JP2020155656A - 真空バルブ式負荷時タップ切換装置の切換開閉器接点の消耗量を推定する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 既存の真空バルブ式負荷時タップ切換装置を改良することなく、切換開閉器における接点の消耗量を推定できる方法を提供する。【解決手段】 真空バルブ式負荷時タップ切換装置は、切換開閉器の切換スイッチを機械的な動作によって駆動させてタップ選択器のタップを切換えているため、タップを切換えた時に切換スイッチの可動接点と固定接点間の摩擦により接点が消耗する。そして、接点の消耗が進行すると、接点間でチャタリングが発生し、接点における放電の発生時間が増え、これに伴い絶縁油の分解による分解ガスの発生量が増加する。そこで、定期点検時などに負荷時タップ切換装置から絶縁油を採油して、採油した絶縁油の油中ガス分析を行うことで、分解ガスの成分濃度を求め、分解ガスの成分濃度比率の関係から接点の摩耗量を推定する。【選択図】 図1
Description
本発明は、真空バルブ式負荷時タップ切換装置の切換開閉器における接点の消耗量を推定するものである。
従来から、切換開閉器における接点の消耗量を判断するために、負荷時タップ切換装置の使用年数やタップ切換動作の回数を表示する計数器の数値を基準にして、これらの数値が一定値以上に達すると交換レベルとしていた。しかし、同じ切換動作回数においても接点の消耗量に差異があり、切換回数と接点消耗量の関係に信頼性が乏しいという問題があった。
他方、このような問題を解決できる手段として、下記特許文献1の図1に示すように、負荷時タップ切換開閉器の容器上部に設けた分解ガスを集める蓄積タンクと、蓄積タンク内のガス量あるいは圧力を測定するセンサーを設け、蓄積タンクに集められた分解ガスのガス量あるいは圧力を当該センサーにより測定し、測定データからアーク接点の消耗量を演算し、異常なガス発生あるいはアーク接点が規定消耗量に達したことを条件に表示・警報等を出力する負荷時タップ切換装置の監視装置が提案されている。
然るに、上記特許文献1記載の技術においては、分解ガスを集める蓄積タンクとガス量あるいは圧力を測定するセンサーを必要とするため、負荷時タップ切換装置の大掛かりな改造を要することとなり、これらの設備を採用していない負荷時タップ切換装置では接点の消耗度を推定できない問題がある。
さらに、真空バルブを採用していない負荷時タップ切換装置では、タップ切換時にアーク接点でアーク放電が発生するので分解ガスの発生量が多く、絶縁油に溶解できない分解ガスがある。しかし、真空バルブ式負荷時タップ切換装置ではタップ切換時に切換開閉器の真空バルブではガスを発生せず、接点ではアーク放電が発生するものの分解ガスの発生量はごく僅かである。切換時の放電で発生した僅かな分解ガスはほとんどが絶縁油に溶解するため、蓄積タンクに集まる分解ガスのガス量あるいは圧力を測定することが難しいという問題がある。
本発明は、前述の問題点を解決できるものであり、真空バルブ式負荷時タップ切換装置の接点の消耗量を定量的に推定できる手段を提供するものである。
請求項1記載の発明は、真空バルブ式負荷時タップ切換装置を構成する切換開閉器室内から絶縁油を採油した後、採油した絶縁油の油中ガス分析を行うことで、切換開閉器の接点での放電により発生した分解ガスの成分濃度を求め、この分解ガス成分の濃度比率から切換開閉器の接点消耗量を推定することを特徴とする真空バルブ式負荷時タップ切換装置の切換開閉器の接点消耗量を推定する方法。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、分解ガス成分の濃度比率がアセチレン(C2H2)/水素(H2)≦0.5の場合を正常レベル、1≧アセチレン(C2H2)/水素(H2)>0.5の場合を寿命レベル、アセチレン(C2H2)/水素(H2)>1の場合を危険レベルと推定することに特徴を有する。
請求項1記載の発明によれば、定期点検時などに採油した切換開閉器室内の絶縁油に含まれる分解ガスの成分分析を行い、切換開閉器の接点での放電により発生した分解ガスの成分濃度を求め、接点消耗時に特異的に発生する分解ガス成分の濃度比率の変化から定量的に真空バルブ式負荷時タップ切換装置の切換開閉器の接点消耗量を推定することができる。
請求項2記載の発明によれば、定期点検時などに採油した切換開閉器室内の絶縁油に含まれる分解ガスの成分分析を行い、切換開閉器の接点での放電により発生した分解ガスの成分濃度を求め、接点消耗時に特異的に発生する分解ガス成分の濃度比率が、アセチレン(C2H2)/水素(H2)≦0.5の場合を正常レベル、1≧アセチレン(C2H2)/水素(H2)>0.5の場合を寿命レベル、アセチレン(C2H2)/水素(H2)>1の場合を危険レベルと明確に真空バルブ式負荷時タップ切換装置の切換開閉器の接点消耗量を推定することができる。
本発明の実施例1及び実施例2について図1乃至図3を用いて説明する。図1は変圧器等の油入電気機器Aに付属した既存の真空バルブ式負荷時タップ切換装置1の縦断面図である。図1において、2は油入電気機器Aのタンク3に取り付けられた真空バルブ式負荷時タップ切換装置1を構成する切換開閉器、4はタップ選択器である。
2aは切換開閉器2の容器2b内に収納される切換開閉器本体であり、5は容器2b内から連通管6を介してコンサベータ7内に充填された絶縁油である。
8は切換開閉器本体2aとタップ選択器4の動作を制御する電動操作機構、9は電動操作機構8の動力を切換開閉器本体2aとタップ選択器4に伝達する動力伝達機構である。
10はコンサベータ7に呼吸管11を介して接続される呼吸器であり、呼吸器10内には図示しないシリカゲルやモレキュラーシーブ等の吸湿剤が充填されている。
図2は真空バルブ式負荷時タップ切換装置1におけるタップ切換動作の一例を示す回路図である。図2において、TWは油入電気機器Aのタップ巻線、T1、T2、T3、T4,T5、T6・・・はタップ巻線TWに複数備えるタップ、M1、M2はタップ選択器4の可動接点である。
Rは限流抵抗器、Vは真空バルブ、C1は真空バルブVに直列接続された機械式の切換スイッチ(以下、第1の切換スイッチという)、C2は限流抵抗器Rに直列接続された機械式の切換スイッチ(以下、第2の切換スイッチという)である。
なお、図1では図示していないが、切換開閉器本体2aは限流抵抗器R、真空バルブV、真空バルブVに直列接続された第1の切換スイッチC1、限流抵抗器Rに直列接続された第2の切換スイッチC2で構成されている。
タップ巻線TWの偶数タップT2から奇数タップT3への切換動作について、図2で説明する。図2の左から順に示すように、初めに第2の切換スイッチC2を偶数タップ側接点C2−1から奇数タップ側接点C2−2へ切換える。次に真空バルブVを開き通電停止の状態で第1の切換スイッチC1を偶数タップ側接点C1−1から奇数タップ側接点C1−2へ切換える。続いて、真空バルブVを閉じて真空バルブVに負荷電流を流す(通電する)ことで、偶数タップT2から奇数タップT3への切換動作を完了する。
タップ巻線TWの奇数タップT3から偶数タップT2への切換動作は、初めに真空バルブVを開き通電停止の状態で第1の切換スイッチC1を奇数タップ側接点C1−2から偶数タップ側接点C1−1へ切換える。続いて、真空バルブVを閉じて真空バルブVに負荷電流を流す(通電する)。次に第2の切換スイッチC2を奇数タップ側接点C2−2から偶数タップ側接点C2−1へ切換えることで、奇数タップT3から偶数タップT2への切換動作を完了する。
タップを切換える際、切換開閉器2においては、図1に示す電動操作機構8による動力が図示しない蓄勢バネなどから構成される蓄勢機構に蓄えられ、この蓄勢力によって図2に示す切換スイッチC1及び切換スイッチC2において、偶数タップ側接点から奇数タップ側接点又は奇数タップ側接点から偶数タップ側接点へ切換えが高速で行われる。
この高速の接点切換により、切換スイッチC1及び切換スイッチC2の接点が摩擦により摩耗する。接点表面の摩耗が進行して接点の表面粗さが増加すると、切換スイッチC1及び切換スイッチC2の接点においてチャタリングを起こすようになり、切換スイッチC2の接点においてアーク放電量が増える。長年の経験からこの放電量の増加により、正常時に比べて絶縁油5の分解ガスであるアセチレン(C2H2)の増加が顕著であることが明確となっており、多数の切換開閉器2の接点消耗量と分解ガス成分の濃度比率を確認してきた。
つづいて、真空バルブ式負荷時タップ切換装置1の切換開閉器2の接点消耗量を判断する方法の具体例を図3により説明する。図3(a)乃至図3(c)の説明図は切換開閉器の接点消耗量と分解ガス成分の濃度比率の相関関係を示している。定期点検時などに切換開閉器2の容器2b内から絶縁油5を採油した後、絶縁油5に含まれる油中ガスの成分分析を行い、分解ガス成分である水素(H2)とアセチレン(C2H2)の濃度比率を求める。
図3(a)に示すように、切換スイッチC2の接点の摩耗が進行(接点においてチャタリングがない)していない状態での分解ガスの主成分は水素(H2)であり、水素(H2)濃度に対するアセチレン(C2H2)濃度の比率:アセチレン(C2H2)/水素(H2)は0.5を大きく下回っている。しかし、接点の摩耗が進み、切換スイッチC2の接点においてチャタリングによる放電量が増えるとアセチレン(C2H2)の発生量が増えて、水素(H2)濃度に対するアセチレン(C2H2)濃度の比率が増加するが、アセチレン(C2H2)/水素(H2)≦0.5の状況である間は、接点消耗量は進んでおらず接点交換が必要ではない正常レベルと推定できる。
また、接点の摩耗が進んで、切換スイッチC2の接点での放電によりアセチレン濃度が急に増加し、図3(b)に示すように1≧アセチレン(C2H2)/水素(H2)>0.5となると切換開閉器2の接点の交換準備を行う段階の寿命レベルと推定できる。更に、接点の摩耗が進み、図3(c)に示すようにアセチレン(C2H2)/水素(H2)>1となると、接点消耗量が深刻な状態となり切換開閉器2の接点の即時交換が必要な危険レベルと推定できる。
上記のように、判断対象である切換開閉器2の絶縁油5に含まれる分解ガスの成分濃度を油中ガス分析によって測定して、水素(H2)濃度に対するアセチレン(C2H2)濃度の比率:アセチレン(C2H2)/水素(H2)を求めることにより、図3の説明図を利用して明確に接点C1−1、C1−2、C2−1、C2−2の消耗量を推定することが可能となる。また、切換開閉器1の容器2b上部などに気体状態の分解ガスが貯まっていなくても、絶縁油5中の分解ガスの成分濃度を油中ガス分析によって測定することで接点消耗量を推定することが可能となる。なお、ここで接点消耗量とは、例えば接点が摩耗した量(μm)や摩耗した比率(単位なし)などをいう。
真空バルブ式負荷時タップ切換装置を構成する切換開閉器の接点消耗量を定量的に推定して内部点検や接点の交換時期を適切に把握することで、真空バルブ式負荷時タップ切換装置の保守業務の負荷を低減する。経済合理性を考慮して点検周期や交換時期を推定できる。
1 真空バルブ式負荷時タップ切換装置
2 切換開閉器
2a 切換開閉器本体
2b 切換開閉器の容器
3 油入電気機器のタンク
4 タップ選択器
5 絶縁油
6 連通管
7 コンサベータ
8 電動操作機構
9 動力伝達機構
10 呼吸器
11 呼吸管
A 油入電気機器
TW タップ巻線
T1、T2、T3、T4、T5、T6 タップ
M1、M2 タップ選択器の可動接点
R 限流抵抗器
V 真空バルブ
C1 第1の切換スイッチ
C2 第2の切換スイッチ
C1−1、C2−1 偶数タップ側接点
C1−2、C2−2 奇数タップ側接点
2 切換開閉器
2a 切換開閉器本体
2b 切換開閉器の容器
3 油入電気機器のタンク
4 タップ選択器
5 絶縁油
6 連通管
7 コンサベータ
8 電動操作機構
9 動力伝達機構
10 呼吸器
11 呼吸管
A 油入電気機器
TW タップ巻線
T1、T2、T3、T4、T5、T6 タップ
M1、M2 タップ選択器の可動接点
R 限流抵抗器
V 真空バルブ
C1 第1の切換スイッチ
C2 第2の切換スイッチ
C1−1、C2−1 偶数タップ側接点
C1−2、C2−2 奇数タップ側接点
Claims (2)
- 真空バルブ式負荷時タップ切換装置を構成する切換開閉器室内から絶縁油を採油した後、採油した絶縁油の油中ガス分析を行うことで、切換開閉器の接点で発生した放電により発生した分解ガスの成分濃度を求め、この分解ガス成分の濃度比率から切換開閉器の接点消耗量を推定することを特徴とする真空バルブ式負荷時タップ切換装置の切換開閉器の接点消耗量を推定する方法。
- 前記分解ガス成分の濃度比率がアセチレン(C2H2)/水素(H2)≦0.5の場合を正常レベル、1≧アセチレン(C2H2)/水素(H2)>0.5の場合を寿命レベル、アセチレン(C2H2)/水素(H2)>1の場合を危険レベルと推定することを特徴とする請求項1記載の真空バルブ式負荷時タップ切換装置の切換開閉器の接点消耗量を推定する方法。
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JP2019054004A JP2020155656A (ja) | 2019-03-22 | 2019-03-22 | 真空バルブ式負荷時タップ切換装置の切換開閉器接点の消耗量を推定する方法 |
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JP2019054004A JP2020155656A (ja) | 2019-03-22 | 2019-03-22 | 真空バルブ式負荷時タップ切換装置の切換開閉器接点の消耗量を推定する方法 |
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