JP2020134035A - 貯銑炉に配設される誘導加熱装置のチャンネル部形成方法 - Google Patents

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壮平 ▲高▼垣
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Abstract

【課題】貯銑炉の誘導加熱装置内にチャンネル部を形成する際にラミング材の焼結層の厚さを均一に形成して、ラミング材への浸潤を防止し、溶銑貯蔵を繰り返し行なう際にもラミング材の焼結層の厚さを均一に成長させて、浸潤を防止することが可能なチャンネル部形成方法の提供。【解決手段】誘導加熱装置5内のチャンネル部9が形成される位置に金属製中子を配置し、金属製中子と誘導加熱装置の外殻6ならびにコイル8とで形成される空隙にラミング材7を充填して押し固めた後に、溶銑が貯蔵されていない貯銑炉に誘導加熱装置を配設して金属製中子を誘導加熱することによって溶断し、貯銑炉に金属溶湯を装入して、金属溶湯を誘導加熱で1200〜1400℃の範囲内に保持して、金属溶湯からの熱伝達でラミング材を焼成することによってチャンネル部を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、高炉から排出された溶銑を次工程へ搬送する前に一旦貯蔵するための貯銑炉に関し、詳しくは、貯銑炉に配設される誘導加熱装置の内部に溶銑の流路となるチャンネル部を形成する方法に関するものである。
高炉から排出された溶銑は、搬送容器(たとえば溶銑鍋、トーピードカー等)に収容して転炉へ搬送され、転炉にて脱炭精錬が施される。溶銑の成分によっては、必要に応じて予備処理(たとえば脱硫処理、脱燐処理等)を施した後に転炉へ搬送される。
このような一連の工程において、脱炭精錬等の処理が滞っていた場合には、搬送容器内で溶銑を待機させる必要がある。ところが搬送容器は、溶銑を加熱する手段を備えていないので、長時間が経過すると、搬送容器内の溶銑の温度低下、さらには凝固を引き起こす。そこで、加熱装置を備えた溶銑の貯蔵炉(いわゆる貯銑炉)が広く普及している。
図2は、貯銑炉の例を模式的に示す断面図である。図2に示すように、貯銑炉1は鉄皮2の内側に耐火材3を張り付けて、1300ton程度の溶銑4を溶融状態で貯蔵する貯蔵炉である。貯銑炉1の下部には溶銑4を加熱するための誘導加熱装置5が配設されており、貯銑炉1内の溶銑4の温度低下を防止することが可能である。
誘導加熱装置5は、溶銑の流路となる空洞の部位(以下、チャンネル部という)、および、チャンネル部を流通する溶銑4に渦電流を発生させるコイル等を内蔵し、複雑な構造になっている。そのため、誘導加熱装置5の耐用期間は、貯銑炉1の本体に比べて比較的短くなるのは避けられない。
誘導加熱装置5は貯銑炉1に着脱可能に配設されており、誘導加熱装置5にトラブルが発生すると、その誘導加熱装置5を貯銑炉1から取り外してメンテナンス(たとえば新品の誘導加熱装置5に交換、トラブルが発生した箇所の補修等)を行なう。なお、誘導加熱装置5を貯銑炉1から取り外してメンテナンスを行なう間、貯銑炉1内は、当然、溶銑4が貯蔵されていない空の状態である。
誘導加熱装置5の例を図1に拡大して示す。図1に示すように、誘導加熱装置5内のチャンネル部9は空洞となっており、チャンネル部9内を溶銑4が流通する。チャンネル部9内の溶銑4は、コイル8によって加熱され、かつ流通するのに必要な推進力が付与される。そして、コイル8とチャンネル部9との間、ならびに、鋼製の外殻6とチャンネル部9との間にはラミング材7が充填される。
つまり、チャンネル部9はラミング材7の内部に設けられたトンネル状の空洞である。チャンネル部9に亀裂や詰まり等が発生すると、誘導加熱装置5による溶銑4の加熱および流通を円滑に行なうことが困難になり、その結果、貯銑炉1内の溶銑4の温度低下を引き起こす。
したがって、誘導加熱装置5のメンテナンスでは、充填されたラミング材7の所定の位置に、所定の形状のチャンネル部9を形成し、かつそれを維持することが重要である。
従来のメンテンナンスでは、下記(a)〜(e)の手順でチャンネル部9を形成していた。すなわち、
(a)予め誘導加熱装置5内のチャンネル部9が形成される位置に金属製中子を配置し、金属製中子と誘導加熱装置5の外殻6ならびにコイル8とで形成される空隙にラミング材7を充填する、
(b)ラミング材を打設して押し固めた後に、溶銑4が貯蔵されていない貯銑炉に誘導加熱装置5を配設する、
(c)コイル8に通電して金属製中子を誘導加熱によって加熱して溶断させ、さらに金属溶湯を装入する、
(d)金属溶湯を誘導加熱によって1400℃程度に昇温し、金属溶湯からの熱伝達でラミング材7を焼成して焼結層を形成する、
(e)こうして所定の形状を備えたチャンネル部9を、所定の位置に形成する
ことができる。そして、
(f)その後、貯銑炉1にて1300ton程度の溶銑4を装入→加熱保持→排出の一連の手順を複数回繰り返しても、空洞のチャンネル部9を安定して維持する
ことが可能となる。
なお、上記の(c)に記載した溶断は、金属製中子が部分的に溶融して、固体の金属製中子と混在した状態を意味する。また、(c)(d)に記載した金属溶湯は、金属製中子あるいは溶銑4と異なる成分であっても問題はない。
一般に使用されるラミング材は1200℃以上で焼成すれば焼結層(上記(d)参照)を得ることができ、その後、転炉へ搬送される前の溶銑4を貯銑炉1に貯蔵(以下、溶銑貯蔵という)する必要が生じた場合に、チャンネル部9を所定の位置に、所定の形状で保持(上記(f)参照)することができる。その結果、溶銑4はコイル8によって、チャンネル部9を流通する推進力が安定して付与され、かつチャンネル部9内で加熱される。
しかし、チャンネル部9内を流通する溶銑4と接触する面に形成される焼結層が不十分であれば、溶銑4が焼結層を通過してラミング材7内に浸入(以下、浸潤という)する。一方で、焼結層が過剰に形成されると、焼結層の亀裂が発生し易くなり、その亀裂から溶銑4がラミング材7内に浸潤していく。このような溶銑4の浸潤が生じると、ラミング材7やその焼結層の特性が著しく低下するので、チャンネル部9を所定の位置に、所定の形状で保持することが困難になる。
つまり溶銑貯蔵に先立って、溶銑4に接触するチャンネル部9の面から適正な厚さを有する焼結層を形成する必要がある。そこで、誘導加熱装置5を貯銑炉1に配設した後に、ラミング材7を焼結する技術が種々検討されている。
たとえば特許文献1には、ラミング材に結合材を添加して比較的低温で焼成(上記(d)参照)することによって、焼結層の形成を安定して制御する技術が開示されている。しかし低温で焼成できるラミング材を使用すれば、空洞のチャンネル部を形成した後の溶銑貯蔵(上記(f)参照)にて焼結層の厚さが急速に増加して、焼結層の亀裂が発生し易くなるという問題がある。
そこで、チャンネル部を形成した後の溶銑貯蔵にて、チャンネル部を所定の位置に、所定の形状で維持する技術が検討されている。
たとえば特許文献2には、空洞のチャンネル部を形成した後の溶銑貯蔵にて鋼球を溶銑に投入して、溶銑とともに流通させることによって、チャンネル部の内壁(すなわち焼結層の表面)に付着した異物を除去する技術が開示されている。ところが、コイルから発生する磁界が鋼球によって乱れて、誘導電流の乱れを引き起こし、その結果、誘導加熱の発熱が安定しないという問題がある。また、誘導電流によってチャンネル部内の溶銑が収縮する力(いわゆるピンチ力)にも乱れが生じて、溶銑からラミング材への熱伝達が安定しないという問題も生じる。
つまり特許文献2に記載された鋼球は、上記(f)の溶銑貯蔵にて不均一な厚さの焼結層が形成される原因になる。そして、貯銑炉における溶銑貯蔵の一連の手順(溶銑の装入→加熱貯蔵→排出)を繰り返し行なうことによって、焼結層の厚さが増加(以下、成長という)するとともに、その厚さの局部的な変動が次第に増大していき、焼結層の亀裂の発生、ひいては浸潤の発生を招く。
以上に説明した通り、従来の技術では、誘導加熱装置内にチャンネル部を形成する際にラミング材の焼結層の厚さを均一に形成し、かつ、その後の溶銑貯蔵を繰り返し行なう際にラミング材の焼結層の厚さを均一に成長させる技術は確立されていない。
特開2008-50217号公報 特開2007-70726号公報
本発明は、従来の技術の問題点を解消し、貯銑炉の誘導加熱装置内にチャンネル部を形成する際にラミング材の焼結層の厚さを均一に形成して、ラミング材への浸潤を防止し、かつ、その後の溶銑貯蔵を繰り返し行なう際にもラミング材の焼結層の厚さを均一に成長させて、浸潤を防止することが可能なチャンネル部の形成方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記した課題を解決するために、まず、チャンネル部を形成する工程(上記(a)〜(e)参照)においてラミング材の焼結層の厚さを均一に形成する技術について検討した。そして、金属溶湯(上記(c)参照)の装入量を調整することによって、金属溶湯の静圧を適正に制御し、かつ金属溶湯を適正な温度範囲に昇温すれば、金属製中子が全て溶解して金属溶湯と混ざり合い、その金属溶湯からの熱伝達でチャンネル部の内壁に均一な厚さの焼結層を形成でき、ひいては浸潤を防止できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
すなわち本発明は、貯銑炉に配設される誘導加熱装置のチャンネル部を形成するチャンネル部形成方法において、
予め誘導加熱装置内のチャンネル部が形成される位置に金属製中子を配置し、金属製中子と誘導加熱装置の外殻ならびにコイルとで形成される空隙にラミング材を充填し、さらに、ラミング材を打設して押し固めた後に、溶銑が貯蔵されていない貯銑炉に誘導加熱装置を配設し、
次いで、コイルに通電して金属製中子を誘導加熱することによって金属製中子を溶断し、引き続き、金属製中子とその溶湯が残留する貯銑炉に金属溶湯を装入して、コイルの高さ方向中央に位置するラミング材の表面に作用する金属溶湯の静圧を84〜226kPaの範囲内に制御しながら、金属溶湯を誘導加熱で1200〜1400℃の範囲内に保持して、金属溶湯からの熱伝達でラミング材を焼成することによってチャンネル部を形成するチャンネル部形成方法である。
本発明のチャンネル部形成方法においては、ラミング材の焼成を4時間以上行なうことが好ましい。
本発明によれば、貯銑炉の誘導加熱装置内にチャンネル部を形成する際にラミング材の焼結層の厚さを均一に形成して、ラミング材への浸潤を防止し、かつ、その後の溶銑貯蔵を繰り返し行なう際にもラミング材の焼結層の厚さを均一に成長させて、浸潤を防止することが可能となり、産業上格段の効果を奏する。
貯銑炉に配設される誘導加熱装置の例を模式的に示す断面図である。 貯銑炉の例を模式的に示す断面図である。 図2に示す誘導加熱装置の周辺を拡大し、さらに誘導加熱装置の内部を断面図として示す説明図である。 抜熱量の推移を示すグラフである。
図1は、貯銑炉に配設される誘導加熱装置に空洞のチャンネル部を形成した例を模式的に示す断面図である。本発明を適用して、図1に示すようなチャンネル部9を形成する際には、予めチャンネル部9の位置に金属製中子(図示せず)を配置しておく。金属製中子は図示を省略するが、チャンネル部9と同じ形状である。
ここで、図1に示すような誘導加熱装置5を製作するために、金属製中子を用いて誘導加熱装置5にチャンネル部9を形成する手順について説明する。既に説明した通り金属製中子はチャンネル部9と同じ形状を有し、同じ位置に配置されるので、以下の説明では図1中のチャンネル部9を金属製中子と見做すことができる。
誘導加熱装置5にチャンネル部9を形成するにあたって、予め、誘導加熱装置5の所定の位置に、所定の形状を有する金属製中子を配置する。そして、金属製中子と誘導加熱装置5の外殻6とで形成される空隙、ならびに、金属製中子とコイル8とで形成される空隙にラミング材7を充填する。
ラミング材7の成分は特に限定せず、後述する溶銑貯蔵にて貯蔵する溶銑の組成に応じて適宜選択して使用する。たとえば、MgO-Al2O3系ラミング材等が好適に使用できる。
金属製中子の素材は特に限定せず、後述するラミング材7の焼成の開始から終了までの間に溶解する材質を選択して使用する。たとえば、炭素鋼(いわゆる普通鋼)等が好適に使用でき、その成分は、後述する溶銑貯蔵にて貯蔵する溶銑と同じ成分でも良いし、異なる成分であっても問題はない。その理由は、溶銑の貯蔵量(1300ton程度)に対して金属製中子は極めて少量であり、金属製中子が溶融して混入した溶銑に予備処理や脱炭精錬を施すことによって、最終製品の成分に調整できるからである。
次に、ラミング材7を打設して押し固めた後に、溶銑が貯蔵されていない貯銑炉1に誘導加熱装置5を配設する(図2参照)。
次いで、コイル8に通電して金属製中子を誘導加熱によって加熱して溶断させ、さらに金属溶湯(図示せず)を貯銑炉1に装入する。金属溶湯の成分は、後述する溶銑貯蔵にて貯蔵する溶銑と同じ成分でも良いし、異なる成分であっても問題はない。その理由は、溶銑の貯蔵量(1300ton程度)に対して金属溶湯(100〜200ton程度)は少量であり、金属溶湯が混入した溶銑に予備処理や脱炭精錬を施すことによって、最終製品の成分に調整できるからである。
金属製中子の溶断は、金属製中子が部分的に溶融して、固体の金属製中子と混在した状態を意味する。金属製中子の温度を測定することによって、溶断の発生を検知することができる。たとえば、金属製中子の温度を測定して、測定値のハンチングやバーンアウトが生じた時に溶断が発生したと判定する。
引き続き、金属溶湯を誘導加熱によって1400℃程度に昇温し、金属溶湯からの熱伝達でラミング材7を焼成して焼結層を形成する。
この工程で金属製中子が全て溶融して金属溶湯と混ざり合い、加熱された金属溶湯からの熱伝達でラミング材7を焼成する。こうして、トンネル状の空洞であるチャンネル部9が形成される。ラミング材7の焼結温度は約1200℃であるから、チャンネル部9の内壁には焼結層が形成され、チャンネル部9の形状を安定して維持することができる。
この誘導加熱を行なうことによって、金属溶湯が収縮してラミング材7から剥離しようとするピンチ力P2(kPa)が発生する。誘導加熱によってピンチ力P2が生じると、金属溶湯からの熱伝達が変動し、焼結層の厚さの局所的な変化を引き起こす。
そこで本発明では、金属溶湯の静圧を活用して焼結層の厚さが局所的に変化するのを防止する。そのメカニズムについて、図3を参照して詳しく説明する。
図3は、図2に示す誘導加熱装置5の周辺を拡大し、さらに誘導加熱装置5内部を図1と同様の断面図として示す説明図である。図3中のP0は大気圧(kPa)、Hは金属溶湯10の湯面からコイル8の高さ方向中央までの距離(m)を意味しており、これらP0、Hを用いて、コイル8の高さ方向中央に位置するラミング材7の表面に作用する金属溶湯10の静圧P1(kPa)を下記(1)で算出できる。
1=P0+ρgH ・・・(1)
ρ:金属溶湯の密度(kg/m3
g:重力加速度(m/sec2
このP1値が低すぎる場合(P1<P2)は、ピンチ力P2に起因して金属溶湯10がラミング材7から剥離する現象を抑制できない。この現象を防止するためにはP1>P2とする必要があるが、P1値が高すぎる場合は、金属溶湯10の浸潤が発生し易くなる。したがって本発明では、P1値を84〜226kPaの範囲内に制御してラミング材7を焼成する。このP1値の制御は、金属溶湯10の装入量を調整してHを適正に保つことによって行なう。
そして、P1値の制御と同時に、金属溶湯10の温度も適正な範囲に制御する。金属溶湯10の温度が低すぎると、焼結層の厚さが不足するので、金属溶湯10の浸潤が発生し易くなる。温度が高すぎると、焼結層が過剰な厚さに成長するので、亀裂が発生し易くなる。したがって本発明では、金属溶湯10の温度を1200〜1400℃の範囲内に保持してラミング材7を焼成する。
ラミング材7を焼成する時間が短すぎる場合は、焼結層の厚さが不足するので、金属溶湯10の浸潤が発生し易くなる。したがって、ラミング材7を4時間以上焼成することが好ましい。ラミング材7の焼成に要する時間が長すぎる場合は、焼結層の成長が進行するが、均一な厚さで成長するので問題はない。
以上に説明した手順を経て、所定の形状を備えた空洞のチャンネル部9を、所定の位置に形成することができる。チャンネル部9の内部には、溶融した金属製中子と金属溶湯とが充満しており、チャンネル部9の内壁に適正な厚さの焼結層を均一に形成することによって、浸潤を発生させることなくチャンネル部9の形状を安定して保つことができる。
そして、溶銑を貯銑炉1に装入して、溶銑貯蔵を行なう。この時、溶融した金属製中子と金属溶湯を貯銑炉1から排出する必要はない。以下では、溶融した金属製中子と金属溶湯、および溶銑を総称して溶銑4と記す。
溶銑貯蔵にてコイル8に通電して磁界を発生することによって、溶銑4を誘導加熱で昇温するとともに、チャンネル部9内を流通させる。その結果、貯銑炉1内の溶銑4を加熱し、かつ循環させることが可能となり、溶銑4の温度低下を防止しながら貯蔵することができる。
溶銑貯蔵においても、溶銑4からの熱伝達によってラミング材7が焼成されて、均一な厚さを有する焼結層が成長する。既に説明した通り、本発明ではラミング材7を焼成する時間の上限は特に限定しない。つまり、チャンネル部9の形成過程のみならず、溶銑貯蔵においても焼結層が均一に成長するので、溶銑4がラミング材7へ浸潤するのを防止できる。
こうして溶銑貯蔵を複数回繰り返し行なう間に、ラミング材7の焼結層の厚さを均一に成長させることによって、浸潤を発生させることなくチャンネル部9の形状を安定して保つことができる。
誘導加熱装置に鋼製中子を配置し、さらにラミング材(MgO:87質量%、Al2O3:11質量%)を充填して押し固めた。その誘導加熱装置を貯銑炉に配設して鋼製中子を溶断し、さらに金属溶湯として溶銑(C:3.0質量%、Cr:5.5質量%)150tonを装入して、金属溶湯(すなわち溶銑)の静圧P1を170kPaとし、かつ金属溶湯を1300℃で4.5時間保持することによって、鋼製中子を溶融させ、かつラミング材を焼成して、チャンネル部を形成した。引き続き、同じ成分の溶銑1300tonを貯銑炉に装入して貯蔵した。これを発明例とする。
一方で比較のために、発明と同様に鋼製中子を配置し、ラミング材を充填して押し固めた誘導加熱装置を貯銑炉に配設して、鋼製中子を溶断した後、直ちに発明例と同じ成分の溶銑1300tonを装入して、鋼製中子の溶融、ラミング材の焼成、チャンネル部の形成、および溶銑の貯蔵を同時に行なった。つまり、鋼製中子を溶融させ、かつラミング材を焼成して、チャンネル部を形成する時の溶銑の静圧P1は、本発明の上限(226kPa)を大幅に上回っている。これを比較例とする。
発明例と比較例の溶銑貯蔵において、誘導加熱装置の外殻を冷却するための冷却水の温度変化ΔT(=誘導加熱装置から排出される冷却水の温度−誘導加熱装置に供給される冷却水の温度)を測定し、冷却水による抜熱量W(kcal/min)を下記(2)式で算出した。その抜熱量Wと溶銑貯蔵の日数との関係を図4に示す。
W=Q×ΔT ・・・(2)
Q:冷却水の流速(L/min)
ΔT:冷却水の温度変化(℃)
図4の横軸は溶銑貯蔵の日数を示し、誘導加熱装置を貯銑炉に配設してチャンネル部を形成した日をゼロとする。縦軸は冷却水による抜熱量Wであり、貯銑炉に溶銑1300tonを装入した日の抜熱量Wを1.0とした指数で示す。
図4から明らかなように、発明例および比較例は、いずれも溶銑貯蔵の日数が増えるに連れて、冷却水による抜熱量Wが増加していく。これは、溶銑がラミング材へ浸潤していき、誘導加熱装置の外殻の温度が徐々に上昇することが原因である。
特に比較例では、ラミング材の焼結層の厚さが局部的に変動したので、溶銑の浸潤が複数個所で発生し、さらにラミング材の内部へ進行したので、冷却水による抜熱量が発明例よりも増大した。
これに対して発明例では、誘導加熱装置の冷却水による抜熱量Wが常に比較例を下回っている。つまり、本発明を適用すれば、ラミング材の焼結層の厚さが均一に成長し、浸潤の発生と進行を抑制できることが確かめられた。
1 貯銑炉
2 鉄皮
3 耐火材
4 溶銑
5 誘導加熱装置
6 外殻
7 ラミング材
8 コイル
9 チャンネル部
10 金属溶湯

Claims (2)

  1. 貯銑炉に配設される誘導加熱装置のチャンネル部を形成するチャンネル部形成方法において、
    予め前記誘導加熱装置内の前記チャンネル部が形成される位置に金属製中子を配置し、該金属製中子と前記誘導加熱装置の外殻ならびにコイルとで形成される空隙にラミング材を充填し、さらに、該ラミング材を打設して押し固めた後に、溶銑が貯蔵されていない前記貯銑炉に前記誘導加熱装置を配設し、
    次いで、前記コイルに通電して前記金属製中子を誘導加熱することによって前記金属製中子を溶断し、引き続き、前記金属製中子とその溶湯が残留する前記貯銑炉に金属溶湯を装入して、前記コイルの高さ方向中央に位置する前記ラミング材の表面に作用する前記金属溶湯の静圧を84〜226kPaの範囲内に制御しながら、前記金属溶湯を前記誘導加熱で1200〜1400℃の範囲内に保持して、前記金属溶湯からの熱伝達で前記ラミング材を焼成することによって前記チャンネル部を形成することを特徴とするチャンネル部形成方法。
  2. 前記ラミング材の前記焼成を4時間以上行なうことを特徴とする請求項1に記載のチャンネル部形成方法。
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