JP2020159792A - 撮像装置および判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】偏光サングラスの使用有無を検知する。【解決手段】撮像装置10は、撮像素子28と、撮像素子28に向かう入射光18の第1直線偏光成分18sと、第1直線偏光成分18sと直交する第2直線偏光成分18pとを撮像素子28に向けて選択的に透過させる偏光制御機構26と、入射光18の第1直線偏光成分18sを撮像した第1画像と、入射光18の第2直線偏光成分18pを撮像した第2画像とに基づいて撮像対象に直線偏光子が含まれるか否かを判定する画像処理部と、を備える。【選択図】図4
Description
本発明は、撮像装置および判定方法に関する。
近年、画像表示光を車両のウィンドシールドなどに投射し、画像表示光に基づく虚像を車外の風景に重畳して表示するヘッドアップディスプレイが使用されている。運転者等のユーザは、ウィンドシールドに反射された画像表示光を視認する。ガラスなどで構成される一般的なウィンドシールドの反射率には偏光依存性があり、S偏光成分に比べてP偏光成分が反射されにくいことが知られている。ユーザが偏光サングラスを使用している場合、ウィンドシールドで反射されやすいS偏光成分が偏光サングラスにより遮蔽されるため、画像表示光が視認しにくくなる。偏光サングラスの使用時にも画像表示光が視認しやすくなるようにした表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ウィンドシールドにて反射されにくいP偏光成分を主に用いると、偏光サングラスを使用していないユーザにとっては画像表示光が暗くなってしまう。偏光サングラスの使用有無に応じて適切な画像表示光を提供するため、偏光サングラスの使用有無を検知できることが好ましい。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、偏光サングラスの使用有無を検知する技術を提供することを目的とする。
本発明のある態様の撮像装置は、撮像素子と、撮像素子に向かう入射光の第1直線偏光成分と、第1直線偏光成分と直交する第2直線偏光成分とを撮像素子に向けて選択的に透過させる偏光制御機構と、入射光の第1直線偏光成分を撮像した第1画像と、入射光の第2直線偏光成分を撮像した第2画像とに基づいて撮像対象に直線偏光子が含まれるか否かを判定する画像処理部と、を備える。
本発明の別の態様は、判定方法である。この方法は、撮像素子に向かう入射光のうち第1直線偏光成分を撮像した第1画像と、撮像素子に向かう入射光の第1直線偏光成分と直交する第2直線偏光成分を撮像した第2画像とに基づいて、撮像素子の撮像対象に直線偏光子が含まれるか否かを判定する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、偏光サングラスの使用有無を検知する技術を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。かかる実施の形態に示す具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、実施の形態に係る撮像装置10の設置例を模式的に示す図である。本実施の形態では、移動体の一例である車両60に撮像装置10および虚像表示装置50が設置される。撮像装置10は、いわゆるドライバモニタであり、車両60の運転者70の顔面を撮像して運転者70の状態をモニタリングする。虚像表示装置50は、いわゆるヘッドアップディスプレイであり、ウィンドシールド62に画像表示光52を投射し、車両60の進行方向(図1の右方向)の前方に虚像54を提示する。運転者70は、ウィンドシールド62を介して現実の風景に重畳される虚像54を視認する。図1において、車両60の進行方向(前後方向)をz方向、車両60の天地方向(上下方向)をy方向、車両60の左右方向をx方向としている。
本実施の形態に係る撮像装置10は、運転者70が使用するサングラス72が偏光サングラスであるか否かを判定可能となるよう構成される。ここで、偏光サングラスとは、水面での反射光を遮蔽または低減可能なサングラスであり、S偏光成分を遮蔽または低減し、P偏光成分を透過させる直線偏光子を含む。一方、通常のサングラスには直線偏光子が含まれず、入射する光の強度を減衰させるND(Neutral Density)フィルタを含む。偏光サングラスの検出が必要となる背景として、ウィンドシールド62における画像表示光52の反射率の偏光依存性が挙げられる。
図2は、ウィンドシールド62の反射率を示すグラフである。ガラスなどで構成される一般的なウィンドシールド62の反射率には偏光依存性があり、S偏光成分の反射率Rsに比べてP偏光成分の反射率Rpが低いことが知られている。したがって、図1に示す画像表示光52のうち、S偏光成分の第1表示光52sの反射率が相対的に高く、P偏光成分の第2表示光52pの反射率が相対的に低い。特にブリュースター角θBといわれる入射角(例えば53度)ではP偏光成分の反射率Rpが0になる。図1に示されるように、虚像表示装置50から投射される画像表示光52は、ウィンドシールド62に対して斜めに入反射し、ウィンドシールド62での入反射角φがブリュースター角θBの近い値を取りうる。その結果、S偏光成分の第1表示光52sは運転者70の目に到達しやすく、P偏光成分の第2表示光52pは運転者70の目に到達しにくい。
このとき、運転者70が偏光サングラスを使用していたとすると、S偏光成分の第1表示光52sが偏光サングラスによって遮蔽または低減されてしまう。その結果、運転者70に画像表示光52を視認させるためにはP偏光成分の第2表示光52pを利用しなければならない。一方、運転者70が偏光サングラスを使用していない場合、S偏光成分の第1表示光52sを利用した方がより明るくて視認性の高い虚像54を提供できる。そこで、本実施の形態では、偏光サングラスの使用有無を自動判定し、偏光サングラスの使用有無に応じてより適切な偏光成分を有する画像表示光52を提供できるようにする。
なお、図1の構成におけるS偏光成分は、ウィンドシールド62における画像表示光52の入射方向と反射方向の双方に直交する第1方向に直線偏光された光成分であり、車両60の左右方向(x方向)に直線偏光された光成分に相当する。一方、P偏光成分は、第1方向と直交する第2方向に直線偏光された光成分であり、車両60の上下方向(y方向)および前後方向(z方向)で規定されるyz平面に沿う方向に直線偏光された光成分に相当する。
図1において、撮像装置10は、撮像対象となる運転者70の顔面をS偏光成分とP偏光成分とに分けて撮像するよう構成される。撮像装置10は、撮像軸16に沿って入射する入射光18のうちS偏光成分である第1直線偏光成分18sを撮像した第1画像と、入射光18のうちP偏光成分である第2直線偏光成分18pを撮像した第2画像とを取得する。撮像装置10は、第1画像と第2画像を比較することで、運転者70が偏光サングラスを使用しているか否かを判定する。
図3は、偏光サングラスの判定方法を模式的に示す図である。図3では、(a)サングラスを使用していない裸眼時、(b)偏光サングラスではない通常サングラスの使用時、および(c)偏光サングラスの使用時、の三つの場合において撮像装置10により取得される(i)第1画像および(ii)第2画像を示している。図3では、第1画像と第2画像の差分に対応する(iii)差分画像および(iv)差分画像のヒストグラムも示している。ここで、「差分画像」とは、第1画像を構成する各画素の輝度値(第1輝度値ともいう)から第2画像を構成する各画素の輝度値(第2輝度値ともいう)を減算した差分値(=第1輝度値−第2輝度値)により各画素の輝度値が構成される画像のことである。またヒストグラムは、画像を構成する各画素の輝度値の分布をグラフ化したものであり、横軸を輝度値とし、縦軸を画素数としたグラフで表される。
(a)の裸眼時では、S偏光成分の第1画像とP偏光成分の第2画像がほぼ同じとなるため、差分画像の輝度値(つまり、第1輝度値と第2輝度値の差分値)がほぼゼロとなり、差分画像にほぼ何も写らない状態となる。その結果、差分画像のヒストグラムでは、輝度値がゼロとなる近傍にのみピーク74が検出される。(b)の通常サングラスの使用時も同様であり、S偏光成分の第1画像とP偏光成分の第2画像がほぼ同じとなるため、差分画像にほぼ何も写らない状態となり、差分画像のヒストグラムにおいても輝度値がゼロとなる近傍にのみピーク74が検出される。(c)の偏光サングラスの使用時では、S偏光成分の第1画像とP偏光成分の第2画像とで偏光サングラスの見え方が異なる。偏光サングラスはS偏光成分を遮蔽するため、S偏光成分の第1画像では偏光サングラスが黒く写る。一方、偏光サングラスはP偏光成分を透過するため、P偏光成分の第2画像では偏光サングラスが透けて写る。その結果、差分画像では偏光サングラスの領域の輝度値(つまり、第1輝度値と第2輝度値の差分値)の絶対値が大きくなり、偏光サングラスが強調されて見える。第1画像における偏光サングラスの領域の第1輝度値は相対的に小さく(つまり暗く)、第2画像における偏光サングラスの領域の第2輝度値は相対的に大きい(つまり明るい)ため、差分画像における偏光サングラスの領域の輝度値は負の値(例えば−n)となる。その結果、差分画像のヒストグラムでは、輝度値がゼロとなる近傍に第1ピーク74aが検出されるとともに、輝度値が−nとなる近傍に第2ピーク74bが検出される。このようにして、S偏光成分の第1画像とP偏光成分の第2画像を比較することで、偏光サングラスの使用有無を検出できる。
図4は、実施の形態に係る撮像装置10の構成を模式的に示す図である。撮像装置10は、照明装置20と、カメラ22と、制御装置24とを備える。カメラ22は、撮像軸16の前方にある運転者70を撮像対象とする。照明装置20は、照明軸14の前方にある運転者70に向けて照明光12を照射する。制御装置24は、カメラ22および照明装置20の動作を制御する。図示する例において、照明軸14と撮像軸16が平行となるように描かれているが、照明軸14と撮像軸16は必ずしも平行でなくてもよい。
照明装置20は、S偏光成分12sおよびP偏光成分12pの双方を含む照明光12を生成する。照明装置20は、例えば、LED(Light Emitting Diode)などの無偏光または非偏光の光源を有し、S偏光成分12sおよびP偏光成分12pのそれぞれの光強度が同程度となる照明光12を生成する。照明装置20は、直線偏光の発振モードを有する二つのレーザ光源を有してもよく、二つのレーザ光源の偏光方向が互いに90度異なるように配置することでS偏光成分12sおよびP偏光成分12pのそれぞれの光強度が同程度となるようにしてもよい。照明装置20は、例えば、赤外光の照明光12を生成するよう構成される。照明装置20は、可視光の照明光12を生成してもよく、赤色、緑色、青色または白色の照明光12を生成してもよい。なお、照明装置20を撮像装置10に設けない構成としてもよい。
カメラ22は、偏光制御機構26と、撮像素子28とを含む。偏光制御機構26は、撮像素子28に入射する入射光18の偏光を制御する。偏光制御機構26は、第1直線偏光成分(S偏光成分)18sを透過させる第1偏光状態と、第2直線偏光成分(P偏光成分)18pを透過させる第2偏光状態と、第1直線偏光成分と第2直線偏光成分の双方を透過させる全透過状態とを切替可能となるよう構成される。撮像素子28は、偏光制御機構26が第1偏光状態であれば第1直線偏光成分で構成される第1画像を撮像でき、偏光制御機構26が第2偏光状態であれば第2直線偏光成分で構成される第2画像を撮像できる。撮像素子28は、偏光制御機構26が全透過状態であれば、第1直線偏光成分と第2直線偏光成分の双方で構成される通常画像を撮像できる。ここで、通常画像とは、撮像装置10をドライバモニタとして動作させて運転者70を撮像する場合の画像であり、例えば動画像を構成する画像である。
図5は、実施の形態に係る偏光制御機構26の構成を模式的に示す図である。撮像素子28は、二次元アレイ状に配列される複数の画素30を有する。偏光制御機構26は、複数の画素30の手前に配置されている。偏光制御機構26は、第1偏光制御素子26sと、第2偏光制御素子26pとを有する。第1偏光制御素子26sおよび第2偏光制御素子26pは、撮像軸16上に直列的に配置されている。
第1偏光制御素子26sおよび第2偏光制御素子26pのそれぞれは、アクティブ偏光子であり、特定方向の直線偏光成分の透過および遮蔽を電気的に切替できるように構成される。第1偏光制御素子26sは、第1直線偏光成分(S偏光成分)18sを常時透過させ、第2直線偏光成分(P偏光成分)18pの透過および遮蔽を電気的に切替できるように配置される。第2偏光制御素子26pは、第2直線偏光成分(P偏光成分)18pを常時透過させる一方、第1直線偏光成分(S偏光成分)18sの透過および遮蔽を電気的に切替できるように配置される。
第1偏光制御素子26sおよび第2偏光制御素子26pのそれぞれの動作を切り替えることで、上述の第1偏光状態、第2偏光状態および全透過状態が実現される。具体的には、第1偏光制御素子26sをオンとし、第2偏光制御素子26pをオフとすることで、第2直線偏光成分を遮蔽して第1直線偏光成分を透過させる第1偏光状態となる。逆に、第1偏光制御素子26sをオフとし、第2偏光制御素子26pをオンとすることで、第1直線偏光成分を遮蔽して第2直線偏光成分を透過させる第2偏光状態となる。また、第1偏光制御素子26sおよび第2偏光制御素子26pの双方をオフとすることで、第1直線偏光成分および第2直線偏光成分の双方を透過させる全透過状態となる。
図6は、実施の形態に係る制御装置24の機能構成を模式的に示すブロック図である。制御装置24は、偏光制御部40と、撮像制御部42と、画像取得部44と、画像処理部46と、出力部48とを備える。図示する各機能ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合わせによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
偏光制御部40は、偏光制御機構26の動作を制御して撮像素子28に入射する入射光18の偏光状態を制御する。偏光制御部40は、第1偏光制御素子26sおよび第2偏光制御素子26pのそれぞれの動作を切り替えることで、上述の第1偏光状態、第2偏光状態および全透過状態を切り替える。
撮像制御部42は、偏光制御機構26の動作と同期して撮像素子28の動作を制御する。撮像制御部42は、偏光制御機構26が第1偏光状態となるタイミングで撮像素子28に第1画像を撮像させる。撮像制御部42は、偏光制御機構26が第2偏光状態となるタイミングで撮像素子28に第2画像を撮像させる。撮像制御部42は、偏光制御機構26が全透過状態となるタイミングで撮像素子28に通常画像(動画像)を撮像させる。
図7は、偏光制御機構26および撮像素子28の動作を模式的に示すタイミングチャートである。図7の第1期間T1は、第1偏光制御素子26sをオンにして第2偏光制御素子26pをオフにする第1偏光状態であり、第2期間T2は、第1偏光制御素子26sをオフにして第2偏光制御素子26pをオンにする第2偏光状態であり、第3期間T3は、第1偏光制御素子26sおよび第2偏光制御素子26pの双方をオフにする全透過状態である。撮像素子28は、第1期間T1において第1画像を撮像し、第2期間T2において第2画像を撮像し、第3期間T3において通常画像(動画像)を撮像する。
偏光制御部40は、第1期間T1、第2期間T2および第3期間T3を周期的に切り替えることにより、偏光サングラスを検出するための第1画像および第2画像の取得を可能にするとともに、ドライバモニタ用の通常画像(動画像)の取得を可能にする。偏光制御部40は、例えば、撮像素子28のフレームレートに同期して偏光状態を切り替え、第1フレームにて第1状態とし、第2フレームにて第2状態とし、第3フレーム以降において全透過状態とする。したがって、偏光制御部40は、全透過状態を基本の偏光状態としつつ、間欠的に第1偏光状態および第2偏光状態を挿入するとも言える。第1偏光状態および第2偏光状態に切り替える周期は特に限られないが、例えば、1秒、5秒、10秒、30秒、1分、5分などである。また、偏光制御部40は、撮像素子28の隣接フレーム間で第1偏光状態と第2偏光状態を切り替えるようにする。これにより、第1画像と第2画像の取得タイミング間での撮像対象の変化を最小化し、第1画像と第2画像の間に偏光以外の要素で差が生じるのを防ぐようにする。
図6に戻り、画像取得部44は、撮像素子28が撮像する画像を取得する。画像取得部44は、第1偏光状態にて撮像される第1画像と、第2偏光状態で撮像される第2画像とを取得する。画像取得部44は、全透過状態にて撮像する通常画像(動画像)を取得してもよい。
画像処理部46は、画像取得部44が取得する第1画像および第2画像に基づいて、撮像対象に偏光サングラスが含まれるか否かを判定する。画像処理部46は、図3に示されるように、第1画像および第2画像の差分画像を生成し、差分画像に各画素の輝度値の絶対値が基準値以上となる「特定領域」が存在する場合に偏光サングラスが含まれると判定する。画像処理部46は、図3に示されるように、差分画像のヒストグラムに基づいて偏光サングラスの有無を判定してもよい。例えば、図3のヒストグラムにおいて、横軸の輝度値の絶対値が基準値以上となる位置(例えば輝度値−n)において縦軸の画素数が所定値以上となるピーク(例えば第2ピーク74b)が含まれる場合に偏光サングラスがあると判定する。
画像処理部46は、差分画像における特定領域の画素の輝度値の符号(正負)を考慮して偏光サングラスが含まれるか否かを判定してもよい。例えば、S偏光成分を撮像した第1画像の特定領域の画素の輝度値が相対的に小さく(つまり、暗く)、P偏光成分を撮像した第2画像の特定領域の画素の輝度値が相対的に大きい(つまり、明るい)場合にのみ偏光サングラスが含まれていると判定してもよい。画像処理部46は、パターンマッチング等の画像解析技術を用いて運転者70の顔面の輪郭や目の位置を特定し、顔面と重なる範囲に特定領域が存在する場合や目の位置に特定領域が存在する場合に偏光サングラスを使用していると判定してもよい。画像処理部46は、運転者70が首を傾げておらず、車両60の左右方向と運転者70の両目またはサングラスの左右方向とが一致する場合にのみ偏光サングラスの使用有無を判定してもよい。
画像処理部46は、画像取得部44が取得する通常画像(動画像)に基づいて、運転者70の状態を評価してもよい。画像処理部46は、運転者70の目が閉じた状態が所定時間連続する場合に居眠り運転を検知したり、運転者70の視線方向が所定時間連続して車両前方とは異なる方向に向いている場合に脇見運転を検知したりしてもよい。
出力部48は、画像処理部46による判定結果を外部装置に出力する。出力部48は、例えば、虚像表示装置50に偏光サングラスの使用有無の判定結果を示す信号を出力する。出力部48は、車両60に搭載される任意の機器に運転者70の状態または状態変化に関する信号を出力してもよいし、画像取得部44が取得した画像データを出力してもよい。
本実施の形態によれば、撮像装置10を用いて運転者70が偏光サングラスを使用しているか否かを自動判定できる。これにより、虚像表示装置50は、偏光サングラスの使用有無に応じて適切な画像表示光52を生成できる。例えば、偏光サングラスを使用していない場合にはウィンドシールド62での反射されやすいS偏光の第1表示光52sを生成するようにし、偏光サングラスを使用している場合には偏光サングラス越しに視認可能なP偏光の第2表示光52pを生成するようにできる。その結果、偏光サングラスの使用有無に拘わらずに第1表示光52sおよび第2表示光52pの双方を生成する場合に比べて虚像表示装置50の消費電力を低減することができる。また、第1表示光52sおよび第2表示光52pの双方を生成するために複数の光源を同時点灯させる必要がなくなるため、複数の光源の同時点灯による動作温度の上昇を防ぐことができ、光源の長寿命化を実現できる。
本実施の形態によれば、撮像装置10をドライバモニタとして使用しつつ、運転者70が偏光サングラスを使用しているか否かを自動判定できる。偏光制御機構26の偏光状態を間欠的に第1偏光状態および第2偏光状態に切り替えることで、ドライバモニタとしての通常画像(動画像)の取得に実質的な影響を及ぼすことなく、偏光サングラスの判定に用いる第1画像および第2画像を取得できる。また、ドライバモニタとしての通常画像(動画像)を取得するための全透過状態において、第1直線偏光成分18sおよび第2直線偏光成分18pの双方を含む入射光18を撮像することで、撮像素子28に入射する入射光18の光量がより多い状態で運転者70の顔面を撮像できる。これにより、運転者70のより鮮明な画像を撮像でき、ドライバモニタとしての判定精度を高めることができる。
図8(a),(b)は、変形例に係るカメラ122の構成を模式的に示す図である。本変形例では、偏光フィルタ134を回転させることにより撮像素子28に入射する入射光18の偏光状態を切り替える点で上述の実施の形態に係るカメラ22と相違する。
図8(a)に示されるように、カメラ122は、偏光制御機構126と、撮像素子28とを含む。偏光制御機構126は、撮像素子28の撮像軸16上に配置される。偏光制御機構126は、偏光フィルタ134と、モータ136とを有する。
図8(b)に示されるように、偏光フィルタ134は、円盤形状であり、周方向に異なる位置に第1領域134a、第2領域134bおよび第3領域134cが設けられる。第1領域134aおよび第2領域134bには直線偏光子が設けられる一方、第3領域134cには偏光子が設けられていない。なお、第1領域134aおよび第2領域134bには、偏光軸Aの向きが同じ直線偏光子が設けられている。モータ136は、偏光フィルタ134をR方向に回転させ、撮像軸16上に配置される偏光フィルタ134の領域134a〜134cを切り替える。モータ136は、偏光フィルタ134に設けられる直線偏光子を撮像軸16に対して変位させる駆動部である。
モータ136は、偏光フィルタ134を回転させることにより、直線偏光子の偏光軸Aの向きを変化させ、S偏光成分またはP偏光成分を透過させる偏光軸Aの向きに合わせる。図8(b)に示される状態では、直線偏光子の偏光軸Aの向きが左右方向であるため、偏光フィルタ134がS偏光成分を透過させる第1直線偏光子として機能する。したがって、撮像軸16上に第1領域134aが配置される場合、第1直線偏光子として機能する偏光フィルタ134を入射光18のS偏光成分18sのみが透過し、撮像素子28により第1画像が撮像される。一方、撮像軸16上に第2領域134bが配置される場合、つまり、図8(b)の状態から偏光フィルタ134を90度回転させた場合、直線偏光子の偏光軸Aの向きが上下方向となるため、偏光フィルタ134がP偏光成分を透過させる第2直線偏光子として機能する。その結果、撮像軸16上に第2領域134bが配置される場合、第2直線偏光子として機能する偏光フィルタ134を入射光18のP偏光成分18pのみが透過し、撮像素子28により第2画像が撮像される。撮像軸16上に第3領域134cが配置される場合、つまり、撮像軸16上に直線偏光子が挿入されない場合、入射光18が偏光フィルタ134をそのまま透過し、撮像素子28により通常画像が撮像される。このようにして、偏光制御機構126は、撮像素子28に向かう入射光18の偏光状態を切り替えることができる。
偏光制御機構126は、上述の偏光制御部40により動作が制御される。偏光制御部40は、モータ136の動作を制御し、撮像軸16上に第1領域134aが配置される第1偏光状態と、撮像軸16上に第2領域134bが配置される第2偏光状態と、撮像軸16上に第3領域134cが配置される全透過状態とを切り替える。モータ136は、ステッピングモータで構成されてもよく、偏光フィルタ134を瞬間的に所定の角度だけ回転させることで、偏光状態を瞬時に切り替えるよう構成されてもよい。モータ136は、偏光フィルタ134を回転させずに静止させることで、第1偏光状態、第2偏光状態または全透過状態が一定時間にわたって維持するように構成されもよい。本変形例に係るカメラ122を用いる場合であっても、上述の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
さらなる変形例では、第1領域134aと第2領域134bに設けられる直線偏光子の偏光軸Aが共通していなくてもよく、第1領域134aにS偏光成分を透過させる第1直線偏光子が設けられ、第2領域134bにP偏光成分を透過させる第2直線偏光子が設けられてもよい。また、偏光フィルタ134の各領域134a〜134cが占める範囲は図示されるものに限られず、各領域134a〜134cの少なくとも一つが図示される領域よりも広い範囲を占めてもよいし、図示される領域よりも狭い範囲を占めてもよい。
図9(a),(b)は、別の変形例に係るカメラ222の構成を模式的に示す図である。本変形例では、偏光フィルタを回転させるのではなく、スライドさせるように構成される点で上述の変形例と相違する。
図9(a)に示されるように、カメラ222は、偏光制御機構226と、撮像素子28を含む。偏光制御機構226は、撮像素子28の撮像軸16上に配置される。偏光制御機構226は、偏光フィルタ234と、モータ236とを有する。
図9(b)に示されるように、偏光フィルタ234は、長方形状であり、長手方向(S方向)に異なる位置に第1領域234a、第2領域234bおよび第3領域234cが設けられる。第1領域234aにはS偏光成分を透過させる第1直線偏光子が設けられ、第2領域234bにはP偏光成分を透過させる第2直線偏光子が設けられる。第3領域234cには偏光子が設けられていない。モータ236は、偏光フィルタ234をS方向にスライドさせ、撮像軸16上に配置される偏光フィルタ234の領域234a〜234cを切り替える。モータ236は、偏光フィルタ234に設けられる第1直線偏光子および第2直線偏光子を撮像軸16に対して変位させる駆動部である。
撮像軸16上に第1領域234aが配置される場合、つまり、撮像軸16上に第1直線偏光子が挿入される場合、入射光18のうちS偏光成分18sのみが偏光フィルタ234を透過し、撮像素子28により第1画像が撮像される。撮像軸16上に第2領域234bが配置される場合、つまり、撮像軸16上に第2直線偏光子が挿入される場合、入射光18のうちP偏光成分18pのみが偏光フィルタ234を透過し、撮像素子28により第2画像が撮像される。撮像軸16上に第3領域234cが配置される場合、つまり、撮像軸16上に直線偏光子が挿入されない場合、入射光18が偏光フィルタ234をそのまま透過し、撮像素子28により通常画像が撮像される。このようにして、偏光制御機構226は、撮像素子28に向かう入射光18の偏光状態を切り替えることができる。
偏光制御機構226は、上述の偏光制御部40により動作が制御される。偏光制御部40は、モータ236の動作を制御し、撮像軸16上に第1領域234aが配置される第1偏光状態と、撮像軸16上に第2領域234bが配置される第2偏光状態と、撮像軸16上に第3領域234cが配置される全透過状態とを切り替える。本変形例に係るカメラ222を用いる場合であっても、上述の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
図10(a),(b)は、さらに別の変形例に係るカメラ322の構成を模式的に示す図である。本変形例では、撮像素子28の複数の画素30のそれぞれに対応するように第1直線偏光フィルタ334sおよび第2直線偏光フィルタ334pが配置される点で上述の実施の形態および変形例と相違する。
図10(a)に示されるように、カメラ322は、偏光制御機構326と、撮像素子28とを含む。撮像素子28は、二次元アレイ状に配列される複数の画素30を有する。偏光制御機構326は、複数の画素30のそれぞれに対応して配置される複数の偏光フィルタ334を有する。偏光制御機構326は、隣接する二つの画素の一方(例えば画素30a)に第1直線偏光成分(S偏光成分)を透過させる第1直線偏光フィルタ334sが配置され、隣接する二つの画素の他方(例えば画素30b)に第2直線偏光成分(P偏光成分)を透過させる第2直線偏光フィルタ334pが配置されるよう構成される。
図10(b)に示されるように、第1直線偏光フィルタ334sおよび第2直線偏光フィルタ334pは市松模様となるように配置される。なお、第1直線偏光フィルタ334sおよび第2直線偏光フィルタ334pは、縞状に配置されてもよい。
撮像素子28は、偏光制御機構326を介して撮像対象の画像を撮像することにより、第1直線偏光成分を撮像した第1画像と、第2直線偏光成分を撮像した第2画像とを同時に生成する。第1画像は、複数の画素30のうち第1直線偏光フィルタ334sが配置される画素群を用いて撮像される。第2画像は、複数の画素30のうち第2直線偏光フィルタ334pが配置される画素群を用いて撮像される。
撮像素子28は、例えば、複数の画素30の全てを用いて撮像した通常画像を出力するよう構成される。この場合、画像取得部44は、撮像素子28から通常画像を取得し、画像処理部46は、取得した通常画像から第1画像と第2画像を分離する。画像処理部46は、第1画像と第2画像を比較することで、撮像対象に偏光サングラスが含まれるか否かを判定する。画像処理部46は、複数の画素30の全てを用いて撮像された通常画像を用いて運転者70の状態を評価してもよい。
撮像素子28は、第1直線偏光フィルタ334sが配置される画素群を用いて撮像した第1画像と、第2直線偏光フィルタ334pが配置される画素群を用いて撮像した第2画像とを別々に出力するよう構成されてもよい。この場合、画像取得部44は、撮像素子28から第1画像と第2画像を取得し、画像処理部46は、第1画像と第2画像を比較して撮像対象に偏光サングラスが含まれるか否かを判定する。画像処理部46は、第1画像と第2画像を合成することで複数の画素30の全てを用いて撮像した場合に相当する通常画像を生成し、通常画像を用いて運転者70の状態を評価してもよい。
本変形例によれば、偏光状態の切替が不要なため、第1画像、第2画像および通常画像を常時取得することができる。その結果、ドライバモニタとしての通常画像(動画像)の取得に影響を及ぼすことなく、偏光サングラスの判定に用いる第1画像および第2画像を取得できる。また、第1画像および第2画像についても常時取得できることから、運転者70が偏光サングラスを着けたり外したりする場合に、偏光サングラスの使用有無の変化を即時に検出できる。
つづいて、別の実施の形態について説明する。本実施の形態では、S偏光成分を遮蔽する一般的な偏光サングラスを検出するだけでなく、右目用と左目用に異なる偏光子が用いられる立体メガネ(3Dメガネ)を検出できるように構成される。3Dメガネは、右目と左目のそれぞれで視差のある表示光を別々に視覚できるように構成され、右目用レンズと左目用レンズのそれぞれが互いに直交する偏光を透過させるように構成される。
図11(a)〜(f)は、別の実施の形態に係る偏光を模式的に示す図であり、互いに直交する偏光の例を示している。ここで、「互いに直交する偏光」とは、偏光のx方向成分およびy方向成分をジョーンズベクトルuj(j=1,2)を用いて複素表記した場合にu1 *・u2=0となる二つの偏光のことをいう。ここで、アスタリスク(*)が付されたジョーンズベクトルuj *は、元のジョーンズベクトルujの複素共役を表す。
図11(a)は、第1直線偏光(S偏光)を示し、図11(b)は、第2直線偏光(P偏光)を示す。これらをジョーンズベクトルu(x,y)で表現すれば、(a)のS偏光はu1(x、y)=(1,0)であり、(b)のP偏光はu2(x,y)=(0,1)であり、u1 *・u2=0となって互いに直交する。したがって、第1直線偏光(S偏光)と第2直線偏光(P偏光)は互いに直交する偏光である。
図11(c)は、第3直線偏光(右45度偏光)を示し、図11(b)のP偏光を右に45度回転させた直線偏光を示す。図11(d)は、第4直線偏光(左45度偏光)を示し、図11(b)のP偏光を左に45度回転させた直線偏光を示す。これらをジョーンズベクトルu(x,y)で表現すれば、(c)の右45度偏光はu3(x、y)=1/√2(1,1)であり、(d)の左45度偏光はu4(x,y)=(1/√2)(1,−1)であり、u3 *・u4=0となって互いに直交する。したがって、第3直線偏光(右45度偏光)と第4直線偏光(左45度偏光)は互いに直交する偏光である。
図11(e)は、右回り円偏光を示し、図11(f)は、左回り円偏光を示す。これらをジョーンズベクトルu(x,y)で表現すれば、(e)の右回り円偏光はu5(x、y)=1/√2(1,i)であり、(f)の左回り円偏光はu6(x,y)=(1/√2)(1,−i)であり、u5 *・u6=0となって互いに直交する。したがって、右回り円偏光と左回り円偏光は互いに直交する偏光である。
図12は、別の実施の形態に係る偏光サングラスの判定方法を模式的に示す図である。(a)〜(d)に模式的に示すサングラスは、紙面上において左側に右目用レンズが示され、右側に左目用レンズが示されている。(a)は、S偏光成分を遮蔽してP偏光成分を透過させる一般的な偏光サングラスを示し、(b)〜(d)は、右目用と左目用に互いに直交する偏光子が用いられる3Dメガネを示している。(b)は、右目用にP偏光(紙面の上下方向)を透過させる直線偏光子が用いられ、左目用にS偏光(紙面の左右方向)を透過させる直線偏光子が用いられる3Dメガネを示す。(c)は、右目用に右に45度回転させた第3直線偏光(右45度偏光)を透過させる直線偏光子が用いられ、左目用に左に45度回転させた第4直線偏光(左45度偏光)を透過させる直線偏光子が用いられる3Dメガネを示す。(d)は、右目用に右回り円偏光を透過させる円偏光子が用いられ、左目用に左回り円偏光を透過させる円偏光子が用いられる3Dメガネを示す。
ここで、「右または左に45度回転」もしくは「右回りまたは左回り」における回転方向は、運転者70を撮像するカメラの撮像系を基準としている。つまり、運転者70またはサングラス72を正面視したときに、運転者70またはサングラス72に向かう方向を基準として右ねじとなる方向が右側の回転方向であり、左ねじとなる方向が左側の回転方向である。また、右に45度回転させた「右45度偏光」とは、紙面において偏光方向が上下方向となるP偏光(第2直線偏光)を右に45度回転させた直線偏光のことをいう。同様に、左に45度回転させた「左45度偏光」とは、P偏光を左に45度回転させた直線偏光のこという。
本実施の形態では、(a)〜(d)の偏光サングラスまたは3Dメガネを判別するために、S偏光成分を撮像した第1画像およびP偏光成分を撮像した第2画像の取得に加えて、右に45度回転させた直線偏光成分(第3直線偏光成分ともいう)を撮像した第3画像および左に45度回転させた直線偏光成分(第4直線偏光成分ともいう)を撮像した第4画像を取得する。図12において、(a)〜(d)の偏光サングラスまたは3Dメガネを撮像対象とした場合の(i)第1画像(S偏光画像)、(ii)第2画像(P偏光画像)、(iii)第3画像(右45度偏光画像)、および(iv)第4画像(左45度偏光画像)を模式的に示している。
図示されるように、(b)の3Dメガネでは、(i)第1画像(S偏光画像)と(ii)第2画像(P偏光画像)において、右目用レンズと左目用レンズが互いに異なる態様で写し出されるため、第1画像と第2画像に基づいて(b)の3Dメガネを検出できる。(c)の3Dメガネでは、(iii)第3画像(右45度偏光画像)と(iv)第4画像(左45度偏光画像)において、右目用レンズと左目用レンズが互いに異なる態様で写し出されるため、第3画像と第4画像に基づいて(c)の3Dメガネを検出できる。なお、(d)の3Dメガネでは、(i)〜(iv)の画像の全てにおいて右目用レンズと左目用レンズが同じ態様で写し出されるため、(d)の3Dメガネを使用していることを検出できないが、少なくとも(a)の偏光サングラス、または、(b)もしくは(c)の3Dメガネを使用していないことを検出できる。つまり、本実施の形態によれば、撮像対象に含まれる直線偏光子の偏光軸の方向を判定し、S偏光、P偏光、右45度偏光、左45度偏光のいずれであるかを特定できる。
図13(a),(b)は、別の実施の形態に係るカメラ422の構成を模式的に示す図である。カメラ422は、S偏光成分を撮像した第1画像、P偏光成分を撮像した第2画像、右45度偏光成分を撮像した第3画像、左45度偏光成分を撮像した第4画像および直交する偏光成分の双方を撮像した通常画像を撮像可能となるよう構成される。本実施の形態に係るカメラ422は、図8(a),(b)に示す変形例と同様に構成されるが、偏光フィルタ434の構成および動作が異なる。
図13(a)に示すように、カメラ422は、偏光制御機構426と、撮像素子28とを含む。偏光制御機構426は、撮像素子28の撮像軸16上に配置される。偏光制御機構426は、偏光フィルタ434と、モータ436とを有する。
図13(b)に示されるように、偏光フィルタ434は、円盤形状であり、直線偏光子が設けられる第1領域434aと、直線偏光子が設けられていない第2領域434bとを有する。第1領域434aは、円盤形状の偏光フィルタ434のうち約270度の範囲を占める扇状領域である。第2領域434bは、円盤形状の偏光フィルタ434のうち残りの約90度の範囲を占める扇状領域である。モータ436は、偏光フィルタ434をR方向に回転させ、撮像軸16上と重なる第1領域434aの偏光軸Aの向きを変化させる。図13(b)は、初期配置の偏光フィルタ434を示し、第1領域434aに設けられる直線偏光子の偏光軸Aの向きがS偏光成分を透過させる方向となっている。これにより、撮像素子28に向けて第1直線偏光成分(S偏光成分)を透過させる第1偏光状態を実現でき、撮像素子28を用いてS偏光成分を撮像した第1画像を取得できる。モータ436は、上述の実施の形態と同様にステッピングモータであってもよい。
図14(a)−(d)は、偏光制御機構426の動作を模式的に示す図であり、偏光フィルタ434の回転により第1領域434aに設けられる直線偏光子の偏光軸Aの向きを変化させる様子を示す。図14(a)は、図13(b)の初期配置から偏光フィルタ434を右にθ1(45度)回転させたときを示している。偏光フィルタ434を右に45度回転させることで、第1領域434aに設けられる直線偏光子の偏光軸Aの向きが左45度偏光成分を透過させる方向となっている。これにより、撮像素子28に向けて第2直線偏光成分(P偏光成分)に対して左に45度回転した第4直線偏光成分を透過させる第4偏光状態を実現でき、撮像素子28を用いて左45度偏光成分を撮像した第4画像を取得できる。
図14(b)は、図13(b)の初期配置から偏光フィルタ434を右にθ2(90度)回転させたときを示している。偏光フィルタ434を右に90度回転させることで、第1領域434aに設けられる直線偏光子の偏光軸Aの向きがP偏光成分を透過させる方向となっている。これにより、撮像素子28に向けて第2直線偏光成分(P偏光成分)を透過させる第2偏光状態を実現でき、撮像素子28を用いてP偏光成分を撮像した第2画像を取得できる。
図14(c)は、図13(b)の初期配置から偏光フィルタ434を右にθ3(135度)回転させたときを示している。偏光フィルタ434を右に135度回転させることで、第1領域434aに設けられる直線偏光子の偏光軸Aの向きが右45度偏光成分を透過させる方向となっている。これにより、撮像素子28に向けて第2直線偏光成分(P偏光成分)に対して右に45度回転した第3直線偏光成分を透過させる第3偏光状態を実現でき、撮像素子28を用いて右45度偏光成分を撮像した第3画像を取得できる。
図14(d)は、図13(b)の初期配置から偏光フィルタ434を右にθ4(270度)回転させたときを示している。偏光フィルタ434を右に270度回転させることで、直線偏光子が設けられていない第2領域434bが撮像軸16上に配置される。これにより、撮像素子28に向けて第1直線偏光成分(S偏光成分)および第2直線偏光成分(P偏光成分)の双方を透過させる全透過状態を実現でき、撮像素子28を用いて通常画像を取得できる。
なお、本実施の形態は、他の構成を用いて実現することもできる。例えば、図9(a),(b)に示した構成と同様、4種類の直線偏光子を有する偏光フィルタを撮像軸16に対してスライドさせることで、第1画像、第2画像、第3画像、第4画像および通常画像を取得できるように構成してもよい。その他、図10(a),(b)に示した構成と同様に、撮像素子の複数の画素に対して4種類の直線偏光フィルタを配置することで、第1画像、第2画像、第3画像、第4画像および通常画像を取得できるように構成してもよい。
本実施の形態において、(d)の3Dメガネを検出するために、右回り円偏光成分を撮像した第5画像と、左回り円偏光成分を撮像した第6画像を取得できるように構成してもよい。この場合、偏光制御機構は、右回り円偏光成分を撮像素子に向けて透過させる第5偏光状態と、左回り円偏光成分を撮像素子に向けて透過させる第6偏光状態とを実現するよう構成されてもよい。
以上、本発明を上述の実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、各表示例に示す構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。
上述の実施の形態および変形例では、運転者70が使用する偏光サングラスの使用有無の判定に適用する例について述べた。さらなる変形例では、撮像対象に任意の直線偏光子が含まれるか否かの判定に適用してもよい。例えば、撮像素子に向かう入射光のうち第1直線偏光成分を撮像した第1画像と、前記撮像素子に向かう入射光の第1直線偏光成分と直交する第2直線偏光成分を撮像した第2画像とに基づいて、撮像素子の撮像対象に直線偏光子が含まれるか否かを判定してもよい。
10…撮像装置、18…入射光、22…カメラ、24…制御装置、26,126,226,326,426…偏光制御機構、26s…第1偏光制御素子、26p…第2偏光制御素子、28…撮像素子、40…偏光制御部、42…撮像制御部、44…画像取得部、46…画像処理部、48…出力部、60…車両、70…運転者、134,234,334…偏光フィルタ。
Claims (6)
- 撮像素子と、
前記撮像素子に向かう入射光の第1直線偏光成分と、前記第1直線偏光成分と直交する第2直線偏光成分とを前記撮像素子に向けて選択的に透過させる偏光制御機構と、
前記入射光の第1直線偏光成分を撮像した第1画像と、前記入射光の第2直線偏光成分を撮像した第2画像とに基づいて撮像対象に直線偏光子が含まれるか否かを判定する画像処理部と、を備えることを特徴とする撮像装置。 - 前記撮像対象は、車両の運転者の顔面であり、
前記第1直線偏光成分は、前記撮像素子の撮像方向および前記車両の上下方向の双方に直交する第1方向の直線偏光成分であり、
前記第2直線偏光成分は、前記撮像方向および前記第1方向の双方に直交する第2方向の直線偏光成分であり、
前記画像処理部は、前記運転者の顔面と重なる範囲に前記第1方向の直線偏光成分を遮蔽する直線偏光子が含まれるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記偏光制御機構は、前記第1直線偏光成分を透過させる第1偏光状態と、前記第2直線偏光成分を透過させる第2偏光状態とを切替可能となるよう構成され、
前記偏光制御機構を前記第1偏光状態または前記第2偏光状態に切り替え、前記第1偏光状態において前記撮像素子に前記第1画像を撮像させ、前記第2偏光状態において前記撮像素子に前記第2画像を撮像させる撮像制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。 - 前記偏光制御機構はさらに、前記第2直線偏光成分に対して右に45度回転した第3直線偏光成分を透過させる第3偏光状態と、前記第2直線偏光成分に対して左に45度回転した第4直線偏光成分を透過させる第4偏光状態とに切替可能となるよう構成され、
前記撮像制御部は、前記偏光制御機構を前記第3偏光状態または前記第4偏光状態に切り替え、前記第3偏光状態において前記入射光の前記第3直線偏光成分を撮像した第3画像を前記撮像素子に撮像させ、前記第4偏光状態において前記入射光の前記第4直線偏光成分を撮像した第4画像を前記撮像素子に撮像させ、
前記画像処理部は、前記第1画像、前記第2画像、前記第3画像および前記第4画像に基づいて撮像対象に含まれる直線偏光子の偏光軸の方向を判定することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 前記撮像素子は、二次元アレイ状に配列された複数の画素を有し、
前記偏光制御機構は、前記複数の画素のそれぞれに対応して配置される複数の偏光フィルタを有し、隣接する二つの画素の一方に前記第1直線偏光成分を透過させる第1直線偏光フィルタが配置され、隣接する二つの画素の他方に前記第2直線偏光成分を透過させる第2直線偏光フィルタが配置されるよう構成され、
前記第1画像は、前記第1直線偏光フィルタが配置される画素群を用いて撮像され、前記第2画像は、前記第2直線偏光フィルタが配置される画素群を用いて撮像されることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。 - 撮像素子に向かう入射光のうち第1直線偏光成分を撮像した第1画像と、前記撮像素子に向かう入射光の前記第1直線偏光成分と直交する第2直線偏光成分を撮像した第2画像とに基づいて、前記撮像素子の撮像対象に直線偏光子が含まれるか否かを判定することを特徴とする判定方法。
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-
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