JP2020125784A - 真空アクチュエータ、仕切りバルブ - Google Patents

真空アクチュエータ、仕切りバルブ Download PDF

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Abstract

【課題】油圧漏洩防止効果を強化する。【解決手段】真空雰囲気とされるチャンバ内で対象物を押圧する伸縮式真空アクチュエータ70であって、貫通孔771cを軸方向に有するガイドロッド771と、ガイドロッドの一端面771a側を同軸状として摺動可能に覆う有底筒状のシリンダ部772と、シリンダ部と一体の伸縮ロッド72と、シリンダ部の他端部772bに径方向外側に周設されるフランジ部773と、フランジ部を付勢する付勢部材73と、ガイドロッドが内側に固定されるとともに伸縮ロッドを真空側となる外部へ伸縮自在とする貫通孔775を有するケーシング774と、を有し、ケーシング内部には、シリンダと付勢部材とを収納して、作動油圧が漏れた際に緩衝する緩衝空間776が形成される。【選択図】図1

Description

本発明は真空アクチュエータ、仕切りバルブに関し、特に真空中で油圧駆動可能な伸縮アクチュエータ、および、これを用いた振り子式仕切りバルブに用いて好適な技術に関する。
真空装置等においては、真空雰囲気とされるチャンバ内で対象物を押圧するための伸縮アクチュエータが設けられる。このような伸縮アクチュエータとしては、チャンバ内における汚染防止等の観点から、その多くは真空雰囲気であるチャンバ外に駆動部が配置されて、チャンバ内の伸縮部を駆動させる構成が知られている。
例えば、伸縮アクチュエータとしては、電磁駆動型、圧空駆動型、油圧駆動型などがある。
これに対し、本発明者らは、密閉時に弁体を弁箱開口に押しつける付勢部として、油圧駆動型の伸縮アクチュエータを有する振り子式仕切りバルブに関する出願をおこなっている(特許文献1)。
なお、この例の伸縮アクチュエータにおいて、高出力が必要な油圧での駆動は、基本的に伸長側であり、縮退側はバネ等を用いる構成である。
特許第6358727号公報
油圧駆動型の伸縮アクチュエータは、他のタイプの駆動方式に比べて、駆動部分を省スペース化することができる。特に、駆動可能な単位出力当たりの容積は、他のタイプの駆動方式に比べて、油圧駆動型の伸縮アクチュエータで、もっとも小さくできる。
このように、省スペースの可能な高出力の伸縮アクチュエータにおいて、特に、真空雰囲気への油漏れに対する安全性を向上したいという要求がある。
真空中での油漏れ対策としては、油漏れ用の緩衝空間を設けることが考えられるが、その場合、駆動に必要な容積が大きくなってしまうという問題がある。しかし、伸縮アクチュエータにおいては、駆動可能な単位出力当たりの容積を小さくすることが要求される。
また、駆動部とは別構成として油漏れ用の緩衝空間を設けた場合には、部品点数の増加が避けられない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.真空雰囲気への油漏れの防止効果向上を図ること。
2.省スペース化と部品点数の削減を図ること。
本発明の真空アクチュエータは、真空雰囲気とされるチャンバ内で対象物を押圧可能に伸縮する真空アクチュエータであって、
外部から作動油圧を一端面側に供給可能な貫通孔を軸方向に有するガイドロッドと、
前記ガイドロッドの一端面側を同軸状として摺動可能に覆って内部に駆動空間を形成する有底筒状のシリンダ部と、
前記シリンダ部と一体として前記シリンダ部の一端部の軸方向外側に延在する伸縮ロッドと、
前記シリンダ部の他端部に径方向外側に周設されるフランジ部と、
前記フランジ部を前記伸縮ロッドの縮退方向に付勢する付勢部材と、
前記ガイドロッドが内側に固定されるとともに前記伸縮ロッドを真空側となる外部へ伸縮自在とする貫通孔を有するケーシングと、
を有し、
前記ケーシングの内部には、前記シリンダ部を摺動可能に収納し、かつ、前記付勢部材を収納するとともに、前記作動油圧が前記シリンダ部の内側から漏れた際に、真空側となる前記外部へ漏出する前に緩衝する緩衝空間が形成されることにより上記課題を解決した。
本発明の真空アクチュエータは、前記作動油圧が供給される前記シリンダ部の内側の前記駆動空間から、前記伸縮ロッドの伸張する真空側となる前記外部まで、四段の密閉部材が設けられることができる。
本発明において、前記シリンダ部の内面と摺動する前記ガイドロッドの外周の摺動面と、前記シリンダ部の外周と摺動する前記ケーシングの内周の摺動面と、前記貫通孔と摺動する前記伸縮ロッドの外周の摺動面とに、密閉部材が周設されることが好ましい。
本発明の真空アクチュエータは、前記シリンダ内面と摺動する前記ガイドロッドの外周の摺動面に周設される前記密閉部材が、二段設けられることが可能である。
また、本発明において、前記シリンダ部の外周と摺動する前記ケーシングの内周の摺動面に設けられた前記密閉部材と、前記貫通孔と摺動する前記伸縮ロッドの外周の摺動面に設けられた前記密閉部材との間には、大気側となる外側に連通する大気側緩衝空間が設けられる手段を採用することもできる。
本発明の仕切りバルブは、ノーマルクローズ動作可能な仕切りバルブであって、
中空部と、
前記中空部を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路となる第1開口部及び第2開口部とを有する弁箱と、
前記流路を開放および閉塞可能な弁体と、
前記弁体を前記中空部内における退避位置と弁開口遮蔽位置との間で回転可能に支持するとともに流路方向に延在する軸線を有する回転軸と、
前記弁体を回転駆動可能な回転駆動部と、
前記流路方向における位置を変更可能として前記弁体に設けられる可動弁部と、
前記弁箱に設けられて前記弁開口遮蔽位置の前記可動弁部を前記流路方向に移動してクローズする付勢部と、
前記付勢部を非圧縮性流体の給排により駆動する非圧縮性流体駆動部と、
を具備し、
前記付勢部が、上記のいずれか記載の真空アクチュエータとされることができる。
本発明の仕切りバルブにおいて、前記非圧縮性流体駆動部には、前記真空アクチュエータの内部で前記作動油圧が減少したことを検出する検出手段が設けられることができる。
本発明の真空アクチュエータは、真空雰囲気とされるチャンバ内で対象物を押圧可能に伸縮する真空アクチュエータであって、
外部から作動油圧を一端面側に供給可能な貫通孔を軸方向に有するガイドロッドと、
前記ガイドロッドの一端面側を同軸状として摺動可能に覆って内部に駆動空間を形成する有底筒状のシリンダ部と、
前記シリンダ部と一体として前記シリンダ部の一端部の軸方向外側に延在する伸縮ロッドと、
前記シリンダ部の他端部に径方向外側に周設されるフランジ部と、
前記フランジ部を前記伸縮ロッドの縮退方向に付勢する付勢部材と、
前記ガイドロッドが内側に固定されるとともに前記伸縮ロッドを真空側となる外部へ伸縮自在とする貫通孔を有するケーシングと、
を有し、
前記ケーシングの内部には、前記シリンダ部を摺動可能に収納し、かつ、前記付勢部材を収納するとともに、前記作動油圧が前記シリンダ部の内側から漏れた際に、真空側となる前記外部へ漏出する前に緩衝する緩衝空間が形成される。
これにより、ガイドロッドの貫通孔を介して作動油圧を供給することで、ガイドロッドの一端面と有底筒状のシリンダ部の内部とで形成される駆動空間に作動油圧を供給して、この駆動空間を拡張する。すると、付勢部材の付勢力に抗して、シリンダ部がガイドロッドの軸方向に移動する。これにより、シリンダ部と一体とされた伸縮ロッドがケーシングの貫通孔から真空側となる外部へ伸長する。
また、作動油圧の供給を停止すると、伸長状態で、伸縮ロッドを停止できる。
さらに、作動油圧を逆向きに供給すると、ガイドロッドの一端面と有底筒状のシリンダ部の内部とで形成される駆動空間の作動油圧が減少して、この駆動空間が収縮する。すると、付勢部材の付勢力に応じて、シリンダ部がガイドロッドの軸方向に移動する。これにより、シリンダ部と一体とされた伸縮ロッドが真空側となる外部からケーシングの貫通孔の内側へ縮退する。
また、駆動空間における作動油圧の漏出が発生した場合には、ガイドロッドと伸縮とロッドとの間の摺動面付近を介して、付勢部材の設けられた緩衝空間へと移動して、漏出した作動油は、この緩衝空間に貯留されて、真空側となる外部へと漏れることがない。
したがって、油圧によって駆動されるアクチュエータとして、単位容積当たりの出力を高い状態を維持しながら、部品点数の増加を防止して、油漏れを確実に防止することが可能となる。
本発明の真空アクチュエータは、前記作動油圧が供給される前記シリンダ部の内側の前記駆動空間から、前記伸縮ロッドの伸張する真空側となる前記外部まで、四段の密閉部材が設けられる。
これにより、駆動空間における作動油圧の漏出が発生した場合には、駆動空間から真空側となる外部へと油が漏れる経路において、漏出した作動油が緩衝空間に貯留されることに加えて、四段の密閉部材によりその漏出を防止されて、漏出した作動油が真空側となる外部へと漏れることがない。
したがって、油の漏出を確実に防止することができる。
本発明において、前記シリンダ部の内面と摺動する前記ガイドロッドの外周の摺動面と、前記シリンダ部の外周と摺動する前記ケーシングの内周の摺動面と、前記貫通孔と摺動する前記伸縮ロッドの外周の摺動面とに、密閉部材が周設される。
これにより、駆動空間における作動油圧の漏出が発生した場合に、駆動空間から真空側となる外部へと油が漏れる経路において、駆動空間から、シリンダ部の内面とガイドロッドの外周との摺動面の密閉部材、シリンダ外周とケーシング内周との摺動面の密閉部材、貫通孔と伸縮ロッド外周との摺動面の密閉部材、によって順にシールされて、漏出した作動油の漏出を防止されて、漏出した作動油が真空側となる外部へと漏れることがない。
したがって、油の漏出を確実に防止することができる。
本発明の真空アクチュエータは、前記シリンダ部の内面と摺動する前記ガイドロッドの外周の摺動面に周設される前記密閉部材が、二段設けられる。
これにより、駆動空間から真空側となる外部へと油が漏れる経路において、もっとも高圧である駆動空間に近接した位置で、二段の密閉部材によりその漏出を防止されて、漏出した作動油が真空側となる外部へと漏れることがない。
さらに、この二段の密閉部材において、駆動空間に近接する密閉部材に比べて、駆動空間から離間する密閉部材の寿命を長く設定することが可能である。
また、本発明において、前記シリンダ外周と摺動する前記ケーシングの内周の摺動面に設けられた前記密閉部材と、前記貫通孔と摺動する前記伸縮ロッドの外周の摺動面に設けられた前記密閉部材との間には、大気側となる外側に連通する大気側緩衝空間が設けられる。
これにより、駆動空間における作動油圧の漏出が発生した場合に、駆動空間から真空側となる外部へと油が漏れる経路において、漏出した作動油は、まず緩衝空間に貯留されて、それでも漏出する油は、大気側緩衝空間で漏出を防止されて、漏出した作動油が真空側となる外部へと漏れることがない。
本発明の仕切りバルブは、ノーマルクローズ動作可能な仕切りバルブであって、
中空部と、
前記中空部を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路となる第1開口部及び第2開口部とを有する弁箱と、
前記流路を開放および閉塞可能な弁体と、
前記弁体を前記中空部内における退避位置と弁開口遮蔽位置との間で回転可能に支持するとともに流路方向に延在する軸線を有する回転軸と、
前記弁体を回転駆動可能な回転駆動部と、
前記流路方向における位置を変更可能として前記弁体に設けられる可動弁部と、
前記弁箱に設けられて前記弁開口遮蔽位置の前記可動弁部を前記流路方向に移動してクローズする付勢部と、
前記付勢部を非圧縮性流体の給排により駆動する非圧縮性流体駆動部と、
を具備し、
前記付勢部が、上記のいずれか記載の真空アクチュエータとされる。
これにより、伸縮アクチュエータにおいて駆動空間の作動油圧の漏出が発生した場合であっても、ガイドロッドと伸縮とロッドとの間の摺動面付近を介して、付勢部材の設けられた緩衝空間へと移動して漏出した作動油は、この緩衝空間に貯留されて、真空側となる外部であるチャンバ内へと漏れることがない。
したがって、油圧によって駆動される伸縮アクチュエータとして、振り子式仕切りバルブを閉塞するために必要な単位容積当たりの出力が高い状態を維持しながら、部品点数の増加を防止して、油漏れを確実に防止することが可能となる。
本発明の仕切りバルブにおいて、前記非圧縮性流体駆動部には、前記真空アクチュエータの内部で前記作動油圧が減少したことを検出する検出手段が設けられる。
これにより、他の原因も含めて、真空アクチュエータ内部で作動油圧が減少したことを検出し、作動油の漏出を確実に検知することが可能となる。
本発明によれば、単位容積当たりの出力が高い状態を維持しながら、省スペース化を図り、部品点数の増加を防止して、油漏れを確実に防止することが可能な真空アクチュエータを提供することができるという効果を奏することが可能となる。
本発明に係る真空アクチュエータの第1実施形態を示す軸方向断面図である。 本発明に係る真空アクチュエータの第1実施形態を示す図1とは直交する軸方向断面図である。 本発明に係る真空アクチュエータの第1実施形態における伸長状態を示す軸方向断面図である。 本発明の第2実施形態に係る仕切りバルブの構成を示す流路に沿った模式断面図であり、弁体が退避位置(弁開放位置)に配置されている場合を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る仕切りバルブの構成を示す流路に沿った模式断面図であり、弁体が弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)に配置されている場合を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る仕切りバルブの構成を示す流路に沿った模式断面図であり、弁体が弁閉塞位置に配置されている場合を示す図である。 本発明に係る真空アクチュエータの第3実施形態における油圧駆動手段を示す模式説明図である。 本発明に係る真空アクチュエータの第3実施形態における加圧状態の油圧発生部を示す模式説明図である。 本発明に係る真空アクチュエータの第3実施形態における減圧状態の油圧発生部を示す模式説明図である。 本発明に係る真空アクチュエータの第3実施形態における過圧状態の油圧発生部を示す模式説明図である。 本発明に係る真空装置の第4実施形態を示す模式説明図である。 本発明の第5実施形態に係る仕切りバルブの構成を示す流路と直交する断面図である。 本発明の第5実施形態に係る仕切りバルブの構成を示す流路に沿った断面図であり、弁体が退避動作可能位置(FREE)に配置されている場合を示す図である。 図12における線分A−Oに沿う要部を示す流路に沿った拡大断面図であり、弁体が退避動作可能位置(FREE)に配置されている場合を示す図である。 図12における線分B−Oに沿う要部を示す流路に沿った拡大断面図である。 図12における線分C−Oに沿う要部を示す流路に沿った拡大断面図である。 図13における弁枠付勢部の要部を示す流路に沿った拡大断面図である。 本発明の第5実施形態に係る仕切りバルブの構成を示す流路に沿った断面図であり、弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)に配置されている場合を示す図である。 図18の要部を示す流路に沿った拡大断面図である。 図18の要部を示す流路に沿った拡大断面図である。 図18の要部を示す流路に沿った拡大断面図である。 図18の要部を示す流路に沿った拡大断面図である。 本発明の第5実施形態に係る仕切りバルブの構成を示す流路に沿った断面図であり、弁体が逆圧位置に配置されている場合を示す図である。 図23の要部を示す流路に沿った拡大断面図である。 図23の要部を示す流路に沿った拡大断面図である。 図23の要部を示す流路に沿った拡大断面図である。 本発明の第5実施形態に係る仕切りバルブにおける弁箱での弁箱付勢部の配置を示す斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る仕切りバルブにおける弁箱での弁箱付勢部の配置を示す斜視図である。
以下、本発明に係る真空アクチュエータの第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における真空アクチュエータを示す軸方向断面図である。図2は、本実施形態における真空アクチュエータを示す図1とは直交する軸方向断面図である。図において、符号70は、真空アクチュエータである。
本実施形態に係る真空アクチュエータ70は、真空雰囲気とされるチャンバCh内で対象物を押圧可能な伸縮アクチュエータとされる。本実施形態に係る真空アクチュエータ70は、油圧によって作動するため、その押圧力を所定の値に制御することが可能である。
本実施形態に係る真空アクチュエータ70は、図1,図2に示すように、ガイドロッド771と、シリンダ部772と、伸縮ロッド(可動部)72と、フランジ部773と、付勢部材(押しつけバネ)73と、ケーシング774と、を有する。
真空アクチュエータ70は、図1,図2に示すように、略円柱状のケーシング774の一端から、このケーシング774よりも細径の伸縮ロッド72が伸出可能および縮退可能な構成とされている。真空アクチュエータ70は、油圧管702を介して油圧発生部701に接続される。
油圧発生部701は、伸縮ロッド72を伸縮動作する際に、正圧または負圧となる油圧を真空アクチュエータ70に供給するとともに、動作終了時に、油圧状態を維持可能とされている。また、伸縮ロッド72の対象物への当接状態を適切に制御可能となっている。
ガイドロッド771は、図1,図2に示すように、略円柱状とされ、油圧駆動手段から作動油圧を一端面771a側に供給可能な貫通孔771cを軸方向に有する。ガイドロッド771は、ケーシング774の蓋部774bからケーシング774の内部に向けて立設される。
ガイドロッド771は、蓋部774bと一体とされてもよいが、本実施形態においては、蓋部774bに設けられた凹部774gの中心位置に突出する凸部774hにパイプ状の外ガイドロッド771gが螺合されている。これにより、蓋部774bに対する外ガイドロッド771gの中心出しがおこなわれる。貫通孔771cは、蓋部774b、凸部774hおよび外ガイドロッド771gの内部に連続して形成される。
シリンダ部772は、他端側が開口した有底円筒状とされ、ガイドロッド771と同軸状とされて、ガイドロッド771の一端面771a側を摺動可能に覆うように配置されている。ガイドロッド771の一端面771aと、シリンダ部772の内側とは、その内部に駆動空間777を形成する。
駆動空間777には、貫通孔771cが連通している。貫通孔771cには、図2に示すように、油圧管702を介して油圧発生部701に接続される。駆動空間777には、油圧管702を介して油圧発生部701から作動油が供給されて、駆動空間777が加圧される。あるいは、駆動空間777には、油圧管702を介して油圧発生部701へと作動油が戻されて、駆動空間777が減圧される。
シリンダ部772は、その一端部772aの外側に伸縮ロッド72が設けられる。伸縮ロッド72は、シリンダ部772の軸方向外側に延在する円柱状とされる。伸縮ロッド72は、円筒状のシリンダ部772と同軸状とされる。伸縮ロッド72は、円柱状のガイドロッド771と同軸状とされる。
伸縮ロッド72は、シリンダ部772と一体とされ、ガイドロッド771に対するシリンダ部772の摺動に付随して、軸方向に伸縮自在として移動可能とされる。伸縮ロッド72の径寸法は、シリンダ部772の径寸法よりも小さく設定される。
伸縮ロッド72の径寸法は、ガイドロッド771の径寸法よりも小さく設定される。伸縮ロッド72は、シリンダ部772と一体とされてもよいが、本実施形態においては、シリンダ部772の軸中心位置に突出する凸部772hに伸縮ロッド72が螺合されている。これにより、蓋部774bに対する伸縮ロッド72の中心出しがおこなわれる。
シリンダ部772の他端部772bには、外周位置にフランジ部773が周設される。フランジ部773は、シリンダ部772の他端部772bに径方向外側に延在する。フランジ部773は、所定の厚さを有する。
フランジ部773は、シリンダ部772と一体として形成される。フランジ部773には、伸縮ロッド72側となる押圧面773aに付勢部材(バネ)73の他端側が当接する。
付勢部材(バネ)73は、螺旋状とされ、フランジ部773を伸縮ロッド72の縮退方向に付勢する。付勢部材(バネ)73は、シリンダ部772と同軸状にシリンダ部772の外周に位置している。付勢部材(バネ)73の一端側は、ケーシング774に当接する。
ケーシング774は、円筒状の円筒部774cと、円筒部774cの他端部を閉塞する蓋部774bと、円筒部774cの一端側に設けられた貫通孔774mを閉塞する真空側蓋部774aと、を有する。
蓋部774bの中心位置には、ガイドロッド771がケーシング774の内部に向かって立設される。真空側蓋部774aは、その中央に伸縮ロッド72の貫通する貫通孔775を有し、真空側へと面している。円筒部774cの他端側は、蓋部774bに設けられた凹部774gに勘合される。
円筒部774cと蓋部774bと真空側蓋部774aとの内側には、緩衝空間776が形成される。緩衝空間776には、シリンダ部772と付勢部材(バネ)73とが収納されて、シリンダ部772が往復移動可能とされている。緩衝空間776は、駆動空間777から作動油圧が漏れた際に、真空側となる外部(チャンバ)Chへ漏出する前に緩衝する空間とされる。
緩衝空間776となる円筒部774cの内面には、段差774dが形成されている。円筒部774cの内面は、蓋部774bに近接する側が真空側蓋部774aに近接する側に比べて拡径されている。段差774dは、フランジ部773の押圧面773aの外縁部分が当接して、シリンダ部772の移動範囲における伸長側の位置を規制する規制部とされている。
緩衝空間776となる円筒部774cの内面には、フランジ部773の外周面は接していない。蓋部774bに設けられた凹部774gには、シリンダ部772他端部772bとなるフランジ部773が当接して、シリンダ部772の移動範囲における縮退側の位置を規制する規制部とされている。
円筒部774cと真空側蓋部774aとは接続固定されている。円筒部774cの真空側蓋部774a側には、段差774eが形成されている。円筒部774cの段差774eよりも真空側蓋部774a側は、さらに縮径されてシリンダ部772の外形寸法と等しい内径寸法を有する大気側緩衝空間778が形成されている。
段差774eには、付勢部材(バネ)73の一端側が当接している。
大気側緩衝空間778内周面には、シリンダ部772の外周面(摺動面)772mが摺動可能に接している。大気側緩衝空間778には、図2に示すように、外部に連通する貫通孔778sが円筒部774cの径方向に形成されている。大気側緩衝空間778は、貫通孔778sにより大気側と連通している。
貫通孔775は、大気側緩衝空間778よりも小さな径寸法を有し、伸縮ロッド72の外径と略等しい径寸法とされる。ケーシング774とガイドロッド771とは、固定部71を構成する。
真空アクチュエータ70には、油圧駆動時に、作動流体である油が真空側であるチャンバChに漏れないように、多段のシール手段として密閉部材が設けられている。具体的には、油圧が供給されるシリンダ部772内側の駆動空間777から、伸縮ロッド72の伸張する真空側であるチャンバCh側である外部まで、四段の密閉部材77a1〜77eが設けられる。
シリンダ部772の内面と摺動するガイドロッド771外周の摺動面771fには、二段の密閉部材77a1〜77eが設けられる。ガイドロッド771外周の摺動面771fには、駆動空間777側から、Oリング(密閉部材)77a1、ウエアリング(密閉部材)77a2が同一の溝に周設されている。ウエアリング(密閉部材)77a2は、Oリング(密閉部材)77a1の外側に周設されている。ウエアリング(密閉部材)77a2は、シリンダ部772の内面と接しており、シリンダ部772の内側の摺動面772fと摺動する。
さらに、ウエアリング(密閉部材)77a2よりも駆動空間777側から離間したガイドロッド771外周の摺動面771fには、面一となるようにウエアリング(密閉部材)77bが周設されている。Oリング(密閉部材)77a1、ウエアリング(密閉部材)77a2、ウエアリング(密閉部材)77bは、一段目の密閉部材を形成している。ウエアリング(密閉部材)77bは、バックアップリングである。
さらに、ウエアリング(密閉部材)77bよりも駆動空間777側から離間したガイドロッド771外周の摺動面771fには、面一となるようにYパッキン(密閉部材)77c1、シールシング(密閉部材)77c2が同一の溝に周設されている。Yパッキン(密閉部材)77c1とシールシング(密閉部材)77c2とは、いずれもシリンダ部772の内面と接しており、シリンダ部772の内側の摺動面772fと摺動する。シールシング(密閉部材)77c2は、Yパッキン(密閉部材)77c1よりも駆動空間777側から離間した位置に配置される。
さらに、シールシング(密閉部材)77c2よりも駆動空間777側から離間したガイドロッド771外周の摺動面771fには、面一となるようにウエアリング(密閉部材)77dが周設されている。Yパッキン(密閉部材)77c1、シールシング(密閉部材)77c2、ウエアリング(密閉部材)77dは、二段目の密閉部材を形成している。ウエアリング(密閉部材)77dは、バックアップリングである。
ケーシング774の円筒部774cにおける真空側蓋部774a側に設けられた貫通孔774mには、その内周面にYパッキン(密閉部材)77eが周設される。Yパッキン(密閉部材)77eは、シリンダ部772の一端面771a側となる外周の摺動面772mと摺動する。Yパッキン(密閉部材)77eは、三段目の密閉部材とされる。
ケーシング774の真空側蓋部774aにおける貫通孔775には、その内周面にOリング(密閉部材)77fが周設される。Oリング(密閉部材)77fは、伸縮ロッド72の外周面(摺動面)72mと摺動する。Yパッキン(密閉部材)77eは、四段目の密閉部材とされる。
さらに、密閉部材77a1〜77eに加えて、ケーシング774の凸部774hと外ガイドロッド771gの内側螺合位置には、Oリング(密閉部材)77pが配置される。ケーシング774の円筒部774cと蓋部774bに設けられた凹部774gとの間には、Oリング(密閉部材)77qが配置される。真空側蓋部774aにおける貫通孔775の周囲には、真空側となるチャンバChとの間のシール用に、Oリング(密閉部材)77rが配置される。
本実施形態における真空アクチュエータ70では、密閉部材77a1〜77rとして、次のような材質からなるものとすることができる。
ウエアリング(密閉部材)77a2は、フッ化樹脂からなる。ウエアリング(密閉部材)77bは、HNBR(水素化ニトリルゴム)からなる。Yパッキン(密閉部材)77c1は、HNBR(水素化ニトリルゴム)からなる。シールシング(密閉部材)77c2は、フッ化樹脂からなる。ウエアリング(密閉部材)77dは、フッ化樹脂からなる。Yパッキン(密閉部材)77eは、HNBR(水素化ニトリルゴム)からなる。Oリング(密閉部材)77fは、HNBR(水素化ニトリルゴム)からなる。Oリング(密閉部材)77p、Oリング(密閉部材)77q、Oリング(密閉部材)77rは、いずれもHNBR(水素化ニトリルゴム)からなる。
また、伸縮ロッド72は、ステンレス鋼からなる。ガイドロッド771は、ステンレス鋼からなる。シリンダ部772は、ステンレス鋼からなる。ケーシング774の円筒部774cと蓋部774bと真空側蓋部774aとは、いずれもアルミニウムからなる。なお、これらの構成における材質は、真空アクチュエータ70の用途先に応じて、適宜変更することが可能である。
また、ステンレス鋼からなるガイドロッド771外周の摺動面771f、シリンダ部772の内側の摺動面772f、シリンダ部772の一端面771a側となる外周の摺動面772m、伸縮ロッド72外周の摺動面は、いずれも、クロムメッキ等の表面処理が施される。
本実施形態における真空アクチュエータ70においては、ノーマルプル、つまり、動作しない状態では、伸縮ロッド72が縮退している。この状態では、付勢部材(バネ)73によってフランジ部773が、伸縮ロッド72の縮退方向に付勢されている。
次に、油圧発生部701から供給された作動油が、油圧管702を介して駆動空間777に流入する。すると、駆動空間777が加圧されて、付勢部材(バネ)73の付勢力に打ち勝ってシリンダ部772が貫通孔775側へと移動する。このとき、シリンダ部772は、緩衝空間776の内部で移動する。
フランジ部773の押圧面773aの外縁部分が段差774dに当接して、シリンダ部772の移動が終了する。これにより、図3に示すように、伸縮ロッド72が伸張して、真空側となるチャンバCh側へと伸縮ロッド72が進出する。伸張した伸縮ロッド72が対象物を押圧する。この状態で、油圧発生部701から駆動空間777に供給する油圧を維持することで、伸縮ロッド72が伸長した状態を維持することができる。
伸縮ロッド72が伸長状態から縮退状態とするには、油圧発生部701から駆動空間777に供給する油圧を減圧する。あるいは、油圧管702を介して駆動空間777から油圧発生部701へと作動油を戻す。すると、付勢部材(バネ)73からフランジ部773に作用する付勢力によって、シリンダ部772が蓋部774b側へと移動する。これにより、図1,図2に示すように、伸縮ロッド72が縮退した状態となる。
本実施形態における真空アクチュエータ70においては、駆動空間777から油が漏れる場合には、ガイドロッド771外周の摺動面771fに設けられたウエアリング(密閉部材)77a2、ウエアリング(密閉部材)77b、Yパッキン(密閉部材)77c1とシールシング(密閉部材)77c2、ウエアリング(密閉部材)77dによって、油の漏出が防止される。
もしも、これらの密閉部材77a1〜77dによって、油の漏出が防止できなかった場合には、漏出した油は緩衝空間776に貯留されて、真空側となるチャンバChへ漏出することが防止される。さらに、緩衝空間776から真空側となるチャンバChへ油が漏出する場合には、Yパッキン(密閉部材)77eによって、油の漏出が防止される。
もしも、Yパッキン(密閉部材)77eによって、油の漏出が防止できなかった場合には、漏出した油は、漏出した油は大気側緩衝空間778に貯留されて、真空側となるチャンバChへ漏出することが防止される。あるいは、漏出した油は、大気側緩衝空間778から貫通孔778sを介して大気側へと漏出し、真空側となるチャンバChへ漏出することが防止される。さらに、大気側緩衝空間778から真空側となるチャンバChへ油が漏出する場合には、Oリング(密閉部材)77fによって、油の漏出が防止される。
本実施形態における真空アクチュエータ70においては、駆動空間777から伸縮ロッド72の伸張する真空側であるチャンバCh側である外部まで、油が漏出する場合の漏出経路が四段の密閉部材77a1〜77eによって密閉されているため、油が漏出することがない。
さらに、緩衝空間776と大気側緩衝空間778とよって、漏出した油が真空側となるチャンバChへ到達することが防止される。
本実施形態における真空アクチュエータ70は、少ない部品点数で、省スペース化を図りながら、作動油の真空側への漏出を確実に防止することが可能となる。しかも、油圧で駆動する方式なので、単位容積当たりの出力を極めて高いアクチュエータとすることができる。
以下、本発明に係る真空アクチュエータおよび真空アクチュエータを備えた仕切りバルブの第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図4は、本実施形態における仕切りバルブの退避位置(弁開放位置)を示す流路に沿った模式断面図である。図5は、本実施形態における仕切りバルブの弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)を示す流路に沿った模式断面図である。図6は、本実施形態における仕切りバルブの弁閉塞位置を示す流路に沿った模式断面図である。図7は、本実施形態における真空アクチュエータの油圧駆動手段を示す模式図である。
本実施形態において、上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。図において、符号100は、仕切りバルブである。
本実施形態における真空アクチュエータ70は、図4〜図6に示すように、仕切りバルブ100において、弁閉塞位置とする付勢部(押しつけシリンダ)70として備えられる。
本実施形態に係る仕切りバルブ100は、ノーマルクローズ動作可能な振り子型スライド弁である。本実施形態に係る仕切りバルブ100は、図1〜図4に示すように、弁箱10と、中空部11と、弁体5と、回転軸20と、回転駆動部21と、油圧駆動手段(非圧縮性流体駆動部)700と、を備える。
弁箱10は、中空部11と、中空部11を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路Hとなる第1開口部12aおよび第2開口部12bと、を有する。
流路Hは、第2開口部12bから第1開口部12aに向かって設定されている。
弁体5は、弁箱10の中空部11内に配置され流路Hを開放および閉塞可能である。
回転軸20は、流路H方向に延在する軸線を有する。
回転軸20は、弁体5を中空部11内における退避位置(弁開放位置)と弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)との間で回転可能に支持する。
退避位置(弁開放位置)では、弁体5が第1開口部12aから退避して流路Hを連通可能な開放状態(図4)とされる。弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)では、弁体5が第1開口部12aを遮蔽する閉塞可能状態(図5)にする。
仕切りバルブ100は、退避位置(弁開放位置)と弁閉塞位置(図6)との間で動作する。回転駆動部21は、回転軸20を回転駆動可能であり、弁体5を往復回転動作させることが可能である。
弁体5は、回転軸20に接続される中立弁部30、中立弁部30に接続される弁枠部63、および、弁枠部63に接続される可動弁部(可動弁板部)54から構成される。
中立弁部30は、回転軸20に固定される。中立弁部30は、中空部11における流路H方向の中央位置を維持する。
弁枠部63は、可動弁部(可動弁板部)54の周囲に位置する。弁枠部63は、中立弁部30に固定される。弁枠部63は、中立弁部30とともに、退避位置(弁開放位置)と弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)と弁閉塞位置とにおいて、中空部11の中央位置を維持する。
可動弁部(可動弁板部)54は、弁枠部63に対して流路H方向に摺動可能とされる。可動弁部(可動弁板部)54は、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)と弁閉塞位置とにおいて、弁枠部63に対して流路H方向における位置を変更可能である。
可動弁部(可動弁板部)54は、退避位置(弁開放位置)および退避位置(弁開放位置)と弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)との間において、中空部11の中央位置を維持する。可動弁部(可動弁板部)54には、第1開口部12aの周囲に位置する弁箱10の内面に密着される弁板シールパッキンが設けられる。
付勢部(押しつけシリンダ)70は弁箱10に埋め込んで設けられる。付勢部(押しつけシリンダ)70は、可動弁部(可動弁板部)54の周方向に沿って複数配置される。
付勢部(押しつけシリンダ)70は、上述した第1実施形態における真空アクチュエータ70とされる。
なお、上述した第1実施形態の真空アクチュエータ70において、伸縮ロッド(可動部)72が伸張する真空側となるチャンバChは、流路Hと連通する中空部11に対応する。
弁箱10に内蔵された付勢部(押しつけシリンダ)70は、大気側に設けられる油圧駆動手段(非圧縮性流体駆動部)700に接続されており油圧によって駆動される。油圧駆動手段(非圧縮性流体駆動部)700は、付勢部(押しつけシリンダ)70に非圧縮性流体(圧油)を給排、つまり、供給および排出して、複数の付勢部(押しつけシリンダ)70を同時に駆動する。
付勢部(押しつけシリンダ)70は、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)と弁閉塞位置とにおいて、可動弁部(可動弁板部)54を流路H方向における第1開口部12aに向けて付勢して、弁板シールパッキンを第1開口部12aの周囲に位置する弁箱10の内面に密着可能とする機能を有する。
付勢部(押しつけシリンダ)70は、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)にある可動弁部(可動弁板部)54の周囲を流路H方向に押圧して、移動した可動弁部(可動弁板部)54により流路Hをクローズ(閉塞)する。
また、本実施形態に係る仕切りバルブ100は、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)と弁閉塞位置とにおいて、可動弁部(可動弁板部)54が弁枠部63に対して流路H方向における位置が変更可能に接続される。
さらに、弁枠部63または可動弁部(可動弁板部)54には、図示していないが、可動弁部(可動弁板部)54を弁枠部63に対して流路H方向における中空部11の中央位置に向けて付勢する付勢部(中立付勢部)を備える。
これにより、仕切りバルブ100は、付勢部(押しつけシリンダ)70が動作していない場合には、弁箱10の内部において、可動弁部(可動弁板部)54が中空部11の中央位置に維持するノーマルクローズ機構を有する。付勢部(押しつけシリンダ)70と弁枠部63の付勢部(中立付勢部)とによって、弁枠部63と可動弁部(可動弁板部)54との流路H方向における厚み寸法が調整可能である。
回転軸20が流路Hの方向に交差する方向に回転すると、この回転に従って、回転軸20に固定されている中立弁部30も一体として回動する。また、可動弁部(可動弁板部)54は中立弁部30に厚さ方向のみ摺動可能とされているため、可動弁部(可動弁板部)54は、中立弁部30と一体に回転する。
中立弁部30を回転することにより、流路Hが設けられていない中空部11とされる退避位置(弁開放位置)から、第1開口部12aに対応する位置とされる流路Hを遮蔽する弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)に、可動弁部(可動弁板部)54が振り子運動で移動する。
本実施形態において、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70の固定部71は弁箱10に内蔵される。真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70は、付勢部材(押しつけバネ)73が可動弁部(可動弁板部)54から離間する方向に可動部(伸縮ロッド)72を付勢可能として配置される。
真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70においては、図1,図2に示すように、付勢部材(押しつけバネ)73によって縮退した可動部(伸縮ロッド)72が、可動弁部(可動弁板部)54から離間して、弁箱10に内蔵された固定部71に収納される。
これにより、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70においては、縮退した収納状態から、油圧の供給により可動部(伸縮ロッド)72を伸長する。この際、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70は、可動部(伸縮ロッド)72によって、可動弁部(可動弁板部)54を第1開口部12aに向けて移動させて、可動弁部(可動弁板部)54を弁箱10の内面に接触させる。さらに、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70は、可動弁部(可動弁板部)54を弁箱10の内面に押圧して閉塞状態とし、流路Hを閉鎖する(閉弁動作)。
この可動部(伸縮ロッド)72の伸長状態から、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70は、油圧の解除によって可動部(伸縮ロッド)72の先端部を縮退させる。この際、付勢部(中立付勢部)は、可動弁部(可動弁板部)54を第1開口部12aから離間させる。これにより、可動弁部(可動弁板部)54が弁箱10の内面から引き離されて退避される。可動弁部(可動弁板部)54を流路H方向における中空部11の中央位置とすることにより、流路Hを開放する(解除動作)。
このように、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70における機械的な当接動作と機械的な分離動作とによって、閉弁動作と解除動作が可能となる。ここで、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70における機械的な当接動作とは、弁箱10の内面に対して可動弁部(可動弁板部)54を当接させる動作である。真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70における機械的な分離動作とは、付勢部(中立付勢部)によって、弁箱10の内面から可動弁部(可動弁板部)54を引き離す動作である。
この解除動作の後に、回転軸20が回転駆動部21によって回転駆動される(退避動作)と、この回転に従って中立弁部30および可動弁部(可動弁板部)54も一体として回動する。
仕切りバルブ100は、この解除動作と退避動作とにより、可動弁部(可動弁板部)54が弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)から退避位置(弁開放位置)に退避して弁開状態とする弁開動作が行われる。
真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70の駆動は、油圧駆動手段(非圧縮性流体駆動部)700から供給された油圧(加圧非圧縮性流体)によっておこなわれる。
油圧駆動手段(非圧縮性流体駆動部)700は、油圧発生部701と、油圧管702と、切替弁(スプール弁)800と、を有する。油圧発生部701は、駆動空間777に油圧を供給する油圧を発生させる。油圧管702は、油圧発生部701から真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70の固定部71に設けられた貫通孔771cに接続される。
切替弁(スプール弁)800は、油圧管702に設けられて回転軸20の回転が弁閉塞位置および弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)となっていることを検出して油圧供給を切り替え可能である。
油圧発生部701は、ノーマルクローズが可能な構成とされている。油圧発生部701は、可動部(伸縮ロッド)72を伸縮動作する際に、正圧または負圧となる油圧を真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70に供給するとともに、動作終了時に、油圧状態を維持可能とされている。また、可動弁部(可動弁板部)54への可動部(伸縮ロッド)72の当接状態を適切に制御可能となっている。
本実施形態における仕切りバルブ100においては、図4に示すように、可動弁部(可動弁板部)54が退避位置(弁開放位置)にあって、流路Hが全開して流通可能な状態とされる。
また、可動弁部(可動弁板部)54が、図4に示す退避位置(弁開放位置)から、図5に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)にまで閉回転動作する間は、流路Hが部分的に可動弁部(可動弁板部)54によって覆われており、流路Hが一部流通可能である。
さらに、可動弁部(可動弁板部)54が、図5に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)に到達した直後は、流路Hが可動弁部(可動弁板部)54によって遮蔽されているが、密閉はされておらず、流路Hが可動弁部(可動弁板部)54の周縁部付近で一部流通可能である。
また、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70における可動部(伸縮ロッド)72の伸長駆動により、可動弁部(可動弁板部)54が流路H方向における位置を変更する密閉動作をおこなう。これにより、可動弁部(可動弁板部)54が、図5に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)から、図6に示す弁閉塞位置にまで摺動して、流路Hが閉塞される。
次に、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70における可動部(伸縮ロッド)72の縮退駆動により、可動弁部(可動弁板部)54が流路H方向における位置を変更する開放動作をおこなう。これにより、可動弁部(可動弁板部)54が、図6に示す弁閉塞位置から、図5に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)にまで摺動する。この際には、流路Hが部分的に可動弁部(可動弁板部)54で覆われており、流路Hが一部流通可能である。
さらに、可動弁部(可動弁板部)54が、図5に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)から閉回転動作を開始した直後には、流路Hの密閉が解除され、流路Hが可動弁部(可動弁板部)54の周縁部付近で一部流通可能になる。同時に、流路Hが可動弁部(可動弁板部)54によって遮蔽されているが、密閉はされていない状態となる。
さらに、可動弁部(可動弁板部)54が、図5に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)から図4に示す退避位置(弁開放位置)にまで開回転動作する間は、流路Hが部分的に可動弁部(可動弁板部)54によって覆われており、流路Hが一部流通可能である。
なお、可動弁部(可動弁板部)54の回転動作中は、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70は可動部(伸縮ロッド)72の縮退状態を維持し、可動部(伸縮ロッド)72の伸長駆動はおこなわない。
本実施形態においては、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以下、本発明に係る真空アクチュエータの第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
図7は、本実施形態における真空アクチュエータにおける油圧駆動手段を示す模式説明図である。
本実施形態において上述した第1実施形態と異なるのは油圧発生部に関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
油圧駆動手段(非圧縮性流体駆動部)700は、図7に示すように、駆動部705を有する。駆動部705は、油圧発生部701を駆動するモータ等である。駆動部705は、制御部(コントローラ)706に接続されて制御される。また、駆動部705は電源707に接続されて、駆動部705を駆動するための電力を供給される。
図8〜図10は、油圧駆動手段700における油圧発生部701を示す断面図である。
図8は、油圧駆動手段700における油圧発生部701の加圧状態を示す。図9は、油圧駆動手段700における油圧発生部701の減圧状態を示す。図10は、油圧駆動手段700における油圧発生部701の過圧状態を示す。
油圧発生部701は、図8〜図10に示すように、油圧シリンダ710と、付勢部材720と、シリンダ駆動部730と、ケーシング750と、を備えている。
油圧シリンダ710は、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70に非圧縮性流体である圧油を加圧して供給する。付勢部材720は、油圧シリンダ710を付勢する。シリンダ駆動部730は、付勢部材720に抗して油圧シリンダ710を駆動可能である。ケーシング750は、これら油圧シリンダ710、付勢部材720、シリンダ駆動部730を収納する。
油圧シリンダ710は、有底筒状のシリンダ本体711と、シリンダ本体711の内部で軸線方向に相対的に移動可能なピストン712とを有する。ピストン712は、その軸線に沿って内部を貫通する油圧流路713を有し、油圧流路713が油圧管702に接続されている。油圧流路713は、非圧縮性流体である圧油(駆動流体)を油圧管702に対して流入可能または流出可能である。
ピストン712は、油圧管702に接続される側の油圧流路713がケーシング750を貫通する。ピストン712の端部712aは、Oリングおよびシール材によってシールされてケーシング750に取り付け固定される。
ピストン712の端部712aと反対側となる端部712bは、シリンダ本体711の内部に同軸状態に位置する。
シリンダ本体711の端部711aは開口されている。シリンダ本体711の端部711aには、内部にピストン712の端部712bが挿入される。
シリンダ本体711はピストン712に対して軸線方向に相対的に移動可能である。シリンダ本体711はケーシング750に対して軸線方向に相対的に移動可能である。
シリンダ本体711の端部711bは閉塞される。シリンダ本体711の端部711bの内側と、ピストン712の端部712bの端面とで油圧空間714が形成される。油圧空間714には、非圧縮性流体である圧油(駆動流体)が充填される。
油圧空間714は、シリンダ本体711がピストン712に対して軸線方向に相対的に移動した場合に容積が増減する。この油圧空間714の容積増減にともない、油圧空間714に充填された圧油が、油圧流路713を介して油圧管702に流入または流出する。シリンダ本体711の端部711aには、フランジ部711cが外周位置に設けられる。フランジ部711cは、端部711aから径方向外側に張り出して周設される。
フランジ部711cの端部711bに向かう面には、付勢部材720となる内バネ721の端部721aおよび外バネ722の端部722aが当接している。
フランジ部711cの端部711bに向かう面には、シリンダ本体711の外周面に近接して周溝711dが周設される。周溝711dには、付勢部材720となる内バネ721の端部721aが当接している。周溝711dの外周位置となるフランジ部711cの端部711bに向かう面には、外バネ722の端部722aが当接している。
付勢部材720は、内バネ721および外バネ722を有する。内バネ721および外バネ722は、コイルバネとされる。内バネ721および外バネ722は、シリンダ本体711およびピストン712と同軸状に配置される。内バネ721は、シリンダ本体711の外周面の径寸法よりもやや大きい内径寸法を有する。外バネ722は、内バネ721の外径寸法よりもやや大きい内径寸法を有する。外バネ722は、内バネ721よりも大きな線径とされる。外バネ722は、内バネ721よりも大きな付勢力を有する。
内バネ721および外バネ722は、伸縮方向への付勢力をシリンダ本体711に伝達可能とされている。内バネ721および外バネ722は、いずれもシリンダ本体711のフランジ部711cを、ピストン712の端部712aに向けて押圧するように付勢されている。内バネ721の端部721bおよび外バネ722の端部722bは、ケーシング750に当接している。これにより、付勢部材720は、シリンダ本体711をケーシング750に対して付勢する。
なお、付勢部材720は、シリンダ本体711を付勢することが可能であれば、この構成に限るものではない。
シリンダ本体711の内周面には、端部711aに近接する位置に、ブシュ711e、Y形パッキン711f,711gが設けられる。シリンダ本体711の内周面とピストン712の外周面とは摺動可能に密閉される。シリンダ本体711の端部711aには、外側位置にシリンダ駆動部730の駆動軸731の端部731aが同軸状として接続される。
シリンダ駆動部730は、シリンダ本体711をピストン712に対して軸線方向に相対的に移動させる駆動軸731と、モータ等の駆動部705によって駆動軸731を駆動する駆動伝達部と、を有する。
駆動軸731は、シリンダ本体711およびピストン712と同軸状態としてケーシング750内に配置される。駆動軸731は軸方向に移動可能とされる。駆動軸731はピストン712およびケーシング750に対して軸線方向に相対的に移動可能である。駆動軸731の外周面には端部731aに近接する位置に、ボールネジ731cが形成される。駆動軸731の軸方向におけるボールネジ731cの長さは、シリンダ本体711が軸方向に移動する際、その全範囲に対して、後述する内側螺面732cが螺合状態を維持可能なように設定される。
駆動軸731の径方向外側には、ボールネジ731cの外周位置に、ネジ駆動ギア732が同軸状に配置される。駆動軸731は、ネジ駆動ギア732によってケーシング750に対して支持される。
駆動軸731の端部731aと反対側となる端部731bには、後述する回り止め731hが径方向に突出して設けられる。回り止め731hは、ケーシング750に設けられたすべり溝757の内部に位置して、駆動軸731が回転しないで軸方向に移動可能なように移動方向を規制している。
ネジ駆動ギア732は筒状とされる。ネジ駆動ギア732は、ケーシング750に対して回転可能に支持される。ネジ駆動ギア732の外周にはボールベアリング732f,732gが設けられる。ボールベアリング732f,732gは、ケーシング750に対して駆動軸731と同軸に回転可能としてネジ駆動ギア732を支持する。
なお、ネジ駆動ギア732は、ケーシング750に対して軸方向には移動しない。ネジ駆動ギア732の内周には内側螺面732cが形成される。内側螺面732cは、駆動軸731のボールネジ731cと螺合する。
ネジ駆動ギア732が回転した場合、内側螺面732cと螺合しているボールネジ731cにより、駆動軸731に回転力が作用する。駆動軸731は、回り止め731hおよびすべり溝757によって回転が規制されている。したがって、駆動軸731は、すべり溝757に規制された方向、すなわち、駆動軸731の軸方向に移動する。
ネジ駆動ギア732の外周には外側ギア732dが形成される。外側ギア732dは、ネジ駆動ギア732の軸方向において、ボールベアリング732fおよびボールベアリング732gの間に挟まれた位置に形成される。ネジ駆動ギア732において、外側ギア732dは、径方向の最外側に位置する。
なお、ネジ駆動ギア732は、内側螺面732cの形成された内ネジ駆動ギア732aと、外側ギア732dの形成された外ネジ駆動ギア732bと、が一体として接続されていることができる。
外側ギア732dは、駆動ギア733dと噛合する。駆動ギア733dは、駆動軸731の軸線と平行な回転軸線を有する。駆動ギア733dは、駆動軸731の軸線と平行な回転軸734に回転自在に支持される。回転軸734は、駆動軸731の径方向における外側に離間した位置としてケーシング750に支持される。駆動ギア733dは、同軸の駆動ギア733eと一体に形成される。駆動ギア733eは、駆動ギア733dよりも大きな径寸法を有する。駆動ギア733eは、駆動ギア733dと一体に回転する。
駆動ギア733eは、駆動ギア735と噛合する。駆動ギア735は、駆動軸731の軸線と平行な回転軸線を有する。駆動ギア735は、駆動軸731の軸線と平行な回転軸736に回転自在に支持される。回転軸736は、駆動軸731の径方向における外側位置で、回転軸734よりもさらに離間した位置としてケーシング750に支持される。
駆動ギア735は、駆動ギア737と噛合する。駆動ギア737は、駆動軸731の軸線と平行な回転軸線を有する。駆動ギア737は、駆動軸731の軸線と平行なモータ等の駆動部705の回転駆動軸705aに固定される。回転駆動軸705aは、駆動軸731の径方向における外側位置で、回転軸736よりもさらに離間した位置とされる。回転駆動軸705aは、ケーシング750に貫通状態として回転可能に取り付けられる。
ネジ駆動ギア732、ボールベアリング732f,732g、内側螺面732c、外側ギア732d、駆動ギア733d、駆動ギア733e、回転軸734、駆動ギア735、回転軸736、駆動ギア737は、駆動伝達部を構成する。
ケーシング750は、ケーシング筒751と、ケーシング蓋752と、後ケーシング753と、リング754と、蓋部758と、からなる。ケーシング筒751は、筒状とされる。ケーシング蓋752は、ケーシング筒751の一端を閉塞する。後ケーシング753は、ケーシング筒751の他端を閉塞する。リング754は、ケーシング筒751と後ケーシング753との間に設けられる。蓋部758は、後ケーシング753の他端を閉塞する。
ケーシング筒751は、シリンダ本体711、ピストン712、駆動軸731と同軸状に延在する内部形状を有する。ケーシング筒751の内部は収納空間755を形成している。
収納空間755の内部には、シリンダ本体711と、ピストン712と、付勢部材720となる内バネ721および外バネ722と、駆動軸731の端部751aと、が収納される。収納空間755は、ピストン712の位置する側が開口しており、ケーシング蓋752によって閉塞されている。
ケーシング蓋752にはピストン712が接続固定されている。ケーシング蓋752にはピストン712の端部712aが貫通している。収納空間755は、駆動軸731の位置する側が開口しており、後ケーシング753によって閉塞されている。後ケーシング753には、駆動軸731が貫通している。収納空間755は、後ケーシング753に近接する位置に、リング754が設けられる。
リング754は、駆動軸731と同軸として駆動軸731の周囲に配置される。リング754の内周と駆動軸731の外周とは離間している。リング754は、フランジ部711cの内周、すなわち、シリンダ本体711の外周面の径寸法と等しい内径を有する。また、リング754は、フランジ部711cの外径寸法と等しい外径を有する。
リング754のケーシング蓋752に対向する面には、付勢部材720となる内バネ721の端部721bおよび外バネ722の端部722bが当接している。リング754のケーシング蓋752に対向する面には、周溝711dに対応するように周溝754dが周設される。周溝754dには、付勢部材720となる内バネ721の端部721bが当接している。周溝754dの外周位置となるリング754のケーシング蓋752に向かう面には、外バネ722の端部722bが当接している。
ケーシング筒751と後ケーシング753との間には、収納空間755よりも駆動軸731の径方向外側に向けて延在する駆動系支持部751k,753kが設けられる。駆動系支持部751k,753kは、ケーシング筒751および後ケーシング753に対して周方向の一部分をなすフランジ状に形成される。
駆動系支持部751kと駆動系支持部753kとは、互いに接触している。駆動系支持部751kと駆動系支持部753kとの間には、ネジ駆動ギア732、ボールベアリング732f,732g、内側螺面732c、外側ギア732d、駆動ギア733d、駆動ギア733e、回転軸734、駆動ギア735、回転軸736、駆動ギア737が挟持される。
駆動系支持部751kと駆動系支持部753kとの対向する面には、ネジ駆動ギア732、ボールベアリング732f,732g、外側ギア732d、駆動ギア733d、駆動ギア733e、回転軸734、駆動ギア735、回転軸736、駆動ギア737に対応する凹凸が形成される。
駆動系支持部751kと駆動系支持部753kとは、ネジ駆動ギア732、ボールベアリング732f,732g、駆動ギア733d、駆動ギア733e、回転軸734、駆動ギア735、回転軸736、駆動ギア737を、対向する面の間で支持している。
また、駆動系支持部751kには、回転駆動軸705aが貫通している。駆動系支持部751kには、モータ等の駆動部705が取り付けられている。
ケーシング筒751とネジ駆動ギア732との間にはボールベアリング732fが設けられる。ボールベアリング732fは、ケーシング筒751に対してネジ駆動ギア732を回転可能に支持する。後ケーシング753とネジ駆動ギア732との間にはボールベアリング732gが設けられる。ボールベアリング732gは、後ケーシング753に対してネジ駆動ギア732を回転可能に支持する。
後ケーシング753には、駆動軸731が軸方向に移動した際に、駆動軸731の端部731bの逃げとなる後空間756が形成される。後空間756と収納空間755との境界となる位置には、ネジ駆動ギア732が配置される。つまり、後空間756と収納空間755との境界となる位置には、駆動軸731が軸方向に移動可能として配置されている。
後空間756には、拡径するようにすべり溝757が形成される。すべり溝757は、駆動軸731の径方向外側に位置する。すべり溝757は、回り止め731hが内部を摺動することで、駆動軸731の回転を規制するとともに、駆動軸731の軸方向の移動を可能とする。後空間756の端部は、蓋部758によって閉塞されている。
後空間756の蓋部758側となる位置には、駆動軸731の一部が当接可能なリミッタスイッチ(検出手段)760が設けられる。リミッタスイッチ(検出手段)760は、制御部706に接続される。リミッタスイッチ(検出手段)760は、すべり溝757に位置していてもよい。リミッタスイッチ(検出手段)760に当接可能な駆動軸731の一部としては、回り止め731hとすることもできる。
後空間756のネジ駆動ギア732側となる位置には、駆動軸731の一部が当接可能なリミッタスイッチ(検出手段)761が設けられる。リミッタスイッチ(検出手段)761は、制御部706に接続される。リミッタスイッチ(検出手段)761は、すべり溝757に位置していてもよい。リミッタスイッチ(検出手段)761に当接可能な駆動軸731の一部としては、回り止め731hとすることもできる。
リミッタスイッチ(検出手段)760とリミッタスイッチ(検出手段)761とは、駆動軸731の軸方向位置を検出する。リミッタスイッチ(検出手段)760とリミッタスイッチ(検出手段)761とは、接触式、あるいは、非接触の磁気式とすることが可能である。
リミッタスイッチ(検出手段)760は、駆動軸731が収納空間755から後空間756に向けて移動した場合に、駆動軸731が軸方向にリミッタスイッチ(検出手段)760で規定された位置に到達したことを検知する。また、リミッタスイッチ(検出手段)761は、駆動軸731が後空間756から収納空間755に向けて移動した場合に、駆動軸731が軸方向にリミッタスイッチ(検出手段)761で規定された位置に到達したことを検知する。
ここで、リミッタスイッチ(検出手段)760が、駆動軸731が軸方向における所定の位置に到達したことを制御部706に出力した場合、信号を受け取った制御部706は、モータ等の駆動部705の駆動を停止する信号を出力する。これにより、モータ等の駆動部705は駆動を停止する。したがって、リミッタスイッチ(検出手段)760の設置された位置によって、駆動軸731の移動位置が規制される。
あるいは、リミッタスイッチ(検出手段)761が、駆動軸731が軸方向における所定の位置に到達したことを制御部706に出力した場合、信号を受け取った制御部706は、モータ等の駆動部705の駆動を開始する信号を出力する。これにより、モータ等の駆動部705は駆動を開始する。したがって、リミッタスイッチ(検出手段)761の設置された位置によって、駆動軸731の移動位置が規制される。
このように、油圧発生部701は、制御部706の出力信号によって、モータ等の駆動部705における駆動状態の切り替えを可能とされる。
制御部706が駆動信号を出力すると、モータ等の駆動部705が駆動して、回転駆動軸705aが回転する。回転駆動軸705aの回転により、回転駆動軸705aに取り付けられた駆動ギア737が回転する。駆動ギア737の回転は、噛合する駆動ギア735に伝達される。駆動ギア735の回転は、噛合する駆動ギア733eに伝達される。
駆動ギア733eの回転は、一体として形成された駆動ギア733dに伝達される。駆動ギア733dの回転は、噛合する外側ギア732dに伝達されて、ネジ駆動ギア732が回転する。外側ギア732dの回転は、一体として形成されたネジ駆動ギア732の内側螺面732cに伝達される。
ネジ駆動ギア732の内側螺面732cの回転は、噛合する駆動軸731のボールネジ731cに伝達されて、駆動軸731が回転する。ネジ駆動ギア732は、ボールベアリング732f,732gによって支持されているので、回転しても、軸方向に移動しない。
駆動軸731は、内側螺面732cによって支持されるとともに、回り止め731hがすべり溝757の内部に位置して、駆動軸731の移動方向が規制されている。このため、駆動軸731は、回転した場合に軸方向に移動する。このように、駆動伝達部によって、モータ等の駆動部705の回転駆動力が駆動軸731に伝達され、駆動軸731が軸方向に移動する。
駆動軸731が軸方向に移動すると、一体として接続されたシリンダ本体711も、同様にして軸方向に移動する。このとき、ピストン712は、ケーシング蓋752に固定されているので移動しない。これにより、シリンダ本体711とピストン712とが軸線方向に相対的に移動する。
ここで、シリンダ本体711とピストン712とが相対的に移動することで、シリンダ本体711内部の油圧空間714の容積が変化する。油圧空間714の容積変化に応じて、油圧空間714に充填された非圧縮性流体である圧油(駆動流体)が油圧流路713に流入または流出する。
シリンダ本体711には、フランジ部711cに当接する付勢部材720となる内バネ721および外バネ722が付勢力を付与している。
本実施形態の真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70においては、ノーマルプッシュ、つまり、モータ等の駆動部705が駆動していない際に、可動部(伸縮ロッド)72を伸長可能とする。このため、油圧シリンダ710において、付勢部材720からの付勢力は、内バネ721および外バネ722が伸長する方向となる。つまり、付勢部材720からシリンダ本体711へ付与された付勢力は、シリンダ本体711がネジ駆動ギア732から離間する方向となる。
したがって、付勢部材720の付勢力は、シリンダ本体711における油圧空間714の容積が減少するように付与されている。
また、本実施形態の真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70においては、ノーマルプッシュ、つまり、モータ等の駆動部705が駆動された際に、可動部(伸縮ロッド)72を縮退可能とする。このため、油圧シリンダ710において、モータ等の駆動部705の駆動により、駆動軸731が移動する方向は付勢部材720の付勢力と反対向きとなる。つまり、モータ等の駆動部705の駆動により、駆動軸731はピストン712から離間する方向に移動する。
したがって、モータ等の駆動部705の駆動により、シリンダ本体711における油圧空間714の容積は増大するように駆動軸731が移動する。
油圧発生部701は、モータ等の駆動部705を駆動しない場合、図8に示すように、付勢部材720の付勢力によって油圧空間714の容積が減少する。これにより、油圧空間714積が加圧される。これにより、非圧縮性流体である圧油(駆動流体)が、油圧空間714から油圧流路713を介して油圧管702に対して流入する。このとき、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70では油圧が作用して、可動部(伸縮ロッド)72の先端部72aが伸長する。
また、油圧発生部701は、モータ等の駆動部705を駆動した場合、図9に示すように、モータ等の駆動部705の駆動力によって油圧空間714の容積が増大する。これにより、油圧空間714積が減圧される。非圧縮性流体である圧油(駆動流体)が油圧流路713を介して油圧管702から油圧空間714に対して流入する。このとき、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70では油圧が作用して、可動部(伸縮ロッド)72の先端部72aが縮退する。
また、油圧発生部701では、何らかの原因により、シリンダ本体711がケーシング蓋752側にオーバーランした場合でも、図10に示すように、フランジ部711cがケーシング蓋752に当接して、シリンダ本体711の移動を停止する。これにより、油圧空間714の減少を所定範囲に制限する。したがって、油圧発生部701は、過剰な圧油(駆動流体)を真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70へ流入させないことができる。
なお、図10において、リミッタスイッチ(検出手段)761の記載は省略している。
さらに、本実施形態の真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70においては、駆動空間777から油圧管702を介して油圧空間714までの間で油が漏れた場合に、これを検出することができる。具体的には、駆動空間777において収容される油量が減少した場合には、付勢部材720の付勢力によって油圧空間714の容積が減少する。これにより、軸方向における駆動軸731の往復動作範囲が、想定した位置からピストン712に近接する方向に移動することになる。
したがって、想定した位置に比べて、駆動軸731の軸方向移動における早い段階でリミッタスイッチ(検出手段)761から検出信号が出力されることになる。このため、駆動空間777において収容される油量が減少したことを検出可能である。
なお、本実施形態の真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70においては、駆動空間777から油圧管702を介して油圧空間714までの間で形成される油収容空間の容積減少を検知可能な構成であれば、この構成に限るものではない。
本実施形態においては、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
以下、本発明に係る真空アクチュエータの第4実施形態を、図面に基づいて説明する。
図11は、本実施形態における真空アクチュエータを備える真空装置を示す模式説明図である。
本実施形態において上述した第1から第3実施形態と異なるのは真空アクチュエータの設けられた真空装置に関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態における真空装置200は、例えばサイドスパッタ式スパッタ等の真空処理をおこなう装置とされる。
本実施形態における真空装置(スパッタ装置)200は、略矩形のガラス基板(被処理基板)Gを搬入/搬出するロード・アンロード室と、ガラス基板G上に例えばZnO系やIn系の透明導電膜などの被膜をスパッタ法により形成する耐圧の成膜室(チャンバ)201と、成膜室201とロード・アンロード室との間の搬送室と、を備えている。
なお、図11には、成膜室201のみを示している。
第1実施形態におけるチャンバChは、本実施形態において成膜室201とされる。
本実施形態における真空装置(スパッタ装置)200において、成膜室(チャンバ)201の内部には、図11に示すように、バッキングプレート(カソード電極)206と、電源206aと、ガス導入手段207aと、高真空排気手段207bと、が設けられている。
バッキングプレート(カソード電極)206は、成膜材料を供給する手段として、立設されたターゲットを保持する。電源206aは、バッキングプレート206に負電位のスパッタ電圧を印加する。ガス導入手段207aは、成膜室(チャンバ)201内にガスを導入する。高真空排気手段207bは、成膜室201の内部を高真空引きするターボ分子ポンプ等とされる。
バッキングプレート206は、成膜室201の内部において搬送室に連通する搬送口204aから最遠となる位置に立設される。バッキングプレート206には、ガラス基板Gと略平行に対面する前面側にターゲットが固定される。
バッキングプレート(カソード電極)206は、ターゲットに対して負電位のスパッタリング電圧を印加する電極の役割を果たす。バッキングプレート206は、負電位のスパッタリング電圧を印加する電源206aに接続されている。バッキングプレート(カソード電極)206の裏側には、ターゲット上に所定の磁場を形成するためのマグネトロン磁気回路が設置されている。
成膜室201の内部は、図11に示すように、成膜時にガラス基板Gの表面側となる前側空間201aと、ガラス基板Gの裏面側となる裏側空間201bとからなる。成膜室201の前側空間201aには、ターゲットが固定されたバッキングプレート(カソード電極)206が配置される。成膜室201の裏側空間201bには、前側空間201aに向かって開口する成膜口204bが設けられている。成膜口204bの周囲には、防着板枠202が設けられる。
裏側空間201b内部には、成膜中にターゲットと対向するようにガラス基板Gを横方向揺動可能に保持する基板保持手段(保持手段)が設けられている。基板保持手段(保持手段)は、ガラス基板Gを裏面から保持する保持部203を有する。
保持部203は、回転駆動部による揺動軸の軸線周りの回動により、略水平方向位置とされた水平載置位置と、略鉛直方向位置に立ち上げた鉛直処理位置との間で回転動作可能とされる。
水平載置位置とされた保持部203表面の延長には搬送口204aが位置して、搬送室から搬送されたガラス基板Gを載置可能となる。鉛直処理位置とされた保持部203表面は、ほぼ成膜口204bを塞ぐように位置して、ガラス基板G表面がカソード電極206と対向して成膜可能となる。
保持部203には、ガラス基板Gの搬入又は搬出の際に、水平載置位置とされた保持部203より上方に突出して、保持部203より上側にガラス基板Gを支持するリフトピンと、このリフトピンを上下動させるリフトピン移動部70とが配置されている。
本実施形態においては、例えば、リフトピン移動部70が、第1実施形態における真空アクチュエータ(リフトピン移動部)70とされる。
また、リフトピンが、伸縮ロッド72の先端に、同軸状に取り付けられる。
なお、図11において、真空アクチュエータ(リフトピン移動部)70は、矢印として示している。
真空アクチュエータ(リフトピン移動部)70は、チャンバ201の密閉を維持した状態で駆動可能とされる。この構成により、ガラス基板Gの搬入又は搬出の際に、保持部203と搬送装置のロボットハンドと間における、ガラス基板Gの受け渡しが自在に可能となる。
保持部203の鉛直処理位置において、ガラス基板Gをマスク205に押圧する押圧部70を有する。
本実施形態においては、例えば、押圧部70が、第1実施形態における真空アクチュエータ(押圧部)70とされる。
マスク205は、所定回数の成膜処理後に交換されるが、その際、交換後のマスク205を防着板枠202に対してアライメントするアライメント手段70が成膜口204bの下側位置に設けられる。
本実施形態においては、例えば、アライメント手段70が、第1実施形態における真空アクチュエータ(アライメント手段)70とされる。この構成により、真空アクチュエータ(アライメント手段)70は、伸縮ロッド72の先端部72aを所定の対象物に当接して、これを押圧させ、移動、または、アライメントすることができる。
本実施形態の真空アクチュエータ70は、いずれも、他の駆動タイプに比べて小さな容積で大きな付勢力(押圧力)を真空雰囲気中で呈することができる。さらに、本実施形態の真空アクチュエータ70は、固定値とされた押圧力のみならず、押圧力を変動させることが可能となる。
本実施形態においても、チャンバ201内に油漏れがおきる可能性を極めて低減した状態で、それぞれの真空アクチュエータ70は、対象物を押圧することができる。
本実施形態においては、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
以下、本発明に係る真空アクチュエータを備えた仕切りバルブの第5実施形態を、図面に基づいて説明する。
本実施形態において上述した第1から第3実施形態と異なるのは仕切りバルブの振り子弁体に関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
図12は、本実施形態における仕切りバルブの構成を示す流路と直交する断面図である。
図13〜図17は、本実施形態における仕切りバルブの構成を示す流路に沿った断面図で、弁体が退避動作可能位置(FREE)に配置されている場合を示す図である。図13は、図12における線分B−O−Cに相当する。図14は、図12における線分A−Oに沿う要部を示す拡大図である。図15は、図12における線分B−Oに沿う要部を示す拡大図である。図16は、図12における線分C−Oに沿う要部を示す拡大図である。図17は、図12における弁枠付勢部の要部を示す拡大図である。
図18〜図22は、本実施形態における仕切りバルブの構成を示す流路に沿った断面図で、図13〜図17に対応し、弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)に配置されている場合を示す図である。
図23〜図26は、本実施形態における仕切りバルブの構成を示す流路に沿った断面図で、図13〜図16に対応し、弁体が逆圧位置に配置されている場合を示す図である。
図27、図28は、図13における弁箱での弁箱付勢部の配置を示す斜視図である。
[振り子型仕切りバルブ]
本実施形態に係る仕切りバルブ100は、図12〜図17に示すように、振り子型スライド弁である。
仕切りバルブ100は、第1空間と第2空間とをつなげている流路Hを仕切り、また、この仕切り状態を開放する。仕切りバルブ100は、流路Hを閉鎖した状態と、第1空間と第2空間とをつなぐ状態と、を切り替える。
仕切りバルブ100は、弁箱10と中立弁体5と回転軸20とを備える。弁箱10の内部には中空部11が形成される。弁箱10は、中空部11を有するフレームによって構成される。弁箱10には、中空部11を挟んで互いに対向するように第1開口部12aおよび第2開口部12bが設けられる。
第1開口部12aから第2開口部12bまでは中空部11を介して連通される。第1開口部12aから第2開口部12bに向かって流路Hが設定されている。第1開口部12aは、第1空間に露出されている。第2開口部12bは、第2空間に露出されている。仕切りバルブ100は、第1空間と第2空間との間に挿入される。なお、流路Hに沿った方向は流路H方向と称する。
弁箱10の中空部11内には、中立弁体5が配置される。中立弁部30は、位置切り替え部としての回転軸20に接続される。回転軸20は、流路H方向とほぼ平行に延在する軸線を有する。回転軸20は、弁箱10を貫通する。回転軸20は、不図示の駆動装置により回転可能である。回転軸20の一端には、接続部材(不図示)を介して中立弁部30が固定される。回転軸20は、中立弁体5の位置切り替え部として機能する。
あるいは、回転軸20には、接続部材(不図示)を介さずに中立弁部30が直接接続されてもよい。
中立弁体5は、第1開口部12aおよび/または第2開口部12bを閉塞可能である。本実施形態においては、第1開口部12aを閉塞可能とする。中立弁体5は、弁閉塞位置と弁開放位置との間で動作する。弁閉塞位置において、中立弁体5は、第1開口部12aに対して閉塞状態(図18)となる。弁開放位置において、中立弁体5は、第1開口部12aから退避した開放状態(図13)となる。
中立弁体5は、中立弁部30、および、可動弁部40から構成されている。
中立弁部30は、回転軸20の軸線に対して直交する方向に平行な面に含まれるように配置される。中立弁部30は、図12に示すように、円形部30aと回転部30bとを有する。円形部30aは、流路H方向視して、可動弁部40と重なるように配置される。回転部(アーム部)30bは、回転軸20から円形部30aに向けて、2本の腕が延びたアーム形状で形成される。回転部30bは、回転軸20の回転に伴って円形部30aを回転させる。これら回転軸20、中立弁部30は、弁箱10に対して回動するが、流路H方向には位置変動しない。
可動弁部40は略円板状とされる。可動弁部40は、中立弁部30に対して厚さ方向(流路H方向)にのみ摺動可能として接続される。可動弁部40は、2つの可動弁枠部60(スライド弁板)と可動弁板部50(カウンター板)とを備える。
可動弁枠部60は、円形部30aと略同心状の略円環状とされる。可動弁枠部60は、円形部30aに嵌合される。可動弁枠部60は、中立弁部30に対して流路H方向に摺動可能とされる。可動弁枠部60と中立弁部30との間には、弁枠付勢部90(補助バネ)が配置される。可動弁枠部60は、弁枠付勢部90(補助バネ)によって、中立弁部30に対して流路H方向における位置が変更可能に接続される。
可動弁板部50は、円形部30aと略同心状の円形輪郭を有する板体とされる。可動弁板部50は、可動弁枠部60に嵌合される。
可動弁枠部60は、可動弁板部50の周囲を囲むように配置される。可動弁板部50と可動弁枠部60とは、弁板付勢部80(保持バネ)によって接続される。
可動弁板部50と可動弁枠部60とは、図13に符号B1,B2で示された往復方向に、互いに相対的な摺動が可能である。往復方向B1,B2とは、可動弁板部50および可動弁枠部60の面に垂直な方向である。往復方向B1,B2とは、回転軸20の軸方向に平行な流路H方向である。
可動弁板部50には、弁箱内面10Bに対向(当接)する位置に、カウンタークッション51が周設される。
カウンタークッション51は、円環状の弾性体であるOリング等からなるシール部とされる。カウンタークッション51は、閉弁時に第2開口部12bの周縁となる弁箱内面10Bに密着可能である。カウンタークッション51は、可動弁板部50および弁箱内面10Bによって押圧される。これにより、第1空間と第2空間とが仕切り状態となる。カウンタークッション51は、可動弁板部50と弁箱内面10Bとの衝突時に弾性変形して、衝撃を緩和する。
可動弁板部50には気抜き穴53が設けられる。可動弁板部50と弁箱内面10Bとが衝突した際に、可動弁板部50と弁箱内面10Bとカウンタークッション51とによって密閉空間が形成される。気抜き穴53は、この密閉空間から気体を除去する。
可動弁板部50の外周付近における全領域には、内周クランク部50cが形成される。内周クランク部50cは、流路H方向と平行な摺動面50bを有する。可動弁枠部60の内周付近における全領域には、外周クランク部60cが形成される。外周クランク部60cは、流路H方向と平行な摺動面60bを有する。外周クランク部60cおよび内周クランク部50cは嵌合している。摺動面50bと摺動面60bとは、互いに摺動可能として対向状態に位置する。
外周クランク部60cと内周クランク部50cとの間には、Oリング等からなる摺動シールパッキン52が配される。摺動シールパッキン52により、摺動面50bと摺動面60bとのシール状態を摺動時に維持する。
可動弁枠部60には、弁箱10の内面に対向(当接)する表面に、弁枠シールパッキン61が周設される。弁枠シールパッキン61は、円環状のOリング等からなるシール部とされる。弁枠シールパッキン61は、閉弁時に第1開口部12aの周縁となる弁箱内面10Aに接触して、可動弁枠部60および弁箱内面10Aによって押圧される。これにより、第1空間と第2空間とが仕切り状態となる。
弁枠シールパッキン61と摺動シールパッキン52とは、ほぼ同一円筒面上に配置される。弁枠シールパッキン61と摺動シールパッキン52とが、図14〜図16に示すラインRに重なるように配置される。このため、約100%の逆圧キャンセル率が得られる。
弁枠付勢部90は、中立弁部30の円形部30aと、流路H方向視して円形部30aと重なる可動弁枠部60の位置規制部65と、の間に配置される。弁枠付勢部90は、中立弁部30に対して、可動弁枠部60を流路H方向における中央位置に向けて付勢する。弁枠付勢部90は、円形部30aの周方向に等間隔を有して複数配置される。図12では、3個の弁枠付勢部90が配置された構成例を示している。弁枠付勢部90は、弾性部材であり、板バネとされる。弁枠付勢部90(板バネ)は、その長手方向が円形部30aの周方向に沿って配置される。
弁枠付勢部90(板バネ)の両端部分は、図17に示すように、固定ピン92と固定ピン93とによって中立弁部30の円形部30aに係止される。弁枠付勢部90(板バネ)の両端部分は、それぞれ厚さ方向にリング状部材92a、リング状部材92bを挟んで円形部30aに係止される。弁枠付勢部90(板バネ)の中央部分は、印圧ピン91によって可動弁枠部60の位置規制部65に係止される。
仕切りバルブ100の開弁状態(図13)においては、流路H方向における中立弁部30(アーム)と可動弁枠部60との離間距離が狭くなる。弁枠付勢部90は、高さ方向(厚さ方向)の寸法が縮まる。これにより、弁枠付勢部90における印圧ピン91と固定ピン92との間には、厚さ方向に褶曲する曲部90Aが形成される(図17)。同様に、弁枠付勢部90における印圧ピン91と固定ピン93との間には、厚さ方向に褶曲する曲部90Aが形成される(図17)。
これに対して、仕切りバルブ100が閉弁状態(図18)においては、流路H方向における中立弁部30(アーム)と可動弁枠部60との離間距離が広くなる。これにより、弁枠付勢部90は、高さ方向(厚さ方向)の寸法が伸びる。すなわち、弁枠付勢部90では、曲部90Aが解消する(図22)。
弁枠付勢部90は、閉弁状態(図18)から開弁状態(図13)へ変化する場合に、弁箱10の内面から可動弁枠部60を引き離す機械的な分離動作を促す構造を有する。また、弁枠付勢部90は、中立弁部30(アーム)に対する可動弁枠部60の径方向および周方向の位置を保持する機能も備える。弁枠付勢部90は、可動弁枠部60を中立弁部30に対して流路方向における位置が変更可能に接続する機能、および、可動弁枠部60を流路H方向における中央位置に向けて付勢する機能を有する。
弁箱10には、複数の弁箱付勢部70が内蔵されている。弁箱付勢部70は、前述した第1実施形態における真空アクチュエータ70とされる。真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、可動弁枠部60を流路H方向における第1開口部12aに近接する方向に付勢する。真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、可動弁枠部60をシール面に向く方向に押圧する昇降機構を構成している。複数の真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、可動弁枠部60の姿勢を変化させずに付勢可能な位置に配置される。複数の真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、第2開口部12bの周囲に沿って等間隔に離間して設けられる。複数の真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70を設ける箇所は、3箇所以上が好ましい。
図27,図28には、互いに離間する弁箱付勢部70の配置として、弁体の中心Oから見て、4個の弁箱付勢部70が同じ角度位置(90度)で離間するように配置された構成例を示す。中心Oから見て、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70の角度位置は、弁板付勢部80と弁枠付勢部90との角度位置と重ならないように構成される。
真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、油圧駆動部(固定部)71と、伸縮ロッド(可動部)72とを有する。油圧駆動部(固定部)71は、中空部11に対して弁箱内面10Bよりも外側となるフレームの内部に埋め込まれた配置とされる。伸縮ロッド(可動部)72は、流路H方向に沿って固定部71から第1開口部12aに近接する方向に伸長自在な配置とされる。
真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、油圧駆動手段(非圧縮性流体駆動部)700に接続されており油圧によって駆動される。油圧駆動手段(非圧縮性流体駆動部)700は、前述した第2実施形態における油圧駆動手段(非圧縮性流体駆動部)700とされる。
開弁状態(図13)から閉弁状態(図18)とする場合に、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、油圧によって伸縮ロッド(可動部)72を伸張させる。このとき、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、先端部72aの当接した可動弁枠部60を付勢する。これにより、可動弁枠部60が流路H方向に第1開口部12aに向けて移動する。弁枠シールパッキン61が第1開口部12aの周囲の弁箱内面10Aに密着する。複数の真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70においては、伸縮ロッド(可動部)72の伸長動作がいずれもほぼ同時に動作可能とされる。
弁板付勢部80(保持バネ)は、可動弁部40に内蔵される。弁板付勢部80は、可動弁枠部60と可動弁板部50との流路H方向における厚み寸法が小さくなる方向に互いを付勢している。弁板付勢部80は、可動弁枠部60の動く往復方向B1,B2へ可動弁板部50を連動させる。弁板付勢部80は、流路H方向視して可動弁枠部60と可動弁板部50とが重なる領域に複数配置される。複数の弁板付勢部80は、可動弁枠部60の周方向に等間隔を有する配置とされる。弁板付勢部80を設ける箇所は、3箇所以上が好ましく、互いに離間して設けられる。図12は、弁体の中心Oから見て、3個の弁板付勢部80が同じ角度位置(120度)に配された構成例を示している。
弁板付勢部80は、ボルト状のガイドピン81の長軸部によって、可動弁板部50の動きを誘導(規制)する。ガイドピン81は、可動弁枠部60に固定される。弁板付勢部80を構成する保持バネは、例えば、スプリング、ゴム等とされる弾性部材で形成されている。ガイドピン81は、太さ寸法が均一の棒状体で構成されている。ガイドピン81は、弁板付勢部80内を貫通する。ガイドピン81は、流路H方向に立設されて可動弁枠部60に固設される。ガイドピン81は、可動弁板部50に形成された孔部50hに嵌合している。ガイドピン81は、可動弁板部50と可動弁枠部60の位置規制を誘導する。
弁板付勢部80により、可動弁板部50と可動弁枠部60とが互いに摺動する際に、摺動方向(符号Qで示す軸)を往復方向B1,B2に維持する。また、可動弁板部50と可動弁枠部60とが摺動した際にも、可動弁板部50および可動弁枠部60の姿勢が変化せずに平行移動を行うことができる。
以下、本実施形態に係る仕切りバルブ100の動作を詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る仕切りバルブ100において、可動弁部40は、流路Hが設けられていない中空部11とされる退避位置にある状態を考える。このとき、可動弁部40は、弁箱内面10Aおよび弁箱内面10Bに接していない。この状態で、回転軸20を符号R1で示された方向(流路Hの方向に交差する方向)に回転させる。すると、中立弁部30おおび可動弁部40が方向R1に沿って振り子運動で回転移動する。この回転によって、可動弁部40は、退避位置から、第1開口部12aに対向する位置とされる弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)に移動する。
弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)において、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70が、流路H方向における第1開口部12aに近接する方向に、伸縮ロッド(可動部)72を伸長する。伸縮ロッド(可動部)72は可動弁枠部60に当接してこれを押圧する。可動弁枠部60は、第1開口部12aに近接する方向に移動する。
真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70によって、可動弁枠部60が弁箱内面10Aに当接する。このとき、弁枠シールパッキン61が第1開口部12aの周囲に位置する弁箱内面10Aに密着する。これにより、流路Hが閉鎖される(閉弁動作)。
逆に、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70が、伸縮ロッド(可動部)72を縮退させる。伸縮ロッド(可動部)72から可動弁枠部60への付勢力が減少する。すると、弁枠付勢部90の付勢力によって、弁箱10の内面から可動弁枠部60が引き離される。可動弁枠部60と弁箱内面10Aとは、密閉状態が解除される。これにより、前記流路Hを開放する(解除動作)。
可動弁部40における閉弁動作および解除動作は、弁箱付勢部70による機械的な当接動作と、弁枠付勢部90による機械的な分離動作と、によっておこなわれる。
解除動作の後に、回転軸20を符号R2で示された向きに回転させる。すると、可動弁部40が、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)から退避位置に移動する(退避動作)。
この解除動作と退避動作とにより、可動弁部40を弁開状態とする弁開動作が行われる。
一連の動作(閉弁動作、解除動作、退避動作)において、弁板付勢部80は、可動弁枠部60と可動弁板部50とを連動させる。
[弁体が退避動作可能位置(FREE)の状態]
図13〜図16には、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)におる可動弁部40(可動弁枠部60、可動弁板部50)が、弁箱10の何れの弁箱内面10A、10Bとも接していない状態を示す。この状態を、弁体がFREEな状態と称する。弁体がFREEな状態において、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70の伸縮ロッド(可動部)72は、弁箱内面10Bから突出せず、弁箱10の内側に縮退した状態にある。つまり、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、中立弁体5と接していない。
次に、弁体がFREEな状態から、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70を駆動する。すると、伸縮ロッド(可動部)72の先端部72aが、図14に矢印F1で示すように、可動弁枠部60の下面60sbに当接する。これにより、図14に矢印F2で示すように、可動弁枠部60は、弁箱内面10Aに向けて移動する。さらに可動弁枠部60が移動して、弁枠シールパッキン61が弁箱内面10Aに接した状態が、閉弁位置の状態(閉弁状態)である。このとき、可動弁板部50は、弁板付勢部(保持バネ)80によって、可動弁枠部60と同じ方向へ移動する。同時に、可動弁板部50と可動弁枠部60とは、摺動シールパッキン52を介して摺動シール状態を維持する。
弁体がFREEな状態において、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70が可動弁枠部60を弁箱10の弁箱内面10Aに接触させて流路Hを閉鎖する(閉弁動作)。
[弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)の状態]
図18〜図21には、上記の閉弁動作により流路Hが閉鎖された状態を表す。
この状態を、正圧/差圧無の弁閉状態と称する。正圧/差圧無の弁閉状態とは、中立弁体5が弁箱10の一方の内面と接した状態であり、他方の内面とは接していない状態である。つまり、正圧/差圧無の弁閉状態では、中立弁体5が第1開口部12aの周囲の弁箱内面10Aと接する。同時に、中立弁体5が第2開口部12bの周囲に位置する弁箱内面10Bとは接していない。
正圧/差圧無の弁閉状態では、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70において、伸縮ロッド(可動部)72が可動弁枠部60に向く方向へ伸延した状態を維持する。つまり、先端部72aを可動弁枠部60の下面60sbに当接させた状態を維持する。また、弁枠シールパッキン61が弁箱10の第1開口部12aの周囲の弁箱内面10A)と接した状態を維持する。
[弁体が逆圧位置の弁閉状態]
図23〜図26には、逆圧状態で流路Hが閉鎖された状態を表す。
この状態を、逆圧の弁閉状態と称する。逆圧の弁閉状態とは、中立弁体5が、流路H方向における両方の弁箱内面10A,10Bと接した状態である。つまり、逆圧の弁閉状態では、中立弁体5が第1開口部12aの周囲の弁箱内面10Aと接した状態を保ちながら、第2開口部12bの周囲に位置する弁箱内面10Bにも接した状態である。ここで、逆圧とは、閉弁状態から開弁状態の方向へ弁体に対して圧力が加わることである。
中立弁体5が逆圧を受けた場合、弁板付勢部80により、可動弁板部50は可動弁枠部60に対して往復方向B2(図23)に摺動しながら移動する。可動弁枠部60と可動弁板部50の間は、摺動シールパッキン52を介してシール状態が維持される。
これにより、可動弁板部50は、第2開口部12bの周囲の弁箱内面10Bに衝突する。このとき、カウンタークッション51が、可動弁板部50における衝突による衝撃を緩和する。中立弁体5の受けた力を弁箱10の弁箱内面10B(裏側のボディ)で受けさせる機構が、逆圧キャンセル機構である。
さらに、正圧/差圧無とし、この状態において、弁枠付勢部90により、可動弁枠部60を弁箱10の内面から引き離し、可動弁枠部60を退避させることによって、流路Hを開放する(解除動作)。
このように、本実施形態の仕切りバルブ100においては、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70の重量に対応して弁体構造の軽量化、省スペース化が可能である。弁体の構成の簡素化が可能である。弁体の部品点数を削減できる。約100%の逆圧キャンセル率が得られる。弁体の駆動力を抑制できる。確実な閉塞動作が可能となる。動作上の安全性を向上することもできる。高い信頼性の仕切り動作が可能である。
なお、真空アクチュエータ70においては、シール部材を四重シールにして、緩衝空間776等を設けたことで、油漏れに対する防止策を向上した。特に当該部が直接真空部に面する構成の場合は真空槽内を油汚染するリスクを特に低減可能である。
また真空・大気環境ともに油汚染の発生確率を低減する目的で、作動油は蒸気圧の低い油を用いることが望ましい。作動油の蒸気圧は要求される真空度等により決定されるが、一般には10−3Pa程度以下として選択される。
なお、本実施形態の仕切りバルブ100は、図13に示すように、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70が、第2開口部12bに近い位置において、弁箱10(10B)に内蔵されている。本実施形態はこの構成に限定されない。
なお、上述した各実施形態において、それぞれの構成を組み合わせた構成とすることも可能である。
本発明の活用例として、真空装置等における油圧駆動をおこなう機構に適応できる。特に、真空度や温度あるいはガス雰囲気等性質の異なる2つの空間を、連結している流路を仕切る状態と、この仕切り状態を開放した状態と、を切り替える用途の仕切りバルブに広く適用できる。
70…真空アクチュエータ(押しつけシリンダ,弁箱付勢部,リフトピン移動部,アライメント手段,押圧部,弁箱付勢部)
71…油圧駆動部(固定部)
72…可動部(伸縮ロッド)
73…付勢部材(押しつけバネ、バネ)
77a1…Oリング(密閉部材)
77a2,77b,77d…ウエアリング(密閉部材)
77c1,77e…パッキン(密閉部材)
77c2…シールシング(密閉部材)
77f,77p,77q,77r…リング(密閉部材)
700…油圧駆動手段(非圧縮性流体駆動部)
701…油圧発生部
702…油圧管
771…ガイドロッド
772…シリンダ部
773…フランジ部
774…ケーシング
774a…真空側蓋部
774b…蓋部
774c…円筒部
774h…凸部
774m…貫通孔
775…貫通孔
776…緩衝空間
777…駆動空間
778…大気側緩衝空間
5…弁体,中立弁体
10…弁箱
11…中空部
20…回転軸
30…中立弁部
40…可動弁部
50…可動弁板部
54…可動弁部(可動弁板部)
60…可動弁枠部
63…弁枠部
80…弁板付勢部(保持バネ)
90…弁枠付勢部
100…仕切りバルブ
200…真空装置(スパッタ装置)
201…成膜室(チャンバ)
202…防着板枠
203…保持部
205…マスク
206…バッキングプレート(カソード電極)
705…駆動部
706…制御部(コントローラ)
707…電源
710…油圧シリンダ
711…シリンダ本体
711c…フランジ部
712…ピストン
713…油圧流路
714…油圧空間
720…付勢部材
730…シリンダ駆動部
731…駆動軸
750…ケーシング
755…収納空間
756…後空間
760…リミッタスイッチ(検出手段)
761…リミッタスイッチ(検出手段)
800…切替弁(スプール弁)
G…ガラス基板(被処理基板)
H…流路

Claims (7)

  1. 真空雰囲気とされるチャンバ内で対象物を押圧可能に伸縮する真空アクチュエータであって、
    外部から作動油圧を一端面側に供給可能な貫通孔を軸方向に有するガイドロッドと、
    前記ガイドロッドの一端面側を同軸状として摺動可能に覆って内部に駆動空間を形成する有底筒状のシリンダ部と、
    前記シリンダ部と一体として前記シリンダ部の一端部の軸方向外側に延在する伸縮ロッドと、
    前記シリンダ部の他端部に径方向外側に周設されるフランジ部と、
    前記フランジ部を前記伸縮ロッドの縮退方向に付勢する付勢部材と、
    前記ガイドロッドが内側に固定されるとともに前記伸縮ロッドを真空側となる外部へ伸縮自在とする貫通孔を有するケーシングと、
    を有し、
    前記ケーシングの内部には、前記シリンダ部を摺動可能に収納し、かつ、前記付勢部材を収納するとともに、前記作動油圧が前記シリンダ部の内側から漏れた際に、真空側となる前記外部へ漏出する前に緩衝する緩衝空間が形成される
    ことを特徴とする真空アクチュエータ。
  2. 前記作動油圧が供給される前記シリンダ部の内側の前記駆動空間から、前記伸縮ロッドの伸張する真空側となる前記外部まで、四段の密閉部材が設けられる
    ことを特徴とする請求項1記載の真空アクチュエータ。
  3. 前記シリンダ部の内面と摺動する前記ガイドロッドの外周の摺動面と、前記シリンダ部の外周と摺動する前記ケーシングの内周の摺動面と、前記貫通孔と摺動する前記伸縮ロッドの外周の摺動面とに、密閉部材が周設される
    ことを特徴とする請求項2記載の真空アクチュエータ。
  4. 前記シリンダ部の内面と摺動する前記ガイドロッドの外周の摺動面に周設される前記密閉部材が、二段設けられる
    ことを特徴とする請求項3記載の真空アクチュエータ。
  5. 前記シリンダ部の外周と摺動する前記ケーシングの内周の摺動面に設けられた前記密閉部材と、前記貫通孔と摺動する前記伸縮ロッドの外周の摺動面に設けられた前記密閉部材との間には、大気側となる外側に連通する大気側緩衝空間が設けられる
    ことを特徴とする請求項3記載の真空アクチュエータ。
  6. ノーマルクローズ動作可能な仕切りバルブであって、
    中空部と、
    前記中空部を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路となる第1開口部及び第2開口部とを有する弁箱と、
    前記流路を開放および閉塞可能な弁体と、
    前記弁体を前記中空部内における退避位置と弁開口遮蔽位置との間で回転可能に支持するとともに流路方向に延在する軸線を有する回転軸と、
    前記弁体を回転駆動可能な回転駆動部と、
    前記流路方向における位置を変更可能として前記弁体に設けられる可動弁部と、
    前記弁箱に設けられて前記弁開口遮蔽位置の前記可動弁部を前記流路方向に移動してクローズする付勢部と、
    前記付勢部を非圧縮性流体の給排により駆動する非圧縮性流体駆動部と、
    を具備し、
    前記付勢部が、請求項1から5のいずれか記載の真空アクチュエータとされる
    ことを特徴とする仕切りバルブ。
  7. 前記非圧縮性流体駆動部には、前記真空アクチュエータの内部で前記作動油圧が減少したことを検出する検出手段が設けられる
    ことを特徴とする請求項6記載の仕切りバルブ。
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