JP2020138163A - ウルトラファインバブル生成装置およびウルトラファインバブル生成方法 - Google Patents

ウルトラファインバブル生成装置およびウルトラファインバブル生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】純度の高いUFB含有液を効率的に生成することが可能であり、更に装置の寿命を延ばすことができるウルトラファインバブル生成装置およびウルトラファインバブル生成方法を提供すること。【解決手段】発熱素子の周囲に壁を形成することで発泡時の泡の形状を部分的に規制し、泡が消泡する位置を発熱素子からずれた位置にする。【選択図】図19

Description

本発明は、直径が1.0μm未満のウルトラファインバブルを生成するウルトラファインバブル生成装置およびウルトラファインバブル生成方法に関する。
近年、直径がマイクロメートルサイズのマイクロバブル、及び直径がナノメートルサイズのナノバブル等の微細なバブルの特性を応用する技術が開発されてきている。特に、直径が1.0μm未満のウルトラファインバブル(Ultra Fine Bubble;以下、「UFB」ともいう)については、その有用性が様々な分野において確認されている。
特許文献1には、気体が加圧溶解された加圧液を減圧ノズルから噴出させることによって、微細なバブルを生成する微細気泡生成装置が開示されている。また、特許文献2には、混合ユニットを用いて気体混合液体の分流と合流を繰り返すことによって、微細なバブルを生成する装置が開示されている。
特許第6118544号公報 特許第4456176号公報
特許文献1、2に記載のいずれの装置においても、直径がナノメートルサイズのUFBに加えて、直径がミリメートルサイズのミリバブルや直径がミクロンメートルサイズのマイクロバブルが比較的多量に生成される。但し、ミリバブルやマイクロバブルには浮力が作用するため、長期間の保存においては徐々に液面に浮上し、消滅してしまう傾向がある。
一方、直径がナノメートルサイズのUFBについては、浮力の影響を受け難く、ブラウン運動を行いながら液中に浮遊するため、長期間の保存に適している。しかしながら、UFBにおいても、ミリバブルやマイクロバブルとともに生成されたり、気液界面エネルギが小さかったりすると、ミリバブルやマイクロバブルの消滅の影響を受け、時間の経過とともに減少してしまう。すなわち、長期間保存してもUFB濃度の減少が抑制されるUFB含有液を得るためには、UFB含有液の生成時において、高い気液界面エネルギを有するUFBが高純度且つ高濃度に生成されることが求められる。
本発明は上記問題点を解消するためになされたものである。よってその目的とするところは、純度の高いUFB含有液を効率的に生成することが可能であり、更に装置の寿命を延ばすことができるウルトラファインバブル生成装置およびウルトラファインバブル生成方法を提供することである。
そのために本発明は、ウルトラファインバブルを生成するウルトラファインバブル生成装置であって、複数のヒータと、前記ヒータと接続された配線と、が設けられた素子基板を備えており、前記ヒータの周囲の少なくとも一部に、前記ヒータの作用で発泡する泡の成長を規制する規制部材を有し、前記規制部材と前記ヒータとの間には、所定の面積を有した第1領域が設けられていることを特徴とするウルトラファインバブル生成装置。
本発明によれば、純度の高いUFB含有液を効率的に生成することが可能であり、更に装置の寿命を延ばすことができるウルトラファインバブル生成装置およびウルトラファインバブル生成方法を提供することができる。
UFB生成装置の一例を示す図である。 前処理ユニットの概略構成図である。 溶解ユニットの概略構成図及び液体の溶解状態を説明するための図である。 T−UFB生成ユニットの概略構成図である。 発熱素子の詳細を説明するための図である。 発熱素子における膜沸騰の様子を説明するための図である。 膜沸騰泡の膨張に伴ってUFBが生成される様子を示す図である。 膜沸騰泡の収縮に伴ってUFBが生成される様子を示す図である。 液体の再加熱によってUFBが生成される様子を示す図である。 膜沸騰で生成される泡の消泡時の衝撃波によってUFBが生成される様子を示す図である。 後処理ユニットの構成例を示す図である。 チャンバーを示した図である。 素子基板を示した図である。 壁が形成された素子基板を示した図である。 蓋基板を示した図である。 供給口と排出口とに接続された供給配管と排出配管とを示した図である。 素子基板とフレキシブル配線基板とを電気的に接続した状態を示した図である。 発熱素子が設けられたヒータ部を示した図である。 発熱素子を駆動した際に液体が発泡する様子を時間を追って示した図である。 素子基板の形成工程を工程順に示した図である。 素子基板の形成工程を工程順に示した図である。 チャンバーの形成工程を工程順に示した図である。 素子基板におけるヒータ部を示した図である。 素子基板におけるヒータ部を示した図である。
(第1の実施形態)
<<UFB生成装置の構成>>
図1は、本発明に適用可能なウルトラファインバブル生成装置の一例を示す図である。本実施形態のUFB生成装置1は、前処理ユニット100、溶解ユニット200、T−UFB生成ユニット300、後処理ユニット400、及び回収ユニット500を含む。前処理ユニット100に供給された水道水などの液体Wは、上記の順番で各ユニット固有の処理が施され、T−UFB含有液として回収ユニット500で回収される。以下、各ユニットの機能及び構成について説明する。詳細は後述するが、本明細書では急激な発熱に伴う膜沸騰を利用して生成したUFBをT−UFB(Thermal−Ultra Fine Bubble)と称す。
図2は、前処理ユニット100の概略構成図である。本実施形態の前処理ユニット100は、供給された液体Wに対し脱気処理を行う。前処理ユニット100は、主に、脱器容器101、シャワーヘッド102、減圧ポンプ103、液体導入路104、液体循環路105、液体導出路106を有する。例えば水道水のような液体Wは、バルブ109を介して、液体導入路104から脱気容器101に供給される。この際、脱気容器101に設けられたシャワーヘッド102が、液体Wを霧状にして脱気容器101内に噴霧する。シャワーヘッド102は、液体Wの気化を促すためのものであるが、気化促進効果を生み出す機構としては、遠心分離器なども代替可能である。
ある程度の液体Wが脱器容器101に貯留された後、全てのバルブを閉じた状態で減圧ポンプ103を作動させると、既に気化している気体成分が排出されるとともに、液体Wに溶解している気体成分の気化と排出も促される。この際、脱気容器101の内圧は、圧力計108を確認しながら数百〜数千Pa(1.0Torr〜10.0Torr)程度に減圧されればよい。脱気ユニット100によって脱気される気体としては、例えば窒素、酸素、アルゴン、二酸化炭素などが含まれる。
以上説明した脱気処理は、液体循環路105を利用することにより、同じ液体Wに対して繰り返し行うことができる。具体的には、液体導入路104のバルブ109と液体導出路106のバルブ110を閉塞し、液体循環路106のバルブ106、107を開放した状態で、シャワーヘッド102を作動させる。これにより、脱気容器101に貯留され、脱気処理が一度行われた液体Wは、再びシャワーヘッド102を介して脱気容器101に噴霧される。更に、減圧ポンプ103を作動させることにより、シャワーヘッド102による気化処理と減圧ポンプ103による脱気処理が、同じ液体Wに対し重ねて行われることになる。そして、液体循環路105を利用した上記繰り返し処理を行う度に、液体Wに含まれる気体成分を段階的に減少させていくことができる。所望の純度に脱気された液体Wが得られると、バルブ110を開放することにより、液体Wは液体導出路106を経て溶解ユニット200に送液される。
なお、図2では、気体部を低圧にして溶解物を気化させる脱気ユニット100を示したが、溶解した液体を脱気させる方法はこれに限らない。例えば、液体Wを煮沸して溶解物を気化させる加熱煮沸法を採用してもよいし、中空糸を用いて液体と気体の界面を増大させる膜脱気方法を採用してもよい。中空糸を用いた脱気モジュールとしては、SEPARELシリーズ(大日本インキ社製)が市販されている。これは、中空糸膜の原料にポリ4−メチルペンテン−1(PMP)を用いて、主にピエゾヘッド向けに供給するインクなどから気泡を脱気する目的で使用されている。更に、真空脱気法、加熱煮沸法、及び膜脱気方法の2つ以上を併用してもよい。
図3(a)及び(b)は、溶解ユニット200の概略構成図及び液体の溶解状態を説明するための図である。溶解ユニット200は、前処理ユニット100より供給された液体Wに対し所望の気体を溶解させるユニットである。本実施形態の溶解ユニット200は、主に、溶解容器201、回転板202が取り付けられた回転シャフト203、液体導入路204、気体導入路205、液体導出路206、及び加圧ポンプ207を有する。
前処理ユニット100より供給された液体Wは、液体導入路204より、溶解容器201に供給され貯留される。一方、気体Gは気体導入路205より溶解容器201に供給される。
所定量の液体Wと気体Gが溶解容器201に貯留されると、加圧ポンプ207を作動し溶解容器201の内圧を0.5Mpa程度まで上昇させる。加圧ポンプ207と溶解容器201の間には安全弁208が配されている。また、回転シャフト203を介して液中の回転板202を回転させることにより、溶解容器201に供給された気体Gを気泡化し、液体Wとの接触面積を大きくし、液体W中への溶解を促進する。そしてこのような作業を、気体Gの溶解度がほぼ最大飽和溶解度に達するまで継続する。この際、可能な限り多くの気体を溶解させるために、液体の温度を低下させる手段を配してもよい。また、難溶解性の気体の場合は、溶解容器201の内圧を0.5MPa以上に上げる事も可能である。その場合は、安全面から容器の材料などを最適にする必要がある。
気体Gの成分が所望の濃度で溶解された液体Wが得られると、液体Wは液体導出路206を経由して排出され、T−UFB生成ユニット300に供給される。この際、背圧弁209は、供給時の圧力が必要以上に高くならないように液体Wの流圧を調整する。
図3(b)は、溶解容器201で混入された気体Gが溶解していく様子を模式的に示す図である。液体W中に混入された気体Gの成分を含む気泡2は、液体Wに接触している部分から溶解する。このため、気泡2は徐々に収縮し、気泡2の周囲には気体溶解液体3が存在する状態となる。気泡2には浮力が作用するため、気泡2は気体溶解液体3の中心から外れた位置に移動したり、気体溶解液体3から分離して残存気泡4となったりする。すなわち、液体導出路206を介してT−UFB生成ユニット300に供給される液体Wには、気体溶解液体3が気泡2を囲った状態のものや、気体溶解液体3と気泡2が互いに分離した状態のものが混在している。
なお、図において気体溶解液体3とは、「液体W中において、混入された気体Gの溶解濃度が比較的高い領域」を意味している。実際に液体Wに溶解している気体成分においては、気泡2の周囲や、気泡2と分離した状態であっても領域の中心で濃度が最も高く、その位置から離れるほど気体成分の濃度は連続的に低くなる。すなわち、図3(b)では説明のために気体溶解液体3の領域を破線で囲っているが、実際にはこのような明確な境界が存在するわけではない。また、本発明においては、完全に溶解しない気体が、気泡の状態で液体中に存在しても許容される。
図4は、T−UFB生成ユニット300の概略構成図である。T−UFB生成ユニット300は、主に、チャンバー301、液体導入路302、液体導出路303を備え、液体導入路302からチャンバー301内を経て液体導出路303に向かう流れが、不図示の流動ポンプによって形成されている。流動ポンプとしては、ダイヤフラムポンプ、ギアポンプ、スクリューポンプなど各種ポンプを採用することができる。液体導入路302から導入される液体Wには、溶解ユニット200によって混入された気体Gの気体溶解液体3が混在している。
チャンバー301の底面には発熱素子10が設けられた素子基板12が配されている。発熱素子10に所定の電圧パルスが印加されることにより、発熱素子10に接触する領域に膜沸騰により生じる泡13(以下、膜沸騰泡13ともいう)が発生する。そして、膜沸騰泡13の膨張や収縮に伴って気体Gを含有するウルトラファインバブル(UFB11)が生成される。その結果、液体導出路303からは多数のUFB11が含まれたUFB含有液Wが導出される。
図5(a)及び(b)は、発熱素子10の詳細構造を示す図である。図5(a)は発熱素子10の近傍、同図(b)は発熱素子10を含むより広い領域の素子基板12の断面図をそれぞれ示している。
図5(a)に示すように、本実施形態の素子基板12は、シリコン基板304の表面に、蓄熱層としての熱酸化膜305と、蓄熱層を兼ねる層間膜306と、が積層されている。層間膜306としては、SiO2膜、または、SiN膜を用いることができる。層間膜306の表面には抵抗層307が形成され、その抵抗層307の表面に、配線308が部分的に形成されている。配線308としては、Al、Al−Si、またはAl−CuなどのAl合金配線を用いることができる。これらの配線308、抵抗層307、及び、層間膜306の表面には、SiO2膜、またはSi3N4膜から成る保護層309が形成されている。
保護層309の表面において、結果的に発熱素子10となる熱作用部311に対応する部分、及び、その周囲には、抵抗層307の発熱に伴う化学的、及び物理的な衝撃から保護層309を保護するための耐キャビテーション膜310が形成されている。抵抗層307の表面において、配線308が形成されていない領域は、抵抗層307が発熱する熱作用部311である。配線308が形成されていない抵抗層307の発熱部分は、発熱素子(ヒータ)10として機能する。このように素子基板12における層は、半導体の製造技術によってシリコン基板304の表面に順次に形成され、これにより、シリコン基板304に熱作用部311が備えられる。
なお、図に示す構成は一例であり、その他の各種構成が適用可能である。例えば、抵抗層307と配線308との積層順が逆の構成で、配線層を覆うように抵抗体層が形成された構成、あるいは、抵抗層307と配線308との積層順が逆の構成、及び抵抗層307の下面に電極を接続させる構成(所謂プラグ電極構成)が適用可能である。つまり、後述するように、熱作用部311により液体を加熱して、液体中に膜沸騰を生じさせることができる構成であればよい。
図5(b)は、素子基板12において、配線308に接続される回路を含む領域の断面図の一例である。P型導電体であるシリコン基板304の表層には、N型ウェル領域322、及び、P型ウェル領域323が部分的に備えられている。一般的なMOSプロセスによるイオンインプランテーションなどの不純物の導入、及び拡散によって、N型ウェル領域322にP−MOS320が形成され、P型ウェル領域323にN−MOS321が形成される。
P−MOS320は、N型ウェル領域322の表層に部分的にN型あるいはP型の不純物を導入してなるソース領域325及びドレイン領域326と、ゲート配線335などから構成されている。ゲート配線335は、ソース領域325及びドレイン領域326を除くN型ウェル領域322の部分の表面に、厚さ数百Åのゲート絶縁膜328を介して堆積されている。
N−MOS321は、P型ウェル領域323の表層に部分的にN型あるいはP型の不純物を導入してなるソース領域325及びドレイン領域326と、ゲート配線335などから構成されている。ゲート配線335は、ソース領域325及びドレイン領域326を除くP型ウェル領域323の部分の表面に、厚さ数百Åのゲート絶縁膜328を介して堆積されている。ゲート配線335は、CVD法により堆積された厚さ3000Å〜5000Åのポリシリコンからなる。これらのP−MOS320及びN−MOS321によって、C−MOSロジックが構成される。
P型ウェル領域323において、N−MOS321と異なる部分には、電気熱変換素子(発熱抵抗素子)の駆動用のN−MOSトランジスタ330が形成されている。N−MOSトランジスタ330は、不純物の導入及び拡散などの工程によりP型ウェル領域323の表層に部分的に形成されたソース領域332及びドレイン領域331と、ゲート配線333などから構成されている。ゲート配線333は、P型ウェル領域323におけるソース領域332及びドレイン領域331を除く部分の表面に、ゲート絶縁膜328を介して堆積されている。
本例においては、電気熱変換素子の駆動用トランジスタとして、N−MOSトランジスタ330を用いた。しかし、その駆動用トランジスタは、複数の電気熱変換素子を個別に駆動する能力を持ち、かつ、上述したような微細な構造を得ることができるトランジスタであればよく、N−MOSトランジスタ330には限定されない。また本例においては、電気熱変換素子と、その駆動用トランジスタと、が同一基板上に形成されているが、これらは、別々の基板に形成してもよい。
P−MOS320とN−MOS321との間、及びN−MOS321とN−MOSトランジスタ330との間等の各素子間には、5000Å〜10000Åの厚さのフィールド酸化により酸化膜分離領域324が形成されている。この酸化膜分離領域324によって各素子が分離されている。酸化膜分離領域324において、熱作用部311に対応する部分は、シリコン基板304上の一層目の蓄熱層334として機能する。
P−MOS320、N−MOS321、及びN−MOSトランジスタ330の各素子の表面には、CVD法により、厚さ約7000ÅのPSG膜、またはBPSG膜などから成る層間絶縁膜336が形成されている。層間絶縁膜336を熱処理により平坦にした後に、層間絶縁膜336及びゲート絶縁膜428を貫通するコンタクトホールを介して、第1の配線層となるAl電極337が形成される。層間絶縁膜336及びAl電極337の表面には、プラズマCVD法により、厚さ10000Å〜15000ÅのSiO2膜から成る層間絶縁膜338が形成される。層間絶縁膜338の表面において、熱作用部311及びN−MOSトランジスタ330に対応する部分には、コスパッタ法により、厚さ約500ÅのTaSiN膜から成る抵抗層307が形成される。抵抗層307は、層間絶縁膜338に形成されたスルーホールを介して、ドレイン領域331の近傍のAl電極337と電気的に接続される。抵抗層307の表面には、各電気熱変換素子への配線となる第2の配線層としてのAlの配線308が形成される。配線308、抵抗層307、及び層間絶縁膜338の表面の保護層309は、プラズマCVD法により形成された厚さ3000ÅのSiN膜から成る。保護層309の表面に堆積された耐キャビテーション膜310は、Ta、Fe,Ni,Cr,Ge,Ru,Zr,Ir等から選択される少なくとも1つ以上の金属であり、厚さ約2000Åの薄膜から成る。抵抗層307としては、上述したTaSiN以外のTaN0.8、CrSiN、TaAl、WSiN等、液体中に膜沸騰を生じさせることができるものであれば各種材料が適用可能である。
図6(a)及び(b)は、発熱素子10に所定の電圧パルスを印加した場合の膜沸騰の様子を示す図である。ここでは、大気圧のもとでの膜沸騰を生じさせた場合を示している。図6(a)において、横軸は時間を示す。また、下段のグラフの縦軸は発熱素子10に印加される電圧を示し、上段のグラフの縦軸は膜沸騰により発生した膜沸騰泡13の体積と内圧を示す。一方、図6(b)は、膜沸騰泡13の様子を、図6(a)に示すタイミング1〜3に対応づけて示している。以下、時間に沿って各状態を説明する。尚、後述するように膜沸騰によって発生したUFB11は主として膜沸騰泡13の表面近傍に発生する。図6(b)に示す状態は、図1で示したように、生成ユニット300で発生したUFB11から循環経路を介して溶解ユニット200に再度供給され、その液体が生成ユニット300の液路に再度供給された状態を示す。
発熱素子10に電圧が印加される前、チャンバー301内はほぼ大気圧が保たれている。発熱素子10に電圧が印加されると、発熱素子10に接する液体に膜沸騰が生じ、発生した気泡(以下、膜沸騰泡13と称す)は内側から作用する高い圧力によって膨張する(タイミング1)。このときの発泡圧力は約8〜10MPaとみなされ、これは水の飽和蒸気圧に近い値である。
電圧の印加時間(パルス幅)は0.5usec〜10.0usec程度であるが、電圧が印加されなくなった後も、膜沸騰泡13はタイミング1で得られた圧力の慣性によって膨張する。但し、膜沸騰泡13の内部では膨張に伴って発生した負圧力が徐々に大きくなり、膜沸騰泡13を収縮する方向に作用する。やがて慣性力と負圧力が釣り合ったタイミング2で膜沸騰泡13の体積は最大となり、その後は負圧力によって急速に収縮する。
膜沸騰泡13が消滅する際、膜沸騰泡13は発熱素子10の全面ではなく、1箇所以上の極めて小さな領域で消滅する。このため、発熱素子10においては、膜沸騰泡13が消滅する極めて小さな領域に、タイミング1で示す発泡時よりも更に大きな力が発生する(タイミング3)。
以上説明したような膜沸騰泡13の発生、膨張、収縮及び消滅は、発熱素子10に電圧パルスが印加されるたびに繰り返され、そのたびに新たなUFB11が生成される。
次に図7〜図10を用いて、膜沸騰泡13の発生、膨張、収縮及び消滅の各過程において、UFB11が生成される様子を更に詳しく説明する。
図7(a)〜(d)は、膜沸騰泡13の発生及び膨張に伴ってUFB11が生成される様子を模式的に示す図である。図7(a)は、発熱素子10に電圧パルスが印加される前の状態を示している。チャンバー301の内部には、気体溶解液体3が混在した液体Wが流れている。
図7(b)は、発熱素子10に電圧が印加され、液体Wに接している発熱素子10のほぼ全域で膜沸騰泡13が一様に発生した様子を示している。電圧が印加されたとき、発熱素子10の表面温度は10℃/μsec以上の速度で急激に上昇し、ほぼ300℃に達した時点で膜沸騰が起こり、膜沸騰泡13が生成される。
発熱素子10の表面温度は、その後もパルスの印加中に600〜800℃程度まで上昇し、膜沸騰泡13の周辺の液体も急激に加熱される。図では、膜沸騰泡13の周辺に位置し、急激に加熱される液体の領域を未発泡高温領域14として示している。未発泡高温領域14に含まれる気体溶解液体3は熱的溶解限界を超えて析出しUFBとなる。析出した気泡の直径は10nm〜100nm程度であり、高い気液界面エネルギを有している。そのため、短時間で消滅することもなく液体W内で独立を保ながら浮遊する。本実施形態では、このように膜沸騰泡13の発生から膨張時に熱的作用によって生成される気泡を第1のUFB11Aと称す。
図7(c)は、膜沸騰泡13が膨張する過程を示している。発熱素子10への電圧パルスの印加が終了しても、膜沸騰泡13は発生したときに得た力の慣性によって膨張を続け、未発泡高温領域14も慣性によって移動及び拡散する。すなわち、膜沸騰泡13が膨張する過程において、未発泡高温領域14に含まれた気体溶解液体3が新たに気泡となって析出し、第1のUFB11Aとなる。
図7(d)は、膜沸騰泡13が最大体積となった状態を示している。膜沸騰泡13は慣性によって膨張するが、膨張に伴って膜沸騰泡13の内部の負圧は徐々に高まり、膜沸騰泡13を収縮しようとする負圧力として作用する。そして、この負圧力が慣性力と釣り合った時点で、膜沸騰泡13の体積は最大となり、以後収縮に転じる。
膜沸騰泡13の収縮段階においては、図8(a)〜(c)に示す過程により発生するUFB(第2のUFB11B)と、図9(a)〜(c)に示す過程により発生するUFB(第3のUFB)とがある。これら2つの過程は併存しておきていると考えられる。
図8(a)〜(c)は、膜沸騰泡13の収縮に伴ってUFB11が生成される様子を示す図である。図8(a)は、膜沸騰泡13が収縮を開始した状態を示している。膜沸騰泡13が収縮を開始しても、周囲の液体Wには膨張する方向の慣性力が残っている。よって、膜沸騰泡13の極周囲には、発熱素子10から離れる方向に作用する慣性力と、膜沸騰泡13の収縮に伴って発熱素子10に向かう力とが作用し、減圧された領域となる。図では、そのような領域を未発泡負圧領域15として示している。
未発泡負圧領域15に含まれる気体溶解液体3は、圧的溶解限界を超え、気泡として析出する。析出した気泡の直径は100nm程度であり、その後短時間で消滅することもなく液体W内で独立を保ながら浮遊する。本実施形態では、このように膜沸騰泡13が収縮する際の圧力的作用によって析出する気泡を、第2のUFB11Bと称す。
図8(b)は、膜沸騰泡13が収縮する過程を示している。膜沸騰泡13が収縮する速度は負圧力によって加速し、未発泡負圧領域15も膜沸騰泡13の収縮に伴って移動する。すなわち、膜沸騰泡13が収縮する過程において、未発泡負圧領域15が通過する箇所の気体溶解液体3が次々に析出し、第2のUFB11Bとなる。
図8(c)は、膜沸騰泡13が消滅する直前の様子を示している。膜沸騰泡13の加速度的な収縮により、周囲の液体Wの移動速度も増大するが、チャンバー301内の流路抵抗によって圧力損失が生じる。その結果、未発泡負圧領域15が占める領域は更に大きくなり、多数の第2のUFB11Bが生成される。
図9(a)〜(c)は、膜沸騰泡13の収縮時において、液体Wの再加熱によってUFBが生成される様子を示す図である。図9(a)は、発熱素子10の表面が収縮する膜沸騰泡13に被覆されている状態を示している。
図9(b)は、膜沸騰泡13の収縮が進み、発熱素子10の表面の一部が液体Wに接触した状態を示している。このとき発熱素子10の表面には、液体Wが接しても膜沸騰には到らないほどの熱が残っている。図では、発熱素子10の表面に接することにより加熱される液体の領域を未発泡再加熱領域16として示している。膜沸騰には到らないものの、未発泡再加熱領域16に含まれる気体溶解液体3は、熱的溶解限界を超えて析出する。本実施形態では、このように膜沸騰泡13が収縮する際の液体Wの再加熱によって生成される気泡を第3のUFB11Cと称す。
図9(c)は、膜沸騰泡13の収縮が更に進んだ状態を示している。膜沸騰泡13が小さくなるほど、液体Wに接する発熱素子10の領域が大きくなるため、第3のUFB11Cは、膜沸騰泡13が消滅するまで生成される。
図10(a)および(b)は、膜沸騰で生成された膜沸騰泡13の消泡時の衝撃(所謂、キャビテーションの一種)によって、UFBが生成される様子を示す図である。図10(a)は、膜沸騰泡13が消滅する直前の様子を示している。膜沸騰泡13は内部の負圧力によって急激に収縮し、その周囲を未発泡負圧領域15が覆う状態となっている。
図10(b)は、膜沸騰泡13が点Pで消滅した直後の様子を示している。膜沸騰泡13が消泡するとき、その衝撃により音響波が点Pを起点として同心円状に広がる。音響波とは、気体、液体、固体を問わず伝播する弾性波の総称であり、本実施形態においては、液体Wの粗密、すなわち液体Wの高圧面17Aと低圧面17B、とが交互に伝播される。
この場合、未発泡負圧領域15に含まれる気体溶解液体3は、膜沸騰泡13の消泡時の衝撃波によって共振され、低圧面17Bが通過するタイミングで圧的溶解限界を超えて相転移する。すなわち、膜沸騰泡13の消滅と同時に、未発泡負圧領域15内には多数の気泡が析出する。本実施形態ではこのような膜沸騰泡13が消泡する時の衝撃波によって生成される気泡を第4のUFB11Dと称す。
膜沸騰泡13の消泡時の衝撃波よって生成される第4のUFB11Bは、極めて狭い薄膜的領域に極めて短時間(1μS以下)で突発的に出現する。直径は第1〜第3のUFBよりも十分小さく、第1〜第3のUFBよりも気液界面エネルギが高い。このため、第4のUFB11Dは、第1〜第3のUFB11A〜11Cとは異なる性質を有し異なる効果を生み出すものと考えられる。
また、第4のUFB11Dは、衝撃波が伝播する同心球状の領域のいたる所で一様に発生するため、生成された時点からチャンバー301内に一様に存在することになる。第4のUFB11Dが生成されるタイミングでは、第1〜第3のUFBが既に多数存在しているが、これら第1〜第3のUFBの存在が第4のUFB11Dの生成に大きく影響することはない。また、第4のUFB11Dの発生によって第1〜第3のUFBが消滅することもないと考えられる。
以上説明したように発熱素子10の発熱により膜沸騰泡13が発生し消泡するまでの複数の段階においてUFB11が発生すると想定される。第1のUFB11A、第2のUFB11B及び第3のUFB11Cは、膜沸騰により発生する膜沸騰泡の表面の近傍に発生する。ここで近傍とは膜沸騰泡の表面から約20μm以内の領域である。第4のUFB11Dは、気泡が消泡(消滅)する際に発生する衝撃波が伝搬する領域に発生する。上述した例では膜沸騰泡10が消泡するまでの例を示したがUFBを発生させるためにはこれに限られない。例えば、発生した膜沸騰泡10が消泡する前に大気と連通することで、膜沸騰泡10が消耗まで至らない場合においてもUFBの生成が可能である。
次にUFBの残存特性について説明する。液体の温度が高いほど気体成分の溶解特性は低くなり、温度が低いほど気体成分の溶解特性は高くなる。すなわち、液体の温度が高いほど、溶解している気体成分の相転移が促され、UFBが生成されやすくなる。液体の温度と気体の溶解度は反比例の関係にあり、液体の温度上昇により、飽和溶解度を超えた気体が気泡になって液体中に析出される。
このため、液体の温度が常温から急激に上昇すると溶解特性が一気に下がり、UFBが生成され始める。そして、温度が上がるほど熱的溶解特性は下がり、多くのUFBが生成される状況となる。
反対に液体の温度が常温から下降すると、気体の溶解特性は上昇し、生成されたUFBは液化しやすくなる。しかしながら、このような温度は、常温よりも十分に低い。更に、液体の温度が下がっても、一度発生したUFBは高い内圧と高い気液界面エネルギを有するため、この気液界面を破壊するほどの高い圧力が作用する可能性は極めて低い。すなわち、一度生成されたUFBは、液体を常温常圧で保存する限り、簡単に消滅することはない。
本実施形態において、図7(a)〜(c)で説明した第1のUFB11A、及び図9(a)〜(c)で説明した第3のUFB11Cは、このような気体の熱的溶解特性を利用して生成されたUFBと言える。
一方、図11(b)において、横軸は液体の圧力を示し、RTは常圧(ほぼ大気圧)を示す。また、縦軸は液体Wに対する気体Gの溶解特性を示す。液体の圧力が高いほど気体の溶解特性は高くなり、圧力が低いほど溶解特性は低くなる。すなわち液体の圧力が低いほど、液体に溶解している気体溶解液体の気体への相転移が促され、UFBが生成されやすくなる。
図11(b)によれば、液体の圧力が常圧RPから下がりP2(<RP)を下回ると、溶解特性が一気に下がり、UFBが生成され始める。そして、P2からP1(<P2)の間では、圧力が下がるほど圧的溶解特性は下がり、多くのUFBが生成される状況となる。
反対に液体の圧力が常圧RPから上昇しP3よりも高くなると、気体の溶解特性は上昇し、生成されたUFBは液化しやすくなる。しかしながら、このような圧力P3は、大気圧よりも十分に高い10.0気圧以上である。更に、液体の圧力がP3以上になったとしても、一度発生したUFBは高い内圧と高い気液界面エネルギを有するため、この気液界面を破壊するほどの高い圧力が作用する可能性は極めて低い。すなわち、一度生成されたUFBは、液体を常温常圧で保存する限り、簡単に消滅することはない。
本実施形態において、図8(a)〜(c)で説明した第2のUFB11B、及び図10(a)〜(c)で説明した第4のUFB11Dは、このような気体の圧力的溶解特性を利用して生成されたUFBと言える。
以上では、生成される要因の異なる第1〜第4のUFBを個別に説明してきたが、上述した生成要因は、膜沸騰という事象に伴って同時多発的に起こるものである。このため、第1〜第4のUFBのうち少なくとも2種類以上のUFBが同時に生成されることもあり、これら生成要因が互いに協働してUFBを生成することもある。但し、いずれの生成要因も、膜沸騰現象で生成される膜沸騰泡の体積変化に伴って招致されることは共通している。本明細書では、このように急激な発熱に伴う膜沸騰を利用してUFBを生成する方法を、T−UFB(Thermal−Ultra Fine Bubble)生成方法と称す。また、T−UFB生成方法によって生成したUFBをT−UFB、T−UFB生成方法によって生成されたT−UFBを含有する液体をT−UFB含有液と称す。
T−UFB生成方法によって生成される気泡はその殆どが1.0um以下であり、ミリバブルやマイクロバブルは生成され難い。すなわち、T−UFB生成方法によれば、UFBが支配的に、かつ、効率的に生成されることになる。また、T−UFB生成方法によって生成されたT−UFBは、従来法によって生成されたUFBよりも高い気液界面エネルギを有し、常温常圧で保存する限り簡単に消滅することはない。更に、新たな膜沸騰によって新たなT−UFBが生成されても、先行して生成されていたT−UFBがその衝撃によって消滅することも抑制される。つまり、T−UFB含有液に含まれるT−UFBの数や濃度は、T−UFB含有液における膜沸騰の発生回数に対しヒステリシス特性を有すると言える。言い替えると、T−UFB生成ユニット300に配する発熱素子の数や発熱素子に対する電圧パルスの印加回数を制御することにより、T−UFB含有液に含まれるT−UFBの濃度を調整することができる。
再び図1を参照する。T−UFB生成ユニット300において、所望のUFB濃度を有するT−UFB含有液Wが生成されると、当該UFB含有液Wは、後処理ユニット400に供給される。
図11(a)〜(c)は、本実施形態の後処理ユニット400の構成例を示す図である。本実施形態の後処理ユニット400は、UFB含有液Wに含まれる不純物を、無機物イオン、有機物、不溶固形物、の順に段階に除去する。
図11(a)は、無機物イオンを除去するための第1の後処理機構410を示す。第1の後処理機構410は、交換容器411、陽イオン交換樹脂412、液体導入路413、集水管414及び液体導出路415を備えている。交換容器411には、陽イオン交換樹脂412が収容されている。T−UFB生成ユニット300で生成されたUFB含有液Wは、液体導入路413を経由して交換容器411に注入され、陽イオン交換樹脂412に吸収され、ここで不純物としての陽イオンが除去される。このような不純物には、T−UFB生成ユニット300の素子基板12より剥離した金属材料などが含まれ、例えばSiO2、SiN、SiC、Ta、Al2O3、Ta2O5、Irが挙げられる。
陽イオン交換樹脂412は、三次元的な網目構造を持った高分子母体に官能基(イオン交換基)を導入した合成樹脂であり、合成樹脂は0.4〜0.7mm程度の球状粒子を呈している。高分子母体としては、スチレン−ジビニルベンゼンの共重合体が一般的であり、官能基としては例えばメタクリル酸系とアクリル酸系のものを用いることができる。但し、上記材料は一例である。所望の無機イオンを効果的に除去することができれば、上記材料は様々に変更可能である。陽イオン交換樹脂412に吸収され、無機イオンが除去されたUFB含有液Wは、集水管414によって集水され、液体導出路415を介して次の工程に送液される。
図11(b)は、有機物を除去するための第2の後処理機構420を示す。第2の後処理機構420は、収容容器421、ろ過フィルタ422、真空ポンプ423、バルブ424、液体導入路425、液体導出路426、及びエア吸引路427を備えている。収容容器421の内部は、ろ過フィルタ422によって上下2つの領域に分割されている。液体導入路425は、上下2つの領域のうち上方の領域に接続し、エア吸引路427及び液体導出路426は下方の領域に接続する。バルブ424を閉じた状態で真空ポンプ423を駆動すると、収容容器421内の空気がエア吸引路427を介して排出され、収容容器422の内部が負圧になり、液体導入路425よりUFB含有液Wが導入される。そして、ろ過フィルタ422によって不純物が除去された状態のUFB含有液Wが収容容器421に貯留される。
ろ過フィルタ422によって除去される不純物には、チューブや各ユニットで混合され得る有機材料が含まれ、例えばシリコンを含む有機化合物、シロキサン、エポキシなどが挙げられる。ろ過フィルタ422に使用可能なフィルタ膜としては、細菌系まで除去できるサブμmメッシュのフィルタや、ウィルスまで除去できるnmメッシュのフィルタが挙げられる。
収容容器421にUFB含有液Wがある程度貯留された後、真空ポンプ423を停止してバルブ424を開放すると、収容容器421のT−UFB含有液は液体導出路426を介して次の工程に送液される。なお、ここでは、有機物の不純物を除去する方法として真空ろ過法を採用したが、フィルタを用いたろ過方法としては、例えば重力ろ過法や加圧ろ過を採用することもできる。
図11(c)は、不溶の固形物を除去するための第3の後処理機構430を示す。第3の後処理機構430は、沈殿容器431、液体導入路432、バルブ433及び液体導出路434を備えている。
まず、バルブ433を閉じた状態で沈殿容器431に所定量のUFB含有液Wを液体導入路442より貯留し、しばらく放置する。この間、UFB含有液Wに含まれている固形物は、重力によって沈殿容器431の底部に沈降する。また、UFB含有液に含まれるバブルのうち、マイクロバブルのような比較的大きなサイズのバブルも浮力によって液面に浮上し、UFB含有液から除去される。十分な時間が経過した後バルブ433を開放すると、固形物や大きなサイズのバブルが除去されたUFB含有液Wが液体導出路434を介して、回収ユニット500に送液される。本実施形態では3つの後処理機構を順に適用する例を示したが、これに限られず、必要に応じた後処理機構を適宜採用すれば良い。
再度図1を参照する。後処理ユニット400で不純物が除去されたT−UFB含有液Wは、そのまま回収ユニット500に送液してもよいが、再び溶解ユニット200に戻すこともできる。後者の場合、T−UFBの生成によって低下したT−UFB含有液Wの気体溶解濃度を、溶解ユニット200において再び飽和状態まで補填することができる。その上で新たなT−UFBをT−UFB生成ユニット300で生成すれば、上述した特性のもと、T−UFB含有液のUFB含有濃度を更に上昇させることができる。すなわち、溶解ユニット200、T−UFB生成ユニット300、後処理ユニット400を巡る循環回数の分だけ、UFB含有濃度を高めることができ、所望のUFB含有濃度が得られた後に、当該UFB含有液Wを回収ユニット500に送液することができる。
回収ユニット500は、後処理ユニット400より送液されて来たUFB含有液Wを回収及び保存する。回収ユニット500で回収されたT−UFB含有液は、様々な不純物が除去された純度の高いUFB含有液となる。
回収ユニット500においては、何段階かのフィルタリング処理を行い、UFB含有液WをT−UFBのサイズごと分類してもよい。また、T−UFB方式により得られるT−UFB含有液Wは、常温よりも高温であることが予想されるため、回収ユニット500には冷却手段を設けてもよい。なお、このような冷却手段は、後処理ユニット400の一部に設けられていてもよい。
以上が、UFB生成装置1の概略であるが、図示したような複数のユニットは無論変更可能であり、全てを用意する必要は無い。使用する液体Wや気体Gの種類、また生成するT−UFB含有液の使用目的に応じて、上述したユニットの一部を省略してもよいし、上述したユニット以外に更に別のユニットを追加してもよい。
例えば、UFBに含有させる気体が大気である場合は、脱気ユニット100や溶解ユニット200を省略することができる。反対に、UFBに複数種類の気体を含ませたい場合は、溶解ユニット200を更に追加してもよい。
また、図11(a)〜(c)で示すような不純物を除去するためのユニットは、T−UFB生成ユニット300よりも上流に設けてもよいし、上流と下流の両方に設けてもよい。UFB生成装置に供給される液体が水道水や雨水、また汚染水などの場合は、液体中に有機系や無機系の不純物が含まれている事がある。そのような不純物を含んだ液体WをT−UFB生成ユニット300に供給すると、発熱素子10を変質させたり、塩析現象を招致したりするおそれが生じる。図11(a)〜(c)で示すような機構をT−UFB生成ユニット300よりも上流に設けておくことにより、上記のような不純物を事前に除去することができる。
<<T−UFB含有液に使用可能な液体および気体>>
ここで、T−UFB含有液を生成するために使用可能な液体Wについて説明する。本実施形態で使用可能な液体Wとしては、例えば、純水、イオン交換水、蒸留水、生理活性水、磁気活性水、化粧水、水道水、海水、川水、上下水、湖水、地下水、雨水などが挙げられる。また、これらの液体等を含む混合液体も使用可能である。また、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒も使用できる。水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては特に限定されないが、具体例として、以下のものを挙げることができる。メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの炭素数1乃至4のアルキルアルコール類。N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類。アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン又はケトアルコール類。テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類。エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール。1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコールなどのグリコール類。エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル類。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類。グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパンなどのトリオール類。これらの水溶性有機溶剤は、単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。
溶解ユニット200で導入可能な気体成分としては、例えば、水素、ヘリウム、酸素、窒素、メタン、フッ素、ネオン、二酸化炭素、オゾン、アルゴン、塩素、エタン、プロパン、空気、などが挙げられる。また、上記のいくつかを含む混合気体であってもよい。さらに、溶解ユニット200では必ずしも気体状態にある物質を溶解させなくてもよく、所望の成分で構成される液体や固を液体Wに融解させてもよい。この場合の溶解としては、自然溶解のほか、圧力付与による溶解であってもよいし、電離による水和、イオン化、化学反応を伴う溶解であってもよい。
<<T−UFB生成方法の効果>>
次に、以上説明したT−UFB生成方法の特徴と効果を、従来のUFB生成方法と比較して説明する。例えばベンチュリー方式に代表される従来の気泡生成装置においては、流路の一部に減圧ノズルのようなメカ的な減圧構造を設け、この減圧構造を通過するように所定の圧力で液体を流すことにより、減圧構造の下流の領域に様々なサイズの気泡を生成している。
この場合、生成された気泡のうち、ミリバブルやマイクロバブルのような比較的大きなサイズのバブルには浮力が作用するため、やがて液面に浮上して消滅してしまう。また、浮力が作用しないUFBについても、然程大きな気液界面エネルギを有していないので、ミリバブルやマイクロバブルとともに消滅してしまう場合もある。加えて、上記減圧構造を直列に配置し、同じ液体を繰り返し減圧構造に流したとしても、その繰り返し回数に応じた数のUFBを、長期間保存することはできない。すなわち、従来のUFB生成方法によって生成されたUFB含有液では、UFB含有濃度を所定の値で長期間維持することは困難であった。
これに対し、膜沸騰を利用する本実施形態のT−UFB生成方法では、常温から300℃程度への急激な温度変化や、常圧から数メガパスカル程度への急激な圧力変化を、発熱素子の極近傍に局所的に生じさせている。当該発熱素子は、一辺が数十μm〜数百μm程度の四辺形をしている。従来のUFB発生器の大きさに比べると、1/10〜1/1000程度である。且つ、膜沸騰泡表面の極薄い膜領域に存在する気体溶解液体が、熱的溶解限界または圧力的溶解限界を瞬間的に(マイクロ秒以下の超短時間で)超えることにより、相転移が起こりUFBとなって析出する。この場合、ミリバブルやマイクロバブルのような比較的大きなサイズのバブルは殆ど発生せず、液体には直径が100nm程度のUFBが極めて高い純度で含有される。更に、このように生成されたT−UFBは、十分に高い気液界面エネルギを有しているため、通常の環境下において破壊されにくく、長期間の保存が可能である。
特に、液体に対し局所的に気体界面を形成できる膜沸騰現象を用いた本発明であれば、液体領域全体に影響を与えることなく、発熱素子の近傍に存在する液体の一部に界面形成し、それに伴う熱的、圧力的に作用する領域を極めて局所的な範囲とすることができる。その結果、安定的に所望のUFBを生成することができる。また、液体を循環して生成液体に対し更にUFBの生成条件を付与することで、既存のUFBへの影響を少なく新たなUFBを追加生成することができる。その結果、比較的容易に、所望のサイズ、濃度のUFB液体を製造することができる。
更に、T−UFB生成方法においては、上述したヒステリシス特性を有するため、高い純度のまま所望の濃度まで含有濃度を高めていくことができる。すなわち、T−UFB生成方法よれば、高純度、高濃度で且つ長期間保存可能なUFB含有液を、効率的に生成することができる。
<<T−UFB含有液の具体的用途>>
一般に、ウルトラファインバブル含有液は、内包される気体の種類によって用途が区別される。なお、液体にPPM〜BPM程度の量を液体中に溶解できる気体であれば、いずれの気体においてもUFB化させることが可能である。1例としては、下記のような用途に応用する事ができる。
・空気を内包させたUFB含有液は、工業的・農水産業・医療用などの洗浄や、植物・農水産物の育成にも好適に用いることができる。
・オゾンを内包したUFB含有液は、工業的・農水産業・医療用などの洗浄用途に加え、殺菌、滅菌及び除菌を目的とした用途や、排水や汚染土壌の環境浄化などにも好適に用いることができる。
・窒素を内包したUFB含有液は、工業的・農水産業・医療用など洗浄用途に加え、殺菌、滅菌及び除菌を目的とした用途や、排水や汚染土壌の環境浄化などにも好適に用いることができる。
・酸素を内包したUFB含有液は、工業的・農水産業・医療用など洗浄用途に加え、植物・農水産物の育成にも好適に用いることができる。
・二酸化炭素を内包したUFB含有液は、工業的・農水産業・医療用などの洗浄用途に加え、殺菌、滅菌及び除菌を目的とした用途などに好適に用いることができる。
・医療用ガスであるパーフロロカーボンを内包したUFB含有液は、超音波診断や治療に好適に用いることができる。このように、UFB含有液は、医療・薬品・歯科・食品・工業・農水産業などの多岐に亘って、効果を発揮することができる。
そして、それぞれの用途において、UFB含有液の効果を迅速に且つ確実に発揮するためには、UFB含有液に含まれるUFBの純度と濃度が重要となる。すなわち、高純度で所望の濃度のUFB含有液を生成することが可能な本実施形態のT−UFB生成方法を利用すれば、様々な分野でこれまで以上の効果を期待することができる。以下、T−UFB生成方法及びT−UFB含有液を好適に適用可能と想定される用途を列挙する。
(A)液体の精製的用途
・浄水器に対し、T−UFB生成ユニットを配することにより、浄水効果やPH調製液の精製効果を高めることが期待できる。また、炭酸水サーバなどにT−UFB生成ユニットを配することもできる。
・加湿器、アロマディヒューザー、コーヒーメーカー等にT−UFB生成ユニットを配することにより、室内の加湿効果や消臭効果及び香りの拡散効果を向上させることが期待できる。
・溶解ユニットにおいてオゾンガスを溶解させたUFB含有液を生成し、これを歯科治療、火傷の治療、内視鏡使用時の傷の手当てなどで用いることにより、医療的な洗浄効果や消毒効果を向上させることが期待できる。
・集合住宅の貯水槽にT−UFB生成ユニットを配することにより、長期間保存される飲料水の浄水効果や塩素の除去効果を向上させることが期待できる。
・日本酒、焼酎、ワインなど、高温の殺菌処理を行うことができない酒造工程において、オゾンや二酸化炭素を含有するT−UFB含有液を用いることにより、従来よりも効率的に低温殺菌処理を行うことが期待できる。
・特定保健食品や機能表示食品の製造過程で、原料にUFB含有液を混合させることで低温殺菌処理が可能になり、風味を落とさずに、安心かつ機能性を有する食品を提供することができる。
・魚や真珠などの魚介類の養殖場所において、養殖用の海水や淡水の供給経路にT−UFB生成ユニットを配することにより、魚介類の産卵や発育を促進させることが期待できる。
・食材保存水の精製工程にT−UFB生成ユニットを配することにより、食材の保存状態を向上させることが期待できる。
・プール用水や地下水などを脱色するための脱色器にT−UFB生成ユニットを配することにより、より高い脱色効果を期待することができる。
・コンクリート部材のひび割れ修復のためにT−UFB含有液を用いることにより、ひび割れ修復の効果向上を期待することができる。
・液体燃料を用いる機器(自動車、船舶、飛行機)等の液体燃料に、T−UFBを含有させることにより、燃料のエネルギ効率を向上させることが期待できる。
(B)洗浄的用途
近年、衣類に付着した汚れなどを除去するための洗浄水として、UFB含有液が注目されている。上記実施形態で説明したT−UFB生成ユニットを洗濯機に配し、従来よりも純度が高く浸透性に優れたUFB含有液を洗濯層に供給することにより、更に洗浄力を向上させることが期待できる。
・浴用シャワーや便器洗浄機にT−UFB生成ユニットを配することにより、人体等、生物全般の洗浄効果のほか、浴室又は便器の水垢やカビなどの汚染除去を促す効果を期待できる。
・自動車などのウィンドウォッシャー、壁材などを洗浄するための高圧洗浄機、洗車機、食器洗浄機、食材洗浄機等においてT−UFB生成ユニットを配することにより、それぞれの洗浄効果を更に向上させることが期待できる。
・プレス加工後のバリ取り工程など工場で製造した部品を洗浄・整備する際に、T−UFB含有液を用いることにより、洗浄効果を向上させることが期待できる。
・半導体素子製造時、ウェハの研磨水としてT−UFB含有液を用いることにより、研磨効果を向上させることが期待できる。また、レジスト除去工程においては、T−UFB含有液を用いることにより、剥離が困難なレジストの剥離を促すことが期待できる。
・医療ロボット、歯科治療器、臓器の保存容器などの医療機器の、洗浄や消毒を行うための器機に、T−UFB生成ユニットを配することにより、これら器機の洗浄効果や消毒効果の向上を期待することができる。また、生物の治療などにも適用可能である。
(C)医薬品用途
・化粧品などにT−UFB含有液を含有させることで、皮下細胞への浸透を促進するとともに防腐剤や界面活性剤などの皮膚に悪影響を与える添加剤を大幅に低下させることができる。その結果、より安心で、且つ、機能性のある化粧品を提供する事ができる。
・CTやMRIなどの医療検査装置の造影剤に、T−UFBを含有する高濃度ナノバブル製剤を活用することで、X線や超音波による反射光を効率的に活用でき、より詳細な撮影画像を得る事ができ、悪性腫瘍の初期診断などに活用できる。
・HIFU(High Intensity Focused Ultrasound)と呼ばれている超音波治療器で、T−UFBを含有する高濃度ナノバブル水を用いることで、超音波の照射パワーを低下でき、より非侵襲的に治療をすることができる。特に、正常な組織へのダメージを低減することが可能になる。
・T−UFBを含有する高濃度ナノバブルを種にして、気泡周囲のマイナス電荷領域にリポソームを形成するリン脂質を修飾させ、そのリン脂質を介して、各種医療性物質(DNAや、RNAなど)を付与したナノバブル製剤を作成することができる。
・歯髄や象牙質再生治療として、T−UFB生成による高濃度ナノバブル水を含む薬剤を歯管内に送液すると、ナノバブル水の浸透作用により薬剤が象牙細管内に深く入り込み除菌効果を促進し、歯髄の感染根管治療を短時間かつ安全に行う事が可能である。
以下、本願発明の特徴事項について説明する。
図12(a)は、本実施形態におけるT−UFB生成ユニット300の一部であるチャンバー301を示した図であり、図12(b)は、図12(a)のXIIb−XIIbにおける断面図である。本実施形態におけるチャンバー301は、後述する発熱素子10(図13参照)や配線308(図13参照)が形成されたウェハ状態のシリコン基板から形成される素子基板12に壁352を設けて、壁352の上部に蓋基板351を貼り合わせることで形成される。つまりチャンバー301は、発熱素子10(図13参照)を含む空間を形設する。ここで、ウェハ状態のシリコン基板とは、シリコンの単結晶インゴッドをスライスすることで形成されたシリコンウェハの基板であり、スライス後にダイシング等での切削が成されていない基板である。
チャンバー301は、素子基板12に外部から電力を供給する際に用いられる電極パッド350が、壁352によってチャンバー301から隔離され設けられている。このように本実施形態のチャンバー301は、素子基板12に壁352を形成して、壁352の上部に蓋基板351を貼り合わせただけの簡易的な構造となっている。
図13(a)は、素子基板12を示した図であり、図13(b)は、図13(a)の部分拡大図である。本実施形態における素子基板12には、複数の発熱素子10と、各発熱素子10に電力を供給する配線308と、配線308を外部配線と接続するための電極パッド350とが形成されている。本実施形態では、前述したように素子基板12はチップ化されておらずウェハの状態で用いる。
素子基板12上に電極パッド350は、電極3501と電極3502との2つが設けられており、その電極パッド3501は、素子基板12の一端部に設けられており、電極パッド3502は、一端部と対向する他端部に設けられている。配線308は、各発熱素子10と、2つある電極パッド350のいずれか一方の電極パッド350と接続されている。このような電極パッド350の配置にすると、各発熱素子10から電極パッド350までの配線の長さに違いが生じる。つまり、電極パッド350までの配線の長さが長くなる発熱素子10と、電極パッド350までの配線の長さが短くなる発熱素子10とが素子基板12に設けられる。このような場合、配線の長さの違いによって、電極パッド350と発熱素子10との間の配線抵抗が異なり、通電時には配線長さに応じた電圧降下が生じる。
そこで、本実施形態では、電極パッド350から各発熱素子10までの距離の違いを考慮して配線の幅を変えている。つまり、配線は、電極パッド350から発熱素子10までの距離が長いものほど配線幅が広くなるように形成されている。これによって、各配線によって生じる電圧降下が略同じになるように構成されている。
図14は、壁352が形成された素子基板12を示した図である。壁352は、フォトリソグラフィ法によって形成されており、チャンバー301の一部を形成している。また、壁352によって素子基板12の端部の電極パッド350をチャンバー301から隔離している。なお、壁352の高さによってチャンバー301の容量が決定されることから、壁352の高さは、チャンバー301に流す液体の流量から適宜決定することが望ましい。この壁352の上部に蓋基板351を貼り合わせてチャンバー301が形成される。また、壁352に蓋基板351が貼り合わされることで、チャンバー301に液体を供給する供給口355と、チャンバー301から液体を排出する排出口356とが形成される。供給口355から流入した液体は、チャンバー301内において、壁352の間で素子基板12上を流れ、排出口356から排出される。
図15(a)は、蓋基板351を示した正面図であり、図15(b)は図15(a)のXVb−XVbにおける断面図である。蓋基板351はシリコン製の基板から形成されており、壁352の上部に貼り合わされることでチャンバー301が形成される。なお、本実施形態では、蓋基板351としてシリコン製の基板を採用しているがこれに限定するものではなく、シリコン以外の材料から形成された基板でもよい。
図16(a)は、チャンバー301の供給口355と排出口356とに接続された供給配管353と排出配管354とを示した図であり、図16(b)は、図16(a)のXVIb−XVIbにおける断面図である。供給口355と排出口356とは、素子基板12の端部に対向するように設けられており、2つの壁352と素子基板12と蓋基板351とで形成される開口である。供給口355はチャンバー301に液体を供給可能であり、排出口356はチャンバー301から液体を排出可能に設けられている。そして、供給配管353は供給口355と接続されており。排出配管354は排出口356と接続されている。なお、供給口355と排出口356および供給配管353と排出配管354とは、同様の構成であるため入れ替わってもよい。
図17(a)は、素子基板12とフレキシブル配線基板357とを電気的に接続した状態を示した図であり、図17(b)は、図17(a)のXVIIb−XVIIbにおける断面図である。なお、図17(a)、(b)では、供給配管353と排出配管354とを省略している。素子基板12とフレキシブル配線基板357とは、電極パッド350を介して電気的に接続されており、電極パッド350とフレキシブル配線基板357の配線とがワイヤーボンディング358によって接続される。
このようにチャンバー301を形成し、チャンバー301底面の発熱素子10に所定の電圧パルスを印加することで、液体の、発熱素子10に接触する領域に膜沸騰泡13を発生させる。そして、膜沸騰泡13の膨張や収縮に伴ってウルトラファインバブルを生成することができる。
図18(a)から(c)は、本実施形態の素子基板12における発熱素子10が設けられたヒータ部250を示した図である。なお、図18(a)、(b)については発熱素子10の記載を省略している。図18(a)は、ヒータ部250の凹部180を示した図であり、図18(b)は、図18(a)のXVIIIb−XVIIIbにおける断面図である。本実施形態における素子基板12は、発熱素子10が設けられている部分に凹部180が形成されている。素子基板12の凹部180は、図18(a)、(b)のような四角形状の凹部180であり、その断面は図18(b)のように斜面がθ=54.7°の角度をもった台形形状となっている。凹部180は、シリコン基板<1.0.0>を異方性エッチングすることで形成されている。また、凹部180には、図18(c)のように、凹部180の中心から−y方向にずれた位置に発熱素子10が設けられている。
また、発熱素子10は、−y方向で凹部180の斜面と当接しておらず、凹部180の斜面と発熱素子10との間に、発熱素子10を駆動することで発泡した泡13が消泡する消泡位置181が設けられている。
図19(a)から(c)は、本実施形態の発熱素子10を駆動した際に、液体が発泡する様子を時間を追って示した図である。図19(a)は、発熱素子10の駆動前の状態を示しており、まだ、液体は発泡していない。図19(b)は、発熱素子10を駆動することで液体が発泡している状態を示しており、発泡時には、凹部180によって発泡する泡13の広がる方向が規制されて、y方向へ大きく広がりつつ泡13が形成される。これは、発熱素子10に対してx方向、−x方向、−y方向には、凹部180の斜面が壁となって近接した位置に設けられており、発熱素子10に対してy方向は、凹部180の斜面までの間に所定の距離がある。そのため発泡時に泡13は、y方向では凹部180の斜面の影響を受けにくく、発熱素子10に対してx方向、−x方向、−y方向では、凹部180の斜面の影響を受け易くなることから、泡13は斜面の影響を受けにくいy方向へ大きく広がりつつ成長する。その後、消泡する過程で泡13は、図19(c)のように凹部180の影響を受けつつ発泡時とは逆に、−y方向へ向かって収縮速度を速める。その結果、泡13は、発熱素子10から−y方向にずれた位置である所定面積を備えた領域の消泡位置181で消泡する。
ここで、一般的に発熱素子の駆動によって発泡した泡が消泡する際には、消滅する瞬間に周囲の液体が泡の中心で衝突するため、微小ながら強い圧力波(衝撃波)が発生するいわゆるキャビテーションが生じる。装置を継続して使用するに伴い、発熱素子上で繰り返しキャビテーションが生じると、発熱素子が繰り返し衝撃波を受けることによって破損することがある。
そこで、本実施形態のUFB生成装置では、発熱素子10の駆動によって生じる泡13の形状を凹部180で規制しつつ、泡13が消泡する消泡位置181を発熱素子10上から−y方向にずれた位置にする。消泡位置181は所定の面積を備えており、その面積とは、消泡時のキャビテーションの影響が及ぶ最大面積であり、隣接する発熱素子10が消泡時のキャビテーションの影響を受けないものとする。なおこの面積は、発熱素子の大きさや使用する駆動電圧によっても異なるので、装置に合わせて適宜設定するとよい。
これによって、発熱素子10が受ける消泡時のキャビテーションの影響を抑制することができる。このように、発熱素子10以外の位置に泡13が消泡する消泡位置181を設けることで、発熱素子10の破損を抑制し信頼性の高いUFB生成装置を得ることができる。
なお、本実施形態では、凹部180の中心に対して発熱素子10を−y方向にずれた位置に配置しているが、これに限定するものでない。つまり、発熱素子10が凹部180の中心からずれた位置であり、泡13が消泡する発熱素子10上からずれた消泡位置181以外の位置に発熱素子10を設ければよい。
図20(a)から(k)、図21(a)から(h)は、素子基板12の形成工程を工程順に示した図である。以下、本実施形態における素子基板12の形成方法について工程順に説明する。なお、ここで説明する基板に発熱素子10等を搭載する方法は従来の方法と同様である。まず、図20(a)のように、素子基板12となるウェハ状態のシリコン基板<1.0.0>210を準備する。そのシリコン基板210表面の蓄熱層及び裏面の保護膜として、熱酸化炉を用いて、水蒸気を使用した酸化性雰囲気条件で1200℃の温度で70分処理し、図20(b)のように1μmの酸化膜211を形成する。その後、図20(c)のように、基板に東京応化製感光性レジスト212をスピンコート法によって2μmの厚さに塗布する。そして、所定の形状に露光するガラスマスクを用いて、Canon製i線ステッパーFPA−3000i5で露光を行い、発熱素子10を配置する部分に相当する領域のレジスト212を除去して開口部を形成する。
そして、図20(d)のように、CF4とO2との混合ガスを用いたドライエッチング法によって、開口部の酸化膜211を除去する。そして、図20(e)のように、ロームアンドハース社製レジスト剥離液リムーバー1112Aに浸漬し、レジスト212を剥離除去する。続いて、図29(f)のように、TMAH22%水溶液である80℃のアルカリエッチング液に、図20(e)の状態の基板を40分浸漬し、面214を備えた、開口部213から深さ3μmの凹部215を形成する。凹部215は、酸化膜211の開口部から、54.7度の角度のテーパーを持った平滑な面と、底面である面214とからなり、面214は、発熱素子10を配置可能な平坦な面として形成される。
その後、図20(f)の状態の基板を、水蒸気を使用した酸化性雰囲気条件で300分処理することによって、図20(g)のように、凹部215のシリコン表面に2μmの厚さの酸化膜216を形成する。続いて、図20(g)の状態の基板にスパッタリング法によって30nmの厚さにTaSiN抵抗層217を形成し、連続してTaSiN抵抗層217の上に配線材料であるAl配線層218を500nmに形成する(図20(h)参照)。その後、TaSiN抵抗層217とAl配線層218とをフォトリソグラフィ法によって所定の形状とする。すなわち、先ず図20(i)のように東京応化製感光性レジスト219をスピンコート法によって2μmの厚さに塗布し(図20(i)参照)、その後、所定の形状に露光するガラスマスクを用いて、Canon製i線ステッパーFPA−3000i5で露光を行う。その後現像することで、図13(a)で示される配線308の形状にレジスト219を残す(図20(j)参照)。
続いて、BCl3とCl2ガスを用いた反応性イオンエッチング法によって、Al配線層218とTaSiN抵抗層217とを同時にエッチングし配線部を形成する。この際、凹部215の中心からずれた位置にAl配線層218とTaSiN抵抗層217とが配置されるようにする。その後、ヒータ形成工程として凹部215内においてリン酸を用いたウエットエッチングにより部分的にAl配線層218を除去してTaSiN抵抗層217を露出させることで発熱素子10を形成する(図20(k)参照)。これによって、発熱素子10の駆動で発泡した泡13が消泡する位置を発熱素子10上からずらすことができる。その後、図21(a)のように、剥離液リムーバー1112Aに図20(k)の状態の基板を浸漬し、レジスト219を剥離除去する。
次に発熱素子10と配線308とを液体から絶縁および発泡の熱や衝撃から保護するための保護膜と耐キャビテーション膜とを形成する。図21(b)に示すように、プラズマCVD法によって500nmの厚さに窒化ケイ素(以下SiNと呼ぶ)膜220を形成する。そしてSiN膜220の上に図21(c)のように、スパッタリング法によって200nmの厚さに金属Ir膜221を形成する。ここで、SiN膜220は、液体との電気絶縁のための保護膜であり、金属Ir膜221は、特に発熱素子10における発熱および発泡、消泡時の衝撃すなわち、キャビテーションから発熱素子10を守る耐キャビテーション膜の機能を持つ。
その後、SiN膜220および金属Ir膜221をフォトリソグラフィ法によって、所定の形状とする。すなわち、図21(d)のように東京応化製感光性レジスト222をスピンコート法によって2μmの厚さに塗布し、所定の形状に露光するガラスマスクを用い、i線ステッパーFPA−3000i5で露光を行う。その後現像することで、図21(e)に示すように部分的にレジスト222を除去して、所定の形状にレジスト222を残す。続いて、CF4を用いた反応性イオンエッチング法によって、図21(f)のようにレジスト222を除去した部分の金属Ir膜221をエッチングする。連続して図21(g)のようにSiN膜220をエッチングし、外部配線との接続を可能にする電極パッド350を形成する。最後に、図21(g)の状態の基板をレジスト剥離液リムーバー1112Aに浸漬し、レジスト222を剥離除去することで、図21(h)のような発熱素子10や電極パッド350、凹部180を備えた素子基板12が完成する。
図22(a)から(d)は、チャンバー301の形成工程を工程順に示した図である。以下、本実施形態におけるチャンバー301の形成方法について工程順に説明する。図7(a)のような素子基板12を準備し、その後、図22(b)のように、壁352となる部材223をスピンコート法によって所定の厚さに塗布し、その後、図22(c)のようにフォトリソグラフィ法によって壁352を形成する。その後、壁352と蓋基板351とを貼り合わせることでチャンバー301を形成する。
なお、本実施形態では、素子基板にエッチングで凹部を形成し、その凹部の底面に発熱素子を形成したがこれに限定するものではない。つまり、基板表面に露出した発熱素子を形成し、その発熱素子の周囲に、膜を積層する等の方法で所定高さの壁を形成してもよい。
このように、発熱素子の周囲に壁を形成することで発泡時の泡の成長を部分的に規制し、泡が消泡する位置を発熱素子からずれた位置にする。これによって、純度の高いUFB含有液を効率的に生成することが可能であり、更に装置の寿命を延ばすことができるウルトラファインバブル生成装置およびウルトラファインバブル生成方法を提供することができる。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、以下では特徴的な構成についてのみ説明する。
図23は、本実施形態の素子基板12におけるヒータ部250を示した図である。本実施形態におけるヒータ部250には、図23(a)のように、発熱素子10の周囲3方向(y方向、−y方向、−x方向)に、発泡時の泡13の成長を規制する規制部材である壁232が設けられている。第1の実施形態では、基板をエッチングによって掘り込むことで凹部180を形成したが、本実施形態では基板を掘り込んだ凹部は形成しない。表面に発熱素子10が露出した状態の基板に膜を積層することで、図23(a)のように発熱素子10の周囲3方向に壁232を形成する。3方向以外の方向には、発熱素子と隣接して所定の広さを有した領域が形成されている。このように発熱素子10の周囲3方向に壁232が設けられていることで、発熱素子10を駆動することによって発生した泡13は、壁232によって周囲3方向への成長が規制され、壁232が設けられていないx方向へ大きく広がりながら成長する。図23(b)のように、x方向に大きく広がって成長した泡13は、その後、収縮を開始し、図23(c)のように、発熱素子10から−x方向にずれた位置である消泡位置181で消泡する。このように発熱素子10からずれた位置である消泡位置181で泡13が消泡することで、発熱素子10が消泡時のキャビテーションの影響を受けることを抑制することができ、発熱素子の破損を抑制することができる。これによって、信頼性の高いUFB生成装置を得ることができる。
なお、本実施形態では発熱素子の周囲3方向に、膜を積層することで壁232を形成する方法を説明したが、これに限定するものではない。つまり、発熱素子10の周囲の少なくとも一部に壁を形成してもよい。このように発熱素子10の周囲の少なくとも一部に壁を形成することで、発泡時に壁が形成された方向への泡の成長が規制され、壁が設けられた側とは反対の方向へと広がりながら成長する泡が形成される。壁が設けられた側とは反対の方向へと広がりながら成長した泡は、収縮時には発泡時とは逆に、発熱素子に対して壁方向に向かって収縮速度を速める。その結果、泡の消泡位置を発熱素子上からずらし、壁と発熱素子との間の消泡位置で消泡する。これによって、発熱素子10が受ける消泡時のキャビテーションの影響を抑制することができる。
また、本実施形態では、発熱素子10に対してx方向には壁が設けられていないが、発熱素子10と、−x方向の壁232との間の領域(第1領域)よりも広い領域(第2領域)を、発熱素子10とx方向の壁との間に設けることで、x方向の壁を設けてもよい。このようにx方向の壁を設けることで、発泡する泡は、x方向の壁よりも−x方向の壁の方の影響を受けやすくなることから、泡がx方向へと広がりながら成長するように制御することができる。
(第3の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、以下では特徴的な構成についてのみ説明する。
図24は、本実施形態の素子基板12におけるヒータ部250を示した図である。本実施形態におけるヒータ部250では、発熱素子10の周囲に壁240を設けることで、流路241と発熱素子10が設けられた凹部242とを形成している。本実施形態も第2の実施形態と同様に、基板を掘り込むことなく、表面に発熱素子10が露出した状態の基板に膜を積層することで、図24(a)のような壁240を形成する。発熱素子10の3方向(−x方向、−y方向、x方向)の壁は一体で形成されている。このように壁240を形成することで、流路241を流れてきた液体は、凹部242に流れ込み、発熱素子10で加熱されて発泡する。その際、発熱素子10の3方向(−x方向、−y方向、x方向)は壁240の凹部242が有るため、泡13は、その3方向への成長が規制され、流路241側へ広がりつつ成長する。図24(b)のように、流路方向(y方向)に大きく広がって成長した泡13は、その後、収縮を開始し、図24(c)のように、発熱素子10から−y方向にずれた消泡位置181で泡13が消泡する。このように発熱素子10からずれた消泡位置181で泡13が消泡することで、発熱素子10が消泡時のキャビテーションの影響を受けることを抑制することができ、発熱素子10の破損を抑制することができる。これによって、信頼性の高いUFB生成装置を得ることができる。
12 素子基板
13 泡
180 凹部
181 消泡位置
232 壁
240 壁
300 T−UFB生成ユニット
301 チャンバー
304 シリコン基板
350 電極パッド
351 蓋基板
352 壁
353 供給配管
354 排出配管
355 供給口
356 排出口

Claims (11)

  1. ウルトラファインバブルを生成するウルトラファインバブル生成装置であって、
    液体を加熱することでウルトラファインバブルを生成する複数のヒータと、前記ヒータと接続された配線と、が設けられた素子基板を備えており、
    前記ヒータの周囲の少なくとも一部に、前記ヒータの作用で発泡する泡の成長を規制する規制部材を有し、
    前記規制部材と前記ヒータとの間には、所定の面積を有した第1領域が設けられていることを特徴とするウルトラファインバブル生成装置。
  2. 前記ヒータに対して、前記規制部材と反対の側には、前記ヒータと隣接して前記第1領域よりも広い面積を有した第2領域が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のウルトラファインバブル生成装置。
  3. 前記規制部材は、シリコン基板である前記素子基板をエッチングで掘り込むことで形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のウルトラファインバブル生成装置。
  4. 前記規制部材は、膜を積層することで形成されていることを特徴とする請求項2に記載のウルトラファインバブル生成装置。
  5. 前記規制部材は、前記ヒータとの間に前記第1領域を有した第1規制部材と、前記ヒータを挟んで互いに対向して配置される第2規制部材と、であることを特徴とする請求項4に記載のウルトラファインバブル生成装置。
  6. 前記第1規制部材と、前記第2規制部材とは、一体で形成されており、
    前記第1規制部材と対向して設けられた、第3規制部材を更に備え、
    一体で形成された前記第1規制部材および前記第2規制部材と、前記第3規制部材と、の間には、前記第2領域を含んでおり液体を流すことが可能な流路が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のウルトラファインバブル生成装置。
  7. 前記ヒータの上には、前記ヒータをキャビテーションによる衝撃波から保護する耐キャビテーション膜が形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のウルトラファインバブル生成装置。
  8. 前記素子基板には、前記ヒータを含む空間を形成するチャンバーが形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のウルトラファインバブル生成装置。
  9. 前記素子基板の端部に設けられ、前記素子基板の外部の外部配線と前記配線との接続を可能にする電極パッドと、
    前記チャンバーは、供給口と、排出口とを有しており、
    前記供給口と接続された供給配管から、前記チャンバーに液体を供給可能であり、前記排出口と接続された排出配管から、前記チャンバーの中の液体を排出可能であることを特徴とする請求項8に記載のウルトラファインバブル生成装置。
  10. 前記素子基板は、単結晶インゴッドをスライスして形成されたウェハ状態の基板であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のウルトラファインバブル生成装置。
  11. ウルトラファインバブルを生成するウルトラファインバブル生成方法であって、
    基板にヒータを形成するヒータ形成工程と、
    前記ヒータと液体とを接触させる接触工程と、
    前記ヒータを駆動する駆動工程と、
    前記ヒータの作用で発泡する泡の成長を、前記ヒータの周囲の少なくとも一部で規制部材によって規制する規制工程と、
    前記規制部材と前記ヒータとの間の所定面積を有した領域で、前記泡を消泡する消泡工程と、を備えていることを特徴とするウルトラファインバブル生成方法。
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