JP2020161477A - ヒーターシステム、ヒーター制御装置及びヒーター制御プログラム - Google Patents

ヒーターシステム、ヒーター制御装置及びヒーター制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】従来のヒーターシステムでは、温度制御の精度が不十分である問題があった。【解決手段】本発明のヒーターシステムは、温度検出素子から得られる検出温度値Tdetが温度設定値Tsetに近づくようにヒーターに与える電力を制御するヒーター制御部を有し、ヒーター制御部が、目標温度設定値Ttgtよりも高い温度を示す初期目標温度設定値Tiniを温度設定値Tsetとして設定し、初期目標温度設定値Tiniに検出温度値Tdetが達するまでヒーターに電力を供給し、検出温度値Tdetが初期目標温度設定値Tiniに達した後に検出温度値Tdetとして検出される温度が時間とともに低下するように温度設定値Tsetを低下させながらヒーターに電力を供給し、温度設定値Tsetが目標温度設定値Ttgtに一致した後は目標温度設定値Ttgtに従ってヒーターに電力を供給する。【選択図】図5

Description

本発明はヒーターシステム、ヒーター制御装置及びヒーター制御プログラムに関し、例えば、温度検出素子により検出された温度に基づきヒーターにより暖められる被加熱体の温度を制御するヒーターシステム、ヒーター制御装置及びヒーター制御プログラムに関する。
様々な分野でヒーターを用いたシステムが提案されている。このようなヒーターシステムの1つに自動車のステアリングにヒーターを組み込んだステアリングヒーターシステムがある。ヒーターシステムでは、被加熱体の温度を適切に制御するために被加熱体の温度を検出する温度検出素子を用いる。ヒーターシステムでは、この温度検出素子から得られる温度情報に基づきヒーターの温度を制御する。このようなヒーターシステムの例が特許文献1、2に開示されている。
特許文献1に記載のステアリングホイールは、操舵時に把持するリング部と、該リング部の略中央に配置されるボス部と、前記リング部と前記ボス部とを連結する複数のスポーク部と、を備える構成とされて、前記リング部、前記ボス部、及び、前記スポーク部を相互に連結するように配置される芯金と、該芯金における前記リング部と、前記リング部近傍の前記スポーク部の部位とを、覆う被覆層と、を備えるステアリングホイール本体と、前記リング部の少なくとも一部の部位を昇温させるヒータユニットと、を備え、該ヒータユニットが、可撓性を有したシート体からなる基材と、該基材に支持される線状ヒーターと、を有して、外表面側を、前記被覆層におけるカバー層に覆われて配置されるヒーター本体と、前記線状ヒーターと、前記ボス部側から延びる電力供給用のリード線と、の端末相互を結線させる結線部と、を、備える構成のステアリングホイールにおいて、前記リング部と前記スポーク部との境界部位付近における前記芯金若しくは前記被覆層に、周囲から凹んで前記結線部を収納させる収納凹部が、形成され、該収納凹部が、外表面側を、前記カバー層若しくは前記スポーク部付近に配置されるステアリングホイール用の構成部品からなるステアリングホイールの表面側に配置される表面側材に、覆われている。
特許文献2に記載の定着装置は、芯金上に弾性層および離型層を有し記録部材を挟持搬送する定着部材および加圧部材と、上記定着部材または加圧部材の少なくとも一方を加熱する加熱手段と、上記定着部材または上記加圧部材の少なくとも一方に当接する温度検知手段と、上記温度検知手段に基づいて上記定着部材または上記加圧部材もしくはその双方の温度を上記加熱手段を用い各温度を所定の目標温度に制御する温度制御手段を備え、上記記録材上の未定着画像を上記記録材に加熱および加圧して定着する定着装置において、上記温度制御手段は、定着動作中の上記温度検知手段が最下点温度を検知した時点、もしくはその後から目標温度を変更する。
特開2015−131537号公報 特開2003−302864号公報
特許文献1に記載されているようにステアリングホイールでは、限られた領域に多くの部材が組み込まれるため、ヒーターシステムにおいて厚みを有する結線部等を納める収納凹部を設ける等の対策がとられる。このようなステアリングホイールでは、ヒーターシステムのサーミスタ等の温度検出素子をステアリングホイールにおいて加熱対象となるリング部に設けることがステアリングホイールの握り心地の違和感及び意匠上の問題により難しい問題がある。そのため、ステアリングホイールにヒーターシステムを組み込み、温度検出素子により加熱対象であるリング部の温度を直接計測することは難しい。そこで、ステアリングホイールにおいては、温度検出素子をリング部以外の部分に設けることが考えられる。
そして、このように加熱対象とは離れた位置に温度検出素子を設けた場合、加熱対象の実際の温度と温度検出素子から得られる検出温度との間に温度差が生じる。そのため、この温度差を考慮したヒーターの温度制御が求められるが、特許文献1に記載の技術は、加熱対象の温度を直接検出するものであり、加熱対象の部材と温度検出素子とが離れた場所にある場合の温度制御に適用することは出来ない。
このようなことから、ステアリングホイールに適用されるヒーターシステムにおいて精度の高い温度制御を行うことは、特許文献1、2を用いても出来ない問題がある。
本発明にかかるヒーターシステムの一態様は、ヒーターと、前記ヒーターが取り付けられる被加熱体のうち前記ヒーターが直接暖める部材とは異なる位置の部材に取り付けられる温度検出素子と、前記温度検出素子から得られる検出温度値が温度設定値に近づくように前記ヒーターに与える電力を制御するヒーター制御部と、を有し、前記ヒーター制御部は、前記被加熱体を加熱した状態の温度を示す目標温度設定値よりも高い温度を示す初期目標温度設定値を前記温度設定値として設定し、前記初期目標温度設定値に前記検出温度値が達するまで前記ヒーターに電力を供給し、前記検出温度値が前記初期目標温度設定値に達した後に前記検出温度値として検出される温度が時間とともに低下するように前記温度設定値を低下させながら前記ヒーターに電力を供給し、前記温度設定値が前記目標温度設定値に一致した後は前記目標温度設定値に従って前記ヒーターに電力を供給する。
本発明にかかるヒーター制御装置の一態様は、ヒーターに電力を供給するヒーター駆動回路に、前記ヒーターの目標温度と、ヒーターにより過熱される被加熱体の温度を検出する温度検出素子により得られる検出温度値と、の温度差がゼロになるような制御信号を出力するヒーター制御装置であって、前記目標温度に対応する目標温度設定値を格納する目標温度レジスタと、前記目標温度設定値に対する温度補正量を格納する温度補正量レジスタと、前記目標温度設定値に変えて補正温度設定値を前記目標温度として適用する時間の長さを示す減算期間設定値を格納する減算期間レジスタと、前記目標温度レジスタ、前記温度補正量レジスタ及び前記減算期間レジスタに格納された設定値に基づき前記目標温度を出力する温度設定値生成処理部と、前記検出温度値と前記目標温度との差の大きさに応じてデューティー比が変化するPWM信号をヒーター駆動部に出力する駆動信号生成部と、を有し前記温度設定値生成処理部は、前記検出温度値が、前記目標温度設定値に前記温度補正量を加えた初期目標温度設定値に達するまでは、前記初期目標温度設定値を前記目標温度として出力し、前記検出温度値が前記初期目標温度設定値に達した後は、前記初期目標温度設定値を前記減算期間設定値に対応する期間をかけて前記目標温度設定値まで徐々に減算した値を前記目標温度として出力する。
本発明にかかるヒーター制御プログラムの一態様は、ヒーターに電力を供給するヒーター駆動回路に、前記ヒーターの目標温度と、ヒーターにより過熱される被加熱体の温度を検出する温度検出素子により得られる検出温度値と、の温度差がゼロになるような制御信号を出力する半導体装置において実行されるヒーター制御プログラムであって、前記半導体装置は、前記目標温度に対応する目標温度設定値を格納する目標温度レジスタと、前記目標温度設定値に対する温度補正量を格納する温度補正量レジスタと、前記目標温度設定値に変えて補正温度設定値を前記目標温度として適用する時間の長さを示す減算期間設定値を格納する減算期間レジスタと、を有し、前記ヒーター制御プログラムは、前記検出温度値が、前記目標温度設定値に前記温度補正量を加えた初期目標温度設定値に達するまでは、前記初期目標温度設定値を前記目標温度として出力し、前記検出温度値が前記初期目標温度設定値に達した後は、前記初期目標温度設定値を前記減算期間設定値に対応する期間をかけて前記目標温度設定値まで徐々に減算した値を前記目標温度として出力し、前記検出温度値と前記目標温度との差の大きさに応じてデューティー比が変化するPWM信号をヒーター駆動部に出力する。
本発明にかかるヒーターシステム、ヒーター制御装置及びヒーター制御プログラムによれば、被加熱体から離れた位置に温度検出装置を設けても精度の高いヒーターによる温度制御を行うことができる。
実施の形態1にかかるヒーターシステムのブロック図である。 実施の形態1にかかるヒーターシステムにおけるサーミスタの配置とリング部との位置関係を説明する図である。 実施の形態1にかかるヒーターシステムにおける目標温度補正処理の有無の違いによる温度制御結果の違いを説明するグラフである。 実施の形態1にかかるヒーターシステムのヒーター制御部のブロック図である。 実施の形態1にかかるヒーターシステムのヒータ制御部で利用される温度パラメータを説明する図である。 ステアリングホイールの昇温開始前の温度の違いによる温度制御結果の差を説明するグラフである。 実施の形態2にかかるヒーターシステムのヒーター制御部のブロック図である。 実施の形態2にかかるヒーターシステムの動作を説明するフローチャートである。 実施の形態2にかかるヒーターシステムにおけるパラメータ補正の方法を説明する図である。 実施の形態2にかかるヒーターシステムにおける昇温開始前の温度の違いによる温度制御結果の差を説明するグラフである。
実施の形態1
説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、様々な処理を行う機能ブロックとして図面に記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、その他の回路で構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又は、それらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
以下の実施の形態では、自動車用ステアリングに適用されるヒーターシステムについて説明するが、ヒーターシステムにおける制御は、他の用途においても利用可能である。図1に実施の形態1にかかるヒーターシステム1のブロック図を示す。図1に示すように実施の形態1にかかるヒーターシステム1は、バッテリ10、スイッチSW、コントロールユニット20、ヒーター31、温度検出素子(例えば、サーミスタ32)を有する。
バッテリ10は、ヒーターシステム1に電力を供給する電源である。バッテリ10は、例えば、自動車に搭載されるバッテリである。スイッチSWは、コントロールユニット20に対して電力を供給するか否かを切り替える。スイッチSWは、例えば、イグニッションスイッチに連動してオンオフを切り替える。
コントロールユニット20は、サーミスタ32により検出された検出温度値に基づきヒーター31に供給する電力を制御する。ここで、実施の形態1にかかるヒーターシステム1では、ヒーター31は、自動車用ステアリングのリング部を覆う表皮の下部に設けられる。また、サーミスタ32は、ステアリング部をステアリングコラムに接続するスポーク部に設けられる。そこで、ヒーター31及びサーミスタ32の設置位置の関係について、図2を参照して説明する。
図2は、実施の形態1にかかるヒーターシステムにおけるサーミスタの配置とリング部との位置関係を説明する図である。図2に示すように、自動車用ステアリングは、リング部41、ボス部42及びスポーク部43から構成される。リング部41は、運転時に利用者が把持する円環状の部材であり、表面が合成革等の被覆部材により覆われている。ヒーターシステム1で用いられるヒーター31は、この被覆部材と、リング部の心材となる芯金との間に設けられる。ボス部42は、リング部41をステアリングコラムに連結するための部材である。スポーク部43は、リング部41とボス部42とを連結するための部材である。ボス部42及びスポーク部43は、リング部41の芯金と一体に形成される芯金を有する。そして、ヒーターシステム1では、スポーク部43の芯金にサーミスタ32が取り付けられる。また、コントロールユニット20もスポーク部43の芯金若しくはスポーク部43の芯金を覆う樹脂等のカバー部材に取り付けられる。
なお、サーミスタ32の周囲には、ヒーター31に繋がるヒータ線の一部が設けられ、このヒータ線により、サーミスタ32の周囲の芯金を加熱する。また、サーミスタ周囲のヒーター線は、ヒーター31を構成するヒーター線よりも長さが短いため、ヒーター31と単位面積当たりの発熱量は同等だが発熱量の総量は小さくなり、サーミスタ周囲の芯金の温度上昇は遅くなる。
コントロールユニット20は、ダイオードD、降圧コンバータ21、プルアップ抵抗Rpu、ヒーター制御装置(例えば、ヒーター制御部22)、ヒーター駆動回路23を有する。降圧コンバータ21は、ダイオードDを介してバッテリ10から供給される電力が供給される。ダイオードDは、逆流防止素子である。降圧コンバータ21は、バッテリ10から供給されるバッテリ電圧Vbatを降圧して内部電源電圧PWRiを生成する。
プルアップ抵抗Rpuは、一端が降圧コンバータ21の出力端子に接続され、他端がサーミスタ32を介して接地配線に接続される。また、プルアップ抵抗Rpuとサーミスタ32を接続する配線から分岐する配線がヒーター制御部22に接続される。この分岐配線によりヒーター制御部22にサーミスタ32が検出した温度に対応する電圧がヒーター制御部22に入力される。
ヒーター制御部22は、内部電源電圧PWRiに基づき動作する。ヒーター制御部22は、例えば、プログラムを実行可能な演算部と、タイマー、AD変換器、PWM信号生成回路等を含むマイクロコントローラユニット(MCU)である。ヒーター制御部22は、サーミスタ32から得られる検出温度値が温度設定値に近づくようにヒーターに与える電力を制御する。このとき、ヒーター制御部22は、サーミスタ32から得られる温度検出値に加え、ヒーター駆動回路23において生成されるフィードバック信号FBを用いてヒーター駆動回路23を駆動するPWM信号を生成する。このヒーター制御部22の機能の詳細については後述する。
ヒーター駆動回路23は、ヒーター制御部22が出力するPWM信号に基づきヒーター31に供給する電力を制御する。ヒーター駆動回路23は、スイッチングトランジスタ24、抵抗Rfbを有する。スイッチングトランジスタ24は、ゲートにPWM信号が入力され、ソースが抵抗Rfbを介して接地配線に接続され、ドレインにバッテリ10から供給されるバッテリ電圧Vbatが与えられる。スイッチングトランジスタ24は、ソースから、ヒーター制御部22に対してはフィードバック信号FBを出力し、ヒーター31に対しては電力を供給する。なお、図1では、抵抗Rfb及びフィードバック信号FBを明示したが、これら構成を用いない構成も可能である。
ここで、実施の形態1にかかるヒーターシステム1によるヒーターの制御について簡単に説明する。そこで、図3に実施の形態1にかかるヒーターシステムにおける目標温度補正処理の有無の違いによる温度制御結果の違いを説明するグラフを示す。
実施の形態1にかかるヒーターシステム1では、サーミスタ32が検出する検出温度値が目標温度に近づくようにヒーター31を制御するが、ヒーター31が温める被加熱体とサーミスタ32が設置される部分が離れた位置となるため、目標温度を一定にしてヒーターの制御を行うと被加熱体となるリング部41の表皮温度が目標温度からずれる。このように、目標温度補正処理を行わず目標温度を一定にした制御を行った場合の温度制御の結果を図3の上図に示した。図3の上図に示すように、この場合、サーミスタ32の温度がリング部41の表皮温度に比べて上昇が遅れるため、リング部41の表皮温度が目標温度よりも高く、時間とともにその乖離幅が大きくなる。
一方、図3の下図には、実施の形態1にかかるヒーターシステム1における目標温度補正処理を行った場合の温度制御の結果を示した。図3の下図に示すように、実施の形態1にかかるヒーターシステム1では、加熱当初の初期目標温度を本来の目標温度よりも高くし、サーミスタ32の検出温度値が初期目標温度に達した後に徐々に目標温度を低下させる目標温度の補正処理を行う。これにより、実施の形態1にかかるヒーターシステム1では、サーミスタ32により検出される検出温度値を実際の目標温度値に早期に近づけヒーター31による温度制御精度を高める。以下では、この温度補正処理について説明する。
実施の形態1にかかるヒーターシステム1では、ヒーター制御部22において目標温度補正処理を行う。そこで、ヒーター制御部22について以下で詳細に説明する。ヒーター制御部22は、被加熱体(例えば、リング部41の芯金)を加熱した状態の温度を示す目標温度設定値よりも高い温度を示す初期目標温度設定値を温度設定値として設定し、初期目標温度設定値に検出温度値が達するまでヒーター31に電力を供給する。そして、ヒーター制御部22は、検出温度値が初期目標温度設定値に達した後に検出温度値として検出される温度が時間とともに低下するように温度設定値を低下させながらヒーター31に電力を供給し、温度設定値が目標温度設定値に一致した後は目標温度設定値に従ってヒーター31に電力を供給する。
上記動作を行うヒーター制御部22の構成について説明する。そこで、図4に実施の形態1にかかるヒーターシステムのヒーター制御部22のブロック図を示す。図4では、ハードウェアによりヒーター制御部22を構成する例について説明するが、ソフトウェアにより機能を実現することもできる。また、図4に示す例では、実施の形態1にかかるヒーター制御部22の機能を説明するために、ヒーター駆動回路23、ヒーター31、サーミスタ32を示した。
図4に示すようにヒーター制御部22は、温度設定値生成処理部51、温度検出処理部52、駆動信号生成部53を有する。温度設定値生成処理部51は、レジスタに格納された情報に基づき温度設定値Tsetを生成して、駆動信号生成部53に出力する。温度検出処理部52は、サーミスタ32の抵抗値の変化から得られる電圧値をデジタル値に変換して検出温度値Tdetを出力する。駆動信号生成部53は、温度設定値Tsetと検出温度値Tdetと差に基づきデューティー比が変化するPWM信号を、ヒーター31に供給する電力を制御するヒーター駆動回路23に出力する。
温度設定値生成処理部51は、目標温度レジスタ61、温度補正量レジスタ62、加算処理部63、減算期間レジスタ64、タイマ65、傾きレジスタ66、減算処理部67を有する。
目標温度レジスタ61は、目標温度設定値Ttgtを格納する。目標温度設定値Ttgtは、リング部41の表皮温度として設定したい温度である。実施の形態1にかかるヒーターシステム1では、加熱開始時に目標温度設定値Ttgtよりも高い温度にサーミスタから検出される温度設定値Tsetの目標値となる初期目標温度設定値Tiniを設定する。図4に示す例では、初期目標温度設定値Tiniと目標温度設定値Ttgtとの差を温度補正量Tcorとして、温度補正量レジスタ62に格納する。加算処理部63は、目標温度設定値Ttgtと温度補正量Tcorとを加算して初期目標温度設定値Tiniを生成する。減算期間レジスタ64は、温度設定値Tsetを初期目標温度設定値Tiniから目標温度設定値Ttgtに向かって温度設定値Tsetを低下させる時間を指定する減算期間設定値Tstを格納する。タイマ65は、検出温度値Tdetが初期目標温度設定値Tiniに達した事に応じて時間の計測を開始する。タイマ65は、減算期間設定値Tstを最大値として、カウントダウンにより時間を計測する。傾きレジスタ66は、初期目標温度設定値Tiniを減じる際の傾きを示す傾きΔTを格納する。減算処理部67は、タイマ65の出力値が計時期間を示している期間に、傾き設定値に応じて初期目標温度設定値Tiniを減じて温度設定値Tsetを生成する。
ここで、傾きΔTは(1)式で示される値である。
ΔT=Tcor/Tst ・・・ (1)
また、温度設定値Tsetは、タイマ65が出力する時間をtとすると、(2)式で表すことができる。なお、tは、Tstを最大値として、0まで低下する値である。
Tset=Tini−ΔT*(Tst−t) ・・・ (2)
なお、図4において、初期目標温度設定値Tiniを格納するレジスタを設け、目標温度レジスタ61、温度補正量レジスタ62、加算処理部63を省略することもできる。また、傾きレジスタ66に格納する傾きΔTは、温度補正量Tcorと減算期間設定値Tstを用いてヒーター制御部22内で計算して傾きレジスタ66に格納する形式としても良い。
上記、各レジスタに格納する設定値について、図5を参照して、説明する。図5は実施の形態1にかかるヒーターシステム1のヒーター制御部22で利用される温度パラメータを説明する図である。図5に示すように、目標温度設定値Ttgtは、リング部41の表皮温度の最終的な目標温度である。初期目標温度設定値Tiniは、目標温度設定値Ttgtに温度補正量Tcorを加算した値である。減算期間設定値Tstは、検出温度値Tdetが初期目標温度設定値Tiniに達したことに応じて開始される期間であって、サーミスタ32からの検出温度値Tdetが初期目標温度設定値Tiniに達してから、目標温度設定値Ttgtを目標温度設定値Ttgtに戻すまでの期間の長さを指定するものである。また、傾きΔTは、上記(1)式により求められる。
駆動信号生成部53は、比較器71、出力調整処理部72、PWM生成処理部73を有する。比較器71は、温度設定値Tsetと検出温度値Tdetを比較して2つの値の差分値を出力する。出力調整処理部72は、比較器71の出力値がゼロより小さくなることを防止するとともに、差分値をフィードバック信号FBにより示されるフィードバック電圧の目標電圧に変換する。PWM生成処理部73は、出力調整処理部72の出力値とフィードバック電圧の差分電圧に応じてデューティー比が変化するPWM信号を生成する。
上記説明より、実施の形態1にかかるヒーターシステム1は、加熱開始時のサーミスタ32から得られる検出温度値Tdetの目標値となる初期目標温度設定値Tiniを最終的な目標温度設定値Ttgtよりも高く設定する。そして、実施の形態1にかかるヒーターシステム1では、検出温度値Tdetが初期目標温度設定値Tiniに達した後に、温度設定値Tsetを減算期間設定値Tstにより示される時間をかけて目標温度設定値Ttgtに徐々に低下させる。これにより、実施の形態1にかかるヒーターシステム1では、サーミスタ32が加熱制御対象のリング部41から離れた位置に配置されていた場合であっても、リング部41の温度制御の精度を高める事ができる。これは、ヒーターシステム1の温度補正処理により、サーミスタ32の周囲にあるスポーク部43の芯金の温度を早期に高める事でリング部41の芯金の温度とスポーク部43の芯金の温度との差を小さくすることができるためである。
また、実施の形態1にかかるヒーターシステム1では、温度補正処理を行うことで、早期にリング部41の温度を目標温度に安定させることができる。
実施の形態2
実施の形態2では、実施の形態1にかかるヒーターシステム1の変形例について説明する。ヒーターシステムでは、加熱対象の加熱前の温度によらず、同一の目標温度設定値Ttgtを用いた制御を行うと、最終的な加熱対象の温度のばらつきが大きくなる問題がある。そこで、図6にステアリングホイールの昇温開始前の温度の違いによる温度制御結果の差を説明するグラフを示す。
図6に示すように、同一の目標温度設定値Ttgtを用いた制御では、加熱前のステアリングホイールの雰囲気の温度が−20℃から+20℃程度のばらつきがあった場合、最終的な温度制御の結果に±2.5℃程度のばらつきが生じる。そこで、実施の形態2にかかるヒーター制御部22aでは、加熱前の検出温度値Tdetに基づき制御パラメータの値を補正し、補正後の制御パラメータに基づきヒーターの制御を行う。そこで、図7に実施の形態2にかかるヒーター制御部22aのブロック図を示す。
図7に示すように、実施の形態2にかかるヒーター制御部22aは、ヒーター制御部22にパラメータ補正部81を追加したものである。パラメータ補正部81は、動作開始時に検出される検出温度値Tdetの値に基づき制御パラメータの補正値を算出し、補正済みの制御パラメータを温度設定値生成処理部51及び駆動信号生成部53に与える。具体的には、パラメータ補正部81は、低温側において予め決められた第1の温度に対応する第1の制御パラメータ群と、高温側において予め決められた第2の温度に対応する第2の制御パラメータ群と、を保持し、第1の温度と第2の温度との温度差と初回の検出温度値Tdetとの比率に基づき制御パラメータの補正値を算出する。
ここで、制御パラメータ群には、目標温度設定値Ttgt、PWM生成処理部73のPID制御用パラメータ(例えば、制御ゲイン、時間等)、温度補償制御用パラメータ(例えば、減算期間設定値Tst、温度補正量Tcor等)が含まれる。
続いて、このヒーター制御部22aを含む実施の形態2にかかるヒーターシステムの動作について説明する。図8に、実施の形態2にかかるヒーターシステムの動作を説明するフローチャートを示す。図8に示すように、実施の形態2にかかるヒーターシステムでは、動作を開始すると、まず、ハードウェアとソフトウェアを初期化する初期化処理を行う(ステップS1)。
続いて、ヒーター制御部22aは、現処理サイクルが初回のヒーター制御ルーチンであるか否かを判断する(ステップS2)。このステップS2で、初回のヒーター制御ルーチンであると判断された場合(ステップS2のYESの枝)、パラメータ補正部81がサーミスタ32からサーミスタ温度(例えば、検出温度値Tdet)を取得する(ステップS3)。そして、パラメータ補正部81は、取得した検出温度値Tdetが第1の温度(例えば、−20℃)よりも低いか否かを判断する(ステップS4)。このステップS4で、検出温度値Tdetが第1の温度よりも低いと判断した場合、制御パラメータ群として、第1の温度に対応した制御パラメータ群を温度設定値生成処理部51及び駆動信号生成部53に設定する(ステップS5)。
一方、ステップS4で、検出温度値Tdetが第1の温度以上であると判断した場合、検出温度値Tdetが第2の温度(例えば、+20℃)よりも高いか否かを判断する(ステップS6)。このステップS6で、検出温度値Tdetが第2の温度以上であると判断した場合、制御パラメータ群として、第2の温度に対応した制御パラメータ群を温度設定値生成処理部51及び駆動信号生成部53に設定する(ステップS7)。一方、ステップS6で、検出温度値Tdetが第2の温度よりも低いと判断した場合、制御パラメータ群として、直線補間により算出した制御パラメータ群を温度設定値生成処理部51及び駆動信号生成部53に設定する(ステップS8)。なお、ステップS8の直線補間により算出した制御パラメータ群についての詳細は後述する。
ステップS5、S7、S8の制御パラメータ群の設定が終了するとヒーター制御部22aは、温度設定値生成処理部51、温度検出処理部52、駆動信号生成部53を用いたヒーター制御のメイン処理を行う(ステップS9)。そして、メイン処理が終了したことに応じて、制御状態を上位システムに伝達するための通信処理を行い(ステップS10)、再度ステップS2の判断処理を行う。このステップS2の判断処理において、初回のヒーター制御ルーチンではないと判断された場合(ステップS2のNOの枝)、ヒーター制御部22aは、ステップS3〜S8の制御パラメータ群の設定処理は行わずにステップS9のメイン処理を実施する。
ここで、ステップS8の線形補間による制御パラメータ群の補正について説明する。そこで、図9に実施の形態2にかかるヒーターシステムにおけるパラメータ補正の方法を説明する図を示す。図9に示す例では、Tminが第1の温度に対応し、Tmaxが第2の温度に対応し、Pminが第1の制御パラメータ群に対応し、Pmaxが第2の制御パラメータ群に対応する。そして、パラメータ補正部81は、制御パラメータ群に含まれるパラメータのそれぞれについて、線形補間処理による補正済み制御パラメータを算出する。
パラメータ補正部81では、初回に検出された検出温度値Tdetが、第1の温度Tminよりも小さい場合は第1の制御パラメータ群を利用し、第2の温度Tmaxよりも小さい場合は第2の制御パラメータ群を利用する。また、パラメータ補正部81は、初回に検出された検出温度値Tdetが第1の温度Tminと第2の温度Tmaxとの間の温度tempであった場合、第1の温度Tminと第2の温度Tmaxとの温度差と初回検出温度値である温度tempとの比率に基づき制御パラメータの補正値を算出する。この補正済み制御パラメータPtempは、(3)式に基づき算出される。
Ptemp=(temp−Tmin)×(Pmax+Pmin)/(Tmax−Tmin)+Pmin ・・・ (3)
このようにパラメータ補正部81を用いて算出した補正済み制御パラメータを用いた場合の温度制御結果について説明する。図10に実施の形態2にかかるヒーターシステムにおける昇温開始前の温度の違いによる温度制御結果を説明するグラフを示す。図10に示すように、制御パラメータの補正を行うことで、加熱開始前の加熱対象に±20℃程度の温度差があっても、最終的な温度ばらつきを±1.0℃程度に抑えることができる。
上記説明より、実施の形態2にかかるヒーターシステムを用いることで、加熱開始前の加熱対象の温度にばらつきがあっても、最終的な温度ばらつきを抑えることができる。
実施の形態3
実施の形態2では、例えば、第2の温度Tmaxに対応する目標温度設定値Ttgtが初期目標温度設定値Tiniよりも低いこと前提としたが、目標温度設定値Ttgtは、初期目標温度設定値Tiniよりも高い温度となることがある。
このように、目標温度設定値Ttgtが初期目標温度設定値Tiniよりも高い場合、実施の形態1、2における減算期間設定値Tstを温度設定値計算期間として、この温度設定値計算期間に初期目標温度設定値Tiniから始まる温度設定値を目標温度設定値Ttgtに近づけるように増加させるための加算処理を行う。つまり、目標温度設定値Ttgtが初期目標温度設定値Tiniよりも高い場合、減算処理部67を加算処理部とする必要がある。また、減算処理部67を加算も減算も行うことが可能な演算部とすることで、目標温度設定値Ttgtと初期目標温度設定値Tiniとの大小関係にかかわらず、実施の形態1、2と同様の制御を実現することができる。
上記説明より、実施の形態3では、目標温度設定値Ttgtが初期目標温度設定値Tiniよりも高い場合の処理について説明した。つまり、このような場合であっても、減算処理部67を加算処理が可能な演算部とすることで、実施の形態1、2で説明した制御と同様の処理を実現することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。本発明は、加熱対象の部材と温度検出素子とが離れた場所にあるような加熱装置に使用することができ、その用途は上述したステアリングホイールに限定されない。例えば、カーシート、アームレスト、内装パネルなどの車両用暖房装置のほか、家庭用暖房器具、産業用加熱装置、各種除雪解氷装置、防曇装置、加熱調理器具など、種々の用途で使用することができる。
1 ヒーターシステム
10 バッテリ
20 コントロールユニット
21 降圧コンバータ
22 ヒーター制御部
23 ヒーター駆動回路
24 スイッチングトランジスタ
31 ヒーター
32 サーミスタ
41 リング部
42 ボス部
43 スポーク部
51 温度設定値生成処理部
52 温度検出処理部
53 駆動信号生成部
61 目標温度レジスタ
62 温度補正量レジスタ
63 加算処理部
64 減算期間レジスタ
65 タイマ
66 傾きレジスタ
67 減算処理部
71 比較器
72 出力調整処理部
73 PWM生成処理部
81 パラメータ補正部
Rfb 抵抗
Rpu プルアップ抵抗
FB フィードバック信号
Sup_PWR ヒーター電力
Tdet 検出温度値
Tset 温度設定値
Ttgt 目標温度設定値
Tcor 温度補正量
Tini 初期目標温度設定値
ΔT 傾き
Tst 減算期間設定値

Claims (9)

  1. ヒーターと、
    前記ヒーターが取り付けられる被加熱体のうち前記ヒーターが直接暖める部材とは異なる位置の部材に取り付けられる温度検出素子と、
    前記温度検出素子から得られる検出温度値が温度設定値に近づくように前記ヒーターに与える電力を制御するヒーター制御部と、を有し、
    前記ヒーター制御部は、
    前記被加熱体を加熱した状態の温度を示す目標温度設定値よりも高い温度を示す初期目標温度設定値を前記温度設定値として設定し、
    前記初期目標温度設定値に前記検出温度値が達するまで前記ヒーターに電力を供給し、
    前記検出温度値が前記初期目標温度設定値に達した後に前記検出温度値として検出される温度が時間とともに低下するように前記温度設定値を低下させながら前記ヒーターに電力を供給し、
    前記温度設定値が前記目標温度設定値に一致した後は前記目標温度設定値に従って前記ヒーターに電力を供給するヒーターシステム。
  2. 前記ヒーター制御部は、
    前記温度設定値を出力する温度設定値生成処理部と、
    前記温度設定値と前記検出温度値と差に基づきデューティー比が変化するPWM信号を、前記ヒーターに供給する電力を制御するヒーター駆動回路に出力するPWM生成処理部と、
    を有する請求項1に記載のヒーターシステム。
  3. 前記温度設定値生成処理部は、
    前記目標温度設定値を格納する目標温度レジスタと、
    前記目標温度設定値と前記初期目標温度設定値との差となる温度補正量を格納する温度補正量レジスタと、
    前記目標温度設定値に前記温度補正量を加算して前記初期目標温度設定値を生成する加算処理部と、
    前記検出温度値が前記初期目標温度設定値に達した事に応じて時間の計測を開始するタイマーと、
    前記タイマーによる計時期間を指定する減算期間設定値を格納する減算期間レジスタと、
    前記計時期間中の前記温度設定値の減算傾きを示す傾き設定値を格納する傾きレジスタと、
    前記タイマーの出力値が前記計時期間を示している期間に、前記傾き設定値に応じて前記初期目標温度設定値を減じて前記温度設定値を生成する減算処理部と、
    を有する請求項2に記載のヒーターシステム。
  4. 前記ヒーター制御部は、
    前記検出温度値のうち動作開始後の初回に計測された初回検出温度値に基づき各種制御パラメータを予め設定された範囲内で補正するパラメータ補正部を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヒーターシステム。
  5. 前記パラメータ補正部は、低温側において予め決められた第1の温度に対応する第1の制御パラメータ群と、高温側において予め決められた第2の温度に対応する第2の制御パラメータ群と、を保持し、前記第1の温度と前記第2の温度との温度差と前記初回検出温度値との比率に基づき前記制御パラメータの補正値を算出する請求項4に記載のヒーターシステム。
  6. 前記ヒーターは、自動車用ステアリングホイールのリング部に巻き付けられ、
    前記温度検出素子は、前記リング部をステアリングコラムに連結するボス部、又は、前記ボス部と前記リング部を連結するスポーク部に取り付けられる請求項1に記載のヒーターシステム。
  7. ヒーターに電力を供給するヒーター駆動回路に、前記ヒーターの目標温度と、ヒーターにより過熱される被加熱体の温度を検出する温度検出素子により得られる検出温度値と、の温度差がゼロになるような制御信号を出力するヒーター制御装置であって、
    前記目標温度に対応する目標温度設定値を格納する目標温度レジスタと、
    前記目標温度設定値に対する温度補正量を格納する温度補正量レジスタと、
    前記目標温度設定値に変えて補正温度設定値を前記目標温度として適用する時間の長さを示す減算期間設定値を格納する減算期間レジスタと、
    前記目標温度レジスタ、前記温度補正量レジスタ及び前記減算期間レジスタに格納された設定値に基づき前記目標温度を出力する温度設定値生成処理部と、
    前記検出温度値と前記目標温度との差の大きさに応じてデューティー比が変化するPWM信号をヒーター駆動部に出力する駆動信号生成部と、を有し
    前記温度設定値生成処理部は、
    前記検出温度値が、前記目標温度設定値に前記温度補正量を加えた初期目標温度設定値に達するまでは、前記初期目標温度設定値を前記目標温度として出力し、
    前記検出温度値が前記初期目標温度設定値に達した後は、前記初期目標温度設定値を前記減算期間設定値に対応する期間をかけて前記目標温度設定値まで徐々に減算した値を前記目標温度として出力するヒーター制御装置。
  8. ヒーターに電力を供給するヒーター駆動回路に、前記ヒーターの目標温度と、ヒーターにより過熱される被加熱体の温度を検出する温度検出素子により得られる検出温度値と、の温度差がゼロになるような制御信号を出力する半導体装置において実行されるヒーター制御プログラムであって、
    前記半導体装置は、
    前記目標温度に対応する目標温度設定値を格納する目標温度レジスタと、
    前記目標温度設定値に対する温度補正量を格納する温度補正量レジスタと、
    前記目標温度設定値に変えて補正温度設定値を前記目標温度として適用する時間の長さを示す減算期間設定値を格納する減算期間レジスタと、を有し、
    前記ヒーター制御プログラムは、
    前記検出温度値が、前記目標温度設定値に前記温度補正量を加えた初期目標温度設定値に達するまでは、前記初期目標温度設定値を前記目標温度として出力し、
    前記検出温度値が前記初期目標温度設定値に達した後は、前記初期目標温度設定値を前記減算期間設定値に対応する期間をかけて前記目標温度設定値まで徐々に減算した値を前記目標温度として出力し、
    前記検出温度値と前記目標温度との差の大きさに応じてデューティー比が変化するPWM信号をヒーター駆動部に出力するヒーター制御プログラム。
  9. ヒーターと、
    前記ヒーターが取り付けられる被加熱体のうち前記ヒーターが直接暖める部材とは異なる位置の部材に取り付けられる温度検出素子と、
    前記温度検出素子から得られる検出温度値が温度設定値に近づくように前記ヒーターに与える電力を制御するヒーター制御部と、を有し、
    前記ヒーター制御部は、
    前記被加熱体を加熱した状態の温度を示す目標温度設定値よりも高い温度を示す初期目標温度設定値を前記温度設定値として設定し、
    前記初期目標温度設定値に前記検出温度値が達するまで前記ヒーターに電力を供給し、
    前記検出温度値が前記初期目標温度設定値に達した後に前記検出温度値として検出される温度検出値が前記目標温度設定値に近づくように前記温度設定値を変化させながら前記ヒーターに電力を供給し、
    前記温度設定値が前記目標温度設定値に一致した後は前記目標温度設定値に従って前記ヒーターに電力を供給するヒーターシステム。
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