JP2020140769A - 蓄電モジュールの製造方法 - Google Patents

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祐貴 中條
岳太 岡西
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岳太 岡西
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Hiroyuki Sasaki
博之 佐々木
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Keisuke Shirai
敬介 白井
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Abstract

【課題】金属板での赤錆の発生及び進行を抑制できる蓄電モジュールの製造方法を提供する。【解決手段】複数のバイポーラ電極14を含む電極を構成する金属板を積層してなる電極積層体11を備えた蓄電モジュールの製造方法であって、電極板(金属板)15を作製する工程を備え、当該工程は、鋼板31の表面にめっきを形成してめっき鋼板を得るめっき工程と、めっき鋼板の表面を酸によって洗浄する酸洗浄工程と、を含み、電極積層体11において最外層となる電極を構成する電極板15については、酸洗浄工程後にめっき鋼板の表面をアルカリによって常温で洗浄するアルカリ洗浄工程を実施する。【選択図】図5

Description

本開示は、蓄電モジュールの製造方法に関する。
従来の蓄電モジュールとして、金属板の一方面に正極が形成され、他方面に負極が形成されたバイポーラ電極を備えるバイポーラ電池がある(特許文献1参照)。バイポーラ電池は、セパレータを介して複数のバイポーラ電極を積層してなる積層体を備えている。積層体の側面には、積層方向に隣り合うバイポーラ電極間を封止する封止体が設けられており、バイポーラ電極間に形成された内部空間に電解液が収容されている。
特開2011−204386号公報
封止体は、例えばバイポーラ電極を構成する金属板それぞれの縁部に結合された樹脂部を有している。金属板と樹脂部との結合強度を高めるため、鋼板などで形成された金属板の表面に微細な突起状のめっきを形成することが考えられる。微細な突起を形成しためっき鋼板を用いることで、突起によるアンカー効果が生じ、金属板と樹脂部との結合強度の向上が図られる。
鋼板にめっきを施す工程では、めっきの形成後にめっき鋼板を酸で洗浄する工程が含まれる。このため、洗浄後のめっき鋼板に酸が残存し、かつめっき鋼板に欠陥(めっきが形成されていない部分)が存在していると、鋼板に赤錆が生じることがある。赤錆が生じた鋼板が大気に触れると、錆が進行し、金属板の耐圧強度の減少や電解液の漏液といった不具合の要因となるおそれがある。
本開示は、上記課題の解決のためになされたものであり、金属板での赤錆の発生及び進行を抑制できる蓄電モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係る蓄電モジュールの製造方法は、複数のバイポーラ電極を含む電極を構成する金属板を積層してなる電極積層体を備えた蓄電モジュールの製造方法であって、金属板を作製する工程を備え、当該工程は、鋼板の表面にめっきを形成してめっき鋼板を得るめっき工程と、めっき鋼板の表面を酸によって洗浄する酸洗浄工程と、を含み、電極積層体において最外層となる電極を構成する金属板については、酸洗浄工程後にめっき鋼板の表面をアルカリによって常温で洗浄するアルカリ洗浄工程を実施する。
この蓄電モジュールの製造方法では、金属板を作製する作製工程において、めっき鋼板の表面を酸によって洗浄した後、アルカリによる洗浄を実施する。アルカリによる洗浄を実施することにより、めっき鋼板の表面に残存した酸が中和される。また、アルカリ洗浄後には、めっき鋼板の表面がアルカリ性となるため、鋼板の表面を不動態化させることができる。したがって、めっき鋼板に欠陥が生じていたとしても、赤錆の発生及び進行を抑制することができる。この蓄電モジュールの製造方法では、電極積層体において最外層となる電極を構成する金属板についてアルカリ洗浄工程を実施することにより、当該金属板が大気に触れたとしても赤錆の発生及び進行を抑制でき、金属板の耐圧強度の減少や電解液の漏液といった不具合の発生を防止できる。
めっき工程、酸洗浄工程、及びアルカリ洗浄工程の実施後に水洗浄工程をそれぞれ実施する。これにより、各工程の影響が次工程に及ぶことを抑制できる。
めっき工程は、鋼板の表面に下地めっき層を形成する工程と、下地めっき層の表面に複数の突起状めっきを形成する工程と、を有していてもよい。この場合、アンカー効果により、金属板を樹脂に対して十分な強度で結合させることが可能となる。めっき工程後の酸洗浄工程では、下地めっき層及び突起状めっきの形成時に生じる副反応物が除去される。これにより、突起状めっきの形状が適切なアンダーカット形状となり、アンカー効果の向上が図られる。
めっき鋼板の表面のpHが10以上となるようにアルカリ洗浄工程を実施してもよい。この場合、金属板における赤錆の発生及び進行の防止の効果を長期間にわたって持続させることができる。
本開示によれば、金属板での赤錆の発生及び進行を抑制できる。
本実施形態に係る蓄電モジュールを備えて構成される蓄電装置を示す概略断面図である。 蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。 電極板の構成を示す要部拡大断面図である。 めっき欠陥による赤錆の発生の様子を示す概略断面図である。 蓄電装置の製造工程の一例を示すフローチャートである。 作製工程においてめっき鋼板を得る工程の一例を示すフローチャートである。 鋼板表面のpHと鋼板の腐食速度との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本開示の一側面に係る蓄電モジュールの製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、蓄電装置の一実施形態を示す概略断面図である。図1に示される蓄電装置1は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置1は、積層された複数の蓄電モジュール4を含むモジュール積層体2と、モジュール積層体2に対してモジュール積層体2の積層方向Dに拘束荷重を付加する拘束部材3とを備えている。
モジュール積層体2は、複数(ここでは3つ)の蓄電モジュール4と、複数(ここでは4つ)の導電板5とを含む。蓄電モジュール4は、バイポーラ電池であり、積層方向Dから見て矩形状をなしている。蓄電モジュール4は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池、又は電気二重層キャパシタである。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
積層方向Dに互いに隣り合う蓄電モジュール4同士は、導電板5を介して電気的に接続されている。導電板5は、積層方向Dに互いに隣り合う蓄電モジュール4間と、積層端に位置する蓄電モジュール4の外側とにそれぞれ配置されている。積層端に位置する蓄電モジュール4の外側に配置された一方の導電板5には、正極端子6が接続されている。積層端に位置する蓄電モジュール4の外側に配置された他方の導電板5には、負極端子7が接続されている。正極端子6及び負極端子7は、例えば導電板5の縁部から積層方向Dに交差する方向に引き出されている。正極端子6及び負極端子7により、蓄電装置1の充放電が実施される。
導電板5の内部には、空気等の冷媒を流通させる複数の流路5aが設けられている。流路5aは、例えば積層方向Dと、正極端子6及び負極端子7の引き出し方向とにそれぞれ交差(直交)する方向に沿って延在している。導電板5は、蓄電モジュール4同士を電気的に接続する接続部材としての機能を有している。また、導電板5は、これらの流路5aに冷媒を流通させることにより、蓄電モジュール4で発生した熱を放熱する放熱板としての機能を併せ持っている。図1の例では、積層方向Dから見た導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積よりも小さくなっているが、放熱性の向上の観点から、導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積と同じであってもよく、蓄電モジュール4の面積よりも大きくなっていてもよい。
拘束部材3は、モジュール積層体2を積層方向Dに挟む一対のエンドプレート8と、エンドプレート8同士を締結する締結ボルト9及びナット10とによって構成されている。エンドプレート8は、積層方向Dから見た蓄電モジュール4及び導電板5の面積よりも一回り大きい面積を有する矩形の金属板である。エンドプレート8におけるモジュール積層体2側の面には、電気絶縁性を有するフィルムFが設けられている。フィルムFにより、エンドプレート8と導電板5との間が絶縁されている。
エンドプレート8の縁部には、モジュール積層体2よりも外側となる位置に挿通孔8aが設けられている。締結ボルト9は、一方のエンドプレート8の挿通孔8aから他方のエンドプレート8の挿通孔8aに向かって通されている。他方のエンドプレート8の挿通孔8aから突出した締結ボルト9の先端部分には、ナット10が螺合されている。これにより、蓄電モジュール4及び導電板5がエンドプレート8によって挟持され、モジュール積層体2としてユニット化されている。また、モジュール積層体2に対し、拘束荷重が積層方向Dに付加されている。
次に、蓄電モジュール4の構成について詳細に説明する。図2は、図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。図2に示されるように、蓄電モジュール4は、電極積層体11と、電極積層体11を封止する樹脂製の封止体12とを備えている。電極積層体11は、セパレータ13を介して蓄電モジュール4の積層方向Dに沿って積層された複数の電極によって構成されている。これらの電極は、複数のバイポーラ電極14の積層体と、負極終端電極18と、正極終端電極19とを含む。
バイポーラ電極14は、一方面15a及び一方面15aの反対側の他方面15bを含む電極板(電極板)15と、一方面15aに設けられた正極16と、他方面15bに設けられた負極17とを有している。正極16は、正極活物質が電極板15に塗工されることにより形成される正極活物質層である。負極17は、負極活物質が電極板15に塗工されることにより形成される負極活物質層である。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の正極16は、セパレータ13を挟んで積層方向Dの一方に隣り合う別のバイポーラ電極14の負極17と対向している。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の負極17は、セパレータ13を挟んで積層方向Dの他方に隣り合う別のバイポーラ電極14の正極16と対向している。
負極終端電極18は、電極板15と、電極板15の他方面15bに設けられた負極17とを有している。負極終端電極18は、他方面15bが電極積層体11における積層方向Dの中央側を向くように、積層方向Dの一端に配置されている。負極終端電極18の電極板15の一方面15aは、電極積層体11の積層方向Dにおける一方の外側面を構成し、蓄電モジュール4に隣接する一方の導電板5(図1参照)と電気的に接続されている。負極終端電極18の電極板15の他方面15bに設けられた負極17は、セパレータ13を介して、積層方向Dの一端のバイポーラ電極14の正極16と対向している。
正極終端電極19は、電極板15と、電極板15の一方面15aに設けられた正極16とを有している。正極終端電極19は、一方面15aが電極積層体11における積層方向Dの中央側を向くように、積層方向Dの他端に配置されている。正極終端電極19の一方面15aに設けられた正極16は、セパレータ13を介して、積層方向Dの他端のバイポーラ電極14の負極17と対向している。正極終端電極19の電極板15の他方面15bは、電極積層体11の積層方向Dにおける他方の外側面を構成し、蓄電モジュール4に隣接する他方の導電板5(図1参照)と電気的に接続されている。
電極板15は、例えば表面にめっきが施されたニッケル板や、表面にめっきが施された鋼板などの金属板からなる。ここでは、電極板15は、鋼板の表面にニッケルによるめっきを施してなるめっき鋼板によって構成されている。めっき鋼板の基材となる鋼板には、例えば圧延鋼などの普通鋼や、ステンレス鋼などの特殊鋼が用いられる。電極板15の縁部15cは、矩形枠状をなし、正極活物質及び負極活物質が塗工されない未塗工領域となっている。正極16を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極17を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。本実施形態では、電極板15の他方面15bにおける負極17の形成領域は、電極板15の一方面15aにおける正極16の形成領域に対して一回り大きくなっている。
セパレータ13は、例えばシート状に形成されている。セパレータ13としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。セパレータ13は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されたものであってもよい。
封止体12は、例えば絶縁性の樹脂によって、全体として矩形の筒状に形成されている。封止体12は、電極板15の縁部15cを包囲するように電極積層体11の側面11aに設けられている。封止体12は、側面11aにおいて縁部15cを保持している。封止体12は、電極板15の縁部15cに結合された複数の第1封止部21と、側面11aに沿って第1封止部21を外側から包囲し、第1封止部21のそれぞれに結合された第2封止部22とを有している。第1封止部21及び第2封止部22は、例えば、耐アルカリ性を有する絶縁性の樹脂である。第1封止部21及び第2封止部22の構成材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)などが挙げられる。
第1封止部21は、電極板15の一方面15aにおいて縁部15cの全周にわたって連続的に設けられ、積層方向Dから見て矩形枠状をなしている。本実施形態では、バイポーラ電極14の電極板15のみならず、負極終端電極18の電極板15及び正極終端電極19の電極板15に対しても第1封止部21が設けられている。負極終端電極18では、電極板15の一方面15aの縁部15cに第1封止部21が設けられ、正極終端電極19では、電極板15の一方面15a及び他方面15bの双方の縁部15cに第1封止部21が設けられている。
第1封止部21は、例えば超音波又は熱圧着によって電極板15の一方面15aに溶着され、気密に接合されている。第1封止部21は、例えば積層方向Dに所定の厚さを有するフィルムである。第1封止部21の内側は、積層方向Dに互いに隣り合う電極板15の縁部15c同士の間に位置している。第1封止部21の外側は、電極板15の縁よりも外側に張り出しており、その先端部分は、第2封止部22によって保持されている。積層方向Dに沿って互いに隣り合う第1封止部21同士は、互いに離間していてもよく、接していてもよい。また、第1封止部21の外縁部分同士は、例えば熱板溶着などによって互いに結合していてもよい。
第2封止部22は、電極積層体11及び第1封止部21の外側に設けられ、蓄電モジュール4の外壁(筐体)を構成している。第2封止部22は、例えば樹脂の射出成型によって形成され、積層方向Dに沿って電極積層体11の全長にわたって延在している。第2封止部22は、積層方向Dを軸方向として延在する矩形の枠状を呈している。第2封止部22は、例えば射出成型時の熱によって第1封止部21の外表面に溶着されている。
第1封止部21及び第2封止部22は、隣り合う電極の間に内部空間Vを形成すると共に内部空間Vを封止する。より具体的には、第2封止部22は、第1封止部21と共に、積層方向Dに沿って互いに隣り合うバイポーラ電極14の間、積層方向Dに沿って互いに隣り合う負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び積層方向Dに沿って互いに隣り合う正極終端電極19とバイポーラ電極14との間をそれぞれ封止している。これにより、隣り合うバイポーラ電極14の間、負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び正極終端電極19とバイポーラ電極14との間には、それぞれ気密に仕切られた内部空間Vが形成されている。この内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液を含む水系の電解液(不図示)が収容されている。電解液は、セパレータ13、正極16、及び負極17内に含浸されている。
続いて、上述した電極板15の構成について更に詳細に説明する。図3は、電極板の構成を示す要部拡大断面図である。同図に示すように、電極板15と第1封止部21とが重なる領域は、電極板15と第1封止部21との結合領域Kとなっている。結合領域Kにおいて、電極板15の表面は、粗面化されている。電極板15の表面において、結合領域Kのみが粗面化されていてもよいが、本実施形態では、電解めっきによって電極板15の面全体(一方面15a及び他方面15bを含む表面全体)が粗面化されている。
具体的には、電極板15は、鋼板31と、鋼板31の表面に設けられた下地めっき層32と、下地めっき層32の表面に設けられた複数の突起状めっき33とを有するめっき鋼板によって構成されている。鋼板31は、電極板15の基材である。下地めっき層32及び突起状めっき33の材質は、いずれもニッケルである。下地めっき層32は、鋼板31の表面を平坦化するための層であり、鋼板31を覆うように形成されている。
突起状めっき33は、例えば下地めっき層32に形成された凸部33aを基端とし、凸部33aの先端側に先太り部分33bを有している。複数の突起状めっき33により、電極板15と第1封止部21との接合界面では、溶融状態の樹脂が粗面化により形成された複数の突起間に入り込み、アンカー効果が発揮される。これにより、電極板15と第1封止部21との間の結合強度を向上させることができる。また、突起状めっき33がアンダーカット形状となっているため、アンカー効果の向上が図られる。
電極板15の製造には、鋼板31にめっきを施す工程が含まれる。めっきの形成後には、めっき鋼板を酸で洗浄し、めっき鋼板の表面に付着している酸化物を除去する工程が行われる。また、酸での洗浄後には、めっき鋼板を水で洗浄し、めっき鋼板の表面から酸を除去する工程が行われる。しかしながら、水での洗浄を行った場合でも、めっき鋼板の表面に酸が残存してしまうことがある。この場合、図4に示す例のように、洗浄後のめっき鋼板に酸が残存し、かつめっき鋼板にめっき欠陥(めっきが形成されていない部分)34が存在していると、めっき欠陥34の近傍で鋼板31に赤錆35が生じることがある。赤錆35が生じた鋼板31が大気に触れると、赤錆35が鋼板31の内部に進行し、電極板15の耐圧強度の減少や電解液の漏液といった不具合の要因となるおそれがある。
これに対し、蓄電モジュール4では、電極積層体11において最外層となる電極を構成する電極板15の表面がアルカリ性を呈している。これにより、鋼板31の表面を不動態化させることができ、めっき鋼板に欠陥が生じていたとしても、赤錆の発生及び進行を抑制することができる。当該電極板15の表面のpHは、例えば初期状態(製造完了時)において10以上であることが好ましい。この場合、電極板15における赤錆の発生及び進行の防止の効果を長期間にわたって持続させることができる。
本実施形態では、負極終端電極18を構成する電極板15及び正極終端電極19を構成する電極板15が最外層に位置する金属板に相当する。負極終端電極18では、電極板15の一方面15a側が大気に触れる面であり、正極終端電極19では、電極板15の他方面15b側が大気に触れる面である。したがって、負極終端電極18では、少なくとも電極板15の一方面15a側の表面がアルカリ性を呈していることが好適であり、正極終端電極19では、少なくとも電極板15の他方面15b側の表面がアルカリ性を呈していることが好適である。
以下、蓄電装置1の製造方法について詳細に説明する。図5は、蓄電装置の製造工程の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、蓄電装置1の製造工程は、作製工程(ステップS01)と、積層工程(ステップS02)と、封止工程(ステップS03)と、注入工程(ステップS04)と、組立工程(ステップS05)とを含んで構成されている。
作製工程では、鋼板31にめっきを施すことによりめっき鋼板を作製し、電極板15を得る。電極板15の縁部15cには、熱圧着等により第1封止部21を結合する。電極板15の一方面15aに正極活物質層を形成すると共に、他方面15bに負極活物質層を形成し、バイポーラ電極14を作製する。電極板15の他方面15bに負極活物質層を形成することで負極終端電極18を作製し、電極板15の一方面15aに正極活物質層を形成することで正極終端電極19を作製する。
積層工程では、セパレータ13を介してバイポーラ電極14を積層し、積層体を得る。また、バイポーラ電極14の積層体の一方の積層端に負極終端電極18を積層すると共に、他方の積層端に正極終端電極19を積層し、電極積層体11を得る。電極積層体11の形成の後、例えば熱板溶着などにより、各電極板15に結合された第1封止部21の外縁部分同士を互いに結合してもよい。
封止工程では、例えば射出成形により、電極積層体11の側面11aを覆うように第2封止部22を形成する。第2封止部22が各第1封止部21と結合することにより、封止体12が形成される。射出成形の際、電極積層体11に入れ子を配置することにより、電解液を注液するための注入口(不図示)を封止体12に形成する。
注入工程では、封止体12に形成した注入口を介し、電極積層体11の内部空間Vのそれぞれに電解液を注入する。電解液の注入後、注液口をシール材等によって封止し、蓄電モジュール4を得る。シール材に代えて、注液口に圧力調整弁を設けてもよい。蓄電モジュール4に圧力調整弁を設ける場合、内部空間V内のガスを蓄電モジュール4の外部に放出することにより、内部空間Vの圧力を調整することができる。
組立工程では、導電板5を介して複数の蓄電モジュール4を積層し、積層体を得る。積層方向Dの一方側に配置する導電板5には正極端子6を接続し、他方側に配置する導電板5には負極端子7を接続する。次に、電気絶縁性を有するフィルムFを介し、蓄電モジュール4の積層体を積層方向に挟むように一対のエンドプレート8,8を配置する。そして、エンドプレート8の挿通孔8aに締結ボルト9を挿通させると共に、エンドプレート8から突出した締結ボルト9の先端にナット10を螺合する。これにより、複数の蓄電モジュール4をユニット化し、蓄電装置1を得る。
次に、上述した作製工程について更に詳細に説明する。図6は、作製工程においてめっき鋼板を得る工程の一例を示すフローチャートである。同図に示すように、当該工程は、めっき工程(ステップS11)と、酸洗浄工程(ステップS12)と、アルカリ洗浄工程(ステップS13)とを含んで構成されている。また、各工程の実施後には、水洗浄工程(ステップS14)がそれぞれ実施される。
めっき工程は、例えば電解めっきにより、鋼板31の表面にニッケル等によるめっきを形成してめっき鋼板を得る工程である。めっき工程には、下地めっき層形成工程(ステップS11A)と、突起状めっき形成工程(ステップS11B)とが含まれている。下地めっき層形成工程では、鋼板31の表面に下地めっき層32を形成し、鋼板31の表面を平坦化する。突起状めっき形成工程では、下地めっき層32の表面に複数の突起状めっき33を形成し、電極板15となるめっき鋼板を得る。突起状めっき33の形成により、電極板15の一方面15a及び他方面15bが粗面化される。
酸洗浄工程は、めっき鋼板の表面を酸によって洗浄する工程である。酸洗浄工程では、めっき鋼板の表面を酸で洗浄することにより、めっき工程で副反応物としてめっき鋼板の表面に生じる水酸化物(ここでは水酸化ニッケル)を除去する。水酸化物の除去により、突起状めっき33が適切なアンダーカット形状となる。これにより、第1封止部21を構成する樹脂との間のアンカー効果を十分に生じさせることができ、電極板15と第1封止部21との結合強度を十分に確保できる。酸洗浄工程で用いる酸としては、例えば硫酸或いは塩酸が挙げられる。洗浄の態様としては、例えば酸浴への浸漬が挙げられる。酸洗浄工程は、例えば常温下で実施される。酸洗浄工程の実施条件は、例えば酸の温度23℃、酸の濃度7%、洗浄時間65秒である。
アルカリ洗浄工程は、めっき鋼板の表面をアルカリによって洗浄する工程である。アルカリ洗浄工程では、めっき鋼板の表面をアルカリで洗浄することにより、酸洗浄工程後(酸洗浄工程後の水洗浄工程後)にめっき鋼板の表面に残存する酸を中和する。また、アルカリ洗浄後には、めっき鋼板の表面がアルカリ性となるため、鋼板31の表面を不動態化させることができる。アルカリ洗浄工程で用いるアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウムが挙げられる。洗浄の態様としては、例えばアルカリ浴への浸漬が挙げられる。アルカリ洗浄工程は、例えば常温下で実施される。アルカリ洗浄工程の実施条件は、例えばアルカリの温度23℃、アルカリのpH12.5、洗浄時間15秒である。
アルカリ洗浄工程は、電極積層体11において最外層となる電極を構成する電極板15、すなわち、負極終端電極18及び正極終端電極19を構成する電極板15について実施すればよい。電極積層体11において中間層となる電極、すなわち、バイポーラ電極14を構成する電極板15については、アルカリ洗浄工程を実施してもよく、実施を省略してもよい。
図7は、鋼板表面のpHと鋼板の腐食速度との関係を示すグラフである。同図に示すように、鋼板の腐食速度は、鋼板表面のpHが高くなるほど低下する傾向がある。pH4〜pH10の範囲では、腐食速度が0.2mm/a程度でほぼ一定であるが、pH10以上では腐食速度が0.2mm/aから更に低下する。したがって、アルカリ洗浄工程では、めっき鋼板の表面のpHが10以上となるようにアルカリ洗浄を実施することが好適である。これにより、めっき鋼板の表面がアルカリ性を呈する期間を長期間にわたって持続させることができる。
水洗浄工程は、各工程の実施後にめっき鋼板の表面を水によって洗浄する工程である。水洗浄工程では、めっき鋼板の表面を水で洗浄することにより、めっき鋼板の表面から異物、酸、アルカリなどをそれぞれ除去する。これにより、各工程の影響が次工程に及ぶことを抑制できる。水洗浄工程は、例えば常温下で実施される。水洗浄工程の実施条件は、例えば水の温度23℃、洗浄時間130秒である。
以上説明したように、この蓄電モジュールの製造方法では、電極板15を作製する作製工程において、めっき鋼板の表面を酸によって洗浄した後、アルカリによる洗浄を実施する。アルカリによる洗浄を実施することにより、めっき鋼板の表面に残存した酸が中和される。また、アルカリ洗浄後には、めっき鋼板の表面がアルカリ性となるため、鋼板31の表面を不動態化させることができる。したがって、めっき鋼板に欠陥が生じていたとしても、赤錆の発生及び進行を抑制することができる。この蓄電モジュールの製造方法では、電極積層体11において最外層となる電極を構成する電極板15についてアルカリ洗浄工程を実施することにより、当該電極板15が大気に触れたとしても赤錆の発生及び進行を抑制でき、電極板15の耐圧強度の減少や電解液の漏液といった不具合の発生を防止できる。
本実施形態では、めっき工程、酸洗浄工程、及びアルカリ洗浄工程の実施後に水洗浄工程をそれぞれ実施する。これにより、各工程の影響が次工程に及ぶことを抑制できる。
本実施形態では、めっき工程において、鋼板31の表面に下地めっき層32を形成する工程と、下地めっき層32の表面に複数の突起状めっき33を形成する工程とが含まれている。複数の突起状めっき33によりアンカー効果が奏されるため、第1封止部21を構成する樹脂に対して電極板15を十分な強度で結合させることが可能となる。酸洗浄工程では、下地めっき層32及び突起状めっき33の形成時に生じる副反応物を除去できる。これにより、突起状めっき33の形状が適切なアンダーカット形状となり、アンカー効果の向上が図られる。
本実施形態では、めっき鋼板の表面のpHが10以上となるようにアルカリ洗浄工程を実施する。これにより、電極板15における赤錆の発生及び進行の防止の効果を長期間にわたって持続させることができる。
本開示は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上記実施形態では、負極終端電極18を構成する電極板15及び正極終端電極19を構成する電極板15が最外層に位置する電極板(金属板)15に相当しているが、最外層の構成はこれに限られない。例えば負極終端電極18及び正極終端電極19の少なくとも一方に対し、積層方向Dの外側に未塗工電極が更に積層されていてもよい。未塗工電極は、正極16及び負極17のいずれも有しない電極板(金属板)15によって構成され、隣接する終端電極に対して電気的に接続される。
この場合、未塗工電極を構成する電極板15の作製工程において、酸洗浄工程後にアルカリ洗浄工程を実施すればよい。未塗工電極よりも積層方向Dの内側に位置する負極終端電極18或いは正極終端電極19については、未塗工電極の場合と同様に酸洗浄工程後にアルカリ洗浄工程を実施してもよく、実施を省略してもよい。
4…蓄電モジュール、11…電極積層体、14…バイポーラ電極、15…電極板(金属板)、31…鋼板、32…下地めっき層、33…突起状めっき。

Claims (4)

  1. 複数のバイポーラ電極を含む電極を構成する金属板を積層してなる電極積層体を備えた蓄電モジュールの製造方法であって、
    前記金属板を作製する工程を備え、
    前記工程は、
    鋼板の表面にめっきを形成してめっき鋼板を得るめっき工程と、
    前記めっき鋼板の表面を酸によって洗浄する酸洗浄工程と、を含み、
    前記電極積層体において最外層となる電極を構成する前記金属板については、酸洗浄工程後に前記めっき鋼板の表面をアルカリによって常温で洗浄するアルカリ洗浄工程を実施する蓄電モジュールの製造方法。
  2. 前記めっき工程、前記酸洗浄工程、及び前記アルカリ洗浄工程の実施後に水洗浄工程をそれぞれ実施する請求項1記載の蓄電モジュールの製造方法。
  3. 前記めっき工程は、
    前記鋼板の表面に下地めっき層を形成する工程と、
    前記下地めっき層の表面に複数の突起状めっきを形成する工程と、を有する請求項1又は2記載の蓄電モジュールの製造方法。
  4. 前記めっき鋼板の表面のpHが10以上となるように前記アルカリ洗浄工程を実施する請求項1〜3のいずれか一項記載の蓄電モジュールの製造方法。
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