JP2020144570A - お湯の使用料算出装置、及びお湯の使用料算出システム。 - Google Patents

お湯の使用料算出装置、及びお湯の使用料算出システム。 Download PDF

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武 三木
Takeshi Miki
武 三木
雅博 辻
Masahiro Tsuji
雅博 辻
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Abstract

【課題】使用したお湯を得るのに必要な費用を算出することができる使用料算出装置及び使用料算出システムを提供する。【解決手段】使用料算出システム1は、演算装置10及びデータ出力部20を備えた使用料算出装置、給湯器から給湯対象に接続される給湯路に設けられた温度計測器2及び流量計測器3を備える。演算装置10は、給湯器に導入される原水の温度と、給湯器から導出されるお湯の温度との温度差を推定する温度差推定部11、使用されたお湯の使用量を推定する使用量推定部12、温度差、使用量、及び給湯器で使用されたエネルギーの単価に基づいて、お湯の使用量に応じたエネルギー使用料を算出するエネルギー使用料算出部14、並びに使用量及び水道単価に基づいて、使用したお湯の水道料金を算出する水道料金算出部15を備える。算出されたエネルギー使用料及び水道料金に係るデータはデータ出力部20に出力される。【選択図】図2

Description

本発明は、所定の給湯器を通じて使用したお湯について、当該お湯を得るのに必要な費用に相当する使用料を算出する使用料算出装置、及び使用料算出システムに関する。
近年、高齢化が進み、介護の必要な高齢者が増加している。このため、高齢者が快適に生活することができ、しかも容易に介護を受けることができるように、居住設備や介護設備が充実した特別な集合住宅が提案されている(下記特許文献1参照)。
その一方、上記のような特別な施設は、一般的に、費用の負担が高額となるため、介護設備等が用意された特別な住宅に移り住むのではなく、引き続き現在の住宅に居住しながら、介護を受けることを希望する高齢者も増えてきている。このような要望に応えるため、介護業者は個人宅に居住する要介護者に対して訪問介護を行っており、このような介護サービスの中に、入浴サービスが含まれている。
そして、従来、訪問介護においては、介護に必要な資材を介護業者が用意するのが一般的であり、入浴サービスにおいても、入浴に必要な浴槽及びお湯等は全て介護業者が用意していた。例えば、図8に示すように、介護業者は、まず、給湯器101、浴槽102、給湯ホース103、排水ホース104などの入浴サービスに必要な設備を搬送車100に積み込んで、被介護者の自宅まで出向いていた。
そして、例えば、浴槽102を被介護者の寝室R1に設置した後、給湯ホース103により給湯器101と浴槽102とを接続し、給湯器101から当該給湯ホース103を介して浴槽102にお湯を供給して、被介護者に入浴サービスを提供する。そして、このようにして入浴サービスを提供した後、排水ホース104により浴槽102とお風呂場R2の排水口とを接続し、浴槽102内のお湯を当該排水ホース104を介して前記排水口に排水する。ついで、使用した給湯器101、浴槽102、給湯ホース103及び排水ホース104などの設備を搬送車100に格納して、入浴サービスを終了する。そして、被介護者は、受けた介護サービスに対して、既定のサービス料金を支払う。
特開2004−150129号公報
ところで、近年では、バリアフリーなどの観点から、マンションの等の比較的高層の建物に居住する要介護者が増えてきている。したがって、従来の手法によれば、搬送車100に格納された給湯器101から要介護者が居住する部屋にお湯を供給する際に、供給対象の部屋が2階以上の部屋である場合には、長い給湯ホース103が必要となり、また、給湯器101のお湯をポンプアップして対象の部屋に供給しなければならないなど、過大な設備が必要となるという問題がある。また、対象の部屋が高層階の場合には、地上からお湯を供給するのは現実的ではない。
また、訪問介護サービスによる収益面を考えると、一日当たり、より多くの被介護者にサービスを提供できるのが好ましいが、車載可能な給湯器の湯沸能力はそれほど高くなく、一度サービスを行った後に、次のサービスを提供するための湯量を確保できるまでに相当の時間を要するため、仮令、介護スタッフが対応可能であっても、一日当たりの介護実施件数は、給湯器の湯沸能力によって頭打ちとなっていた。
以上の背景から、入浴サービスに必要な資材であるお湯については、被介護者が所有する給湯器から供給を受けるのが好ましいが、従来の介護サービスの制度では、サービスに必要な資材をサービスの提供側が負担する枠組みの下で、当該サービス料金が体系化されているため、被介護者は使用されるお湯を自身が負担するにも拘らず、介護サービス料には自信が負担したお湯の費用が含まれることとなり、被介護者は、お湯の使用料について二重に支払わなければならないという不都合を生じる。
そこで、被介護者が所有する給湯器からお湯の供給を受ける場合には、使用したお湯を得るのに要した費用を、サービス料から減額するのが合理的であるが、従来、使用したお湯を得るのに要した費用を算出(推定)する手立てが無く、このような対応ができなかった。また、介護の分野のみならず、このような費用を算出することができれば便利である。
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、使用したお湯を得るのに必要な費用を算出することができる、お湯の使用料算出装置、及び使用料算出システムの提供を、その目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、
所定の給湯器を通じて使用したお湯について、該お湯を得るのに必要な費用に相当する使用料を算出する装置であって、
前記給湯器に導入される原水の温度と、前記給湯器から導出されるお湯の温度との温度差を推定する温度差推定部と、
使用されたお湯の使用量を推定する使用量推定部と、
前記温度差推定部により推定された温度差、前記使用量推定部により推定された使用量、及び前記給湯器で使用されたエネルギーの単価に基づいて、お湯の使用量に応じたエネルギー使用料を算出するエネルギー使用料算出部と、
前記使用量推定部により推定された使用量、及び水道単価に基づいて、使用したお湯の水道料金を算出する水道料金算出部と、
少なくとも前記エネルギー使用料算出部により算出されたエネルギー使用料、及び水道料金算出部により算出された水道料金に係るデータを外部に出力するデータ出力部とを備えた、お湯の使用料算出装置に係る。
この装置によれば、所定の給湯器からお湯の供給を受けた場合に、まず、前記温度差推定部により、前記給湯器に導入される原水の温度と、前記給湯器から導出されるお湯の温度との温度差が推定されるとともに、使用量推定部により、使用されたお湯の使用量が推定される。
そして、お湯の使用後に、前記エネルギー使用料算出部により、前記温度差推定部によって推定された温度差、前記使用量推定部によって推定された使用量、及び前記給湯器で使用されたエネルギーの単価に基づいて、お湯の使用量に応じたエネルギー使用料が算出される。
一般的に、給湯器には、湯沸用のエネルギー(熱量)を生じさせるものとして、都市ガス、プロパンガスや灯油などの燃料、或いは電気がエネルギー源として用いられ、それぞれについて、所定の熱量(例えば単位熱量)を生じさせるための単価が分かっている。また、原水とお湯との温度差と、使用したお湯の使用量と、水の比熱とを乗じることによって、使用したお湯について、加温のために用いられた熱量を算出すことができる。したがって、使用したお湯に加えられた熱量、及び対応するエネルギー源の単価から、これらを乗じることによって、使用したお湯に用いられたエネルギー源の費用(エネルギー使用料)を算出することができる。
また、前記水道料金算出部により、前記使用量推定部によって推定された使用量、及び水道単価に基づき、これらを乗じることによって、使用したお湯の水道料金が算出される。
そして、前記エネルギー使用料算出部により算出されたエネルギー使用料、及び水道料金算出部により算出された水道料金に係るデータが、前記データ出力部によって外部に出力される。尚、出力の態様としては、データをディスプレイに表示する態様や、適宜紙媒体に印刷する態様が例示されるが、公知のあらゆる態様のものを適用することができる。
斯くして、本発明に係る装置によれば、使用したお湯について、そのお湯を得るのに必要な費用に相当する使用料を算出することができる。したがって、例えば、訪問介護において、被介護者が所有する給湯器から、介護に必要なお湯の供給を受けた場合に、使用したお湯を得るのに要した費用を、サービス料から減額することが可能となる。このため、マンションの等の比較的高層の建物に居住する被介護者に対しても、当該被介護者が所有する給湯器を用いた介護サービスが可能となり、また、このように被介護者の給湯器を使用することで、介護業者の設備上の負担が軽減される他、入浴サービス等を効率的に実施することができる。
尚、上記装置において、前記給湯器におけるエネルギーの効率を考慮して、前記エネルギー使用料を算出するのが好ましい。このようにすることで、現実に則した正確なエネルギー使用料を算出することができる。
また、本発明は、上述したお湯の使用料算出装置と、
前記給湯器から給湯対象に接続される給湯路に接続され、該給湯路を流通するお湯の温度を検出する温度計測器、及び該給湯路を流通するお湯の流量を計測する流量計測器とを備えた、お湯の使用料算出システムに係り、
前記温度差推定部は、前記温度計測器によって計測されるお湯の温度、及び外部から入力される前記原水の温度に基づいて、前記温度差を推定するように構成され、
前記使用量推定部は、前記流量計測器によって計測されるお湯の流量に基づいて、お湯の使用量を推定するように構成される。
また、本発明は、上述したお湯の使用料算出装置と、
前記給湯器から給湯対象に接続される給湯路に接続され、該給湯路を流通するお湯の温度を検出する温度計測器、及び該給湯路を流通するお湯の流量を計測する流量計測器とを備え、お湯の使用料算出システムに係り、
前記温度差推定部は、前記流量計測器によって検出される流量に基づいて、前記給湯器からの給水開始を認識し、認識された給水開始時に前記温度計測器によって検出される温度を原水の温度と推定するとともに、前記温度計測器によって検出される温度が一定の温度となったとき、該温度を前記お湯の温度と推定して、前記温度差を推定するように構成され、
前記使用量推定部は、前記流量計測器によって計測されるお湯の流量に基づいて、お湯の使用量を推定するように構成される。
これらのシステムによれば、より迅速且つ容易に、使用したお湯に対する使用料を算出することができる。
尚、本発明に係るお湯の使用料算出装置及び使用料算出システムは、上述した訪問介護に好適に使用することができるが、これを適用可能な分野は、訪問介護に限られるものではない。
以上説明したように、本発明に係るお湯の使用料算出装置によれば、使用したお湯について、そのお湯を得るのに必要な費用に相当する使用料を算出することができる。また、本発明に係るシステムによれば、より迅速且つ容易に、使用したお湯に対する使用料を算出することができる。
本発明の一実施形態に係るお湯の使用料算出システムを用いた訪問介護の態様を説明するための説明図である。 本実施形態に係るお湯の使用料算出システムの構成を示したブロック図である。 本実施形態の温度差推定部における処理を示したフローチャートである。 本実施形態の使用量推定部における処理を示したフローチャートである。 本実施形態のエネルギー使用料算出部における処理を示したフローチャートである。 本実施形態の水道料金算出部における処理を示したフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係るお湯の使用料算出システムの構成を示したブロック図である。 従来の訪問介護の態様を説明するための説明図である。
以下、本発明の一実施形態に係る、お湯の使用料算出システムについて、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、本例のお湯の使用料算出システム(以下、「使用料算出システム」という)1は、給湯ホース31に介在するように設けられた温度計測器2及び流量計測器3、これら温度計測器2及び流量計測器3に信号線を介して接続した演算装置10、並びにこの演算装置10に信号線を介して接続された入出力部20から構成される。尚、この演算装置10及び入出力部20からお湯の使用料算出装置が構成される。
前記温度計測器2は、給湯ホース31内を流通する水の温度を所定のサンプリング間隔で計測して、計測した温度データを前記演算装置10に入力する。また、流量計測器3は、給湯ホース31内を流通する水の流量を連続的に計測して、計測した流量データを前記演算装置10に入力する。例えば、流量計測器3は1秒毎にその時の流量に応じた数のパルスを前記演算装置10に入力する。
前記入出力部20は、入出力機能を有するタッチパネル、及び出力機能を有するプリンターから構成され、前記演算装置10に付設される。尚、この入出力部20における出力の態様としては、データをタッチパネルに表示する態様、及びプリンターによって紙媒体に印刷する態様が採られる。
前記演算装置10は、温度差推定部11、使用量推定部12、料金算出部13、及び基礎データ記憶部16から構成され、更に、料金算出部13はエネルギー使用料算出部14及び水道料金算出部15から構成される。そして、演算装置10は、入出力部20から処理開始信号が入力されたとき処理を開始し、入出力部20から処理終了信号が入力されたとき処理を終了する。尚、この演算装置10は、CPU、RAM、ROMなどを含むコンピュータから構成され、前記温度差推定部11、使用量推定部12、料金算出部13(エネルギー使用料算出部14及び水道料金算出部15)は、コンピュータプログラムによってその機能が実現され、後述する処理を実行する。また、基礎データ記憶部16はRAMなどの適宜記憶媒体から構成される。
前記基礎データ記憶部16は、一般的な給湯器において、湯沸用のエネルギー(熱量)を生じさせるものとして使用される都市ガス、プロパンガスや灯油などの燃料、及び電気といった各エネルギー源について、それぞれ単位熱量を生じさせるための単価、及び湯沸効率(熱効率)、水道水の単価、一般的な原水の温度を記憶する機能部であり、これらのデータが入出力部20から入力され、格納される。
例えば、前記各エネルギー源についての単位熱量を生じさせるためのエネルギー単価、及び湯沸効率の一例は以下の通りである。
<都市ガス>
都市ガス13Aの発熱量は46[MJ/m]であり、その料金を150[円/m]とすると、エネルギー単価は3.27[円/MJ]となる。また、この場合の湯沸効率は90[%]とする。
<プロパンガス>
プロパンガスの発熱量は99[MJ/m]であり、その料金を520[円/m]とすると、エネルギー単価は5.25[円/MJ]となる。また、この場合の湯沸効率は[80%]とする。
<灯油>
灯油の発熱量は36.7[MJ/L]であり、その料金を100[円/L]とすると、エネルギー単価は2.72[円/MJ]となる。また、この場合の湯沸効率は80[%]とする。
<電気>
電気による発熱量を3.6[MJ/KWh]とし、その料金を27[円/KWh]とすると、エネルギー単価は7.5[円/MJ]となる。また、この場合の湯沸効率は90[%]とする。
前記温度差推定部11は、図3に示した処理を実行して温度差ΔTを算出し、算出した温度差ΔTを料金算出部13のエネルギー使用料算出部14に送信する。具体的には、まず、前記流量計測器3から出力される流量に関するデータを受信して、給湯ホース31内を水が流れ始めたかどうかを監視する(ステップS1)。
そして、給湯ホース31内を水が流れ始めたことが認識されると、その時に前記温度計測器2によって測定される水の温度を初期温度(原水の温度)Tとして検出するとともに(ステップS2)、引き続き前記温度計測器2によって測定される水の温度を監視して、給湯ホース31内を流れる水の温度が一定になった時、その時の温度を給湯温度Tとして検出し(ステップS3)、その差分をとって温度差ΔT(=T−T)を算出する(ステップS4)。
尚、給湯器(図示せず)から水が供給されて給湯ホース31内を流れ始めるとき、初期の水の温度は外気温に近い温度であり、水道から給湯器に供給される原水の温度と見做される。したがって、水が給湯ホース31内を流れ始めたときの水温を原水の温度Tとして検出する。また、給湯器から供給されて給湯ホース31内を流れる水の温度が上昇して定常状態になると、その時の水の温度は、給湯器から供給される予定された給湯温度と見做される。したがって、給湯ホース31内を流れる水の温度が一定になった時の水温を給湯温度Tとして検出する。
次に、温度差推定部11は、算出した温度差ΔTが15℃以上であるか否かを判定し(ステップS5)、温度差ΔTが15℃以上である場合には、ステップS8に進み、温度差ΔTが15℃を下回る場合には、前記基礎データ記憶部16に格納された一般的な原水の温度を新たな初期温度T’として読出し(ステップS6)、この初期温度T’を用いて温度差ΔT(=T’−T)を再度算出した後(ステップS7)、ステップS8に進む。原水の温度Tと給湯温度Tとの温度差ΔTは、通常15℃以上になると考えられ、15℃を下回る場合には、給湯器から流出する初期の水の温度が原水の温度よりも高いと考えられるからである。
次に、ステップS8において、前記入出力部20から給湯を終了した信号が入力されたかどうかを監視し、給湯を終了した信号が入力されたことが確認されると、算出した温度差ΔTを前記エネルギー使用料算出部14に入力する(ステップS9)。そして、前記入出力部20から処理終了信号が入力されたとき処理を終了する。
前記使用量推定部12は、図4に示した処理を実行してお湯の使用量Vを算出し、算出した使用量Vを料金算出部13のエネルギー使用料算出部14及び水道料金算出部15に送信する。具体的には、前記流量計測器3から出力される流量に関するデータを受信して、給湯ホース31内を水が流れ始めたかどうかを監視する(ステップS10)。
そして、給湯ホース31内を水が流れ始めたことが認識されると、以後、前記流量計測器3から出力される流量に関するデータを積算して総流量を使用量Vとして算出する(ステップS11)。そして、前記入出力部20から給湯を終了した信号が入力されたかどうかを監視し(ステップS12)、給湯を終了した信号が入力されたことが確認されると、算出した使用量Vを前記エネルギー使用料算出部14及び水道料金算出部15に入力する(ステップS13)。そして、前記入出力部20から処理終了信号が入力されたとき処理を終了する。
前記エネルギー使用料算出部14は、図5に示した処理を実行してお湯の使用量Vに応じたエネルギー使用料Cを算出し、算出したエネルギー使用料Cを前記入出力部20を通して外部に出力する処理を行う。具体的には、エネルギー使用料算出部14は、前記入出力部20から給湯を終了した信号が入力されたかどうかを監視し(ステップS15)、給湯を終了した信号が入力されたことが確認されると、前記温度差推定部11から出力された温度差ΔTに係るデータ、及び使用量推定部12から出力された使用量Vに係るデータを入力するとともに(ステップS16)、前記入出力部20から入力される、使用した給湯器のエネルギー源に関する情報を基に、前記基礎データ記憶部16から当該エネルギー源に対応したエネルギー単価Uc及び湯沸効率Eに係るデータを読み出す(ステップS17)。
ついで、エネルギー使用料算出部14は、入力した温度差ΔT、使用量V、エネルギー単価Uc及び湯沸効率Eを基に、供給されたお湯に対するエネルギー使用料Cを算出する。具体的には、まず、使用量V[L]、温度差ΔT[℃]及び水の比熱[J/Kg/K]を基に次式によって、使用したお湯について、原水(温度T)から給湯温度Tまで加温するのに必要な熱量Q[MJ]を算出する。
Q=V×ΔT×比熱
次に、算出された熱量Q[MJ]、及び読み出したエネルギー単価Uc[円/MJ]及び湯沸効率E[%]を用いて、次式によりエネルギー使用料C[円]を算出する(ステップS18)。
=(Q×Uc)/(E/100)
そして、エネルギー使用料算出部14は、算出したエネルギー使用料Cを入出力部20に出力するとともに(ステップS19)、入出力部20から処理終了信号が入力されたとき処理を終了する。
前記水道料金算出部15は、図6に示した処理を実行してお湯の使用量Vに応じた水道料金Cを算出し、算出した水道料金Cを前記入出力部20を通して外部に出力する処理を行う。具体的には、水道料金算出部15は、前記入出力部20から給湯を終了した信号が入力されたかどうかを監視し(ステップS20)、給湯を終了した信号が入力されたことが確認されると、前記使用量推定部12から出力された使用量Vに係るデータを入力するとともに(ステップS21)、前記基礎データ記憶部16から水道単価Ucに係るデータを読み出す(ステップS22)。
ついで、水道料金算出部15は、入力した使用量V及び水道単価Ucを基に、供給されたお湯の水道料金Cを算出する(ステップS23)。具体的には、使用量V[L]、水道単価Uc[円/L]を基に、次式によって水道料金C[円]を算出する。
=V×Uc
そして、水道料金算出部15は、算出した水道料金Cを入出力部20に出力するとともに(ステップS24)、入出力部20から処理終了信号が入力されたとき処理を終了する。
以上の構成を備えた本例の使用料算出システム1は、例えば、訪問介護の入浴サービスにおいて、以下のようにして使用される。
即ち、この使用料算出システム1は、例えば、図1に示すように、被介護者が入浴サービスを受ける現場で使用される。尚、入浴サービスに用いる浴槽30は被介護者の例えば寝室R1に設置され、給湯ホース31の一端がその給湯口に接続され、他端が被介護者の給湯器につながる例えばお風呂の蛇口に接続されている。また、排水ホース32の一端が浴槽30の排水口に接続され、他端がお風呂の排水口に接続されている。
そして、サービス提供者は使用料算出システム1の入出力部20からサービスを開始する信号(即ち、処理開始信号)を入力した後、お風呂の蛇口を開いて給湯ホース31を介して浴槽30にお湯を供給し、必要な量のお湯を浴槽30に供給した後、蛇口を閉じてお湯の供給を停止する。以後、サービス提供者は必要に応じて蛇口を開閉して、必要な量のお湯を浴槽30に供給しながらサービスを提供する。
一方、使用料算出システム1では、入出力部20からサービスを開始する信号(処理開始信号)が入力されると、演算装置10の各部、即ち、温度差推定部11、使用量推定部12、エネルギー使用料算出部14及び水道料金算出部15における処理が開始される。
即ち、前記温度差推定部11において、図3に示した処理が実行されて、給湯温度Tと原水の温度Tとの温度差ΔTが算出され、使用量推定部12において、図4に示した処理が実行され、給湯ホース31を介して浴槽30に供給されたお湯の使用量Vが積算される。
そして、サービス提供者が前記入出力部20から給湯を終了した信号を入力すると、これを受けて、エネルギー使用料算出部14において、図5に示した処理が実行されて、お湯の使用量Vに応じたエネルギー使用料Cが算出され、算出したエネルギー使用料Cが前記入出力部20を通して外部に出力される。また、水道料金算出部15では、図6に示した処理が実行されてお湯の使用量Vに応じた水道料金Cが算出され、算出された水道料金Cが前記入出力部20を通して外部に出力される。
そして、必要なサービスの提供を完了すると、サービス提供者は入出力部20からサービス終了の信号を入力した後、浴槽30内のお湯を排水ホース32を介して排水する。一方、入出力部20からサービス終了の信号が入力されると、前記温度差推定部11、使用量推定部12、エネルギー使用料算出部14及び水道料金算出部15はそれぞれ処理を終了する。
そして、サービス提供者は、規定のサービス料金から、入出力部20に出力されたお湯の使用料を減じた料金を、入浴サービスの料金として、被介護者に請求する。
以上のように、本例の使用料算出システム1によれば、使用したお湯について、そのお湯を得るのに必要な費用に相当する使用料を算出することができる。したがって、上述のような訪問介護において、被介護者が所有する給湯器から、介護に必要なお湯の供給を受けた場合に、使用したお湯を得るのに要した費用を、サービス料から減額するのが可能となる。このため、マンションの等の比較的高層の建物に居住する被介護者に対しても、当該被介護者が所有する給湯器を用いた介護サービスが可能となり、また、このように被介護者の給湯器を使用することで、介護業者の設備上の負担が軽減される他、入浴サービス等を効率的に実施することが可能となる。
また、本例の使用料算出システム1では、給湯器における湯沸効率を考慮して、エネルギー使用料を算出するようにしているので、現実に則した正確なエネルギー使用料を算出することができる。
また、本例の使用料算出システム1によれば、より迅速且つ容易に、使用したお湯に対する使用料を算出することができる。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明が採り得る具体的な態様は、何ら上例のものに限定されるものではない。
例えば、上述した例では、温度計測器2及び流量計測器3と演算装置10とを信号線により接続して、温度計測器2及び流量計測器3によって計測されるデータを当該信号線を介して演算装置10に入力するようにしたが、このような態様に限られるものではなく、温度計測器2及び流量計測器3と演算装置10とを無線によって接続するようにしても良い。このような態様の一例を図7に示す。
図7に示した使用料算出システム1’では、温度計測器2及び流量計測器3、並びにこれらに信号線を介して接続された通信インターフェース4を備えた計測装置5と、温度差推定部11、使用量推定部12、料金算出部13、基礎データ記憶部16、及び通信インターフェース17を備えた演算装置10’とが、通信インターフェース4と通信インターフェース17との無線通信によって接続され、かかる無線通信によって、温度計測器2及び流量計測器3により計測されたデータが温度差推定部11に入力されるとともに、流量計測器3により計測されたデータが使用量推定部12に入力される。尚、通信インターフェース4,17には公知のあらゆる態様のものを適用することができる。
また、上例では、温度差推定部11、使用量推定部12、エネルギー使用料算出部14及び水道料金算出部15を別々の機能部として処理する構成のものを例示したが、これに限られるものではなく、これらの機能部における処理が連続してシーケンシャルに処理されるものであっても良い。
また、上述した例では、使用料算出システム1を訪問介護に用いるようにしたが、本例の使用料算出システム1を適用可能な分野は、訪問介護に限られるものではなく、使用したお湯の使用料を算出する必要がある全ての分野に適用可能である。
1 (お湯の)使用料算出システム
2 温度計測器
3 流量計測器
10 演算装置
11 温度差推定部
12 使用量推定部
13 料金算出部
14 エネルギー使用料算出部
15 水道料金算出部
16 基礎データ記憶部
20 入出力部

Claims (4)

  1. 所定の給湯器を通じて使用したお湯について、該お湯を得るのに必要な費用に相当する使用料を算出する装置であって、
    前記給湯器に導入される原水の温度と、前記給湯器から導出されるお湯の温度との温度差を推定する温度差推定部と、
    使用されたお湯の使用量を推定する使用量推定部と、
    前記温度差推定部により推定された温度差、前記使用量推定部により推定された使用量、及び前記給湯器で使用されたエネルギーの単価に基づいて、お湯の使用量に応じたエネルギー使用料を算出するエネルギー使用料算出部と、
    前記使用量推定部により推定された使用量、及び水道単価に基づいて、使用したお湯の水道料金を算出する水道料金算出部と、
    少なくとも前記エネルギー使用料算出部により算出されたエネルギー使用料、及び水道料金算出部により算出された水道料金に係るデータを外部に出力するデータ出力部とを備えていることを特徴とする、お湯の使用料算出装置。
  2. 前記エネルギー使用料算出部は、更に、前記給湯器におけるエネルギーの効率を考慮して、前記エネルギー使用料を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の、お湯の使用料算出装置。
  3. 請求項1又は2に記載した、お湯の使用料算出装置と、
    前記給湯器から給湯対象に接続される給湯路に接続され、該給湯路を流通するお湯の温度を検出する温度計測器、及び該給湯路を流通するお湯の流量を計測する流量計測器とを備え、
    前記温度差推定部は、前記温度計測器によって計測されるお湯の温度、及び外部から入力される前記原水の温度に基づいて、前記温度差を推定するように構成され、
    前記使用量推定部は、前記流量計測器によって計測されるお湯の流量に基づいて、お湯の使用量を推定するように構成されていることを特徴とする、お湯の使用料算出システム。
  4. 請求項1又は2に記載した、お湯の使用料算出装置と、
    前記給湯器から給湯対象に接続される給湯路に接続され、該給湯路を流通するお湯の温度を検出する温度計測器、及び該給湯路を流通するお湯の流量を計測する流量計測器とを備え、
    前記温度差推定部は、前記流量計測器によって検出される流量に基づいて、前記給湯器からの給水開始を認識し、認識された給水開始時に前記温度計測器によって検出される温度を原水の温度と推定するとともに、前記温度計測器によって検出される温度が一定の温度となったとき、該温度を前記お湯の温度と推定して、前記温度差を推定するように構成され、
    前記使用量推定部は、前記流量計測器によって計測されるお湯の流量に基づいて、お湯の使用量を推定するように構成されていることを特徴とする、お湯の使用料算出システム。
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