JP2020153251A - 真空アクチュエータ、仕切りバルブ - Google Patents

真空アクチュエータ、仕切りバルブ Download PDF

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Abstract

【課題】油圧漏洩防止効果を強化する。【解決手段】チャンバ内で駆動する可動部72、固定部71に作動油圧を供給するメインシリンダ701を有する真空アクチュエータ700で、メインシリンダが、収納空間を有するケーシング750と、ケーシングに固定されたピストン712と、ピストンを覆うシリンダ本体711と、シリンダ本体とピストンとで形成される油圧空間714と、シリンダ本体に周設されたフランジ部711cを付勢する付勢部材720と、シリンダ本体を移動可能とする駆動軸731と、を有し、収納空間に、油圧空間と固定部と油圧流路713とに連通されて、油圧流路が過剰圧力状態となった場合に収納空間に向けて過剰圧力を開放可能な過圧防止部780が設けられる。【選択図】図1

Description

本発明は真空アクチュエータ、仕切りバルブに関し、特に真空中で油圧駆動可能な伸縮アクチュエータ、および、これを用いた振り子式仕切りバルブに用いて好適な技術に関する。
真空装置等においては、真空雰囲気とされるチャンバ内で対象物を押圧するための伸縮アクチュエータが設けられる。このような伸縮アクチュエータとしては、チャンバ内における汚染防止等の観点から、その多くは真空雰囲気であるチャンバ外に駆動部が配置されて、チャンバ内の伸縮部を駆動させる構成が知られている。
例えば、伸縮アクチュエータとしては、電磁駆動型、圧空駆動型などがある。
これに対し、本発明者らは、密閉時に弁体を弁箱開口に押しつける付勢部として、油圧駆動型の伸縮アクチュエータを有する振り子式仕切りバルブに関する出願をおこなっている(特許文献1)。
なお、この例の伸縮アクチュエータにおいて、高出力が必要な油圧での駆動は、基本的に伸長側であり、縮退側はバネ等を用いる構成である。
特許第6358727号公報
油圧駆動型の伸縮アクチュエータは、他のタイプの駆動方式に比べて、駆動部分を省スペース化することができる。特に、駆動可能な単位出力当たりの容積は、他のタイプの駆動方式に比べて、油圧駆動型の伸縮アクチュエータで、もっとも小さくできる。
このように、省スペースの可能な高出力の伸縮アクチュエータにおいて、特に、真空雰囲気への油漏れに対する安全性を向上したいという要求がある。
同様に、伸縮アクチュエータに対して作動油圧を供給する側においても、真空雰囲気への油漏れに対する安全性を向上したいという要求がある。
特に、この伸縮アクチュエータおよびこの伸縮アクチュエータを備えたバルブ等の油圧機構が、クリーンルーム内などの清浄な雰囲気に設置された場合には、大気圧程度となるクリーンルームに対しても、油漏れに対する安全性を向上したいという要求がある。
真空中での油漏れ対策としては、アクチュエータを含む油圧回路以外に漏れた油を収容する緩衝空間を設けることが考えられるが、その場合、駆動に必要な容積が大きくなってしまうという問題がある。しかし、伸縮アクチュエータにおいては、駆動可能な単位出力当たりの容積を小さくすることが要求される。
また、駆動部とは別構成として油漏れ用の緩衝空間を設けた場合には、部品点数の増加が避けられない。
さらに、油圧の想定外の上昇が発生した場合にも、駆動部分に対する有効な油漏れの防止策が要求される。
この油漏れの防止策として、油圧の想定外の上昇を検知するために駆動部分に対するセンサを設けた場合には、このセンサを外部に出力するために、密閉を破る必要があり、これを解決したいという要求があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.真空雰囲気への油漏れの防止効果向上を図ること。
2.省スペース化と部品点数の削減を図ること。
3.想定外の油圧上昇を検知可能とすること。
4.想定外の油圧上昇の発生した場合に確実な油漏れの防止を可能とすること。
本発明の真空アクチュエータは、真空雰囲気とされるチャンバ内で駆動する可動部と、前記可動部を駆動する固定部とを有し、前記固定部に作動油圧を供給するメインシリンダを有する真空アクチュエータであって、
前記メインシリンダが、
内部に密閉された収納空間を有するケーシングと、
軸線方向に移動可能として前記ケーシングの前記収納空間に収納される有底筒状のシリンダ本体と、
一端側が前記ケーシングを貫通した状態で前記収納空間の内側に固定されるとともに他端側が前記シリンダ本体に同軸状に挿入されて相対移動可能とするピストンと、
前記シリンダ本体の内側と前記ピストンの他端面とで形成される油圧空間と、
前記ピストンの軸線に沿って内部を貫通し前記油圧空間を前記固定部に連通するための油圧流路と、
前記シリンダ本体の開口端部の径方向外向きに周設されたフランジ部と、
前記ケーシングの前記収納空間に収納されて前記フランジ部を前記油圧空間が収縮する方向に付勢する付勢部材と、
前記ケーシングの前記収納空間に収納されるとともに前記シリンダ本体に同軸状態として接続されて前記シリンダ本体を前記ピストンに対して軸線方向に相対移動可能とする駆動軸と、
駆動部によって前記駆動軸を駆動する駆動伝達部と、
を有し、
前記収納空間の内面には、前記油圧流路に連通されて、前記油圧流路が過剰圧力状態となった場合に前記収納空間に向けて過剰圧力を開放可能な過圧防止部が設けられることにより上記課題を解決した。
本発明は、前記過圧防止部が、前記収納空間の前記フランジ部に対向する位置に露出して配置され、前記フランジ部が前記ケーシングの内面に当接した場合でも前記過圧防止部の表面が前記収納空間への連通状態を維持可能とする連通維持部が設けられることができる。
本発明において、前記過圧防止部が、前記ケーシングの厚さ方向の中側に位置する過圧防止流路により前記油圧流路に連通されることが好ましい。
本発明の真空アクチュエータは、真空雰囲気とされるチャンバ内で駆動する可動部と、前記可動部を駆動する固定部とを有し、前記固定部に作動油圧を供給するメインシリンダを有する真空アクチュエータであって、
前記メインシリンダが、
内部に密閉された収納空間を有するケーシングと、
軸線方向に移動可能として前記ケーシングの前記収納空間に収納される有底筒状のシリンダ本体と、
一端側が前記ケーシングを貫通した状態で前記収納空間の内側に固定されるとともに他端側が前記シリンダ本体に同軸状に挿入されて相対移動可能とするピストンと、
前記シリンダ本体の内側と前記ピストンの他端面とで形成される油圧空間と、
前記ピストンの軸線に沿って内部を貫通し前記油圧空間を前記固定部に連通するための油圧流路と、
前記シリンダ本体の開口端部の径方向外向きに周設されたフランジ部と、
前記ケーシングの前記収納空間に収納されて前記フランジ部を前記油圧空間が収縮する方向に付勢する付勢部材と、
前記ケーシングの前記収納空間に収納されるとともに、一端側が前記シリンダ本体に同軸状態として接続されて前記シリンダ本体を前記ピストンに対して軸線方向に相対移動可能とする駆動軸と、
駆動部によって前記駆動軸を駆動する駆動伝達部と、
を有し、
前記駆動軸の他端側には、非磁性体とされるスペーサを介して軸位置マグネットが設けられ、前記収納空間の外側に配置された磁気検出部により、前記軸位置マグネットの軸方向位置を検出可能とされる手段を採用することもできる。
本発明は、前記磁気検出部が、前記駆動軸の伸長位置と縮退位置とに対応してこれらを検出可能な位置に設けられることができる。
また、本発明の仕切りバルブは、ノーマルクローズ動作可能な仕切りバルブであって、
中空部と、
前記中空部を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路となる第1開口部及び第2開口部とを有する弁箱と、
前記流路を開放および閉塞可能な弁体と、
前記弁体を前記中空部内における退避位置と弁開口遮蔽位置との間で回転可能に支持するとともに流路方向に延在する軸線を有する回転軸と、
前記弁体を回転駆動可能な回転駆動部と、
前記流路方向における位置を変更可能として前記弁体に設けられる可動弁部と、
前記弁箱に設けられて前記弁開口遮蔽位置の前記可動弁部を前記流路方向に移動してクローズする弁箱付勢部と、
前記弁箱付勢部を非圧縮性流体の給排により駆動する非圧縮性流体駆動部と、
を具備し、
前記弁箱付勢部および前記非圧縮性流体駆動部が、上記のいずれか記載の真空アクチュエータとされることができる。
本発明の仕切りバルブは、前記弁箱付勢部が複数設けられて、複数の前記弁箱付勢部に充填された作動油と前記油圧空間に充填された作動油の量に対して、前記収納空間の容積が等しいか大きくなるように設定されることができる。
本発明の真空アクチュエータは、真空雰囲気とされるチャンバ内で駆動する可動部と、前記可動部を駆動する固定部とを有し、前記固定部に作動油圧を供給するメインシリンダを有する真空アクチュエータであって、
前記メインシリンダが、
内部に密閉された収納空間を有するケーシングと、
軸線方向に移動可能として前記ケーシングの前記収納空間に収納される有底筒状のシリンダ本体と、
一端側が前記ケーシングを貫通した状態で前記収納空間の内側に固定されるとともに他端側が前記シリンダ本体に同軸状に挿入されて相対移動可能とするピストンと、
前記シリンダ本体の内側と前記ピストンの他端面とで形成される油圧空間と、
前記ピストンの軸線に沿って内部を貫通し前記油圧空間を前記固定部に連通するための油圧流路と、
前記シリンダ本体の開口端部の径方向外向きに周設されたフランジ部と、
前記ケーシングの前記収納空間に収納されて前記フランジ部を前記油圧空間が収縮する方向に付勢する付勢部材と、
前記ケーシングの前記収納空間に収納されるとともに前記シリンダ本体に同軸状態として接続されて前記シリンダ本体を前記ピストンに対して軸線方向に相対移動可能とする駆動軸と、
駆動部によって前記駆動軸を駆動する駆動伝達部と、
を有し、
前記収納空間の内面には、前記油圧流路に連通されて、前記油圧流路が過剰圧力状態となった場合に前記収納空間に向けて過剰圧力を開放可能な過圧防止部が設けられる。これにより、モータ等の駆動部によって駆動軸を介してシリンダ本体を駆動することで、ピストンに対してシリンダ本体が軸方向に移動する。これに対して、駆動部が駆動されていない場合には、付勢部材の付勢力によってピストンに対してシリンダ本体が軸方向の反対向きに移動する。
このピストンに対するシリンダ本体の軸方向位置の往復移動によって、油圧空間の容積が変化する。油圧空間の増減によって、油圧空間に充填された作動油が、油圧流路を介して固定部に流入可能または流出可能である。作動油が固定部に流入または流出することで、可動部が固定部に対して駆動される。
真空アクチュエータにおいて過剰圧力状態となった場合に、過圧防止部が収納空間に向けて過剰圧力を開放する。これにより、何らかの異常が起こって過剰圧力が発生した場合でも、過圧防止部以外が破壊されることなく過剰圧力を収納空間に逃がして、真空アクチュエータの油圧回路以外に作動油が漏れてしまうことを防止できる。
同時に、付勢部材およびシリンダ本体が収納された収納空間を、真空側となる外部への油漏れに防止する緩衝空間とすることができる。
したがって、油圧によって駆動されるアクチュエータとして、単位容積当たりの出力を高い状態を維持しながら、部品点数の増加を防止して、油漏れを確実に防止することが可能となる。
本発明は、前記過圧防止部が、前記収納空間の前記フランジ部に対向する位置に露出して配置され、前記フランジ部が前記ケーシングの内面に当接した場合でも前記過圧防止部の表面が前記収納空間への連通状態を維持可能とする連通維持部が設けられる。これにより、前記フランジ部が前記ケーシングの内面に当接した場合でも連通維持部によって前記過圧防止部の表面が前記収納空間への連通状態を維持可能とすることができる。
本発明において、前記過圧防止部が、前記ケーシングの厚さ方向の中側に位置する過圧防止流路により前記油圧流路に連通される。これにより、ケーシングの壁部に過圧防止流路を設けることができる。したがって、ケーシング外部に過圧防止流路を設けることがなく、真空アクチュエータの省スペース化を図りつつ、過圧状態が発生した場合でも、油漏れを防止することができる。
本発明の真空アクチュエータは、真空雰囲気とされるチャンバ内で駆動する可動部と、前記可動部を駆動する固定部とを有し、前記固定部に作動油圧を供給するメインシリンダを有する真空アクチュエータであって、
前記メインシリンダが、
内部に密閉された収納空間を有するケーシングと、
軸線方向に移動可能として前記ケーシングの前記収納空間に収納される有底筒状のシリンダ本体と、
一端側が前記ケーシングを貫通した状態で前記収納空間の内側に固定されるとともに他端側が前記シリンダ本体に同軸状に挿入されて相対移動可能とするピストンと、
前記シリンダ本体の内側と前記ピストンの他端面とで形成される油圧空間と、
前記ピストンの軸線に沿って内部を貫通し前記油圧空間を前記固定部に連通するための油圧流路と、
前記シリンダ本体の開口端部の径方向外向きに周設されたフランジ部と、
前記ケーシングの前記収納空間に収納されて前記フランジ部を前記油圧空間が収縮する方向に付勢する付勢部材と、
前記ケーシングの前記収納空間に収納されるとともに、一端側が前記シリンダ本体に同軸状態として接続されて前記シリンダ本体を前記ピストンに対して軸線方向に相対移動可能とする駆動軸と、
駆動部によって前記駆動軸を駆動する駆動伝達部と、
を有し、
前記駆動軸の他端側には、非磁性体とされるスペーサを介して軸位置マグネットが設けられ、前記収納空間の外側に配置された磁気検出部により、前記軸位置マグネットの軸方向位置を検出可能とされる。これにより、軸位置マグネットが収納空間の内部に位置し、磁気検出部が収納空間の外部に位置した状態で、ケーシングの収納空間における密閉状態を維持したまま、駆動軸の軸方向位置、すなわち、油圧空間の容積変化を検知することができる。したがって、収納空間における密閉状態を維持したまま、固定部に供給する油圧の状態を検知することができる。これにより、収納空間からの油漏れを防止しつつ、真空アクチュエータを駆動することが可能となる。
本発明は、前記磁気検出部が、前記駆動軸の伸長位置と縮退位置とに対応してこれらを検出可能な位置に設けられる。これにより、収納空間における密閉状態を維持したまま、可動部の動作に対応した駆動軸の位置を外部の磁気検知部によって検知することができる。したがって、油圧空間の容積を正確に制御して、油圧の正確な供給をおこなうことができる。
また、本発明の仕切りバルブは、ノーマルクローズ動作可能な仕切りバルブであって、
中空部と、
前記中空部を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路となる第1開口部及び第2開口部とを有する弁箱と、
前記流路を開放および閉塞可能な弁体と、
前記弁体を前記中空部内における退避位置と弁開口遮蔽位置との間で回転可能に支持するとともに流路方向に延在する軸線を有する回転軸と、
前記弁体を回転駆動可能な回転駆動部と、
前記流路方向における位置を変更可能として前記弁体に設けられる可動弁部と、
前記弁箱に設けられて前記弁開口遮蔽位置の前記可動弁部を前記流路方向に移動してクローズする弁箱付勢部と、
前記弁箱付勢部を非圧縮性流体の給排により駆動する非圧縮性流体駆動部と、
を具備し、
前記弁箱付勢部および前記非圧縮性流体駆動部が、上記のいずれか記載の真空アクチュエータとされる。これにより、油圧回路において過圧状態が発生しても、油圧回路および真空アクチュエータ内の密閉を維持して真空側への油漏れを防止可能な仕切りバルブを提供することができる。過圧状態が発生しても、過圧防止部によって漏出した作動油はシリンダ本体の設けられた収納空間へと移動する。さらに、漏出した作動油は、この収納空間に貯留されて、真空側となる外部へと漏れることがない。
本発明の仕切りバルブは、前記弁箱付勢部が複数設けられて、複数の前記弁箱付勢部に充填された作動油と前記油圧空間に充填された作動油の量に対して、前記収納空間の容積が等しいか大きくなるように設定される。これにより、何らかの原因によって、複数の弁箱付勢部における固定部および油圧空間の容積が同時に縮小する事態が発生した場合でも、過圧防止部によって漏出した作動油を、シリンダ本体の設けられた収納空間へ全て貯留することができ、真空側となる外部への油漏れが発生することがない。
なお、収納空間の容積は、漏れる可能性のある油量を貯留可能な大きさに設定されていればよい。
本発明によれば、真空雰囲気への油漏れの防止効果向上を図ること、省スペース化と部品点数の削減を図ること、想定外の油圧上昇を検知可能とすること、想定外の油圧上昇の発生した場合に確実な油漏れの防止を可能とすることが可能な真空アクチュエータ、仕切りバルブを提供することができるという効果を奏することが可能となる。
本発明に係る真空アクチュエータの第1実施形態における加圧状態のメインシリンダを示す模式説明図である。 本発明に係る真空アクチュエータの第1実施形態における減圧状態のメインシリンダを示す模式説明図である。 本発明に係る真空アクチュエータの第1実施形態における過圧状態のメインシリンダを示す模式説明図である。 本発明に係る仕切りバルブの第2実施形態における構成を示す流路に沿った模式断面図であり、弁体が退避位置(弁開放位置)に配置されている場合を示す図である。 本発明に係る仕切りバルブの第2実施形態における構成を示す流路に沿った模式断面図であり、弁体が弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)に配置されている場合を示す図である。 本発明に係る仕切りバルブの第2実施形態における構成を示す流路に沿った模式断面図であり、弁体が弁閉塞位置に配置されている場合を示す図である。 本発明に係る仕切りバルブの第2実施形態における真空アクチュエータを示す模式説明図である。 本発明に係る真空アクチュエータの第3実施形態におけるメインシリンダを示す拡大断面図である。 本発明に係る真空アクチュエータの第4実施形態におけるメインシリンダの他の例を示す拡大断面図である。 本発明に係る真空アクチュエータにおける磁気検出部を説明するための図である。 本発明に係る真空アクチュエータにおける磁気検出部を説明するための図である。 本発明に係る真空アクチュエータにおける磁気検出部を説明するための図である。 本発明に係る真空アクチュエータにおける磁気検出部を説明するための図である。 本発明の第5実施形態に係る仕切りバルブの構成を示す流路と直交する断面図である。 本発明の第5実施形態に係る仕切りバルブの構成を示す流路に沿った断面図であり、弁体が退避動作可能位置(FREE)に配置されている場合を示す図である。 図14における線分A−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁体が退避動作可能位置(FREE)に配置されている場合を示す図である。 図14における線分B−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁体が退避動作可能位置(FREE)に配置されている場合を示す図である。 図14における線分C−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁体が退避動作可能位置(FREE)に配置されている場合を示す図である。 図15における弁枠付勢部の要部を示す拡大図であり、弁体が退避動作可能位置(FREE)に配置されている場合を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る仕切りバルブの構成を示す流路に沿った断面図であり、弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)に配置されている場合を示す図である。 図14における線分A−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)に配置されている場合を示す図である。 図14における線分B−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)に配置されている場合を示す図である。 図14における線分C−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)に配置されている場合を示す図である。 図17における弁枠付勢部の要部を示す拡大図であり、弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)に配置されている場合を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る仕切りバルブの構成を示す流路に沿った断面図であり、弁体が逆圧位置に配置されている場合を示す図である。 図14における線分A−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁体が逆圧位置に配置されている場合を示す図である。 図14における線分B−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁体が逆圧位置に配置されている場合を示す図である。 図14における線分C−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁体が逆圧位置に配置されている場合を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る仕切りバルブにおける弁箱での弁箱付勢部の配置を示す斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る仕切りバルブにおける弁箱での弁箱付勢部の配置を示す斜視図である。
以下、本発明に係る真空アクチュエータの第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、本実施形態に係る真空アクチュエータにおけるメインシリンダ(油圧発生部)を断面視した説明図である。
図1は、真空アクチュエータにおけるメインシリンダ(油圧発生部)の加圧状態を示す。図2は、真空アクチュエータにおけるメインシリンダ(油圧発生部)の減圧状態を示す。図3は、真空アクチュエータにおけるメインシリンダ(油圧発生部)の過圧状態を示す。
図において、符号700は、真空アクチュエータである。
本実施形態に係る真空アクチュエータ(油圧駆動手段)700は、図1〜図3に示すように、押しつけシリンダ70と、メインシリンダ(油圧発生部)701と、油圧管702と、駆動部705と、を有する。
真空アクチュエータ(油圧駆動手段)700は、メインシリンダ(油圧発生部)701で発生させた非圧縮性流体(圧油)を押しつけシリンダ70に給排、つまり、供給および排出する。
押しつけシリンダ70は、大気側に設けられるメインシリンダ(油圧発生部)701に油圧管702を介して接続される。押しつけシリンダ70は、供給された油圧によって駆動される。
押しつけシリンダ70は、可動部(伸縮ロッド)72と、固定部71と、を有する。
可動部(伸縮ロッド)72は、真空雰囲気とされるチャンバChにおいて伸縮駆動される。
固定部71では、供給された油圧によって可動部(伸縮ロッド)72を伸縮駆動する。
メインシリンダ(油圧発生部)701は、固定部71に作動油圧を供給する。
駆動部705は、メインシリンダ(油圧発生部)701を駆動するモータ等である。駆動部705は、制御部(コントローラ)706に接続されて制御される。また、駆動部705は電源707に接続されて、駆動部705を駆動するための電力を供給される。
メインシリンダ(油圧発生部)701は、図1〜図3に示すように、油圧シリンダ710と、付勢部材720と、シリンダ駆動部730と、ケーシング750と、を備えている。
油圧シリンダ710は、押しつけシリンダ70の固定部71に非圧縮性流体である圧油を加圧して供給する。
付勢部材720は、油圧シリンダ710を付勢する。
シリンダ駆動部730は、付勢部材720に抗して油圧シリンダ710を駆動可能である。
ケーシング750は、これら油圧シリンダ710、付勢部材720、シリンダ駆動部730を収納する。
油圧シリンダ710は、有底筒状のシリンダ本体711と、シリンダ本体711の内部で軸線方向に相対的に移動可能なピストン712とを有する。
ピストン712は、その軸線に沿って内部を貫通する油圧流路713を有する。 油圧流路713は油圧管702に接続されている。
油圧流路713は、非圧縮性流体である圧油(駆動流体)を油圧管702に対して流入可能または流出可能である。
ピストン712は、油圧管702に接続される側(一端側)の油圧流路713がケーシング750を貫通する。ピストン712の一端側である端部712aは、ケーシング750に取り付けられて固定される。ピストン712の端部712aは、Oリングおよびシール材によってシールされる。
ピストン712の端部712aに対して反対側の他端側となる端部712bは、シリンダ本体711の内部に同軸状態として摺動可能に位置する。
シリンダ本体711の端部711aは開口されている。シリンダ本体711の開口端部である端部711aの内部には、ピストン712が挿入される。
シリンダ本体711はピストン712に対して軸線方向に相対的に移動可能である。したがって、シリンダ本体711はケーシング750に対して軸線方向に相対的に移動可能である。
シリンダ本体711の他端側となる端部711bは閉塞される。シリンダ本体711の端部711bの内側と、ピストン712の端部712bの端面(他端面)とで油圧空間714が形成される。油圧空間714には、非圧縮性流体である圧油(駆動流体)が充填される。
油圧空間714は、シリンダ本体711とピストン712とが相対的に軸線方向に移動した場合に、容積が増減する。この油圧空間714の容積増減にともない、油圧空間714に充填された圧油が、油圧流路713を介して油圧管702に流入または流出する。
シリンダ本体711の端部711aには、フランジ部711cが外周位置に設けられる。フランジ部711cは、端部711aから径方向外向きに張り出して周設される。
フランジ部711cの端部711bに向かう面には、付勢部材720となる内バネ721の端部721aが当接している。同様に、フランジ部711cの端部711bに向かう面には、付勢部材720となる外バネ722の端部722aが当接している。
フランジ部711cの端部711bに向かう面には、シリンダ本体711の外周面に近接して周溝711dが周設される。
周溝711dには、付勢部材720となる内バネ721の端部721aが当接している。周溝711dの外周位置となるフランジ部711cの端部711bに向かう面には、外バネ722の端部722aが当接している。
付勢部材720は、内バネ721および外バネ722を有する。内バネ721および外バネ722は、コイルバネとされる。内バネ721および外バネ722は、シリンダ本体711およびピストン712と同軸状に配置される。
内バネ721は、シリンダ本体711の外周面の径寸法よりもやや大きい内径寸法を有する。外バネ722は、内バネ721の外径寸法よりもやや大きい内径寸法を有する。
外バネ722は、内バネ721よりも大きな線径とされる。外バネ722は、内バネ721よりも大きな付勢力を有する。
内バネ721および外バネ722は、伸縮方向への付勢力をシリンダ本体711に伝達可能とされている。内バネ721および外バネ722は、いずれもシリンダ本体711のフランジ部711cを、ピストン712の端部712aに向けて押圧するように付勢されている。
内バネ721の端部721bおよび外バネ722の端部722bは、ケーシング750に当接している。これにより、付勢部材720は、シリンダ本体711をケーシング750に対して付勢する。
なお、付勢部材720は、シリンダ本体711を付勢することが可能であれば、この構成に限るものではない。
シリンダ本体711の内周面には、端部711aに近接する位置に、ブシュ711e、Y形パツキン711f,711gが設けられる。シリンダ本体711の内周面とピストン712の外周面とは摺動可能に密閉される。
シリンダ本体711の端部711aには、外側位置にシリンダ駆動部730の駆動軸731の端部731aが同軸状として接続される。
シリンダ駆動部730は、シリンダ本体711をピストン712に対して軸線方向に相対的に移動させる駆動軸731と、モータ等の駆動部705によって駆動軸731を駆動する駆動伝達部と、を有する。
駆動軸731は、シリンダ本体711およびピストン712と同軸状態としてケーシング750内に配置される。駆動軸731は軸方向に移動可能とされる。駆動軸731、はピストン712およびケーシング750に対して軸線方向に相対的に移動可能である。
駆動軸731の外周面には端部731aに近接する位置に、ボールネジ731cが形成される。
駆動軸731の軸方向におけるボールネジ731cの長さは、シリンダ本体711が軸方向に移動する際、その全範囲に対して、後述するボールネジ731cと内側螺面732cとが螺合状態を維持可能なように設定される。
駆動軸731の径方向外側には、ボールネジ731cの外周位置に、ネジ駆動ギア732が同軸状に配置される。駆動軸731は、ネジ駆動ギア732によってケーシング750に対して支持される。
駆動軸731の端部731aと反対側となる端部731b側には、後述する回り止め731hが径方向に突出して設けられる。
回り止め731hは、ケーシング750に設けられたすべり溝757の内部に位置する。回り止め731hは、駆動軸731が周方向に回転しないで軸方向に移動可能なように移動方向を規制している。
ネジ駆動ギア732は筒状とされる。ネジ駆動ギア732は、ケーシング750に対して回転可能に支持される。
ネジ駆動ギア732の外周にはボールベアリング732fおよびボールベアリング732gが設けられる。ボールベアリング732fおよびボールベアリング732gは、駆動軸731の軸方向に離間して配置される。
ボールベアリング732fおよびボールベアリング732gは、ケーシング750に対して駆動軸731と同軸に回転可能としてネジ駆動ギア732を支持する。
なお、ネジ駆動ギア732は、ケーシング750に対して軸方向には移動しない。
ネジ駆動ギア732の内周には内側螺面732cが形成される。内側螺面732cは、駆動軸731のボールネジ731cと螺合する。
ネジ駆動ギア732が回転した場合、内側螺面732cと螺合しているボールネジ731cにより、駆動軸731に回転力が作用する。駆動軸731は、回り止め731hおよびすべり溝757によって回転が規制されている。したがって、駆動軸731は、すべり溝757に規制された方向、すなわち、駆動軸731の軸方向に移動する。
ネジ駆動ギア732の外周には外側ギア732dが形成される。外側ギア732dは、ネジ駆動ギア732の軸方向において、ボールベアリング732fおよびボールベアリング732gの間に挟まれた位置に形成される。ネジ駆動ギア732において、外側ギア732dは、径方向の最外側に位置する。
なお、ネジ駆動ギア732は、内側螺面732cの形成された内ネジ駆動ギア732aと、外側ギア732dの形成された外ネジ駆動ギア732bと、が一体として接続されていることができる。
外側ギア732dは、駆動ギア733dと噛合する。駆動ギア733dは、駆動軸731の軸線と平行な回転軸線を有する。駆動ギア733dは、駆動軸731の軸線と平行な回転軸734に回転自在に支持される。
回転軸734は、駆動軸731の径方向における外側に離間した位置としてケーシング750に支持される。
駆動ギア733dは、外側ギア732dよりも駆動軸731の径方向における外側に位置する。
駆動ギア733dは、同軸の駆動ギア733eと一体に形成される。駆動ギア733eは、駆動ギア733dよりも大きな径寸法を有する。駆動ギア733eは、駆動ギア733dと一体に回転する。
駆動ギア733eは、駆動ギア735と噛合する。駆動ギア735は、駆動軸731の軸線と平行な回転軸線を有する。駆動ギア735は、駆動軸731の軸線と平行な回転軸736に回転自在に支持される。
駆動ギア733eは、駆動ギア733dよりも駆動軸731の径方向における外側に位置する。
回転軸736は、駆動軸731の径方向における外側位置で、回転軸734よりもさらに離間した位置としてケーシング750に支持される。
駆動ギア735は、駆動ギア737と噛合する。駆動ギア737は、駆動軸731の軸線と平行な回転軸線を有する。駆動ギア737は、駆動軸731の軸線と平行なモータ等の駆動部705の回転駆動軸705aに固定される。
駆動ギア737は、駆動ギア733eよりも駆動軸731の径方向における外側に位置する。
回転駆動軸705aは、駆動軸731の径方向における外側位置で、回転軸736よりもさらに離間した位置とされる。回転駆動軸705aは、ケーシング750に貫通状態として回転可能に取り付けられる。
ネジ駆動ギア732、ボールベアリング732f,732g、内側螺面732c、外側ギア732d、駆動ギア733d、駆動ギア733e、回転軸734、駆動ギア735、回転軸736、駆動ギア737は、駆動伝達部を構成する。
ケーシング750は、ケーシング筒751と、ケーシング蓋752と、後ケーシング753と、リング754と、蓋部758と、からなる。
ケーシング750は、密閉される。
ケーシング筒751は、筒状とされる。
ケーシング蓋752は、ケーシング筒751の一端を閉塞する。
後ケーシング753は、ケーシング筒751の他端を閉塞する。
リング754は、ケーシング筒751と後ケーシング753との間に設けられる。
蓋部758は、後ケーシング753の他端を閉塞する。
ケーシング筒751は、シリンダ本体711、ピストン712、駆動軸731と同軸状に延在する内部形状を有する。ケーシング筒751の内部には収納空間755が形成されている。
収納空間755の内部には、シリンダ本体711と、ピストン712と、付勢部材720となる内バネ721および外バネ722と、駆動軸731の端部751aと、が収納される。
収納空間755は、ピストン712の位置する側が開口しており、ケーシング蓋752によって閉塞されている。
ケーシング蓋752にはピストン712が接続固定されている。ケーシング蓋752にはピストン712の端部712aが貫通している。ピストン712は、ケーシング蓋752の略中央位置に設けられる。
ケーシング蓋752には、過圧防止部780が設けられる。
過圧防止部780は、収納空間755に露出して配置される。
過圧防止部780は、油圧流路713が過剰圧力状態となった場合に収納空間755に向けて過剰圧力を開放可能とされる。
具体的には、過圧防止部780は、あらかじめ決められた設定圧力で確実に作動するノンメカニカルな圧力安全装置であるラプチャーディスクとされる。
過圧防止部780は、例えばJIS B8226破裂板式安全装置として規格化された破裂板(ラプチャーディスク)を有する安全装置である。
過圧防止部780における破裂板(ラプチャーディスク)としては、油圧空間714、油圧流路713、油圧管702、固定部71等において、これらの圧力容器や配管の一部に圧力容器や配管の強度より弱い強度を有する部分(ウィークスポット)とされる。
過圧防止部780は、油圧空間714、油圧流路713、油圧管702、固定部71等において、内圧が異常昇圧した際、この弱い破裂板(ラプチャーディスク)の部分だけが破壊されて内圧を放出して容器や配管を保護する。
過圧防止部780の収納空間755に対する反対面は、過圧防止流路781とされている。
過圧防止流路781は、ケーシング蓋752において収納空間755に面した凹部として形成される。つまり、過圧防止流路781の収納空間755に面した開口側が過圧防止部780によって閉塞される。
過圧防止流路781は、ピストン712の油圧流路713に連通している。過圧防止流路781は、ピストン712を径方向に貫通する過圧防止流路781aに連通する。
過圧防止流路781は、ケーシング蓋752の厚さ方向の中側に形成される。ここで、ケーシング蓋752の厚さ方向の中側とは、ケーシング蓋752の肉厚を減少するように形成されていることを意味する。
したがって、過圧防止流路781が収納空間755に面していてもよいし、過圧防止流路781が収納空間755に露出していなくてもよい。
過圧防止部780に対向する位置となるフランジ部711cには、連通維持部782が設けられる。
連通維持部782は、後述するように、フランジ部711cがケーシング蓋752の内面に当接した場合でも、過圧防止部780の表面が収納空間755への連通状態を維持可能とする。
具体的には、連通維持部782は、フランジ部711cにおいて、過圧防止部780に対向する位置から、フランジ部711cの径方向外縁位置まで形成された凹溝とされる。
連通維持部782は、フランジ部711cがケーシング蓋752の内面に当接した場合でも、過圧防止部780の表面と収納空間755とを連通可能である。
これにより、過圧防止部780の表面がフランジ部711cによって遮断されることがない。
なお、連通維持部782は、ケーシング蓋752における収納空間755に面した表面側に設けることもできる。この場合にも、連通維持部782は、フランジ部711cの径方向外縁位置まで形成された凹溝とされることができる。
過圧防止部780は、油圧空間714、油圧流路713、油圧管702、固定部71等において、過剰圧力状態となった場合に、過圧防止流路781を介してこれらと同圧となる。圧力が所定値を越えた場合に、過圧防止部780は、収納空間755に向けて破裂して、過剰な作動油を収納空間755に向けて放出可能とされる。
収納空間755は、駆動軸731の位置する側が開口しており、後ケーシング753によって閉塞されている。後ケーシング753に近接する収納空間755から後ケーシング753にかけては、駆動軸731が貫通している。
収納空間755には、後ケーシング753に近接する位置に、リング754が設けられる。
リング754は、後ケーシング753となる外周縁部がケーシング筒751に接している。
リング754は、駆動軸731の径方向に延在する円環状の板体とされる。
リング754は、駆動軸731と同軸として駆動軸731の周囲に配置される。リング754の内周と駆動軸731の外周とは離間している。
リング754は、フランジ部711cの内周、すなわち、シリンダ本体711の外周面の径寸法と等しい内径を有する。また、リング754は、フランジ部711cの外径寸法と等しい外径を有する。
リング754のケーシング蓋752に対向する面には、付勢部材720、つまり、内バネ721の端部721bおよび外バネ722の端部722bが当接している。
リング754のケーシング蓋752に対向する面には、周溝711dに対応するように周溝754dが周設される。
周溝754dには、付勢部材720となる内バネ721の端部721bが当接している。周溝754dの外周位置となるリング754のケーシング蓋752に向かう面には、外バネ722の端部722bが当接している。
ケーシング筒751と後ケーシング753との間には、駆動系支持部751kおよび駆動系支持部753kが設けられる。駆動系支持部751kおよび駆動系支持部753kは、収納空間755よりも駆動軸731の径方向外側に向けて延在する。
駆動系支持部751kおよび駆動系支持部753kは、ケーシング筒751および後ケーシング753に対して周方向の一部分をなすフランジ状に形成される。
駆動系支持部751kと駆動系支持部753kとは、互いに接触している。駆動系支持部751kと駆動系支持部753kとの間には、ネジ駆動ギア732、ボールベアリング732f、ボールベアリング732g、外側ギア732d、駆動ギア733d、駆動ギア733e、回転軸734、駆動ギア735、回転軸736、駆動ギア737が挟持される。
駆動系支持部751kと駆動系支持部753kとの対向する面には、ネジ駆動ギア732、ボールベアリング732f、ボールベアリング732g、外側ギア732d、駆動ギア733d、駆動ギア733e、回転軸734、駆動ギア735、回転軸736、駆動ギア737に対応する凹凸が形成される。
駆動系支持部751kと駆動系支持部753kとは、ネジ駆動ギア732、ボールベアリング732f,732g、駆動ギア733d、駆動ギア733e、回転軸734、駆動ギア735、回転軸736、駆動ギア737を、対向する面の間で支持している。
また、駆動系支持部751kには、回転駆動軸705aが貫通している。駆動系支持部751kには、モータ等の駆動部705が取り付けられている。
ケーシング筒751とネジ駆動ギア732との間にはボールベアリング732fが設けられる。ボールベアリング732fは、ケーシング筒751に対してネジ駆動ギア732を回転可能に支持する。
後ケーシング753とネジ駆動ギア732との間にはボールベアリング732gが設けられる。ボールベアリング732gは、後ケーシング753に対してネジ駆動ギア732を回転可能に支持する。
後ケーシング753には、駆動軸731が軸方向に移動した際に、駆動軸731の端部731bの逃げとなる後空間756が形成される。
後空間756の容積は、収納空間755の容積との和が、油圧空間714に充填された作動油の量と、メインシリンダ(油圧発生部)701に接続された全ての複数の押しつけシリンダ70の固定部71に充填された作動油の量と、の和に対して、等しいか大きくなるように設定される。
後空間756と収納空間755との境界となる位置には、ネジ駆動ギア732が配置される。つまり、後空間756と収納空間755との境界となる位置には、駆動軸731が軸方向に移動可能として配置されている。
後空間756には、すべり溝757が形成される。すべり溝757は、後空間756を拡径するように形成される。すべり溝757は、駆動軸731の径方向外側に位置する。すべり溝757は、駆動軸731の軸方向に延在する。
すべり溝757は、回り止め731hが内部を摺動することで、駆動軸731の軸方向の移動を可能とする。すべり溝757は、回り止め731hが内部を摺動することで、駆動軸731の周方向における回転を規制する。
後空間756の端部は、蓋部758によって閉塞されている。
後ケーシング753の外周面には、検出凹部760aが設けられる。検出凹部760aは、駆動軸731の軸方向において、後空間756における蓋部758に近接する側となる位置に設けられる。
検出凹部760aは、後空間756には連接しておらず、後空間756は後ケーシング753によって密閉されている。
検出凹部760aの内部には、駆動軸731の軸方向位置を検出可能なリードスイッチ(磁気検出部)760が配設される。リードスイッチ(磁気検出部)760は、制御部706に接続される。
検出凹部760aの開口部分は、カバー部760bによって閉塞される。カバー部760bの外面は、後ケーシング753の外周面と面一とされる。
後ケーシング753の外周面には、検出凹部761aが設けられる。検出凹部761aは、駆動軸731の軸方向において、後空間756におけるネジ駆動ギア732に近接する側となる位置に設けられる。
検出凹部761aは、後空間756には連接しておらず、後空間756は後ケーシング753によって密閉されている。
検出凹部761aの内部には、駆動軸731の軸方向位置を検出可能なリードスイッチ(磁気検出部)761が配設される。リードスイッチ(磁気検出部)761は、制御部706に接続される。
検出凹部761aの開口部分は、カバー部761bによって閉塞される。カバー部761bの外面は、後ケーシング753の外周面と面一とされる。
リードスイッチ(磁気検出部)760およびリードスイッチ(磁気検出部)761は、駆動軸731の縮退位置と伸長位置とに対応して、これらを検出可能な位置に設けられる。
リードスイッチ(磁気検出部)760およびリードスイッチ(磁気検出部)761は、いずれも略同一の構成とされ、所定の大きさの磁界が印加されることにより接点を閉じて、印加磁界の存在を検出可能な構成とされる。
具体的には、リードスイッチ(磁気検出部)760およびリードスイッチ(磁気検出部)761が、磁気材料である鉄ニッケル合金線材をプレスしてリード片に加工し、その先端の接点部を白金系金属で電気めっきしたものをわずかな間隔で対向させ、不活性ガスとともにガラス管の中に封入した構造とすることができる。
なお、リードスイッチ(磁気検出部)760およびリードスイッチ(磁気検出部)761は、このような磁気検出が可能であれば、他の構成とすることもできる。具体的には、AMR(Anisotropic Magneto Resistive)センサ等の磁気スイッチとすることも可能である。
駆動軸731の後空間756側となる端部731bには、軸位置マグネット764が設けられる。
軸位置マグネット764は、所定強度の磁場を常に形成する永久磁石とされる。
軸位置マグネット764は、非磁性体とされるスペーサ763を介して駆動軸731の軸方向端面に配置される。
軸位置マグネット764は、駆動軸731の軸方向にN極およびS極が向くように配置される。
スペーサ763は、例えばアルミニウム等とされる非磁性体からなる。
スペーサ763における駆動軸731の軸方向における厚さ寸法は、軸位置マグネット764からの磁束をリードスイッチ(磁気検出部)760およびリードスイッチ(磁気検出部)761で検出可能な磁気回路を形成可能な条件として設定される。
スペーサ763は、駆動軸731の軸方向において、軸位置マグネット764が、例えば鋼材等の磁性体とされる駆動軸731から所定距離だけ離間した配置となる。
スペーサ763によって、軸位置マグネット764の形成する磁場が、例えば鋼材等の磁性体とされる駆動軸731側に変形されてしまうことを防止する。
これにより、駆動軸731の径方向において、軸位置マグネット764の形成する磁場が減弱することを防止できる。
したがって、スペーサ763によって、軸位置マグネット764の形成する磁場が、リードスイッチ(磁気検出部)760および/またはリードスイッチ(磁気検出部)761で検知可能な強度を維持することができる。
まず、駆動軸731が収納空間755から後空間756に向けて軸方向に移動した場合を想定する。
この場合、駆動軸731の移動にともなって、リードスイッチ(磁気検出部)760に軸位置マグネット764が近接する。
すると、軸位置マグネット764の形成した磁界が増大して、リードスイッチ(磁気検出部)760の接点が閉じて、磁気が所定強度以上になったことを検知する。
これにより、リードスイッチ(磁気検出部)760は、駆動軸731が収納空間755から後空間756に向けて移動した場合に、駆動軸731が軸方向にリードスイッチ(磁気検出部)760で規定された位置に到達したことを検知する。
また、駆動軸731が後空間756から収納空間755に向けて軸方向に移動した場合を想定する。
この場合、駆動軸731の移動にともなって、リードスイッチ(磁気検出部)761に軸位置マグネット764が近接する。
すると、軸位置マグネット764の形成した磁界が増大して、リードスイッチ(磁気検出部)761の接点が閉じて、磁気が所定強度以上になったことを検知する。
これにより、リードスイッチ(磁気検出部)761は、駆動軸731が後空間756から収納空間755に向けて移動した場合に、駆動軸731が軸方向にリードスイッチ(磁気検出部)761で規定された位置に到達したことを検知する。
ここで、リードスイッチ(磁気検出部)が、駆動軸731が軸方向における所定の位置に到達したことを制御部706に出力した場合、信号を受け取った制御部706は、モータ等の駆動部705の駆動を停止する信号を出力する。
これにより、モータ等の駆動部705は駆動を停止する。したがって、リードスイッチ(磁気検出部)の設置された位置によって、駆動軸731の移動位置が規制される。
あるいは、リードスイッチ(磁気検出部)761が、駆動軸731が軸方向における所定の位置に到達したことを制御部706に出力した場合、信号を受け取った制御部706は、モータ等の駆動部705の駆動を開始する信号を出力する。
これにより、モータ等の駆動部705は駆動を開始する。したがって、リードスイッチ(磁気検出部)761の設置された位置によって、駆動軸731の移動位置が規制される。
このように、メインシリンダ(油圧発生部)701は、制御部706の出力信号によって、モータ等の駆動部705における駆動状態の切り替えを可能とされる。
制御部706が駆動信号を出力すると、モータ等の駆動部705が駆動して、回転駆動軸705aが回転する。回転駆動軸705aの回転により、回転駆動軸705aに取り付けられた駆動ギア737が回転する。駆動ギア737の回転は、噛合する駆動ギア735に伝達される。駆動ギア735の回転は、噛合する駆動ギア733eに伝達される。
駆動ギア733eの回転は、一体として形成された駆動ギア733dに伝達される。駆動ギア733dの回転は、噛合する外側ギア732dに伝達されて、ネジ駆動ギア732が回転する。外側ギア732dの回転は、一体として形成されたネジ駆動ギア732の内側螺面732cに伝達される。
ネジ駆動ギア732の内側螺面732cの回転は、噛合する駆動軸731のボールネジ731cに伝達されて、駆動軸731が回転する。ネジ駆動ギア732は、ボールベアリング732f,732gによって支持されているので、回転しても、軸方向に移動しない。
駆動軸731は、内側螺面732cによって支持されるとともに、回り止め731hがすべり溝757の内部に位置して、駆動軸731の移動方向が規制されている。このため、駆動軸731は、回転した場合に軸方向に移動する。
このように、駆動伝達部によって、モータ等の駆動部705の回転駆動力が駆動軸731に伝達され、駆動軸731が軸方向に移動する。
駆動軸731が軸方向に移動すると、一体として接続されたシリンダ本体711も、同様にして軸方向に移動する。このとき、ピストン712は、ケーシング蓋752に固定されているので移動しない。これにより、シリンダ本体711とピストン712とが軸線方向に相対的に移動する。
ここで、シリンダ本体711とピストン712とが相対的に移動することで、シリンダ本体711内部の油圧空間714の容積が変化する。油圧空間714の容積変化に応じて、油圧空間714に充填された非圧縮性流体である圧油(駆動流体)が油圧流路713に流入または流出する。
シリンダ本体711には、フランジ部711cに当接する付勢部材720となる内バネ721および外バネ722が付勢力を付与している。
本実施形態の真空アクチュエータ700においては、ノーマルプッシュ、つまり、モータ等の駆動部705が駆動していない際に、可動部(伸縮ロッド)72を伸長可能とする。このため、メインシリンダ(油圧発生部)701の油圧シリンダ710において、付勢部材720からの付勢力は、内バネ721および外バネ722が伸長する方向となる。つまり、付勢部材720からシリンダ本体711へ付与された付勢力は、シリンダ本体711がネジ駆動ギア732から離間する方向となる。
したがって、付勢部材720の付勢力は、シリンダ本体711における油圧空間714の容積が減少するように付与されている。
また、本実施形態の真空アクチュエータ700においては、ノーマルプッシュ、つまり、モータ等の駆動部705が駆動された際に、可動部(伸縮ロッド)72を縮退可能とする。このため、メインシリンダ(油圧発生部)701の油圧シリンダ710において、モータ等の駆動部705の駆動により、駆動軸731が移動する方向は付勢部材720の付勢力と反対向きとなる。つまり、モータ等の駆動部705の駆動により、駆動軸731はピストン712から離間する方向に移動する。
したがって、モータ等の駆動部705の駆動により、シリンダ本体711における油圧空間714の容積は増大するように駆動軸731が移動する。
メインシリンダ(油圧発生部)701は、モータ等の駆動部705を駆動しない場合、図1に示すように、付勢部材720の付勢力によって油圧空間714の容積が減少する。これにより、油圧空間714積が加圧される。非圧縮性流体である圧油(駆動流体)が、油圧空間714から油圧流路713を介して油圧管702に対して流入する。このとき、押しつけシリンダ70では油圧が作用して、可動部(伸縮ロッド)72の先端部72aが伸長する。
また、メインシリンダ(油圧発生部)701は、モータ等の駆動部705を駆動した場合、図2に示すように、モータ等の駆動部705の駆動力によって油圧空間714の容積が増大する。これにより、油圧空間714積が減圧される。非圧縮性流体である圧油(駆動流体)が油圧流路713を介して油圧管702から油圧空間714に対して流入する。このとき、押しつけシリンダ70では油圧が作用して、可動部(伸縮ロッド)72の先端部72aが縮退する。
また、メインシリンダ(油圧発生部)701では、何らかの原因により、シリンダ本体711がケーシング蓋752側にオーバーランした場合でも、図3に示すように、フランジ部711cがケーシング蓋752に当接して、シリンダ本体711の移動を停止する。これにより、油圧空間714の減少を所定範囲に制限する。したがって、メインシリンダ(油圧発生部)701は、過剰な圧油(駆動流体)を押しつけシリンダ70へ流入させないことができる。
本実施形態の真空アクチュエータ700において、軸位置マグネット764、リードスイッチ(磁気検出部)760およびリードスイッチ(磁気検出部)761によって、収納空間755における密閉状態を維持したまま、駆動軸731の軸方向位置、つまり、油圧空間714の容積を検知することが可能となる。
したがって、異常増圧による油漏れが発生した場合でも、これを収納空間755に貯留した、真空アクチュエータ700の油圧回路以外に作動油が漏れてしまうことを防止できる。
本実施形態の真空アクチュエータ700において、油圧空間714、油圧流路713、油圧管702、固定部71等から形成される油圧回路が過剰圧力状態となった場合に、過圧防止部780が収納空間755に向けて過剰圧力を開放する。これにより、何らかの異常が起こって過剰圧力が発生した場合でも、過圧防止部780以外が破壊されることなく過剰圧力を収納空間755に逃がして、真空アクチュエータ700の油圧回路以外に作動油が漏れてしまうことを防止できる。
同時に、付勢部材720およびシリンダ本体711が収納された収納空間755を、真空側となる外部への油漏れを防止する緩衝空間とすることができる。
したがって、油圧によって駆動されるアクチュエータとして、単位容積当たりの出力を高い状態を維持しながら、部品点数の増加を防止して、油漏れを確実に防止することが可能となる。
このとき、収納空間755および後空間756の容積の和が、緊急時に漏れる可能性のある油量に比べて等しいか大きくなるように設定されることで、油漏れを確実に防止することが可能となる。
ここで、緊急時に漏れる可能性のある油量とは、概ね、メインシリンダ(油圧発生部)701に接続された全ての複数の押しつけシリンダ70の固定部71に充填された作動油の量と、油圧空間714に充填された作動油の量との和を意味する。
本実施形態においては、連通維持部782によって、フランジ部711cがケーシング蓋752の内面に当接した場合でも、過圧防止部780の表面が収納空間755への連通状態を維持可能である。これにより、フランジ部711cがケーシング蓋752の内面に当接した場合でも、連通維持部782によって過圧防止部780の表面から開放された過圧状態の作動油が収納空間755へと放出されることを妨げない。
本実施形態において、過圧防止部780を油圧流路713に連通する過圧防止流路781が、ケーシング蓋752の厚さ方向の中側に位置することにより、ケーシング蓋752外部に別の流路を設ける必要がない。したがって、真空アクチュエータ700における省スペース化を図りつつ、過圧状態が発生した場合でも、油漏れを防止することができる。
さらに、本実施形態の真空アクチュエータ700においては、固定部71から油圧管702を介して油圧空間714までの油圧回路で油が漏れた場合に、これを検出することができる。
具体的には、油圧回路において収容される油量が減少した場合には、付勢部材720の付勢力によって油圧空間714の容積が減少する。これにより、軸方向における駆動軸731の往復動作範囲が、想定した位置からピストン712に近接する方向に移動することになる。
したがって、想定した位置に比べて、駆動軸731の軸方向移動における早い段階でリードスイッチ(磁気検出部)761から検出信号が出力されることになる。このため、油圧回路において収容される油量が減少したことを検出可能である。
さらに、本実施形態の真空アクチュエータ700においては、図3に示すオーバーラン時に、駆動軸731の軸方向位置を検出するリードスイッチ(磁気検出部)を、リードスイッチ(磁気検出部)761よりもケーシング蓋752側に配置することもできる。
これにより、図3に示すオーバーランを検出することが可能となる。
以下、本発明に係る真空アクチュエータおよび真空アクチュエータを備えた仕切りバルブの第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図4は、本実施形態における仕切りバルブの退避位置(弁開放位置)を示す流路に沿った模式断面図である。
図5は、本実施形態における仕切りバルブの弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)を示す流路に沿った模式断面図である。
図6は、本実施形態における仕切りバルブの弁閉塞位置を示す流路に沿った模式断面図である。
図7は、本実施形態における真空アクチュエータの油圧駆動手段を示す模式図である。
本実施形態において、上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
図において、符号100は、仕切りバルブである。
本実施形態に係る仕切りバルブ100は、ノーマルクローズ動作可能な振り子型スライド弁である。
本実施形態に係る仕切りバルブ100は、図4〜図6に示すように、弁箱10と、中空部11と、弁体5と、回転軸20と、回転駆動部21と、真空アクチュエータ(油圧駆動手段)700と、を備える。
本実施形態における真空アクチュエータ700は、図4〜図7に示すように、仕切りバルブ100において、弁閉塞位置とする付勢部(押しつけシリンダ)70と、これを駆動するメインシリンダ(油圧発生部)701と、を有する油圧駆動手段(非圧縮性流体駆動部)とされる。
仕切りバルブ100において、弁箱10は、中空部11と、中空部11を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路Hとなる第1開口部12aおよび第2開口部12bと、を有する。
流路Hは、第2開口部12bから第1開口部12aに向かって設定されている。
弁体5は、弁箱10の中空部11内に配置され流路Hを開放および閉塞可能である。
回転軸20は、流路H方向に延在する軸線を有する。
回転軸20は、弁体5を中空部11内における退避位置(弁開放位置)と弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)との間で回転可能に支持する。
退避位置(弁開放位置)では、弁体5が第1開口部12aから退避して流路Hを連通可能な開放状態(図4)とされる。
弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)では、弁体5が第1開口部12aを遮蔽する閉塞可能状態(図5)にする。
仕切りバルブ100は、退避位置(弁開放位置)と弁閉塞位置(図6)との間で動作する。
回転駆動部21は、回転軸20を回転駆動可能であり、弁体5を往復回転動作させることが可能である。
弁体5は、回転軸20に接続される中立弁部30、中立弁部30に接続される弁枠部63、および、弁枠部63に接続される可動弁部(可動弁板部)54から構成される。
中立弁部30は、回転軸20に固定される。中立弁部30は、中空部11における流路H方向の中央位置を維持する。
弁枠部63は、可動弁部(可動弁板部)54の周囲に位置する。弁枠部63は、中立弁部30に固定される。弁枠部63は、中立弁部30とともに、退避位置(弁開放位置)と弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)と弁閉塞位置とにおいて、中空部11の中央位置を維持する。
可動弁部(可動弁板部)54は、弁枠部63に対して流路H方向に摺動可能とされる。可動弁部(可動弁板部)54は、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)と弁閉塞位置とにおいて、弁枠部63に対して流路H方向における位置を変更可能である。
可動弁部(可動弁板部)54は、退避位置(弁開放位置)および退避位置(弁開放位置)と弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)との間の往復回転動作において、中空部11の中央位置を維持する。
可動弁部(可動弁板部)54には、第1開口部12aの周囲に位置する弁箱10の内面に密着される弁板シールパッキンが設けられる。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は弁箱10に埋め込んで設けられる。弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、可動弁部(可動弁板部)54の周方向に沿って複数配置される。
なお、真空アクチュエータ700において、伸縮ロッド(可動部)72が伸張する真空側となるチャンバChは、流路Hと連通する中空部11に対応する。
弁箱10に内蔵された弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、油圧管702を介して大気側に設けられるメインシリンダ(油圧発生部)701に接続される。弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、油圧によって駆動される。
メインシリンダ(油圧発生部)701は、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70に非圧縮性流体(圧油)を給排、つまり、供給および排出して、複数の付勢部(押しつけシリンダ)70を同時に駆動する。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)と弁閉塞位置とにおいて、可動弁部(可動弁板部)54を流路H方向における第1開口部12aに向けて付勢して、弁板シールパッキンを第1開口部12aの周囲に位置する弁箱10の内面に密着可能とする機能を有する。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)にある可動弁部(可動弁板部)54の周囲を流路H方向に押圧して、移動した可動弁部(可動弁板部)54により流路Hをクローズ(閉塞)する。
また、本実施形態に係る仕切りバルブ100は、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)と弁閉塞位置とにおいて、可動弁部(可動弁板部)54が弁枠部63に対して流路H方向における位置が変更可能に接続される。
さらに、弁枠部63または可動弁部(可動弁板部)54には、図示していないが、可動弁部(可動弁板部)54を弁枠部63に対して流路H方向における中空部11の中央位置に向けて付勢する付勢部(中立付勢部)を備える。
これにより、仕切りバルブ100は、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70が動作していない場合には、弁箱10の内部において、可動弁部(可動弁板部)54が中空部11の中央位置に維持するノーマルクローズ機構を有する。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70と弁枠部63の付勢部(中立付勢部)とによって、弁枠部63と可動弁部(可動弁板部)54との流路H方向における厚み寸法が調整可能である。
回転軸20が流路Hの方向に交差する方向に回転すると、この回転に従って、回転軸20に固定されている中立弁部30も一体として回動する。また、可動弁部(可動弁板部)54は中立弁部30に厚さ方向のみ摺動可能とされているため、可動弁部(可動弁板部)54は、中立弁部30と一体に回転する。
中立弁部30を回転することにより、流路Hが設けられていない中空部11とされる退避位置(弁開放位置)から、第1開口部12aに対応する位置とされる流路Hを遮蔽する弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)に、可動弁部(可動弁板部)54が振り子運動で移動する。
本実施形態の真空アクチュエータ700において、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70の固定部71は弁箱10に内蔵される。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、付勢部材(押しつけバネ)73を有する。付勢部材(押しつけバネ)73は、可動弁部(可動弁板部)54から離間する方向に可動部(伸縮ロッド)72を付勢可能として配置される。
なお、付勢部材(押しつけバネ)73は、図4〜6では図示していない。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70においては、図4,図5に示すように、付勢部材(押しつけバネ)73によって縮退した可動部(伸縮ロッド)72が、可動弁部(可動弁板部)54から離間して、弁箱10に内蔵された固定部71に収納される。
これにより、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70においては、縮退した収納状態から、油圧の供給により可動部(伸縮ロッド)72を伸長する。この際、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、可動部(伸縮ロッド)72によって、可動弁部(可動弁板部)54を第1開口部12aに向けて移動させて、可動弁部(可動弁板部)54を弁箱10の内面に接触させる。さらに、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、可動弁部(可動弁板部)54を弁箱10の内面に押圧して閉塞状態とし、流路Hを閉鎖する(閉弁動作)。
この可動部(伸縮ロッド)72の伸長状態から、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、油圧の解除によって可動部(伸縮ロッド)72の先端部を縮退させる。この際、付勢部(中立付勢部)は、可動弁部(可動弁板部)54を第1開口部12aから離間させる。これにより、可動弁部(可動弁板部)54が弁箱10の内面から引き離されて退避される。可動弁部(可動弁板部)54を流路H方向における中空部11の中央位置とすることにより、流路Hを開放する(解除動作)。
このように、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70における機械的な当接動作と機械的な分離動作とによって、閉弁動作と解除動作が可能となる。
ここで、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70における機械的な当接動作とは、弁箱10の内面に対して可動弁部(可動弁板部)54を当接させる動作である。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70における機械的な分離動作とは、付勢部(中立付勢部)によって、弁箱10の内面から可動弁部(可動弁板部)54を引き離す動作である。
この解除動作の後に、回転軸20が回転駆動部21によって回転駆動される(退避動作)と、この回転に従って中立弁部30および可動弁部(可動弁板部)54も一体として回動する。
仕切りバルブ100は、この解除動作と退避動作とにより、可動弁部(可動弁板部)54が弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)から退避位置(弁開放位置)に退避して弁開状態とする弁開動作が行われる。
真空アクチュエータ700における弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70の駆動は、メインシリンダ(油圧発生部)701から供給された油圧(加圧非圧縮性流体)によっておこなわれる。
真空アクチュエータ700は、メインシリンダ(油圧発生部)701と、油圧管702と、切替弁(スプール弁)800と、を有する。
切替弁(スプール弁)800は、油圧管702に設けられて回転軸20の回転が弁閉塞位置および弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)となっていることを検出して油圧供給を切り替え可能である。
メインシリンダ(油圧発生部)701は、仕切りバルブ100におけるノーマルクローズが可能な構成とされている。
メインシリンダ(油圧発生部)701は、可動部(伸縮ロッド)72を伸縮動作する際に、正圧または負圧となる油圧を弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70に供給するとともに、動作終了時に、油圧状態を維持可能とされている。また、可動弁部(可動弁板部)54への可動部(伸縮ロッド)72の当接状態を適切に制御可能となっている。
本実施形態における仕切りバルブ100においては、図4に示すように、可動弁部(可動弁板部)54が退避位置(弁開放位置)にあって、流路Hが全開して流通可能な状態とされる。
また、可動弁部(可動弁板部)54が、図4に示す退避位置(弁開放位置)から、図5に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)にまで閉回転動作する間は、流路Hが部分的に可動弁部(可動弁板部)54によって覆われており、流路Hが一部流通可能である。
さらに、可動弁部(可動弁板部)54が、図5に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)に到達した直後は、流路Hが可動弁部(可動弁板部)54によって遮蔽されているが、密閉はされておらず、流路Hが可動弁部(可動弁板部)54の周縁部付近で一部流通可能である。
また、真空アクチュエータ700における可動部(伸縮ロッド)72の伸長駆動により、可動弁部(可動弁板部)54が流路H方向における位置を変更する密閉動作をおこなう。これにより、可動弁部(可動弁板部)54が、図5に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)から、図6に示す弁閉塞位置にまで摺動して、流路Hが閉塞される。
次に、真空アクチュエータ700における可動部(伸縮ロッド)72の縮退駆動により、可動弁部(可動弁板部)54が流路H方向における位置を変更する開放動作をおこなう。これにより、可動弁部(可動弁板部)54が、図6に示す弁閉塞位置から、図5に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)にまで摺動する。この際には、流路Hが部分的に可動弁部(可動弁板部)54で覆われており、流路Hが一部流通可能である。
さらに、可動弁部(可動弁板部)54が、図5に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)から閉回転動作を開始した直後には、流路Hの密閉が解除され、流路Hが可動弁部(可動弁板部)54の周縁部付近で一部流通可能になる。同時に、流路Hが可動弁部(可動弁板部)54によって遮蔽されているが、密閉はされていない状態となる。
さらに、可動弁部(可動弁板部)54が、図5に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)から図4に示す退避位置(弁開放位置)にまで開回転動作する間は、流路Hが部分的に可動弁部(可動弁板部)54によって覆われており、流路Hが一部流通可能である。
なお、可動弁部(可動弁板部)54の回転動作中は、真空アクチュエータ700は可動部(伸縮ロッド)72の縮退状態を維持し、可動部(伸縮ロッド)72の伸長駆動はおこなわない。
本実施形態においては、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以下、本発明に係る真空アクチュエータの第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
図8は、本実施形態に係る真空アクチュエータにおけるメインシリンダを示す拡大断面図である。
本実施形態においては、上述した第1実施形態と異なるのは、過圧防止流路781および過圧防止部780の配置に関し、これ以外の共通する構成には、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態においては、図8に示すように、過圧防止流路781が、収納空間755に露出していないケーシング蓋752の厚さ方向における中部位置に設けられることができる。この場合でも、過圧防止流路781は、ピストン712の径方向に延在する部分を有する。
また、図8に示すように、連通維持部782が、フランジ部711cを貫通する貫通孔として設けることができる。この場合、連通維持部782は、過圧防止部780に対向する位置として、ピストン712の軸方向に延在する。
本実施形態においては、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以下、本発明に係る真空アクチュエータの第4実施形態を、図面に基づいて説明する。
図9は、本実施形態に係る真空アクチュエータにおけるメインシリンダを示す拡大断面図である。
本実施形態においては、上述した第1実施形態と異なるのは、過圧防止流路781および過圧防止部780の配置に関し、これ以外の共通する構成には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図9に示すように、過圧防止流路781が、収納空間755の外側に設けられることができる。この場合、過圧防止流路781は、ケーシング750の外側位置で、油圧管702に接続される。また、過圧防止部780が、ケーシング筒751に設けられることもできる。この場合、連通維持部782を設ける必要はない。
あるいは、図示していないが、過圧防止部780が、ケーシング蓋752に設けられてもよい。
本実施形態においては、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
さらに、本実施形態において、軸位置マグネット764、リードスイッチ(磁気検出部)760およびリードスイッチ(磁気検出部)761は、次のような条件を満たすことができる。
図10〜図13は、磁気検出部を説明するための図である。
図10は、軸位置マグネット764とリードスイッチ(磁気検出部)760との位置関係を示す図である。
図11は、図10に示す位置関係において、軸位置マグネット764の形成する磁界Piを、リードスイッチ(磁気検出部)760によって測定した結果である。
図12は、軸位置マグネット764とリードスイッチ(磁気検出部)760、リードスイッチ(磁気検出部)761およびリードスイッチ(磁気検出部)761との位置関係を示す図である。なお、図12には、図3に示すオーバーラン時に検出可能なリードスイッチ(磁気検出部)765を有する構成である。
図13は、図12に示す位置関係において、軸位置マグネット764の形成する磁界Piを、リードスイッチ(磁気検出部)760,761,765によって測定した結果である。
図13に示すグラフ中におけるx=8mm付近の横線は、軸位置マグネット764外周の磁気検出部760,761,765側の接線を示しており、各磁気検出部760,761,765の動作回数は、Pi下限付近で2回、Pi上限付近で1回である。
以下、本発明に係る真空アクチュエータを備えた仕切りバルブの第5実施形態を、図面に基づいて説明する。
本実施形態において上述した第2実施形態と異なるのは仕切りバルブの振り子弁体に関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
図14は、本実施形態における仕切りバルブの構成を示す流路と直交する断面図である。
図15は、本実施形態における仕切りバルブの構成を示す流路に沿った断面図で、弁体が退避動作可能位置(FREE)に配置されている場合を示す図である。図15は、図14における線分B−O−Cに相当する。図16〜図19は、図15と同様に、弁体が退避動作可能位置(FREE)に配置されている場合を示す図である。
図16は、図14における線分A−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁箱に内蔵された弁箱付勢部の付近に位置する部材の構造を示す図である。
図17は、図14における線分B−Oに沿う要部を示す拡大図であり、可動弁枠部と可動弁板部との間に配された弁板付勢部の付近に位置する部材の構造を示す図である。
図18は、図14における線分C−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁箱付勢部と弁板付勢部が存在しない位置における可動弁枠部と可動弁板部を示す図である。
図19は、図14における弁枠付勢部の要部を示す拡大図であり、図15において弁枠付勢部を紙面奥行き方向に見た図である。
図20は、本実施形態における仕切りバルブの構成を示す流路に沿った断面図で、弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)に配置されている場合を示す図である。図20は、図14における線分B−O−Cに相当する。図21〜図24は、図20と同様に、弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)に配置されている場合を示す図である。
図21は、図14における線分A−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁箱に内蔵された弁箱付勢部の付近に位置する部材の構造を示す図である。
図22は、図14における線分B−Oに沿う要部を示す拡大図であり、可動弁枠部と可動弁板部との間に配された弁板付勢部の付近に位置する部材の構造を示す図である。
図23は、図14における線分C−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁箱付勢部と弁板付勢部が存在しない位置における可動弁枠部と可動弁板部を示す図である。
図24は、図14における弁枠付勢部の要部を示す拡大図であり、図18において弁枠付勢部を紙面奥行き方向に見た図である。
図25は、本実施形態における仕切りバルブの構成を示す流路に沿った断面図で、弁体が逆圧位置に配置されている場合を示す図である。図25は、図14における線分B−O−Cに相当する。図26〜図28は、図24と同様に、弁体が逆圧位置に配置されている場合を示す図である。
図26は、図14における線分A−Oに沿う部を示す拡大図であり、弁箱に内蔵された弁箱付勢部の付近に位置する部材の構造を示す図である。
図27は、図14における線分B−Oに沿う要部を示す拡大図であり、可動弁枠部と可動弁板部との間に配された弁板付勢部の付近に位置する部材の構造を示す図である。
図28は、図14における線分C−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁箱付勢部と弁板付勢部が存在しない位置における可動弁枠部と可動弁板部を示す図である。
図29は、図15における弁箱での弁箱付勢部の配置を示す斜視図である。
図30は、図15における弁箱での弁箱付勢部の配置を示す斜視図である。
[振り子型仕切りバルブ]
本実施形態に係る仕切りバルブ100は、図14〜図18に示すように、振り子型スライド弁である。
仕切りバルブ100は、第1空間と第2空間とをつなげている流路Hを仕切り、また、この仕切り状態を開放する。つまり、仕切りバルブ100は、流路Hを閉鎖した状態と、第1空間と第2空間とをつなぐ状態と、を切り替える。
仕切りバルブ100は、弁箱10と中立弁体5と回転軸20とを備える。
弁箱10の内部には中空部11が形成される。弁箱10は、中空部11を有するフレームによって構成される。
弁箱10には、中空部11を挟んで互いに対向するように第1開口部12aおよび第2開口部12bが設けられる。
第1開口部12aから第2開口部12bまでは中空部11を介して連通される。
第1開口部12aから第2開口部12bに向かって流路Hが設定されている。
第1開口部12aは、第1空間に露出されている。第2開口部12bは、第2空間に露出されている。つまり、仕切りバルブ100は、第1空間と第2空間との間に挿入される。
なお、以下の説明において、この流路Hに沿った方向を流路H方向と称することがある。
弁箱10の中空部11内には、中立弁体5が配置される。
中立弁部30は、位置切り替え部としての回転軸20に接続される。
回転軸20は、流路H方向とほぼ平行に延在する軸線を有する。回転軸20は、弁箱10を貫通する。回転軸20は、不図示の駆動装置により回転可能である。
回転軸20には、接続部材(不図示)が固着されている。
接続部材は、例えば、略平板状の部材である。接続部材は、回転軸20の一端に対してネジ等によって固着される。
回転軸20には、接続部材(不図示)を介して中立弁部30が固定される。
あるいは、回転軸20には、接続部材(不図示)を介さずに中立弁部30が直接接続されてもよい。
回転軸20は、中立弁体5の位置切り替え部として機能する。
中立弁体5は、第1開口部12aおよび/または第2開口部12bを閉塞可能である。本実施形態においては、第1開口部12aを閉塞可能とする。
中立弁体5は、弁閉塞位置と弁開放位置との間で動作する。
弁閉塞位置において、中立弁体5は、第1開口部12aに対して閉塞状態(図20)にする。
弁開放位置において、中立弁体5は、第1開口部12aから退避した開放状態(図15)にする。
中立弁体5は、中立弁部30、および、可動弁部40から構成されている。
中立弁部30は、回転軸20の軸線に対して直交する方向に延在する。中立弁部30は、回転軸20の軸線に対して直交する方向に平行な面に含まれるように配置される。
中立弁部30は、図14に示すように、円形部30aと回転部30bとを有する。
円形部30aは、流路H方向視して、可動弁部40と重なるように配置される。
回転部30bは、回転軸20の回転に伴って円形部30aを回転させる。回転部30bは、回転軸20と円形部30aとの間に位置する。
回転部30bは、回転軸20から円形部30aに向けて、2本の腕が延びたアーム形状で形成されている。回転部30bは、アーム部と呼称されてもよい。
これら回転軸20、中立弁部30は、弁箱10に対して回動はするが、流路H方向には位置変動しない。
可動弁部40は略円板状とされる。
可動弁部40は、中立弁部30に対して流路H方向の位置が変更可能に接続される。つまり、可動弁部40は、中立弁部30に対して厚さ方向のみ摺動可能として接続される。
可動弁部40は、2つの可動弁枠部60(スライド弁板)と可動弁板部50(カウンター板)とを備える。
可動弁枠部60は、円形部30aと略同心状の略円環状とされる。
可動弁枠部60は、円形部30aに嵌合される。可動弁枠部60は、中立弁部30に対して流路H方向に摺動可能とされる。
可動弁枠部60と中立弁部30との間には、弁枠付勢部90(補助バネ)が配置される。
可動弁枠部60は、弁枠付勢部90(補助バネ)によって、中立弁部30に対して流路H方向における位置が変更可能に接続される。
可動弁板部50は、円形部30aと略同心状の円形輪郭を有する板体とされる。
可動弁板部50は、可動弁枠部60に嵌合される。可動弁板部50は、可動弁枠部60に対して流路H方向に摺動可能とされる。
可動弁枠部60は、可動弁板部50の周囲を囲むように配置される。
可動弁板部50と可動弁枠部60とは、弁板付勢部80(保持バネ)によって接続される。
可動弁板部50と可動弁枠部60とは、図15に符号B1,B2で示された往復方向に、互いに相対的な摺動が可能である。
往復方向B1,B2とは、可動弁板部50および可動弁枠部60の面に垂直な方向である。往復方向B1,B2とは、回転軸20の軸方向に平行な流路H方向である。
可動弁板部50には、弁箱内面10Bに対向(当接)する位置に、カウンタークッション51が周設される。
カウンタークッション51は、第2開口部12bの形状に対応して円環状に形成される。
カウンタークッション51は、Oリング等からなるシール部とされる。カウンタークッション51は、閉弁時に第2開口部12bの周縁となる弁箱内面10Bに密着可能である。
カウンタークッション51は、閉弁時に第2開口部12bの周縁となる弁箱内面10Bに接触して、可動弁板部50および弁箱内面10Bによって押圧される。これにより、第1空間と第2空間とが仕切り状態となる。
カウンタークッション51は、弾性体である。
カウンタークッション51は、可動弁板部50と弁箱内面10Bとの衝突時に、弾性変形する。カウンタークッション51は、可動弁板部50が弁箱内面10Bに衝突する際の衝撃を緩和する。これにより、ゴミの発生を防ぐことが可能となる。
可動弁板部50には気抜き穴53が設けられる。
可動弁板部50と弁箱内面10Bとが衝突した際に、可動弁板部50と弁箱内面10Bとカウンタークッション51とによって密閉空間が形成される。気抜き穴53は、この密閉空間から気体を除去する。
可動弁板部50の外周付近における全領域には、内周クランク部50cが形成される。内周クランク部50cは、流路H方向と平行な摺動面50bを有する。
可動弁枠部60の内周付近における全領域には、外周クランク部60cが形成される。外周クランク部60cは、流路H方向と平行な摺動面60bを有する。
外周クランク部60cおよび内周クランク部50cは嵌合している。
摺動面50bと摺動面60bとは、互いに摺動可能として対向状態に位置する。
外周クランク部60cと内周クランク部50cとの間には、Oリング等からなる摺動シールパッキン52が配される。摺動シールパッキン52により、摺動時における、摺動面50bと摺動面60bとのシール状態を維持する。
可動弁枠部60には、弁箱10の内面に対向(当接)する表面に、弁枠シールパッキン61が周設される。
弁枠シールパッキン61は、第1開口部12aの形状に対応して円環状に形成される。弁枠シールパッキン61は、例えば、Oリング等からなるシール部とされる。
弁枠シールパッキン61は、第1開口部12aの周囲に位置する弁箱10の内面に密着可能である。
弁枠シールパッキン61は、閉弁時に第1開口部12aの周縁となる弁箱内面10Aに接触して、可動弁枠部60および弁箱内面10Aによって押圧される。これにより、第1空間と第2空間とが仕切り状態となる。
弁枠シールパッキン61と摺動シールパッキン52とは、ほぼ同一円筒面上に配置される。弁枠シールパッキン61と摺動シールパッキン52とが、図16〜図18に示すラインRに重なるように配置される。
このため、約100%の逆圧キャンセル率が得られる。
弁枠付勢部90は、中立弁部30の円形部30aと、流路H方向視して円形部30aと重なる可動弁枠部60の位置規制部65と、の間に配置される。
弁枠付勢部90は、中立弁部30に対して、可動弁枠部60を流路H方向における中央位置に向けて付勢する。
弁枠付勢部90は、円形部30aの周方向に等間隔を有して複数配置される。図14では、3個の弁枠付勢部90が配置された構成例を示している。
弁枠付勢部90は、弾性部材であり、板バネとされる。
弁枠付勢部90(板バネ)は、その長手方向が円形部30aの周方向に沿って配置される。
弁枠付勢部90(板バネ)の両端部分は、図19に示すように、固定ピン92と固定ピン93とによって中立弁部30の円形部30aに係止される。弁枠付勢部90(板バネ)の両端部分は、それぞれ厚さ方向にリング状部材92a、リング状部材92bを挟んで円形部30aに係止される。
弁枠付勢部90(板バネ)の中央部分は、印圧ピン91によって可動弁枠部60の位置規制部65に係止される。
仕切りバルブ100の開弁状態(図15)においては、流路H方向における中立弁部30(アーム)と可動弁枠部60との離間距離が狭くなる。
これにより、弁枠付勢部90は、高さ方向(厚さ方向)の距離が縮まる。
すなわち、弁枠付勢部90における印圧ピン91と固定ピン92との間には、厚さ方向に褶曲する曲部90Aが形成される(図19)。同様に、弁枠付勢部90における印圧ピン91と固定ピン93との間には、厚さ方向に褶曲する曲部90Aが形成される(図19)。
これに対して、仕切りバルブ100が閉弁状態(図20)においては、流路H方向における中立弁部30(アーム)と可動弁枠部60との離間距離が広くなる。
これにより、弁枠付勢部90は、高さ方向(厚さ方向)の距離が伸びる。すなわち、弁枠付勢部90では、曲部90Aが解消する(図24)。
弁枠付勢部90は、閉弁状態(図20)から開弁状態(図15)へ変化する場合に、弁箱10の内面から可動弁枠部60を引き離す機械的な分離動作を促す構造を有する。
弁枠付勢部90は、機械的な分離動作を促す機能に加えて、中立弁部30(アーム)に対する可動弁枠部60の径方向および周方向の位置を保持する機能も備える。
弁箱10には、複数の弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70(押しつけシリンダ)が内蔵されている。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、前述した第1〜第4実施形態における押しつけシリンダ70とされる。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、可動弁枠部60をシール面に向く方向に押圧する昇降機構を構成している。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、メインシリンダ(油圧発生部)701に接続されており油圧によって駆動される。
メインシリンダ(油圧発生部)701は、前述した第1〜4実施形態におけるメインシリンダ(油圧発生部)701とされる。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、可動弁枠部60を流路H方向における第1開口部12aに近接する方向に付勢可能な位置、つまり、第2開口部12bの周囲となる位置に配置される。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、油圧駆動部(固定部)71と、伸縮ロッド(可動部)72とを有する。
油圧駆動部(固定部)71は、中空部11に対して弁箱内面10Bよりも外側となるフレームの内部に埋め込まれた配置とされる。
伸縮ロッド(可動部)72は、流路H方向に沿って固定部71から第1開口部12aに近接する方向に伸長自在な配置とされる。
複数の弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、可動弁枠部60の姿勢を変化させずに付勢可能な位置として弁箱10に配される。複数の弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、第2開口部12bの周囲に沿って等間隔に離間して設けられる。
複数の弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70を設ける箇所は、3箇所以上が好ましい。
図29,図30には、互いに離間する弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70の配置として、弁体の中心Oから見て、4個の弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70が同じ角度位置(90度)で離間するように配置された構成例を示す。
中心Oから見て、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70の角度位置は、弁板付勢部80と弁枠付勢部90との角度位置と重ならないように構成される。
開弁状態(図15)から閉弁状態(図20)とする場合に、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、油圧によって伸縮ロッド(可動部)72を伸張させる。
このとき、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、先端部72aの当接した可動弁枠部60を付勢する。これにより、可動弁枠部60が流路H方向に第1開口部12aに向けて移動する。弁枠シールパッキン61が第1開口部12aの周囲の弁箱内面10Aに密着する。
複数の弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70においては、伸縮ロッド(可動部)72の伸長動作がいずれもほぼ同時に動作可能とされる。
弁板付勢部(保持バネ)80は、可動弁部40に内蔵される。
弁板付勢部80は、流路H方向視して可動弁枠部60と可動弁板部50とが重なる領域に複数配置される。
複数の弁板付勢部80は、可動弁枠部60の周方向に等間隔を有する配置とされる。
弁板付勢部80を設ける箇所は、3箇所以上が好ましく、互いに離間して設けられる。
図16は、弁体の中心Oから見て、3個の弁板付勢部80が同じ角度位置(120度)に配された構成例を示している。
弁板付勢部80は、ボルト状のガイドピン81の長軸部によって、可動弁板部50の動きを誘導(規制)する。ガイドピン81は、可動弁枠部60に固定される。
弁板付勢部80を構成する保持バネは、例えば、スプリング、ゴム等とされる弾性部材で形成されている。
弁板付勢部80は、可動弁枠部60と可動弁板部50との流路H方向における厚み寸法を変更可能である。
弁板付勢部80は、可動弁枠部60の動く往復方向B1,B2へ可動弁板部50を連動させる。
ガイドピン81は、太さ寸法が均一の棒状体で構成されている。ガイドピン81は、弁板付勢部80内を貫通する。ガイドピン81は、流路H方向に立設されて可動弁枠部60に固設される。
ガイドピン81は、可動弁板部50に形成された孔部50hに嵌合している。
ガイドピン81は、可動弁板部50と可動弁枠部60の位置規制を誘導する。
弁板付勢部80により、可動弁板部50と可動弁枠部60とが互いに摺動する際に、摺動方向(符号Qで示す軸)が、往復方向B1,B2からずれないようにできる。
また、可動弁板部50と可動弁枠部60とが摺動した際にも、可動弁板部50および可動弁枠部60の姿勢が変化せずに平行移動を行うことができる。
以下、本実施形態に係る仕切りバルブ100の動作を詳細に説明する。
本実施形態に係る仕切りバルブ100においては、可動弁部40が、弁箱内面10Aおよび弁箱内面10Bに接していない状態を考える。
この状態で、回転軸20を符号R1で示された方向(流路Hの方向に交差する方向)に回転させる。
すると、回転軸20の回転に従って、中立弁部30おおび可動弁部40が方向R1に沿って振り子運動で回転移動する。
この回転によって、可動弁部40は、流路Hが設けられていない中空部11とされる退避位置から、第1開口部12aに対応する位置とされる流路Hの弁閉位置に移動する。
流路Hの弁閉位置において、可動弁部40では、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70によって、可動弁枠部60を流路H方向における第1開口部12aに近接する方向に付勢する。
可動弁枠部60が伸縮ロッド(可動部)72によって押圧されて、可動弁枠部60は、第1開口部12aに近接する方向に移動する。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、機械的な当接動作として、弁箱内面10Aに可動弁枠部60を当接させる。
可動弁枠部60の弁枠シールパッキン61が第1開口部12aの周囲に位置する弁箱内面10Aに密着される。
これにより、流路Hを閉鎖する(閉弁動作)。
逆に、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70において、伸縮ロッド(可動部)72を縮退させる。すると、弁枠付勢部90は、可動弁枠部60を第1開口部12aから離間する方向に付勢有する。
弁枠付勢部90は、機械的な分離動作として、弁箱10の内面から可動弁枠部60を引き離す。
これにより、可動弁枠部60を弁箱内面10Aから引き離して、可動弁枠部60を退避させる。これにより、前記流路Hを開放する(解除動作)。
これらの弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70による機械的な当接動作と、弁枠付勢部90による機械的な分離動作によって、閉弁動作と解除動作が可能となる。
解除動作の後に、回転軸20を符号R2で示された向きに回転させる(退避動作)。
すると、回転軸20の回転に従って中立弁部30および可動弁部40も向きR2に回動する。
弁板付勢部80は、一連の動作(閉弁動作、解除動作、退避動作)において、可動弁枠部60と可動弁板部50とを連動させる。
この解除動作と退避動作とにより、可動弁部40は上記弁開閉位置から上記退避位置に退避して弁開状態とする弁開動作が行われる。
[弁体が退避動作可能位置(FREE)の状態]
図15〜図18には、可動弁部40(可動弁枠部60、可動弁板部50)が、弁箱10の何れの弁箱内面10A,10Bとも接していない状態を示す。
この状態を、弁体がFREEな状態と呼称する。
弁体がFREEな状態において、上述した弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70の機能により、可動弁枠部60を弁箱10の弁箱内面10Aに接するまで移動させ、可動弁枠部60を弁箱内面10Aに押圧することによって、流路Hを閉鎖する(閉弁動作)。
上述した弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70の機能とは、可動弁枠部60を第1開口部12aに向けて移動させる機能である。
弁体がFREEな状態において、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70の伸縮ロッド(可動部)72は、弁箱内面10Bから突出せず、弁箱10の内側に縮退した状態にある。つまり、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、中立弁体5と接していない。
次に、弁体がFREEな状態から、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70を駆動する。
すると、伸縮ロッド(可動部)72の先端部72aが、図16に矢印F1で示すように、可動弁枠部60の下面60sbに当接する。これにより、図16に矢印F2で示すように、中立弁体5の可動弁枠部60は、弁箱内面10Aに向けて移動する。さらに、可動弁枠部60が移動して、弁枠シールパッキン61が弁箱内面10Aに接した状態が、閉弁位置の状態(閉弁状態)である。
このとき、可動弁板部50は、弁板付勢部(保持バネ)80によって、可動弁枠部60と同じ方向へ移動する。
同時に、可動弁板部50と可動弁枠部60とは、摺動シールパッキン52を介して摺動シール状態を維持する。
[弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)の状態]
図20〜図23には、上記の閉弁動作により流路Hが閉鎖された状態を表す。
この状態を、正圧/差圧無の弁閉状態と呼称する。
正圧/差圧無の弁閉状態とは、中立弁体5が弁箱10の一方の内面と接した状態であり、他方の内面とは接していない状態である。
つまり、正圧/差圧無の弁閉状態では、中立弁体5が第1開口部12aの周囲の弁箱内面10Aと接する。同時に、中立弁体5が第2開口部12bの周囲に位置する弁箱内面10Bとは接していない。
正圧/差圧無の弁閉状態では、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70において、伸縮ロッド(可動部)72が可動弁枠部60に向く方向へ伸延した状態を維持する。つまり、先端部72aを可動弁枠部60の下面60sbに当接させた状態を維持する。
また、弁枠シールパッキン61が弁箱10の第1開口部12aの周囲の弁箱内面10A)と接した状態を維持する。
[弁体が逆圧位置の弁閉状態]
図25〜図27には、逆圧状態で流路Hが閉鎖された状態を表す。
この状態を、逆圧の弁閉状態と呼称する。
逆圧の弁閉状態とは、中立弁体5が弁箱10の一方の内面と接した状態を保ちながら、他方の内面にも接した状態である。
つまり、逆圧の弁閉状態では、中立弁体5が第1開口部12aの周囲の弁箱内面10Aと接した状態を保ちながら、第2開口部12bの周囲に位置する弁箱内面10Bにも接した状態である。
ここで、逆圧とは、閉弁状態から開弁状態の方向へ弁体に対して圧力が加わることである。
中立弁体5が逆圧を受けた場合、上述した弁板付勢部80の機能により、可動弁板部50は可動弁枠部60に対して往復方向B2へ移動する。
上述した弁板付勢部80の機能とは、可動弁板部50と可動弁枠部60とを、往復方向B1,B2(図25)に摺動しながら移動可能とする機能である。
このとき、可動弁枠部60と可動弁板部50の間は、摺動シールパッキン52を介してシール状態が維持される。
これにより、可動弁板部50は、第2開口部12bの周囲の弁箱内面10Bに衝突する。
このとき、カウンタークッション51により、可動弁板部50における衝突による衝撃を緩和する。
往復方向B2の方向に中立弁体5が受けた力を、弁箱10の弁箱内面10B(裏側のボディ)で受けてもらう機構が、逆圧キャンセル機構である。
さらに、正圧/差圧無の弁閉状態において、上述した弁枠付勢部90の機能により、可動弁枠部60を弁箱10の内面から引き離し、可動弁枠部60を退避させることによって、流路Hを開放する(解除動作)。
上述した弁枠付勢部90の機能とは、可動弁枠部60を中立弁部30に対して流路方向における位置が変更可能に接続する機能、および、可動弁枠部60を流路H方向における中央位置に向けて付勢する機能である。
このように、本実施形態の仕切りバルブ100においては、約100%の逆圧キャンセル率が得られる。弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70の重量に対応して弁体構造の軽量化、省スペース化が可能である。確実な閉塞動作が可能となる。動作上の安全性を向上することもできる。
なお、真空アクチュエータ700の収納空間755および後空間756の容積の和が、複数の弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70の固定部71に充填された作動油の量と、油圧空間714に充填された作動油の量との和に比べて等しいか大きいことで、油漏れを防止できる。
また、真空アクチュエータ700において、収納空間755および後空間756は、油漏れが発生した際に、漏れた油量に応じて内部圧力が上昇する。ここで、収納空間755および後空間756は、漏れた油、あるいは油ミストまたはその成分が気化して外部に放出されないように、機密性を有する構造とすることができる。具体的には、油漏れが発生した際に、ケーシング750等がシール状態を維持可能なように構成することができる。
真空・大気環境ともに周囲を油汚染する可能性を下げる目的で、作動油は蒸気圧の低い油を用いることが望ましい。作動油の蒸気圧は要求される真空度等により決定されるが、一般には10−3Pa程度以下として選択される。
本実施形態の仕切りバルブ100は、高い信頼性の仕切り動作が可能である。弁体の重量が軽減される。弁体の部品点数を削減できる。弁体の駆動力を抑制できる。弁体の構成の簡素化および軽量化が実現する。
なお、本実施形態の仕切りバルブ100は、図15に示すように、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70が、第2開口部12bに近い位置において、弁箱内面10Bに内蔵されているが、本実施形態はこの構成に限定されない。
なお、上述した各実施形態において、それぞれの構成を組み合わせた構成とすることも可能である。
本発明は、真空装置等における真空度や温度あるいはガス雰囲気等性質の異なる2つの空間を、連結している流路を仕切る状態と、この仕切り状態を開放した状態と、を切り替える用途の仕切りバルブに広く適用できる。
700…真空アクチュエータ(油圧駆動手段)
701…メインシリンダ(油圧発生部)
702…油圧管
705…駆動部
705a…回転駆動軸
706…制御部(コントローラ)
707…電源
760,761,765…リードスイッチ(磁気検出部)
760a,761a…検出凹部
760b,761b…カバー部
763…スペーサ
764…軸位置マグネット
780…過圧防止部
781,781a…過圧防止流路
782…連通維持部
70…弁箱付勢部(押しつけシリンダ,付勢部)
71…油圧駆動部(固定部)
72…可動部(伸縮ロッド)
73…付勢部材(押しつけバネ)
5…弁体,中立弁体
10…弁箱
11…中空部
20…回転軸
21…回転駆動部
30…中立弁部
30a…円形部
40…可動弁部
50…可動弁板部
54…可動弁部(可動弁板部)
60…可動弁枠部
63…弁枠部
65…位置規制部
80…弁板付勢部(保持バネ)
81…ガイドピン
90…弁枠付勢部
100…仕切りバルブ
710…油圧シリンダ
711…シリンダ本体
711a,711b…端部
711c…フランジ部
711d…周溝
711e…ブシュ
711f,711g…Y形パツキン
712…ピストン
712a,712b…端部
713…油圧流路
714…油圧空間
720…付勢部材
721…内バネ
721a,721b…端部
722…外バネ
722a,722b…端部
730…シリンダ駆動部
731…駆動軸
731a,731b…端部
731c…ボールネジ
732a…内ネジ駆動ギア(ネジ駆動ギア)
732b…外ネジ駆動ギア(ネジ駆動ギア)
732d…外側ギア
733d,733e…駆動ギア
750…ケーシング
751…ケーシング筒
752…ケーシング蓋
753…後ケーシング
754…リング
754d…周溝
755…収納空間
756…後空間
757…溝
758…蓋部

Claims (7)

  1. 真空雰囲気とされるチャンバ内で駆動する可動部と、前記可動部を駆動する固定部とを有し、前記固定部に作動油圧を供給するメインシリンダを有する真空アクチュエータであって、
    前記メインシリンダが、
    内部に密閉された収納空間を有するケーシングと、
    軸線方向に移動可能として前記ケーシングの前記収納空間に収納される有底筒状のシリンダ本体と、
    一端側が前記ケーシングを貫通した状態で前記収納空間の内側に固定されるとともに他端側が前記シリンダ本体に同軸状に挿入されて相対移動可能とするピストンと、
    前記シリンダ本体の内側と前記ピストンの他端面とで形成される油圧空間と、
    前記ピストンの軸線に沿って内部を貫通し前記油圧空間を前記固定部に連通するための油圧流路と、
    前記シリンダ本体の開口端部の径方向外向きに周設されたフランジ部と、
    前記ケーシングの前記収納空間に収納されて前記フランジ部を前記油圧空間が収縮する方向に付勢する付勢部材と、
    前記ケーシングの前記収納空間に収納されるとともに前記シリンダ本体に同軸状態として接続されて前記シリンダ本体を前記ピストンに対して軸線方向に相対移動可能とする駆動軸と、
    駆動部によって前記駆動軸を駆動する駆動伝達部と、
    を有し、
    前記収納空間の内面には、前記油圧流路に連通されて、前記油圧流路が過剰圧力状態となった場合に前記収納空間に向けて過剰圧力を開放可能な過圧防止部が設けられる
    ことを特徴とする真空アクチュエータ。
  2. 前記過圧防止部が、前記収納空間の前記フランジ部に対向する位置に露出して配置され、前記フランジ部が前記ケーシングの内面に当接した場合でも前記過圧防止部の表面が前記収納空間への連通状態を維持可能とする連通維持部が設けられる
    ことを特徴とする請求項1記載の真空アクチュエータ。
  3. 前記過圧防止部が、前記ケーシングの厚さ方向の中側に位置する過圧防止流路により前記油圧流路に連通される
    ことを特徴とする請求項1または2記載の真空アクチュエータ。
  4. 真空雰囲気とされるチャンバ内で駆動する可動部と、前記可動部を駆動する固定部とを有し、前記固定部に作動油圧を供給するメインシリンダを有する真空アクチュエータであって、
    前記メインシリンダが、
    内部に密閉された収納空間を有するケーシングと、
    軸線方向に移動可能として前記ケーシングの前記収納空間に収納される有底筒状のシリンダ本体と、
    一端側が前記ケーシングを貫通した状態で前記収納空間の内側に固定されるとともに他端側が前記シリンダ本体に同軸状に挿入されて相対移動可能とするピストンと、
    前記シリンダ本体の内側と前記ピストンの他端面とで形成される油圧空間と、
    前記ピストンの軸線に沿って内部を貫通し前記油圧空間を前記固定部に連通するための油圧流路と、
    前記シリンダ本体の開口端部の径方向外向きに周設されたフランジ部と、
    前記ケーシングの前記収納空間に収納されて前記フランジ部を前記油圧空間が収縮する方向に付勢する付勢部材と、
    前記ケーシングの前記収納空間に収納されるとともに、一端側が前記シリンダ本体に同軸状態として接続されて前記シリンダ本体を前記ピストンに対して軸線方向に相対移動可能とする駆動軸と、
    駆動部によって前記駆動軸を駆動する駆動伝達部と、
    を有し、
    前記駆動軸の他端側には、非磁性体とされるスペーサを介して軸位置マグネットが設けられ、前記収納空間の外側に配置された磁気検出部により、前記軸位置マグネットの軸方向位置を検出可能とされる
    ことを特徴とする真空アクチュエータ。
  5. 前記磁気検出部が、前記駆動軸の伸長位置と縮退位置とに対応してこれらを検出可能な位置に設けられる
    ことを特徴とする請求項4記載の真空アクチュエータ。
  6. ノーマルクローズ動作可能な仕切りバルブであって、
    中空部と、
    前記中空部を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路となる第1開口部及び第2開口部とを有する弁箱と、
    前記流路を開放および閉塞可能な弁体と、
    前記弁体を前記中空部内における退避位置と弁開口遮蔽位置との間で回転可能に支持するとともに流路方向に延在する軸線を有する回転軸と、
    前記弁体を回転駆動可能な回転駆動部と、
    前記流路方向における位置を変更可能として前記弁体に設けられる可動弁部と、
    前記弁箱に設けられて前記弁開口遮蔽位置の前記可動弁部を前記流路方向に移動してクローズする弁箱付勢部と、
    前記弁箱付勢部を非圧縮性流体の給排により駆動する非圧縮性流体駆動部と、
    を具備し、
    前記弁箱付勢部および前記非圧縮性流体駆動部が、請求項1から5のいずれか記載の真空アクチュエータとされる
    ことを特徴とする仕切りバルブ。
  7. 前記弁箱付勢部が複数設けられて、複数の前記弁箱付勢部に充填された作動油と前記油圧空間に充填された作動油の量に対して、前記収納空間の容積が等しいか大きくなるように設定される
    ことを特徴とする請求項6記載の仕切りバルブ。
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