JP2020139239A - 繊維長測定方法、繊維長測定装置及び繊維長測定プログラム - Google Patents

繊維長測定方法、繊維長測定装置及び繊維長測定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】様々な形状の繊維の長さを容易に測定することができる方法を提供する。【解決手段】測定対象の繊維を、基板の表面に密着するように載置する試料準備工程(51)と、前記繊維を含む顕微鏡画像を取得する画像取得工程(52,53)と、前記顕微鏡画像に基づいて繊維を検出する繊維検出工程(54)と、前記繊維検出工程(54)で検出された繊維につき、前記顕微鏡画像における該繊維の平面像の周囲長を算出する周囲長算出工程(55)と、前記周囲長に基づき該繊維の長さを算出する繊維長算出工程(56)とを有する繊維長測定方法。【選択図】図2

Description

本発明は、繊維長測定方法、繊維長測定装置及び繊維長測定プログラムに関する。
近年、フィルタ、ガスバリアフィルム(空気を通過させ難いフィルム)、樹脂成形品、道路の舗装材、化粧品、医薬品等の様々な分野において、セルロースナノファイバ(Cellulose Nano Fiber、以下「CNF」とする。「ナノセルロース(Nano Cellulose)」と呼ばれることもある。)が注目されている(例えば特許文献1)。CNFは、セルロース(cellulose)の繊維から成り、植物の繊維の長さが数百nm〜数十μm、径が数nm〜20nm程度となるように微細に解きほぐしたものである。
CNFは、その用途に応じて要求される長さや径が異なる。例えば、樹脂や舗装材等の強度を高めるための添加剤等として用いる場合には、長さや径が或る程度大きいことが求められる。一方、目の細かいフィルタやガスバリアフィルムの添加剤等として用いる場合には、長さや径が或る程度小さいことが求められる。そのため、製造、使用等の様々な場面でCNFの長さを測定することが求められる。非特許文献1には、電子顕微鏡や原子間力顕微鏡で観察したCNFの画像から、CNFの長さを求めることが記載されている。
特開2008−150719号公報
Reina Tanaka 他3名、"Influence of Flexibility and Dimensions of Nanocelluloses on the Flow Properties of Their Aqueous Dispersions"、Biomacromolecules、(米国)、米国化学会、2015年5月26日、第16巻、第7号、2127-2131頁
非特許文献1に示された電子顕微鏡の画像では、ほとんどのCNFがほぼ直線状に延びた状態となっている。このような場合には、拡大倍率に応じて画像中に示されるスケールに照らし合わせることでCNFの長さを見積もることができる。しかし、実際には、CNFは必ずしも全てが直線状に延びた状態になるとは限らず、曲線状になる場合もある。特に、或る程度長いCNFでは、曲線状になる可能性が高い。従来の方法では、そのような曲線状のCNFの長さを求めることは困難である。
ここまではCNFについて述べたが、CNF以外の繊維の長さを求める場合も同様の問題が生じる。
本発明が解決しようとする課題は、様々な形状の繊維の長さを容易に測定することができる方法、装置及びプログラムを提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る繊維長測定方法は、
測定対象の繊維を、基板の表面に密着するように載置する試料準備工程と、
前記繊維を含む顕微鏡画像を取得する画像取得工程と、
前記顕微鏡画像に基づいて繊維を検出する繊維検出工程と、
前記繊維検出工程で検出された繊維につき、前記顕微鏡画像における該繊維の平面像の周囲長を算出する周囲長算出工程と、
前記周囲長に基づき該繊維の長さを算出する繊維長算出工程と
を有する。
本発明に係る繊維長測定装置は、
測定対象の繊維を含む顕微鏡画像を取得する画像取得部と、
前記顕微鏡画像に基づいて繊維を検出する繊維検出部と、
前記繊維検出部で検出された繊維につき、前記顕微鏡画像における該繊維の平面像の周囲長を算出する周囲長算出部と、
前記周囲長に基づき該繊維の長さを算出する繊維長算出部と
を備える。
本発明に係る繊維長測定プログラムは、コンピュータを
測定対象の繊維を含む顕微鏡画像を取得する画像取得部と、
測定対象の繊維を含む顕微鏡画像に基づいて繊維を検出する繊維検出部と、
前記繊維検出部で検出された繊維につき、前記顕微鏡画像における該繊維の平面像の周囲長を算出する周囲長算出部と、
前記周囲長に基づき該繊維の長さを算出する繊維長算出部と
として機能させる。
顕微鏡画像より繊維を検出し、該繊維の平面像の周囲長を算出することは、例えば従来の粒子解析方法を適用することにより行うことができる。こうして算出された周囲長の値に基づき、例えばその1/2の値を繊維の長さとして算出することができる。こうして、本発明の方法により、様々な形状の繊維の長さを容易に測定することができる。
測定対象の繊維を基板の表面に密着するように載置する方法としては、一つには、繊維を液体に分散させて基板の表面に付着させたうえで液体を蒸発させる方法がある。その他にも、後述のような方法がある。
本発明に係る繊維長測定装置の一実施形態を示す概略構成図。 本発明に係る繊維長測定方法の一実施形態を示すフローチャート。 本発明に係る繊維長測定方法において、繊維が存在する位置を特定する操作が完了した状態における、該位置を顕微鏡画像に重畳表示した図。 本発明に係る繊維長測定方法において、繊維が存在する位置を特定する操作の途中の状態における、該位置を顕微鏡画像に重畳表示した図。 本発明に係る繊維長測定方法において、個々の繊維を特定した状態を顕微鏡画像に重畳して示す図の一例。 本発明に係る繊維長測定方法において、個々の繊維を特定した状態を顕微鏡画像に重畳して示す図の他の例。 繊維の平面像から該繊維の周期長を算出する方法の例を説明する図。
本発明に係る繊維長測定方法の実施形態を説明する。
(1) 本発明に係る繊維長測定装置の一実施形態の構成
図1は、本発明に係る繊維長測定装置の一実施形態の概略構成を示す図である。この繊維長測定装置1は、原子間力顕微鏡10と制御・処理部20を有する。
原子間力顕微鏡は走査型プローブ顕微鏡の一種であり、探針(プローブ)で試料の表面を走査し、試料と探針の間に作用する原子間力を検出することにより、試料の顕微鏡画像を取得するものである。原子間力が試料と探針との距離に依存することから、原子間力顕微鏡では、顕微鏡画像の平面(X方向及びY方向の2次元)の各点における高さ方向(Z方向)の情報を得ることができる。
本実施形態で用いる原子間力顕微鏡10は、測定対象の繊維である試料80が載置された基板81を保持する試料ホルダ11と、スキャナ12と、カンチレバー15と、光学的変位検出部17とを有する。
スキャナ12は、試料ホルダ11を互いに直交するX、Yの2軸方向に移動させるXYスキャナ121と、試料ホルダ11をX軸及びY軸に対して直交するZ軸方向に移動させるZスキャナ122とを有する。XYスキャナ121及びZスキャナ122はそれぞれ、制御・処理部20からの制御信号に基づき動作する圧電素子(図示なし)により駆動される。
カンチレバー15は可撓性を有する棒材であり、一方の先端が固定され、他方の先端が固定されることなく試料ホルダ11の上方(Z軸方向に離れた位置)に配置されている。カンチレバー15は、当該他方の先端の試料ホルダ11側に探針16を有し、探針16の反対側には光を反射する反射面151を有する。
光学的変位検出部17は、反射面151にレーザ光を照射するレーザ光源171と、反射面151で反射されたレーザ光を検出する光検出器172を有する。レーザ光源171と反射面151の間、及び反射面151と光検出器172の間には、適宜、レーザ光の光路を構成するミラーを設ける。光検出器172は4分割された受光面を有する4分割光検出器である。カンチレバー15が撓むと、反射面151の角度が変化し、4つの分割受光面に入射する光量の割合が変化することから、これら4つの分割受光面でそれぞれ検出される光量に基づいて、カンチレバー15の撓み量(すなわち、先端部の変位量)を求めることができる。
制御・処理部20は、原子間力顕微鏡10の動作を制御する顕微鏡制御部21と、画像作成部22と、繊維検出部23と、周囲長算出部24と、繊維長算出部25と、径算出部26とを有する。これら制御・処理部20の各部は、コンピュータのハードウエア(CPU、メモリ等)及びソフトウエア(プログラム)により具現化される。画像作成部22、繊維検出部23、周囲長算出部24、繊維長算出部25及び径算出部26の機能は、以下に示す、本発明に係る繊維長測定方法の実施形態の説明のところで合わせて述べる。
その他、繊維長測定装置1は、メモリやハードディスク等から成り測定されたデータを記憶する記憶部31、測定を開始する指示等の必要な情報をユーザが入力するための入力部32、及び顕微鏡画像や測定された繊維の長さ(及び径)等を表示するディスプレイである表示部33を有する。
(2) 本実施形態の繊維長測定装置の動作、及び本発明に係る繊維長測定方法の一実施形態
図2〜図5を用いて、本実施形態の繊維長測定装置1の動作、及び本発明に係る繊維長測定方法の一実施形態を説明する。
まず、以下のように試料80を準備する(ステップ51。以下、各ステップにつき、図2のフローチャート参照。)。ここでは、CNFを測定対象の試料80とする。試料80は、分散媒(例えば純水等の液体)に分散させる。次に、基板81としてマイカ(雲母)を劈開させたものを用意し、試料80を分散させた分散媒を劈開面に滴下する。ここで、マイカの劈開面、すなわち基板81の表面は平坦であるため、原子間力顕微鏡10により得られる顕微鏡画像においてCNFと基板81の表面(CNFが存在しない位置)を容易に識別することができる。この状態でしばらく放置し、分散媒を蒸発させることにより、試料80であるCNFを基板81の表面に密着させる。このような方法で試料80を準備することにより、CNFが高さ方向(基板81の表面に垂直な方向、Z方向)に曲がることはほとんどない。こうして試料80を載置した基板81を試料ホルダ11に保持させる。
次に、ユーザが入力部32を用いて所定の操作を行うことにより、原子間力顕微鏡10による試料80の測定(ステップ52)が開始される。まず、顕微鏡制御部21はXYスキャナ121に制御信号を送信し、試料80を載置した基板81の表面の測定位置の上方に探針16が配置されるように試料ホルダ11を移動させる。次に、顕微鏡制御部21はZスキャナ122に制御信号を送信し、試料ホルダ11を上方に移動させ、探針16を基板81の表面に近づけてゆく。そして、基板81の表面又はそこに載置された試料80と探針16が、それら両者の間に原子間力が作用するほど近接すると、カンチレバー15が撓み、反射面151の角度が変化する。この角度を、レーザ光源171から照射され反射面151で反射されて光検出器172の4つの分割受光面でそれぞれ検出されたレーザ光の光量により検出する。そして、顕微鏡制御部21は、光検出器172の検出信号を受信し、検出信号が一定、つまり探針16に作用する原子間力が一定になるようにZスキャナ122に制御信号を送信しつつ、探針16で基板81上をXY方向に2次元状に走査するようにXYスキャナ121に制御信号を送信する。その際、顕微鏡制御部21は、それらの制御信号に対応する、XY方向の各位置におけるZ方向の試料ホルダ11の位置を示す値を記憶部31に記憶させる。
こうして得られたXY方向の各位置におけるZ方向の試料ホルダ11の位置の値(「Z値」とする)は、基板81上の各位置における表面の高さに対応し、そのうち繊維が存在する位置では該繊維を含む高さに対応している。画像作成部22は、得られた各位置におけるZ値に基づいて、顕微鏡画像を作成する(ステップ53)。顕微鏡画像は、例えば、Z値に応じた色の相違や濃淡で表す。作成された顕微鏡画像は、表示部33に表示する。なお、このように顕微鏡画像を作成して表示することは本発明では必須ではなく、顕微鏡画像を作成するために必要となるXY方向の各位置における情報が得られさえすえば、上述の「顕微鏡画像を取得する」ことに該当する。
画像作成部22は上述の画像取得部に相当すると共に、画像作成部22の動作は前述の画像取得工程に相当する。
次に、繊維検出部23は、作成された顕微鏡画像に基づいて、以下のように繊維を検出する(ステップ54:繊維検出工程)。繊維の検出には、従来の粒子解析で行われている粒子の検出の手法を用いることができる。例えば、Z値の上限値及び/又は下限値を設定したうえで、Z値が上限値以下及び/又は下限値以上の範囲内にあるXY方向の位置に繊維が存在する、と特定する。顕微鏡画像のうち、繊維が存在する位置では、繊維が存在しない位置(基板81の表面)とは高さが相違することから、Z値の値も異なることとなる。そのため、Z値の範囲を適切に設定することにより、繊維が存在する位置を特定することができる。
図3Aに、繊維が存在する位置を特定する位置を特定して顕微鏡画像に重畳したものを表示部33に表示をした例を示す。図3Aのうち、白色で示した曲線状の部分は、設定された上限値と下限値の間にZ値が含まれている箇所を示している。この白色の曲線状の部分が、繊維が存在すると特定された箇所である。なお、図3Bに示した例では、曲線状の部分の一部が白色ではなく周囲よりも濃い灰色で示されているが、これはZ値の上限値及び下限値が適切ではないことによって、繊維が存在する位置が適切に特定されていないことを示している。このような場合は、ユーザが表示部33に表示された画像から適切な特定がなされていないと判断し、入力部32を操作してZ値の上限値及び/又は下限値を変更することにより、図3Aに示したように適切な特定を行うことができる。なお、図3A及び図3Bでは灰色の濃淡(白色を含む)で画像を示したが、ユーザが繊維の位置をより認識しやすくするために、画像をカラーで表示するとよい。
このように繊維の位置を特定しただけでは、複数本の繊維が互いに接触している場合に、個々の繊維を特定することができず、それらを1本の繊維と誤認するおそれがある。そのため、従来の粒子解析で行われているものと同じ手法により、互いに接触している複数本の繊維から個々の繊維を抽出する。この抽出を行い、結果を表示部33に表示した例を図4Aに示す。図4Aでは、抽出された個々の繊維を、1から34までの番号を付して区別している。なお、ユーザが表示部33に表示した画像を見て個々の繊維の特定が適切ではないと判断した場合には、入力部32を操作して、例えば抽出に用いられるパラメータ(例えば、画像上での繊維の面積の最小値)の設定を変更したり、接触している2本と判定された繊維に付された2つの番号を指定して1本の繊維であると設定し直すことにより、適切に特定する。例えば図4Bに示した例では、当初、互いに接触して独立している複数の繊維として抽出された曲線を全て1本の繊維と設定し直している。
以上のように繊維を検出した後、周囲長算出部24は、個々の繊維について、顕微鏡画像における該繊維の平面像の周囲長を算出する(ステップ55:周囲長算出工程)。周囲長は、従来の粒子解析で行われている粒子の周囲長を算出する手法により求めることができる。例えば図5に示すように、繊維及びその周囲平面像を多数のメッシュ41に分割し、それらのメッシュのうち、繊維の外縁が通過するメッシュ42(図5中に斜線のハッチを付したもの)を検出し、メッシュ42の1個当たりの大きさ及び個数及び検出された個数から周囲長を算出することができる。
次に、繊維長算出部25は、周囲長算出部24で算出された周囲長に基づき、個々の繊維の長さを算出する(ステップ56:繊維長算出工程)。本実施形態では、周囲長の1/2の長さを繊維の長さとして算出する。一般に、繊維の径(顕微鏡画像では幅)Rに対する長さLの比L/R(アスペクト比)が十分に大きいため、このように周囲長の1/2の長さを繊維の長さとして近似することができる。例えばL/Rが20以上であれば、実際の繊維の長さと周囲長との誤差は概ね5%以下となり、L/Rが100以上であれば誤差は概ね2%以下となる。CNFでは、多くの場合にL/Rが100以上であって20を下回ることがほとんどないため、繊維の長さを周囲長の1/2として算出したとしても、誤差はたかだか5%以下に収まる。
本実施形態ではさらに、径算出部26は、繊維検出部23で検出された繊維につき、該繊維の平面像内の位置毎の高さ(Z値)と、繊維が検出されなかった位置の高さ、すなわち基板の表面の高さの平均値との差を、該繊維の径として算出する(ステップ57:径算出工程)。ここで、繊維の径は、該繊維内の位置毎に求めてもよいし、繊維内の位置全体での平均値として求めてもよい。
顕微鏡画像内の位置毎の高さは、本実施形態で用いる原子間力顕微鏡10を含む走査型プローブ顕微鏡や、走査型共焦点レーザ顕微鏡を用いることにより取得することができる。これら走査型プローブ顕微鏡や走査型共焦点レーザ顕微鏡では、プローブである探針やレーザビームの径よりも繊維の径が小さい場合には、顕微鏡画像における繊維の平面像の幅からは繊維の径を正確に求めることができない。それに対して、高さの情報はプローブの径の影響を受けることなく取得することができる。そのため、本実施形態の径算出部26を用いる方が、繊維の平面像の幅を用いる場合よりも正確に繊維の径を求めることができる。
以上により、本実施形態の繊維長測定装置の動作、及び本発明に係る繊維長測定方法の各工程は終了する。
(3) 変形例
本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、周囲長の1/2の長さを繊維の長さとして算出したが、繊維の径を求めたうえで、周囲長の1/2から径を減じた値を繊維の長さとして算出してもよい。この場合、繊維長算出工程の前に径算出工程を実行する。
繊維長のみを測定し、繊維の径を測定する必要が無い場合には、径算出部26及び径算出工程(ステップ57)は省略してもよい。
上記実施形態では原子間力顕微鏡10を用いたが、原子間力顕微鏡以外の走査型プローブ顕微鏡、前述した走査型共焦点レーザ顕微鏡等を用いてもよい。また、径算出部26及び径算出工程を省略する場合には、電子顕微鏡や光学顕微鏡等、高さ方向の情報を取得しない顕微鏡を用いてもよい。
[態様]
上述した複数の例示的な実施態様は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
本発明の第1態様に係る繊維長測定方法は、
測定対象の繊維を、基板の表面に密着するように載置する試料準備工程と、
前記繊維を含む顕微鏡画像を取得する画像取得工程と、
前記顕微鏡画像に基づいて繊維を検出する繊維検出工程と、
前記繊維検出工程で検出された繊維につき、前記顕微鏡画像における該繊維の平面像の周囲長を算出する周囲長算出工程と、
前記周囲長に基づき該繊維の長さを算出する繊維長算出工程と
を有する。
第1態様に係る繊維長測定方法において、繊維を検出すること、及び検出した繊維の平面像の周囲長を算出することは、例えば従来の粒子解析方法を適用することにより行うことができる。第1態様に係る繊維長測定方法では、算出された周囲長の値に基づき、例えばその1/2の値を繊維の長さとして算出する。或いは、周囲長の1/2からさらに径を減じた値を繊維の長さとして算出してもよい。こうして、第1態様に係る繊維長測定方法により、様々な形状の繊維の長さを容易に測定することができる。
但し、測定対象の繊維が高さ方向に曲がってしまうと、繊維の平面像の周囲長から繊維の長さを求めることができない。そのため、第1態様に係る繊維長測定方法では、測定対象の繊維を基板の表面に密着するように載置することにより、繊維が高さ方向に曲がらないようにする。そのために、例えば、繊維を液体に分散させて基板の表面に付着させたうえで液体を蒸発させる方法や、基板に載置した繊維の上を透明なシート又は板で覆って押しつける方法等を用いることができる。
本発明の第2態様に係る繊維長測定方法は、第1態様に係る繊維長測定方法において、前記繊維長算出工程が前記周囲長の1/2の長さを前記繊維の長さとして算出するものである。
第2態様に係る繊維長測定方法によれば、繊維の幅を求める必要がなく、周囲長算出工程で得られた周囲長から繊維の長さを容易に算出することができる。
本発明の第3態様に係る繊維長測定方法は、第1又は第2態様に係る繊維長測定方法においてさらに、前記繊維検出工程で検出された繊維につき、該繊維の平面像内の位置毎の高さと基板の表面の高さの平均値との差を該繊維の径として算出する径算出工程を有する。
第3態様に係る繊維長測定方法によれば、個々の繊維の長さに加えて、径も容易に求めることができる。
顕微鏡画像内の位置毎の高さは、例えば走査型プローブ顕微鏡や走査型共焦点レーザ顕微鏡を用いることにより取得することができる。これら走査型プローブ顕微鏡や走査型共焦点レーザ顕微鏡では、プローブである探針やレーザビームの径よりも繊維の径が小さい場合には、顕微鏡画像における繊維の平面像の幅からは繊維の径を正確に求めることができない。それに対して、高さの情報はプローブの径の影響を受けることなく取得することができるため、第3態様に係る繊維長測定方法の方が繊維の平面像の幅を用いる場合よりも正確に繊維の径を求めることができる。
本発明の第4態様に係る繊維長測定装置は、
測定対象の繊維を含む顕微鏡画像を取得する画像取得部と、
前記顕微鏡画像に基づいて繊維を検出する繊維検出部と、
前記繊維検出部で検出された繊維につき、前記顕微鏡画像における該繊維の平面像の周囲長を算出する周囲長算出部と、
前記周囲長に基づき該繊維の長さを算出する繊維長算出部と
を備える。
第4態様に係る繊維長測定装置により、第1態様に係る繊維長測定方法と同様に、様々な形状の繊維の長さを容易に測定することができる。
本発明の第5態様に係る繊維長測定装置は、第4態様に係る繊維長測定装置においてさらに、前記繊維検出部で検出された繊維につき、該繊維の平面像内の位置毎の高さと基板の表面の高さの平均値との差を該繊維の径として算出する径算出部を備える。
第5態様に係る繊維長測定装置により、第3態様に係る繊維長測定方法と同様に、個々の繊維の長さに加えて、径も容易に求めることができる。
本発明の第6態様に係る繊維長測定プログラムは、コンピュータを
測定対象の繊維を含む顕微鏡画像を取得する画像取得部と、
前記顕微鏡画像に基づいて繊維を検出する繊維検出部と、
前記繊維検出部で検出された繊維につき、前記顕微鏡画像における該繊維の平面像の周囲長を算出する周囲長算出部と、
前記周囲長に基づき該繊維の長さを算出する繊維長算出部と
として機能させる。
第6態様に係る繊維長測定プログラムにより、第1態様に係る繊維長測定方法と同様に、様々な形状の繊維の長さを容易に測定することができる。
本発明の第7態様に係るプログラムは、第6態様に係る繊維長測定プログラムにおいてコンピュータをさらに、前記繊維検出部で検出された繊維につき、該繊維の平面像内の位置毎の高さと基板の表面の高さの平均値との差を該繊維の径として算出する径算出部として機能させる。
第7態様に係る繊維長測定プログラムにより、第3態様に係る繊維長測定方法と同様に、個々の繊維の長さに加えて、径も容易に求めることができる。
1…繊維長測定装置
10…原子間力顕微鏡
11…試料ホルダ
12…スキャナ
121…XYスキャナ
122…Zスキャナ
15…カンチレバー
151…反射面
16…探針
17…光学的変位検出部
171…レーザ光源
172…光検出器
20…制御・処理部
21…顕微鏡制御部
22…画像作成部
23…繊維検出部
24…周囲長算出部
25…繊維長算出部
26…径算出部
31…記憶部
32…入力部
33…表示部
41…メッシュ
42…繊維の外縁が通過するメッシュ
80…試料
81…基板

Claims (7)

  1. 測定対象の繊維を、基板の表面に密着するように載置する試料準備工程と、
    前記繊維を含む顕微鏡画像を取得する画像取得工程と、
    前記顕微鏡画像に基づいて繊維を検出する繊維検出工程と、
    前記繊維検出工程で検出された繊維につき、前記顕微鏡画像における該繊維の平面像の周囲長を算出する周囲長算出工程と、
    前記周囲長に基づき該繊維の長さを算出する繊維長算出工程と
    を有する繊維長測定方法。
  2. 前記繊維長算出工程が前記周囲長の1/2の長さを前記繊維の長さとして算出するものである、請求項1に記載の繊維長測定方法。
  3. さらに、前記繊維検出工程で検出された繊維につき、該繊維の平面像内の位置毎の高さと基板の表面の高さの平均値との差を該繊維の径として算出する径算出工程を有する、請求項1又は2に記載の繊維長測定方法。
  4. 測定対象の繊維を含む顕微鏡画像を取得する画像取得部と、
    前記顕微鏡画像に基づいて繊維を検出する繊維検出部と、
    前記繊維検出部で検出された繊維につき、前記顕微鏡画像における該繊維の平面像の周囲長を算出する周囲長算出部と、
    前記周囲長に基づき該繊維の長さを算出する繊維長算出部と
    を備える繊維長測定装置。
  5. さらに、前記繊維検出部で検出された繊維につき、該繊維の平面像内の位置毎の高さと基板の表面の高さの平均値との差を該繊維の径として算出する径算出部を備える、請求項4に記載の繊維長測定装置。
  6. コンピュータを
    測定対象の繊維を含む顕微鏡画像を取得する画像取得部と、
    前記顕微鏡画像に基づいて繊維を検出する繊維検出部と、
    前記繊維検出部で検出された繊維につき、前記顕微鏡画像における該繊維の平面像の周囲長を算出する周囲長算出部と、
    前記周囲長に基づき該繊維の長さを算出する繊維長算出部と
    して機能させる繊維長測定プログラム。
  7. コンピュータをさらに、前記繊維検出部で検出された繊維につき、該繊維の平面像内の位置毎の高さと基板の表面の高さの平均値との差を該繊維の径として算出する径算出部として機能させる、請求項6に記載の繊維長測定プログラム。
JP2019034714A 2019-02-27 2019-02-27 繊維長測定方法、繊維長測定装置及び繊維長測定プログラム Active JP7234693B2 (ja)

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