JP2020146294A - 電気刺激印加装置及び電気刺激印加方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微弱な電気刺激と温熱とを生体又は生体組織に印加するに際して、ユーザに不快感を与えにくい電気刺激印加装置及び電気刺激印加方法を提供する。【解決手段】電気刺激印加装置は、微弱な電気刺激を生体又は生体組織に印加する電気刺激印加装置であって、前記電気刺激を前記生体又は生体組織に出力する電極部と、前記電気刺激の出力を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電極部が前記生体又は生体組織に接触していないと判定した場合、前記電気刺激の出力を停止し、前記電極部が前記生体又は生体組織に接触した状態になったと判定した場合、前記電気刺激の出力強度を漸増させながら前記電気刺激を出力する。【選択図】図5
Description
本開示は、電気刺激印加装置及び電気刺激印加方法に関する。
従来、脱分極を惹起させないレベルの微弱な電気刺激と、温熱とを生体又は生体組織に印加することにより、様々な疾患の治療を行う装置が知られている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、電気刺激としての微弱な電流と、温熱とを、生体又は生体組織に印加することにより、神経変性疾患、癌疾患、色素性乾皮症、全身性自己免疫疾患、臓器特異性自己免疫疾患等の疾患の治療を行う装置が開示されている。
上述の装置に関して、同じ強度の電気刺激であっても、電気刺激を出力する電極と接触部位(皮膚)との接触面積や、接触部位の感覚受容器の量等によって人体の感じ方は異なる。例えば、電極に指で触れた場合、指は感覚受容器の密度が高くかつ接触面積が小さくなる傾向にあるため、電気刺激を強く感じやすい。そのため、微弱な電気刺激であっても、指等で電極に触れた場合には、ユーザは、痛みを感じたり驚いたりする等、不快感を覚える場合がある。
本開示の目的は、微弱な電気刺激と温熱とを生体又は生体組織に印加するに際して、ユーザに不快感を与えにくい電気刺激印加装置及び電気刺激印加方法を提供することである。
本開示の第1の態様としての電気刺激印加装置は、微弱な電気刺激を生体又は生体組織に印加する電気刺激印加装置であって、前記電気刺激を前記生体又は生体組織に出力する電極部と、前記電気刺激の出力を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電極部が前記生体又は生体組織に接触していないと判定した場合、前記電気刺激の出力を停止し、前記電極部が前記生体又は生体組織に接触した状態になったと判定した場合、前記電気刺激の出力強度を漸増させながら前記電気刺激を出力する。
本開示の1つの実施形態としての電気刺激印加装置において、前記制御部は、前記電極部が前記生体又は生体組織に接触した状態になったと判定した場合、前記電気刺激の出力強度を、予め定められた所定の出力強度まで漸増させながら前記電気刺激を出力する。
本開示の1つの実施形態としての電気刺激印加装置は、温度を測定する温度測定部と、前記生体又は生体組織を加温するヒータをさらに備え、前記制御部は、前記電極部が前記生体又は生体組織に接触した状態になったと判定した場合、前記温度測定部が測定する温度が所定温度以下であるか否かを判定し、前記温度測定部が測定する温度が所定の下限温度以下であると判定した場合、前記ヒータにより前記生体又は生体組織を加温する。
本開示の1つの実施形態としての電気刺激印加装置において、前記制御部は、前記ヒータによる前記生体又は生体組織の加温により、前記温度測定部が測定する温度が、前記下限温度よりも高い所定の上限温度に達したと判定した場合、前記微弱な電気刺激を出力する。
本開示の1つの実施形態としての電気刺激印加装置において、前記温度測定部が測定する温度は、温熱を出力するヒータ及び前記生体又は生体組織の少なくともいずれかの温度である。
本開示の1つの実施形態としての電気刺激印加装置において、前記制御部は、前記電気刺激が出力される電気回路が開放しているか否かに基づき、前記電極部が前記生体又は生体組織に接触しているか否かを判定する。
本開示の1つの実施形態としての電気刺激印加装置は、前記電気回路のインピーダンスを計測するインピーダンス計測部をさらに備え、前記制御部は、前記インピーダンス計測部が計測するインピーダンスに基づいて、前記電気回路が開放しているか否かを判定する。
本開示の第2の態様としての電気刺激印加方法は、微弱な電気刺激を生体又は生体組織に出力可能な電極部を備える電気刺激印加装置による電気刺激印加方法であって、前記電極部が前記生体又は生体組織に接触しているか否かを判定するステップと、前記電極部が前記生体又は生体組織に接触していないと判定した場合、前記電気刺激の出力を停止するステップと、前記電極部が前記生体又は生体組織に接触した状態になったか否かを判定するステップと、前記電極部が前記生体又は生体組織に接触した状態になったと判定した場合、前記電気刺激の出力強度を漸増させながら前記電気刺激を出力するステップと、を含む。
本開示によれば、微弱な電気刺激と温熱とを生体又は生体組織に印加するに際して、ユーザに不快感を与えにくい電気刺激印加装置及び電気刺激印加方法を提供できる。
以下、本開示に係る電気刺激印加装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。各図において共通する部材には同一の符号を付している。
図1は、一実施形態に係る電気刺激印加装置1の概略的な外観斜視図である。電気刺激印加装置1は、微弱な電気刺激を生体又は生体組織(以下、単に「生体等」とも称する)に印加する。微弱な電気刺激の印加により、疾患の治療が行われる。
微弱な電気刺激は、生体等に対して、脱分極を惹起させないレベルの電気刺激である。脱分極を惹起させないレベルの電気刺激は、筋収縮や刺激感を生体にもたらさないため、ユーザ(患者)は印加される電気刺激を感知することができない。電気刺激は、例えばパルス直流電流として、生体等に印加される。パルス直流電流は、例えば55Hzの周波数で印加される。パルス直流電流のパルス幅は、例えば100μ秒である。ただし、電気刺激は、これに限られず、疾患の治療に効果のある適宜の電気刺激が用いられてよい。例えば、パルス直流電流の周波数は55Hz以外であってもよく、パルス直流電流のパルス幅は100μ秒以外であってもよい。
電気刺激印加装置1は、さらに生体等を加温する。すなわち、電気刺激印加装置1は、生体等に対して温熱を印加する。従って、電気刺激印加装置1は、電気刺激と温熱とを組み合わせて、生体等に印加することができる。この場合、微弱な電気刺激と温熱との印加により、疾患の治療が行われる。
温熱は、生体等の平常時の温度よりも数度高い温熱である。例えば、電気刺激印加装置1を人体に対して適用する場合、温熱は、人体の平常時の体温よりも数度高い、38℃以上45℃以下の温度であってよい。
電気刺激印加装置1による治療は、電気刺激印加装置1を生体等の少なくとも一部に貼付した状態で実行される。例えば、電気刺激印加装置1は、粘着性のあるシート材を介して、生体等に貼付される。電気刺激印加装置1が生体等に貼付された状態で、例えば、電気刺激印加装置1のユーザ(患者)が、電気刺激印加装置1に対して、電気刺激印加装置1による治療を開始するための所定の操作入力を行うと、電気刺激及び温熱を印加することによる治療が行われる。
ここで、本実施形態に係る電気刺激印加装置1は、実際の治療を開始する前に、生体等に印加する微弱な電気刺激の強度を設定する。本明細書において、治療を開始する前に行われる、微弱な電気刺激の出力強度を設定する段階を、以下、単に「設定段階」とも称する。また、本明細書において、実際に治療を行う段階を、以下、単に「治療段階」とも称する。従って、電気刺激印加装置1のユーザが、電気刺激印加装置1に対して、電気刺激印加装置1による治療を開始するための所定の操作入力を行うと、電気刺激印加装置1は、設定段階を実行することにより、治療段階における電気刺激の強度を設定し、その後、治療段階を実行することにより、ユーザの治療を行う。
図1に示すように、電気刺激印加装置1は、本体部10と印加部20とが結合されて構成される。本体部10は、筐体として構成されている。印加部20は、平板形状に構成されている。本体部10は、平板形状の印加部20の一方の面において、印加部20と結合されている。本明細書では、平板形状の印加部20において、本体部10が結合されている面を表面という。また、平板形状の印加部20において、表面とは反対側の、本体部10が結合されていない面を裏面という。
筐体として構成されている本体部10は、内部に、電気刺激印加装置1の動作を制御するための各種機能部を有する。また、本体部10には、ユーザからの操作入力を受け付ける入力部が設けられている。図1に示す例では、本体部10は、入力部として、第1入力部101a、第2入力部101b及び第3入力部101cを備える。
第1入力部101a、第2入力部101b及び第3入力部101cは、例えば図1に示すように、いずれも押下可能な操作ボタン(操作キー)として構成されていてよい。ただし、第1入力部101a、第2入力部101b及び第3入力部101cの形態は、押下可能な操作ボタンに限られない。また、本体部10が備える入力部の数量は3個に限られない。さらに、第1入力部101a、第2入力部101b及び第3入力部101cの配置は、図1に示す配置に限られない。
本実施形態では、第1入力部101a、第2入力部101b及び第3入力部101cは、それぞれ異なる機能を実行させる操作ボタンである。具体的には、第1入力部101aは、電気刺激印加装置1の電源のオンとオフとを切り替える操作ボタンである。第2入力部101bは、電気刺激印加装置1による治療を開始させるための操作ボタンである。第3入力部101cは、ユーザが電気刺激の感知を入力するための操作ボタンである。電気刺激の感知については、後述する。
印加部20は、粘着性のあるシート材を介して、裏面が生体等に貼付される。印加部20は、電気刺激を出力する電極部と、発熱するヒータを備える。印加部20は、裏面が生体等に貼付された状態で、生体等に電気刺激と温熱とを印加する。
図2は、図1の電気刺激印加装置1を裏面側から見た場合の外観斜視図である。図2に示すように、印加部20は、電極部として、第1電極102aと第2電極102bとの、2枚の電極を備える。第1電極102a及び第2電極102bは、裏面側において、外部に露出している。電極部は、例えば、第1電極102a及び第2電極102bのうち、1枚の電極を接地し、もう1枚の電極について電圧を変化させることにより、電気刺激を出力する。
印加部20は、内部にヒータを備える。すなわち、印加部20は、表面と裏面との間に、ヒータを備える。ヒータを加熱することにより、裏面が生体等に貼付された状態で、生体等に温熱が伝達されて、生体等が温められる。
図3は、電気刺激印加装置1を生体等に貼付する際に用いられるシート材30の概略構成を示す外観斜視図である。シート材30は、フレーム部31と、2枚の導電性ゲル32とを備える。
フレーム部31は、例えば樹脂等の非導電性材料により構成される。フレーム部31の外形は、印加部20の外形とほぼ同じ大きさに形成されている。フレーム部31は、2枚の導電性ゲル32を配置するための2つの開口(貫通孔)を有する。2つの開口は、シート材30を印加部20の裏面側に貼付した場合に、第1電極102a及び第2電極102bが配置されている位置に一致する位置に形成されている。
2枚の導電性ゲル32は、フレーム部31の2つの開口に配置される。2枚の導電性ゲル32の間は、非導電性のフレーム部31によって絶縁されている。導電性ゲル32は、粘着性を有することにより、電気刺激印加装置1を生体等に貼付することができる。シート材30が印加部20の裏面側に貼付された状態において、2枚の導電性ゲル32は、それぞれ、第1電極102a及び第2電極102bと1対1に対応して接触する。これにより、電気刺激印加装置1がシート材30により生体等に貼付されて、電極部から電気刺激が出力された場合に、当該電気刺激が、2枚の導電性ゲル32を介して生体等に印加される。
ユーザは、定期的又は不定期的に、シート材30を取り替えて使用する。つまり、ユーザは、定期的又は不定期的に、新たなシート材30を用いて電気刺激印加装置1を生体等に貼付して使用する。これにより、シート材30の導電性ゲル32の性質が変化して、導電性が劣化することを防ぐことができる。また、新たなシート材30を使用することにより、粘着性が劣化して電気刺激印加装置1が生体等からはがれることを防ぐことができる。
なお、本実施形態では、上述したように、印加部20という1つの構成機器に、第1電極102a及び第2電極102bという2枚の電極が配置されている。しかしながら、第1電極102a及び第2電極102bは、例えば、異なる構成機器に別々に配置されていてもよい。本実施形態のように、1つの構成機器に2枚の電極が配置されている場合には、2枚の電極が異なる構成機器に別々に配置されている場合と比較して、生体等に貼付する構成機器の数量を減らすことができるため、ユーザの利便性が高まる。
図4は、図1の電気刺激印加装置1の概略構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、電気刺激印加装置1は、入力部101と、電極部102と、制御部103と、表示部104と、タイマ部105と、記憶部106と、電源部107と、ヒータ108と、温度測定部109と、電気刺激出力部110と、インピーダンス計測部111とを備える。入力部101、制御部103、表示部104、タイマ部105、記憶部106、電源部107、電気刺激出力部110、及びインピーダンス計測部111は、例えば本体部10に設けられる。電極部102、ヒータ108、及び温度測定部109は、例えば印加部20に設けられる。ただし、各機能部が本体部10及び印加部20のいずれに設けられるかについては、本明細書に記載の機能を発揮する限り、ここで示した例に限られない。
入力部101は、ユーザからの操作入力を受け付けるものであり、例えば、操作ボタンにより構成される。本実施形態では、入力部101は、上述したように、第1入力部101a、第2入力部101b及び第3入力部101cという3つの操作ボタンにより構成される。なお、入力部101は、例えばタッチスクリーンにより構成され、表示デバイスの一部にユーザからの操作入力を受け付ける入力領域を表示して、ユーザによるタッチ操作入力を受け付けてもよい。ユーザにより、入力部101に対する操作入力が行われると、例えば操作入力に応じた電気信号が制御部103に送信される。
電極部102は、電気刺激出力部110から受信した信号に基づき、電気刺激を出力する。電極部102は、例えば上述したように、第1電極102a及び第2電極102bという2枚の電極により構成される。
制御部103は、電気刺激印加装置1の各機能部をはじめとして、電気刺激印加装置1の全体を制御及び管理する。制御部103は、少なくとも1つのプロセッサを含んで構成される。制御部103は、制御手順を規定したプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ又は各機能の処理に特化した専用のプロセッサで構成される。
制御部103は、電極部102からの電気刺激の出力を制御する。制御部103は、電気刺激の出力強度を変更可能である。制御部103は、例えば、パルス直流電流の大きさを変化させることにより、電気刺激の出力強度を変更可能である。制御部103は、電気刺激印加装置1により実行される治療の処理を制御する。具体的には、制御部103は、電気刺激印加装置1の各機能部を制御することにより、設定段階における微弱な電気刺激の出力強度の設定と、治療段階における治療とを制御する。制御部103が実行する処理の詳細については、後述する。
また、制御部103は、電極部102が導電性ゲル32を介して、電気刺激の印加対象となる生体等に接触しているか否かを判定する。制御部103は、例えば、電気刺激が出力される電気回路が開放しているか否かに基づき、電極部102が生体等に接触しているか否かを判定できる。
例えば、第1電極102a及び第2電極102bが生体等に接触している場合には、生体等により、第1電極102a及び第2電極102bが、電気刺激印加装置1の外側において電気的に接続される。この場合、電気刺激が出力される電気回路が開放していない状態となり、電気刺激が生体等に印加可能な状態となる。このように電気刺激が出力される電気回路が開放していない状態を、本明細書において、以下、「回路がオープンでない」ともいう。制御部103は、電気回路が開放していない場合、つまり回路がオープンでない場合、電極部102が生体等に接触していると判定できる。
これに対し、第1電極102a及び第2電極102bが生体等に接触していない場合には、第1電極102a及び第2電極102bが、電気刺激印加装置1の外側において電気的に接続されない。この場合、電気刺激が出力される電気回路が開放している状態となり、電気刺激が生体等に印加できない状態となる。このように電気刺激が出力される電気回路が開放している状態を、本明細書において、以下、「回路がオープンである」ともいう。制御部103は、電気回路が開放している場合、つまり回路がオープンである場合、電極部102が生体等に接触していないと判定できる。
本実施形態では、制御部103は、後述するインピーダンス計測部111が測定するインピーダンスに基づいて、電気刺激が出力される電気回路が開放しているか否かを判定する。ただし、制御部103は、インピーダンスを用いない、他の方法によって電気刺激が出力される電気回路が開放しているか否かを判定してもよい。
表示部104は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又は無機ELディスプレイ等の表示デバイスである。表示部104は、制御部103による制御に基づき、様々な情報を表示する。表示部104は、例えば、電気刺激印加装置1が実行している処理の段階、つまり設定段階又は治療段階を表示してよい。また、表示部104は、例えば、治療の進行度を表示してよい。治療の進行度は、治療段階における進行の程度である。具体的には、治療の進行度は、例えば治療段階の時間が定められている場合、その時間のうちどの程度の割合が終了したかを示す情報であってよい。表示部104は、例えば、制御部103がユーザによる入力部101への操作入力を検出したとき、検出した操作入力の内容を表示してもよい。表示部104は、その他、治療に関連してユーザに通知する任意の情報を表示してよい。なお、図1では、表示部104の図示を省略している。
電気刺激印加装置1は、必ずしも表示部104を備えていなくてもよい。電気刺激印加装置1は、表示部104に代えて、又は表示部104とともに、情報をユーザに通知する他の機構を備えていてもよい。例えば、電気刺激印加装置1は、音により情報をユーザに通知するスピーカを備えていてもよい。例えば、電気刺激印加装置1は、振動により情報をユーザに通知する振動子を備えていてもよい。
タイマ部105は、制御部103の制御に基づき、時間を計測する。例えば、タイマ部105は、治療段階を開始してからの経過時間を計測する。また、例えば、タイマ部105は、パルス直流電流の電気刺激を印加してからの経過時間を計測する。
記憶部106は、半導体メモリ又は磁気メモリ等で構成することができる。記憶部106は、例えば、各種情報及び電気刺激印加装置1を動作させるためのプログラム等を記憶する。記憶部106は、ワークメモリとしても機能してもよい。
電源部107は、電気刺激印加装置1の各機能部に電力を供給するバッテリである。
ヒータ108は、温熱を印加する。ヒータ108は、例えば電熱線等の、電力の供給により発熱する部材により構成されている。ヒータ108は、例えば電源部107から電力の供給を受けて発熱する。ヒータ108が発熱すると、電気刺激印加装置1が貼付された生体等に、温熱が伝達される。
温度測定部109は、ヒータ108の温度を測定する。温度測定部109は、例えば温度計等の、温度を検出可能なセンサを含んで構成されている。温度測定部109は、測定した温度に応じた電気信号を制御部103に送信することにより、測定した温度に関する情報を制御部103に伝達する。
電気刺激出力部110は、制御部103の制御に基づき、電極部102から電気刺激を出力させる。
インピーダンス計測部111は、電気刺激が出力される電気回路のインピーダンスを計測する。インピーダンス計測部111は、計測したインピーダンスに応じた電気信号を制御部103に送信することにより、計測したインピーダンスに関する情報を制御部103に伝達する。
制御部103は、インピーダンス計測部111から取得したインピーダンスに関する情報に基づき、電気刺激が出力される電気回路が開放しているか否かを判定し、これによって、電極部102が生体等に接触しているか否かを判定する。電気回路が開放していない場合、インピーダンスは低くなり、電気回路が開放している場合、インピーダンスは高くなる。制御部103は、例えばインピーダンスに関する所定の閾値を基準として、インピーダンス計測部111により計測されたインピーダンスが所定の閾値を超える場合、電気回路が開放しており、電極部102が生体等に接触していないと判定できる。一方、制御部は、インピーダンス計測部111により計測されたインピーダンスが所定の閾値未満である場合、電気回路が開放しておらず、電極部102が生体等に接触していると判定できる。基準となる所定の閾値は、予め定められ、記憶部106に記憶されていてよい。
次に、電気刺激印加装置1の制御部103による制御の詳細について、電気刺激印加装置1の使用方法とあわせて説明する。ここでは、電気刺激印加装置1は、生体であるユーザの腹部に貼付して使用されるとして説明する。すなわち、ここでは、ユーザの腹部において治療を行うとして説明する。
電気刺激印加装置1の使用にあたり、ユーザは、電気刺激印加装置1を、シート材30を用いて腹部に貼付する。そして、ユーザは、例えば第1入力部101aを押下することにより、電気刺激印加装置1の電源をオンにする。ユーザは、第2入力部101bを押下することにより、電気刺激印加装置1による治療を開始させることができる。すなわち、電気刺激印加装置1は、設定段階と治療段階とにより行われる治療を開始する。
図5は、図4の制御部103による電気刺激と温熱との出力の制御及び回路のオープンの検出の一例を模式的に示す制御チャートである。図5には、電気刺激の出力のチャートと、ヒータ108のオン及びオフの切替えのチャートと、回路のオープンの検出のチャートとが示されている。図5のチャートにおいて、横軸は時刻を示す。図5において、電気刺激の出力のチャートの縦軸は、電気刺激の出力強度を示す。図5において、ヒータ108のオン及びオフの切替えのチャートの縦軸は、ヒータ108のオン及びオフの状態を示す。図5において、回路のオープンの検出のチャートの縦軸は、制御部103による、回路がオープンであるか否かの判定結果を示す。
図6は、図4の制御部103が設定段階において実行する処理の一例を示すフローチャートである。図7から図10は、図4の制御部103が治療段階において実行する処理の一例を示すフローチャートである。
ここで、図5及び図6を参照して、設定段階における制御部103が実行する処理の詳細について説明する。図5の時刻t1は、設定段階の開始時刻である。また、設定段階において、ヒータ108はオフの状態であるとする。
制御部103は、設定段階において、電気刺激の出力強度を漸増させるように、電極部102から電気刺激を出力する。具体的には、制御部103は、まず電気刺激を出力する(ステップS10)。このとき、制御部103は、電気刺激の出力強度の漸増の処理において、最も低い出力強度P1で電気刺激を出力する。出力強度P1は、ほとんど全てのユーザにとって脱分極を惹起させないレベルの微弱な電気刺激であることが好ましい。すなわち、出力強度P1は、ほとんど全てのユーザが電気刺激を感知しないレベルの微弱な電気刺激であることが好ましい。出力強度P1は、電気刺激印加装置1において、予め設定されていてよい。制御部103は、図5に示すように、出力強度P1の電気刺激のパルス直流電流を、所定の周期で複数回出力してよい。
設定段階が開始した場合、ユーザは、電気刺激を感知したときに、第3入力部101cを押下する。制御部103は、ステップS10における電気刺激の出力を実行したときに、ユーザにより電気刺激を感知した旨の入力が検出されたか否かを判定する(ステップS11)。すなわち、制御部103は、ステップS10における電気刺激の出力を実行したときに、ユーザにより第3入力部101cが押下されたか否かを判定する。
制御部103は、電気刺激を感知した旨の入力を検出していない場合(ステップS11のNo)、電気刺激の出力強度を上げる(ステップS12)。そして、ステップS10に移行し、ステップS12で上げた出力強度で、再度電気刺激を出力する(ステップS10)。ステップS12において、制御部103は、電気刺激の出力強度を、例えば予め定められた所定の強度幅で、上げてよい。図5に示す例では、制御部103は、出力強度P1で電気刺激を出力し、電気刺激を感知した旨の入力を検出していない場合、次に、出力強度P2で電気刺激を出力している。また、制御部103は、ステップS10における電気刺激の出力を開始してから、所定時間後に、ステップS12を経て上昇させた電気刺激の強度で、ステップS10における電気刺激の出力を開始してよい。図5に示す例では、制御部103は、時刻t1において、ステップS10における出力強度P1の電気刺激の出力を開始した後、所定時間後の時刻t2に、出力強度P2の電気刺激の出力を開始している。
制御部103は、ステップS11において、電気刺激を感知した旨の入力を検出したと判定するまで、ステップS12における電気刺激の強度の上昇と、ステップS10における電気刺激の出力を繰り返す。この繰り返しにより、制御部103は、電気刺激の出力強度を漸増させることができる。図5に示す例では、制御部103は、電気刺激の出力強度を、P1、P2、P3、P4、P5の順に上昇させて、出力している。図5における時刻t1、t2、t3、t4及びt5は、それぞれ出力強度P1、P2、P3、P4及びP5の電気刺激の出力を開始した時刻を示す。
制御部103は、入力部101に対する所定の操作入力を検出すると、治療段階で用いる電気刺激の出力強度を設定する。治療段階で用いる電気刺激の出力強度を、本明細書では、以下「治療強度」とも称する。本実施形態では、制御部103は、第3入力部101cを押下するという操作入力を検出した場合に、治療強度を設定する。
すなわち、制御部103は、電気刺激を感知した旨の入力を検出した場合(ステップS11のYes)、治療強度を設定する(ステップS13)。すなわち、本実施形態では、制御部103は、電気刺激の出力強度を漸増させている際に電気刺激を感知した旨の入力を検出した場合、治療強度を設定する(ステップS13)。図5のチャートは、出力強度P5で電気刺激を出力した場合に、ユーザが電気刺激を感知して第3入力部101cを押下し、第3入力部101cが押下されたことを制御部103が検出した場合の例を示している。
ステップS13において、制御部103は、入力部101に対する所定の操作入力(ここでの例では、第3入力部101cを押下するという操作入力)を検出したときに出力される電気刺激の出力強度よりも低い所定の出力強度を、治療強度として設定する。ここで、本明細書において、入力部101に対する所定の操作入力を検出したときに出力される電気刺激の出力強度を、検出時出力強度Psという。ここでの例では、検出時出力強度Ps=P5が成立する。
治療強度の設定方法は、適宜定められてよい。例えば、制御部103は、検出時出力強度Psよりも所定強度低い出力強度を、治療強度として設定してよい。また、例えば、制御部103は、検出時出力強度Psに対して、1未満の係数を乗じた出力強度を、治療強度として設定してよい。ここでは、制御部103は、検出時出力強度Psに対して、係数として0.8を乗じた出力強度を、治療強度Pmに設定するとして、以下説明する。すなわち、ここで説明する例においては、治療強度Pm=0.8×出力強度P5が成立する。
制御部103は、治療強度Pmを決定すると、設定段階の処理を終了する。図5に示すチャートでは、時刻t6に設定段階が終了する。なお、制御部103は、設定段階において、ステップS13で決定した治療強度Pmを、記憶部106に記憶してよい。設定段階が終了すると、制御部103は、次に治療段階の処理を開始する。
なお、電気刺激印加装置1において、治療強度Pmは、予め所定の強度が定められ、例えば記憶部106に記憶されていてもよい。この場合、制御部103は、図6を参照して説明した設定段階の処理を実行することなく、記憶部106に記憶された治療強度Pmにより、治療段階の処理を実行してよい。
次に、図5及び図7から図10を参照して、治療段階における制御部103が実行する処理の詳細について説明する。治療段階は、例えば設定段階が終了すると、制御部103により自動的に開始されてよい。治療段階の全体にわたって、インピーダンス計測部111は、電気回路のインピーダンスを計測し、計測したインピーダンスに関する情報を制御部103に送信する。制御部103は、取得したインピーダンスに関する情報に基づき、適宜回路がオープンであるか否かを判定できる。
まず、制御部103は、生体等に温熱を印加することにより、治療に適した温度まで生体等を加温する。治療に適した温度は、例えば所定の温度範囲として定められていてよい。この温度範囲の上限値を上限温度THとし、下限値を下限温度TLとする。上限温度TH及び下限温度TLは、治療の目的、手段及び方法等に応じて、適宜定められていてよい。図7は、主として、治療に適した温度まで生体等を加温するための処理について説明するフローである。
具体的には、制御部103は、ヒータ108をオンの状態にする(ステップS20)。図5に示すチャートでは、時刻t7にヒータ108がオンの状態になっている。
制御部103は、インピーダンス計測部111から取得した情報に基づき、回路がオープンであるか否かを判定する(ステップS21)。
制御部103は、回路がオープンであると判定した場合(ステップS21のYes)、すなわち電極部102が生体等に接触していないと判定した場合、ヒータ108をオフの状態にする(ステップS22)。回路がオープンであるときは、電極部102が生体等に接触していない状態であるため、ヒータ108が発熱しても、温熱が生体等に印加されず、生体等が加温されない。そのため、ステップS22において、ヒータ108をオフの状態にすることにより、不要な電力消費を抑えることができる。
この場合、制御部103は、インピーダンス計測部111から取得した情報に基づき、回路がオープンであるか否かを判定する(ステップS23)。
制御部103は、回路がオープンであると判定した場合(ステップS23のYes)、すなわち電極部102が生体等に接触していないと判定した場合、ステップS23で回路がオープンでないと判定するまで、ステップS23を繰り返す。
制御部103は、回路がオープンでないと判定した場合(ステップS23のNo)、すなわち電極部102が生体等に接触していると判定した場合、ヒータ108をオンにする(ステップS24)。これにより、生体等への温熱の印加を再開する。
なお、制御部103は、ステップS21において、回路がオープンでないと判定した場合(ステップS21のNo)、すなわち電極部102が生体等に接触していると判定した場合、ステップS22からステップS24の処理を実行せずに、ステップS25に移行する。
次に、制御部103は、温度測定部109から送信される温度に関する情報を取得する(ステップS25)。ステップS25で取得した温度は、温度測定部109が測定した温度(以下、単に「取得温度」とも称する)である。
制御部103は、ステップS25で取得した取得温度が、上限温度THに達したか否かを判定する(ステップS26)。
制御部103は、取得温度が上限温度THに到達していないと判定した場合(ステップS26のNo)、ステップS21に移行する。この場合、制御部103は、ステップS26において、取得温度が上限温度THに到達したと判定するまで、ステップS21からステップS26を繰り返す。
制御部103は、ステップS26において、取得温度が上限温度THに到達したと判定した場合(ステップS26のYes)、ヒータ108をオフの状態にする(ステップS27)。図5に示すチャートでは、時刻t7にヒータ108をオンの状態にしてから(ステップS20)、一度も回路がオープンになったことが検出されずに、取得温度が上限温度THに到達し、時刻t8にヒータ108をオフの状態にした場合(ステップS27)の例が示されている。
次に、制御部103は、電気刺激を生体等に印加することによる治療の処理を開始する。図8は、主として、電気刺激を生体等に印加することによる治療の処理について説明するフローである。
具体的には、まず、制御部103は、タイマ部105による治療時間タイマをスタートさせる(ステップS28)。治療時間タイマは、治療時間を計測するタイマである。治療時間は、例えば、治療段階を開始してからの経過時間であってもよく、治療段階においてパルス直流電流の出力処理を行っている時間であってもよい。
制御部103は、電気刺激として、パルス直流電流を出力する(ステップS29)。このとき、制御部103は、設定段階で設定した治療強度、すなわち図6のフローのステップS13で設定した治療強度Pmで、パルス直流電流を出力する。図5に示すチャートでは、時刻t8にヒータ108をオフの状態にした後、電気刺激の印加が開始されている。
制御部103は、ステップS29でパルス直流電流を出力すると、タイマ部105による電気刺激インターバルタイマをリセットするとともに、スタートする(ステップS30)。電気刺激インターバルタイマは、電気刺激としてのパルス直流電流を出力するインターバルを計測するためのタイマである。言い換えると、電気刺激インターバルタイマは、パルス直流電流を出力してから次のパルス直流電流を出力するまでの時間を計測するためのタイマである。電気刺激インターバルタイマが予めリセットされている場合、制御部103は、ステップS30において、電気刺激インターバルタイマをスタートする。
また、制御部103は、ステップS29でパルス直流電流を出力すると、タイマ部105によるヒータONインターバルタイマをリセットするとともに、スタートする(ステップS31)。ヒータONインターバルタイマは、電気刺激としてのパルス直流電流を出力してから、ヒータ108をオンの状態にするまでのインターバル(時間)を計測するためのタイマである。ヒータONインターバルタイマが予めリセットされている場合、制御部103は、ステップS31において、ヒータONインターバルタイマをスタートする。
制御部103は、ステップS30とステップS31とを同時に実行することが好ましい。つまり、制御部103は、電気刺激インターバルタイマと、ヒータONインターバルタイマとを同時にスタートさせることが好ましい。さらに、制御部103は、ステップS30とステップS31とを、ステップS29と同時に実行することが好ましい。つまり、制御部103は、パルス直流電流を出力した時に、電気刺激インターバルタイマと、ヒータONインターバルタイマとを同時にスタートさせることが好ましい。
制御部103は、インピーダンス計測部111から取得した情報に基づき、回路がオープンであるか否かを判定する(ステップS32)。
制御部103は、ステップS32において、回路がオープンでないと判定した場合(ステップS32のNo)、すなわち電極部102が生体等に接触していると判定した場合、ヒータONインターバルタイマをスタートしてから所定時間T1が経過したか否かを判定する(ステップS33)。所定時間T1は、電気刺激としてのパルス直流電流を出力してからヒータ108をオンの状態にするまでの時間であり、例えば予め設定されていてよい。
制御部103は、ヒータONインターバルタイマをスタートしてから所定時間T1が経過していないと判定した場合(ステップS33のNo)、ステップS32に移行する。制御部103は、ステップS32において回路がオープンであると判定するか、ステップS33においてヒータONインターバルタイマをスタートしてから所定時間T1が経過したと判定するまで、ステップS32及びステップS33を繰り返す。
制御部103は、ステップS33において、ヒータONインターバルタイマをスタートしてから所定時間T1が経過したと判定した場合(ステップS33のYes)、タイマ部105によるヒータONインターバルタイマをリセットするとともに、ストップする(ステップS34)。これにより、ヒータONインターバルタイマによる時間の計測が停止される。
また、制御部103は、ステップS33において、ヒータONインターバルタイマをスタートしてから所定時間T1が経過したと判定した場合(ステップS33のYes)、ヒータ108をオンの状態にする(ステップS35)。
そして、制御部103は、ヒータ108をオンの状態にしてから、予め定められた所定時間T2経過後に、ヒータ108をオフの状態にする(ステップS36)。ここで、ステップS35及びステップS36におけるヒータ108のオン及びオフの制御は、パルス波として実行されてよい。つまり、この場合、制御部103は、ステップS35においてヒータ108をオンの状態にした後、パルス幅に相当する所定時間T2経過後に、ステップS36においてヒータ108をオフの状態にしてよい。
そして、制御部103は、インピーダンス計測部111から取得した情報に基づき、回路がオープンであるか否かを判定する(ステップS37)。
制御部103は、ステップS37において、回路がオープンでないと判定した場合(ステップS37のNo)、すなわち電極部102が生体等に接触していると判定した場合、電気刺激インターバルタイマをスタートしてから所定時間T3が経過したか否かを判定する(ステップS38)。所定時間T3は、電気刺激としてのパルス直流電流を出力してから次のパルス直流電流を出力するまでの時間であり、例えば予め設定されていてよい。
制御部103は、電気刺激インターバルタイマをスタートしてから所定時間T3が経過していないと判定した場合(ステップS38のNo)、ステップS37に移行する。制御部103は、ステップS37において回路がオープンであると判定するか、ステップS38において電気刺激インターバルタイマをスタートしてから所定時間T3が経過したと判定するまで、ステップS37及びステップS38を繰り返す。
制御部103は、ステップS38において、電気刺激インターバルタイマをスタートしてから所定時間T3が経過したと判定した場合(ステップS38のYes)、タイマ部105による電気刺激インターバルタイマをリセットするとともに、ストップする(ステップS39)。これにより、電気刺激インターバルタイマによる時間の計測が停止される。
制御部103は、治療時間タイマをスタートしてから所定時間T4が経過したか否かを判定する(ステップS40)。所定時間T4は、治療時間であり、例えば予め設定されていてよい。所定時間T4は、例えば1時間である。
制御部103は、治療時間タイマをスタートしてから所定時間T4が経過していないと判定した場合(ステップS40のNo)、ステップS29に移行して、パルス直流電流を出力する。このようにして、制御部103は、ステップS40において治療時間タイマをスタートしてから所定時間T4が経過したと判定するまで、ステップS29からステップS40を繰り返す。このように、ステップS29からステップS40を繰り返すことにより、ユーザに継続的に治療強度Pmという微弱な電気刺激が印加され、治療が行われる。また、このとき、ステップS35においてヒータ108がオンの状態となることにより、適宜温熱が印加され、これによって腹部の温度が維持されやすくなる。
制御部103は、図8を参照して説明した治療の処理において、電極部102が生体等に接触していないと判定した場合、すなわち回路がオープンになったと判定した場合、電気刺激の出力を停止する。具体的には、制御部103は、ステップS32において回路がオープンであると判定した場合(ステップS32のYes)、及びステップS37において回路がオープンであると判定した場合(ステップS37のYes)、電極部102が生体等に接触していないと判定する。この場合、制御部103は、電極部102が生体等に接触したと判定するまで、電気刺激の出力を停止する。
図9は、主として、電極部102が生体等に接触していないと制御部103が判定したことによって、電気刺激の出力を停止している場合の処理について説明するフローである。制御部103は、ステップS32において回路がオープンであると判定した場合(ステップS32のYes)、及びステップS37において回路がオープンであると判定した場合(ステップS37のYes)、図9のステップS41に移行する。
制御部103は、ステップS32において回路がオープンであると判定した場合(ステップS32のYes)、及びステップS37において回路がオープンであると判定した場合(ステップS37のYes)、タイマ部105によるヒータONインターバルタイマをリセットするとともに、ストップする(ステップS41)。また、制御部103は、タイマ部105による電気刺激インターバルタイマをリセットするとともに、ストップする(ステップS42)。制御部103は、ステップS37において回路がオープンであると判定し、図9のフローに移行した場合、既に図8のステップS34において、ヒータONインターバルタイマをリセット及びストップしているため、この場合には、ステップS41を実行せずに、ステップS42のみを実行してよい。ステップS41及びステップS42により、ヒータONインターバルタイマ及び電気刺激インターバルタイマによる時間の計測が停止される。図5に示すチャートでは、時刻t9に回路がオープンであると判定されたことが示されている。
制御部103は、温度測定部109から送信される温度に関する情報を取得する(ステップS43)。
制御部103は、ステップS43で取得した取得温度が下限温度TL以下であるか否かを判定する(ステップS44)。
制御部103は、ステップS43で取得した取得温度が下限温度TLより高いと判定した場合(ステップS44のNo)、つまり取得温度が所定の温度範囲に含まれていると判定した場合、インピーダンス計測部111から取得した情報に基づき、回路がオープンであるか否かを判定する(ステップS45)。
制御部103は、ステップS45において、回路がオープンであると判定した場合(ステップS45のYes)、すなわち電極部102が生体等に接触していないと判定した場合、ステップS43に移行する。制御部103は、ステップS44において取得温度が下限温度TL以下であると判定するか、ステップS45において回路がオープンでないと判定するまで、ステップS43からステップS45を繰り返す。
ステップS43からステップS45が繰り返されている間は、電気刺激も温熱も印加されない。例えば図5に示すチャートでは、時刻t9から時刻t10まで、回路がオープンであると検出されている状態であり、この間、電気刺激も温熱も印加されていない。
制御部103は、ステップS45において、回路がオープンでないと判定した場合(ステップS45のNo)、すなわち電極部102が生体等に接触した状態になったと判定した場合、電気刺激の出力を再開する。ここで、制御部103は、電気刺激の出力を停止した状態において、電極部102が生体等に接触した状態になったと判定した場合、電気刺激の出力強度を漸増させながら電気刺激を出力する。
図10は、主として、電気刺激の出力強度を漸増させながら電気刺激を出力する処理について説明するフローである。制御部103は、ステップS45において、回路がオープンでないと判定した場合(ステップS45のNo)、図10のステップS46に移行する。
制御部103は、電気刺激として、パルス直流電流を出力する(ステップS46)。このとき、制御部103は、電気刺激の出力強度の漸増の処理において、最も低い出力強度PLで電気刺激を出力する。この場合の出力強度PLは、設定段階で最初に出力されるパルス直流電流の出力強度P1よりも、さらに低くてよい。出力強度PLは、ほとんど全てのユーザにとって人体のどの箇所に印加されても電気刺激を感じない程、微弱な電気刺激であることが好ましい。図5に示すチャートでは、時刻t10に、電気刺激の出力強度の漸増の処理が開始されている。
制御部103は、ステップS46で出力したパルス直流電流の出力強度が、治療強度Pmと等しいか否かを判定する(ステップS47)。つまり、ステップS47において、制御部103は、電気刺激の出力強度の漸増処理により、ステップS46で出力されるパルス直流電流の出力強度が、治療のために用いられる治療強度Pmに達したかを判定する。
制御部103は、ステップS46で出力したパルス直流電流の出力強度が、治療強度Pmと等しくないと判定した場合(ステップS47のNo)、タイマ部105による電気刺激インターバルタイマをリセットするとともに、スタートする(ステップS48)。また、制御部103は、タイマ部105によるヒータONインターバルタイマをリセットするとともに、スタートする(ステップS49)。ステップS48及びステップS49は、それぞれ図8のステップS30及びステップS31と同様である。
制御部103は、インピーダンス計測部111から取得した情報に基づき、回路がオープンであるか否かを判定する(ステップS50)。
制御部103は、ステップS50において、回路がオープンでないと判定した場合(ステップS50のNo)、すなわち電極部102が生体等に接触していると判定した場合、ヒータONインターバルタイマをスタートしてから所定時間T1が経過したか否かを判定する(ステップS51)。
制御部103は、ヒータONインターバルタイマをスタートしてから所定時間T1が経過していないと判定した場合(ステップS51のNo)、ステップS50に移行する。制御部103は、ステップS50において回路がオープンであると判定するか、ステップS51においてヒータONインターバルタイマをスタートしてから所定時間T1が経過したと判定するまで、ステップS50及びステップS51を繰り返す。
制御部103は、ステップS51において、ヒータONインターバルタイマをスタートしてから所定時間T1が経過したと判定した場合(ステップS51のYes)、タイマ部105によるヒータONインターバルタイマをリセットするとともに、ストップする(ステップS52)。これにより、ヒータONインターバルタイマによる時間の計測が停止される。
また、制御部103は、ステップS51において、ヒータONインターバルタイマをスタートしてから所定時間T1が経過したと判定した場合(ステップS51のYes)、ヒータ108をオンの状態にする(ステップS53)。
そして、制御部103は、ヒータ108をオンの状態にしてから、予め定められた所定時間T2経過後に、ヒータ108をオフの状態にする(ステップS54)。
そして、制御部103は、インピーダンス計測部111から取得した情報に基づき、回路がオープンであるか否かを判定する(ステップS55)。
制御部103は、ステップS55において、回路がオープンでないと判定した場合(ステップS55のNo)、すなわち電極部102が生体等に接触していると判定した場合、電気刺激インターバルタイマをスタートしてから所定時間T3が経過したか否かを判定する(ステップS56)。
制御部103は、電気刺激インターバルタイマをスタートしてから所定時間T3が経過していないと判定した場合(ステップS56のNo)、ステップS55に移行する。制御部103は、ステップS55において回路がオープンであると判定するか、ステップS56において電気刺激インターバルタイマをスタートしてから所定時間T3が経過したと判定するまで、ステップS55及びステップS56を繰り返す。
制御部103は、ステップS56において、電気刺激インターバルタイマをスタートしてから所定時間T3が経過したと判定した場合(ステップS56のYes)、タイマ部105による電気刺激インターバルタイマをリセットするとともに、ストップする(ステップS57)。これにより、電気刺激インターバルタイマによる時間の計測が停止される。
制御部103は、電気刺激の出力強度を上げる(ステップS58)。そして、ステップS46に移行し、ステップS58で上げた出力強度で、パルス直流電流を出力する(ステップS46)。ステップS58において、制御部103は、電気刺激の出力強度を、例えば予め定められた所定の強度幅で、上げてよい。
制御部103は、ステップS47においてパルス直流電流の出力強度が治療強度Pmと等しいと判定するか、ステップS50において回路がオープンであると判定するか、ステップS55において回路がオープンであると判定するまで、ステップS46からステップS58を繰り返す。これにより、ステップS46で出力されるパルス直流電流の出力強度が、徐々に高くなる。これにより、例えば腹部に貼付した電気刺激印加装置1が腹部からはがれたことに気付いたユーザが、電気刺激印加装置1を腹部に貼付しなおす際に、指等が電極部102に接触したとしても、ユーザには、まず、感じられない程度に微弱な出力強度の電気刺激が印加され、徐々に出力強度が強くなる。そのため、ユーザは、痛みを感じる程度の電気刺激を急に受けることがなくなり、その結果、ユーザに不快感を与えにくくなる。
制御部103は、ステップS46からステップS58を繰り返している間に、ステップS50において回路がオープンであると判定した場合(ステップS50のYes)、及びステップS55において回路がオープンであると判定した場合(ステップS55のYes)、電極部102が生体等に接触しなくなったと判定する。この場合、制御部103は、電極部102が生体等に接触したと判定するまで、電気刺激の出力を停止する。従って、制御部103は、ステップS50において回路がオープンであると判定した場合(ステップS50のYes)、及びステップS55において回路がオープンであると判定した場合(ステップS55のYes)、出力強度を漸増させながら電気刺激を印加する処理を停止する。この場合、制御部103は、図9のフローのステップS41に移行し、電気刺激の出力を停止している場合の処理を実行する。図5に示すチャートには、時刻t10から電気刺激の出力強度の漸増の処理が開始されたものの、パルス直流電流の出力強度が治療強度Pmとなる前に、時刻t11において、回路がオープンとなったことが検出された場合の例が示されている。
この場合、制御部103は、図9のフローを経て、再び回路がオープンでなくなった場合(ステップS45のNo)、図10のフローに移行する。図5に示すチャートでは、時刻t12に、電気刺激の出力強度の漸増の処理が再び開始されている場合の例が示されている。この場合、ステップS46で出力されるパルス直流電流の出力強度は、電気刺激の出力強度の漸増の処理において、最も低い出力強度PLから開始される。
制御部103は、電気刺激の出力強度の漸増の処理において、電気刺激の出力強度を、所定の出力強度まで漸増させながら電気刺激を出力する。ここでは、所定の出力強度は、治療強度Pmである。この場合、制御部103は、電気刺激の出力強度を漸増させ、出力強度が治療強度Pmになった場合に、出力強度の漸増の処理を終了する。このとき、制御部103は、治療強度Pmでのパルス直流電力を出力することにより、治療の処理を再開できる。なお、ここでいう所定の出力強度は、治療強度Pmに限らないが、所定の出力強度を治療強度Pmとすることにより、電気刺激の出力強度の漸増の処理が完了した後に、出力強度を変更することなく、治療の処理に移行することができる。この場合、例えば出力強度の変更によりユーザに電気刺激の痛みを与える等のような、出力強度の変更に起因するユーザへの負担を減らすことができる。
具体的な処理として、制御部103は、図10のフローのステップS47において、ステップS46で出力したパルス直流電流の出力強度が、治療強度Pmと等しいと判定した場合(ステップS47のYes)、図8のフローのステップS30に移行する。これにより、電気刺激を生体等に印加することによる治療の処理が再開される。図5に示すチャートでは、時刻t13にパルス直流電流の出力強度が、治療強度Pmと等しくなり、その後、治療強度Pmでのパルス直流電流の出力が再開される場合の例が示されている。
図5に示すチャートでは、時刻t14に、再び回路がオープンになったことが検出され、電気刺激及び温熱の印加が停止されている。この場合、上述した図9のフローが実行され、すなわち電気刺激の出力を停止している場合の処理が実行される。ここで、図5のチャートに示すように、回路がオープンでなくなったと判定される前に、時刻t15において、取得温度が下限温度TL以下になったとする。この場合、制御部103は、ヒータ108により生体等を加温する。
フローを参照して説明すると、制御部103は、図9のフローにおいて、ステップS43で取得した取得温度が下限温度TL以下であると判定した場合(ステップS44のYes)、つまり取得温度が所定の温度範囲に含まれなくなったと判定した場合、図7のフローのステップS23に移行する。すなわち、この場合、制御部103は、回路がオープンでないと判定するまで、ステップS23を繰り返し、回路がオープンでないと判定した場合(ステップS23のNo)、ヒータ108をオンの状態にする(ステップS24)。これにより、温熱の印加が開始される。図5に示すチャートでは、時刻t16に温熱の印加が開始された場合の例が示されている。
この場合、回路がオープンとならない限り、すなわち電極部102が生体等に接触していると判定されている限り、ヒータ108による温熱の印加により、温度測定部109が測定した温度、つまり取得温度が上限温度THに到達すると(ステップS26のYes)、制御部103は、ヒータ108をオフの状態にし、図8に示すフローを実行することにより、電気刺激を生体等に印加することによる治療の処理を実行する。すなわち、この場合、制御部103は、電気刺激の出力強度を漸増させながら電気刺激を出力する処理を実行することなく、治療強度Pmでの電気刺激の出力を実行する。これは、図7に示すフローを実行したことにより、電極部102が生体等に接触していることが確保されているためである。すなわち、この場合、電極部102が生体等に接触していると言えるため、出力強度を漸増させながら電気刺激を出力する処理を実行する必要がない。図5に示すチャートでは、時刻t17に、治療の処理が開始されている。
最終的に、制御部103は、図8のフローのステップS40において、治療時間タイマをスタートしてから所定時間T4が経過したと判定した場合(ステップS40のYes)、図8のフローを終了する。これにより、治療段階が終了する。このとき、制御部103は、治療段階が終了したことを、表示部104に表示したり、他の機構を駆動したりして、ユーザに通知してよい。ユーザは、治療段階が終了したとき、電気刺激印加装置1を腹部からはがして、治療を終了する。
上記フローにおいて、所定時間T3は、所定時間T1及び所定時間T2の和よりも長い。図11は、所定時間T1、T2及びT3の関係について説明するための図であり、例えば、図5の破線で囲った箇所を拡大して示す図である。図11に示すように、治療段階における第n回目のパルス直流電流の出力を開始した時刻をt21とする。第n回目のパルス直流電流の出力後に、ヒータ108がオンの状態となる時刻をt22とし、その後ヒータ108がオフの状態となる時刻をt23とする。また、治療段階における第n+1回目のパルス直流電流の出力を開始する時刻をt24とする。時刻t21、t22、t23及びt24は、この順で時系列に並んでいる。
このとき、所定時間T1は、電気刺激としてのパルス直流電流を出力してからヒータ108をオンの状態にするまでの時間であるため、t22−t21により表される。所定時間T2は、ヒータ108がオンの状態となってからオフの状態となるまでの時間であるため、t23−t22により表される。所定時間T3は、電気刺激としてのパルス直流電流を出力してから次のパルス直流電流を出力するまでの時間であるため、t24−t21により表される。従って、上述のように、所定時間T3は、所定時間T1及び所定時間T2の和よりも長くなる。なお、所定時間T1、T2及びT3の具体的な長さについては、治療の目的、手段及び方法等に応じて、適宜定められてよい。
このように、本実施形態に係る電気刺激印加装置1によれば、制御部103は、電気刺激を出力している状態において、電極部102が生体等に接触していないと判定した場合、電気刺激の出力を停止し、その後、電極部102が生体等に接触した状態になったと判定した場合、電気刺激の出力強度を漸増させながら電気刺激を出力する。これにより、ユーザが電極部102を指等の電気刺激を強く感じやすい箇所で触った場合であっても、痛みを感じる程度の強い電気刺激を急に受けにくい。そのため、電気刺激印加装置1によれば、微弱な電気刺激と温熱とを生体又は生体組織に印加するに際して、ユーザに不快感を与えにくい。
また、本実施形態に係る電気刺激印加装置1によれば、電極部102が生体等に接触した状態になったと判定した場合、予め定められた所定の出力強度、例えば治療強度まで、電気刺激の出力強度を漸増させながら電気刺激を出力する。これにより、所定の出力強度まで電気刺激の出力強度を漸増させた後、治療の処理に移行することができる。
また、本実施形態に係る電気刺激印加装置1によれば、制御部103は、電極部102が生体等に接触した状態になったと判定したときに取得温度が下限温度以下であると判定した場合、ヒータ108により生体等を加温する。これにより、生体等を、例えば治療に適した温度まで加温することができる。この場合、電気刺激印加装置1の制御部103は、取得温度が上限温度に達したとき、治療強度Pmで電気刺激を出力する。これにより、電極部102が生体等に接触していることが確保されている場合に、すぐに治療の処理を再開することができる。
また、制御部103は、検出時出力強度Psよりも低い治療強度Pmで電気刺激を出力することにより、治療段階において、生体等に微弱な電気刺激を印加する。そのため、ユーザが電気刺激を感知したときに所定の操作入力を入力することにより、制御部103は、ユーザが感知する電気刺激の強度よりも弱い強度で、治療段階における電気刺激の出力を行うことができる。このようにして、電気刺激印加装置1は、微弱な電気刺激と温熱とを組み合わせた刺激を生体等に印加するに際して、電気刺激の強度を適切なレベルに設定しやすくなる。
特に、図6のフローを参照して説明したように、制御部103は、設定段階において電気刺激の出力強度を漸増させる場合、ユーザが電気刺激を感知したときに所定の操作入力を入力することにより、治療強度Pmを、検出時出力強度Psよりも弱い強度に設定する。これにより、制御部103は、治療強度Pmをユーザが感知しない微弱なレベルに設定できる。
なお、上記実施形態において、温度測定部109は、ヒータ108の温度を測定すると説明した。しかしながら、例えば、温度測定部109は、生体等の温度を測定してもよい。具体的には、例えば、温度測定部109は、ヒータ108により温熱が印加される箇所の温度を測定してもよい。この場合、温度測定部109は、温熱が印加される箇所の温度を直接測定するため、制御部103は、生体等が治療のために適切な温度であるかを、より正確に判定できる。なお、この場合、温度測定部109は、電気刺激印加装置1において、生体等の温度を測定可能な適宜の位置に配置されていてよい。
また、上記実施形態では、設定段階において、制御部103が、電気刺激の出力強度を漸増させるように電極部102から電気刺激を出力するという処理を実行する場合の例について説明した。しかしながら、設定段階における処理は、制御部103による電気刺激の出力強度の漸増に限られない。例えば、電気刺激印加装置1は、設定段階において、ユーザの操作入力に基づいて、電気刺激の出力強度を変化させてもよい。
ここで、制御部103がユーザの操作入力に基づいて電気刺激の出力強度を変化させることが可能な電気刺激印加装置の一変形例について説明する。図12は、一変形例に係る電気刺激印加装置2の概略構成を示す機能ブロック図である。
図12に示すように、電気刺激印加装置2は、図4を参照して説明した電気刺激印加装置1が有する各機能部に加え、出力強度調整部112を備える。出力強度調整部112は、ユーザによる、電気刺激の出力強度を変更するための操作入力を受け付ける機能部である。出力強度調整部112は、例えば、ユーザが操作入力を行うことができるように、本体部10に設けられている。
図13は、図12の出力強度調整部112の具体例を示す図である。図13には、出力強度調整部112の3つの具体例が図示されている。ただし、図13は、出力強度調整部112の例示に過ぎず、出力強度調整部112の構成はこれに限られるものではない。
出力強度調整部112は、例えば図13(A)に示すように、回転式のノブ(つまみ)120として構成することができる。この場合、ユーザは、ノブ120を回転させるという操作入力を行うことにより、電気刺激の出力強度を変更させる。例えば、図13(A)に示す例では、ユーザがノブ120を時計回りに回転させると、これに応じて制御部103は電気刺激の出力強度を強くする。反対に、ユーザがノブ120を反時計回りに回転させると、これに応じて制御部103は電気刺激の出力強度を弱くする。
出力強度調整部112は、例えば図13(B)に示すように、スライド式のノブ(つまみ)130として構成することができる。この場合、ユーザは、ノブ130を左右に移動させるという操作入力を行うことにより、電気刺激の出力強度を変更させる。例えば、図13(B)に示す例では、ユーザがノブ130を右側に移動させると、これに応じて制御部103は電気刺激の出力強度を強くする。反対に、ユーザがノブ130を左側に移動させると、これに応じて制御部103は電気刺激の出力強度を弱くする。
出力強度調整部112は、例えば図13(C)に示すように、スピンボックス140として構成することができる。スピンボックス140は、電気刺激の出力強度のレベルを、例えば数字で表示する表示部141と、電気刺激の出力強度を変更させる操作入力を行うための2つのボタン142及び143とを備える。出力強度調整部112がスピンボックス140である場合、表示部141に表示される数字が、それぞれ、電気刺激の特定の出力強度に対応付けられている。ユーザは、ボタン142及び143を押下するという操作入力を行うことにより、電気刺激の出力強度を変更させる。例えば、図13(C)に示す例では、ユーザがボタン142を押下すると、表示部141に表示される数字が上がる。反対に、ユーザがボタン143を押下すると、表示部141に表示される数字が下がる。制御部103は、表示部141に表示された数字に対応する出力強度で、電気刺激を出力する。
電気刺激印加装置2の制御部103は、設定段階において、出力強度調整部112に対するユーザの操作入力に応じた出力強度で、電気刺激を出力する。制御部103は、ユーザによる出力強度調整部112への操作入力に基づいて、出力強度を変更して、電気刺激を出力する。
ユーザは、例えば、電気刺激印加装置2の電極部102から出力される電気刺激の強度が、徐々に強くなるように、出力強度調整部112に対する操作入力を行う。そして、ユーザは、電気刺激を感知したときに、第3入力部101cを押下する。制御部103は、例えば図6のフローのステップS13と同じ要領で、治療強度を設定する。このようにして治療強度を設定した後、制御部103は、治療段階の処理を実行する。
このように、出力強度調整部112を有する電気刺激印加装置2によっても、本開示は実現できる。
本開示に係る電気刺激印加装置は、上述した実施形態で特定された構成に限定されず、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、各構成部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
本開示は、電気刺激印加装置に関する。
1、2:電気刺激印加装置
10:本体部
20:印加部
30:シート材
31:フレーム部
32:導電性ゲル
101:入力部
101a:第1入力部
101b:第2入力部
101c:第3入力部
102:電極部
102a:第1電極
102b:第2電極
103:制御部
104、141:表示部
105:タイマ部
106:記憶部
107:電源部
108:ヒータ
109:温度測定部
110:電気刺激出力部
111:インピーダンス計測部
112:出力強度調整部
120:回転式のノブ
130:スライド式のノブ
140:スピンボックス
142、143:ボタン
10:本体部
20:印加部
30:シート材
31:フレーム部
32:導電性ゲル
101:入力部
101a:第1入力部
101b:第2入力部
101c:第3入力部
102:電極部
102a:第1電極
102b:第2電極
103:制御部
104、141:表示部
105:タイマ部
106:記憶部
107:電源部
108:ヒータ
109:温度測定部
110:電気刺激出力部
111:インピーダンス計測部
112:出力強度調整部
120:回転式のノブ
130:スライド式のノブ
140:スピンボックス
142、143:ボタン
Claims (8)
- 微弱な電気刺激を生体又は生体組織に印加する電気刺激印加装置であって、
前記電気刺激を前記生体又は生体組織に出力する電極部と、
前記電気刺激の出力を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記電極部が前記生体又は生体組織に接触していないと判定した場合、前記電気刺激の出力を停止し、
前記電極部が前記生体又は生体組織に接触した状態になったと判定した場合、前記電気刺激の出力強度を漸増させながら前記電気刺激を出力する、
電気刺激印加装置。 - 前記制御部は、前記電極部が前記生体又は生体組織に接触した状態になったと判定した場合、前記電気刺激の出力強度を、予め定められた所定の出力強度まで漸増させながら前記電気刺激を出力する、請求項1に記載の電気刺激印加装置。
- 温度を測定する温度測定部と、
前記生体又は生体組織を加温するヒータをさらに備え、
前記制御部は、
前記電極部が前記生体又は生体組織に接触した状態になったと判定した場合、前記温度測定部が測定する温度が所定温度以下であるか否かを判定し、
前記温度測定部が測定する温度が所定の下限温度以下であると判定した場合、前記ヒータにより前記生体又は生体組織を加温する、
請求項2に記載の電気刺激印加装置。 - 前記制御部は、前記ヒータによる前記生体又は生体組織の加温により、前記温度測定部が測定する温度が、前記下限温度よりも高い所定の上限温度に達したと判定した場合、前記微弱な電気刺激を出力する、請求項3に記載の電気刺激印加装置。
- 前記温度測定部が測定する温度は、温熱を出力するヒータ及び前記生体又は生体組織の少なくともいずれかの温度である、請求項3又は4に記載の電気刺激印加装置。
- 前記制御部は、前記電気刺激が出力される電気回路が開放しているか否かに基づき、前記電極部が前記生体又は生体組織に接触しているか否かを判定する、請求項1から5のいずれか一項に記載の電気刺激印加装置。
- 前記電気回路のインピーダンスを計測するインピーダンス計測部をさらに備え、
前記制御部は、前記インピーダンス計測部が計測するインピーダンスに基づいて、前記電気回路が開放しているか否かを判定する、
請求項6に記載の電気刺激印加装置。 - 微弱な電気刺激を生体又は生体組織に出力可能な電極部を備える電気刺激印加装置による電気刺激印加方法であって、
前記電極部が前記生体又は生体組織に接触しているか否かを判定するステップと、
前記電極部が前記生体又は生体組織に接触していないと判定した場合、前記電気刺激の出力を停止するステップと、
前記電極部が前記生体又は生体組織に接触した状態になったか否かを判定するステップと、
前記電極部が前記生体又は生体組織に接触した状態になったと判定した場合、前記電気刺激の出力強度を漸増させながら前記電気刺激を出力するステップと、
を含む、電気刺激印加方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019047719A JP2020146294A (ja) | 2019-03-14 | 2019-03-14 | 電気刺激印加装置及び電気刺激印加方法 |
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Publications (1)
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ID=72430946
Family Applications (1)
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JP2019047719A Pending JP2020146294A (ja) | 2019-03-14 | 2019-03-14 | 電気刺激印加装置及び電気刺激印加方法 |
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JP (1) | JP2020146294A (ja) |
-
2019
- 2019-03-14 JP JP2019047719A patent/JP2020146294A/ja active Pending
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