JP2020148358A - 冷蔵庫 - Google Patents

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充央 坪川
Mitsuo Tsubokawa
充央 坪川
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Abstract

【課題】コストを抑えつつ貯蔵室内の見栄えに優れた冷蔵庫を提供する。【解決手段】内部に貯蔵室10が設けられた内箱6と、内箱6の外側に配置された外箱4と、内箱6と外箱4との間に設けられた断熱材5,7とを備えた冷蔵庫本体2と、冷気を生成する冷却器を備えた冷凍サイクルと、貯蔵室10へ冷却器33で生成された冷気を供給する供給路35とを備えた冷蔵庫において、内箱6の断熱空間側に設けられ内箱6との間で供給路35を形成する供給路形成部材60、内箱6に設けられ供給路35に開口する吹出口40とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、冷蔵庫に関するものである。
従来より、冷蔵室などの冷蔵庫の貯蔵室には、冷却器で冷却した冷気を流通させる供給路(ダクト)が設けられており、ダクトを流通する冷気が吹出口より貯蔵室内に吹き出すことで、貯蔵室内を冷却する。このダクトは、貯蔵室を区画する内箱と内箱の庫内側に対向して取り付けられたダクト形成材とで挟まれた空間に設けられている。ダクト形成材は、内箱から貯蔵室へ突出するように設けられており見栄えが悪い。そこで、ダクト形成材を覆う概略平板状の化粧カバーを設けることがあるが、大きな化粧カバーが必要となりコストがかかる。
また、下記特許文献1及び2には、冷蔵庫本体を構成する内箱と外箱との間に充填された発泡断熱材中にダクトを埋設した冷蔵庫が提案されている。しかし、ダクトを発泡断熱材中に埋設する場合、ダクト内の冷気が貯蔵室へ吹き出す吹出口を多数設けることが困難となる。冷蔵室のように比較的広い貯蔵室では、複数の吹出口を設けて室内全体に冷気を均等に行き渡らせる必要があるため、比較的広い貯蔵室へ冷気を供給するダクトとして、発泡断熱材中に埋設されたダクトを採用することは困難である。
特開平8−178509号公報 特開平8−94231号公報
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、コストを抑えつつ貯蔵室内の見栄えに優れた冷蔵庫を提供することを目的とする。
一実施形態の冷蔵庫は、内部に貯蔵室が設けられた内箱と、前記内箱の外側に配置された外箱と、前記内箱と前記外箱との間に設けられた断熱空間に収納された断熱材とを備えた冷蔵庫本体と、冷気を生成する冷却器を備えた冷凍サイクルと、前記貯蔵室へ前記冷却器で生成された冷気を供給する供給路とを備えた冷蔵庫において、前記内箱の断熱空間側に設けられ前記内箱との間で前記供給路を形成する供給路形成部材と、前記内箱に設けられ前記供給路に開口する吹出口とを備えるものである。
本発明の第1実施形態の冷蔵庫の概略構成を示す縦断面図 扉を省略した冷蔵庫の正面図 図2のA−A断面図 第1実施形態の変更例1の冷蔵庫の扉を省略した正面図 第1実施形態の変更例2の冷蔵庫の扉を省略した正面図 本発明の第2実施形態の冷蔵庫の概略構成を示す縦断面図 図6の要部拡大図 図7のB−B断面図
(第1実施形態)
以下、本発明の一実施形態の冷蔵庫1について図面に基づき説明する。なお、以下の実施形態は例示であり、発明の範囲はこれに限定されない。以下の実施形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な省略、置換、変更を行うことができる。以下の実施形態やその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以下の説明において、冷蔵庫1の前後方向Xは、扉の開く方向を前方X1、その反対方向すなわち扉の閉じる方向を後方X2とし、冷蔵庫1の使用者が冷蔵庫の正面(扉の前)に立って冷蔵庫1を見たときの左右を以下の説明における左右とする。また、冷蔵庫1の内箱6において貯蔵室に向く側を庫内側とし、断熱材を介して外箱4と対向する側を断熱空間側とする。
(1)冷蔵庫1の構成
冷蔵庫1は、図1〜図3に示すように、前面に開口する冷蔵庫本体2を備える。冷蔵庫本体2は、鋼板製の外箱4と合成樹脂製の内箱6とを備え、外箱4及び内箱6との間に発泡断熱材5及び真空断熱パネル7などの断熱材を収納する断熱空間が形成されている。冷蔵庫本体2は内箱6の内側に複数の貯蔵室が設けられている。具体的には、図1に示すように、上段から順に、冷蔵室10、野菜室12が設けられ、その下方に製氷室14と小冷凍室16が左右に並べて設けられ、これらの下方に冷凍室18が設けられている。
冷蔵室10及び野菜室12は、冷蔵温度帯(例えば、1〜4℃)に冷却される冷蔵空間を構成する貯蔵室であり、それらの間は、合成樹脂製の仕切壁20により上下に仕切られている。冷蔵室10の前面開口部には、ヒンジで枢支された回動式の断熱扉10aが設けられている。
冷蔵室10の内部は、複数の棚板8によって上下に複数段に区画されている。仕切壁20と最下段の棚板8とで上下に仕切られた空間には、引出式のチルド容器9が設けられている。
野菜室12の前面開口部には、引き出し式の断熱扉12aが設けられている。この断熱扉12aの背面部には、貯蔵容器を構成する上下2段の収納容器22が連結されており、開扉動作とともに収納容器22が庫外に引き出されるように構成されている。
製氷室14、小冷凍室16及び冷凍室18は、冷凍温度帯(例えば、−10〜−20℃)に冷却される冷凍空間を構成する貯蔵室である。野菜室12と製氷室14及び小冷凍室16との間は、内部に断熱材が設けられた断熱仕切壁28により上下に仕切られている。製氷室14、小冷凍室16及び冷凍室18の開口部は、野菜室12と同様、引き出し式の扉16a,18aにより閉塞されており、開扉動作とともに収納容器24,26が庫外に引き出されるように構成されている。
冷蔵庫本体2の外側、例えば、冷蔵庫本体2の天井壁の上面後部には、冷蔵庫1を制御するマイコン等を実装した制御基板46が設けられている。
(2)冷蔵庫本体2の構成
冷蔵庫本体2の外郭を構成する鋼板製の外箱4は、左側板4a、右側板4b、天板4c、底板4d及び背板4eを有する前面に開口した箱状をなしている。左側板4a、右側板4b、天板4cは、一枚の長尺な鋼板をほぼU字状に折曲することにより形成されている。底板4d及び背板4eは、左側板4a、右側板4b、及び天板4cと別個に設けられた部材である、底板4dには、機械室39を形成するための段差部が折曲形成されている。
図3に示すように、左側板4a及び右側板4bの前端部には、幅方向内方に突出するフランジ部4a−1、4b−1が形成され、左側板4a及び右側板4bの後端部には、前方X1に指向するフランジ部4a−2、4b−2が形成されている。更に、背板4eの左右の両端部には、左側板4a及び右側板4bのフランジ部4a−2、4b−2に挿入係合されるフランジ部4e−1、4e−2が形成されている。
合成樹脂製の内箱6は、真空成形機で一体成形されたもので、外箱4の左側板4a、右側板4b、天板4c、底板4d及び背板4eとそれぞれ対向する左側板6a、右側板6b、天板6c、底板6d及び背板6eを有する前面に開口した箱状をなしている。
内箱6の底板6dには、外箱4の底板4dの段差部に対応して機械室39を形成するための段差部が形成されている。
内箱6の左側板6a及び右側板6bの前端部には、外箱4の左側板4a及び右側板4bのフランジ部4a−1及び4b−1に挿入係合されるフランジ部6a−1及び6b−1が形成されている。
内箱6の左側板6aと背板6eとがなす角部や、右側板6bと背板6eとがなす角部には、冷蔵庫本体2の幅方向外側へ行くほど前方X1へ傾斜する傾斜面6ae、6beが上下方向にわたって形成され、内箱6の天板6cと背板6eとがなす角部には、上方へ行くほど前方X1へ傾斜する傾斜面6ceが冷蔵庫本体2の幅方向にわたって形成されている。また、内箱6の背板6eは、左右の傾斜面6ae、6beの間が庫内側に凹凸形状のない平坦な平面をなしている。
外箱4と内箱6との間に形成された断熱空間には、外箱4に固定された平板状の真空断熱パネル7が設けられている。また、冷蔵庫本体2の断熱空間において、真空断熱パネル7が存在しない箇所には、冷却器33と圧縮機38とを接続するパイプなどの冷媒パイプや、冷蔵庫本体2の内側あるいは外側に設けられた電気部品と制御基板46とを電気接続するリード線とともに、発泡ウレタン等の発泡断熱材5や後述する供給路形成部材60が設けられている。
(3)冷却器室30
冷凍空間を構成する製氷室14、小冷凍室16及び冷凍室18の後部には、内箱6の庫内側との間で冷却器室30を形成する冷却器カバー31と、冷却器カバー31の前方に配置され冷凍空間の背面を構成するダクト板32が設けられている。
冷却器カバー31は、冷却器33の前面を覆う板状の部材からなり、冷却器33より上方に設けられた取付孔に送風ファン34が取り付けられている。
冷却器室30は、内部に収納された冷却器33によって冷気を生成する空間であって、図2に示すように、冷却器33で生成した冷気を冷蔵室10へ供給する第1供給路35と、冷却器33で生成した冷気を冷凍室18へ供給する第2供給路36と、各貯蔵室10,12,14,16を流れた空気を冷却器室30へ戻すリターンダクト37が接続されている。また、冷却器室30と第1供給路35との接続部分には冷蔵ダンパ42が設けられている。
冷却器33は、冷蔵庫1の下部に設けた圧縮機38や、不図示の凝縮器やキャピラリーチューブ等とともに冷凍サイクルを構成し、圧縮機38から吐出される冷媒が凝縮器及びキャピラリーチューブを介して導入される。これにより、冷却器33は低温化して冷却器室30内の空気を冷却して冷気を生成する。
(4)第1供給路35
第1供給路35は、冷蔵室10及び野菜室12の背面を区画する内箱6の背板6eと供給路形成部材60によって、内箱6の断熱空間側に形成された空気流路である。第1供給路35の下端は、冷蔵ダンパ42を介して冷却器室30に接続されている。また、第1供給路35は、冷却器室30から上方に設けられ、冷蔵室10の背面を区画する内箱6の背板6eに設けられた吹出口40と連通している。
吹出口40は、冷蔵庫幅方向に間隔をあけて複数個(本実施形態では3個)設けられるとともに、棚板8によって上下に区画された空間に対応するように上下方向に間隔をあけて複数設けられている。なお、吹出口40は、図2に示すようにいずれも同じ開口面積であってもよいが、上方に位置する吹出口40ほど開口面積が大きくなるように吹出口40を設けてもよい。
(5)供給路形成部材60
供給路形成部材60は、発泡スチロールなどの断熱材を所定形状に成形したものからなり、冷蔵室10及び野菜室12に跨がって、これらの貯蔵室10,12の後方に設けられている。
具体的には、供給路形成部材60は、冷蔵室10及び野菜室12の背面を区画する内箱6の背板6eに対して間隔をあけて略平行に配置される平板状の基部61と、基部61の上側及び左右側の周縁部から内箱6へ向けて前方へ突出する周壁部62と、周壁部62の内側において基部61から内箱6へ向けて前方へ突出する支持部63とを備える。
供給路形成部材60は、周壁部62及び支持部63の先端が、内箱6に接触する接触面をなしており、両面接着テープあるいはホットメルトなどの接着剤によって、内箱6の背板6eの断熱空間側に固定される。これにより、内箱6の背板6eが供給路形成部材60の前面開口を閉塞し、内箱6の背板6eと供給路形成部材60との間に、内箱6の背板6eに設けられた吹出口40と連通する第1供給路35が形成される。
本実施形態では、供給路形成部材60が内箱6の背板6eのように凹凸形状のない平坦な平面に設けられているため、第1供給路35が、周壁部62及び支持部63の先端(内箱6に接触する接触面)より庫内側(前側)へ突出することがなく断熱空間側(後側)に設けられている。
供給路形成部材60の周壁部62の外側(断熱材に対向する側)には、図3に示すように内箱6の背板6eとの隙間を塞ぐようにソフトテープなどのシール材64が、周壁部62の全体にわたって設けられている。
支持部63は、第1供給路35の内部に配置され、先端が内箱6の背板6eの断熱空間側に当接してこれを支持する。支持部63は、上下方向に延びる突条状をなしており、冷蔵庫幅方向に間隔をあけて設けられた吹出口40の間に設けられている。これにより、周壁部62及び支持部63や、一対の支持部63が、吹出口40の冷蔵庫幅方向一方側及び他方側にそれぞれ設けられている。
(6)第2供給路36
第2供給路36は、製氷室14、小冷凍室16及び冷凍室18の後部に設けられた冷却器カバー31と、冷却器カバー31の前方に配置されたダクト板32によって、内箱6の庫内側に形成された空気流路である。
ダクト板32には、第2供給路36と連通する吹出口41と、リターンダクト37と連通する吸込口43が冷凍室18に開口しており、吹出口41を開閉する冷凍ダンパ44が設けられている。
(7)冷蔵冷却運転と冷凍冷却運転
上記構成の冷蔵庫1では、圧縮機38及び送風ファン34の駆動と、冷蔵ダンパ42及び冷凍ダンパ44の開閉とを制御することで、冷蔵冷却運転と、冷凍冷却運転とを切り替えて実行する。
冷蔵冷却運転では、圧縮機38を駆動することで冷却器33を低温化しつつ、冷蔵ダンパ42を開放し冷凍ダンパ44を閉止した状態で送風ファン34を駆動する。これにより、冷却器33で冷却された空気は、第1供給路35を通って上方へ流れ、吹出口40より冷蔵室10に供給され、冷蔵室10内を冷却する。冷蔵室10を流れた空気は、仕切壁20に設けられた連通孔21を通って野菜室12に流れ込み、野菜室12内を冷却した後、野菜室12の背面に設けられた吸込口29からリターンダクト37に取り込まれ、冷却器室30に戻り、再び冷却器33と熱交換して冷却される。
冷凍冷却運転では、圧縮機38を駆動することで冷却器33を低温化しつつ、冷蔵ダンパ42を閉止し冷凍ダンパ44を開放した状態で送風ファン34を駆動する。これにより、冷却器33で冷却された空気は、第2供給路36を通って吹出口41より冷凍室18に供給され、冷凍室18を冷却するとともに、冷凍室18に連通する製氷室14及び小冷凍室16を冷却する。製氷室14、小冷凍室16及び冷凍室18を流れた空気は、冷凍室18の背面に設けられた吸込口43からリターンダクト37に取り込まれ、冷却器室30に戻り、再び冷却器33と熱交換して冷却される。
(8)冷蔵庫本体2の製造方法
外箱4の左側板4a、右側板4b、天板4c及び背板4eの断熱空間側に、両面接着テープあるいはホットメルトなどの接着剤によって真空断熱パネル7を接着する。
また、内箱6の背板6eのうち冷蔵室10及び野菜室12の背面を区画する部分の断熱空間側に、両面接着テープあるいはホットメルトなどの接着剤によって供給路形成部材60の周壁部62及び支持部63の先端を接着する。そして、内箱6の背板6eと周壁部62との隙間を塞ぐように、シール材64を周壁部62の全体にわたって設ける。
上記のように真空断熱パネル7を設けた外箱4の左側板4a、右側板4b及び天板4cは、その内側に供給路形成部材60を設けた内箱6が配置される。そして、内箱6の左右の側板6a、6bのフランジ部6a−1a、6b−1aを外箱4の左右の側板4a、4bのフランジ部4a−1、4b−1に挿入係合させることで、外箱4の内側に内箱6を組み付ける。
そして、内箱6と外箱4の間に形成された断熱空間において、冷蔵庫本体2の角部等の真空断熱パネル7や供給路形成部材60が存在しない箇所に、冷凍サイクルの一部を構成する冷媒パイプや、電気部品と制御基板46とを電気接続するリード線を配設する。
そして、外箱4の底板4dを外箱4の左側板4a及び右側板4bに取り付け、更に、外箱4の背板4eに設けられたフランジ部4e−1、4e−2を外箱4の左右の側板4a、4bに設けられたフランジ部4a−2、4b−2に挿入係合させるとともに、背板4eを底板4dに取り付ける。
その後、冷蔵庫本体2の前方X1が下方に向くように冷蔵庫本体2を倒し、外箱4の背板4eに設けられた不図示の注入孔を上方に向けた状態で、注入孔15から発泡断熱材5の発泡原液を外箱4及び内箱6の間に形成された断熱空間へ注入する。これにより、外箱4に固定された真空断熱パネル7と内箱6に固定された供給路形成部材60が、発泡断熱材5に埋設され冷蔵庫本体2が得られる。
(9)効果
本実施形態の冷蔵庫1では、冷蔵室10へ冷気を供給する第1供給路35が、内箱6の断熱空間側に設けられた供給路形成部材60と内箱6との間に形成されており、内箱6によって第1供給路35の庫内側を区画している。そのため、冷蔵室10内に化粧カバーなど別部品を庫内に設けることなく、冷蔵室10の背面に第1供給路35を設けることができ、コストを抑えつつ貯蔵室内の見栄えに優れた冷蔵庫1を提供することができる。
また、内箱6が第1供給路35の庫内側を区画しているため、第1供給路35に臨むように内箱6に貫通孔を設けることで、所望の位置に吹出口40を簡便に設けることができる。
しかも、内箱6に供給路形成部材60を固定した後、外箱4の内側に内箱6を組み付けるため、供給路形成部材60によって内箱6に適度な強度を持たせた状態で外箱4の内側に内箱6を組み付けることができ、組み付け作業が容易となる。
また、本実施形態では、内箱6において供給路形成部材60が設けられている部分(本実施形態では、背板6e)が平坦な面をなしているため、第1供給路35に対応した凹凸形状が冷蔵室10の背面に現れず、冷蔵庫の内部構造物が使用者の目に付きにくくなる。
特に、本実施形態では、冷蔵室10のように回動式の扉10aによって閉塞された貯蔵室を区画する内箱6の背板6eに第1供給路35が設けられているため、使用者の目に付きやすい冷蔵室10の内壁面に第1供給路35に対応した凹凸形状が現れず、意匠性に優れた冷蔵庫を得ることができる。
また、本実施形態では、供給路形成部材60が内箱6に接触する周壁部62及び支持部63の先端より断熱空間側に第1供給路35が設けられているため、第1供給路35に対応した凸形状が冷蔵室10の背面に現れず、冷蔵庫の内部構造物が使用者の目に付きにくくなり、意匠性に優れた冷蔵庫を得ることができる。
また、本実施形態では、供給路形成部材60が第1供給路35の内部において内箱6の断熱空間側を支持する支持部63を備えるため、第1供給路35の庫内側を区画する内箱6の撓みを防止することができ、第1供給路35の断面積を確保することができる。
また、本実施形態では、一対の支持部63が、吹出口40の冷蔵庫幅方向一方側及び他方側にそれぞれ設けられているため、第1供給路35を流れる空気を吹出口40へ誘導することができるとともに、吹出口40によって剛性が低下した内箱6を適切に補強することができる。
また、本実施形態は、冷却器33で生成された冷気を冷凍室18へ供給する第2供給路36及び冷却器33を収納する冷却器室30が、内箱6において冷凍空間(製氷室14、小冷凍室16及び冷凍室18)を区画する部分の冷凍空間側に形成されているため、冷蔵庫本体2を構成する断熱壁の内側(庫内側)に冷却器33を配置して熱漏洩を抑えることができるとともに、冷却器室30と冷凍室18とを連結する第2供給路36を容易に設けることができる。
しかも、第1供給路35が設けられた冷蔵室10が、回動式の扉10aによって閉塞されているため、使用者の目に付きやすい冷蔵室10の内壁面に第1供給路35に対応した凹凸形状が現れず、意匠性を向上させることができる。また、第2供給路36を設けた製氷室14、小冷凍室16及び冷凍室18は、収納容器が連結された引き出し式の断熱扉によって閉塞され、使用者から目立ちにくい冷凍室18の背面にダクト板32や冷却器室30を配置することができるため、ダクト板32として意匠性に優れた化粧カバーを設ける必要がなく、製造コストを抑えることができる。
(変更例1)
上記した実施形態では、吹出口40を幅方向に挟み込むように一対の支持部63を設けたが、図4に例示するように、一対の支持部63を上下方向にずらして吹出口40の冷蔵庫幅方向一方側及び他方側に設けてもよい。
(変更例2)
上記した実施形態では、内箱6と供給路形成部材60との間に形成された空間に第1供給路35のみを形成したが、図5に例示するように、当該空間に脱臭装置や除菌装置や照明装置や、第1供給路35の風量調整用の操作装置(供給路の流路面積を調整する開閉機構や開閉機構を操作する操作レバーなど)などの機能性部品65を配置してもよい。また、機能性部品65は、図5に示す仕切壁20の後方位置以外にも、冷蔵室10の上部後方や野菜室12の後方など、内箱6と供給路形成部材60との間に形成された空間の任意の位置に設けることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について、主に図6〜図8を参照しながら、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と同一の構成のものについては、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、内箱6の背板6eの断熱空間に設けられた供給路形成部材70(以下、背面供給路形成部材70ということもある)に加え、天板6cの断熱空間側にも供給路形成部材80(以下、上面供給路形成部材80ということもある)が設けられている。
背面供給路形成部材70は、内箱6の背板6eとの間で背面供給路66を形成する。この背面供給路66は、上端が開口している点で上記した第1実施形態の第1供給路35と相違している。
具体的には、背面供給路形成部材70は、発泡スチロールなどの断熱材を所定形状に成形したもので、内箱6の背板6eに対して間隔をあけて略平行に配置される平板状の基部71と、基部71の左右側の周縁部から内箱6へ向けて前方へ突出する周壁部72と、周壁部72の内側において基部71から内箱6へ向けて前方へ突出する支持部73とを備える。
背面供給路形成部材70は、周壁部72及び支持部73の先端が接着剤によって内箱6の背板6eの断熱空間側に固定される。これにより、内箱6の背板6eが背面供給路形成部材60の前面開口を閉塞し、内箱6の背板6eと背面供給路形成部材70との間に、内箱6の背板6eに設けられた吹出口40と連通する背面供給路66が形成される。背面供給路66の下端は、冷蔵ダンパ42を介して冷却器室30に接続され、背面供給路66の上端は、上面供給路形成部材80と内箱6の天板6cとの間で形成される上面供給路67に接続されている。
上面供給路形成部材80は、発泡スチロールなどの断熱材を所定形状に成形したもので、内箱6の天板6cに対して間隔をあけて略平行に配置される平板状の基部81と、基部81の前側及び左右側の周縁部から内箱6へ向けて前方へ突出する周壁部82と、周壁部82の内側において基部81から内箱6の天板6cへ向けて下方へ突出する支持部83とを備える。
冷蔵室10の天井面を構成する内箱6の天板6cは、上面供給路形成部材80との間で上面供給路67を形成する部材あって、前端から後方に行くほど低くなるように傾斜している。天板6cには、上面供給路67に開口する吹出口47が冷蔵庫1の前後方向X及び幅方向に間隔をあけて複数個(本実施形態では9個)設けられている。吹出口47は、いずれも同じ開口面積であってもよいが、図8に示すように、前方X1に位置する吹出口47ほど開口面積が大きくなるように吹出口47を設けてもよい。
支持部83は、上面供給路67の内部に配置され、先端が内箱6の天板6cの断熱空間側に当接してこれを支持する。支持部83は、最も前方に位置する吹出口47を除く吹出口47の前方X1に配置され、平面視形状が前方X1へ突出するように屈曲するへ字状をなしている。支持部83は、吹出口47より幅方向の長さが長く、平面視形状が前方X1へ突出するように屈曲するへ字状をなしており、吹出口47全体と幅方向に重なるように吹出口47の前方X1に配置されている。なお、支持部83は、吹出口47の前方X1に近接させて配置することが好ましく、また、支持部83の幅方向の長さは、吹出口47の幅方向の長さに応じて変化しており、前方X1に位置する支持部83ほど大きくなるように設けられている。
上面供給路形成部材80は、周壁部82及び支持部83の先端が接着剤によって内箱6の天板6cの断熱空間側に固定される。これにより、内箱6の天板6cが上面供給路形成部材80の下面開口を閉塞し、内箱6の天板6cと上面供給路形成部材80との間に、内箱6の天板6cに設けられた吹出口47と連通する上面供給路67が形成される。上面供給路67の後端は背面供給路66の上端に接続されている。
このような冷蔵庫1では、冷蔵冷却運転時に冷却器33で冷却された空気の一部が、背面供給路66を流れ吹出口40より冷蔵室10に供給され、他の一部が上面供給路67に流れ込み前方に向かって流れ、吹出口47より冷蔵室10の上部前方から供給されるため、冷蔵室10をより均一に冷却することができる。
また、本実施形態の冷蔵庫1では、上面供給路67の下面を構成する内箱6の天板6cが、前端から後方に行くほど低くなるように傾斜しているため、上面供給路67内で発生した結露水が、最も前方X1に位置する吹出口47から冷蔵室10内へ落ちることがなく、使用者に目立ちやすい庫内前側部分を汚染することがない。
また、本実施形態の冷蔵庫1では、上面供給路形成部材80に内箱6の断熱空間側を支持する支持部83が設けられているため、上面供給路67の庫内側を区画する内箱6の天板6cの撓みを防止することができ、上面供給路67の断面積を確保することができる。
しかも、支持部83が吹出口47の前方X1に配置されているため、上面供給路67内で発生した結露水が内箱6の天板6cの庫内側を伝って後方へ流れても支持部83によって遮られ吹出口47から冷蔵室10内へ落ちることがない。
1…冷蔵庫、2…冷蔵庫本体、4…外箱、5…発泡断熱材、6…内箱、7…真空断熱パネル、10…冷蔵室、12…野菜室、14…製氷室、16…小冷凍室、18…冷凍室、20…仕切壁、30…冷却器室、31…冷却器カバー、32…ダクト板、33…冷却器、34…送風ファン、35…第1供給路、36…第2供給路、40…吹出口、41…吹出口、42…冷蔵ダンパ、43…吸込口、44…冷凍ダンパ、45…上面供給路、47…吹出口、60…供給路形成部材、61…基部、62…周壁部、63…支持部、66…背面供給路、67…上面供給路、70…背面供給路形成部材、71…基部、72…周壁部、73…支持部、80…上面供給路形成部材、81…基部、82…周壁部、83…支持部

Claims (7)

  1. 内部に貯蔵室が設けられた内箱と、前記内箱の外側に配置された外箱と、前記内箱と前記外箱との間に設けられた断熱空間に収納された断熱材とを備えた冷蔵庫本体と、
    冷気を生成する冷却器を備えた冷凍サイクルと、
    前記貯蔵室へ前記冷却器で生成された冷気を供給する供給路とを備えた冷蔵庫において、
    前記内箱の断熱空間側に設けられ前記内箱との間で前記供給路を形成する供給路形成部材と、前記内箱に設けられ前記供給路に開口する吹出口とを備える冷蔵庫。
  2. 前記内箱は、前記供給路形成部材が設けられた部分の庫内側が平坦な面をなしている請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記供給路は、前記供給路形成部材が前記内箱に接触する接触面より断熱空間側に設けられている請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記供給路形成部材は、前記供給路の内部において前記内箱の断熱空間側を支持する支持部を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  5. 前記支持部は、前記吹出口より冷蔵庫幅方向一方側及び冷蔵庫幅方向他方側のそれぞれに設けられている請求項4に記載の冷蔵庫。
  6. 前記供給路形成部材は、前記内箱の背面との間で背面供給路を形成する背面供給路形成部材と、前記内箱の上面との間で上面供給路を形成する上面供給路形成部材とを備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  7. 前記内箱の内部に1又は複数の前記貯蔵室から構成された第1貯蔵空間及び第2貯蔵空間と、前記冷却器で生成された冷気を前記第1貯蔵空間へ供給する第1供給路と、前記冷却器で生成された冷気を前記第2貯蔵空間へ供給する第2供給路と、前記冷却器が収納された冷却器室とを備え、
    前記第1供給路が、前記内箱において前記第1貯蔵空間を区画する部分と前記供給路形成部材との間に形成され、
    前記第2供給路及び前記冷却器室が、前記内箱において前記第2貯蔵空間を区画する部分の第2貯蔵空間側に形成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
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