JP2020150184A - レーザ装置及びそれに用いる蓋体 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のレーザ光の偏光比の分布を均一に近付けることが可能であるレーザ装置及びそれに用いる蓋体を提供する。【解決手段】レーザ装置に用いる蓋体である。蓋体は、支持部材と、1以上の開口が設けられた非透光性部材と、前記1以上の開口を一体的に塞ぐ透光性部材と、前記非透光性部材を前記支持部材に固定する第1接着部材と、前記透光性部材を前記非透光性部材に固定する第2接着部材と、を有する。前記透光性部材は、ホウ珪酸ガラスを主材料とする。前記非透光性部材は、42%Ni−Fe合金を主材料とする。【選択図】図1A

Description

本発明はレーザ装置及びそれに用いる蓋体に関する。
パッケージ本体と、蓋体と、パッケージ本体及び蓋体に囲まれた封止空間内に配置された複数の発光素子と、を備える発光装置が知られている(特許文献1〜3参照)。特許文献1には、すべての発光素子に対応する1つの開口部が設けられた支持フレームと、その開口部を塞ぐ1つの透光性部材とを有する光源装置が記載されている。特許文献2には、複数の発光素子に対応する開口部が複数設けられた支持部材と、各開口部を塞ぐ複数の透光性部材とを有する光源装置が記載されている。特許文献3には、各発光素子に対応する複数の開口部が設けられた蓋体と、すべての開口部を塞ぐ1つの透光体とを有する発光装置が記載されている。
特開2017−139444号公報 特開2017−138566号公報 特開2017−034242号公報
しかしながら、発光素子として複数のレーザ素子を搭載する場合、レーザ装置から取り出される複数のレーザ光の偏光比がばらつくことがある。
レーザ装置に用いる蓋体であって、
前記蓋体は、
支持部材と、
1以上の開口が設けられた非透光性部材と、
前記1以上の開口を一体的に塞ぐ透光性部材と、
前記非透光性部材を前記支持部材に固定する第1接着部材と、
前記透光性部材を前記非透光性部材に固定する第2接着部材と、を有し、
前記透光性部材は、ホウ珪酸ガラスを主材料とし、
前記非透光性部材は、42%Ni−Fe合金を主材料とすることを特徴とする蓋体。
上述した蓋体と、
前記蓋体に接続され、前記蓋体と共に封止空間を形成するパッケージ本体と、
前記封止空間内に配置された複数の半導体レーザ素子と、を備えることを特徴とするレーザ装置。
外部に取り出される複数のレーザ光の偏光比の分布を均一に近付けることができるレーザ装置及びそれに用いる蓋体を提供することができる。
一実施形態に係るレーザ装置の模式的平面図である。 図1A中のI-B−I-B線における模式的断面図である。 図1A中のI-C−I-C線における模式的断面図である。 図1Cの部分拡大図である。 図1Dの部分拡大図である。 一実施形態に係る蓋体の模式的平面図である。 図2A中のII-B−II-B線における模式的な分解断面図である。 パッケージ本体とアノード側端子とカソード側端子との模式的な斜視図である。 パッケージ本体に半導体レーザ素子が配置された状態を示す模式的平面図である。 ホウ珪酸ガラス、45%Ni−Fe合金、42%Ni−Fe合金及びビスマス系ガラスの温度と平均線膨張係数の関係を示すグラフである。 実施例1、比較例1及び比較例2について、透光性部材1つあたりの面積と偏光比比率の関係を示すグラフである。
図1Aは本発明の一実施形態に係るレーザ装置1の模式的平面図である。図1Bは図1A中のI-B−I-B線における断面図であり、図1Cは図1A中のI-C−I-C線における断面図である。図1Dは図1Cの一部を拡大した部分拡大図である。図1Eは図1Dの破線円で囲んだ部分を拡大した部分拡大図である。図2Aは蓋体80の模式的平面図であり、図2Bは図2A中のII-B−II-B線における模式的な分解断面図である。図3はパッケージ本体10とアノード側端子15Aとカソード側端子15Bとの模式的な斜視図である。図4は、パッケージ本体10に半導体レーザ素子30が配置された状態を示す模式的平面図である。なお、図1C及び図1Dにおいて、ワイヤ60は図示を省略した。また、図1Dにおいて半導体レーザ素子30からの光の経路を破線で模式的に示す。
図1Aから図4に示すように、レーザ装置1は、パッケージ本体10と、蓋体80と、複数の半導体レーザ素子30と、を有する。蓋体80は、パッケージ本体10に接続され、パッケージ本体10と共に封止空間を形成する。複数の半導体レーザ素子30は封止空間内に配置されている。蓋体80は、非透光性部材82と、透光性部材84と、第1接着部材83Aと、第2接着部材83Bと、を有する。図2Aに示すように、非透光性部材82は、外枠部82Aと、外枠部82Aに接続された1以上の内枠部82Bとを含む。透光性部材84は、外枠部82A及び内枠部82Bによって規定される複数の開口82cを一体的に塞ぎ、複数の開口82cにおいて複数の半導体レーザ素子30からの光を透過する。第2接着部材83Bは、透光性部材84を非透光性部材82に固定する。第2接着部材83Bは、図2Aに示すように、外枠部82Aに設けられており、内枠部82Bには設けられていない。
このような構成を有することにより、気密性が低下し難い、すなわち高信頼性であり、且つ、半導体レーザ素子30の配置密度を向上可能なレーザ装置1とすることができる。すなわち、内枠部82Bを有することにより、内枠部82Bが無い場合と比較して非透光性部材82のねじれに対する強度を向上させることができる。また、内枠部82Bには第2接着部材83Bを設けないが、透光性部材84が変形しにくいように支持することが可能である。これらにより、内枠部82Bが無い場合と比較してレーザ装置1の気密性を破れにくくすることができるため、レーザ装置1の信頼性を向上させることができる。また、透光性部材84が1つであり、且つ、第2接着部材83Bを外枠部82Aに設けていることにより、複数の開口82cのそれぞれに透光性部材や接着部材を設ける場合と異なり、内枠部82Bにおいて透光性部材や接着部材が干渉する懸念がない。したがって、複数の開口82cのそれぞれに透光性部材等を設ける場合より幅の狭い内枠部82Bであってもレーザ装置1の気密性を確保することが可能である。このように内枠部82Bの幅を狭くすることにより、半導体レーザ素子30をより高密度に配置することが可能である。
以下、レーザ装置1に含まれる各部材について順に説明する。
(パッケージ本体10)
図3に示すように、レーザ装置1に用いられるパッケージ本体10は、基体12と、枠体14と、板体16と、を有することができる。
(基体12)
基体12は、その上に半導体レーザ素子30等を実装可能な部材である。典型的には、基体12の下面12Bは、ヒートシンク等と熱的に接続され、半導体レーザ素子30の熱を放散するための放熱面として利用される。基体12は、平板状の部材でもよいが、図1Cに示すように、上方に突出した凸部を有する部材とすることができる。凸部は、枠体14に囲まれる位置に形成されており、上面12Aのうち凸部の頂面に相当する領域が半導体レーザ素子30等が実装される実装面となる。実装面が平坦であるほど半導体レーザ素子30等を固定する接合部材の接合強度を向上可能である場合があるため、半導体レーザ素子30等を実装する前に実装面に平坦化処理を行うことが好ましい。平坦化処理としては、研磨、圧延処理などが挙げられる。なお、本明細書において基体12の上面12Aとは半導体レーザ素子30が実装される側の面を指し、下面12Bとはその反対側の面を指す。また、本明細書において「上(上方向)」とは、基体12の下面12Bから上面12Aに向かう方向を指し、平面視は上面視と同じ意味で使用する。
基体12には、セラミック材料や金属材料を用いることができるが、放熱性向上のためには金属材料を用いることが好ましい。金属材料としては、例えば、鉄、鉄合金、銅、銅合金等が挙げられる。
(枠体14)
枠体14は、基体12の上面12Aに接合されている。枠体14に囲まれた領域が、半導体レーザ素子30等を実装する領域となる。枠体14は、蓋体80を接合することで半導体レーザ素子30等を気密封止できるように、基体12に接合されていればよい。図1B及び図1Cに示すように、基体12の凸部の周囲の面に枠体14を接合することができる。
図3に示すように、アノード側端子15A及びカソード側端子15Bを板体16に固定してもよい。この場合、枠体14にはアノード側端子15A及びカソード側端子15Bを固定する必要がないため、枠体14の厚みを板体16の厚みよりも薄くすることができる。枠体14の厚みとしては、好ましくは0.1〜1.0mm、より好ましくは0.2〜0.8mmの範囲とすることができる。枠体14の材料としては、例えばSPC(steel plate cold)等の軟鋼が挙げられる。SPCであれば、コバールよりも枠体14の形状に容易に加工することができ、安価に製造することができる。
枠体14は、例えば、上面視における外形が略矩形である。この場合、枠体14は、図3に示すように、第1外側面と、第2外側面と、第3外側面と、第4外側面とを有する。第2外側面は第1外側面と反対の側にあり、第4外側面は第3外側面と反対の側にある。なお、略矩形とは、矩形のほか、矩形の1以上の角が面取りされた形状を含む。枠体14の上面視における外形は、矩形の全ての角が面取りされた形状とすることができる。図3に示すパッケージ本体10においては、第1外側面に設けられた貫通孔にアノード側端子15Aが挿入され、第2外側面に設けられた貫通孔にカソード側端子15Bが挿入される。貫通孔は、例えば、1つのアノード側端子15Aまたはカソード側端子15Bに対して1つずつ設けられる。板体16を設けない場合は、枠体14の貫通孔に、固定部材を介してアノード側端子15Aまたはカソード側端子15Bがそれぞれ固定される。
(アノード側端子15A、カソード側端子15B)
アノード側端子15A及びカソード側端子15Bは、半導体レーザ素子30を外部の電源等に電気的に接続するための部材である。アノード側端子15A、カソード側端子15Bは、固定部材を介して板体16に固定することができる。固定部材の材料としては、例えばホウケイ酸ガラスが挙げられる。アノード側端子15A及びカソード側端子15Bが基体12の下面12Bに設けられていないことにより、基体12の下面12Bの略全面を放熱面として利用することができる。これにより、熱源となる半導体レーザ素子30が1つのパッケージ本体10に複数配置されることによる発熱を良好に放散させることができる。例えば、アノード側端子15A及びカソード側端子15Bは金属からなる。アノード側端子15A及びカソード側端子15Bの材料としては、コバール、鉄ニッケル合金等が挙げられる。
図4に示すように、複数の開口82cはそれぞれ、第1方向Xにおける一端82caと他端82cbとを有することができる。この場合に、アノード側端子15Aは一端82caの側においてパッケージ本体10を第1方向Xに貫通し、カソード側端子15Bは他端82cbの側においてパッケージ本体10を第1方向Xに貫通することができる。すなわち、アノード側端子15Aとカソード側端子15Bとを、それぞれ枠体14の異なる側面を貫通するように配置することができる。図4に示すように、1つのアノード側端子15Aの延長線上に1つのカソード側端子15Bを配置することができる。この場合、1つのアノード側端子15Aの延長線上とは第1方向Xである。アノード側端子15A及びカソード側端子15Bをこのように配置することは、2以上の半導体レーザ素子30を第1方向Xに並べ、これらの半導体レーザ素子30を直列接続する形態に適している。
1つのアノード側端子15Aと1つのカソード側端子15Bとを1つの組として、この組を複数設けることが好ましい。これにより、図4に示すように、複数の半導体レーザ素子30が直列接続された組を複数設けることができる。また、図4に示すように、アノード側端子15A及びカソード側端子15Bの組を、少なくとも複数の開口82cの数と同数組設けることが好ましい。この場合、複数の半導体レーザ素子30のうち1つの開口82cを光の経路とする半導体レーザ素子30はすべて、1組のアノード側端子15A及びカソード側端子15Bに電気的に接続される。これにより、1つの開口82cに1つ又はそれ以上のアノード側端子15A及びカソード側端子15Bの組を対応させることができるため、開口82cを1つの単位として搭載する半導体レーザ素子30の数を選択することができる。1組のアノード側端子15Aとカソード側端子15Bとの間に配置された2以上の半導体レーザ素子30は直列接続され、アノード側端子15A及びカソード側端子15Bに電気的に接続される。
また、図4に示すように半導体レーザ素子30が平面視において行列状に配置される場合、1組のアノード側端子15A及びカソード側端子15Bを配置する基準は、開口82cではなく、半導体レーザ素子30の列であってもよい。すなわち、半導体レーザ素子30の列の数と同数又はそれ以上のアノード側端子15A及びカソード側端子15Bの組を設けてもよい。なお、1つの開口82cに半導体レーザ素子30を複数列配置することもできる。ただし、開口82cのサイズが大きくなるほど透光性部材84を支持する内枠部82Bの面積が相対的に減少するため、図4に示すように1つの開口82cに半導体レーザ素子30を1列のみ配置することが好ましい。
(板体16)
板体16は、枠体14の外側面に接合することができる。板体16には貫通孔が設けられており、アノード側端子15A及びカソード側端子15Bはそれぞれ貫通孔に挿入されている。図1Aから図1Cに示すパッケージ本体10では、枠体14の対向する2つの外側面にそれぞれ板体16が接合されており、それぞれの板体16には複数の貫通孔が設けられ、それぞれの貫通孔にアノード側端子15A及びカソード側端子15Bが配置されている。
板体16の厚みは、その厚みが枠体14よりも大きいことが好ましい。板体16の厚みの具体的な範囲としては、1.0〜3.0mm程度が挙げられる。板体16の材料としては、コバール等の金属が挙げられる。板体16の形状は、例えば略直方体である。すなわち、直方体のほか、直方体の1以上の角が面取り等された形状であってもよい。板体16と枠体14とは、例えば銀ロウ等の接合材を用いて接合される。
(半導体レーザ素子30)
図4は基体12上に半導体レーザ素子30が配置された状態を示す模式的平面図である。図4に示すように、半導体レーザ素子30は基体12の上面12Aの側に載置される。なお、半導体レーザ素子30が上面12Aの側に載置されるとは、半導体レーザ素子30が上面12Aに直接接合されている場合に限らず、半導体レーザ素子30が別部材を介して上面12Aに固定されている場合も含む。レーザ装置1では、図1Cに示すように、上面12Aにサブマウント41が固定され、サブマウント41に半導体レーザ素子30が固定されている。サブマウント41を介して半導体レーザ素子30を配置する場合、サブマウント41の材料として、基体12と半導体レーザ素子30との間の線膨張係数を有する材料を用いることができる。これにより、温度変化で生じる応力を低減することができる。
レーザ装置1は、複数の半導体レーザ素子30を有する。レーザ装置1が有する半導体レーザ素子30の数が多いほど、駆動時の発熱量は大きくなり、温度変化による応力も大きくなる。しかし、上述の構造であれば、このような発熱量の大きなレーザ装置1においても、気密性が低下する可能性を低減することができる。半導体レーザ素子30の数は、例えば4個以上であり、4〜40個とすることができる。1つのレーザ装置1に透光性部材84を1つのみ設ける場合、搭載する半導体レーザ素子30の数が多いほど透光性部材84のサイズが大きくなり、偏光比のばらつきが大きくなりやすい。このため、本実施形態の構成は、半導体レーザ素子30の数が20個より多い場合に特に好ましいと考えられる。
複数の半導体レーザ素子30は、第1方向(図4中のX方向)及び第2方向(図4中のY方向)にマトリクス状に配置することができる。図1Aから図1Cに示すように、複数の半導体レーザ素子30のうち1つの開口82cを光の経路とする半導体レーザ素子30はすべて、第1方向Xに沿って直線状に配置することができる。
青色や緑色等のレーザ光を出射するIII族窒化物ベースの半導体レーザ素子は、赤色等のレーザ光を出射するGaAs等ベースの半導体レーザ素子と比較して、出射するレーザ光の偏光比が大きい傾向がある。このため、半導体レーザ素子30をIII族窒化物ベースの半導体レーザ素子とする方が、後述する偏光比比率の低減の効果を得やすい。例えば、レーザ装置1に搭載されるすべての半導体レーザ素子30をIII族窒化物ベースの半導体レーザ素子とすることができる。
III族窒化物ベースの半導体レーザ素子30としては、窒化物半導体からなる活性層を有するものが挙げられる。このような半導体レーザ素子30を用いる場合は、出射するレーザ光によって集塵が発生しやすいため、気密封止することが好ましい。レーザ装置1であれば、気密性の低下を抑制することができるため、集塵を抑制することができる。III族窒化物半導体としては、AlInGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)が挙げられる。半導体レーザ素子30は、例えば、n型半導体層と活性層とp型半導体層とがこの順に積層された半導体積層体と、n型半導体層と電気的に接続されたn電極と、p型半導体層と電気的に接続されたp電極と、を有する。複数の半導体レーザ素子30はレーザ光をそれぞれ出射する。各レーザ光は、直接またはミラー50などを介して、蓋体80から外部に取り出される。半導体レーザ素子30として、例えば、1W以上の高出力の半導体レーザ素子を用いる。
複数の半導体レーザ素子30はワイヤ60等により互いに電気的に接続することができる。ワイヤ60としては、金、銅、アルミニウム等を用いることができる。例えば、図4に示すように、ワイヤ60を用いて第1方向Xに設けられた複数の半導体レーザ素子30を直列接続する。
図1B及び図4に示すように、アノード側端子15Aと半導体レーザ素子30との間、及び/又は、カソード側端子15Bと半導体レーザ素子30との間に、中継部材70を設けてもよい。半導体レーザ素子30又はサブマウント41からのワイヤ60を中継部材70に接続し、中継部材70からのワイヤ60をアノード側端子15A又はカソード側端子15Bに接続することができる。なお、中継部材70上に半導体レーザ素子30は配置されない。
(ミラー50)
図1Dに示すように、レーザ装置1は、ミラー50を備えていてもよい。ミラー50は半導体レーザ素子30のレーザ光を出射する光出射面とミラー50の傾斜面とが向かい合うように配置される。ミラー50は半導体レーザ素子30が出射するレーザ光を反射させる反射面を有する。ミラー50は、例えば、実装面及び実装面に対して傾斜した傾斜面を含む母体と、母体の傾斜面に設けられた反射膜とを有する。ミラー50の母体としては、ガラス、合成石英、シリコン、サファイア、アルミニウム等を用いることができる。ミラー50の反射膜としては、金属膜、誘電体多層膜等を用いることができる。
(蓋体80)
蓋体80は、非透光性部材82と、透光性部材84と、第2接着部材83Bと、を有する。蓋体80は、パッケージ本体10に接続される。これにより封止空間を形成することができ、半導体レーザ素子30を気密封止することができる。図2A及び図2Bに示すように、蓋体80は、さらに支持部材85を有することができる。複数の開口82cは、複数の半導体レーザ素子30からのレーザ光を外部へ取り出すことが可能な位置に設けられている。
蓋体80の製造方法は、支持部材85と非透光性部材82とを第1接着部材83Aを介して接合する工程(工程A)と、非透光性部材82と透光性部材84とを第2接着部材83Bを介して接合する工程(工程B)と、を含むことができる。ここでは、工程Aにおける接合温度を接合温度Aとし、工程Bにおける接合温度を接合温度Bとして説明する。なお、接合温度とは、接合のために加える温度のうち最も高い温度を指す。例えば、接合温度Aは、第1接着部材83Aが十分に溶ける温度とすることができ、第1接着部材83Aが溶ける温度よりもやや高い温度を選択することができる。接合温度Bについても同様である。接合後の再溶融等を避けるため、接合温度A及び接合温度Bのうち高温の方の工程を先に行う。例えば、接合温度Aが800〜900℃であり、接合温度Bが500〜600℃であれば、工程Aを先に行い、その後で工程Bを行う。
(非透光性部材82)
非透光性部材82には、1以上の開口が設けられている。図2Aに示す非透光性部材82は、外枠部82Aと、外枠部82Aに接続された1以上の内枠部82Bとを含み、非透光性部材82には外枠部82A及び内枠部82Bによって規定される複数の開口82cが設けられている。なお、図2A及び図2Bにおいては、非透光性部材82を実線で示し、非透光性部材82以外の部材を破線で示す。
非透光性部材82は、42%Ni−Fe合金を主材料とすることが好ましい。これと、ホウ珪酸ガラスを主材料とする透光性部材84との組み合わせにより、透光性部材84を透過してレーザ装置1から外部へ取り出される複数のレーザ光の偏光比の分布を均一に近付けることができる。これは、蓋体80の製造時に、非透光性部材82と透光性部材84を接合するために第2接着部材83Bが溶けるまで加熱を行い、その後降温するが、その際に透光性部材84にかかる歪の面内分布を均一に近付けることができるためであると考えられる。
図5に、ホウ珪酸ガラス、45%Ni−Fe合金、42%Ni−Fe合金及びビスマス系ガラスの温度と平均線膨張係数の関係を示す。線膨張係数の測定は、測定モードを圧縮モードとし、昇温速度を5℃/minとして行った。平均線膨張係数はいずれも基準温度を40℃とした。すなわち、図5のグラフにおいて、例えば100℃の平均線膨張係数とは40〜100℃における平均線膨張係数を示す。
図5に示すように、45%Ni−Fe合金は、ほとんどの温度領域においてホウ珪酸ガラスと平均線膨張係数が近いが、450℃以上では高温になるほどホウ珪酸ガラスとの差が拡大する傾向がみられる。一方、42%Ni−Fe合金は、450℃以下ではホウ珪酸ガラスとの平均線膨張係数差が大きいが、450℃超の領域では45%Ni−Fe合金よりもホウ珪酸ガラスとの平均線膨張係数差が小さい。第2接着部材83Bとして例えばビスマス系ガラスを用いる場合、その軟化点は400℃であり、500〜600℃程度に加熱して溶融させる。このように第2接着部材83Bを450℃以上の高温で溶かす場合に、第2接着部材83Bを溶融させる温度から軟化点までの温度において透光性部材84との平均線膨張係数差は45%Ni−Fe合金よりも42%Ni−Fe合金の方が比較的小さいと考えられる。このことが、透光性部材84を通過した後の複数のレーザ光の偏光比比率が良好になる理由であると考えられる。
また、非透光性部材82の主材料を42%Ni−Fe合金とすることにより、温度変化に対する偏光比の変化の度合いを小さくすることができる。例えば、偏光比の平均値を、パッケージ本体10の側面の温度が25℃の場合と75℃の場合で比較したときに、25℃の場合を100%とすると75℃の場合を80〜120%とすることができる。なお、偏光比とは、半導体レーザ素子30の主偏光面以外の偏光面を有する光の強度に対する、半導体レーザ素子30の主偏光面を有する光の強度の比である。例えば、半導体レーザ素子30が出射するレーザ光がTE(Transverse Electric)成分を主とする場合は、TE成分とTM(Transverse Magnetic)成分の比(TE/TM)を偏光比とする。また、本明細書において、偏光比比率とは、1つのレーザ装置1における偏光比の最大値と最小値の比率を指す。
また、非透光性部材82は、42%Ni−Fe合金を主材料として形成するのみならず、非透光性部材82を42%Ni−Fe合金の母材821とその表面に設けられたNi等の金属膜822とを有する部材とすること、及び/又は、支持部材85と非透光性部材82を接合する第2接着部材83Bとして第2接着部材83Bよりも高温で溶ける材料を用いることが好ましいと考えられる。これは以下の理由による。すなわち、図5に示す各合金の平均線膨張係数は金属片を用いて測定した結果から求めたものであるが、図1A等に示す非透光性部材82は金属膜の存在や第1接着部材83Aを溶かすための加熱処理により、図5に示す平均線膨張係数とやや異なる数値となる可能性があり得る。したがって、非透光性部材82は金属膜及び又は加熱処理を経たものであることがより好ましいと考えられる。
なお、42%Ni−Fe合金は、典型的にはFeとNiとの質量の比率がFe:Ni=58:42の合金であるが、FeとNi以外の微量元素を含んでもよく、質量比率がFe:Ni=58:42と完全一致しなくてもよい。例えば、質量比率として、Niが41〜43%、Mn等の微量元素がそれぞれ1%未満、残部がFeである合金を42%Ni−Fe合金と呼ぶことができる。
複数の開口82cはそれぞれ、複数の半導体レーザ素子30のうち2以上の半導体レーザ素子30からの光の経路であることが好ましい。言い換えると、複数の開口82cはそれぞれ、2以上の半導体レーザ素子30からの光の経路とすることが可能な大きさであることが好ましい。これにより、それに収まる範囲で半導体レーザ素子30の個数や配置を自由に選択することができるので、同じ設計の蓋体80を使用しながら搭載する半導体レーザ素子30の個数や配置が異なる複数種類のレーザ装置1を製造することが可能である。このように複数種類のレーザ装置1において共通の部材を使用できることでコストダウンが可能である。また、半導体レーザ素子30の配置の自由度を向上させるためには、内枠部82Bは一方向のみに延伸していることが好ましい。すなわち、開口82cの一端82ca及び他端82cbはそれぞれ外枠部82Aの外縁であることが好ましい。例えば第1方向Xに延伸する内枠部と第2方向Yに延伸する内枠部とが混在している場合には、両方の内枠部を避けて半導体レーザ素子30を配置する必要がある。しかし、非透光性部材82が第1方向Xなどの一方向に延伸する内枠部82Bのみを有することにより、半導体レーザ素子30を一方向において自由に配置することができる。
図1B及び図1Cに示すように、非透光性部材82は、透光性部材84の下側、すなわち半導体レーザ素子30の側に配置されることが好ましい。レーザ装置1の気密性の検査は例えば加圧条件により行うが、この際に、透光性部材84の下に非透光性部材82があれば、非透光性部材82によって、特に内枠部82Bによって、透光性部材84の変形の程度を小さくすることができるためである。これにより、透光性部材84の損傷などによって気密性が破れる可能性を低減することができる。また、この場合、非透光性部材82の内枠部82Bの上面は透光性部材84の下面と接触していることが好ましい。これにより、より確実に透光性部材84の変形の程度を小さくすることができる。
図2Bに示すように、非透光性部材82は、透光性部材84を位置決めするために、開口82cよりも外側に配置された第1内側面82Dを有することができる。平面視において、第1内側面82Dの成す形状は、透光性部材84の外縁と略同じであることが好ましい。ただし、透光性部材84が第1内側面82Dよりも内側に収まるように、透光性部材84よりも一回り大きくする。また、非透光性部材82は、第1内側面82Dよりも外側に配置された第2内側面82Eを有することができる。第2内側面82Eを設けることで第2接着部材83Bをそれよりも内側に止めることができる。第1内側面82D及び第2内側面82Eのいずれか一方のみを設けてもよい。
内枠部82Bは、外枠部82Aの一部から第1方向Xに沿って延伸して外枠部82Aの他の一部に達しており、透光性部材84に照射される複数の半導体レーザ素子30からの光のスポット形状は、第1方向Xを短手方向とする楕円形状であることが好ましい。これにより、1つの開口82cに半導体レーザ素子30を高密度に配置することが可能である。透光性部材84から取り出された光は、例えばレンズ部を有するレンズ部材に入射させる。この場合、1つのレーザ光に1つのレンズ部を対応させることが好ましいため、スポット形状の長軸方向である第2方向Yよりも短軸方向である第1方向Xの方が半導体レーザ素子30同士の距離を短くすることができる。したがって、第1方向Xの方が半導体レーザ素子30を高密度に配置することができる。
図2Aに示すように、内枠部82Bの幅(第2方向Yにおける内枠部82Bの一方の外縁から他方の外縁までの距離)は実質的に一定とすることができる。
図4において、非透光性部材82の開口82cの位置を破線で示す。図4に示すように、開口82cは、平面視において、1組のアノード側端子15Aとカソード側端子15Bとを結ぶ方向(第1方向X)に長い形状とすることができる。開口82cの第2方向Yにおける幅の増大を抑制し、且つ、1組のアノード側端子15Aとカソード側端子15Bとの間に配置できる半導体レーザ素子30の上限数を増加させるためには、そのような形状であることが好ましい。開口82cの平面視形状は例えば長辺と短辺とを有する略長方形状とする。略長方形状とは、長方形に限らず、長方形の角を丸めた形状や、長方形の角を落とした形状も含む。
(第1接着部材83A)
第1接着部材83Aは、非透光性部材82を支持部材85に固定する部材である。
上述のとおり、非透光性部材82と透光性部材84とを第2接着部材83Bを介して接合する工程は、支持部材85と非透光性部材82とを第1接着部材83Aを介して接合する工程を経た後で行うことが好ましい可能性がある。言い換えると、第1接着部材83Aの溶ける温度は第2接着部材83Bの溶ける温度よりも高いことが好ましいと考えられる。第1接着部材83Aが溶ける温度とは、第1接着部材83Aがガラスを主材料とする場合はそのガラスが軟化、変形または流動する温度を指し、第1接着部材83Aが金属を主材料とする場合はその金属の融点を指す。第1接着部材83Aが溶ける温度は、第1接着部材83Aを用いて各部材を接合する際の接合温度と言い換えてもよい。なお、接合温度と、接合後に第1接着部材83Aが再び溶ける温度とが異なる場合は、接合温度の方を基準として用いることが好ましい。第2接着部材83Bが溶ける温度についても同様である。
第1接着部材83Aの主材料としては、ガラスまたは金属が挙げられる。接合温度を高くするためには、第1接着部材83Aの主材料は金属であることが好ましい。第1接着部材の材料としては、ロウ材を用いることができ、例えば銀ロウ等を用いることができる。第1接着部材83Aの厚みは、応力緩和の観点から、好ましくは3μm以上、より好ましくは10μm以上とすることができる。一方で、接合部の強度確保の観点から、第1接着部材83Aの厚みは、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下とすることができる。
(第2接着部材83B)
第2接着部材83Bは、図1Dに示すように、透光性部材84の表面のうち側面に接続されていることが好ましい。これにより、第2接着部材83Bが設けられていない内枠部82Bの上面を透光性部材84の下面に接触させやすいので、透光性部材84を内枠部82Bによって支持することが可能である。また、非透光性部材82と透光性部材84との間に第2接着部材83Bを配置すると、接着時に第2接着部材83Bが透光性部材84の表面を広がり、半導体レーザ素子30からの光の経路が第2接着部材83Bで塞がれる懸念がある。透光性部材84の側面に第2接着部材83Bを接続することで、透光性部材84の光が透過可能な領域を増大させることができる。これらの効果をより確実に得るために、第2接着部材83Bは透光性部材84の表面のうち実質的に側面のみに接続されていることが好ましい。このような第2接着部材83Bは、例えば、まず透光性部材84と接触しない位置に第2接着部材83Bを形成し、その後に第2接着部材83Bを溶かして透光性部材84に接続させることで形成することができる。
第2接着部材83Bの主材料としては、ガラスまたは金属が挙げられる。第2接着部材83Bとして半田等の金属材料を用いる場合は、透光性部材84との密着性を向上させるために透光性部材84にメタライズ層を形成しておくことが好ましい。しかし、透光性部材84の側面に均一なメタライズ層を形成することは困難であるので、第2接着部材83Bはガラスを主材料とすることが好ましい。ガラスを主材料とする第2接着部材83Bは、例えば、600℃以下で軟化、変形または流動するものを選択する。第2接着部材83Bは、例えば、酸化ビスマスを有するビスマス系ガラスを主材料とすることができる。第2接着部材83Bが溶ける温度は、例えば500〜600℃の間から選択することができる。
(透光性部材84)
透光性部材84には、パッケージ本体10及び蓋体80に囲まれた封止空間内で発光する光の少なくとも一部を透過させる部材を用いる。例えば、半導体レーザ素子30の発光を透過させる部材を用いる。また、半導体レーザ素子30の発光で励起される蛍光体含有部材を封止空間内に配置する場合には、少なくともその蛍光を透過させる部材を透光性部材84として用いる。透光性部材84の主材料はホウ珪酸ガラスであることが好ましい。これにより、非透光性部材82を42%Ni−Fe合金を主材料として形成したときに、透光性部材84を透過する複数のレーザ光の偏光比のばらつきを小さくすることができる。
後述する実施例1、比較例1及び比較例2に示すように、透光性部材84のサイズが大きくなるほど偏光比の分布の均一性が悪化する傾向がある。このため、本実施形態の構成は、1つの透光性部材84の面積が100mm以上である場合に特に好ましいと考えられる。透光性部材84の面積は200mm以上であることがより好ましい。透光性部材84の面積の上限としては、例えば1000mm以下が挙げられ、500mm以下としてもよい。
また、透光性部材84を透過して取り出される複数のレーザ光の偏光比比率は、1つのレーザ装置1において、15以下であることが好ましい。レーザ装置1の偏光比比率の下限は、1以上であってよい。1つのレーザ装置1から出射されるレーザ光の特性を均一に近付ける目的のためには、偏光比比率が小さければよく、偏光比の最小値や平均値は高くてもよい。偏光比の最小値は、例えば100以上であってもよい。この場合、偏光比の最小値は500以下とすることができ、また、偏光比の平均値は例えば300以上であってもよく、偏光比の平均値は900以下とすることができる。これらの偏光比比率及び偏光比の数値は、例えば、パッケージ本体10の側面の温度を25℃としたときの数値として得ることができる。半導体レーザ素子30の発光色や定格電流値等の特性が異なると偏光比が異なる場合があるため、これらの偏光比比率及び偏光比の数値は、レーザ装置1に搭載される半導体レーザ素子30がすべて実質的に同じ特性である場合に特に好ましい。同じ型番として分類される程度のばらつきであれば「実質的に同じ特性」に含まれる。上述の偏光比比率及び偏光比が得られる半導体レーザ素子30としては、例えばドミナント波長が440〜470nmの範囲内の青色レーザ光を出射する半導体レーザ素子が挙げられる。
(支持部材85)
図2A及び図2Bに示すように、蓋体80は支持部材85を有することができる。この場合、支持部材85をパッケージ本体10に溶接等により接続する。支持部材85は、非透光性部材82を支持する部材である。支持部材85には開口85aが設けられている。開口85aを規定する支持部材85の縁は、平面視において、非透光性部材82の外縁よりも内側にあり、且つ、非透光性部材82の開口82cよりも外側にある。そして、開口85aを規定する支持部材85の縁から非透光性部材82の外縁までの間に第1接着部材83Aが配置されており、この第1接着部材83Aによって支持部材85の上面と非透光性部材82の下面とが接合されている。
支持部材85は、金属を主材料として用いることにより、溶接等によりパッケージ本体10の枠体14と蓋体80の支持部材85とを固定することができるため、気密封止しやすくなる。支持部材85と非透光性部材82は、これらの間の剥離の可能性を低減するために、線膨張係数が近いことが好ましい。したがって、いずれもNi−Fe合金を主材料とすることが好ましい。例えば、非透光性部材82が42%Ni−Fe合金を主材料とする場合に、支持部材85は45%Ni−Fe合金を主材料としてよい。45%Ni−Fe合金は、典型的にはFeとNiとの質量の比率がFe:Ni=55:45の合金であるが、FeとNi以外の微量元素を含んでもよく、質量比率がFe:Ni=55:45と完全一致しなくてもよい。図1Eに示すように、支持部材85は、母材851とその表面に設けられたNi等の金属膜852とを有する部材とすることができる。
(その他の部材)
レーザ装置1は、さらに、蓋体80の上に、レンズ部を有するレンズ部材を配置してもよい。また、レーザ装置1はツェナーダイオードなどの保護素子42を備えてもよい。例えば1つの半導体レーザ素子30に対して1つの保護素子42を接続することができる。この場合、保護素子42と半導体レーザ素子30とは1つのサブマウント41に固定することができる。
(実施例1)
実施例1として、図1A〜図1Eに示すレーザ装置1を作製した。基体12は銅を主材料として形成し、枠体14は軟鋼を主材料として形成し、板体16は軟鋼を主材料として形成した。支持部材85は45%Ni−Fe合金を主材料として形成し、非透光性部材82は42%Ni−Fe合金を主材料として形成し、透光性部材84はホウ珪酸ガラスを主材料として形成した。蓋体80の形成は、まず、第1接着部材83Aとして銀ロウを用いて約900℃の加熱によりこれを溶融させ、支持部材85と非透光性部材82を接合した。その後、第2接着部材83Bとしてビスマス系ガラスを用いて約600℃の加熱によりこれを溶融させ、非透光性部材82と透光性部材84を接合した。支持部材85と枠体14はシーム溶接により接合した。実施例1のレーザ装置1の基体12のサイズは47.5mm×29mmであり、支持部材85の開口のサイズは24.4mm×18mmであり、非透光性部材82の各開口のサイズは15.6mm×4mmであった。レーザ装置1に搭載した半導体レーザ素子30の数は1つの開口82cあたり6個ずつ合計24個であった。半導体レーザ素子30はいずれも、出射するレーザ光のドミナント波長が450〜460nmの範囲内であった。
図5は、実施例1で用いた、ホウ珪酸ガラス(透光性部材84)と、45%Ni−Fe合金(支持部材85)と、42%Ni−Fe合金(非透光性部材82)と、ビスマス系ガラス(第2接着部材83B)の温度と平均線膨張係数の関係を示すグラフである。線膨張係数の測定は、測定モードを圧縮モードとし、昇温速度を5℃/minとして行った。平均線膨張係数はいずれも基準温度を40℃とした。すなわち、図5のグラフにおいて100℃の平均線膨張係数とは40〜100℃における平均線膨張係数を示す。
(比較例1)
比較例1のレーザ装置は、非透光性部材82を、45%Ni−Fe合金を主材料として形成したこと以外は実施例1と同様にして作製した。
(比較例2)
比較例2のレーザ装置は、非透光性部材82を45%Ni−Fe合金を主材料として形成したこと、及び、透光性部材を1つの開口82cにつき1つずつ合計4つ設けたこと以外は実施例1と同様にして作製した。すなわち、比較例1と比較例2とは、透光性部材のサイズ及び数が相違しているが、それ以外は同じとした。
(偏光比比率の比較)
実施例1と比較例1と比較例2のレーザ装置について、半導体レーザ素子を駆動させ、その偏光特性を測定した。測定条件として、パッケージ本体10の側面の温度を25℃とし、各半導体レーザ素子30に流す電流を3Aとした。各レーザ装置の半導体レーザ素子が出射するレーザ光はいずれもTE成分を主とするs偏光の光であり、偏光比はTE成分とTM成分の比(TE/TM)とした。そして、偏光比比率として、1つのレーザ装置における偏光比の最大値と最小値の比率を求めた。偏光比比率が1に近いほど偏光比のばらつきが小さいといえる。偏光比比率は、実施例1が約4.0であり、比較例1が約38.7であり、比較例2が約5.2であった。また、透光性部材1つあたりの面積は、実施例1及び比較例1が371.25mmであり、比較例2が74.25mmであった。このような実施例1と比較例1と比較例2について、透光性部材1つあたりの面積と偏光比比率の関係を図6に示す。図6に示すように、透光性部材1つあたりの面積が小さいほど偏光比比率も小さくなるが、実施例1において非透光性部材82の主材料を42%Ni−Fe合金とすることで、透光性部材のサイズが4分の1である比較例2と同等程度の偏光比比率とすることができた。
以上、実施形態について説明したが、本発明は実施形態に何ら限定されるものではない。
1 レーザ装置
10 パッケージ本体
12 基体
12A 上面
12B 下面
14 枠体
15A アノード側端子
15B カソード側端子
16 板体
30 半導体レーザ素子
41 サブマウント
42 保護素子
50 ミラー
60 ワイヤ
70 中継部材
80 蓋体
82 非透光性部材
82A 外枠部
82B 内枠部
82c 開口
82ca 一端
82cb 他端
82D 第1内側面
82E 第2内側面
821 母材
822 金属膜
83A 第1接着部材
83B 第2接着部材
84 透光性部材
85 支持部材
85a 開口
851 母材
852 金属膜
X 第1方向
Y 第2方向

Claims (10)

  1. レーザ装置に用いる蓋体であって、
    前記蓋体は、
    支持部材と、
    1以上の開口が設けられた非透光性部材と、
    前記1以上の開口を一体的に塞ぐ透光性部材と、
    前記非透光性部材を前記支持部材に固定する第1接着部材と、
    前記透光性部材を前記非透光性部材に固定する第2接着部材と、を有し、
    前記透光性部材は、ホウ珪酸ガラスを主材料とし、
    前記非透光性部材は、42%Ni−Fe合金を主材料とすることを特徴とする蓋体。
  2. 前記透光性部材の面積は100mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の蓋体。
  3. 前記第1接着部材の溶ける温度は、前記第2接着部材の溶ける温度よりも高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の蓋体。
  4. 前記第2接着部材は、ガラスを主材料とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓋体。
  5. 前記非透光性部材は、42%Ni−Fe合金からなる母材と、該母材の表面に設けられた1以上の金属膜と、を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓋体。
  6. 前記支持部材は、45%Ni−Fe合金を主材料とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓋体。
  7. 前記非透光性部材は、外枠部と、前記外枠部に接続された1以上の内枠部とを含み、
    前記1以上の開口は、前記外枠部及び前記内枠部によって規定されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓋体。
  8. 前記第2接着部材は、前記外枠部に設けられており、前記内枠部には設けられていないことを特徴とする請求項7に記載の蓋体。
  9. 前記第2接着部材は、前記透光性部材の表面のうち側面に接続されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の蓋体。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の蓋体と、
    前記蓋体に接続され、前記蓋体と共に封止空間を形成するパッケージ本体と、
    前記封止空間内に配置された複数の半導体レーザ素子と、を備えることを特徴とするレーザ装置。

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