JP2020153405A - 電動アクチュエータおよび劣化指標計算方法 - Google Patents

電動アクチュエータおよび劣化指標計算方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電動アクチュエータの動力伝達部や電動アクチュエータで制御する弁体の劣化状態を示す劣化指標を容易に計算する。【解決手段】劣化指標処理部19Bが、所定の計測タイミングにモータ13に生じたモータトルクTmに基づいて、動力伝達部14および弁体22の劣化指標として、動力伝達部14および弁体22にかかる負荷トルクTqを計算する。【選択図】 図1

Description

本発明は、電動アクチュエータに関し、特に、電動アクチュエータの動力伝達部、および、電動アクチュエータで制御する弁体に関する劣化状態の判定に用いる劣化指標を計算するための劣化指標計算技術に関する。
バルブやダンパーなどの操作端を電動で開閉制御する電動アクチュエータは、動力伝達部を介してモータで出力軸を回動させて操作端の開度を調整する。例えば、電動アクチュエータの適用例の1つである流量制御弁は、空調システム等の設備で用いられて、配管を流れる冷温水の流量を制御する電動バルブであり、主に弁本体とアクチュエータとから構成されている。弁本体は、流体が流れる流路が内部に形成された金属管からなり、流路の途中には流体の流量を制御するための弁体が回動自在に取り付けられている。アクチュエータは、この弁体の実際の弁開度を検出し、得られた弁開度に基づいて弁体を回動制御することにより、流量制御を行うものとなっている(例えば、特許文献1など参照)。
特開2015−194166号公報 特開2015−125038号公報 特開2015−114188号公報
通常、電動アクチュエータで用いられる動力伝達部は、減速ギヤから構成されており、電動アクチュエータで制御する弁体は、耐食性を有する材料からなる。したがって、これら動力伝達部や弁体は、長期間にわたり十分な耐久性を持つと考えられる。このため、動力伝達部や弁体の劣化状態を検出する必要性は低く、従来より電動アクチュエータや弁体の劣化判定機能として具体化されていない。
一方、電動アクチュエータや操作端には保証期間が設定されていて、保証期間の満了に応じて新たなものに交換する必要がある。しかし、実際には保証期間を超えて長期間にわたり使用される場合もある。
このような保証期間を超えて長期にわたり使用した場合、電動アクチュエータの動力伝達部が劣化して故障や経年変化などにより設計当初の動力伝達トルクが得られない場合も考えられる。また、弁体が劣化して変形、故障、経年変化などにより設計当初の性能が得られない場合も考えられる。このような場合、電動アクチュエータから弁体を精度よく開閉制御できなくなったり、弁体を全閉位置や全開位置などの所定の回動位置まで確実に戻せなくなったりする可能性がある。このため、動力伝達部や弁体の劣化状態を把握しておくことが重要となる。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、電動アクチュエータの動力伝達部や電動アクチュエータで制御する弁体の劣化状態を示す劣化指標を容易に計算できる劣化指標計算技術を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる電動アクチュエータは、弁体を回動するための出力軸と、動力伝達部を介して前記出力軸を回動するモータと、前記モータを駆動制御することにより前記弁体の開度を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、所定の計測タイミングに前記モータに生じたモータトルクに基づいて、前記動力伝達部および前記弁体の劣化指標として、前記動力伝達部および前記弁体にかかる負荷トルクを計算する劣化指標処理部を有している。
また、本発明にかかる上記電動アクチュエータの一構成例は、前記劣化指標処理部が、前記計測タイミングに得られた前記モータトルクを、前記負荷トルクとして計算するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記電動アクチュエータの一構成例は、前記劣化指標処理部が、前記計測タイミングに前記モータに流れたモータ電流に基づいて、前記モータトルクを計算するようにしたものである。
また、本発明にかかる劣化指標計算方法は、弁体を回動するための出力軸と、動力伝達部を介して前記出力軸を回動するモータと、前記モータを駆動制御することにより前記弁体の開度を制御する制御回路とを備える電動アクチュエータで用いられる劣化指標計算方法であって、前記制御回路が、所定の計測タイミングに前記モータに生じたモータトルクを計算する第1のステップと、前記モータトルクに基づいて、前記動力伝達部および前記弁体の劣化指標として、前記動力伝達部および前記弁体にかかる負荷トルクを計算する第2のステップとを備えている。
また、本発明にかかる上記劣化指標計算方法の一構成例は、前記第2のステップが、前記モータトルクを前記負荷トルクとして計算するステップを含んでいる。
本発明によれば、動力伝達部および弁体の劣化指標として、動力伝達部および弁体にかかる負荷トルクを容易に計算できるため、当初の設計値からの乖離幅に応じて、動力伝達部および弁体の劣化状態を容易に把握することができる。したがって、乖離幅が大きくなって劣化が進んだ場合には、故障発生する前に適切な対応をとることができ、極めて効果的な予知保全を実現することが可能となる。これにより、保証期間を超える長期使用を想定した場合でも、一定の信頼性を提供することが可能となる。また、負荷トルクの経時変化を、劣化指標処理部や上位装置でモニタすることにより、動力伝達部および弁体の劣化時期すなわち交換時期を予測でき、動力伝達部および弁体の予知保全に極めて有用である。
図1は、電動アクチュエータの構成を示すブロック図である。 図2は、流量制御処理を示すフローチャートである。 図3は、弁側センサ出力値と弁側開度との関係を示すグラフである。 図4は、劣化指標処理を示すフローチャートである。 図5は、劣化指標処理動作を示す説明図である。
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
[本実施の形態]
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかる電動アクチュエータ10について説明する。図1は、電動アクチュエータの構成を示すブロック図である。
この電動アクチュエータ10は、例えば、空調システム等の設備において、配管を流れる冷温水の流量を制御する流量制御バルブや、空気の風量を調整する風量調整ダンパーなどの弁体を電動制御する装置である。以下では、図1に示すように、流量制御バルブの弁本体20に電動アクチュエータ10を取り付けた場合を例として説明するが、これに限定されるものではなく、風量調整ダンパーなど、電動制御可能な弁体を有する他の機器に取り付けた場合にも、同様にして適用可能である。
[弁本体]
弁本体20は、流体が流れる流路21が内部に形成された金属管からなり、流路21の途中には流体の流量を制御するための弁体22が回動自在に取り付けられている。弁体22には、弁本体20の外部へ一端が導出された弁軸26が結合されており、この弁軸26の回動操作により弁体22が回動し、流路21の断面積、すなわち弁開度が変化して、流体の流量が制御される。
流路21の内壁23のうち、弁体22の一次側(流体上流側)には圧力センサS1が配置されており、弁体22の二次側(流体下流側)には圧力センサS2が配置されている。これら圧力センサS1,S2は、それぞれ流路21の一次側圧力P1および二次側圧力P2を検出し、得られた検出結果を示す圧力検出信号を電動アクチュエータ10へ出力する。これら一次側圧力P1および二次側圧力P2と、弁開度に相当する出力側開度θaからなる開度現在値θとに基づいて流路21を流れる流体の流量が計測される。
[電動アクチュエータ]
電動アクチュエータ10は、ヨーク31を介して弁本体20の本体上面24に取り付けられており、継手30を介して弁軸26と接続されている出力軸16を回動制御することにより、弁体22の弁開度を制御して、流体の流量制御を行う機能を有している。
電動アクチュエータ10には、主な構成として、設定回路11、モータ駆動回路12、モータ13、動力伝達部14、出力軸16、出力側角度センサ17A、弁側角度センサ17V、記憶回路18、および制御回路19が設けられている。
設定回路11は、上位装置(図示せず)から受信した流量目標信号などの設定信号に含まれる、流量目標値Qrefなどの設定値を取得し、制御回路19へ出力する機能を有している。
モータ駆動回路12は、制御回路19から出力されたモータ制御信号に基づいて、モータ13を駆動する機能を有している。
モータ13は、DCモータ、ACモータ、ステッピングモータなどの制御用モータからなり、モータ駆動回路12からの駆動信号により、指定された方向へ指定された角度分だけシャフト13Aを回転させる機能を有している。
動力伝達部14は、歯数の異なる複数の歯車が噛合されたギヤボックスなどの動力伝達機構からなり、モータ13のシャフト13Aの回転速度を減速して出力軸16を回動させる機能を有している。
これにより、制御回路19から出力されたモータ制御信号に基づいて、モータ駆動回路12から駆動信号がモータ13に出力される。また、この駆動信号に応じてモータ13のシャフト13Aが回転し、その回転出力が動力伝達部14で減速されて出力軸16を回動させ、継手30および弁軸26を介して弁体22が所定の回動角度すなわち弁開度まで回動することになる。
出力軸16は、電動アクチュエータ10から弁本体20の弁体22を回動するための軸であり、一端が動力伝達部14に連結され、他端が継手30および弁軸26を介して弁体22と連結されている。
出力側角度センサ17Aは、動力伝達部14または出力軸16に取り付けられて、出力軸16の回動角度を検出し、回動角度に応じた出力側センサ出力値Saを制御回路19へ出力する角度センサである。
以下では、出力側角度センサ17Aとして、例えば円形差動トランス型角度センサ(特許文献2)や磁気抵抗型角度センサ(特許文献3)を用いた場合を例として説明する。本発明は、これら特許文献2および特許文献3に記載されたすべての内容を含むものとする。なお、出力側角度センサ17Aは、これに限定されるものではなく、ポテンショメータ、インクリメンタルエンコーダ、アブソリュートエンコーダなど、回転角度が計測できるセンサを出力側角度センサ17Aとして用いてもよい。
弁側角度センサ17Vは、弁本体20の外側である本体上面24に取り付けられて、弁体22付近の弁軸26の回動角度を検出し、回動角度に応じた弁側センサ出力値Svを電動アクチュエータ10へ出力する角度センサである。弁側角度センサ17Vは、断熱材を介して弁本体20に取り付けられており、流体温度の影響が抑制されている。
また、弁側角度センサ17Vには温度センサS3が取り付けられており、温度センサS3で検出された検出温度Txに基づいて、弁側角度センサ17Vの弁側開度θvが開度現在値θに温度補正される。なお、弁側開度θvの温度補正は、本実施の形態において必須ではなく、弁側角度センサ17Vのセンサ出力が周囲温度の影響を受けない場合には、温度補正を省くこともできる。
以下では、弁側角度センサ17Vとして、例えば円形差動トランス型角度センサ(特許文献2)や磁気抵抗型角度センサ(特許文献3)を用いた場合を例として説明する。本発明は、これら特許文献2および特許文献3に記載されたすべての内容を含むものとする。なお、弁側角度センサ17Vは、これに限定されるものではなく、ポテンショメータ、インクリメンタルエンコーダ、アブソリュートエンコーダなど、回転角度が計測できるセンサを弁側角度センサ17Vとして用いてもよい。
また、図1において破線で示すように、弁側角度センサ17Vの取付位置は、本体上面24に代えて弁本体20の本体底面25であってもよい。
弁体22を弁本体20内の流路21に回動自在に取り付ける際、内壁23の上側部と下側部とで弁軸26を係止している。このため、弁軸26の下端を本体底面25から弁本体20の外部へ導出することが可能であり、弁本体20の外側へ導出した弁軸26の下端の回動角度を弁側角度センサ17Vで検出すればよい。
記憶回路18は、不揮発性の半導体メモリからなり、流量現在値Qの計算に用いる弁体22に固有の流量係数Cvを特定するための特性テーブルなど、流量制御や劣化指標計算に用いる各種の処理データを記憶する機能を有している。この特性テーブルには、流路21の一次側圧力P1および二次側圧力P2の差圧ΔP=P1−P2と弁体22の開度現在値θとの組み合わせごとに、弁体22に固有の流量係数Cvが予め登録されている。これら特性テーブルの各データは、形状や材質などの弁体22の特徴に基づいて別途計算されたものである。
制御回路19は、CPUとその周辺回路を有し、CPUとプログラムとを協働させることにより、流量制御や劣化指標計算のための処理を実行する各種の処理部を実現する機能を有している。
制御回路19は、主な処理部として、開度制御部19Aと劣化指標処理部19Bとを備えている。
開度制御部19Aは、圧力センサS1,S2から出力された圧力検出信号が示す一次側圧力P1および二次側圧力P2と開度現在値θとに基づいて、流路21を流れる流体の流量現在値Qを計算する機能と、この流量現在値Qと流量目標値Qrefとの流量偏差ΔQに基づいて、所定のモータ制御信号をモータ駆動回路12へ出力してモータ13を駆動制御することにより、弁体22の弁開度を調整して流量現在値Qを制御する機能と、任意の制御開度へ出力軸16を回動する機能とを有している。
以下では、計測タイミングにおける制御開度がθxであり、その時の出力側開度がθaxであるものとする。計測タイミングについては、予め設定した一定周期に同期したタイミングや、電動アクチュエータ10や操作端の延べ使用期間が予め離散的に設定した期間長に到達したタイミングなど、時間に基づき特定してもよい。このほか、出力軸16が所定の開度まで回動されたタイミングなど、出力軸16の開度に基づき特定してもよい。また、計測タイミングにおいて、出力軸16は回動中であってもよく、一時停止して一定開度に保持されている状態であってもよい。
劣化指標処理部19Bは、所定の計測タイミングにモータ13に生じたモータトルクTmに基づいて、動力伝達部14および弁体22の劣化指標として、動力伝達部14および弁体22にかかる負荷トルクTqを計算する機能と、得られた負荷トルクTqと予め設定されている正常範囲Eとに基づいて、動力伝達部14および弁体22の劣化状態を判定する機能とを有している。
具体的には、劣化指標処理部19Bは、当該計測タイミングにモータ13に生じたモータトルクTmそのものを、負荷トルクTqとして計算する機能と、任意の出力側開度θaxでモータ13に流れるモータ電流に基づいてモータトルクTmを計算する機能とを有している。なお、以下では、モータ電流に基づきモータトルクTmを計算する場合を例として説明するが、これに限定されるものではなく、後述のように他の手法でモータトルクTmを特定できる方法であれば何れでもよい。
本発明において、制御開度は、開度制御部19Aが開度制御に用いる目標値であり、出力側開度は、出力側角度センサ17Aで検出された出力軸16の回動角度を示す検出値であるものとする。なお、開度は全閉状態と全開状態との間を百分率で表した値であり、回動角度は開度を角度で表した値であるが、両者は一意に対応するものであり、本発明において、制御開度、出力側開度、あるいは弁側開度を、単に回動角度という場合もある。
[流量制御動作]
次に、図2を参照して、弁側角度センサ17Vで検出した弁側開度θvを用いた、本実施の形態にかかる電動アクチュエータ10の流量制御動作について説明する。図2は、流量制御処理を示すフローチャートである。
制御回路19は、流路21を流れる流体の流量を制御する場合、図2の流量制御処理を実行する。
図2の流量制御処理の開始時において、設定回路11には、予め流量目標値Qrefが設定されているものとする。また、記憶回路18には、弁体22に関する特性テーブルが予め登録されているものとする。
また、制御回路19内の記憶部(図示せず)には、弁側角度センサ17Vの弁側センサ出力値Svと弁体22の弁開度との対応関係の基準となる弁側出力基準値Ssが予め設定されているものとする。
図3は、弁側センサ出力値と弁側開度との関係を示すグラフである。弁側角度センサ17Vとして用いられる、円形差動トランス型角度センサおよび磁気抵抗型角度センサは、弁軸26の中間位置角度すなわち50%開度を中心として、全閉方向および全開方向に対称となる弁側センサ出力値Svを出力する構造を有している。したがって、図3に示すように、弁側センサ出力値Svと弁側開度θvとの関係は線形比例するとともに、全閉および全開を示す電圧値は、50%開度を示す電圧値=0vを中心として、等しい電圧幅Ssだけ離れた電圧値−Ss,Ssとなる。
まず、開度制御部19Aは、弁側角度センサ17Vから弁側センサ出力値Svを取得し(ステップS100)、予め設定されている弁側出力基準値Ssに基づいて、Svから開度現在値θ(弁側開度θv)=50×(1+Sv/Ss)[%]を計算する(ステップS101)。
この際、弁側角度センサ17Vに取り付けられた温度センサS3で検出された検出温度Txに基づいて、弁側角度センサ17Vの開度現在値θ(弁側開度θv)が温度補正される。なお、開度現在値θの温度補正は、本実施の形態において必須ではなく、弁側角度センサ17Vのセンサ出力が周囲温度の影響を受けない場合には、温度補正を省くこともできる。
次に、開度制御部19Aは、圧力センサS1,S2から出力された圧力検出信号が示す一次側圧力P1および二次側圧力P2を取得し(ステップS102)、これらP1,P2の差圧ΔP=P1−P2を計算する(ステップS103)。
続いて、開度制御部19Aは、差圧ΔPと開度現在値θに対応する流量係数Cvを記憶回路18の特性テーブルから取得し(ステップS104)、流量係数Cvと差圧ΔPに基づいて、流路21を流れる流体の流量現在値Qを計算する(ステップS105)。この際、流路21の口径などによって定まる定数をAとした場合、流量現在値Qは、Q=A・Cv・(ΔP)1/2で求められる。
この後、開度制御部19Aは、QとQrefの流量偏差ΔQ=Q−Qrefを計算し(ステップS106)、ΔQとゼロとを比較する(ステップS107)。
ここで、ΔQがゼロと等しくΔQ=0である場合(ステップS107:ΔQ=0)、開度制御部19Aは、弁開度を変更することはないが、流量目標値Qrefが変更にならなくても、管路の状態により流量現在値Qが変化するため、ステップS100に戻る。
一方、ΔQがゼロより小さくΔQ<0である場合(ステップS107:ΔQ<0)、開度制御部19Aは、所定のモータ制御信号をモータ駆動回路12へ出力することにより、モータ13をΔQに相当する弁開度分だけ開方向に駆動し(ステップS108)、ステップS100に戻る。
また、ΔQがゼロより大きくΔQ>0である場合(ステップS107:ΔQ>0)、開度制御部19Aは、所定のモータ制御信号をモータ駆動回路12へ出力することにより、モータ13をΔQに相当する弁開度分だけ閉方向に駆動し(ステップS109)、ステップS100に戻る。
以上では、図2を参照して、弁側角度センサ17Vで検出した弁側開度θvを用いた流量制御動作について説明したが、弁側開度θvに代えて出力側角度センサ17Aで検出した出力側開度θaを用いて、流量制御動作を実行してもよい。
具体的には、図2のステップS100−S101において、出力側角度センサ17Aから出力側センサ出力値Saを取得し(ステップS100)、予め設定されている出力側出力基準値Sbに基づいて、Saから開度現在値θ(出力側開度θa)=50×(1+Sa/Sb)[%]を計算する(ステップS101)。なお、制御回路19内の記憶部(図示せず)には、出力側角度センサ17Aの出力側センサ出力値Saと弁体22の弁開度との対応関係の基準となる出力側出力基準値Sbが予め設定されているものとする。
出力側出力基準値Sbは、弁側出力基準値Ssに代えて用いられるものである。出力側角度センサ17Aとして、円形差動トランス型角度センサや磁気抵抗型角度センサを用いた場合、前述した図3と同様に、出力側センサ出力値Saと出力側開度θaとの関係は線形比例するとともに、全閉および全開を示す電圧値は、50%開度を示す電圧値=0vを中心として、等しい電圧幅Sbだけ離れた電圧値−Sb,Sbとなる。
図2におけるこのほかのステップについては、前述と同様であり、ここでの説明は省略する。
[劣化指標処理動作]
次に、図4および図5を参照して、本実施の形態にかかる電動アクチュエータ10の劣化指標処理動作について説明する。図4は、劣化指標処理を示すフローチャートである。図5は、劣化指標処理動作を示す説明図である。
制御回路19は、動力伝達部14および弁体22の劣化指標を計算する際、図4の劣化指標処理を実行する。
まず、劣化指標処理部19Bは、計測タイミングが到来するまで待機する(ステップS150:NO)。計測タイミングが到来した時点で(ステップS150:YES)、劣化指標処理部19Bは、出力側角度センサ17Aの出力側センサ出力値Saから得られた出力側開度θaxを取得する(ステップS151)。この際、弁側角度センサ17Vの弁側センサ出力値Svから得られた弁側開度θvを取得し、出力側開度θaxの代わりに弁側開度θv用いてもよい。
続いて、劣化指標処理部19Bは、計測タイミングが到来した時点にモータ13に流れたモータ電流Iに基づいて、モータ13のモータトルクTmを計算し(ステップS152)、得られたモータトルクTmに基づいて、動力伝達部14および弁体22劣化指標として、動力伝達部14および弁体22にかかる負荷トルクTqを計算する(ステップS153)。
通常、出力軸16が回動している場合、あるいは、出力軸16を任意の一定開度で保持した場合、モータ13、動力伝達部14、および弁体22で発生するそれぞれのトルクは、互いにつり合った状態にあり、これらトルクの総和はゼロとなる。図5に示すように、例えば、任意の出力側開度θaxにおけるモータ13のモータトルクをTmとし、動力伝達部14における動力伝達トルクをTdとし、弁体22の弁体トルクをTvとした場合、任意の制御開度θxにおけるこれらトルクのつり合いは、次の式(1)で表される。
Figure 2020153405
なお、出力軸16が回動している場合、動力伝達トルクTdは発生するが、出力軸16を任意の一定開度で保持した場合、動力伝達トルクTdはゼロとなる。
一方、モータトルクTmは、例えばモータ13がDCモータからなる場合、モータ13のトルク定数をKTとし、出力側開度θaxにおいてモータ13に流れたモータ電流をIとすると、出力側開度θaxにおけるモータ13のモータトルクTmは、次の式(2)で求められる。
Figure 2020153405
したがって、これら式(1)および式(2)に基づいて、動力伝達部14および弁体22にかかる負荷トルクTqは、次の式(3)に示すように、モータトルクTmと等しくなる。このため、モータ電流を検出すれば、負荷トルクTqが得られることになる。
Figure 2020153405
なお、モータ13がACモータの1つである誘導機からなる場合、モータトルクTmは次のようにして求められる。まず、モータ13の同期速度をNs[rps]とし、出力側開度θaxにおけるモータ13の回転速度をN[rps]とした場合、出力側開度θaxにおけるモータ13のすべりsは、次の式(4)で表される。
Figure 2020153405
したがって、モータ13の固定子巻線の巻線抵抗およびリアクタンスをr1,x1とし、2次巻線の巻線抵抗およびリアクタンスをr2,x2とし、電源電圧をVとした場合、モータ13が誘導機からなる場合のモータトルクTmは、次の式(5)で求められる。
Figure 2020153405
この後、劣化指標処理部19Bは、得られた負荷トルクTqと予め設定されている負荷トルクTqの正常範囲Eとを比較し(ステップS154)、負荷トルクTqが正常範囲E内である場合には(ステップS154:YES)、動力伝達部14および弁体22の劣化状態は正常であると判定し(ステップS155)、一連の劣化指標処理を終了する。正常範囲Eについては、動力伝達部14および弁体22の設計時に算出した、負荷トルクTqの初期値と許容範囲とに基づいて決定すればよい。
一方、負荷トルクTqが正常範囲E外である場合には(ステップS154:NO)、動力伝達部14および弁体22の劣化状態は異常であると判定し(ステップS156)、一連の劣化指標処理を終了する。得られた劣化状態判定結果については、劣化指標処理部19BがLCDやLEDを用いた表示部(図示せず)でアラーム表示してもよく、データ通信により上位装置へ通知してもよい。
この際、劣化指標処理部19Bが、負荷トルクTqの経時変化を定期的に計算し、データ通信により上位装置へ順次通知してもよい。さらには、劣化指標処理部19Bが、計算した負荷トルクTqを記憶回路18に時系列データとして順次保存しておき、この時系列データから生成した近似関数に基づき将来の負荷トルクTqの推定値Tq’を推定し、推定値Tq’が正常範囲Eから離脱する時期を注意点として予測するようにしてもよい。これにより、動力伝達部14および弁体22の劣化時期すなわち交換時期を予測することができる。
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、劣化指標処理部19Bが、所定の計測タイミングにモータ13に生じたモータトルクTmに基づいて、動力伝達部14および弁体22の劣化指標として、動力伝達部14および弁体22にかかる負荷トルクTqを計算するようにしたものである。
電動アクチュエータ10や操作端を、保証期間を超えて長期にわたり使用した場合、電動アクチュエータ10の動力伝達部14が劣化して故障や経年変化などにより設計当初の動力伝達トルクが得られない場合も考えられる。また、弁体22が劣化して変形、故障、経年変化などにより設計当初の性能が得られない場合も考えられる。このような場合、電動アクチュエータ10から弁体22を精度よく開閉制御できなくなったり、弁体22を全閉位置や全開位置などの所定の回動位置まで確実に戻せなくなったりする可能性がある。このため、動力伝達部14や弁体22の劣化状態を把握しておくことが重要となる。
本実施の形態によれば、動力伝達部14および弁体22の劣化指標として、動力伝達部14および弁体22にかかる負荷トルクTqを容易に計算できるため、当初の設計値からの乖離幅に応じて、動力伝達部14および弁体22の劣化状態を容易に把握することができる。したがって、乖離幅が大きくなって劣化が進んだ場合には、故障発生する前に適切な対応をとることができ、極めて効果的な予知保全を実現することが可能となる。これにより、保証期間を超える長期使用を想定した場合でも、一定の信頼性を提供することが可能となる。また、負荷トルクTqの経時変化を、劣化指標処理部19Bや上位装置でモニタすることにより、動力伝達部14および弁体22の劣化時期すなわち交換時期を予測でき、動力伝達部14および弁体22の予知保全に極めて有用である。
また、劣化指標処理動作の所要時間は、モータ13に生じたモータトルクTmを取得するという、極めて短い時間で済むため、アプリケーションによっては、通常の運転動作中であっても劣化指標処理動作を行うことができる。したがって、劣化指標処理動作を定期的に実行することにより、動力伝達部14および弁体22の劣化状態の変化をいち早く検出でき、迅速な対応をとることが可能となる。
また、本実施の形態において、劣化指標処理部19Bで、計測タイミングにモータ13で生じたモータトルクTmそのものを、動力伝達部14および弁体22の負荷トルクTqとして計算するようにしてもよい。
これにより、電動アクチュエータ10の既存構成を用いて劣化指標を容易に計算でき、回路規模さらには製品コストの大幅な増大を必要とすることなく、電動アクチュエータ10の信頼性を高めることが可能となる。
また、本実施の形態において、劣化指標処理部19Bが、計測タイミングにモータ13に流れたモータ電流に基づいて、モータトルクTmを計算するようにしてもよい。これにより、極めて簡素な演算処理でモータトルクTmを計算することができる。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
10…電動アクチュエータ、11…設定回路、12…モータ駆動回路、13…モータ、13A…シャフト、14…動力伝達部、16…出力軸、17A…出力側角度センサ、17V…弁側角度センサ、18…記憶回路、19…制御回路、19A…開度制御部、19B…劣化指標処理部、20…弁本体、21…流路、22…弁体、23…内壁、24…本体上面、25…本体底面、26…弁軸、30…継手、31…ヨーク、S1,S2…圧力センサ、S3…温度センサ、Qref…流量目標値、Q…流量現在値、ΔQ…流量偏差、Sa…出力側センサ出力値、Sb…出力側出力基準値、Sv…弁側センサ出力値、Ss…弁側出力基準値、Tx…検出温度、P1…一次側圧力、P2…二次側圧力、ΔP…差圧、θx…制御開度、θa,θax…出力側開度、θv…弁側開度、Tm…モータトルク、Td…動力伝達トルク、Tv…弁体トルク、Tq…負荷トルク。

Claims (5)

  1. 弁体を回動するための出力軸と、
    動力伝達部を介して前記出力軸を回動するモータと、
    前記モータを駆動制御することにより前記弁体の開度を制御する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、
    所定の計測タイミングに前記モータに生じたモータトルクに基づいて、前記動力伝達部および前記弁体の劣化指標として、前記動力伝達部および前記弁体にかかる負荷トルクを計算する劣化指標処理部を有する
    ことを特徴とする電動アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の電動アクチュエータにおいて、
    前記劣化指標処理部は、前記計測タイミングに得られた前記モータトルクを、前記負荷トルクとして計算することを特徴とする電動アクチュエータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電動アクチュエータにおいて、
    前記劣化指標処理部は、前記計測タイミングに前記モータに流れたモータ電流に基づいて、前記モータトルクを計算することを特徴とする電動アクチュエータ。
  4. 弁体を回動するための出力軸と、動力伝達部を介して前記出力軸を回動するモータと、前記モータを駆動制御することにより前記弁体の開度を制御する制御回路とを備える電動アクチュエータで用いられる劣化指標計算方法であって、
    前記制御回路が、
    所定の計測タイミングに前記モータに生じたモータトルクを計算する第1のステップと、
    前記モータトルクに基づいて、前記動力伝達部および前記弁体の劣化指標として、前記動力伝達部および前記弁体にかかる負荷トルクを計算する第2のステップと
    を備えることを特徴とする劣化指標計算方法。
  5. 請求項4に記載の劣化指標計算方法において、
    前記第2のステップは、前記モータトルクを前記負荷トルクとして計算するステップからなることを特徴とする劣化指標計算方法。
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