JP2020148585A - 電気配線貫通装置および電気配線貫通モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】電気配線貫通装置の気密性を確保する。【解決手段】実施形態に係る電気配線貫通装置は、隔壁に形成された貫通部開口を閉止する端板と端板を貫通する電気配線貫通モジュール100を備える。電気配線貫通モジュール100は、貫通部導体110と、貫通部導体110を囲むように配された筒状のモジュール外筒140と、貫通部導体110とモジュール外筒140との間に配された筒状の無機物シール部材120と、無機物シール部材120の両端と貫通部導体110との間をそれぞれ接続かつシールする内側導体接続部131および外側導体接続部132と、モジュール外筒140と無機物シール部材120との間を接続かつシールするシール部材接続部133とを具備する。無機物シール部材120は、貫通方向に内側シール部材121と外側シール部材122とに分割されている。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、電気配線貫通装置およびそれに用いられる電気配線貫通モジュールに関する。
原子力発電所において、放射性物質を外部と隔離する隔壁となる原子炉格納容器を貫通して設置される電気配線の隔壁の貫通部分は、原子炉格納容器バウンダリの一部を構成する。このため、放射性の気体の漏えいを防止するために、原子炉格納容器の内側の電気配線と外側の電気配線は、原子炉格納容器電気配線貫通装置により接続されている。
たとえば、原子炉格納容器電気配線貫通装置のモジュールにおいては、従来からシール材としてエポキシ樹脂などの有機物材料が使用されており、温度・放射線および経年の影響によりシール性能が劣化する懸念がある。そこで、過酷事故時における耐温度・放射線、そして経年による劣化耐性向上を目的として、バウンダリ部のシール材に無機物材料を使用する技術が知られている。
上述した無機物シール材を用いた高圧動力用の電気配線貫通装置において、たとえば、定格電流の大きな大容量の電動機の場合、通常、始動電流は定格電流の数倍となることから、大電流が流れることになる。このような大電流が流れると、モジュール内の導体の発熱も大きく、これによる温度上昇で熱膨張が発生する。無機物シール材の熱膨張率に比べて、導体の熱膨張率が大きい。また、過渡的には、導体の温度上昇に比べて、導体からの熱移動により温度が上昇する無機物シール材の温度上昇に遅れが生ずる。この結果、導体と無機物シール材との熱膨張率の差と過渡的には温度自体の差も加わることによって、特に、長手方向には、無機物シール材に大きな引張力が作用する。このため、無機物シール材が破損する可能性があり、破損箇所によっては、隔壁の貫通部分としての電気配線貫通装置の気密性が失われる懸念がある。
このような問題は、原子力発電所において放射性物質を閉じ込めるために内外を区画する隔壁としての原子炉格納容器の電気配線貫通部に限らない。すなわち、電気配線の貫通部としてシール機能を確保すべき部分であれば、たとえば、核燃料の再処理施設などの他の施設において、放射性物質を閉じ込めるために内外を区画する隔壁についても同様である。さらには、拡散を防止して閉じ込めるべき化学的物質等を閉じ込めるために内外を区画する隔壁についても同様の課題がある。
本発明の実施形態は上述した課題を解決するものであり、内外を区画する隔壁を貫通する電気配線貫通装置の気密性を確保することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態に係る電気配線貫通装置は、内外を区画する隔壁を貫通する電気配線貫通装置であって、前記隔壁に形成された貫通部開口を閉止する端板と、前記端板を貫通する電気配線貫通モジュールと、を備え、前記電気配線貫通モジュールは、貫通方向に延びるように配された貫通部導体と、前記貫通部導体の径方向外側に前記貫通部導体を囲むように前記貫通部導体と空隙部を介して貫通方向に延びた筒状のモジュール外筒と、前記貫通部導体と前記モジュール外筒との間に配された筒状の無機物シール部材と、前記無機物シール部材の両端と前記貫通部導体との間をそれぞれ接続かつシールする内側導体接続部および外側導体接続部と、前記モジュール外筒と前記無機物シール部材間を接続かつシールするシール部材接続部と、を具備し、前記無機物シール部材は、貫通方向に内側シール部材と外側シール部材とに分割されている、ことを特徴とする。
また、本実施形態に係る電気配線貫通モジュールは、内外を区画する隔壁を貫通する電気配線貫通装置の電気配線貫通モジュールであって、貫通方向に延びるように配された貫通部導体と、前記貫通部導体の径方向外側に前記貫通部導体を囲むように配された筒状のモジュール外筒と、前記貫通部導体と前記モジュール外筒との間に配された筒状の無機物シール部材と、前記無機物シール部材の両端と前記貫通部導体との間をそれぞれ接続かつシールする内側導体接続部および外側導体接続部と、前記モジュール外筒と前記無機物シール部材間を接続かつシールするシール部材接続部と、を具備し、前記無機物シール部材は、貫通方向に内側シール部材と外側シール部材とに分割されている、ことを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、内外を区画する隔壁を貫通する電気配線貫通装置の気密性を確保することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る電気配線貫通装置および電気配線貫通モジュールについて説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重畳説明は省略する。
[第1の実施形態]
以下、本実施形態に係る電気配線貫通部および電気配線貫通モジュールについて説明する。なお、電気配線貫通装置が貫通する内外を区画する隔壁として、原子力発電所において放射性物質を閉じ込めるために内外を区画する隔壁である原子炉格納容器を例にとって示す。
以下、本実施形態に係る電気配線貫通部および電気配線貫通モジュールについて説明する。なお、電気配線貫通装置が貫通する内外を区画する隔壁として、原子力発電所において放射性物質を閉じ込めるために内外を区画する隔壁である原子炉格納容器を例にとって示す。
図1は、第1の実施形態に係る電気配線貫通装置の構成を示す縦断面図である。鋼板と遮へいコンクリートで構成された原子炉格納容器1の壁部には、電気配線や配管(図示せず)が貫通する部分に、それぞれ原子炉格納容器スリーブ2が設けられている。なお、図1では、原子炉格納容器1の一部のみを示している。以下、原子炉格納容器スリーブ2の中心軸の延びる方向を、貫通方向と呼ぶこととする。また、以下、電気配線貫通部および電気配線貫通モジュールの説明において、原子炉格納容器の内側に向かう方向を貫通方向内側、原子炉格納容器の外側に向かう方向を貫通方向外側と呼ぶこととする。
原子炉格納容器スリーブ2は、通常、円筒状であり、その外面が原子炉格納容器1に溶接によりリークタイトに接続されている。原子炉格納容器スリーブ2の径方向の内側は、貫通すべき電気配線や配管のための空間となっている。すなわち、貫通部開口2aが形成されている。
電気配線貫通装置10は、電気配線を貫通させながら、貫通部開口2aをリークタイトに閉止して、内外の隔壁として機能し格納容器バウンダリの一部を構成するように設けられている。リークタイトの確保の詳細は、以下に説明する。
ここで、電気配線の貫通は、具体的には、内側電線5と外側電線6とをそれぞれ電気的に接続することを意味するものとする。
電気配線貫通装置10は、端板11、複数の電気配線貫通モジュール100、および内側電線支持部14を有する。電気配線貫通モジュール100は、端板11にたとえば図示しないボルト等により、脱着可能に取り付けられている。なお、図1では、電気配線貫通モジュール100が複数の場合を示したが、これに限定されず、電気配線貫通モジュール100が1つの場合でもよい。電気配線貫通モジュール100の詳細については、後に図2を引用しながら説明する。
端板11は、厚み方向に段付きの円板状であって、電気配線貫通モジュール100が貫通する第1穴11m(図3)および第2穴11n(図3)が形成されている。端板11は、段付き部において、原子炉格納容器スリーブ2の貫通方向外側の端部と嵌合し、たとえば溶接によって原子炉格納容器スリーブ2と接続されている。なお、通常は、この端板11の原子炉格納容器スリーブ2への取り付けは、電気配線貫通装置10として主要部が組み立てられた後に行われる。
内側電線支持部14は、フランジ用追加部材14aおよび支持板14bを有する。フランジ用追加部材14aは、円筒部とその一方の端部に接続された環状のフランジを有し、円筒部の他端において、原子炉格納容器スリーブ2の貫通方向内側の端部に接続されている。支持板14bは、フランジ用追加部材14aの相フランジとして、周縁部に複数のボルト孔が形成されており、フランジ用追加部材14aとボルトおよびナットにより固定される。
支持板14bには、内側電線5のそれぞれが貫通する貫通孔が形成されており、電気配線貫通モジュール100の貫通方向内側において、内側電線5を支持する。なお、端板11と内側電線支持部14との間においても、適宜、内側電線5の支持部を設けてもよい。
図2は、第1の実施形態に係る電気配線貫通モジュールの構成を示す縦断面図である。電気配線貫通モジュール100は、貫通部導体110、無機物シール部材120、およびモジュール外筒140を有する。
貫通部導体110は、円柱状の導体バー111と平板状の接続金具112を有する。
導体バー111は、たとえば、タフピッチ銅、無酸素銅、あるいは銅合金などの銅系の材料の金属部材である。導体バー111の貫通方向内側部分には、内側電線5との取り合いのために、円形状に凹陥された内側電線取り合い部111aが形成されている。内側電線取り合い部111aは、例えば内側電線5と螺合するなど内側電線5と接続可能に形成されている。あるいは、ろう付けにより結合することでもよい。
ここで、内側電線5は、原子炉格納容器1内に設置されたたとえば高圧電動機などの高圧動力負荷への給電のための電源ケーブルとして、この高圧動力負荷と貫通部導体110との間を通電可能に布設されている。
導体バー111の貫通方向外側部分には、接続金具112と接続するための凹部111bが形成されている。接続金具112は、外側電線6と接続するための接続部であり、2つのボルト穴112bが形成されている。また、接続金具112には、凸部112aが形成されており、導体バー111の凹部111bと嵌合したとえばロー付で互いに結合されている。
無機物シール部材120は、ほぼ、円筒状であり、貫通部導体110の導体バー111の径方向外側を囲むように、かつ、導体バー111との間に間隙を有しながら、導体バー111に沿ってすなわち貫通方向(貫通部導体110の延びる方向すなわち長手方向)に延びている。無機物シール部材120は、たとえば、金属酸化物のセラミックスあるいは炭化ケイ素系の材料である。無機物シール部材120は、その貫通方向内側の端部近傍で、接続シール部材130である環状の内側導体接続部131により、導体バー111の径方向表面に接続している。また、無機物シール部材120は、その貫通方向外側の端部近傍でも、接続シール部材130である環状の外側導体接続部132により、導体バー111の径方向表面に接続している。
無機物シール部材120は、その長手方向の途中で、内側シール部材121と外側シール部材122とに分割されている。内側シール部材121の外側シール部材122に面する部分には、段つき端部121aが形成されている。また、外側シール部材122の内側シール部材121に面する部分には、段つき端部122aが形成されている。
内側シール部材121の段つき端部121aは、長手方向について段階的に径が変化しており、径方向内側が突出する段付き形状である。また、外側シール部材122において、段つき端部121aに対向する段つき端部122aも、長手方向について段階的に径が変化しており、径方向内側が凹んだ段付き形状であり、内側シール部材121の段つき端部121aの径方向外側を囲むように形成されている。
したがって、段つき端部121aと段つき端部122aにより形成される間隙123は、貫通部内側方向に向かって、段階的に径が拡大するように形成される。この結果、高圧負荷の起動時および定常運転状態においても、貫通部導体110側から貫通方向(貫通部導体110の延びる方向すなわち長手方向)に垂直な方向を見た場合には、無機物シール部材120のいずれかの部分が見え、貫通部導体110側から無機物シール部材120の外側にあるモジュール外筒140が直接には見えないように形成されている。具体的には、貫通部導体110側から間隙123を見ると、必ず外側シール部材122が見えることになる。
モジュール外筒140は、無機物シール部材120の径方向外側に無機物シール部材120の長手方向の一部を取り囲むように設けられている。モジュール外筒140は、たとえばオーステナイト系ステンレス鋼製である。
モジュール外筒140は、ほぼ円筒状の部分とその長手方向の途中に形成されたフランジ部分が組み合わさった形状である。モジュール外筒140の内径は一定で、外形が貫通方向に変化している。モジュール外筒140と無機物シール部材120との間に環状の空隙部145が形成されるように、モジュール外筒140の内径は無機物シール部材120の外径より大きくなるように形成されている。
モジュール外筒140は、外径が最も大きな部分であるフランジ部141、フランジ部141の貫通方向内側の内側第1円筒部142、内側第1円筒部142の貫通方向内側の内側第2円筒部143、およびフランジ部141の貫通方向外側の外側円筒部144を有する。
フランジ部141には、周方向に互いに間隔をおいて複数のボルト穴141aが形成されている。内側第1円筒部142は、端板11に形成された第1穴11m(図3)と嵌合する。また、内側第2円筒部143は、端板11に形成された第2穴11nを貫通し、端板11の貫通方向内側の面から突出している。外側円筒部144は、フランジ部141から貫通方向外側に突出している。モジュール外筒140の内側第1円筒部142の側部には、連通開口140hが形成されている。
モジュール外筒140は、内側第2円筒部143の貫通方向内側の端部において、接続シール部材130である内側シール部材接続部(シール部材接続部)133により、内側シール部材121に結合している。また、モジュール外筒140は、外側円筒部144の貫通方向外側の端部において、接続シール部材130である外側シール部材接続部(シール部材接続部)134により、外側シール部材122に結合している。
内側シール部材接続部133は、環状円板とその外縁および内縁のそれぞれに円筒が接続した形状である。また、外側シール部材接続部134は、円錐台形状部分の大径側と小径側のそれぞれに円筒が接続した形状である。内側シール部材接続部133は、内側導体接続部131および外側導体接続部132より軸方向および径方向の剛性が小さい。外側シール部材接続部134は、さらに剛性が低い。
ここで、無機物シール部材120と貫通部導体110とを接続する内側導体接続部131および外側導体接続部132、無機物シール部材120とモジュール外筒140とを接続する内側シール部材接続部133および外側シール部材接続部134はそれぞれ、セラミックスなどの無機材と金属との間を結合するものである。無機材と金属との接合、すなわちメタライズ処理は、たとえば、鉄、ニッケル、コバルトの合金であるコバールを用いて行うことができる。
以上のように、貫通部導体110の導体バー111、内側導体接続部131、無機物シール部材120の内側シール部材121、内側シール部材接続部133、およびモジュール外筒140は、リークタイトな障壁を形成し、電気配線貫通モジュール100のシール機能が確保される。
また、無機物シール部材120と貫通部導体110とを接続する内側導体接続部131および外側導体接続部132、無機物シール部材120とモジュール外筒140とを接続する内側シール部材接続部133および外側シール部材接続部134により、空隙部145は、閉じた空間の一部となる。この閉じた空間は、前述の電気配線貫通モジュール100のシール機能にかかわる障壁に面している。この閉じた空間は、モジュール外筒140に形成された連通開口140hを介して外部と連通する。
図3は、第1の実施形態に係る電気配線貫通モジュールのモジュール外筒と端板との取り合いを示す縦断面図である。なお、電気配線貫通モジュール100については、モジュール外筒140以外の要素は、端板11と直接的な取り合いはないので、モジュール外筒140以外の図示を省略している。
端板11には、前述のように電気配線貫通モジュール100の貫通用の貫通孔が形成されている。具体的には、電気配線貫通モジュール100の貫通用の第1穴11mおよび第2穴11nが形成されている。第1穴11mは、モジュール外筒140の内側第1円筒部142の外径に対応する内径を有し、貫通方向外側から端板11の厚み方向の途中の深さまで形成されている。第2穴11nは、モジュール外筒140の内側第2円筒部143の外径に対応する内径を有し、第1穴11mの深さ位置から端板11の貫通方向内側まで貫通している。
また、第1穴11mの表面近傍には、Oリング溝11gが形成されており、Oリング溝11gには、メタルOリング12が設置されている。
第1穴11mの深さは、モジュール外筒140の内側第1円筒部142の長さより長くなるように形成されている。この結果、第1穴11mの深さと内側第1円筒部142の長さの差により、Oリング溝11hが形成される。Oリング溝11hには、メタルOリング13が設置されている。
以上のようにして、電気配線貫通装置10の各部において、内外を区画する隔壁としてのシール性能が確保される。
また、端板11には、各電気配線貫通モジュール100のモジュール外筒140に形成された連通開口140hの間を連通する連通孔11aが形成されている。連通孔11aは、局部の漏えい試験時に使用される漏えい試験装置(図示せず)と接続可能な部分につながっている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
原子炉格納容器1内の高圧動力負荷が高圧電動機であり、高圧電動機が停止状態から運転状態に移行する場合を想定する。高圧電動機の起動時には、定格電流の数倍の大きな起動電流が流れる。この結果、電気配線貫通モジュール100においても貫通部導体110に大きな起動電流が流れジュール熱が生ずる。この結果、貫通部導体110の温度が上昇する。貫通部導体110は貫通方向に長いため、特に貫通方向の熱膨張が大きくなる。
一方、貫通部導体110の導体バー111と、内側導体接続部131および外側導体接続部132によって結合している無機物シール部材120は、金属に比べて熱膨張率は小さい。また、貫通部導体110から内側導体接続部131および外側導体接続部132を経由する熱伝導によって、無機物シール部材120の温度が上昇するため、無機物シール部材120の温度は導体バー111の温度より低い。このため、無機物シール部材120の熱膨張は、貫通部導体110の熱膨張より小さい。
また、高圧電動機が定常運転状態になった場合においても、電気配線貫通モジュール100内の発熱源は、貫通部導体110であり、これ以外は放熱部であることから、無機物シール部材120の温度は、貫通部導体110の温度より低くなる。
したがって、高圧電動機が運転状態になると、無機物シール部材120の熱膨張は、それが結合している導体バー111の熱膨張に比べて小さい状態となる。この結果、無機物シール部材120には貫通方向への引張力が働く。
ここで、無機物シール部材120が一体の場合は、無機物シール部材120のいずれかの箇所で破損が生ずる可能性がある。特に、内側導体接続部131との接続部が破損した場合には、原子炉格納容器バウンダリ、すなわち内外を区画する隔壁としての機能を喪失することになる。
しかしながら、本第1の実施形態では、無機物シール部材120は、貫通方向に内側シール部材121と外側シール部材122とに分割されている。したがって、無機物シール部材120への貫通方向への引張力の結果は、内側シール部材121と外側シール部材122それぞれの反対方向への移動、すなわち、間隙123の貫通方向の幅が広がる方向の移動となる。したがって、無機物シール部材120に過剰な引張力が負荷されることはない。
また、間隙123は、高圧動力負荷である高圧電動機の起動時および定常運転時においても、貫通部導体110側から貫通方向に垂直な方向を見た場合に、無機物シール部材120のいずれかの部分が存在するように形成されている。すなわち、ともに金属導体であり、その間には高い電位差が存在する導体バー111とモジュール外筒とが直接に対向することがない。したがって、導体バー111とモジュール外筒との間の沿面距離は、両者の直線的な距離ではなく、間隙123に沿った距離となる。この結果、電気配線貫通装置100内の電気的な絶縁機能も確保される。
以上のように、高圧負荷の停止時のみならず、起動時および定常運転状態においても、電気配線貫通装置100の体系を維持でき、かつ電気配線貫通装置100の絶縁状態が維持可能であり、この結果、据え付け状態において確保された電気配線貫通装置の気密性を維持することができる。
また、それぞれの電気配線貫通モジュール100のシール機能にかかわる障壁に面した閉じた空間が、モジュール外筒140に形成された連通開口140hを介し、連通孔11aを経由して漏えい試験装置(図示せず)との接続可能な部分につながっていることから、それぞれの電気配線貫通モジュール100のシール機能にかかわる障壁のシール機能を確認することができる。
[第2の実施形態]
図4は、第2の実施形態に係る電気配線貫通モジュールの構成を示す縦断面図である。本第2の実施形態は、第1の実施形態の変形であり、無機物シール部材120の部分的な形状のみが異なり、その他の点については、第1の実施形態と同様である。
図4は、第2の実施形態に係る電気配線貫通モジュールの構成を示す縦断面図である。本第2の実施形態は、第1の実施形態の変形であり、無機物シール部材120の部分的な形状のみが異なり、その他の点については、第1の実施形態と同様である。
すなわち、内側シール部材121は、外側シール部材122に対向する部分に形成されたテーパ付き凸部121bを有する。また、外側シール部材122は、内側シール部材121に対向する部分に形成されたテーパ付き凹部122bを有する。この結果、円錐台形状の間隙124が形成される。
本第2の実施形態においても、高圧電動機の起動時および定常運転時において、導体バー111と無機物シール部材120の熱膨張の差は、間隙124の存在により吸収され、隔壁としての機能を損なうことはない。
また、間隙124は、高圧動力負荷である高圧電動機の起動時および定常運転時においても、貫通部導体110側から貫通方向に垂直な方向を見た場合に、無機物シール部材120のいずれかの部分が存在するように形成されている。すなわち、導体バー111とモジュール外筒140とが直接に対向することがなく、導体バー111とモジュール外筒140との間の沿面距離は、両者の直線的な距離ではなく、間隙124に沿った距離となる。この結果、電気配線貫通モジュール100内の電気的な絶縁機能も確保される。
以上のように、本第2の実施形態においても、電気配線貫通装置の気密性を維持することができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
たとえば、実施形態では、原子炉格納容器スリーブが円筒状の場合を例にとって示したが、たとえば、楕円形、あるいは多角形の断面を有するスリーブの場合であってもよい。
また、実施形態では、貫通部導体110の導体バー111の断面が円形の場合を例にとって示したが、これに限定されず、たとえば、多角形の断面の場合であっても同様の構成が成立する。
また、実施形態では、モジュール外筒140のフランジ部141にボルト穴141aを設けて、ボルトで端板11と固定する構成としたが、たとえば、ボルト穴141aを設けずに、端板11のフランジ部141と重ならない部分にボルト穴を設け、このボルト穴にクランプ板を有するボルトを嵌合させ、このクランプ板と端板11とでフランジ部141を挟み込む構成とすることにより、ボルトの締め付けによりクランプ板でフランジ部141を押さえつけてフランジ部141を固定することができる。
また、第1の実施形態においては、間隙123を形成する部分では、外側シール部材122が内側シール部材121の径方向外側を囲むようにそれぞれの段部が形成されているが、逆に、内側シール部材121が外側シール部材122の径方向外側を囲むようにそれぞれの段部が形成されていてもよい。同様に、第2の実施形態においては、間隙124を形成する部分では、外側シール部材122が内側シール部材121の径方向外側を囲むようにそれぞれのテーパ部が形成されているが、逆に、内側シール部材121が外側シール部材122の径方向外側を囲むようにそれぞれのテーパ部が形成されていてもよい。
あるいは、実施形態においては、原子力発電所において放射性物質を閉じ込めるために内外を区画する隔壁としての原子炉格納容器の電気配線貫通部に適用する場合を例にとって示したが、これに限定されない。すなわち、電気配線の貫通部としてシール機能を確保すべき部分であれば、たとえば、核燃料の再処理施設などの他の施設において、放射性物質を閉じ込めるために内外を区画する隔壁に適用することでも良い。さらには、拡散を防止して閉じ込めるべき化学的物質等を閉じ込めるために内外を区画する隔壁に適用することでも良い。
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…原子炉格納容器、2…原子炉格納容器スリーブ、2a…貫通部開口、5…内側電線、6…外側電線、10…電気配線貫通装置、11…端板、11a…連通孔、11g、11h…Oリング溝、11m…第1穴、11n…第2穴、12、13…メタルOリング、14…内側電線支持部、14a…フランジ用追加部材、14b…支持板、100…電気配線貫通モジュール、110……貫通部導体、111…導体バー、111a…内側電線取り合い部、111b…凹部、112…接続金具、112a…凸部、112b…ボルト孔、120…無機物シール部材、121…内側シール部材、121a…段つき端部、121b…テーパ付き凸部、122…外側シール部材、122a…段つき端部、122b…テーパ付き凹部、123、124…間隙、130…接続シール部材、131…内側導体接続部、132…外側導体接続部、133…内側シール部材接続部(シール部材接続部)、134…外側シール部材接続部(シール部材接続部)、140…モジュール外筒、140h…連通開口、141…フランジ部、141a…ボルト穴、142…内側第1円筒部、143…内側第2円筒部、144…外側円筒部、145…空隙部
Claims (5)
- 内外を区画する隔壁を貫通する電気配線貫通装置であって、
前記隔壁に形成された貫通部開口を閉止する端板と、
前記端板を貫通する電気配線貫通モジュールと、
を備え、
前記電気配線貫通モジュールは、
貫通方向に延びるように配された貫通部導体と、
前記貫通部導体の径方向外側に前記貫通部導体を囲むように前記貫通部導体と空隙部を介して貫通方向に延びた筒状のモジュール外筒と、
前記貫通部導体と前記モジュール外筒との間に配された筒状の無機物シール部材と、
前記無機物シール部材の両端と前記貫通部導体との間をそれぞれ接続かつシールする内側導体接続部および外側導体接続部と、
前記モジュール外筒と前記無機物シール部材間を接続かつシールするシール部材接続部と、
を具備し、
前記無機物シール部材は、貫通方向に内側シール部材と外側シール部材とに分割されている、
ことを特徴とする電気配線貫通装置。 - 前記内側シール部材と前記外側シール部材との間には間隙が形成され、前記間隙の形状は、前記貫通方向に垂直な方向において、前記貫通部導体と前記モジュール外筒の間に前記無機物シール部材が存在する形状とされていることを特徴とする請求項1に記載の電気配線貫通装置。
- 前記間隙を形成する前記内側シール部材の端部とこれに対向する前記外側シール部材の端部には、それぞれ、段部が形成され、一方の段部が他方の段部の外周を囲む形状とされていることを特徴とする請求項2に記載の電気配線貫通装置。
- 前記間隙を形成する前記内側シール部材の端部とこれに対向する前記外側シール部材の端部には、それぞれ、テーパ部が形成され、一方のテーパ部が他方のテーパ部の外周を囲む形状とされていることを特徴とする請求項2に記載の電気配線貫通装置。
- 内外を区画する隔壁を貫通する電気配線貫通装置の電気配線貫通モジュールであって、
貫通方向に延びるように配された貫通部導体と、
前記貫通部導体の径方向外側に前記貫通部導体を囲むように配された筒状のモジュール外筒と、
前記貫通部導体と前記モジュール外筒との間に配された筒状の無機物シール部材と、
前記無機物シール部材の両端と前記貫通部導体との間をそれぞれ接続かつシールする内側導体接続部および外側導体接続部と、
前記モジュール外筒と前記無機物シール部材間を接続かつシールするシール部材接続部と、
を具備し、
前記無機物シール部材は、貫通方向に内側シール部材と外側シール部材とに分割されている、
ことを特徴とする電気配線貫通モジュール。
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