JP2020159981A - 地盤の変位状態監視システム及び変位状態監視方法 - Google Patents

地盤の変位状態監視システム及び変位状態監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 各種の土木工事において地盤の変位状態をリアルタイムで監視することができ、地盤の変位状態に対応して適切な対応を実施することが可能なシステムを提供する。【解決手段】 地盤面に設置した複数の変位監視ターゲット11と、変位監視ターゲット11を撮影する撮影手段12と、変位監視ターゲット11の画像データに基づいて変位状態データを算出する変位状態算出手段13と、変位状態を複数に区分するとともに、各区分に対して正常値の範囲であるか否かを設定する変位状態区分設定手段20と、算出した変位状態データが、設定された複数の変位状態区分のうちのいずれに相当するかを判断する変位状態区分判断手段30と、判断した変位状態区分を提示する変位状態区分提示手段40とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は地盤の変位状態監視システム及び変位状態監視方法に関するものであり、例えば、薬液注入工法や高圧噴射撹拌工法により地盤改良を行う地盤の変位状態を監視するためのシステム及び方法に関するものである。
各種の土木工事を行うには、地盤の変位状態を正確に把握する必要がある。例えば、薬液注入工法や高圧噴射撹拌工法により地盤改良を行うと、地盤中に注入しあるいは噴射した地盤改良材により地盤面変位が発生し、適切な地盤改良を行うことができないばかりか、地盤中または地盤上に存在する構造物に悪影響を与えてしまう。以下、薬液注入工法と高圧噴射撹拌工法における地盤面変位について具体的に説明する。
薬液注入工法は、地盤の間隙に対して薬液を低圧にて浸透注入することで、固結地盤を構築する地盤改良工法である。しかし、薬液注入工法は地盤条件によっては薬液が浸透しにくい場合があり、その場合には地盤内の圧力が上昇する可能性がある。すなわち、薬液注入工法の対象は砂質土が一般的であり、細粒分が多いシルト地盤の場合には薬液の浸透が困難となる。このため、構造物近傍での施工や構造物直下での施工においては、薬液注入時に変状が発生する可能性が高くなる。そこで、変状(構造物変状や地盤変状)をリアルタイムで監視しながら注入管理を行うシステム(注入を停止するシステム)が必要となる。
高圧噴射撹拌工法は、高圧で噴射する硬化材(セメントと水からなるスラリー)に圧縮空気を伴いながら地盤中に噴射し、円柱状や半円、扇形、壁状の地盤改良体を構築する工法である。高圧噴射撹拌工法は、一般的に鉛直型で用いられ、硬化材と土によって構成される造成排泥を圧縮空気によるエアーリフト効果により、常時排出しながら施工するため、周辺への影響(変状)が少ない工法である。一方、常時供用するような盛土構造物(鉄道盛土等)に対して高圧噴射撹拌工法を施工する場合には、盛土側面の足場から水平方向に施工することがある。水平方向に硬化材を高圧噴射するには、圧縮空気を用いずに、硬化材のみを噴射することがある。その場合、圧縮空気を用いないため、排泥の排出が困難となり、地盤内の圧力が上昇し地盤面変位が発生するリスクが高い。
そこで、地盤の変位状態を監視することにより、適切な地盤改良を行うための技術が種々提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1に記載された技術は、地盤や建造物の変位を自動的に計測し、変位挙動を予測解析するための地盤・建造物挙動監視装置に関するものである。この地盤・建造物挙動監視装置は、被監視点に設置されるターゲットと、監視点から被監視点のターゲットまでの距離と水平方向及び鉛直方向の角度を経時的に計測する測距・測角手段と、当該測距・測角手段の測定データから被監視点の座標値を算出して経時的な変位挙動の監視を行う監視手段とを備えている。
特許文献2に記載された技術は、リアルタイムで地盤を監視するための地盤監視システムに関するものである。この地盤監視システムは、地盤上に配置された複数の地盤観測手段と、各地盤観測手段に設けられたGPS受信機と、地盤の変動の有無を判定するコンピュータ装置とを備えている。
特許文献3に記載された技術は、層毎に地盤状況の異なる地盤に対し層毎あるいは断面毎に最適量の注入材を注入することができる注入工法に関するものである。この注入工法は、複数の注入地点にそれぞれ配置された複数の注入管と、注入管同士を相互に接続する送液管と、送液管を介して各注入地点に注入材を送液するとともに、注入管を介して各注入地点の地盤中に注入材を注入する複数の注入ポンプと、各注入地点に送液される注入材の流路を切り換える流路切換えバルブと、各注入地点に送液される注入材の流量や圧力を計測する流量・圧力計測装置と、これらの装置を制御する集中管理装置を備えている。そして、注入ポンプ、流路切替えバルブ、流量・圧力計測装置を集中管理装置によって制御することにより、各注入地点における注入材の流量や圧力、各注入地点における注入材の注入による地盤の変位を監視しつつ、複数の注入地点に同時にかつ連続的に注入材を注入するようになっている。
特開平9−21636号公報 特開2012−198082号公報 特開2010−270446号公報
しかし、上述した各特許文献に記載された技術を含めた従来の技術では、変状の計測頻度が1日当り「施工前・施工後」の2回が一般的であり、リアルタイムで変状を計測できないという問題があった。また、リアルタイムで変状を計測できるとしても、大がかりな装置が必要であった。
また、変状が発生した場合には、地表面への硬化材の噴発や陥没等により、さらなる大変状を発生する可能性が高いため、精度の高い変位測定を行う必要があり、さらに、変位発生時に薬液注入や硬化材の噴射を適切に管理するための工夫が必要である。
さらに、変状と薬液注入工あるいは高圧噴射撹拌工が連動していないため、変位発生から造成停止までタイムラグが発生するという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、各種の土木工事において地盤の変位状態をリアルタイムで監視することができ、地盤の変位状態に対応して適切な対応を実施することが可能なシステム及び方法を提供することを目的とする。
本発明に係る地盤の変位状態監視システム及び変位状態監視方法は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明に係る地盤の変位状態監視システムは、地盤の変位状態を計測して変位状態データを取得する変位状態計測手段と、変位状態を複数に区分するとともに、各区分に対して正常値の範囲であるか否かを設定する変位状態区分設定手段と、算出した変位状態データが、設定された複数の変位状態区分のうちのいずれに相当するかを判断する変位状態区分判断手段と、判断した変位状態区分を提示する変位状態区分提示手段とを備えたことを特徴とするものである。
上述した地盤の変位状態監視システムにおいて、変位状態計測手段は、地盤面に設置した複数の変位監視ターゲットと、変位監視ターゲットを撮影する撮影手段と、撮影手段で撮影した変位監視ターゲットの画像データに基づいて変位状態データを算出する変位状態算出手段とにより構成することが可能である。
上述した地盤の変位状態監視システムは、薬液注入工法または高圧噴射撹拌工法における地盤の変位状態を監視することが可能である。
上述した地盤の変位状態監視システムにおいて、判断した変位状態区分に応じて、地盤中に注入または噴射する材料の制御を行う注入・噴射材料制御手段を備えることが可能である。
本発明に係る地盤の変位状態監視方法は、地盤の変位状態を計測して変位状態データを算出し、変位状態を複数に区分するとともに、各区分に対して正常値の範囲であるか否かを設定し、算出した変位状態データが、設定された複数の変位状態区分のうちのいずれに相当するかを判断し、判断した変位状態区分を提示することを特徴とするものである。
上述した地盤の変位状態監視方法において、地盤の変位状態データを算出する工程は、地盤面に設置した複数の変位監視ターゲットを撮影して画像データを取得し、取得した画像データに基づいて変位状態データを算出することにより実施することが可能である。
上述した地盤の変位状態監視方法により、薬液注入工法または高圧噴射撹拌工法における地盤の変位状態を監視することが可能である。
上述した地盤の変位状態監視方法において、判断した変位状態区分に応じて、地盤中に注入または噴射する材料の制御を行うことが可能である。
本発明に係る地盤の変位状態監視システム及び変位状態監視方法によれば、例えば、地盤表面の変位状態を画像認識技術により監視する。そして、複数区分(正常値、異常値)に分類した変位状態のうちのどの区分に属するかを判断して提示することにより、地盤の変位状態が許容範囲内であるか否かを的確に認識することができる。
これにより、地盤の変位状態をリアルタイムで監視することができるとともに、地盤の変位状態に対応して適切な対応を実施することができる。特に、地盤の変位が懸念される薬液注入工法や高圧噴射撹拌工法において有効なシステム及び方法となる。また、地盤の変位状態に応じて地盤中に注入または噴射する材料を制御することにより、より一層、適切な施工を行うことができる。
本発明の実施形態に係る地盤の変位状態監視システムの機能ブロック図。 本発明の実施形態に係る地盤の変位状態監視システムにおける変位状態区分提示手段の模式図。 本発明の実施形態に係る地盤の変位状態監視方法のフローチャート。 本発明の実施形態に係る地盤の変位状態監視システムを薬液注入工法に適用した場合の説明図。 本発明の実施形態に係る地盤の変位状態監視システムを高圧噴射撹拌工法に適用した場合の説明図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る地盤の変位状態監視システム及び変位状態監視方法(以下、変位状態監視システム、変位状態監視方法と略記することがある)を説明する。図1〜図5は本発明の実施形態に係る地盤の変位状態監視システム及び変位状態監視方法を説明するもので、図1は地盤の変位状態監視システムの機能ブロック図、図2は変位状態区分提示手段の模式図、図3は地盤の変位状態監視方法のフローチャート、図4は薬液注入工法に適用した場合の説明図、図5は高圧噴射撹拌工法に適用した場合の説明図である。
<変位状態監視システム及び変位状態監視方法の概要>
本発明の実施形態に係る地盤の変位状態監視システムは、各種の土木工事により地盤表面が隆起等する可能性がある場合に、当該変位状態をリアルタイムで監視して、作業者や監督者に提示することにより、適切な施工管理を行うことができるようにしたものである。
特に、薬液注入工法や高圧噴射撹拌工法のように、地盤中に地盤改良材等を施工する工事では、地盤表面に変位が生じやすいため、本発明はこのような土木工事に好適に適用することができる。なお、本発明で監視する地盤変位は隆起及び陥没の双方とすることができる。
<変位状態監視システム>
変位状態監視システムは、図1に示すように、変位状態計測手段10(変位監視ターゲット11、撮影手段12、変位状態算出手段13)と、変位状態区分設定手段20と、変位状態区分判断手段30と、変位状態区分提示手段40とを主要な構成要素としており、さらに、地盤内圧力測定手段50と、地盤内圧力判定手段60と、注入・噴射材料制御手段70とを備えることが可能である。
これらの手段のうち、変位状態算出手段13、変位状態区分設定手段20、変位状態区分判断手段30、変位状態区分提示手段40、地盤内圧力判定手段60、注入・噴射材料制御手段70は、コンピュータ及びその付属機器と、コンピュータにインストールされてハードウェア資源と協同することにより各手段としての機能を発揮するためのプログラムにより構成される。
<変位状態計測手段>
変位状態計測手段10は、地盤の変位状態を計測して変位状態データを取得するための手段である。本実施形態では、モーションキャプチャ技術に用いる変位監視ターゲット11、撮影手段12、変位状態算出手段13により、変位状態計測手段10を構成する。なお、変位状態計測手段10は、地盤の変位状態を計測して変位状態データを取得できればどのような手段であってもよく、例えば、トータルステーション計測、赤外線によるレーザー計測、衛星測位により計測を行う機器により構成することができる。以下の説明では、モーションキャプチャ技術を用いて地盤の変位状態を計測する態様について説明する。
<変位監視ターゲット>
本実施形態では、例えば、光学式のモーションキャプチャ技術を用いて、地盤の変位状態を監視する。このため、地盤の表面や地表に設置した構造物に、撮影対象となる複数の変位監視ターゲット11を設置する。この変位監視ターゲット11は、パッシブ方式であってもアクティブ方式であってもよく、例えば、ピンポン玉状の反射マーカーからなる。この反射マーカーを地盤の表面に埋め込み、撮影手段12側からライトを当てて反射光を得たり、反射マーカーを自ら発光させたりする。そして、反射マーカーからの反射光または発射光を撮影手段12で撮影することにより、変位状態を把握することができる。
<撮影手段>
撮影手段12は、変位監視ターゲット11の画像(映像)を撮影するための手段であり、撮像レンズ、撮像素子、画像データ送信機能を基本的な構成要素とするデジタルカメラからなり、照明機能、合焦機能、ズーム機能、パンチルト機能等を備えていてもよい。撮影手段12の構成は、変位監視ターゲット11を設置した場所、範囲(広さ)等、種々の要因に応じて適宜設定することができる。また、複数のカメラを用いてもよいし、360度カメラを用いてもよい。撮影手段12による撮影は、リアルタイムで地盤の変位を撮影するため、撮影間隔が短いことが好ましい。動画データは、短い撮影間隔で連続して被写体を撮影した静止画データの集まりであるため、本実施形態では静止画データと動画データを特に区別していない。
<変位状態算出手段>
変位状態算出手段13は、撮影手段12で撮影した変位監視ターゲット11の画像データに基づいて変位状態データを算出するための手段である。上述したように、本実施形態では光学式のモーションキャプチャ技術を用いているため、変位監視ターゲット11の画像データを画像分析ソフトウェアで分析することにより、3次元的に変位監視ターゲット11の動きである変位状態を算出することができる。
<変位状態区分設定手段>
変位状態区分設定手段20は、変位状態を複数に区分するとともに、各区分に対して正常値の範囲であるか否かを設定するための手段である。変位状態の区分とは、変位監視ターゲット11が測定開始位置からどの程度、上昇または下降したかを示す区分であり、例えば、薬液注入時または地盤改良材噴射時において、−1.0mm以下、−1.0mm〜−0.5mm、−0.5mm〜0.0mm、0.0〜+0.2mm、+0.2mm〜+0.5mmの5区分に設定する。
また、変位状態区分設定手段20で設定する変位状態の区分は、薬液注入時または地盤改良材噴射時と、薬液注入を行うロッドまたは地盤改良材を噴射するロッドの引き抜き時とで別個に設定することが好ましい。この場合、ロッドの引き抜き時には、例えば、+0.5mm〜+0.8mm、+0.8mm〜+1.0mm、+1.0mm以上の3区分に設定する。
なお、上述した区分の設定は一例であり、監視対象となる地盤の状態、土木工事の種類(薬液注入工法、高圧噴射撹拌工法)等に応じて、適宜な範囲及び区分数とすることができる。また、正常値の範囲及び正常値を逸脱した異常値の範囲は、監視対象となる地盤の状態、土木工事の種類(薬液注入工法、高圧噴射撹拌工法)等に応じて設定することができる。
<変位状態区分判断手段>
変位状態区分判断手段30は、算出した変位状態データが、設定された複数の変位状態区分のうちのいずれに相当するかを判断するための手段である。変位状態区分判断手段30では、算出した変位状態データと、設定された複数の変位状態区分とを比較して、算出した変位状態データがいずれの変位状態区分に属するかを判断する。この際、変位状態区分の判断と合わせて、正常値の範囲内か正常値を逸脱した異常値の範囲であるかを判断する。
<変位状態区分提示手段>
変位状態区分提示手段40は、判断した変位状態区分を提示するための手段であり、例えば、種々の画像を表示可能な液晶表示装置及びその付帯装置により構成する。変位状態区分提示手段40の表示画面には、例えば、図2に示すように、施工状態、変位状態区分、数値範囲、区分表示、その他のデータが表示される。そして、判断した変位状態区分に相当する区分表示を強調表示(例えば、ランプが点灯した状態を表示)することにより、現在、どの変位状態区分にあるかを提示することができる。
なお、現在の変位状態区分を提示する手法はどのようなものであってもよく、上述したように、該当する区分表示を強調表示してもよいし、変位状態区分を拡大表示してもよいし、さらに、正常値の範囲を逸脱した場合には、区分表示の表示色を変更したり、区分表示を変化させたりする(例えば、ランプが点滅した状態を表示する)とともに、これらの表示とともにスピーカーから警報音を発生するようにしてもよい。さらに、画面を切り替えることにより、圧力データ等の各種データをグラフ表示等してもよい。
<地盤内圧力測定手段>
地盤内圧力測定手段50は、地盤内圧力を測定するための手段であり、例えば地盤内の所定位置に埋設した圧力計からなる。そして、圧力計からの電気信号をコンピュータで受信し、解析プログラムにより解析することにより、地盤内圧力を測定することができる。
<地盤内圧力判定手段>
地盤内圧力判定手段60は、測定した地盤内圧力が正常値の範囲内であるか否かを判定するための手段である。本実施形態では、コンピュータ及びその付属機器と、コンピュータにインストールされたプログラムにより地盤内圧力判定手段60を構成する。地盤内圧力を判定するには、予め正常値の範囲を設定しておく必要がある。正常値の範囲は、監視対象となる地盤の状態、土木工事の種類(高圧噴射撹拌工法、薬液注入工法)等に応じて設定する。
<注入・噴射材料制御手段>
注入・噴射材料制御手段70は、判断した変位状態区分に応じて、地盤中に注入または噴射する材料の制御を行うための手段である。材料の制御とは、材料の噴射圧力や注入圧力(材料の注入停止や噴射停止を含む)、注入または噴射する材料の種類(セメントミルク、ベントナイト、水ガラス、高分子化合物、水、空気等)の混合割合等、地盤中に注入または噴射する材料に関して種々の制御を行うことである。なお、注入・噴射材料制御手段70において制御判断を行うためのデータとして、判定した地盤内圧力データを用いてもよい。
<地盤の変位状態監視方法>
図3を参照して、上述した変位状態監視システムを用いた地盤の変位状態監視方法について説明する。なお、以下の説明では、地盤の変位状態を計測するためにモーションキャプチャ技術を用いた場合について説明するが、地盤の変位状態を計測する方法は、変位状態監視システムで例示した他の方法であってもよい。
変位状態監視システムを用いて地盤の変位状態を監視するには、予め、監視対象となる地盤の表面(及び構造物)に複数の変位監視ターゲット11を設置して(埋め込んで)おく(S1)。そして、撮影手段12で変位監視ターゲット11を撮影して画像データを取得し(S2)、変位状態算出手段13の機能により、撮影した変位監視ターゲット11の画像データに基づいて変位状態データを算出する(S3)。これの工程(S2、S3)では、モーションキャプチャ技術を用いることができる。
一方、変位状態区分設定手段20の機能により、監視対象となる地盤の状態、土木工事の種類(高圧噴射撹拌工法、薬液注入工法)等に応じて、変位状態を複数に区分するとともに、各区分に対して正常値の範囲であるか否かを設定する(S4)。変位状態の区分及び正常値の範囲の設定は、監視者が工事状況に応じて入力したデータや、予め工事状況に応じて設定されたデータに基づいて実施する。
続いて、変位状態区分判断手段30の機能により、算出した変位状態データが、設定された複数の変位状態区分のうちのいずれに相当するかを判断し(S5)、変位状態区分提示手段40の機能により、判断した変位状態区分を提示(表示)する(S6)。
上述した各工程に加えて、監視対象となる地盤に対して、地盤内圧力測定手段50の機能により地盤内圧力を測定し(S7)、地盤内圧力判定手段60の機能により、測定した地盤内圧力が正常値の範囲内であるか否かを判定し(S8)、判定結果を変位状態区分とともに提示(表示)する工程(S6)を実施してもよい。
土木工事が薬液注入工法または高圧噴射撹拌工法である場合には、注入・噴射材料制御手段70の機能により、判断した変位状態区分に応じて、地盤中に注入または噴射する材料の制御を行う(S9)。また、判定した地盤内圧力を加味して、地盤中に注入または噴射する材料の制御を行ってもよい。
<薬液注入工法への適用>
上述した変位状態監視システム及び変位状態監視方法を薬液注入工法に適用した場合について説明する。薬液注入工法は、地盤の間隙に対して薬液を低圧にて浸透注入することにより、固結地盤を構築する工法である。薬液注入工法に対して、本発明に係る変位状態監視システムを適用することにより、変状(構造物の変状や地盤の変状)をリアルタイムで監視しながら薬液の注入管理を行うことができる。
具体的には、図4に示すように、構造物210(例えばパイプラック基礎)の側方に薬液注入装置220を設置する。薬液注入装置220には、管理装置230(変位状態区分設定手段20、変位状態区分判断手段30、変位状態区分提示手段40、変位状態算出手段13、注入・噴射材料制御手段70)、注入材作液プラント240、注入ポンプ250、リターンバルブ260等の付帯設備が接続されている。
また、地盤表面及び構造物210に複数の変位監視ターゲット11を設置し、さらに、変位監視ターゲット11を撮影できる位置に撮影手段12を設置する。
そして、薬液注入装置220により地盤内に薬液注入改良体を作成する。この際、上述した地盤の変位状態監視システムを用いて、地盤及び構造物210の変位状態をリアルタイムで監視するとともに、地盤及び構造物210の変位状態に対応して薬液の注入を制御することにより、適切な施工管理を行う。
図4に示す施工例では、変位計測による注入制御装置を注入ポンプ250の吐出側に設置して、制御されたリターンバルブ260にて薬液を注入材作液プラント240に返しているため、どのような薬液注入工法(単相式、複相式、二重管ダブルパッカー方式、無機溶液タイプ、懸濁液タイプ、鉛直注入、斜注入、曲がり注入等)にも適用することが可能である。
<高圧噴射撹拌工法への適用>
上述した変位状態監視システム及び変位状態監視方法を高圧噴射撹拌工法に適用した場合について説明する。高圧噴射撹拌工法は、改良対象地盤中に、圧縮空気を伴いながら高圧で硬化材(セメントと水のスラリー)噴射することにより、円柱状や半円、扇形、壁状の地盤改良体を構築する工法である。高圧噴射撹拌工法に対して、本発明に係る変位状態監視システムを適用することにより、施工中の地盤内圧力および地表面変位を測定しながら適切な施工管理を行うことができる。
具体的には、図5に示すように、盛り土の側方に作業用の架構110を設置し、架構110上に高圧噴射攪拌装置120を設置する。高圧噴射攪拌装置120には、管理装置130(変位状態区分設定手段20、変位状態区分判断手段30、変位状態区分提示手段40、変位状態算出手段13、地盤内圧力判定手段60、注入・噴射材料制御手段70)、硬化材作液プラント140、排泥希釈水タンク150等の付帯設備が接続されている。
また、盛り土の天端表面には、複数の変位監視ターゲット11を設置するとともに、盛り土内(地盤内)に地盤内圧力測定手段(圧力計)50を設置し、さらに、変位監視ターゲット11を撮影できる位置に撮影手段12を設置する。
そして、高圧噴射攪拌装置120により盛り土(地盤)内に地盤改良体を作成する。この際、上述した地盤の変位状態監視システムを用いて、地盤の変位状態をリアルタイムで監視するとともに、地盤の変位状態に対応して地盤改良材の噴射を制御することにより、適切な施工管理を行う。
図5に示す施工例では、水平型の高圧噴射攪拌装置120を用いているが、高い粘着力を有した粘土のように、造成排泥の粘性が高くなって常時排出が困難となる地盤の場合においては、鉛直型の高圧噴射攪拌装置120に対しても適用することが可能である。
10 変位状態計測手段
11 変位監視ターゲット
12 撮影手段
13 変位状態算出手段
20 変位状態区分設定手段
30 変位状態区分判断手段
40 変位状態区分提示手段
50 地盤内圧力測定手段
60 地盤内圧力判定手段
70 注入・噴射材料制御手段
110 架構
120 高圧噴射攪拌装置
130 管理装置
140 硬化材作液プラント
150 排泥希釈水タンク
210 構造物
220 薬液注入装置
230 管理装置
240 注入材作液プラント
250 注入材ポンプ
260 リターンバルブ

Claims (8)

  1. 地盤の変位状態を監視するためのシステムであって、
    地盤の変位状態を計測して変位状態データを取得する変位状態計測手段と、
    変位状態を複数に区分するとともに、各区分に対して正常値の範囲であるか否かを設定する変位状態区分設定手段と、
    取得した変位状態データが、設定された複数の変位状態区分のうちのいずれに相当するかを判断する変位状態区分判断手段と、
    判断した変位状態区分を提示する変位状態区分提示手段と、
    を備えたことを特徴とする地盤の変位状態監視システム。
  2. 前記変位状態計測手段は、
    地盤面に設置した複数の変位監視ターゲットと、
    変位監視ターゲットを撮影する撮影手段と、
    撮影手段で撮影した変位監視ターゲットの画像データに基づいて変位状態データを算出する変位状態算出手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の地盤の変位状態監視システム。
  3. 薬液注入工法または高圧噴射撹拌工法における地盤の変位状態を監視することを特徴とする請求項1または2に記載の地盤の変位状態監視システム。
  4. 判断した変位状態区分に応じて、地盤中に注入または噴射する材料の制御を行う注入・噴射材料制御手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の地盤の変位状態監視システム。
  5. 地盤の変位状態を監視するための方法であって、
    地盤の変位状態を計測して変位状態データを算出し、
    変位状態を複数に区分するとともに、各区分に対して正常値の範囲であるか否かを設定し、
    算出した変位状態データが、設定された複数の変位状態区分のうちのいずれに相当するかを判断し、
    判断した変位状態区分を提示する、
    ことを特徴とする地盤の変位状態監視方法。
  6. 前記地盤の変位状態データを算出する工程は、
    地盤面に設置した複数の変位監視ターゲットを撮影して画像データを取得し、
    取得した画像データに基づいて変位状態データを算出する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の地盤の変位状態監視方法。
  7. 薬液注入工法または高圧噴射撹拌工法における地盤の変位状態を監視することを特徴とする請求項5または6に記載の地盤の変位状態監視方法。
  8. 判断した変位状態区分に応じて、地盤中に注入または噴射する材料の制御を行う、
    ことを特徴とする請求項7に記載の地盤の変位状態監視方法。
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