JP2020158409A - ホスホン酸誘導体の製造方法 - Google Patents

ホスホン酸誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ハロゲン化水素や金属触媒を用いずに、比較的穏やかな反応条件下で反応が進行する、ホスホン酸誘導体の製造方法の提供。【解決手段】式(1)で表されるホスホン酸誘導体の製造方法であって、エステル基含有ホスホン酸誘導体を、超強酸触媒の存在下、溶媒中もしくは無溶媒で反応させる工程を含むホスホン酸誘導体の製造方法。(式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、ヘテロ原子を含んでもよい置換もしくは非置換の炭化水素基であり、nは1〜3、mは0〜2、oは0〜1の自然数であり、n+m+o=3である)【選択図】なし

Description

本発明は、ホスホン酸誘導体の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、エステル基含有ホスホン酸誘導体を酸触媒の存在下で反応させて、ホスホン酸誘導体を製造する方法に関する。
有機リン化合物は、例えば、難燃剤、可塑剤、殺虫剤、医農薬、金属錯体の配位子等の様々な製品に幅広く使用されている化学物質である。近年、有機リン化合物は、機能性材料として金属表面処理剤、及び難燃性樹脂等の構成材料や電子材料分野においても、工業的に特に注目されている。
有機リン化合物の中でも、ホスホン酸誘導体は、上記の様々な化学物質の有用な前駆体物質であるため、従来から様々な製造方法が検討されてきた。例えば、非特許文献1では、アルキルホスホン酸誘導体を濃塩酸の存在下で、還流させながら加水分解反応を行うことが提案されている。
Best Synthetic Methods Organophosphorus (V) Chemistry, Christopher M. Timperley, p146-147
しかしながら、非特許文献1に記載の製造方法では、腐食性のある濃塩酸の存在下で還流させながら反応を行っており、厳しい反応条件の管理が要求される。また、高い絶縁性が要求される電子材料分野に用いるためには、ハロゲンやメタルをppmやppbレベルの低濃度に管理する必要がある。非特許文献1に記載のような従来の製造方法では、ハロゲン化水素(塩酸等)や金属触媒(パラジウムや水酸化ナトリウム等)を使用する手法がほとんどであるため、生成物の精製が必要であった。そのため、ハロゲンやメタルをppmやppbレベルの低濃度まで容易に低減できる製造法が無かった。さらに、副生成物として有毒性の塩化アルキルが生じる。
したがって、本発明の目的は、ハロゲン化水素や金属触媒を用いずに、比較的穏やかな反応条件下で反応が進行する、ホスホン酸誘導体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、エステル基含有ホスホン酸誘導体を、超強酸触媒の存在下、溶媒中もしくは無溶媒で反応させることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] 下記一般式(1):
(式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、ヘテロ原子を含んでもよい置換もしくは非置換の炭化水素基であり、
nは1〜3、mは0〜2、oは0〜1の自然数であり、n+m+o=3である)
で表されるホスホン酸誘導体の製造方法であって、
下記一般式(2):
(式(2)中、R、R、およびRは、それぞれ独立して、ヘテロ原子を含んでもよい置換もしくは非置換の炭化水素基であり、
nは1〜3、mは0〜2、oは0〜1の自然数であり、n+m+o=3である)
で表されるホスホン酸誘導体を、超強酸触媒の存在下、溶媒中もしくは無溶媒で反応させる工程を含む、ホスホン酸誘導体の製造方法。
[2] 前記超強酸は、25℃での酸解離定数が100%硫酸よりも小さい酸である、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記超強酸が、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロスルホン酸、フルオロメタンスルホン酸、および末端にパーフルオロスルホン酸基を有するフッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4] 式(1)中、R、およびRはそれぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、およびアルコキシ基からなる群から選択され、
式(2)中、R、R、およびRはそれぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アリール基、およびアラルキル基からなる群から選択される、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] 式(1)中、Rは、ビニル基またはフェニル基であり、Rは、メトキシ基、エトキシ基、およびアリル基からなる群から選択され、
式(2)中、Rは、ビニル基またはフェニル基であり、Rは、メトキシ基、エトキシ基、およびアリル基からなる群から選択され、Rは、イソプロピル基、tert−ブチル基、ベンジル基、メチルフェニルメチル基、およびアリル基からなる群から選択される、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] 前記溶媒が、有機溶媒である、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7] 前記有機溶媒が、芳香族炭化水素である、[6]に記載の製造方法。
[8] 前記芳香族炭化水素が、ベンゼンおよび/またはトルエンである、[7]に記載の製造方法。
本発明によれば、ハロゲン化水素や金属触媒を用いずに、比較的穏やかな反応条件下で反応が進行する、ホスホン酸誘導体の製造方法を提供することができる。
[ホスホン酸誘導体の製造方法]
本発明のホスホン酸誘導体の製造方法は、エステル基含有ホスホン酸誘導体を、超強酸触媒の存在下、溶媒中もしくは無溶媒で反応させる工程を含むものである。
[反応工程]
(エステル基含有ホスホン酸誘導体)
反応工程で用いる原料のエステル基含有ホスホン酸誘導体は、下記一般式(2):
(式(2)中、R、R、およびRは、それぞれ独立して、ヘテロ原子を含んでもよい置換もしくは非置換の炭化水素基であり、
nは1〜3、mは0〜2、oは0〜1の自然数であり、n+m+o=3である)
で表されるエステル基含有ホスホン酸誘導体である。
本発明の反応工程において、原料であるホスホン酸誘導体のエステル基(OR)をヒドロキシ基に変換する。エステル基(OR)が2つ以上存在する場合、それらの全てをヒドロキシ基に変換してもよいし、それらの一部のみをヒドロキシ基に選択的に変換してもよい。エステル基からヒドロキシ基への選択的な変換は、エステル基のRの中で、離脱させるエステル基と残留させるエステル基の構造によって調節することができる。
上記式(2)中、R、R、およびRの炭化水素基としては、炭素原子数1〜10の炭化水素基が挙げられる。なお、上記炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。炭素原子数1〜10の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記式(2)中、R、R、およびRの炭化水素基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、複素環基、アルキリデン基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、およびオキソ基等が挙げられる。置換基として用いられる複素環としては、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、キノリル基、およびイソキノリル基等が挙げられる。また、置換基に含まれる炭素原子数は1〜12であることが好ましい。
上記式(2)中、Rは、ビニル基またはフェニル基であることが好ましい。
上記式(2)中、Rは、メトキシ基、エトキシ基、またはアリル基であることが好ましい。
上記式(2)中、Rは、イソプロピル基、tert−ブチル基、ベンジル基、メチルフェニルメチル基、またはアリル基であることが好ましい。
上記式(2)中、nは1〜2、mは1〜2、oは0〜1の自然数であることが好ましい。
上記式(2)で表されるホスホン酸誘導体の具体例としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
上記式中、Phは、フェニル基を表し、Bzlは、ベンジル基を表し、Prは、イソプロピル基を表し、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
(酸触媒)
反応工程においては酸触媒として超強酸を用いる。超強酸とは、25℃での酸解離定数(pKa)が100%硫酸(pKa=−3.0)よりも小さい酸である。本発明で用いる超強酸の25℃での酸解離定数(pKa)は、−3.5以下であることが好ましく、−4.0以下であることがより好ましく、−5.0以下であることがさらに好ましい。
反応工程で用いる酸触媒は、均一系触媒であっても、不均一系触媒であってもよい。均一系触媒の超強酸としては、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロスルホン酸、およびフルオロメタンスルホン酸が挙げられる。また、不均一系触媒としては、末端にパーフルオロスルホン酸基を有するフッ素系樹脂が挙げられる。このようなパーフルオロカーボン材料としては、疎水性テフロン骨格とスルホン酸基を有するパーフルオロ側鎖とを備えるパーフルオロカーボン材料(テトラフルオロエチレンとパーフルオロ[2−(フルオロスルホニルエトキシ)プロピルビニルエーテルの共重合体)や、市販品のナフィオン(登録商標)を用いることができる。
反応工程における超強酸の使用量は、特に限定されないが、反応効率や反応速度を考慮して、ホスホン酸誘導体1モル当量に対して、好ましくは0.01〜10モル当量であり、より好ましくは0.1〜2.5モル当量であり、さらに好ましくは0.2〜0.5〜0.2モル当量である。
(溶媒)
本発明においては、反応工程は、溶媒中で行ってもよいし、無溶媒で行ってもよい。溶媒を用いる場合には、反応温度条件で液体の状態で存在する有機溶媒であれば用いることができ、例えば、エーテル類、炭化水素、ケトン類等が挙げられ、芳香族炭化水素を用いることが好ましい。
従来、ホスホン酸誘導体のエステル基をヒドロキシ基に変換する方法としては、水を溶媒として加水分解反応が行われていたが、副生成物の発生、副次的な可燃性ガスの発生、水の除去工程が必要となる等の様々な問題が生じていた。本発明においては、非水系で反応を行うことで、反応後の水の除去工程を行う必要がなくなるため、プロセスを簡略化することができる。さらに、本発明においては、溶媒として芳香族炭化水素を用い、酸触媒として超強酸を用いることで、副生物の可燃性ガスが超強酸を触媒としたFriedel−Crafts反応により、芳香族炭化水素(ベンジルエステルの場合は脱離した副生物同士で反応。)に捕捉され、高沸点成分へ変換することができる。そのため、低沸点の可燃性ガスが発生せず、ガス成分の処理が必要ない。
芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。これらの中でも、ベンゼンおよびトルエンを用いることが好ましい。ベンゼンやトルエンを用いることで、副生物を効率よくトラップすることができる。これらの有機溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合溶媒として用いてもよい。
反応工程における溶媒の使用量は、特に限定されず、反応操作や後処理に好適な量であればよい。溶媒の使用量は、質量基準で、好ましくは原料のホスホン酸誘導体の質量の0.1〜10倍程度であり、より好ましくは1.0〜5倍程度である。
(反応条件)
反応工程における反応温度は、特に限定されないが、反応効率や反応速度、副生成物を考慮して、例えば、40℃〜120℃程度であり、好ましくは50℃〜120℃であり、より好ましくは60℃〜120℃である。
反応工程における反応時間は、特に限定されないが、反応効率や反応速度、副生成物を考慮して、例えば、10分〜48時間程度であり、好ましくは30分〜36時間であり、より好ましくは1時間〜24時間である。
反応工程は、反応効率や反応速度、副生成物を考慮して、不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン等を用いることが好ましい。
(反応生成物)
上記の反応工程で得られた生成物は、下記一般式(1):
(式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、ヘテロ原子を含んでもよい置換もしくは非置換の炭化水素基であり、
nは1〜3、mは0〜2、oは0〜1の自然数であり、n+m+o=3である)
で表されるホスホン酸誘導体である。
上記式(1)中、RおよびRの炭化水素基としては、炭素原子数1〜10の炭化水素基が挙げられる。なお、上記炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。炭素原子数1〜10の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、およびメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基等が挙げられる。
上記式(1)中、RおよびRの炭化水素基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、複素環基、アルキリデン基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、およびオキソ基等が挙げられる。置換基として用いられる複素環としては、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、キノリル基、およびイソキノリル基等が挙げられる。また、置換基に含まれる炭素原子数は1〜12であることが好ましい。
上記式(1)中、Rは、ビニル基またはフェニル基であることが好ましい。
上記式(1)中、Rは、メトキシ基、エトキシ基、またはアリル基であることが好ましい。
上記式(1)中、nは1〜2、mは1〜2、oは0〜1の自然数であることが好ましい。
上記式(1)で表されるホスホン酸誘導体の具体例としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
上記式中、Phは、フェニル基を表し、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
(収率)
本発明のホスホン酸誘導体の製造方法によって得られるホスホン酸誘導体の収率は、原料のエステル基含有ホスホン酸誘導体に対してモル基準で、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることがさらにより好ましい。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
窒素雰囲気下、反応容器中に表1の出発物質に記載のエステル基含有ホスホン酸誘導体1.28mmolと、トルエン1mLを加えよく攪拌した。次いで、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)60μLを加え、100℃で24時間反応させて、表1の目的物質に記載のホスホン酸誘導体を得た。得られたホスホン酸誘導体の収率を、31P NMRで測定したところ、98%であった。なお、反応の副生成物は、トルエンと反応し、メチルアリルベンゼン(オルト体、パラ体の混合物)が生成した。
[実施例2]
酸触媒の使用量を30μL用いて、120℃で反応させた以外は、実施例1と同様にして、表1の目的物質に記載のホスホン酸誘導体を得た。得られたホスホン酸誘導体の収率を、31P NMRで測定したところ、100%であった。なお、反応の副生成物は、トルエンと反応し、メチルアリルベンゼン(オルト体、パラ体の混合物)が生成した。
[実施例3]
溶媒としてトルエンの代わりにベンゼンを用いた以外は実施例2と同様にして、表1の目的物質に記載のホスホン酸誘導体を得た。得られたホスホン酸誘導体の収率を、31P NMRで測定したところ、100%であった。なお、反応の副生成物は、ベンゼンと反応しアリルベンゼンが生成した。
[実施例4]
酸触媒としてTfOHを15μL用いて、120℃で反応させた以外は、実施例1と同様にして、表1の目的物質に記載のホスホン酸誘導体を得た。得られたホスホン酸誘導体の収率を、31P NMRで測定したところ、88%であった。なお、反応の副生成物は、トルエンと反応し、メチルアリルベンゼン(オルト体、パラ体の混合物)が生成した。
[実施例5]
溶媒を添加せずに、酸触媒としてTfOHを150μL用いて、80℃で反応させた以外は、実施例1と同様にして、表1の目的物質に記載のホスホン酸誘導体を得た。得られたホスホン酸誘導体の収率を、31P NMRで測定したところ、98%であった。
[実施例6]
酸触媒としてTfOHの代わりに下記式で表される末端にパーフルオロスルホン酸基を有するフッ素系樹脂(固体触媒、ナフィオン)を用いた以外は、実施例5と同様にして、表1の目的物質に記載のホスホン酸誘導体を得た。得られたホスホン酸誘導体の収率を、31P NMRで測定したところ、98%であった。
[比較例1]
酸触媒としてTfOH15μLを用い、溶媒としてトルエンの代わりに水を用いて、140℃で38時間反応させた以外は、実施例1と同様にして、表1の目的物質に記載のホスホン酸誘導体を得た。得られたホスホン酸誘導体の収率を、31P NMRで測定したところ、94%であった。溶媒として水を用いたため、高温かつ長時間の反応が必要であった。
[比較例2]
酸触媒としてTfOHの代わりに濃塩酸1.0mLを用いて、80℃で反応させた以外は、実施例1と同様にして反応させたところ、定量的に反応が進行した。なお、反応の副生成物は、有毒性のクロロメタンが生成した。
上記の結果の一覧を表1に示した。
[実施例7]
アルゴン雰囲気下で反応容器中に表2の出発物質に記載のエステル基含有ホスホン酸誘導体1mmolと、ベンゼン1mLを加えよく攪拌した。次いで、TfOH40μLを加え、80℃で24時間反応させて、表2の目的物質に記載のホスホン酸誘導体を得た。得られたホスホン酸誘導体の収率を、31P NMRで測定したところ、98%であった。なお、反応の副生成物は、ベンゼンと反応し、ジフェニルメタンが生成した。
[実施例8]
表2の出発物質に記載のエステル基含有ホスホン酸誘導体を用いて、40℃で反応させた以外は、実施例7と同様にして反応させて、表2の目的物質に記載のホスホン酸誘導体を得た。得られたホスホン酸誘導体の収率を、31P NMRで測定したところ、90%であった。なお、反応の副生成物は、ベンゼンと反応し、1,1−ジフェニルエタンが生成した。
[実施例9]
80℃で反応させた以外は、実施例8と同様にして反応させて、表2の目的物質に記載のホスホン酸誘導体を得た。得られたホスホン酸誘導体の収率を、31P NMRで測定したところ、95%であった。なお、反応の副生成物は、ベンゼンと反応し、1,1−ジフェニルエタンが生成した。
[実施例10]
表2の出発物質に記載のエステル基含有ホスホン酸誘導体を用いた以外は、実施例7と同様にして反応させて、表2の目的物質に記載のホスホン酸誘導体を得た。得られたホスホン酸誘導体の収率を、31P NMRで測定したところ、100%であった。なお、反応の副生成物は、ベンゼンと反応し、ジフェニルメタンが生成した。
[実施例11]
表2の出発物質に記載のエステル基含有ホスホン酸誘導体を用いた以外は、実施例7と同様にして反応させて、表2の目的物質に記載のホスホン酸誘導体を得た。得られたホスホン酸誘導体の収率を、31P NMRで測定したところ、72%であった。なお、反応の副生成物は、ベンゼンと反応し、ジフェニルメタンが生成した。
[比較例3]
表2の出発物質に記載のエステル基含有ホスホン酸誘導体680.0gを用い、溶媒としてベンゼンの代わりに水269.0gを用い、触媒としてビニルホスホン酸54.0gを用いて、140℃で38時間反応させて、表2の目的物質に記載のホスホン酸誘導体を得た。得られたホスホン酸誘導体の収率を、31P NMRで測定したところ、99%であった。溶媒として水を用いたため、高温かつ長時間の反応が必要であった。なお、反応の副生成物は、メタノールと可燃性ガスのジメチルエーテルが生成した。
[比較例4]
表2の出発物質に記載のエステル基含有ホスホン酸誘導体1 mmolを用い、濃塩酸1mL反応時間を8時反応させて、表2の目的物質に記載のホスホン酸誘導体を得た。得られたホスホン酸誘導体の収率を、31P NMRで測定したところ、97%であった。なお、反応の副生成物は、有毒性のクロロエタンが生成した。
上記の結果の一覧を表2に示した。
[実施例12]
反応容器中に表3の出発物質に記載のエステル基含有ホスホン酸誘導体1mmolと、ベンゼン1mLを加えよく攪拌した。次いで、TfOH20.2μLを加え、80℃で24時間反応させて、表3の目的物質に記載のホスホン酸誘導体を得た。得られたホスホン酸誘導体の収率を、31P NMRで測定したところ、93%であった。なお、反応の副生成物は、ベンゼンと反応し、ジフェニルメタンが生成した。
[実施例13]
表3の出発物質に記載のエステル基含有ホスホン酸誘導体を用いた以外は、実施例12と同様にして反応させて、表3の目的物質に記載のホスホン酸誘導体を得た。得られたホスホン酸誘導体の収率を、31P NMRで測定したところ、80%であった。なお、反応の副生成物は、ベンゼンと反応し、ジフェニルメタンが生成した。
上記の結果の一覧を表3に示した。実施例12および13では、出発物質であるホスホン酸誘導体のエステル基の一部のみをヒドロキシ基に選択的に変換することができた。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1):
    (式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、ヘテロ原子を含んでもよい置換もしくは非置換の炭化水素基であり、
    nは1〜3、mは0〜2、oは0〜1の自然数であり、n+m+o=3である)
    で表されるホスホン酸誘導体の製造方法であって、
    下記一般式(2):
    (式(2)中、R、R、およびRは、それぞれ独立して、ヘテロ原子を含んでもよい置換もしくは非置換の炭化水素基であり、
    nは1〜3、mは0〜2、oは0〜1の自然数であり、n+m+o=3である)
    で表されるホスホン酸誘導体を、超強酸触媒の存在下、溶媒中もしくは無溶媒で反応させる工程を含む、ホスホン酸誘導体の製造方法。
  2. 前記超強酸は、25℃での酸解離定数が100%硫酸よりも小さい酸である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記超強酸が、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロスルホン酸、フルオロメタンスルホン酸、および末端にパーフルオロスルホン酸基を有するフッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 式(1)中、R、およびRはそれぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、およびアルコキシ基からなる群から選択され、
    式(2)中、R、R、およびRはそれぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アリール基、およびアラルキル基からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 式(1)中、Rは、ビニル基またはフェニル基であり、Rは、メトキシ基、エトキシ基、およびアリル基からなる群から選択され、
    式(2)中、Rは、ビニル基またはフェニル基であり、Rは、メトキシ基、エトキシ基、およびアリル基からなる群から選択され、Rは、イソプロピル基、tert−ブチル基、ベンジル基、メチルフェニルメチル基、およびアリル基からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記溶媒が、有機溶媒である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記有機溶媒が、芳香族炭化水素である、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記芳香族炭化水素が、ベンゼンおよび/またはトルエンである、請求項7に記載の製造方法。
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