JP2020134040A - 除煤装置の運転支援システム及び運転支援方法並びにプラント - Google Patents

除煤装置の運転支援システム及び運転支援方法並びにプラント Download PDF

Info

Publication number
JP2020134040A
JP2020134040A JP2019029015A JP2019029015A JP2020134040A JP 2020134040 A JP2020134040 A JP 2020134040A JP 2019029015 A JP2019029015 A JP 2019029015A JP 2019029015 A JP2019029015 A JP 2019029015A JP 2020134040 A JP2020134040 A JP 2020134040A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
operation pattern
soot
outlet temperature
predicted
removal device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019029015A
Other languages
English (en)
Inventor
恵理子 新川
Eriko Shinkawa
恵理子 新川
雄太 ▲高▼橋
雄太 ▲高▼橋
Yuta Takahashi
信治 岩下
Shinji Iwashita
信治 岩下
杉山 友章
Tomoaki Sugiyama
友章 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd filed Critical Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd
Priority to JP2019029015A priority Critical patent/JP2020134040A/ja
Publication of JP2020134040A publication Critical patent/JP2020134040A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Incineration Of Waste (AREA)

Abstract

【課題】除煤装置の運転効率を向上可能な除煤装置の運転支援システム及び運転支援方法並びにプラントを提供する。【解決手段】除煤装置の運転支援システムは、炉で生成したガスが流れるガス通路に配置される熱交換器を除煤するための除煤装置の運転支援システムであって、入口温度予測モデルを用いて、少なくとも前記炉の計画運転条件から前記ガス通路の予測入口温度を取得するように構成された入口温度予測部と、運転パターン選定モデルを用いて、少なくとも前記除煤装置の過去の運転データから、前記除煤装置の運転パターン候補を選定するように構成された運転パターン選定部と、出口温度予測モデルを用いて、前記予測入口温度及び前記運転パターン候補から、前記ガス通路の予測出口温度を取得するように構成された出口温度予測部と、前記予測出口温度に基づいて、前記運転パターン候補の合否を判定するように構成された判定部と、を備える。【選択図】 図3

Description

本開示は、除煤装置の運転支援システム及び運転支援方法並びにプラントに関する。
固体燃料ガス化炉等の炉で生成された生成ガスが流れる通路には、熱回収等のために熱交換器が配置されることがある。上述の通路を流れるガスには煤等が含まれるため、通路内に配置される熱交換器の伝熱面には煤等が付着することがあり、このような付着物を伝熱面から除去するために除煤装置が用いられている。除煤装置は、熱交換器の伝熱性能の低下を防ぐため、通常、所定期間毎に運転される。
特許文献1には、ボイラ伝熱面の付着物を除去するためのスートブロワ(除煤装置)の運転制御において、ボイラの現在の運転条件等に基づいて、スートブロワを作動させるタイミングや、複数のスートブロワのうち何れを稼働させるかを決定することが開示されている。また、特定のスートブロワを稼働させたときのボイラの運転コストを予測モデルを用いて試算した結果に基づき、稼働させるスートブロワを決定することが開示されている。
米国特許出願公開第2013/0018831号明細書
ところで、例えば特許文献1に記載されるように、炉(ボイラ等)の現在の運転状況に基づき除煤装置の運転パターン(例えば、複数のスートブロワの各々の稼働タイミング等)を決定する場合、既定の運転計画条件(例えば燃料流量等)に基づいて炉を運転している最中に随時除煤装置の運転パターンを決定することになる。このため、除煤装置の構成部品の摩耗状態や、メンテナンスが必要となる時期等を、上述の運転計画条件に基づく炉の運転開始前に予測することは難しい。このような予測が可能となれば、メンテナンス計画を立てやすくなる等、除煤装置の運転効率の向上が期待できる。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、除煤装置の運転効率を向上可能な除煤装置の運転支援システム及び運転支援方法並びにプラントを提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る除煤装置の運転支援システムは、
炉で生成した生成ガスが流れるガス通路に配置される熱交換器を除煤するための除煤装置の運転支援システムであって、
入口温度予測モデルを用いて、少なくとも前記炉の計画運転条件から前記ガス通路の予測入口温度を取得するように構成された入口温度予測部と、
運転パターン選定モデルを用いて、少なくとも前記除煤装置の過去の運転データから、前記除煤装置の運転パターン候補を選定するように構成された運転パターン選定部と、
出口温度予測モデルを用いて、前記予測入口温度及び前記運転パターン候補から、前記ガス通路の予測出口温度を取得するように構成された出口温度予測部と、
前記予測出口温度に基づいて、前記運転パターン候補の合否を判定するように構成された判定部と、
を備える。
上記(1)の構成によれば、入口温度予測モデル、運転パターン選定モデル及び、出口温度予測モデルを用いて、炉の計画運転条件から、ガス通路の入口温度を予測し、除煤装置の運転パターン候補を選定するとともに、予測入口温度及び運転パターン候補から取得される予測出口温度に基づいて該運転パターン候補の合否判定をするようにしたので、上述の運転計画条件の下で炉を運転したときに既定の出口温度条件を達成可能な除煤装置の運転パターン候補(合格と判定された運転パターン候補)を、運転計画条件に基づいて提案することができる。
よって、例えば、上述の運転計画条件下で炉を運転する前に、採用する除煤装置の運転パターンに基づいて除煤装置を構成する部品の摩耗状態やメンテンナスが必要となる時期等を予測することができ、除煤装置の運転効率を向上することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記除煤装置は、前記ガス通路内における前記生成ガスの流れ方向に沿って配列された複数の前記熱交換器に対応して設けられる複数の除煤部を含み、
前記運転パターン選定部は、前記複数の除煤部の各々の稼働タイミングを示す前記除煤装置全体としての前記運転パターン候補を選定するように構成される。
上記(2)の構成によれば、運転パターン選定部は、複数の除煤部の各々の稼働タイミングを示す除煤装置全体としての運転パターン候補を選定するようにしたので、複数の除煤部の各々について、適切なタイミングでの運転が可能となる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記入口温度予測部は、前記炉の前記計画運転条件、および、使用予定の燃料の成分から前記予測入口温度を取得するように構成される。
熱交換器の伝熱面への付着物の付着しやすさは、炉での反応(燃焼等)に関与する燃料の成分によって変化し得る。この点、上記(3)の構成によれば、炉の計画運転条件、および、使用予定の燃料の成分からガス通路の入口温度を予測するようにしたので、該入口温度の予測精度が良好となる。よって、除煤装置の運転パターン候補をより的確に提案することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記運転パターン選定部は、使用予定の燃料の成分、および、前記除煤装置の過去の運転データから、前記除煤装置の運転パターン候補を選定するように構成される。
上記(4)の構成によれば、除煤装置の運転パターン候補の選定にあたり、使用予定の燃料の成分を考慮するようにしたので、燃料成分に応じたより適切な運転パターン候補を提案することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、
前記運転パターン選定部は、
前記運転パターン選定モデルを用いて、前記除煤装置の前記過去の運転データを単位期間毎に分割して得られる分割運転データをクラスタリングして、前記単位期間における代表的な運転パターンを示す複数の運転パターンクラスタを取得し、
前記炉の運転計画期間のうちの前記単位期間ごとに選択された前記運転パターンクラスタの組み合わせから、前記運転計画期間の全体に亘る前記運転パターン候補を作成する
ように構成される。
上記(5)の構成によれば、除煤装置の過去の運転データを単位期間毎に分割して得られる分割運転データを複数の運転パターンクラスタに分類し、該運転パターンクラスタを組み合わせることによって運転計画期間の全体にわたる運転パターン候補を作成するようにしたので、比較的少ない種類の運転パターンクラスタを用いて多様な運転パターン(候補)を表現することができる。よって、除煤装置の運転パターン候補を効率的に提案することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、
前記単位期間は、12時間以上168時間以下である。
除煤装置あるいは除煤装置を構成する除煤部の運転間隔は、12時間以下であることが多い。この点、上記(6)の構成によれば、単位期間を12時間以上168時間以下としたので、単位期間中に、少なくとも1回は除煤装置又は除煤部が稼働することが期待でき、運転パターンクラスタを適切に生成することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(5)又は(6)の構成において、
前記運転パターン選定部は、使用予定の燃料を成分に応じてクラスタリングして燃料クラスタを取得するように構成された燃料クラスタリング部を含み、
前記運転パターン選定部は、
前記燃料クラスタ毎に前記複数の運転パターンクラスタを取得し、
使用予定の燃料が属する前記燃料クラスタに対応する前記複数の運転パターンクラスタから前記単位期間ごとに選択された前記運転パターンクラスタの組み合わせから、前記運転計画期間の全体に亘る前記運転パターン候補を作成する
ように構成される。
上記(7)の構成によれば、燃料を成分(例えば含有成分の比率)に応じて有限個の燃料クラスタに分類し、該燃料クラスタ毎に分割運転データを複数の運転パターンクラスタに分類するようにしたので、燃料クラスタ毎に、十分な数の分割運転データを用いて運転パターンをクラスタリングすることができる。また、各燃料クラスタに応じた運転パターン候補を作成するようにしたので、使用予定に燃料の成分に応じたより適切な運転パターン候補を提案することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(5)乃至(7)の何れかの構成において、
前記運転パターン選定部は、前記複数の運転パターンクラスタのうち、前記除煤装置の運転頻度のより小さい運転パターンクラスタを優先的に用いて組み合わせることで、前記運転パターン候補を取得するように構成される。
上記(8)の構成によれば、運転パターンクラスタを組み合わせて運転パターン候補を作成する際に、複数の運転パターンクラスタのうち、除煤装置の運転頻度のより小さい運転パターンクラスタを優先的に用いるようにしたので、除煤装置の運転頻度の小さい運転パターン候補を優先的に作成することができる。よって、炉の運転時に、除煤装置の運転頻度を低減させることができ、除煤装置の運転によるプラントの性能低下を抑制することができ、あるいは、プラントのメンテナンスコストを抑制することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの構成において、
前記判定部によって合格と判断された前記運転パターン候補が複数ある場合、複数の前記運転パターン候補から最終候補を選択する選択部をさらに備え、
前記選択部は、前記予測出口温度に関する上限閾値をTUth、下限閾値をTLthとし、前記出口温度予測部によって取得された前記予測出口温度の最大値をTU、最小値をTLとしたとき、複数の前記運転パターン候補のうち、前記上限閾値と前記最大値との差ΔU=TUth−TU、及び、前記最小値と前記下限閾値との差ΔL=TL−TLthの両方が、前記上限閾値と前記下限閾値の平均Tave=(TUth−TLth)/2に最も近いものを、最終候補として選択するように構成される。
上記(9)の構成によれば、合格判定された複数の運転パターン候補のうち、上述のΔU及びΔLの両方が上限閾値と下限閾値の平均Tave=(TUth−TLth)/2に最も近いものを最終候補として選択するようにしたので、選択された運転パターンでの炉の運転時に、熱交換器での熱交換効率の低下や、熱交換器よりも後流側の設備(例えばガス精製設備)での効率低下等を抑制することができる。よって、炉及び除煤装置を含むプラントの効率低下を抑制することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れかの構成において、
前記判定部により合格と判定された運転パターン候補に基づいて前記除煤装置を運転したときの前記ガス通路の実際の出口温度と、前記運転パターン候補に対応する前記予測出口温度との差が閾値ΔTout_thよりも大きいとき、前記出口温度予測モデルを修正するように構成された第1モデル修正部をさらに備える。
上記(10)の構成によれば、合格判定された運転パターン候補に対応するガス通路の実際の出口温度と予測出口温度との差が閾値よりも大きいときに出口温度予測モデルを修正するようにしたので、出口温度予測モデルの修正後におけるガス通路の出口温度の予測精度を高めることができる。よって、除煤装置の運転回数の増加に伴い、運転パターン候補の提案の確度を向上させることができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(10)の何れかの構成において、
前記判定部により合格と判定された運転パターン候補に基づいて前記除煤装置を運転したときの前記ガス通路の実際の入口温度と、前記運転パターン候補に対応する前記予測入口温度との差が閾値ΔTin_thよりも大きいとき、前記入口温度予測モデルを修正するように構成された第2モデル修正部をさらに備える。
上記(11)の構成によれば、合格判定された運転パターン候補に対応するガス通路の実際の入口温度と予測入口温度との差が閾値よりも大きいときに入口温度予測モデルを修正するようにしたので、入口温度予測モデルの修正後におけるガス通路の入口温度の予測精度を高めることができる。よって、除煤装置の運転回数の増加に伴い、運転パターン候補の提案の確度を向上させることができる。
(12)本発明の少なくとも一実施形態に係る除煤装置の運転支援方法は、
炉で生成した生成ガスが流れるガス通路に配置される熱交換器を除煤するための除煤装置の運転支援方法であって、
入口温度予測モデルを用いて、少なくとも前記炉の計画運転条件から前記ガス通路の予測入口温度を取得する入口温度予測ステップと、
運転パターン選定モデルを用いて、少なくとも前記除煤装置の過去の運転データから、前記除煤装置の運転パターン候補を選定する運転パターン選定ステップと、
出口温度予測モデルを用いて、前記予測入口温度及び前記運転パターン候補から、前記ガス通路の予測出口温度を取得する出口温度予測ステップと、
前記予測出口温度に基づいて、前記運転パターン候補の合否を判定する判定ステップと、
を備える。
上記(12)の方法によれば、入口温度予測モデル、運転パターン選定モデル及び、出口温度予測モデルを用いて、炉の計画運転条件から、ガス通路の入口温度を予測し、除煤装置の運転パターン候補を選定するとともに、予測入口温度及び運転パターン候補から取得される予測出口温度に基づいて該運転パターン候補の合否判定をするようにしたので、上述の運転計画条件の下で炉を運転したときに既定の出口温度条件を達成可能な除煤装置の運転パターン候補(合格と判定された運転パターン候補)を、運転計画条件に基づいて提案することができる。
よって、例えば、上述の運転計画条件下で炉を運転する前に、採用する除煤装置の運転パターンに基づいて除煤装置を構成する部品の摩耗状態やメンテンナスが必要となる時期等を予測することができ、除煤装置の運転効率を向上することができる。
(13)本発明の少なくとも一実施形態に係るプラントは、
前記炉としての石炭ガス化炉と、
前記石炭ガス化炉で生成した生成ガスを冷却するための冷却装置と、
上記(1)乃至(11)の何れかの除煤装置の運転支援システムと、
を備え、
前記ガス通路は、前記冷却装置内に形成される。
上記(13)の構成によれば、入口温度予測モデル、運転パターン選定モデル及び、出口温度予測モデルを用いて、炉の計画運転条件から、ガス通路の入口温度を予測し、除煤装置の運転パターン候補を選定するとともに、予測入口温度及び運転パターン候補から取得される予測出口温度に基づいて該運転パターン候補の合否判定をするようにしたので、上述の運転計画条件の下で炉を運転したときに既定の出口温度条件を達成可能な除煤装置の運転パターン候補(合格と判定された運転パターン候補)を、運転計画条件に基づいて提案することができる。
よって、例えば、上述の運転計画条件下で炉を運転する前に、採用する除煤装置の運転パターンに基づいて除煤装置を構成する部品の摩耗状態やメンテンナスが必要となる時期等を予測することができ、除煤装置の運転効率を向上することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、除煤装置の運転効率を向上可能な除煤装置の運転支援システム及び運転支援方法並びにプラントが提供される。
一実施形態に係るプラントである石炭ガス化複合発電プラントの部分的な概略構成図である。 一実施形態に係る除煤装置の運転支援システムの概略構成図である。 一実施形態に係る除煤システムの運転支援方法の概略的なフローチャートである。 一実施形態に係る除煤装置の運転パターン候補を選定するステップのフローチャートである。 燃料クラスタのマップの一例及び燃料のクラスタリングについて説明するための図である。 除煤装置の過去における運転データの一例を示す図である。 分割運転データについて説明するための図である。 一実施形態に係る運転パターン候補の選定について説明するための図である。 冷却装置のガス通路における予測出口温度のトレンドのグラフの一例である。 一実施形態に係るモデル修正部による予測モデル修正のフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
まず、幾つかの実施形態に係る運転支援システムの適用対象となる除煤装置を備えたプラントの全体構成について説明する。
図1は、一実施形態に係るプラントである石炭ガス化複合発電プラントの部分的な概略構成図である。図1に示す石炭ガス化複合発電プラント1は、微粉炭(燃料)をガス化するための石炭ガス化炉2(炉)と、石炭ガス化炉2で生成した生成ガスを冷却するための冷却装置4と、を備えている。
石炭ガス化炉2は、火炉52と、火炉52に微粉炭及び酸化剤(例えば空気)を供給する供給ポート50と、供給ポート50から供給される微粉炭を加熱するためのバーナ(不図示)と、を含む。
火炉52の上方において、石炭ガス化炉2と冷却装置4との間には連絡管54が設けられており、該連絡管54を介して、石炭ガス化炉2の内部空間と冷却装置4の内部に形成されたガス通路56とが互いに連通している。
冷却装置4の内部には、石炭ガス化炉2からの生成ガスが流れるガス通路56が形成されている。ガス通路56には、石炭ガス化炉2からの生成ガスを冷却するための熱交換器60A〜60D(以下、「熱交換器60」と総称することがある。)が配置されている。熱交換器60A〜60Dは、水又は蒸気との熱交換により上述の生成ガスを冷却して、該生成ガスの熱を回収するように構成されていてもよい。
図示する実施形態では、ガス通路56の内部において、複数の熱交換器60A〜60Dが設けられている。これらの熱交換器60A〜60Dは、ガス通路56における生成ガスの流れ方向に沿って配列されているとともに、該流れ方向において上流側から下流側に向かってこの順に配列されている。
また、冷却装置4には、熱交換器60A〜60Dの伝熱面に付着した煤等の付着物を除去するための(即ち、熱交換器60A〜60Dを除煤するための)除煤装置61が設けられている。
図示する実施形態において、除煤装置61は、複数の熱交換器60A〜60Dの各々に対応して設けられた複数のスートブロワ(除煤部)62A〜62D(以下、「スートブロワ62」と総称することがある。)を含む。すなわち、スートブロワ62A〜62Dは、ガス通路56における生成ガスの流れ方向において上流側から下流側に向かってこの順に配列されている。スートブロワ62A〜62Dは、熱交換器60A〜60Dの伝熱面に向けて流体を吹き付けて、熱交換器60A〜60Dに付着した付着物を吹き飛ばすことによって除去するように構成されている。
図1に示すように、スートブロワ62は、ガス通路56の壁面を貫通するとともに、油圧アクチュエータ等によって該スートブロワ62の延在方向に沿って進退するように移動可能に設けられていてもよい。これにより、スートブロワ62を移動させることで、熱交換器60における流体噴射位置を調節することができる。この場合、スートブロワ62とガス通路56の壁面構成部材との摺動部に、ガス通路56からのガス漏れを抑制するためのシール部材(不図示)が設けられていてもよい。
上述のように構成された石炭ガス化複合発電プラント1では、石炭ガス化炉2において、微粉炭が酸化剤とともに加熱されることによりガス化されて石炭ガス(生成ガス)が生成する。この生成ガスは、微粉炭のガス化の際に生成される煤やチャーを伴い、火炉52を上昇して、連絡管54を経て冷却装置4のガス通路56に流入する。また、微粉炭のガス化の際に生成するスラグは石炭ガス化炉2の底部から排出される。
冷却装置4のガス通路56に流入した生成ガスは、熱交換器60を通過する際に、例えば水又は蒸気との熱交換により冷却され、これらの熱交換器60を通過した後、冷却装置4の出口58から排出される。
なお、石炭ガス化複合発電プラント1は、ガスタービン(不図示)及び/又は蒸気タービン(不図示)を含んでいてもよい。そして、冷却装置4の出口58から排出された生成ガスは、精製設備で精製された後、上述のガスタービンに燃料として供給されるようになっていてもよい。また、熱交換器60で生成ガスから熱回収した後の蒸気が、上述の蒸気タービンを駆動するようになっていてもよい。
上述の冷却装置4のガス通路56に流入する石炭ガス化炉2からの生成ガスは、上述したように、煤やチャーを含んでいるため、ガス通路56に配置された熱交換器60の伝熱面に煤やチャーを含む付着物が付着することがある。この場合、熱交換器60の伝熱面にスートブロワ62によって流体を吹き付けることにより、伝熱面から付着物を除去することができる。
なお、上述の実施形態では、除煤装置61としてスートブロワ62が採用されているが、本発明における除煤装置はこれに限定されない。例えば、幾つかの実施形態では、除煤装置61は、音波装置又はウォーターランス等であってもよい。また、スートブロワ62等の除煤装置61は、例えば、蒸気、水又は空気等の流体を用いて、熱交換器60の伝熱面の付着物を除去するように構成されていてもよい。
なお、上述の実施形態では、一実施形態に係るプラントとして石炭ガス化炉2及び冷却装置4を含む石炭ガス化複合発電プラント1について説明したが、本発明に係るプラントはこれに限定されない。例えば、一実施形態に係るプラントは、燃料を燃焼させるための火炉(炉)と、該火炉で生成した燃焼ガス(生成ガス)との熱交換により蒸気を生成するボイラと、を備えた火力発電プラントであってもよい。
本発明の実施形態に係るプラントは、除煤装置61の運転を支援する運転支援システムをさらに備えている。以下、幾つかの実施形態に係る運転支援システムについて、上述した石炭ガス化炉2及び冷却装置4を含む石炭ガス化複合発電プラント1に適用される場合について説明する。
図2は、一実施形態に係る除煤装置の運転支援システムの概略構成図である。
図2に示すように、運転支援システム10は、入口温度予測部12と、運転パターン選定部14と、出口温度予測部16と、判定部18と、選択部19と、モデル修正部20と、を備えている。また、運転パターン選定部14は、燃料クラスタリング部22を含む。
運転支援システム10の各部の具体的な機能については後述するが、運転支援システム10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及び、ROM(Read Only Memory)を含むコンピュータ、及び、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、以下に説明する各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記録媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工や演算処理を実行することにより、各種機能が実現されるようになっている。
図3は、一実施形態に係る除煤システムの運転支援方法の概略的なフローチャートである。運転支援システム10は、上述した各部によって、図3のフローチャートに示す方法を実行する。以下、図3に沿って、運転支援システム10の動作について説明する。
まず、入口温度予測部12は、入口温度予測モデル26(図2参照)を用いて、少なくとも石炭ガス化炉2の計画運転条件28(図2参照)から冷却装置4のガス通路56の予測入口温度を取得する(図3のステップS10)。
ここで、ガス通路56の入口温度とは、冷却装置4のガス通路56のうち、最上流側に位置する熱交換器60よりも上流側の温度である。
計画運転条件28は、事前に計画されている石炭ガス化炉2の運転条件であり、例えば、火炉52への燃料供給量、火炉52への空気又は酸素の供給量、燃料、空気又は酸素を供給する供給ポート50に関する情報等のうち1つ以上であってもよい。あるいは、石炭ガス化炉2を含む石炭ガス化複合発電プラント1にガスタービン又は蒸気タービンが含まれる場合、上述の計画運転条件28は、該ガスタービン又は蒸気タービンに接続された発電機による発電量を含んでいてもよい。
入口温度予測部12は、入口温度予測モデル26を用いて、上述の計画運転条件28、及び、使用予定の燃料の成分から、上述の予測入口温度を取得するようにしてもよい。
上述の燃料の成分とは、該燃料に含まれる特定成分の濃度であってもよい。
入口温度予測モデル26は、既知の機械学習手法を用いて構築してもよい。入口温度予測モデル26の構築に利用可能な機械学習手法として、例えば、Neural Network、決定木、重回帰、Random Forest等が挙げられる。
入口温度予測部12によって得られるガス通路56の予測入口温度とは、例えば、運転計画期間の長さ分の予測入口温度のトレンド(運転開始からの経過時間と、予測入口温度との相関関係を示すプロット)である。
次に、運転パターン選定部14は、運転パターン選定モデル32(図2参照)を用いて、少なくとも複数のスートブロワ62を含む除煤装置61の過去の運転データ40(図6A参照)から、除煤装置61の運転パターン候補を選定する(図3のステップS20)。
ここで、上述のステップS20では、運転パターン選定部14は、除煤装置61を構成する複数のスートブロワ(除煤部)62の各々の稼働タイミングを示す除煤装置61全体としての運転パターン候補を選定するようにしてもよい。
また、運転パターン選定部14は、使用予定の燃料の成分(例えば、該燃料に含まれる特定成分の濃度)、および、石炭ガス化炉2の過去の運転データから、除煤装置61の運転パターン候補を選定するようにしてもよい。
上述のステップS20は、より詳細には図4に示すステップS202〜S212を含む。なお図4は、一実施形態に係る除煤装置61の運転パターン候補を選定するステップS20のフローチャートである。
図4に示すように、まず、燃料クラスタリング部22により、燃料を成分に応じてクラスタリングして燃料クラスタを取得する(ステップS202)。この際、既知の機械学習手法を用いて構築した燃料クラスタリングモデル34(図2参照)を用いてクラスタリングを行ってもよい。燃料クラスタリングモデル34の構築に利用可能な機械学習手法として、例えば、Neural Network、k−means法、Random Forest等が挙げられる。
ここで、図5は、燃料クラスタのマップの一例及び燃料のクラスタリングについて説明するための図である。図5に示すマップ38は、機械学習手法を用いて燃料含有成分濃度に応じてクラスタリングを行った結果得られる燃料クラスタマップの一例である。図5に示すマップ38は、燃料クラスタIから燃料クラスタXまでの10個の燃料クラスタを含む。なお、クラスタリングの結果得られる燃料クラスタの個数は10個とは限らず、クラスタリングのやり方等に応じて適切に決定される。
全ての燃料は、燃料含有成分濃度の組み合わせに応じて、上述の10個の燃料クラスタの何れか1つに属することになる。
例えば、図5に示すように、ある燃料36において、成分A濃度がawt%、成分B濃度がbwt%であるときには、その燃料36は、特定の燃料クラスタ(図5では燃料クラスタVII)に属することが決定される。
燃料における成分濃度の組み合わせは、無限種類考えられるが、上述のように燃料のクラスタリングを行うことで、様々な燃料を、燃料成分に応じて有限個数の燃料クラスタに分類することができる。
次に、除煤装置61の過去の膨大な運転データ(例えば過去1000日分の運転データ)から、ステップS202で得られた10個の燃料クラスタ(燃料クラスタI〜X)のうち、使用予定の燃料の燃料クラスタ(ここでは、一例として、燃料クラスタVIIとする)に対応する運転データを抽出する(ステップS204)。
除煤装置61の過去の運転データは、例えば、除煤装置61を構成する複数のスートブロワ(除煤部)62の各々の稼働タイミングを示す運転データである。
ここで、図6Aは、除煤装置61の過去における運転データ40を示す図であり、特定の燃料クラスタ(ここでは燃料クラスタVIIとする)に対応する運転データを抽出したものの一部である。
図6Aに示す運転データ40では、除煤装置61を構成する合計8台のスートブロワ62(SB#1〜#8)の各々について、時間軸(横軸)方向に配列されたプロットにより、当該スートブロワ62の稼働タイミングが示されている。
図6Aの過去の運転データ40に示されるように、スートブロワ62の稼働頻度は、複数のスートブロワ62のそれぞれで異なっていることがある。また、ある1つのスートブロワ62に着目しても、期間によって(即ち、横軸の位置によって)稼働頻度が異なっていることがある。
上述したステップS204により、使用予定の燃料が属する燃料クラスタ(ここでは燃料クラスタVII)に対応する除煤装置61の過去の運転データ40が得られる。
次に、ステップS204で得られた除煤装置61の過去の運転データ40(図6A参照)を、単位期間毎に分割して、複数の分割運転データ42(図6B参照)を取得する(ステップS206)。ここで、図6Bは、分割運転データについて説明するための図であり、図6Aに示す運転データ40を単位期間毎に分割したものである(すなわち、燃料クラスタVIIに対応する分割運転データ42を示すものである)。
このステップS206により、使用予定の燃料が属する燃料クラスタ(ここでは燃料クラスタVII)に対応する分割運転データ42が得られる。
なお、上述の単位期間は、12時間以上168時間以下であってもよい。
あるいは、上述の単位期間は、除煤装置61を構成するスートブロワ62(除煤部)の最大運転間隔以上であってもよい。
次に、運転パターン選定モデル32(図2参照)を用いて、ステップS206で得られた分割運転データ42をクラスタリングして、上述の単位期間における代表的な運転パターンを示す複数の運転パターンクラスタ(ここでは、一例として3つの運転パターンクラスタA〜C)を取得する(ステップS208)。
運転パターン選定モデル32は、既知の機械学習手法を用いて構築してもよい。運転パターン選定モデル32の構築に利用可能な機械学習手法として、例えば、Neural Network、k−means法、Random Forest等が挙げられる。
なお、クラスタリングの結果得られる運転パターンクラスタの個数は3個とは限らず、クラスタリングのやり方等に応じて適切に決定される。
次に、ステップS208で取得した各運転パターンクラスタA〜Cに対し、運転頻度を示すスコアを付与する(ステップS210)。
例えば、図6Bに示す例では、運転パターンクラスタA,B,Cは、この順に、単位期間中における除煤装置61の稼働回数(複数のスートブロワ62の合計稼働回数)が少ない。そこで、複数の運転ターンクラスタのうち、除煤装置61の稼働回数が少ない順に、1,2,3,…のスコアを付与する。すなわち、除煤装置61の稼働回数が最も少ない運転パターンクラスタAにスコア1を付与し、除煤装置61の稼働回数が次に少ない運転パターンクラスタBにスコア2を付与し、除煤装置61の稼働回数が最も多い運転パターンクラスタCにスコア3を付与する。
次に、石炭ガス化炉2の運転計画期間のうちの単位期間ごとに選択された運転パターンクラスタの組み合わせから、上述の運転計画期間の全体に亘る運転パターン候補を作成する(ステップS212)。
図7は、一実施形態に係る運転パターン候補の選定について説明するための図である。
例えば、上述の単位期間を24時間(=1日)とし、石炭ガス化炉2の運転計画期間(計画された運転期間)を4日としたとき、1日毎(単位期間毎)に、合計4日分、運転パターンクラスタA〜Cの何れかを選択する。そして、これら4日分の運転パターンクラスタを組み合わせることで、4日間(運転期間の全体)に亘る運転パターン候補を作成する。
このようにして、図7の表の「運転パターン候補」の列に示すように、運転パターンクラスタの組み合わせ{A,A,A,A}、{B,A,A,A}、{A,B,A,A}等が作成される。
ここで、ステップS212では、複数の運転パターンクラスタA〜Cのうち、除煤装置61の運転頻度のより小さい運転パターンクラスタAを優先的に用いて組み合わせることで、運転パターン候補を取得するようにしてもよい。
すなわち、運転パターン候補に用いる運転パターンクラスタA〜Cのスコア(上述のステップS210で付与したスコア)の合計値が小さくなるように、運転パターンクラスタA〜Cを組み合わせてもよい。ここでは、運転パターンクラスタA〜Cのうち、スコアが最も低い運転パターンクラスタAをなるべく用いて、運転パターン候補を作成するようにしてもよい。
以上に説明したように、ステップS20では、運転パターン選定モデル32(図2参照)を用いて、1以上の除煤装置61の運転パターン候補を選定する。
次に、出口温度予測部16は、出口温度予測モデル30(図2参照)を用いて、ステップS10で取得した予測入口温度、及び、ステップS20で取得した運転パターン候補から、冷却装置4のガス通路56の予測出口温度を取得する(図3のステップS30)。
ここで、ガス通路56の出口温度とは、冷却装置4のガス通路56のうち、最下流側に位置する熱交換器60よりも下流側の温度である。
出口温度予測モデル30は、既知の機械学習手法を用いて構築してもよい。出口温度予測モデル30の構築に利用可能な機械学習手法として、例えば、Neural Network、決定木、重回帰、Random Forest等が挙げられる。
出口温度予測部16によって得られるガス通路56の予測入出口温度とは、例えば、運転計画期間の長さ分の予測出口温度のトレンド(運転開始からの経過時間と、予測出口温度との相関関係を示すプロット)である。
なお、図8のグラフは、運転計画期間の長さ分の予測出口温度のトレンド(運転開始からの経過時間と、予測出口温度との相関関係を示すプロット)の一例である。
次に、判定部18は、ステップS20で取得した運転パターン候補について、該運転パターン候補を用いて取得された予測出口温度(ステップS30で取得したもの)に基づいて、該運転パターン候補の合否を判定する(ステップS40)。
一実施形態では、ステップS40では、上述の予測出口温度と、閾値との比較に基づいて、運転パターン候補の合否を判定するようにしてもよい。
例えば、上述の予測出口温度に関する上限閾値をTUth、下限閾値をTLthとしたとき(図8参照)、ステップS30にて出口温度予測部16によって取得された予測出口温度が、上述の下限閾値TLth以上かつ上限閾値TUth以下の範囲内にあるときに、その運転パターン候補を合格と判定するようにしてもよい。
なお、図7の表において、「閾値内?」の列における「Yes」は、ステップS40において上述の予測出口温度が、下限閾値以上且つ上限閾値以下の範囲内であり、合格と判定されたことを意味する。また、「No」は、ステップS40において上述の予測出口温度が、下限閾値未満又は上限閾値超である期間が存在するため、不合格と判定されたことを意味する。
次に、選択部19は、ステップS20において合格と判断された運転パターン候補が複数ある場合、複数の前記運転パターン候補から最終候補を選択する(ステップS50)。
一実施形態では、ステップS50では、以下のようにして最終候補を選択してもよい。
すなわち、上述の予測出口温度に関する上限閾値をTUth、下限閾値をTLthとし、ステップS30にて出口温度予測部16によって取得された予測出口温度の最大値をTU、最小値をTLとする(図8参照)。このとき、複数の前記運転パターン候補のうち、前記上限閾値と前記最大値との差ΔU=TUth−TU、及び、前記最小値と前記下限閾値との差ΔL=TL−TLthの両方が、前記上限閾値と前記下限閾値の平均Tave=(TUth−TLth)/2に最も近いものを、最終候補として選択する。
例えば、図7に示す表に示された4つの運転パターン候補のうち、ステップS40で合格と判定されたのは、予測出口温度が閾値内であるNo.3及びNo.4の運転パターン候補である。よって、No.3及びNo.4の運転パターン候補のそれぞれについて、上述のΔU,ΔLを計算し、これらの両法が上述の平均Taveに近い一方を、最終候補として選択される。
なお、運転支援システム10は、上述の判定部18による判定結果や、選択部19により選択された最終候補を表示するための表示部(ディスプレイ)を備えていてもよい。
また、運転支援システム10の判定部18による判定結果や、選択部19による選択結果に基づいて、制御装置等によって、除煤装置61の自動運転がされるようになっていてもよいし、あるいは、上述の表示部における表示内容等に基づいて、オペレータが除煤装置61を手動で運転するようにしてもよい。
以上に説明した実施形態によれば、入口温度予測モデル26、運転パターン選定モデル32及び、出口温度予測モデル30を用いて、石炭ガス化炉2の計画運転条件から、ガス通路56の入口温度を予測し、除煤装置61の運転パターン候補を選定するとともに、予測入口温度及び運転パターン候補から取得される予測出口温度に基づいて該運転パターン候補の合否判定をするようにしたので、上述の運転計画条件の下で石炭ガス化炉2を運転したときに既定の出口温度条件を達成可能な除煤装置の運転パターン候補(合格と判定された運転パターン候補)を、運転計画条件に基づいて提案することができる。
よって、例えば、上述の運転計画条件下で石炭ガス化炉2を運転する前に、採用する除煤装置の運転パターンに基づいて除煤装置61を構成する部品の摩耗状態やメンテンナスが必要となる時期等を予測することができ、除煤装置の運転効率を向上することができる。
幾つかの実施形態では、モデル修正部20(第1モデル修正部及び第2モデル修正部)によって、上述のステップS10,S30で得られる出口温度や入口温度の予測値及び実測値に基づいて、入口温度予測モデル26や出口温度予測モデル30が修正されるようになっていてもよい。
ここで、図9は、一実施形態に係るモデル修正部20による予測モデル修正のフローチャートである。
図9に示す実施形態では、まず、上述のステップS40で合格と判定された、又は、ステップS50で選択された運転パターン候補に基づいて、石炭ガス化炉2及び除煤装置61を運転する(ステップS602)。
次に、ステップS602の手順に従って石炭ガス化炉2及び除煤装置61を運転しているときに、冷却装置4のガス通路56の実際の入口温度及び出口温度を計測する(ステップS604)。
ガス通路56の入口温度は、例えば、ガス通路56に設けられた複数の熱交換器60のうち最上流側に位置する熱交換器60(図1では熱交換器60A)よりも上流側に位置する温度センサ64(図1参照)を用いて計測してもよい。
ガス通路56の出口温度は、例えば、ガス通路56に設けられた複数の熱交換器60のうち最下流側に位置する熱交換器60(図1では熱交換器60D)よりも下流側に位置する温度センサ66(図1参照)を用いて計測してもよい。
次に、採用中の運転パターン候補について、ステップS30で取得された予測出口温度と、上述のステップS604で計測された実際の出口温度との差を算出し、該差と、閾値ΔTout_thとを比較する(ステップS606)。
また、採用中の運転パターン候補について、ステップS10で取得された予測入口温度と、上述のステップS604で計測された実際の入口温度との差を算出し、該差と、閾値ΔTin_thとを比較する(ステップS608)。
上述のステップS606で、上述の差が閾値ΔTout_thよりも大きい場合(ステップS606のYes)、ガス通路56の出口温度の予測値と実際値との乖離が大きいことから、出口温度予測モデル30又は入口温度予測モデル26の少なくとも一方を修正する必要がある。
次に、ステップS608で、上述の差が閾値ΔTin_thよりも大きい場合(ステップS608のYes)、ガス通路56の入口温度の予測値と実際値との乖離が大きいことから、入口温度予測モデル26を修正する(ステップS610)。
一方、ステップS608で、上述の差が閾値ΔTin_th以下である場合(ステップS608のNo)、ガス通路56の入口温度の予測値と実際値との乖離は小さいため、入口温度予測モデル26を修正する必要はない。一方、上述のステップS606で検討したように、出口温度予測モデル30を修正する必要があると考えられるので、ここで、出口温度予測モデル30を修正する(ステップS610)。
このように、合格判定された運転パターン候補に対応するガス通路の実際の出口温度又は入口温度と、予測出口温度又は予測入口温度との差が閾値よりも大きいときに出口温度予測モデル30又は入口温度予測モデル26を修正するようにしたので、これらの予測モデルの修正後におけるガス通路56の出口温度又は入口温度の予測精度を高めることができる。よって、除煤装置61の運転回数の増加に伴い、運転パターン候補の提案の確度を向上させることができる。
上述した入口温度/出口温度予測モデルの修正方法は、一例に過ぎない。
例えば、他の一実施形態に係るモデル修正部20は、過去に経験したことのない計画運転条件、燃料性状、又は除煤装置の運転パターンを用いて石炭ガス化炉2及び除煤装置61を運転した場合、これらの情報を、入口温度予測モデル26、出口温度予測モデル30、運転パターン選定モデル32、又は、燃料クラスタリングモデル34に反映させる修正をするようになっていてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 石炭ガス化複合発電プラント
2 石炭ガス化炉
4 冷却装置
10 運転支援システム
12 入口温度予測部
14 運転パターン選定部
16 出口温度予測部
18 判定部
19 選択部
20 モデル修正部
22 燃料クラスタリング部
26 入口温度予測モデル
28 計画運転条件
30 出口温度予測モデル
32 運転パターン選定モデル
34 燃料クラスタリングモデル
36 燃料
38 燃料クラスタマップ
40 運転データ
42 分割運転データ
50 供給ポート
52 火炉
54 連絡管
56 ガス通路
58 出口
60,60A〜60D 熱交換器
62,62A〜62D スートブロワ
64 温度センサ
66 温度センサ

Claims (13)

  1. 炉で生成したガスが流れるガス通路に配置される熱交換器を除煤するための除煤装置の運転支援システムであって、
    入口温度予測モデルを用いて、少なくとも前記炉の計画運転条件から前記ガス通路の予測入口温度を取得するように構成された入口温度予測部と、
    運転パターン選定モデルを用いて、少なくとも前記除煤装置の過去の運転データから、前記除煤装置の運転パターン候補を選定するように構成された運転パターン選定部と、
    出口温度予測モデルを用いて、前記予測入口温度及び前記運転パターン候補から、前記ガス通路の予測出口温度を取得するように構成された出口温度予測部と、
    前記予測出口温度に基づいて、前記運転パターン候補の合否を判定するように構成された判定部と、
    を備えることを特徴とする除煤装置の運転支援システム。
  2. 前記除煤装置は、前記ガス通路内における前記ガスの流れ方向に沿って配列された複数の前記熱交換器に対応して設けられる複数の除煤部を含み、
    前記運転パターン選定部は、前記複数の除煤部の各々の稼働タイミングを示す前記除煤装置全体としての前記運転パターン候補を選定するように構成された
    ことを特徴とする請求項1に記載の除煤装置の運転支援システム。
  3. 前記入口温度予測部は、前記炉の前記計画運転条件、および、使用予定の燃料の成分から前記予測入口温度を取得するように構成された
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の除煤装置の運転支援システム。
  4. 前記運転パターン選定部は、使用予定の燃料の成分、および、前記除煤装置の過去の運転データから、前記除煤装置の運転パターン候補を選定するように構成された
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の除煤装置の運転支援システム。
  5. 前記運転パターン選定部は、
    前記運転パターン選定モデルを用いて、前記除煤装置の前記過去の運転データを単位期間毎に分割して得られる分割運転データをクラスタリングして、前記単位期間における代表的な運転パターンを示す複数の運転パターンクラスタを取得し、
    前記炉の運転計画期間のうちの前記単位期間ごとに選択された前記運転パターンクラスタの組み合わせから、前記運転計画期間の全体に亘る前記運転パターン候補を作成する
    ように構成された
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の除煤装置の運転支援システム。
  6. 前記単位期間は、12時間以上168時間以下である
    ことを特徴とする請求項5に記載の除煤装置の運転支援システム。
  7. 前記運転パターン選定部は、使用予定の燃料を成分に応じてクラスタリングして燃料クラスタを取得するように構成された燃料クラスタリング部を含み、
    前記運転パターン選定部は、
    前記燃料クラスタ毎に前記複数の運転パターンクラスタを取得し、
    使用予定の燃料が属する前記燃料クラスタに対応する前記複数の運転パターンクラスタから前記単位期間ごとに選択された前記運転パターンクラスタの組み合わせから、前記運転計画期間の全体に亘る前記運転パターン候補を作成する
    ように構成された
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の除煤装置の運転支援システム。
  8. 前記運転パターン選定部は、前記複数の運転パターンクラスタのうち、前記除煤装置の運転頻度のより小さい運転パターンクラスタを優先的に用いて組み合わせることで、前記運転パターン候補を取得するように構成された
    ことを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載の除煤装置の運転支援システム。
  9. 前記判定部によって合格と判断された前記運転パターン候補が複数ある場合、複数の前記運転パターン候補から最終候補を選択する選択部をさらに備え、
    前記選択部は、前記予測出口温度に関する上限閾値をTUth、下限閾値をTLthとし、前記出口温度予測部によって取得された前記予測出口温度の最大値をTU、最小値をTLとしたとき、複数の前記運転パターン候補のうち、前記上限閾値と前記最大値との差ΔU=TUth−TU、及び、前記最小値と前記下限閾値との差ΔL=TL−TLthの両方が、前記上限閾値と前記下限閾値の平均Tave=(TUth−TLth)/2に最も近いものを、最終候補として選択するように構成された
    ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の除煤装置の運転支援システム。
  10. 前記判定部により合格と判定された運転パターン候補に基づいて前記除煤装置を運転したときの前記ガス通路の実際の出口温度と、前記運転パターン候補に対応する前記予測出口温度との差が閾値ΔTout_thよりも大きいとき、前記出口温度予測モデルを修正するように構成された第1モデル修正部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の除煤装置の運転支援システム。
  11. 前記判定部により合格と判定された運転パターン候補に基づいて前記除煤装置を運転したときの前記ガス通路の実際の入口温度と、前記運転パターン候補に対応する前記予測入口温度との差が閾値ΔTin_thよりも大きいとき、前記入口温度予測モデルを修正するように構成された第2モデル修正部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の除煤装置の運転支援システム。
  12. 炉で生成したガスが流れるガス通路に配置される熱交換器を除煤するための除煤装置の運転支援方法であって、
    入口温度予測モデルを用いて、少なくとも前記炉の計画運転条件から前記ガス通路の予測入口温度を取得する入口温度予測ステップと、
    運転パターン選定モデルを用いて、少なくとも前記除煤装置の過去の運転データから、前記除煤装置の運転パターン候補を選定する運転パターン選定ステップと、
    出口温度予測モデルを用いて、前記予測入口温度及び前記運転パターン候補から、前記ガス通路の予測出口温度を取得する出口温度予測ステップと、
    前記予測出口温度に基づいて、前記運転パターン候補の合否を判定する判定ステップと、
    を備えることを特徴とする除煤装置の運転支援方法。
  13. 前記炉としての石炭ガス化炉と、
    前記石炭ガス化炉で生成したガスを冷却するための冷却装置と、
    請求項1乃至11の何れか一項に記載の除煤装置の運転支援システムと、
    を備え、
    前記ガス通路は、前記冷却装置内に形成された
    ことを特徴とするプラント。
JP2019029015A 2019-02-21 2019-02-21 除煤装置の運転支援システム及び運転支援方法並びにプラント Pending JP2020134040A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019029015A JP2020134040A (ja) 2019-02-21 2019-02-21 除煤装置の運転支援システム及び運転支援方法並びにプラント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019029015A JP2020134040A (ja) 2019-02-21 2019-02-21 除煤装置の運転支援システム及び運転支援方法並びにプラント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020134040A true JP2020134040A (ja) 2020-08-31

Family

ID=72263187

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019029015A Pending JP2020134040A (ja) 2019-02-21 2019-02-21 除煤装置の運転支援システム及び運転支援方法並びにプラント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020134040A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022059305A1 (ja) * 2020-09-18 2022-03-24 川崎重工業株式会社 排熱回収ボイラ及びそのダスト除去運転計画装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022059305A1 (ja) * 2020-09-18 2022-03-24 川崎重工業株式会社 排熱回収ボイラ及びそのダスト除去運転計画装置
JPWO2022059305A1 (ja) * 2020-09-18 2022-03-24
JP7402348B2 (ja) 2020-09-18 2023-12-20 川崎重工業株式会社 排熱回収ボイラ及びそのダスト除去運転計画装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8684070B2 (en) Compact radial platen arrangement for radiant syngas cooler
TWI705316B (zh) 鍋爐之運轉支援裝置、鍋爐之運轉支援方法、及鍋爐之學習模型之作成方法
DK1954923T3 (en) RADIATION COOLS FOR SYNTHESIC GAS
JP6890967B2 (ja) ガスタービン水洗方法およびシステム
EP2063211A2 (en) Dual model approach for boiler section cleanliness calculation
KR102216820B1 (ko) 시험 계획 장치 및 시험 계획 방법
JP2008146371A (ja) ボイラプラントの制御装置
Taler et al. The flexible boiler operation in a wide range of load changes with considering the strength and environmental restrictions
Skorek-Osikowska et al. Thermodynamic assessment of the operation of a self-sufficient, biomass based district heating system integrated with a Stirling engine and biomass gasification
JP2020134040A (ja) 除煤装置の運転支援システム及び運転支援方法並びにプラント
Kermes et al. Testing of gas and liquid fuel burners for power and process industries
Madejski et al. Analysis of fouling degree of individual heating surfaces in a pulverized coal fired boiler
JP2018128999A (ja) シミュレーション結果の評価装置及び方法
JP2009198137A (ja) ボイラの制御装置及びボイラの制御方法
Proszak et al. Ecological and financial effects of coal-fired boiler replacement with alternative fuels
JP2000346304A (ja) ボイラ伝熱管壁温度の予測方法及び予測装置
CN107916990A (zh) 用于较高发电厂效率的系统和方法
Ruedel et al. Development of the new Ansaldo energia gas turbine technology generation
JP4333766B2 (ja) ボイラの制御装置、及び制御方法
KR20200093000A (ko) 운전 조건 평가 장치, 운전 조건 평가 방법, 및 보일러의 제어 시스템
JP6045737B1 (ja) コンバインドサイクルプラントの改造方法、分配ダクト、コンバインドサイクルプラント
CN117387056B (zh) 一种火电厂深度调峰状态监测方法及系统
Kappis et al. Alstom gas turbine technology overview: Status 2014
Khobo A modelling methodology to quantify the impact of plant anomalies on ID fan capacity in coal fired power plants
CN103148502B (zh) 一种减轻锅炉预热器的腐蚀的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20220126