JP2020143744A - 密封装置 - Google Patents

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将行 米屋
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Abstract

【課題】スリンガ部材の円板部と内側部材のフランジとの間を通過し、スリンガ部材の円筒部と内側部材の外周面との間に浸入しようとする泥水等を効果的に抑制することができる密封装置を提供する。【解決手段】連続して拡径するフランジ部41を有する内側部材4と、前記内側部材に対して径方向外側に設けられる外側部材2とを備え、前記内側部材及び前記外側部材が相対回転する機械装置に用いられ、前記外側部材と前記内側部材との間を密封し、前記内側部材に嵌合されるスリンガ部材9を備えた密封装置8において、前記スリンガ部材は、前記内側部材の外周面に嵌合される円筒部100と、前記円筒部の軸方向外側の端部100aから径方向外側に延びるとともに前記フランジ部と軸方向に離間するように位置する円板部101とを有するスリンガ10と、前記円板部に固着されるとともに、前記フランジ部に近接又は摺接する複数のアキシャルリップ111,112とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、内側部材及び外側部材が相対回転する機械装置に用いられ、外側部材と内側部材との間を密封する密封装置に関する。
上述のような密封装置が用いられる機械装置としては、例えば、自動車等の車輪支持部の軸受装置として用いられるハブベアリングが知られ、このハブベアリングは、車体に固定される外輪に対して、車輪が取付けられるフランジ付の内輪が軸回転可能に支持されるよう構成される。そして、このように構成された外輪と内輪との軸方向の端部には、軸受空間への泥水、塵埃等の浸入を防止するため、密封装置が装着される。このような密封装置が開示されている文献としては、例えば、下記特許文献1及び特許文献2が挙げられる。
特開2016−089999号公報 特開2017−048809号公報
ところで、このような密封装置は、スリンガの円筒部と、当該円筒部が嵌合される内側部材の外周面との間に泥水等が浸入してしまうと、スリンガの円筒部と内側部材とは、金属同士の嵌め合いであるため、錆等が発生し、密封装置の寿命に影響を与え、長寿命化が図れない。そこで、軸受空間側への泥水等の浸入を抑制することはもちろん、スリンガの円筒部と内側部材の外周面との間への泥水等の浸入も抑制できることが求められる。
上記特許文献1に開示されている密封装置の場合、外側部材に嵌合された芯金のラビリンスリップ44や外側シールリップ43で外部からの泥水等の浸入を抑制している。しかしながら、スリンガの円環部22と内側部材のフランジ部6の側面6aとの間には空間があるため、スリンガの円筒部21と内輪3の外周面3bとの間に泥水等が浸入することを十分に抑制できる構造とはいえない。
また上記特許文献2に開示されている密封装置の場合、スリンガの外径側に単体の弾性リップ21bが設けられているのみであるから、この場合もスリンガの円筒部と内側部材の外周面との間から浸入しようとする泥水等を十分に抑制できる構造とはいえないものであった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、スリンガ部材の円板部と内側部材のフランジとの間を通過し、スリンガ部材の円筒部と内側部材の外周面との間に浸入しようとする泥水等を効果的に抑制することができる密封装置を提供することを目的としている。
本発明に係る密封装置は、連続して拡径するフランジ部を有する内側部材と、前記内側部材に対して径方向外側に設けられる外側部材とを備え、前記内側部材及び前記外側部材が相対回転する機械装置に用いられ、前記外側部材と前記内側部材との間を密封し、前記内側部材に嵌合されるスリンガ部材を備えた密封装置において、前記スリンガ部材は、前記内側部材の外周面に嵌合される円筒部と、前記円筒部の軸方向外側の端部から径方向外側に延びるとともに前記フランジ部と軸方向に離間するように位置する円板部とを有するスリンガと、前記円板部に固着されるとともに、前記フランジ部に近接又は摺接する複数のアキシャルリップとを備えていることを特徴とする。
本発明に係る密封装置は、上述の構成としたことで、フランジ部に近接又は摺接するアキシャルリップが複数設けられているので、スリンガ部材の円板部と内側部材のフランジとの間を通過し、スリンガ部材の円筒部と内側部材の外周面との間に浸入しようとする泥水等を効果的に抑制することができる。
本発明に係る密封装置が適用される機械装置(機械装置)の一例を模式的に示す概略的縦断面図である。 図1のX部の拡大図であって、本発明に係る第1実施形態に係る密封装置を模式的に示す概略的断面図である。 図1のX部の拡大図であって、本発明に係る第2実施形態に係る密封装置を模式的に示す概略的断面図である。 図1のX部の拡大図であって、本発明に係る第3実施形態に係る密封装置を模式的に示す概略的断面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、一部の図には、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
本発明に係る密封装置8は、連続して拡径するフランジ部41を有する内側部材4と、内側部材4に対して径方向外側に設けられる外側部材2とを備える。密封装置8は、内側部材4及び外側部材2が相対回転する機械装置(以下では軸受装置1)に用いられ、外側部材2と内側部材4との間を密封し、内側部材4に嵌合されるスリンガ部材9を備えている。スリンガ部材9は、内側部材4の外周面に嵌合される円筒部100と、円筒部100の軸方向外側の端部100aから径方向外側に延びるとともにフランジ部41と軸方向に離間するように位置する円板部101とを有するスリンガ10と、円板部101に固着されるとともに、フランジ部41に近接又は摺接する複数のアキシャルリップ(以下では第1アキシャルリップ)111,112とを備えている。以下、詳述する。
<第1実施形態>
第1実施形態について、図1、図2を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る密封装置が装着される軸受装置1の一例を示している。図1に示す軸受装置1は、自動車の駆動輪を回転自在に支持するハブベアリングである。軸受装置1は、車体(不図示)に固定される上記外側部材としての外輪2の内径部に2列の転動体(玉)3…を介して、ハブ輪4及び内輪部材5が一体に軸Lの回りに回転自在に支持されている。ハブ輪4は、不図示のドライブシャフトにスプライン嵌合される円筒状のハブ輪本体40と、ハブ輪本体40の車輪側一端部40aに外径側に延びるよう形成されたフランジ部41とを有し、フランジ部41に、不図示の駆動輪(タイヤホイール)がボルト42によって取付けられる。ハブ輪4と内輪部材5とにより上記内側部材となる内輪6が構成される。外輪2と内輪6との間には、転動体3…がリテーナ3aに保持された状態で、外輪2の外輪側軌道輪2aと、ハブ輪4及び内輪部材5の内輪側軌道輪4a,5aとを転動し得るように介装されている。転動体3…の介装部分を含む外輪2と内輪6との間が環状の被密封空間としての軸受空間Sとされ、この軸受空間Sには、転動体3…の転動を円滑にするための潤滑剤(例えば、グリース)が充填される。軸受空間Sの車体側端部と車輪側端部20における外輪2と内輪6との間には密封装置7,8がそれぞれ装着され、これら密封装置7,8が、軸受空間Sを密封する密封装置を構成する。密封装置7,8によって、軸受空間S内への泥水等の浸入が防止され、また、軸受空間S内に充填される潤滑剤(グリース等)の外部漏出が防止される。これら密封装置7,8のうち、車輪側の密封装置8に本実施形態に係る密封装置8Aが適用される。以下において、軸L方向に沿って車輪に向く側(図1において右側)を車輪側、車体に向く側(図1において左側)を車体側と言う。
図2に示す第1実施形態に係る密封装置8Aは、外輪2の車輪側端部20と内輪6のハブ輪本体40との間(図1・X部)に装着される。
密封装置8Aは、スリンガ部材9とシール部材12とを備えている。スリンガ部材9は、スリンガ10と第1シール体11とを備え、シール部材12は、芯体13と第2シール体14とを備えている。
まずは、スリンガ部材9に関し説明する。スリンガ部材9を構成するスリンガ10は、SPCC又はSUS等の鋼板をプレス加工して形成され、図2に示すように、片側の断面が略L字形状の円筒形とされる。スリンガ10は、回転するハブ輪本体40の外周面40bに外嵌される円筒部100と、円筒部100の軸方向外側の端部100aから径方向外側に延びるとともにフランジ部41と軸方向に離間するように位置する円板部101と、円板部101の径方向外側の端部101aから軸方向内側に延びる延出部102とを有している。
第1シール体11は、ゴム等の弾性体からなり、スリンガ10に対して加硫接着されることで一体成型されている。第1シール体11は、スリンガ10に固着されるシール体基部110と、シール体基部110から延出された複数(本実施形態では2つ)の第1アキシャルリップ111,112と、シール部113と、第1ラジアルリップ114とを有している。シール体基部110は、スリンガ10における円板部101の軸方向外側の面101cの全面と延出部102の外径側の面102aの全面とを覆うとともに、延出部102の軸方向内側の端部102bに回り込むようにスリンガ10に固着されている。
第1アキシャルリップ111,112は、軸方向外側に延出し、径方向に略平行なフランジ部41のフランジ面41bに摺接するように形成されている。第1アキシャルリップ111,112のうち、径方向内側の第1アキシャルリップ112は、フランジ部41のフランジ面41bに摺接していない状態(図2の2点鎖線で示す状態)において、第1アキシャルリップ111よりも軸方向長さが小さくなるように形成されている。シール部113は、第1アキシャルリップ111,112よりも径方向内側に位置するようにスリンガ10の円板部101に固着されるとともに、フランジ部41の凹曲面部41aに弾接するように設けられている。
図中、シール部113の2点鎖線部は圧縮前の原形状を示しており、シール部113の原形状は、シール体基部110の径方向内側の端部110aから軸方向外側に突出した形状である。よって、シール体基部110の径方向内側且つ軸方向外側の端部113aがフランジ部41の凹曲面部41aに弾接することでシール部113が圧縮され、図中の実線で示したように、シール部113は凹曲面部41aに沿った形状に変形する。
第1ラジアルリップ114は、第1アキシャルリップ111,112よりも厚みが小さいリップであるとともに、延出部102に固着され外輪2の内周面20aに弾接するように設けられている。具体的には、第1ラジアルリップ114は、延出部102の軸方向内側の端部102bから円板部101の径方向外側の端部101aを覆うように配された覆い部115から外輪2の内周面20aに向けて突出して形成されている。そして第1ラジアルリップ114の先端114aは、外方空間側を指向するように延出され、外輪2の内周面20aに直接弾接している。これにより、外輪2の内周面20aと、スリンガ部材9の覆い部115との間には、外方空間に連通するラビリンスRが構成される。
続いて、密封装置8Aを構成するシール部材12について説明する。シール部材12は、スリンガ部材9よりも軸受空間S側に設けられている。シール部材12は、芯体13と第2シール体14とを備えている。芯体13は、スリンガ10と同様にSPCC又はSUS等の鋼板をプレス加工して形成されたものとしてもよい。芯体13は、スリンガ10の延出部102と径方向に重ならない位置に設けられる。芯体13は、外輪2の内周面20aに嵌合される円筒部130と、円筒部130の軸方向外側の端部130aから径方向内側に延びる円板部131とを備える。円筒部130は、径方向において、スリンガ10の円筒部100及び延出部102に重ならない位置に設けられている。円板部131は、円筒部130の径方向外側の端部130aから軸方向外側の端部131dに下がり傾斜して形成された第1傾斜部131eから径方向内側に延びて形成される。第2シール体14は、第1シール体11と同様にゴム等の弾性材からなり、芯体13に対して加硫接着されることで一体成型されている。
第2シール体14は、シール体基部140から軸方向外側に延出する複数(本実施形態では2つ)の第2アキシャルリップ141,142と、第2アキシャルリップ141,142よりも径方向内側に設けられ径方向内側に延出する第2ラジアルリップ143とを備える。第2アキシャルリップ141,142は、スリンガ10の円板部101の軸方向内側の面101bに摺接する。第2ラジアルリップ143は、スリンガ10の円筒部100の外周面100bに摺接する。第2シール体14は、芯体13の円板部131の軸方向内側の面131aの一部から内周縁部131bを回り込み、円板部131の軸方向外側の面131cの全面を覆うように芯体13に固着されている。また、シール体基部140には、円板部131の第1傾斜部131eの外径面131gと外輪2の内周面20aとによって挟まれる箇所に、外径側に隆起する環状突部144が形成されている。環状突部144は、芯体13が外輪2の内周面20aに内嵌された際、外輪2の内周面20aと芯体13の第1傾斜部131eとの間を密封するように圧縮された状態で介在する。なお、図中、環状突部144の2点鎖線部は圧縮前の原形状を示している。
以上の構成によれば、外方空間側から泥水等の異物が密封装置8A内に浸入したとしても、第1アキシャルリップ111,112が複数設けられていることで、スリンガ10の円板部101とハブ輪4のフランジ部41との間に泥水等が浸入しようとすることを抑制できる。また、第1アキシャルリップ111,112が複数設けられていることで、スリンガ10の円板部101とハブ輪4のフランジ部41との間を通過し、スリンガ10の円筒部100とハブ輪本体40の外周面40bとの間に侵入しようとする泥水等を効果的に抑制することができる。また第1アキシャルリップ111,覆い部115,第1ラジアルリップ114に囲まれた領域に泥水等が浸入した場合は、密封装置8Aの回転により下方位置にあるときに、車輪側端部20を伝って外方空間へ排出される。
また以上のように、シール部113は、第1アキシャルリップ111,112よりも径方向内側に位置するようにスリンガ10の円板部101に固着されるとともに、フランジ部41の凹曲面部41aに弾接するので、より一層、スリンガ10の円筒部100とハブ輪本体40の外周面40bとの間への泥水等の浸入を効果的に抑制することができる。
さらに以上のように、第1ラジアルリップ114が、延出部102に固着され外輪2の内周面20aに弾接するように設けられているので、外輪2の内周面20aと、スリンガ部材9の覆い部115との間から泥水等が浸入することを抑制できる。
また以上のように芯体13は、スリンガ10の延出部102と径方向に重ならない位置に設けられ、第1ラジアルリップ114が、芯体13の円筒部130よりも、軸方向外側において、外輪2の内周面20aに弾接する。また第2アキシャルリップ141,142が、スリンガ10の円板部101に摺接する。したがって、第1ラジアルリップ114によって、芯体13の円筒部130と外輪2の内周面20aとの間に泥水等が浸入することを抑制できるとともに、芯体13の円板部131とスリンガ10の円板部101との間に泥水等が浸入することを抑制できる。
そしてまた以上のように、外輪2の内周面20aと、スリンガ部材9の覆い部115との間には、外方空間に連通するラビリンスRが構成され、第1ラジアルリップ114の先端114aが外方空間側を指向している。よって、第1ラジアルリップ114が外方空間からの泥水等の浸入方向と対向する方向を指向するようになるため、より一層外方空間からの泥水等の浸入を効果的に抑制できる。
さらに以上のようにシール部材12に設けられた環状突部144は、外輪2の内周面20aと芯体13の第1傾斜部131eの外径面131gとの間で圧縮された状態で介在する。したがって、泥水等が外輪2の内周面20aと芯体13の円筒部130との嵌合部位に浸入することをこの環状突部144によって抑制できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る密封装置8Bについて、図3を参照して説明する。なお、第1実施形態と共通する部分には、可能な限り同一の符号を付し、その構成及び作用・効果等の説明は省略する。
図3の密封装置8Bは、芯体13の円筒部130がスリンガ10の延出部102と径方向に重なるように配置されて嵌合されている点で第1実施形態の密封装置8Aと異なる。よって、第2実施形態における芯体13の形状が第1実施形態における芯体13とは異なるとともに、スリンガ10の円板部101と、円板部101に固着されているシール体基部110の部分が径方向内方に若干短くなっている。その他は第1実施形態と同様である。
芯体13は、外輪2の内周面20aに嵌合される円筒部130と、円筒部130の軸方向内側の端部130dから径方向内側に延びる円板部131とを備える。円筒部130は、その軸方向外側の端部130cが、スリンガ10の円板部101の軸方向外側の面101cよりも軸方向内側に位置している。これにより、円筒部130の内周面130bと、スリンガ部材9の覆い部115との間には、外方空間側に連通するラビリンスRが構成される。円板部131は、円筒部130の軸方向内側の端部130dから軸方向内側に傾斜した第1傾斜部131eが形成され、第1傾斜部131eの径方向内側の端部131fから中間部131hまで径方向内側にストレートに形成されている。また円板部131の中間部131hから軸方向外側に傾斜して第2傾斜部131iが形成され、第2傾斜部131iの径方向内側端部131jから内周縁部131bまでは径方向内側にストレートに延びて形成されている。
第2シール体14は、芯体13の円板部131の軸方向外側の面131cの一部から内周縁部131bを回り込み、円板部131の軸方向内側の面131aを覆うように芯体13に固着されている。また、円板部131の第1傾斜部131eの外径面131gには、外径側に隆起する環状突部144が形成されている。環状突部144は、芯体13が外輪2の内周面20aに内嵌された際、外輪2の内周面20aと芯体13の第1傾斜部131eの外径面131gとの間で圧縮された状態で介在する。なお、図中、環状突部144の2点鎖線部は圧縮前の原形状を示している。第2シール体14の第2アキシャルリップ141,142と第2ラジアルリップ143の構成は第1実施形態と同様であり、第2アキシャルリップ141,142はスリンガ10の円板部101の軸方向内側の面101bに摺接し、第2ラジアルリップ143は、スリンガ10の円筒部100の外周面100bに摺接している。
以上の構成によっても、第1実施形態と同様にスリンガ10の円板部101とハブ輪4のフランジ部41との間に泥水等が浸入しようとすることを抑制できる。スリンガ10の円板部101とハブ輪4のフランジ部41との間を通過し、スリンガ10の円筒部100とハブ輪本体40の外周面40bとの間に侵入しようとする泥水等を効果的に抑制することができる。泥水等が外輪2の内周面20aと、スリンガ部材9の覆い部115との間から浸入することを抑制できる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る密封装置8Bについて、図4を参照して説明する。なお、第1実施形態、第2実施形態と共通する部分には、可能な限り同一の符号を付し、その構成及び作用・効果等の説明は省略する。
図4の密封装置8Bは、スリンガ部材9のみで構成され、第1シール体11のシール部113が、第1アキシャルリップ111,112と同様に軸方向外側に延出するリップ形状とされ、フランジ部41の凹曲面部41aに弾接する点で、第1、第2実施形態と相違する。密封装置8Cのスリンガ部材9は、スリンガ10と第1シール体11とを備え、基本的な構成は第1、第2実施形態と同様である。
第1シール体11は、シール体基部110と、シール体基部110から延出された複数の第1アキシャルリップ111,112と、リップ形状のシール部113と、第1ラジアルリップ114と、覆い部115とを有している。第1アキシャルリップ111,112は、軸方向外側に延出し、フランジ部41のフランジ面41bに摺接し、シール部113は、第1アキシャルリップ111,112よりも径方向内側に位置し、軸方向外側に延出し、フランジ部41の凹曲面部41aに摺接するように形成されている。
以上の構成によれば、複数の第1アキシャルリップ111,112がフランジ部41のフランジ面41bに摺接しているので、第1実施形態と同様にスリンガ10の円板部101とハブ輪4のフランジ部41との間に泥水等が浸入しようとすることを抑制できる。仮にスリンガ10の円板部101とハブ輪4のフランジ部41との間を泥水等が浸入したとしても、シール部113がそれ以上の泥水等の浸入を抑制し、泥水等が、スリンガ10の円筒部100とハブ輪本体40の外周面40bとの間に侵入することを抑制できる。また第1実施形態と同様に外輪2の内周面20aとスリンガ部材9の覆い部115との間にラビリンスRが構成され第1ラジアルリップ114の先端114aが外方空間側を指向しているので、外輪2の内周面20aと、スリンガ部材9の覆い部115との間から軸受空間S側へ泥水等が浸入することを抑制できる。
上記各実施形態では、密封装置8が自動車用の軸受ユニットに組み付けられる密封装置に適用される例について述べたが、これに限らず、外側部材と、該外側部材に対して回転する内側部材との間の被シール空間を密封する機械装置に適用可能であり、例えば、ハウジングと回転部材との間に配設されるオイルシールに適用してもよい。またスリンガ部材9、シール部材12の形状・構成も図例のものに限定されない。
また上記実施形態では、第1アキシャルリップ111,112と、第2アキシャルリップ141,142とがそれぞれ2個形成されているが、数はこれに限定されることはない。また、第1アキシャルリップ111,112は、フランジ部41のフランジ面41bに摺接しているが、フランジ部41に近接する態様であってもよい。同様に、第2アキシャルリップ141,142は、スリンガ10の円板部101の軸方向内側の面101bに摺接しているが、スリンガ10の円板部101に近接する態様であってもよい。さらに上記実施形態では、第1シール体11の第1ラジアルリップ114が外輪2の内周面20aもしくは、芯体13の円筒部130に弾接するよう形成されている例を説明しているが、近接するように形成されたものであってもよいし、第1ラジアルリップ114が形成されてなくてもよい。そのような場合であっても、第2アキシャルリップ141,142は、外方空間側からラビリンスRを通過して浸入してきた泥水等が軸受空間Sに浸入しようとすることを抑制する。なお、第1シール体11に第1ラジアルリップ114が形成されていない場合、ラビリンスRの径方向の隙間の幅が小さくなるように、スリンガ部材9が径方向外側に延出させて形成してもよい。そして上記実施形態では、第2ラジアルリップ143は、スリンガ10の円筒部100に摺接しているが、これに限定されず、ハブ輪本体40の外周面40bに直接摺接するようにしてもよい。
上記第2実施形態では、図3に示すように、芯体13の円筒部130の軸方向外側の端部130cは、スリンガ10の円板部101の軸方向外側の面101cよりも軸方向外側に位置し、且つ、車輪側端部20の軸方向外側の面20bよりも軸方向内側に位置するが、これに限定されることはない。
また上記第3実施形態では、第1シール体11のシール部113は、軸方向外側に延出するリップ形状としているが、第1実施形態、第2実施形態のような形状のシール部であってもよく、その他の形状であってもよい。
2 外側部材(外輪)
4 内側部材(ハブ輪)
40 ハブ輪本体
40b 外周面
41 フランジ部
8(8A,8B,8C) 密封装置
9 スリンガ部材
10 スリンガ
100 円筒部
100a 軸方向外側の端部
101 円板部
111,112 (第1)アキシャルリップ

Claims (5)

  1. 連続して拡径するフランジ部を有する内側部材と、前記内側部材に対して径方向外側に設けられる外側部材とを備え、前記内側部材及び前記外側部材が相対回転する機械装置に用いられ、前記外側部材と前記内側部材との間を密封し、前記内側部材に嵌合されるスリンガ部材を備えた密封装置において、
    前記スリンガ部材は、
    前記内側部材の外周面に嵌合される円筒部と、前記円筒部の軸方向外側の端部から径方向外側に延びるとともに前記フランジ部と軸方向に離間するように位置する円板部とを有するスリンガと、
    前記円板部に固着されるとともに、前記フランジ部に近接又は摺接する複数のアキシャルリップとを備えていることを特徴とする密封装置。
  2. 請求項1において、
    前記スリンガ部材には、前記アキシャルリップよりも径方向内側に位置するように前記円板部に固着されるとともに、前記フランジ部の凹曲面部に弾接するシール部が設けられていることを特徴とする密封装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記外側部材の内周面に嵌合される円筒部を有する芯体と、前記芯体に固着されるシール体とを備えたシール部材をさらに備え、
    前記スリンガ部材は、
    前記スリンガの前記円板部の外径側の端部から軸方向内側に延びる延出部と、前記延出部に固着され前記外側部材の内周面又は前記芯体の円筒部に近接又は摺接するラジアルリップとをさらに備えたことを特徴とする密封装置。
  4. 請求項3において、
    前記芯体の前記円筒部は、前記スリンガの前記延出部と径方向に重ならない位置に設けられ、
    前記芯体は、前記芯体の前記円筒部の軸方向外側の端部から径方向内側に延びるとともに、前記スリンガの前記円板部に近接又は摺接する第2アキシャルリップが固着された円板部をさらに備え、
    前記ラジアルリップは、前記外側部材の内周面に近接又は摺接することを特徴とする密封装置。
  5. 請求項3又は請求項4において、
    前記外側部材の内周面又は前記芯体の円筒部と前記スリンガの前記延出部との間には、外方空間に連通するラビリンスが構成されており、
    前記ラジアルリップの先端は、前記外方空間側を指向するように延出していることを特徴とする密封装置。

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