JP2020134221A - 走査経路生成装置、走査経路生成プログラム、走査経路生成方法、及び外観検査システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 撮像装置及び照明源を備えるロボットアームに対する照明源の走査経路の教示工数を低減させる。【解決手段】 走査経路生成装置は、鏡面を有する被検査体の形状を示す点群の位置座標を含む形状データを取得する形状データ取得部と、被検査体を撮像するための仮想的な撮像点と、被検査体の鏡面で正反射した反射光の光路上に撮像点が存在するような仮想的な照明点群との、被検査体に対するそれぞれの配置パターンを示す光学配置データを取得する光学配置データ取得部と、被検査体に写り込ませる発光面であって、被検査体に対して走査する発光面の走査経路を示す走査経路データを、形状データおよび光学配置データを用いて、発光面の光の反射光が撮像点を通るように生成する生成部と、を備える。【選択図】図9
Description
本発明は、表面が鏡面であり立体形状の被検査体の表面状態を検査する技術に関する。
従来、検査対象物の欠陥の有無の検査を行う検査装置が知られている。例えば、特許文献1には、画像取得部と照明を備え、欠陥の有無を検出するためのスキャンを実行可能な計測ヘッドを有する検査装置が開示されている。この検査装置において、検査対象物の形状計測データから検査対象面の法線ベクトルを算出し、法線ベクトル方向に計測ヘッド部のワークディスタンス分の距離を離した位置を教示点として計測軌道経路を生成する技術が開示されている。
また、特許文献2には、被検査体表面が鏡面光沢を有していても、被検査体表面の凹凸の検出精度をより高めることができる表面検査技術が開示されている。特許文献3には、光の強度による縞パターンを写り込ませた対象物を、時間相関カメラにより撮像した時間相関画像を解析して被検査体の異常を検出する技術が開示されている。特許文献4には、鏡面を有する検査対象の外観検査システムにおいて、照明源と検査対象の配置が予め決められた状況でカメラ配置を決定することが開示されている。
一般に、目視検査の自働化を目的とした外観検査システムは、照明源とカメラからなる検査装置を用いて、被検査体に生じたきずが写った画像を生成する第1段階、その画像に処理を施してきずを検出する第2段階、検出したきずのサイズや種類を認識する第3段階に分けて考えることができる。上述の特許文献4には、上記の第1段階において、スリット状に発光する発光面を被検査体に写り込ませるように照明源を移動する間に被検査体に写り込んだスリットパターンをカメラで連続的に撮像する方法、および撮像した複数枚の画像からきずの検査用画像を生成する方法が開示されている。このような外観検査システムでは、例えば、ロボットアームにカメラと照明源を把持させて、被検査体の形状に応じたカメラの配置と照明源の経路走査を行うことができる。
O. Lobachev, M. Schmidt and M. Guthe, "Optimizing Multiple Camera Positions for the Deflectometric Measurement of Multiple Varying Targets", Journal of WSCG, Vol. 21, 145-152 (2013)
上述したロボットアームによる経路走査では、まず、ロボットアームに対して、被検査体の形状に応じたカメラの配置と照明源の走査経路を教示することが必要である。この点、カメラの配置と照明源の走査経路の教示を手動で行う場合、膨大な教示工数が必要とされる。この教示工数を低減するために、従来から、被検査体の形状データからカメラの配置と照明源の走査経路を事前に生成し、生成されたカメラの配置と照明源の走査経路に基づいてロボットアームに連携させて教示する、という自働教示技術が求められていた。
しかしながら、特許文献1に記載の計測軌道経路生成技術では、適切な検査用画像を生成できない場合がある。また、特許文献2〜4には、照明源の走査経路を生成する技術が開示されていない。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、照明源を備えるロボットアームに対する照明源の走査経路の教示工数を低減させることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、走査経路生成装置が提供される。この走査経路生成装置は、鏡面を有する被検査体の形状を示す点群の位置座標を含む形状データを取得する形状データ取得部と、前記被検査体を撮像するための仮想的な撮像点と、前記被検査体の前記鏡面で正反射した反射光の光路上に前記撮像点が存在するような仮想的な照明点群との、前記被検査体に対するそれぞれの配置パターンを示す光学配置データを取得する光学配置データ取得部と、前記被検査体に写り込ませる発光面であって、前記被検査体に対して走査する発光面の走査経路を示す走査経路データを、前記形状データおよび前記光学配置データを用いて、前記発光面の光の前記反射光が前記撮像点を通るように生成する生成部と、を備える。
(1)本発明の一形態によれば、走査経路生成装置が提供される。この走査経路生成装置は、鏡面を有する被検査体の形状を示す点群の位置座標を含む形状データを取得する形状データ取得部と、前記被検査体を撮像するための仮想的な撮像点と、前記被検査体の前記鏡面で正反射した反射光の光路上に前記撮像点が存在するような仮想的な照明点群との、前記被検査体に対するそれぞれの配置パターンを示す光学配置データを取得する光学配置データ取得部と、前記被検査体に写り込ませる発光面であって、前記被検査体に対して走査する発光面の走査経路を示す走査経路データを、前記形状データおよび前記光学配置データを用いて、前記発光面の光の前記反射光が前記撮像点を通るように生成する生成部と、を備える。
この構成によれば、鏡面を有する被検査体の形状に応じた発光面の走査経路を容易に生成することができる。これにより、例えば、撮像装置及び照明源を備えるロボットアームに対する、照明源の発光面の走査経路の教示に要する工数を、走査経路の教示を手動で行う場合と比較して、低減させることができる。
(2)上記形態の走査経路生成装置において、前記生成部は、前記形状データを用いて、前記撮像点からの撮像方向を示す複数の撮像線と前記被検査体との交点である交点群の位置座標を生成し、前記交点群の位置座標と、前記照明点群の位置座標と、を用いて前記走査経路データを生成してもよい。この構成によれば、交点群の位置座標と、照明点群の位置座標と、を用いることにより、発光面の走査経路を容易に生成することができる。これにより、撮像装置及び照明源を備えるロボットアームに対する撮像装置及び照明源の配置の教示工数を低減させることができる。
(3)上記形態の走査経路生成装置において、前記生成部は、前記交点群の位置座標と、前記照明点群の位置座標と、を用いて、前記発光面の初期配置位置を生成し、前記交点群の位置座標と、前記照明点群の位置座標との少なくともいずれか一方を用いて前記発光面の走査方向を生成し、前記初期位置および前記走査方向を用いて、前記発光面の走査距離を生成し、前記初期位置と、前記走査方向と、前記走査距離を用いて、前記走査経路データを生成してもよい。この構成によれば、前記初期位置と、前記走査方向と、前記走査距離を用いて、適切な走査経路データを生成することができる。
(4)上記形態の走査経路生成装置において、前記生成部は、前記発光面を形成する点光源の位置座標の平均位置が、前記照明点群の位置座標の平均位置と略一致させると共に、前記点光源の光路が、前記照明点群の位置座標の平均位置と、前記交点群の位置座標の平均位置とを結ぶ線分に沿うように、前記発光面の初期配置位置を設定してもよい。この構成によれば、適切な初期配置位置を、容易に決定することができる。
(5)上記形態の走査経路生成装置において、前記生成部は、前記撮像点に対して、前記被検査体で正反射した前記複数の撮像線と前記発光面とが交差可能な走査距離の最大距離を、前記走査距離として決定してもよい。この構成によれば、適切な走査距離を容易に決定することができる。
(6)上記形態の走査経路生成装置において、前記光学配置データ取得部は、前記被検査体に対して、前記被検査体を撮像する撮像装置の視野幅に応じて設定された複数の撮像エリアのそれぞれに対して、前記撮像点および前記照明点群が配置された前記光学配置データを取得し、前記生成部は、前記複数の撮像エリアのそれぞれに対して、対応する前記光学配置データを用いて、前記撮像エリア内における前記走査経路データを生成してもよい。この構成によれば、被検査体を撮像する撮像装置の視野幅に応じて複数の撮像エリアが設定されるため、撮像装置の視野に対して大きな被検査体に対して、適切な走査経路を生成することができる。
(7)本発明の他の形態によれば、走査経路生成プログラムが提供される。この走査経路生成プログラムは、情報処理装置に、鏡面を有する被検査体の形状を示す点群の位置座標を含む形状データを取得するステップと、前記被検査体を撮像するための仮想的な撮像点と、前記被検査体の前記鏡面で正反射した反射光の光路上に前記撮像点が存在するような仮想的な照明点群との、前記被検査体に対するそれぞれの配置パターンを示す光学配置データを取得するステップと、前記被検査体に写り込ませる発光面であって、前記被検査体に対して走査する発光面の走査経路を示す走査経路データを、前記形状データおよび前記光学配置データを用いて、前記発光面の光の前記反射光が前記撮像点を通るように生成するステップと、を実行させる。
(8)本発明の他の形態によれば、走査経路生成方法が提供される。この走査経路生成方法は、情報処理装置を用いて、鏡面を有する被検査体の形状を示す点群の位置座標を含む形状データを取得する工程と、前記被検査体を撮像するための仮想的な撮像点と、前記被検査体の前記鏡面で正反射した反射光の光路上に前記撮像点が存在するような仮想的な照明点群との、前記被検査体に対するそれぞれの配置パターンを示す光学配置データを取得する工程と、前記被検査体に写り込ませる発光面であって、前記被検査体に対して走査する発光面の走査経路を示す走査経路データを、前記形状データおよび前記光学配置データを用いて、前記発光面の光の前記反射光が前記撮像点を通るように生成する工程と、を実行する。
(9)本発明の一形態によれば、外観検査システムが提供される。この外観検査システムは、鏡面を有する被検査体の形状を示す点群の位置座標を含む形状データを取得する形状データ取得部と、前記被検査体を撮像するための仮想的な撮像点と、前記被検査体の前記鏡面で正反射した反射光の光路上に前記撮像点が存在するような仮想的な照明点群との、前記被検査体に対するそれぞれの配置パターンを示す光学配置データを取得する光学配置データ取得部と、前記被検査体に写り込ませる発光面であって、前記被検査体に対して走査する発光面の走査経路を示す走査経路データを、前記形状データおよび前記光学配置データを用いて、前記発光面の光の前記反射光が前記撮像点を通るように生成する生成部と、を備える、走査経路生成装置と、前記被検査体に前記発光面を写り込ませる照明源と、前記被検査体を撮像する撮像装置と、前記照明源を3次元方向に移動可能に駆動する駆動部と、前記走査経路データを用いて、前記駆動部の駆動を制御する駆動制御部と、を備える。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、走査経路生成装置及び走査経路生成方法、走査経路生成装置を含むシステム、これら装置、方法、システムにおいて実行されるコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、そのコンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
図1は、本発明の一実施形態における外観検査システムの概要を説明する図である。外観検査システム1は、鏡面を有する被検査体5を検査対象とし、被検査体5の外観を検査するシステムである。図1に示す外観検査システム1では、被検査体5に写り込んだ照明源3の発光面3aをカメラ2で撮像する。カメラ2と照明源3とは、ロボットアームに把持され(又は設けられ)、それぞれx方向、y方向、z方向の3次元方向に移動可能なように構成されている。ここで、x方向及びy方向はz方向に対して垂直な方向であってかつx方向とy方向が垂直の関係になる方向を表す。また、照明源3の前面には、発光面3aとして所定パターンの開口を有するスリットが設けられていてもよい。
外観検査システム1では、被検査体5に生じたきずを、コンピュータに接続されたディスプレイ等で視認できる画像(以下、「検査用画像」と称す)を生成する。外観検査システム1では、照明源3の発光面3aを検査対象に写り込ませるように照明源3を走査する間に、被検査体5に写り込んだ発光面3aをカメラ2で連続撮像し、得られた複数枚の撮像画像からきずの検査用画像を生成する。外観検査システム1では、被検査体5の形状に応じて、ロボットアームに取り付けられたカメラ2の配置と照明源3の走査を行っている。
カメラ2は、カメラ原点oと、画像平面2bを備える。カメラ原点oは、カメラレンズの焦点位置に対応している。画像平面2bは、カメラ2のイメージセンサに対応し、画像を形成するピクセル2cから構成される。撮像線6は、カメラ原点oとピクセル2cを通る直線であり、ピクセルの数だけ存在する。この撮像線6はピクセル2cで受光する光の経路を表している。カメラ2で撮像される画像を構成するピクセル2cの輝度は、撮像線6に沿ってカメラ原点oに向かって伝播する光の強度に比例する。ここで、符号7は、光の伝播方向を示す。
被検査体5は、その表面が鏡面を有する立体形状の物体である。被検査体5は、例えばL字形状やS字形状等の様々な形状に屈曲または湾曲した形状を有していてもよく、このため表面が凹凸状に湾曲して、さらに、表面がめっき処理されて鏡面である部品であってもよい。
鏡面を有する被検査体5をカメラ2で撮像する場合、画像平面2bに到達する光の強度分布は、被検査体5で反射した撮像線6と交差する発光面3aの光強度の分布で決まる。つまり、被検査体5で反射した撮像線6と発光面3aの交差における光強度が高い場合、撮像線6に対応するピクセル2cの輝度が高くなる。反対に、撮像線6と発光面3aの交差における光強度がゼロに近い場合、対応するピクセル2cの輝度は、被検査体5が存在しない場合と同程度の輝度となる。
図2は、本実施形態における外観検査システム1の概略構成を示す図である。外観検査システム1は、表面が鏡面である立体形状の被検査体5(図1)の外観表面を検査する表面検査装置である。外観検査システム1は、カメラ2、照明源3、ロボットアーム4、アーム駆動部10、駆動制御部11、演算部12、検査部13、走査経路生成装置14を含む。照明源3は、被検査体5に光を写り込ませるものであり、例えば照明装置である。カメラ2は、照明源3の発光面3aからの光が写り込んだ被検査体5の鏡面を撮像する撮像装置である。ロボットアーム4には、カメラ2及び照明源3が把持され(又は設けられ)ている。アーム駆動部10は、駆動制御部11からの指示に基づいてロボットアーム4を、x方向、y方向、z方向の3次元方向に移動させる。なお、ロボットアームは、1つでもよいし、または複数でもよい。また、カメラ2及び照明源3は、1つのロボットアームに設けられていてもよいし、異なるロボットアームにそれぞれ設けられていてもよい。
走査経路生成装置14は、検査用画像取得のために走査する照明源3の走査経路を示す走査経路データを生成する。詳しくは、走査経路データは、照明源3の発光面3aの走査経路を示す。走査経路生成装置14は、例えばコンピュータ等の情報処理装置であって、制御部15、記憶部16、通信部17、入力部18、出力部19、バス20を含む。バス20は、制御部15、記憶部16、通信インターフェース(以下、インターフェースを「I/F」と称する。)17、入力I/F18、出力I/F19を電気的に接続する信号線である。
制御部15は、走査経路生成装置14全体の動作を制御する電子装置であり、例えば中央演算装置(CPU)であってもよい。制御部15は、後述する経路生成プログラムを実行することにより、取得部15a、生成部15bとして機能する。
取得部15aは、鏡面を有する被検査体5の形状を形成する点群の位置座標と、点群(形状の表面)に対する法線ベクトルと、を含む形状データを取得する。より具体的には、取得部15aは、通信I/F17、入力I/F18を介して入力された、または予め記憶部16に記憶された形状データを取得する。また、取得部15aは、被検査体5を撮像するための撮像点と、被検査体5の鏡面で反射した反射光の光路上に撮像点が存在するような照明点との、被検査体に対するそれぞれの配置パターンを示す光学配置データを取得する。より具体的には、取得部15aは、通信I/F17、入力I/F18を介して入力された、または予め記憶部16に記憶された光学配置データを取得する。なお、生成部15bが形状データを用いて、光学配置データを生成し、記憶部16に出力する構成にしてもよい。本実施形態における取得部15aを、形状データ取得部、光学配置データ取得部とも呼ぶ。生成部15bが形状データを用いて、光学配置データを生成する場合には、生成部15bを光学配置データ取得部とも呼ぶ。すなわち、取得は生成を含む概念である。
生成部15bは、形状データおよび光学配置データを用いて、検査用画像を生成するために走査する照明源3の発光面3aの走査経路を示す走査経路データを生成し、出力する。走査経路データの出力先は、記憶部16であってもよいし、通信I/F17を介して駆動制御部11や他の装置であってもよいし、ユニバーサルシリアルバス(USB)メモリ装置等の記録媒体等であってもよいし、プリンタやディスプレイ等の出力装置であってもよい。
記憶部16は、情報を記憶するメモリ装置の総称であり、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスク、フラッシュメモリカードなど様々な形式の記憶装置を使用することができる。記憶部16には、オペレーティングシステム(OS)や本実施形態に係るプログラムが格納されている。
通信I/F17は、無線または有線により駆動制御部11やその他の装置と通信を可能にする通信インターフェースである。入力I/F18は、キーボード等の入力装置(不図示)や、USBメモリ装置やフラッシュメモリ等の記録装置等から入力された指令やデータを、制御部15や記憶部16へ伝達するインターフェースである。出力I/F19は、表示装置やプリンタ等の出力装置(不図示)や、USBメモリ装置及びフラッシュメモリ等の記録装置等に文字や画像等を出力するインターフェースである。
本実施形態で説明する処理を実現するプログラムは、プログラム提供者側から通信ネットネットワーク及び通信I/F17を介して、例えば記憶部16に格納されてもよい。また、上記実施形態で説明した処理を実現するプログラムは、市販され、流通している可搬型記憶媒体に格納されていてもよい。この場合、この可搬型記憶媒体は外付け又は内蔵の読取装置にセットされて、制御部15によってそのプログラムが読み出されて、実行されてもよい。可搬型記憶媒体としてはCD−ROM、DVD−ROM、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ICカード、USBメモリ装置など様々な形式の記憶媒体を使用することができる。このような記憶媒体に格納されたプログラムが読取装置によって読み取られる。
駆動制御部11は、走査経路生成装置14によって生成された走査経路データ、および取得部15aによって取得された光学配置データを用いて、カメラ2、照明源3、及びアーム駆動部10の動作を制御する。演算部12は、カメラ2により撮像された複数の画像をそれぞれ微分処理して、これら微分処理後の複数の画像を加算する。検査部13は、演算部12による加算後の画像に基づいて、被検査体5の鏡面表面のきずを検査する。なお、駆動制御部11、演算部12、検査部13及び走査経路生成装置14は、1つの情報処理装置に含まれていてもよいし、異なる情報処理装置に含まれていてもよい。
本実施形態における走査経路生成装置14による走査経路生成処理の流れの説明に先立って、上記の形状データ、および光学配置データについて説明する。
図3は、本実施形態における鏡面を有する被検査体5の形状データの一例を示す図である。被検査体5は、その表面が鏡面状になっている物体である。鏡面状は、例えばステンレスやめっき加工、研磨等により光が反射して物が写る鏡状になっていることを意味する。被検査体5の形状データは、立体的形状の表面を表す点群の座標値、表面に対する法線ベクトルn、及び各点の繋がりを表すメッシュデータを含む。例えば、被検査体5の形状データは数万個の点の座標値と、各点を接続して構成される十数万枚の面の情報を有する。図3は、形状データの各点の座標値を3次元の直交座標系にプロットし、各面を灰色で表示し、z軸方向から見た図である。すなわち、図3では、被検査体5の形状をxy軸を用いて表している。本実施形態で例示する被検査体5のサイズはカメラ2の1つの撮像エリア(後述する)のサイズに比べて大きく、その形状は細身であり、かつ湾曲している。以下の説明において、計算機上で模擬された被検査体5を被検査体モデル5mとも呼ぶ。
本実施形態の外観検査システム1では、カメラ2の視野に応じて、被検査体5の形状データを複数の撮像エリアに分割して、各撮像エリア内に1台のカメラ2を配置して、検査用画像を生成している。カメラ2の視野は、カメラ2における、イメージセンサのピクセルサイズ、カメラレンズの焦点距離、検査用画像の撮像分解能から、決定されている。
図4は、被検査体5の断面の一例と、撮像エリアの一例を示す図である。図4に示すように、被検査体5は、図3に示すxy軸と互いに直交するz軸(不図示)方向に突出した屋根型に形成されている。本実施形態では、図4に示すように、屋根の稜線に沿って撮像エリアを撮像エリアA1と撮像エリアA2に2分割している。これを図3の形状データに対して行ったものが図5(後述する)である。
図5は、被検査体5の形状データ(被検査体モデル5m)に対応する撮像エリアの一例を示す図である。図5において、撮像エリアを枠で囲み、その枠の横に撮像エリア番号を示す。撮像エリア1〜19は、稜線を境に被検査体5の外側の撮像エリアである。撮像エリア20〜38は、稜線を境に被検査体5の内側の撮像エリアである。
図6は、光学配置データが示す撮像点O2と照明点PIの配置パターンの一例を示す説明図である。撮像点O2、照明点PIは、仮想的な点である。駆動制御部11は、撮像点oとカメラ2のカメラ原点oとが一致するように、カメラ2を配置する。また、後述するように、生成部15bは、照明点PIを用いて、カメラ2の配置に対応する照明源3の発光面3aの走査経路を生成する。以下の説明において、被検査体5の形状を形成する点群の各点を「ワーク点PW」とも呼ぶ。複数のワーク点PWを区別する場合には、符号PWの後に数字を付して区別する。同様に、点群(形状の表面)に対する法線ベクトルnを区別する場合には、符号nの後に数字を付して区別する。図3において、被検査体5の形状を形成する点群のうち、2つのワーク点PW1、PW2と、ワーク点PWに対応する法線ベクトルn1、n2を図示する。
光学配置データが示す配置パターンは、撮像点O2と、照明点PIの被検査体5の形状データ(被検査体モデル5m)に対する配置を示す。配置パターンは、被検査体5の鏡面で正反射した反射光の光路上に撮像点O2が存在するように、照明点PIと撮像点O2の位置を定めている。この配置パターンは、図5に示す撮像エリアごとに生成されている。例えば、図5に示すように、38個の撮像エリアが設定されている場合、光学配置データは、38個の配置パターンを有する。
図7は、光学配置データに基づいて配置されたカメラモデル2aと照明源3の発光面モデル3mとを概念的に示す説明図である。カメラモデル2aおよび発光面モデル3mは、それぞれ、カメラ2および発光面3aを計算機上で模擬したものである。カメラモデル2aのカメラ原点oは図6の撮像点O2と一致するように、また撮像線は図6の光路6に対応するように配置される。さらに、発光面モデル3mは、その曲面の中心位置が複数の照明点PIの位置座標の平均である平均座標PIavgに一致するように配置する。発光面モデル3mは点光源が曲面上に密に存在するものとする。ここで、発光面3aの曲面の形状は、予め定められている。発光面3aの形状は、本実施形態に限定されず、種々の形状を適宜設定することができる。例えば、平面形状であってもよいし、複数の平面が所定の角度で接続された形状であってもよい。
図8は、光学配置データに基づいて作成された被検査体5に対するカメラ2と照明源3の配置パターンを示す図である。図8では、被検査体5の形状データが示す被検査体モデル5mに対して配置したカメラモデル2aと発光面モデル3mの一例を示す。本実施形態では、上述の通り、被検査体5の形状データを複数の撮像エリアに分割して、各撮像エリア内に1台のカメラ2を配置している。被検査体モデル5aの周囲において、曲面状に曲がっている帯が発光面モデル3mの配置を示す。また、四角錐形状のものがカメラモデル2aの配置を示す。図示するように、被検査体モデル5mを取り巻くように、カメラモデル2aと発光面モデル3mが配置されている。
次に、図9〜15を用いて、走査経路生成装置14における発光面3aの走査経路生成処理について説明する。
図9は、走査経路生成装置14における発光面3aの走査経路生成処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態の走査経路生成装置14における走査経路生成処理の概要は以下の通りである。制御部15は、鏡面を有する被検査体5の形状データを読み込み(ステップS2)、カメラ2の配置と照明源3の配置に関する光学配置データを読み込む(ステップ4)。読み込んだ被検査体5の形状データ、および光学配置データを用いて、カメラモデル2a、撮像エリア、発光面モデル3mの座標系を生成する(ステップS6)。生成した座標系を用いて、発光面モデル3mの走査経路データを生成し、出力する(ステップS8)。
詳しくは、ステップS2において、制御部15(図2)は、被検査体5の形状データを取得する。例えば、制御部15は、予め記憶部16に記憶された形状データを取得する。本実施形態では、一例として、図3に表す形状データを用いる。
ステップS4において、制御部15は、上述の撮像エリア(図5)における照明点PIとカメラモデル2aの配置を示す光学配置データを取得する。例えば、制御部15は、予め記憶部16に記憶された光学配置データを取得する。
ステップS6の座標系の生成処理では、発光面モデル3mの走査経路の生成のために、カメラモデル2aや撮像エリアなどに付随する各種の座標系を生成する。ここで、カメラモデル2aは、カメラ原点oが撮像点O2と一致するように配置される。撮像エリアは、配置されたカメラモデル2aの撮像線と被検査体の交点の分布である。照明点群は、被検査体で反射した撮像線の分布から成る。制御部15は、各種の座標系の生成に先立ち、世界座標系を生成する(ステップS61)。
図10は、カメラモデル2a、撮像エリア、および照明点PIの座標系と、世界座標系WCAを、概念的に示す図である。世界座標系WCAは、各座標系の基準となる座標系であって、被検査体5の形状データの頂点であるワーク点PWの位置座標を用いて生成する。また、世界座標系WCAにおける各種の座標系の配置位置は、対象とする座標系の基底をなす複数の単位ベクトルからなる回転行列Rと、座標系の原点の位置座標からなる平行移動行列Tにより表わされる。ここで、位置座標ならびにベクトルは列ベクトルを基本とする。また、回転行列Rは3×3の行列、平行移動行列Tは3×1の行列である。例えば、世界座標系における座標系Aの配置位置を示す回転行列RAおよび平行移動行列TAは、世界座標系における座標系Jの基底をなす3つの単位ベクトルをxJ、yJ、zJ、座標系Jの原点の位置座標oJとする場合、RJ=[xJ yJ zJ]およびTJ=oJと表わされる。
世界座標系WCAの生成では、ワーク点PWの位置座標の平均を原点oWとする。また、形状データを構成するワーク点PWの位置座標に対する主成分分析により得られる、分散が最大、最小となる方向の単位ベクトルをそれぞれxW、zWとする。さらに、zWとxWの外積により得られる単位ベクトルをyWとし、各単位ベクトルを世界座標系の基底とする。ここで、主成分分析は、対象とするデータが3次元の場合、データの分散が最も大きくなる方向の単位ベクトルe1、e1と直交する方向の中で分散が最も大きくなる方向の単位ベクトルe2、および分散が最小となる方向の単位ベクトルe3、ならびに各単位ベクトルに沿った方向のデータの分散λ1〜3を算出する。
次に、制御部15は、カメラモデル2aの座標系(以下、「カメラ座標系」とも称する)を生成する(ステップS62)。カメラ座標系CCAの生成では、世界座標系WCAにおける撮像点O2に配置したカメラ原点oを原点oCとする。また、カメラモデルの画像平面に平行で、かつ画像平面の長手方向CLDを示す単位ベクトルを、カメラ座標系のx軸方向を示す単位ベクトルxCとする。同様に、画像平面の短手方向CSDを示す単位ベクトルをカメラ座標系CCAのy軸方向を示す単位ベクトルyCとする。また、カメラ原点から画像平面に下した垂線の単位ベクトルを、カメラ座標系CCAのz軸方向を示す単位ベクトルzCとする。それらの単位ベクトルをカメラ座標系CCAの基底とする。これにより、上述の通り、世界座標系におけるカメラ座標系の配置位置は、回転行列RC=[xC yC zC]および平行移動行列TC=oCと表わされる。
続いて、制御部15は、撮像エリア座標系ACAを生成する(ステップS63)。撮像エリア座標系ACAは、世界座標系WCAにおけるカメラモデルの撮像線6と被検査体5の形状データとの交点の位置座標の平均を原点oAとする。また、撮像線6と被検査体5の形状データの交点の位置座標に対する主成分分析により得られる、分散が最大、最小となる方向の単位ベクトルをそれぞれ、撮像エリア座標系ACAのx軸方向を示す単位ベクトルxA、z軸方向を示す単位ベクトルzAとする。さらに単位ベクトルzAと単位ベクトルxAの外積により得られる単位ベクトルを、撮像エリア座標系ACAのy軸方向を示す単位ベクトルyAとする。それらの単位ベクトルを撮像エリア座標系ACAの基底とする。これにより、世界座標系WCAにおける撮像エリア座標系ACAの配置位置は、回転行列RA=[xA yA zA]および平行移動行列TA=oAと表わされる。図10では、撮像線6と被検査体5の形状データの交点と、ワーク点PWとが一致する例を示しているが、一致しなくてもよい。
続いて、制御部15は、照明点PIの座標系(以下、「照明点座標系」とも称する)を生成する(ステップS64)。照明点座標系ICAは、世界座標系WCAにおける照明点PIの位置座標の平均を原点oRとする。また、照明点PIの位置座標に対する主成分分析により得られる、分散が最大、最小となる方向の単位ベクトルをそれぞれ、照明点座標系ICAのx軸方向を示す単位ベクトルxR、z軸方向を示す単位ベクトルzRとする。さらに、単位ベクトルzRと単位ベクトルxRの外積により得られる単位ベクトルをyRとする。それらの単位ベクトルを照明点座標系ICAの基底とする。これにより、照明点座標系ICAの配置位置は、回転行列RR=[xR yR zR]および平行移動行列TR=oRと表わされる。
図11は、発光面座標系LCAを概念的に示す図である。座標系生成処理(ステップS6)における最後の処理として、制御部15は、発光面モデル3mの座標系(以下、「発光面座標系」とも称する)を生成する(ステップS65)。発光面座標系LCAは、世界座標系WCAではない直交座標系に対して生成する。例えば、ここで用いる直交座標系は、位置座標o=[0, 0, 0]Tを原点とし、単位ベクトルx=[1, 0, 0]T、 y=[0, 1, 0]T、 z=[0, 0, 1]Tを基底とする直交座標系を用いる。なお行列MTは行列Mの転置を表す。上述の通り、発光面モデル3mは点光源が曲面上に密に存在するものとする。そこで発光面座標系LCAは、発光面モデル3mを形成する点光源の位置座標の平均から最も近い曲面上の点光源の位置座標を原点oLとする。また、発光面モデル3mの曲面の短手方向mSDと長手方向mLDの単位ベクトルをそれぞれ、発光面座標系LCAのx軸方向を示す単位ベクトルxL、y軸方向を示す単位ベクトルyLとする。さらに、単位ベクトルxLと単位ベクトルyLの外積により得られる単位ベクトルを単位ベクトルzLとし、それらの単位ベクトルを発光面座標系LCAの基底とする。
図12は、発光面モデル3mの走査経路データのパラメータを概念的に示す図である。ステップS8において、制御部15は、発光面モデル3mの走査経路データを生成する。走査経路データは、走査経路の方向を示す単位ベクトルsと、走査距離LPおよび走査距離LMを示すデータを含む。走査経路データの生成は、発光面座標系LCAの初期配置位置を生成する段階(ステップS81)、走査経路の方向を示す単位ベクトルsを生成する段階(ステップS82)、走査距離LPおよび走査距離LMを生成する段階(ステップS84)に分けられる。本実施形態において、発光面モデル3mを、初期配置位置から正の方向に走査した場合の距離をLP、負の方向に対して走査した場合の距離をLMとする(後に詳述する)。
図13は、発光面モデル3mの初期配置位置の生成方法を概念的に示す図である。制御部15は、照明点座標系ICAおよび撮像エリア座標系ACAを用いて、発光面モデル3mの初期配置位置を生成する(ステップS81)。具体的には、発光面モデル3mの初期配置位置は、初期配置位置に関する回転行列RLおよび平行移動行列TLを用いて表される。
初期配置位置に関する回転行列RLおよび平行移動行列TLを求める手順を以下に示す。
〔1〕 照明点座標系ICAの原点oRを、平行移動行列TLとする。
〔2〕 照明点座標系ICAの原点oRと撮像エリアの座標系ACAの原点oAを接続した線分の単位ベクトルをwとし、回転行列RLの3列目の列ベクトル(発光面座標系LCAのz軸の方向を示す)とする。
〔3〕 照明点座標系ICAにおけるyRと、〔2〕で生成したwから、式(1)に示すグラム・シュミット直交化法によりベクトルを求め、その単位ベクトルvを回転行列RLの2列目の列ベクトル(y軸の方向を示す)とする。
v=yR−{(vT yR)/(vT v)}v (1)
〔4〕 〔3〕で求めたvと〔2〕で求めたwの外積により単位ベクトルuを求めて、回転行列RLの1列目の列ベクトル(x軸の方向を示す)とする。
上記の方法により、発光面モデルの初期配置位置は、回転行列RL=[u v w]および、平行移動行列TL=oRと表わされる。
〔1〕 照明点座標系ICAの原点oRを、平行移動行列TLとする。
〔2〕 照明点座標系ICAの原点oRと撮像エリアの座標系ACAの原点oAを接続した線分の単位ベクトルをwとし、回転行列RLの3列目の列ベクトル(発光面座標系LCAのz軸の方向を示す)とする。
〔3〕 照明点座標系ICAにおけるyRと、〔2〕で生成したwから、式(1)に示すグラム・シュミット直交化法によりベクトルを求め、その単位ベクトルvを回転行列RLの2列目の列ベクトル(y軸の方向を示す)とする。
v=yR−{(vT yR)/(vT v)}v (1)
〔4〕 〔3〕で求めたvと〔2〕で求めたwの外積により単位ベクトルuを求めて、回転行列RLの1列目の列ベクトル(x軸の方向を示す)とする。
上記の方法により、発光面モデルの初期配置位置は、回転行列RL=[u v w]および、平行移動行列TL=oRと表わされる。
すなわち、発光面座標系LCAの原点oLが照明点座標系ICAの原点oRに一致するように平行移動させると共に、単位ベクトルxLが単位ベクトルuの方向、単位ベクトルyLが単位ベクトルvの方向、単位ベクトルzLが単位ベクトルwの方向にそれぞれ一致するように、発光面座標系LCAを回転させることにより、発光面モデル3mの初期配置位置が決定される。これにより、被検査体5を撮像するための撮像点O2と、被検査体5の鏡面で正反射した反射光の光路上に撮像点O2が存在するような照明点PIに対応する位置に、発光面モデル3mが配置される。
次に、制御部15は、発光面モデル3mの走査方向を生成する(ステップS82)。本実施形態では、照明点座標系ICAにおけるxRを、発光面モデル3mの走査方向を示す単位ベクトルs(図12)とする。他の実施形態では、撮像エリア座標系ACAにおけるxA(図13)を、発光面モデル3mの走査方向を示す単位ベクトルsとしてもよい。
図14は、発光面モデル3mの走査距離の生成方法を概念的に示す図である。図15は、走査距離生成処理の流れを示すフローチャートである。ステップS8において、制御部15は、ステップS81で生成された初期配置位置と、ステップS82で生成された走査方向を用いて、発光面モデル3mの走査距離を生成する(ステップS83)。
走査距離は、発光面モデル3mを初期配置位置から走査方向に一定の距離だけ走査させる演算と、走査後の発光面モデル3mと被検査体5で反射した撮像線6が交差するか否かを光線追跡法により評価する演算とを交互に繰り返すことにより生成する。図14において、初期配置位置に配置された発光面モデル3mに、符号3mIを付している。
図15に示すように、制御部15は、まず、発光面モデル3mを初期配置位置に生成する(ステップS831)。このとき、発光面モデル3mの初期配置位置は、発光面モデル3mの曲面を形成する点群の位置座標に対して、ステップS81で生成した回転行列RLおよび平行移動行列TLを作用させることにより生成する。
制御部15は、走査距離の上限値LMAXを決定する(ステップS832)。例えば、LMAX=150mmに決定する。上限値LMAXは、任意に決定することができる。
制御部15は、発光面モデル3mを、初期配置位置から、ステップS82で生成した単位ベクトルsの方向に一定の距離dだけ走査させる(ステップS833)。例えば、d=10mmに設定することができる。このとき、発光面モデル3mの走査後の配置位置は、発光面モデル3mの曲面を形成する点群の位置座標に対して、回転行列RL、およびTLにd・sを加算した平行移動行列を作用させることにより生成する。
制御部15は、被検査体5で反射した各撮像線と発光面モデル3mが、交差するか否かを光線追跡法により評価する(ステップS834)。被検査体5で反射した各撮像線6と発光面モデル3mが交差すれば、発光面3aからの光が被検査体5で正反射した光路上に撮像点O2が存在するといえる。すなわち、撮像点O2にカメラ原点oが一致するように配置されたカメラ2によって、被検査体5に写り込んだ発光面3aを撮像可能な位置に、発光面3aを配置することができる。
発光面モデル3mと交差する撮像線6が存在する場合(ステップS834においてYES)、制御部15は、ステップS835に進む。一方、発光面モデル3mと交差する撮像線が無い場合(ステップS834においてNO)、制御部15は、その位置に走査される直前の位置を、発光面モデルの走査が終了する位置と決定し(ステップS837)、計算を終了する。
発光面モデル3mと被検査体モデル5mが干渉する場合(ステップS835においてYES)、制御部15は、その位置に走査される直前の位置を、発光面モデルの走査が終了する位置と決定し(ステップS837)、計算を終了する。一方、発光面モデル3mと被検査体モデル5mが干渉しない場合(ステップS835においてNO)、制御部15は、ステップS836に進む。
発光面モデル3mの走査距離がLMAXとなった場合(ステップS836においてYES)、制御部15は、その位置(現位置とも称する)を発光面モデルの走査が終了する位置と決定し(ステップS838)、計算を終了する。一方、発光面モデル3mの走査距離がLMAXに満たないときは、ステップS833に戻る。
上記処理により、発光面モデル3mを正の方向に走査する場合の走査距離LP(図14)を得る。図14において、発光面モデル3mを正の方向に走査する場合の走査が終了する位置にある発光面モデル3mに、符号3mEを付している。また、上記の処理において、発光面モデル3mを負の方向(例えば、d=−10mmごと)に走査する処理を行うことにより、走査距離LM(図14)を得る。図14において、発光面モデル3mを負の方向に走査する場合の走査が終了する位置にある発光面モデル3mに、符号3mSを付している。そして、制御部15は、走査距離LPと走査距離LMとを含む、発光面モデル3mの走査距離を生成する。すなわち、制御部15は、一つの撮像点O2に対して、被検査体5で正反射した複数の撮像線と発光面とが交差可能な走査距離の最大距離を、走査距離として決定する。
図9に示すように、制御部15は、1つの撮像エリア内の走査経路を生成し、全ての撮像エリアについて走査経路が生成されていない場合は(ステップS10においてNO)、ステップS6に戻る。制御部15は、全ての撮像エリアについて、発光面モデル3mの走査経路データを生成し、全ての撮像エリアに対応する走査経路データを生成し、処理を終了する。以上の処理によって、被検査体5の形状データ(被検査体モデル5m)全体に対する発光面モデル3mの走査経路データを生成する。
図16は、被検査体モデル5mに対するカメラモデル2aと発光面モデル3mの配置の一例を示す。図17は、1つの撮像エリアにおける発光面モデル3mの走査の一例を示す説明図である。図17では、被検査体モデル5m(形状データ)、カメラモデル2a、および発光面モデル3mを時間軸に対して表示している。また、図17では、カメラの撮像エリアIMRを図示している。図17に示す例では、発光面モデル3mは、直線的に一方向に走査する。ステップS82で生成した走査方向をs、ステップS83で生成した正の方向の走査距離の絶対値をLP、負の方向の走査距離の絶対値をLMとし、発光面モデル3mの初期配置位置から−s・LMだけシフトした位置から開始され、s・LPだけシフトした位置で終了するものとしている。図17に示すように、時間の経過とともに、発光面モデル3mが被検査体モデル5mの表面に沿うように走査されている。ここで、発光面モデルの走査経路データは、例えば、数値計算ソフトウェアMATLAB(MATLABは登録商標)を用いて、生成することができる。
図18は、1つの撮像エリアにおける発光面モデル3mの走査の一例を示す説明図である。図18は、図17に示す撮像エリアと異なる撮像エリアについて示している。図18でも、図17と同様に、被検査体モデル5m(形状データ)、カメラモデル2a、および発光面モデル3mを時間軸に対して表示している。図18に示す例では、発光面モデル3mは、紙面左から右に向かって走査している。
このようにして、走査経路生成装置14は、被検査体5の形状データ、および光学配置データを用いて、被検査体5に対する照明源3の発光面3aの走査経路を示す走査経路データを生成することができる。走査経路生成装置14によって生成された走査経路データは、駆動制御部11(図2)によって読み込まれる。駆動制御部11は、光学配置データに基づいて、アーム駆動部10を制御してロボットアーム4を動作させ、カメラ2を配置すると共に、走査経路データに基づいて、アーム駆動部10を制御してロボットアーム4を動作させ、照明源3を走査させる。外観検査システム1において、このように照明源3を走査する間に被検査体5に写り込んだ発光面3aをカメラ2で連続撮像することにより、検査用画像を生成する。
以上説明したように、本実施形態の走査経路生成装置14によれば、鏡面を有する被検査体5(検査対象)の形状に応じた照明源3の発光面3aの走査経路を容易に生成することができる。これにより、カメラ2(撮像装置)及び照明源3を備えるロボットアーム4に対する、照明源3の発光面3aの走査経路の教示に要する工数を、走査経路の教示を手動で行う場合と比較して、低減させることができる。
また、ロボットアーム4の各座標系を決定するキャリブレーションを事前に行うことにより、走査経路生成装置14で生成された照明源3の発光面3aの走査経路を、ロボットアーム4によって実現するための駆動制御部11への入力座標値を得ることができる。
以上、実施形態に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1…外観検査システム
2…カメラ
3…照明源
4…ロボットアーム
5…被検査体
10…アーム駆動部
11…駆動制御部
12…演算部
13…検査部
14…走査経路生成装置
15…制御部
15a…取得部
15b…生成部
16…記憶部
17…通信I/F
18…入力I/F
19…出力I/F
20…バス
2…カメラ
3…照明源
4…ロボットアーム
5…被検査体
10…アーム駆動部
11…駆動制御部
12…演算部
13…検査部
14…走査経路生成装置
15…制御部
15a…取得部
15b…生成部
16…記憶部
17…通信I/F
18…入力I/F
19…出力I/F
20…バス
Claims (9)
- 走査経路生成装置であって、
鏡面を有する被検査体の形状を示す点群の位置座標を含む形状データを取得する形状データ取得部と、
前記被検査体を撮像するための仮想的な撮像点と、前記被検査体の前記鏡面で正反射した反射光の光路上に前記撮像点が存在するような仮想的な照明点群との、前記被検査体に対するそれぞれの配置パターンを示す光学配置データを取得する光学配置データ取得部と、
前記被検査体に写り込ませる発光面であって、前記被検査体に対して走査する発光面の走査経路を示す走査経路データを、前記形状データおよび前記光学配置データを用いて、前記発光面の光の前記反射光が前記撮像点を通るように生成する生成部と、
を備える、走査経路生成装置。 - 請求項1に記載の走査経路生成装置であって、
前記生成部は、
前記形状データを用いて、前記撮像点からの撮像方向を示す複数の撮像線と前記被検査体との交点である交点群の位置座標を生成し、
前記交点群の位置座標と、前記照明点群の位置座標と、を用いて前記走査経路データを生成する、
走査経路生成装置。 - 請求項2に記載の走査経路生成装置であって、
前記生成部は、
前記交点群の位置座標と、前記照明点群の位置座標と、を用いて、前記発光面の初期配置位置を生成し、
前記交点群の位置座標と、前記照明点群の位置座標との少なくともいずれか一方を用いて前記発光面の走査方向を生成し、
前記初期位置および前記走査方向を用いて、前記発光面の走査距離を生成し、
前記初期位置と、前記走査方向と、前記走査距離を用いて、前記走査経路データを生成する、
走査経路生成装置。 - 請求項3に記載の走査経路生成装置であって、
前記生成部は、
前記発光面を形成する点光源の位置座標の平均位置が、前記照明点群の位置座標の平均位置と略一致させると共に、前記点光源の光路が、前記照明点群の位置座標の平均位置と、前記交点群の位置座標の平均位置とを結ぶ線分に沿うように、前記発光面の初期配置位置を設定する、
走査経路生成装置。 - 請求項3および請求項4のいずれか一項に記載の走査経路生成装置であって、
前記生成部は、
前記撮像点に対して、前記被検査体で正反射した前記複数の撮像線と前記発光面とが交差可能な走査距離の最大距離を、前記走査距離として決定する、
走査経路生成装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の走査経路生成装置であって、
前記光学配置データ取得部は、
前記被検査体に対して、前記被検査体を撮像する撮像装置の視野幅に応じて設定された複数の撮像エリアのそれぞれに対して、前記撮像点および前記照明点群が配置された前記光学配置データを取得し、
前記生成部は、
前記複数の撮像エリアのそれぞれに対して、対応する前記光学配置データを用いて、前記撮像エリア内における前記走査経路データを生成する、
走査経路生成装置。 - 走査経路生成プログラムであって、情報処理装置に、
鏡面を有する被検査体の形状を示す点群の位置座標を含む形状データを取得するステップと、
前記被検査体を撮像するための仮想的な撮像点と、前記被検査体の前記鏡面で正反射した反射光の光路上に前記撮像点が存在するような仮想的な照明点群との、前記被検査体に対するそれぞれの配置パターンを示す光学配置データを取得するステップと、
前記被検査体に写り込ませる発光面であって、前記被検査体に対して走査する発光面の走査経路を示す走査経路データを、前記形状データおよび前記光学配置データを用いて、前記発光面の光の前記反射光が前記撮像点を通るように生成するステップと、
を実行させる、
走査経路生成プログラム。 - 走査経路生成方法であって、情報処理装置を用いて、
鏡面を有する被検査体の形状を示す点群の位置座標を含む形状データを取得する工程と、
前記被検査体を撮像するための仮想的な撮像点と、前記被検査体の前記鏡面で正反射した反射光の光路上に前記撮像点が存在するような仮想的な照明点群との、前記被検査体に対するそれぞれの配置パターンを示す光学配置データを取得する工程と、
前記被検査体に写り込ませる発光面であって、前記被検査体に対して走査する発光面の走査経路を示す走査経路データを、前記形状データおよび前記光学配置データを用いて、前記発光面の光の前記反射光が前記撮像点を通るように生成する工程と、
を実行する、走査経路生成方法。 - 外観検査システムであって、
鏡面を有する被検査体の形状を示す点群の位置座標を含む形状データを取得する形状データ取得部と、前記被検査体を撮像するための仮想的な撮像点と、前記被検査体の前記鏡面で正反射した反射光の光路上に前記撮像点が存在するような仮想的な照明点群との、前記被検査体に対するそれぞれの配置パターンを示す光学配置データを取得する光学配置データ取得部と、前記被検査体に写り込ませる発光面であって、前記被検査体に対して走査する発光面の走査経路を示す走査経路データを、前記形状データおよび前記光学配置データを用いて、前記発光面の光の前記反射光が前記撮像点を通るように生成する生成部と、を備える、走査経路生成装置と、
前記被検査体に前記発光面を写り込ませる照明源と、
前記被検査体を撮像する撮像装置と、
前記照明源を3次元方向に移動可能に駆動する駆動部と、
前記走査経路データを用いて、前記駆動部の駆動を制御する駆動制御部と、
を備える、外観検査システム。
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-
2019
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