JP2020133105A - 起伏ゲート式防波堤 - Google Patents

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Abstract

【課題】制止ロッドを倒伏させるのに必要な力を低減するストッパ装置を提供する。【解決手段】起伏ゲート式防波堤のストッパ装置30は、倒伏状態の扉体の下方に設けられ、浮力によって基端側の回動軸31aを中心に回動して起立し、倒伏する扉体が接触することによって扉体の倒伏動作を制止する制止ロッド31と、制止ロッド31に回動自在に設けられるフック33と、制止ロッド31が起立した際、フック33が掛かることによって制止ロッド31の起立状態が保持される掛け部34と、制止ロッド31を倒伏させる引張力を発生させる駆動部40と、制止ロッド31に設けられた伝達機構35とを備え、伝達機構35は、フック33に連結され、引張力が作用することによりフック33を回動させてフック33の掛かりを解除する操作部材と、フック33の掛かりが解除された後、操作部材によるフック33の回動を阻止する。【選択図】図5

Description

本願は、起伏ゲート式防波堤に関する。
津波や高潮などの対策として海中に設けられる起伏ゲート式防波堤が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1の起伏ゲート式防波堤は、起立した扉体が引き波の力によって倒伏するのを制止するストッパ装置を備えている。
上記のストッパ装置では、支持ロッド(以下、制止ロッドという。)が浮力により起立して倒伏してきた扉体と接して倒伏を制止する。制止ロッドが起立するのに伴い、先端が制止ロッドに回動自在に接続された固定ロッドの基端がガイドレールに案内されて制止ロッド側に移動する。そして、移動してきた固定ロッドの基端に固定フックが掛かる。これにより、制止ロッドがロックされ制止ロッドの倒伏が防止される。また、一端側が制止ロッドに接続されたロープをウインチによって引っ張ることにより、先ず固定フックが解除される。その後、固定ロッドの基端がガイドレールに案内されて上記とは逆方向に移動するに伴い、制止ロッドが起立状態から倒伏する。
特許第5059696号公報
ところで、上述したストッパ装置では、制止ロッドを倒伏させるのに必要な力が増大してしまうという虞があった。即ち、ステー部(固定ロッドやガイドレール)の動作抵抗が、堆積物の影響や経年劣化によって増大してしまい、そのため、制止ロッドを倒伏させるのに必要な力が増大する。
本願に開示の技術は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ストッパ装置の制止ロッドを倒伏させるのに必要な力を低減し得る起伏ゲート式防波堤を提供することにある。
本願に開示の技術は、水中に設けられ、倒伏状態から浮力によって基端側の回動軸を中心に回動し起立する扉体と、該扉体の倒伏動作を制止するストッパ装置とを備えた起伏ゲート式防波堤を対象としている。
前記ストッパ装置は、制止ロッドと、フックと、掛け部と、駆動部と、伝達機構とを備えている。前記制止ロッドは、倒伏状態の前記扉体の下方に設けられ、浮力によって基端側の回動軸を中心に回動して起立し、倒伏する前記扉体が接触することによって該扉体の倒伏動作を制止するものである。前記フックは、前記制止ロッドに回動自在に設けられている。前記掛け部は、前記制止ロッドが起立した際、前記フックが掛かることによって前記制止ロッドの起立状態が保持されるものである。前記駆動部は、前記制止ロッドを倒伏させる引張力を発生させるものである。
前記伝達機構は、前記制止ロッドに設けられている。そして、前記伝達機構は、操作部材と、阻止部とを有している。前記操作部材は、前記フックに連結され、前記駆動部の引張力が作用することにより前記フックを回動させて該フックの掛かりを解除するものである。前記阻止部は、前記フックの掛かりが解除された後、前記操作部材による前記フックの回動を阻止することによって、前記操作部材に作用した前記引張力を前記制止ロッドに作用させて該制止ロッドを倒伏させるものである。
本願の起伏ゲート式防波堤によれば、ストッパ装置の制止ロッドを倒伏させるのに必要な力を低減することができる。
図1は、実施形態に係る起伏ゲート式防波堤の概略構成を示す図である。 図2は、実施形態に係る起伏ゲート式防波堤において扉体の倒伏動作がストッパ装置によって制止された状態を示す図である。 図3は、実施形態に係るストッパ装置の倒伏状態を示す図である。 図4は、実施形態に係るストッパ装置の起立途中の状態を示す図である。 図5は、実施形態に係るストッパ装置の起立完了状態を示す図である。 図6は、実施形態に係るストッパ装置においてフックの掛かりが解除された状態を示す図である。 図7は、実施形態に係るストッパ装置の伝達機構の概略構成を示す図であり、(a)はフックが掛かっている時の状態を示し、(b)はフックの掛かりが解除された時の状態を示す。 図8は、実施形態に係るストッパ装置の倒伏完了前の状態を示す図である。 図9は、扉体の倒伏動作が制止された時の制止ロッドの先端部を拡大して示す図である。
以下、本願の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本願に開示の技術、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
本実施形態の起伏ゲート式防波堤1は、例えば津波や高潮対策として港湾に設けられるものである。図1に示すように、起伏ゲート式防波堤1(以下、単に防波堤1とも言う。)は、図示しない固定防波堤の開口部に設置される、いわゆる可動防波堤である。
図2にも示すように、防波堤1は、扉体10と、格納部20と、ストッパ装置30とを備えている。なお、図1および図2において、左側は港外であり、右側は港内であり、ストッパ装置30の一部を省略している。
扉体10は、やや扁平な略矩形体状に形成されており、基端側(図1において右側の端部)に回動軸11を有している。扉体10は、水中(海中)に設けられ、倒伏状態から浮力によって回動軸11を中心に回動し起立(浮上)する。扉体10は、起立することにより、港外から港内へ水が浸入するのを防止する。
格納部20は、倒伏状態の扉体10の下方に設けられている。格納部20は、海底に設けられており、略矩形体状に形成されている。格納部20は、扉体10が倒伏状態で格納される。倒伏状態の扉体10は、先端部12が係留機構(図示省略)によって係留されており、該係留が解除されることで起立する。扉体10は、波浪によって動揺可能に係留されている。
ストッパ装置30は、扉体10の倒伏動作を制止するものである。図2に示すように、例えば、起立した扉体10が引き波の力によって倒伏した際、ストッパ装置30が扉体10と接触して扉体10の倒伏動作を制止する。これにより、扉体10が所定の起立角度で維持され、引き波時の港内側の最低水位が確保される。
図3に示すように、ストッパ装置30は、制止ロッド31と、フック33と、掛け部34と、伝達機構35と、駆動部40とを備えている。なお、図3は扉体10の倒伏時を示す。
制止ロッド31、フック33、掛け部34および伝達機構35は、格納部20内に設けられている。つまり、制止ロッド31等は、倒伏状態の扉体10の下方に設けられている。
制止ロッド31は、自身の浮力によって基端側の回動軸31aを中心に回動して起立し、倒伏する扉体10が接触することによって扉体10の倒伏動作を制止するものである。制止ロッド31は、基端側が、格納部20内に設けられた架台32に回動自在に接続されている。
制止ロッド31は、先端部31bが、倒伏状態の扉体10の下面13と接触することによって浮力による起立動作が制止されるように構成されている。また、制止ロッド31は、扉体10が倒伏状態から起立するに伴い、自身の浮力によって起立するように構成されている。制止ロッド31は、緩衝材31dおよび転動部31eを有している。
緩衝材31dは、制止ロッド31の先端面31cに設けられており、例えば樹脂製の部材である。緩衝材31dは、倒伏する扉体10が接触することによって扉体10の倒伏動作を制止する部材である(図9参照)。こうして扉体10が緩衝材31dによって制止されるので、該制止時の衝撃が緩和される。
転動部31eは、制止ロッド31の先端部31bに設けられている。転動部31eは、制止ロッド31の外周面に取付部材31fを介して設けられており、例えばローラーである。
転動部31eは、扉体10の倒伏時において扉体10の下面13と接触する部材である。こうして、転動部31eは、倒伏状態の扉体10の下面13と接触することによって、緩衝材31dと扉体10の下面13とが接触するのを阻止すると共に制止ロッド31の浮力による起立動作が制止されるように構成されている(図3参照)。
転動部31eは、扉体10の下面13と転動自在に接触している。制止ロッド31は、扉体10の起立に伴って起立する際、転動部31eが扉体10の下面13に対して転動するように構成されている。
フック33は、制止ロッド31に回動自在に設けられている。フック33は、基端部33aを中心に回動する。
掛け部34は、制止ロッド31が起立した際、フック33が掛かる部分である。掛け部34は、架台32に設けられる例えば軸部材であり、制止ロッド31の起立動作完了の際にフック33が自動的に掛かるようになっている。フック33が掛け部34に掛かることによって、制止ロッド31の倒伏動作が防止され起立状態が保持される。
伝達機構35は、制止ロッド31に設けられ、駆動部40の引張力を制止ロッド31に伝達するものである。図7に示すように、伝達機構35は、操作部材として、第1および第2レバー36,37、トルク軸38、ターンバックル39a、2つの連結棒39b,39cを有している。操作部材は、フック33に連結され、後述する駆動部40の引張力が作用することによりフック33を回動させてフック33の掛かりを解除するものである。
第1および第2レバー36,37は、トルク軸38を介して接続されている。より詳しくは、第1レバー36は、一端に後述する駆動部40のロープ(第2ロープ51)が接続され、略中央にトルク軸38が接続されている。第2レバー37は、基端部にトルク軸38が接続され、先端部に連結棒39bが接続されている。トルク軸38は、制止ロッド31の軸心X(図9参照)の方向に対し直交する方向に延びている。第1および第2レバー36,37は、トルク軸38を中心に互いに連動して回動するように構成されている。
第1レバー36は第2ロープ51から引張力が作用することによって回動し、その第1レバー36の回動に連動して第2レバー37が回動する。つまり、第1および第2レバー36,37は、制止ロッド31に設けられ、駆動部40の引張力が作用することにより回動するレバーを構成している。
ターンバックル39aおよび2つの連結棒39b,39cは、第2レバー37とフック33との間に連結されている。具体的に、ターンバックル39aの両側には、2つの連結棒39b,39cの一端が螺合によって連結されている。連結棒39bの他端は第2レバー37の先端部に連結され、連結棒39cの他端はフック33に連結されている。
つまり、ターンバックル39aおよび2つの連結棒39b,39cは、レバー(第2レバー37)とフック33とに連結され、レバー(第2レバー37)の回動動作に伴いフック33を回動させて該フック33の掛かりを解除する連結部材を構成している。
伝達機構35は、さらに阻止部36aを有している。阻止部36aは、フック33の掛かりが解除された後、上記操作部材によるフック33の回動を阻止することによって、上記操作部材に作用した引張力を制止ロッド31に作用させて制止ロッド31を倒伏させるものである。
より詳しくは、阻止部36aは、第1レバー36(レバー)に設けられている。阻止部36aは、第1レバー36の他端(第2ロープ51が接続されている側とは反対側の端部)に設けられている。阻止部36aは、第1レバー36(レバー)が回動した際に制止ロッド31と接触することによって第1レバー36(レバー)の回動を阻止するように構成されている(図7(b)参照)。
つまり、阻止部36aは、第1レバー36の回動を阻止することにより、第2レバー37の回動およびフック33の回動を阻止するように構成されている。
駆動部40は、制止ロッド31を倒伏させる引張力を発生させるものである。駆動部40は、ロープ(第1ロープ41、第2ロープ51)と、巻上げ機42と、カウンタウエイト46と、昇降部材48とを有している。
第1ロープ41は、一端が巻上げ機42に接続されており、他端が動滑車43,45および定滑車44を介して壁部に固定されている。動滑車43,45は、上下動自在に設けられている。カウンタウエイト46は、動滑車45に設けられており、動滑車45と共に上下動する。カウンタウエイト46は、上限位置がストッパ47によって制限される。
昇降部材48には、上述した動滑車43が設けられており、動滑車43と共に上下動するように構成されている。第2ロープ51は、一端が第1レバー36(操作部材)に接続され、他端が定滑車52,53を介して昇降部材48に接続されている。駆動部40では、巻上げ機42が第1ロープ41を巻き取ることにより、第2ロープ51を介して第1レバー36(操作部材)に引張力を作用させる。つまり、巻上げ機42は、操作部材に接続された第2ロープ51(ロープ)を引っ張ることにより操作部材に引張力を作用させる。
なお、図示しないが、制止ロッド31やフック33、伝達機構35は、2組設けられている。つまり、制止ロッド31等は、扉体10の幅方向両端部に1組ずつ設けられている。昇降部材48には、2本の第2ロープ51が接続されており、それぞれ各伝達機構35に接続されている。
例えば、第1ロープ41は鋼製ロープ(ワイヤロープ)が用いられ、第2ロープ51は繊維製ロープが用いられる。
〈ストッパ装置の動作〉
先ず、制止ロッド31の起立動作について図3〜図5を参照しながら説明する。
図3に示すように、平常時、扉体10が倒伏している状態では、制止ロッド31は扉体10によって押し込められて倒伏している。つまり、制止ロッド31は、転動部31eが扉体10の下面13に接触しており、浮力による起立動作が扉体10によって阻止されている。このとき、転動部31eが扉体10の下面13に接触していることにより、緩衝材31dは扉体10の下面13に接触しない。第2ロープ51は、弛まないようにカウンタウエイト46によって張力が付与されている。なお、巻上げ機42はブレーキがかかっている。
図4に示すように、非常時は、係留機構による係留が解除されることで、扉体10が起立し始める。このとき、巻上げ機42はブレーキがかかったままである。扉体10が起立するに伴い、制止ロッド31は自身の浮力によって起立(浮上)する。つまり、制止ロッド31は扉体10に追従して起立する。その際、制止ロッド31の転動部31cは扉体10の下面13に対し転動する。つまり、制止ロッド31が倒伏状態から起立する間において、転動部31eは、緩衝材31dが扉体10の下面13に接触しないように、扉体10の下面13に接触し続ける。駆動部40では、カウンタウエイト46の重量が制止ロッド31の浮上力よりも小さいため、カウンタウエイト46が上昇する。カウンタウエイト46が上昇することにより、昇降部材48は下降する。
図5に示すように、制止ロッド31が起立完了した際、フック33が掛け部34に掛かり、制止ロッド31がロックされる。つまり、制止ロッド31の倒伏動作が阻止され起立状態が保持される。図示しないが、扉体10も起立完了状態となる(図1に破線で示す状態)。これで、制止ロッド31の起立動作が完了する。
起立完了した扉体10は、例えば津波の引き波によって倒伏する。そして、扉体10は、所定の起立角度まで倒伏すると、制止ロッド31の緩衝材31dに接触し倒伏動作が制止される(図2参照)。これにより、港内側の引き波時の最低水位が確保される。
図9に示すように、制止ロッド31によって扉体10の倒伏動作が制止された状態では、制止ロッド31の軸心Xは扉体10の下面13に対して垂直方向に延びている。制止ロッド31では、軸心X方向における転動部31eの位置は緩衝材31dの位置よりも回動軸31a側にある。そのため、扉体10の倒伏動作の制止時に、扉体10は緩衝材31dとは接触するが転動部31eとは接触しない。したがって、倒伏する扉体10と接触することに起因する転動部31eの破損等を防止することができる。
次に、制止ロッド31の倒伏動作について図6および図7を参照しながら説明する。
図7(a)に示すように、フック33が掛け部34に掛けられた状態の伝達機構35では、阻止部36aは制止ロッド31と離隔している。図6に示すように、第1ロープ41が巻上げ機42によって巻き取られる。そうすると、はじめに、カウンタウエイト46が上昇しストッパ47によって上限位置で停止する。つまり、第1ロープ41の巻き取り始めでは、巻上げ機42の引張力はカウンタウエイト46を上昇させるのに使われる。
さらに、第1ロープ41が巻上げ機42によって巻き取られると、昇降部材48が上昇する。そのため、巻上げ機42の引張力が、第2ロープ51を介して伝達機構35の第1レバー36に作用する。
図7(b)に示すように、伝達機構35では、第2ロープ51から引張力Fが第1レバー36に作用すると、第1および第2レバー36,37が共に同じ方向(図7(b)に示す実線の矢印方向)に回動する。第2レバー37が回動すると、上述した連結部材によってフック33が引っ張られて回動し、フック33の掛かりが解除される。フック33の掛かりが解除された後、第1および第2レバー36,37が引張力Fによってさらに回動すると、阻止部36aが制止ロッド31に接触する(図7(b)に示す状態)。
阻止部36aが制止ロッド31に接触することで、第1および第2レバー36,37ひいてはフック33の回動が阻止される。この状態で、さらに、第1ロープ41が巻上げ機42によって巻き取られると、第2ロープ51から第1レバー36に作用する引張力が、制止ロッド31に作用する。そうすると、制止ロッド31が倒伏される。つまり、制止ロッド31は、第2ロープ51から第1レバー36を介して作用する巻上げ機42の引張力によって倒伏する。
このように、伝達機構35では、フック33が掛け部34に掛けられた状態から阻止部36aが制止ロッド31に接触するまでは、巻上げ機42(駆動部40)の引張力はフック33に作用し制止ロッド31には作用しない。これは、フック33を回動させるのに必要な引張力が、制止ロッド31を倒伏させるのに必要な引張力よりも小さく設定されているためである。
また、伝達機構35では、阻止部36aが制止ロッド31に接触した後は、巻上げ機42(駆動部40)の引張力は制止ロッド31に作用しフック33には作用しない。つまり、巻上げ機42の引張力は、第1レバー36から直接制止ロッド31に作用し、トルク軸38、第2レバー37および連結部材(ターンバックル39aおよび連結棒39b,39c)には作用しない。そのため、第2レバー37やフック33等の部材について設計荷重が必要以上に大きくなるのを抑えることができる。
図7に示すように、駆動部40では、制止ロッド31が、一旦、平常時の倒伏位置よりも低い位置に倒伏するまで、巻上げ機42によって第1ロープ41が巻き取られる。こうして、制止ロッド31が所定位置まで倒伏すると、巻上げ機42は巻き取りを停止しブレーキがかけられる。そして、扉体10を倒伏させ、係留機構によって倒伏状態の扉体10を係留する。
扉体10の係留が完了すると、巻上げ機42は第1ロープ41を繰り出す。そうすると、制止ロッド31は、自身の浮力によって起立(浮上)し、転動部31eが扉体10の下面13に接触して停止する。駆動部40では、転動部31eが扉体10の下面13に接触するまで、巻上げ機42から第1ロープ41が繰り出され、昇降部材48が下降する。続いて、さらに巻上げ機42から第1ロープ41を繰り出して、カウンタウエイト46を所定位置まで下降させた後、巻上げ機42はブレーキがかけられる(図3に示す状態)。これで、制止ロッド31の倒伏動作および起立準備動作が完了する。
以上のように、上記実施形態の起伏ゲート式防波堤1において、ストッパ装置30は、制止ロッド31と、フック33と、掛け部34と、駆動部40と、伝達機構35とを備えている。制止ロッド31は、倒伏状態の扉体10の下方に設けられ、浮力によって基端側の回動軸31aを中心に回動して起立し、倒伏する扉体10が接触することによって扉体10の倒伏動作を制止する。フック33は、制止ロッド31に回動自在に設けられている。掛け部34は、制止ロッド31が起立した際、フック33が掛かることによって制止ロッド31の起立状態が保持される。駆動部40は、制止ロッド31を倒伏させる引張力を発生させる。
伝達機構35は、操作部材(第1および第2レバー36,37、トルク軸38、ターンバックル39a、連結棒39b,39c)と、阻止部36aとを有し、制止ロッド31に設けられている。操作部材は、フック33に連結され、駆動部40の引張力が作用することによりフック33を回動させてフック33の掛かりを解除するものである。阻止部36aは、フック33の掛かりが解除された後、操作部材によるフック33の回動を阻止することによって、操作部材に作用した引張力を制止ロッド31に作用させて制止ロッド31を倒伏させるものである。
上記の構成によれば、ストッパ装置30において、従来のようなステー部が設けられていないため、堆積物の影響等による制止ロッド31の倒伏動作抵抗の増大は生じない。また、伝達機構35に引張力を作用させることで、フック33の掛かりを解除することができ、その後、引張力を制止ロッド31に作用させて制止ロッド31を倒伏させることができる。
したがって、従来のようなステー部を設けなくても、フック33の掛かりを解除することを可能としつつ、制止ロッド31を倒伏させるのに必要な力を低減することができる。
また、上記実施形態の起伏ゲート式防波堤1において、伝達機構35の操作部材は、レバー(第1および第2レバー36,37)と、連結部材(ターンバックル39a、連結棒39b,39c)とを有している。レバーは、制止ロッド31に設けられ、駆動部40の引張力が作用することにより回動する。連結部材は、レバーとフック33とに連結され、レバーの回動動作に伴いフック33を回動させてフック33の掛かりを解除する。伝達機構35の阻止部36aは、レバー(第1レバー36)に設けられており、レバーが回動した際に制止ロッド31と接触することによってレバーの回動を阻止するように構成されている。
上記の構成によれば、レバー(第1レバー36)に設けられた阻止部36aが制止ロッド31に接触することでレバーの回動を阻止するため、簡易な構成で且つ容易にフック33の回動を阻止することができる。
また、上記の実施形態の起伏ゲート式防波堤1において、制止ロッド31は、先端部31bが、倒伏状態の扉体10の下面13と接触することによって浮力による起立動作が制止されるように構成されている。
上記の構成によれば、制止ロッド31を倒伏状態で保持するための係留機構などが不要となる。また、制止ロッド31を扉体10の起立動作に伴って起立させることができる。そのため、起立した扉体10が引き波によって倒伏するときに十分間に合うように、制止ロッド31を起立完了させることができる。
また、上記実施形態の起伏ゲート式防波堤1において、制止ロッド31は、緩衝材31dと、転動部31eとを有している。緩衝材31dは、制止ロッド31の先端面31cに設けられ、倒伏する扉体10が接触することによって扉体10の倒伏動作を制止する。転動部31eは、制止ロッド31の先端部31bに設けられ、扉体10の倒伏時において扉体10の下面13と接触することによって、緩衝材31dと扉体10の下面13とが接触するのを阻止すると共に制止ロッド31の浮力による起立動作が制止される。
上記の構成によれば、制止ロッド31の倒伏時および起立動作時において、緩衝材31dが扉体10の下面13と接触することを防止することができる。そのため、扉体10の下面13と接触ないし摺動することによる緩衝材31dの損傷を防止することができる。また、制止ロッド31の起立動作時には、転動部31eは扉体10の下面13に対して転動するため、制止ロッド31の起立動作抵抗を軽減することができる。
また、上記実施形態の起伏ゲート式防波堤1において、駆動部40は、操作部材に接続されるロープ(第2ロープ51)と、該ロープを引っ張ることにより操作部材に引張力を作用させる巻上げ機42を有する。この構成によれば、簡易な構成で、上述した作用効果を奏することができる。
なお、上記実施形態の駆動部40では、ロープ(第1ロープ41、第2ロープ51)に代えて、チェーン等を用いるようにしてもよい。
以上のように、本願に開示の技術は、起伏ゲート式防波堤について有用である。
1 起伏ゲート
10 扉体
11 回動軸
13 下面
30 ストッパ装置
31 制止ロッド
31a 回動軸
31b 先端部
31c 先端面
31d 緩衝材
31e 転動部
33 フック
34 掛け部
35 伝達機構
36 第1レバー(レバー、操作部材)
36a 阻止部
37 第2レバー(レバー、操作部材)
38 トルク軸(操作部材)
39a ターンバックル(連結部材、操作部材)
39b,39c 連結棒(連結部材、操作部材)
40 駆動部
41 第1ロープ(ロープ)
42 巻上げ機
51 第2ロープ(ロープ)

Claims (5)

  1. 水中に設けられ、倒伏状態から浮力によって基端側の回動軸を中心に回動し起立する扉体と、該扉体の倒伏動作を制止するストッパ装置とを備えた起伏ゲート式防波堤であって、
    前記ストッパ装置は、
    倒伏状態の前記扉体の下方に設けられ、浮力によって基端側の回動軸を中心に回動して起立し、倒伏する前記扉体が接触することによって該扉体の倒伏動作を制止する制止ロッドと、
    前記制止ロッドに回動自在に設けられるフックと、
    前記制止ロッドが起立した際、前記フックが掛かることによって前記制止ロッドの起立状態が保持される掛け部と、
    前記制止ロッドを倒伏させる引張力を発生させる駆動部と、
    前記制止ロッドに設けられた伝達機構とを備え、
    前記伝達機構は、
    前記フックに連結され、前記駆動部の引張力が作用することにより前記フックを回動させて該フックの掛かりを解除する操作部材と、
    前記フックの掛かりが解除された後、前記操作部材による前記フックの回動を阻止することによって、前記操作部材に作用した前記引張力を前記制止ロッドに作用させて該制止ロッドを倒伏させる阻止部とを有している
    ことを特徴とする起伏ゲート式防波堤。
  2. 請求項1に記載の起伏ゲート式防波堤において、
    前記操作部材は、前記制止ロッドに設けられ、前記駆動部の引張力が作用することにより回動するレバーと、前記レバーと前記フックとに連結され、前記レバーの回動動作に伴い前記フックを回動させて該フックの掛かりを解除する連結部材とを有し、
    前記阻止部は、前記レバーに設けられており、該レバーが回動した際に前記制止ロッドと接触することによって前記レバーの回動を阻止するように構成されている
    ことを特徴とする起伏ゲート式防波堤。
  3. 請求項1または2に記載の起伏ゲート式防波堤において、
    前記制止ロッドは、先端部が、倒伏状態の前記扉体の下面と接触することによって浮力による起立動作が制止されるように構成されている
    ことを特徴とする起伏ゲート式防波堤。
  4. 請求項3に記載の起伏ゲート式防波堤において、
    前記制止ロッドは、
    先端面に設けられ、倒伏する前記扉体が接触することによって該扉体の倒伏動作を制止する緩衝材と、
    前記先端部に設けられ、前記扉体の倒伏時において該扉体の下面と接触することによって、前記緩衝材と前記扉体の下面とが接触するのを阻止すると共に前記制止ロッドの浮力による起立動作が制止される転動部とを有している
    ことを特徴とする起伏ゲート式防波堤。
  5. 請求項1に記載の起伏ゲート式防波堤において、
    前記駆動部は、前記操作部材に接続されるロープと、該ロープを引っ張ることにより前記操作部材に前記引張力を作用させる巻上げ機とを有している
    ことを特徴とする起伏ゲート式防波堤。
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