JP2020136090A - 発熱部、熱処理装置及び熱処理装置のヒータ設計方法 - Google Patents

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【課題】配置パターンによりマイクロ波エネルギーを吸収可能な発熱部と、被加熱物の昇温ばらつきを抑制し加熱効率を向上する熱処理装置を提供する。【解決手段】加熱処理装置1は、チャンバ4の内壁に設けられたヒータ9と、チャンバ4内に載置された被加熱物5にマイクロ波を照射するマイクロ波照射装置6とを備え、ヒータとマイクロ波によるハイブリッド加熱を行う。ヒータ9は、配置パターンが周期的にターンする蛇行パターンであり、ターン長Lは、マイクロ波のエネルギー吸収量が一定の範囲以下になる長さに設定されている。【選択図】図1

Description

この発明は、被加熱部を加熱するための発熱部と熱処理装置に関し、特に、チャンバ内に収納された被加熱物を、マイクロ波とヒータの二つの加熱手段でハイブリッド加熱を行う熱処理装置及び熱処理装置のヒータ設計方法に関する。
被加熱部を加熱する一般的な発熱部は、例えば、チャンバ内に設けたヒータである。このようなヒータはチャンバ内の被加熱部を外部より直接的に加熱するものである。
また、ヒータに代えてチャンバ内に置かれた被加熱物をマイクロ波で加熱する装置では、マイクロ波が被加熱物の内部まで浸透するため、加熱処理時間の短縮化と省エネルギー化が実現可能とされている。
しかしながら、被加熱物をマイクロ波のみで加熱すると、被加熱物からの放熱が大きく、被加熱物の内部と外部の温度差が出来てしまい、被加熱物の品質低下を招く恐れがある。
そこで、マイクロ波と他の加熱源とのハイブリッド加熱を行う熱処理装置が提案されている(特許文献1)。
例えば、特許文献1に示されるハイブリッド加熱の熱処理装置では、他の加熱源としてマイクロ波により加熱されるサセプタをチャンバ内に設け、マイクロ波により被加熱物を内部から加熱する一方、マイクロ波により加熱されたサセプタで被加熱物を外部から加熱するようにして被加熱物の均一加熱を図っている。
また、特許文献2に示されるハイブリッド加熱の熱処理装置では、他の加熱源としてマイクロ波により加熱されるマイクロ波吸収体をチャンバ内の側壁に設け、マイクロ波により被加熱物を内部から加熱する一方、マイクロ波により加熱されたマイクロ波吸収体で被加熱物を外部から加熱するようにして被加熱物の均一加熱を図っている。
特表2015−536434号公報 特開2004−352595号公報
しかしながら、上記の特許文献1、2に示される装置では、マイクロ波による加熱と間接加熱(マイクロ波によりチャンバ内に配置されているマイクロ波吸収体を加熱することで、間接的に被加熱物を加熱する)を行うことになるため、マイクロ波照射装置の容量が大きくなり、高コスト化を避けられない。
この発明は、加熱部の構成を工夫することで加熱効率を高めることを目的とする。また、被加熱物の昇温ばらつきを抑制し、加熱効率を向上する熱処理装置の提供を目的とする。
この発明の発熱部は、配置パターンが周期的にターンする蛇行パターンであって、マイクロ波の照射によりエネルギーを吸収することを特徴とする。
発熱部の配置パターンが周期的にターンする蛇行パターンであって、マイクロ波を照射したときに、蛇行パターンのためにマイクロ波のエネルギーを吸収可能となる。発熱部は蛇行パターンという形状によってマイクロ波のエネルギーを吸収し発熱可能であるため、エネルギーを吸収するためのサセプタ等の構造を別途設けなくても良い。また、発熱部を電気ヒータ等で構成することも容易であるため、そのように構成した場合は、発熱部をヒータとマイクロ波の両方で加熱することが出来る。また、蛇行パターンという形状によって、マイクロ波のエネルギーの吸収を抑えることが出来、これにより被加熱物の加熱にマイクロ波を効率よく用いることができる。
このように、マイクロ波の吸収量の調整により、加熱効率の向上を図ることができる。
被加熱物に対してハイブリッド加熱を行うことにより、被加熱部の昇温ばらつきを抑制することが出来る。
以下の理由から、蛇行パターンの形状を工夫することでマイクロ波によるヒータ加熱の課題を解決すること、つまり、ヒータに対するマイクロ波の誘電加熱による損失を抑制することが可能である。これにより、加熱効率がさらに良くなる。
すなわち、後に記載しているように、様々なシミュレーションを行った結果、放射されるマイクロ波の波長(周波数)とヒータの発熱に相関があることがわかった。また、同一波長のマイクロ波に対してヒータの形状とヒータの発熱にも相関があることがわかった。つまり、ヒータはマイクロ波に対してアンテナとして挙動することが推測される。照射されるマイクロ波に対しアンテナとしての性能が高いと、マイクロ波エネルギーがヒータの発熱として消費され、アンテナとしての性能が低いと、その消費が小さくなることとなる。
この発明では、ヒータの配置パターンが蛇行パターンであるため、メアンダ形状のアンテナとして挙動するものと考えられる。そこで、蛇行パターンの形状を工夫することでアンテナとしての性能を低下させ、マイクロ波エネルギーがヒータの発熱として消費されることを防止し、マイクロ波エネルギーの被加熱物に対する照射効率を高くすること、すなわちマイクロ波エネルギーの被加熱物に対する加熱効率を高くすることが出来る。
この発明の熱処理装置は、チャンバ内の被加熱物に対してマイクロ波を照射するマイクロ波照射部と、上記発熱部を含むヒータとを備え、マイクロ波とヒータにより被加熱物に対するハイブリッド加熱を行う。前記ヒータの発熱部は前記チャンバ内に配置されている。
また、ヒータの発熱部がチャンバの内に配置されていることから、ヒータの発熱部による被加熱物に対する加熱効率が良くなる。
また、ヒータの発熱部の配置パターンを蛇行パターンにすることで、ヒータ配線が最も高密度となるパターンとなる。ヒータ出力はヒータの長さによって決まるため、目的とする出力密度を容易に得られる。蛇行パターンは、チャンバ内の壁面の寸法、形状に合わせて調整し、配設することが可能である。これにより、チャンバ内の構造の複雑化を避けることが出来る。そして、ヒータ配線が高密度となることにより、所望のヒータ出力を備えたヒータを省スペースで設けることができる。さらに、マイクロ波とヒータとでハイブリッド加熱を行う場合、マイクロ波によりヒータが加熱されないようにすることが課題となるが、この発明では、ヒータの発熱部の配置パターンが蛇行パターンであるため、以下の理由から、蛇行パターンの形状を工夫することでマイクロ波によるマイクロ波エネルギー吸収量の調整ができない課題を解決すること、つまり、ヒータに対するマイクロ波の誘電加熱による損失を抑制することが可能である。これにより、加熱効率がさらに良くなる。
以上のように、この発明では、ハイブリッド加熱により、被加熱部の昇温ばらつきを抑制することが出来る。また、ヒータの発熱部をチャンバ内に配置させたことにより、ヒータの発熱部による被加熱物に対する加熱効率が良くなる。また、ヒータの配置パターンを蛇行パターンとすることで、その形状を工夫することでマイクロ波エネルギーがヒータの発熱として消費されることを防止出来、加熱効率をさらに高くすることが出来る。また、ヒータをマイクロ波から隔離する機構が不要となり、目的とする出力密度も容易に得られ、熱処理装置の構造を簡易化できる利点もある。
この発明では、ヒータの一つのターン部の長さに一つの直線部の長さを加えた1ターン分長さLは、前記ヒータによる前記マイクロ波のエネルギー吸収量が一定の範囲以下になる長さに設定してある。
ヒータの配置パターンが蛇行パターンである場合、ヒータ線の全部の長さ(面積)を減らさずにヒータによるマイクロ波のエネルギー吸収量を減らすには、どの部分の形状を工夫するかが課題となる。シミュレーションをした解析結果によれば、ヒータの一つのターン部の長さに一つの直線部の長さを加えた1ターン分長さLを調整することで、同エネルギー吸収量が変動することが分かった。そこで、1ターン分長さLを、ヒータによる前記マイクロ波のエネルギー吸収量が一定の範囲以下になる長さに設定する。
この発明では、前記1ターン分長さLは、マイクロ波の波長をλとした場合に、L/λが0.5を中心とする一定の範囲内になる長さに設定することが好ましい。
より詳細には、前記1ターン分長さLは、L/λが0.35〜0.7の範囲内になる長さに設定することが望ましい。好ましくは、L/λが0.4〜0.6、さらに好ましくはL/λが0.4〜0.55の範囲内になる長さに設定するのが良い。
この発明によれば、発熱部の配置パターンが周期的にターンする蛇行パターンであるために、マイクロ波を照射したときに、そのエネルギーを吸収可能となる。発熱部は蛇行パターンという形状によってマイクロ波のエネルギーを吸収し発熱可能であるため、エネルギーを吸収するためのサセプタ等の構造を別途設けなくても良く、小型化でき発熱効率が良くなる。また、発熱部を電気ヒータ等で構成することも容易であるため、そのように構成した場合は、発熱部をヒータとマイクロ波の両方で加熱することが出来る。
ハイブリッド加熱により、被加熱部の昇温ばらつきを抑制することが出来る。また、ヒータの発熱部を内に配置させたことにより、ヒータの発熱部による被加熱物に対する加熱効率が良くなる。
また、配置パターンを蛇行パターンとしたので、その形状を工夫することでマイクロ波エネルギーがヒータの発熱として消費されることを防止出来、加熱効率がさらに良くなる
この発明の実施形態である熱処理装置の概略構造図である。 メアンダ形状のヒータの配置パターンの一部を示す。 広域周波数でのシミュレーション結果を示す。 ヒータの4種類の形状についてのシミュレーション結果を示す。 ヒータの別の3種類の形状についてのシミュレーション結果を示す。 ヒータのさらに別の4種類の形状についてのシミュレーション結果を示す。 マイクロ波の吸収の程度と発熱量についてのシミュレーション結果を示す。
図1は、この発明の実施形態である熱処理装置の概略構造図である。同図(A)は、熱処理装置の正面断面図、(B)はヒータの配置パターン図である。
熱処理装置1は、断面が中空の箱型形状となるように成形した、材質がセラミック等の断熱材2と、断熱材2の周囲を覆った金属カバー3とで構成されるチャンバ4を備えている。チャンバ4内には被加熱物5が配置されている。被加熱物5は、マイクロ波を吸収することにより加熱される処理品であって材質は限定されない。また、チャンバ4内の被加熱物5に対しマイクロ波を照射するマイクロ波照射装置6がチャンバ4の外側に配置され、マイクロ波照射装置6とチャンバ4とは、導波管7で連結されている。
なお、図示する例では、チャンバ4内に、被加熱物5を載置、且つ紙面に向かって前後方向に搬送するための搬送ローラ8を設けている。搬送ローラ8は、被加熱物5を連続処理する場合に、紙面に向かって前方又は後方に設けられる別のチャンバに被加熱物を搬送する手段として使用される。搬送ローラ8を設けずに、チャンバ4内で被加熱物5を単独で処理することも可能である。
熱処理装置1のチャンバ4の内壁には、電気ヒータ(以下、ヒータ)9が設けられている。ヒータ9の発熱部であるヒータ素線は材質がカンタルやニクロム等の金属で構成される。この例では、ヒータ9は、図1においてチャンバ4の上側内壁と左右側の内壁に前記ヒータ素線を配置することで構成され、図示しない、外部の電力源から電力が供給され、発熱する。以下、このヒータ素線を単にヒータ9と称する。また、図1(B)に示すように、ヒータ9は、1本のヒータ素線を全体として複数列となるように配置し、各列で蛇行させている。このようにヒータ9の配置パターンを複数列の蛇行パターンとすることで、その密度を高くしている。
ヒータ9は、その材質としてカンタルやニクロム等以外に、SiC,MoSi2等のセラミックを使用することも可能である。
なお、ヒータ9に代えて、外部の熱源(電力、ガス等)に接続されて発熱し、チャンバ内に露出する部分の材質が金属またはセラミックである他のヒータ、例えば、シーズヒータやリジェネラジアントチューブバーナー等を使用することも可能である。この場合も、その発熱部がチャンバ4の上側内壁と左右側の内壁に配置される。
以上の構成で、ヒータ9により、チャンバ内の雰囲気温度を所定の温度にすることで被加熱物5をその外部から加熱し、マイクロ波照射装置6から照射されるマイクロ波により、被加熱物5をその内部から加熱する。これにより、被加熱物5の内部と外部の温度差がなくなり、被加熱物を均一に加熱し、被加熱部の昇温ばらつきを抑制することが出来る。また、ヒータ9をニクロム等で構成される金属系の電気ヒータで構成することで、その出力はヒータ9の抵抗値、すなわちヒータ9の長さによって決まるため、目的とする出力密度を容易に得られる。また、ヒータ9の配置パターンを複数列の蛇行パターンとすることで、ヒータ配線が高密度となり被加熱物に対する加熱効率が良くなる。そして、チャンバ4の上側内壁と左右側の内壁に発熱部であるヒータ9を配置することで、ヒータの発熱部をマイクロ波から隔離しなくても良く、マイクロ波が照射される空間にヒータ9が配置される構造となる。したがって、この構造上の観点からも被加熱物に対する加熱効率が良くなる。
本実施形態では、ヒータ9はマイクロ波が吸収されないよう、その形状が最適化されている。上述したように、配置パターンが蛇行パターンのヒータ9は、照射されるマイクロ波に対してメアンダ形状のアンテナとして挙動することが推測される。照射されるマイクロ波に対しアンテナとしての性能が高いと、マイクロ波エネルギーがヒータ9の発熱として消費され、アンテナとしての性能が低いと、その消費が小さくなることとなる。
ヒータ9の形状の最適化は、上記のように、ヒータ9がマイクロ波に対してメアンダ形状のアンテナとして挙動することを前提として行う。すなわち、以下のように検討した結果、1ターン分長さL(以下、単にターン長Lと称することがある)を調整することで、ヒータによるマイクロ波のエネルギー吸収量が変動することが分かった。そこで、ターン長Lを、ヒータによるマイクロ波のエネルギー吸収量が一定の範囲以下になる長さに設定する。
図2は、メアンダ形状のヒータの配置パターンの一部を示す。図において、ターン長Lは、一つのターン部の長さL1と、長さL1に接続する上下二つの直線部の長さL2、L3を足した長さに等しい。L2、L3は、それぞれ、ターン部の長さL1に接続する一つの直線部L4の半分の長さである。ここでは、便宜的に、以下、ターン長Lを、ターン部の長さL1に一つの直線部L4の長さを足した長さとする。
以下、ターン長Lを、ターン部の長さL1に一つの直線部L4の長さを足した長さとしてシミュレーションした内容を具体的に示す。シミュレーションは、図1の構成でヒータに電流を流さない条件で行った。
最初に、図3に示すように広域周波数でのシミュレーションを行った。
図3(A)は、蛇行パターンのテスト用のヒータ素線(ターン長L=174mm)に対して、マイクロ波を照射し、マイクロ波の周波数をスイープして、VSWRのピークが出る位置を調べた。この調査により、一つ目のピークが最大となることがわかった。なお、VSWRの値は、その値が大きいほど、ヒータのマイクロ波の吸収が悪い、すなわちアンテナ性能が悪くなることを示す。図3(A)から、一つ目のピークの位置は約0.8GHz(λ=375mm)である。このとき、L/λ=174/375=0.5である。図3(B)は、横軸をL/λにして周波数をスイープしたときのVSWRのピークが出る位置を示している。同図からも、一つ目のピークが最大となる位置はL/λ=0.5である。
図3(A)では、L=174mmとしているが、Lを変更しても、L/λ=0.5としたときのピークが最大となった。
以上から、L/λ=0.5となるターン長Lを決めることで、VSWRの値を最大に出来る。
次に、ターン長Lの形状を決めるために、L1とL4(=L2+L3)をパラメータとして図4、図5のようにシミュレーションを行った。なお、ターン部L1は便宜的に間隔L5とし、直線部L4は列幅L4と称する。
図4、図5は、4種類の形状(1)(26)(79)(13){数値は形状Noを示し、特に意味はない。}について、マイクロ波の周波数をスイープしたときのVSWR値を示している。また、図4(B)は、4種類の形状(1)(26)(79)(13)について、横軸をL/λにして周波数をスイープしたときのVSWR値を示している。
図4(A)において、形状(1)(26)(79)(13)のVSWR値から、ターン長Lが長くなると、VSWRのピーク位置が周波数の低い方へ移動することが分かる。
図4(A)(B)において、形状(26)(79)のVSWR値から、同じターン長Lでは間隔L5が小さい方のVSWR値が大きい。
図4(A)(B)において、形状(1)(79)(13)のVSWR値から、同じ間隔L5では、列幅L4が大きい方のVSWRのピーク値が大きい。また、列幅L4が大きい方のVSWRのピーク値は周波数の低い方へ移動する。
また、別の3種類の形状(5)(9)(12)について、追加的に同じターン長でのシミュレーションを図5(A)(B)のように行った。この例でも、同じターン長では間隔L5が小さい方のVSWR値が大きい。
さらに、別の4種類の形状(23)(17)(24)(25)について、追加的に同じ間隔L4でのシミュレーションを図6(A)(B)のように行った。この例でも、図4(A)(B)と同様に、同じ間隔では列幅L4方が大きい方のVSWRのピーク値が大きく、また、列幅L4が大きい方のVSWRのピーク値は周波数の低い方へ移動する。
以上のシミュレーション結果より、マイクロ波周波数が2.45GHzの場合、マイクロ波の吸収を防ぐ形状は、図4の4種類中では、形状(79)が好ましいことが分かる。また、図5の3種類では、形状(5)が好ましく、図6の4種類では、形状(24)または(25)が好ましい。
また、図4(B)、図5(B),図6(B)から、1ターン分長さLは、L/λが0.5を中心として0.35〜0.7の範囲内になる長さにすることで、好ましくは、0.4〜0.6、さらに好ましくは、0.4〜0.55の範囲内になる長さにすることで、マイクロ波の吸収が防がれる。すなわち、マイクロ波周波数が2.45GHzの場合、λ=122mmであるから、1ターン分長さLは、42.7mm〜85.4mm、好ましくは、48.8mm〜73.2mm、さらに好ましくは、48.8mm〜67.1mmにするのが望ましい。また、図4、図5から、間隔L5は、小さい方が良い。実際は、ヒータ線の曲げ加工性の点から、ターン部の半径は10mm程度にするのが良い。
間隔L5又はターン部の半径が小さい方が良い理由は、ターン部に接続する上下の直線部L2とL3に生じる磁界の方向がそれぞれ逆であるため、間隔L5又はターン部の半径が小さいほど、L2とL3の直線部間の距離が小さくなり、それらの磁界のキャンセルがしやすくなる、すなわちアンテナ効率が低下すると思われるからである。実際には、ヒータ線の曲げ加工性から、ターン部の半径が10mm程度、好ましくは、9mm〜12mm程度が良い。
1ターン分長さLは、上記のように42.7mm〜85.4mmの範囲内で選ばれることから、ターン部の半径、すなわちターン部の長さL1が決まると、L=L4+L1から、間隔L4が決まる。
図7は、図4に示す形状(1)と形状(79)について、マイクロ波の吸収の程度(同図(A))と発熱量(同図(B))を示すシミュレーション結果である。なお、マイクロ波の周波数は2.45GHzである。
同図から、周波数は2.45GHzの場合、形状(1)のVSWR値が5であるのに対して、形状(79)のVSWR値は80となり、形状(1)の発熱量に対して、形状(79)の発熱量は極小値となる結果となっている。
このように、この発明では、ヒータ9の形状をマイクロ波の吸収が小さくなるように最適化することで、ヒータ9においてマイクロ波照射装置6から出力されるエネルギーの消費を防ぐことが出来るから、加熱効率の良い熱処理装置を構成することが可能となる。また、ヒータ9をマイクロ波から隔離する構造にする必要性もない。
1−熱処理装置
2−断熱材
3−金属カバー
4−チャンバ
5−被加熱物
6−マイクロ波照射装置
9−ヒータ

Claims (9)

  1. 配置パターンが周期的にターンする蛇行パターンであって、マイクロ波の照射によりエネルギーを吸収することを特徴とする発熱部。
  2. 前記蛇行パターンの一つのターン部の長さに、このターン部に接続された一つの直線部の長さを加えた1ターン分長さLは、前記マイクロ波のエネルギー吸収量が一定の範囲以下になる長さに設定した請求項1記載の発熱部。
  3. 前記1ターン分長さLは、前記マイクロ波の波長をλとした場合に、L/λが0.5を中心とする一定の範囲内になる長さに設定した請求項2記載の発熱部。
  4. 前記1ターン分長さLは、L/λが0.35〜0.7の範囲内になる長さに設定した請求項3記載の発熱部。
  5. 前記1ターン分長さLは、L/λが0.4〜0.6の範囲内になる長さに設定した請求項3記載の発熱部。
  6. 前記1ターン分長さLは、L/λが0.4〜0.55の範囲内になる長さに設定した請求項3記載の発熱部。
  7. 発熱部分は電気ヒータである請求項1〜6のいずれかに記載の発熱部。
  8. 被加熱物を収容するチャンバと、
    前記チャンバ内の前記被加熱物に対してマイクロ波を照射するマイクロ波照射部と、
    前記請求項1〜7のいずれかに記載の発熱部を含むヒータとを備え、
    前記ヒータの発熱部を前記チャンバの内に配置したことを特徴とする熱処理装置。
  9. 被加熱物を収容するチャンバと、
    前記チャンバ内の前記被加熱物に対してマイクロ波を照射するマイクロ波照射部と、
    ヒータとを備え、
    前記ヒータの発熱部が、その配置パターンが周期的にターンする蛇行パターンとなるように前記チャンバの内に配置された熱処理装置において、
    前記発熱部の一つのターン部の長さに、このターン部に接続された一つの直線部の長さを加えた1ターン分長さLをパラメータとして、前記マイクロ波の周波数に対する前記ヒータのエネルギー吸収量をシミュレーションで求め、このエネルギー吸収量が所定の範囲内まで減少するターン部の長さを決定することを特徴とする、熱処理装置のヒータ設計方法。
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