JP2020143977A - 加振システム、加振方法、及び、プログラム - Google Patents

加振システム、加振方法、及び、プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2020143977A
JP2020143977A JP2019040175A JP2019040175A JP2020143977A JP 2020143977 A JP2020143977 A JP 2020143977A JP 2019040175 A JP2019040175 A JP 2019040175A JP 2019040175 A JP2019040175 A JP 2019040175A JP 2020143977 A JP2020143977 A JP 2020143977A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gap
rotor blade
sensor
vibration
exciter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019040175A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7089489B2 (ja
Inventor
丈雄 馬場
Takeo Baba
丈雄 馬場
森 一石
Kazuishi Mori
一石 森
奥田 幸人
Yukito Okuda
幸人 奥田
慶一郎 宮島
Keiichiro Miyajima
慶一郎 宮島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd filed Critical Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd
Priority to JP2019040175A priority Critical patent/JP7089489B2/ja
Publication of JP2020143977A publication Critical patent/JP2020143977A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7089489B2 publication Critical patent/JP7089489B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)

Abstract

【課題】回転機械の動翼に対して適切な加振力を付加しながら、加振器の回転翼への接触を未然防止する。【解決手段】回転機械の動翼に加振力を付加しながら、動翼と加振器との間のギャップを検出する。ギャップセンサで検出されたギャップが閾値以下になった場合、加振力を減少又は停止させるように加振器を制御することで、加振器の回転翼への接触を未然防止する。【選択図】図3B

Description

本開示は、回転機械の動翼に対して加振力を付加するための加振システム、当該加振システムを用いた加振方法、及び、当該加振方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
蒸気タービン等の産業用タービンでは、性能試験の一つとして回転振動試験が実施されている。この回転振動試験では、試験に必要な回転数範囲でタービンを回転させつつ、振動モード励振装置により、回転中の動翼を励振(加振)している。このようにして、回転中に励振された動翼の振動を、検出器により検出することにより、動翼の振動特性を得ている(特許文献1参照)。
特開2000−97801号公報
上述した特許文献1では、回転翼(動翼)の周縁に対向する位置で全周にわたって配置した複数の加振器のうち、予め設定した振動モードに対応して選択された加振器を所定のタイミングでONすることで、予め設定した振動モードで動翼が振動するようにしている。これらの加振器は、ヨーク(鉄心)に電磁コイルが巻回された電磁石を含んで構成されており、電磁石に電流を供給することで、電磁的な加振力を回転翼に対して非接触で付加する。
このような加振器によって付加される加振力は、加振器と回転翼との間におけるギャップの二乗に反比例する。そのため、回転翼に付加される加振力が増大すると、ギャップが小さくなり、加振器が回転翼に接触するリスクが大きくなる。
本発明の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、回転機械の動翼に対して適切な加振力を付加しながら、加振器の回転翼への接触を未然防止可能な加振システム、加振方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る加振システムは上記課題を解決するために、
回転機械の動翼に加振力を付加可能に構成される加振器と、
前記動翼と前記加振器との間のギャップを検出するためのギャップセンサと、
前記ギャップセンサで検出された前記ギャップが閾値以下になった場合、前記加振力を減少又は停止させるように前記加振器を制御するコントローラと、
を備える。
上記(1)の構成によれば、回転機械の動翼に加振力が付加されている際に、動翼と加振器との間におけるギャップが検出される。そしてギャップが閾値以下になった場合、加振力を減少させるように、又は、前記加振力を停止させるように加振器を制御することにより、動翼と加振器との接触が未然に防止される。
(2)幾つかの実施形態では上記(1)の構成において、
前記ギャップセンサは、前記加振器から前記動翼に向けて突出する突出部を有するタッチセンサとして構成され、
前記コントローラは、前記タッチセンサの検出値に基づいて前記ギャップを推定する。
上記(2)の構成によれば、ギャップセンサは、動翼との接触によってギャップが閾値以下になったことを検知可能なタッチセンサとして構成される。タッチセンサは、加振器から動翼に向けて突出する突出部を有しており、コントローラは当該突出部の動翼に対する接触状態に基づいてギャップの推定を行う。
(3)幾つかの実施形態では上記(2)の構成において、
前記タッチセンサは、前記突出部の延在方向に交差する方向に沿って前記加振器に対して少なくとも部分的に固定される。
タッチセンサは動翼に接触した際に、動翼から突出部の延在方向に沿った反力を受けるが、この反力によってタッチセンサの位置がずれると検出感度が低下するおそれがある。上記(3)の構成によれば、タッチセンサが突出部の延在方向に交差する方向に沿って少なくとも部分的に固定されることで、このような位置ずれが防止され、良好な感度が得られる。
(4)幾つかの実施形態では上記(2)又は(3)の構成において、
前記タッチセンサは、前記突出部の先端における温度を検出可能な温度センサを含む。
上記(4)の構成によれば、タッチセンサは例えば熱電対のような温度センサを含むことで、動翼に接触した際に生じる摩擦熱による温度変化を検出する。コントローラは、このような温度センサで検出される温度変化を取得することで、動翼と加振器との間にあるギャップを推定できる。
(5)幾つかの実施形態では上記(4)の構成において、
前記コントローラは、前記温度センサで検出された温度の変化率が基準値を超えた場合、又は、前記温度センサが検出不能になった場合、前記ギャップが閾値以下になったと判定する。
上記(5)の構成によれば、温度センサで検出される温度の変化率が基準値を超えた場合、温度センサが動翼と接触することで摩擦熱が生じているとして、ギャップが閾値以下になったと判定する。また温度センサが検出不能になった場合(例えば検出信号がゼロになった場合)は、温度センサが動翼と接触することで損傷した可能性が示唆されているとして、ギャップが閾値以下になったと判定する。
(6)幾つかの実施形態では上記(2)から(5)のいずれか一構成において、
前記加振器には、前記突出部の突出量が互いに異なる複数の前記タッチセンサが設けられる。
上記(6)の構成によれば、突出部の突出量が互いに異なる複数のタッチセンサを用いることで、動翼と加振器との間のギャップの大きさを段階的に判定できる。
(7)幾つかの実施形態では上記(6)の構成において、
前記複数のタッチセンサは、前記突出量が短い順に回転方向上流側からそれぞれ設置される。
上記(7)の構成によれば、ギャップがより小さく接触可能性が大きい状況ほど、回転方向上流側のギャップセンサによって検知できるため、接触可能性が大きな状況をより早期に検知することが可能となる。
(8)幾つかの実施形態では上記(6)又は(7)の構成において、
前記複数のタッチセンサの検出値に基づいて前記ギャップを段階的に評価することにより、前記動翼と前記加振器との間における接触可能性を求める。
上記(8)の構成によれば、互いに異なる突出量を有する複数のタッチセンサの検出をモニタリングすることにより、動翼への接触が検知されたタッチセンサの突出量から、動翼と加振器との間におけるギャップを推定し、接触可能性を求めることができる。
(9)幾つかの実施形態では上記(8)の構成において、
前記接触可能性に基づいて、前記動翼と前記加振器との接触を回避するための対策を実施する。
上記(9)の構成によれば、求められた接触可能性に応じた対策を実施することで、動翼と加振器との接触の未然防止を的確に行うことができる。
(10)幾つかの実施形態では上記(1)から(5)のいずれか一構成において、
前記コントローラは、前記ギャップセンサで検出された前記ギャップが閾値以下になった場合、前記加振力を減少又は停止する。
上記(10)の構成によれば、ギャップが閾値以下になった場合に、加振力を減少又は停止することで(加振力をゼロに設定することで)、加振器が動翼に接触するリスクをより効果的に低減できる。
(11)幾つかの実施形態では上記(10)の構成において、
前記コントローラは、前記加振力を減少又は停止した後、前記ギャップセンサで検出された前記ギャップが前記閾値より大きくなった場合、前記加振力を再開する。
上記(11)の構成によれば、加振力を減少又は停止した後に、ギャップが閾値より大きくなるように回復した場合には、加振力の付加を再開することで元の状態に復旧できる。
(12)幾つかの実施形態では上記(1)から(11)のいずれか一構成において、
前記動翼に関して前記加振力に対する応答データを測定する測定部を更に備え、
前記コントローラは、前記加振力が付加されている期間に前記測定部によって測定された測定結果に基づいて、前記加振力が減少又は停止されている期間における応答データを推定する。
上記(12)の構成によれば、加振器が動翼に接触することを回避するために加振力を減少又は停止させた場合に、加振力が減少又は停止されている期間における応答データを、加振力が付加されている期間における測定結果にもとづいて推定する。これにより、加振力の減少又は停止中に測定ができなかった応答データを、測定のやり直しを伴うことなく、取得できる。その結果、加振器が動翼に接触することを回避しながらも、効率的な試験が可能となる。
(13)幾つかの実施形態では上記(1)の構成において、
前記ギャップセンサは、前記加振器と前記動翼との間における磁界を検出可能な磁気センサを含み、
前記コントローラは、前記磁気センサの検出値に基づいて前記ギャップを推定する。
上記(13)の構成によれば、ギャップセンサは磁気センサ(例えばホール素子等)を含んで構成される。磁気センサは加振器側に設置され、加振器と動翼の間における磁界を検知することで、非接触式でギャップを検知できる。また上述のタッチセンサのような突出部が不要であるため、加振器と動翼の間におけるギャップが小さい場合にも好適に適用できる。
(14)幾つかの実施形態では上記(1)から(13)のいずれか一構成において、
前記ギャップセンサは、前記動翼の先端部に対向するように配置される。
上記(14)の構成によれば、ギャップセンサによって動翼の先端部と加振器との間におけるギャップが検出される。例えば動翼の形状に応じて、回転機械の駆動時に遠心力による変形量が先端部において大きく場合に、当該先端部と加振器との間におけるギャップに基づく加振力の減少又は停止制御を実施することで、動翼と加振器との接触をより的確に防止できる。
(15)幾つかの実施形態では上記(1)から(13)のいずれか一構成において、
前記ギャップセンサは、前記動翼の先端部より内径側の本体部に対向するように配置される。
上記(15)の構成によれば、ギャップセンサによって動翼の本体部と加振器との間におけるギャップが検出される。例えば動翼の形状に応じて、回転機械の駆動時に遠心力による変形量が先端部より内径側の本体部において大きく場合に、当該本体部と加振器との間におけるギャップに基づく加振力の減少又は停止制御を実施することで、動翼と加振器との接触をより的確に防止できる。
(16)本発明の少なくとも一実施形態に係る加振方法は上記課題を解決するために、
回転機械の動翼に対向して配置された加振器によって、回転中の前記動翼に加振力を付加する方法であって、
前記動翼と前記加振器との間のギャップを検出する工程と、
前記ギャップが閾値以下になった場合、前記加振力を減少又は停止させる工程と、
を備える。
上記(16)の方法によれば、回転機械の動翼に加振力が付加されている際に、動翼と加振器との間におけるギャップが検出される。そしてギャップが閾値以下になった場合、加振力を減少又は停止させるように加振器を制御することにより、動翼と加振器との接触が未然に防止される。
(17)本発明の少なくとも一実施形態に係るプログラムは上記課題を解決するために、
回転機械の動翼に対向して配置された加振器による、回転中の前記動翼への加振力の付加に用いられるプログラムであって、
前記動翼と前記加振器との間のギャップを検出する処理と、
前記ギャップが閾値以下になった場合、前記加振力を減少又は停止させる処理と、
をコンピュータに実行させる。
上記(17)のプログラムによれば、回転機械の動翼に加振力が付加されている際に、動翼と加振器との間におけるギャップが検出される。そしてギャップが閾値以下になった場合、加振力を減少又は停止させるように加振器を制御することにより、動翼と加振器との接触が未然に防止される。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、回転機械の動翼に対して適切な加振力を付加しながら、加振器の回転翼への接触を未然防止可能な加振システム、加振方法、及び、プログラムを提供できる。
本発明の少なくとも一実施形態に係る加振システムの全体構成を示す模式図である。 振動モード励振装置の構成を、動翼列側から回転軸の軸方向に沿って見た状態で示す模式図である。 加振器の一つを取付治具の径方向内側から示す側面図である(非接触時)。 加振器の一つを取付治具の径方向内側から示す側面図である(接触時)。 ギャップセンサの動翼列に対する接触前後において、温度検出部で検出される温度変化の一例を示している。 ギャップセンサの動翼列に対する接触前後において、温度検出部で検出される温度変化の他の例を示している。 ギャップセンサのケーシングに対する固定構造を簡略的に示す模式図である。 図5Aの比較例である。 他の実施形態に係る加振器を示す模式図である。 動翼列が8節直径モードで面外方向に振動している状態を示す模式図である。 コントローラの各演算処理機能(演算処理プロセス)を示すブロック図である。 本発明の少なくとも一実施形態に係る加振方法を工程毎に示すフローチャートである。 図9の変形例を示すフローチャートである。 動翼列を加振中に、ギャップセンサで検知される温度変化を示す図である。 加振スイープ時に動翼列に生じる応力のレベル及び位相の理想的な周波数特性を示している。 加振スイープ時に動翼列に生じる応力のレベル及び位相の周波数分布の測定例である。 磁気センサを利用したギャップセンサを用いた加振システムの構成例である。 校正カーブを作成するための事前校正試験を示す模式図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は本発明の少なくとも一実施形態に係る加振システム100の全体構成を示す模式図である。加振システム100は、振動モード励振装置110(図1、図2参照)と、コントローラ200(図8参照)を主要部材として構成されている。
まず図1を参照して、回転振動試験装置50を説明する。この回転振動試験装置50は、本実施形態の加振システム100の振動モード励振装置110が組み込まれて、回転振動試験をするものである。
図1に示すように、タービン40は回転軸41と動翼列42とを有する。動翼列42は、回転軸41に多数枚の動翼42aが放射状に配置されることで形成されている。このタービン40の回転試験振動をする場合には、動翼列42を試験室51内に配置した状態で、回転軸41を回転支持柱52,53により回転自在に支持する。試験室51内には、動翼列42に対面する状態で振動モード励振装置110を近接して配置している。また、タービン40の回転数及び回転方向のゼロ位置を検出する回転検出器60が、回転軸41に近接して配置されている。
ここで図2は、振動モード励振装置110の構成を、動翼列42側から回転軸41の軸方向に沿って見た状態で示す模式図である。図2に示すように、ベッド111上に配置した脚台112により、円環状の支持環113が支持されている。この支持環113の内周側には、円環状の取付治具114が取り付けられている。この例では、8台の加振器115−1〜115−8と8台の受振器116−1〜116−8が取付治具114に取り付けられている。
尚、加振器115−1〜115−8及び受振器116−1〜116−8の設置台数は8台に限定されるものではなく、その設置台数は任意に設定することができる。
図3A及び図3Bは加振器115−1〜115−8の一つを取付治具114の径方向内側から示す側面図である。加振器115−1〜115−8は、動翼列42側に開口部120を有する中空状のケーシング126内に、電磁石128を収容して構成される。ケーシング126は、非磁性体から形成され、例えば、SUSや樹脂から形成される。電磁石128は、略E字型のヨーク(鉄心)128aに対して磁気コイル128bが巻回されて構成される。外部の電源(不図示)から磁気コイル128bに対して電流が供給されると、電磁石128から動翼列42に対して加振力(吸引力)が作用する。
加振器115−1〜115−8には、動翼列42及び加振器115−1〜115−8間のギャップGを検出するためのギャップセンサ130が設けられる。加振器115−1〜115−8によって動翼列42に付加される加振力は、動翼列42及び加振器115−1〜115−8間のギャップGの二乗に反比例する。このようなギャップGは、ギャップセンサ130によって検出されることで監視される。
尚、ギャップセンサ130の動翼列42に対する位置関係は、動翼列42を構成する動翼42aの形状に応じて設定される。例えば、ギャップセンサ130は、動翼42aのうち回転駆動時に作用する遠心力による変形量や、付加される加振力による変形量が最も大きくなる部分に対向するように配置してもよい。またギャップセンサ130は、動翼列42を構成する動翼42aの先端部(チップ)に対向するように配置してもよいし、動翼42aの先端部より内径側の本体部に対向するように配置してもよい。
図3A及び図3Bに示すように、本実施形態では、ギャップセンサ130は加振器115−1〜115−8のケーシング126の外表面に対して、回転軸41(図1を参照)の軸方向に沿って動翼列42に向けて突出する突出部132を有するように取り付けられたタッチセンサとして構成される。ギャップGが十分確保されている場合には、図3Aに示すように、ギャップセンサ130の突出部132は動翼列42に接触しないが、図3Bに示すように、ギャップGが減少した場合には、突出部132が動翼列42に接触する(図3Bの領域Aを参照)。このようにギャップセンサ130では、突出部132の動翼列42に対する接触状態に基づいて、ギャップGを検知する。
本実施形態のギャップセンサ130は、突出部132の先端における温度を検出可能な温度検出部134を含む。温度検出部134は、例えば、熱電対等の温度センサによって構成される。温度検出部134は、図3Bに示すように動翼列42に対して接触すると、回転する動翼列42との間で摩擦熱による温度変化を検出する。
図4A及び図4Bは、ギャップセンサ130の動翼列42に対する接触前後において、温度検出部134で検出される温度変化の一例を示している。ここでは、時刻t0〜t1の間では、運転時間の経過に伴って雰囲気温度が緩やかに増加している(このとき、ギャップセンサ130は動翼列42に接触していない)。そして図4Aの例では、時刻t1において急激な温度変化が現れている。これは、ギャップセンサ130が動翼列42に接触することで摩擦熱が生じ、温度検出部134によって基準値を超える温度変化として検出されていることを示している。尚、図4Aでは時刻t1で急激な温度変化が検出された際に、後述するように、加振力を一時的に減少又は停止させるように制御しているため、温度検出値は一時的に降下し、ピークが生じている。
また図4Bの例では、時刻t1において温度検出値がゼロを示している。これは、ギャップセンサ130が動翼列42に接触した際に、温度検出部134が損傷等によって計測不能な状態に陥ったことを示している。このようにギャップセンサ130では、温度検出部134の検出値をモニタリングすることでギャップGの大きさを推定することができる。
続いて図5Aはギャップセンサ130のケーシング126に対する固定構造を簡略的に示す模式図であり、図5Bは図5Aの比較例である。ギャップセンサ130は、加振器115−1〜115−8のケーシング126の外表面に対して、例えば金属箔からなる固定部材138,140,142によって固定される。本実施形態のギャップセンサ130は線状部材がケーシング126の外表面上で折り曲げられた形状を有しており、具体的には、突出部132と連続するように延在する第1部分135と、第1部分135から略直角に屈曲される第2部分136と、第2部分136から更に略直角に屈曲される第3部分137とを有する。第1部分135、第2部分136及び第3部分137は、ケーシング126の外表面に対して上方側からそれぞれ固定部材138、140、142によって覆われるように固定される。これにより、第1部分135及び第3部分137は突出部132の延在方向に沿って固定される一方で、第2部分136は突出部132の延在方向に交差する方向に沿って固定される。このように、ギャップセンサ130は、突出部132の延在方向に交差する方向に沿って少なくとも部分的に固定されることで、ギャップセンサ130が動翼列42に接触した際に、動翼列42から受ける反力(矢印Bを参照)によって突出部132の延在方向に位置がずれてしまうことを防止できる。
図5Bに示す比較例では、ギャップセンサ130は突出部132の延在方向に沿った直線形状を有しており、2つの固定部材144、146によって突出部132の延在方向のみに沿って固定されている。そのため、ギャップGが減少してギャップセンサ130の先端が動翼列42に接触した場合に、動翼列42から受ける反力(矢印Bを参照)によってギャップセンサ130が回転軸方向に押し込まれてしまい、感度が低下するおそれがある。
これに対して本実施形態を示す図5Aでは、少なくとも第2部分136が突出部132の延在方向に交差する方向に沿って固定されるため、上記反力を受けた場合であってもギャップセンサ130が押し込まれにくく、良好な感度が得られるように構成されている。
図6は他の実施形態に係る加振器115−1〜115−8を示す模式図である。この実施形態では、加振器115−1〜115−8に対して、複数のギャップセンサ130a、130b、130cが設けられる。複数のギャップセンサ130a、130b、130cは、それぞれ突出部132の突出量L1、L2、L3(L1<L2<L3)が互いに異なる。これにより、動翼列42と加振器115−1〜115−8とのギャップGが次第に変化する場合に、各ギャップセンサ130a、130b、130cが動翼列42に接触するタイミングが異なるため、ギャップGの大きさを段階的に判定できる。
また図6では、複数のギャップセンサ130a、130b、130cは、突出部132の突出量が短い順に動翼列42の回転方向上流側からそれぞれ設置される。これにより、ギャップGが閾値を大きく下回った場合(接触可能性が大きくなった場合)ほど、回転方向上流側のギャップセンサ130によって検知できる。そのため、接触可能性が大きな状況がより早期に検知することが可能となる。
尚、ギャップセンサ130として上述のようにタッチセンサを採用することに代えて、例えば、レーザ変異計、渦電流ギャップセンサ、光ファイバ等を採用してもよい。
図2に戻って、受振器116−1〜116−8は、磁性体である動翼42aが高速で通過すると、電磁誘導作用により電圧を発生し、この誘起電圧を検出信号として出力する。尚、本実施形態では加振器115−1〜115−8に対してギャップセンサ130を設けることで、加振器115−1〜115−8と動翼42aとの間におけるギャップGを監視し、その監視結果に基づいた制御を実施する場合について述べるが、受振器116−1〜116−8についても同様のギャップセンサを設けることで、受振器116−1〜116−8と動翼42aとの間におけるギャップGを監視し、その監視結果に基づいて同様の制御を実施するようにしてもよい。
上記構成を有する回転振動試験装置50を用いて回転振動試験をする際には、図示しない回転駆動源により回転軸41に回転力を入力して、タービン40を試験に必要な回転数で回転させる。また予め設定した振動モード(例えば、8節直径モード)で動翼42aが面外方向、すなわち動翼列42における各動翼42aが配列された面とは交差する方向に振動するように、加振器115−1〜115−8により動翼42aに吸引力を与えて加振する。
動翼列42が振動すると、受振器116−1〜116−8からは、そのときの振動状態に応じた検出信号が出力され、コントローラ200は検出信号を基に、動翼42aの振動状態(振動モード等)を検出することができる。尚、図7は、動翼列42が8節直径モードで面外方向に振動している状態を示す模式図である。
このようにして、回転している動翼列42が、予め設定した振動モードで振動しているときに、動翼42aに取り付けた各種センサ(図示省略)により動翼42aの状態を検出して、動翼42aの振動応答を計測し、振動特性(固有振動数、減衰など)を分析している。
次に図8を参照しつつ、コントローラ200の構成及びコントローラ200による制御について説明する。尚、コントローラ200は、ソフトウエア(プログラム)とハードウエア(コンピュータ)とが協働して情報処理を行う情報処理装置であり、図8では、各演算処理機能(演算処理プロセス)をブロック図にして示している。
入力部210から、コントローラ200に、予め設定した振動モード(節直径モード)を示す節直径数N(但し、Nは整数)が入力される。コントローラ200は、節直径数Nで示す振動モード(N節直径モード)で動翼列42が振動するように、通電指令部201−1〜201−8から加振指令信号a1〜a8を出力する。加振指令信号a1〜a8は、波形、出力タイミング、周波数、位相が調整されたものである。
アンプ220−1〜220−8は、加振指令信号a1〜a8に対応した波形、出力タイミング、周波数、位相となっている加振電流A1〜A8を発生して加振器115−1〜115−8に供給する。電流検出センサ221−1〜221−8は、加振電流A1〜A8の波形、出力タイミング、周波数、位相をセンシングしてフィードバック信号f1〜f8を通電指令部201−1〜201−8にフィードバックする。通電指令部201−1〜201−8は、フィードバック信号f1〜f8を受けてフィードバック制御をすることにより、加振指令信号a1〜a8の波形、出力タイミング、周波数、位相をより適切に調整する。
このようにして、波形、出力タイミング、周波数、位相が適切に調整された加振電流A1〜A8が加振器115−1〜115−8に供給されると、加振器115−1〜115−8は、加振電流A1〜A8の波形、出力タイミング、周波数、位相に応じた吸引力を発生して、回転している動翼列42を加振する。
また複数の加振器115−1〜115−8には、ギャップセンサ130−1〜130−8がそれぞれ設けられる。ギャップセンサ130−1〜130−8は、動翼列42との接触状態に応じた検出信号b1〜b8を出力する。検出信号b1〜b8はコントローラ200のうちギャップ判定部204に送られ、動翼列42及び加振器115−1〜115−8の間におけるギャップが判定される。ギャップ判定部204の判定結果は、加振器115−1〜115−8による加振力を制御するための加振力制御部206に送られる。加振力制御部206は、ギャップ判定部204の判定結果に基づいて、加振器115−1〜115−8による加振力を制御する。
受振器116−1〜116−8は、回転している動翼列42の振動に応じた検出信号c1〜c8を出力する。検出信号c1〜c8は、アンプ222−1〜222−8で増幅されてから、コントローラ200の振動モード検出部202に送られる。振動モード検出部202は、検出信号c1〜c8を基に、動翼列42の振動モードを検出する。検出した振動モード波形は、表示部203に表示される。
尚、回転検出器60で検出されたタービン40の回転数及び回転方向のゼロ位置もまた、コントローラ200にフィードバックされることにより、タービン40の回転状態の制御が実施されている。
また測定部208では、予め設定した振動モードに対応する加振力が付加された動翼列42に関して、応答データの測定を行う。このような応答データは、動翼42aに取り付けた各種センサ(図示省略)により動翼42aの状態を検出することにより測定される。測定部208の測定結果は、分析部209で分析されることで、動翼列42の振動特性(固有振動数、減衰など)が求められる。
尚、図8では図3〜図5で示したように、加振器115−1〜115−8の各々にそれぞれギャップセンサ130が一つずつ設けられた場合を示しているが、図6に示すように加振器115−1〜115−8の各々にそれぞれ複数のギャップセンサ130a、130b、130cが設けられた場合には、各ギャップセンサ130a、130b、130cに対応する検出信号が同様に処理される。
続いて上記構成を有する回転振動試験装置50を用いて実施される加振方法について説明する。図9は本発明の少なくとも一実施形態に係る加振方法を工程毎に示すフローチャートである。尚、ここでは加振方法の適用例の一つとして、加振力を付加しながら応答データを測定する加振試験を実施する場合について例示するが、本加振方法は、例えば、タービンの定常運転中に加振力を付加する場合等、他のケースにも適用可能である。
加振方法では、まず駆動源(不図示)により回転軸41に回転力を入力し、試験に必要な回転数で動翼列42を回転させる(ステップS100)。続いて、所定の回転数で回転状態にある動翼列42に対して、加振器115−1〜115−8により加振力を付加する(ステップS101)。加振器115−1〜115−8による加振力は、上述したようにコントローラ200に節直径数N(但し、Nは整数)を入力することで、予め設定した振動モード(節直径モード)が実現するように制御される。これにより、予め設定した振動モード(例えば、8節直径モード)で動翼42aが面外方向、すなわち動翼列42における各動翼42aが配列された面とは交差する方向に振動するように加振される。
本実施形態では、例えば、加振器115−1〜115−8の電磁コイル128bに対する供給電流量を変化させることで、加振力が時間的に可変するように制御される。このようにギャップGは加振力に伴って時間的に変化するが、後述するようにギャップセンサ130によってギャップGが監視されることで、加振器115−1〜115−8が動翼列42に接触することが未然防止可能に構成されている。
尚、本実施形態では動翼列42を一定回転数で回転させた際に、加振力を変化させた場合のギャップGを監視する場合を例示しているが、加振力を一定に付加しながら、動翼列42の回転数を可変制御した場合のギャップGを監視する場合も同様である。
動翼列42が予め設定した振動モードで加振されると、測定部208は、動翼42aに取り付けた各種センサ(図示省略)により動翼42aの状態を検出して、動翼42aの振動応答を測定する(ステップS102)。それと同時に、ギャップ判定部204は、ギャップセンサ130−1〜130−8の検知信号b1〜b8を取得し(ステップS103)、動翼列42と加振器115−1〜115−8との間におけるギャップGが閾値以下であるか否かを判定する(ステップS104)。判定基準となる閾値は、どの程度、ギャップGが減少した際に、動翼列42に対する加振器115−1〜115−8の接触を回避する必要になるかに基づいて設定される。例えば、実際に動翼列42に損傷が生じるリスクが高くなるギャップ値よりも大きくなるように閾値を設定することで、接触の未然回避が可能となる。
加振中にギャップGが閾値以下になったことが判定された場合(ステップS104:YES)、加振力制御部206は、動翼列42に付加される加振力を減少又は停止させるように、加振器115−1〜115−8を制御する(ステップS105)。加振力の減少又は停止制御は、例えば、加振器115−1〜115−8の電磁コイル128bに対する供給電流量を減少又は停止させること、或いは、動翼列42の回転数を減少又は停止させることにより行われる。これにより、動翼列42と加振器115−1〜115−8との接触が未然防止される。またステップS105で加振力を減少又は停止させると、試験に必要な加振力が動翼列42に付加されなくなるため、測定部208による測定もまた停止される(ステップS106)。
続いてギャップ判定部204は、ギャップセンサ130−1〜130−8の検知信号b1〜b8を再び取得することで(ステップS107)、ギャップGが閾値より大きくなったか否かを判定する(ステップS108)。つまり、ステップS105で加振力を減少又は停止させた結果、ギャップGが閾値まで回復したか否かが判定される。
そしてギャップGが閾値より大きくなった場合(ステップS108)、加振力の付加を再開し(ステップS109)、測定部208による測定を再開する(ステップS110)。つまり、ギャップGが閾値以下になった場合には、接触を未然防止するために一旦加振力を減少させるが、その後、ギャップGが十分回復した場合には、加振力の付加及び測定が再開され、元の状態に復旧する。
その後、コントローラ200は試験内容が完了したか否かを判定し(ステップS111)、全ての試験内容が完了した場合には(ステップS111:YES)、一連の試験を終了する。一方、試験内容が完了していない場合には(ステップS111:NO)、処理をステップS103に戻すことで、試験内容が完了するまで上記処理が繰り返される。
尚、図9のフローチャートでは1種類の閾値に基づいてギャップGを評価したが、複数の閾値を用いてギャップGを段階的に評価し、各段階に対応する制御を実施してもよい。図10は図9の変形例を示すフローチャートである。この変形例では、図6に示すように、各加振器115−1〜115−8には、互いに異なる突出量L1,L2,L3を有する3つのギャップセンサ130a、130b、130cが設けられており、時間が経過するに従って、次第に加振力が増加するように制御される状況を前提として説明する。
図10では、まずギャップセンサ130a、130b、130cの各検出値をモニタリングし(ステップS200)、いずれかのギャップセンサで動翼列42との接触が検知されたか否かが判定される(ステップS201)。尚、動翼列42との接触は、図4A及び図4Bを参照して前述したように、各ギャップセンサの温度検出部134で検出された温度変化に基づいて判定される。
いずれかのギャップセンサで動翼列42との接触が検知された場合(ステップS201:YES)、どのギャップセンサで接触が検知されたかが特定される(ステップS202)。そして、ステップS202で特定されたギャップセンサがギャップセンサ130aである場合(ステップS203)、ギャップセンサ130aが有する突出量L1は、他のギャップセンサ130b、130cに比べて小さいため、ギャップGが小さく、接触可能性が「大」であると判断される(ステップS204)。この場合、接触可能性が大きいため迅速な対策が必要であり、例えば、加振力を減少又は停止することに加えて、動翼列42の回転を停止することなどの措置が講じられる(ステップS205)。
続いてステップS202で特定されたギャップセンサがギャップセンサ130bである場合(ステップS206)、ギャップセンサ130bが有する突出量L2は、ギャップセンサ130aより大きく、且つ、ギャップセンサ130bより小さいため、接触可能性が「中」であると判断される(ステップS207)。この場合、例えば、動翼列42に対する加振力を減少又は停止するとともに、実機の確認作業を促される(ステップS208)。
続いてステップS202で特定されたギャップセンサがギャップセンサ130cである場合(ステップS208)、ギャップセンサ130cが有する突出量L3は、他のギャップセンサ130a、130bより大きいため、接触可能性が「小」であると判断される(ステップS209)。この場合、接触可能性が小さいため緊急対応は不要ではあるが、将来的に、より程度が大きい接触が生じる可能性があることが、インジケータやアラームによってユーザに注意喚起される(ステップS210)。
このように図10に示す変形例では、ギャップGの程度を段階的に判定することで、接触可能性を精度よく評価できる。そして、評価された接触可能性に応じた対策や制御を実施することで、動翼列42との接触をより的確に未然防止できる。
ここで上述の加振試験方法を用いた幾つかの試験例について説明する。図11は、動翼列42を加振中に、ギャップセンサ130で検知される温度変化を示す図である。この試験例では、時刻t0〜t1では、運転時間の経過に伴う雰囲気温度の緩やかな上昇によって、ギャップセンサ130の温度検出値が緩やかに変化する様子が示されている。一方で、時刻t1になると時刻t1になるとギャップセンサ130で検知される温度が急激な変化を示している。これは、ギャップセンサ130が動翼列42に接触したことを示唆している。そのため時刻t1では、ギャップセンサ130で検出された温度の変化率が基準値を超えることによってギャップGが閾値以下となったと判定され、動翼列42に付加される加振力を減少又は停止させる。このように加振力が減少又は停止させられると、ギャップセンサ130で検知される温度は減少に転じ、時刻t1〜t2にかけて温度ピークが現れる。そして時刻t2では、ギャップGが閾値より大きく回復したと判定され、動翼列42に対する加振力の付加が再開されるとともに、応答データの測定も再開される。
尚、時刻t3〜t4、及び、時刻t5〜t6では、時刻t1〜t2と同様に、ギャップGが閾値以下になったと判定されることで、動翼列42に対する加振力が減少又は停止制御されており、動翼列42に対する接触の未然回避が行われている。
次の試験例では、動翼列42に付加する加振力の波形周波数を時間とともに変化させる加振スイープを実施した際の測定結果について説明する。図12は、加振スイープ時に動翼列42に生じる応力のレベル及び位相の理想的な周波数特性を示している。応力レベルの周波数特性は、共振周波数fcに対応するピークを有する。加振周波数が共振周波数fcに近づくと、応力レベルが大きくなり、動翼列42の振幅が大きくなる。このとき、動翼列42の振幅が大きくなることにより、加振器115−1〜115−8と動翼列42との間におけるギャップGが狭まることから、ギャップセンサ130で検出されるギャップGが閾値以下になると、上述の加振力の減少又は停止制御が実施され、接触の未然回避が行われる。
図13は、加振スイープ時に動翼列42に生じる応力のレベル及び位相の周波数分布の測定例である。上述したように、加振スイープ時にギャップGが閾値以下になった場合には、加振力が減少又は停止制御されるとともに、応答データの測定も中断される。図13では実測値が黒塗りのシンボルで示されているが、このような測定中断によって一部の周波数領域f1〜f2において実測値が取得されていない。このような場合、図13において白抜きのシンボルで示すように、残りの周波数領域(f1より低周波数側、及び、f2より高周波数側)で取得された実測値に基づいて推定値を算出してもよい。このような応答データの推定は、例えば最小二乗法等のような補間処理によって行うことができる。これにより、加振器115−1〜115−8が動翼列42に接触することを回避するために加振力の付加を中断した場合であっても、測定のやり直し回数を抑えつつ、応答データの効率的な取得が可能となる。
前述の実施形態では、ギャップセンサ130を温度センサを含むタッチセンサとして構成した場合について説明したが、ギャップセンサ130は、加振器115−1〜115−8と動翼列42との間における磁界を検出可能な磁気センサを含んで構成されてもよい。図14は磁気センサを利用したギャップセンサ130を用いた加振システム100の構成例である。
この実施例では、ギャップセンサ130は、例えば磁束密度を検出可能なホール素子のような磁気センサを含んで構成される。ギャップセンサ130は、加振器115−1〜115−8のうち電磁石128と動翼列42との間に設置されることで、電磁石128と動翼列42との間に形成される磁界の磁束密度を検出可能に構成される。図14では、ギャップセンサ130は電磁石128を構成する略E字型のヨーク128a上に設置される。このようなギャップセンサ130は、前述のタッチセンサのようにギャップGの閾値に対応する長さを有する突出部132を設ける必要がないため、加振器115−1〜115−8と動翼列42との間におけるギャップGが小さい場合にも好適に適用できる。
ギャップセンサ130で検出された磁束密度は、事前に作成される校正カーブに基づいて、ギャップGや動翼列42に作用する荷重の推定に利用される。ここで図15は校正カーブを作成するための事前校正試験を示す模式図である。事前校正試験では、実機(図14を参照)に対応する構成として、動翼列42に代えて十分に剛なターゲット150が用いられ、加振器115−1〜115−8とは反対側に荷重計160が設置される。そしてギャップG毎に、電磁石128に供給される電流値A、荷重計で測定される荷重F、ギャップセンサ130で検出される磁束密度Bをそれぞれ取得する。そして当該結果に基づいて、ギャップGと磁束密度Bに関する校正カーブ(B∝1/G)、及び、ギャップGと荷重Fとの校正カーブ(F∝(A/G))が作成される。このように事前校正試験で作成された校正カーブに基づいて、ギャップセンサ130で検出された磁束密度からギャップGや荷重の推定が可能となる。
このように磁束密度Bに基づいて推定されたギャップGは、前述の実施形態と同様に閾値と比較されることで、加振力の減少又は停止制御の実施トリガーとして用いられ、加振器115−1〜115−8と動翼列42との接触が未然防止される。また動翼列42に付加される加振力による荷重を推定することで、実機の動翼列42に対して荷重計を設置することなく動翼列42に印加される荷重を把握できるため、例えば動翼42aの形状や回転による振動によって動翼列42と加振器115−1〜115−8との間におけるギャップGが一定でない場合においても、ギャップGに応じた加振力の設定が可能となる。
尚、ギャップセンサ130としてホール素子の代わりに、サーチコイルで鎖交磁束を計測して、ギャップGを推定するようにしてもよい。
以上説明したように上述の実施形態によれば、回転機械の動翼列42に加振力が付加されている際に、動翼列42と加振器115−1〜115−8との間におけるギャップGが検出される。そしてギャップGが閾値以下になった場合、加振力を減少又は停止させるように加振器115−1〜115−8を制御することにより、動翼列42と加振器115−1〜115−8との接触が未然に防止される。
本発明の少なくとも一実施形態は、回転機械の動翼に対して加振力を付加するための加振システム、当該加振システムを用いた加振方法、及び、当該加振方法をコンピュータに実行させるプログラムに利用可能である。
40 タービン
41 回転軸
42 動翼列
42a 動翼
50 回転振動試験装置
52,53 回転支持柱
60 回転検出器
100 加振システム
110 振動モード励振装置
111 ベッド
112 脚台
113 支持環
114 取付治具
115 加振器
116 受振器
120 開口部
126 ケーシング
128 電磁石
128a ヨーク
128b 磁気コイル
130 ギャップセンサ
132 突出部
134 温度検出部
135 第1部分
136 第2部分
137 第3部分
138,140,142 固定部材
150 ターゲット
160 荷重計
200 コントローラ
201 通電指令部
202 振動モード検出部
203 表示部
204 ギャップ判定部
206 加振力制御部
208 測定部
209 分析部
210 入力部
220,222 アンプ
221 電流検出センサ

Claims (17)

  1. 回転機械の動翼に加振力を付加可能に構成される加振器と、
    前記動翼と前記加振器との間のギャップを検出するためのギャップセンサと、
    前記ギャップセンサで検出された前記ギャップが閾値以下になった場合、前記加振力を減少又は停止させるように前記加振器を制御するコントローラと、
    を備える、加振システム。
  2. 前記ギャップセンサは、前記加振器から前記動翼に向けて突出する突出部を有するタッチセンサとして構成され、
    前記コントローラは、前記タッチセンサの検出値に基づいて前記ギャップを推定する、請求項1に記載の加振システム。
  3. 前記タッチセンサは、前記突出部の延在方向に交差する方向に沿って前記加振器に対して少なくとも部分的に固定される、請求項2に記載の加振システム。
  4. 前記タッチセンサは、前記突出部の先端における温度を検出可能な温度センサを含む、請求項2又は3に記載の加振システム。
  5. 前記コントローラは、前記温度センサで検出された温度の変化率が基準値を超えた場合、又は、前記温度センサが検出不能になった場合、前記ギャップが閾値以下になったと判定する、請求項4に記載の加振システム。
  6. 前記加振器には、前記突出部の突出量が互いに異なる複数の前記タッチセンサが設けられる、請求項2から5のいずれか一項に記載の加振システム。
  7. 前記複数のタッチセンサは、前記突出量が短い順に回転方向上流側からそれぞれ設置される、請求項6に記載の加振システム。
  8. 前記複数のタッチセンサの検出値に基づいて前記ギャップを段階的に評価することにより、前記動翼と前記加振器との間における接触可能性を求める、請求項6又は7に記載の加振システム。
  9. 前記接触可能性に基づいて、前記動翼と前記加振器との接触を回避するための対策を実施する、請求項8に記載の加振システム。
  10. 前記コントローラは、前記ギャップセンサで検出された前記ギャップが閾値以下になった場合、前記加振力を減少又は停止する、請求項1から5のいずれか一項に記載の加振システム。
  11. 前記コントローラは、前記加振力を減少又は停止した後、前記ギャップセンサで検出された前記ギャップが前記閾値より大きくなった場合、前記加振力の付加を再開する、請求項10に記載の加振システム。
  12. 前記動翼に関して前記加振力に対する応答データを測定する測定部を更に備え、
    前記コントローラは、前記加振力が付加されている期間に前記測定部によって測定された測定結果に基づいて、前記加振力が減少又は停止されている期間における応答データを推定する、請求項1から11のいずれか一項に記載の加振システム。
  13. 前記ギャップセンサは、前記加振器と前記動翼との間における磁界を検出可能な磁気センサを含み、
    前記コントローラは、前記磁気センサの検出値に基づいて前記ギャップを推定する、請求項1に記載の加振システム。
  14. 前記ギャップセンサは、前記動翼の先端部に対向するように配置される、請求項1から13のいずれか一項の加振システム。
  15. 前記ギャップセンサは、前記動翼の先端部より内径側の本体部に対向するように配置される、請求項1から13のいずれか一項の加振システム。
  16. 回転機械の動翼に対向して配置された加振器によって、回転中の前記動翼に加振力を付加する方法であって、
    前記動翼と前記加振器との間のギャップを検出する工程と、
    前記ギャップが閾値以下になった場合、前記加振力を減少又は停止させる工程と、
    を備える、加振方法。
  17. 回転機械の動翼に対向して配置された加振器による、回転中の前記動翼への加振力の付加に用いられるプログラムであって、
    前記動翼と前記加振器との間のギャップを検出する処理と、
    前記ギャップが閾値以下になった場合、前記加振力を減少又は停止させる処理と、
    をコンピュータに実行させる、プログラム。
JP2019040175A 2019-03-06 2019-03-06 加振システム、加振方法、及び、プログラム Active JP7089489B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019040175A JP7089489B2 (ja) 2019-03-06 2019-03-06 加振システム、加振方法、及び、プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019040175A JP7089489B2 (ja) 2019-03-06 2019-03-06 加振システム、加振方法、及び、プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020143977A true JP2020143977A (ja) 2020-09-10
JP7089489B2 JP7089489B2 (ja) 2022-06-22

Family

ID=72354007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019040175A Active JP7089489B2 (ja) 2019-03-06 2019-03-06 加振システム、加振方法、及び、プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7089489B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112326164A (zh) * 2020-09-25 2021-02-05 中国航空工业集团公司上海航空测控技术研究所 一种共轴正反转双旋翼振源分离方法
WO2023188552A1 (ja) * 2022-03-31 2023-10-05 株式会社Ihi 進行波加振装置及び進行波加振方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003098031A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 加振装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003098031A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 加振装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112326164A (zh) * 2020-09-25 2021-02-05 中国航空工业集团公司上海航空测控技术研究所 一种共轴正反转双旋翼振源分离方法
WO2023188552A1 (ja) * 2022-03-31 2023-10-05 株式会社Ihi 進行波加振装置及び進行波加振方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7089489B2 (ja) 2022-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3290885B1 (en) Systems and methods for compensating for air gap sensitivity in torque sensors
JP7089489B2 (ja) 加振システム、加振方法、及び、プログラム
JP6283965B2 (ja) 検査装置、検査方法及び非接触式センサ
CN109387796B (zh) 用于磁致伸缩式扭矩传感器的改进的间隙补偿
US8356519B2 (en) Non-contact type transducer for rod member having multi-loop coil
JP2011182639A (ja) 電気機械における磁気素子の振動モニタリング
CN112240809B (zh) 用于磁致伸缩传感器的参考信号补偿
JP2004264291A (ja) モータ用測定装置及び測定方法
JP6860457B2 (ja) 非接触加振システム及び回転機械の振動抑制システム
US10684181B2 (en) Integration of proximity sensors with magnetostrictive torque sensors
JP2012122780A (ja) 回転角検出装置
JP2022529976A (ja) ポンプ内振動の防止方法
JP2007121042A (ja) タイヤ試験機及びタイヤ試験の方法
JP2003098031A (ja) 加振装置
JP2022066141A (ja) 振動構造ジャイロスコープ、振動構造ジャイロスコープの作動方法、およびジャイロスコープの較正方法
JP2021043160A (ja) 硬度変化部検出装置、硬度変化部検出方法及びプログラム
KR102257410B1 (ko) 접촉 진동 검출 장치 및 그것을 구비하는 회전 기계, 그리고, 접촉 진동 검출 방법
JP7174449B2 (ja) レベルスイッチ
US11768087B2 (en) Detection device, rotary machine, and detection method
KR20220159794A (ko) 운전 중인 터빈 블레이드의 능동감시를 위한 비접촉 가진 시스템 및 이를 이용한 터빈 블레이드의 손상 감시 방법
JP3163260U (ja) 異材判定装置
JP2005214762A (ja) 位置検出装置
Saadaoui et al. Estimation of Rotor Velocity and Stator Resistance for PMSM Drive using Back-EMF SMO
JPH05118328A (ja) 磁気軸受装置
JP2006047108A (ja) 振動計測装置及び振動計測装置の周波数特性測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20210524

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20220121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220610

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7089489

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150