JP2020155299A - 燃料電池用セパレータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】初期接触抵抗及び腐食環境下での接触抵抗が低い燃料電池用セパレータの製造方法の提供。【解決手段】基材31と、該基材の表面に形成され且つ炭素系導電材33及びシリコンアルコキシド34を少なくとも含む表面層32と、を備え、前記表面層における前記炭素系導電材の表面被覆率は90%以上である燃料電池用セパレータの製造方法であって、前記炭素系導電材、前記シリコンアルコキシド、分散剤及び溶媒を少なくとも含むスラリーを前記基材に塗布する工程と、前記基材を200℃以上300℃以下の温度で加熱し、前記表面層を形成する工程と、を含む、燃料電池用セパレータ3の製造方法である。【選択図】図2
Description
本開示は、燃料電池用セパレータの製造方法に関する。
燃料電池は、複数の燃料電池セルを積層することによって構成されており、供給される酸化ガスと燃料ガスとの電気化学反応により発電する。燃料電池セルとしては、電解質膜と該電解質膜を挟持する一対の電極とからなる膜電極接合体(以下、MEAという)と、該MEAを挟持する一対の燃料電池用セパレータ(以下、セパレータという)とを備えるものと、MEAの両側に更に集電するためのガス拡散層が配置された膜電極ガス拡散層接合体(以下、MEGAという)と、該MEGAを挟持する一対のセパレータとを備えるものがある。
セパレータとして、例えば特許文献1に記載のように、金属基材と該金属基材の表面に形成された表面層とを有しており、表面層がカーボン粒子とバインダー樹脂とを含むものが知られている。
ここで、セパレータには、燃料電池の発電性能を高めるために、セパレータと隣接する電極(MEAの場合)との接触抵抗、或いはセパレータと隣接するガス拡散層(MEGAの場合)との接触抵抗を低減することが重要である。より具体的には、セパレータと隣接する電極或いはガス拡散層との初期接触抵抗、及び腐食環境下での接触抵抗がともに低いことが求められている。
しかし、上述特許文献1に記載のセパレータでは、以下の問題が生じ得る。すなわち、表面層におけるカーボン粒子の表面被覆率が低いと、カーボン粒子とその隣接する電極或いはガス拡散層との接触部分が少なくなるので、初期接触抵抗が高くなる。また、フェノール系樹脂等の樹脂を採用しているので、生成水等の腐食液が浸透し易い。腐食液の浸透が進むと、表面層と金属基材との界面に酸化膜が成長し、接触抵抗悪化の原因になる。そのため、初期接触抵抗及び腐食環境下での接触抵抗がともに低い燃料電池用セパレータが求められている。
本開示の目的は、初期接触抵抗及び腐食環境下での接触抵抗が低い燃料電池用セパレータを製造する方法を提供することである。
そこで、本実施形態の一態様は、以下の通りである。
(1) 基材と、該基材の表面に形成され且つ炭素系導電材及びシリコンアルコキシドを少なくとも含む表面層と、を備え、前記表面層における前記炭素系導電材の表面被覆率は90%以上である燃料電池用セパレータの製造方法であって、
前記炭素系導電材、前記シリコンアルコキシド、分散剤及び溶媒を少なくとも含むスラリーを前記基材に塗布する工程と、
前記基材を200℃以上300℃以下の温度で加熱し、前記表面層を形成する工程と、
を含む、燃料電池用セパレータの製造方法。
(2) 前記分散剤が、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤又は非イオン界面活性剤である、(1)に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
(3) 前記炭素系導電材が、カーボンナノチューブである、(1)又は(2)に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
前記炭素系導電材、前記シリコンアルコキシド、分散剤及び溶媒を少なくとも含むスラリーを前記基材に塗布する工程と、
前記基材を200℃以上300℃以下の温度で加熱し、前記表面層を形成する工程と、
を含む、燃料電池用セパレータの製造方法。
(2) 前記分散剤が、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤又は非イオン界面活性剤である、(1)に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
(3) 前記炭素系導電材が、カーボンナノチューブである、(1)又は(2)に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
本開示により、初期接触抵抗及び腐食環境下での接触抵抗が低い燃料電池用セパレータを製造する方法を提供することができる。
本実施形態は、基材と、該基材の表面に形成され且つ炭素系導電材及びシリコンアルコキシドを少なくとも含む表面層と、を備え、前記表面層における前記炭素系導電材の表面被覆率は90%以上である燃料電池用セパレータの製造方法であって、前記炭素系導電材、前記シリコンアルコキシド、分散剤及び溶媒を少なくとも含むスラリーを前記基材に塗布する工程と、前記基材を200℃以上300℃以下の温度で加熱し、前記表面層を形成する工程と、を含む、燃料電池用セパレータの製造方法である。
本実施形態により、初期接触抵抗及び腐食環境下での接触抵抗が低い燃料電池用セパレータを製造する方法を提供することができる。
以下、本実施形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法について説明する
(塗布工程)
本実施形態に係る製造方法は、炭素系導電材、シリコンアルコキシド、分散剤及び溶媒を少なくとも含むスラリーを基材に塗布する工程を含む。
本実施形態に係る製造方法は、炭素系導電材、シリコンアルコキシド、分散剤及び溶媒を少なくとも含むスラリーを基材に塗布する工程を含む。
本実施形態では、表面層は、ゾルゲル法を用いて形成される。ゾルゲル法を用いることにより、炭素系導電材を表面層中に良好に分散させて固定することができる。
基材は、例えば金属基材である。金属基材は、導電性やガス不透過性等に優れたチタン、チタン合金、ステンレス、アルミ合金等によって形成され得る。
炭素系導電材としては、溶液に分散可能且つ燃料電池使用環境下で溶出しないものであれば良く、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、人造黒鉛、天然黒鉛又は膨張黒鉛等のカーボン粒子等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。炭素系導電材としては、特に制限されるものではないが、カーボンナノチューブ(以下、CNT(Carbon nanotube)とも称す)が好ましく用いられる。CNTは、優れた分散性を有するため、表面層全体に亘って均一に分散することができる。そのため、安定した接触抵抗を確保することができる。
炭素系導電材がカーボンナノチューブである場合、CNTの長さは、1μm〜数十μmであることが好ましい。CNTの長さは1μm〜90μmであることがより好ましい。すなわち、CNTの長さは1μmより小さいと、導電経路が減少するので、接触抵抗が上がり、導電性が低下する場合がある。一方、CNTの長さは90μmを超えると、CNTの凝集が生じやすく、換言すればCNTの塊りが発生し易いので、CNTを均一に分散し難くなり、CNTの分散性の悪化を招く場合がある。
炭素系導電材のスラリー中の含有量は、得られる表面層における炭素系導電材の表面被覆率が90%以上となるように調整される。表面層における炭素系導電材の表面被覆率が90%以上であると、電子伝導性パスを効果的に確保することができ、初期接触抵抗を下げることができる。
シリコンアルコキシドとしては、特に制限されるものではないが、例えば、テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4)、テトラメトキシシラン(Si(OCH3)4)、メチルトリエトキシシラン(CH3Si(OC2H5)3)、メチルトリメトキシシラン(CH3Si(OCH3)3)、エチルメトキシシラン(C2H5Si(OCH3)3)、エチルトリエトキシシラン(C2H5Si(OC2H5)3)等が挙げられる。好ましくは、テトラエトキシシランあるいはテトラメトキシシランである。これらは、1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
溶媒は、シリコンアルコキシドを溶解するものであれば特に制限されるものではない。溶媒としては、アルコールを用いることが好ましい。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。好ましくは、エタノールである。溶媒は、シリコンアルコキシドの反応を促進するため、水を含んでもよい。水を含むことにより加水分解が進み、反応を促進させることができる。溶媒は、好ましくは、アルコールと水との混合溶媒である。
スラリーは、シリコンアルコキシド以外にも、その他の樹脂を含んでもよい。その他の樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。このような樹脂は、表面層の硬化を促進するための硬化剤も含むことができる。スラリーは、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂を含むことにより、表面層と基材との密着力を向上させることができる。
スラリーは、炭素系導電材を分散させる機能を有する分散剤を含む。分散剤としては、例えばアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、又は非イオン界面活性剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
溶液の塗布法としては、例えば、ディッピングコーティング法、スピンコーティング法、バーコータコーティング法、スプレーコーティング法等の公知の方法を用いることができる。
スラリーの塗膜は、通常、後の焼成工程に先立って溶媒等の揮発性物質を除去する乾燥処理が行われる。
(焼成工程)
次に、本実施形態に係る製造方法は、基材を200℃以上300℃以下の温度で加熱し、表面層を形成する工程を含む。
次に、本実施形態に係る製造方法は、基材を200℃以上300℃以下の温度で加熱し、表面層を形成する工程を含む。
焼成工程は、所定の温度範囲内で行われ、すなわち、200℃以上300℃以下の温度で行われる。加熱温度が200℃未満であると、分散剤が分解されずに表面層中に残留し、導電材の導電ネットワークを阻害する。その結果、接触抵抗が高くなる。また、加熱温度が300℃を超えると、Si系バインダーが熱劣化し、耐水性及び耐食性が下がる。その結果、腐食環境下での接触抵抗が高くなる。
加熱時間は、5〜30分の範囲であることが好ましい。加熱時間が5分以上であると、シリコンアルコキシドを十分に硬化させることができる。また、加熱時間が30分以下であると、シリコンアルコキシドの樹脂劣化を防ぐことができる。
焼成は、大気中で行ってもよく、非酸化性雰囲気(例えば、不活性ガス雰囲気又は真空雰囲気)中で行ってもよい。
焼成は、焼成炉を用いて行うことができる。
以上の工程により、本実施形態に係るセパレータ、すなわち、基材と、基材の表面に形成され且つ炭素系導電材及びシリコンアルコキシドを少なくとも含む表面層と、を備え、表面層における炭素系導電材の表面被覆率は90%以上である燃料電池用セパレータを得ることができる。
本実施形態に係る製造方法により得られるセパレータは、表面層における炭素系導電材の表面被覆率が90%以上であるため、電子伝導性パスを効果的に確保することができ、初期接触抵抗を下げることができる。また、表面層はシリコンアルコキシドを用いたゾルゲル法により形成されるため、耐久性に優れた表面層を得ることができ、また、炭素系導電材を良好に分散させて保持することができる。さらに、所定の温度範囲内で焼成を行うことにより、初期接触抵抗及び腐食環境下での接触抵抗が低くすることができる。
好ましい実施形態において、セパレータと隣接するガス拡散層との初期接触抵抗及び腐食環境下での接触抵抗は、ともに10mΩ・cm2以下である。
以下、図1を参照して、本実施形態に係る燃料電池用セパレータを備えた燃料電池の構造を簡単に説明する。なお、ここでは、MEGAを備えた燃料電池の例を挙げて説明する。
図1は、燃料電池用セパレータを備えた燃料電池の要部を示す模式断面図である。図1に示すように、燃料電池10には、基本単位である燃料電池セル1が複数積層されている。燃料電池セル1は、酸化ガス(例えば空気)と、燃料ガス(例えば水素ガス)との電気化学反応により起電力を発生する固体高分子型燃料電池である。燃料電池セル1は、MEGA(膜電極ガス拡散層接合体:Membrane Electrode & Gas Diffusion Layer Assembly)2と、MEGA2を挟持する一対のセパレータ3,3とを備えている。
MEGA2は、MEA(膜電極接合体:Membrane Electrode Assembly)4と、MEA4の両面に配置されたガス拡散層7,7とが、一体化されたものである。MEA4は、電解質膜5と、電解質膜5を挟むように接合された一対の電極6,6とからなる。電解質膜5は、固体高分子材料で形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜である。電極6は、例えば、白金等の触媒を担持した例えば多孔質のカーボン素材により形成されている。電解質膜5の一方側に配置された電極6がアノード電極となり、他方側の電極6がカソード電極となる。ガス拡散層7は、例えばカーボンペーパ若しくはカーボンクロス等のカーボン多孔質体、または、金属メッシュ若しくは発泡金属等の金属多孔質体等のガス透過性を有する導電性部材によって形成されている。
MEGA2は燃料電池10の発電部を構成しており、セパレータ3はMEGA2のガス拡散層7に接するように配置されている。一方、ガス拡散層7が省略されるMEA4を備えた燃料電池の場合には、MEA4が発電部を構成する。この場合、セパレータ3は、MEA4の電極6に接するように配置される。
図1に示すように、セパレータ3は、凹部3aと凸部3bとを交互に繰り返すことにより波形に形成されている。凹部3aの底部は平面状を呈しており、MEGA2のガス拡散層7と面接触している。一方、凸部3bの頂部も平面状を呈しており、隣接するセパレータ3における凸部3bの頂部と面接触している。
図1に示すように、一対のガス拡散層7,7のうち一方のガス拡散層7は、それに隣接するセパレータ3の凸部3bとともに、燃料ガスが流通する燃料ガス流路21を画成している。他方のガス拡散層7は、それに隣接するセパレータ3の凸部3bとともに、酸化ガスが流通する酸化ガス流路22を画成している。
図1に示すように、燃料電池セル1同士は、ある燃料電池セル1のアノード電極6と、それに隣接する他の燃料電池セル1のカソード電極6とを向き合わせた状態で積層されている。これによって、隣接するセパレータ3の凹部3a同士の間には、空間23が形成されている。この空間23は、冷媒が流通する冷媒流路になる。
図2は、実施形態に係る燃料電池用セパレータの構造を示す模式的断面図である。図2に示すように、セパレータ3は、平板状の基材31と該基材31の表面に設けられる表面層32とを備えている。
表面層32は、炭素系導電材33及びシリコンアルコキシド34(重合形態)を少なくとも含む。
そして、表面層において、炭素系導電材の表面被覆率は90%以上である。表面被覆率は、表面積に対するカーボンナノチューブの面積の割合のことを指す。表面被覆率は、表面層のSEM画像を炭素系導電材(例えばCNT)の有無で2値化し、その2値化した画像に基づいてCNTが覆っている割合を表面被覆率として算出することができる。表面被覆率が90%以上であるため、電子伝導性パスを効果的に確保することができ、接触抵抗を下げることができる。
表面層の厚さは、3μm〜10μmであることが好ましい。すなわち、表面層の厚さが3μmよりも小さくなると、耐食性が劣化する場合がある。一方、表面層の厚さが10μmを超えると、コスト増加を招く場合がある。
なお、本実施形態において、平板状の金属基材31の2つの主面のうち片面に表面層32が形成された例(図2参照)を説明したが、必要応じて金属基材31の主面の双方に表面層32を形成しても良い。
以下、本実施形態を実施例により説明するが、本実施形態は実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
シリコンアルコキシド、エポキシ樹脂、分散剤、溶媒を含むSi系バインダー溶液(例えば、奥野製薬工業社製「Protectorシリーズ」)に、炭素系導電材としてのカーボンナノチューブを分散させ、スラリーE1を調製した。次に、調製したスラリーE1を金属基材の表面に滴下し、バーコータを用いて塗工した。次に、スラリーE1を塗布した基材を焼成炉で200℃の温度で30分間加熱した。これにより、表面層を形成した基材からなるサンプルE1を作製した。
シリコンアルコキシド、エポキシ樹脂、分散剤、溶媒を含むSi系バインダー溶液(例えば、奥野製薬工業社製「Protectorシリーズ」)に、炭素系導電材としてのカーボンナノチューブを分散させ、スラリーE1を調製した。次に、調製したスラリーE1を金属基材の表面に滴下し、バーコータを用いて塗工した。次に、スラリーE1を塗布した基材を焼成炉で200℃の温度で30分間加熱した。これにより、表面層を形成した基材からなるサンプルE1を作製した。
[実施例2]
焼成温度を225℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルE2を作製した。
焼成温度を225℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルE2を作製した。
[実施例3]
焼成温度を250℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルE3を作製した。
焼成温度を250℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルE3を作製した。
[実施例4]
焼成温度を275℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルE4を作製した。
焼成温度を275℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルE4を作製した。
[実施例5]
焼成温度を300℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルE5を作製した。
焼成温度を300℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルE5を作製した。
[比較例1]
焼成温度を175℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルC1を作製した。
焼成温度を175℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルC1を作製した。
[比較例2]
焼成温度を325℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルC2を作製した。
焼成温度を325℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルC2を作製した。
[比較例3]
焼成温度を350℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルC3を作製した。
焼成温度を350℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルC3を作製した。
得られたサンプルについて、CNTの表面被覆率を測定したところ、いずれも90%以上であった。なお、表面被覆率については、表面層のSEM画像をCNTの有無で2値化し、その2値化した画像に基づいてCNTが覆っている割合を表面被覆率として算出した。
[評価]
得られたサンプルについて、初期接触抵抗、耐食試験後の接触抵抗、導電率を評価した。結果を表1に示す。
得られたサンプルについて、初期接触抵抗、耐食試験後の接触抵抗、導電率を評価した。結果を表1に示す。
<初期接触抵抗>
各サンプルの表面層とガス拡散層(東レ株式会社製、TGP−H−060)を重ね合わせ、金メッキされた銅ブロックで単位面積当たり1.0MPaの圧力を加えた状態で1Aの電流を印加して各セパレータとガス拡散層との間の電圧を測定した。そして、測定した値を抵抗に換算し、更に評価面積を乗じて初期接触抵抗として評価を行った。
各サンプルの表面層とガス拡散層(東レ株式会社製、TGP−H−060)を重ね合わせ、金メッキされた銅ブロックで単位面積当たり1.0MPaの圧力を加えた状態で1Aの電流を印加して各セパレータとガス拡散層との間の電圧を測定した。そして、測定した値を抵抗に換算し、更に評価面積を乗じて初期接触抵抗として評価を行った。
<耐食試験後の接触抵抗>
耐食性評価試験については、実際の燃料電池使用環境を想定して行った。具体的には、作製した各サンプルを強酸性腐食液に浸漬させた状態で、各セパレータとガス拡散層との間に0.9Vの定電圧の電位をかけて、一定時間経過後の接触抵抗を耐食試験後の接触抵抗値として評価を行った。なお、強酸性腐食液として、pH3のフッ素と塩素とを含む強酸性溶液を用いた。
耐食性評価試験については、実際の燃料電池使用環境を想定して行った。具体的には、作製した各サンプルを強酸性腐食液に浸漬させた状態で、各セパレータとガス拡散層との間に0.9Vの定電圧の電位をかけて、一定時間経過後の接触抵抗を耐食試験後の接触抵抗値として評価を行った。なお、強酸性腐食液として、pH3のフッ素と塩素とを含む強酸性溶液を用いた。
<導電率>
導電率の測定は、ガラス基板上にサンプルを配置し、表面抵抗測定装置(ロレスター、三菱化学株式会社)を用いて行った。
導電率の測定は、ガラス基板上にサンプルを配置し、表面抵抗測定装置(ロレスター、三菱化学株式会社)を用いて行った。
結果を表1及び図3に示す。図3は、焼成温度及び接触抵抗の関係、及び焼成温度及び導電率の関係を示すグラフである。表1及び図3に示されるように、焼成温度を200〜300℃とすることにより、初期接触抵抗及び耐食試験後の接触抵抗が低いセパレータを得ることができることが確認される。
以上、本実施形態について詳述したが、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本開示の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1 燃料電池セル
2 MEGA(膜電極ガス拡散層接合体)
3 セパレータ
4 MEA(膜電極接合体)
6 電極
7 ガス拡散層
31 金属基材
32 表面層
33 炭素系導電材(例えばカーボンナノチューブ)
34 Si系バインダー
2 MEGA(膜電極ガス拡散層接合体)
3 セパレータ
4 MEA(膜電極接合体)
6 電極
7 ガス拡散層
31 金属基材
32 表面層
33 炭素系導電材(例えばカーボンナノチューブ)
34 Si系バインダー
Claims (1)
- 基材と、該基材の表面に形成され且つ炭素系導電材及びシリコンアルコキシドを少なくとも含む表面層と、を備え、前記表面層における前記炭素系導電材の表面被覆率は90%以上である燃料電池用セパレータの製造方法であって、
前記炭素系導電材、前記シリコンアルコキシド、分散剤及び溶媒を少なくとも含むスラリーを前記基材に塗布する工程と、
前記基材を200℃以上300℃以下の温度で加熱し、前記表面層を形成する工程と、
を含む、燃料電池用セパレータの製造方法。
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