JP2020143618A - ガスタービンエンジンの振動低減装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ガスタービンエンジンの回転軸の振れ回り振動を効果的に低減する。【解決手段】 第1マス19を含む回転軸15と、回転軸15を回転自在に支持する複数の軸受13,14と、軸受13,14を支持する静止体12とを備えるガスタービンエンジンの振動低減装置は、第1マス19のアンバランスにより振れ回り振動が生じる回転軸15上の位置に、その内径が回転軸15の外径よりも大きい環状の第2マス44を接触状態で回転自在に支持したので、偏心して振れ回りする回転軸15に対して第2マス44が逆位相で偏心することで、第1マス19に作用する遠心力を第2マス44に作用する慣性力で相殺して制振効果を発揮させることができる。【選択図】 図3
Description
本発明は、第1マスを含む回転軸と、前記回転軸を回転自在に支持する複数の軸受と、前記軸受を支持する静止体とを備えるガスタービンエンジンの振動低減装置に関する。
ガスタービンエンジンの回転軸の振れ回り振動を抑制するために、その回転軸を支持する軸受にスクイズフィルムダンパを設けるものが、下記特許文献1により公知である。
スクイズフィルムダンパは、有効な振動減衰効果が得られるスクイズフィルムの油膜厚さに制約があり、大きな振動負荷の入力により回転軸が径方向に移動してスクイズフィルムの油膜厚さが過小になると、その油膜が剛体化して有効な振動減衰効果が得られなくなる問題がある。また油膜の剛体化を防止するためにスクイズフィルムの油膜厚さを予め大きく設定すると、有効な振動減衰効果が得られないだけでなく、振動により回転軸が振れ回りし易くなる問題がある。
そこで、特許文献1に記載されたものは、軸受メタルと軸受ケーシングとの間に一対の環状の同心化ばねを配置し、同心化ばねで軸受メタルと軸受ケーシングとの間に形成されるスクイズフィルムの油膜厚さを一定に保持することで、スクイズフィルムの油膜厚さが過小になるのを防止している。
しかしながら、ガスタービンエンジンのフロントファンのファンブレードが折損して回転軸に大きな振れ回り振動が発生したような場合、従来のスクイズフィルムダンパでは充分な制振効果を得られないという問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ガスタービンエンジンの回転軸の振れ回り振動を効果的に低減することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、第1マスを含む回転軸と、前記回転軸を回転自在に支持する複数の軸受と、前記軸受を支持する静止体とを備えるガスタービンエンジンの振動低減装置であって、前記第1マスのアンバランスにより振れ回り振動が生じる前記回転軸上の位置に、その内径が前記回転軸の外径よりも大きい環状の第2マスを接触状態で回転自在に支持したことを特徴とするガスタービンエンジンの振動低減装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記回転軸の振れ回り振動が所定値未満のときに前記第2マスは前記回転軸に対して被接触の状態で前記静止体に支持されており、前記回転軸の振れ回り振動が所定値以上になると前記第2マスは前記回転軸に接触して回転することを特徴とするガスタービンエンジンの振動低減装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記第2マスは前記回転軸の振れ回り振動が所定値以上になったときに破断する破断部を介して前記静止体に支持されていることを特徴とするガスタービンエンジンの振動低減装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記軸受の少なくとも一つは前記静止体に破断可能なフューズ部を介して支持されており、前記第2マスは前記少なくとも一つの軸受の近傍で前記静止体に低摩擦状態で支持されていることを特徴とするガスタービンエンジンの振動低減装置が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記第2マスの軸方向移動を規制するガイド部を前記回転軸上に設けたことを特徴とするガスタービンエンジンの振動低減装置が提案される。
また請求項6に記載された発明によれば、請求項1〜請求項5の何れか1項の構成に加えて、前記第1マスの質量をmとし、前記第2マスの質量をMとし、前記回転軸の軸振幅をaとし、前記回転軸の外径および前記第2マスの内径の差をCLとし、前記第1マスの支持バネ係数をkとし、前記回転軸の振れ回り角速度をΩとし、前記回転軸の中心から前記第1マスの重心までの距離をeとしたとき、
前記回転軸の振れ回り角速度Ωが前記回転軸の振れ回り共振回転数Ω0 よりも小さい場合には、径方向荷重の釣り合い式
maΩ2 +meΩ2 −ka=M(a−CL)Ω2
において、前記回転軸の軸振幅aが最小となるように前記第2マスの質量Mを設定し、
前記回転軸の振れ回り角速度Ωが前記回転軸の振れ回り共振回転数Ω0 よりも大きい場合には、径方向荷重の釣り合い式
maΩ2 −meΩ2 −ka=M(a−CL)Ω2
において、前記回転軸の軸振幅aが最小となるように前記第2マスの質量Mを設定したことを特徴とするガスタービンエンジンの振動低減装置が提案される。
前記回転軸の振れ回り角速度Ωが前記回転軸の振れ回り共振回転数Ω0 よりも小さい場合には、径方向荷重の釣り合い式
maΩ2 +meΩ2 −ka=M(a−CL)Ω2
において、前記回転軸の軸振幅aが最小となるように前記第2マスの質量Mを設定し、
前記回転軸の振れ回り角速度Ωが前記回転軸の振れ回り共振回転数Ω0 よりも大きい場合には、径方向荷重の釣り合い式
maΩ2 −meΩ2 −ka=M(a−CL)Ω2
において、前記回転軸の軸振幅aが最小となるように前記第2マスの質量Mを設定したことを特徴とするガスタービンエンジンの振動低減装置が提案される。
また請求項7に記載された発明によれば、請求項1〜請求項6の何れか1項の構成に加えて、前記第1マスはフロントファンであり、前記フロントファンを支持するファンディスクの軸部に前記第2マスを支持したことを特徴とするガスタービンエンジンの振動低減装置が提案される。
また請求項8に記載された発明によれば、請求項1〜請求項6の何れか1項の構成に加えて、前記第1マスはフロントファンであり、前記フロントファンと一体に回転するノーズコーンの軸部に前記第2マスを支持したことを特徴とするガスタービンエンジンの振動低減装置が提案される。
なお、実施の形態の前部第1ベアリング13および後部第1ベアリング14は本発明の軸受に対応し、実施の形態の段部15bおよびクリップ45は本発明のガイド部に対応 する。
請求項1の構成によれば、第1マスを含む回転軸と、回転軸を回転自在に支持する複数の軸受と、軸受を支持する静止体とを備えるガスタービンエンジンの振動低減装置は、第1マスのアンバランスにより振れ回り振動が生じる回転軸上の位置に、その内径が回転軸の外径よりも大きい環状の第2マスを接触状態で回転自在に支持したので、偏心して振れ回りする回転軸に対して第2マスが逆位相で偏心することで、第1マスに作用する遠心力を第2マスに作用する慣性力で相殺して制振効果を発揮させることができる。
また請求項2の構成によれば、回転軸の振れ回り振動が所定値未満のときに第2マスは回転軸に対して被接触の状態で静止体に支持されており、回転軸の振れ回り振動が所定値以上になると第2マスは回転軸に接触して回転するので、振動が増加して制振が必要になったときに自動的に第2マスを作動させて制振効果を発揮させることができる。
また請求項3の構成によれば、第2マスは回転軸の振れ回り振動が所定値以上になったときに破断する破断部を介して静止体に支持されているので、振動が増加して制振が必要になったときに破断部が破断することで第2マスを確実に作動させることができる。
また請求項4の構成によれば、軸受の少なくとも一つは静止体に破断可能なフューズ部を介して支持されており、第2マスは少なくとも一つの軸受の近傍で静止体に低摩擦状態で支持されているので、回転軸の振れ回り振動が発生するとフューズ部が破断して振れ回り振動の振幅幅が更に増加し、第2マスが回転軸に接触して静止体との間の摩擦力に打ち勝って回転を開始することで、第2マスによる制振効果を発揮させることができる。
また請求項5の構成によれば、第2マスの軸方向移動を規制するガイド部を回転軸上に設けたので、回転軸上で第2マスが軸方向に移動するのを防止することができる。
また請求項6の構成によれば、第1マスの質量をmとし、第2マスの質量をMとし、回転軸の軸振幅をaとし、回転軸の外径および第2マスの内径の差をCLとし、第1マスの支持バネ係数をkとし、回転軸の振れ回り角速度をΩとし、回転軸の中心から第1マスの重心までの距離をeとしたとき、
回転軸の振れ回り角速度Ωが回転軸の振れ回り共振回転数Ω0 よりも小さい場合には、径方向荷重の釣り合い式
maΩ2 +meΩ2 −ka=M(a−CL)Ω2
において、回転軸の軸振幅aが最小となるように第2マスの質量Mを設定し、
回転軸の振れ回り角速度Ωが回転軸の振れ回り共振回転数Ω0 よりも大きい場合には、径方向荷重の釣り合い式
maΩ2 −meΩ2 −ka=M(a−CL)Ω2
において、回転軸の軸振幅aが最小となるように第2マスの質量Mを設定したので、第2マスによる制振効果を最大限に発揮させることができる。
回転軸の振れ回り角速度Ωが回転軸の振れ回り共振回転数Ω0 よりも小さい場合には、径方向荷重の釣り合い式
maΩ2 +meΩ2 −ka=M(a−CL)Ω2
において、回転軸の軸振幅aが最小となるように第2マスの質量Mを設定し、
回転軸の振れ回り角速度Ωが回転軸の振れ回り共振回転数Ω0 よりも大きい場合には、径方向荷重の釣り合い式
maΩ2 −meΩ2 −ka=M(a−CL)Ω2
において、回転軸の軸振幅aが最小となるように第2マスの質量Mを設定したので、第2マスによる制振効果を最大限に発揮させることができる。
また請求項7の構成によれば、第1マスはフロントファンであり、フロントファンを支持するファンディスクの軸部に第2マスを支持したので、フロントファンのアンバランスに起因する回転軸の振れ回り振動を第2マスにより低減することができる。
また請求項8の構成によれば、第1マスはフロントファンであり、フロントファンと一体に回転するノーズコーンの軸部に第2マスを支持したので、フロントファンのアンバランスに起因する回転軸の振れ回り振動を第2マスにより低減することができる。
以下、図1〜図8に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、本発明が適用される航空機用のガスタービンエンジンは、アウターケーシング11およびインナーケーシング12を備えており、インナーケーシング12の内部に前部第1ベアリング13および後部第1ベアリング14を介して低圧系シャフト15の前部および後部がそれぞれ回転自在に支持される。低圧系シャフト15の軸方向中間部の外周に筒状の高圧系シャフト16が相対回転自在に嵌合し、高圧系シャフト16の前部が前部第2ベアリング17を介してインナーケーシング12に回転自在に支持されるとともに、高圧系シャフト16の後部が後部第2ベアリング18を介して低圧系シャフト15に相対回転自在に支持される。
低圧系シャフト15の前端には、翼端がアウターケーシング11の内面に臨むフロントファン19が固定されており、フロントファン19が吸入した空気の一部はアウターケーシング11およびインナーケーシング12間に配置されたステータベーン20を通過した後、その一部がアウターケーシング11およびインナーケーシング12間に形成された環状のバイパスダクト21を通過して後方に噴射され、他の一部がインナーケーシング12の内部に配置された軸流式の低圧コンプレッサ22および遠心式の高圧コンプレッサ23に供給される。
低圧コンプレッサ22は、インナーケーシング12の内部に固定されたステータベーン24と、外周にコンプレッサブレードを備えて低圧系シャフト15に固定される低圧コンプレッサホイール25とを備える。高圧コンプレッサ23は、インナーケーシング12の内部に固定されたステータベーン26と、外周にコンプレッサブレードを備えて高圧系シャフト16に固定される高圧コンプレッサホイール27とを備える。
高圧コンプレッサホイール27の外周に接続されたデフューザ28の後方には逆流燃焼室29が配置されており、逆流燃焼室29の内部に燃料噴射ノズル30から燃料が噴射される。逆流燃焼室29の内部で燃料および空気が混合して燃焼し、発生した燃焼ガスが高圧タービン31および低圧タービン32に供給される。
高圧タービン31は、インナーケーシング12の内部に固定されたノズルガイドベーン33と、外周にタービンブレードを備えて高圧系シャフト16に固定される高圧タービンホイール34とを備える。低圧タービン32は、インナーケーシング12の内部に固定されたノズルガイドベーン35と、外周にタービンブレードを備えて低圧系シャフト15に固定される低圧タービンホイール36とを備える。
従って、図示せぬスタータモータで高圧系シャフト16を駆動すると、高圧コンプレッサホイール27が吸い込んだ空気が逆流燃焼室29に供給されて燃料と混合して燃焼し、発生した燃焼ガスが高圧タービンホイール34および低圧タービンホイール36を駆動する。その結果、低圧系シャフト15および高圧系シャフト16が回転してフロントファン19、低圧コンプレッサホイール25および高圧コンプレッサホイール27が空気を圧縮して逆流燃焼室29に供給することで、スタータモータを停止させてもガスタービンエンジンの運転が継続される。
ガスタービンエンジンの運転中に、フロントファン19が吸い込んだ空気の一部はバイパスダクト21を通過して後方に噴射され、特に低速飛行時に主たる推力を発生する。またフロントファン19が吸い込んだ空気の残部は逆流燃焼室29に供給されて燃料と混合して燃焼し、低圧系シャフト15および高圧系シャフト16を駆動した後に後方に噴射されて推力を発生する。
次に、図2(A)に基づいて本発明の実施の形態に係る制振装置の構造を説明する。
低圧系シャフト15の前端にファンディスク41の軸部15aがスプライン結合42されており、ファンディスク41の外周にフロントファン19が放射状に取り付けられる。ファンディスク41の前端には吸入空気を整流するための円錐状のノーズコーン43が設けられる。低圧系シャフト15と同軸であって一体に回転するファンディスク41の軸部15aは低圧系シャフト15の一部を構成するもので、その軸部15aの外周に円環状の制振リング44が回転自在に支持される。制振リング44はフロントファン19の径方向内側に位置しており、低圧系シャフト15に設けられた段部15bとクリップ45とに挟まれて軸方向に位置決めされる。
以下、低圧系シャフト15に固定されて一体に回転するフロントファン19を第1マス19と呼び、制振リング44を第2マス44と呼び、低圧系シャフト15を回転軸15と呼び、回転軸15を支持するインナーケーシング12の一部を静止体12と呼ぶ。
図3〜図5は、第2マス44の効果を説明するために本実施の形態の制振装置をモデル化したものであり、回転軸15の振れ回り角速度Ωが回転軸15の共振角速度Ω0 よりも小さいときの状態を示している。ここで、mは第1マス19の質量であり、Mは第2マス44の質量であり、kは撓み変形しながら振れ回りする回転軸15がインナーケーシング12の一部である静止体12に弾性支持されていると見なしたときの支持バネ係数である。
良く知られているように、外力の入力周波数が共振周波数よりも小さいときには、外力の方向と変位の方向とは同位相になる。したがって、回転軸15の振れ回り角速度Ωが回転軸15の共振角速度Ω0 よりも小さいときには、回転軸線Lに対する第1マス19の重心G1の偏心方向と、回転軸線Lに対する回転軸15の中心Oの偏心方向とは同位相になる。
図3において、例えば第1マス19(フロントファン19)の複数枚のファンブレードのうちの1枚が折損したような場合、本来は回転軸15の中心O上に位置する第1マス19の重心G1が、回転軸15の中心Oに対して距離eだけ偏心することになり、重心G1に作用する遠心力で回転軸15が撓みながら振れ回りして振動が発生する。回転軸15の振れ回りにより、回転軸15の中心Oは回転軸15の回転軸線Lに対して距離aだけ変位する。
回転軸15が振れ回りすると、その外周に隙間CL(第2マス44の内周半径と回転軸15の外周半径との差)を有して回転自在に支持した第2マス44が、第1マス19の偏心方向に対して位相が180゜ずれた状態で偏心回転する。このとき、回転軸15の回転軸線Lに対する第2マス44の重心G2の偏心量はa−CLとなり、回転軸15の回転軸線Lに対する第1マス19の重心G1の偏心量はa+eとなる。さらに撓んだ回転軸15を復元させようとして、静止体12から前部第1ベアリング13および後部第1ベアリング14を介して回転軸線Lの変位aに応じたバネ力である軸受反力が回転軸15に作用する。したがって、第1マス19の偏心回転により発生する遠心力と軸受反力とを、第2マス44の偏心回転により発生する慣性力で打ち消すことができれば、回転軸15の振れ回りを抑制して振動を低減することができる。
図4は第2マス44を持たない場合に回転軸15に作用する荷重を示すもので、回転軸線Lに対して重心G1が距離a+eだけ偏心した第1マス19には遠心力であるmaΩ2 +meΩ2 が作用し、これとは逆方向に撓んだ回転軸15を復元させようとするバネ力であるkaが作用する。
図5は、図4に第2マス44を加えた場合に回転軸15に作用する荷重を示すもので、第2マス44の中心(つまり第2マス44の重心G2)は回転軸15の回転軸線Lに対して第1マス19の重心G1の偏心方向と逆方向に距離a−CLだけ偏心するため、第2マス44にはM(a−CL)Ω2 の慣性力が、前記遠心力maΩ2 +meΩ2 と逆方向に作用し、よって径方向荷重の釣り合い式
maΩ2 +meΩ2 −ka=M(a−CL)Ω2
が成立する。この径方向荷重の釣り合い式において、回転軸15の中心Oの振幅幅aが最小になるように第2マス44の質量mを設定すれば、第1マス19のアンバランスにより発生する回転軸15の振れ回りを抑制して制振効果を発揮させることができる。
maΩ2 +meΩ2 −ka=M(a−CL)Ω2
が成立する。この径方向荷重の釣り合い式において、回転軸15の中心Oの振幅幅aが最小になるように第2マス44の質量mを設定すれば、第1マス19のアンバランスにより発生する回転軸15の振れ回りを抑制して制振効果を発揮させることができる。
一方、図6および図7は、回転軸15の振れ回り角速度Ωが回転軸15の共振角速度Ω0 よりも大きいときの状態を示している。良く知られているように、外力の入力周波数が共振周波数よりも大きいときには、外力の方向と変位の方向とは逆位相になる。したがって、回転軸15の振れ回り角速度Ωが回転軸15の共振角速度Ω0 よりも大きい場合には、回転軸線Lに対する第1マス19の重心G1の偏心方向と、回転軸線Lに対する回転軸15の中心Oの偏心方向とは逆位相になる。
図6は第2マス44を持たない場合に回転軸15に作用する荷重を示すもので、回転軸線Lに対して重心G1が距離a−eだけ偏心した第1マス19に作用する遠心力であるmaΩ2 −meΩ2 と、これとは逆方向に撓んだ回転軸15を復元させようとするバネ力であるkaとが作用する。
図7は、図6に第2マス44を加えた場合の、回転軸15に作用する径方向の荷重を示すものである。第2マス44の中心O(つまり第2マス44の重心G2)は回転軸15の回転軸線Lに対して第1マス19の重心G1の偏心方向と逆方向に距離a−CL偏心するため、第2マス44にはM(a−CL)Ω2 の慣性力が遠心力maΩ2 −meΩ2 と逆方向に作用し、よって径方向荷重の釣り合い式
maΩ2 −meΩ2 −ka=M(a−CL)Ω2
が成立する。この径方向荷重の釣り合い式において、回転軸15の中心Oの振幅幅aが最小になるように第2マス44の質量mを設定すれば、第1マス19のアンバランスにより発生する回転軸15の振れ回りを抑制して制振効果を発揮させることができる。
maΩ2 −meΩ2 −ka=M(a−CL)Ω2
が成立する。この径方向荷重の釣り合い式において、回転軸15の中心Oの振幅幅aが最小になるように第2マス44の質量mを設定すれば、第1マス19のアンバランスにより発生する回転軸15の振れ回りを抑制して制振効果を発揮させることができる。
図8は本実施の形態の制振装置の効果を示すもので、一点鎖線は第2マス44を持たない場合の振れ回り振動の大きさを示し、実線は第2マス44を持つ場合の振れ回り振動の大きさを示している。第2マス44を設けたことにより、共振周波数Ω0 を跨ぐ広い周波数領域で振れ回り振動が低減していることがわかる。
第2マス44を設ける位置は上記実施の形態に限定されず、以下に示すように低圧系シャフト15上の種々の位置に第2マス44を設けることができる。
図2(B)に示す実施の形態は、第1マス19であるフロントファン19のノーズコーン43の中心線上に軸部15aが設けられており、この軸部15a上に第2マス44が回転自在に支持されて段部15bおよびクリップ45で軸方向に位置決めされる。
図2(C)に示す実施の形態は、静止体12の本体部12aに脆弱なフューズ部12bを介して分離部12cが形成されており、分離部12cに前部第1ベアリング13で回転軸15が支持されている。分離部12cに隣接する本体部12aに断面コ字状に形成された円環状の保持部材46が固定されており、回転軸15の外周に支持された第2マス44が保持部材46に嵌合して低摩擦状態で保持される。
回転軸15が振れ回りしないとき、あるいは振れ回りの振幅幅が小さいとき、回転軸15の外周面は第2マス44の内周面に当接せず、第2マス44は保持部材46に摩擦力で保持されている。回転軸15が振れ回りして振幅幅が所定値以上になると、静止体12のフューズ部12bが振動により破断して本体部12aから分離部12cを分離させることで、静止体12の本体部12aから回転軸15を切り離してガスタービンエンジンの他の部分への振動の伝達を抑制する。
そして回転軸15の振れ回りの振幅幅の増加により、回転軸15の外周面が第2マス44の内周面に当接し、第2マス44は回転軸15から受ける荷重で保持部材46との間に作用する摩擦力に打ち勝って回転を開始し、回転軸15の振れ回り振動を抑制する制振力を発生する。
図2(D)に示す実施の形態は、静止体12の分離部12cに軸方向に固定した複数本のピン47の先端に設けた小径の破断部47aを、回転軸15の外周に支持した第2マス44に接続したものである。回転軸15が振れ回りしないとき、あるいは振れ回りの振幅幅が小さいとき、回転軸15の外周面は第2マス44の内周面に当接せず、第2マス44はピン47で静止体12に保持されている。回転軸15が振れ回りして振幅幅が所定値以上になると、回転軸15の外周面が第2マス44の内周面に当接し、フューズ部12bが振動により破断して本体部12aから分離部12cが分離する。その結果、回転軸15からの荷重でピン47の破断部47aが破断することで、第2マス44は回転を開始して振れ回り振動を抑制する制振力を発生する。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の第2マス44を設ける場所は実施の形態に限定されず、ガスタービンエンジンの任意の回転軸の任意の場所に設けることができる。
12 静止体
12b フューズ部
13 前部第1ベアリング(軸受)
14 後部第1ベアリング(軸受)
15 回転軸
15a 軸部
15b 段部(ガイド部)
19 第1マス
41 ファンディスク
43 ノーズコーン
44 第2マス
45 クリップ(ガイド部)
47a 破断部
12b フューズ部
13 前部第1ベアリング(軸受)
14 後部第1ベアリング(軸受)
15 回転軸
15a 軸部
15b 段部(ガイド部)
19 第1マス
41 ファンディスク
43 ノーズコーン
44 第2マス
45 クリップ(ガイド部)
47a 破断部
Claims (8)
- 第1マス(19)を含む回転軸(15)と、前記回転軸(15)を回転自在に支持する複数の軸受(13,14)と、前記軸受(13,14)を支持する静止体(12)とを備えるガスタービンエンジンの振動低減装置であって、
前記第1マス(19)のアンバランスにより振れ回り振動が生じる前記回転軸(15)上の位置に、その内径が前記回転軸(15)の外径よりも大きい環状の第2マス(44)を接触状態で回転自在に支持したことを特徴とするガスタービンエンジンの振動低減装置。 - 前記回転軸(15)の振れ回り振動が所定値未満のときに前記第2マス(44)は前記回転軸(15)に対して被接触の状態で前記静止体(12)に支持されており、前記回転軸(15)の振れ回り振動が所定値以上になると前記第2マス(44)は前記回転軸(15)に接触して回転することを特徴とする、請求項1に記載のガスタービンエンジンの振動低減装置。
- 前記第2マス(44)は前記回転軸(15)の振れ回り振動が所定値以上になったときに破断する破断部(47a)を介して前記静止体(12)に支持されていることを特徴とする、請求項2に記載のガスタービンエンジンの振動低減装置。
- 前記軸受(13,14)の少なくとも一つは前記静止体(12)に破断可能なフューズ部(12b)を介して支持されており、前記第2マス(44)は前記少なくとも一つの軸受(13)の近傍で前記静止体(33)に低摩擦状態で支持されていることを特徴とする、請求項2に記載のガスタービンエンジンの振動低減装置。
- 前記第2マス(44)の軸方向移動を規制するガイド部(15b,45)を前記回転軸(15)上に設けたことを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のガスタービンエンジンの振動低減装置。
- 前記第1マス(19)の質量をmとし、前記第2マス(44)の質量をMとし、前記回転軸(15)の軸振幅をaとし、前記回転軸(15)の外径および前記第2マス(44)の内径の差をCLとし、前記第1マス(19)の支持バネ係数をkとし、前記回転軸(15)の振れ回り角速度をΩとし、前記回転軸(15)の中心から前記第1マス(19)の重心までの距離をeとしたとき、
前記回転軸(15)の振れ回り角速度Ωが前記回転軸(15)の振れ回り共振回転数Ω0 よりも小さい場合には、径方向荷重の釣り合い式
maΩ2 +meΩ2 −ka=M(a−CL)Ω2
において、前記回転軸(15)の軸振幅aが最小となるように前記第2マス(44)の質量Mを設定し、
前記回転軸(15)の振れ回り角速度Ωが前記回転軸(15)の振れ回り共振回転数Ω0 よりも大きい場合には、径方向荷重の釣り合い式
maΩ2 −meΩ2 −ka=M(a−CL)Ω2
において、前記回転軸(15)の軸振幅aが最小となるように前記第2マス(44)の質量Mを設定したことを特徴とする、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のガスタービンエンジンの振動低減装置。 - 前記第1マス(19)はフロントファン(19)であり、前記フロントファン(19)を支持するファンディスク(41)の軸部(15a)に前記第2マス(44)を支持したことを特徴とする、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のガスタービンエンジンの振動低減装置。
- 前記第1マス(19)はフロントファン(19)であり、前記フロントファン(19)と一体に回転するノーズコーン(43)の軸部(15a)に前記第2マス(44)を支持したことを特徴とする、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のガスタービンエンジンの振動低減装置。
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