音質を変更する。
上記実施形態による遊技機100では、ゼロの情報を有する音量パラメータがレジスタ413,423,433に設定されることにより、アンプ41,42,43が消音状態に移行するように構成されているが、本発明はこれに限られない。例えば、ゼロの情報を有する音量パラメータではなく、音声を消音させるための消音処理を開始すること指示する情報を含む送信データSDAがアンプ41,42,43に送信され、当該送信データSDAを受信することによってアンプ41,42,43が消音状態に移行するように構成されていてもよい。この場合も、遊技機100は、上記実施形態による遊技機100と同様の効果が得られる。
上記実施形態による遊技機100では、アンプ41,42,43は、レジスタ413、423,433に1つの音質パラメータを設定可能に構成されているが、本発明はこれに限られない。例えば、アンプ41,42,43は、レジスタ413、423,433に複数の音質パラメータを設定可能に構成されていてもよい。この場合、アンプ41,42,43は、レジスタ413,423,433に設定された複数の音質パラメータのうちの1つに基づいて音質を変更(音質を変調)し、変更された音質に対してさらに残余の音質パラメータのうちの1または複数に基づいて音質を変更してもよい。このように、アンプ41,42,43は、複数の音質パラメータを用いて音質の変更(音質の変調)を重畳させることができる。これにより、アンプ41,42,43は、バラエティーに富んだ音声を音声出力装置51a〜53bから出力させることができる。その結果、遊技機100は、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
上記実施形態による遊技機100は、アンプ41,42,43を介して音声制御部350に制御される音声出力装置51a〜53bを有しているが、本発明はこれに限られない。例えば、遊技機100は、アンプ41,42,43を介さずに音声制御部350に直接制御される音声出力装置を有していてもよい。これにより、遊技機100には、アンプ41,42,43を介して音声制御部350に制御される音声出力装置51a〜53bと、音声制御部350に直接制御される音声出力装置とが混在される。この場合、演出に係る音声はアンプ41,42,43を介して音声制御部350に制御される音声出力装置51a〜53bから出力され、異常(エラー)報知に係る音声は音声制御部350に直接制御される音声出力装置から出力されてもよい。これにより、遊技機100は、異常(エラー)報知に係る音声を演出に係る音声とは異なる音声出力装置から出力できるので、異常(エラー)報知に係る音声を遊技者などに気づきやすくさせることができる。また、この場合、異常が解消する前にアンプ41,42,43の動作を停止しても、異常(エラー)報知に係る音声を音声出力装置から出力し続けることができるので、遊技機100の低消費電力化を図ることができる。
上記実施形態による遊技機100では、サブCPU340、画像制御部380、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370は、1つの回路として構成されているが、本発明はこれに限られない。例えば、サブCPU340、画像制御部380、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370は、個別の回路で構成されていてもよい。
また、上記実施形態において、大当たり判定に用いる低確時大当たり判定テーブルおよび高確時大当たり判定テーブルをいずれも設定値別としているが、これに限られず、大当たり判定に用いる低確時大当たり判定テーブルおよび高確時大当たり判定テーブルのいずれかにおいて、大当たり判定を全設定値共通としてもよい。
また、上記実施形態において、各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技に加えて、第1大入賞口126および第2大入賞口128の少なくとも一方が開閉する小当たり遊技の実行可否が対応付けられていてもよい。つまり、遊技機100は、大役抽選において、大当たり、小当たり、またはハズレのいずれかを決定するように構成されていてもよい。この場合、大当たり遊技および小当たり遊技を総称して当たり遊技と称する。また、第1大入賞口126および第2大入賞口128の少なくとも一方における小当たり遊技の実行に併せて、演出表示部200a、演出役物装置202、演出照明装置204および音声出力装置206といった演出装置を用いて小当たりに当選したことを遊技者に報知する小当たり演出を実行してもよい。この場合、サブCPU340は、大当たり演出決定処理(図46参照)と同様に、小当たり図柄(小当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄)に基づいて大当たり演出態様を決定する小当たり演出決定処理を実行してもよい。
また、この場合遊技機100は、第1大入賞口126および第2大入賞口128の少なくとも一方が開閉する当たり遊技(大役遊技または小当たり遊技)の実行期間(特定期間の一例)において電源断が発生し、当たり演出(大当たり演出または小当たり演出)の実行期間内に該電源断から復帰した場合に、該電源断の発生前に示唆していた設定中の設定値を、該電源断からの復帰後における当たり演出の実行期間中には示唆しないように構成されてもよい。この場合、サブCPU340は、大当たり演出復帰処理(図48参照)と同様に、電源断から復帰した場合において小当たり演出の態様を決定する小当たり演出復帰処理を実行してもよい。これにより、サブCPU340は、電源断からの復帰時において、デフォルト態様による小当たり演出を実行することができる。
なお、上記の遊技性、すなわち、遊技の進行条件や各種制御方法は一例にすぎず、例えば、大役遊技の実行可否を決定する大役抽選を開始するための始動条件や、大役遊技の種別、数、内容等、遊技者に付与する遊技利益の内容は、本発明の目的を実現可能な範囲で適宜設計可能である。