JP2020153408A - 電動アクチュエータおよび劣化指標計算方法 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、電動アクチュエータなどのフィールド機器には保証期間が設定されていて、保証期間の満了に応じて新たなものに交換する必要がある。しかし、実際には保証期間を超えて長期間にわたり使用される場合もある。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる電動アクチュエータ10について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる電動アクチュエータの構成を示すブロック図である。
弁本体20は、流体が流れる流路21が内部に形成された金属管からなり、流路21の途中には流体の流量を制御するための弁体22が回動自在に取り付けられている。弁体22には、弁本体20の外部へ一端が導出された弁軸26が結合されており、この弁軸26の回動操作により弁体22が回動し、流路21の断面積、すなわち弁開度が変化して、流体の流量が制御される。
電動アクチュエータ10は、ヨーク31を介して弁本体20の本体上面24に取り付けられており、継手30を介して弁軸26と接続されている出力軸16を回動制御することにより、弁体22の弁開度を制御して、流体の流量制御を行う機能を有している。
電動アクチュエータ10には、主な構成として、設定回路11、モータ駆動回路12、モータ13、動力伝達部14、リターンスプリング15、出力軸16、出力側角度センサ17A、弁側角度センサ17V、トルクセンサ17T、記憶回路18、および制御回路19が設けられている。
モータ駆動回路12は、制御回路19から出力されたモータ制御信号に基づいて、モータ13を駆動する機能を有している。
動力伝達部14は、歯数の異なる複数の歯車が噛合されたギヤボックスなどの動力伝達機構からなり、モータ13のシャフト13Aの回転速度を減速して出力軸16を回動させる機能を有している。
出力軸16は、電動アクチュエータ10から弁本体20の弁体22を回動するための軸であり、一端が動力伝達部14に連結され、他端がリターンスプリング15、継手30および弁軸26を介して弁体22と連結されている。
以下では、出力側角度センサ17Aとして、例えば円形差動トランス型角度センサ(特許文献2)や磁気抵抗型角度センサ(特許文献3)を用いた場合を例として説明する。本発明は、これら特許文献2および特許文献3に記載されたすべての内容を含むものとする。なお、出力側角度センサ17Aは、これに限定されるものではなく、ポテンショメータ、インクリメンタルエンコーダ、アブソリュートエンコーダなど、回転角度が計測できるセンサを出力側角度センサ17Aとして用いてもよい。
また、弁側角度センサ17Vには温度センサS3が取り付けられており、温度センサS3で検出された検出温度Txに基づいて、弁側角度センサ17Vの弁側開度θvが開度現在値θに温度補正される。なお、弁側開度θvの温度補正は、本実施の形態において必須ではなく、弁側角度センサ17Vのセンサ出力が周囲温度の影響を受けない場合には、温度補正を省くこともできる。
弁体22を弁本体20内の流路21に回動自在に取り付ける際、内壁23の上側部と下側部とで弁軸26を係止している。このため、弁軸26の下端を本体底面25から弁本体20の外部へ導出することが可能であり、弁本体20の外側へ導出した弁軸26の下端の回動角度を弁側角度センサ17Vで検出すればよい。
歪みゲージ40からなるトルクセンサ17Tは、出力軸16の表面に接着剤で接着され、出力軸16の出力軸トルクToに応じて出力軸16が歪んでベース41も伸縮し、結果としてゲージ42の抵抗体Rの抵抗値が変化する。
なお、トルクセンサ17Tについては、歪みゲージ40を用いた方式に限定されるものではない。例えば、トルク検出部位の両側に設けた歯車やシリンダーの位相差(ねじれ)の大きさに基づいてトルクを検出する方式など、他の方式に基づく公知のトルクセンサを用いてもよい。
制御回路19は、主な処理部として、開度制御部19Aと劣化指標処理部19Bとを備えている。
計測タイミングについては、回動開始から出力軸16を所定の開度まで回動した時点や、回動開始から所定の時間だけ経過した時点など、任意のタイミングを用いればよく、制御開度θxや出力側開度θaxを特定の値とする必要はない。また、計測タイミングにおける出力軸16は、回動中であるものとする。
次に、図3を参照して、弁側角度センサ17Vで検出した弁側開度θvを用いた、本実施の形態にかかる電動アクチュエータ10の流量制御動作について説明する。図3は、流量制御処理を示すフローチャートである。
制御回路19は、流路21を流れる流体の流量を制御する場合、図3の流量制御処理を実行する。
また、制御回路19内の記憶部(図示せず)には、弁側角度センサ17Vの弁側センサ出力値Svと弁体22の弁開度との対応関係の基準となる弁側出力基準値Ssが予め設定されているものとする。
続いて、開度制御部19Aは、差圧ΔPと開度現在値θに対応する流量係数Cvを記憶回路18の特性テーブルから取得し(ステップS104)、流量係数Cvと差圧ΔPに基づいて、流路21を流れる流体の流量現在値Qを計算する(ステップS105)。この際、流路21の口径などによって定まる定数をAとした場合、流量現在値Qは、Q=A・Cv・(ΔP)1/2で求められる。
ここで、ΔQがゼロと等しくΔQ=0である場合(ステップS107:ΔQ=0)、開度制御部19Aは、弁開度を変更することはないが、流量目標値Qrefが変更にならなくても、管路の状態により流量現在値Qが変化するため、ステップS100に戻る。
また、ΔQがゼロより大きくΔQ>0である場合(ステップS107:ΔQ>0)、開度制御部19Aは、所定のモータ制御信号をモータ駆動回路12へ出力することにより、モータ13をΔQに相当する弁開度分だけ閉方向に駆動し(ステップS109)、ステップS100に戻る。
図3におけるこのほかのステップについては、前述と同様であり、ここでの説明は省略する。
次に、図5および図6を参照して、本実施の形態にかかる電動アクチュエータ10の劣化指標処理動作について説明する。図5は、第1の実施の形態にかかる劣化指標処理を示すフローチャートである。図6は、第1の実施の形態にかかる劣化指標処理動作を示す説明図である。
制御回路19は、動力伝達部14の劣化指標を計算する際、図5の劣化指標処理を実行する。
その後、劣化指標処理部19Bは、計測タイミングが到来するまで待機し(ステップS151:NO)、計測タイミングが到来した時点で(ステップS151:YES)、出力側角度センサ17Aの出力側センサ出力値Saから得られた出力側開度θaxを取得する(ステップS152)。この際、弁側角度センサ17Vの弁側センサ出力値Svから得られた弁側開度θvを取得し、以下の劣化指標の計算処理において、出力側開度θaxの代わりに弁側開度θvを用いてもよい。
この後、劣化指標処理部19Bは、モータトルクTmと出力軸トルクToaとに基づいて、動力伝達部14の劣化指標として、動力伝達部14にかかる動力伝達トルクTdを計算する(ステップS155)。
このように、本実施の形態は、開度制御部19Aが、モータ13を駆動制御して出力軸16を回動し、劣化指標処理部19Bが、出力軸16を回動中の所定の計測タイミングにモータ13に生じたモータトルクTmと、当該計測タイミングにおける出力軸16の出力軸トルクToaとに基づいて、動力伝達部14の劣化指標として、動力伝達部14の動力伝達トルクTdを計算するようにしたものである。
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる電動アクチュエータ10について説明する。図7は、第2の実施の形態にかかる電動アクチュエータの構成を示すブロック図である。
第1の実施の形態では、トルクセンサ17Tを、電動アクチュエータ10の内部の出力軸16のうち、動力伝達部14とリターンスプリング15との間の出力軸16に取り付けた場合を例として説明したがこれに限定されるものではない。本実施の形態では、電動アクチュエータ10の内部の出力軸16のうち、リターンスプリング15と弁体22、より具体的には継手30との間の出力軸16に取り付けた場合を例として説明する。
また、劣化指標処理部19Bは、計測タイミングにトルクセンサ17Tで検出された出力軸トルクTobから、計測タイミングにモータ13に生じたモータトルクTmと、計測タイミングにリターンスプリング15に生じたスプリングトルクTsとを減算したものを、動力伝達トルクTdとして計算する機能を有している。
なお、本実施の形態にかかる電動アクチュエータ10のその他の構成、および流量制御動作については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの説明は省略する。
次に、図8および図9を参照して、本実施の形態にかかる電動アクチュエータ10の劣化指標処理動作について説明する。図8は、第2の実施の形態にかかる劣化指標処理を示すフローチャートである。図9は、第2の実施の形態にかかる劣化指標処理動作を示す説明図である。
制御回路19は、動力伝達部14の劣化指標を計算する際、図8の劣化指標処理を実行する。
その後、劣化指標処理部19Bは、計測タイミングが到来するまで待機し(ステップS201:NO)、計測タイミングが到来した時点で(ステップS201:YES)、出力側角度センサ17Aの出力側センサ出力値Saから得られた出力側開度θaxを取得する(ステップS202)。
この後、劣化指標処理部19Bは、モータトルクTmと出力軸トルクTobとスプリングトルクTsとに基づいて、動力伝達部14の劣化指標として、動力伝達部14にかかる動力伝達トルクTdを計算する(ステップS206)。
このように、本実施の形態は、トルクセンサ17Tで、出力軸16のうち、動力伝達部14とリターンスプリング15との間の出力軸16の出力軸トルクTobを検出するようにしてもよい。さらには、劣化指標処理部19Bが、出力軸16を回動中の所定の計測タイミングにトルクセンサ17Tで検出された出力軸トルクTobから、当該計測タイミングにモータ13に生じたモータトルクTmと、当該計測タイミングにリターンスプリング15に生じたスプリングトルクTsとを減算し、得られた差分Tob−Tm−Tsを動力伝達トルクTdとして計算するようにしたものである。
これにより、出力側角度センサ17Aという、電動アクチュエータ10の既存構成で容易にスプリングトルクTsを計算することが可能となる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
Claims (8)
- 弁体を回動するための出力軸と、
動力伝達部を介して前記出力軸を回動するモータと、
前記モータを駆動制御することにより前記弁体の開度を制御する制御回路と、
前記出力軸に取り付けられて、電源遮断時に自己の復帰力で前記出力軸を所定の開度位置まで戻すリターンスプリングとを備え、
前記制御回路は、
前記モータを駆動制御して前記出力軸を回動する開度制御部と、
前記出力軸を回動中の所定の計測タイミングに前記モータに生じたモータトルクと、前記計測タイミングにおける前記出力軸の出力軸トルクとに基づいて、前記動力伝達部の劣化指標として、前記動力伝達部の動力伝達トルクを計算する劣化指標処理部とを有する
ことを特徴とする電動アクチュエータ。 - 請求項1に記載の電動アクチュエータにおいて、
前記出力軸のうち、前記動力伝達部と前記リターンスプリングとの間の前記出力軸の出力軸トルクを検出するトルクセンサをさらに備えることを特徴とする電動アクチュエータ。 - 請求項2に記載の電動アクチュエータにおいて、
前記劣化指標処理部は、前記計測タイミングに前記トルクセンサで検出された出力軸トルクから、前記計測タイミングに前記モータに生じたモータトルクを減算し、得られた差分を前記動力伝達トルクとして計算することを特徴とする電動アクチュエータ。 - 請求項1に記載の電動アクチュエータにおいて、
前記出力軸のうち、前記リターンスプリングと前記弁体との間の前記出力軸の出力軸トルクを検出するトルクセンサをさらに備えることを特徴とする電動アクチュエータ。 - 請求項4に記載の電動アクチュエータにおいて、
前記劣化指標処理部は、前記計測タイミングに前記トルクセンサで検出された出力軸トルクから、前記計測タイミングに前記モータに生じたモータトルクと、前記計測タイミングに前記リターンスプリングに生じたスプリングトルクとを減算し、得られた差分を前記動力伝達トルクとして計算することを特徴とする電動アクチュエータ。 - 請求項5に記載の電動アクチュエータにおいて、
前記出力軸の回動角度を出力側開度として検出する出力側角度センサをさらに備え、
前記劣化指標処理部は、前記計測タイミングに前記出力側角度センサで検出された出力側開度と、前記リターンスプリングのばね定数とに基づいて、前記スプリングトルクを計算する
ことを特徴とする電動アクチュエータ。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の電動アクチュエータにおいて、
前記劣化指標処理部は、前記計測タイミングに前記モータに流れたモータ電流に基づいて、前記モータトルクを計算することを特徴とする電動アクチュエータ。 - 弁体を回動するための出力軸と、動力伝達部を介して前記出力軸を回動するモータと、前記モータを駆動制御することにより前記弁体の開度を制御する制御回路と、前記出力軸に取り付けられて、電源遮断時に自己の復帰力で前記出力軸を所定の開度位置まで戻すリターンスプリングとを備える電動アクチュエータで用いられる劣化指標計算方法であって、
前記制御回路の開度制御部が、前記モータを駆動制御して前記出力軸を回動する開度制御ステップと、
前記制御回路の劣化指標処理部が、前記出力軸を回動中の所定の計測タイミングに前記モータに生じたモータトルクと、前記計測タイミングにおける前記出力軸の出力軸トルクとに基づいて、前記動力伝達部の劣化指標として、前記動力伝達部の動力伝達トルクを計算する劣化指標処理ステップと
を備えることを特徴とする劣化指標計算方法。
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