以下に図面を参照して、本実施形態について説明する。図1は、電子黒板について説明する図である。
本実施形態の電子黒板200は、近距離通信回路219、電源スイッチ222、ディスプレイ280を有する。本実施形態の電子黒板200は、例えば、企業等の組織で開催される会議等において、複数人に共有される情報が表示される表示装置の一つである。
本実施形態の電子黒板200は、ディスプレイ280に対して、電子ペン290による文字や画像の手書き入力を受け付けると、文字や画像を示すストローク画像データと、電子ペン290のユーザを特定する情報と、このとき開催された会議を特定する会議情報とを対応付けて格納する。
このため、本実施形態によれば、ストローク画像が入力されたときに開催されていた会議と、ストローク画像を入力したユーザと、を特定することができる。尚、本実施形態のストローク画像とは、電子黒板200のディスプレイ280に対して、電子ペン290を用いて手書きで入力された一画毎の軌跡の画像である。また、電子ペン290は、ストローク画像を入力するための入力手段の一例である。
また、本実施形態では、電子黒板200を会議に利用する際に、会議の参加者Aが電源スイッチ222を押下すると、後述する表示制御部が、ディスプレイ280上にログイン画面を表示させても良い。このとき、参加者Aが、電子黒板200の近距離通信回路219に、自身のICカード10を近接させると、電子黒板200は、ICカード10からICカード10の識別情報を読み取る。
そして、電子黒板200は、予めICカード10の識別情報と対応付けられた会議情報に、ICカード10を読み取った後に電子黒板200に表示された画像や、入力されたストローク画像データを対応付けて格納する。
このように、本実施形態では、会議の参加者と会議情報とを対応付けておくことで、会議の参加者がICカード10を翳すだけで、会議情報と、会議中に電子黒板200によって共有された情報とを対応付けて格納することができる。
以下に、図2を参照して、本実施形態の電子黒板200のハードウェア構成について説明する。図2は、電子黒板のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2は、電子黒板のハードウェア構成図である。図2に示されているように、電子黒板2は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、SSD(Solid State Drive)204、ネットワークI/F205、及び、外部機器接続I/F(Interface)206を備えている。
これらのうち、CPU201は、電子黒板2全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201やIPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。SSD204は、電子黒板用のプログラム等の各種データを記憶する。
ネットワークI/F205は、通信ネットワークとの通信を制御する。外部機器接続I/F206は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ230、外付け機器(マイク240、スピーカ250、カメラ260)である。
また、電子黒板200は、キャプチャデバイス211、GPU212、ディスプレイコントローラ213、接触センサ214、センサコントローラ215、電子ペンコントローラ216、近距離通信回路219、及び近距離通信回路219のアンテナ219a、電源スイッチ222及び選択スイッチ類223を備えている。
これらのうち、キャプチャデバイス211は、外付けのPC(Personal Computer)270のディスプレイに対して映像情報を静止画または動画として表示させる。GPU(Graphics Processing Unit)212は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。
GPU212は、CPU201に内蔵されてよいし、CPU201と統合されていてもよい。
ディスプレイコントローラ213は、GPU212からの出力画像をディスプレイ280等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ214は、ディスプレイ280上に電子ペン290やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ215は、接触センサ214の処理を制御する。
接触センサ214は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ280の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ280に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ280の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ214は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ215に出力し、センサコントローラ215が、物体の接触位置である座標位置を特定する。
電子ペンコントローラ216は、電子ペン290と通信することで、ディスプレイ280へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路219は、NF(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。電源スイッチ222は、電子黒板2の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。選択スイッチ類223は、例えば、ディスプレイ280の表示の明暗や色合い等を調整するためのスイッチ群である。
更に、電子黒板2は、バスライン210を備えている。バスライン210は、図2に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
尚、接触センサ214は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。また、電子ペンコントローラ216が、電子ペン290のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン290のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
また、本実施形態では、カメラ260は、ディスプレイ280に電子ペン290や手Hが接近したことを検出する近接センサの一例としたが、電子黒板200は、近接センサとして、投影型静電容量方式タッチパネルや赤外線センサ等を有していても良い。
次に、図3を参照して、本実施形態の電子黒板200の機能構成について説明する。図3は、電子黒板の機能構成を説明する図である。
本実施形態の電子黒板200は、ページ記憶部310、会議情報記憶部315、表示制御部320、入力部330、会議情報管理部340、ペン情報取得部350、ページ生成部360、ストローク特定部370を有する。
本実施形態のページ記憶部310は、重畳画像データ311、ストローク画像データ312、ページデータ313、PDFデータ314が格納されている。ページ記憶部310は、例えば、ROM202、RAM203、SSD20204等によって実現される。本実施形態のページ記憶部310に格納されるデータは、ページ生成部360によって生成される。ページ記憶部310に格納される各データの詳細は、後述される。
会議情報記憶部315は、電子黒板200が用いられる会議に関する情報が記憶される。会議情報記憶部315の詳細は後述される。
表示制御部320は、例えば、電子黒板200と接続されたコンピュータから出力される映像や、電子黒板200に入力された各種のファイル、遠隔地に設置された他の電子黒板200に表示されている画像等を、ディスプレイ280に表示させる。
本実施形態の入力部330は、ディスプレイ280に対して手書き入力された文字や画像を示すストローク画像や、ディスプレイ280に設けられたタッチパネルに表示された画像の画像データ等を取得する。
また、入力部330は、カメラ260により撮影された動画データ等を取得する。本実施形態では、動画データは、画像データに含まれる。また、入力部330は、電子黒板200に対する各種の指示を受け付ける。また、入力部330は、PC270等から出力され、電子黒板200に入力される入力画像データ等を取得する。
会議情報管理部340は、会議情報記憶部315に格納される会議情報を管理する。具体的には、タイトル名が同じ会議が複数回開催される場合等に、会議毎のバージョンを示す情報を付与する。
ペン情報取得部350は、電子ペン290に関するペン情報の入力を受け付けて、ペン情報を取得し、電子ペン290によって入力されたストローク画像と対応付けてページ記憶部310に格納する。言い換えれば、ペン情報取得部350は、電子ペン290のペン情報を取得し、電子ペン290によって入力されたストローク画像を示すストローク情報と対応付けてページ記憶部310に格納する。このペン情報は、ストローク情報を含むPDFデータ314の一部として、ページ記憶部310に格納される。
ペン情報とは、電子ペン290によって入力されたストローク画像と対応付けられる情報である。具体的には、ペン情報は、例えば、電子ペン290を識別するペンID、電子ペン290を使用するユーザを識別するユーザID、電子ペン290によって描画されるストローク画像の色や線の太さを示す情報を含む。ペン情報の詳細は後述される。
本実施形態のページ生成部360は、ディスプレイ280に表示された1ページの画像(表示画像)から、重畳画像データ311、ページデータ313、PDFデータ314を取得する。また、ページ生成部360は、1ページの画像にストローク画像が入力された場合には、ストローク画像データ312を取得する。
具体的には、ページ生成部360は、ディスプレイ280に入力された入力画像やストローク画像等を重畳させた重畳画像の画像データを取得し、重畳画像データ311としてページ記憶部310に格納する。尚、ページ生成部360は、ディスプレイ280に対してストローク画像が入力されていない場合には、ディスプレイ280に表示された画像を重畳画像データとする。
本実施形態の重畳画像とは、ディスプレイ280の画面をキャプチャしたキャプチャ画像であり、重畳画像データとは、キャプチャ画像データである。言い換えれば、重畳画像とは、ディスプレイ280の画面に表示されている表示画像であり、重畳画像データとは、ディスプレイ280の画面に表示された表示画像を示す表示画像データである。
また、ページ生成部360は、ディスプレイ280に対してストローク画像が入力された場合には、ストローク画像の画像データを取得し、ストローク画像データ312として、ページ記憶部310に格納する。
また、ページ生成部360は、ディスプレイ280に表示された画像から、この画像を表示させるための表示用のページデータを生成し、ページデータ313としてページ記憶部310に格納する。
また、ページ生成部360は、重畳画像データ311と、ストローク画像データ312と、ページデータ313と、から、重畳画像データ311をPDF形式に変換したPDFデータ314を生成し、ページ記憶部310に格納する。
本実施形態のPDFデータ314は、重畳画像データにストローク画像データが含まれる場合には、重畳画像データから生成されるPNG(Portable Network Graphics)形式の画像データと、ページデータから生成されるベクタ形式のストローク情報とを含む。
また、ページ生成部360は、重畳画像データにストローク画像データが含まれる場合には、ペン情報取得部350が取得したペン情報と、ストローク画像データが入力されたときに開催されていた会議を特定する会議特定情報とを、PDFデータ314に含める。
また、本実施形態のPDFデータ314は、重畳画像データにストローク画像データが含まれない場合には、PNG形式の画像データのみを含む。本実施形態のPDFデータ314の詳細は後述される。
本実施形態では、重畳画像データ311には、例えば、ページを識別するページ識別情報(ページID)が含まれ、重畳画像データ311、ストローク画像データ312、ページデータ313、PDFデータ314のそれぞれが、ページIDによって対応付けられていても良い。重畳画像データの詳細は後述される。
また、本実施形態の電子黒板200は、例えば、ページIDが選択されて、選択されたページIDのページデータをディスプレイ280へ表示させる操作が行われると、ページIDと対応するPDFデータ314をディスプレイ280に表示させる。つまり、本実施形態のPDFデータ314は、ディスプレイ280に表示される出力データである。
ストローク特定部370は、入力部330が受け付けた操作に応じて、ディスプレイ280に表示させるストローク画像を特定する。特定されたストローク画像は、表示制御部320によってディスプレイ280に表示される。
以下に、本実施形態の会議情報記憶部315について説明する。図4は、会議情報記憶部の一例を示す図である。
本実施形態の会議情報記憶部315は、情報の項目として、会議ID、バージョン、日付、ユーザID、ペンIDを有する。会議情報記憶部315において、項目「会議ID」とその他の項目とは対応付けられている。以下の説明では、項目「会議ID」の値と、その他の項目の値とを対応付けた情報を会議情報と呼ぶ。本実施形態の会議情報は、例えば、会議が開催される前に予め電子黒板200に登録される情報である。
項目「会議ID」の値は、会議のタイトルを特定する識別情報であり、項目「バージョン」の値は、会議IDによって特定されるタイトルの会議が開催された回数(バージョン)を示す。項目「バージョン」の値は、会議情報管理部340によって付与されるものであっても良いし、予め会議の参加者等によって、会議のタイトルと共に入力されても良い。
項目「日付」の値は、会議IDとバージョンによって特定される会議が開催される日付を示す。
つまり、本実施形態では、項目「会議ID」の値と、項目「バージョン」の値によって、開催された会議が特定される。したがつて、会議IDとバージョンとを対応付けた情報は、会議を特定するための会議特定情報と言える。
図4の例では、会議ID「001」が示すタイトルの会議の1回目が、2017年2月10日に開催されたことがわかる。
項目「ユーザID」の値は、会議に参加する参加者を特定する識別情報である。言い換えれば、項目「ユーザID」の値は、会議において、電子黒板200の利用者となるユーザの識別情報である。ユーザIDは、参加者のICカード10の識別情報と対応付けられた情報であっても良いし、ICカード10の識別情報そのものであっても良い。
項目「ペンID」の値は、電子ペン290を識別するための識別情報であり、予め電子ペン290に付与されている。本実施形態では、例えば、電子ペン290によってディスプレイ280にストローク画像が入力されると、電子ペン290が電子ペンコントローラ216と通信を行い、電子ペンコントローラ216が電子ペン290のペンIDを取得する。
尚、項目「ペンID」と、項目「ユーザID」との対応付けは、ペンIDで特定される電子ペン290によるストローク画像の描画が開始される前に行われればよい。したがって、会議が開催された後に、ペンIDとユーザIDとが対応付けられても良い。
以下に、図5を参照して、本実施形態のユーザIDとペンIDとの対応付けについて説明する。図5は、ユーザIDとペンIDとの対応付けを設定する画面の例を示す図である。
図5に示す画面51は、例えば、ディスプレイ280に表示される画面の例である。画面51では、電子ペン290のペンIDを示す情報52と、ユーザIDの入力欄53と、設定ボタン54とが表示される。
電子黒板200の表示制御部320は、例えば、入力部330によって、会議情報の登録指示を受け付け、会議情報のうち、会議ID、日付、会議の参加者のユーザIDが登録されると、画面51をディスプレイ280に表示させても良い。
入力部330は、画面51において、入力欄53にユーザIDが入力されて、設定ボタン54が選択されると、情報52が示すペンIDと、入力されたユーザIDとを対応付けて、会議情報記憶部315に格納する。
次に、図6を参照して、本実施形態の重畳画像データ311について説明する。本実施形態の重畳画像データ311が示す画像は、ディスプレイ280に表示される画像である。
図6は、電子黒板のディスプレイに表示される画面について説明する図である。図6(A)は、重畳される画像を説明する図であり、図6(B)は、重畳画像の一例を示す図である。
本実施形態の電子黒板200において、表示制御部320は、入力部330により取得される入力画像や、ストローク画像、UI(User Interface)画像及び背景画像を予め指定されたレイアウトにしたがって重畳して表示させる。
尚、UI画像とは、予め設定された画像である。また、背景画像は、例えば、無地の画像やグリッド線を含む画像等であり、重畳画像に含まれるメディアデータである。
表示制御部320は、図6に示すように、UI画像を表示させるためのレイヤ91、ストローク画像を表示させるためのレイヤ92、PCから出力されて電子黒板200に入力される入力画像を表示させるレイヤ93、背景画像を表示させるためのレイヤ94を有する。
本実施形態の表示制御部320は、電子黒板200の利用者からディスプレイ280を見たとき、レイヤ91が1層目、レイヤ92が2層目、レイヤ93が3層目、レイヤ94が4層目となるように、各レイヤを重畳させる。
そして、表示制御部320は、UI画像の画像データ(UI画像データ)、ストローク画像データ、入力画像の画像データ(入力画像データ)、背景画像の画像データ(背景画像データ)を合成することで、4層の重畳画像90の画像データを生成する。
つまり、本実施形態の重畳画像とは、ディスプレイ280の各レイヤに表示された画像を合成した画像である。
本実施形態のページ生成部360は、重畳画像を示す重畳画像データ311をPDF形式に変換したPDFデータ314を生成する。また、本実施形態のページ生成部360は、PDFデータ314を生成する際に、ペン情報取得部350が取得したペン情報をPDFデータ314に含める。言い換えれば、ページ生成部360は、ペン情報を含むPDFデータ314を生成する。
以下に、図7を参照して、本実施形態のPDFデータ314について説明する。図7は、PDFデータの一例を示す図である。
本実施形態のPDFデータ314には、ペン情報取得部350により取得されたペン情報380を含む。
本実施形態のPDFデータ314は、情報の項目として、ページID、PNG画像データ、ストロークID、ストローク情報、ペンID、ユーザID、太さ、色、会議ID、バージョン等を有する、PDFデータ314において、項目「ページID」と、その他の項目とが対応付けられている。
また、本実施形態のPDFデータ314に含まれる情報の項目のうち、項目「ペンID」、「ユーザID」、「太さ」、「色」は、ペン情報380が有する情報の項目でもある。
また、本実施形態のPDFデータ314に含まれる情報の項目のうち、項目「会議ID」、「バージョン」は、会議情報記憶部315に格納された会議情報が有する情報の項目でもある。
つまり、PDFデータ314は、ペン情報380と会議情報の一部315aとを含む。ペン情報380は、情報の項目として、ペンID、ユーザID、太さ、色を有し、会議情報の一部315aは、情報の項目として、会議IDとバージョンとを含む。PDFデータ314に含まれる会議情報の一部315aは、会議を特定するための会議特定情報である。
項目「ページID」の値は、ページを識別するページ識別情報である。項目「PNG画像データ」の値は、PNG形式の画像データである。項目「ストロークID」の値は、電子ペン290によって入力されたストローク画像毎に付与される、ストローク画像を識別するための識別情報である。
項目「ストローク情報」の値は、ストローク画像を描画するための座標群を示す情報である。具体的には、項目「ストローク情報」の値は、ページデータから生成されるベクタ形式の情報である。
項目「ペンID」の値は、ストロークIDで特定されるストローク画像を入力した電子ペン290のペンIDである。項目「ユーザID」の値は、会議情報記憶部315において、ペンIDと対応付けられたユーザIDを示す。項目「色」の値は、ストロークIDで特定されるストローク画像の色を示す。
項目「太さ」の値は、ストロークIDで特定されるストローク画像の太さを示す。図7の例では、項目「太さ」の値が、「True」である場合は、このストローク画像はボールド体のストロークとして描画されたストローク画像とし、項目「太さ」の値が、「False」である場合は、ボールド体が指定されていないストローク画像とした。項目「色」の値は、ストロークIDで特定されるストローク画像の色を示す。
図7の例では、ページID「p001」で特定されるPNG形式の画像データが、画像データG1であることがわかる。また、画像データG1が示す重畳画像には、ストロークID「10」〜「14」で特定されるストローク画像が含まれることがわかる。さらに、図7の例では、ストロークID「10」のストローク画像は、ペンID「1」の電子ペン290を使用したユーザID「A」のユーザによって、黒のボールド体で描画されたことがわかる。
さらに、ストロークID「10」のストローク画像を描画したユーザID「A」のユーザは、会議ID「001」とバージョン「1」で特定される会議において、このストローク画像を描画したことがわかる。
本実施形態では、以上のように、ペン情報380をPDFデータ314に含めることで、特定のユーザによって描画されてストローク画像のみを表示させたり、特定の色で描画されたストローク画像のみを表示させたりすることができる。
また、本実施形態では、PDFデータ314に、会議を特定するための会議情報の一部315aを含めることで、PDFデータ314に含まれるストローク画像が描画されたときに開催されていた会議を特定することができる。
尚、本実施形態の電子黒板200は、例えば、入力部330により、ページID「p001」の表示指示を受けた場合には、ページID「p001」のPDFデータ314をディスプレイ280に表示させる。
そして、電子黒板200は、ディスプレイ280に表示されたPDFデータ314に対して、新たにストローク画像が入力された場合には、このPDFデータ314における項目「バージョン」の値を更新した、新たなPDFデータ314を生成する。
例えば、図7のページID「p001」のPDFデータ314がディスプレイ280に表示されて、ストロークID「20」が付与された新たなストローク画像が描画されたとする。この場合、電子黒板200は、ページ生成部360により、ストローク画像が追加された新たなPDFデータ314を生成する際に、項目「会議」の値は、ページID「p001」のPDFデータ314の会議IDとし、項目「バージョン」の値のみを更新させる。
本実施形態では、このように、PDFデータ314を管理することで、会議のバージョン毎にストローク画像を特定することができる。
以下に、図8及び図9を参照して、本実施形態の電子黒板200の動作について説明する。はじめに、図8を参照して、ペン情報を取得して格納する処理について説明する。
図8は、電子黒板によるペン情報の取得の処理を説明するフローチャートである。
本実施形態の電子黒板200は、入力部330が、電子ペン290によるストローク画像の描画の開始を検知すると(ステップS801)、会議情報管理部340によって、開催されている会議の会議IDに、バージョンの値を付与する(ステップS802)。
具体的には、会議情報管理部340は、会議情報記憶部315に格納された会議情報において、会議IDと対応するバージョンの値のうち、最も新しいバージョンの値を更新した値を、新たに会議IDに付与する。尚、会議IDは、電子黒板200を用いた会議を開催する際に、予め参加者によって翳されたICカード10の識別情報から特定されている。
続いて、電子黒板200は、ペン情報取得部350により、電子ペン290のペンIDにユーザIDが対応付けられているか否かを判定する(ステップS803)。ステップS803において、ペンIDとユーザIDとが対応付けられていない場合、ペン情報取得部350は、ペンIDがユーザIDと対応付けられるまで待機する。このとき、ペン情報取得部350は、表示制御部320により、図5に示す画面51をディスプレイ280に表示させても良い。
また、このとき、ペン情報取得部350は、ユーザIDをペンIDと対応付けないことを指示する操作を受け付けた場合には、後述するステップS804へ進んでも良い。
ステップS803において、ペンIDとユーザIDとが対応付けられている場合、ペン情報取得部350は、ユーザIDとペンIDとを、会議IDと対応付けて、ページ記憶部310に、ペン情報の一部として保持する(ステップS804)。
続いて、電子黒板200は、入力部330により、ペンの色を選択する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS805)。ステップS805において、該当する操作を受け付けない場合、電子黒板200は、後述するステップS807へ進む。
ステップS805において、該当する操作を受け付けた場合、電子黒板200は、ペン情報取得部350により、選択された色を示す情報を取得して、ペンIDと対応付けられたペン情報の一部として、ページ記憶部310に保持する(ステップS806)。
続いて、電子黒板200は、入力部330により、ストローク画像の太さを選択する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS807)。ステップS807において、該当する操作を受け付けない場合、電子黒板200は、後述するステップS809へ進む。
ステップS807において、該当する操作を受け付けた場合、電子黒板200は、ペン情報取得部350により、太さを示す情報をペンIDと対応付けられペン情報の一部として、ページ記憶部310に保持する(ステップS808)。尚、本実施形態では、太さを示す情報とは、ストローク画像をボールド体とするか否かを示す情報としても良い。
続いて、電子黒板200は、電子ペン290によって描画されたストローク画像を示すストローク情報を取得する(ステップS809)。
続いて、電子黒板200は、ペン情報取得部350により取得したペン情報を、ストローク情報と対応付けてページ記憶部310に格納し(ステップS810)、処理を終了する。
本実施形態では、入力部330がストローク画像の入力を受け付ける度に、図8の処理を実行する。そして、電子黒板200は、ページを切り替える操作を受け付けると、ページ生成部360により、ペン情報380と会議情報の一部315aを含むPDFデータ314を生成し、ページ記憶部310に格納する。
次に、図9を参照して、本実施形態の電子黒板200において、特定のストローク画像を表示させる処理について説明する。図9は、電子黒板において特定のストローク画像を表示させる処理を説明するフローチャートである。
本実施形態の電子黒板200は、例えば、ページIDの指定と表示指示とを受け付けると、表示制御部320により、ページ記憶部310に格納されたPDFデータ314のうち、指定されたページIDを含むPDFデータ314をプレビュー画面としてディスプレイ280に表示させる(ステップS901)。
このとき、表示制御部320は、プレビュー画面に、PDFデータ314に含まれるペン情報と会議情報の選択欄を表示させる。ペン情報の選択欄とは、例えば、ユーザID、太さ、色を選択するための選択欄である。会議情報の選択欄とは、例えば、会議のバージョンを選択させるための選択欄である。
続いて、電子黒板200は、入力部330により、選択欄において、ユーザIDが選択されたか否かを判定する(ステップS902)。ステップS902において、ユーザIDが選択されていない場合、電子黒板200は、後述するステップS905へ進む。
ステップS902において、ユーザIDが選択されると、電子黒板200は、ストローク特定部370により、ディスプレイ280に表示されているPDFデータ314に含まれるペン情報380から、選択されたユーザIDと対応するストロークIDを特定する(ステップS903)。
続いて、電子黒板200は、表示制御部320により、特定されたストロークIDが示すストローク画像のみをディスプレイ280に表示させる(ステップS904)。
次に、電子黒板200は、入力部330により、選択欄において、色が選択されたか否かを判定する(ステップS905)。ステップS902において、色が選択されていない場合、電子黒板200は、後述するステップS908へ進む。
ステップS905において、色が選択されると、電子黒板200は、ストローク特定部370により、ディスプレイ280に表示されているPDFデータ314に含まれるペン情報380から、選択された色と対応するストロークIDを特定する(ステップS906)。
続いて、電子黒板200は、表示制御部320により、特定されたストロークIDが示すストローク画像のみをディスプレイ280に表示させる(ステップS907)。
次に、電子黒板200は、入力部330により、選択欄において、太さが選択されたか否かを判定する(ステップS908)。ステップS908において、太さが選択されていない場合、電子黒板200は、後述するステップS911へ進む。
ステップS908において、太さが選択されると、電子黒板200は、ストローク特定部370により、ディスプレイ280に表示されているPDFデータ314に含まれるペン情報380から、選択された太さと対応するストロークIDを特定する(ステップS909)。
続いて、電子黒板200は、表示制御部320により、特定されたストロークIDが示すストローク画像のみをディスプレイ280に表示させる(ステップS910)。
次に、電子黒板200は、入力部330により、選択欄において、会議のバージョンが選択されたか否かを判定する(ステップS911)。ステップS911において、会議のバージョンが選択されていない場合、電子黒板200は、処理を終了する。
ステップS911において、会議のバージョンが選択されると、電子黒板200は、ストローク特定部370により、ディスプレイ280に表示されているPDFデータ314に含まれる会議情報の一部から、選択された会議のバージョンと対応するストロークIDを特定する(ステップS912)。
続いて、電子黒板200は、表示制御部320により、特定されたストロークIDが示すストローク画像のみをディスプレイ280に表示させ(ステップS913)、処理を終了する。
以下に、図10と図11を参照して、本実施形態の電子黒板200における表示例について説明する。図10は、電子黒板における表示例を説明する第一の図である。
図10に示す画面101は、ディスプレイ280に表示されたプレビュー画面の一例である。画面101は、出力画像105と、ストローク画像群103、104とが重畳された重畳画像が表示されている。
また、画面101には、ペン情報380に含まれる項目の値と、会議情報の一部315a(会議特定情報)に含まれる項目の値と、選択するための選択欄102が表示されている。選択欄102は、選択ボックス102−1、102−2、102−3、102−4を含む。
選択ボックス102−1は、画面101に表示された重畳画像データと対応するPDFデータ314に含まれる会議IDと対応するユーザIDを選択するための選択ボックスである。つまり、選択ボックス102−1は、PDFデータ314に含まれるペン情報380に含まれる項目「ユーザID」の値を選択させるための選択欄である。
選択ボックス102−2は、ストローク画像の色を選択するための選択ボックスであり、選択ボックス102−3は、ボールド体のストローク画像を選択するための選択ボックスである。つまり、選択ボックス102−2は、ペン情報380の項目「色」の値を選択するための選択欄であり、選択ボックス102−3は、ペン情報380の項目「太さ」の値を選択するための選択欄である。
選択ボックス102−4は、画面101に表示された重畳画像データと対応するPDFデータ314に含まれる会議IDと対応するバージョンを選択するための選択ボックスである。つまり、選択ボックス102−4は、会議特定情報の項目「バージョン」の値を選択するための選択欄である。尚、選択ボックス102−4には、バージョンと共に会議IDが表示されていても良い。
図11は、電子黒板における表示例を説明する第二の図である。図11(A)は、画面101の選択欄102において、ユーザIDが選択された場合の表示例を示しており、図11(B)は、画面101の選択欄102において、赤色が選択された場合の表示例を示している。
図11(A)に示す画面101Aでは、ユーザID「A」が選択されている。したがって、画面101Aには、画面101に表示された重畳画像に含まれるストローク画像のうち、ストロークIDがユーザID「A」と対応付けられたストローク画像のみが表示される。
画面101Aでは、ストローク画像群103とストローク画像群104が表示されているため、これらのストローク画像群に含まれるストローク画像は、ユーザID「A」のユーザによって描画されたことがわかる。
また、図11(B)に示す画面101Bでは、「赤」が選択されている。したがって、画面101Bには、画面101に表示された重畳画像に含まれるストローク画像のうち、赤色で描画されたストローク画像が表示される。画面101Bでは、ストローク画像群104のみが表示されているため、赤色で描画されたストローク画像は、ストローク画像群104に含まれるストローク画像のみであることがわかる。
このように、本実施形態では、ストローク画像に対して、ストローク画像を描画した電子ペン290に関するペン情報を対応付けて格納する。
また、本実施形態では、ストローク画像に対して、ストローク画像が描画されたときに開催されていた会議を対応付けて格納する。
したがって、本実施形態では、電子ペン290によって描画されたストローク画像が描画されたときの会議と、ストローク画像を描画したユーザとを特定することができる。
尚、本実施形態では、例えば、画面101Aや画面101Bに表示されたストローク画像を示すストローク情報のみを含むPDFデータ314を新たに生成し、ページ記憶部310に格納しても良い。
また、本実施形態では、例えば、ストローク画像を選択する操作を受け付けると、選択されたストローク画像と対応するペン情報をディスプレイ280に表示させても良い。
図12は、電子黒板における表示例を示す第三の図である。図12に示す画面101Cでは、ストローク画像群103に含まれるストローク画像が選択され、選択されたストローク画像の近傍に表示欄106が表示されている。
表示欄106には、選択されたストローク画像と対応するペン情報380が表示される。図12の例では、表示欄106には、ペン情報として、ユーザID「A」と、ボールド体が選択されたことを示す「強調」と、が表示される。
このように、本実施形態では、ストローク画像を選択すると、ストローク画像を描画した電子ペン290に関するペン情報を表示させることができる。尚、画面101Cは、会議中にディスプレイ280に表示された画面であっても良いし、プレビュー画面としてディスプレイ280に表示された画面であっても良い。
また、本実施形態の電子黒板200は、サーバ装置と通信を行うシステムに含まれていても良い。
図13は、電子黒板を含む情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。情報処理システム500は、電子黒板(電子情報ボード)200と、サーバ装置550と、を有する。情報処理システム500において、電子黒板200とサーバ装置550とは、ネットワークを介して接続される。
本実施形態の情報処理システム500において、電子黒板200は、ページ生成部360によってページ記憶部310に格納された各データや、マイク等の集音装置よって集音された音声データ等を含むコンテンツデータを、サーバ装置550に送信する。コンテンツデータは、サーバ装置550において、格納されても良い。
また、電子黒板200は、コンテンツデータの表示指示を受け付けると、サーバ装置550から、コンテンツデータを取得しても良い。
また、電子黒板200は、複数の端末装置と通信が可能であり、各端末装置から画像データや音声データを取得しても良い。この場合、電子黒板200に表示される画像は、複数の端末装置によって共有されても良く、電子黒板200は、複数の端末装置に共有される画面を表示させる共有端末となる。
次に、図14乃至図16を参照して、上述した情報処理システムの変形例について説明する。
図14は、情報処理システムの変形例を示す第一の図である。図14の例では、電子黒板200の代わりに、端末装置600、画像投影装置700、ペン動作検出装置810を有する。
端末装置600は、画像投影装置700及びペン動作検出装置810と有線で接続されている。
画像投影装置700は、端末装置600により入力された画像データをスクリーン800に投影させる。
ペン動作検出装置810は、電子ペン820と通信を行っており、スクリーン800の近傍における電子ペン820の動作を検出する。具体的には、電子ペン820は、スクリーン800上において、電子ペン820が示している点を示す座標情報を検出し、端末装置600へ送信する。
端末装置600は、ペン動作検出装置810から受信した座標情報に基づき、電子ペン820によって入力されるストローク画像を示すストローク画像データを生成し、画像投影装置700によってストローク画像をスクリーン800に描画させる。
また、端末装置600は、画像投影装置700に投影させている画像を示す重畳画像データを含むページデータを生成し、サーバ装置550に送信する。
図15は、情報処理システムの変形例を示す第二の図である。図13の例では、電子黒板200の代わりに、端末装置600とディスプレイ800Aと、ペン動作検出装置810とを有する。
ペン動作検出装置810は、ディスプレイ800Aの近傍に配置され、ディスプレイ800A上に、電子ペン820Aが示している点を示す座標情報を検出し、端末装置600へ送信する。尚、図13の例では、電子ペン820Aは、端末装置600によってUSBコネクタを介して充電されても良い。
端末装置600は、ペン動作検出装置810から受信した座標情報に基づき、電子ペン820Aによって入力されるストローク画像の画像データを生成し、ディスプレイ800Aに表示させる。
また、本実施形態の端末装置600は、画像投影装置700に投影させている画像を示す重畳画像データを含むページデータを生成し、サーバ装置550に送信する。
図16は、情報処理システムの変形例を示す第三の図である。図14の例では、電子黒板200の代わりに、端末装置600と、画像投影装置700とを有する。
端末装置600は、電子ペン820Bと無線通信(Bluetooth等)を行って、スクリーン800上において電子ペン820Bが示す点の座標情報を受信する。そして、端末装置600は、受信した座標情報に基づき、電子ペン820Bにより入力されるストローク画像の画像データを生成し、画像投影装置700によって、スクリーン800上にストローク画像を投影させる。
また、端末装置600は、画像投影装置700に投影させている画像を示す重畳画像データを含むページデータを生成し、サーバ装置550に送信する。
以上のように、上述した各実施形態は、様々なシステム構成において適用することができる。
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
尚、本実施形態が適用される装置は、タッチ操作によって、オブジェクトを操作する機能を備えた表示装置であれば良く、電子黒板200に限定されにない。本実施形態が適用される装置は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルPC等であってもよい。
また、実施形態に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。
ある実施形態では、第1の装置は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、第2の装置は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
さらに、第1の装置および第2の装置は、図8、図9に示す処理のステップを様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、第2の装置によって実行され得る。同様に、所定のユニットの機能は、第2の装置によって実行することができる。また、第1の装置と第2の装置の各要素は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。