JP2020134029A - 全熱交換素子 - Google Patents

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【課題】全熱交換器を構成するための全熱交換素子において、交換効率に優れた全熱交換素子であり、特に、湿度交換効率の性能を初期値から低下なく維持することができる優れた全熱交換素子を提供することである。【解決手段】ライナーとフルートを積層してなる全熱交換素子であり、該ライナーに含まれる吸湿剤量が1〜10g/m2であり、全熱交換素子を作製した後におけるライナーとフルートに含まれる吸湿剤量の比率(ライナー/フルート)が0.7以上1.3未満であることを特徴とする全熱交換素子。【選択図】なし

Description

本発明は、ビル、事務所、店舗、住居等で、快適な空間を維持するために、室内に新鮮な外気を供給すると共に、室内の汚れた空気を排出する全熱交換器に搭載される、顕熱(温度)と潜熱(湿度)の交換を同時に行う全熱交換素子に関するものである。
室内の空調において、冷暖房効率に優れた換気方法として、新鮮な外気を供給する給気流と室内の汚れた空気を排出する排気流との間で、温度(顕熱)と共に湿度(潜熱)の交換も同時に行う全熱交換がよく知られている。
全熱交換を行う全熱交換素子は、一般的に、コルゲーターという設備を用い、温度と湿度を交換する部材の全熱交換素子用紙(ライナー)と給気と排気を行う流路を確保するための部材の間隔板(フルート)とからなるコルゲートシートを作製し、これを積層させることにより形成される。このような全熱交換素子は、給気流と排気流が、ライナーを挟んで、互いに独立した流路で形成されることとなり、その間で全熱交換が行われるため、このような全熱交換素子を備えた全熱交換器で室内の換気を行えば、冷暖房効率を大きく改善することが可能となる。そして、全熱交換素子には、全熱交換効率、特に、湿度交換効率の性能を初期値から低下させないように維持するための検討が行われている。
このような要望に対し、ライナーシートとコルゲートシートとを接着し片面段ボールを製造する工程と、前記工程で得られた前記片面段ボール複数を、片面段ボールの段目の方向が一段ずつ交差するように積層する工程とを有する、吸湿剤を含有する全熱交換素子の製造方法であって、片面段ボールを積層する前におけるライナーシートの吸湿剤の含有量をR1、片面段ボールを積層する前におけるコルゲートシートの吸湿剤の含有量をR2とした場合、R1が1〜20g/mであり、R1/R2が0.5〜2.0である全熱交換素子の製造方法(例えば、特許文献1)が開示されているが、高い全熱交換効率を維持するためには、改善の余地があった。また、仕切板と前記仕切板の間隔を保持する間隔板とを有し、且つ前記仕切板と前記間隔板とが水系接着剤にて接着された全熱交換素子であって、前記仕切板が水溶性吸湿剤と増粘剤とを含有し、且つ前記増粘剤が、100,000以上の重量平均分子量を有する水溶性のポリオキシエチレン、ヒドロキシエチルセルロース、及び対イオンがリチウムイオンのアニオン性ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする全熱交換素子(例えば、特許文献2)が開示されているが、高い全熱交換効率を維持するためには、改善の余地があった。
国際公開第2015/098592号パンフレット 特開2009−250585号公報
全熱交換器を構成するための全熱交換素子において、全熱交換効率に優れた全熱交換素子であり、特に、全熱交換効率の性能を初期値から低下なく維持することができる優れた全熱交換素子を提供することである。
本発明に係る課題は、下記手段によって解決することができる。
(1)ライナーとフルートを積層してなる全熱交換素子であり、該ライナーに含まれる吸湿剤量が1〜10g/mであり、全熱交換素子を作製した後におけるライナーとフルートに含まれる吸湿剤量の比率(ライナー/フルート)が0.7以上1.3未満であることを特徴とする全熱交換素子。
(2)吸湿剤が、少なくともアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩のいずれかを含有する請求項1記載の全熱交換素子。
全熱交換素子の全熱交換効率の改善には、特許文献1のように、全熱交換素子を作製する前の吸湿剤の含有量と比率ではなく、全熱交換素子を作製した後における吸湿剤の含有量と比率とが重要である。本発明の全熱交換素子は、ライナーとフルートを積層してなる全熱交換素子であり、該ライナーに含まれる吸湿剤量が1〜10g/mであり、全熱交換素子を作製した後におけるライナーとフルートに含まれる吸湿剤量の比率(ライナー/フルート)が0.7以上1.3未満であるため、全熱交換素子を一定期間使用した後におけるライナーとフルート間の吸湿剤の移動が最小限に抑制され、全熱交換素子を一定期間使用した後における吸湿剤の含有量と比率も適性範囲に保つことができ、全熱交換効率、特に湿度交換効率の初期値が低下することなく、高い値を維持することが可能な全熱交換素子を提供できる。
また、吸湿剤が、少なくともアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩のいずれかを含有することにより、高い湿度交換効率を得ることが可能となり、より優れた全熱交換効率を達成、維持することができる。
以下、本発明の全熱交換素子について詳細に説明する。
本発明のライナーとフルートに使用する基材シートについて説明する。本発明における基材シートは、天然パルプを原料として、湿式方式にて製造されるシートであることが好ましい。天然パルプとしては、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒しサルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒しサルファイトパルプ(NBSP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)等の木材パルプ繊維を単独又は複数配合して使用することが好ましい。その他として、綿、コットンリンター、麻、竹、サトウキビ、トウモロコシ、ケナフ等の植物繊維;羊毛、絹等の動物繊維;レーヨン、キュプラ、リヨセル等のセルロース再生繊維を単独又は複数配合して使用することもできる。
天然パルプ繊維は、ビーター、PFIミル、シングルディスクリファイナー(SDR)、ダブルディスクリファイナー(DDR)、また、顔料などの分散や粉砕に使用するボールミル、ダイノミル、摩砕装置、高速の回転刃により剪断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間で、剪断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕機、繊維懸濁液に少なくとも20MPaの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより、繊維に剪断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等が挙げられる。この中でも特に、リファイナーが好ましい。これら叩解、分散設備の種類、処理条件(繊維濃度、温度、圧力、回転数、リファイナーの刃の形状、リファイナーのプレート間のギャップ、処理回数)の調整により、目的の天然パルプ繊維を得ることが可能となる。
基材シートには、必要とする密度、平滑度、保湿性を得るために、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、アルミナ、有機顔料等の各種填料、接着剤、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、紙力増強剤等の各種配合剤を適宜含有することができる。
基材シートの製法としては、一般的な長網抄紙機、円網抄紙機等を用いて、天然パルプを湿式方式にてシート状に形成する方法が挙げられる。
基材シートには、必要とする密度、平滑度、透気度、強度を得るために、抄紙機に設置されたサイズプレス、ロールコーター等で、表面サイズプレスを施してもよい。表面サイズプレス液の成分としては、天然植物から精製した澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉、ポリビニルアルコール等の各種合成バインダーが適宜使用できる。
基材シートには、必要とする密度、平滑度、透気度、強度を得るために、カレンダー処理を施してもよい。カレンダー装置としては、硬質ロール同士、弾性ロール同士及び硬質ロールと弾性ロールの対の組み合わせからなる群から選ばれる1種以上の組み合わせロールを有する装置が好適に使用される。具体的には、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダー等を使用することができる。
基材シートの坪量、厚み、密度等に関しては特に制限はないが、ライナーに関しては、全熱交換効率の観点から、坪量は低く、厚みは薄く、密度は高いものが好ましい。坪量は20〜80g/mの範囲が好ましく、30〜50g/mの範囲がより好ましい。厚みは20〜80μmの範囲が好ましく、30〜50μmの範囲がより好ましい。密度は0.8〜1.1g/cmの範囲が好ましく、0.9〜1.1g/cmの範囲がより好ましい。また、フルートに関しては、加工性の観点から、ライナーと比較した場合、坪量は高く、厚みは厚く、密度は低いものが好ましい。坪量は、40〜100g/mの範囲が好ましく、50〜80g/mの範囲がより好ましい。厚みは50〜120μmの範囲が好ましく、60〜100μmの範囲がより好ましい。密度は0.6〜0.9g/cmの範囲が好ましく、0.7〜0.9g/cmの範囲がより好ましい。
基材シートには、湿度交換効率を改善、維持させる目的で、吸湿剤を含有させる。吸湿剤としては、無機酸塩、有機酸塩、無機質填料、多価アルコール、尿素類、吸湿(吸水)性高分子などがある。例えば、無機酸塩としては、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどがある。有機酸塩としては、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウムなどがある。無機質填料としては、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、タルク、クレー、ゼオライト、珪藻土、セピオライト、シリカゲル、活性炭などがある。多価アルコールとしては、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリグリセリンなどがある。尿素類としては、尿素、ヒドロキシエチル尿素などがある。吸湿(吸水)性高分子としては、ポリアスパラギン酸、ポリアクリル酸、ポリグルタミン酸、ポリリジン、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース及びそれらの塩又は架橋物、カラギーナン、ペクチン、ジェランガム、寒天、キサンタンガム、ヒアルロン酸、グアーガム、アラビアゴム、澱粉及びそれらの架橋物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、コラーゲン、アクリルニトリル系重合体ケン化物、澱粉/アクリル酸塩グラフト共重合体、酢酸ビニル/アクリル酸塩共重合体ケン化物、澱粉/アクリルニトリルグラフト共重合体、アクリル酸塩/アクリルアミド共重合体、ポリビニルアルコール/無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキサイド系、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、多糖類/アクリル酸塩グラフト自己架橋体等がある。目的とする透湿度に応じて、種類や付着量を選んで用いられる。本発明に用いる吸湿剤としては、塩化リチウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウム及び塩化マグネシウム等のアルカリ土類金属塩がより好ましい。この中でも、吸水率の高い塩化リチウム、塩化カルシウムがさらに好ましい。さらに、コスト面と湿度交換効率の観点から、塩化カルシウムが最も好ましい。
全熱交換素子のライナーに含まれる吸湿剤量は1〜10g/mであり、3〜7g/mであることがより好ましい。1g/mより少なければ、高い全熱交換効率を得ることができなくなり、10g/mより多い場合、効果は頭打ちとなるし、耐湿性が劣り、全熱交換素子の使用中に水垂れが発生し、全熱交換素子の形状が崩れたり、全熱交換器に致命的な損傷を与えたりする。全熱交換素子のライナーとフルートに含まれる吸湿剤量の比率(ライナー/フルート)は0.7以上1.3未満であり、0.7以上1.0以下の範囲がより好ましい。全熱交換素子を作製する過程で、少なからず、ライナーとフルート間での吸湿剤の移動が発生するため、その移動量を考慮した場合、この範囲となる。特に、全熱交換素子を作製する前のライナー及びフルートの含有水分率に差があった場合、全熱交換素子への加工過程において、それぞれの含有水分率が同じ値になるまで、ライナーとフルートの接触部分を介して、水分と共に吸湿剤が移動してしまう場合がある。このことを考慮し、全熱交換素子を作製する前のライナーとフルートの含有水分率を同等にして全熱交換素子を作製し、全熱交換素子作製後のライナーとフルートに含まれる吸湿剤量の比率(ライナー/フルート)が0.7以上1.3未満であった場合に、全熱交換効率の性能を初期値から低下なく維持することができる。この範囲外の場合、初期の全熱交換素子の全熱交換効率は高い値を得ることができたとしても、その値を維持することはできなくなる。
本発明の全熱交換素子を作製するための手段としては、特に制限はない。例えば、ライナーとフルートそれぞれに必要量の吸湿剤を含有させて、含有させた後のライナーとフルートの含有水分率を同等にして、全熱交換素子を作製することができる。
基材シートには、難燃性を付与する目的で、難燃剤を付着することができる。難燃剤としては、無機系難燃剤、無機リン系化合物、含窒素化合物、塩素系化合物、臭素系化合物などがある。例えば、ホウ砂とホウ酸の混合物、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、リン酸アミド、塩素化ポリオレフィン、臭化アンモニウム、非エーテル型ポリブロモ環状化合物等の水溶液若しくは水に分散可能である難燃剤が挙げられる。難燃性のレベルとしては、JIS A 1322:1966で測定される炭化長が10cm未満であることが好ましい。難燃剤の付着量としては、特に制限はなく、使用する難燃剤にもよるが、5g/m〜10g/mの範囲であることが好ましい。10g/mよりも多く付着させても良いが、効果は頭打ちとなる。
基材シートには、防カビ性を付与する目的で、防カビ剤を付着することができる。防カビ剤としては、一般的に防カビ剤として市販されているものが使用できる。が、例えば、有機窒素化合物、硫黄系化合物、有機酸エステル類、有機ヨウ素系イミダゾール化合物、ベンザゾール化合物などが挙げられる。防カビ性のレベルとしては、JIS Z 2911:2010で測定される菌糸の発育が認められない状態が好ましい。防カビ剤の付着量としては、0.5g/m〜5g/mの範囲であることが好ましい。5g/mよりも多く付着させても良いが、効果は頭打ちとなる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の「%」及び「部」は特に断りのない限り、それぞれ「質量%」及び「質量部」を表す。
(実施例1)
針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)を濃度3%で離解した後、ダブルディスクリファイナー及びデラックスファイナーを用いて十分に叩解した。その後、長網抄紙機により、坪量40g/mの全熱交換素子に用いるライナー用の基材シートを製造し、さらに、ニップコーターにて、速度60m/min、ニップ圧343kPaの条件で、吸湿剤として塩化カルシウムを1.1g/m含浸し、含有水分率が15%になるように乾燥して、全熱交換素子に用いるライナーを得た。続いて、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)を濃度3%で離解した後、ダブルディスクリファイナー及びデラックスファイナーを用いて調製し、長網抄紙機により、坪量52g/mの全熱交換素子に用いるフルート用の基材シートを製造し、さらに、ニップコーターにて、速度60m/min、ニップ圧1030kPaの条件で、吸湿剤として塩化カルシウムを1.5g/m含浸し、含有水分率が15%になるように乾燥して、全熱交換素子に用いるフルートを得た。上記のライナーとフルートを用いて、縦300mm、横300mm、高さ300mm、一段の高さ2.6mmの全熱交換素子を作製した。
(実施例2〜7)
全熱交換素子の作製前のライナーとフルートの塩化カルシウム付着量及び含有水分率を表1記載の値に調整すること以外は、実施例1と同様の方法で、全熱交換素子を得た。
(比較例1〜10)
全熱交換素子の作製前のライナーとフルートの塩化カルシウム付着量及び含有水分率を表1記載の値に調整すること以外は、実施例1と同様の方法で、全熱交換素子を得た。
実施例1〜7及び比較例1〜10の全熱交換素子について、以下に示す方法により評価を行い、評価結果を表1に示した。
[全熱交換素子の全熱交換効率の評価方法]
作製した全熱交換素子について、JIS B 8628:2003に記載の冷房条件下で、風量200m/hrにて、作製後と30日間稼動させた後の全熱交換効率を測定した。全熱交換効率としての評価基準値を60%とし、評価基準は下記のようにした。
◎:全熱交換効率が70%以上で、非常に優れている。
○:全熱交換効率が65%以上70%未満であり、優れている。
△:全熱交換効率が60%以上65%未満で使用上問題ない。
×:全熱交換効率は60%未満であり、性能未達。
[塩化カルシウム量の定量方法]
定量用のサンプリングとしては、全熱交換素子作製前のライナー及びフルートは、それぞれ製造後の巻き取りから採取した。全熱交換素子作製後のライナー及びフルートについては、ライナー及びフルートを専用のコルゲート機にて接着させたコルゲートシートを積層し、交換効率評価用の全熱交換素子として規定の寸法に裁断するときに、交換効率評価用全熱交換素子として採取されなかった余剰部分を定量用試料として使用した。このとき、全熱交換素子のライナー及びフルートは、接着剤が付着していない部分を丁寧に切り取り、定量用試料とした。それぞれ、定量用試料として約0.1gを計量し、超純水100mlに浸漬し、超音波を60分照射し、吸湿剤である塩化カルシウムを抽出した。その後、0.45μmのディスクフィルターでろ過し、ICP−AES(パーキンエルマー社製)にてカルシウムイオン含有量を求め、予め作製していた検量線に照らし合わせて、塩化カルシウムを定量した。
[含有水分率(水分率)の測定方法]
ライナー及びフルートの含有水分率測定用のサンプリングとしては、約1m分の大きさの測定用サンプルを、製造直後5分以内に巻き取りから採取し、速やかに製造直後の質量を測定し、その後、120℃で30分間乾燥したときの質量変化から、含有水分率を計算した。
Figure 2020134029
実施例1〜7と比較例1〜10との比較から、ライナーとフルートを積層してなる全熱交換素子であり、該ライナーに含まれる吸湿剤量が1〜10g/mであり、全熱交換素子を作製した後におけるライナーとフルートに含まれる吸湿剤量の比率(ライナー/フルート)が0.7以上1.3未満ある全熱交換素子(実施例1〜7)は、全熱交換効率に優れた全熱交換素子であり、全熱交換効率が作製後から低下なく維持することができる優れた全熱交換素子であることがわかる。実施例1、3、4及び6では、吸湿剤量の比率(ライナー/フルート)が0.7以上1.0以下であり、全熱交換効率が、作製後よりも30日後の方が高く、より優れた全熱交換素子であることがわかり、使用中に、吸湿剤が均一になるように、ライナー側に移動したものと推測される。
これに対し、ライナーに含まれる吸湿剤量が1g/m未満である比較例1〜5の全熱交換素子は、作製後及び30日後の両方の全熱交換効率が不足していた。また、ライナーに含まれる吸湿剤量が10g/m超えである比較例6〜10の全熱交換素子は、作製後の全熱交換効率は高かったものの、水垂れが発生し、全熱交換素子としては、使用に適さなかった。また、比較例6〜10において、吸湿剤量の比率(ライナー/フルート)が1.3以上である比較例6〜9の全熱交換素子では、全熱交換効率が、作製後よりも30日後の方が低下した。
本発明の全熱交換素子用紙は、新鮮な空気を供給すると共に、室内の汚れた空気を排出する際に、温度(顕熱)と共に湿度(潜熱)の交換を行う全熱交換器の全熱交換素子に使用される。

Claims (2)

  1. ライナーとフルートを積層してなる全熱交換素子であり、該ライナーに含まれる吸湿剤量が1〜10g/mであり、全熱交換素子を作製した後におけるライナーとフルートに含まれる吸湿剤量の比率(ライナー/フルート)が0.7以上1.3未満であることを特徴とする全熱交換素子。
  2. 吸湿剤が、少なくともアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩のいずれかを含有する請求項1記載の全熱交換素子。
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