JP2020157300A - インクジェット方式の薄膜形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、インクジェット方式の塗布を様々な分野で活用していく上では、塗布する時点の動作に加えて、塗布した直後から乾燥して基板上に固着するまでをいかに管理するかも重要である。
しかしながら、非特許文献1に示すような従来の方法では、一連の塗布処理が終了した後に、乾燥処理が行われる。このため、塗布処理開始から乾燥装置にセットされ乾燥処理が開始されるまでの間に、乾燥処理が行われないこととなる。このため、乾燥処理を開始するまでの間にガラス基板に塗布された液滴が動いてしまったり、液滴間のオーバーラップによるレベリングが意図しない状態で連鎖的に発生したりするおそれがある。
本実施形態に係る薄膜形成装置1は、フラット・パネル・ディスプレイや、電気泳動方式などを応用したフレキシブル・ディスプレイと呼ばれるしなやかに曲がる電子ペーパなど、多種多様な用途がある。以下の説明において、本実施形態に係る薄膜形成装置1は、フラット・パネル・ディスプレイに用いられるガラス基板100に対してポリイミドの薄膜を形成(塗布)するものとして説明する。なお、本実施形態に係る薄膜形成装置1でガラス基板100上に形成(塗布)されたポリイミドの薄膜は、本乾燥処理および配向処理(ラビング)をされることにより、配向膜となるものであるが、本説明においては、本乾燥処理・配向処理前の薄膜も「配向膜」と称するものとする。
ガントリ3の復路側には、Y軸移動機構7およびZ軸移動機構8を介して、複数の塗布ヘッド4を有する塗布ヘッドユニット5が設けられている。
ガントリ3の往路側には、熱源装置31が設けられている。また、ガントリ3の往路側は、アライメントカメラ移動機構33(図2参照)を介して、アライメントカメラ32(図2参照)が設けられている。
Y軸移動機構7は、ガントリ3に設けられた固定子(マグネットプレート)7aと、塗布ヘッドユニット5に設けられた可動子(コイル)7bとからなるリニアモータアクチュエータであり、ガントリ3に対して塗布ヘッドユニット5をY軸方向に移動させることができるようになっている。
Z軸移動機構8は、サーボモータからなり、ガントリ3に対して塗布ヘッドユニット5をZ軸方向に移動させることができるようになっている。
即ち、塗布ヘッドユニット5(塗布ヘッド4,後述するノズル4a)は、X軸移動機構6によりX軸方向に移動することができるようになっており、Y軸移動機構7によりY軸方向に移動することができるようになっており、Z軸移動機構8によりZ軸方向に移動することができるようになっている。
なお、X軸移動機構6、Y軸移動機構7およびZ軸移動機構8は、制御部50により制御されるようになっている。
さらに、一つの塗布ヘッド4に対して配向膜材料を吐出するノズル(図示せず)がY軸方向に沿って一列に複数配置され、そのノズルの列が複数列配置されている(図示せず)。なお、塗布ヘッド4は、圧電素子等を利用してノズルから少量の液滴を高精度に吐出するインクジェットヘッドである。
なお、制御部50は、塗布ヘッド4の各ノズルごとに配向膜材料の吐出の有無やタイミング、吐出する配向膜材料の量を制御することができるようになっている。
図2に示すように、ガントリ3の往路側(図1の背面側)に配置される熱源装置31は、例えば、赤外線ランプで構成され、略鉛直方向に赤外線を照射することができるようになっている。即ち、ガントリ3の復路時にガントリ3の開口3a(図1参照)を通過した対象(ガラス基板100)に対して赤外線を照射することができるようになっている。
なお、熱源装置31は、制御部50によりその点灯・消灯が制御されるようになっている。
ちなみに、熱源装置31として紫外線ランプ(図示せず)を用いる場合、紫外線ランプの電源投入から照射される紫外線の強度が安定するまでに時間を要するため、シャッタ(図示せず)を設けて、紫外線ランプの点灯・消灯を制御するのにかえて、シャッタの開閉により照射開始と照射停止を制御するようにするのが望ましい。
また、熱源装置31として、塵埃等を含まない清浄な空気(クリーンエア)を加熱して対象(ガラス基板100)に吹き付ける熱風送風装置(図示せず)であってもよい。加熱された清浄な空気を熱媒体として対象に吹き付けることにより、対象(ガラス基板100)をより加熱することができる。また、熱風送風装置と赤外線ランプ(可視光線ランプ、紫外線ランプ)を組み合せたものであってもよい。
アライメントカメラ移動機構33は、ガントリ3に対してアライメントカメラ32をY軸方向に移動させることができるようになっている。即ち、アライメントカメラ32は、X軸移動機構6によりX軸方向に移動することができるようになっており、アライメントカメラ移動機構33によりY軸方向に移動することができるようになっている。
なお、X軸移動機構6およびアライメントカメラ移動機構33は、制御部50により制御されるようになっている。また、アライメントカメラ32で撮像された画像は、制御部50に送信され、塗布ヘッド4の位置補正に用いられる。
なお、吸着テーブル9は、制御部50によりガラス基板100の着脱および回転角θが制御されるようになっている。
ヘッド回復装置10は、塗布ヘッド4のノズルから吐出させて、ノズルの目詰まりを防止するとともに、目詰まりの回復を検出する装置である。
ヘッド回復装置10は、吸込口11と、LED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)12と、カメラ13と、LED12をY軸方向に移動させるLED移動機構12Aと、カメラ13をY軸方向に移動させるカメラ移動機構13Aと、電子天秤14と、を備えている。電子天秤14では、配向膜材料を塗布ヘッド4のノズルから吐出させて、各塗布ヘッド4間の1回あたりの吐出量を調整する。
なお、LED12は、制御部50によりその点灯・消灯が制御されるようになっている。
なお、カメラ13で撮像された画像は、制御部50に送信される。
この際、制御部50(ヘッド回復制御部51)は、LED12を点灯させ、カメラ13で撮像する。吐出された配向膜材料の液滴4bは、カメラ13で撮像する画像において、影として撮像される。これにより、ノズル4aの目詰まりの回復を検知することができる。
制御部50は、X軸移動機構6、Y軸移動機構7、Z軸移動機構8、LED移動機構12A、カメラ移動機構13Aおよびアライメントカメラ移動機構33の移動位置を制御することができるようになっている。
また、制御部50は、吸着テーブル9において、ガラス基板100の着脱および回転角θを制御することができるようになっている。
また、制御部50は、LED12および熱源装置31の点灯・消灯を制御することができるようになっている。
また、制御部50は、複数ある塗布ヘッド4のノズルごとに配向膜材料の吐出の有無やタイミングを制御することができるようになっている。
また、制御部50は、カメラ13およびアライメントカメラ32で撮像された画像が入力されるようになっている。
ヘッド回復制御部51は、塗布ヘッド4のノズルを回復させる制御を行うようになっている。
外枠塗布工程制御部52は、ガラス基板100に塗布する配向膜の外枠を形成する制御を行うようになっている。
内面塗布工程制御部53は、外枠塗布工程制御部52により形成された配向膜の外枠の内部に配向膜材料を塗布する制御を行うようになっている。
具体的には、ヘッド回復制御部51は、X軸移動機構6およびY軸移動機構7を制御して、吸込口11と対応するように塗布ヘッド4を移動させる。また、LED移動機構12Aおよびカメラ移動機構13Aを制御して、LED12およびカメラ13のY軸座標が検査対象のノズルのY軸座標と一致するように移動させる。
そして、ヘッド回復制御部51は、塗布ヘッド4を制御して、ノズルから配向膜材料を吐出させ、吐出された配向膜材料の液滴をカメラ13で撮像して確認する。
なお、ノズルに目詰まりが発生し、滴下されない場合、前述した吸引回復を実行する。
塗布ヘッド4のノズルから正常に滴下できることを確認したら、ステップS2に進む。
まず、ステップS31において、外枠塗布工程制御部52は、Y軸移動機構7を制御して、後述するステップS32において塗布ヘッド4が外枠パターン110(図9(a)参照)を形成する領域を通過するように、Y軸の位置を移動させる(塗布ヘッドY軸位置合わせ)。
これにより、ガラス基板100に配向膜の外枠パターン110が塗布される。
ステップS33において、外枠塗布工程制御部52は、熱源装置31である赤外線ランプを点灯させる(熱源装置ON)。
これにより、ステップS32でガラス基板100に塗布された配向膜の外枠パターン110を乾燥させる。
ステップS35において、外枠塗布工程制御部52は、熱源装置31である赤外線ランプを消灯させる(熱源装置OFF)。
ステップS3に示す外枠塗布工程において、外枠パターン110を所定の高さとするために、外枠パターン110の塗布と乾燥を複数回繰り返すようになっており、所定の回数が終了していない場合(S36・No)、外枠塗布工程制御部52の処理は、ステップS31に戻る。所定の回数が終了した場合(S36・Yes)、図7に示す外枠塗布工程(ステップS3)を終了し、図6のステップS4に進む。
ステップS41において、内面塗布工程制御部53は、Y軸移動機構7を制御して、塗布ヘッド4がY軸方向の初期位置に配置されるように、Y軸の位置を移動させる(塗布ヘッドY軸位置合わせ)。
これにより、ステップS3で形成された外枠パターン110(図9参照)で囲まれた内面に配向膜材料が塗布される。
後述するように、外枠パターン110で囲まれた内面の塗布は、塗布ヘッド4をノズルピッチの1/N移動させながら、N回塗布する。これにより、外枠パターン110で囲まれた内面に滴下される液滴のピッチは、塗布ヘッド4のノズルピッチの1/Nとなる。これにより、膜厚を均一化させることができる。
所定の塗布回数が終了していない場合(S43・No)、ステップS44に進み、内面塗布工程制御部52は、Y軸移動機構7を制御して、塗布ヘッド4を1/Nノズルピッチ移動させる。そしてステップS42に戻る。
所定の塗布回数が終了した場合(S43・Yes)、図8に示す内面塗布工程(ステップS4)を終了し、図6のステップS5に進む。
なお、薄膜形成装置1から摘出されたガラス基板100は、本乾燥処理を行う乾燥処理装置(図示せず)へと送られる。
ここで、図9に示すように、配向膜の外枠パターン110を形成する際、赤外線ランプ等の熱源装置31により、ガラス基板100上に塗布された配向膜材料を加熱するので、塗布された配向膜材料がガラス基板100上の塗布された位置から広がることを低減させることができる。これにより、配向膜形成領域からのはみ出しを低減させ、配向膜材料を効率的に使用することができる。
また、配向膜のエッジの直線性を向上させることができる。これにより、フラット・パネル・ディスプレイの非表示部面積の更なる縮小化を図ることができる。また、多面取りをするガラス基板においては、隣接する配向膜パターン間を縮小することができ、1枚のガラス基板から取り出せるフラット・パネル・ディスプレイの枚数を向上させることができる。
また、塗布ヘッド4から吐出する配向膜材料をカメラ13で撮像することにより、目詰まりなく正しく吐出されているか否かを確認することができる。
なお、熱源装置31の照射領域(図9(b)に示す加熱領域34)は、ガラス基板100にガントリ3の下方へと向けられているため、塗布ヘッド4の目詰まりを助長することがないようになっている。
なお、本実施形態に係る薄膜形成装置は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
図10は、変形例に係る薄膜形成装置のガントリ3の構造を説明する構成模式図である。本実施形態に係るガントリ3(図2参照)と比較して、変形例に係るガントリ3(図10参照)は、ガントリ3の復路側(図1の正面側)にも熱源装置35を備えている。熱源装置35は、熱源装置31と同様に、例えば、赤外線ランプで構成され、略鉛直方向に赤外線を照射することができるようになっている。即ち、熱源装置35は、ガントリ3の往路時にガントリ3の開口3a(図1参照)を通過した対象に対して赤外線を照射することができるようになっている。
なお、熱源装置35は、制御部50によりその点灯・消灯が制御されるようになっている。
図11(a)に示すように、ガントリ3を往路方向に移動させる際、塗布ヘッド4を制御して、塗布ヘッド4のノズルから配向膜材料の液滴を滴下するタイミングを制御するとともに、熱源装置35を点灯させることによりガラス基板100に対して赤外線(加熱領域)36を照射する。
また、図11(b)に示すように、ガントリ3を復路方向に移動させる際、塗布ヘッド4を制御して、塗布ヘッド4のノズルから配向膜材料の液滴を滴下するタイミングを制御するとともに、熱源装置31を点灯させることによりガラス基板100に対して赤外線(加熱領域)34を照射する。
このように、変形例に係る薄膜形成装置によれば、往路時にも復路時にも配向膜材料の滴下と乾燥を行うことができ、外枠を形成するタクトタイムを短縮することができる。
また、塗布(配向膜材料の液滴の滴下)から乾燥(赤外線の照射)までの時間を短縮することができるので、外枠の直線性が更に向上する。
2 架台
3 ガントリ
3a 開口
4 塗布ヘッド
4a ノズル
4b 配向膜材料の液滴
5 塗布ヘッドユニット
6 X軸移動機構
6a 固定子
6b 可動子
7 Y軸移動機構
7a 固定子
7b 可動子
8 Z軸移動機構
9 吸着テーブル
10 ヘッド回復装置
11 吸込口(吐出位置)
12 LED(撮像装置)
12A LED移動機構(撮像装置)
13 カメラ(撮像装置)
13A カメラ移動機構(撮像装置)
31 熱源装置
32 アライメントカメラ
33 アライメントカメラ移動機構
34 赤外線(加熱領域)
35 熱源装置
36 赤外線(加熱領域)
50 制御ユニット
51 ヘッド回復制御部
52 外枠塗布工程制御部
53 内面塗布工程制御部
100 ガラス基板(塗布対象物)
110 外枠パターン
Claims (5)
- 塗布対象物を吸着保持する吸着テーブルと、
該吸着テーブルに吸着保持された前記塗布対象物の表面にインクジェット式ノズルから塗布材を吐出しながら薄膜形成を行う複数の塗布ヘッドと、
該塗布ヘッドを前記塗布対象物の上方位置で移動させるガントリと、
前記ガントリに、前記塗布対象物の表面を加熱する赤外線、可視光線または紫外線照射を含む熱源装置と、を備える薄膜形成装置であって、
前記吸着テーブルは、Z軸方向の軸を回転軸として回転角θだけ回転させるθ回転機構を備え、
前記塗布ヘッドが外枠パターンを形成する領域を通過するように移動させるとともに、前記ガントリを所定方向に移動させ、かつ、前記塗布ヘッドのノズルから塗布材を吐出して、かつ、前記ガントリの移動方向と反対の方向に配置された前記熱源装置を用いて前記吐出した塗布材を乾燥させて外枠パターンを形成し、前記外枠パターンを形成された後に、前記塗布ヘッドを前記インクジェット式ノズルのノズルピッチの1/N(Nは所定の塗布回数)移動させながら、N回塗布して前記外枠パターンで囲まれた内面に塗布材を塗布すると共に、真空チャンバに接続され、前記Z軸方向に見て前記塗布ヘッドと位置が対応するように配置された吸込口を具備したヘッド回復装置を備えることを特徴とする薄膜形成装置。 - 前記ヘッド回復装置は、前記吸着テーブルに隣接して配置されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。
- 内面の塗布は、前記外枠パターンにより堰き止められるように、前記塗布材をN回塗布する
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。 - 前記塗布ヘッドのノズルから吐出された塗布材を撮像する撮像装置を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。 - 前記塗布材は、ポリイミドの薄膜材料からなる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の薄膜形成装置。
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