JP2020145012A - 車両用灯具 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別な構造を必要とすることなく、低コストで、レーザ光の漏れに対するフェイルセーフと可能とする車両用灯具を提供する。【手段】車両用灯具10は、レーザ光を出射する半導体レーザ素子32と、レーザ光の少なくとも一部を吸収して、波長変換光を出射する波長変換層34と、波長変換光を取り込んで、前方へと出射する投影レンズ28とを備え、波長変換層34が、投影レンズ28と正対するように配置され、半導体レーザ素子32が、波長変換層34が存在しないと仮定したときに、レーザ光の光線が投影レンズ28の取り込み角θの範囲外となるように配置されている。【選択図】図3
Description
本発明は、車両用灯具に係り、より詳細には、半導体レーザを光源として使用した車両用灯具に関する。
従来、半導体レーザを光源として用い、光源からの光を投影レンズに入射させるように構成された車両用灯具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
半導体レーザ光源を用いる車両用灯具では、半導体レーザ素子の発するレーザ光を、波長変換層である蛍光体に照射し、蛍光体が励起されて発する光とレーザ光とを混色することにより、路面照射に適し、かつ適度なエネルギーを有する白色光に変換して、出射するように設計されている。
レーザ光は、指向性の高い高エネルギー光であり、例えば、蛍光体の破損や脱落により、レーザ光と蛍光体とが十分に接触せずに高エネルギーのまま、投影レンズに入射して、車両用灯具外に放出されることは望ましくない。
半導体レーザ光源を用いた車両用灯具における励起光の漏れを防止するために、特許文献2では、車両用灯具において、蛍光体の異常時に、レーザ光が接触するリフレクタに、該リフレクタを貫通するエスケープホールを形成して、レーザ光をリフレクタの外側に逃し、高エネルギーのレーザ光がリフレクタから前方に反射することを回避することが提案されている。
しかしながら、上記方法では、エスケープホールといった特別な構造を必要とするものであり、コストが大になるという問題があった。また、該エスケープホールにより、正常時に、白色光の強度が最も高くなる中心部分の光を利用することができず、光を有効に利用することができないという問題があった。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、特別な構造を必要とすることなく、低コストで、波長変換層の異常時のレーザ光の漏れに対するフェイルセーフを可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の1つの態様に係る車両用前照灯は、レーザ光を出射する半導体レーザ素子と、前記レーザ光の少なくとも一部を吸収して、波長変換光を出射する波長変換層と、前記波長変換光を取り込んで、前方へと出射する投影レンズとを備え、前記波長変換層が、前記投影レンズと正対するように配置され、前記半導体レーザ素子が、前記波長変換層が存在しないと仮定したときに、前記レーザ光の光線が前記投影レンズの取り込み角の範囲外となるように配置されている。
従来の半導体レーザ光源と投影レンズとを用いる車両用灯具では、半導体レーザ素子を投影レンズの光軸上に配置し、半導体レーザ素子と、投影レンズとの間に波長変換層を配置している。従来の構成によれば、波長変換層が正常に機能している場合、レーザ光は、波長変換層により少なくとも一部が波長変換されて白色の拡散光として、投影レンズに入射し、前方へと照射される。しかし、波長変換層に異常が生じた場合には、レーザ光と波長変換層との接触が不十分または不可能となり、高エネルギーで指向性の高いレーザ光が投影レンズに入射してしまう。
本態様では、波長変換層に脱落等の異常が生じた場合を予め仮定して、半導体レーザ素子と、波長変換層と、投影レンズとを、波長変換層に異常が生じた場合に、レーザ光の光線が投影レンズの取り込み角の範囲外となるように配置する。このように配置すると、波長変換層が正常に機能している場合は、同様にレーザ光は、少なくとも一部が波長変換層により波長変換されて白色の拡散光として、投影レンズに入射し、前方へと照射される。
一方、波長変換層に異常が生じた場合には、レーザ光と波長変換層との接触が不十分または不可能となり、レーザ光が光路を延長して直進するが、投影レンズの取り込み角の範囲外となっているため、レーザ光は投影レンズに入射しない。この結果、レーザ光の漏れを防止することができる。このように、本態様では、追加の部材を必要とせず、レーザ光の漏れを防止することができるので、フェイルセーフのためのコストの増大を防止することが可能となる。
上記態様において、前記半導体レーザ素子と、前記投影レンズと、前記波長変換層とが、
前記波長変換層を、その後面が、前記投影レンズの焦点と一致するように配置したときに、関係式:
(L+f)×tan(φ−α)−L×tanφ>D/2 (式1)
(ここで、Lは前記半導体レーザ素子から前記波長変換層の後面までの距離であり、
fは前記投影レンズの焦点距離であり、
Dは前記投影レンズの瞳径であり、
φは前記波長変換層へ入射する前記レーザ光の主光線の前記投影レンズの光軸に対する角度であり、
αは前記レーザ光の発散角αである。)
を満たすように配置されていることも好ましい。
前記波長変換層を、その後面が、前記投影レンズの焦点と一致するように配置したときに、関係式:
(L+f)×tan(φ−α)−L×tanφ>D/2 (式1)
(ここで、Lは前記半導体レーザ素子から前記波長変換層の後面までの距離であり、
fは前記投影レンズの焦点距離であり、
Dは前記投影レンズの瞳径であり、
φは前記波長変換層へ入射する前記レーザ光の主光線の前記投影レンズの光軸に対する角度であり、
αは前記レーザ光の発散角αである。)
を満たすように配置されていることも好ましい。
上記態様において、前記波長変換層は、前記半導体レーザ素子からのレーザ光を透過して、前記波長変換光を投影レンズに向けて出射することも好ましい。
上記態様において、前記投影レンズを支持するレンズ支持部を備え、前記レンズ支持部は、前記レーザ光を吸収または反射する遮光部材を備えることも好ましい。
上記態様において、前記遮光部材は、前記レーザ光および前記波長変換光の照射状態を検出するセンサを備えることも好ましい。
上記態様にかかる車両用灯具によれば、特別な構造を必要とすることなく、低コストで、レーザ光の漏れに対するフェイルセーフを可能とすることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述される全ての特徴およびその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
実施の形態の説明において、同一の構成要素、部材には同一の符号を付し、また、同等の機能を有する構成要素、部材には、同一の名称を付して、重複する説明は適宜省略する。また、図面において、矢印U−Dは車両用灯具を正面視した場合の上下方向を、矢印F−Bは同前後方向を示す。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る車両用灯具(以下、単に「灯具」ともいう。)10の概略構造を模式的に示す鉛直断面図である。車両用灯具10は、車両前方の左右に配置される一対の前照灯ユニットを有する車両用前照灯装置の、左右いずれか一方の前照灯ユニットである。一対の前照灯ユニットは、実質的に同一の構成を有する。
図1は、第1の実施の形態に係る車両用灯具(以下、単に「灯具」ともいう。)10の概略構造を模式的に示す鉛直断面図である。車両用灯具10は、車両前方の左右に配置される一対の前照灯ユニットを有する車両用前照灯装置の、左右いずれか一方の前照灯ユニットである。一対の前照灯ユニットは、実質的に同一の構成を有する。
車両用灯具10は、前方に開口部を有する箱状のランプボディ12と、ランプボディ12の開口を閉塞する透光性の前面カバー14とを備える。ランプボディ12と、前面カバー14とにより灯室18が画成されている。
灯室18内には、概略として、発光装置20、支持部材22,光軸調整機構24、レンズ支持部26、投影レンズ28、およびエクステンション30が配置されている。
発光装置20は、円筒状の筐体31と、半導体レーザ素子32と、波長変換層34を備える。
筐体31は、後端が支持部材22に固定されている。筐体31の支持部材側底面の内部には、たとえば、アルミ等の金属により傾斜面36が形成されており、該傾斜面36上に半導体レーザ素子32が固定されている。傾斜面36は、ヒートシンクの役割を果たす。筐体31の前面の中央には、矩形または円形の固定孔38が形成されている。該固定孔38には、波長変換層34が嵌め込まれ、シリコーンや低融点ガラス等の透明な接着剤により接着固定されている。
半導体レーザ素子32は、レーザ光を放出する半導体発光素子であり、例えば、発光波長が青系(450nm程度)、あるいは近紫外域(405nm程度)のレーザ光を発光する素子が用いられる。
波長変換層34としては、例えば、セリウムCe等の付活剤が導入されたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)と、アルミナAl2O3との複合体である蛍光体を用いることができる。波長変換層34は、ほぼ平行に配置された上面および下面を含む板状体または層状体であり、その厚みは、目的の色度に応じて適宜設定することができる。
また、波長変換層34として、ユーロピウムEu等の付活剤が導入されたAPT(アパタイト)と、ユーロピウムEu等が付活されたBOS(バリウムオルソシリケート)との複合体を用いてもよい。
波長変換層34は、半導体レーザ素子32で発生するレーザ光の少なくとも一部を吸収して波長変換して透過し、半導体レーザ素子32からのレーザ光との混色により生成する白色光を放出する。
なお、波長変換層34は、波長変換層本体のみで構成されるものでなくてもよく、例えば、サファイア等を保持部材として、上記複合体を積層してなるものであっても良い。
また、通常、半導体レーザ素子32にから出射されるレーザ光のビームは、真円ではなく、長円状に発生する。このため、固定孔38は、長円形であってもよく、半導体レーザ素子32に発生するレーザ光を遮蔽することなく、少なくともその一部を吸収して波長変換して透過させる形状であればよい。
支持部材22は、正面視矩形の金属製の部材であり、発光装置20を支持すると共に、発光装置20を光軸調整機構24に連結する。
光軸調整機構24は、レベリングアクチュエータ40と、ピボット42とを備える。レベリングアクチュエータ40は、スクリュ44を介して支持板46の下部に取り付けられ、ピボット42は、正面視(図示略)で、支持板46の3隅に取り付けられている。このように、支持部材22は、光軸調整機構24を介してランプボディ12に支持されている。
光軸調整機構24は、レベリングアクチュエータ40の駆動により、支持部材22をランプボディ12に対して傾動させることができる。支持部材22の傾動に伴い、発光装置20および投影レンズ28が傾動し、照明光の光軸を調整することができる。光軸調整機構24の具体的構成は、これに限らず、公知の構成を適宜採用することができる。
レンズ支持部26は、例えば、透光性樹脂で構成される円筒体である。レンズ支持部26は、保持部48および脚部50を備え、投影レンズ28を保持して、支持部材22に連結している。レンズ支持部26は、脚部50の後端において、フランジを備え、支持部材22に適宜の構成により固定されている。
また、レンズ支持部26の脚部50の内壁には、レーザ光を遮光する遮光部材49、および白色光の発光状態を検知するためのセンサ51が設けられている。遮光部材49およびセンサ51の詳細については後述する。
投影レンズ28は、前方側の凸表面及び後方側の平面を含む非球面レンズであり、例えば、アクリル等の透明樹脂、またはその他の透光性材料により形成されている。投影レンズ28は、保持部48に固定保持されて、車両前後方向に伸びる光軸上に配置されている。投影レンズ28は、発光装置20から入射する白色光を受け入れて灯具前方に向けて出射する。
投影レンズ28の出射面を出た白色光は、前面カバー14へと向かい、前面カバーを透過して、灯具10前方へ出射される。投影レンズ28の作用により、灯具前方に所望の配光パターンが形成される。
エクステンション30は、投影レンズ28の周囲を前方から目隠しする役割を果たす金属製または樹脂製の部材である。
以下、投影レンズ28,半導体レーザ素子32、および波長変換層34の位置関係を図2および図3を参照しながら説明する。
図2および図3は、投影レンズ28、半導体レーザ素子32、および波長変換層34の位置関係および発光時の光線の状態を模式的に説明する図であり、図2は、正常時、すなわち、波長変換層34が固定孔に固定され、脱落、破損、または劣化等がない状態を示し、図3は、波長変換層34が、異常時、すなわち波長変換層34が脱落、破損、または劣化等により正常に動作しなくなった状態を示す。
投影レンズ28,波長変換層34および半導体レーザ素子32は、波長変換層34が存在しないと仮定したときに、半導体レーザ素子32から出射されるレーザ光の光線(上光線UBおよび下光線LBを含む光線全体)が、投影レンズ28の取り込み角θの範囲外となるように配置されている。
より詳しくは、波長変換層34をその後面が投影レンズ28の焦点Aに、投影レンズ28に正対するように配置し、
半導体レーザ素子32と波長変換層34の後面との間の距離をL、
投影レンズ28の焦点距離をf、
投影レンズ28の瞳径をD、
波長変換層34へ入射するレーザ光の主光線MBの投影レンズ28の光軸Oに対する角度(波長変換層の配置角)をφ、
レーザ光の発散角をαで表した時、下式(1)
(L+f)×tan(φ−α)−L×tanφ>D/2 (1)
を満たすように配置されている。
半導体レーザ素子32と波長変換層34の後面との間の距離をL、
投影レンズ28の焦点距離をf、
投影レンズ28の瞳径をD、
波長変換層34へ入射するレーザ光の主光線MBの投影レンズ28の光軸Oに対する角度(波長変換層の配置角)をφ、
レーザ光の発散角をαで表した時、下式(1)
(L+f)×tan(φ−α)−L×tanφ>D/2 (1)
を満たすように配置されている。
なお、本明細書において、波長変換層34を投影レンズ28の焦点Aに配置するとは、波長変換層34を投影レンズ28の焦点Aに完全に一致するように配置することだけをいうのではなく、本実施の形態の目的を逸脱しない範囲において、焦点Aの近傍に配置することを含んでいてもよい。
上記配置により、正常時には、図2に示すように、半導体レーザ素子32から出射されたレーザ光は、図中実線円内に拡大して示すように、波長変換層34の背面に、発散角αで入射する。ここで、符号MBは、レーザ光の主光線を、符号UBは、上光線を、符号LBは下光線を表す。
波長変換層34に入射したレーザ光は、波長変換されて、白色の拡散光WLとして投影レンズ28に向けて出射される。波長変換層34は完全拡散面を有するため、白色の拡散光WLは、光度の軌跡が図の様に円形となり、投影レンズ28の光軸と合致する中心部(0°)の強度が最も高く、周辺がコサイン特性で減衰するランバーシアン特性を示す。この、白色の拡散光WLのうち、投影レンズ28の取り込み角θの範囲の光が、投影レンズ28に入射し、照明光ILとして灯具10前方へと出射される。
このように、波長変換層34の出射面を投影レンズ28の光軸Oと直交させて、波長変換層34を投影レンズ28の背面と正対するように配置することにより、白色の拡散光WLの中心部分を利用することが可能となり、効率よくレーザ光を利用することが可能である。
一方、波長変換層34が存在しない場合、図3に示すように、半導体レーザ素子32から出射したレーザ光の光線は、投影レンズ28の後方焦点Aを通過して、投影レンズ28の光軸Oと角度φをなす、直線光路上を進行する。この時、レーザ光は僅かであるが、発散角αで発散している。しかし、レーザ光の下光線LBは、必ず、投影レンズ28の取り込み角θの範囲外となるように配置されているので、半導体レーザ素子32から出射された、高エネルギーで指向性の高いレーザ光は、投影レンズ28に取り込まれることがない。この結果、高エネルギーのレーザ光が、投影レンズ28を透過して、前方に照射されるのを防止できる。
ここで、遮光部材49およびセンサ51について図4を参照して説明する。
遮光部材49は、例えば、黒色の樹脂製の、または、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅などの各種金属や、ステンレス等の合金製で表面に黒色塗装した、曲板状の部材である。遮光部材49は、レンズ支持部26の脚部50の内面に沿うように設けられている。
遮光部材49は、例えば、黒色の樹脂製の、または、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅などの各種金属や、ステンレス等の合金製で表面に黒色塗装した、曲板状の部材である。遮光部材49は、レンズ支持部26の脚部50の内面に沿うように設けられている。
波長変換層34が存在しない場合、投影レンズ28の後方焦点Aを通過したレーザ光は、高エネルギーのまま、図4に示すとおり、レンズ支持部26に備えられた遮光部材49に入射することになる。遮光部材により、レーザ光はレンズ支持部26で完全に遮光され吸収される。したがって、高エネルギーのままのレーザ光が灯室18内に漏れ出るのを防止することができる。このため、灯室18内に漏れ出たレーザ光が、灯室18内の部材に複数回反射する等して、間接的に灯具前方へ照射されるのを防止することができる、
センサ51は、制御回路(図示せず)に接続されており、該制御回路は、センサ51の検出結果に基づいて半導体レーザ素子32への通電を制御しうるように構成されている。センサ51は、図4に示すように、遮光部材49の、波長変換層34が存在しない場合に、高エネルギーのレーザ光の少なくとも一部が入射する位置に、設けられている。
センサ51としては、例えば白色光またはレーザ光の波長を検出するフォトダイオード等のフォトセンサを用いることができる。フォトセンサは、波長変換層34に異常が生じた場合、センサ51の白色光WLまたはレーザ光の受光光量や色度の変化を異常として検出する。
あるいは、センサ51として、サーミスタ等の温度センサを用いてもよい。温度センサは、波長変換層34に異常が生じた場合、遮光性を有するレンズ支持部26が高エネルギーのレーザ光を吸収するため起こる温度変化を異常として検出する。
あるいは、センサ51として、歪センサを用いてもよい。歪センサは、波長変換層34に異常が生じた場合、遮光部材であるレンズ支持部26が高エネルギーのレーザ光を吸収するため起こる温度変化に起因する、レンズ支持部26の歪を異常として検出する。
本実施の形態においては、波長変換層34に脱落、破損、劣化等の異常が生じた場合、高エネルギーの状態のレーザ光は、投影レンズ28に取り込まれない様に構成されており、また、レンズ支持部26の遮光性により、高エネルギーのレーザ光が、灯室へ漏れ出るのを防止している。したがって、指向性の強いレーザ光が、灯具外に照射されることは通常起こりえない。
しかし、波長変換層34に異常がある状態で、点灯を続行すると、灯室ランプ直近での覗き込み等により、歩行者等に危険を及ぼす虞がある。また、このような波長変換層34の異常は、段階的に起こりうるので、早期に異常を検知することが好ましい。
上記のように、遮光部材に、フォトセンサ、温度センサ、歪センサ等のセンサを設けると、灯具、特に波長変換層34が正常に作動しているかどうかをモニタリングすることができるので有利である。また、センサが異常状態を検出した場合に、半導体レーザ素子32への通電を停止するように制御すれば、ランプ直近での覗き込み等による危険を防止できるので、灯具の安全性が向上する
(第2の実施の形態)
図5および図6は、本発明の第2の実施の形態に係る車両用灯具110の鉛直断面図である。図5は、正常時、すなわち、波長変換層34に脱落、破損、または劣化等がない状態を示し、図6は、波長変換層34が、異常時、すなわち波長変換層34が脱落、破損、または劣化等により正常に動作しなくなった状態を示す。
図5および図6は、本発明の第2の実施の形態に係る車両用灯具110の鉛直断面図である。図5は、正常時、すなわち、波長変換層34に脱落、破損、または劣化等がない状態を示し、図6は、波長変換層34が、異常時、すなわち波長変換層34が脱落、破損、または劣化等により正常に動作しなくなった状態を示す。
車両用灯具110は、車両用灯具10と概略同様の構成を備えるが、以下の点で異なる。
レンズ支持部26が、例えば、透光性樹脂で構成されるのに対して、レンズ支持部126は、黒色樹脂または、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅などの各種金属や、ステンレス等の合金で構成される。また、金属の場合には、黒色塗装されていてもよい。すなわち、レンズ支持部126は別体の遮光部材を有しないが、遮光材料または光吸収材料で構成されることにより遮光部材を備える。
また、レンズ支持部126は、円筒体であり、投影レンズ28を保持する保持部148および脚部150を備え、投影レンズ28を保持部148で係合保持して、脚部150の後端において、支持部材22に連結している。
レンズ支持部126の底面139の中央には、波長変換層34を固定するための固定孔138が開口しており、波長変換層34が固定されている。センサ51は、レンズ支持部126に直接設けられている。
また、灯具110は、ユニット化された発光装置20に代えて、発光部120を備える。発光部120は、支持部材122の前面側の立壁とレンズ保持部126の底面により画成されている。
発光部120は、レンズ支持部126底面の波長変換層34と、半導体レーザ素子32を備える。半導体レーザ素子32は、支持部材122の支持板146の前面に形成された傾斜面136上に配置されている。
灯具110においても、灯具10と同様に、投影レンズ28,波長変換層34および半導体レーザ素子32は、波長変換層34が存在しないと仮定したときに、半導体レーザ素子32から出射されるレーザ光の光線(上光線UBおよび下光線LBを含む光線全体)が、投影レンズ28の取り込み角θの範囲外となるように配置されている。その具体的な位置関係は、式1を満たすものとなっている。
このように配置することにより、図5に示す正常時には、半導体レーザ素子32から出射されたレーザ光は、波長変換層34に入射して、波長変換され、ランバーシアン特性を有する白色の拡散光として、投影レンズ28に入射して照明光として前方に照射される。
一方、図6に示す異常時には、半導体レーザ素子32から出射されたレーザ光は、指向性が高く、高エネルギーな状態で、レーザ光の延長光路を進行し、遮光部材として機能するレンズ支持部26の内壁へ入射して遮光される。また、少なくとも一部は、センサ51に入射して、異常として検出される。
この結果、本形態でも、同様に高エネルギーのレーザ光が、投影レンズ28を透過して、前方に照射されるのを防止できる。
さらに、本実施の形態によれば、レンズ支持部の底面139に波長変換層34を固定し、レンズ支持部126と支持部材122とで発光部120を画成するように構成したので、レンズ支持部126を組み付けと同時に発光部120の組み立てが完了し、灯具110の組付けが容易になる。
なお、図示の例では、レーザ発光素子32は、投影レンズ28の光軸Oに対して上方に設けられているが、これに限らず、投影レンズ28、波長変換層34および半導体レーザ素子32が、上記の位置関係にあれば、所望の配光パターンに応じて、レーザ発光素子32の配置を設計することができる。
10,110 車両用灯具
26 レンズ支持部
28 投影レンズ
32 半導体レーザ素子
34 波長変換層
49 遮光部材
51 センサ
126 レンズ支持部(遮光部材)
26 レンズ支持部
28 投影レンズ
32 半導体レーザ素子
34 波長変換層
49 遮光部材
51 センサ
126 レンズ支持部(遮光部材)
Claims (5)
- レーザ光を出射する半導体レーザ素子と、
前記レーザ光の少なくとも一部を吸収して、波長変換光を出射する波長変換層と、
前記波長変換光を取り込んで、前方へと出射する投影レンズとを備え、
前記波長変換層は、その出射面が前記投影レンズと正対するように配置され、
前記半導体レーザ素子は、前記波長変換層が存在しないと仮定したときに、前記レーザ光の光線が前記投影レンズの取り込み角の範囲外となるように配置されていることを特徴とする車両用灯具。 - 前記半導体レーザ素子と、前記投影レンズと、前記波長変換層とが、
前記波長変換層を、その後面が、前記投影レンズの焦点と一致するように配置したときに、関係式:
(L+f)×tan(φ−α)−L×tanφ>D/2 (式1)
(ここで、Lは前記半導体レーザ素子から前記波長変換層の後面までの距離であり、
fは前記投影レンズの焦点距離であり、
Dは前記投影レンズの瞳径であり、
φは前記波長変換層へ入射する前記レーザ光の主光線の前記投影レンズの光軸に対する角度であり、
αは前記レーザ光の発散角αである。)
を満たすように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。 - 前記波長変換層は、前記半導体レーザ素子からのレーザ光を透過して、前記波長変換光を投影レンズに向けて出射することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
- 前記投影レンズを支持するレンズ支持部を備え、
前記レンズ支持部は、前記レーザ光を吸収または反射する遮光部材を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用灯具。 - 前記遮光部材は、前記レーザ光および前記波長変換光の照射状態を検出するセンサを備えることを特徴とする請求項4に記載の車両用灯具。
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