JP2020144777A - 車両システム - Google Patents

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Abstract

【課題】道路上の白線の誤検知を防止可能な車両システムを提供する。【解決手段】車両システム2は、車両1の周囲へ光を照射する光源と、車両1が走行中の道路を含む車両周辺環境の情報を取得する情報取得部と、車両周辺環境の情報から白線候補を検出する候補検出部と、検出された白線候補の高さが一定値以下の場合に当該白線候補を道路上に敷設された白線と推定する白線推定部と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、道路上の所定の対象物を検出する車両システムに関する。
特許文献1には、運転支援装置としての車線逸脱警報装置に用いられる道路上白線を推定する白線推定装置が開示されている。当該白線推定装置は、道路上を走行する車両に搭載されているカメラによる撮像映像から白線を推定する。
特開2005−018148号公報
特許文献1のような白線推定装置において、自車のランプ光が白線以外の物体(たとえば、他車のボディなど)に当たると、車載カメラで撮像された画像において、ランプ光の反射部分が白く映り、この白色部分を白線と誤検知してしまう可能性がある。
本発明は、道路上の白線の誤検知を防止可能な車両システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の車両システムは、
車両の周囲へ光を照射する光源と、
前記車両が走行中の道路を含む車両周辺環境の情報を取得する情報取得部と、
前記情報から白線候補を検出する候補検出部と、
前記検出された白線候補が所定条件を満たした場合に当該白線候補を前記道路上に敷設された白線と推定する白線推定部と、
を備えた車両システムであって、
前記所定条件は、前記白線候補の高さが一定値以下の場合を含む。
また、上記目的を達成するために、本発明の車両システムは、
車両の周囲へ光を照射する光源と、
前記車両が走行中の道路を含む車両周辺環境の情報を取得する情報取得部と、
前記情報から白線候補を検出する候補検出部と、
前記検出された白線候補が所定条件を満たした場合に当該白線候補を前記道路上に敷設された白線と推定する白線推定部と、
を備えた車両システムであって、
前記所定条件は、前記車両と前記白線候補との相対位置関係の時間的な連続性があると判定された場合を含む。
また、上記目的を達成するために、本発明の車両システムは、
車両の周囲へ光を照射する光源と、
前記車両が走行中の道路を含む車両周辺環境の情報を取得する情報取得部と、
前記情報から白線候補を検出する候補検出部と、
前記検出された白線候補が所定条件を満たした場合に当該白線候補を前記道路上に敷設された白線と推定する白線推定部と、
を備えた車両システムであって、
前記所定条件は、前記白線候補の前記光の反射率が一定値以下の場合を含む。
これらの構成によれば、道路上の白線を周辺環境(例えば、自車ランプ光による他車ボディの反射部分)と確実に区別して、白線の誤検知を防止可能な車両システムを提供することができる。
また、本発明の車両システムにおいて、
前記光源を制御する光源制御部をさらに備え、
前記光源制御部は、前記白線候補のうち前記白線推定部において前記白線と推定されなかった白線候補を照射する光の光度を減少させるように前記光源を制御してもよい。
上記構成によれば、白線とは推定されなかった白線候補を照射する光を減光させることで、候補検出部による白線候補の検出の精度を高めることができ、その結果、白線誤検知をより効果的に防止することができる。
また、本発明の車両システムにおいて、
前記光源は、所定の周波数で点消灯されるように構成され、
前記候補検出部は、前記光源の点灯時と消灯時とのコントラストが所定の閾値以上の部分を前記白線候補として検出してもよい。
上記構成によれば、白線候補を簡便な処理で検出することができる。
本発明によれば、道路上の白線の誤検知を防止可能な車両システムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る車両システムのブロック図である。 ヘッドランプにより照射された車両周辺環境を車載カメラにより撮像した画像を示す図である。 車両システムの第一動作例を説明するフローチャートである。 特定の白線候補に照射される光が減光された後で車載カメラにより撮像された車両周辺環境の画像を示す図である。 車両システムの第二動作例を説明するフローチャートである。 車両システムの第三動作例を説明するフローチャートである。
以下、本発明を実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述される全ての特徴やその組合せは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、車両1に搭載される車両システム2のブロック図を示している。
図1に示すように、本実施形態に係る車両システム2は、車両制御部3と、ヘッドランプ4と、センサ5と、カメラ6と、レーダ7と、HMI(Human Machine Interface)8と、GPS(Global Positioning System)9と、無線通信部10と、地図情報記憶部11とを備えている。さらに、車両システム2は、ステアリングアクチュエータ12と、ステアリング装置13と、ブレーキアクチュエータ14と、ブレーキ装置15と、アクセルアクチュエータ16と、アクセル装置17とを備えている。
車両制御部3は、車両1の走行を制御するように構成されている。車両制御部3は、例えば、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)により構成されている。電子制御ユニットは、プロセッサとメモリを含むマイクロコントローラと、その他電子回路(例えば、トランジスタ等)を含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)及び/又はGPU(Graphics Processing Unit)である。メモリは、各種車両制御プログラム(例えば、自動運転用の人工知能(AI)プログラム等)が記憶されたROM(Read Only Memory)と、各種車両制御データが一時的に記憶されるRAM(Random Access Memory)を含む。プロセッサは、ROMに記憶された各種車両制御プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。
車両制御部3は、カメラ6で撮像された画像から白線候補を検出する候補検出部32と、候補検出部32で検出された白線候補の中から白線を推定する白線推定部33と、を有する。候補検出部32および白線推定部33の機能の詳細については後述する。
ヘッドランプ4は、車両1の前部に搭載された照明装置であり、車両1の周囲の道路へ向けて光を照射するランプユニット42と、ランプ制御部43(光源制御部の一例)とを備えている。ランプユニット42としては、光を出射するための光源と、当該光源からの光を導光してランプ外に照射する発光体とから構成されたものを挙げることができる。光源としては、例えば、複数の発光素子により構成される光源ユニットが使用されうる。発光素子の例としては、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)、有機EL素子などが挙げられる。なお、ヘッドランプ4は、ポジションランプ、デイタイムランニングランプ、ターンシグナルランプ等の表示灯や信号灯としての標識機能を備えていてもよい。
ランプ制御部43は、電子制御ユニット(ECU)により構成されており、車両1の自動運転に係る情報に応じて、ランプユニット42の照明状態を所定の照明状態に設定するように構成されている。ここでいう照明状態とは、ランプユニット42を構成する各発光素子の点消灯や点滅周期等を含む。また、電子制御ユニットは、図示しない電源に電気的に接続されており、CPUやMPU等のプロセッサとROM及びRAM等のメモリとを含むマイクロコントローラと、その他電子回路(例えば、LEDドライバ等の駆動回路)とを含む。本実施形態では、車両制御部3とランプ制御部43は、別個の構成として設けられているが、一体的に構成されてもよい。つまり、ランプ制御部43と車両制御部3は、単一の電子制御ユニットにより構成されていてもよい。
例えば、車両制御部3は、所定の条件を満たした場合にランプユニット42を構成する各発光素子の点灯を制御するための指示信号を生成して、当該指示信号をランプ制御部43に送信する。ランプ制御部43は、受信した指示信号に基づいて、各発光素子の点灯を制御する。具体的には、ランプ制御部43は、指示信号に基づいて、ランプユニット42から出射された光により車両前方に形成される配光パターンのうち一部の領域を照射する光の光度を減少させるように、各発光素子を制御する。
センサ5は、加速度センサ、速度センサ、ジャイロセンサ等を備える。センサ5は、車両1の走行状態を検出して、走行状態情報を車両制御部3に出力するように構成されている。センサ5は、運転者が運転席に座っているかどうかを検出する着座センサ、運転者の顔の方向を検出する顔向きセンサ、外部天候状態を検出する外部天候センサ及び車内に人がいるかどうかを検出する人感センサ等をさらに備えてもよい。さらに、センサ5は、車両1の周辺環境の照度を検出する照度センサを備えてもよい。
カメラ6は、例えば、CCD(Charge−Coupled Device)やCMOS(相補型MOS)等の撮像素子を含むカメラである。カメラ6の撮像は、車両制御部3から送信される信号に基づいて制御される。例えば、カメラ6は、ランプユニット42の点消灯の周波数に合わせたフレームレートにより画像を撮像し得る。これにより、カメラ6は、ランプユニット42の点灯時の画像と消灯時の画像の双方を取得することができる。
レーダ7は、ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ又はレーザーレーダ等である。レーダ7は、LiDAR(Light Detection and RangingまたはLaser Imaging Detection and Ranging)を備えていてもよい。LiDARは、一般にその前方に非可視光を出射し、出射光と戻り光とに基づいて、物体までの距離、物体の形状、物体の材質などの情報を取得するセンサである。カメラ6とレーダ7は、車両1の周辺環境(他車、歩行者、道路形状、交通標識、障害物等)を検出し、周辺環境情報を車両制御部3に出力するように構成されている。
HMI8は、運転者からの入力操作を受付ける入力部と、走行情報等を運転者に向けて出力する出力部とから構成される。入力部は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、車両1の運転モードを切替える運転モード切替スイッチ等を含む。出力部は、各種走行情報を表示するディスプレイである。
GPS9は、車両1の現在位置情報を取得し、当該取得された現在位置情報を車両制御部3に出力するように構成されている。無線通信部10は、車両1の周囲にいる他車に関する情報(例えば、走行情報)を他車から受信すると共に、車両1に関する情報(例えば、走行情報)を他車に送信するように構成されている(車車間通信)。また、無線通信部10は、信号機や標識灯等のインフラ設備からインフラ情報を受信すると共に、車両1の走行情報をインフラ設備に送信するように構成されている(路車間通信)。地図情報記憶部11は、地図情報が記憶されたハードディスクドライブ等の外部記憶装置であって、地図情報を車両制御部3に出力するように構成されている。
車両1が自動運転モードで走行する場合、車両制御部3は、走行状態情報、周辺環境情報、現在位置情報、地図情報等に基づいて、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号のうち少なくとも一つを自動的に生成する。ステアリングアクチュエータ12は、ステアリング制御信号を車両制御部3から受信して、受信したステアリング制御信号に基づいてステアリング装置13を制御するように構成されている。ブレーキアクチュエータ14は、ブレーキ制御信号を車両制御部3から受信して、受信したブレーキ制御信号に基づいてブレーキ装置15を制御するように構成されている。アクセルアクチュエータ16は、アクセル制御信号を車両制御部3から受信して、受信したアクセル制御信号に基づいてアクセル装置17を制御するように構成されている。このように、自動運転モードでは、車両1の走行は車両システム2により自動制御される。
一方、車両1が手動運転モードで走行する場合、車両制御部3は、アクセルペダル、ブレーキペダル及びステアリングホイールに対する運転者の手動操作に従って、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を生成する。このように、手動運転モードでは、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号が運転者の手動操作によって生成されるので、車両1の走行は運転者により制御される。
次に、車両1の運転モードについて説明する。運転モードは、自動運転モードと手動運転モードとからなる。自動運転モードは、完全自動運転モードと、高度運転支援モードと、運転支援モードとからなる。完全自動運転モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御の全ての走行制御を自動的に行うと共に、運転者は車両1を運転できる状態にはない。高度運転支援モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御の全ての走行制御を自動的に行うと共に、運転者は車両1を運転できる状態にはあるものの車両1を運転しない。運転支援モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御のうち一部の走行制御を自動的に行うと共に、車両システム2の運転支援の下で運転者が車両1を運転する。一方、手動運転モードでは、車両システム2が走行制御を自動的に行わないと共に、車両システム2の運転支援なしに運転者が車両1を運転する。
また、車両1の運転モードは、運転モード切替スイッチを操作することで切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、運転モード切替スイッチに対する運転者の操作に応じて、車両1の運転モードを4つの運転モード(完全自動運転モード、高度運転支援モード、運転支援モード、手動運転モード)の間で切り替える。また、車両1の運転モードは、自動運転車が走行可能である走行可能区間や自動運転車の走行が禁止されている走行禁止区間についての情報または外部天候状態についての情報に基づいて自動的に切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、これらの情報に基づいて車両1の運転モードを切り替える。さらに、車両1の運転モードは、着座センサや顔向きセンサ等を用いることで自動的に切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、着座センサや顔向きセンサからの出力信号に基づいて、車両1の運転モードを切り替える。
(第一動作例)
次に、図2〜4を参照して、車両システム2による白線推定処理の第一動作例について説明する。
図2は、道路70を走行する車両1のカメラ6によって撮像された車両前方の撮像画像100を示す。図2に示す撮像画像100に含まれる道路70は、左車線71と右車線72とからなる2車線の道路であり、車両1は左車線71を走行している。左車線71の左側には外側白線73が設けられている。右車線72の右側には外側白線74が設けられている。また、左車線71と右車線72との間には境界白線75が設けられている。右車線72内には、車両1の右斜め前方を走行する他車両Vが存在している。
図3は、車両システム2の第一動作例を説明するためのフローチャートである。
まず、車両制御部3は、ユーザからの入力操作、またはセンサ5やレーダ7等により取得された車両周辺情報に基づいて、ランプユニット42を点灯させるための指示信号である点灯指示信号を生成し、当該点灯指示信号をランプ制御部43へ送信する(ステップS1)。ランプ制御部43は、車両制御部3から受信した点灯指示信号に基づいて、ランプユニット42を点灯させる(ステップS2)。
車両制御部3は、カメラ6を制御して、ランプユニット42により照射された車両1の周辺領域(本例では、車両1の前方領域)を撮像する(ステップS3)。
車両制御部3は、候補検出部32において、車載カメラにより撮像された車両1の前方領域の撮像画像100を取得し(図2参照)、当該撮像画像100から白線候補を検出する(ステップS4)。候補検出部32は、例えば、撮像画像100において車両1が進行する方向に直交する方向、すなわち白線(例えば、外側白線73)が延在する方向に直交する左右方向の水平ライン上に位置する各画素の輝度値を測定する。候補検出部32は、測定された輝度値が所定の閾値よりも小さい値から大きい値へと変化する点を立ち上がりエッジとして検出する。また、候補検出部32は、輝度値が所定の閾値よりも大きい値から小さい値へと変化する点を立ち下がりエッジとして検出する。候補検出部32は、この立ち上がりエッジの点と立ち下がりエッジの点との間を高コントラスト分布として検出する。そして、候補検出部32は、高コントラスト分布のうち、実線あるいは破線で帯状のものを白線候補として検出する。具体的には、車両制御部3は、実線で帯状に高コントラストが分布した部分である道路70の外側白線73,74を白線候補として検出する。また、車両制御部3は、破線(点線)で帯状に高コントラストが分布した部分である道路70の境界白線75を白線候補として検出する。さらに、本例においては、車両制御部3は、ランプユニット42から出射された光が他車両Vの車体(ボディ)により反射された部分(以下、反射部分V1とする)についても帯状の高コントラスト分布部分であると判定し、当該反射部分V1を白線候補として検出する。
次に、車両制御部3は、検出された白線候補の高さが一定値以下であるか否かを判定する(ステップS5)。白線候補の高さは、車両1に搭載されるLiDAR等のレーダ7から得られる白線候補の高さデータに基づいて算出され得る。また、白線候補の高さは、車両1に搭載されるカメラ6から得られる白線候補の高さ推定情報に基づいて算出されてもよい。車両制御部3は、例えば、白線候補の高さが路面から10cm高い位置以下であるか否かを判定する。
白線候補の高さが一定値以下であると判定された場合には(ステップS5のYes)、車両制御部3は、白線候補を白線と推定する(ステップS6)。本例では、白線候補のうち道路70の外側白線73,74と境界白線75は、その高さが一定値(例えば、路面から10cm高い位置)以下であると判定される。そのため、車両制御部3は、外側白線73,74および境界白線75を、白線であると推定する。
続いて、車両制御部3は、ステップS6で推定された白線に基づいて、車両1の車線逸脱を警報するための処理を実行し(ステップS7)、その後、処理を終了する。
一方、ステップS5において、白線候補の高さが一定値よりも高いと判定された場合には(ステップS5のNo)、車両制御部3は、白線候補を白線ではないと推定する(ステップS8)。本例では、他車両V1の反射部分V1は、その高さが一定値(例えば、路面から10cm高い位置)よりも高いと判定される。そのため、車両制御部3は、反射部分V1を白線ではないと推定する。
続いて、車両制御部3は、ステップS8で白線ではないと推定された白線候補に対してランプユニット42から照射される光の照射光度を減少させるための指示信号である減光指示信号を生成し、当該減光指示信号をランプ制御部43へ送信する(ステップS9)。
次に、ランプ制御部43は、車両制御部3から受信した減光指示信号に基づいて、ランプユニット42から出射される光により照射される領域のうち、白線ではないと推定された他車両Vの反射部分V1に対応する領域に照射される光の照射光度を減少させるよう、ランプユニット42を制御する(ステップS10)。例えば、ランプユニット42が複数の発光素子により構成されている場合には、ランプ制御部43は、反射部分V1に対応する領域を照射する発光素子の出射光を減光してもよい。
その後、処理はステップS3へ戻り、車両制御部3は、各発光素子の点灯が制御された状態でカメラ6により車両周辺の情報を取得する。
図4は、ステップS12において各発光素子から発光される光の光量が制御された状態でカメラ6により撮像された画像200を示す。図5の画像200に示されるように、白線ではないと推定された白線候補である他車両Vの反射部分V1にランプユニット42からの光が減光されるいため、画像200では当該反射部分V1が白く映ることはない。そのため、ステップS4以降が繰り返された場合でも、車両1の反射部分V1が白線候補として検出される可能性は低くなる。
以上説明したように、本実施形態に係る車両システム2は、車両1の周囲の道路へ光を照射するランプユニット42と、車両1が走行中の道路を含む車両周辺環境を撮像した撮像画像100を取得するカメラ6(情報取得部の一例)と、撮像画像100から白線候補を検出する候補検出部32と、検出された白線候補の高さが一定値以下の場合に当該白線候補を道路に敷設された白線と推定する白線推定部33と、を備えている。
この構成によれば、道路上の白線を周辺環境(例えば、自車ランプ光による他車ボディの反射部分V1)と確実に区別して、白線の誤検知を防止可能な車両システムを提供することができる。
また、本実施形態に係る車両システム2は、光源を制御するランプ制御部43をさらに備え、ランプ制御部43は、白線候補のうち白線推定部において前記白線と推定されなかった白線候補を照射する光の光度を減少させるようにランプユニット42を制御する。この構成によれば、白線とは推定されなかった白線候補である他車両Vの反射部分V1を照射する光を減光させることで、その後の候補検出部32による白線候補の検出精度を高めることができ、その結果、白線誤検知をより効果的に防止することができる。また、他車両Vの反射部分V1による光の照り返しを抑制することができるため、車両1のドライバのみならず、歩行者や他のドライバなどの交通参加者へ与えるグレアを低減することができる。
(第二動作例)
次に、車両システム2の白線推定処理の第二動作例について図5を参照して説明する。
図5に示すように、第二動作例におけるステップS1〜ステップS4は、図3の第一動作例におけるステップS1〜ステップS4と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS4に続いて、車両制御部3は、車両1と白線候補との相対位置関係に連続性があるか否かを判定する(ステップS15)。白線候補と車両1との相対位置関係の連続性は、例えば、時間的な連続性、すなわち、車両1と白線候補との間の距離が時間的に連続しているか否かに基づいて判定されうる。具体的には、車両制御部3は、例えば、車両1と白線候補との間の距離が所定の時間以上連続して一定範囲内である場合には、相対位置関係に連続性があると判定する。一方、車両1と白線候補との間の距離が所定の時間以上連続して一定範囲内にない場合には、相対位置関係に連続性がないと判定する。
ステップS15において、車両1と白線候補との相対位置関係に連続性があると判定された場合には(ステップS15のYes)、車両制御部3は、第一動作例と同様に、白線候補を白線と推定する(ステップS6)。
続いて、車両制御部3は、推定された白線に基づいて、車両1の車線逸脱を警報するための処理を実行し(ステップS7)、その後、処理を終了する。
一方、ステップS15において、車両1と白線候補との相対位置関係に連続性がないと判定された場合には(ステップS15のNo)、車両制御部3は、第一動作例と同様に、当該白線候補を白線ではないと推定する(ステップS8)。
その後の処理(ステップS9以降の処理)は、第一動作例と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上説明したように、第二実施形態に係る車両システム2においては、車両制御部3は、車両1と白線候補との相対位置関係の時間的な連続性がある場合に、当該白線候補を白線と推定する。道路70の外側白線73,74や境界白線75が白線候補として検出された場合には、車両1と各白線73〜75との間の相対位置関係は時間的に変化する可能性が低い。一方、他車両Vの反射部分V1が白線候補として検出された場合には、車両1と他車両Vとの走行速度の違い等により、車両1と他車両Vとの間の相対位置関係は時間的に変化する可能性が高い。そのため、車両1と白線候補との相対位置関係の連続性に基づいて白線の推定を行うことで、第一動作例と同様に、道路上の白線を周辺環境と確実に区別して、白線の誤検知を防止することができる。
(第三動作例)
次に、車両システム2の白線推定処理の第三動作例について図7を参照して説明する。
図7に示すように、第三動作例におけるステップS1〜ステップS4は、図3の第一動作例におけるステップS1〜ステップS4と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS4に続いて、車両制御部3は、白線候補で反射された光の反射率が一定値以下であるか否かを判定する(ステップS25)。
白線候補の反射光の反射率が一定値以下であると判定された場合には(ステップS25のYes)、車両制御部3は、第一動作例と同様に、白線候補を白線と推定する(ステップS6)。続いて、車両制御部3は、推定された白線に基づいて、車両1の車線逸脱を警報するための処理を実行する(ステップS7)。
一方、ステップS25において、白線候補の反射光の反射率が一定値よりも高いと判定された場合には(ステップS25のNo)、車両制御部3は、第一動作例と同様に、当該白線候補を白線ではないと推定する(ステップS8)。
その後の処理(ステップS9以降の処理)は、第一動作例と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上説明したように、第三動作例に係る車両システム2においては、車両制御部3は、白線候補によって反射された光の反射率が一定値以下であると判定された場合に、当該白線候補を白線と推定する。道路70の外側白線73,74や境界白線75と車両ボディとの材質の違いにより、白線73〜75によって反射された光の反射率は、車両ボディ(例えば、他車両Vの反射部分V1)によって反射された光の反射率よりも低い場合が多い。そのため、白線候補によって反射された光の反射率に基づいて白線の推定を行うことで、第一動作例と同様に、道路上の白線を周辺環境と確実に区別して、白線の誤検知を防止することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
上記実施の形態では、ランプユニット42を点灯させた状態での画像100内の各領域について各画素の輝度値を測定し、輝度値の変化点である立ち上がりエッジの点と立ち下がりエッジの点との間を白線候補として検出しているが、この例に限られない。
例えば、ランプ制御部43は、ランプユニット42を短時間で点滅(点消灯)させて、ランプユニット42を点灯させたときの撮像画像とランプユニット42を消灯させたときの撮像画像とを比較することで白線候補を検出してもよい。具体的には、ランプ制御部43は、ランプユニット42を目視では点滅が判別できない周波数(例えば、100Hz以上の周波数)で点滅させる。このとき、車両制御部3は、候補検出部32において、ランプユニット42が点灯されたときの撮像画像における各領域の画素値と、ランプユニット42が消灯されたときの撮像画像における各領域の画素値とを比較する。そして、車両制御部3は、比較した画素値の差(コントラスト)が所定の閾値以上である領域を白線候補として検出する。このように、点灯時と消灯時のコントラストが大きい領域を白線候補として検出することも可能である。
なお、LED光源を備えたランプユニット42では、PWM(Pulse Width Modulation)制御と呼ばれるパルス幅変調方式により、ランプユニット42のLED光源を発光制御させる場合がある。この場合、ランプユニット42は、点灯時に常に所定の周波数以上での点消灯を繰り返すことが可能である。
上記実施の形態では、ヘッドランプ4のランプユニット42の点灯状態における撮像画像100に基づいて白線候補の検出や白線の推定を行っているが、この例に限られない。例えば、ヘッドランプ4のランプユニット42以外の可視光源を点灯させて車両1の前方を撮像してもよい。また、ヘッドランプ4以外のランプとして、例えば、車両1に後部に搭載されるリアコンビネーションランプ等の光源を点灯させて、車両1の後方の白線候補を検出するようにしてもよい。さらに、可視光源の代わりに、レーダ7として車両1に搭載されているLiDAR等により白線候補を検出し、当該検出された白線候補の高さや車両1との相対位置関係の連続性といった条件に基づいて当該白線候補が白線であるか否かを推定してもよい。
1:車両、2:車両システム、3:車両制御部、32:候補検出部、33:白線推定部、4:ヘッドランプ、42:ランプユニット(光源の一例)、43:ランプ制御部、5:センサ、6:カメラ(情報取得部の一例)、7:レーダ、8:HMI、9:GPS、10:無線通信部、11:地図情報記憶部、70:道路、71:左車線、72:右車線、73,74:外側白線、75:境界白線、100,200:撮像画像、V:他車両、V1:他車両の反射部分

Claims (5)

  1. 車両の周囲へ光を照射する光源と、
    前記車両が走行中の道路を含む車両周辺環境の情報を取得する情報取得部と、
    前記情報から白線候補を検出する候補検出部と、
    前記検出された白線候補が所定条件を満たした場合に当該白線候補を前記道路上に敷設された白線と推定する白線推定部と、
    を備えた車両システムであって、
    前記所定条件は、前記白線候補の高さが一定値以下の場合を含む、車両システム。
  2. 車両の周囲へ光を照射する光源と、
    前記車両が走行中の道路を含む車両周辺環境の情報を取得する情報取得部と、
    前記情報から白線候補を検出する候補検出部と、
    前記検出された白線候補が所定条件を満たした場合に当該白線候補を前記道路上に敷設された白線と推定する白線推定部と、
    を備えた車両システムであって、
    前記所定条件は、前記車両と前記白線候補との相対位置関係の時間的な連続性があると判定された場合を含む、車両システム。
  3. 車両の周囲へ光を照射する光源と、
    前記車両が走行中の道路を含む車両周辺環境の情報を取得する情報取得部と、
    前記情報から白線候補を検出する候補検出部と、
    前記検出された白線候補が所定条件を満たした場合に当該白線候補を前記道路上に敷設された白線と推定する白線推定部と、
    を備えた車両システムであって、
    前記所定条件は、前記白線候補の前記光の反射率が一定値以下の場合を含む、車両システム。
  4. 前記光源を制御する光源制御部をさらに備え、
    前記光源制御部は、前記白線候補のうち前記白線推定部において前記白線と推定されなかった白線候補を照射する光の光度を減少させるように前記光源を制御する、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両システム。
  5. 前記光源は、所定の周波数で点消灯されるように構成され、
    前記候補検出部は、前記光源の点灯時と消灯時とのコントラストが所定の閾値以上の部分を前記白線候補として検出する、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両システム。
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