JP2020148733A - 電流センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】バスバーに流れる電流の電流量が非常に大きい場合であっても磁気センサが飽和しにくい構造を有する電流センサを提供する。【解決手段】電流センサ1は、測定対象となる電流Iが流れるバスバー10と、バスバー10に流れる電流によって生じる磁界を検出する磁気センサ20とを備える。バスバー10は、バイパスバスバー11,12とセンシングバスバー13に分岐されており、磁気センサ20は、バイパスバスバー11,12によって生じる磁界が互いに打ち消し合う領域に配置されている。これによれば、センシングバスバー13に流れる電流によって生じる磁界だけが磁気センサ20に印加されるため、バスバー10に流れる電流が大電流であっても、磁気センサ20に印加される磁界の強度が大幅に抑えられる。これにより、バスバー10に流れる電流が大電流であっても磁気センサ20が飽和しにくくなる。【選択図】図1
Description
本発明は電流センサに関し、特に、磁気センサを用いた電流センサに関する。
磁気センサを用いた電流センサとしては、特許文献1及び2に記載された電流センサが知られている。特許文献1に記載された電流センサは、バスバーに測定対象となる電流が一方向に流れる電流経路と逆方向に流れる電流経路を設け、これらの間に磁気センサを配置した構成が開示されている。また、特許文献2には、バスバーを2分岐させ、それぞれの電流経路に磁気センサを割り当てた電流センサが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載された電流センサは、一方の電流経路から生じる磁界と他方の電流経路から生じる磁界が互いに強め合うことから、測定対象となる電流の電流量が大きいと磁気センサが飽和してしまうという問題があった。また、特許文献2に記載された電流センサは、バスバーを2分岐させていることから、それぞれの磁気センサに印加される磁界の強度は1/2に抑えられる。しかしながら、この場合であっても、測定対象となる電流の電流量が非常に大きい場合には、磁気センサが容易に飽和してしまう。
したがって、本発明は、バスバーに流れる電流の電流量が非常に大きい場合であっても磁気センサが飽和しにくい構造を有する電流センサを提供することを目的とする。
本発明による電流センサは、測定対象となる電流が流れるバスバーと、バスバーに流れる電流によって生じる磁界を検出する磁気センサとを備え、バスバーは、複数のバイパスバスバーとセンシングバスバーに分岐されており、磁気センサは、複数のバイパスバスバーによって生じる磁界が互いに打ち消し合う領域に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、センシングバスバーに流れる電流によって生じる磁界だけが磁気センサに印加されるため、バスバーに流れる電流が大電流であっても、磁気センサに印加される磁界の強度が大幅に抑えられる。これにより、磁気センサが飽和しにくくなることから、バスバーに流れる電流が大電流であっても、その電流量を正しく測定することが可能となる。
本発明において、複数のバイパスバスバーに流れる電流の方向はいずれも第1の方向であり、第1の方向から見て、複数のバイパスバスバーは磁気センサを中心とした仮想円上に配置されており、磁気センサと複数のバイパスバスバーを結ぶ複数の仮想線のうち隣接する2つの仮想線が成す角度が一定であっても構わない。これによれば、複数のバイパスバスバーに流れる電流量を互いに同じとすれば、磁気センサが配置された領域において、複数のバイパスバスバーによって生じる磁界を完全に打ち消すことが可能となる。
この場合、磁気センサの感磁方向は、第1の方向とは異なる方向であっても構わない。これによれば、センシングバスバーに流れる第1の方向の電流を測定することが可能となる。
本発明において、センシングバスバーは、第1の方向と異なる方向に電流を流す区間を有していても構わない。これによれば、バイパスバスバーに流れる電流によって生じる磁界の影響をより効果的に排除することが可能となる。
このように、本発明によれば、バスバーに流れる電流の電流量が非常に大きい場合であっても磁気センサが飽和しにくい構造を有する電流センサを提供することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による電流センサ1の外観を示す略斜視図である。また、図2は電流センサ1のxz平面図、図3は電流センサ1のxy断面図である。
図1〜図3に示すように、本実施形態による電流センサ1は、測定対象となる電流Iが流れるバスバー10と磁気センサ20を備えている。バスバー10は、銅やアルミニウムなどの良導体からなる略平板状部材であり、バスバー10には測定対象となる電流Iがz方向に流れる。所定のz方向位置においては、バスバー10が第1のバイパスバスバー11、第2のバイパスバスバー12及びセンシングバスバー13に3分岐されている。これにより、測定対象となる電流Iは、第1のバイパスバスバー11に流れる電流I1、第2のバイパスバスバー12に流れる電流I2、センシングバスバー13に流れる電流I3に分割される。
ここで、第1及び第2のバイパスバスバー11,12の断面積は、センシングバスバー13の断面積よりも十分に大きく、このため、センシングバスバー13に流れる電流I3は、第1及び第2のバイパスバスバー11,12に流れる電流I1及びI2よりも十分に小さい。また、第1及び第2のバイパスバスバー11,12の断面積は互いに等しく、このため、第1のバイパスバスバー11に流れる電流I1と第2のバイパスバスバー12に流れる電流I2は、互いに等しい。本実施形態においては、バイパスバスバー11,12及びセンシングバスバー13に流れる電流の方向は、いずれもz方向である。
磁気センサ20は、センシングバスバー13の直下に配置される。より具体的には、磁気センサ20のx方向位置は第1のバイパスバスバー11と第2のバイパスバスバー12の中間位置であり、磁気センサ20のy方向位置は第1及び第2のバイパスバスバー11,12の厚み方向(y方向)における中間位置と一致している。そして、センシングバスバー13は、磁気センサ20と干渉しないようy方向に僅かに曲げられている。
また、磁気センサ20には、z方向位置の異なる2つの磁気検出素子21,22が設けられている。磁気検出素子21の感磁方向は+x方向、磁気検出素子22の感磁方向は−x方向であり、互いに180°相違している。磁気検出素子21,22の種類については特に限定されないが、ホール素子や磁気抵抗素子などを用いることができる。
図4は、バスバー10に流れる電流によって生じる磁界について説明するための模式図である。
図4に示すように、バスバー10の第1のバイパスバスバー11と第2のバイパスバスバー12には互いに同方向(z方向)に電流が流れるため、第1のバイパスバスバー11と第2のバイパスバスバー12の間には、第1のバイパスバスバー11に流れる電流I1によって生じる磁界φ1と第2のバイパスバスバー12に流れる電流I2によって生じる磁界φ2が互いに打ち消し合う領域Aが生じる。領域Aは、磁界φ1と磁界φ2の方向が互いに逆となる領域であり、磁界φ1のx方向成分と磁界φ2のx方向成分がほぼ完全に相殺される。
本実施形態においては、このような領域Aに磁気センサ20が配置される。これにより、磁気センサ20には、センシングバスバー13によって生じる磁界φ3だけが選択的に印加される。センシングバスバー13は磁気センサ20の直上、つまり磁気センサ20に対してy方向にオフセットした位置に設けられていることから、センシングバスバー13によって生じる磁界φ3のx方向成分が磁気センサ20に印加されることになる。これにより、磁気センサ20は、センシングバスバー13に流れる電流によって生じる磁界φ3を選択的に検出することが可能となる。そして、磁気センサ20に設けられた磁気検出素子21,22の感磁方向は互いに180°相違していることから、磁気検出素子21の出力と磁気検出素子22の出力には、センシングバスバー13に流れる電流I3に応じた差が生じる。
図5は、磁気検出素子21,22が磁気抵抗素子である場合の接続関係を説明するための回路図である。
磁気検出素子21,22が磁気抵抗素子である場合、これらは電源VccとグランドGNDの間に直列に接続される。そして、磁気検出素子21と磁気検出素子22の接続点の電位Voutが外部に出力される。上述の通り、磁気検出素子21,22の感磁方向は互いに180°相違していることから、センシングバスバー13に電流I3が流れると、磁気検出素子21,22の抵抗値が変化し、これにより出力電位Voutが変化する。出力電位Voutのレベルは、センシングバスバー13に流れる電流I3に比例することから、これに基づいて電流Iの電流量を算出することが可能となる。磁気検出素子21,22に対しては、補償コイルを用いてキャンセル磁界を印加することによりクローズドループ制御を行うことも可能である。
このように、本実施形態においては、バスバー10を3分岐するとともに、第1のバイパスバスバー11に流れる電流I1によって生じる磁界φ1と第2のバイパスバスバー12に流れる電流I2によって生じる磁界φ2が互いに打ち消し合う領域Aに磁気センサ20を配置していることから、磁気センサ20は、センシングバスバー13によって生じる磁界φ3だけを選択的に検出することが可能となる。これにより、バスバー10に流れる電流Iが大電流であっても、磁気センサ20に印加される磁界強度が大幅に抑えられることから、磁気センサ20の飽和を防止することが可能となる。しかも、磁気センサ20の位置を第1及び第2のバイパスバスバー11,12から大きく離す必要がないことから、装置全体が大型化することもない。
より大電流の測定を可能とするためには、センシングバスバー13に流れる電流I3の割合をより小さくすれば良い。図6は、変形例による電流センサ1Aの外観を示す略斜視図である。また、図7は電流センサ1Aのxy断面図である。図6及び図7に示すように、y方向における厚みを拡大したバスバー10Aを用いれば、電流Iの大部分が第1及び第2のバイパスバスバー11,12に流れ、センシングバスバー13に流れる電流I3の割合が非常に小さくなることから、より大電流を測定することが可能となる。変形例による電流センサ1Aにおいても、磁気センサ20のy方向における位置は、第1及び第2のバイパスバスバー11,12の厚み方向(y方向)における中間位置と一致している。図6及び図7に示す電流センサ1Aは、第1のバイパスバスバー11と第2のバイパスバスバー12の間に位置するスリット内にセンシングバスバー13及び磁気センサ20の両方が収容されており、図1に示した電流センサ1のようにセンシングバスバー13がy方向に突出しないという特徴を有している。
図8は、本発明の第2の実施形態による電流センサ2の外観を示す略斜視図である。また、図9は電流センサ2のxy断面図、図10は図8に示すB−B線に沿った断面図である。
図8〜図10に示すように、本実施形態による電流センサ2は、測定対象となる電流Iが流れるバスバー30及び2つの磁気センサ41,42を備えている。バスバー30は、第1のバイパスバスバー31、第2のバイパスバスバー32及びセンシングバスバー33に3分岐されており、これらバイパスバスバー31,32及びセンシングバスバー33の厚み及びy方向位置は互いに同じである。つまり、第1の実施形態において用いたバスバー10のように、センシングバスバー13がy方向に曲げられていることはなく、また、変形例において用いたバスバー10Aのように、センシングバスバー13のy方向に厚みが第1及び第2のバイパスバスバー11,12よりも薄いということもない。
しかしながら、センシングバスバー33については延在方向(電流I3の流れる方向)がz方向に直線的ではなく、斜めに曲げられた部分を有している。このため、センシングバスバー33に流れる電流I3は、z方向成分のみならず、x方向成分を有することになる。第1及び第2のバイパスバスバー31,32については延在方向がz方向に直線的であり、このため第1及び第2のバイパスバスバー31,32に流れる電流I1,I2は、z方向成分のみを有している。
本実施形態においても、第1及び第2のバイパスバスバー31,32の断面積は、センシングバスバー33の断面積よりも十分に大きく、このため、センシングバスバー33に流れる電流I3は、第1及び第2のバイパスバスバー31,32に流れる電流I1及びI2よりも十分に小さい。また、第1及び第2のバイパスバスバー31,32の断面積は互いに等しく、このため、第1のバイパスバスバー31に流れる電流I1と第2のバイパスバスバー32に流れる電流I2は、互いに等しい。
本実施形態においては、第1の磁気センサ41がセンシングバスバー33の直上に配置され、第2の磁気センサ42がセンシングバスバー33の直下に配置される。より具体的には、磁気センサ41,42のx方向位置は第1のバイパスバスバー31と第2のバイパスバスバー32の中間位置であり、センシングバスバー33が斜めに延在する部分を挟み込むように磁気センサ41,42が配置されている。そして、第1の磁気センサ41の感磁方向は+z方向、第2の磁気センサ42の感磁方向は−z方向であり、互いに180°相違している。
図11は、バスバー30に流れる電流によって生じる磁界について説明するための模式図である。
図11に示すように、バスバー30の第1のバイパスバスバー31と第2のバイパスバスバー32には互いに同方向(z方向)に電流が流れるため、第1及び第2のバイパスバスバー31,32に流れる電流I1,I2によって生じる磁界φ1,φ2は、いずれもz方向を中心として周回する。このため、磁界φ1,φ2はx方向成分及びy方向成分からなり、z方向成分を有していない。これに対し、センシングバスバー33に流れる電流I3は、z方向に対して僅かに斜め方向に流れる部分を有しているため、この部分から発生する磁界φ3には僅かにz方向成分が含まれる。
そして、本実施形態においては、磁界φ3に含まれるz方向成分が磁気センサ41,42に印加される。そして、磁気センサ41,42の感磁方向は互いに180°相違していることから、磁気センサ41の出力と磁気センサ42の出力には、センシングバスバー33に流れる電流I3に応じた差が生じる。したがって、図5に示した回路と同様、磁気センサ41,42を電源VccとグランドGNDの間に直列に接続し、これらの接続点の電位Voutを取り出せば、電流Iの電流量を測定することが可能となる。
このように、本実施形態においては、バスバー30を3分岐するとともに、センシングバスバー33に流れる電流I3にのみx方向成分を持たせることにより、センシングバスバー33に流れる電流I3によって発生する磁界φ3にのみz方向成分を持たせることが可能となる。つまり、第1及び第2のバイパスバスバー31,32に流れる電流I1,I2によって生じる磁界φ1,φ2にはz方向成分が含まれていないことから、磁気センサ41,42は、センシングバスバー33によって生じる磁界φ3のz方向成分だけを選択的に検出することが可能となる。これにより、バスバー30に流れる電流Iが大電流であっても、磁気センサ41,42の飽和を防止することが可能となる。また、本実施形態においては、バイパスバスバー31,32及びセンシングバスバー33の厚みが一定であることから、バスバー30に対する折り曲げ加工などを施す必要がなく、単に打抜き加工するだけで作製できるという利点も有している。
図12は、本発明の第3の実施形態による電流センサ3の外観を示す略斜視図である。
図12に示すように、本実施形態による電流センサ3は、測定対象となる電流Iが流れる電流ケーブル51,52に取り付けられたバスバー支持体60を有している。電流ケーブル51はクランプ部材71を用いてバスバー支持体60の一端に固定され、電流ケーブル52はクランプ部材72を用いてバスバー支持体60の他端に固定されている。クランプ部材71,72には複数のネジ穴Sが設けられており、ネジ穴Sに図示しないボルトを挿入し、ボルトにナットを螺着することによって、クランプ部材71と電流ケーブル51及びバスバー支持体60の一端が締結され、クランプ部材72と電流ケーブル52及びバスバー支持体60の他端が締結される。
図13はバスバー支持体60を一方向から見た図であり、図14はバスバー支持体60を別の方向から見た図である。また、図15は、バスバー支持体60の略分解斜視図である。
図13及び図14に示すように、バスバー支持体60はz方向に延在する円柱状の部材であり、z方向における一端には導電部材からなる接続部61が設けられ、z方向における他端には導電部材からなる接続部62が設けられている。接続部61と接続部62の間には、絶縁部材からなる測定部63が設けられている。接続部61は、クランプ部材71を介して電流ケーブル51に接続され、接続部62は、クランプ部材72を介して電流ケーブル52に接続される。
図15に示すように、接続部61,62及び測定部63にはいずれも4つの貫通孔が設けられている。そして、貫通孔61a,62a,63aには第1のバイパスバスバー81が挿入され、貫通孔61b,62b,63bには第2のバイパスバスバー82が挿入され、貫通孔61c,62c,63cには第3のバイパスバスバー83が挿入される。一方、貫通孔61d,62d,63dには測定ユニットUが挿入される。これにより、電流ケーブル51に接続された接続部61と、電流ケーブル52に接続された接続部62は、3本のバイパスバスバー81〜83及び測定ユニットUを介して接続される。
測定ユニットUは、回路基板100と、回路基板100の裏面側に固定されたセンシングバスバー90と、回路基板100の表面側に搭載された磁気センサ20とを備えている。センシングバスバー90は、y方向における厚みが一定である板状金属板を加工してなる部材であり、x方向における幅の狭い測定区間91と、測定区間91の両端に位置する端部区間92,93を有している。磁気センサ20は、センシングバスバー90の測定区間91に流れる電流によって生じる磁界を検出するデバイスであり、z方向から見て測定区間91と重なる位置に搭載されている。
磁気センサ20には、z方向位置の異なる2つの磁気検出素子21,22が設けられている。磁気検出素子21の感磁方向は+x方向、磁気検出素子22の感磁方向は−x方向であり、互いに180°相違している。磁気検出素子21,22の種類については特に限定されないが、ホール素子や磁気抵抗素子などを用いることができる。
センシングバスバー90の端部区間92,93は、x方向における幅が貫通孔61d,62d,63dとほぼ同じサイズを有している。これにより、貫通孔61d,62d,63dに測定ユニットUを挿入すると、センシングバスバー90の端部区間92が接続部61に接続され、センシングバスバー90の端部区間93が接続部62に接続される。その結果、3本のバイパスバスバー81〜83とセンシングバスバー90は、並列に接続されることになる。
回路基板100のz方向における一端には、磁気センサ20に接続された端子101が設けられている。端子101は、配線102を介してコネクタ103に接続されている。コネクタ103は、外部の制御回路や電源回路などに接続される。
図16は、バスバー支持体60のxy断面図である。
図16に示すように、バスバー支持体60の内部においては、バイパスバスバー81〜83、センシングバスバー90及び磁気センサ20が所定の位置に固定される。具体的には、磁気センサ20はバスバー支持体60のxy断面の中心に位置し、これを取り囲むように3本のバイパスバスバー81〜83が配置される。センシングバスバー90は、磁気センサ20の近傍に位置する。
図17は、バイパスバスバー81〜83とセンシングバスバー90の位置関係をより詳細に説明するための模式図である。
図17に示すように、磁気センサ20のxy座標をP0とし、バイパスバスバー81〜83のxy座標をそれぞれP1〜P3とした場合、P1〜P3はいずれもP0を中心とした仮想円VC上に配置される。そして、P0とP1〜P3をそれぞれ直線的に結ぶ仮想線VL1〜VL3を想定した場合、仮想線VL1〜VL3の任意の2つが成す角度θ1は、いずれも120°である。つまり、バイパスバスバー81〜83は、磁気センサ20を中心として均等な位置に分散配置されている。
これにより、バイパスバスバー81〜83に流れる電流によって生じる磁界は、座標P0、つまり、磁気センサ20が配置される位置において完全に打ち消される。つまり、磁気センサ20が配置される位置における磁界は、センシングバスバー90に流れる電流によって生じる磁界のみとなる。これにより、磁気センサ20は、センシングバスバー90に流れる電流によって生じる磁界を選択的に検出することが可能となる。
このように、本実施形態においては、3本のバイパスバスバー81〜83を用いていることから、磁界が打ち消される領域A(図4参照)をより拡大することが可能となる。これにより、製造ばらつきなどに起因する測定誤差をより低減することが可能となる。
本実施形態において、クランプ部材71,72の形状については特に限定されず、図18に示す第1の変形例のように、バスバー支持体60に締結されるクランプ部材71a,72aと、電流ケーブル51,52に接続される端子部材71b,72bを別部材とし、ボルト及びナットを用いて両者を締結しても構わない。
また、バスバー支持体60に挿入するバイパスバスバーの数についても3本に限定されるものではなく、磁気センサ20を中心に複数のバイパスバスバーを放射状に均等配置すれる限り、4本以上であっても構わないし、2本であっても構わない。
例えば、図19に示す第2の変形例では、2本のバイパスバスバー81,82を用い、これらを磁気センサ20の上下に配置している。この場合、模式図である図20に示すように、磁気センサ20のxy座標をP0とし、バイパスバスバー81,82のxy座標をそれぞれP1,P2とした場合、P1,P2はいずれもP0を中心とした仮想円VC上に配置されている。そして、P0とP1,P2を直線的に結ぶ仮想線VL1,VL2を想定した場合、仮想線VL1,VL2が成す角度θ2は180°である。つまり、バイパスバスバー81,82は、磁気センサ20を中心として均等な位置に分散配置されている。これにより、バイパスバスバー81,82に流れる電流によって生じる磁界は、座標P0、つまり、磁気センサ20が配置される位置において完全に打ち消される。
また、バイパスバスバー81,82の断面形状についても特に限定されず、図21に示す第3の変形例のように、バイパスバスバー81,82の断面形状を矩形としても構わない。
図22に示す第4の変形例では、4本のバイパスバスバー81〜84を用い、これらを磁気センサ20の周囲に分散配置している。この場合、模式図である図23に示すように、磁気センサ20のxy座標をP0とし、バイパスバスバー81〜84のxy座標をそれぞれP1〜P4とした場合、仮想線VL1〜VL4のうち隣接する任意の2つが成す角度θ3は、いずれも90°である。つまり、バイパスバスバー81〜84は、磁気センサ20を中心として均等な位置に分散配置されている。これにより、バイパスバスバー81〜84に流れる電流によって生じる磁界は、座標P0、つまり、磁気センサ20が配置される位置において完全に打ち消される。しかも、本例では、4本のバイパスバスバー81〜84を用いていることから、磁界が打ち消される領域A(図4参照)をよりいっそう拡大することが可能となる。
磁界が打ち消される領域Aの面積は、分散配置するバイパスバスバーの本数が多いほど拡大する。このため、模式図である図24に示すように、6つのバイパスバスバーをそれぞれ座標P1〜P6に分散配置すれば、磁界が打ち消される領域Aは図23に示す例よりもさらに拡大し、模式図である図25に示すように、8つのバイパスバスバーをそれぞれ座標P1〜P8に分散配置すれば、磁界が打ち消される領域Aは図24に示す例よりもさらに拡大する。
但し、本発明において、複数のバイパスバスバーを磁気センサ20の周囲に完全に均等に分散配置することは必須でなく、磁界が打ち消される領域Aが生じる限りにおいて、どのような配置であっても構わない。したがって、一部のバイパスバスバーが仮想円VC上になくても構わないし、複数の仮想線のうち隣接する2つが成す角度が全て一定ではなくても構わない。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
1,1A,2,3 電流センサ
10,10A,30 バスバー
11,31 第1のバイパスバスバー
12,32 第2のバイパスバスバー
13,33 センシングバスバー
20,41,42 磁気センサ
21,22 磁気検出素子
51,52 電流ケーブル
60 バスバー支持体
61,62 接続部
61a〜63a,61b〜63b,61c〜63c,61d〜63d 貫通孔
63 測定部
71,72,71a,72a, クランプ部材
71b,72b 端子部材
81〜84 バイパスバスバー
90 センシングバスバー
91 測定区間
92,93 端部区間
100 回路基板
101 端子
102 配線
103 コネクタ
A 磁界が打ち消される領域
I,I1〜I3 電流
S ネジ穴
U 測定ユニット
VC 仮想円
VL1〜VL4 仮想線
φ1〜φ3 磁界
10,10A,30 バスバー
11,31 第1のバイパスバスバー
12,32 第2のバイパスバスバー
13,33 センシングバスバー
20,41,42 磁気センサ
21,22 磁気検出素子
51,52 電流ケーブル
60 バスバー支持体
61,62 接続部
61a〜63a,61b〜63b,61c〜63c,61d〜63d 貫通孔
63 測定部
71,72,71a,72a, クランプ部材
71b,72b 端子部材
81〜84 バイパスバスバー
90 センシングバスバー
91 測定区間
92,93 端部区間
100 回路基板
101 端子
102 配線
103 コネクタ
A 磁界が打ち消される領域
I,I1〜I3 電流
S ネジ穴
U 測定ユニット
VC 仮想円
VL1〜VL4 仮想線
φ1〜φ3 磁界
Claims (4)
- 測定対象となる電流が流れるバスバーと、
前記バスバーに流れる電流によって生じる磁界を検出する磁気センサと、を備え、
前記バスバーは、複数のバイパスバスバーとセンシングバスバーに分岐されており、
前記磁気センサは、前記複数のバイパスバスバーによって生じる磁界が互いに打ち消し合う領域に配置されていることを特徴とする電流センサ。 - 前記複数のバイパスバスバーに流れる電流の方向はいずれも第1の方向であり、
前記第1の方向から見て、前記複数のバイパスバスバーは前記磁気センサを中心とした仮想円上に配置されており、前記磁気センサと前記複数のバイパスバスバーを結ぶ複数の仮想線のうち隣接する2つの仮想線が成す角度が一定であることを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。 - 前記磁気センサの感磁方向は、前記第1の方向とは異なる方向であることを特徴とする請求項2に記載の電流センサ。
- 前記センシングバスバーは、前記第1の方向と異なる方向に電流を流す区間を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電流センサ。
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