JP2020138915A - アミド誘導体、及び該アミド誘導体の製造方法 - Google Patents

アミド誘導体、及び該アミド誘導体の製造方法 Download PDF

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雅彦 関
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Abstract

【課題】ビオチンの合成中間体として有用なアミド誘導体、及び該アミド誘導体の製造方法の提供。【解決手段】対応するアルコール誘導体と、メシル化剤、トリフルオロメタンスルホニル化剤等と反応させて製造する、下記式で示されるアミド誘導体。(式中R1及びR2は、同一又は異なって、置換又は非置換のベンジル基、R3は、置換又は非置換のフェニル基、Xは、チオール基、メシロキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、p−トシロキシ基、ハロゲン基等から選ばれる基である。)【選択図】なし

Description

本発明は、ビオチンの合成中間体として有用なアミド誘導体、及び該アミド誘導体の製造方法に関する。
ビオチンは、糖尿病予防効果等が期待される医薬品、及び飼料添加剤等に使用される水溶性ビタミンである。
該ビオチンは、非常に長い製造工程を有する。そのため、中間体であっても多くの工程を経て製造されている。例えば、ビオチンの代表的な中間体である、
下記式(5)
Figure 2020138915
(式中R及びRは、互いに異なっていて良い、置換又は非置換のベンジル基である。)
で示されるチオラクトン誘導体であっても、以下のような非常に長い工程で製造されている(特許文献1参照)。下記工程においては、R、およびRがベンジル基(Bn基)である場合の例(特許文献1の実施例1、3)を示す。
Figure 2020138915
特許文献1の実施例では、先ず、1,3−ジベンジル−2−イミダゾリドン−シス−4,5−ジカルボン酸にα−フェネチルアミン((R)−(+)−1−メチルベンジルアミン)のような光学活性アミンを反応させて、1,3−ジベンジル−5−(α−フェネチル)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−a]イミダゾール−2,4,6−トリオンを製造する(step1)。次いで、1,3−ジベンジル−5−(α−フェネチル)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−a]イミダゾール−2,4,6−トリオンの還元(step2)、環化(step3)、及び硫化反応(step4)を実施し、ベンジル基を有するチオラクトン誘導体を製造する方法が示されている。そして、特許文献1には、該チオラクトン誘導体に、さらに7工程の反応を行い、最終目的物であるビオチンが得られることが示されている。
以上の通り、ビオチンは、非常に多くの工程を経て製造される。そのため、ビオチンの製造コストを低減するためには、各工程における中間体の製造コスト、すなわち各中間体の収率向上も重要になる。
前記方法において、上記硫化反応(step4)については、種々の製造方法が提案されている。例えば、上記環化反応(step3)で得られるラクトン誘導体とチアアミド類を、水流化アルカリ、硫黄および塩基性物質の存在下に反応させる方法(特許文献2参照)、ラクトン誘導体とチオ酢酸カリウムとを反応させる方法(非特許文献1参照)、ラクトン誘導体とキサントゲン酸カリウムを反応させる方法(非特許文献2参照)等が提案されている。
米国特許第3876656号明細書 特開2000−351780号公報
Synthesis 2002,No.3,p.361〜364 Synthesis 2003,No.14,p.2155〜2160
しかしながら、いずれの方法においても、アミドアルコール誘導体から得られたラクトン誘導体の硫化反応を経てチオラクトン誘導体を製造するものであり、125〜150℃という高温下の反応条件を必要とするものであったため、工業的に効率的かつ簡便な方法によりビオチン製造における重要中間体であるチオラクトン誘導体を製造する方法が望まれていた。
従って、本発明の目的は工業的に効率的かつ簡便な方法によりチオラクトン誘導体を製造するための新規な中間体、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、アミドアルコール誘導体より、該誘導体の水酸基を特定の基に置換したアミド誘導体が得られること、そして該アミド誘導体に対して温和な反応条件にて硫化反応を行うことができ、チオラクトン誘導体を効率的に得られることを見いだし、本発明を完成させるに至った。すなわち第一の本発明は、下記式(3)
Figure 2020138915
(式中R及びRは、互いに異なっていて良い、置換又は非置換のベンジル基であり、Rは、置換又は非置換のフェニル基であり、Xは、メシロキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、p−トシロキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、ジフェニルホスホリルオキシ基、又はハロゲン基から選ばれる基である。)
で示されるアミド誘導体である。該アミド誘導体は、下記式(2)
Figure 2020138915
(式中、R、R及びRは、前記式(3)と同義である。)
で示されるアミドアルコール誘導体と、メシル化剤、トリフルオロメタンスルホニル化剤、トシル化剤、ベンゼンスルホニル化剤、ジフェニルホスホリル化剤、又はハロゲン化剤のいずれかとを接触せしめることで製造することが可能である。
また、第二の本発明は、下記式(4)
Figure 2020138915
(式中R、R及びRは、前記式(3)と同義であり、Rは、水素、又はチオール基の保護基である。)
で示されるチオール誘導体である。該チオール誘導体は、前記式(3)で示されるアミド誘導体と、硫化剤とを接触せしめることで製造することが可能である。
さらに第三の本発明は、上記式(4)で示されるチオール誘導体と、酸とを接触せしめて、下記式(1)
Figure 2020138915
(式中、R及びRは、前記式(2)と同義である。)
で示されるチオラクトン誘導体を製造する方法である。上記第三の本発明においては、前記式(4)で示されるチオール誘導体と、酸との接触を10〜40℃で行うことが好ましい。
本発明は、アミドアルコール誘導体における水酸基を特定の置換基としたアミド誘導体である。この本発明のアミド誘導体を用いることで、アミドアルコール誘導体から、ラクトン誘導体を経ることなく、チオラクトン誘導体を得ることが可能であり、ビオチン誘導体の重要中間体であるチオラクトン誘導体を製造する際の反応工程を短縮することができ、工業的に効率的にチオラクトン誘導体を製造することが可能である。
さらに、アミドアルコール誘導体から上記アミド誘導体を製造する条件、及び該アミド誘導体の硫化反応は、比較的マイルドな条件であり、工業的に効率的にチオラクトン誘導体を製造することが可能である。
(アミド誘導体)
本発明は、下記式(3)
Figure 2020138915
(式中R及びRは、互いに異なっていて良い、置換又は非置換のベンジル基であり、Rは、置換又は非置換のフェニル基、又は、置換又は非置換のベンジル基であり、Xは、チオール基、メシロキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、p−トシロキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、ジフェニルホスホリルオキシ基、又はハロゲン基から選ばれる基である。)
で示されるアミド誘導体(以下、単に「アミド誘導体」とも言う)である。
上記式(3)における、R及びRは、ベンジル基である。ベンジル基は置換基を有していても良く、置換基は、ベンジル基のベンゼン環の水素原子の少なくとも1つが置換されているもの、或いは、ベンジル基のメチレン基の水素原子の少なくとも1つが置換されていても良く、或いは、ベンジル基のベンゼン環、及びメチレン基のいずれもが置換されていても良い。ベンジル基の置換基としては、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン基等が挙げられる。また、R及びRは互いに異なっていても良い。
これらの基の中でも、ビオチン製造における有用性の観点から、R及びRは、ベンジル基、1−メチルベンジル基から選ばれる基であることが好適である。
また、上記式(3)における、Rは、フェニル基、又は、置換又は非置換のベンジル基である。フェニル基のベンゼン環の水素原子は非置換であっても、該水素原子の1つ以上が置換されていても良い。フェニル基の置換基としては、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン基等が挙げられる。これらのフェニル基に2つ以上の置換基が導入される場合、それらの置換基は互いに異なっていても良い。また、Rがベンジル基である場合、ベンジル基は非置換であっても、置換基を有していても良い。置換基は、ベンジル基のベンゼン環の水素原子の少なくとも1つが置換されているもの、或いは、ベンジル基のメチレン基の水素原子の少なくとも1つが置換されていても良く、或いは、ベンジル基のベンゼン環、及びメチレン基のいずれもが置換されていても良い。ベンジル基の置換基としては、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン基等が挙げられる。これらの基の中でも、ビオチン製造における有用性の観点から、Rが、フェニル基であることが好適である。
さらに、上記式(3)におけるXは、チオール基、メシロキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、p−トシロキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、ジフェニルホスホリルオキシ基、又はハロゲン基から選ばれる基である。ここでハロゲン基を構成するハロゲン元素としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
上記式(3)で示されるアミド誘導体の中でも後述する硫化反応の反応性の観点から、Xが、メシロキシ基、p−トシロキシ基、臭素、ヨウ素から選ばれる基であることが好適である。
(アミド誘導体の製造方法)
本発明の上記アミド誘導体は、下記式(2)
Figure 2020138915
(式中、R、R及びRは、前記式(3)と同義である。)
で示されるアミドアルコール誘導体とメシル化剤、トリフルオロメタンスルホニル化剤、トシル化剤、ベンゼンスルホニル化剤、ジフェニルホスホリル化剤、又はハロゲン化剤のいずれかとを接触せしめることにより製造することができる。以下、アミド誘導体の製造方法について詳述する。
本発明の製造方法の原料となる上記式(2)で示されるアミドアルコール誘導体(以下、単に「アミドアルコール誘導体」とも言う)は、下記式(1)
Figure 2020138915
(式中、R、R、Rは、前記式(3)におけるものと同義である。)
で示されるトリオン化合物を還元することにより製造することができる。該トリオン化合物の還元方法としては、前記特許文献1又は2記載の方法を好適に採りうる。
本発明の製造方法では、上記アミドアルコール誘導体と、メシル化剤、トリフルオロメタンスルホニル化剤、トシル化剤、ベンゼンスルホニル化剤、ジフェニルホスホリル化剤、又はハロゲン化剤(以下、これらを総称として単に「反応剤」とも言う)のいずれかとを接触せしめる。本発明の製造方法に用いる上記反応剤としては、水酸基に上記基を導入するために用いる反応剤を用いることができる。かかる反応剤として具体的には、メシロキシ化剤:メタンスルホニルクロリド;トリフルオロメタンスルホニル化剤:p−トリフルオロメタンスルホン酸無水物;p−トシロキシ化剤:p−トルエンスルホニルクロリド;ジフェニルホスホリル化:ジフェニルホスホリルクロリド;ハロゲン化剤:塩化チオニル、トリフェニルホスフィン―四塩化炭素、トリ−n−ブチルホスフィン―四塩化炭素、3塩化リン、5塩化リン、オキシ塩化リン;等が挙げられる。
上記反応剤として、メシル化剤、トリフルオロメタンスルホニル化剤、トシル化剤、ベンゼンスルホニル化剤、ジフェニルホスホリル化剤を用いる場合、これらの反応剤の使用量は、上記アミドアルコール誘導体の水酸基が置換されるに十分な量であれば、特に制限されるものではない。中でも、前記アミド誘導体の収率、後処理のし易さ等を考慮すると、前記反応剤の使用量は、アミドアルコール誘導体1モルに対して、1〜20モルが好適であり、1〜10モルがより好適であり、1〜6モルが特に好適である。
また、前記反応剤としてハロゲン化剤を用いる場合、これらの反応剤の使用量は、上記アミドアルコール誘導体の水酸基が置換されるに十分な量であれば、特に制限されるものではない。中でも、前記アミド誘導体の収率、後処理のし易さ等を考慮すると、前記反応剤の使用量は、アミドアルコール誘導体1モルに対して、1〜10モルが好適であり、1〜5モルがより好適であり、1〜3モルが特に好適である。
上記アミドアルコール誘導体と、上記反応剤との反応は、反応溶媒中で実施することが好ましい。用いる反応溶媒として具体的には、t−ブチルメチルエーテル(TBME)、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、THF、2−メチルTHF、ジオキサン、t−ブチルメチルエーテル(TBME)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF),N,N−ジメチルアセトアミド(DMA),N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルイミダゾリジン−オン(DMI)、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン(DCE)、アセトン(ACT)、メチルエチルケトン(MEK)、アセトニトリル(ACN)、プロピオニトリル等が挙げられる。これらの反応溶媒は1種を単独で用いても或いは2種以上の混合溶媒として用いても良い。これらの反応溶媒の中でも、反応収率等の点から、塩化メチレン、クロロホルム用いることが好適である。
反応溶媒の使用量も、特に制限されるものではなく、上記アミドアルコール誘導体1質量部に対して、その1〜100容量部が好適であり、さらに、2〜20容量部がより好適であり、3〜10容量部が特に好適である。
上記アミドアルコール誘導体と、上記反応剤との反応における、反応温度、及び反応時間は、反応が十分に進行する条件であれば特に制限されるものではない。反応温度としては、0〜70℃の範囲で行うことが好適であり、5〜50℃の範囲で行うことがより好適であり、10〜40℃の範囲で行うことが特に好適である。反応時間については、1〜36時間の範囲で行うことが好適であり、2〜24時間の範囲で行うことがより好適であり、3〜17時間の範囲で行うことが特に好適である。
反応終了後は、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、結晶化により目的物である、前記式(3)で示されるアミド誘導体を得ることができる。また、アミド誘導体を精製する場合には、シリカゲルカラム精製、再結晶等の操作によって精製することができる。本発明のアミド誘導体は、後述する前記式(4)で示されるチオール誘導体の製造原料として用いることが可能である。
(チオール誘導体)
本発明におけるチオール誘導体(以下、単に「チオール誘導体」とも言う)は、下記式(4)
Figure 2020138915
(式中R、R及びRは、前記式(3)と同義であり、Rは、水素、又はチオール基の保護基である。)
で示されるチオール化合物である。ここで上記式(4)におけるRは、水素、又はチオール基の保護基である。チオール基の保護基として具体的には、アセチル基、ベンゾイル基等が挙げられる。チオラクトン誘導体製造における効率の観点からRは、水素、アセチル基等が好適である。
(チオール誘導体の製造方法)
上記チオール化合物は、前記式(3)で示されるアミド誘導体と、硫化剤を接触せしめることで製造することが可能である。
本発明の製造方法に用いる硫化剤としては、水硫化ナトリウム(NaSH)、水硫化リチウム(LiSH)、水硫化カリウム(KSH)等の水硫化アルカリ金属塩、チオ酢酸カリウム、チオ酢酸ナトリウム、チオ安息香酸カリウム、チオ安息香酸ナトリウム等のチオカルボン酸アルカリ金属塩等が挙げられる。これらの硫化剤は無水物であっても水和物であっても好適に用いることができる。硫化剤の使用量は前記アミド誘導体の硫化反応が進行するに十分な量であれば、特に制限されるものではない。中でも、硫化反応の収率等を考慮すると、前記硫化剤の使用量は、アミド誘導体1モルに対して、1〜10モルが好適であり、1〜5モルがより好適であり、1〜4モルが特に好適である。
上記硫化剤として水硫化アルカリ金属塩を用いた場合、チオール基が無保護のチオール誘導体が、チオカルボン酸アルカリ金属塩を用いた場合、チオール基がアセチル基またはベンゾイル基で保護されたチオール誘導体を得ることができる。
上記アミド誘導体と、硫化剤との接触方法は、反応溶媒中で実施することが好適である。用いる反応溶媒として具体的には、t−ブチルメチルエーテル(TBME)、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、THF、ジオキサン、t−ブチルメチルエーテル(TBME)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF),N,N−ジメチルアセトアミド(DMA),N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルイミダゾリジン−オン(DMI)、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル(ACN)、プロピオニトリル等が挙げられる。これらの反応溶媒は1種を単独で用いても或いは2種以上の混合溶媒として用いても良い。これらの反応溶媒の中でも、反応収率、安全性、価格等の点から、ACN、DMF、DMAが好適である。
反応溶媒の使用量も、特に制限されるものではなく、上記アミドアルコール誘導体1質量部に対して、その0.5〜100容量部が好適であり、さらに、1〜20容量部がより好適であり、1〜10容量部が特に好適である。
前記アミド誘導体と硫化剤との接触方法は特に制限されず、有機溶媒にアミド誘導体を溶解せしめた後に硫化剤を添加して行っても良く、或いは、反応溶媒に硫化剤を添加し、次いでアミド誘導体を添加することによって行っても良い。
前記アミド誘導体と、硫化剤を接触せしめて、硫化反応を行う際の、反応温度、及び反応時間は、反応が十分に進行する条件であれば特に制限されるものではない。反応温度としては、0〜100℃の範囲で行うことが好適であり、10〜40℃の範囲で行うことがより好適である。前述のとおり、ラクトン誘導体の硫化反応においては、125〜150℃という高温下の反応条件が必要とされるが、本発明の硫化反応では、上記温度範囲で反応が進行するため、温和な反応条件という点で本発明の製造方法は好適である。反応時間については、1〜36時間の範囲で行うことが好適であり、2〜17時間の範囲で行うことがより好適である。
反応終了後、シリカゲルカラム精製、再結晶等の精製操作により上記チオール誘導体を単離することができる。さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の精製操作によって精製することも可能である。また、硫化反応後、後述する環化反応を行う場合には、チオール誘導体の単離を行うことなく後述する酸との接触を行うこともできる。
(チオラクトン誘導体の製造方法)
本発明の上記チオール誘導体と、酸とを接触せしめることで、下記式(5)
Figure 2020138915
(式中、R及びRは、前記式(2)と同義である。)
で示されるチオラクトン誘導体を製造することができる。上記チオール誘導体と、酸とを接触させることにより、チオール誘導体の環化反応が生じ、チオラクトン誘導体を得ることができる。用いる酸として具体的には、塩酸、硫酸、臭化水素酸、酢酸、トリフルオロ酢酸(TFA)、メタンスルホン酸(MSA)、p−トルエンスルホン酸(PTSA)等が挙げられる。これらの酸の中でも反応収率、及び後処理の容易さの観点から、TFA、PTSAを用いることが好適である。
酸の使用量は、チオール誘導体の環化反応が進行するに十分な量であれば特に制限されるものではない。中でも、反応収率、後処理のし易さ等を考慮すると、前記酸の使用量は、チオール誘導体1モルに対して、1〜10モルが好適であり、1〜2モルがより好適である。
前記チオール誘導体と、酸とを接触せしめて、反応を行う際の、反応温度、及び反応時間は、反応が十分に進行する条件であれば特に制限されるものではない。反応温度としては、0〜100℃の範囲で行うことが好適であり、5〜50℃の範囲で行うことがより好適である。反応時間については、0.5〜36時間の範囲で行うことが好適であり、2〜17時間の範囲で行うことがより好適である。
反応終了後は、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、結晶化により目的物である、前記式(5)で示されるチオラクトン誘導体を得ることができる。また、チオラクトン誘導体を精製する場合には、シリカゲルカラム精製、再結晶等の操作によって精製することができる。このようにして得られたチオラクトン誘導体は高純度であり、ビオチン製造における中間体として用いることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
以下の反応式に示すアミド誘導体(MSO)を合成した。
Figure 2020138915
アミドアルコール誘導体(ALC、444mg、1mmol)の塩化メチレン(4mL)溶液に、トリエチルアミン(405mg、4mmol)を添加した。この溶液へ、メタンスルホニルクロリド(230mg、2mmol)を10℃で添加して、20℃で17時間攪拌した。この反応液を、水で洗浄後、硫酸マグネシウム上乾燥、減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:クロロホルム:ヘキサン:酢酸エチル=5:5:1)で精製することによりアミド誘導体(MSO、470mg、90%)を得た。
[物性評価]
得られたアミド誘導体のH−NMRの分析結果を以下に示す。
H−NMR (CDCl) δ:8.64−8.62(m、1H),7.37−7.25、7.08−7.06(m、15H)、4.98−4.94(m、1H)、4.80−4.76(m、1H)、4.65−4.61(m、1H)、4.27−4.23(m、2H)、4.00−3.96(m、1H)、3.90−3.80(m、1H)、3.59−3.55(m、1H)、3.06(s、3H)、1.32−1.30(m、3H)。
実施例2
実施例1で得られたアミド誘導体(MSO)より、以下の反応式に示すチオール誘導体(SHA)を合成した。
Figure 2020138915
アミド誘導体(MSO、522mg、1mmol)をDMF(2mL)に溶解し、NaSH・xHO(60%)(187mg、2mmol)を加えて、窒素気流下、20℃で17時間攪拌した。反応液に10%塩酸水を加えて、生成物を塩化メチレンで抽出、水洗、硫酸マグネシウム上乾燥後、減圧濃縮した。
生成物の一部をシリカゲルカラム(溶出溶媒:CHCl:ヘキサン:酢酸エチル=5:5:1)で精製することにより、チオール誘導体(SHA)の純品を得た。
[物性評価]
得られたチオール誘導体のH−NMRの分析結果を以下に示す。
H−NMR (CDCl) δ :8.69−8.67(m、1H)、7.36−7.27、7.09−7.07(m、15H)、5.04−4.96(m、1H)、4.80−4.76(m、1H)、4.60−4.55(m、1H)、4.27−4.22(m、1H)、4.01−3.99(m、1H)、3.69−3.60(m、1H)、3.52−3.49(m、1H)、2.80−2.70(m、1H)、2.50−2.40(m、2H)、1.34−1.32(m、3H)。
実施例3
実施例2で得られたチオール誘導体(SHA)より、以下の反応式に示すチオラクトン体(DTL)を合成した。
Figure 2020138915
上記実施例2に反応終了後の濃縮残渣にTFA(1mL)を加えて、室温で17時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、濃縮残渣に酢酸エチルを加えて、水洗、硫酸マグネシウム上乾燥後、減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:CHCl:ヘキサン:酢酸エチル=5:5:1)で精製することにより、チオラクトン体(DTL、203mg、MSOからの単離収率60%)を得た。
[物性評価]
得られたチオラクトン誘導体のH−NMRの分析結果を以下に示す。
H−NMR (CDCl) δ :7.39−7.25 (10H, m)、5.04 (1H、d、J=15.0Hz)、4.69 (1H、d、J=15.0Hz)、4.37 (1H、d、J=15.0Hz), 4.36 (1H、d、J=15.0Hz), 4.16−4.09 (1H、m), 3.81(1H、d、J=7.8Hz), 3.38 (1H、dd、J=13.0、5.6Hz), 3.29 (1H、dd、J=13.0、2.2Hz)。

Claims (6)

  1. 下記式(3)
    Figure 2020138915
    (式中R及びRは、互いに異なっていて良い、置換又は非置換のベンジル基であり、Rは、置換又は非置換のフェニル基であり、Xは、メシロキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、p−トシロキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、ジフェニルホスホリルオキシ基、又はハロゲン基から選ばれる基である。)
    で示されるアミド誘導体。
  2. 下記式(2)
    Figure 2020138915
    (式中、R、R及びRは、前記式(3)と同義である。)
    で示されるアミドアルコール誘導体と、メシル化剤、トリフルオロメタンスルホニル化剤、トシル化剤、ベンゼンスルホニル化剤、ジフェニルホスホリル化剤、又はハロゲン化剤のいずれかとを接触せしめて、前記式(3)で示されるアミド誘導体を製造する方法。
  3. 下記式(4)
    Figure 2020138915
    (式中R、R及びRは、前記式(3)と同義であり、Rは、水素、又はチオール基の保護基である。)
    で示されるチオール誘導体。
  4. 前記式(3)で示されるアミド誘導体と、硫化剤とを接触せしめて、前記式(4)で示されるチオール誘導体を製造する方法。

  5. 請求項3記載のチオール誘導体と、酸とを接触せしめて、下記式(5)
    Figure 2020138915
    (式中、R及びRは、前記式(3)と同義である。)
    で示されるチオラクトン誘導体を製造する方法。
  6. 請求項3記載のチオール誘導体と、酸との接触を10〜40℃で行う請求項5記載のチオラクトン誘導体を製造する方法。
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