本発明に係る一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、婦人用履物としてのローヒールタイプのパンプス1は、一般的に、使用者の足首周辺を除く爪先部分(以下、「爪先部」とも称する。)から踵部分を全体的に覆うアッパー部2と、インソール部3と、アウトソール部4とを備えている。
アッパー部2は、ビジネスシューズやスポーツシューズなどの目的或いはデザインに応じて革・合皮・布などを適宜積層して使用することができる。
本実施の形態にあっては、アッパー部2は、外層側から順に、甲革等の表皮部2aと、表皮部2aの種類や部位に応じて使用可能な保形用のカウンタ部2bと、裏皮等の裏当布部2cの積層構造からなる。
また、例えば、インソール部3は、下層側から順に、アウトソール部4を接着固定した合成樹脂製等のプレート状のバッカー部3aと、荒く平織に織り込んだ寒冷紗等のテキソンボード部3bと、耐摩擦性を備える中敷部3cとを有する積層構造からなる。
アウトソール部4は、軟質ゴム、発砲ウレタン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)等から、トップ部5及びヒール部6が一体に構成されている。
また、ハードタイプのヒール部は、一般にはABS樹脂製の場合が多く、ソフトタイプのヒール部は、発泡ウレタン製又はエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂製等である。
このような一般的構成のパンプス1において、本実施の形態に係るヒール構造にあっては、ヒール部6の内部に設けられて下端開口部A61a及び上端開口部A61bを備える空隙部A62と、空隙部A62に収納配置された軟質弾性体からなるクッション部A71と、クッション部A71よりも硬い硬質弾性体からなり、下端開口部A61bを閉塞するようにクッション部A71の下端部に設けられ、クッション部A71の下端部に接合されたトップリフト部A72とを備えている。
本実施の形態に係るヒール部6の具体的な構成を、図2に示すヒール部A6として説明する。
図2に示すように、ヒール部A6は、ヒール本体部A61の内部に設けられて下端側から上端側の高さ方向に貫通して、下端開口部A61a及び上端開口部A61bを有する空隙部A62と、空隙部A62に交換可能に設けられるヒール構造体7(本実施の形態においてA7として図示する)とを備えている。
空隙部A62は、爪先部側が平面部A62aを備えた略裁頭円錐状に形成されている。
空隙部A62は、周面部側においては、高さ方向において下端開口部A61aから上端開口部A61bに向かうに従って平断面形状の開口断面積が広くなるように高さ方向に沿って傾斜部からなる係合受部A63を有している。
ヒール構造体A7は、空隙部A62に交換可能に収納配置された軟質弾性体からなるクッション部A71と、空隙部A62の下端開口部A61aを閉塞するようにクッション部A71に接合され、かつ、クッション部A71とは別部材であって、より硬度の大きな硬質弾性体からなるトップリフト部A72とを一体的に備えている。
この場合、クッション部A71とトップリフト部A72とは、接着剤を介して通常の使用形態において分離しないように予め強固に固定されており、その意味において一体的とされている。
クッション部A71は、軟質ゴム・発砲ウレタン系樹脂・エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)等からなり、ヒール本体部A61の弾性力よりも大きな弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収性を備えている。
クッション部A71は、空隙部A62の高さ寸法よりも低い高さ寸法により形成されているとともに、ヒール本体部A61の空隙部A62内に装着された際に、空隙部A62に密着するような、爪先部側に平面部A71aを備えた全体略裁頭円錐状に形成されている。
爪先部側に平面部A71aが形成されることにより、クッション部A71が空隙部A62内に収納された場合には、空隙部A62の平面部A62aと接合してクッション部A71の横方向における回転を防止し、クッション部A71を空隙部A62内において固定して配置することができる。
この場合、クッション部A71は、本来、空隙部A62の内容積よりも大きな体積を有しており、空隙部A61に収納配置したときにはクッション部A71の全体が弾性力によって圧縮して空隙部A62内に収納された状態となっている。
従って、クッション部A71は、その円錐状部A71Lが、係合受部A63と同様に傾斜しており、空隙部A62の係合受部A63に圧縮状態で当接する係止部A73を形成している。
従って、本実施の形態にあっては、空隙部A62の係合受部A63とクッション部A71の係止部A73とは係合部A76を構成する。
トップリフト部A72は、硬質ゴム等から形成されており、ヒール部A6の下端部に配置され、ヒール部A6の下端面形状と一致する当接部を有する接地面部A74と、接地面部A74から突出して空隙部A62の内部に配設される支持部A75とが一体的に形成されており、この支持部A75の上端面にクッション部A71の下端面が当接して接合固定されている。
トップリフト部A72は、使用者の足に装着されて使用された場合であっても弾性変形し難い硬度を備えており、支持部A75の平断面において空隙部A62の下端側の開口断面積と同一に形成されている。
本実施の形態にあっては、ヒール構造体A7がヒール部6に装着された場合には、トップリフト部A72の接地面部A74の上端面とヒール部A6の下端面との間には、使用者の非装着状態において間隙部8(本実施の形態においてA8)が形成されるように構成されている。
本実施の形態においては、クッション部A71とトップリフト部A72とは、係合部A63によって脱落が防止されている一方、使用時に使用者がパンプス1を履いて使用者の体重がヒール本体部A61に作用した場合には、クッション部A71は使用者の踵の直下に位置することから、体重はクッション部A71により支持され、その結果、クッション部A71は弾性圧縮することとなるが、この際の荷重を係合部A76が支持する。
また、ヒール本体部A61の下端面とトップリフト部A72の上端面との間に間隙部A8が形成されていることから、歩行時等において地面からの衝撃がヒール本体部A61に入力された場合には、トップリフト部A72が空隙部A8内を、クッション部A71を下方から圧縮しつつ上方へ移動することにより衝撃を緩和することができ、その結果、ハードタイプヒール及びソフトタイプヒールのいずれにおいても、歩行時等における地面からの衝撃の吸収力に優れたクッション性を有するヒール構造を提供することが可能となる。
また、経年時にトップリフト部A72が摩耗等したような場合や、クッション部A71クッション性が劣化したような場合には、クッション部A71の弾性力よりも高い引き抜き荷重を作用させることにより、空隙部A62からクッション部A71を引き抜くことができるため、トップリフト部A72と一緒にクッション部A71の交換が可能となる。
この場合には、例えば、一般に使用されているワインボトルのコルク栓の抜き取り器を利用してクッション部A71及びトップリフト部A72の抜き取りを行う等の手法により行うことが可能である。
また、クッション部A71及びトップリフト部A72のヒール本体部A61への装着時には、同様に、一般的に使用されているコルク打栓器を適宜改造することにより行うことができる。
従って、本実施の形態に係るヒール部A6及びヒール構造体A7が、パンプス等のいわゆるハードタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部A71により、使用者の体重をクッション性を以て支持すると共に、歩行時等においては地面からの衝撃の吸収力に優れたクッション性を有するヒール構造を提供することが可能となる。
また、クッション部A71並びにトップリフト部A72の経年劣化が発生した場合に、クッション部A71とトップリフト部A72とを同時に交換することができる。
また、本実施の形態に係るヒール部A6及びヒール構造体A7が、ソフトタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部A71により、ヒールのクッション性に加えてさらにクッション性を増大させることが可能となる。
また、クッション部A71並びにトップリフト部A72の経年劣化が発生した場合に、クッション部A71とトップリフト部A72とを同時に交換することができる。
従って、従来不可能であった、ソフトタイプヒールの婦人靴におけるトップリフトの交換を可能にすることができる。
また、空隙部A62には、下端開口部よりも上方に向かうに従って開口断面積が広くなるように傾斜を備える係合受部A63とクッション部A71に形成されてトップリフト部A72よりも上方において係合受部A63と当接する係止部A73とにより係合部A76が形成されることにより、別途の固定部材等を要することなく、空隙部A62の内部構造のみで係合部を構成することができる。
上記実施の形態では、空隙部A62をヒール部A6の高さ方向で貫通させて上端開口部A61b及び下端開口部A61aを形成し、係合部A76を係合受部A63と係止部A73とを空隙部A62の高さ方向の略全体で傾斜させた構成のものを開示したが、この実施の形態に限定されない。
図3は、クッション部の高さ寸法を空隙部の高さ寸法よりも短く形成し、別体の蓋部材により残余の空隙部を封じるように配設した例を示す。
図3に示すように、本実施の形態に係るヒール構造にあっては、基本構造は図1及び図2の実施の形態と同様であるが、クッション部B71はヒール部の高さ寸法の約2/3の高さ寸法に形成され、空隙部B63の残余の空隙には蓋部材B13が配設され、残余の空隙を充填している。
ヒール部B6は、ヒール本体部B61の内部に設けられて下端側に開口する下端開口部B61a及び上端開口部B61bを有する空隙部B62と、空隙部B62に交換可能に設けられるヒール構造体B7とを備えている。
空隙部B62は、爪先部側に平面部B62aを備えた全体略裁頭円錐状に形成されている。
空隙部B62は、踵部側においては、高さ方向において下端開口部B61aから上端開口部B61bに向かうに従って平断面形状の開口断面積が広くなるように高さ方向に沿って傾斜部からなる係合受部B63を有している。
ヒール構造体B7は、空隙部B62に交換可能に収納配置された軟質弾性体からなり、ヒール部の高さ寸法の約2/3の高さ寸法に形成されたクッション部B71と、空隙部B62の下端開口部B61aを閉塞するようにクッション部B71に接着固定され、かつ、クッション部B71とは別部材であって、より硬度の大きな硬質弾性体からなるトップリフト部B72と、クッション部B71とは別部材であって、クッション部B71が空隙部B63内に配設された場合の上方に形成される残余の空隙に配設される、ヒール本体部B61の空隙部B62を形成する内周面部に接着固定された蓋部材B13とからなる。
クッション部B71は、軟質ゴム・発砲ウレタン系樹脂・エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)等からなり、ヒール本体部B61の弾性力よりも大きな弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収性を備えている。
クッション部B71は、ヒール本体部B61の空隙部B62内に装着された際に、空隙部B62に密着するように、爪先部側に平面部B71aを備えた、空隙部B62と同一形状の全体略裁頭円錐状に形成されている。
クッション部B71は、その円錘状部B71Lが、係合受部B63と同一の傾斜角度を以て傾斜して形成されており、空隙部B62の係合受部B63に圧縮状態で当接する傾斜部からなる係止部B73を形成している。
従って、本実施の形態にあっては、空隙部B62の係合受部B63とクッション部B71の係止部B73とは互いに係合して係合部B76を構成する。
クッション部B71が、空隙部B62内に配設された場合には、下端部が下方開口部B61aよりもやや上方に位置すると共に、上方に上方空隙B62cを形成した状態で配置される。
下方開口部B61a内には、後述のトップリフトB72の支持部B75が配置されると共に、上方空隙B62c内には、蓋部材B13が配設される。
蓋部材B13は、上方空隙部B62bと同一の径寸法、高さ寸法及び同一の形状により形成され、上方開口部B61bを、ヒール本体部B61の上端面と面一の状態を形成しうるように被覆して上方空隙B62c内に収納配置される。
トップリフト部B72は、硬質ゴム等から形成されており、クッション部B71の下端部に接着固定され、ヒール部B6の下端面形状と一致する当接部を有する接地面部B74と、接地面部B74から突出して空隙部B62の内部に配設される支持部B75とが一体的に形成されており、この支持部B75の上端面にクッション部B71の下端面が当接して接合固定されている。
トップリフト部B72は、使用者の足に装着されて使用された場合であっても弾性変形し難い硬度を備えており、支持部B75の平断面において空隙部B62の下端側の開口断面積と同一に形成されている。
本実施の形態にあっては、ヒール構造体B7がヒール部6に装着された場合には、トップリフト部B72の接地面部B74の上端面とヒール部B6の下端面との間には、使用者への非装着状態において間隙部8(本実施の形態においてB8)が形成されるように構成されている。
本実施の形態においては、クッション部B71とトップリフト部B72とは、係合部B76によって脱落が防止されている一方、使用時に使用者がパンプス1を履いて使用者の体重がヒール本体部B61に作用した場合には、クッション部B71は使用者の踵の直下に位置することから、体重はクッション部B71により支持され、その結果、クッション部B71は弾性圧縮することとなるが、この際の荷重を係合部B76が支持する。
また、ヒール本体部B61の下端面とトップリフト部B72の上端面との間に間隙部B8が形成されていることから、歩行時等において地面からの衝撃がヒール本体部B61に入力された場合には、トップリフト部B72が空隙部B8内を、クッション部B71を下方から圧縮しつつ上方へ移動することにより衝撃を緩和することができ、その結果、ハードタイプヒール及びソフトタイプヒールのいずれにおいても、歩行時等における地面からの衝撃の吸収力に優れたクッション性を有するヒール構造を提供することが可能となる。
また、経年時にトップリフト部B72が摩耗等したような場合や、クッション部B71クッション性が劣化したような場合には、クッション部B71の弾性力よりも高い引き抜き荷重を作用させることにより、空隙部B62からクッション部B71を引き抜くことができるため、トップリフト部B72と一緒にクッション部B71の交換が可能となる。
この場合には、一般に使用されているワインボトルのコルク栓の抜き取り器を利用してクッション部B71及びトップリフト部B72の抜き取りを行うことができる。
また、クッション部A71及びトップリフト部A72のヒール本体部A61への装着時には、同様に、一般的に使用されているコルク打栓器を適宜改造することにより行うことができる。
従って、本実施の形態に係るヒール部B6及びヒール構造体B7が、パンプス等のいわゆるハードタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部B71により、使用者の体重をクッション性を以て支持すると共に、歩行時等においては地面からの衝撃の吸収力に優れたクッション性を有するヒール構造を提供することが可能となる。
また、クッション部B71並びにトップリフト部B72の経年劣化が発生した場合に、クッション部B71とトップリフト部B72とを同時に交換することができる。
また、本実施の形態に係るヒール部B6及びヒール構造体B7が、ソフトタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部B71により、ヒールのクッション性に加えてさらにクッション性を増大させることが可能となる。
また、クッション部B71並びにトップリフト部B72の経年劣化が発生した場合に、クッション部B71とトップリフト部B72とを同時に交換することができる。
従って、従来不可能であった、ソフトタイプヒールの婦人靴におけるトップリフトの交換を可能にすることができる。
また、空隙部B62には、下端開口部よりも上方に向かうに従って開口断面積が広くなるように傾斜を備える係合受部B63と、クッション部B71に形成されてトップリフト部B72よりも上方において係合受部B63と当接する係止部B73とにより係合部B76が形成されることにより、別途の固定部材等を要することなく、空隙部B62の内部構造のみで係合部を構成することができる。
個別の靴によってヒール本体部B61の高さ寸が相違するものであるが、本実施の形態にあっては、クッション部B71はヒール部の高さ寸法の約2/3の高さ寸法に形成され、空隙部B63の残余の空隙には蓋部材B13が配設され、残余の上方空隙B62cを充填するように構成されていることから、いずれの靴のヒール部の高さ寸法よりも短い高さ寸法の単一のクッション部B71を準備すると共に、クッション部B71と共に各ヒール本体部の高さ寸法に適合させられる高さ寸法の蓋部材B13を複数種類準備しておき、これらの組み合わせにより、靴によるヒールの高さ寸法の相違があった場合であっても、製造段階で、容易に本発明に係るヒール構造体を形成することができ、本実施の形態にあっては、より効率的に、単一のヒール構造を多様な各種の婦人靴に統一して適用することが可能となる。
上記実施の形態では、空隙部B62をヒール部B6の高さ方向で貫通させて上端開口部B61b及び下端開口部B61aを形成し、係合部B76を係合受部B63と係止部B73とを空隙部B62の高さ方向の略全体で傾斜させた構成のものを開示したが、この実施の形態に限定されない。
図4に示すヒール構造は、ヒール部の空隙部の高さ方向の上端周縁部側に係合部を構成した実施の形態を示す。
図4に示すように、ヒール部C6は、ヒール本体部C61の内部に設けられて下端側から上端側の高さ方向に貫通して下端開口部C61a及び上端開口部C61bを有する空隙部C62と、空隙部C62に交換可能に設けられるヒール構造体7(本実施の形態においてはC7として図示)とを備えている。
空隙部C62は、爪先部側に平面部C62aを備えた全体略円柱状に形成されている。
空隙部C62は円柱状部の上部周縁部において上端開口部C61bに向かうにつれて開口断面積が広くなるように形成された傾斜部C62bからなる係合受部C63を有している。
本実施の形態にあっては、図1に示す実施の形態とは異なり、空隙部C62は、下端開口部C61aから上方へ約2/3の高さ寸法の部位までは直円筒状に形成され、その後、上端開口部C61bまでは径方向外方に開口する傾斜部C62bとして形成されている。
ヒール構造体C7は、空隙部C62に交換可能に収納配置された軟質弾性体からなるクッション部C71と、空隙部C62の下端開口部C61aを閉塞するようにクッション部C71に接着固定され、かつ、クッション部C71よりも硬い硬質弾性体からなるトップリフト部C72とを一体的に備えている。
この場合、クッション部C71とトップリフト部C72とは、接着剤を介して通常の使用形態において分離しないように予め強固に固定されており、その意味において一体的とされている。
クッション部C71は、軟質ゴム・発砲ウレタン系樹脂・エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)等からなり、ヒール本体部C61が有する弾性力よりも大きな弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収性を備えている。
クッション部C71は、空隙部C62の高さ寸法よりも低い高さ寸法により形成されているとともに、前記実施の形態とは異なり、クッション部C71は、空隙部C62内に挿入配置した場合には、空隙部C62の周面部に密着しうるように同一の形状及び同一の径寸法に形成されている。
従って、下部C78は略円筒状に形成されると共に上部C79は逆裁頭円錐台状に形成されている。
この場合、クッション部C71は、本来、空隙部C62の内容積よりも大きな体積を有しており、空隙部C62に収納配置したときには全体的にクッション部C71の全体が弾性力によって圧縮して空隙部C62内に収納された状態となっている。
クッション部C71は、下部C78において爪先部側に平面部C71aを備えた全体略円柱状の円柱状部C71bを備え、クッション部C71が空隙部C62内に収納された場合には、平面部C71aは空隙部C62の平面部C62aと接合してクッション部C71の全体における横方向の回転を防止し、クッション部C71を空隙部C62内において固定して配置することができる。
クッション部C71は,上部C79において、係合受部C63の傾斜部C62bと同一の傾斜角度を以て拡開するように形成され、空隙部C62の係合受部C63に圧縮状態で当接する係止部C73を備えている。
従って、本実施の形態にあっては、空隙部C62の係合受部C63とクッション部C71の係止部C73とは互いに係合して係合部C76を構成している。
トップリフト部C72は、硬質ゴム等から形成されており、ヒール部C6の下方に位置してヒール部C6の下端面形状と一致する接地面部C74と、接地面部C74から上方へ突出して空隙部C62の内部に配設される支持部C75とを一体に備えており、この支持部C75の上端面にクッション部C71の下端面が当接した状態で接合されている。
トップリフト部C72は使用者の足に装着されて使用された場合であっても弾性変形し難い硬度を備えており、支持部C75は平断面において空隙部C62の下端側の開口断面積と同一に形成されている。
トップリフト部C72の接地面部C74の上端面とヒール部C6の下端面との間には、使用者が装着しておらず使用者の体重が加わっていないときにクッション部C71の弾性により離間する間隙部8(本実施の形態においはC8として図示)が形成されている。
本実施の形態においては、クッション部C71とトップリフト部C72とは、係合部C63によって脱落が防止されている一方、使用時に使用者がパンプス1を履いて使用者の体重がヒール本体部C61に作用した場合には、クッション部C71は使用者の踵の直下に位置することから、体重はクッション部C71により支持され、その結果、クッション部C71は弾性圧縮することとなるが、この際の荷重を係合部C76が支持する。
また、ヒール本体部C61の下端面とトップリフト部C72の上端面との間に間隙部C8が形成されていることから、歩行時等において地面からの衝撃がヒール本体部C61に入力された場合には、トップリフト部C72が空隙部C8内を、クッション部C71を下方から圧縮しつつ上方へ移動することにより衝撃を緩和することができ、その結果、ハードタイプヒール及びソフトタイプヒールのいずれにおいても、歩行時等における地面からの衝撃の吸収力に優れたクッション性を有するヒール構造を提供することが可能となる。
また、経年時にトップリフト部C72が摩耗等したような場合や、クッション部C71クッション性が劣化したような場合には、クッション部C71の弾性力よりも高い引き抜き荷重を作用させることにより、空隙部C62からクッション部C71を引き抜くことができるため、トップリフト部C72と一緒にクッション部C71の交換が可能となる。
この場合には、一般に使用されているワインボトルのコルク栓の抜き取り器を利用してクッション部C71及びトップリフト部C72の抜き取りを行うことができる。
また、クッション部C71及びトップリフト部C72のヒール本体部C61への装着時には、同様に、一般的に使用されているコルク打栓器を適宜改造することにより行うことができる。
従って、本実施の形態に係るヒール部C6及びヒール構造体C7が、パンプス等のいわゆるハードタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部C71により、使用者の体重をクッション性を以て支持すると共に、歩行時等においては地面からの衝撃の吸収力に優れたクッション性を有するヒール構造を提供することが可能となる。
また、クッション部C71並びにトップリフト部C72の経年劣化が発生した場合に、クッション部C71とトップリフト部C72とを同時に交換することができる。
また、本実施の形態に係るヒール部C6及びヒール構造体C7が、ソフトタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部C71により、ヒールのクッション性に加えてさらにクッション性を増大させることが可能となる。
また、クッション部C71並びにトップリフト部C72の経年劣化が発生した場合に、クッション部C71とトップリフト部C72とを同時に交換することができる。
従って、従来不可能であった、ソフトタイプヒールの婦人靴におけるトップリフトの交換を可能にすることができる。
また、空隙部C62には、下端開口部よりも上方に向かうに従って開口断面積が広くなるように傾斜を備える係合受部C63と、クッション部C71に形成されてトップリフト部C72よりも上方において係合受部C63と当接する係止部C73とにより係合部C76が形成されることにより、別途の固定部材等を要することなく、空隙部C62の内部構造のみで係合部を構成することができる。
上記実施の形態では、空隙部C62をヒール部C6の高さ方向で貫通させて上端開口部C61b及び下端開口部C61aを形成し、係合部C76を係合受部C63と係止部C73とを空隙部C62の高さ方向の上端部の部位のみで傾斜させた構成のものを開示したが、この実施の形態に限定されない。
図5に示すヒール構造は、図4に示す実施の形態の形態を前提としてヒール本体部とトップリフト部との間の間隙部にスペーサ部材を設けた実施の形態を示す。
図5に示すように、ヒール部D6は、ヒール本体部D61の内部に設けられて下端側から上端側の高さ方向に貫通して下端開口部D61a及び上端開口部D61bを有する空隙部D62と、空隙部D62に交換可能に設けられるヒール構造体7(本実施の形態においてD7として図示)とを備えている。
空隙部D62は、爪先部側に平面部D62aを備えた全体略円柱状に形成されている。
空隙部D62は、円柱状部の上部周縁部が上端開口部D61bに向かうにつれて開口断面積が広くなるように形成された傾斜部D62bからなる係合受部B63を有している。
ヒール構造体D7は、空隙部D62に交換可能に収納配置された軟質弾性体からなるクッション部D71と、空隙部D62の下端開口部D61aを閉塞するようにクッション部D71に設けられ、かつ、クッション部D71よりも硬い硬質弾性体からなるトップリフト部D72とを一体的に備えている。
この場合、クッション部D71とトップリフト部D72とは、接着剤を介して通常の使用形態において分離しないように予め強固に固定されており、その意味において一体的とされている。
クッション部D71は、空隙部D62の高さ寸法よりも低い高さ寸法により形成されているとともに、クッション部D71は、空隙部D62内に挿入配置した場合には、空隙部D62の周面部に密着しうるように同一の形状及び同一の径寸法に形成されている。
クッション部D71は、軟質ゴム・発砲ウレタン系樹脂・エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)等からなり、ヒール本体部E61が有する弾性力よりも大きな弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収性を備えている。
従って、下部D78は円筒状に形成されると共に上部D79は逆裁頭円錐台形状に形成されている。
クッション部D71は、下部D78において爪先部側に平面部D71aを備えた全体略円柱状の円柱状部D71bを備え、クッション部D71が空隙部D62内に収納された場合には、空隙部D62の平面部D62aと接合してクッション部D71の全体の横方向における回転を防止し、クッション部D71を空隙部D62内において固定して配置することができる。
この場合、クッション部D71は、本来、空隙部D62の内容積よりも大きな体積を有しており、空隙部D62に収納配置したときには全体的にクッション部D71の全体が弾性力によって圧縮して空隙部D62内に収納された状態となっている。
クッション部D71は上部D79の周面部において、係合受部D63の傾斜部D62bと同一の傾斜角度を以て拡開するように傾斜して形成され、空隙部D62の係合受部D63に圧縮状態で当接する係止部D73を備えている。
従って、本実施の形態にあっては、空隙部D62の係合受部D63とクッション部D71の係止部D73とは互いに係合して係合部D76を構成している。
トップリフト部D72は、硬質ゴム等から形成されており、ヒール部D6の下方に位置してヒール部D6の下端面形状と一致する接地面部D74と、接地面部D74から上方へ突出して空隙部D62の内部に配設される支持部D75とを一体に備えており、この支持部D75の上端面にクッション部D71の下端面が当接した状態で接合されている。
トップリフト部D72は使用者の足に装着されて使用された場合であっても弾性変形し難い硬度を備えており、支持部D75は平断面において空隙部D62の下端側の開口断面積と同一に形成されている。
トップリフト部D72の接地面部D74の上端面とヒール部D6の下端面との間には、使用者が装着しておらず使用者の体重が加わっていないときにクッション部D71の弾性により離間する間隙部8(本実施の形態においはD8として図示)が形成されている。
そして、本実施の形態にあっては、前記実施の形態とは異なり、間隙部D8にはクッション部D71と同様の弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収力を有する弾性体からなるスペーサ部材9(本実施の形態においてD9)が設けられている。スペーサ部材D9は、クッション部D71と同一の素材により形成されている。
従って、本実施の形態にあっては、間隙部D8にはクッション部D71と同様の弾性力を有する弾性体からなるスペーサ部材D9が設けられていることから、図1乃至4に示す実施の形態に係る婦人用履物のヒール構造の場合に比して、クッション部D71のクッション性に加えてスペーサ部材D9のクッション性を確保することができるため、歩行時等に地面等からの衝撃がヒール本体部D61に入力された場合に、ヒール本体部D61に入力された衝撃を緩和することができ、より良好な歩行時の衝撃吸収性を確保することが可能となる。
また、図2〜図4に示す実施の形態の場合には、間隙部8は空隙部として形成され、地面等からの衝撃の吸収のためのヒール本体部の上下動の空間として構成されていたが、同時に、外方へ開放されている空隙となっていることから、ゴミ、小石等が入り込む可能性も否定できない。
しかしながら、本実施の形態にあっては、クッション部D9が間隙部D8内に配設されていることから、クッション部D9によりヒール本体部D61の上下動の吸収を行うことができると共に、ゴミ、小石等の侵入を排除することが可能となる。
その結果、ハードタイプヒール及びソフトタイプヒールのいずれにおいても、歩行時等における地面からの衝撃の吸収力に優れたクッション性を有するヒール構造を提供することが可能となる。
本実施の形態においては、クッション部D71とトップリフト部D72とは、係合部D76によって脱落が防止されている一方、使用時に使用者がパンプス1を履いて使用者の体重がヒール本体部D61に作用した場合には、クッション部D71は使用者の踵の直下に位置することから、体重はクッション部D71により支持され、その結果、クッション部D71は弾性圧縮することとなるが、この際の荷重を係合部D76が支持する点は前記実施の形態と同様である。
また、経年時にトップリフト部D72が摩耗等したような場合や、クッション部D71クッション性が劣化したような場合には、クッション部D71の弾性力よりも高い引き抜き荷重を作用させることにより、空隙部D62からクッション部D71を引き抜くことができるため、トップリフト部D72と一緒にクッション部D71の交換が可能となる。
この場合には、一般に使用されているワインボトルのコルク栓の抜き取り器を利用してクッション部D71及びトップリフト部D72の抜き取りを行うことができる。
また、クッション部D71及びトップリフト部D72のヒール本体部D61への装着時には、同様に、コルク打栓器を適宜改造して使用することにより行うことができる。
従って、本実施の形態に係るヒール部D6及びヒール構造体D7が、パンプス等のいわゆるハードタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部D71により、使用者の体重をクッション性を以て支持すると共に、歩行時等においては地面からの衝撃の吸収力に優れたクッション性を有するヒール構造を提供することが可能となる。
また、クッション部D71並びにトップリフト部D72の経年劣化が発生した場合に、クッション部D71とトップリフト部D72とを同時に交換することができる。
本実施の形態に係るヒール部D6及びヒール構造体D7が、ソフトタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部D71により、ヒールのクッション性に加えてさらにクッション性を増大させることが可能となる。
また、クッション部D71並びにトップリフト部D72の経年劣化が発生した場合に、クッション部D71とトップリフト部D72とを同時に交換することができる。
従って、従来不可能であった、ソフトタイプヒールの婦人靴におけるトップリフトの交換を可能にすることができる。
また、空隙部D62には、下端開口部よりも上方に向かうに従って開口断面積が広くなるように傾斜を備える係合受部D63と、クッション部D71に形成されてトップリフト部D72よりも上方において係合受部D63と当接する係止部D73とにより係合部D76が形成されることにより、別途の固定部材等を要することなく、空隙部D62の内部構造のみで係合部を構成することができる。
上記実施の形態では、空隙部D62をヒール部D6の高さ方向で貫通させて上端開口部D61b及び下端開口部D61aを形成し、係合部D76を係合受部D63と係止部D73とを空隙部D63の高さ方向の上端部の部位のみで傾斜させた構成のものを開示したが、この実施の形態に限定されない。
図6に示すヒール構造は、図5に示すヒール構造を基本として、さらにトップリフト部を高さ方向において分割形成した実施の形態を示す。
図6に示すように、ヒール部E6は、ヒール本体部E61の内部に設けられて下端側から上端側の高さ方向に貫通して下端開口部E61a及び上端開口部E61bを有する空隙部E62と、空隙部E62に交換可能に設けられるヒール構造体7(本実施の形態においてはE7として図示)とを備えている点は前記実施の形態と同様である。
空隙部E62は、つま先側の一部が平面部E62aを備えた全体略円柱状に形成されている。
ヒール構造体E7は、空隙部E62に交換可能に収納配置された軟質弾性体からなるクッション部E71と、空隙部E62の下端側の開口部分を閉塞するようにクッション部E71に設けられ、かつ、クッション部E71よりも硬い硬質弾性体からなるトップリフト部E72とを一体的に備えている。
なお、クッション部E71とトップリフト部E72とは、接着剤を介して通常の使用形態において分離しないように予め強固に固定されており、その意味において一体的とされている。
クッション部E71は、軟質ゴム・発砲ウレタン系樹脂・エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)等からなり、ヒール本体部E6が有する弾性力よりも大きな弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収性を備えている。
空隙部E62は、爪先部側に平面部E62aを備えた全体略円柱状に形成されている。
空隙部E62は、円柱状部の上部周縁部において、上端開口部E61bに向かうにつれて開口断面積が広くなるように形成された傾斜部E62bからなる係合受部E63を有している。
ヒール構造体E7は、空隙部E62に交換可能に収納配置された軟質弾性体からなるクッション部E71と、空隙部E62の下端開口部D61aを閉塞するようにクッション部E71に設けられ、かつ、クッション部E71よりも硬い硬質弾性体からなるトップリフト部E72とを一体的に備えている。
この場合、クッション部E71とトップリフト部E72とは、接着剤を介して通常の使用形態において分離しないように予め強固に固定されており、その意味において一体的とされている。
クッション部E71は、空隙部E62の高さ寸法よりも低い高さ寸法により形成されているとともに、クッション部E71は、空隙部E62内に挿入配置した場合には、空隙部E62の周面部に密着しうるように同一の形状及び同一の径寸法に形成されている。
従って、下部E78は円筒状に形成されると共に上部E79は逆裁頭円錐台状に形成されている。
この場合、クッション部E71は、本来、空隙部E62の内容積よりも大きな体積を有しており、空隙部E62に収納配置したときには全体的にクッション部E71の全体が弾性力によって圧縮して空隙部E62内に収納された状態となっている。
クッション部E71は、爪先部側に平面部E71aを備えた全体略円柱状の円柱状部E71bを備え、クッション部E71が空隙部E62内に収納された場合には、平面部E71aは空隙部E62の平面部E62aと接合してクッション部E71の全体における横方向の回転を防止し、クッション部E71を空隙部E62内において固定して配置することができる。
クッション部E71は上部E79において、係合受部E63の傾斜部E62bと同一の傾斜角度を以て拡開するように傾斜して形成され、空隙部E62の係合受部E63に圧縮状態で当接する係止部E73を備えている。
従って、本実施の形態にあっては、空隙部E62の係合受部E63とクッション部E71の係止部E73とは互いに係合して係合部E76を構成している。
トップリフト部E72は、接地面部E74と、接地面部E74上部に連設され、空隙部E62内に配置されると共に、クッション部E71に接着固定される支持部E75とからなり、接地面部E74は接地面に追随できる柔軟性を有すると共に、支持部E75は接地面部E74よりも高い硬度を有している。
接地面部E74は硬質ゴム製であって平断面において空隙部E62の下端側の開口断面積と同一に形成されている一方、支持部E75は、接地面部E74よりも硬度が高い合成樹脂製であって、接地面部E74と略同一径寸法に形成されている。
接地面部E74の周縁部には、厚さ方向において下方へ収斂するテーパ状となるような面取り処理が施されている。
従って、本実施の形態にあっては、トップリフト部において、接地面部E74は接地面への追随性を持たせることにより接地面に対するグリップ性を確保できる。
一方、ヒール本体部E61内に挿入配置される支持部E75は接地面部よりも硬度の高い合成樹脂製であることから、接地面からの衝撃がヒール部本体E61に入力された場合に空隙部E62内において上下動することとなるが、この場合の空隙部E62内における上下動を円滑かつ安定的に行わせることができ、より歩行時の衝撃吸収性の高い婦人用履物を提供することができる。
トップリフト部E72の接地面部E74の上端面とヒール部E6の下端面との間には、使用者が装着しておらず使用者の体重が加わっていないときにクッション部E71の弾性により離間する間隙部8(本実施の形態においはE8として図示)が形成されている。
そして、前記実施の形態と同様に、間隙部E8にはクッション部E71と同様の弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収力を有する弾性体からなるスペーサ部材9(本実施の形態においてE9)が設けられている。スペーサ部材E9は、クッション部E71と同一の素材により形成されている。
従って、本実施の形態にあっては、間隙部E8にはクッション部E71と同様の弾性力を有する弾性体からなるスペーサ部材E9が設けられていることから、図1乃至4に示す実施の形態に係る婦人用履物のヒール構造の場合に比して、クッション部E71のクッション性に加えてスペーサ部材E9のクッション性を確保することができるため、歩行時等に地面等からの衝撃がヒール本体部E61に入力された場合に、ヒール本体部E61に入力された衝撃を緩和することができ、より良好な歩行時の衝撃吸収性を確保することが可能となる。
その結果、ハードタイプヒール及びソフトタイプヒールのいずれにおいても、歩行時等における地面からの衝撃の吸収力に優れたクッション性を有するヒール構造を提供することが可能となる。
本実施の形態においては、クッション部E71とトップリフト部E72とは、係合部E76によって脱落が防止されている一方、使用時に使用者がパンプス1を履いて使用者の体重がヒール本体部E61に作用した場合には、クッション部E71は使用者の踵の直下に位置することから、体重はクッション部E71により支持され、その結果、クッション部E71は弾性圧縮することとなるが、この際の荷重を係合部E76が支持する点は前記実施の形態と同様である。
また、経年時にトップリフト部E72が摩耗等したような場合や、クッション部E71クッション性が劣化したような場合には、クッション部E71の弾性力よりも高い引き抜き荷重を作用させることにより、空隙部E62からクッション部E71を引き抜くことができるため、トップリフト部E72と一緒にクッション部E71の交換が可能となる。
この場合には、一般に使用されているワインボトルのコルク栓の抜き取り器を利用してクッション部E71及びトップリフト部E72の抜き取りを行うことができる。
また、クッション部E71及びトップリフト部E72のヒール本体部E61への装着時には、同様に、コルク打栓器を適宜改造して使用することにより行うことができる。
従って、本実施の形態に係るヒール部E6及びヒール構造体E7が、パンプス等のいわゆるハードタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部E71により、使用者の体重をクッション性を以て支持すると共に、歩行時等においては地面からの衝撃の吸収力に優れたクッション性を有するヒール構造を提供することが可能となる。
また、クッション部E71並びにトップリフト部E72の経年劣化が発生した場合に、クッション部E71とトップリフト部E72とを同時に交換することができる。
本実施の形態に係るヒール部E6及びヒール構造体E7が、ソフトタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部E71により、ヒールのクッション性に加えてさらにクッション性を増大させることが可能となる。
また、クッション部E71並びにトップリフト部E72の経年劣化が発生した場合に、クッション部E71とトップリフト部E72とを同時に交換することができる。
従って、従来不可能であった、ソフトタイプヒールの婦人靴におけるトップリフトの交換を可能にすることができる。
また、空隙部E62には、下端開口部よりも上方に向かうに従って開口断面積が広くなるように傾斜を備える係合受部E63と、クッション部E71に形成されてトップリフト部E72よりも上方において係合受部E63と当接する係止部E73とにより係合部E76が形成されることにより、別途の固定部材等を要することなく、空隙部E62の内部構造のみで係合部を構成することができる。
上記実施の形態では、空隙部E62をヒール部E6の高さ方向で貫通させて上端開口部E61b及び下端開口部E61aを形成し、係合部E76を係合受部E63と係止部E73とを空隙部E62の高さ方向の上端部の部位のみで傾斜させた構成のものを開示したが、この実施の形態に限定されない。
図7に示すヒール構造は、図5に示す実施の形態を基本として、さらにクッション部及びトップリフト部とトップリフト部との間にガイド部材を配置した実施の形態を示す。
図7に示すように、ヒール部F6は、ヒール本体部F61の内部に設けられて下端側から上端側の高さ方向に貫通して下端開口部F61a及び上端開口部F62bを有する空隙部F62と、空隙部F62に交換可能に設けられるヒール構造体7(本実施の形態においてF7)とを備えている。
図7に示すように、ヒール部F6は、ヒール本体部F61の内部に設けられて下端側から上端側の高さ方向に貫通して下端開口部F61a及び上端開口部F61bを有する空隙部F62と、空隙部F62に交換可能に設けられるヒール構造体7(本実施の形態においてはF7として図示)とを備えている点は前記実施の形態と同様である。
空隙部F62は、つま先側の一部が平面部F62aを備えた全体略円柱状に形成されている。
ヒール構造体F7は、空隙部F62に交換可能に収納配置された軟質弾性体からなるクッション部F71と、空隙部F62の下端側の開口部分を閉塞するようにクッション部F71に設けられ、かつ、クッション部F71よりも硬い硬質弾性体からなるトップリフト部F72とを一体的に備えている。
なお、クッション部F71とトップリフト部F72とは、接着剤を介して通常の使用形態において分離しないように予め強固に固定されており、その意味において一体的とされている。
クッション部F71は、軟質ゴム・発砲ウレタン系樹脂・エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)等からなり、ヒール本体部F61が有する弾性力よりも大きな弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収性を備えている。
空隙部F62は、爪先部側に平面部F62aを備えた全体略円柱状に形成されている。
空隙部F62は、円柱状部の上部周縁部において、上端開口部F61bに向かうにつれて開口断面積が広くなるように形成された傾斜部F61Cからなる係合受部F63を有している。
ヒール構造体F7は、空隙部F62に交換可能に収納配置された軟質弾性体からなるクッション部F71と、空隙部F62の下端開口部D61aを閉塞するようにクッション部F71に設けられ、かつ、クッション部F71よりも硬い硬質弾性体からなるトップリフト部F72とを一体的に備えている。
この場合、クッション部F71とトップリフト部F72とは、接着剤を介して通常の使用形態において分離しないように予め強固に固定されており、その意味において一体的とされている。
クッション部F71は、空隙部F62の高さ寸法よりも低い高さ寸法により形成されているとともに、クッション部F71は、空隙部F62内に挿入配置した場合には、空隙部F62の周面部に密着しうるように同一の形状及び同一の径寸法に形成されている。
従って、下部F78は略円筒状に形成されると共に上部F79は略逆裁頭円錐台形状に形成されている。
クッション部F71は、爪先部側に平面部F71aを備えた全体略円柱状の円柱状部71bを備え、クッション部F71が空隙部F62内に収納された場合には、空隙部F62の平面部F62aと接合してクッション部F71の全体における横方向の回転を防止し、クッション部F71を空隙部F62内において固定して配置することができる。
この場合、クッション部F71は、本来、空隙部F62の内容積よりも大きな体積を有しており、空隙部F62に収納配置したときには全体的にクッション部F71の全体が弾性力によって圧縮して空隙部F62内に収納された状態となっている。
クッション部F71は上部F79において、係合受部F63の傾斜部F62bと同一の傾斜角度を以て拡開するように傾斜して形成され、空隙部F62の係合受部F63に圧縮状態で当接する係止部F73を備えている。
従って、本実施の形態にあっては、空隙部F62の係合受部F63とクッション部F71の係止部F73とは互いに係合して係合部F76を構成している。
トップリフト部F72は、ヒール部F6の下方に配置され、ヒール部F6の下端面形状と一致する接地面部F74と、接地面部F74から上方へ突出して空隙部F62の内部に配設される支持部F75とを一体に備えており、この支持部F75の上端面にクッション部F71の下端面が当接した状態で接合されている。
トップリフト部F72は硬質ゴム製であって、全体として使用者の足に装着されて使用された場合であっても弾性変形し難い硬度を備えている。
トップリフト部F72の接地面部F74の上端面とヒール部F6の下端面との間には、使用者が装着しておらず使用者の体重が加わっていないときにクッション部F71の弾性により離間する間隙部8(本実施の形態においはF8として図示)が形成されている。
そして、前記実施の形態と同様に、間隙部F8にはクッション部F71と同様の弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収力を有する弾性体からなるスペーサ部材9(本実施の形態においてF9)が設けられている。スペーサ部材F9は、クッション部F71と同一の素材により形成されている。
従って、本実施の形態にあっては、間隙部F8にはクッション部F71と同様の弾性力を有する弾性体からなるスペーサ部材F9が設けられていることから、図1乃至4に示す実施の形態に係る婦人用履物のヒール構造の場合に比して、クッション部F71のクッション性に加えてスペーサ部材F9のクッション性を確保することができるため、歩行時等に地面等からの衝撃がヒール本体部F61に入力された場合に、ヒール本体部F61に入力された衝撃を緩和することができ、より良好な歩行時の衝撃吸収性を確保することが可能となる。
その結果、ハードタイプヒール及びソフトタイプヒールのいずれにおいても、歩行時等における地面からの衝撃の吸収力に優れたクッション性を有するヒール構造を提供することが可能となる。
また、本実施の形態にあっては、ヒール部F6の下端面とスペーサ部材F9との間、並びに、空隙部F62の周面とクッション部F71の周面及びトップリフト部の周面との間に跨るように、断面L字状であって、全体形状はクッション部F71の下部F78の輪郭形状と同一の短円筒状に形成されたガイド部材10(本実施の形態においてF10)が設けられている。
ガイド部材F10は、金属、特に、強度を備えているとともに錆が発生がし難いアルミやステンレス等を用いるのが好ましいが、強化プラスチック等、靴に装着できる程度の剛性を備えていれば材質は特に金属に限定されない。
ガイド部材F10は、底面部F10aと、底面部F10aから直角に立ち上がって形成された立ち上がり片部F10bとにより構成され、底面部F10aは接地面部F74の上面部に接するように配設されると共に、立ち上がり片部F10bは支持部F75の周面部及びクッション部F71の下端部の周縁部に接するように配設されている。
即ち、本実施の形態にあっては、ガイド部材F10を配設することにより、クッション部F71とトップリフト部F72との接合部及び間隙部F8の周辺の強度を確保すると共に、クッション部F71が荷重(地面からの衝撃又は体重負荷)を受けて上下方向に圧縮される際にクッション部F71の下端に荷重(地面からの衝撃又は体重負荷)が作用した際に、間隙部F63の高さ方向において圧縮作動し易いように構成されている。
本実施の形態においては、クッション部F71とトップリフト部F72とは、係合部F76によって脱落が防止されている一方、使用時に使用者がパンプス1を履いて使用者の体重がヒール本体部F61に作用した場合には、クッション部F71は使用者の踵の直下に位置することから、体重はクッション部F71により支持され、その結果、クッション部F71は弾性圧縮することとなるが、この際の荷重を係合部F76が支持する点は前記実施の形態と同様である。
また、経年時にトップリフト部F72が摩耗等したような場合や、クッション部F71クッション性が劣化したような場合には、クッション部F71の弾性力よりも高い引き抜き荷重を作用させることにより、空隙部F62からクッション部F71を引き抜くことができるため、トップリフト部F72と一緒にクッション部F71の交換が可能となる。
この場合には、一般に使用されているワインボトルのコルク栓の抜き取り器を利用してクッション部F71及びトップリフト部F72の抜き取りを行うことができる。
また、クッション部F71及びトップリフト部F72のヒール本体部F61への装着時には、同様に、コルク打栓器を適宜改造して使用することにより行うことができる。
また、クッション部F71及びトップリフト部F72の装着時には、本実施の形態に係るガイド部材F10が、空隙部F62への挿入の際のガイドの役割を果たすものである。
従って、本実施の形態に係るヒール部F6及びヒール構造体F7が、パンプス等のいわゆるハードタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部F71により、使用者の体重をクッション性を以て支持すると共に、歩行時等においては地面からの衝撃の吸収力に優れたクッション性を有するヒール構造を提供することが可能となる。
また、クッション部F71並びにトップリフト部F72の経年劣化が発生した場合に、クッション部F71とトップリフト部F72とを同時に交換することができる。
本実施の形態に係るヒール部F6及びヒール構造体F7が、ソフトタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部F71により、ヒールのクッション性に加えてさらにクッション性を増大させることが可能となる。
また、クッション部F71並びにトップリフト部F72の経年劣化が発生した場合に、クッション部F71とトップリフト部F72とを同時に交換することができる。
従って、従来不可能であった、ソフトタイプヒールの婦人靴におけるトップリフトの交換を可能にすることができる。
また、空隙部F62には、下端開口部よりも上方に向かうに従って開口断面積が広くなるように傾斜を備える係合受部F63と、クッション部F71に形成されてトップリフト部F72よりも上方において係合受部F63と当接する係止部F73とにより係合部F76が形成されることにより、別途の固定部材等を要することなく、空隙部F62の内部構造のみで係合部を構成することができる。
上記実施の形態では、空隙部F62をヒール部F6の高さ方向で貫通させて上端開口部F61F及び下端開口部F61aを形成し、係合部F76を係合受部F63と係止部F73とを空隙部F63の高さ方向の上端部の部位のみで傾斜させた構成のものを開示したが、この実施の形態に限定されない。
図8に示すヒール構造は、図7に示す実施の形態を前提として、クッション部に対してインソール部側から打ち込んだ固定部材により係止部を形成する場合を示す。
図7に示す構成部材と同一の構成部材には同一の数字符号を付してその詳細な説明を省略する。
図8に示すように、ヒール部G6は、ヒール本体部G61の内部に設けられて下端開口部G61a及び上端開口部G61bを有する空隙部G62と、空隙部G62に交換可能に設けられるヒール構造体7(本実施の形態においてG7)とを備えている。
本実施の形態にあっては、ヒール構造体G7は、空隙部G62に交換可能に収納配置された軟質弾性体からなるクッション部G71と、空隙部G62の下端側の開口部分を閉塞するようにクッション部G71に接着剤を介して強固に接合され、クッション部G71よりも硬い硬質弾性体からなるトップリフト部G72とを一体的に備えている。
クッション部G71は、軟質ゴム・発砲ウレタン系樹脂・エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)等からなり、ヒール本体部G61が有する弾性力よりも大きな弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収性を備えている。
空隙部G62は、爪先部側に平面部G62aを備えた全体略円柱状に形成されており、空隙部G62は、円柱状部の上部周縁部において、上端開口部G61bに向かうにつれて開口断面積が広くなるように形成された傾斜部G62bからなる係合受部G63を有している。
ヒール構造体G7は、空隙部G62に交換可能に収納配置された軟質弾性体からなるクッション部G71と、空隙部G62の下端開口部G61aを閉塞するようにクッション部G71に設けられ、かつ、クッション部G71よりも硬い硬質弾性体からなるトップリフト部G72とを一体的に備えている。
クッション部G71は、空隙部G62の高さ寸法よりも低い高さ寸法により形成されているとともに、クッション部G71は、空隙部G62内に挿入配置した場合には、空隙部G62の周面部に密着しうるように同一の形状及び同一の径寸法に形成されている。
従って、クッション部G71の下部G78は円筒状に形成されると共に上部G79は逆裁頭円錐台形状に形成されている。
図8に示すように、クッション部G71は、下部G78において爪先部側に平面部G71aを備えた全体略円柱状の円柱状部G71bを備え、クッション部G71が空隙部G62内に収納された場合には、空隙部G62の平面部G62aと接合してクッション部G71の全体に横方向における回転を防止し、クッション部G71を空隙部G62内において固定して配置することができる。
そして、本実施の形態にあっては、クッション部G71の係止部G73はクッション部G71の上面部から固定部材11が圧入されることにより、クッション部G71の上部G79が横方向に拡開して係止部G73が形成されるように構成されている。
即ち、図9(a)に示すように、本実施の形態に係るクッション部G71は、空隙部G62内に収納可能な大きさの全体略円柱状に形成されており、径方向端部には平面部G71aが軸方向に沿って形成されている。クッション部G71の径寸法は空隙部G62の径寸法と略同一に形成されている。
上面部G71eの中心部には平面小円状の凹部G71cが形成され、凹部G71cを中心とし平面十字状のスリット部G71dが互いに直角に交差して形成されている。
このスリット部G71dは、図9(a)に示すように、クッション部G71の径方向に亘って形成されており、クッション部G71の上面部G71eから周面G71fにかけて、先端部は高さ方向の略中間部位に至るまで4カ所に形成されている。
一方、固定部材11は、軽量かつ硬度の大きい熱可塑性ポリウレタン(TPU)等の樹脂製であって、円盤部11aと、円盤部11aの裏面側に形成された圧入部11bとからなる。
圧入部11bは、4枚の側面鋭角三角形状の圧入片11cが、夫々の直線状の先端部が平面十字状になるように配設されている。
圧入片11cは、夫々、厚さ方向において先端に向かって収れんする一対の傾斜面部11dを有している。
従って、本実施の形態にあっては、クッション部G71は空隙部G62内に挿入配置される際には、クッション部G71の径寸法は空隙部G62の径寸法と略同一に形成されていることから容易に空隙部G62内に挿入配置される。
クッション部G71が挿入された後、図8及び図9(b)に示すように、固定部材11が、インソール部3を介して上端開口部G61bの上方から、上面部G71e中央の凹部G71cにおいて、スリット部G71dに対して圧入される。
この場合、4枚の圧入片11cは、夫々、十字状に形成されたスリット部G71dに入り込み、側方テーパ状に形成された傾斜面部11dがスリット部G71d内に進入することにより、4本のスリット部G71dの間に夫々形成された係止片G73aが圧入片11cに押されて横方向へ拡開する。
その結果、係止片G73aは空隙部G62の側面である係合受部G63に圧接した状態で固定される。
この係止片G73aの拡開動作により4つの係止片G73aが夫々係合受部G63に圧接して係合部G76が形成されるように構成されている。
従って、図8に示すように、本実施の形態にあっては、ヒール部G6の空隙部G62内にクッション部G71を収納配置した際に、固定部材11がクッション部G71の上面部G71eから圧入されることにより、クッション部G71の上部G79が拡開することにより係止部G73が形成され、係止部G73が空隙部G62の係合受部G63に圧接することにより係合部G76が形成される。
そして、アッパー部2のインソール部3の固定部材11の対応部位には厚さ方向に貫通する穴部が形成され、穴部内に固定部材11がインソール部3に向かう抜け方向に移動しないよう、足裏の保護を兼用した樹脂製のキャップ部12が設けられている。
キャップ部12は円盤状の頭部12aと、頭部12aの裏面側から下方へ延出された軸部12bとにより構成され、軸部12bの下端部は固定部材11の上端部に当接していると共に、頭部12aは上方を中敷部3により被覆された状態でクッション部G71上方に配設されている。
その結果、本実施の形態においては、空隙部G62の径寸法と略同一に形成されたクッション部G71を空隙部G62内に挿入する場合には、他の実施の形態の場合に比して、容易に下端開口部G61aから空隙部G62内に挿入することができる。
また、空隙部G62内に挿入配置した後においては、固定部材G11をインソール部3を介して上方からをスリット部G71dに圧入することにより係止片G73aを横方向へ拡開させて係合受部G63へ圧接させることにより係合部G76を形成するように構成されていることから、他の実施の形態の場合とは異なり、クッション部G71のヒール本体部G7の空隙部G62への挿入及び係合部G76の形成を容易に行うことができる。
また、経年時にクッション部G71及びトップリフト部G72が劣化し、交換の必要性が生じた場合には、固定部材11をスリット部G71dから引き抜くことにより係合部G76を解除することができるため、他の実施の形態におけるように、別途、抜き出し用の工具を使用することなく、容易にクッション部G71をヒール本体部G61から抜去することができる。
また、本実施の形態に係るヒール構造にあっては、他の実施の形態における場合と同様に、クッション部G71及びトップリフト部G72のヒール本体部G61への固定力を維持しつつ、一方で、クッション部G71及びトップリフト部G72装着、交換の容易性を確保することが可能となる。
また、本実施の形態にあっては、金属製の固定部材11が配設されていた場合であっても、固定部材11上にキャップ部12が設けられていることから、使用者が履いて使用した場合に、固定部材11による足への突き当たり感を発生させることなく、快適な履き心地を提供することができる。
上記実施の形態では、空隙部G62をヒール部G6の高さ方向で貫通させて上端開口部G61b及び下端開口部G61aを形成し、係合部G76を係合受部G63と係止部G73とを空隙部G62の高さ方向の上端部の部位のみで傾斜させた構成のものを開示したが、この実施の形態にされない。
図10は、図4に示す実施の形態を基本として、クッション部の係止部の形状及び空隙部の係合受部の形状を変更した例を示す。
図10に示すように、ヒール部H6は、ヒール本体部H61の内部に設けられて下端側から上端側の高さ方向に貫通して、下端開口部H61a及び上端開口部H61bを有する全体円筒状の空隙部H62と、空隙部H62に交換可能に設けられるヒール構造体7(本実施の形態においてH7として図示する)とを備えている。
空隙部H62は、爪先部側の一部が平面部H62aを備えた全体略円柱状に形成されている。
図10(a)及び(b)に示すように、空隙部H62は、他の実施の形態とは異なり、全体直円筒状であって、高さ方向における上端部寄りには、全周に亘り、やや下方に向かって傾斜する係合面部H64aを有する係合段部H64が形成されている。
この係合段部H64は、空隙本体部H62dと同一の断面形状であって、空隙本体部H62dよりも径大に形成されている。
ヒール構造体H7は、空隙部H62に交換可能に収納配置された軟質弾性体からなるクッション部H71と、空隙部H62の下端開口部H61aを閉塞するようにクッション部H71に設けられ、かつ、クッション部H71に強固に接着固定され、クッション部H71とは別部材であってより硬度の大きな硬質弾性体からなるトップリフト部H72とを一体的に備えている。クッション部H71の素材は他の実施の形態の場合と同様である。
クッション部H71は、空隙部H62の高さ寸法よりも低い高さ寸法に形成されているとともに、空隙部H62内に収納配置した際における爪先部側に平面部H71aが形成された全体円柱状に形成されている。
クッション部H71は、軟質ゴム・発砲ウレタン系樹脂・エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)等からなり、ヒール本体部H61が有する弾性力よりも大きな弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収性を備えている。
クッション部H71は、本来、空隙部H62の内容積よりも大きな体積を有しており、空隙部H61に収納配置したときには全体的にクッション部H71の全体が弾性力によって圧縮されて空隙部C62内に収納された状態となっている。
クッション部H71は、全体形状は空隙部H62と同一の形状であって、クッション本体部H71g及びクッション本体部H71gの上方に連設してより径大に形成されたクッション係合部H71hとからなる。
クッション係合部H71hの上端周縁部は上端に向かうに従って径小となるようなテーパ状の面取り加工が施されて形成されていると共に、クッション係合部H71hの高さ寸法は空隙部H62の係合段部H64の高さ寸法と同一に形成されている。
従って、本実施の形態にあっては、空隙部H62の係合段部H64とクッション部H71の係止部H71hは互いに係合することにより係合部H76を構成する。
トップリフト部H72の素材及び構成は図4に示す実施の形態の場合と同様である。
即ち、硬質ゴム等から形成されており、ヒール部H6の下端部に配置され、ヒール部H6の下端面形状と一致する当接部を有する接地面部H74と、接地面部H74から突出して空隙部H62の内部に配設される支持部H75とが一体的に形成されており、この支持部H75の上端面にクッション部H71の下端面が当接して接合されている。
トップリフト部H72は、使用者の足に装着されて使用された場合であっても弾性変形し難い硬度を備えており、支持部H75の平断面において空隙部H62の下端側の開口断面積と同一に形成されている。
本実施の形態にあっては、ヒール構造体H7がヒール部6に装着された場合には、トップリフト部H72の接地面部H74の上端面とヒール部H6の下端面との間には、少なくとも使用者の体重が加わっていないときにクッション部H71の弾性により離間する間隙部8(本実施の形態においてH8)が形成されるように構成されている。
従って、本実施の形態にあっては、クッション部H71及びトップリフト部H72のヒール本体部H61への装着時においては、クッション部H71を空隙部H62の下端開口部H61aから空隙部H62内に圧入し、係合段部H64へクッション係合部H71hを係合させることにより係合部H76を形成して、クッション部H71を空隙部H62内に挿入固定することができる。
従って、本実施の形態においては、他の実施の形態における場合とは異なり、改造したコルク打栓器等の他の器具を使用することなく、クッション部H71及びトップリフト部H72をヒール本体部H61に装着することができる。
その結果、軟質弾性体からなるクッション部H71が空隙部H62に交換可能に収納配置され、クッション部H71よりも硬い硬質弾性体からなるトップリフト部H72が下端開口部H61aを閉塞するようにクッション部H71に設けられ、クッション部H71の脱落を防止する係合部H76が空隙部H62とクッション部H71との間に形成される。
本実施の形態においては、クッション部H71とトップリフト部H72とは、係合部H76によって脱落が防止されている一方、使用時に使用者がパンプス1を履いて使用者の体重がヒール本体部H61に作用した場合には、クッション部H71は使用者の踵の直下に位置することから、体重はクッション部H71により支持され、その結果、クッション部H71は弾性圧縮することとなるが、この際の荷重を係合部H76が支持する。
また、ヒール本体部H61の下端面とトップリフト部H72の接地面部H74の上端面との間に間隙部H8が形成されていることから、歩行時等において地面からの衝撃がヒール本体部H61に入力された場合には、トップリフト部H72の支持部H75が空隙部H62内を、クッション部H71を下方から圧縮しつつ上方へ移動することにより衝撃を緩和することができ、その結果、ハードタイプヒール及びソフトタイプヒールのいずれにおいても、歩行時等における地面からの衝撃の吸収力に優れたクッション性を有するヒール構造を提供することが可能となる。
また、経年時にトップリフト部H72が摩耗等したような場合や、クッション部H71クッション性が劣化したような場合には、クッション部H71の弾性力よりも高い引き抜き荷重を作用させることにより、空隙部H62からクッション部H71を引き抜くことができるため、トップリフト部H72と一緒にクッション部H71の交換が可能となる。
この場合には、本実施の形態にあっては他の実施の形態における場合とは異なり、係合部76は、クッション係合部H71hと係合段部64との係合状態により形成されており、係合段部64は下方へやや傾斜する係合面部H64aを有していることから、下端開口部H61bへの引き抜きを、他の実施の形態における場合よりも、さらに容易かつ円滑に行うことができる。その他の構成、作用、効果は他の実施の形態における場合と同様である。
図11に示すヒール構造は、ヒール本体部の高さ寸法を小さく形成すると共にクッション部をヒール部外方に露出させてヒール本体部と共にヒール部を形成した場合の実施の形態である。
図11に示すように、ヒール部J6は、高さ寸法が短寸のヒール本体部J61と、上半部はヒール本体部J61の内部に収納されると共に下半部はヒール本体部J61の下方において外部に露出して配置されるクッション部J71とからなる。
本実施の形態にあっては、ヒール本体部J61は他の実施の形態における場合よりも高さ寸法は短く形成されてアウトソール5に固定されている。
ヒール本体部J61内には下端側から上端側の高さ方向に貫通して上端開口部J61b及び下端開口部J62aを有する空隙部J62が形成され、空隙部J62には、交換可能に設けられたヒール構造体7(本実施の形態においてJ7)が収納固定されている。
ヒール本体部J61は、婦人用履物一般(例えば、ローヒールタイプのパンプス)のヒール高さ寸法の半分程度の高さ寸法として形成されている。
空隙部J62は、爪先部側の一部が平面部J62aを備えた全体略短裁頭円錐状に形成されている。
空隙部J62は、その平面部J62aは垂直に形成されると共に、平面部J62aに連接された周面部は下端開口部J61aから上端開口部J61bに至るに従って拡開するように傾斜して係合受部J63を形成している。
ヒール構造体J7は、空隙部J62に交換可能に収納配置された軟質弾性体からなるクッション部J71と、空隙部J62の下端開口部J61aを閉塞するようにクッション部J71に設けられ、かつ、クッション部J71とは別部材であって、より硬度の大きな硬質弾性体からなるトップリフト部J72とを一体的に備えている。
この場合、クッション部J71とトップリフト部J72とは、接着剤を介して通常の使用形態において分離しないように予め強固に固定されており、その意味において一体的とされている。
クッション部J71は、軟質ゴム・発砲ウレタン系樹脂・エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)等からなり、ヒール本体部J61が有する弾性力よりも大きな弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収性を備えている。
本実施の形態にあっては他の実施の形態とは異なり、クッション部J71は、圧入部J71iと、圧入部J71iの下部に一体に形成された露出部J71jとにより構成されている。
圧入部J71iは空隙部J62の内周面部の形状と同一の形状に形成されており、平面部J62aと接合する平面部J71kと、係合受部J63と係合する係止部としての円錘状部J71Lとにより構成され、係合受部J63及び係止部としての円錘状部J71Lにより係合部J76が形成される。
露出部J71jは、圧入部J71iよりも径大に形成され、全体形状は、ヒール本体部J61と共にヒール部7を連続して形成しうる輪郭形状に形成されている。
トップリフト部J72は、硬質ゴム等から形成されており、ヒール部J6の下端部に配置され、上端面にクッション部J71の下端面が接着固定されて接合されている。
トップリフト部J72は、使用者の足に装着されて使用された場合であっても弾性変形し難い硬度を備えており、クッション部J71の下端側の開口形状と同一であって、かつ、クッション部J71の下端側の断面積と同一に形成されている。
トップリフト部J72は、使用者の歩行等に起因して荷重(体重負荷)が加わった場合には、クッション部J71の上下方向における弾性圧縮に伴いトップリフト部J72が変形する。
本実施の形態においては、下端開口部J61aを備える空隙部J62がヒール部J6の内部に設けられ、軟質弾性体からなるクッション部J71が空隙部J62に固定されていると共に、クッション部J71の下方にはトップリフト部J72が設けられ、クッション部J71及びトップリフト部J72は一体として交換可能に構成されている。
従って、本実施の形態にあっては、歩行時等の踵への衝撃を緩和するための弾性を有するクッション部J71を構成する圧入部J71iがヒール部J6に形成された空隙部J62内に配置されると共に、ヒール部J6の下方には露出部J71jが配設されていることから、歩行時の接地面からの衝撃を径大であって厚さ寸法の大きなクッション部J71により有効に吸収することができ、クッション性の良好な歩行感覚を提供することができる。
また、クッション部J71とトップリフト部J72とは、係合部J76によって脱落が防止されている一方、トップリフト部J72が摩耗等したような場合には、クッション部J71の弾性力よりも高い引き抜き荷重を作用させることにより、空隙部J62からクッション部J71を引き抜くことができるため、トップリフト部J72と一緒にクッション部J71の交換が可能となる。
従って、本実施の形態に係るヒール部J6及びヒール構造体J7が、パンプス等のいわゆるハードタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部J71によるクッション性を確保することが可能となる。
また、クッション部J71並びにトップリフト部J72の経年劣化が発生した場合に、クッション部J71とトップリフト部J72とを同時に交換することができる。
また、本実施の形態に係るヒール部J6及びヒール構造体J7が、ソフトタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部J71により、ヒールのクッション性に加えてさらにクッション性を増大させることが可能となる。
また、クッション部J71並びにトップリフト部J72の経年劣化が発生した場合に、クッション部J71とトップリフト部J72とを同時に交換することができる。
従って、従来不可能であった、ソフトタイプヒールの婦人靴におけるトップリフトの交換を可能にすることができる。
さらに、空隙部J62には、下端開口部よりも上方に向かうに従って開口断面積が広くなるように傾斜を備える係合受部J63と、クッション部J71に形成されてトップリフト部J72よりも上方において係合受部J63と当接する係止部J73とにより係合部J76が形成されることにより、別途の固定部材等を要することなく、空隙部J62の内部構造のみで係合部を構成することができる。
上記実施の形態では、空隙部J62をヒール部J6の高さ方向で貫通させて上端開口部J61b及び下端開口部J61aを形成し、係合部J76を係合受部J63と係止部J73とを空隙部J63の高さ方向の略全体で傾斜させた構成のものを開示したが、この具体実施の形態に限定されない。
図12に示すヒール構造は、ヒール部の後部を上方に向かって斜めにカットして形成し、後方へクッション部を部分的に露出させた例を示す。
本実施の形態に係るヒール構造は、いわゆる「ランディングカット」(登録商標)が施されて形成されており、歩行時における踵からの着地時により安定した着地を行えるように構成されている。
図12(a)において実線及び破線により示すように、ヒール本体部K61は、図1に示すヒール本体部A61の標準的な形状を基本として、ヒール本体部の曲面周面部を、両側面部前端部K61cから後端部K61dに至るにしたがって高さ寸法が小さくなるような曲線を以て切除された形状に形成されている。
図12に示すように、ヒール部K6は、ヒール本体部K61の内部に設けられて下端側から上端側の高さ方向に貫通して、楕円形状の下端開口部K61a及び上端開口部K61bを有する全体円筒状の空隙部K62と、空隙部K62に交換可能に設けられるヒール構造体7(本実施の形態においてK7として図示する)とを備えている。
空隙部K62は、爪先部側の一部が平面部K62aを備えた全体略円柱状に形成されている。
本実施の形態においては、空隙部K62は、図12(a)に示すように、前後方向においては下端開口部K61aから上端開口部K61bに至るに従って拡開すると共に、左右方向においては下端開口部K61aから上端開口部K61bに至るに従って拡開するような形状に形成され、この両側方部及び後方部により係合受部K63が形成されている。
ヒール構造体K7は、空隙部K62に交換可能に収納配置された軟質弾性体からなるクッション部K71と、クッション部K71に設けられ、かつ、クッション部K71とは別部材であってより硬度の大きな硬質弾性体からなるトップリフト部K72とを一体的に備えている。
クッション部K71とトップリフト部K72とは、接着剤を介して通常の靴としての使用形態において分離しないように予め強固に固定されており、その意味において一体的とされている。
クッション部K71は、軟質ゴム・発砲ウレタン系樹脂・エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)等からなり、ヒール本体部K61が有する弾性力よりも大きな弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収性を備えている。
クッション部K71は、空隙部K62の前端平面部K62cの高さ寸法よりもやや短い高さ寸法であって、空隙部K62の内周面形状と同一に形成に形成され、空隙部K62内に収納配置した際における爪先部側に平面部K71aを有する全体裁頭円錐状に形成されており、円錐状部K71Lの周面部により係止部K73が形成されている。
爪先部側に平面部K71aが形成されることにより空隙部K62内に収納された場合には、空隙部K62の平面部K62aと接合してクッション部K71の横方向における回転を防止し、クッション部K71を空隙部K62内において固定して配置することができる。
本実施の形態にあっては、図12(a)及び図12(b)に示すように、ヒール本体部K61は「ランディングカット」(登録商標)が施され、両側面部において後端部に至るにしたがって拡開するように斜め上方に切りかかれ、開口部K64が形成されており、クッション部K71の下部後端部K64aは開口部K64を介して後方へ露出して配置されている。
トップリフト部K72は、硬質ゴム等から形成されており、ヒール部K6の下端部に配置され、接地面部K74と、接地面部K74から突出して空隙部K62の内部に配設される支持部K75とが一体的に形成されており、この支持部K75の上端面にクッション部K71の下端面が当接して接着固定により接合されている。
接地面部K74は、全体略板状に形成され、図12(a)に示すように側方視においては、後端部K74aに至るに従って接地面から離間するように形成されていると共に、前端部K74bの厚さ寸法は、ヒール部本体K61の前端部K61aの下方に空隙部K8が形成できるような厚さ寸法に形成されている。
従って、本実施の形態にあっては、ヒール部本体K61の前端部K61aとトップリフト部の接地面部K74との間には空隙部K8が形成されている。
また、図12(b)に示すように、後端部K74aにおいては、ヒール本体部K61の幅方向において幅方向中央部が幅方向両端部よりも接地面から離間するように上方へ円弧状にカーブした状態に折曲形成されている。
トップリフト部K72は、使用者の足に装着されて使用された場合であっても弾性変形し難い硬度を備えており、支持部K75の平断面において空隙部K62の下端側の開口断面積と同一に形成されている。
本実施の形態においては、ヒール本体部K61にいわゆる「ランディングカット」(登録商標)が施されていることから、ヒール本体部K61の後部が切り欠かれて開口部K64が形成されると共に、開口部K64においてクッション部K71が後方に向かって露出するように構成されていることから、本実施の形態に係るヒール本体部K61を装着したパンプス1を履いて歩行等を行った場合には、歩行の際に足が着地する際にトップリフトK72の後端部K74a及びヒール本体部K61内のクッション部K71の接地面部の後端部K74aから地面に接地することとなり、通常のヒール本体部を備えた靴とは異なり、安定した着地と、着地時における良好なクッション性を確保することができ、その結果、自然な体重移動が可能となって足腰の負担を軽減することができる。
また、本実施の形態にあっては、ヒール部本体K61の前端部K61cとトップリフト部の接地面部K74との間には空隙部K8が形成されていることから、歩行時、特に、後足の踏み出し時には、トップリフト部K72の接地面部K74の前端部K74bが空隙部K8内において変形することができるため、クッション性を持った踏み出し動作を行うことが可能となる。
また、ヒール部K6の下端面とトップリフト部K6の上端面との間にクッション部K71の弾性により離間する空隙部K8が形成されていることから、歩行時等における地面からの衝撃の入力を接地面部K74が空隙部K8において変形することにより有効に吸収することができる。
本実施の形態にあっては、ヒールK6の作製時には、ヒールK6内部の空隙部K62内にクッション部材K71を挿入し、クッション部材K71に形成された係止部K73を、空隙部K62内周面部に形成された係合受部K63に係合させることにより、クッション部材K71を空隙部K62内に容易に別途の固定部材等を要することなく、空隙部K62の内部構造のみで係合固定することが可能となる。
また、クッション部K71とトップリフト部K72とは係合部K76によってヒール部K6からの脱落が防止されている一方、トップリフト部K72が摩耗等したような場合には、クッション部K71の弾性力よりも高い引き抜き荷重を作用させることにより、空隙部K62からクッション部K71を引き抜くことができるため、トップリフト部K72と一緒にクッション部K71の交換が可能となる。
従って、本実施の形態に係るヒール部K6及びヒール構造体K7が、パンプス等のいわゆるハードタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部K71による、使用者の装着時における体重の支持及び歩行時等における地面からの衝撃の吸収の際におけるクッション性を確保することが可能となる。
また、クッション部K71並びにトップリフト部K72の経年劣化が発生した場合に、クッション部K71とトップリフト部K72とを同時に交換することができる。
また、本実施の形態に係るヒール部K6及びヒール構造体K7が、ソフトタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部K71により、ヒールのクッション性に加えてさらにクッション性を増大させることが可能となる。
また、クッション部K71並びにトップリフト部K72の経年劣化が発生した場合に、クッション部K71とトップリフト部K72とを同時に交換することができる。
従って、従来不可能であった、ソフトタイプヒールの婦人靴におけるトップリフトの交換を可能にすることができる。
上記実施の形態では、空隙部K62をヒール部K6の高さ方向で貫通させて上端開口部K61b及び下端開口部K61aを形成し、係合部K76を係合受部K63と係止部K73とにより空隙部K63の高さ方向の略全体で傾斜させた構成のものを開示したが、この具体実施の形態に限定されない。
図13に示す実施の形態は、ヒール本体部の空隙部の構造を変更して形成した例である。
図13に示すように、ヒール部L6は下端開口部L61a及び上端開口部L61bを有する全体円筒状の空隙部L62と、空隙部L62に交換可能に設けられるヒール構造体7(本実施の形態においてL7として図示する)とを備えている。
空隙部L62は、爪先部側の一部が平面部L62aを備えた全体略円柱状に形成されている。
空隙部L62の幅方向両側において前後方向中央部には、上端開口部L61bに連通すると共に高さ方向中間部に至る係合受部L63が、ヒール本体部L61の幅方向において対向して一対に形成されている。
係合受部L63は、高さ方向に沿って形成された細幅の溝部からなり、下端部はクッション部L71の半球突状の係止部L73を収納しうるように半紡錘球形状に形成されている。また、係合受部L63の幅寸法は上記係止部L73の径寸法と同一に形成されている。
ヒール構造体L7は、空隙部L62に交換可能に収納配置された軟質弾性体からなるクッション部L71と、空隙部L62の下端開口部L61aを閉塞するようにクッション部L71に設けられ、かつ、クッション部L71とは別部材であってより硬度の大きな硬質弾性体からなり、クッション部L71に強固に接着固定されたトップリフト部L72とを一体的に備えている。
クッション部L71は、軟質ゴム・発砲ウレタン系樹脂・エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)等からなり、ヒール本体部L61が有する弾性力よりも大きな弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収性を備えている。
クッション部L71は、空隙部L62の高さ寸法よりも小さい高さ寸法に形成されているとともに、空隙部L62内に収納配置した際における爪先部側に平面部L71aが形成された全体円柱状に形成されている。
爪先部側に平面部L71aが形成されることにより空隙部L62内に収納された場合には、空隙部L62の平面部L62aと接合してクッション部L71の横方向における回転を防止し、クッション部L71を空隙部L62内において固定して配置することができる。
クッション部L71は、本来、空隙部L62の内容積よりも大きな体積を有しており、空隙部L62に収納配置したときには全体的にクッション部L71の全体が弾性力によって圧縮されて空隙部L62内に収納された状態となっている。
クッション部L71は、円柱状部L71bに径方向の両側に、係合受部L73の下端部の形状と同一の半紡錘球形状からなる係止部L73が一対に幅方向において対向して膨出形成されている。
係止部L73は、円柱状部L71bの高さ方向の中央部において、クッション部L71が空隙部L62内に収納された場合には、空隙部L62の幅方向において内周面部に一対に形成された係合受部L63に係合できる高さ位置及び左右位置に、係合受部L63の幅寸法と同一の幅寸法に形成されている。
従って、本実施の形態にあっては、空隙部L62の係合受部L63とクッション部L71の係止部L73とは互いに係合することにより係合部L76を構成している。
本実施の形態に係るトップリフト部L72は、図6に示す実施の形態に係るトップリフト部E72の構成と同一であり、作用、効果も同一である。
即ち、トップリフト部L72は、接地面部L74と、接地面部L74上部に連設され、空隙部L62内に配置されると共に、クッション部L71に接着固定される支持部L75とからなり、接地面部L74は接地面に追随できる柔軟性を有すると共に、支持部L75は接地面部L74よりも高い硬度を有している。
接地面部L74は硬質ゴム製であって、平断面において空隙部L62の下端側の開口断面積と同一に形成されており、支持部L75は、接地面部L74と同一の断面形状に形成され、硬質ゴムからなる接地面部L74よりも硬度が高い合成樹脂製である。
接地面部L74の周縁部には、下方に向かって収斂するテーパ状の面取り処理が施されている。
本実施の形態にあっては、ヒール構造体L7がヒール部6に装着された場合には、トップリフト部L72の接地面部L74の上端面とヒール部L6の下端面との間には、非装着時においてクッション部L71の弾性により離間する間隙部8(本実施の形態においてL8)が形成されるように構成されており、間隙部L8には、クッション部L71と同等以上の弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収力を有する弾性体からなるスペーサ部材9(本実施の形態においてL9として図示)が設けられている点では他の実施の形態と同様の構成であり、同様の作用、効果を奏する。
また、ヒール本体部L61の下端面とスペーサ部材L9との間、並びに、空隙部L62の周面とクッション部L71の周面との間に跨るように、断面L字状のガイド部材10(本実施の形態においてL10)が設けられている点は、図7及び図8に示す実施の形態における場合と同様であり、その構成、機能、効果も同様である。
即ち、ガイド部材L10は、底面部L10aと、底面部L10aから直角に立ち上がって形成された立ち上がり片部L10bとにより構成され、底面部L10aは支持部L75の周縁上面部に接するように配設されると共に、立ち上がり片部L10bは支持部L75の周面部及びクッション部L71の下端部の周縁部に接するように配設されている。
本実施の形態にあっては、空隙部L62の両側部には、高さ方向に沿って形成された細幅の溝部からなる係合受部L63が一対に互いに対向して形成されていると共に、クッション部L71の両側部には、係合受部L63に上下方向において移動可能に係合する半球突状の係止部L73が形成されていることから、接地面からの衝撃がヒール本体部L61に入力された場合には、クッション部L71は収縮して衝撃を吸収するが、この際に、溝状の係合受部L63内に収納係止されている係止部L73は係合受部L63内を上昇することにより地面等から入力された衝撃エネルギーを上方へ逃がす。
その結果、図10に示す実施の形態における場合に比して、係合部へ衝撃のエネルギーが集中することを回避することができ、より係合部L76の耐久性を確保することが可能となると一方、装着時における使用者の体重をクッション性を以て支持することができると共に、歩行時におけるより良好なクッション性を確保し、使用者の足への負担を軽減した婦人用履物を提供することができる。
本実施の形態に係るヒール部L6及びヒール構造体L7が、パンプス等のいわゆるハードタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部L71によるクッション性を確保することが可能となる。
また、クッション部L71並びにトップリフト部L72の経年劣化が発生した場合に、クッション部L71とトップリフト部L72とを同時に交換することができる。
また、本実施の形態に係るヒール部L6及びヒール構造体L7が、ソフトタイプヒールの婦人靴に適用された場合には、クッション部L71により、ヒールのクッション性に加えてさらにクッション性を増大させることが可能となる。
また、クッション部L71並びにトップリフト部L72の経年劣化が発生した場合に、クッション部L71とトップリフト部L72とを同時に交換することができる。
従って、従来不可能であった、ソフトタイプヒールの婦人靴におけるトップリフトの交換を可能にすることができる。
なお、本実施の形態にあっては、空隙部L62の両側部には、高さ方向に沿って形成された細幅の溝部からなる係合受部L63が一対に互いに対向して形成されていると共に、クッション部L71の両側部には、係合受部L63に上下方向において移動可能に係合する半球突状の係止部L73が形成されている場合を例に説明したが、例えば、係合受部L63に係止部L73が固定配置された場合の上方の空隙を形成させることなく、当該空隙と同一形状の閉止部材を、係止部L73の係合受部L63への配置後に挿入固定して、係止部L73を上下方向に移動しないようにして固定させるように構成することもできる。
図14及び図15は、図13に示した実施の形態の他の実施例を示す。
本実施の形態にあっては、図13に示す実施の形態に係る構成を基本として、以下の点を変更して形成されている。
図14(b)に示すように、クッション部L71の径寸法を空隙部L62の径寸法よりも小さく形成すると共に、空隙部L62の下方開口部L61aにおいて空隙部L62内方へ突出する突出段部L62eを形成したものである。なお、本実施の形態にあっては、ガイド部材L10は使用されていない。
図15に示すように、トップリフト部L72には、支持部L75の上端部において両側部及び後部に、外方へ突出すると共に、空隙部L62に装着された場合には、突出段部L62eに対して上方から係合する、上方へ向かって収れんするテーパ状の外側面部L75aを有する断面台形状のロック部L75bが設けられている。
従って、本実施の形態にあっては、トップリフト部L72がクッション部L71と共に空隙部L62内に装着された場合には、トップリフトL72のロック部L75bは空隙部内に挿入L62の突出段部L62eと係合する。
また、前記のように、クッション部L71の径寸法は空隙部L62の径寸法よりも小さく形成されていることから、突出段部L62eの上方には、空隙部L62の周面部とクッション部L71の周面部との間に空隙L62fが形成されている。
その結果、クッション部L71及びトップリフト部L72のヒール本体部L61への装着時には、空隙部L62の下端開口部L61aからクッション部L71及びトップリフト部L72を挿入して、係止部L73を係合段部L63に係合させると共に、テーパ状の外側面部L75aを利用してロック部L75bを突出段部L62eへ係合させることにより容易に装着することができる。
また、歩行時等において、使用者の歩行時等において接地からの衝撃がヒール本体部L61に入力された場合には、図13に示す実施の形態における場合と同様に、クッション部L71は収縮して衝撃を吸収し、この際に、溝状の係合受部L63内に収納係止されている係止部L73は係合受部L63内を上昇することにより地面等から入力された衝撃エネルギーを上方へ逃がす。
また、本実施の形態にあっては、トップリフト部L72の支持部L75には、空隙部L62の突出段部L62eに対して上方において係合するロック部L75bが設けられていることから、下方からの衝撃が入力された場合には突出段部L62eとの係合は解除され、クッション部L71の収縮に追随して空隙L62f内を上方へ移動することができ、その結果、トップリフト部L72においても衝撃エネルギーの緩和を作用することができる。
従って、図13に示す実施の形態における場合よりも、より地面からの衝撃力の吸収性に優れたヒール構造を提供することができる。
また、クッション部L71の素材品質のばらつきによる反発力の個体差があった場合であっても、素材品質による反発力の個体差に関わらず、所定の反発力を確保することが可能となる。
図16は、本発明に係る婦人用履物のヒール構造をハイヒールタイプのブーツ1に適用した場合を示す。
図16に示すように、本実施の形態に係るブーツ1のヒール部6(本実施の形態ではM6)は、ヒール本体部M61が硬質樹脂や金属、或いは木材等により、7cm以上の高さ寸法であって細く形成されている。
図16に示すヒール構造は、ヒール本体部M61内の空隙部M62には高さ方向に沿って溝状の係合受部M63が形成されると共に、図13に示す実施の形態における場合と同様に、クッション部M71には係合受部M63に係合する係止部M73が突出形成されており、この係合受部M63に係合する係止部M73による係合部M76の構成は図13及び図14の実施の形態の場合と同様である。
図16に示すように、ヒール部M6は、下端開口部M61a及び上端開口部M61bを有する全体円筒状の空隙部M62と、空隙部M62に交換可能に設けられるヒール構造体7(本実施の形態においてM7として図示する)とを備えている。
空隙部M62は、爪先部側の一部が平面部M62aを備えた全体略円柱状に形成されている。
空隙部M62のカカト側には、上端開口部M61bに連通すると共に高さ方向中間部に至る係合受部M63が形成されている。
係合受部M63は、高さ方向に沿って形成された細幅の溝部からなり、下端部はクッション部M71の半球突状の係止部M73を収納しうるように半紡錘球状に形成されている。
また、係合受部M63の幅寸法は上記係止部M73の径寸法と同一に形成されている。
ヒール構造体M7は、空隙部M62に交換可能に収納配置された軟質弾性体からなるクッション部M71と、空隙部M62の下端開口部M61aを閉塞するようにクッション部M71に設けられたトップリフト部M72とを備えている。
クッション部M71とトップリフト部M72とは、接着剤を介して通常の靴としての使用形態において分離しないように予め強固に固定されている。
クッション部M71は、空隙部M62の高さ寸法よりも大きい高さ寸法に形成されているとともに、空隙部M62内に収納配置した際における爪先部側に平面部M71aが形成された全体円柱状に形成されている。
クッション部M71は、軟質ゴム・発砲ウレタン系樹脂・エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)等からなり、ヒール本体部M61が有する弾性力よりも大きな弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収性を備えている。
爪先部側に平面部M71aが形成されることにより空隙部M62内に収納された場合には、空隙部M62の平面部M62aと接合してクッション部M71の横方向における回転を防止し、クッション部M71を空隙部M62内において固定して配置することができる。
クッション部M71は、本来、空隙部M62の内容積よりも大きな体積を有しており、空隙部M62に収納配置したときには全体的にクッション部M71の全体が弾性力によって圧縮されて空隙部M62内に収納された状態となっている。
クッション部M71は、円柱状部M71bのカカト側周面部に半紡錘球状の凸部からなる係止部M73が膨出形成されている。
係止部M73は、円柱状部M71bの高さ方向の中央部において、クッション部M71が空隙部M62内に収納された場合には、空隙部M62の後端部であるカカト側において内周面部に形成された係合受部M63に係合できる高さ位置及び左右位置において、係合受部M63の幅寸法と同一に形成されている。
従って、本実施の形態にあっては、空隙部M62の係合受部M63とクッション部M71の係止部M73とは互いに係合することにより係合部M76を構成する。
トップリフト部M72は、硬質ゴム等から形成されており、ヒール部M6の下端部に配設され、ヒール部M6の下端面形状に適合する当接部を有する接地面部が形成されており、上端面にクッション部M71の下端面が当接して接合されている。
トップリフト部M72は、使用者の足に装着されて使用された場合であっても弾性変形し難い硬度を備えており、平断面においてヒール本体部M61の下端面部の開口断面積と同一に形成されている。
本実施の形態にあっては、他の実施の形態における場合とは異なり、クッション部M71とトップリフト部M72とはいずれも同一素材からなり、非発泡性のゴムにより形成されている。
ハイヒールタイプの場合には、所定の剛性がないとヒール部M7全体として使用者の体重を支持することができないためである。
但し、クッション部M71及びトップリフト部M72はヒール部M6の弾性力よりも大きな弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収性を備えている。
本実施の形態にあっては、ヒール構造体M7がヒール部6に装着された場合には、トップリフト部M72の接地面部M74の上端面とヒール部M6の下端面との間には、少なくとも使用者の体重が加わっていないときにクッション部M71の弾性により離間する間隙部8(本実施の形態においてM8)が形成されるように構成されている。
間隙部M8には、クッション部M71と同様の弾性力(高反発弾性及び高吸収弾性)、衝撃吸収力を有する弾性体からなるスペーサ部材9(本実施の形態においてM9として図示)が設けられている。
本実施の形態にあっては、スペーサ部M9が間隙部M8内に配設されていることから、クッション部M9によりヒール本体部M61の上下動の吸収を行うことができると共に、ゴミ、小石等の侵入を排除することが可能となる。
本実施の形態においては、下端開口部M61aを備える空隙部M62がヒール部M6の内部に設けられ、弾性体からなるクッション部M71が空隙部M62に交換可能に収納配置され、クッション部M71と同一素材の弾性体からなるトップリフト部M72が下端開口部M61aを閉塞するようにクッション部M71に設けられ、クッション部M71の脱落を防止する係合部M76が空隙部M62とクッション部M71との間に形成される。
従って、ヒール部M6の下端面とトップリフト部M72の上端面との間にクッション部M71の弾性により離間する間隙部M8が形成されると共にスペーサ部M9が間隙部M8内に収納配置されていることから、使用者が本実施の形態に係るハイヒールを履き使用者の体重が加わった際にクッション部M71が圧縮されて使用者の足裏への反撥力が緩和されると共に、歩行等の際には、地面からの衝撃力がヒール部M61へ入力された場合には、地面からの衝撃をトップリフト部M72を介してスペーサ部M9及びクッション部M71により吸収することができる。
特に、本実施の形態にあっては、空隙部M62の後端部には、高さ方向に沿って形成された細幅の溝部からなる係合受部M63が形成されていると共に、クッション部M71の後端部には、係合受部M63に上下方向において移動可能に係合する半球突状の係止部M73が形成されていることから、歩行時等に接地面からの衝撃がヒール本体部M61に入力された場合には、クッション部M71は収縮して衝撃を吸収するが、この際に、溝状の係合受部M63内に収納係止されている係止部M73は係合受部M63内を上昇することにより下方から入力された衝撃エネルギーを上方へ逃がす。
その結果、より良好な歩行時の衝撃吸収性を確保することができると共に、快適なクッション性を有するブーツ1を提供することができる。
また、クッション部M71とトップリフト部M72とは係合部M76によってヒール部M6からの脱落が防止されている一方、トップリフト部M72が摩耗等したような場合には、クッション部M71の弾性力よりも高い引き抜き荷重を作用させることにより、空隙部M62からクッション部M71を引き抜くことができるため、トップリフト部M72と一緒にクッション部M71の交換が可能となる。
本実施の形態に係るヒール部M6及びヒール構造体M7が、ハードヒールを有するブーツに適用された場合には、クッション部M71によるクッション性を確保することが可能となる。
また、クッション部M71並びにトップリフト部M72の経年劣化が発生した場合に、クッション部M71とトップリフト部M72とを同時に交換することができる。