JP2020160458A - 低粘着化粧板とこれを用いた掲示板並びにその使用法 - Google Patents

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JP2020160458A JP2020097035A JP2020097035A JP2020160458A JP 2020160458 A JP2020160458 A JP 2020160458A JP 2020097035 A JP2020097035 A JP 2020097035A JP 2020097035 A JP2020097035 A JP 2020097035A JP 2020160458 A JP2020160458 A JP 2020160458A
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健史 ▲崎▼田
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Abstract

【課題】画鋲やテープなどの留め具を使うことなく、各種被粘着物を何度も貼り付けたり、剥ぎ取ったりできる低粘着(低タック性)化粧板を提供する。【解決手段】木質基板(10)の表面全体に接着剤(11)を介して、各種意匠が印刷された化粧シート(12)を貼り付けると共に、その化粧シート(12)の表面全体へ再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤(13)をベタ塗りして、その粘着剤(13)の塗膜を表側から透明のセパレーター(14)により被覆した。【選択図】図1

Description

本発明は画鋲やテープ、マグネット、その他の留め具を使うことなく、ポスターや広報紙、写真用紙、その他の紙類から成る各種被粘着物を、何度も貼り付けたり、剥離したりできる低粘着(低タック性)化粧板と、これを用いた学校や駅、その他の公共施設にふさわしく有効な掲示板並びにその使用法に関する。
一般に、広報紙(お知らせ)や写真用紙、ポスター、広告チラシ、その他の紙類から成る掲示物を掲示板へ、画鋲(押しピン)やテープなどの留め具によって取り付けているが、これでは留め具による穴や汚れが掲示板に残るほか、その汚れや傷を掲示物にも与えてしまう問題がある。
また、上記画鋲やテープ、マグネットなどの留め具は、掲示物を点在分布状態での部分的に押え付けるに過ぎないため、空気をはらんで浮上(膨張)したり、波打ち変形したりしやすく、掲示板に全面密着した安定な保持状態を得られない。
このことは、掲示物の面積が広大になればなる程顕著となるほか、例えば一畳分の大判になると、その取り付けと取りはずしも煩雑となり、その作業を1人では容易・円滑に行えず、留め具を落して見失うことも起るのである。
更に、掲示物が例えば学校での折り紙工作品であるような場合には、これを上記留め具によって押え付けると、その工作品自身が部分的に隠蔽されたり、扁平化されたりして、見苦しくなり、良好な展示状態を得られないのである。
他方、建材として広く取り扱われている化粧板に付加価値を与えて、その用途を広げるために、近年例えば耐汚染性のあるものや傷に対して強い化粧板やマグネットが磁着する化粧板、ペン書きできて消せる化粧板、被粘着物を固定できるコルク板などの各種化粧板が商品化されているが、上記留め具を必要とせず、それ自体の表面に具備する粘着性のみによって、上記被粘着物を何度も貼り付けたり、剥ぎ取ったりできる化粧板は、未だ開発されていない。
この点、押しピンやマグネットなどの留め具を使わず、コピー用紙などの普通紙を貼り付けたり、剥がしたりできるように、シート状磁石(1)の非着磁面へ直接又はラミネート紙(2)を介して、微粘着層(3)を設けた簡易ボード材が、特許文献1に開示されている。
また、剥がし作業を容易化するために、基材用紙(11)の表面へ粘着剤を点状に塗布した粘着シートが、特許文献2に記載されている。
更に、初期タックを実質的に無くし、掲示物を接着部の表面に沿って移動させることができるように、発泡プラスチック製基材(1)の表面へ感圧性接着剤を、ドットパターンの形態に塗工した掲示板が、特許文献3に開示されている。
実用新案登録第3049912号公報 特開2000−319604号公報 特許第5108452号公報
ところが,特許文献1に記載の簡易ボード材はシート状磁石(1)を基材としており、その磁石(1)の吸着力によってスチール製ボード(6)へ固定するようになっているため、そのスチール製ボード(6)が無ければ使用することができず、従ってその簡易ボード自身を建材として取り扱い、建物の壁面へ埋設施工するようなことは不可能である。
しかも、そのシート状磁石(1)の表面へラミネート紙(2)を覆い被せた構成では、その巻き曲げたロール状態から扁平に引き伸ばし展開した時、その異なる素材から成る2層の外径差に基き、シートに撓みと延いては皺の起生するおそれがある。
また、特許文献2に記載の粘着シートも文字通りにシートであって、その基材用紙(11)の表面に剥離紙(13)を覆い被せた2層構成であるため、特許文献1と同じく上記皺の発生するおそれがある。その予防のために、上記製品としての粘着シートを、板材の表面に貼り合わせるとすれば、その特別な加工のための費用が必要となる。
他方、特許文献3に記載の掲示板も感圧性接着剤そのものではなく、その塗布方法によって初期タックの極小化を図っているため、たとえ発泡プラスチック製の基材(1)を採用しているとしても、やはり塗布方法と塗布装置などに特殊な工夫が必要となる。
要するに、上記したとおり低粘着性という付加価値を与えた化粧板は、未だ開発されていない現状である。
尚、念のために言えば、建材として広く取り扱われている化粧板は、木質基板の表面に接着剤を介して化粧シートが貼り付けられているが、必要な表面物性を具備させるため、その化粧シートの表面には透明のトップコーテング(クリヤー塗装)が施された構成であり、その結果その表面仕上げされたコーティング層へ更なる加工として、塗装や接着などを行うことはできなくなっている。
本発明は上記課題の解決に役立つ新らしい低粘着化粧板の提供を目的としており、そのために請求項1では木質基板の表面全体に接着剤を介して、各種意匠が印刷された化粧シートを貼り付けると共に、
その化粧シートの表面全体へ再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤を成膜状態に塗装して、その塗膜を透明のセパレーターにより被覆したことを特徴とする。
また、請求項2ではアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤の塗布量を2.0g/0.18m〜4.0g/0.18mに設定したことを特徴とする。
請求項3では請求項1記載の低粘着化粧板をそのまま掲示板として使用するに当り、そのセパレーターの剥離により露出した粘着剤の塗膜へ、表側から掲示物を貼り付けた後、その掲示物を上記セパレーターの貼り付けにより被覆することを特徴とする。
請求項4では掲示板として、木質基板の表面全体に接着剤を介して、各種意匠が印刷された化粧シートを貼り付けると共に、その化粧シートの表面全体へ再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤をベタ塗りして成る低粘着化粧板に、その木口面を包囲する額縁を取り付けたことを特徴とする。
請求項5では掲示板として、木質基板の表面全体に接着剤を介して、各種意匠が印刷された化粧シートを貼り付けると共に、その化粧シートの表面全体へ再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤をベタ塗りして成る低粘着化粧板に、その粘着剤の塗膜を表側から被覆する透明な開閉窓のサッシ枠を取り付けたことを特徴とする。
請求項1の構成によれば、化粧シートの表面全体に再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤がベタ塗りされた低粘着化粧板であるため、その塗膜をマスキングしているセパレーターの剥離により露出した粘着面へ、紙類から成る各種被粘着物の全面を密着状態に貼り付けることができ、その安定な表示状態に保持し得るのであり、従来のような留め具を必要としない結果、その留め具の使用による穴や傷、汚れなどの見苦しい痕跡を、その被粘着物に与えてしまうおそれはない。
また、各種被粘着物の全面が上記粘着剤の塗膜に貼り付くことにより、その部分的な浮き上がり(膨張)や不正変形などを起さない安定な表示状態に保たれるにも拘らず、人手操作を加えれば容易に剥ぎ取ることもでき、その貼り付けと剥ぎ取りを繰り返し行えるため、例えば1週間や1ケ月、夏期などの一定期間だけ掲示する掲示物を、頻繁に貼り替える必要がある掲示板として著しく有用である。
更に、木質材を基板として接着された化粧シートの表面全体に、上記粘着剤がベタ塗りされているため、冒頭に従来例として挙げた粘着シートのように、粘着剤を特殊なドットパターンに塗布する必要がなく、従来からありふれた化粧板の製造装置を使って、その低粘着化粧板を安価に量産できる効果がある。
その場合、請求項2の構成を採用するならば、その上記粘着剤における塗布量の設定数値範囲により、被粘着物のピーリング強度(粘着力)を適正に発揮させることができ、その弱過ぎに起因する被粘着物の自然剥離と、逆な強過ぎに起因する被粘着物の破損を予防し得る効果がある。
特に、請求項3の構成を採用するならば、低粘着化粧板が具備する透明のセパレーターを、掲示物の貼り付け時に剥離して廃棄せず、これを掲示物の貼り付け後にも使用して、その掲示物と上記粘着剤の塗膜(粘着面)とを全体的に被覆することにより、防塵状態に保てる効果がある。
請求項4の構成を採用するならば、請求項1に記載の低粘着化粧板を用いて、その木口面が額縁により包囲された汎用性に富む好体裁の掲示板を提供できる効果がある。
また、請求項5の構成を採用するならば、やはり請求項1に記載の低粘着化粧板を用いて、その粘着剤の塗膜が開閉窓により防塵状態に保たれ、しかもその塗膜に貼り付けられた掲示物の透視可能な掲示板を提供できる効果がある。
本発明の実施形態に係る低粘着化粧板を示す斜面図である。 図1の拡大断面図である。 上記低粘着化粧板の1次製造工程を示す説明図である。 図3に続く2次製造工程を示す説明図である。 掲示板としての使用法を示す説明図である。 ウエルカムボードとしての使用例を示す概略斜面図である。 掲示板としての使用例を示す概略斜面図である。 掲示板としての別な使用例を示す概略斜面図である。 図8の9−9線拡大断面図である。 掲示物の貼り付け方又は剥ぎ取り方を示す説明図である。
以下、図面に基いて本発明の好適な実施形態を詳述する。その実施形態に係る低粘着化粧板(A)は図1の斜面図と図2の拡大断面図から明白なように,木質基板(10)の表面全体に接着剤(11)を介して、ノーコートタイプの化粧シート(12)を貼り付けると共に、その化粧シート(12)の表面全体へ再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤(13)をベタ塗りして、その粘着剤(13)の塗膜(粘着面)を表側から透明のセパレーター(14)により被覆したものである。
上記低粘着化粧板(A)は、これを例えば厚み:5.5mm×幅:910mm×長さ:1820mmの大きな製品サイズ(一畳分)に作成すれば、そのまま建材(内装壁材)(M)として建物の壁面へ埋め込み施工(造り付け)することができるが、これよりも小型にカットして、屋内での掲示板(展示板)(B)やウエルカムボード(C)、写真立てなどとして使用することも可能である。この点については、詳しく後述する。
上記低粘着化粧板(A)の木質基板(10)は、MDF(中質繊維板)やパーチクルボード、合板などから成るが、特に国産のトドマツやその他の針葉樹合板を採用することが好ましい。その低粘着化粧板(A)の比重が低くなり、現場での取扱いや加工などを容易に行えるからである。図例では3プライ(厚み:5.5mm)のトドマツ合板を示している。
また、上記化粧シート(12)を貼り付けるための接着剤(11)としては、エマルジョン系接着剤を使用している。
化粧シート(12)は23〜80g/mの重量を有する強化紙や含浸紙に、木目柄やブロック柄、抽象柄、コルク柄などの各種模様、単色やツートンカラーなどの各種色彩又はその模様と色彩との組合せから成る意匠が印刷(カラー印刷)されたノーコートタイプのシートであり、このような紙間強度のある原紙を採用することによって、低粘着化粧板(A)から被粘着物(15)を剥離する時に、その化粧シート(12)の層間剥離を起生しないようになっている。その紙間剥離強度を0.4N/mm以上に保つことが望ましい。
上記再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤(13)は、下記(A)、(B)成分を(A)/(B)=5/95〜50/50(重量比)の比率で含有した粘着剤組成物から成るものである。

(A)テトラヒドロフラン不溶分が90重量%以上で、ガラス転移温度が−50℃〜−20℃である、(メタ)アクリル系重合体。
(B)エチレン(B1)/酢酸ビニル(B2)/ネオデカン酸ビニル(B3)の含有重合比率(B1/B2/B3)が、2〜25/10〜70/10〜88(但し、三成分の合計量を100とする)の範囲にあるエチレン−酢酸ビニル−ネオデカン酸ビニルの三元共重合体。
上記再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤(13)は、その特定の(メタ)アクリル系重合体と特定のエチレン−酢酸ビニル−ネオカデン酸ビニルの三元共重合体とを、その特定の配合比で使用するようになっているため、自着性及び低タック性を発揮することができ、低粘着化粧板(A)から被粘着物(15)を剥離した時に、その粘着剤(13)が被粘着物(15)へ転移(所謂糊移り)して、その被粘着物(15)を汚損することはない。その結果、被粘着物(15)の剥離と貼り付けを何度も繰り返すことができる低粘着化粧板(A)の製造上有効である。
但し、上記再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤(13)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体水性エマルジョン感圧接着剤組成物であっても良い。
つまり、アクリル系共重合体により形成される粘着性微球粒子並びに微小粒子と、粘性調整剤を含有する水性感圧接着剤組成物であって、特にその微小粒子のガラス転移温度が0℃以下であり、且つ上記粘性調整剤がイオン性粘性調整剤と非イオン性粘性調整剤とから成る感圧接着剤組成物を採用するのである。
このような粘着性微球粒子を含む水性感圧接着剤組成物から成る再剥離型のアクリル系共重合水性エマルジョン粘着剤(13)は、その好ましくは20〜50μmの体積平均粒子径を有する粘着性微球粒子により塗膜(粘着面)に形成される凹凸が、平滑な被粘着物(15)との接触面積の減少に寄与して、その被粘着物(15)の再剥離性を維持することができると共に,ロールコーターやその他の手段によってベタ塗りすることもできるため、やはり低粘着化粧板(A)の製造に役立つ。
何れにしても、上記アクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤(13)は乳白色又は白色乳濁の液体であるが、乾燥固化すると無色透明になるため、上記化粧シート(12)に印刷された各種意匠が、その塗膜によって隠蔽されてしまうおそれはなく、その意匠性(外観化粧効果)を発揮し得る意味でも、上記低粘着化粧板(A)の製造上有効である。
また、何れの上記再剥離型アクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤(13)の塗布量についても、その適当な範囲を2.0〜4.0g/0.18mに設定する。粘着剤の塗布量とピーリング強度(粘着力)は比例関係にあり、その粘着剤(13)の塗布量が4.0g/0.18mを越えると、ピーリング強度が強過ぎて、上記低粘着化粧板(A)から被粘着物(15)を剥離する時に、その被粘着物(15)を破損してしまうおそれがあり、他方粘着剤(13)の塗布量が2.0g/0.18m未満であると、ピーリング強度が弱過ぎて、被粘着物(15)がそれ自身の重さや風、その他の不可抗力により、低粘着化粧板(A)から自然剥離して落下のおそれがある。
尚、上記低粘着化粧板(A)を使用する環境がたとえ屋内であっても、直射日光の当る場所や冷風に晒される場所であるなどの条件次第により、上記した適度なピーリング強度を維持できないと、やはり被粘着物(15)の自然剥離するおそれがあるため、上記アクリル系共重合体水性エマルジョン型粘着剤(13)としては特に耐熱・耐寒性に優れたそれを採用することが望ましい。
更に、上記セパレーター(14)は透明のフィルムであれば良いが、特に伸縮せず、しかもシリコン処理されていないOPPフィルム(二軸延伸ポリプロピレンフィルム)を採用することが好ましい。剥離性が強いと、上記粘着剤(13)から自然に剥がれてしまい、マスキング機能を果たせないからである。
上記実施形態の低粘着化粧板(A)を製造するに当っては、先ず図3の1次製造工程に示す如く、その木質基板(合板)(10)からスタートして、その表面全体へロールコーター(16)により接着剤(エマルジョン系接着剤)(11)を塗布し、その後乾燥炉(17)を経て、その接着剤(11)の水分量を調整する。
それから、予め各種意匠が印刷されている化粧シート(12)をラミネーター(18)により、上記接着剤(11)の塗膜(接着面)へ表側(上方)から貼り合わせて、表面がノーコート状態にある言わば化粧板の半製品(中間製品)(a)を製造する。その後に化粧シート(12)の表面へ透明のトップコーティング(クリヤー塗装)を施して完成する従来の化粧板とは異なる。
次に、図4の2次製造工程に示す如く、その化粧板の半製品(中間製品)(a)からスタートして、その上記化粧シート(12)の表面全体へロールコーター(16)により、上記再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤(13)を塗布し、その後やはり乾燥炉(17)においてその粘着剤(13)の水分量を調整する。
それから透明のセパレーター(14)をラミネーター(18)によって、上記アクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤(13)の塗膜(粘着面)へ表側(上方)から貼り付け、製品−低粘着化粧板(A)として完成する。その粘着剤(13)の塗布量については、既に説明したとおりである。
その場合、図3と図4との対比から窮知されるように、その化粧板の半製品(中間製品)(a)を得るまでの1次製造工程と、その後再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤(13)を介して、セパレーター(14)を貼り付けることにより、低粘着化粧板(A)として完成させる2次製造工程とは、その働きが互いに同じ製造装置を使って実行できるため、新らたな特別の製造装置を用意する必要がなく、優れた量産効果を得られることになる。
尚、図3の1次製造工程と図4の2次製造工程とが、製造ラインとして別個に設置されていることは言うまでない。
上記実施形態の低粘着化粧板(A)は再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤(13)による再剥離可能な塗膜(粘着面)を有するため、これを図5のようにそのまま掲示板(B)として使用し、コピー用紙(普通紙)やポスター(コート紙)、感熱記録紙(レシート)、再生紙、写真用紙、画用紙、チラシ、ラミネートフィルム、その他の紙類から成る各種被粘着物(15)を掲示物として、何度も貼り付けたり、剥ぎ取ったりすることができ、特別な留め具の使用による穴や傷、汚れなどの痕跡を、その掲示物(15)と掲示板(B)に与えるおそれはない。
その場合、低粘着化粧板(A)はその基板(10)として、合板やMDF、パーチクルボード、その他の木質材を採用しているため、これを例えばハート形や星形、吹き出し形などの適当な大きさ・形状にカット(型取り)して、掲示板(B)のほかに写真立てや、図6のようなウエルカムボード(C)などとして使用することもできる。
また、図5のように透明なセパレーター(14)の全体又は一部をめくり上げたり、剥離したりして、その露出した上記粘着剤(13)の塗膜(粘着面)へ、表側から掲示物(15)を貼り付けた後、再度セパレーター(14)を被覆状態に復元したり、貼り付けたりしても良い。
そうすれば、その粘着剤(13)の塗膜に対する塵埃などの付着を予防することができるほか、その掲示物(15)の被覆状態にある透明のセパレーター(14)へ、表側(上方)からホワイトボードマーカーなどによって文字(19)を書き加えたり、その文字(19)を布やティッシュペーパーなどによって消去したりすることも可能である。
尚、上記粘着剤(13)の塗膜(粘着面)に付着した塵埃は、水で濡らした程度(少量の水分)のきれいな布を固く絞って、その布により軽く拭き取った後、十分に乾燥させれば、その塗膜(粘着面)は本来の性能を発揮するため、引き続き支障なく使用に供することができる。
更に、上記低粘着化粧板(A)から掲示板(B)を形作る場合、その化粧板(A)の木口面を図6のように額縁(20)や壁面への取付枠(図示省略)によって包囲したり、図7のような移動するためのスタンド(21)や据え立て固定用の脚柱(図示省略)を取り付けたり、図8、9のように透明な開閉窓(22)のサッシ枠(23)を取り付けたり、多様な付属構成を加えることができる。(24)は壁面へのコーナー取付金具である。尚、上記開閉窓(22)として図8、9では引戸式を示しているが、ピボットヒンジを中心とする回転扉式もあり得る。
何れにしても、上記低粘着化粧板(A)はその面材としての表面全体に形成された再剥離型アクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤(13)の塗膜(粘着面)のみによって、掲示物(15)を貼り付けたり、剥がしたりできるようになっているため、その掲示物(15)が広大な面積を有するものであっても、1人でこれを図10に示す如く、巻き曲げロール状態から引き伸ばし展開するように貼り付けることができ、逆にそのフラットな展開状態から巻き曲げるように剥離することができるのであり、作業性の向上にも役立つ。
また、掲示物(15)の全面が上記粘着剤(13)の塗膜(粘着面)に粘着するため、その貼り付け使用中に浮上(膨張)や変形を起すおそれがなく、安定な密着状態に保持される結果、カレンダーのような複数枚綴りの紙類や折り(重なる)紙工作品などの掲示物(15)も支障なく掲示することができる。それにも拘らず、人為的には上記のとおり容易・円滑に剥ぎ取れるため、便利である。
〔実施例1〕
上記再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤(13)として、ジャパンコーティングレジン株式会社の商品名「リカボンドAP−96」を用い、その塗布量だけを変えた低粘着化粧板(A)の試供品No.1〜4を、図3、4の上記製造法により製造して、そのピーリング強度試験を下記方法により行った。
つまり,上記低粘着化粧板(A)の試供品No.1〜4を何れも同じ25mm幅の短冊状にカットし、その表面(粘着面)に貼り付けられているコピー用紙を、180度の角度で剥がした時の剥離強度を測定した。その結果を示す表1の測定値は、3枚ずつ行った積分平均値である。
表1の評価によれば、上記粘着剤(13)の塗布量とピーリング強度(粘着力)との比例関係にあることが確認された。試供品No.1のように1.0g/0.18mの塗布量では、ピーリング強度が0(零)N/25mmであるため、採用することができない。
他方、試供品No.4のように4.0g/0.18mの塗布量では、2.58N/25mmのピーリング強度があり、これ以上増量すると、ピーリング強度の強過ぎとなり、被粘着物(15)を剥離時に破損する可能性が高いため、低粘着化粧板(A)の製造上2.0〜4.0g/0.18mの塗布量が適正な数値範囲である。
また、環境試験を行うために、同じくアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤(13)である上記商品名「リカボンドAP−96」をベタ塗りした低粘着化粧板(A)の表面(粘着面)に、合計8種類の被粘着物(15)を貼り付け、異なる5つの温度環境のもと垂直に立てた状態で24時間放置した後、その被粘着物(15)の貼り付け状態が維持されているかを確認した。その後、被粘着物(15)を剥がして、その被粘着物(15)の破れや糊移り、粘着面へのインク移りや紙残り、その他の状態を確認することも行った。その結果を表2a〜表2eに示す。
表2a〜表2eの結果によれば、すべての温度環境において、24時間経過するも被粘着物(15)の貼り付け状態は維持され、自然剥離は起らなかったが、被粘着物(15)の種類(紙質)や気温と塗布量との関係、その他の条件次第では、剥がした時の状態に問題の起る可能性がある物も見受けられた。
コピー用紙、カレンダー、ラミネートフィルム、写真用紙は如何なる温度環境下でも、問題は一切なく、その問題の起ることがある物については、表2a〜表2eを用途の選択データとして役立てることが考えられる。
〔実施例2〕
上記再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤(13)として、日本カーバイド工業株式会社の商品名「ニカゾールB−8815」を用い、その塗布量だけを変えた低粘着化粧板(A)の試供品No.1〜4を、図3、4の上記製造法により製造して、そのピーリング強度試験を下記方法により行った。
つまり,上記低粘着化粧板(A)の試供品No.1〜4を何れも同じ25mm幅の短冊状にカットし、その表面(粘着面)に貼り付けられているコピー用紙を、180度の角度で剥がした時の剥離強度を測定した。その結果を示す表3の測定値は、やはり3枚ずつ行った積分平均値である。
表3の評価によれば、上記粘着剤(13)の塗布量とピーリング強度(粘着力)との比例関係にあることが確認された。試供品No.1のように1.0g/0.18mの塗布量では、ピーリング強度が0(零)N/25mmであるため、採用することができない。
他方、試供品No.4のように4.0g/0.18mの塗布量では、2.07N/25mmのピーリング強度があり、これ以上増量すると、ピーリング強度の強過ぎとなり、被粘着物(15)を剥離時に破損する可能性が高いため、低粘着化粧板(A)の製造上2.0〜4.0g/0.18mの塗布量が適正な数値範囲である。
また、上記粘着剤(13)の商品名「ニカゾールB−8815」は、粘度:1500〜3000mPa・s(25℃)を有し、その成分のうち樹脂固形分(共重合体)の含有量:36〜38%に比して、水分の含有量が62〜64%を占めるため、その塗布量が増す程水分量が多くなり、乾燥を充分行わないと、表面(粘着面)がセパレーター(14)にこびり付いてしまい、剥離できなくなるという別な問題を生ずる。
この点、試供品No.4のような4.0g/0.18mの塗布量において、必要充分なピーリング強度(粘着力)が出るため、これ以上増量する必要もない。
更に、環境試験を行うために、同じくアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤(13)である上記商品名「ニカゾールB−8815」をベタ塗りした低粘着化粧板(A)の表面(粘着面)に、合計8種類の被粘着物(15)を貼り付け、異なる5つの温度環境のもと垂直に立てた状態で24時間放置した後、その被粘着物(15)の貼り付け状態が維持されているかを確認した。その後、被粘着物(15)を剥がして、その被粘着物(15)の破れや糊移り、粘着面へのインク移りや紙残り、その他の状態を確認することも行った。その結果を表4a〜4eに示す。
表4a〜表4eの結果によれば、すべての温度環境において、24時間経過するも被粘着物(15)の貼り付け状態は維持され、自然剥離は起らなかったが、被粘着物(15)の種類(紙質)や気温と塗布量との関係、その他の条件次第では、剥がした時の状態に問題の起る可能性がある物も見受けられた。
コピー用紙、カレンダー、ラミネートフィルム、写真用紙は如何なる温度環境下でも、問題は一切なく、その問題の起ることがある物については、表4a〜表4eを用途の選択データとして役立てることが考えられる。
(10)・・・木質基板
(11)・・・接着剤
(12)・・・化粧シート
(13)・・・粘着剤
(14)・・・セパレーター
(15)・・・被粘着物(掲示物)
(16)・・・ロールコーター
(17)・・・乾燥炉
(18)・・・ラミネーター
(19)・・・文字
(20)・・・額縁
(21)・・・スタンド
(22)・・・開閉窓
(23)・・・サッシ枠
(24)・・・コーナー取付金具
(A)・・・・低粘着化粧板
(B)・・・・掲示板
(C)・・・・ウエルカムボード
(M)・・・・内装壁材
(W)・・・・壁面
(a)・・・・低粘着化粧板の半製品

Claims (5)

  1. 木質基板の表面全体に接着剤を介して、各種意匠が印刷された化粧シートを貼り付けると共に、その化粧シートの表面全体へ再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤をベタ塗りして、その塗膜を透明のセパレーターにより被覆したことを特徴とする低粘着化粧板。
  2. アクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤の塗布量を2.0g/0.18m〜4.0g/0.18mに設定したことを特徴とする請求項1記載の低粘着化粧板。
  3. 請求項1記載の低粘着化粧板を掲示板として、そのセパレーターの剥離により露出した粘着剤の塗膜へ、表側から掲示物を貼り付けた後、その掲示物を上記セパレーターの貼り付けにより被覆することを特徴とする掲示板の使用法。
  4. 木質基板の表面全体に接着剤を介して、各種意匠が印刷された化粧シートを貼り付けると共に、その化粧シートの表面全体へ再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤をベタ塗りして成る低粘着化粧板に、
    その木口面を包囲する額縁を取り付けたことを特徴とする掲示板。
  5. 木質基板の表面全体に接着剤を介して、各種意匠が印刷された化粧シートを貼り付けると共に、その化粧シートの表面全体へ再剥離型のアクリル系共重合体水性エマルジョン粘着剤をベタ塗りして成る低粘着化粧板に、
    その粘着剤の塗膜を表側から被覆する透明な開閉窓のサッシ枠を取り付けたことを特徴とする掲示板。

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